説明

建物の緑化構造

【課題】つる植物により形成されたグリーンカーテンの使い勝手を良くする。
【解決手段】一階窓部31の屋外側には複数のプランタが並べて設置させており、それらプランタに植えられたつる植物41によりグリーンカーテンが形成されている。各プランタには、上方に向けて延びる絡ませワイヤ43が接続されており、つる植物41は絡ませワイヤ43に絡み付くことで上方に向けて伸びている。プランタ及び絡ませワイヤ43はプランタ支持レール及びワイヤ支持レール51により支持されており、一階窓部31に沿って略水平方向に移動可能とされている。プランタには、隣のプランタとの最小離間距離を規制するプランタ規制部材が取り付けられており、絡ませワイヤ43には、隣の絡ませワイヤ43との最小離間距離を規制するワイヤ規制部材が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の緑化構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物の緑化を図るために建物や敷地において植物が栽培されていることがある。特に、つる植物が栽培されている場合には、そのつる植物を建物内の日除けや風除け、目隠しとして利用することができる。例えば特許文献1には、つる植物を栽培するプランタがバルコニーの手摺部付近に設置されている構成が開示されている。この構成では、手摺部につる植物が絡み付くことによりいわゆるグリーンカーテンが形成され、窓部から部屋内に差し込む太陽光をグリーンカーテンにより遮ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−138571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、つる植物を手摺部に絡み付かせることでグリーンカーテンが形成された構成では、グリーンカーテンの位置や形状がつる植物の成長に伴って徐々に変化することはあっても、グリーンカーテンにより太陽光や風を遮蔽できる態様を適宜変更することは困難である。したがって、例えば日中において日射方向や風向きが変わることを考えると、つる植物を建物内の日除けや風除け、目隠しなどに利用する構成に関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は、つる植物により形成されたグリーンカーテンの使い勝手を良くすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明の建物の緑化構造は、プランタに植えられたつる植物が、前記プランタの上方に延びる絡ませ部材に絡ませた状態で建物開口部の外側に配置される建物の緑化構造であって、前記建物開口部の外側において複数の前記プランタが並べて設置されるプランタ設置部に設けられ、前記プランタを前記絡ませ部材と共に前記プランタ設置部における所定の移動方向に移動可能とする第1移動案内手段と、前記建物開口部よりも高い位置に設けられ、複数の前記プランタごとの各絡ませ部材を吊り下げ支持するとともに前記プランタの前記所定の移動方向と同じ方向に移動可能とする第2移動案内手段と、を備え、各プランタ及び各絡ませ部材が、前記第1移動案内手段及び前記第2移動案内手段により移動することで互いの間隔を変更可能であることを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、複数のプランタを並べることでいわゆるグリーンカーテンが作られた構成において、つる植物が絡んでいる絡ませ部材が移動可能になっているため、日中において日射方向や風向きに合わせてつる植物の位置を適宜変更することができる。特に、隣り合うプランタ間の離間距離が変更可能であるため、つる植物同士を近付けること及び遠ざけることが可能となる。ここで、つる植物同士が近付いた状態となるようにプランタが配置されている場合には、グリーンカーテンは全体の幅が小さく各プランタのつる植物が互いに密な配置となるため、グリーンカーテンが有する日除けや風除け、目隠しなどの性能を高めることができる。一方、つる植物同士が遠ざかった状態となるようにプランタが配置されている場合には、グリーンカーテンは全体の幅が大きく各プランタのつる植物が互いに粗な配置となるため、グリーンカーテンによりある程度の日除け、風除け、目隠し等を行わせつつも(換言すれば、太陽光や風の取り込みを適度に行わせつつも)、それら日除け、風除け、目隠し等の実施範囲を広げることが可能となる。以上により、つる植物により形成されたグリーンカーテンの使い勝手を良くすることができる。
【0008】
第2の発明では、隣り合う前記プランタの間には、それらプランタ間の離間距離を縮める場合にその最小離間距離を規制する距離規制部材が設けられている。
【0009】
プランタ及び絡ませ部材について互いの離間距離が変更される場合、隣り合う絡ませ部材の離間距離が比較的小さい状態、すなわち絡ませ部材同士が互いに近付いた状態になると、一の絡ませ部材に絡み付いたつる植物が隣の絡ませ部材や隣のつる植物に絡み付くことが考えられる。そして、プランタが異なる各絡ませ部材で同一のつる植物が絡み付いた場合や、隣り合うつる植物同士が絡み合た場合は、プランタ同士の離間距離を広げること(例えばグリーンカーテンを通じて太陽光や風を取り込むこと)が困難になってしまう。
