説明

建設機械

【課題】 熱交換器カバーに冷却風の吸気口と排気口とを設けた場合に、排気口から排出する冷却風が再度吸気口に吸込まれるのを防止し熱交換器による冷却効率を向上する。
【解決手段】 熱交換器13の上方を覆う熱交換器カバー17には、冷却風の上流側となる左側に吸気口21を設け、この吸気口21と反対側の右側には、熱交換器13を通過した冷却風を排出する排気口22を設け、この排気口22は、冷却風をエンジンカバー15上で水平方向に排出する構成とした。これにより、熱交換器13を通過して暖まった冷却風は、熱交換器カバー17の排気口22からエンジンカバー15上に向け水平方向に排出でき、吸込口21と反対側に離れる方向に冷却風を排出することにより、暖まった冷却風が吸気口21に再度吸込まれるのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械に関し、特に、エンジン等の搭載機器を覆う外装カバーを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成されている。
【0003】
また、上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの後側に搭載され、油圧ポンプを駆動するエンジンと、該エンジンによって回転駆動される冷却ファンと、該冷却ファンに対面して設けられたラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器と、前記エンジン、冷却ファン、熱交換器等の搭載機器を覆うために前記旋回フレーム上に設けられた外装カバーとにより大略構成されている。
【0004】
ここで、外装カバーは、各搭載機器の上側に水平方向に延びて設けられた上面板と、該上面板の左,右両端から旋回フレームに向け下向きに延びた左,右の側面板とにより構成され、前記上面板には、エンジン、熱交換器等を点検、整備するための大きな開口が設けられている。
【0005】
これに伴い、上面板には、前記開口を閉塞するために開閉可能なエンジンカバーが取付けられ、該エンジンカバーは、熱交換器から油圧ポンプまでを覆うように左,右方向に大きく形成されている。また、エンジンカバーの左側には、冷却ファンを回転駆動したときに、外部から熱交換器に向け冷却風を吸込むための吸気口が設けられ、右側には、熱交換器、冷却ファンを通過した冷却風を外部に排出するための排気口が設けられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2000−303497号公報
【特許文献2】実開平7−30321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した各特許文献による油圧ショベルでは、外装カバーの上面板にエンジンカバーを開閉可能に取付け、このエンジンカバーに冷却風の吸気口と排気口とを設ける構成としている。
【0008】
ここで、エンジン等の点検作業、整備作業等を行う場合には、エンジンカバーを開き、作業者が上面板に乗って作業を行う。しかし、上部旋回体がコンパクトに形成されている小型の油圧ショベルでは、大きな開口およびエンジンカバーを設けた場合、上面板に作業者が乗るスペースを確保することができず、メンテナンス作業の作業性が悪くなるという問題がある。
【0009】
そこで、小型の油圧ショベルでは、定期的な点検作業、清掃作業等を必要とする熱交換器の上側だけに小さな開口部を設け、この熱交換器だけを覆うように上面板に熱交換器カバーを開閉可能に取付けることが考えられている。この場合には、上面板に作業者が乗って作業するスペースを確保することができる。
【0010】
しかし、熱交換器の上側を小さな熱交換器カバーで覆う構成とした場合、この熱交換器カバーに設けた吸気口と排気口とが接近することになる。このために、排気口から排出された暖まった空気を吸気口から再度吸込んでしまうサーキュレーションを生じてしまい、熱交換器による流体の冷却効率が低下するという問題がある。
