説明

建設機械の冷却構造

【課題】吸気室にエアクリーナを設けながら、風量性能を高め、吸い込み効率をアップさせる。
【解決手段】エンジンルーム4における熱交換器7の吸気側に設けられた吸気室9の上面壁に第1吸気口14を設ける一方、熱交換器コア面7aの吸気側に、同コア面7aに空気を導入する第2吸気口15を備えたダクト19を設ける。これを前提として、エアクリーナ16を、ダクト19の吸気入口側において、第1吸気口14におけるダクト19から最も遠い外側端部と第2吸気口15の下端部とを結ぶ直線Lよりも下方でかつ直線Lに近い位置に設け、外縁側の空気の流れFoを第2吸気口15に向けてガイドするように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエンジン冷却水を冷却する熱交換器の吸気入口側に吸気室を形成し、この吸気室内に吸気案内用のダクトとエンジン吸気を濾過するエアクリーナとを設ける建設機械の冷却構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルを例にとって背景技術を説明する。
【0003】
油圧ショベルにおいては、図3,4に示すように上部旋回体1の後部に、エンジンガード2やカウンタウェイト3等のガード部材で覆われたエンジンルーム4が設けられ、このエンジンルーム4にエンジン5が左右方向に長い横長姿勢で設置される。
【0004】
このエンジン5の左右片側(図例では右側。以下、この場合で説明する)に油圧ポンプ6、反対側に、エンジン冷却水を冷却する熱交換器7と、外気をエンジンルーム4に吸い込んで熱交換器7に通す冷却ファン8がそれぞれ設けられるとともに、熱交換器7の吸気入口側に外気を取り入れる吸気室9が形成される。
【0005】
なお、カウンタウェイト3は、左右両サイド部分3a,3bがエンジンルーム4の側方に回り込み、左サイド部分3aが吸気室9を形成する状態で設置される。
【0006】
また、左右両サイド部分3a,3bには、窓穴状のメンテナンス開口10と、これを開閉するメンテナンスパネル11とが設けられ、これらにより両メンテナンス開口部分の内側に凹み12が形成される。
【0007】
吸気室9内における熱交換器コア面7aの吸気入口側に、コア面7aに対向する正面壁13aを備えた箱状のダクト13が設けられる一方、吸気室9の上面壁(エンジンガード2)に、外気を吸気室9内に導入する第1吸気口14、ダクト正面壁13aに第2吸気口15(フィルタが設けられるが図示省略)がそれぞれ設けられ、
この第1及び第2両吸気口14,15及びダクト13により、第1吸気口14から下向きに取り込まれた外気を第2吸気口15で横向きに方向転換して熱交換器コア面7aに導入するL字形の屈折した吸気通路が形成される。
【0008】
さらに、エンジン吸気を濾過するエアクリーナ16が吸気室9内に設けられる。
【0009】
このエアクリーナ16はほぼ円筒状に形成され、特許文献1に示された公知技術では、図示のようにこのエアクリーナ16をダクト13内に前後方向に延びる横姿勢で設けている。
【0010】
図3,4中、17は上部旋回体1の基台となるアッパーフレーム、18はこのアッパーフレーム17の前部左側に設置されたキャビンである。
【0011】
なお、この明細書において、「左右」「前後」はキャビン18内に着座したオペレータから見た方向性をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−206034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のようにエアクリーナ16をダクト13内に設置した公知技術によると、このエアクリーナ16が、第2吸気口15から熱交換器コア面7aに向かう空気(冷却風)の流れの障害となり、スムーズな流れが阻害されるとともに、エアクリーナ16を避けてコア面7aの一部に偏って流れることとなる。
【0014】
このため、空気の吸い込み効率が悪くなり、熱交換器7が必要とする風量が不足して冷却性能が低下する。
【0015】
また、必要な風量を確保するために冷却ファン8を増速させると、同ファン8の運転音も増加するため、外部に漏れる騒音レベルが高くなり、騒音対策の拡充が必要となってコストアップとなる。
【0016】
