説明

建物

【課題】床下空間の冷却された空気を室内空間に効率的に取り込むことができ、ひいては省エネルギー性に優れた建物10を提供する。
【解決手段】床の高さが所定の高さの通常床領域40と、床の高さが通常床領域40よりも高い高床領域45とを隣接して設けて、スキップフロアを形成するとともに、床下空間として、通常床領域40の下方の通常床下空間50と、高床領域45の下方の高床下空間55とを隣接して設ける。基礎20は、建物10の外周部分に位置して床下空間と建物10の外部とを仕切る外周立ち上がり部21を有する。通常床下空間50と高床下空間55とは、連通した空間とする。外周立ち上がり部21のうち、高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分であってかつ日光が当たらない位置に、外部通気口70を設ける。通常床領域40と高床領域45との境界において通常床領域40の床と高床領域45の床との間の隙間を塞ぐ仕切壁60に、内部通気口75を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に関し、更に詳しくは、床下空間を利用して換気を行う建物に関する。
【背景技術】
【0002】
床下空間を利用して換気を行う建物が、従来から種々提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、周囲を包囲した床下空間と、該床下空間と居室空間とに空気を循環させる通気口とを備え、前記床下空間は、建物基礎又はこの建物基礎の内側又は外側に設置された断熱材と、建物基礎の内側の地盤面に設置された防湿コンクリートやポリエチレンフィルムなどの防湿シート又はフィルムからなる防湿処理材と床とで包囲された空間となっている建物が記載されている(要約参照)。
また、下記の特許文献2には、建物外面側の基礎の立上がり部に断熱材が設けられ、外部から気密封止された床下空間を有する基礎断熱住宅の床下換気構造において、室内空気を床下に導く給気口と、床下空気を外部に導く排気口を備え、前記排気口に強制換気手段を接続して床下空間に室内空気を強制循環させることが記載されている(要約参照)。
【0003】
また、下記の特許文献3には、床下断熱材の下方に、基礎によって区画された床下空間が形成され、床下空間は、基礎に設けられた基礎断熱材によって囲われかつ日射側の通気層及び非日射側の通気層にそれぞれ連通し(請求項2)、基礎には、床下空間と外部とを連通する開閉可能な床下換気口が形成され(請求項3)、内部空間と床下空間とを連通する開閉可能な床下連通孔が設けられている(請求項4)通気構造建築物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−180558号公報
【特許文献2】特開平10−331277号公報
【特許文献3】特開平8−135037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の各換気構造では、床下空間の冷却された空気を室内空間に効率的に取り込むことはできなかった。
そこで、本発明は、床下空間の冷却された空気を室内空間に効率的に取り込むことができ、ひいては省エネルギー性に優れた建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、床の高さが所定の高さである通常床領域40と、床の高さが通常床領域40よりも高い高床領域45とを隣接して設けて、スキップフロアを形成するとともに、床下空間として、通常床領域40の下方に位置する通常床下空間50と、高床領域45の下方に位置する高床下空間55とを隣接して設けている建物10であって、建物10の基礎20は、建物10の外周部分に位置して床下空間と建物10の外部とを仕切る外周立ち上がり部21を有し、床下空間としての通常床下空間50と高床下空間55とは、連通した空間とされ、基礎20の外周立ち上がり部21のうち、高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分であってかつ日光が当たらない位置に、床下空間と建物10の外部とを連通させる外部通気口70を設け、通常床領域40と高床領域45との境界において通常床領域40の床と高床領域45の床との間の隙間を塞ぐ仕切壁60に、床下空間と室内空間とを連通させる内部通気口75を設けたことを特徴とする。
【0007】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明を限定したものであって、建物10の基礎20は、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う底盤部24を有し、床下空間は、基礎20の外周立ち上がり部21と底盤部24と通常床領域40の床と高床領域45の床とで包囲された空間であることを特徴とする。
ここで、「通常床領域40」とは、床の高さが所定の高さの領域をいい、また、「高床領域45」とは、床の高さが通常床領域40よりも高い領域をいう。そして、「通常床領域40」と「高床領域45」とが隣接して設けられて「スキップフロア」、つまり「段差のあるフロア」が形成される。
【0008】
また、「通常床下空間50」とは、床下空間のうち、通常床領域40の下方に位置する部分をいい、また、「高床下空間55」とは、床下空間のうち、高床領域45の下方に位置する部分をいう。そして、「通常床下空間50」と「高床下空間55」とは、連通した空間とされる。
