説明

建築資材シート及び建築物敷設材

【課題】特に天井裏にて良好な通気性を確保する建築資材シートを提供する。
【解決手段】太さ0.1〜10mmの線条により網目が規則的に繰り返されているネット状物が成型されて、高さ5mm以上の複数の凸部を含む建築資材シートとする。前記建築資材シートは一般的な建築物において使用可能であり、敷設箇所において通気性を高める効果がある。特に、野地板と瓦の間の天井裏敷設材や外壁と内壁の間に敷設する壁面用敷設材、床材と床下下地材との間に敷設する床下敷設材として有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住居または建築物一般において、天井、屋根、壁、及び床の施工時に用いられる建築資材シート及びこれを用いた建築物敷設材に関する。
【背景技術】
【0002】
住居等の建築物の施工に際しては、十分な換気性および通気性が確保されるよう種々の工法または材料が用いられている。例えば、特許文献1においては、繊維状の合成樹脂を絡ませて、耐圧強度の高い三次元配置で中空構造にしたコア部材を含んで構成される建築用シートが提案されている。この建築用シートは、屋根の野地板と瓦、化粧スレート板、金属板等との間に配置されて通気層を形成し、排湿および換気の効果を得ている。
【0003】
また、特許文献2は、屋根や壁等に遮熱・断熱通気性を確保する目的で、ポリプロピレン等のプラスチックプレートに多数の中空円錐体を成形加工した通気プレートを設け、通気プレートの中空円錐体群の底面開口側前面に遮熱カバーを設けた断熱通気材、および多数本の硬質プラスチック製モノフィラメントをランダムなループ状に堆積して平板状に形成されるプレートであって、その厚み部は複数列設される筒状空洞部と、その表裏を覆うループ圧潰層とから成る通気プレートを設け、通気プレートの少なくとも一面全体に遮熱カバーを被装してなる遮熱・断熱通気材を提案している。特許文献2に記載の遮熱・断熱通気材においては、中空円錐体間または筒状空洞部が通気スペースとなって、通気性を確保している。
【0004】
【特許文献1】特開2003−278285号公報
【特許文献2】特開2006−169951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の建築用シートは、耐圧強度を高くするために、繊維状にして絡み合わせて成る1枚のシートV字状に折ったものをコア部材として使用している。この繊維状の合成樹脂を絡み合わせてなるシート状物は、溶融状態の合成樹脂をノズルから吐出し、集積させることで得られるため、製造方法が容易である反面、場合によってはシートを構成する線条が密に集積、融着している領域と、線条が集積しておらず、空隙部分が大きい領域が形成される場合がある。このようなシートを構成する線条が均一に分散、集積されていないシートを使用した部材を建築用の資材として用いた場合、構成する線条が疎な領域に集中して圧力が加えられた場合、その領域のみが容易に破壊されることで、シート全体に破壊がおよぶ恐れがある。加えて、シートに起伏を設ける際、シートを折る部分が線条が密に集積された部分と一致すると、加工性が悪く、起伏を均一に設けられない原因となる。
【0006】
特許文献2に記載のシートは、プラスチックプレートを円錐体に成形しているため、厚み方向における通気性が全くない。さらに、円錐状の突起自体が弾力性を有しないため、スレート瓦等を葺く作業中に、スレート瓦に乗った職人の体重がこのシートに加わると、応力を逃がすところがなく、スレート瓦が割れるか、シートそれ自体が破壊されることがある。さらに、特許文献2に記載の筒状空洞部を有するシートにおいては、硬質プラスチック製モノフィラメントをループ状にして堆積しているので、通気性は確保されるものの、フィラメントが螺旋状に周回して形成されている筒状空洞部が、シートの面方向に対して水平方向に配置されているため、厚み方向からの応力に弱く、シート自体が破壊されるおそれがある。
【0007】
本発明は、従来の建築資材シートが有する問題に鑑みてなされたものであり、施工時、また施工後に破損しにくく、施工後は通気性に富むことを特徴とする天井、屋根、壁及び床といった部分に容易に施工することが可能な建築資材シート、およびそれを用いた建築物敷設材と通気構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、太さ0.1〜10mmの線条により網目が規則的に繰り返されているネット状物が成型されて、高さ5mm以上の複数の凸部を含む建築資材シートを提供する。
【0009】
本発明は、野地板と瓦との間に、本発明の建築資材シートが配置されている天井裏敷設材を提供する。この屋根構造においては、野地板と瓦との間に、通気層となる本発明の建築資材シートが配置されるため、瓦の下の通気性が良くなり、それにより住宅の耐久性が向上するとともに、室内の環境が良好となる。なお、本明細書において、「瓦」には、いわゆる屋根材(金属製のものを含む)として提供されるものも含まれる。
【0010】
本発明は、外壁材と内壁材との間に、本発明の建築資材シートが配置されている壁面敷設材を提供する。この壁面構造においては、外壁材と内壁材との間に、通気層となる本発明の建築資材シートが配置されるため、外壁の下の通気性が良くなり、それにより住宅の耐久性が向上するとともに、室内の環境が良好となる。なお、本明細書において、「外壁材」には、一般的な建築物で外壁に使用される材料であれば特に限定されず、例えば、金属製、無機材料製、木質材製の各種サイディング材、モルタル材、漆喰や珪藻土といった各種塗り壁材、タイルやレンガからなる壁材、軽量気泡コンクリート材、スレート、繊維強化プラスチックやトタンなどが挙げられる。
【0011】
本発明は、床材と床下下地材との間に、本発明の建築資材シートが配置されている床下敷設材を提供する。この床下構造においては、床材と床下下地材との間に、通気層となる本発明の建築資材シートが配置されるため、床下の通気性が良くなり、それにより住宅の耐久性が向上するとともに、室内の環境が良好となる。なお、本明細書において、「床材」には床面として使用されている材料であれば特に限定されず使用できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の建築資材シートは、網目が規則的に繰り返されているネット状物で構成されており、いずれの方向にも通気可能である。よって、本発明の建築資材シートを用いれば、敷設された建築物において良好な通気性が確保され、湿気を容易に排出することを可能にする。また、複数の凸部を有することにより、厚さ方向の力が加えられても、衝撃を吸収、分散させるため、建築資材シート自体又はそれに隣接する部材を破壊しにくい。従って、本発明の建築資材シートは一般的な建築物の天井、屋根、壁及び床において特に用途を限定することなく使用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の建築資材シートは、太さ0.1〜10mmの線条により網目が規則的に繰り返されているネット状物が成型されて、高さ5mm以上の複数の凸部を含むことを特徴とする。網目が規則的なネット状物を成型して、複数の凸部を形成したネット(以下、「立体成型ネット」ともいう)を使用することで、局所的に強度が弱い部分が存在しにくく、ネット状物の線条の太さ、また立体成型ネットの1平方メートル当たりの質量を適宜選択することで、十分な強度を有し、かつ屋根や天井といった重量物が使用できない箇所にも使用可能な建築資材シートとなる。