そこで本発明は、吸気室にエアクリーナを設けながら、このエアクリーナが空気の流れの障害とならないばかりか、整風機能を発揮して風量性能を高め、吸い込み効率をアップさせることができる建設機械の冷却構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決する手段として、本発明においては、カバー材で覆われたエンジンルーム内に、エンジンと、熱交換器と、外気をエンジンルーム内に吸い込んで上記熱交換器に通す冷却ファンとが設けられるとともに、上記熱交換器の吸気入口側に、外気を取り入れる吸気室が形成され、かつ、この吸気室内における上記熱交換器のコア面の吸気入口側に、コア面に対向する正面壁を備えたダクトが設けられるとともに、上記吸気室の上面壁に、外気を吸気室内に導入する第1吸気口、上記ダクトの正面壁に第2吸気口がそれぞれ設けられ、上記第1吸気口から吸気室内に吸い込んだ外気を上記ダクトの第2吸気口を経て熱交換器コア面に導入するように構成された建設機械の冷却構造において、エンジン吸気を濾過するエアクリーナを、
(i) 上記吸気室内であってダクト外におけるダクトの吸気入口側で上記第2吸気口に臨み、
(ii) 上記熱交換器と冷却ファンとダクトの並び方向を左右としたときの前後方向に延びる横姿勢で、
(iii) 上記吸気室内に吸い込まれる空気の流れにおけるダクトから最も遠い外縁側の流れを上記第2吸気口に向けてガイドする位置に
設けたものである。
【0018】
この構成によれば、第1に、エアクリーナをダクト外に設けるため、エアクリーナがダクト内での空気の流れの障害とならない。
【0019】
すなわち、空気をスムーズに、かつ、熱交換器コア面の全域に均等に導入することができる。
【0020】
第2に、エアクリーナを、吸気室内に吸い込まれる空気の流れにおけるダクトから最も遠い外縁側の流れを第2吸気口に向けてガイドする位置に設けたから、エアクリーナを吸気室におけるダクトの吸気側に設置しながら、エアクリーナが第2吸気口に向かう空気の流れを阻害するおそれがないばかりか、外縁側の流れを第2吸気口に向けてガイドする整風機能を発揮する。
【0021】
とくに円筒状のエアクリーナの場合、外縁側の流れを外周の円弧面にそってスムーズに第2吸気口にガイドすることができる。
【0022】
そして、外縁側の流れを第2吸気口にガイドすることで吸気室内での空気の流れ全体を第2吸気口に向かう流れに整えることができる。
【0023】
以上の点により、冷却ファンを増速することなく必要な風量を確保することができる。
【0024】
この場合、上記エアクリーナを、上記第1吸気口におけるダクトから最も遠い外側端部と上記第2吸気口の下端部とを結ぶ直線よりも下方でかつ直線に近い位置に設けるのが望ましい(請求項2)。
【0025】
こうすれば、外縁側を流れる空気のほぼ全量をエアクリーナによって第2吸気口に導くこと、すなわち、吸気室内に吸い込まれた空気を第2吸気口の全域を通ってダクト内に導くことができるため、空気を熱交換器コア面の全域に均等に導入する点の効果がとくに高くなる。
【0026】
なお、エアクリーナを、全体が上記直線よりも下方でかつ直線にできるだけ近い位置に設けるのが望ましいが、たとえばエアクリーナの中心が上記直線よりも下方にあってエアクリーナ外周の大半が上記直線よりも下方に位置し、外周一部のみがわずかに直線よりも上方に位置する状態で設けてもよい。
【0027】
要は、エアクリーナが、外縁側の流れを第2吸気口に向けてガイドする機能を失わない範囲であればよい。
【0028】
また本発明においては、第1吸気口から吸い込まれた空気が第2吸気口で方向転換して熱交換器のコア面に至るように、第2吸気口を、第1吸気口と熱交換器のコア面との間にL字形に屈折した吸気通路を形成する状態で設け、上記エアクリーナを、上記ダクトから最も遠い外縁側の流れの方向転換点に設けるのが望ましい(請求項3)。
【0029】
こうすれば、外縁側の空気の流れの方向転換点でエアクリーナによって空気を第2吸気口に導くことで、整風効果が一層良くなる。
【0030】
さらに本発明においては、上記エンジンルームの後方にカバー材を兼ねるカウンタウェイトを、左右両サイド部分がエンジンルームの側方に回り込んで片側のサイド部分が上記吸気室を形成する状態で設置し、このカウンタウェイトの上記片側のサイド部分に、メンテナンス開口と、このメンテナンス開口を外側から開閉するメンテナンスパネルとを設け、上記エアクリーナを、上記メンテナンス開口とメンテナンスパネルとによって形成されるカウンタウェイトの凹みの上端部に接近して設けるのが望ましい(請求項4)。