【0010】
この点、第2の発明によれば、隣り合うプランタの最小離間距離が距離規制部材により規制されるため、つる植物が隣の絡ませ部材や隣のつる植物に絡み付くことを抑制できる。したがって、グリーンカーテンを各プランタのつる植物が互いに粗な状態に移行させることがつる植物の絡み付きにより実行でないということを回避できる。
【0011】
第3の発明では、前記距離規制部材は、隣り合う前記プランタの間に存在せず且つ前記最小離間距離を規制しない非規制位置に変位可能である。
【0012】
プランタ間の離間距離を最小離間距離で規制した状態では、例えば台風などの強風時に絡ませ部材やつる植物が風に煽られて飛ばされることが懸念される。この点、第3の発明によれば、離間距離の規制が解除可能とされているため、強風時以外はつる植物が隣の絡ませ部材や隣のつる植物に絡み付くことを抑制できる構成において、強風時には隣り合う絡ませ部材同士を極力近付けることができる。これにより、絡ませ部材やつる植物を紐等で縛ることにより風に飛ばされにくい状態とすることができる。なお、つる植物をひとまとめにすることは、一時的であればつる植物同士を引き離すことを考えた上で問題ない。
【0013】
第4の発明では、隣り合う前記プランタに設けられた各絡ませ部材の間には、前記所定の移動方向と交差する方向に板面が延びるようにして板状部材が設けられている。
【0014】
第4の発明によれば、つる植物は板状部材に絡み付きにくいため、隣り合うプランタ同士が近付き過ぎても、つる植物が隣の絡ませ部材や隣のつる植物に絡み付くことを板状部材により阻止できる。したがって、グリーンカーテンを各プランタのつる植物が互いに粗な状態に移行させることがつる植物の絡み付きにより実行できないということを回避できる。
【0015】
第5の発明では、前記建物開口部の屋外側に屋外床部が設けられ、該屋外床部の下方空間に前記プランタが配置されており、前記屋外床部には、前記プランタの出し入れが可能な床開口部が設けられ、該床開口部には蓋体が開閉可能に取り付けられており、前記蓋体には、前記絡ませ部材及び該絡ませ部材に絡み付いた前記つる植物を上方に取り出し可能な床貫通孔が設けられ、該床貫通孔は、前記プランタの移動方向に沿って延びる長孔とされている。
【0016】
第5の発明によれば、プランタが屋外床部の下方空間に収納されているため、つる植物が地面から生えているような自然な雰囲気を屋外床部においてつくり出すことができる。しかも、床貫通孔が栽培ユニットの移動方向に沿って延びているため、自然な雰囲気のままつる植物をブラインドカーテンのようにスライド移動させることができる。加えて、屋外床部の床開口部を通じてプランタの出し入れが可能となるため、屋外床部の下方空間へのプランタの設置作業やつる植物への水やり作業を容易に行うことができる。
【0017】
第6の発明では、前記絡ませ部材には、前記屋外床部の下方空間において前記絡ませ部材の周囲を前記つる植物ごと覆う筒状部材が取り付けられている。
【0018】
第6の発明によれば、つる植物が屋外床部の下方空間にて伸びることを筒状部材により抑制できる。このため、例えば屋外床部を支持する脚部につる植物が絡み付いてプランタ及び絡ませ部材を移動させることができないという不都合を抑制できる。これは、住人等がつる植物の絡み付きをほぐす作業を屋外床部の下方空間にて行う必要がないという点で特に効果的である。
【0019】
第7の発明では、前記プランタ及び前記絡ませ部材の少なくとも一方には、それらプランタ及び絡ませ部材を移動させるための持ち手部材が取り付けられている。
【0020】
第7の発明によれば、つる植物を移動させる作業、すなわちグリーンカーテンの幅を変える作業を持ち手部材により容易に行うことができる。これにより、グリーンカーテンの態様を変更する際の操作性を高めることができる。
【0021】
第8の発明では、前記絡ませ部材が、下端部が前記プランタに連結され、上端部が前記第2移動案内手段に移動可能に支持された棒材により構成されている。
【0022】
第8の発明によれば、絡ませ部材が棒材により構成されているため、作業者は絡ませ部材を持つことによりつる植物を容易に移動させることができる。これにより、グリーンカーテンの態様を変更する際の操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】一階窓部周辺の建物の外観を示す斜視図。
【図2】一階窓部周辺の建物の構成を示す概略断面図。
【図3】ワイヤ規制部材及びプランタ規制部材の構成を説明するための図。
【図4】板状部材の構成を説明するための別の例の図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明を二階建ての建物として具体化している。図1は一階窓部31周辺の建物10の外観を示す斜視図、図2は一階窓部31周辺の建物10の構成を示す概略断面図である。