【0014】
ネット状物を構成する線条の太さ(直径)は、0.1〜10mmである。線条の太さは、線条の断面形状が実質的に真円とみなされる形状であれば、その直径を線条の径とし、真円以外の断面形状、例えば断面形状が楕円、三角形、四角形などの多角形、また前記断面形状に該当しない異形断面、また線条内部に空隙や空洞を有する中空線条であれば、線条の長さ方向に垂直な線で切断した断面図において、線条最外側面の任意の2点を結ぶ線分のうち、最も長い部分の長さをその線条の線径とする。ネット状物の線条の太さは市販されている測定器具、例えばノギスを用いて測定され、線条の太さを異なる場所で3カ所以上測定し、その平均値をネット状物を構成する線条の太さと定義する。線条の太さは、好ましくは0.5mm〜8mmであり、最も好ましくは0.8mm〜5mmである。太さが0.1mmを下回ると、線条のコシがなくなり、凸部を設けた立体成型ネットが弾力性を有しないものとなり、立体成型ネットが凹凸の立体構造を維持することが難しくなることがある。線条の太さが10mmを超えると、凸部を設けた立体成型ネットにおいて、空隙が減少し、通気性が悪化すること、あるいは凸部を設ける際の加工性が極端に低下するため立体成型ネットが得られないことがある。
【0015】
本発明の建築資材シートを構成する、規則的な網目を有するネット状物に使用可能な材料は、凸部を設けることができる、いわゆる塑性材料であれば使用可能である。建築資材シートとして使用するので、空気中において酸化等の腐食を生じにくい塑性材料、あるいは防錆性の皮膜で表面を被覆した金属材料が使用可能である。空気中において腐食されにくい塑性材料としては各種樹脂材料があり、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が使用できる。その一例として、例えばオレフィン樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66)、およびエンジニアプラスチック系樹脂(例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール)を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、乾燥した雰囲気中での使用、または、使用時間によって建築資材シートが分解することが好ましい使用環境では生分解性を有する樹脂(例えばポリ乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂)も使用できる。防錆性の皮膜を有する金属材料からなるネット状物として、一般的なメッシュ状の金網に対し塗装を施すことで防錆性を持たせた金属製のネット状物、あるいは金属表面に緻密な保護膜が形成されているステンレスといった素材で製造されたネット状物が挙げられる。上記のようにネット状物の素材は塑性材料であれば特に限定されないが、成形後の弾力性、一定面積当たりの質量を考慮すると、樹脂製であることが好ましい。
【0016】
ネット状物に使用できる材料としては上記の材料が挙げられるが、特に、熱可塑性樹脂であると原料となる樹脂のペレットからネット状物を製造する際に各種添加物を練り込むことで、容易に機能を追加できるため好ましい。その一例として、カーボンブラックを添加することが挙げられる。カーボンブラックを樹脂に添加することにより、樹脂からなるネット状物の耐候性が向上する。また、カーボンブラックは安価であるから、耐候性を向上させる添加剤として好ましく用いられる。カーボンブラックの添加量は生産性を損なわない限り、特に限定されない。例えば、カーボンブラックは、好ましくは樹脂全体の0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜2質量%を占めるように添加される。カーボンブラックの添加量が0.1質量%未満であると耐候性を十分に向上させることができず、5質量%を超えると、生産性が悪くなるおそれがある。なお、添加剤はカーボンブラックに限定される訳ではなく、樹脂に練り込むことで効果を発揮することが知られている各種添加剤を練り込んだものが、本発明の建築資材シートを構成するネット状物の原料として使用可能である。
【0017】
前記ネット状物の材料に熱可塑性樹脂を使用する場合、オレフィン樹脂からなることが好ましい。オレフィン樹脂は、耐候性および耐薬品性に優れ、また、比較的低い融点を有するため、後述するように、他の実質的に凸部を有さないシート状材料と一体化させるときの加工が容易である。また、オレフィン樹脂は高密度ポリエチレン、もしくはポリプロピレン樹脂を含むことが好ましく、樹脂中に90質量%以上の高密度ポリエチレンもしくはポリプロピレン樹脂を含むことがより好ましい。高密度ポリエチレンもしくはポリプロピレン樹脂を含有することにより、立体成型ネットが脆くなりすぎることが防止され、応力が作用したときでも折れにくく、また、立体成型ネットが柔らくなりすぎることも防止され、立体成型ネットの突起部分が潰れにくい。即ち、高密度ポリエチレン、もしくはポリプロピレン樹脂を使用することにより、適度な弾力性を有する立体成型ネットが得られる。なお、ここでいうポリプロピレン樹脂には、ポリプロピレンのほか、プロピレン成分を50質量%以上含むプロピレン共重合体も含まれる。
【0018】
本発明の建築資材シートを天井裏敷設材のように、高所に敷設される部材として使用する場合、一般的に軽量であること、および吸水性を有しないことが求められる。そのため上記の使用可能な材料の中でも高密度ポリエチレン、もしくはポリプロピレン樹脂が好ましい。即ち、高密度ポリエチレンやポリプロピレン樹脂の比重は1.0以下であり、熱可塑性樹脂の中では小さい。それに加え、高密度ポリエチレンやポリプロピレン樹脂は非吸水性であるため吸水による質量増加がほとんどなく、上記の用途には特に好ましい。
【0019】
本発明の建築資材シートを構成するネット状物は、その網目部分の形状を限定していないが網目部分の形状が三角形、平行四辺形、平行六辺形、円形から選ばれる少なくとも一つの形状であることが好ましい。上記の形状のうち、三角形、平行四辺形、平行六辺形は網目部分が全て同じ形状であれば、一種類の形状のみで平面全体を埋める平面充填が可能な形であるため好ましい。ネット状物の網目部分における形状の例として平行六辺形のものを図1に、平行四辺形(菱形)のものを図2に示す。また、樹脂からなる線条と線条が交差している点において、交差する部分が偏平になり、交点の部分が広がることで網目部分が、実質的に全て等しい面積の円形になることがあるが、この場合全ての網目部分の面積を容易に等しくすることができるため好ましい。ネット状物の網目部分が円形のものを図3、4に示す。ネット状物の網目部分の形状は、各辺の長さが等しいことが好ましいため、網目部分は正三角形、正方形、正六角形、円形から選ばれる少なくとも一つの形状であることが好ましく、最も好ましいのは、立体成型ネットの網目部分の形状が正三角形、正方形、正六角形、円形から選ばれる一つの形状のみからなる場合である。
【0020】