【0011】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、小さな熱交換器カバーに吸気口と排気口とを設けた場合でも、排気口から排出する冷却風を吸気口から離れるように排出でき、暖気の再吸込みを防止して熱交換器による冷却効率を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、外装カバー内を流れる冷却風を、エンジンカバーの他の排気口に向けて導くことにより、外装カバー内で冷却風を効率よく流通できるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による建設機械は、支持構造体をなし前側に作業装置が取付けられる車体フレームと、該車体フレームの後側に設けられたカウンタウエイトと、該カウンタウエイトの前側に位置して前記車体フレーム上の左,右方向一側に搭載され油圧ポンプを駆動するエンジンと、前記油圧ポンプとは左,右方向の反対側に位置して該エンジンに付設され外部から冷却風を吸込む冷却ファンと、冷却風の流れ方向に対して該冷却ファンよりも上流側に位置し該冷却ファンと対面して設けられた熱交換器と、前記エンジン、熱交換器を含む搭載機器を覆うために前記車体フレーム上に設けられた外装カバーとからなる。
【0014】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記外装カバーは、前記エンジンの上方に開閉不可能な状態で設けられたエンジンカバーと、該エンジンカバーと左,右方向に並んで前記熱交換器の上方に開閉可能に設けられ、かつ該エンジンカバーの上面に比較して上方に膨出した膨出上面を有する熱交換器カバーと、前記熱交換器と対面し前記車体フレームの側面に位置して開閉可能に設けられた側面ドアカバーとを備え、前記熱交換器カバーには、前記側面ドアカバー側に位置して外気を冷却風として吸込む吸気口と、前記エンジンカバー側に位置して前記熱交換器を通過した冷却風を前記エンジンカバー上で水平方向に排出する排気口とを設け、前記エンジンカバーには、前記熱交換器カバーに設けられた前記排気口から離れた位置で冷却風を排出する他の排気口を設ける構成としたことにある。
【0015】
請求項2の発明は、前記熱交換器カバーは、前記膨出上面から前記エンジンカバーの上面に向けて下側にほぼ垂直に延びた垂直面を有し、前記排気口は該垂直面に設ける構成としたことにある。
【0016】
請求項3の発明は、前記外装カバー内には、前記エンジンと油圧ポンプとの間を遮るファイヤウォールを設け、該ファイヤウォールには、前記エンジンの周囲を通過した冷却風を前記他の排気口に向けて導く導風板を設ける構成としたことにある。
【0017】
請求項4の発明は、前記導風板は、前記エンジンの排気ガスを排出するマフラ装置を上側から覆う位置に配設したことにある。
【0018】
請求項5の発明は、前記カウンタウエイトは、高さ寸法が高い中央ウエイト部と、該中央ウエイト部から左,右方向に延びつつ前側に向けて湾曲した左,右の側方ウエイト部とにより構成し、前記熱交換器カバーの後側は前記中央ウエイト部の上面側に配置する構成としたことにある。
【0019】
請求項6の発明は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側で左,右方向の中央部に俯仰動可能に設けられた前記作業装置とからなり、前記上部旋回体には、前記作業装置の側方に位置してオペレータが着座する運転席を有するキャブを設け、前記車体フレームは前記上部旋回体を構成する旋回フレームであり、前記エンジンは前記カウンタウエイトの前側に位置して左,右方向に延びる横置きに配置し、前記熱交換器は前記キャブの後側で前記エンジンと側面ドアカバーとの間に配置する構成としたことにある。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、外装カバーを構成する熱交換器カバーには、側面ドアカバー側に位置して外気を冷却風として吸込む吸気口を設け、この吸気口と左,右方向で反対側のエンジンカバー側には、熱交換器を通過した冷却風を排出する排気口を設けている。この上で、排気口は、冷却風をエンジンカバー上で水平方向に排出する構成としている。
【0021】
従って、熱交換器を通過して暖まった冷却風は、熱交換器カバーの排気口からエンジンカバー上に向け水平方向に排出することができる。これにより、暖まった冷却風は、熱交換器カバーの吸込口と反対側に離れる方向に排出できる。
【0022】
