説明

建物

【課題】外周壁をリフォームすることを考慮した建物を提供する。
【解決手段】耐力壁(例えば耐力壁3,4等)と耐力壁でない非耐力壁(例えば非耐力壁8,15等とを含む外周壁1,2を有する建物において、非耐力壁が外周壁1,2から取り外し可能に設けられているので、将来的に、この非耐力壁を取り外して、この部分に新たに窓や戸を取り付けることができる。したがって、外周壁をリフォームすることを考慮した建物となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフォームに対応した建物に関する。
【背景技術】
【0002】
リフォームに対応した建物の一例として、特許文献1および特許文献2に記載のものが知られている。
特許文献1に記載の建物は、浴室、洗面室およびトイレが隣接して配置された水回り設備室を備え、かつ洗面室とトイレとの間に間仕切り壁が設けられた住宅であって、前記間仕切り壁が取り外し可能に設けられているものである。
このような建物では、建築当初においては水回り設備室におけるプライバシーの確保を維持できるようにすると共に、将来あるいはバリアフリーの必要性に応じて簡易に改造することがき、特に洗面室及びトイレを連続させて内部でも車椅子を自由に使用できる。
【0003】
特許文献2に記載の建物は、浴室に隣接して配置された洗面所と、前記浴室及び洗面所のうちいずれかに隣接して配置された便所と、前記浴室、洗面所または便所に隣接して配置された将来的に寝室となる部屋とを備え、前記便所、洗面所、浴室及び部屋のうち少なくとも一つは、建物躯体を構成する構造壁と、取り外し可能あるいは移動して配置可能な間仕切り壁とにより囲まれているものである。
このような建物では、リフォーム時に前記間仕切りを取り外したり、移動して配置するだけで、建物躯体を構成する構造壁を変更する等の大がかりな作業を必要とせず、前記部屋、便所、洗面所及び浴室のうち少なくとも一つの領域を大きくしたり、その出入りを容易に行う構造とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−235448号公報
【特許文献2】特開2003−268990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の建物は、建物の内部をリフォームすることを考慮したものであるが、建物の外周壁をリフォームすることは考慮されていない。
一方、建物の周囲の状況が変化した場合、この変化に応じて、外周壁に新たに窓や戸を設けたり、既存の窓等の開口部を大きくしたいという要望がある。
しかし、建物の外周壁は建物躯体を構成するものであり、耐力壁で構成されている部分が多いため、建物強度を所定の設計値に維持するために、耐力壁に開口部を形成したり、耐力壁に形成されている開口部を広げたりすることは困難である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、外周壁をリフォームすることを考慮した建物を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図6に示すように、耐力壁(例えば耐力壁3,4等)と耐力壁でない非耐力壁(例えば非耐力壁8,15等とを含む外周壁1,2を有する建物において、
前記非耐力壁が前記外周壁1,2から取り外し可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、建物の外周壁1,2が耐力壁と非耐力壁を含んでおり、この非耐力壁が取り外し可能であるので、将来的に、この非耐力壁を取り外して、この部分に新たに窓や戸を取り付けることができる。
したがって、外周壁をリフォームすることを考慮した建物となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物において、
前記耐力壁(例えば耐力壁3,3等)が所定間隔をおいて隣り合って配置されており、
この隣り合って配置された耐力壁の上部間に、該二つの耐力壁の上部どうしを連結する構造材としての連結部材(例えば連結部材6等)が設けられており、
この連結部材の下側に前記非耐力壁(例えば非耐力壁8等)が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁(例えば耐力壁3,3等)の上部間に、該二つの耐力壁の上部どうしを連結する構造材としての連結部材(例えば連結部材6等)が設けられているので、これら耐力壁と連結部材とによって、上部の床や屋根等を確実に支持できる。
また、連結部材の下側に非耐力壁(例えば非耐力壁8等)が設けられているので、この非耐力壁には、上部の床や屋根等から直接荷重が作用しないので、該非耐力壁を容易に取り外すことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項2に記載の建物において、
前記非耐力壁23の左右両側部のうち、一方の側部が一方の耐力壁13に切り離し可能に接合されており、前記非耐力壁23の他方の側部と他方の耐力壁3との間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部24となっていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、非耐力壁23の他方の側部と他方の耐力壁3との間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部24となっているので、非耐力壁23を取り外すことによって、開口部24を広げて大きな開口部を形成できる。したがって、この大きな開口部に大きな窓や戸等の枠材を取り付けることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項2に記載の建物において、