【0025】
図1、図2に示すように、建物10は、基礎11の上に設置された建物本体12を有している。建物本体12は、下階部としての一階部分12aと、上階部としての二階部分12bとを有しており、一階部分12a及び二階部分12bは上下に隣り合っている。一階部分12aには一階居室15が設けられ、二階部分12bには二階居室16が設けられている。それら居室15,16はそれぞれリビングや寝室、キッチンなどとされており、屋内空間に相当する。
【0026】
二階部分12bにはバルコニー21が設けられており、バルコニー21は、建物本体12から屋外側に向けて張り出した張出部により形成されている。バルコニー21は、床面を形成するバルコニー床部22と、バルコニー床部22の周縁部に沿って延びるバルコニー手摺部23とを有している。建物本体12の外壁25には、二階居室16とバルコニー21とを連通する二階窓部26が設けられている。二階窓部26は掃き出し窓とされており、二階居室16とバルコニー21との行き来を可能としている。
【0027】
建物本体12の外壁25には、一階居室15と屋外空間とを連通する一階窓部31が設けられている。一階窓部31は掃き出し窓とされており、一階居室15と屋外空間との行き来を可能としている。なお、一階窓部31が建物開口部に相当する。
【0028】
一階窓部31の屋外側には、外壁25から屋外側に向けて延びる屋外床部33が設けられている。屋外床部33はバルコニー21の下方に配置されており、バルコニー21のバルコニー床部22が屋外床部33や一階窓部31にとっての庇となっている。屋外床部33は縁側やウッドデッキとされており、その床面は一階居室15の床面とほぼ同じ高さとされている。屋外床部33は地上面GLから上方に離間した位置に配置されており、床脚部34により下方から支持されている。床脚部34は屋外床部33の周縁部に沿って延びるように配置されており、屋外床部33と地上面GLとの間の空間が見えないようにするための目隠しとなっている。
【0029】
一階窓部31の屋外側には、植物栽培用のプランタ42が一階窓部31に沿って横並びに複数設置されており、各プランタ42にはつる植物41がそれぞれ植えられている。つる植物41としては、例えばアサガオやゴーヤ等、夏の日差しを遮るのに好適な一年草が用いられる。ただし、一年草に代えて多年草を用いることも可能である。各プランタ42には、プランタ42から上方に向けて延びる絡ませ部材としての絡ませワイヤ43がそれぞれ接続されており、各プランタ42に植えられたそれぞれのつる植物41は絡ませワイヤ43に絡み付くことで上方に向けて伸びるように成長する。
【0030】
ここでは、プランタ42とそのプランタ42に接続された絡ませワイヤ43とにより、つる植物41を栽培するための栽培ユニット45が構成され、栽培ユニット45が横並びに複数設けられていることとする。各栽培ユニット45において、つる植物41が絡ませワイヤ43にそれぞれ絡み付くことにより、一階窓部31の屋外側においていわゆるグリーンカーテン(つる植物カーテン)が形成されることになる。
【0031】
栽培ユニット45において、絡ませワイヤ43は、一階部分12aの階高とほぼ同じ長さ寸法を有しており、一階窓部31の屋外側においてバルコニー床部22と屋外床部33とに架け渡された状態で配置されている。絡ませワイヤ43の表面には凹凸又は水平方向に延びる凸状部が形成されており、つる植物41が絡ませワイヤ43に絡み付きやすくなっている。プランタ42は、陶磁器や合成樹脂材料により形成された平面略円形状の植木鉢であり、上端の開放部の直径が底部よりも大きくされている。絡ませワイヤ43はプランタ42の底部の略中央に固定されており、プランタ42の開放部を通じて上方に向けて延びている。プランタ42内には絡ませワイヤ43の周囲を埋めるように養土が充填されており、つる植物41は絡ませワイヤ43の周辺に植えられている。
【0032】
各栽培ユニット45は、それら栽培ユニット45の並び方向に移動可能とされている。具体的には、栽培ユニット45において、絡ませワイヤ43はワイヤ支持レール51により上方のバルコニー床部22から吊り下げ支持されており、絡ませワイヤ43の上端部はワイヤ支持レール51に沿ってスライド移動することが可能となっている。プランタ42はプランタ支持レール52により下方から支持されており、プランタ支持レール52に沿って絡ませワイヤ43と同じ方向にスライド移動することが可能となっている。なお、プランタ支持レール52はプランタ42の移動を案内する第1移動案内手段に相当し、ワイヤ支持レール51は絡ませワイヤ43の移動を案内する第2移動案内手段に相当する。
【0033】
ワイヤ支持レール51は、バルコニー床部22の下面に設けられており、そのバルコニー床部22の先端部(外壁25とは反対側の端部)に沿って延びている。絡ませワイヤ43の上端部は、ワイヤ支持レール51に係合する係合部55とされており、係合部55はワイヤ支持レール51に沿って移動する。この場合、絡ませワイヤ43はバルコニー床部22から吊り下げられた状態とされ、その状態で、絡ませワイヤ43が延びる方向と交差する方向に移動することになる。