上記の材料を用いてネット状物を製造するが、このようなネット状物は公知の製造方法、例えば金型を用いた押出成型や射出成型、金型を用いない押出成形や射出成形といった方法で製造する。これらの製造方法などで得られたネット状物に凸部を形成することで本発明の建築資材シートを構成する立体成型ネットを得ることができる。凸部の高さは5mm以上であることを特徴とする。凸部の高さが5mm未満であると通気性が低下するか、凸部の加工性が悪くなる。凸部の高さは7mm以上であると好ましく、10mm以上であると特に好ましい。
【0021】
本発明の建築資材シートは、立体成型ネットの凸部分における高さが5mm以上あれば特に限定されるものではない。上下に他のシートを積層した、本発明の建築資材シートの概略図を図5に示す。この概略図において、凸部の高さは図5中の記号12で示されている。凸部の高さ12は、図中の記号9で示される建築資材シート全体の厚み(上下に他のシートが積層されている場合では、施工時の設置面から上側に積層されているシートの上面までの高さ、すなわち記号10で表される立体成型ネット上側に積層されたシートの厚み、および記号11で表される立体成型ネット下側に積層されたシートの厚み、記号13で表される立体成型ネットの凸部の厚み、および記号14で表される立体成型ネットの凹部の厚みの和に、凸部の高さ12を加えたものが建築資材シート全体の厚み9に相当する)から、上下に積層したシートの厚み、各凹凸部分のネット状物の厚みを引くことで求められ、その式は式(1)で表される。

3 = H − {(h1+h2)+(d1+d2)}・・・(1)

3:ネット状物に設けられた凸部の高さ[mm](図中 記号12)
H:建築資材シート全体の厚み[mm](図中 記号9)
1:立体成型ネットの上側に積層された他のシートの厚み[mm]
(図中 記号10)
2:立体成型ネットの下側に積層された他のシートの厚み[mm]
(図中 記号11)
1:凸部における立体成型ネットの厚み[mm](図中 記号13)
2:凹部における立体成型ネットの厚み[mm](図中 記号14)

なお、凸部および凹部における立体成型ネットの厚みは、市販されている測定器具、例えばノギス等を用いて測定することができる。
【0022】
本発明の建築資材シートは、下側に他のシートを積層した状態、すなわち、施工面と接する側に他のシートを積層した状態で使用することもできる。下側に他のシートを積層した、本発明の建築資材シートの概略図を図6に示す。この概略図において、凸部の高さは図6中の記号12で示されている。凸部の高さ12は、図中の記号9で示される建築資材シート全体の厚み(下側に他のシートが積層されている場合では、施工時の設置面から立体成型ネットに設けられた凸部の先端までの高さ、すなわち記号11で表される立体成型ネット下側に積層されたシートの厚み、記号13で表される立体成型ネットの凸部の厚み、および記号14で表される立体成型ネットの凹部の厚みの和に、凸部の高さ12を加えたものが建築資材シート全体の厚み9に相当する)から、下側に積層したシートの厚み、各凹凸部分のネット状物の厚みを引くことで求められ、その式は式(2)で表される。

3 = H − (h2+(d1+d2))・・・(2)

3:ネット状物に設けられた凸部の高さ[mm](図中 記号12)
H:建築資材シート全体の厚み[mm](図中 記号9)
2:立体成型ネットの下側に積層された他のシートの厚み[mm]
(図中 記号11)
1:凸部における立体成型ネットの厚み[mm](図中 記号13)
2:凹部における立体成型ネットの厚み[mm](図中 記号14)

なお、凸部および凹部における立体成型ネットの厚みは、市販されている測定器具、例えばノギス等を用いて測定することができる。
【0023】
本発明の建築資材シートは、立体成型ネットをそのまま敷設することで、建造物における通気性の確保といった用途に使用可能である。立体成型ネットをそのまま敷設した場合の本発明の建築資材シートの概略図を図7に示す。この概略図において、凸部の高さは図7中の記号12で示されている。凸部の高さ12は、図中の記号9で示される建築資材シート全体の厚み、すなわち施工面から立体成型ネットの凸部頂点までの高さから、各凹凸部分のネット状物の厚みを引くことで求められ、その式は式(3)で表される。

3 = H −(d1+d2)・・・(3)

3:ネット状物に設けられた凸部の高さ[mm](図中 記号12)
H:建築資材シート全体の厚み[mm](図中 記号9)
1:凸部における立体成型ネットの厚み[mm](図中 記号13)
2:凹部における立体成型ネットの厚み[mm](図中 記号14)

なお、凸部および凹部における立体成型ネットの厚みは、市販されている測定器具、例えばノギス等を用いて測定することができる。
【0024】
凸部の高さは、立体成型ネットに積層される他のシートの枚数にかかわらず5mm以上であればよく、好ましくは7mm以上であり、より好ましくは10mm以上である。凸部を高くしすぎても凸部を形成することにより得られる効果は変わらず過度に高さがあると、立体成型ネットの高さ方向に対して垂直な方向に作用する力(すなわち敷設時における横向きの力)に対して変形しやすくなることから、凸部の高さの上限は、好ましくは35mm、より好ましくは30mmである。
【0025】
本発明の建築資材シート全体の厚みは5.5mmを超えることが好ましく、40mm未満であることが好ましい。本発明の建築資材シートの全体の厚みは、より好ましくは7〜35mmであり、特に好ましくは10〜30mmの時である。本発明の建築資材シートの厚みが5.5mm以下であると、線条の太さが比較的太いネット状物では凸部を形成しにくくなる恐れがあるほか、凸部における網目が小さいものとなる。また剛性が小さくなることで応力を受けた場合の弾力性に乏しくなるおそれがある。本発明の建築資材シート全体の厚みが40mmを超えると、例えば、屋根の下に敷く場合に、屋根に対して厚くなり過ぎて使用に適さないおそれがある。また、凸部に対して垂直方向からの荷重に対しての強度が低下し、凸部が荷重によりつぶれてしまうおそれがある。
【0026】
さらに、本発明の建築資材シートを天井裏敷設材、壁面敷設材、床下敷設材として使用し、使用箇所において通気性を確保しようとする場合、建築資材シート全体の厚みが5.5mmを下回ると、換気容量が不足し、通気抵抗が増大するため、自然換気がほとんど行われないおそれがある。また、本発明の建築資材シート全体の厚みが40mmを上回ると、換気容量は増大するが、通気抵抗はほぼ平衡に達するため、これよりも大きい厚みとすることには意味がなく、経済的にも不利である。
【0027】
用途により、上記の本発明の建築資材シート全体の厚みよりも大きい本発明の建築資材シートが必要である場合、後述するように、本発明の建築資材シートを複数枚積層することで強度を維持したまま、高さを増すことができ、所望の高さの建築資材シートを得ることができる。
【0028】
ネット状物を成型して凸部を形成する方法としては、例えばネット状物を所定の形状を有するエンボスロールを用いたエンボス加工機を等して成型する方法、または、ネット状物をプリーツ成型機に通して畝状の凸部を形成する方法等が挙げられる。ネット状物に凸部を設ける方法は上記の方法に限定される訳ではなく、公知の方法であって、高さの整った凸部を設けることが可能な方法であれば特に限定されない。
【0029】
上記の凸部としては、円錐状、円柱状、多角錐状、多角柱状の突起からなる凸部が錘状及び/もしくは柱状にそれぞれの突起が独立して設けられている場合と、断面形状が逆V字形、逆U字形、波形、半円状、矩形状、鋸刃状といった形状の凸部が連続して畝状に設けられている場合が挙げられる。ネット状物に上記の凸部が設けられた立体成型ネットを使用することで、本発明の建築資材シートは優れた耐衝撃性と通気性を有するものとなる。