この結果、小さな熱交換器カバーに吸気口と排気口を設け、この吸気口と排気口とが接近している構造でも、排気口から排出した暖気が吸気口に再度吸込まれるのを防止できるから、吸気口は冷えた冷却風を熱交換器に供給することができ、熱交換器による流体の冷却効率を向上することができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、熱交換器カバーには、膨出上面からエンジンカバーの上面に向けて下側にほぼ垂直に延びた垂直面を設け、この垂直面に排気口を設ける構成としている。これにより、排気口は横向き開口として設けることができるから、エンジンの動作音が排気口から直接的に外部に漏れるのを防止でき、作業時の静粛性を高めることができる。また、横向きの排気口は、外装カバー内への雨水、塵埃等の浸入を少なくでき、さらに、泥等による目詰まりも防止することができる。
【0024】
請求項3の発明によれば、外装カバー内には、エンジンと油圧ポンプとの間を遮るファイヤウォールを設けているから、油圧ポンプの周囲で油圧漏れが生じた場合でも、漏れ出た作動油がエンジン側に飛散するのを防止でき、火災等を未然に防ぐことができる。
【0025】
しかも、ファイヤウォールには、エンジンの周囲を通過した冷却風をエンジンカバーに設けた他の排気口に向けて導く導風板を設けているから、冷却風の流通の障害となるファイヤウォールを設けた場合でも、導風板により排出すべき冷却風を他の排気口に向けてスムーズに流通させることができ、各部を効率よく冷却することができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、導風板は、エンジンの排気ガスを排出するマフラ装置を上側から覆う位置に配設しているから、外装カバー内で障害物となるマフラ装置を避け、冷却風を他の排気口からスムーズに排出することができる。また、導風板は、マフラ装置で生じる騒音を遮ることができ、稼動時の音量を小さくすることができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、カウンタウエイトは、高さ寸法が高い中央ウエイト部と、該中央ウエイト部から左,右方向に延びつつ前側に向けて湾曲した左,右の側方ウエイト部とにより構成しているから、カウンタウエイトを限られたスペースで大きな重量とすることができる。また、熱交換器カバーの後側をカウンタウエイトの中央ウエイト部の上面側を利用して配置することができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側で左,右方向の中央部に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、上部旋回体に作業装置の側方に位置してオペレータが着座する運転席を有するキャブと、カウンタウエイトの前側に位置して左,右方向に延びる横置き状態のエンジンとが設けられた建設機械、例えば油圧ショベルとして構成している。そして、車体フレームは、油圧ショベルの上部旋回体を構成する旋回フレームに適用することができる。このときに、熱交換器はキャブの後側でエンジンと側面ドアカバーとの間に配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として、クローラ式の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図9に従って詳細に説明する。
【0030】
図1において、1は建設機械としてのクローラ式の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4とにより大略構成されている。
【0031】
5は上部旋回体3の一部を構成する車体フレームとしての旋回フレームで、該旋回フレーム5は支持構造体として形成されている。そして、旋回フレーム5は、図5に示す如く、前,後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板5Aと、該底板5A上に立設され、左,右方向の中央部に所定の間隔をもって前,後方向に延びた左,右の縦板5Bと、該各縦板5Bの左,右に間隔をもって配置され、前,後方向に延びた左サイドフレーム5C,右サイドフレーム5Dと、前記底板5A、縦板5Bから左,右方向に張出し、その先端部に左,右のサイドフレーム5C,5Dを支持する複数本の張出しビーム5Eと、底板5Aとサイドフレーム5C,5Dとの間に設けられた複数枚のアンダカバー5Fとにより大略構成されている。そして、各縦板5Bの前側には、図2に示すように、作業装置4が俯仰動可能に取付けられている。
