説明

建具

【課題】 換気および除湿によって良好な室内環境が実現でき、かつ意匠性にも優れた建具を提供すること。
【解決手段】内ケース体の吸気口を介して導入された内気Aが、送風ファンで連通経路に送られ、仕切り板215位置で内気Aが第1連通経路23Bと第2連通経路23Cとに分岐し、第1連通経路23Bに送られた内気Aが排気口214Bから室外空間に排出されて換気が実施できる。第2連通経路23Cの内気Aが熱交換部216に送られ、この熱交換部216で湿気が除去されて乾燥され、乾燥された内気A’が返送経路を介して室内空間に戻され、熱交換部216で結露した結露水が排水口214Dから室外空間に排水されて除湿が実施できる。従って、室内環境を良好に維持することができる。また、仕切り板215や熱交換部216を連通経路内部に設けたので、室内外から見えず、建具の外観意匠性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関し、詳しくは、建物の外壁開口部に設けられて室内空間と室外空間とを仕切る建具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空調負荷を低減して建物の省エネルギー化を図るために、外壁や建具における高気密化および高断熱化が促進されている。
高気密化、高断熱化された建物の室内空間においては、空調装置(エアコン)等が多用されて室温が一定に保たれるものの、換気が不十分になって室内空気環境が悪化してしまう傾向があり、低風量換気装置などを用いて少量ずつ内気を排気し外気を取り入れるというような工夫がなされている。
【0003】
また、高気密化された建物の室内空間において、冬季の室内環境下では、外壁内部や建具に結露が発生しやすくなることがある。このような結露の発生を防止することを目的に考案された防露装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この防露装置は、サッシの上枠室内側側面に室内空間に露出させて設けられた多数の吸熱フィンと、上枠室外側側面に室外空間に露出させて設けられた多数の放熱フィンと、吸熱フィンの下方に設けられた結露水排出樋とを備えたものである。そして、この防露装置は、室内の吸熱フィンと室外の放熱フィンとの間で熱伝導させ、吸熱フィンに室内空間の湿気を結露させるとともに、結露水排出樋を介して結露水を室外に排出するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】実登第2513481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような従来の防露装置では、吸熱フィンが上枠の長手方向に沿って設けられている、つまり横(水平)方向に沿って多数並列して設けられているため、これらの吸熱フィン近傍で内気が滞留するのみで、特許文献1に記載されたようなサッシの室内側側面に沿って内気が循環するような現象は起こりにくく、除湿効果がさほど期待できないという問題がある。
さらに、吸熱フィンおよび放熱フィンがそれぞれ室内空間および室外空間に露出して設けられているため、サッシの外観意匠性が劣化してしまうという問題もある。また、換気機能を備えていないので、防露装置とは別に換気装置を設けなくてはならず、設置スペースやコストの問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、換気および除湿によって良好な室内環境が実現でき、かつ意匠性にも優れた建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の建具は、建物の外壁開口部に設けられて室内空間と室外空間とを仕切る建具であって、室内空間と室外空間とを連通する連通経路と、前記連通経路の室内側に設けられて当該連通経路に内気を導入する室内開口と、前記連通経路の途中位置に設けられて前記室内開口から導入された内気を室外側に送る送風手段と、前記連通経路の室外側に設けられて当該連通経路を少なくとも2つに分岐させる分岐手段と、前記分岐手段で分岐した一方の連通経路に設けられて内気を室外空間に排出する室外開口と、前記分岐手段で分岐した他方の連通経路に設けられて内気と外気との間で熱交換可能に構成された熱交換部と、前記熱交換部で熱交換された内気を室内空間に戻す返送経路と、前記熱交換部に生じた結露水を室外空間に排出する排水部とを備えたことを特徴とする。
ここで、本発明の建具としては、引違い窓や片引き窓、上げ下げ窓、嵌め殺し窓等の各種のサッシ窓であってもよく、また玄関や勝手口等の各種の出入り口であってもよい。
【0008】