【0034】
各絡ませワイヤ43の上端部(係合部55)には、人が持つための持ち手部材としての操作棒56がそれぞれ接続されている。操作棒56は上下方向に延びるように上端が係合部55に接続され、下端が人の手が届く位置にある。この場合、住人等は操作棒56を操って絡ませワイヤ43の上端部を移動させることができる。このため、つる植物41をかき分けて絡ませワイヤ43を持たなくても、絡ませワイヤ43を移動させる作業を容易に行うことができる。
【0035】
プランタ支持レール52は、屋外床部33の下方空間において地上面GLの上に設置されており、屋外床部33の先端部(外壁25とは反対側の端部)に沿ってワイヤ支持レール51と平行に延びている。プランタ42はプランタ支持レール52の上に載置されており、その状態で、絡ませワイヤ43と同じ方向に移動する。したがって、絡ませワイヤ43が住人等により外力が加えられることで移動した場合、プランタ42はさらにその絡ませワイヤ43に引っ張られた状態で移動することになる。なお、屋外床部33の下方空間がプランタ設置部に相当する。
【0036】
屋外床部33には、栽培ユニット45の絡ませワイヤ43を屋外床部33の上方に取り出すためのワイヤ取出口61が設けられている。ワイヤ取出口61は、屋外床部33を上下方向に貫通する床貫通孔であり、プランタ支持レール52の上方においてそのプランタ支持レール52に沿って延びている。このため、絡ませワイヤ43が屋外床部33を上下に貫通している構成であっても、その絡ませワイヤ43をプランタ42ごと移動させることができる。
【0037】
ワイヤ取出口61には、そのワイヤ取出口61においてつる植物41ごと絡ませワイヤ43の周囲を覆う筒状部材62が挿通されている。筒状部材62は合成樹脂材料や金属材料により形成されており、プランタ42内の養土表面からワイヤ取出口61を通じて屋外床部33よりも所定高さ(例えば10cm)だけ上方に突出している。これにより、プランタ42が屋外床部33の下方に配置されている構成において、つる植物41が屋外床部33の下方空間にて例えば屋外床部33の床脚部34に絡み付くことを防止できる。
【0038】
屋外床部33においては、プランタ支持レール52の上方に床開口部64が設けられている。床開口部64には、床面を形成する床板片65が着脱可能に取り付けられており、床板片65は取り付けられた状態で床開口部64を閉鎖している。床開口部64はプランタ42の出し入れが可能な大きさ及び形状とされている。また、ワイヤ取出口61は床板片65に形成されている。したがって、床板片65を取り外すことで住人等は屋外床部33の上側に居ながらにして床開口部64を通じてプランタ42をプランタ支持レール52の上に載置することができる。なお、床板片65が蓋体に相当する。
【0039】
各栽培ユニット45が移動可能な構成では、隣り合うプランタ42及び絡ませワイヤ43の間隔をつる植物41ごと可変とすることができる。このため、各栽培ユニット45及びつる植物41により形成されるグリーンカーテンを、一階窓部31の中央屋外側に配置することや端部屋外側に配置することが可能となる。さらに、隣り合う栽培ユニット45を互いに近づけたり遠ざけたりすることで、グリーンカーテン全体の幅を変更することができる。これは、グリーンカーテンの透け具合(つる植物41の粗密の状態)を変更することにもなる。
【0040】
ここで、栽培ユニット45同士を近づけた状態のままだと、つる植物41が隣の絡ませワイヤ43や隣のつる植物41に絡み付き、栽培ユニット45を遠ざけた状態に戻すことができなくなってしまうと懸念される。
【0041】
これに対して、本実施形態では、栽培ユニット45同士を近付ける場合に、それら栽培ユニット45の最小離間距離が規制部材67,68により規制されるようにした。これにより、隣り合う栽培ユニット45について、つる植物41が隣の絡ませワイヤ43や隣のつる植物41に絡まない程度の離間距離が確保され、つる植物41の絡み付きにより栽培ユニット45同士を遠ざけることができないということを抑制できる。
【0042】
ここでは、規制部材67,68について図3を参照しつつ説明する。図3は規制部材67,68の構成を説明するための図である。なお、図3は建物10における栽培ユニット45周辺を屋外側から見た図である。また、図3においては、(a)に栽培ユニット45の最小離間距離が規制されている場合の図を示し、(b)に栽培ユニット45の最小離間距離が規制されていない場合の図を示している。
【0043】
図3に示すように、絡ませワイヤ43の係合部55には、隣り合う絡ませワイヤ43同士の離間距離が縮まる場合にその最小離間距離を規制するワイヤ規制部材67が設けられている。ワイヤ規制部材67は、係合部55から側方に向けて突出した突出部であり、隣の栽培ユニット45の係合部55又はワイヤ規制部材67と当接することで、絡ませワイヤ43の上端同士の最小離間距離が所定の距離より小さくなることを規制する。ここでの所定の距離は、つる植物41が隣の絡ませワイヤ43又は隣のつる植物41に絡み付くことができない大きさ(例えば20cm)とされている。