【0032】
6は作業装置4の側方となる旋回フレーム5の左前側に搭載されたキャブを示し、該キャブ6は、オペレータが搭乗するものである。また、キャブ6の内部には、オペレータが着座する運転席7、走行用の操作レバー、作業用の操作レバー等(いずれも図示せず)が配設されている。
【0033】
8は旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイトで、このカウンタウエイト8は、作業装置4との重量バランスをとるために、円弧状をした重量物として形成されている。詳しくは、カウンタウエイト8は、図3、図4に示すように、左,右方向の中央部分に位置して上向きに突出した高さ寸法が高い中央ウエイト部8Aと、該中央ウエイト部8Aから左,右方向に延びつつ前側に向けて湾曲した左,右の側方ウエイト部8B,8Cとにより構成されている。
【0034】
ここで、左,右の側方ウエイト部8B,8Cは、中央ウエイト部8Aの下側寄りに低い高さ寸法をもって設けられ、これにより、カウンタウエイト8の全体形状は略凸字状に形成されている。また、中央ウエイト部8Aは、その上面8Dが後述するエンジンカバー15とほぼ同じ高さ位置となり、その上側には熱交換器カバー17の後側が配置されている。
【0035】
9は旋回フレーム5の後側に設けられた搭載機器の1つとなるエンジンを示し、該エンジン9は、カウンタウエイト8の前側に位置して左,右方向に延在する横置き状態に搭載されている。また、エンジン9には、図5に示す如く、軸線が左,右方向となる出力軸9Aが設けられ、該出力軸9Aの左側の突出部は、ベルト9B等を介して後述の冷却ファン12、発電機(図示せず)等に回転駆動可能に接続されている。一方、エンジン9の左,右方向一側(実施の形態で右側)には、出力軸9Aで駆動されることにより、作動油を圧油として吐出する油圧ポンプ11が取付けられている。
【0036】
さらに、エンジン9には、排気ガスを外部に排出するためのマフラ装置10が設けられ、該マフラ装置10は、エンジン9の排気側に接続される排気管10Aと、該排気管10Aの途中でエンジン9の右側上部に前,後方向に延びて設けられた略円筒状の消音器10Bと、該消音器10Bをエンジン9に取付けるブラケット10Cとにより大略構成されている。
【0037】
12は油圧ポンプ11と左,右方向の反対側に位置してエンジン9に付設された冷却ファンである。この冷却ファン12は、エンジン9によって回転駆動されることにより、後述する外装カバー14の熱交換器カバー17の吸気口21、左側面ドアカバー18の左側面吸気口20を介して外部の空気を冷却風として吸込み、この吸込んだ冷却風を後述の熱交換器13に供給するものである。そして、熱交換器13を通過して暖まった一部の冷却風は、熱交換器カバー17の排気口22から外部に排出され、その他の冷却風は、エンジン9の周囲を右側に向けて流通し、エンジンカバー15の右側排気口23、旋回フレーム5の底部側から外部に排出される。
【0038】
13はキャブ6の後側に位置して旋回フレーム5上に設けられた熱交換器で、該熱交換器13は、旋回フレーム5に搭載される搭載機器の1つをなすもので、例えばエンジン冷却水を冷却するラジエータ、作動油を冷却するオイルクーラ等により大略構成されている。また、熱交換器13は、キャブ6とカウンタウエイト8との間で、冷却風の流れ方向に対して冷却ファン12よりも上流側、即ち、後述の左側面ドアカバー18と冷却ファン12との間に位置して該冷却ファン12と対面するように設けられている。
【0039】
さらに、熱交換器13の周囲は、整流用の支持枠体13Aによって取囲まれ、該支持枠体13Aの上部には、後述する熱交換器カバー17との間をシールすることにより、熱交換器13を通過した暖気が還流するのを防止するシール部材13Bが前,後方向に延びて設けられている。
【0040】
次に、エンジン9、マフラ装置10、油圧ポンプ11、冷却ファン12、熱交換器13等の搭載機器を覆う外装カバー14の構成について述べる。
【0041】