また、「立ち上がり部」とは、基礎20のうち、建物10の土台31を支持するための部分をいい、また、「外周立ち上がり部21」とは、立ち上がり部のうち、建物10の外周部分に位置して、床下空間と建物10の外部とを仕切る部分をいう。
また、「底盤部24」とは、基礎20のうち、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う部分をいう。
【0009】
例えば、地盤の表面を覆うように「底盤部24」を設けるとともに、この底盤部24の上面の外周部分から上方へ向けて突出するように「外周立ち上がり部21」を設ける。そうすると、「基礎20」としての「ベタ基礎20」を構築することができる。
また、例えば、建物10の外周部分に相当する位置に、地盤から上方へ向けて突出するように、「外周立ち上がり部21」としての「布基礎20」を設けるとともに、この「外周立ち上がり部21」としての「布基礎20」で囲まれた部分にコンクリートを流し込んで「底盤部24」としての「防湿コンクリート」を打設する。そうすると、「基礎20」としての「布基礎20」+「防湿コンクリート」を構築することができる。
【0010】
つまり、建物10の外周部分に位置して床下空間と建物10の外部とを仕切る「外周立ち上がり部21」と、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う「底盤部24」とを有する「基礎20」としては、「ベタ基礎20」や、内側に「防湿コンクリート」を打設してこれで地盤の表面を覆った「布基礎20」などがある。
そして、建物10の外周部分に位置して床下空間と建物10の外部とを仕切る「外周立ち上がり部21」と、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う「底盤部24」とを有する「基礎20」にすると、床下空間は、基礎20の外周立ち上がり部21と底盤部24と通常床領域40の床と高床領域45の床とで包囲された空間となる。
【0011】
なお、通常床下空間50と高床下空間55とを仕切る(区切る・分割する)など、床下空間を2以上の空間に仕切るようなものでなければ、基礎20には、「外周立ち上がり部21」以外の「立ち上がり部」を設けてもよく、さらに、基礎20には、底盤部24の下面から下方へ向けて突出して地盤内に埋設される「根入れ部」を設けてもよい。
また、「外部通気口70」は、床下空間と建物10の外部とを連通させるものであって、外周立ち上がり部21のうち、高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分であってかつ日光が当たらない位置に設けられるものである。また、「日光が当たらない位置」とは、「日射に曝されない位置」を意味するものである。例えば、南側に通常床領域40が、北側に高床領域45が、それぞれ位置するように、建物10を構築し、さらに、外周立ち上がり部21のうち、高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分であって、北側の所定位置に、外部通気口70を設ける。そうすると、外周立ち上がり部21のうち、高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分であってかつ日光が当たらない位置に、外部通気口70を設けることができる。
【0012】
また、「仕切壁60」は、通常床領域40と高床領域45との境界において、通常床領域40の床と高床領域45の床との間の隙間を塞ぐものである。
また、「内部通気口75」は、床下空間と室内空間とを連通させるものであって、仕切壁60に設けられるものである。
【発明の効果】
【0013】
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、室内空間の換気に用いる外気を、日光が当たらない床下空間を通して取り込むことにより、床下空間で冷却された外気を室内空間に供給することができ、また、床下空間として、通常床下空間と高床下空間とを隣接して設けて、これらを連通させることにより、床下空間で冷却される外気の容積を比較的大きくすることができ、また、基礎の外周立ち上がり部のうち、高床下空間と建物の外部とを仕切る部分であってかつ日光が当たらない位置に、床下空間と建物の外部とを連通させる外部通気口を設けることにより、外部通気口の大きさを比較的大きくすることができるとともに、より冷却された外気を床下空間に取り込むことができ、また、通常床領域と高床領域との境界において通常床領域の床と高床領域の床との間の隙間を塞ぐ仕切壁に、床下空間と室内空間とを連通させる内部通気口を設けることにより、床下空間の冷却された空気を室内空間に効率的に取り込むことができ、ひいては省エネルギー性に優れた建物を提供できる。
【0014】
(請求項2)
請求項2記載の発明によれば、外周立ち上がり部に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う底盤部を設けて、床下空間を、外周立ち上がり部と底盤部と通常床領域の床と高床領域の床とで包囲された空間としたことから、床下空間における外気の冷却効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る建物10の断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を、図1に基づいて説明する。
(建物10)
図1に示すように、本実施の形態に係る建物10は、床の高さが所定の高さである通常床領域40と、床の高さが通常床領域40よりも高い高床領域45とを隣接して設けて、スキップフロアを形成するとともに、床下空間として、通常床領域40の下方に位置する通常床下空間50と、高床領域45の下方に位置する高床下空間55とを隣接して設けている。