【0044】
プランタ42には、隣り合うプランタ42同士の離間距離が縮まる場合にその最小離間距離を規制するプランタ規制部材68が設けられている。プランタ規制部材68は、プランタ42から側方に向けて突出した突出部であり、隣の栽培ユニット45のプランタ42又はプランタ規制部材68と当接することで、プランタ42同士の最小離間距離が所定の距離より小さくなることを規制する。ここでの所定の距離は、ワイヤ規制部材67についてと同様に、つる植物41が隣の絡ませワイヤ43又は隣のつる植物41に絡み付くことができない大きさ(例えば20cm)とされている。なお、プランタ規制部材68は、距離規制部材に相当する。
【0045】
ワイヤ規制部材67は、プランタ42ごとの各絡ませワイヤ43を挟んだ位置にそれぞれ設けられている。また、絡ませワイヤ43は中心線を中心に回転可能な状態でワイヤ支持レール51に係合されており、絡ませワイヤ43が回転することでワイヤ規制部材67は絡ませワイヤ43の周方向に沿って移動する。したがって、ワイヤ規制部材67が隣の絡ませワイヤ43との間に挟まれない位置(非規制位置)に移動すると、隣り合う絡ませワイヤ43の最小離間距離がワイヤ規制部材67では規制されない状態となる。なお、絡ませワイヤ43は、例えばストッパにより回転が阻止されており、住人等がストッパによる回転阻止を解除することで、ワイヤ規制部材67が非規制位置に移行可能となる。
【0046】
同様に、プランタ規制部材68は、プランタ42おいて上下方向に延びる中心を挟んだ位置にそれぞれ設けられており、それらプランタ規制部材68はプランタ42の周面において離間している。また、プランタ42は中心線を中心に回転可能な状態でプランタ支持レール52に設置されており、プランタ42が回転することでプランタ規制部材68はプランタ42の周方向に沿って移動する。したがって、プランタ規制部材68が隣のプランタ42との間に挟まれない位置(非規制位置)に移動すると、隣り合うプランタ42の最小離間距離がプランタ規制部材68では規制されない状態となる。なお、プランタ42は、例えばストッパにより回転が阻止されており、住人等がストッパによる回転阻止を解除することで、プランタ規制部材68が非規制位置に移行可能となる。
【0047】
プランタ規制部材68は、プランタ42の下端に配置されている。ここで、プランタ42は上端の直径が底部よりも大きくされているため、絡ませワイヤ43とともにプランタ42が移動する際に、プランタ規制部材68がプランタ支持レール52に当接することにより、プランタ42が移動方向に向けて倒れることを防止できる。
【0048】
図1に示すように、各栽培ユニット45が一階窓部31の屋外側全体に拡がるように配置されている場合、すなわち栽培ユニット45同士が遠ざけて配置されている場合、グリーンカーテンとしては全体の幅が大きく各プランタ42のつる植物が互いに粗な状態となっている。この場合、一階居室15や屋外床部33に対して、グリーンカーテンにおいてつる植物41の隙間を通じて太陽光や風を適度に取り込むことや、屋内側にいる住人等に視覚的な開放感を与えることができる。
【0049】
図3(a)に示すように、各栽培ユニット45間の離間距離が規制部材67,68により規制された状態で、それら栽培ユニット45同士が近付けて配置されている場合、グリーンカーテンとしては全体の幅が小さく各プランタ42のつる植物が互いに密な状態となっている。この場合、グリーンカーテンについて、一階居室15や屋外床部33を対象とした日除けや風除け、目隠しなどの性能が高められている。しかも、仮にこの状態でしばらくの間(例えば数日間)放置されたとしても、規制部材67,68により栽培ユニット45(プランタ42)同士の最小離間距離が確保されているため、つる植物41が隣の絡ませワイヤ43や隣のつる植物41に絡み付きにくくなっている。つまり、栽培ユニット45を遠ざける方向に移動させることができなくなってしまうという不都合が生じにくくなっている。
【0050】
図3(b)に示すように、各栽培ユニット45間の離間距離が規制部材67,68により規制されていない状態で、それら栽培ユニット45がひとまとめに配置されている場合、複数の絡ませワイヤ43をつる植物41ごと紐等で縛ることが可能となる。これにより、例えば台風などの強風時において、絡ませワイヤ43やつる植物41が風に煽られにくくすることができる。
【0051】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0052】
複数のプランタ42を並べることでいわゆるグリーンカーテンが作られた構成において、つる植物41が絡んでいる絡ませワイヤ43が一階窓部31に沿って略水平方向に移動可能となっているため、日中において日射方向や風向きに合わせてつる植物41の位置を適宜変更することができる。特に、隣り合う栽培ユニット45間の離間距離が変更可能であるため、つる植物41同士を近付けること及び遠ざけることが可能となる。
【0053】