14は旋回フレーム5上に設けられた外装カバーで、この外装カバー14は、搭載機器として設けられたエンジン9、熱交換器13等を覆うもので、後述のエンジンカバー15、熱交換器カバー17、左側面ドアカバー18および右側面ドアカバー19により大略構成されている。
【0042】
ここで、本実施の形態による油圧ショベル1は、その上部旋回体3が下部走行体2の車幅内でほぼ旋回することができる超小旋回機として構成されている。このために、カウンタウエイト8を前側に配置して上部旋回体3をほぼ円形となるようにコンパクトに形成している。これに伴い、熱交換器13を設置するためのスペースが小さくなるために、必要な冷却性能を得るためには、熱交換器13を上側に大きく形成する必要がある。従って、熱交換器13は、その上部が外装カバー14を構成するエンジンカバー15よりも上側に突出している。これにより、熱交換器13を覆う熱交換器カバー17もエンジンカバー15に比較して膨出上面17Bが上方に膨出することになる。
【0043】
即ち、15は外装カバー14の一部を構成するエンジンカバーで、該エンジンカバー15は、作業装置4の後側でカウンタウエイト8の中央ウエイト部8Aの前側に位置してエンジン9の上方を覆うように開閉不可能な状態で設けられている。詳しくは、エンジンカバー15は、図2、図5に示すように、エンジン9とマフラ装置10と油圧ポンプ11の上方を覆うように、カウンタウエイト8とキャブ6、後述の燃料タンク27との間にほぼ水平に延びた板体からなり、カウンタウエイト8の中央ウエイト部8Aとほぼ同じ高さ位置に配置されている。
【0044】
そして、エンジンカバー15は、エンジン9の上方を覆う大きな板体として形成しているから、熱交換器13等の点検作業、整備作業等を行うときに作業者が乗るスペースを確保でき、作業者はエンジンカバー15に乗って容易に作業することができる。また、エンジンカバー15には、熱交換器カバー17に設けられた排気口22から離れた位置で冷却風を排出する後述の右側排気口23が設けられている。
【0045】
16はエンジンカバー15と後述の左側面ドアカバー18との間でカウンタウエイト8とキャブ6に挟まれた位置に形成された開口である。この開口16は、図4、図5に示す如く、日常的な点検作業、定期的な洗浄作業等が必要な熱交換器13やエンジン9のベルト9B等を覗けるように、これらの上方を開放するものである。
【0046】
17は熱交換器13の上方に開閉可能に設けられた熱交換器カバーで、該熱交換器カバー17は、エンジンカバー15の左,右方向の左側に並んで配置され、開口16を開閉する略台形状の蓋体を構成している。また、熱交換器カバー17は、左側の端部がヒンジ等を介して外装カバー14を構成する構造体または旋回フレーム5を構成する構造体に開閉可能に取付けられている。
【0047】
そして、熱交換器カバー17は、図2、図6に示すように、周縁部17Aがエンジンカバー15の上面、カウンタウエイト8の中央ウエイト部8Aの上面8D等に当接し、中央側は周縁部17Aから上側に膨出して膨出上面17Bとなっている。これにより、熱交換器カバー17は、膨出上面17Bによって上側に大きな熱交換器13を覆うことができる。
【0048】
一方、熱交換器カバー17の右側の端部は、膨出上面17Bからエンジンカバー15の上面に向けて下側にほぼ垂直に延びた垂直面17Cとなっている。この垂直面17Cは、後述の排気口22を水平方向に開口させるためのもので、膨出上面17Bの右端部から僅かに引込んだ位置で前,後方向に長尺な長方形状の面部として形成されている。また、熱交換器カバー17には、垂直面17Cの上側に位置して開閉用の把手17Dが取付けられている。さらに、熱交換器カバー17の左側には、熱交換器13よりも左側に位置して後述の吸気口21が設けられ、右側には、冷却ファン12よりも右側の垂直面17Cに位置して排気口22が設けられている。
【0049】
18は外装カバー14の左側面を構成する左側面ドアカバーで、該左側面ドアカバー18は、例えば前部が外装カバー14を構成する構造体または旋回フレーム5を構成する構造体に回動可能に取付けられている。そして、左側面ドアカバー18を開いたときには、熱交換器13、後述のエアクリーナ26等の点検作業、整備作業、清掃作業等を行うことができる。
【0050】