前記連結部材16の下側に前記非耐力壁23,23が2つ設けられており、
一方の非耐力壁23が一方の耐力壁3に接合され、他方の非耐力壁23が他方の耐力壁3に接合され、前記2つの非耐力壁23,23間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部27となっていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、2つの非耐力壁23,23間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部27となっているので、非耐力壁23,23を取り外すことによって、開口部27を広げて大きな開口部を形成できる。したがって、この大きな開口部に大きな窓や戸等の枠材を取り付けることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば図3および図6に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物において、
前記耐力壁3は、構造用壁パネル5によって構成されており、
前記非耐力壁8は、前記構造用壁パネル以外の壁形成部材(例えば片面壁パネル8a,8b)で構成されており、
この壁形成部材が前記構造用壁パネル5に切り離し可能に接合されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、非耐力壁8を構成する壁形成部材(例えば片面壁パネル8a,8b)が耐力壁3を構成する構造用壁パネル5に切り離し可能に接合されているので、壁形成部材を構造用壁パネルから切り離すことによって、非耐力壁8を外周壁1から容易に取り外すことができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項5に記載の建物において、
前記壁形成部材(例えば片面壁パネル8a,8b)は前記構造用壁パネル5に、釘やボルト等の抜き出し可能な止着材のみによって連結されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、釘やボルト等の止着材を抜き出すことによって、壁形成部材を構造用壁パネルから容易に切り離すことができ、その結果、非耐力壁を外周壁から容易に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、建物の外周壁が耐力壁と非耐力壁を含んでおり、この非耐力壁が外周壁から取り外し可能であるので、将来的に、この非耐力壁を取り外して、この部分に新たに窓や戸を取り付けることができる。したがって、外周壁をリフォームすることを考慮した建物となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る建物の一例を示すもので、1階の平面図である。
【図2】同、2階の平面図である。
【図3】同、建物の東側の外周壁の正面図である。
【図4】同、建物の西側の外周壁の正面図である。
【図5】同、建物の北側の外周壁の正面図である。
【図6】同、構造用壁パネルの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る建物の一例を示す1階の平面図、図2は同2階の平面図、図3は建物の東側の外周壁の正面図、図4は建物の西側の外周壁の正面図、図5は建物の北側の外周壁の正面図である。
建物の1階の外周壁1および2階の外周壁2は、それぞれ耐力壁と非耐力壁とを含んで構成されており、非耐力壁は外周壁1,2から取り外し可能に設けられている。
また、前記外周壁1,2の出隅および入隅部分においては、全て耐力壁が配置されている。
【0022】
(1階東側の外周壁について)
1階の東側の外周壁1は、図1および図3に示すように、3枚の耐力壁3・・・と、1枚の耐力壁4とを有している。耐力壁3,4はそれぞれ木質の構造用壁パネルによって構成されている。
構造用壁パネル5は、図6に示すように、框材5aを矩形枠状に組み立てることによって矩形枠を形成し、この矩形枠内に、補強桟材5bを縦横に組み付け、さらに、矩形枠の両面に合板等からなる面材5c,5cを取り付けてなるものである。
なお、構造用壁パネルは、その左右の幅の違いによって複数種類あり、左右の幅の大きさによって、横方向の框材5aの長さ、横方向の補強桟材5bの長さ、縦方向の補強桟材5bの本数等が異なるものである。
【0023】
そして、3枚の耐力壁3と1枚の耐力壁4とは、所定間隔をおいて1階の床上に設置されたうえで、この床に接合されている。
この接合は、基礎から上方に延出して床を貫通するアンカーボルトの上端部に耐力壁3,4を連結するとともに、耐力壁3,4を構成する面材から框材を通して床にスクリュー釘を打ち込むとともに、耐力壁3,4の下端面を床の上面に接着剤によって接着することによって行われている。
また、耐力壁3,4の上端面は2階の床に接合されている。この接合は、2階の床を貫通する胴差ボルトの下端部に耐力壁3,4を連結するとともに、耐力壁3,4を構成する面材から框材を通して2階の床にスクリュー釘を打ち込むとともに、耐力壁3,4の上端面を2階の床の下面に接着剤によって接着することによって行われている。
なお、前記胴差ボルトの上端部は後述する2階の耐力壁に連結されている。
【0024】