ここで、つる植物41同士が近付いた状態となるようにプランタ42が配置されている場合には、グリーンカーテンは全体の幅が小さく各プランタ42のつる植物41が互いに密な配置となるため、グリーンカーテンが有する日除けや風除け、目隠しなどの性能を高めることができる。一方、つる植物41同士が遠ざかった状態となるようにプランタ42が配置されている場合には、グリーンカーテンは全体の幅が大きく各プランタ42のつる植物41が互いに密な配置となるため、グリーンカーテンによりある程度の日除け、風除け、目隠し等を行わせつつも(太陽光や風の取り込みを適度に行わせつつも)、それら日除け、風除け、目隠し等の実施範囲を広げることが可能となる。
【0054】
以上により、つる植物41により形成されたグリーンカーテンの使い勝手を良くすることができる。
【0055】
プランタ42がプランタ支持レール52に沿って移動可能とされているため、例えばプランタ42を持ち上げて移動させるという必要がなく、プランタ42に付着した養土等により手が汚れるということもない。したがって、プランタ42をつる植物41ごと移動させることでグリーンカーテンの状態が変更されるという構成において、グリーンカーテンの状態を変更する作業の容易化を図ることができる。
【0056】
隣り合うプランタ42同士の近付き過ぎがプランタ規制部材68により規制されるため、つる植物41が隣の絡ませワイヤ43や隣のつる植物41に絡み付くことを抑制できる。したがって、仮にグリーンカーテンを各栽培ユニット45のつる植物41が互いに密な状態で放置したとしても、グリーンカーテンを各栽培ユニット45のつる植物41が互いに粗な状態に移行させることがつる植物41の絡み付きにより実行できないということを回避できる。
【0057】
加えて、隣り合う絡ませワイヤ43同士の近付き過ぎがワイヤ規制部材67により規制されるため、隣り合う栽培ユニット45同士が近付き過ぎることを抑制できる。これにより、つる植物41の絡み付きにより栽培ユニット45同士を遠ざかる方向に移動させることができないということを回避できる。
【0058】
プランタ規制部材68が非規制状態に移行可能であるため、隣り合うプランタ42を極力近付けた状態とすることができる。この場合、各絡ませワイヤ43をつる植物41ごと紐等でひとまとめに縛ることにより、例えば大風などの強風時において、それら絡ませワイヤ43やつる植物41が風に煽られて飛ばされるということを抑制できる。同様に、ワイヤ規制部材67も非規制状態に移行可能であるため、隣り合う絡ませワイヤ43を極力近付けた状態とすることができる。これにより、各絡ませワイヤ43をつる植物41ごとひとまとめにすることがより一層容易となる。なお、つる植物41をひとまとめにすることは、一時的であればつる植物41同士を引き離すことを考えた上で問題ない。
【0059】
ワイヤ規制部材67及びプランタ規制部材68は、それぞれ絡ませワイヤ43の上端部(係合部55)及びプランタ42というつる植物41絡み付きにくい位置に取り付けられているため、つる植物41が規制部材67,68を足掛かりとして隣の栽培ユニット45に絡み付くということを抑制できる。
【0060】
プランタ規制部材68がプランタ支持レール52に当接することでプランタ42の転倒が防止される。この場合、転倒防止用の専用部材をプランタ42やプランタ支持レール52に取り付ける必要がないため、プランタ42の転倒防止を実現できる構成の簡易化を図ることができる。
【0061】
プランタ42が屋外床部33の下方に収納されているため、屋外床部33においてはつる植物41があたかも地上面GLから生えているかのような自然な雰囲気をつくり出すことができる。しかも、ワイヤ取出口61が栽培ユニット45の移動方向に沿って延びているため、自然な雰囲気を保ちつつつる植物41をブラインドカーテンのように移動させることができる。
【0062】
屋外床部33の下方空間において絡ませワイヤ43の周囲がつる植物41ごと筒状部材62により覆われているため、つる植物41が屋外床部33の下方にて伸びることを抑制できる。このため、例えば床脚部34など屋外床部33の下方にある部材につる植物41が絡み付いて、栽培ユニット45を移動させることができないという不都合を抑制できる。これは、住人等がつる植物41の絡み付きをほぐす作業を屋外床部33の下方にて行う必要がないという点で特に効果的である。
【0063】
絡ませワイヤ43の上端部に操作棒56が接続されているため、住人等は操作棒56の操作量の分だけ絡ませワイヤ43の上端部を移動させることができる。したがって、絡ませワイヤ43を意図した分だけ移動させることが容易となる。これに対して、住人等が絡ませワイヤ43の中間部分を持って移動させようとした場合は、住人等の操作量に比べて絡ませワイヤ43の上端部の移動量が小さくなってしまい、絡ませワイヤ43を意図した分だけ移動させることが困難になってしまう。
【0064】
屋外床部33において、プランタ42の出し入れが可能な床開口部64が床板片65により塞がれているため、住人等はプランタ42の上方において屋外床部33の上を使用することができる。したがって、屋外床部33の下方にプランタ42が設置された構成において、屋外床部33の使い勝手が悪くなることを抑制できる。