【0030】
凸部が円錐状、円柱状、多角錐状、多角柱状の突起からなる錘状の凸部である場合、凸部は、互いに独立していることが好ましく、また、略同じ寸法を有し、規則的に配置されていることがより好ましい。そのような凸部を設けられた立体成型ネットの上に、例えば、スレート瓦といった重量物を置いたときに、応力が分散しやすい傾向にあるからである。
【0031】
前記略同じ寸法の凸部は、錘状形であることが好ましい。突起が錘であると、突起の高さ方向のフィラメント密度が、高い位置(即ち突起の先端に近づくにつれて)にて低くならないので、突起の先端の強度が確保される。ここで、錘とは、円錐、三角錐、四角錐、多角錘等、底面から高さ方向に進むにつれて、面積が減少し、先細になる形状のものをいう。星形および月形等、底面が不定形であって、先細になる形状のものも、ここでいう錘に含まれる。また、台錘も、ここでいう錘に含まれる。本発明において、突起は、円錐、円錐台、四角錐、または四角錐台の形状を有していることがさらに好ましく、円錐または四角錐であることが最も好ましい。そして、前記錘状形の凸部は、整列していることが好ましい。凸部の配列にムラがあると、設けられた凸部が少ない部分に応力が集中し、立体成型ネットが破壊される恐れがあるためである。
【0032】
本発明の建築資材シートにおいて、ネット状物に設けられる凸部の形状として、断面形状が逆V字形、逆U字形、波形、半円状、矩形状、鋸刃状といった形状の凸部が連続して畝状に設けられている場合が挙げられる。この場合、好ましくは一方向に連続して畝状の凸部が延びている形であり、特に好ましいのは、ネット状物を一方向に延びる直線で折ることで畝状の凸部が形成された場合である。上記のように、ネット状物を一方向に延びる直線で折ることで畝状の凸部が形成された立体成型ネットで構成される建築資材シートでは、山折り、谷折り全ての折り目が一方向に延びた直線状に折られ、その折り目が全て実質的に平行である特に好ましい。この場合、山折りとは、その直線状の折り目が周囲において最も高くなる逆V字形の折り目であり、谷折りとは、その直線状の折り目が周囲において最も低くなるV字形の折り目を指すものとする。
【0033】
ネット状物に上記のように折り目を設けることで凸部を形成する場合、折り目によって形成される凸部の断面形状は特に限定されるものではないが、好ましくは逆V字形、逆U字形、波形、半円状、矩形状、鋸刃状から選ばれる形状であることが好ましい。これらの形状であるとネット状物の加工が容易であるからである。また、折り目によって凸部をネット状物に設けることで、凸部が設けられた立体成型ネットで構成される建築資材シートをロール状に巻き取る場合、容易に巻き取られるため、輸送、運搬の面で好ましい。ネット状物に上記の断面形状の凸部を設ける場合、どの断面形状の凸部を設けるかは、その都度任意に選択できるが、好ましくはネット状物の全面において上記断面から選ばれる一つの断面形状のみの繰り返しであることが好ましく、最も好ましいのは、一つの形状のみの繰り返しであり、その凸部の高さが実質的に全て同じ高さの場合である。
【0034】
本発明の建築資材シートにおいて、立体成型ネットの凸部が複数の山折り、谷折りで構成される畝状の凸部である場合、畝状の凸部は直線状に連続して設けられ、直線状に設けられた畝状の凸部は等間隔で設けられると好ましいことは前述の通りである。畝状の凸部が直線状に等間隔に設けられて、畝状の凸部が互いに実質的に平行に設けられている場合、その凸部頂点と頂点の間隔は3〜100mmであることが好ましい。畝状の凸部が設けられている立体成型ネットの場合、互いに平行な畝状凸部と畝状凸部において、凸部頂点と凸部頂点の間隔がこの範囲を満たすことで立体成型ネットが適度な通気性と十分な圧縮強度を示すことが可能である。畝状の凸部頂点と畝状の凸部頂点の間隔が3mmより狭いと隣り合った折り目との距離が狭くなり、通気性が低下する恐れや、山折り部分の凸部が安定せず、左右に倒れることで破損する恐れがある。畝状の凸部頂点と畝状の凸部頂点の間隔が100mmより広いと、その部分の付近における圧縮強度が低下し、破損の原因となる。畝状の凸部頂点と畝状の凸部頂点は等間隔に5〜75mmの間隔で並んでいると好ましく、等間隔に5〜50mm間隔で設けられていると特に好ましい。
【0035】
複数の山折り、谷折りで構成される凸部が設けられた立体成型ネットからなる建築資材シートにおいて、凸部断面形状は逆V字形になることが好ましい。ネット状物に凸部断面形状が逆V字になるように凸部を設けるには、前記条件を満たすネット状物に対し、プリーツ加工、金型を用いた立体成型、あるいはエンボス加工を施すことで容易に得られるためである。畝状凸部を上記の方法によって得ることで、畝状凸部は、凸部頂点と凸部頂点の間隔が一定間隔となり、各直線状の畝状凸部は互いに平行になるため、特に好ましい本発明の建築資材シートが得られる。この際、市販されている熱加工機を用い、前記条件を満たすネット状物に対し、折り目を加え、加熱することで、凸部断面形状が逆V字形である、畝状の凸部が等間隔に設けられた立体成型ネットを得ることができる。
【0036】
網目部分が円形であるネット状物に対し、凸部の断面形状が逆V字形となるように、凸部を畝状に設けた立体成型ネットのみからなる、本発明の建築資材シートの写真を図8に示す。図8において、記号15で示されるように、畝状の凸部が直線状に設けられていることが確認できる。上記二つの畝状の凸部は互いに平行である。凸部が畝状に設けられている建築資材シートにおいて、畝状の凸部と凸部の間隔は図8中の記号16で表される。このとき畝状凸部の間隔が一定であると、本発明の建築資材シートにおいて、どの部分においても厚み方向に対する強度が一定となり、好ましい。
【0037】
凸部断面が逆V字状の畝状凸部が形成された立体成型ネットからなる建築資材シートにおいて、凸部を厚み方向に対して垂直な方向で切断した切断面において、凸部の頂点(山折り部分の頂点)がなす角度は15〜90°であることが好ましい。凸部頂点における折り目の角度が15°より小さいと山折り部分が不安定となり、荷重が加えられた場合、山折り部分が倒れるようにして形状が崩れ破損することがある。また、凸部頂点における折り目の角度が90°より広いと、荷重を分散できず、凸部がつぶれるようにして形状が崩れ、破損する恐れがある。本発明の建築資材シートにおいて、好ましい凸部頂点における折り目の角度は15〜70°の範囲内であり、最も好ましくは20〜65°のときである。
【0038】
網目部分が円形であるネット状物に対し、凸部の断面形状が逆V字形となるように、凸部を畝状に設けた立体成型ネットのみからなる、本発明の建築資材シートの写真において、凸部を拡大した写真を図9に示す。凸部の頂点(山折り部分の頂点)がなす角度は図9中の記号17で表される。凸部の頂点がなす角度を測定する際は、この部分の角度を分度器等を用いて測定する。
【0039】
次に、立体成型ネットにおける、その他の好ましい物性を説明する。立体成型ネットの目付(単位面積質量)はJIS−L1908に準じて測定される。立体成型ネットの目付は100〜3500g/m2であることが好ましい。立体成型ネットの目付が100g/m2を下回ると立体成型ネットの弾力性が不十分となることがあり、3500g/m2を上回ると、密度が高くなり、立体成型ネットの三次元構造の内部において空隙が減少し、通気圧損が高くなることがあり、また、剛性は高くなるが、弾力性が低くなることがある。