所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,3の上部間には、該二つの耐力壁3,3の上部どうしを連結する構造材としての連結部材6が設けられている。この連結部材6は、前記構造用壁パネル5と同様の構成の壁パネルで構成されているが、上下の幅が短いため、横方向の補強桟材が省略されている。耐力壁3と連結部材6とは、耐力壁3の側端面と連結部材6の端面との接着剤による接着と、釘打ちによって接合されている。なお、釘打ちは、耐力壁3を構成する構造用壁パネルの面材から框材を通して連結部材6を構成する壁パネルの框材にスクリュー釘を打ち込むことともに、前記壁パネルの面材から框材を通して構造用壁パネルの框材にスクリュー釘を打ち込むことによって行われている。
また、連結部材6は2階の床にも接合されている。この接合は、連結部材(壁パネル)6を構成する面材から框材を通して床にスクリュー釘を打ち込むとともに、連結部材(壁パネル)6の上端面を2階の床の下面に接着剤によって接着することによって行われている。
【0025】
前記連結部材6の下側に非耐力壁8が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁3,3と連結部材6と1階の床とで囲まれた矩形状の空間に、この空間の正面形状と同形状の非耐力壁8が取り外し可能にはめ込まれている。
この非耐力壁8は片面壁パネル(壁形成部材)8a,8a,8bを並設して接合することによって構成されている。片面壁パネル8a,8bは、框材を矩形枠状に組み立てるとともに、この矩形枠の一方の表面に合板等からなる面材を取り付けてなるものである。これら片面壁パネル8a,8a,8bはその面材を建物の外側に向けて、前記矩形状の空間に取り外し可能にはめ込まれている。
これら片面壁パネル8a,8aどうし、片面壁パネル8a,8bどうしは、互いに当接する一方の縦框材から他方の縦框材に釘やボルト等の止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって接合されている。したがって、該止着材を引き抜くことによって、片面壁パネル8a,8aどうし、片面壁パネル8a,8bどうしは切り離すことができるようになっている。
【0026】
また、非耐力壁8と耐力壁3とは、非耐力壁8を構成する片面壁パネル8a,8bの縦框材から、耐力壁3を構成する構造用壁パネルの縦框材に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
また、非耐力壁8と連結部材6とは、非耐力壁8を構成する片面壁パネル8a,8bの上の横框材から、連結部材(壁パネル)6を構成する下の横框材に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
さらに、非耐力壁8と床とは、非耐力壁8を構成する片面壁パネル8a,8bの下の横框材から、床を構成する床パネルあるいは土台に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
したがって、前記全ての止着材を引き抜くことによって、非耐力壁8は、左右の耐力壁3,3、連結部材6、床から切り離すことができるようになっている。これによって、非耐力壁8が外周壁1から取り外し可能に設けられている。
このような、止着材の打ち込み、ねじ込み、引き抜きは、片面壁パネル8a,8bの面材が設けられていない裏側から容易に行うことができる。
【0027】
また、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,4の上部間には、該二つの耐力壁3,4の上部どうしを連結する構造材としての連結部材9が設けられており、下部間には、二つの耐力壁3,4の下部どうしを連結する構造材としての連結部材10が設けられている。
これら連結部材9,10は前記連結部材6を構成する壁パネルと同様の壁パネルによって構成されている。
耐力壁3,4と連結部材9,10とは、耐力壁3,4の側端面と連結部材9,10の端面との接着剤による接着と釘打ちによって接合されている。なお、釘打ちは、耐力壁3,4を構成する構造用壁パネルの面材から框材を通して連結部材9,10を構成する壁パネルの框材にスクリュー釘を打ち込むことともに、前記壁パネルの面材から框材を通して構造用壁パネルの框材にスクリュー釘を打ち込むことによって行われている。
【0028】
また、連結部材9は前記連結部材6と同様にして、2階の床に接合されている。
さらに、連結部材10は、この連結部材(壁パネル)10を構成する面材から框材を通して1階の床にスクリュー釘を打ち込むとともに、連結部材(壁パネル)10の下端面を1階の床の上面に接着剤によって接着することによって、1階の床に接合されている。
前記耐力壁3,4と上下の連結部材9,10によって囲まれた開口部11には、窓の枠材が取り付けられるようになっている。
【0029】
また、図3において1階の最も右側に位置する耐力壁3と、その左側に所定間隔おいて配置された前記耐力壁4の上部間には、該二つの耐力壁3,4の上部どうしを連結する構造材としての連結部材9が設けられている。この連結部材9は前記連結部材9と同様にして、耐力壁3,4、2階の床に接合されている。
前記耐力壁3,4と連結部材9と1階の床とによって囲まれた開口部12には、戸の枠材が取り付けられるようになっている。
【0030】
(2階東側の外周壁について)
2階の東側の外周壁2は、図2および図3に示すように、2枚の耐力壁3,3と、1枚の耐力壁4と、1枚の耐力壁13を有している。耐力壁13は前記耐力壁3と同様の構成となっているが、左右の幅が短いので縦補強桟材は省略されている。
そして、2枚の耐力壁3,3と、1枚の耐力壁4と、1枚の耐力壁13は、所定間隔をおいて2階の床上に設置されたうえで、この床に接合されている。この接合は、2階の床を貫通して上方に延出する前記胴差ボルトの下端部に耐力壁3,4,13を連結するとともに、耐力壁3,4,13を構成する面材から框材を通して2階の床にスクリュー釘を打ち込むとともに、耐力壁3,4,13の下端面を2階の床の上面に接着剤によって接着することによって行われている。