【0065】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0066】
(1)隣り合う絡ませワイヤ43の間には、つる植物41が隣の絡ませワイヤ43や隣のつる植物41に絡み付くことを防止する板状部材71が設けられていてもよい。例えば、図4に示すように、板状部材71がワイヤ支持レール51及びプランタ支持レール52により移動可能に支持されている構成とする。図4は板状部材71の構成を説明するための図であり、図4においては、(a)に一階窓部31周辺の外観を示す正面図を示し、(b)にプランタ42と板状部材71との位置関係を示す平面を示す。
【0067】
板状部材71は合成樹脂材料により長尺板状に形成されており、隣り合う栽培ユニット45の間に上下方向に延びた状態で配置されている。板状部材71の上端部71aは、隣り合う絡ませワイヤ43の間に配置され、ワイヤ支持レール51に対してスライド移動可能に取り付けられている。また、板状部材71の下端部71bは、隣り合うプランタ42の間に配置され、プランタ支持レール52に対してスライド移動可能に取り付けられている。この場合、板状部材71は、その板状部材71の移動方向とは交差する方向に延びており、その状態のままワイヤ支持レール51及びプランタ支持レール52に沿って移動する。
【0068】
板状部材71の幅寸法は、つる植物41の巻き付きや絡み付きが生じにくい大きさとされている。したがって、各栽培ユニット45のつる植物41が互いに密な状態とされても、つる植物41が隣の絡ませワイヤ43や隣のつる植物41に絡み付くことを板状部材71により阻止できる。したがって、栽培ユニット45間の最小離間距離が規制部材67,68により規制されていなくても、つる植物41の絡み付きにより栽培ユニット45同士を遠ざけることができないという不都合を回避できる。
【0069】
(2)上記実施形態では、栽培ユニット45が建物開口部としての一階窓部31に沿って移動する構成としたが、栽培ユニット45は一階窓部31に対して近付く又は遠ざかる方向に移動してもよい。例えば、ワイヤ支持レール51及びプランタ支持レール52が外壁25と略直交する方向に延びるように配置されている構成とする。
【0070】
(3)プランタ42は、屋外床部33の上方に設置されていてもよい。例えば、プランタ支持レール52が屋外床部33の上に載置された構成とする。
【0071】
(4)栽培ユニット45は、二階部分12bにおいて二階窓部26の屋外側に設置されていてもよい。例えば、栽培ユニット45がバルコニー21に設置された構成とする。この構成では、屋根の軒先部の下方にバルコニー21が配置されており、ワイヤ支持レール51が軒先部の下面に取り付けられ、プランタ支持レール52が屋外床部としてのバルコニー床部22の上側に配置されている。プランタ支持レール52はバルコニー手摺部23に取り付けられており、プランタ42はバルコニー手摺部23に沿って移動する。この場合、プランタ支持レール52は、バルコニー手摺部23の上に載置されていてもよく、バルコニー手摺部23の側方に配置されていてもよい。なお、この場合、バルコニー21がプランタ設置部に相当する。
【0072】
(5)絡ませ部材としては、金属材料により形成された絡ませワイヤ43の他に、紐や合成樹脂材料により線状に形成された部材や、金属材料や合成樹脂材料により形成された棒状部材、長尺状に形成された網状部材などが挙げられる。特に、絡ませ部材が棒材(すなわち、変形しにくく、比較的硬い長尺材)により形成されている場合には、作業者は絡ませ部材を持ってその絡ませ部材やプランタ42を移動させることが容易となる。つまり、グリーンカーテンの態様を変更する際の操作性を高めることができる。
【0073】
また、絡ませ部材は、プランタ42の底部に接続されているのではなく、プランタ42の外周部に接続されていてもよい。この場合でも、絡ませ部材がプランタ42から上方に延びる構成を実現できる。
【0074】
(6)第2移動案内手段としてのワイヤ支持レール51は、バルコニー床部22ではなく外壁25の屋外面に対して取り付けられていてもよい。このように、ワイヤ支持レール51は一階窓部31等の建物開口部よりも上方に配置されていることが好ましい。
【0075】
(7)ワイヤ規制部材67は絡ませワイヤ43に対して着脱可能に取り付けられていてもよい。この場合、ワイヤ規制部材67が取り付けられた状態が、絡ませワイヤ43同士の最小離間距離を規制する規制状態に相当し、ワイヤ規制部材67が取り外された状態が非規制状態に相当する。同様に、プランタ規制部材68はプランタ42に対して着脱可能に取り付けられていてもよい。この場合、プランタ規制部材68が取り付けられた状態が、プランタ42同士の最小離間距離を規制する規制状態に相当し、プランタ規制部材68が取り外された状態が非規制状態に相当する。
【0076】