【0040】
立体成型ネットの10mm圧縮応力は、300〜1000Nであることが好ましい。立体成型ネットの10mm圧縮応力が300Nを下回ると、人が乗ったときや、強い応力が作用したときに、立体成型ネットがつぶれてしまい、十分な空隙を保てなくなることがある。立体成型ネットの10mm圧縮応力が1000Nをこえると、立体成型ネットの弾力性に起因するクッション効果が得られにくく、外側から力を加えたときに、反作用によって、力を加えた側(例えば、立体成型ネットの上に載せた物)が破壊されるおそれがある。より具体的には、本発明の天井裏敷設材を、野地板とスレート瓦との間に位置するように使用した場合、瓦葺き作業は、本発明の天井裏敷設材の上に、スレート瓦を置いて実施されることとなる。その際、立体成型ネットの圧縮強度が300Nを下回っていると、作業員がスレート瓦の上に乗ったときに、立体成型ネットが潰れてしまうおそれがある。1000Nを超えると、作業員がスレート瓦の上で作業したときに、瓦が割れてしまうおそれがある。
【0041】
なお、立体成型ネットの10mm圧縮応力は以下のようにして測定される。平坦な面上に縦10cm・横10cmの正方形にカットした立体成型ネットを置き、定速型力学試験機(例えば、オリエンテック社製UCT−1T)を用い、試料が圧縮される方向(厚さ方向)に、ヘッドスピードを1分間に10mmとして、試料を圧縮する。その際、試料を圧縮する治具は、縦20cm・横20cmの正方形の面を有するものとし、試料である立体成型ネットが完全に覆われるようにする。そして、初荷重点から10mm圧縮した時に加わっているときの荷重を、10mm圧縮応力として測定する。
【0042】
立体成型ネットの引張強力はJIS−L1908に準じて測定される。立体成型ネットの引張り強力は30N/5cm以上である事が好ましい。立体成型ネットの引張強力が30N/5cmを下回ると、例えば、本発明の建築資材シートを屋根の傾きに沿って、重力に対して斜め方向となるように敷設すると、上方では自重のために、大きな荷重が加わる。その結果、立体成型ネット自身が破壊されてしまい、シート自体の構造を保てなくなるおそれがある。
【0043】
本発明の建築資材シートは、前記立体成型ネットのみでも使用可能であるが、好ましくは、他の実質的に凸部を有さないシートをさらに含み、このシートがネットに接合されていることが好ましい。立体成型ネットからなる建築資材シートが他のシートと接合、一体化されることで、取り扱いが容易になり、使用するシートに様々な機能を持たせることで、建築資材シートが用途に適した機能を発揮し得るためである。
【0044】
ここでいう、他の実質的に凸部を有さないシートとは、不織布、織布、フィルム、板、ボード等、複数の凸部を設けた立体成型ネット全体にわたって接点を有し得るような広い面を備えているものをいう。シートは、その表面に多少の凹凸(例えばエンボス加工による凹凸、接着剤等による凹凸、複数枚の繊維状物を積層し、接着点がドット状になるように熱加工して貼り合わせた場合の凹凸)を有していても、実用上または製造工程上、特に支障がなければ、そのまま使用してよい。
【0045】
シートの形態および材料は、特に限定されない。例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式抄紙不織布、水流交絡不織布、ニードルパンチ不織布、およびレジンボンド不織布のような不織布;平織り、綾織り、およびサテン織などの織布;フィルム;スレート板;ベニヤ板;石膏ボード等を、シートとして使用することができる。特に、不織布が好ましく使用され、シートの強度および価格を考慮すると、合成繊維からなる各種不織布が好ましく、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布、水流交絡不織布や、前記不織布を複数層積層した積層不織布が特に好ましい。
【0046】
不織布をシートとして使用する場合、不織布を構成する繊維は特に限定されない。例えば、不織布を構成する繊維は、合成繊維、天然繊維、および再生繊維のいずれであってもよい。合成繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートなどポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレン、およびエチレンビニルアルコール等のオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、およびナイロン12等のアミド系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂といった生分解性樹脂から選択される、1または複数の樹脂から成っていてよい。再生繊維は、例えばレーヨンである。天然繊維は、コットン、麻、羊毛、ガラス繊維、金属繊維およびパルプ等である。これらの繊維は、単独でまたは複数が組み合わされて、不織布を構成してよい。不織布を構成する繊維は、複数の樹脂から成る複合繊維または分割型複合繊維(分割により形成される極細繊維を含む)であってもよい。
【0047】
複数の種類の繊維を使用して不織布を構成する場合には、混合して使用してよく、あるいは層構造をなすように積層してよく、あるいは混合することと積層することを組み合わせてもよい。用途に応じて、シートの形態は適宜選択される。
【0048】
他のシートが繊維から成る場合(特に、不織布である場合)には、その目付はJIS−L1906に準じて測定される。シートの目付は15〜1000g/m2であることが好ましく、20〜200g/m2であることがより好ましい。シートの目付が15g/m2未満であると、シートの強力が小さくなり、破損が生じやすくなる。また、シートの目付が1000g/m2を超えるようであると、建築資材シートが重くなり、軽量化の要求に反する。
【0049】
シートが繊維から成る場合(特に、不織布である場合)には、シートの厚みはJIS−L1906に準じて測定される。但し、荷重は2.94cN/cm2である。シートの厚みは、0.01〜50mmであることが好ましく、0.1〜3mmであることがより好ましい。シートの厚みが0.01mm未満であると、シートの強力が小さく、破損が生じやすくなる。シートの厚みが50mmを超えると、立体成型ネットとシートとを貼り合わせる工程において作業性が悪くなる。具体的には、例えば、シートを反転させる、または巻き取る過程において、シートの表面または裏面に巻皺が生じる可能性がある。
【0050】
立体成型ネットと他のシートとを接合する際、強固に接合できる方法であれば特に限定されず、接着剤やホットメルト樹脂で接合する方法、立体成型ネットあるいはシートの一部を融解させて接合させる熱接着で接合させる方法、ねじや釘、ステープル、押しピン等を使用して接合する機械的な方法など、立体成型ネットと他のシートを強固に接合させる方法であれば特に限定されない。この中で、接着剤やホットメルト樹脂を用いて接合する方法は、シートに穴を開ける可能性が低いことから好ましく採用することができ、特にホットメルト樹脂を用いて立体成型ネットとシートを接合させる方法が最も好ましい。
【0051】