また、耐力壁3,4,13の上端面は屋根パネルを支持する桁材に接合されている。この接合は、耐力壁3,4,13の上端面を前記桁材の下面に接着剤によって接着することによって行われている。なお、屋根パネルの上面から屋根結合金物が屋根パネルを貫通して打ち込まれ、この屋根結合金物が前記耐力壁3,3,4,13に結合されている。
【0031】
所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,3の上部間には、該二つの耐力壁3,3の上部どうしを連結する構造材としての連結部材6が設けられ、下部間には、該二つの耐力壁3,3の下部どうしを連結する構造材としての連結部材14が設けられている。
連結部材6は、1階の連結部材6と同様にして左右の耐力壁3,3に接合されており、また、連結部材(壁パネル)6を構成する面材から框材を通して前記桁材にスクリュー釘を打ち込むとともに、連結部材(壁パネル)6の上端面を桁材の下面に接着剤によって接着することによって、桁材に接合されている。
また、連結部材14は、壁パネルによって構成されたものであり、この連結部材(壁パネル)14を構成する面材から框材を通して2階の床にスクリュー釘を打ち込むとともに、連結部材(壁パネル)14の下端面を2階の床の上面に接着剤によって接着することによって、2階の床に接合されている。
【0032】
前記連結部材6の下側に非耐力壁15が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁3,3と上下の連結部材6,14とで囲まれた矩形状の空間に、この空間の正面形状と同形状の非耐力壁15が取り外し可能にはめ込まれている。
この非耐力壁15は、前記非耐力壁8と同様に、片面壁パネル(壁形成部材)15a,15a,15bを並設して接合することによって構成されている。
これら片面壁パネル15a,15aどうし、片面壁パネル15a,15bどうしは、互いに当接する一方の縦框材から他方の縦框材に釘やボルト等の止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって接合されている。したがって、該止着材を引き抜くことによって、片面壁パネル15a,15aどうし、片面壁パネル15a,15bどうしは切り離すことができるようになっている。
【0033】
また、非耐力壁15と耐力壁3とは、非耐力壁15を構成する片面壁パネル15a,15bの縦框材から、耐力壁3を構成する構造用壁パネルの縦框材に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
また、非耐力壁15と連結部材6とは、非耐力壁15を構成する片面壁パネル15a,15bの上の横框材から、連結部材(壁パネル)6を構成する下の横框材に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
さらに、非耐力壁15と連結部材14とは、非耐力壁15を構成する片面壁パネル15a,15bの下の横框材から、連結部材(壁パネル)14を構成する上の横框材に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
したがって、前記全ての止着材を引き抜くことによって、非耐力壁15は、左右の耐力壁3,3、上下の連結部材6,14から切り離すことができるようになっている。これによって、非耐力壁15が外周壁2から取り外し可能に設けられている。
このような、止着材の打ち込み、ねじ込み、引き抜きは、片面壁パネル15a,15bの面材が設けられていない裏側から容易に行うことができる。
【0034】
また、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,4の上部間には、該二つの耐力壁3,4の上部どうしを連結する構造材としての連結部材16が設けられており、下部間には、二つの耐力壁3,4の下部どうしを連結する構造材としての連結部材17が設けられている。
これら連結部材16,17は前記連結部材6を構成する壁パネルと同様の壁パネルによって構成されている。
また、前記連結部材16,17は、前記連結部材6,14と同様にして、左右の耐力壁3,4、前記桁材、2階の床に接合されている。
前記耐力壁3,4と上下の連結部材16,17によって囲まれた開口部18には、窓の枠材が取り付けられるようになっている。
【0035】
また、図3において2階の最も右側に位置する耐力壁13と、その左側に所定間隔おいて配置された前記耐力壁4の上部間には、該二つの耐力壁13,4の上部どうしを連結する構造材としての連結部材19が設けられ、下部間には、該二つの耐力壁13,4の下部どうしを連結する構造材としての連結部材20が設けられている。
前記連結部材19,20は左右の幅が短いので、前記連結部材6等とは異なり、角材や合板等によって構成されている。
これら連結部材19,20は接着や釘打ちによって左右の耐力壁4,13、前記桁材、2階の床に接合されている。
【0036】
前記連結部材19の下側に非耐力壁21が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁4,13と上下の連結部材19,20で囲まれた矩形状の空間に、この空間の正面形状と同形状の非耐力壁21が取り外し可能にはめ込まれている。
この非耐力壁21は、前記片面壁パネル8bと同様の片面壁パネルによって構成されている。
また、非耐力壁21と耐力壁4,13とは、非耐力壁21の縦框材から、耐力壁4,13を構成する構造用壁パネルの縦框材に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