また、左側面ドアカバー18は、熱交換器13と対面して位置し、旋回フレーム5の側面となる左サイドフレーム5C上に立設された側面部18Aと、該側面部18Aの上部を右方向に曲げて形成した曲面部18Bとにより構成されている。さらに、左側面ドアカバー18の側面部18A、曲面部18Bには、後述の左側面吸気口20が設けられている。
【0051】
19は外装カバー14の右側面を構成する開,閉可能な右側面ドアカバーで、該右側面ドアカバー19は、旋回フレーム5の右サイドフレーム5D上に立設された側面部19Aと、該側面部19Aの上部を左方向に曲げて形成した曲面部19B等とにより構成されている。
【0052】
次に、外装カバー14の左側面ドアカバー18に設けられた左側面吸気口20、熱交換器カバー17に設けられた吸気口21、熱交換器カバー17に設けられた排気口22、エンジンカバー15に設けられた右側排気口23に関して説明する。
【0053】
20は左側面ドアカバー18の側面部18Aと曲面部18Bに設けられた複数個所の左側面吸気口で、該左側面吸気口20は、多数個並べられたスリット状の開口、升目状の開口として形成されている。そして、各左側面吸気口20は、冷却ファン12が回転駆動したときに、外部の空気を冷却風として吸込むものである。
【0054】
21は熱交換器カバー17に設けられた吸気口で、該吸気口21は、膨出上面17Bの左側面ドアカバー18側、詳しくは、熱交換器13よりも冷却風の流れ方向の上流側に位置して設けられている。また、熱交換器カバー17の吸気口21は、左側面吸気口20の一部とほぼ同様に、前,後方向に多数個並べられたスリット状の開口として形成されている。そして、吸気口21は、各左側面吸気口20と同様に、冷却ファン12が回転駆動したときに、外部の空気を冷却風として吸込むものである。
【0055】
22は熱交換器カバー17に設けられた排気口で、該排気口22は、吸気口21と反対側のエンジンカバー15側となる右側、即ち熱交換器カバー17の垂直面17Cに設けられている。また、排気口22は、垂直面17Cに並べられた多数個の升目状の開口として形成されている。そして、排気口22は、垂直面17Cに設けることにより、熱交換器13を通過した冷却風をエンジンカバー15上で水平方向に排出するものである。
【0056】
ここで、小さな熱交換器カバー17に設けた排気口22は、吸気口21と接近している。しかし、排気口22は、冷却風をエンジンカバー15上に向け水平方向に排出することができる。これにより、熱交換器13を通過して暖まった冷却風は、吸気口21等と反対側に離れる方向に排出でき、排気口22から排出した暖気が吸気口21に再度吸込まれるのを防止することができる。
【0057】
また、排気口22を垂直面17Cに設けた場合、エンジン9の動作音は、横向きに開口した排気口22からは直接的に漏れず、熱交換器カバー17の膨出上面17Bに衝突したうちの一部が排気口22から漏れるようになる。また、横向きの排気口22は、外装カバー14内への雨水、塵埃等の浸入を少なくでき、さらに、泥等は堆積し難く、目詰まりも防止することができる。
【0058】
さらに、排気口22から冷却風を水平方向に排出することにより、右側排気口23から排出される冷却風を右側に押圧することができる。これにより、右側排気口23から排出される冷却風が吸気口20,21に再度吸込まれるのを防止することができる。
【0059】
23はエンジンカバー15の右側に設けられた他の排気口としての右側排気口で、該右側排気口23は、熱交換器カバー17に設けられた排気口22から右側に離れた位置に配置され、エンジン9の周囲を通過した冷却風を排出するものである。このため、右側排気口23は、エンジン9よりも右側となる油圧ポンプ11の上方に配置されている。
【0060】
また、右側排気口23は、各吸気口20,21に対して左,右方向で大きく離間している上に、後述する導風板25の第2の傾斜板25Cによって冷却風を右斜め上方に排出することができるから、排出した冷却風が各吸気口20,21に吸込まれるサーキュレーションを防止することができる。
【0061】
次に、エンジン9と油圧ポンプ11との間を遮ってエンジン9側への作動油の飛散を防止するファイヤウォール24について説明する。
【0062】