【0031】
図3,4に示す公知技術によると、図4中に矢印で示すように、吸気室9に吸い込まれた空気の一部が、第2吸気口15を素通りして下に向かう流れに分散し、さらに一部はカウンタウェイトサイド部分3aの凹み12に入り込んで渦を巻く流れとなり、停滞してしまう。
【0032】
このため、ダクト13内に導入される風量そのものが減少するため、風量性能がさらに悪化するという問題がある。
【0033】
これに対し、上記のようにエアクリーナをカウンタウェイトサイド部分の凹みの上端部に接近して設けることにより、下向きに素通りする空気の流れを止めて第2吸気口に向けてガイドできること、及び凹みへの空気の流入そのものを抑えて渦の発生を抑制できることにより、風量性能を一層向上させることができる。
【0034】
一方、本発明において、上記吸気室の底部にバッテリを設置し、上記エアクリーナを、このバッテリの少なくとも一部を上から覆う状態で設けるのが望ましい(請求項5)。
【0035】
補機用のバッテリを吸気室に設置する場合、第1吸気口から雨水がバッテリに降りかかるおそれがあるため、バッテリ上方に雨水避けのカバーを設ける必要がある。
【0036】
この場合、上記のようにエアクリーナを、バッテリの少なくとも一部を上から覆う状態で設けることにより、雨水避けカバーのサイズを縮小し、コストダウンを図ることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によると、吸気室にエアクリーナを設けながら、このエアクリーナが空気の流れの障害とならないばかりか、整風機能を発揮して風量性能を高め、吸い込み効率をアップさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態を示す概略断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】従来構造を示す油圧ショベルの上部旋回体の全体概略平面図である。
【図4】図3のIV−IV線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の実施形態を図1,2によって説明する。
【0040】
実施形態において、次の点は図3,4に示す従来構造と同じである。
【0041】
(i) 上部旋回体の後部に、エンジンガード2やカウンタウェイト3等のガード部材で覆われたエンジンルーム4を設け、このエンジンルーム4にエンジン5を左右方向に長い横長姿勢で設置する点。
【0042】
(ii) このエンジン5の左右片側(背景技術の説明に合わせて右側の場合で説明する)に油圧ポンプ6、反対側に、エンジン冷却水を冷却する熱交換器7と、外気をエンジンルーム4に吸い込んで熱交換器7に通す冷却ファン8をそれぞれ設けるとともに、熱交換器7の吸気入口側に外気を取り入れる吸気室9を形成する点。
【0043】
(iii) アッパーフレーム17の後端部に配置されるカウンタウェイト3は、左右両サイド部分3a,3bがエンジンルーム4の側方に回り込み、左サイド部分3aが吸気室9を形成する状態で設置する点。
【0044】
(iv) 左右両サイド部分3a,3bには、窓穴状のメンテナンス開口10と、これを開閉するメンテナンスパネル11とを設け、これらにより両メンテナンス開口部分の内側に凹み12が形成される点。
【0045】
(v) 吸気室9内における熱交換器コア面7aの吸気入口側に、コア面7aに対向する正面壁19aを備えた箱状のダクト19を設ける一方、吸気室9の上面壁(エンジンガード2)に、外気を吸気室9内に導入する第1吸気口14、ダクト正面壁19aに第2吸気口15をそれぞれ設け、この第1及び第2両吸気口14,15及びダクト19により、第1吸気口14から下向きに取り込まれた外気を第2吸気口15で横向きに方向転換して熱交換器コア面7aに導入するL字形の屈折した吸気通路を形成する点。
【0046】
なお、ダクト19は正面壁19aのほか上下、前後の各側面を備えた独立した箱状に形成し、熱交換器コア面7aを気密に囲う状態で設けている。
【0047】
実施形態においては、エンジン吸気を濾過する円筒状のエアクリーナ16を、吸気室9内であってダクト19外におけるダクト19の吸気入口側で第2吸気口15に臨む位置、つまり、吸気室9内に吸い込まれた空気の流れのうちダクト19から最も遠い外縁側の流れFo(図1参照)を第2吸気口15に向けてガイドする位置に、前後方向に延びる横姿勢で設けている。