立体成型ネットをシートに強く接着させれば、接着部分が支点となり、全体的に立体成型ネットが潰れにくくなり、立体成型ネットを用いた本発明の建築資材シートの剛性が高くなる傾向にある。反対に、立体成型ネットをシートに弱く接着させると、強い応力が掛かったときに、接着部分が容易に分離して立体成型ネットが潰れることにより、応力を緩和することができると考えられる。また、施工時に、複数の建築資材シートを並列に並べて、敷設するときに、立体成型ネットと立体成型ネットとの間に隙間が生じないよう、シートから立体成型ネットを剥離して、シートの上にシートを重ね合わせる必要が生じることがある。その場合に、シートと立体成型ネットとの接着強力が、剥離容易な程度に調整されていると、施工現場での利便性がよい。このように、圧着により両者を一体化し、接着強度を適宜調節することによっても、シートの特性または取扱い性を変えることができる。
【0052】
以上においては、本発明の建築資材シートにおいて、凸部を設けた立体成型ネットとシートをホットメルト樹脂を用いて接合した形態を説明した。本発明の建築資材シートは、そのような形態に限定されず、場合により、立体成型ネットをシートに接着剤で取り付けて、一体化させてよい。あるいは、立体成型ネットとシートを機械的な接合方法(例えば、釘、ステープル、押しピン等)によって一体化してよい。あるいはまた、シートと立体成型ネットを別々に用意し、施工現場にて先にシートを敷設し、その上に立体成型ネットを敷いてから、両者を接着剤または溶融樹脂で接合するなど、立体成型ネットと他のシートの接合方法は特に限定されず、公知の接合方法で接合されていれば問題ない。
【0053】
あるいは、本発明の建築資材シートは、2枚のシートで、立体成型ネットを挟んだ形態で提供してよい。その場合にも、立体成型ネットとシートをホットメルト樹脂を用いて接合させることが好ましい。
【0054】
凸部を設けた立体成型ネットに接合されるシートは、それ自体が機能を発揮するものであってよい。例えば、シートを通気性を有するものとすることによって、360度全方向において通気性が確保されることとなる。あるいは、シートとして、フィルター、断熱性シート、防音シート、遮水シート、防湿シート、および電磁波シールド用シート等、機能性シートを単独で、または重ね合わせて、或いは立体成型ネットの両面に貼り合わせることによって、本発明の建築資材シートは、通気性を確保する以外にも、種々の機能を発揮し得る。
【0055】
上記シートは、その物理的な特性に加えて、他の特性を有する、機能性のシートとしてもよい。具体的には、1または複数の機能を発揮する剤を添加した原料をシート状にすることにより、種々の機能をシートに付与することができる。例えば、より具体的には、シートに使用する原料に、何らかの機能を発揮する機能材を混合させたものをシート状にする方法で、本発明の建築資材シート接合するシートに所望の機能を付加することができる。あるいは、シートを製造した後に、所望の機能を有する剤(液体または粉体)を、撒布、浸漬、または付着させる等の後処理によって、機能をシートに付与してよい。
【0056】
建築資材シートとして望まれる機能であり、シートに付与可能な機能の一例としては、例えば、ヒンダードアミン系難燃剤(以下HALSという)またはリン系難燃剤を添加することによって、難燃性を付与することができ、カーボンを添加することによって、導電性を付与することができ、炭酸カルシウム等の無機粒子を添加することによって、耐熱性や保温性を付与することができ、活性炭等の吸着剤を添加することによって、消臭性および有害物質を吸着する性質を付与することができ、ピレスロイドなど防虫・忌避剤等を添加することによって、昆虫および小動物(例えば、鼠)を近づけないようにすることができる。あるいはまた、その他の成分を樹脂段階で練り込む、または後処理によって付与することにより、耐候性、撥水性、蓄熱性、防音性および防かび性等を、シートに付与することができる。
【0057】
建築資材シートとして望まれる機能であり、シートに付与可能な機能として上記のように記載した、耐候性、撥水性、蓄熱性、防音性および防かび性といった機能は、凸部を設けた立体成型ネットに付与することでもその機能を発揮することができる。特に機能を発揮させるのが必要な機能材が固体の粉末であれば、立体成型ネットを製造する際に原料に添加することで容易に機能を付与することができる。
【0058】
本発明の建築資材シートは、1枚(単層)を敷設して使用できる他、複数枚の建築資材シートを重ねて使用することも可能である。建築資材シートを積層して使用することで、曲げ強度が向上するためである。本発明の建築資材シートのうち、立体成型ネットの凸部が畝状の建築資材シートを複数枚積層する場合、積層した上下の建築資材シートに設けられた畝状の凸部が延びる方向が平行にならないことが好ましい。ネット状物に設けられた凸部が畝状である場合、シートを積層した際に、上下の立体成型ネットにおける畝状の凸部が延びる方向が平行であると、積層することで得られる補強効果が得られないおそれがある。ネット状物に設けられた凸部が畝状である本発明の建築資材シートを積層する場合、積層した建築資材シートにおいて、上下の立体成型ネットにおける畝状の凸部が延びる方向がなす角度が30〜90°であると好ましく、より好ましいのは、上下の畝状凸部が延びる方向がなす角度が60〜90°の場合である。
【0059】
以上において説明した本発明の建築資材シートは、一戸建て住宅、マンション、アパート、ビルディング、倉庫、工場、体育館、事務所、ホール、ホテル、および地下街等、おおよそ人間が立ち入ることのできる建築物において天井部分や壁部分、床下部分といった、通気性を求められる用途において広く使用される。本発明の建築資材シートは上記の用途に代表される用途に使用できるが、天井部分において敷設する天井裏敷設材や壁面敷設材として好ましく使用される。天井裏敷設材として使用する場合、瓦または瓦に相当する覆いを有する建築物(特に一戸建て住宅)の瓦と野地板との間に好ましく配置される。また、壁面敷設材として使用する場合、外壁材と内壁材の間に配置され、好ましくは内壁材の上に各種断熱材(例えばグラスウール、ロックウールといった無機材料系断熱材、ウレタンフォーム、スチレンフォームといった発泡樹脂系、またセルロース系繊維やウールを使用した有機繊維系断熱材)を配置し、その上から本発明の建築資材シートを配置すると好ましい。
【0060】
本発明の建築資材シートを天井裏敷設部材として使用する場合、野地板、または野地板の上に他の部材が位置する場合にはその部材(例えば、遮水シート)の上に敷かれ、その上に瓦を葺くことにより、天井裏(または屋根裏)の通気性が確保された、屋根構造を与える。本発明の建築資材シートが不織布を始めとするシートを含み、当該シートが遮水性を有する場合には、本発明の天井裏敷設材は遮水シートとしても機能することとなり、実質的に工程数を増やすことなく、屋根葺き作業を完了させることを可能にする。
【0061】
本発明の建築資材シートを壁面敷設材として使用する場合、内壁材の外側に直接敷設することも可能であるが、好ましくは、上記のように内壁材の外側に各種断熱材を敷設し、その外側に本発明の建築資材シートを敷設することが好ましい。より好ましくは、上記断熱材の外側に、断熱効果を有するシート(例えばアルミ蒸着が施されたシート状物)を敷設した後、本発明の建築資材シートを敷設した場合であり、特に好ましくは、建造物の内側から順に、内壁材、断熱材、前記断熱効果を有するシートの順に積層されている壁面構造に対し、立体成型ネットよりも外壁側に透湿防水効果のあるシートが配されるように、透湿防水シートと立体成型ネットが一体化している、本発明の建築資材シートを敷設すると、外壁材と内壁材との間の通気性が特に良好となり、結露や高温多湿による構造物の劣化防止に効果的である。