24は外装カバー14内に設けられたファイヤウォールで、該ファイヤウォール24は、エンジン9と油圧ポンプ11との間を遮るものである。このファイヤウォール24は、例えば複数枚の鋼板を折曲て互いに固着することにより振動、曲げ等に対する強度をもった構造体として形成されている。詳しくは、ファイヤウォール24の下側には、図7、図8に示す如く、エンジン9に対する油圧ポンプ11の取付基部を跨ぐ切欠開口24Aが形成され、該切欠開口24Aの上側は、マフラ装置10の消音器10Bを収めるために後退した凹段部24Bとなっている。また、凹段部24Bの上端部には、後述の導風板25を取付けるための取付部24Cが形成されている。
【0063】
そして、ファイヤウォール24は、下部が旋回フレーム5の縦板5B等に取付けられ、上部が導風板25を介してエンジンカバー15等に取付けられている。これにより、ファイヤウォール24は、油圧ポンプ11の周囲で作動油の漏れが生じた場合でも、漏れ出た作動油がエンジン9側に飛散するのを防止でき、火災等を未然に防ぐことができる。
【0064】
25はマフラ装置10の消音器10Bを覆うようにファイヤウォール24の上部に設けられた導風板で、該導風板25は、エンジン9の周囲を通過した冷却風を、マフラ装置10の消音器10Bを避けてエンジンカバー15の右側排気口23に向け導くものである。また、導風板25は、例えば鋼板を折曲げることにより形成され、図7、図9に示す如く、樋状の本体部25Aと、冷却風を上側に導くために該本体部25Aから左側に向け下側に延びた第1の傾斜板25Bと、冷却風をエンジンカバー15の右側排気口23に導くために該本体部25Aから右側に向け上側に延びた第2の傾斜板25Cとにより構成されている。
【0065】
これにより、導風板25は、冷却風の流通の障害となるファイヤウォール24を避けるように、この冷却風をエンジンカバー15の右側排気口23に導いて外部に排出させることができ、エンジン9の周囲等を効率よく冷却することができる。また、導風板25は、右側排気口23に繋がる部分を第2の傾斜板25Cとしているから、この第2の傾斜板25Cにより冷却風を右斜め上方に排出することができ、排出する冷却風を各吸気口20,21から離すことができる。
【0066】
しかも、導風板25は、マフラ装置10の消音器10Bを上側から覆う位置に配設しているから、外装カバー14内で障害物となる消音器10Bを避け、冷却風をエンジンカバー15の右側排気口23からスムーズに排出することができる。また、導風板25は、マフラ装置10で生じる騒音を遮ることができ、稼動時の音量を小さくすることができる。
【0067】
なお、26は熱交換器13と左側面ドアカバー18との間に配設されたエアクリーナで、該エアクリーナ26は、エンジン9の吸気側に接続され、該エンジン9に清浄な空気を供給するものである。また、27は油圧ポンプ11の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられた燃料タンクで、該燃料タンク27は、エンジン9に供給する燃料を貯えるものである。
【0068】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、この油圧ショベル1の動作について説明する。
【0069】
まず、オペレータは、キャブ6に搭乗して運転席7に着座する。この状態で走行用の操作レバーを操作することにより、下部走行体2を駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、運転席7に着座したオペレータは、作業用の操作レバーを操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0070】
このように油圧ショベル1を稼動しているときには、エンジン9の冷却ファン12により熱交換器13に冷却風が供給される。そこで、外装カバー14内での冷却風の流れについて、図5を参照しつつ説明する。
【0071】
まず、冷却ファン12を回転駆動すると、外装カバー14の左側面ドアカバー18に設けられた各左側面吸気口20、熱交換器カバー17の吸気口21を介して外部の空気が冷却風として吸込まれ、この冷却風を熱交換器13に供給し、エンジン冷却水、作動油等の流体を冷却することができる。
【0072】
また、熱交換器13を通過して暖まった冷却風のうち、一部の冷却風は、熱交換器カバー17の排気口22から外部に排出される。このときに、排気口22は、暖まった冷却風をエンジンカバー15上に向け水平方向に排出するから、排気口22から排出した暖気が吸気口21に再度吸込まれるのを防止することができる。