【0048】
詳述すると、エアクリーナ16は次の条件を満足する状態で設けている。
【0049】
(A) エアクリーナ全体が、第1吸気口14におけるダクト19から最も遠い外側端部と第2吸気口15の下端部とを結ぶ直線Lよりも下方であって、外周が直線Lにほぼ接する(直線Lにできるだけ近い)こと。
【0050】
(B) L字形の吸気通路の屈折点、つまり、上記外縁側の空気流れFoの方向転換点に位置すること。
【0051】
(C) カウンタウェイト左サイド部分3aのメンテナンス開口10とメンテナンスパネル11とによって形成される凹み12の上端部に接近する(凹み12の上端部をほぼ塞ぐ)こと。
【0052】
なお、エアクリーナ16をダクト19外で吸気室9に設けるため、ダクト19外にエアクリーナ設置スペースを確保するべく、ダクト19の左右方向寸法を図3,4に示す従来構造のダクト13よりも短くしている。
【0053】
一方、吸気室9の底部であってエアクリーナ16の下部に補機用のバッテリ20を設置している。
【0054】
ここで、エアクリーナ16が、上から見てバッテリ20のほぼ左半部を上から覆うようにエアクリーナ16とバッテリ20の位置関係を設定している。
【0055】
図1中、21はバッテリ20のほぼ右半部を上から覆う雨水避けカバーである。
【0056】
この冷却構造によれば、第1に、エアクリーナ16をダクト19外に設けるため、従来構造と異なり、エアクリーナ16がダク19ト内での空気の流れの障害とならない。
【0057】
すなわと、空気をスムーズに、かつ、熱交換器コア面7aの全域に均等に導入することができる。
【0058】
第2に、エアクリーナ16を、吸気室9内での外縁側の空気の流れFoを第2吸気口15に向けてガイドする位置に設けたから、エアクリーナ16を吸気室9におけるダクト19の吸気側に設置しながら、エアクリーナ16が第2吸気口15に向かう空気の流れを阻害するおそれがないばかりか、外縁側の流れを第2吸気口15に向けてガイドする整風機能を発揮する。
【0059】
とくに、エアクリーナ16が円筒状であるため、外縁側の流れFoを外周の円弧面にそって第2吸気口15にスムーズにガイドすることができる。
【0060】
そして、外縁側の流れFoを第2吸気口15にガイドすることで吸気室9内での空気の流れ全体を第2吸気口15に向かう流れに整えることができる。
【0061】
また、この実施形態では、
(I) エアクリーナ16を、第1吸気口14におけるダクト19から最も遠い外側端部と第2吸気口15の下端部とを結ぶ直線Lよりも下方でかつ直線Lに近い位置に設けたから、外縁側を流れる空気のほぼ全量をエアクリーナ16によって第2吸気口15に導くこと、すなわち、吸気室9内に吸い込まれた空気を第2吸気口15の全域を通ってダクト19内に導くことができる。このため、空気を熱交換器コア面7aの全域に均等に導入する点の効果がとくに高くなる。
【0062】
(II) エアクリーナ16を、L字形の吸気通路の屈折点であってダクト19から最も遠い外縁側の流れFoの方向転換点に設けたから、整風効果が一層良くなる。
【0063】
(III) エアクリーナ16をカウンタウェイト左サイド部分3aの凹み12の上端部に接近して設けたから、下向きに素通りする空気の流れを止めて第2吸気口15に向けてガイドできること、及び凹み12への空気の流入そのものを抑えて渦の発生を抑制できることにより、風量性能を一層向上させることができる。
【0064】
以上の点により、吸気室9内での空気の流れ全体を第2吸気口15に向かう流れに整え、冷却ファン8を増速するまでもなく必要な風量を確保することができる。
【0065】
すなわち、低騒音でありながら高い冷却性能を得ることができる。
【0066】
一方、エアクリーナ16を、バッテリ20のほぼ左半部を上から覆う状態、つまり雨水避けカバーの一部を兼ねる状態で設けたから、本来の雨水避けカバー21のサイズを縮小し、コストダウンを図ることができる。
【0067】
他の実施形態
(1) 上記実施形態では、最も望ましい形態として、エアクリーナ16を、全体が直線Lよりも下方でかつ直線Lにできるだけ近い位置に設けたが、たとえばエアクリーナ16の中心が直線Lよりも下方にあってエアクリーナ外周の大半が直線Lよりも下方に位置し、外周一部のみがわずかに直線Lよりも上方に位置する状態で設けてもよい。
【0068】