また、非耐力壁21と連結部材19,20とは、非耐力壁21の上下の横框材から、連結部材19,20に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
したがって、前記全ての止着材を引き抜くことによって、非耐力壁21は、左右の耐力壁4,13、上下の連結部材19,20から切り離すことができるようになっている。これによって、非耐力壁21が外周壁2から取り外し可能に設けられている。
このような、止着材の打ち込み、ねじ込み、引き抜きは、非耐力壁(片面壁パネル)21の面材が設けられていない裏側から容易に行うことができる。
【0037】
なお、前記非耐力壁21を片面壁パネル21に代えて、合板によって構成してもよい。この場合、左右の耐力壁4,13と上下の連結部材19,20で囲まれた矩形状の空間に、この空間の正面形状と同形状の合板を、その表面が耐力壁4,13の表面と面一になるようにしてはめ込み、この合板から左右の耐力壁4,13、上下の連結部材19,21に釘を斜め打ちすればよい。この場合、釘の頭を合板の表面から若干出しておけば、この具釘の引き抜きが容易となり、これによって合板は、左右の耐力壁4,13、上下の連結部材19,20から切り離すことができるので、合板が外周壁2から取り外し可能となる。
【0038】
(1階西側の外周壁について)
1階の西側の外周壁1は、図1および図4に示すように、1枚の耐力壁22と、1枚の耐力壁13と、2枚の耐力壁3,3とを有している。耐力壁22は前記耐力壁4等と同様の構成となっている。
そして、前記耐力壁22,13,3,3は、所定間隔をおいて1階の床に設置されるとともに、1階の床と2階の床とに、図3に示す1階の耐力壁3,4等と同様にして接合されている。
【0039】
所定間隔をおいて隣り合う耐力壁13,3の上部間には、該二つの耐力壁13,3の上部どうしを連結する構造材としての連結部材16が設けられている。
連結部材16は、図3に示す1階の連結部材6と同様にして左右の耐力壁13,3および2階の床に接合されている。
連結部材16の下側に非耐力壁23が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁13,3と連結部材16と1階の床とで囲まれた矩形状の空間に、この空間より小さい矩形状の非耐力壁23が耐力壁13に当接させて取り外し可能にはめ込まれている。
この非耐力壁23は上下の長さが前記空間の上下の長さと等しく、左右の幅が前記空間の左右の幅の1/4程度のものであり、前記片面壁パネル8bと同様の片面壁パネル23によって構成されている。
【0040】
また、非耐力壁23の一方の側部が一方の耐力壁13に切り離し可能に接合されている。すなわち、非耐力壁23と耐力壁13とは、非耐力壁23の縦框材から、耐力壁13を構成する構造用壁パネルの縦框材に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
また、非耐力壁23と連結部材16および1階の床とは、非耐力壁23の上下の横框材から、連結部材16および床に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
したがって、前記全ての止着材を引き抜くことによって、非耐力壁23は、耐力壁13、連結部材16、床から切り離すことができるようになっている。これによって、非耐力壁23が外周壁1から取り外し可能に設けられている。
このような、止着材の打ち込み、ねじ込み、引き抜きは、非耐力壁(片面壁パネル)23の面材が設けられていない裏側から容易に行うことができる。
また、前記非耐力壁23の他方の側部と他方の耐力壁3との間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部24となっている。すなわち、前記非耐力壁23、耐力壁3、連結部材16、1階の床によって囲まれた開口部24には、玄関戸の枠材が取り付けられるようになっている。
【0041】
また、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,3の上部間には、該二つの耐力壁3,3の上部どうしを連結する構造材としての連結部材9が設けられ、下部間には、該二つの耐力壁3,3の下部どうしを連結する構造材としての連結部材10が設けられている。
連結部材9,10は、図3に示す1階の連結部材9,10と同様にして左右の耐力壁3,3、2階の床、1階の床に接合されている。
前記連結部材9の下側に非耐力壁25が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁3,3と上下の連結部材9,10で囲まれた矩形状の空間に、この空間の正面形状と同形状の非耐力壁25が取り外し可能にはめ込まれている。
この非耐力壁25は、前記片面壁パネル15aと同様の片面壁パネル25によって構成されている。
また、非耐力壁25と耐力壁3,3とは、非耐力壁25の縦框材から、耐力壁3,3を構成する構造用壁パネルの縦框材に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
また、非耐力壁25と連結部材9,10とは、非耐力壁25の上下の横框材から、連結部材9,10に、釘やボルトに止着材を打ち込みあるいは、ねじ込むことによって切り離し可能に接合されている。
したがって、前記全ての止着材を引き抜くことによって、非耐力壁25は、左右の耐力壁3,3、上下の連結部材9,10から切り離すことができるようになっている。これによって、非耐力壁25が外周壁1から取り外し可能に設けられている。