また、建物10の基礎20は、建物10の外周部分に位置して床下空間と建物10の外部とを仕切る外周立ち上がり部21と、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う底盤部24とを有している。
【0017】
また、床下空間は、基礎20の外周立ち上がり部21と底盤部24と通常床領域40の床と高床領域45の床とで包囲された空間となっている。
また、床下空間としての通常床下空間50と高床下空間55とは、連通した空間となっている。
また、基礎20の外周立ち上がり部21のうち、高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分であってかつ日光が当たらない位置には、床下空間と建物10の外部とを連通させる外部通気口70が設けられている。
また、通常床領域40と高床領域45との境界において通常床領域40の床と高床領域45の床との間の隙間を塞ぐ仕切壁60には、床下空間と室内空間とを連通させる内部通気口75が設けられている。
【0018】
以下、本実施の形態に係る建物10の各構成について、更に詳しく説明する。
(基礎20)
本実施の形態では、基礎20は、建物10の平面形状に合わせて地盤の表面を覆うように「底盤部24」を設けるとともに、この底盤部24の上面の外周部分から上方へ向けて突出するように「外周立ち上がり部21」を設けている。これにより、底盤部24は、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐようになっている。つまり、本実施の形態では、基礎20として、「ベタ基礎20」を採用している。このため、本実施の形態では、床下空間は、基礎20の外周立ち上がり部21と底盤部24と通常床領域40の床と高床領域45の床とで包囲された空間となる。
【0019】
また、「立ち上がり部」は、建物10の土台31を支持するための部分であり、また、「外周立ち上がり部21」は、立ち上がり部のうち、建物10の外周部分に位置して、床下空間と建物10の外部とを仕切る部分をいう。
また、本実施の形態では、外周立ち上がり部21として、上端の高さが所定の高さの「通常外周立ち上がり部22」と、上端の高さが通常外周立ち上がり部22よりも高い「高外周立ち上がり部23」とを有している。また、「通常外周立ち上がり部22」は、床下空間としての通常床下空間50と建物10の外部とを仕切る部分であり、また、「高外周立ち上がり部23」は、床下空間としての高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分である。本実施の形態では、南側に通常床領域40が、北側に高床領域45が、それぞれ位置するように、建物10が構築される。このため、南側に通常外周立ち上がり部22が、北側に高外周立ち上がり部23が、それぞれ位置するように、基礎20が打設される。
【0020】
(通常床領域40・高床領域45)
図1に示すように、本実施の形態では、基礎20の通常外周立ち上がり部22の上に、土台31や大引32や床パネル33が設置されて、「通常床領域40」の床が構築されるとともに、基礎20の高外周立ち上がり部23の上に、土台31や大引32や床パネル33が設置されて、「高床領域45」の床が構築される。これにより、通常床領域40と高床領域45とが隣接して設けられるとともに、通常床領域40よりも高床領域45の方が床の高さが高くなって、スキップフロアが形成される。
なお、土台31および床パネル33の上に壁パネル34が設置されて、建物10の外壁が構築される。
【0021】
(通常床下空間50・高床下空間55)
図1に示すように、「通常床下空間50」は、床下空間のうち、通常床領域40の下方に位置する部分であり、また、「高床下空間55」は、床下空間のうち、高床領域45の下方に位置する部分である。
本実施の形態では、床下空間には、通常床下空間50と高床下空間55とを仕切る(区切る・分割する)ような構造物は設けられず、これにより、通常床下空間50と高床下空間55とは、連通した空間とされる。
(仕切壁60)
図1に示すように、「仕切壁60」は、通常床領域40と高床領域45との境界において、通常床領域40の床と高床領域45の床との間の隙間を塞ぐためのものである。
【0022】
具体的には、仕切壁60は、通常床領域40を構成する床パネル33の上面における、高床領域45側の周縁部から、鉛直上方へ向けて延びて、高床領域45を構成する床パネル33の下面における、通常床領域40側の周縁部まで至るように形成されている。
(外部通気口70)
「外部通気口70」は、床下空間と建物10の外部とを連通させる開口部であって、外気を床下空間に取り込むためのものである。
図1に示すように、本実施の形態では、高外周立ち上がり部23における、北側の所定位置に、建物10の外部側から床下空間側まで貫通する開口部を設け、これを外部通気口70としている。
【0023】
このようにして、本実施の形態では、外周立ち上がり部21のうち、高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分であって、かつ、日光が当たらない位置に、外部通気口70を設けている。
(外部小通気口71)
「外部小通気口71」は、外部通気口70と同様に、床下空間と建物10の外部とを連通させる開口部であって、外気を床下空間に取り込むためのものである。