以上の建具によれば、送風手段により室内開口から連通経路に取り込んだ内気を、分岐手段で室外開口側と熱交換部側とに分けることで、室外開口側に流れた内気を室外空間に排気することができる。一方、熱交換部側に流れた内気は、外気との間で熱交換されることで、湿気が除去されて乾燥されるとともに、乾燥した内気が返送経路を介して室内空間に戻される。そして、熱交換部において内気中の湿気が結露した結露水が排水部から室外空間に排出される。従って、室内空間における汚れた内気を排気して換気を実施することができるとともに、室内の過剰な湿度の上昇を抑制して外壁や建具の結露を防止することができ、室内環境を良好に維持することができる。
そして、内気は送風手段によって強制的に室外開口および熱交換部に送られるので、従来のような自然循環に期待した除湿と比較して、より確実に内気を熱交換部に供給することができ、除湿効率を向上させることができる。
さらに、送風手段や分岐手段、熱交換部が連通経路内部に設けられているので、これらの各部が室内側および室外側から見えないようにでき、建具の外観意匠性を向上させることができる。また、建具に換気機能と除湿機能とが一体に設けられているので、別個に換気装置や除湿装置を取り付ける必要がなく、省スペース化および低コスト化を促進させることができる。
【0009】
この際、本発明の建具では、前記連通経路の室外側は、室外空間に露出した建具外装体で覆われており、前記建具外装体は、金属材料からなる室内部材および室外部材と、これらの室内部材と室外部材とを連結する断熱部材とを有して形成され、前記室外開口、熱交換部および排水部は、前記建具外装体の室外部材に連続して設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、連通経路の室外側を覆う建具外装体が断熱部材を介して連結された室内部材および室外部材を有し、この室外部材に連続して室外開口、熱交換部および排水部を設けたことで、内気の熱交換による結露位置を室外部材に限定することができ、室内部材への熱伝導が抑制されることで室内部材での結露を防止することができる。
【0010】
さらに、本発明の建具では、前記建具外装体の室外部材における熱交換部には、複数の突片が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、アルミ合金等の金属材料からなる室外部材を熱橋(ヒートブリッジ)として内気と外気との熱交換を行うとともに、複数の突片によって熱交換部の表面積を増大させることで、熱交換効率(除湿性能)を向上させることができる。
【0011】
また、本発明の建具では、前記分岐手段は、前記建具外装体に断熱材を介して連結された金属製の板材から構成されていることが望ましい。
さらに、本発明の建具では、前記分岐手段は、前記建具外装体に連結された樹脂製の板材から構成されていてもよい。
これらの構成によれば、分岐手段を構成する金属製の板材または樹脂製の板材のいずれにおいても、結露の発生を防止することができる。すなわち、建具外装体の室外部材と一体かつ同じ金属材料から分岐手段を構成すると、この分岐手段への室外空間からの熱伝導によって結露が発生してしまうこととなるが、分岐手段の板材を断熱部材を介して連結する、あるいは樹脂製とすることで、熱伝導を抑制(遮断)することができる。
【0012】
また、本発明の建具では、前記室内開口および室外開口の少なくとも一方は、開閉可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、冬季においては室内開口および室外開口を開放しておいて室内空間の換気や除湿を実施する一方で、除湿が不要な季節でかつ換気が不要な場合においては、室内開口および室外開口のいずれか一方または両方を閉鎖し送風手段を停止することで、連通経路への内気の導入を停止するとともに熱交換部を介した室内空間への外気温の伝導を抑制することができ、例えば夏季における冷房負荷を低減して空調効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である縦辷り出し窓1を示す外観姿図である。図2は、縦辷り出し窓1を示す内観姿図である。図3は、縦辷り出し窓1を示す縦断面図である。図4および図5は、それぞれ縦辷り出し窓1を示す横断面図であり、図4は、図1に矢視IV−IV線で示す断面図であり、図5は、図1に矢視V−V線で示す断面図である。
【0014】
縦辷り出し窓1は、建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、上枠2、下枠3、および左右の縦枠4を四周枠組みして形成された窓枠5を備えている。窓枠5の左右の縦枠4同士の間には、上枠2および下枠3に平行に1本の無目6が架設されており、この無目6により窓枠5の内部が上下に仕切られている。窓枠5内部における無目6の下側には、開閉自在に支持された障子10が配設され、無目6の上側には、窓枠5に固定された換気ユニット20が配設されている。これらの障子10および換気ユニット20は、それぞれ室外側から窓枠5に取り付けられるようになっている。