このような、止着材の打ち込み、ねじ込み、引き抜きは、非耐力壁(片面壁パネル)25の面材が設けられていない裏側から容易に行うことができる。
【0042】
また、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁22,13の上部間には、該二つの耐力壁22,13の上部どうしを連結する構造材としての連結部材19が設けられており、下部間には、二つの耐力壁22,13の下部どうしを連結する構造材としての連結部材20が設けられている。
前記連結部材19,20は、第3図に示す2階の連結部材19,20と同様にして、耐力壁22,13、2階の床、1階の床に接合されている。
前記耐力壁22,13と上下の連結部材19,20によって囲まれた開口部26には、窓の枠材が取り付けられるようになっている。
【0043】
(2階西側の外周壁について)
2階の西側の外周壁2は、図2および図4に示すように、4枚の耐力壁3・・・を有している。
4枚の耐力壁3・・・は、所定間隔をおいて2階の床に設置されるとともに、2階の床と桁材とに、図3に示す2階の耐力壁3等と同様にして接合されている。
また、2階の外周壁2の左右両側において、それぞれ所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,3の上部間には、該二つの耐力壁3,3の上部どうしを連結する構造材としての連結部材9が設けられ、下部間には、該二つの耐力壁3,3の下部どうしを連結する構造材としての連結部材10が設けられている。
連結部材9,10は、1階の連結部材9,10と同様にして左右の耐力壁3,3、桁材、2階の床に接合されている。
【0044】
連結部材9の下側に非耐力壁25が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁3,3と上下の連結部材9,10で囲まれた矩形状の空間に、この空間の正面形状と同形状の非耐力壁25が、1階の非耐力壁25と同様にして、取り外し可能にはめ込まれている。
【0045】
また、2階の外周壁2の中央部において、それぞれ所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,3の上部間には、該二つの耐力壁3,3の上部どうしを連結する構造材としての連結部材16が設けられている。
連結部材16は、1階の連結部材16と同様にして左右の耐力壁3,3、桁材に接合されている。
【0046】
連結部材16の下側に2枚の非耐力壁23,23が取り外し可能に設けられており、一方の非耐力壁23が一方の耐力壁3に接合され、他方の非耐力壁23が他方の耐力壁3に切り離し可能に接合されている。すなわち、左右の耐力壁3,3と連結部材16と2階の床とで囲まれた矩形状の空間に、この空間より小さい矩形状の非耐力壁23,23が左右の耐力壁3,3に当接させて取り外し可能にはめ込まれている。
この非耐力壁23,23は、1階の非耐力壁23と同様にして、耐力壁3,3、連結部材16、2階の床に切り離し可能に接合されている。これによって、非耐力壁23,23が取り外し可能に設けられている。
前記2つの非耐力壁23,23間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部27となっている。すなわち、非耐力壁23,23、連結部材16、2階の床によって囲まれた開口部27には、バルコニーに出入りするための戸の枠材が取り付けられるようになっている。
【0047】
(1階北側の外周壁について)
1階の北側の外周壁1は、図1および図5に示すように、2枚の耐力壁3,3と、1枚の耐力壁4と、2枚の耐力壁30,31を有している。
前記耐力壁3,3,4は、所定間隔をおいて1階の床に設置されるとともに、1階の床と2階の床とに、図3に示す1階の耐力壁3,4等と同様にして接合されている。
また、前記耐力壁30は、図1に示すように、外周壁1と直交して配置されたものであり、その一端部が外側に露出して外周壁1の一部を構成している。前記耐力壁31は、西側1階の耐力壁22の端部であり、外周壁1の一部を構成している。
【0048】
所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,3の上部間には、該二つの耐力壁3,3の上部どうしを連結する構造材としての連結部材16が設けられ、下部間には、該二つの耐力壁3,3の下部どうしを連結する構造材としての連結部材17が設けられている。
連結部材16,17は、図3に示す2階の連結部材16,17と同様にして、左右の耐力壁3,4、2階の床、1階の床に接合されている。
【0049】
前記連結部材16の下側に非耐力壁32が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁3,3と上下の連結部材16,17とで囲まれた矩形状の空間に、この空間の正面形状と同形状の非耐力壁32が取り外し可能にはめ込まれている。
この非耐力壁32は、図3に示す2階の耐力壁15を構成する片面壁パネル15aと同様の片面壁パネル15a,15aを同様にして2枚接合することによって構成されている。
また、非耐力壁32は、図3に示す2階の非耐力壁15と同様にして、耐力壁3,3、上下の連結部材16,17に切り離し可能に接合されている。これによって、非耐力壁32が外周壁1から取り外し可能に設けられている。
【0050】
また、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,4の上部間には、該二つの耐力壁3,4の上部どうしを連結する構造材としての連結部材19が設けられており、下部間には、二つの耐力壁3,4の下部どうしを連結する構造材としての連結部材20が設けられている。