図1に示すように、本実施の形態では、通常外周立ち上がり部22における、南側の所定位置に、建物10の外部側から床下空間側まで貫通する開口部を設け、これを外部小通気口71としている。
【0024】
(内部通気口75)
「内部通気口75」は、床下空間と室内空間とを連通させる開口部であって、床下空間に取り込まれた外気を室内空間に供給するためのものである。
図1に示すように、本実施の形態では、仕切壁60の所定位置に、床下空間側から室内空間側まで貫通する開口部を設け、これを内部通気口75としている。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、外気を床下空間に取り込むための外部通気口70と、床下空間に取り込まれた外気を室内空間に供給するための内部通気口75とを設けたことから、室内空間の換気に用いる外気を、日光が当たらない床下空間を通して取り込むことができ、ひいては床下空間で冷却された外気を室内空間に供給することができる。
【0025】
また、本実施の形態では、床下空間として、通常床下空間50と高床下空間55とを隣接して設けて、これらを連通した空間としたことから、高床領域45の床の高さを高くして高床下空間55の容積を大きくした分、床下空間で冷却される外気の容積を大きくすることができる。
また、本実施の形態では、基礎20の外周立ち上がり部21のうち、高床下空間55と建物10の外部とを仕切る部分であって、かつ、日光が当たらない位置に、床下空間と建物10の外部とを連通させる外部通気口70を設けたことから、通常外周立ち上がり部22と比べて高外周立ち上がり部23の高さを高くした分、つまり、通常外周立ち上がり部22と高外周立ち上がり部23との高さの差の分、外部通気口70の口径を大きくすることができるとともに、より冷却された外気を床下空間に取り込むことができる。
【0026】
また、本実施の形態では、通常床領域40と高床領域45との境界において通常床領域40の床と高床領域45の床との間の隙間を塞ぐ仕切壁60に、床下空間と室内空間とを連通させる内部通気口75を設けたことから、床下空間の冷却された空気を室内空間に効率的に取り込むことができ、ひいては省エネルギー性に優れた建物10を提供できる。
また、本実施の形態では、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う底盤部24を設けて、床下空間を、外周立ち上がり部21と底盤部24と通常床領域40の床と高床領域45の床とで包囲された空間としたことから、床下空間における外気の冷却効果を高めることができる。
【0027】
(変形例)
なお、上記実施の形態では、建物10の外周部分に位置して床下空間と建物10の外部とを仕切る「外周立ち上がり部21」と、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う「底盤部24」とを有する「基礎20」として、「ベタ基礎20」を採用したが、このような基礎20は、ベタ基礎20に限られるものではない。
例えば、建物10の外周部分に相当する位置に、地盤から上方へ向けて突出するように、「外周立ち上がり部21」としての「布基礎20」を設けるとともに、この「外周立ち上がり部21」としての「布基礎20」で囲まれた部分にコンクリートを流し込んで「底盤部24」としての「防湿コンクリート」を打設する。このようにしても、建物10の外周部分に位置して床下空間と建物10の外部とを仕切る「外周立ち上がり部21」と、外周立ち上がり部21に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う「底盤部24」とを有する「基礎20」とすることができ、ひいては床下空間を、外周立ち上がり部21と底盤部24と通常床領域40の床と高床領域45の床とで包囲された空間として、床下空間における外気の冷却効果を高めることができる。
【符号の説明】
【0028】
10 建物 20 基礎
21 外周立ち上がり部 22 通常外周立ち上がり部
23 高外周立ち上がり部 24 底盤部
31 土台 32 大引
33 床パネル 34 壁パネル
40 通常床領域 45 高床領域
50 通常床下空間 55 高床下空間
60 仕切壁 70 外部通気口
71 外部小通気口 75 内部通気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床の高さが所定の高さである通常床領域と、床の高さが通常床領域よりも高い高床領域とを隣接して設けて、スキップフロアを形成するとともに、床下空間として、通常床領域の下方に位置する通常床下空間と、高床領域の下方に位置する高床下空間とを隣接して設けている建物であって、
建物の基礎は、建物の外周部分に位置して床下空間と建物の外部とを仕切る外周立ち上がり部を有し、
床下空間としての通常床下空間と高床下空間とは、連通した空間とされ、
基礎の外周立ち上がり部のうち、高床下空間と建物の外部とを仕切る部分であってかつ日光が当たらない位置に、床下空間と建物の外部とを連通させる外部通気口を設け、
通常床領域と高床領域との境界において通常床領域の床と高床領域の床との間の隙間を塞ぐ仕切壁に、床下空間と室内空間とを連通させる内部通気口を設けた、
ことを特徴とする建物。
【請求項2】
建物の基礎は、外周立ち上がり部に囲まれた部分を塞ぐとともに地盤の表面を覆う底盤部を有し、
床下空間は、基礎の外周立ち上がり部と底盤部と通常床領域の床と高床領域の床とで包囲された空間である、
ことを特徴とする請求項1記載の建物。

【図1】
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