【0015】
窓枠5の上枠2、下枠3、および縦枠4は、それぞれの室内側に配置される室内部材2A,3A,4Aと、室外側に配置される室外部材2B,3B,4Bと、これらアルミ押出形材製の室内部材2A,3A,4Aおよび室外部材2B,3B,4Bを連結する樹脂製の断熱部材2C,3C,4Cとを備えて構成されている。そして、窓枠5の上枠2、下枠3、および縦枠4は、室内部材2A,3A,4Aおよび室外部材2B,3B,4Bがそれぞれ建物躯体や額縁にビス止め固定されて開口部に取り付けられている。
また、無目6は、室内側に配置される室内部材6Aと、室外側に配置される室外部材6Bと、これらアルミ押出形材製の室内部材6Aおよび室外部材6Bを連結する断熱部材6Cとを備えて構成されている。
【0016】
障子10は、上框11、下框12、および左右の縦框13を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)14を嵌め込んで構成されている。障子10は、上框11および下框12が窓枠5の上枠2および下枠3にヒンジやリンク等を介して連結され、下枠3に設けられた操作レバー16の操作によって、鉛直軸回りに回動しながら室外側に向かって開放可能に構成されている。また、障子10の上框11、下框12、および縦框13は、それぞれアルミ押出形材製の室内部材11A,12A,13Aおよび室外部材11B,12B,13Bと、これらを連結する樹脂製の断熱部材11C,12C,13Cとを備えて構成されている。
【0017】
換気ユニット20は、建具外装体としての外ケース体21と、この外ケース体21に取り付けられた送風ファン22および通風ダクト23と、送風ファン22および通風ダクト23の室内側を覆う内ケース体24とを備えている。外ケース体21は、上辺部211、下辺部212、および左右の縦辺部213と、送風ファン22および通風ダクト23の室外側を覆う外面部214とを有して形成されている。そして、外ケース体21は、上辺部211、下辺部212、および左右の縦辺部213が上枠2、無目6、および縦枠4に固定されている。また、内ケース体24は、上枠2、無目6、および縦枠4の室内側に固定されており、内ケース体24には、室内開口としての吸気口241(図2)が形成され、室内空間の内気Aを換気ユニット20内に取り込めるようになっている。そして、吸気口241を介して室内空間に連通された通風ダクト23の内部によって、連通経路23Aの一部が形成されている。
【0018】
次に、図6〜図8も参照して換気ユニット20の詳細構造および動作について説明する。
図6は、換気ユニット20の構造および動作を示す横断面図である。図7は、換気ユニット20の構造および動作を示す縦断面図である。図8は、換気ユニット20の一部を断面して示す斜視図である。
換気ユニット20の外ケース体21の上辺部211、下辺部212、および左右の縦辺部213は、それぞれアルミ押出形材製の室内部材211A,212A,213Aおよび室外部材211B,212B,213Bと、これらを連結する樹脂製の断熱部材211C,212C,213Cとを備えて構成されている。そして、外面部214は、アルミ押出形材製であって、上辺部211、下辺部212、および左右の縦辺部213の室外部材211B,212B,213Bに係止されている。
【0019】
外面部214の室外側側面には、左右に延びて室外側に向かって下がる傾斜を有した複数のフィン(突片)214Aが形成されている。外面部214の室内側側面における高さ方向略中央位置には、連通経路23Aを上下(第1連通経路23Bと第2連通経路23Cと)に仕切る仕切り板(分岐手段)215が設けられている。この仕切り板215は、アルミ形材製の板材215Aと、この板材215Aを外面部214に連結する樹脂製の断熱部材215Bとを有して構成されている。また、仕切り板215よりも上方の外面部214には、室外開口としての複数の排気口214Bが形成され、これらの排気口214Bによって第1連通経路23Bと室外空間とが連通されている。
【0020】
排気口214Bの内側には、図8に示すように、開閉シャッター217が設けられている。この開閉シャッター217は、左右にスライド自在に外面部214に支持された板材からなり、排気口214Bに対応した開口217Aを有して形成されている。そして、室内空間から操作可能に設けられた図示しない開閉スイッチを操作することで、排気口214Bと開口217Aとが重なる開位置と、排気口214Bと開口217Aとが重ならずに排気口214Bが塞がれる閉位置との間を、開閉シャッター217が左右にスライドするようになっている。このように、排気口214Bは、開閉可能に構成され、必要に応じて閉じることで、第1連通経路23Bと室外空間との連通を遮断することができるようになっている。