【実施例】
【0062】
以下、本発明を、実施例により、さらに詳しく説明する。まず、本発明で実施した性能評価の試験方法を説明する。
[破壊試験]
平らなセメントの床上に、各辺1mの正方形にカットした本発明の建築資材シートを、立体成型ネットの片面にシートが接合されているタイプのものは、シートが下側になるように(即ち、セメント床と接するように)配置し、その上に平形屋根スレート材(クボタ松下電工(株)製、商品名:コロニアルNEO 型番KLCC362)を置いた。それから、一般作業安全靴(ミドリ安全(株)製、商品名:エコスペック 型番ES210 28cm)を履いた体重100kgの人間が、スレート材の上に、高さ50cmの所から飛び降りた。飛び降りる箇所は各サンプルの中心部分と、中心部分から上下左右にずれた端の部分の計5箇所とし、それぞれの場所において、飛び降りる動作を5回繰り返し、スレート材の破損状況および建築資材シートの破損状況を確認した。評価基準は次のとおりである。
○:スレートは割れず、建築資材シートも破壊されていない。
×:スレート材の割れや建築資材シートの圧壊が発生した。
なお、この試験では、破壊試験後の立体成型ネットの凸部分における高さが5mm未満となったものを、立体成型ネットが圧壊したと判断し、評価を前記×印とした。
【0063】
ネット状物の線条径、また凸部を設けられた、立体成型ネットの目付、厚み、突起の高さ、圧縮強度、および引張強力は、先に説明した方法で測定した。立体成型ネットに貼り合わせる、他のシートの目付および厚みは、先に説明した方法で測定し、引張り強力は、JIS L 1096 6.12.1 A法(ストリップ法)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度30cm/分(誤差2cm/分以内)の条件で測定した。
【0064】
[実施例1]
ネット状物として、市販されている一般土木用の高密度ポリエチレン製のネット状のシート(三井化学産資株式会社製 ネトロンシート(ネトロンは登録商標) Z−30)を使用した。このシートの網目部分は各辺8mmの正六角形で構成されている。ネット状物を構成する線条の線条径は1.9mmである。前記ネット状物に対し、プリーツ加工機を用いてプリーツ加工し、連続した凸部をネット状のシートに設け、本願発明の建築資材シートとした。このとき凸部の断面形状は逆V字状であり、建築資材シート全体の厚さ(各図中 記号9、各式中 記号H)は19.1mm、凸部の高さ(各図中 記号12、各式中 記号h3)は15.3mmであった。また凸部と凸部の間隔(図8中 記号16)は12mm、凸部をなしている逆V字状部分の角度(図9中 記号17)は30°であった。
【0065】
[実施例2]
ネット状物として、市販されている一般土木用の高密度ポリエチレン製のネット状のシート(三井化学産資株式会社製 ネトロンシート(ネトロンは登録商標) Z−28)を使用した。このシートの網目部分は、線条の交点部分が広がることで直径2.55mmの円形の形状のみで構成されている。ネット状物を構成する線条の線条径は0.8mmである。前記ネット状物からなるシートに対し実施例1と同様にプリーツ加工機を用いてプリーツ加工し、連続した畝状の凸部を設け、本発明の建築資材シートとした。このとき凸部の断面形状は逆V字状であり、建築資材シート全体の厚さ(各図中 記号9、各式中 記号H)は16.1mm、凸部の高さ(各図中 記号12、各式中 記号h3)は14.5mmであった。また凸部と凸部の間隔(図8中 記号16)は25mm、凸部をなしている逆V字状部分の角度(図9中 記号17)は65°であった。
【0066】
[実施例3]
ネット状物として、市販されている一般土木用の高密度ポリエチレン製のネット状のシート(三井化学産資株式会社製 ネトロンシート(ネトロンは登録商標)品番Z−28に準じる緑色タイプ)を使用した。このシートの網目部分は線条の交点部分が広がることで直径2.6mmの円形の形状のみで構成されている。ネット状物を構成する線条の線条径は1.0mmである。前記ネット状物からなるシートに対し実施例1と同様にプリーツ加工機を用いてプリーツ加工し、連続した畝状の凸部を設け、本発明の建築資材シートとした。このとき凸部の断面形状は逆V字状であり、建築資材シート全体の厚さ(各図中 記号9、各式中 記号H)は14.0mm、凸部の高さ(各図中 記号12、各式中 記号h3)は12.0mmであった。また凸部と凸部の間隔(図8中 記号16)は8.6mm、凸部をなしている逆V字状部分の角度(図9中 記号17)は35°であった。
【0067】
[実施例4]
実施例1に示す本発明の建築資材シートの施工面側に対し、目付が40g/m2のポリプロピレン製メルトブロー不織布の両面に、目付60g/m2のポリプロピレン製スパンボンド不織布を貼り合わせた積層不織布(積層不織布のみの厚さ(各図中 記号11、各式中 記号h2)は0.7mm)を、市販されているホットメルト樹脂(EVA:エチレン酢酸ビニル共重合樹脂を使用 融点90℃)で貼り合わせ、実施例4とした。立体成型ネットと積層不織布をホットメルト樹脂で貼り合わせる際、まず積層不織布の上に立体成型ネットを載せ、その上に溶融したホットメルト樹脂を垂らすことで接着させた。このとき、ホットメルト樹脂は、プリーツ加工で生じた凸部が伸びる方向(図8中 記号15で示される山折りの折り目方向)と垂直になるように一直線状に立体成型ネットと積層不織布を接着させ、15cm間隔でホットメルト樹脂による接着を行った。得られた建築資材シート全体の厚さ(各図中 記号9、各式中 記号H)は19.8mm、凸部の高さ(各図中 記号12、各式中 記号h3)は15.3mmであった。また凸部と凸部の間隔(図8中 記号16)は12mm、凸部をなしている逆V字状部分の角度(図9中 記号17)は30°であった。
【0068】
[実施例5]
実施例2に示す本発明の建築資材シートの片面に対し、実施例4で使用した積層不織布と同じ積層不織布を実施例4と同様に市販されているホットメルト樹脂で貼り合わせ、実施例5とした。貼り合わせる方法は実施例4と同じく方法とし、まず積層不織布の上に立体成型ネットを載せ、その上に溶融したホットメルト樹脂を垂らすことで接着させた。ホットメルト樹脂は、プリーツ加工で生じた凸部が伸びる方向と垂直になるように一直線状に立体成型ネットと積層不織布を接着させ、15cm間隔でホットメルト樹脂による接着を行った。得られた建築資材シート全体の厚さ(各図中 記号9、各式中 記号H)は16.8mm、凸部の高さ(各図中 記号12、各式中 記号h3)は14.5mmであった。また凸部と凸部の間隔(図8中 記号16)は25mm、凸部をなしている逆V字状部分の角度(図9中 記号17)は65°であった。
【0069】
[実施例6]
実施例3に示す本発明の建築資材シートの片面に対し、実施例4、5で使用した積層不織布と同じ積層不織布を実施例4と同様に、市販されているホットメルト樹脂で貼り合わせ、実施例6とした。貼り合わせる方法は実施例4と同じく方法とし、まず積層不織布の上に立体成型ネットを載せ、その上に溶融したホットメルト樹脂を垂らすことで接着させた。ホットメルト樹脂は、プリーツ加工で生じた凸部が伸びる方向と垂直になるように一直線状に立体成型ネットと積層不織布を接着させ、15cm間隔でホットメルト樹脂による接着を行った。得られた建築資材シート全体の厚さ(各図中 記号9、各式中 記号H)は14.7mm、凸部の高さ(各図中 記号12、各式中 記号h3)は12.0mmであった。また凸部と凸部の間隔(図8中 記号16)は8.6mm、凸部をなしている逆V字状部分の角度(図9中 記号17)は35°であった。