(8)規制手段としてのプランタ規制部材68及びワイヤ規制部材67は、プランタ42及び絡ませワイヤ43に取り付けられていなくてもよい。例えば、プランタ規制部材68はプランタ支持レール52に取り付けられ、ワイヤ規制部材67はワイヤ支持レール51に取り付けられている構成とする。この構成では、プランタ規制部材68は、隣り合うプランタ42の間においてプランタ支持レール52に沿って移動可能とされており、それらプランタ42に挟まれることによりプランタ42同士の近付き過ぎを規制する。同様に、ワイヤ規制部材67は、隣り合う絡ませワイヤ43の間においてワイヤ支持レール51に沿って移動可能とされており、それら絡ませワイヤ43に挟まれることにより絡ませワイヤ43同士の近付き過ぎを規制する。
【0077】
(9)持ち手部材としての操作棒56は、絡ませワイヤ43の下端部に接続されていてもよく、プランタ42に接続されていてもよい。いずれの場合でも、作業者は操作棒56を持つことにより絡ませワイヤ43やプランタ42を直接持つことなくつる植物41を変化させることができる。つまり、グリーンカーテンの態様を容易に変化させることができる。
【符号の説明】
【0078】
10…建物、31…建物開口部としての一階窓部、33…屋外床部、41…つる植物、42…プランタ、43…絡ませ部材としての絡ませワイヤ、51…第2移動案内手段としてのワイヤ支持レール、52…第1移動案内手段としてのプランタ支持レール、56…持ち手部材としての操作棒、61…床貫通孔としてのワイヤ取出口、62…筒状部材、65…蓋体としての床板片、67…規制手段としてのワイヤ規制部材、68…規制手段としてのプランタ規制部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランタに植えられたつる植物が、前記プランタの上方に延びる絡ませ部材に絡ませた状態で建物開口部の外側に配置される建物の緑化構造であって、
前記建物開口部の外側において複数の前記プランタが並べて設置されるプランタ設置部に設けられ、前記プランタを前記絡ませ部材と共に前記プランタ設置部における所定の移動方向に移動可能とする第1移動案内手段と、
前記建物開口部よりも高い位置に設けられ、複数の前記プランタごとの各絡ませ部材を吊り下げ支持するとともに前記プランタの前記所定の移動方向と同じ方向に移動可能とする第2移動案内手段と、
を備え、
各プランタ及び各絡ませ部材が、前記第1移動案内手段及び前記第2移動案内手段により移動することで互いの間隔を変更可能であることを特徴とする建物の緑化構造。
【請求項2】
隣り合う前記プランタの間には、それらプランタ間の離間距離を縮める場合にその最小離間距離を規制する距離規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物の緑化構造。
【請求項3】
前記距離規制部材は、隣り合う前記プランタの間に存在せず且つ前記最小離間距離を規制しない非規制位置に変位可能であることを特徴とする請求項2に記載の建物の緑化構造。
【請求項4】
隣り合う前記プランタに設けられた各絡ませ部材の間には、前記所定の移動方向と交差する方向に板面が延びるようにして板状部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物の緑化構造。
【請求項5】
前記建物開口部の屋外側に屋外床部が設けられ、該屋外床部の下方空間に前記プランタが配置されており、
前記屋外床部には、前記プランタの出し入れが可能な床開口部が設けられ、該床開口部には蓋体が開閉可能に取り付けられており、
前記蓋体には、前記絡ませ部材及び該絡ませ部材に絡み付いた前記つる植物を上方に取り出し可能な床貫通孔が設けられ、該床貫通孔は、前記プランタの移動方向に沿って延びる長孔とされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建物の緑化構造。
【請求項6】
前記絡ませ部材には、前記屋外床部の下方空間において前記絡ませ部材の周囲を前記つる植物ごと覆う筒状部材が取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の建物の緑化構造。
【請求項7】
前記プランタ及び前記絡ませ部材の少なくとも一方には、それらプランタ及び絡ませ部材を移動させるための持ち手部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物の緑化構造。
【請求項8】
前記絡ませ部材が、下端部が前記プランタに連結され、上端部が前記第2移動案内手段に移動可能に支持された棒材により構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の建物の緑化構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−13351(P2013−13351A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147137(P2011−147137)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】