【0021】
一方、仕切り板215よりも下方の外面部214の室内側側面には、室内側に向かって突出した複数のフィン(突片)214Cが形成され、これら複数のフィン214Cおよび外面部214の室内側側面によって熱交換部216が構成されている。この熱交換部216は、内気と外気との間で熱交換を行うものであって、すなわち室外空間の外気で冷やされた外面部214の側面やフィン214Cによって内気Aを冷却し、内気A中の湿気を結露させて取り除く(除湿する)ものである。また、熱交換部216の下端部における外面部214の側面には、結露した結露水を室外空間に排出する排水部としての排水口214Dが形成されている。また、図示を省略するが、換気ユニット20には、熱交換部216と室内空間とを連通する返送経路が設けられている。
【0022】
以上の換気ユニット20によれば、送風ファン22を運転することで、内ケース体24の吸気口241を介して室内空間の内気Aが通風ダクト23の連通経路23A内に導入される。そして、連通経路23Aを通って仕切り板215位置に送られた内気Aは、第1連通経路23Bと第2連通経路23Cとに分岐し、第1連通経路23Bに送られた内気Aが排気口214Bから室外空間に排出される。これにより室内空間の換気が実施される。一方、第2連通経路23Cに送られた内気Aは、熱交換部216に送られ、この熱交換部216で湿気が除去されて乾燥されるとともに、乾燥された内気A’が返送経路を介して室内空間に戻されるようになっている。そして、熱交換部216で結露した結露水は、排水口214Dを介して室外空間に排水される。これにより室内空間の除湿が実施される。
【0023】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、室内空間における汚れた内気Aを排気して換気を実施することができるとともに、内気Aの湿気を除去して乾燥した内気A’を室内空間に戻すことで室内の過剰な湿度の上昇を抑制して外壁や窓の結露を防止することができ、室内環境を良好に維持することができる。
【0024】
(2)そして、内気Aが送風ファン22によって強制的に排気口214Bおよび熱交換部216に送られるので、自然循環に期待した除湿と比較して、より確実に内気Aを熱交換部216に供給することができ、除湿効率を向上させることができる。
【0025】
(3)また、送風ファン22や通風ダクト23が内外のケース体21,24内に設けられ、仕切り板215や熱交換部216が連通経路内部に設けられているので、これらの各部が室内側および室外側から見えないようにでき、窓の外観意匠性を向上させることができる。
【0026】
(4)さらに、換気機能と除湿機能とを備えた換気ユニット20が縦辷り出し窓1に一体に設けられているので、別途換気装置や除湿装置を取り付ける必要がなく、省スペース化および低コスト化を促進させることができる。
【0027】
(5)また、外ケース体21が断熱部材211C,212C,213Cを介して連結された室内部材211A,212A,213Aおよび室外部材211B,212B,213Bを有し、この室外部材211B,212B,213Bに係止された外面部214に排気口214B、熱交換部216および排水口214Dを設けたことで、内気Aの熱交換による結露位置を断熱部材211C,212C,213Cよりも室外側に限定することができ、室内部材211A,212A,213Aへの熱伝導が抑制され、室内部材211A,212A,213Aの結露を防止することができる。
【0028】
(6)さらに、外ケース体21の室外部材211B,212Bに係止された外面部214を熱橋(ヒートブリッジ)として内気と外気との熱交換を行うとともに、複数の突片214A,214Cによって熱交換部216の表面積を増大させることで、熱交換効率(除湿性能)を向上させることができる。
【0029】
(7)また、仕切り板215のアルミ形材製の板材215Aが断熱部材215Bを介して外面部214に連結されているので、板材215Aへの室外空間からの熱伝導を抑制(遮断)することができ、この板材215Aが熱くなったり、冷却されて結露したりすることが防止できる。
【0030】
(8)また、開閉シャッター217により排気口214Bが開閉可能に構成されているので、除湿が不要な季節でかつ換気が不要な場合においては、排気口214Bを閉鎖し送風ファン22を停止することで、連通経路23Aへの内気Aの導入を停止して熱交換部216等を介した室内空間への外気温の伝導を抑制することができ、例えば夏季における冷房付加を低減して空調効率を向上させることができる。また、開閉シャッター217を閉じた状態でファン22を作動させることで、換気を実施せずに除湿のみ実施することができる。