【0070】
[比較例1]
連続線条が不規則にループ状に堆積し、凸部を設けた立体網状体に、ポリプロピレン製の不織布シート(スパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スパンボンド不織布の三層構造 不織布の厚さ[各図中 記号11、各式中 記号h2]は0.8mm)が一体化している市販の敷設材(BWK社製(ドイツ)、商品名Difflex Convec−Blech)を用意した。この敷設材において、上記立体網状体はポリプロピレン製であり、目付は54.6g/m2であった。凸部は立体網状体全体にわたって、長手方向に凸部が延びているプリーツ状の突起が形成されている。このシートにおいて、シート全体の厚さ(各図中 記号9、各式中 記号H)は6.0mm、凸部の高さ(各図中 記号12、各式中 記号h3)は4.4mmであった。
【0071】
実施例1〜6および比較例1の物性を表1に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
実施例1〜6の天井裏敷設材は破壊試験において、瞬時に大きな応力が作用した際、凸部断面の角度が適度であるため、応力が分散されることで、立体成型ネットを構成する線条の破損は生じなかった。また、立体成型ネットを構成する線条がランダムな配列ではなく、規則正しく配列しているため、どの部分で破壊試験を行っても高い衝吸収性を示した。
また、実施例1〜3と実施例4〜6を比較すると、片面に積層不織布を貼り付けている実施例4〜6のほうが圧縮強力が高くなっていることがわかる。これは立体成型ネット積層不織布を一体化させる際に使用したホットメルト樹脂が、立体成型ネットとシート状物を接着し、硬化することで、上からの圧力に対して立体成型ネットの凸部が変形しないようにする効果を発揮したためだと考えられる。このことから、本発明の建築資材シートにおいて、立体成型ネットに他のシートを積層・一体化させることは、機能性シートを立体成型ネットに接着させることで、使用したシートの機能を発揮する建築資材シートにするだけでなく、容易に厚み方向の圧縮の対する強度を高めることができるため、好ましいことがわかる。
比較例1の天井裏敷設材は一部の箇所で破壊試験中にスレート材の破壊が生じた。破壊が生じた箇所は、ランダムに線条が配列している立体網状体において、線条の密度が疎になっている部分であった。このため場所によって強度にバラツキが生じ、スレート材が破壊したものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の建築資材シートは良好な通気性を確保することができるので、一般的な建築物、例えば天井、屋根、壁面及び床の下地材に用いることが可能である。そして本発明の建築資材シートからなる天井裏敷設材、壁面敷設材、床下敷設材は、住居または建築物一般において、天井裏(または屋根下)や壁面内部及び床下において、良好な通気性を確保し、結露の発生を防ぐために好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の建築資材シートに使用可能な、網目部分が平行六辺形で あるネット状物の写真である。
【図2】本発明の建築資材シートに使用可能な、網目部分が平行四辺形 (菱形)であるネット状物の写真である。
【図3】本発明の建築資材シートに使用可能な、網目部分が実質的に円形 であるネット状物の写真である。
【図4】本発明の建築資材シートに使用可能な、網目部分が実質的に円形 であるネット状物の写真である。
【図5】上下に他のシートを積層した、本発明の建築資材シートの概略図 である。
【図6】施工面と接する側に他のシートを積層した、本発明の建築資材シ ートの概略図である。
【図7】立体成型ネットのみからなる、本発明の建築資材シートの概略図 である。
【図8】本発明の建築資材シートを構成する、凸部を設けられた立体成型 ネットを斜め上方向から撮影した写真である。
【図9】立体成型ネットに設けられた凸部を拡大した写真である。
【符号の説明】
【0076】
1:本発明の建築資材シート
2:立体成型ネット
3:立体成型される前の、網目が規則的に繰り返されているネット状物
4:網目
5:線条によって形成された網目部分
6:立体成型ネットの上側に積層された他のシート
7:立体成型ネットの下側に積層された他のシート
8:施工面
9:建築資材シート全体の厚み
10:立体成型ネットの上側に積層された他のシートの厚み
11:立体成型ネットの下側に積層された他のシートの厚み
12:ネット状物に設けられた凸部の高さ
13:凸部における立体成型ネットの厚み
14:凹部における立体成型ネットの厚み
15:断面形状が逆V字状で、直線状に伸びる畝状凸部
16:凸部間の間隔
17:凸部頂点の角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太さ0.1〜10mmの線条により形成される網目が規則的に繰り返されているネット状物であって、前記ネット状物が成型されて、高さ5mm以上の複数の凸部を含む建築資材シート。
【請求項2】
前記ネット状物における網目の形状が、三角形、平行四辺形、平行六辺形、円形から選ばれる少なくとも一つの形状であり、各網目部分の面積が実質的に同じである請求項1に記載の建築資材シート。
【請求項3】
前記凸部が一方向に連続した畝状に成型されており、前記凸部の断面形状が逆V字状、逆U字状、波形、半円状、矩形状、鋸刃状から選ばれる少なくとも一つの形状である請求項1または2に記載の建築資材シート。
【請求項4】
前記ネット状物の片面あるいは両面に、他のシート状物が接合されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の建築資材シート。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築資材シートからなる天井裏敷設材。
【請求項6】
野地板と瓦との間に、請求項5に記載の天井裏敷設材が配置されている屋根構造。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築資材シートからなる壁面敷設材。
【請求項8】
外壁材と内壁材との間に、請求項7に記載の壁面敷設材を少なくとも1層使用していることを特徴とする壁面通気構造。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築資材シートからなる床下敷設材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−13804(P2010−13804A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172371(P2008−172371)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000002923)ダイワボウホールディングス株式会社 (173)
【出願人】(306024090)ダイワボウプログレス株式会社 (14)
【Fターム(参考)】