要は、エアクリーナ16が、吸気室9内の外縁側の空気の流れFoを第2吸気口15に向けてガイドする機能を失わない範囲であればよい。
【0069】
(2) ダクト19は、上記実施形態のように独立した箱体を熱交換器7の吸気側に取付けて構成するものに限らず、たとえばカバー材や熱交換器7の取付枠等から板材を張り出して構成してもよい。
【0070】
(3) 上記実施形態ではエアクリーナ16がバッテリ20のほぼ左半部を上から覆う構成としたが、バッテリ20のサイズや位置によってはエアクリーナ16がバッテリ20の左半部以外の範囲、及びもっと狭い範囲で覆う構成としてもよい。
【符号の説明】
【0071】
2 カバー材としてのエンジンガード
3 カバー材を兼ねるカウンタウェイト
3a カウンタウェイトの左サイド部分
4 エンジンルーム
5 エンジン
7 熱交換器
7a 熱交換器コア面
8 冷却ファン
9 吸気室
10 カウンタウェイト左サイド部分のメンテナンス開口
11 メンテナンスパネル
12 凹み
14 第1吸気口
15 第2吸気口
16 エアクリーナ
19 ダクト
20 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー材で覆われたエンジンルーム内に、エンジンと、熱交換器と、外気をエンジンルーム内に吸い込んで上記熱交換器に通す冷却ファンとが設けられるとともに、上記熱交換器の吸気入口側に、外気を取り入れる吸気室が形成され、かつ、この吸気室内における上記熱交換器のコア面の吸気入口側に、コア面に対向する正面壁を備えたダクトが設けられるとともに、上記吸気室の上面壁に、外気を吸気室内に導入する第1吸気口、上記ダクトの正面壁に第2吸気口がそれぞれ設けられ、上記第1吸気口から吸気室内に吸い込んだ外気を上記ダクトの第2吸気口を経て熱交換器コア面に導入するように構成された建設機械の冷却構造において、エンジン吸気を濾過するエアクリーナを、
(i) 上記吸気室内であってダクト外におけるダクトの吸気入口側で上記第2吸気口に臨み、
(ii) 上記熱交換器と冷却ファンとダクトの並び方向を左右としたときの前後方向に延びる横姿勢で、
(iii) 上記吸気室内に吸い込まれる空気の流れにおけるダクトから最も遠い外縁側の流れを上記第2吸気口に向けてガイドする位置に
設けたことを特徴とする建設機械の冷却構造。
【請求項2】
上記エアクリーナを、上記第1吸気口におけるダクトから最も遠い外側端部と上記第2吸気口の下端部とを結ぶ直線よりも下方でかつ直線に近い位置に設けたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の冷却構造。
【請求項3】
第1吸気口から吸い込まれた空気が第2吸気口で方向転換して熱交換器のコア面に至るように、第2吸気口を、第1吸気口と熱交換器のコア面との間にL字形に屈折した吸気通路を形成する状態で設け、上記エアクリーナを、上記ダクトから最も遠い外縁側の流れの方向転換点に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の建設機械の冷却構造。
【請求項4】
上記エンジンルームの後方にカバー材を兼ねるカウンタウェイトを、左右両サイド部分がエンジンルームの側方に回り込んで片側のサイド部分が上記吸気室を形成する状態で設置し、このカウンタウェイトの上記片側のサイド部分に、メンテナンス開口と、このメンテナンス開口を外側から開閉するメンテナンスパネルとを設け、上記エアクリーナを、上記メンテナンス開口とメンテナンスパネルとによって形成されるカウンタウェイトの凹みの上端部に接近して設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設機械の冷却構造。
【請求項5】
上記吸気室の底部バッテリを設置し、上記エアクリーナを、このバッテリの少なくとも一部を上から覆う状態で設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建設機械の冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−192824(P2012−192824A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57973(P2011−57973)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】