前記連結部材19,20は、第4図に示す1階の連結部材19,20と同様にして、耐力壁3,4、2階の床、1階の床に接合されている。
前記耐力壁3,4と上下の連結部材19,20によって囲まれた開口部33には、窓の枠材が取り付けられるようになっている。
【0051】
また、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁4,30の上部間には、該二つの耐力壁4,30の上部どうしを連結する構造材としての連結部材9が設けられ、下部間には二つの耐力壁4,30の下部どうしを連結する構造材としての連結部材10が設けられている。
連結部材9,10は、図4に示す1階の連結部材9,10と同様にして、左右の耐力壁4,30、2階の床、1階の床に接合されている。
連結部材9の下側に非耐力壁34が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁4,30と上下の連結部材9,10とで囲まれた矩形状の空間に、この空間より小さい矩形状の非耐力壁34が耐力壁4に当接させて取り外し可能にはめ込まれている。
【0052】
前記非耐力壁34は、図3の2階の非耐力壁15を構成する片面壁パネル15bと同様の構成のものであり、同様にして、耐力壁4、上下の連結部材9,10に切り離し可能に接合されている。これによって、非耐力壁34が外周壁1から取り外し可能に設けられている。
また、前記非耐力壁34と上下の連結部材9,10と、耐力壁30とによって囲まれた開口部35には、窓の枠材が取り付けられるようになっている。
【0053】
また、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁30,31の上部間には、該二つの耐力壁30,31の上部どうしを連結する構造材としての連結部材16が設けられ、下部間には二つの耐力壁30,31の下部どうしを連結する構造材としての連結部材17が設けられている。
連結部材16,17は、図3に示す2階の連結部材16,17と同様にして、左右の耐力壁30,31、2階の床、1階の床に接合されている。
連結部材16の下側に2枚の非耐力壁34,34が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁30,31と上下の連結部材16,17とで囲まれた矩形状の空間に、この空間より小さい矩形状の非耐力壁34,34が左右の耐力壁30,31に当接させて取り外し可能にはめ込まれている。
この非耐力壁34,34は、前記耐力壁4に接合された非耐力壁4と同様にして、耐力壁30,31、連結部材16,17に切り離し可能に接合されている。これによって、非耐力壁34,34が外周壁1から取り外し可能に設けられている。
前記非耐力壁34,34、連結部材16,17によって囲まれた開口部36には、窓の枠材が取り付けられるようになっている。
【0054】
(2階北側の外周壁について)
2階の北側の外周壁2は、図2および図5に示すように、3枚の耐力壁3・・・と、1枚の耐力壁22を有している。
3枚の耐力壁3・・・および耐力壁22は、所定間隔をおいて2階の床に設置されるとともに、2階の床と桁材とに、図3に示す1階の耐力壁3等と同様にして接合されている。
また、所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,3の上部間および所定間隔をおいて隣り合う耐力壁3,22間には、該二つの耐力壁3,3の上部どうしおよび二つの耐力壁3,22の上部どうしをそれぞれ連結する構造材としての連結部材9が設けられ、下部間には、該二つの耐力壁3,3の下部どうしおよび二つの耐力壁3,22の下部どうしを連結する構造材としての連結部材10が設けられている。
連結部材9,10は、1階の連結部材9,10と同様にして、左右の耐力壁3,3、4、桁材、2階の床に接合されている。
前記耐力壁3,3、連結部材9,10によって囲まれた開口部37および耐力壁3,22、連結部材9,10によって囲まれた開口部38には、それぞれ窓の枠材が取り付けられるようになっている。
【0055】
所定間隔をおいて隣り合う耐力壁22,3の上部間には、該二つの耐力壁3,3の上部どうしを連結する構造材としての連結部材16が設けられ、下部間には、該二つの耐力壁3,3の下部どうしを連結する構造材としての連結部材17が設けられている。
連結部材16,17は、1階の連結部材16,17と同様にして、左右の耐力壁22,3、桁材、2階の床に接合されている。
【0056】
前記連結部材16の下側に非耐力壁32が取り外し可能に設けられている。すなわち、左右の耐力壁22,3と上下の連結部材16,17とで囲まれた矩形状の空間に、この空間の正面形状と同形状の非耐力壁32が取り外し可能にはめ込まれている。
また、非耐力壁32は、図3に示す2階の非耐力壁15と同様にして、耐力壁22,3、上下の連結部材16,17に切り離し可能に接合されている。これによって、非耐力壁32が外周壁2から取り外し可能に設けられている。
【0057】
本実施の形態によれば、建物の外周壁1,2が耐力壁3,4,13,22,30,31と非耐力壁8,15,21,23,25,32,34を含んでおり、この非耐力壁が取り外し可能であるので、将来的に、この非耐力壁8,15,21,23,25,32,34を取り外して、この部分に新たに窓や戸を取り付けることができる。
したがって、外周壁をリフォームすることを考慮した建物となる。
【0058】
また、隣り合う耐力壁(例えば耐力壁3,3等)の上部間に、該二つの耐力壁の上部どうしを連結する構造材としての連結部材(例えば連結部材6等)が設けられているので、これら耐力壁と連結部材とによって、2階の床や屋根を支持する桁材を確実に支持できる。