【0031】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、縦辷り出し窓1を例示して説明したが、本発明のサッシ窓はこのような縦辷り出し窓1に限られず、開き窓や横辷り出し窓等であってもよい。つまり、縦辷り出し形式の障子10に代えて、外開き形式の障子や横辷り出し形式の障子を取り付けることで、開き窓や横辷り出し窓を構成することができる。
【0032】
また、分岐手段である仕切り板の構成としては、前記実施形態のようにアルミ形材製の板材215Aを用いたものに限らず、図9に示すように、樹脂製の板材215Cを用いて構成されたものでもよい。この板材215Cは、ビス215Dで外面部214の係止片に固定されている。このような構成によれば、樹脂製の板材215C自体の熱伝導率が小さいために、室外空間からの熱伝導を抑制(遮断)することができ、この板材215Cが熱くなったり、冷却されて結露したりすることが防止できる。
【0033】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る建具を示す外観姿図である。
【図2】前記建具を示す内観姿図である。
【図3】前記建具を示す縦断面図である。
【図4】前記建具を示す横断面図である。
【図5】前記建具を示す横断面図である。
【図6】前記建具に設けた換気装置の構造および動作を示す横断面図である。
【図7】前記換気装置の構造および動作を示す縦断面図である。
【図8】前記換気装置の一部を断面して示す斜視図である。
【図9】本発明の変形例に係る換気装置の一部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0035】
21…建具外装体である外ケース体、22…送風ファン、23A…連通経路、23B…一方の連通経路である第1連通経路、23C…他方の連通経路である第2連通経路、241…室内開口である吸気口、211A,212A,213A…室内部材、211B,212B,213B…室外部材、211C,212C,213C…断熱部材、214A,214C…突片であるフィン、214D…排水部である排水口、215…分岐手段である仕切り板、215A,215C…板材、215B…断熱部材、216…熱交換部、241…室内開口である吸気口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁開口部に設けられて室内空間と室外空間とを仕切る建具であって、
室内空間と室外空間とを連通する連通経路と、
前記連通経路の室内側に設けられて当該連通経路に内気を導入する室内開口と、
前記連通経路の途中位置に設けられて前記室内開口から導入された内気を室外側に送る送風手段と、
前記連通経路の室外側に設けられて当該連通経路を少なくとも2つに分岐させる分岐手段と、
前記分岐手段で分岐した一方の連通経路に設けられて内気を室外空間に排出する室外開口と、
前記分岐手段で分岐した他方の連通経路に設けられて内気と外気との間で熱交換可能に構成された熱交換部と、
前記熱交換部で熱交換された内気を室内空間に戻す返送経路と、
前記熱交換部に生じた結露水を室外空間に排出する排水部とを備えた建具。
【請求項2】
前記連通経路の室外側は、室外空間に露出した建具外装体で覆われており、
前記建具外装体は、金属材料からなる室内部材および室外部材と、これらの室内部材と室外部材とを連結する断熱部材とを有して形成され、
前記室外開口、熱交換部および排水部は、前記建具外装体の室外部材に連続して設けられている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記建具外装体の室外部材における熱交換部には、複数の突片が形成されている請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記分岐手段は、前記建具外装体に断熱材を介して連結された金属製の板材から構成されている請求項2または請求項3に記載の建具。
【請求項5】
前記分岐手段は、前記建具外装体に連結された樹脂製の板材から構成されている請求項2または請求項3に記載の建具。
【請求項6】
前記室内開口および室外開口の少なくとも一方は、開閉可能に構成されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−63920(P2007−63920A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253959(P2005−253959)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】