また、連結部材の下側に非耐力壁(例えば非耐力壁8等)が設けられているので、この非耐力壁には、2階の床や屋根等から直接荷重が作用しないので、該非耐力壁を容易に取り外すことができる。
【0059】
さらに、非耐力壁23,34の他方の側部と他方の耐力壁3,30との間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部24,35となっているので、非耐力壁23,34を取り外すことによって、開口部24,35を広げて大きな開口部を形成できる。したがって、この大きな開口部に大きな窓や戸等の枠材を取り付けることができる。
加えて、2つの非耐力壁23,23(34,34)間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部27,36となっているので、非耐力壁23,23(34,34)を取り外すことによって、開口部27,36を広げて大きな開口部を形成できる。したがって、この大きな開口部に大きな窓や戸等の枠材を取り付けることができる。
例えば、浴室に全幅に対応する部分が、非耐力壁34,34および開口部36を有しているので、この非耐力壁34,34を取り外すことによって、開口部36を広げて大きな開口部を形成できる。したがって、この大きな開口部に浴室用の大きな窓を取り付けることができる。
【0060】
また、耐力壁(例えば耐力3等)は、構造用壁パネル5によって構成されており、非耐力壁(例えば非耐力壁8等)は、前記構造用壁パネル5以外の壁形成部材(例えば片面壁パネル15a,15b等)で構成されており、この壁形成部材が構造用壁パネルに取り外し可能に接合されているので、壁形成部材を構造用壁パネルから取り外すことによって、非耐力壁を外周壁から容易に取り外すことができる。
また、壁形成部材(例えば片面壁パネル15a等)は前記構造用壁パネル5に、釘やボルト等の抜き出し可能な止着材のみによって連結されているので、釘やボルト等の止着材を抜き出すことによって、壁形成部材を構造用壁パネルから容易に取り外すことができ、その結果、非耐力壁を外周壁から容易に取り外すことができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、耐力壁を構造用壁パネル5によって構成したが、これに限ることなく、耐力壁は、在来の軸組み工法によって構築された耐力壁、ツーバイフォー工法によって構築された耐力壁等、どのような工法によって構築された耐力壁でもよい。
また、本実施の形態では、非耐力壁を、片面壁パネルによって構成したが、これに限ることなく、例えば、合板、樹脂、金属板等で構成してもよい。要は、耐力壁から容易に切り離すことができるものであればよい。
さらに、前記非耐力壁8,15,21,23,25,32,34については、図面にそれらの位置が分るようにして記載しておく。例えば、建物の外周壁を示す図面において、非耐力壁8,15,21,23,25,32,34の位置、形状を示す部分のハッチングを他の外周壁のハッチングと異なるようにしたり、色を異なるようにしておき、このような図面を将来のリフォームに備えて管理、収納しておくよい。
【符号の説明】
【0062】
1,2 外周壁
3,4,13,22,30,31
8,15,21,23,25,32,34 非耐力壁
6,9,16,19 連結部材
5 構造用壁パネル
8a,8b,15a,15b 片面壁パネル(壁形成部材)
24,27,35,36 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐力壁と耐力壁でない非耐力壁とを含む外周壁を有する建物において、
前記非耐力壁が前記外周壁から取り外し可能に設けられていることを特徴とする建物。
【請求項2】
請求項1に記載の建物において、
前記耐力壁が所定間隔をおいて隣り合って配置されており、
この隣り合って配置された耐力壁の上部間に、該二つの耐力壁の上部どうしを連結する構造材としての連結部材が設けられており、
この連結部材の下側に前記非耐力壁が設けられていることを特徴とする建物。
【請求項3】
請求項2に記載の建物において、
前記非耐力壁の左右両側部のうち、一方の側部が一方の耐力壁に切り離し可能に接合されており、前記非耐力壁の他方の側部と他方の耐力壁との間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部となっていることを特徴とする建物。
【請求項4】
請求項2に記載の建物において、
前記連結部材の下側に前記非耐力壁が2つ設けられており、
一方の非耐力壁が一方の耐力壁に接合され、他方の非耐力壁が他方の耐力壁に接合され、前記2つの非耐力壁間が、窓や戸等の枠材を取り付けるための開口部となっていることを特徴とする建物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物において、
前記耐力壁は、構造用壁パネルによって構成されており、
前記非耐力壁は、前記構造用壁パネル以外の壁形成部材で構成されており、
この壁形成部材が前記構造用壁パネルに切り離し可能に接合されていることを特徴とする建物。
【請求項6】
請求項4に記載の建物において、
前記壁形成部材は前記構造用壁パネルに、釘やボルト等の抜き出し可能な止着材のみによって連結されていることを特徴とする建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−216146(P2010−216146A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64061(P2009−64061)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】