【0073】
一方、その他の冷却風は、エンジン9の周囲を右側に向けて流通し、一部がエンジンカバー15の右側排気口23から外部に排出される。このときに、ファイヤウォール24に設けた導風板25は、冷却風の流通の障害となるファイヤウォール24、マフラ装置10の消音器10Bを避けるように、この冷却風をエンジンカバー15の右側排気口23に導いて外部に排出することができる。しかも、導風板25は、右側排気口23に繋がる部分を第2の傾斜板25Cとしているから、冷却風は第2の傾斜板25Cの角度に沿って右側排気口23から右斜め上方に排出することができ、さらに、排気口22から水平方向に排出された冷却風によって右側に押圧されることにより、排出した冷却風を各吸気口20,21から離して再度の吸込みを防止する。
【0074】
さらに、エンジン9の周囲を右側に向けて流通した残りの冷却風は、旋回フレーム5のアンダカバー5Fに設けられた開口から外部に排出される。
【0075】
かくして、本実施の形態によれば、外装カバー14の熱交換器カバー17には、左側に位置して外気を冷却風として吸込む吸気口21を設け、この吸気口21と反対側の右側には、熱交換器13を通過した冷却風を排出する排気口22を設け、この排気口22は、冷却風をエンジンカバー15上で水平方向に排出する構成とした。従って、熱交換器13を通過して暖まった冷却風は、熱交換器カバー17の排気口22からエンジンカバー15上に向け水平方向に排出できるから、暖まった冷却風は、熱交換器カバー17の吸込口21と反対側に離れる方向に排出することができる。
【0076】
この結果、小さな熱交換器カバー17に吸気口21と排気口22を設け、この吸気口21と排気口22とが接近している構造でも、排気口22から排出した暖まった冷却風が吸気口21に再度吸込まれるのを防止できる。これにより、吸気口21は冷えた冷却風を熱交換器13に供給することができ、該熱交換器13によるエンジン冷却水、作動油等の流体の冷却効率を向上することができる。
【0077】
また、排気口22は、熱交換器カバー17の垂直面17Cに設けているから、この排気22口は横向き開口とすることができ、エンジン9の動作音が排気口22から上側に向けて直接的に漏れるのを防止でき、作業時の静粛性を高めることができる。また、横向きの排気口22は、外装カバー14内への雨水、塵埃等の浸入を少なくでき、さらに、泥等による目詰まりも防止することができる。
【0078】
また、排気口22は、冷却風を右側に向けて水平方向に排出することにより、右側排気口23から排出される冷却風を右側に押圧することができる。これにより、右側排気口23から排出される冷却風を吸気口20,21から離すことができ、冷却風の再吸込をより一層確実に防止できる。
【0079】
一方、外装カバー14内のエンジン9と油圧ポンプ11との間を遮るファイヤウォール24を設けているから、油圧ポンプ11の周囲で作動油が漏れた場合でも、漏れ出た作動油がエンジン9側に飛散するのを防止でき、火災等を未然に防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
【0080】
しかも、ファイヤウォール24には、エンジン9の周囲を通過した冷却風をエンジンカバー15に設けた右側排気口23に向けて導く導風板25を設けているから、冷却風の流通の障害となるファイヤウォール24、マフラ装置10の消音器10B等を避けて排出すべき冷却風を右側排気口23に向けてスムーズに流通させることができ、エンジン9等の周囲を効率よく冷却することができる。
【0081】
また、導風板25は、マフラ装置10の消音器10Bを上側から覆う位置に配設しているから、外装カバー14内で障害物となる消音器10Bを避け、冷却風を右側排気口23からスムーズに排出することができる。また、導風板25は、マフラ装置10で生じる騒音を遮ることができ、稼動時の音量を小さくすることができる。
【0082】
さらに、カウンタウエイト8は、高さ寸法が高い中央ウエイト部8Aと、該中央ウエイト部8Aから左,右方向に延びつつ前側に向けて湾曲した高さ寸法の低い左,右の側方ウエイト部8B,8Cとにより構成しているから、カウンタウエイト8を限られたスペースで大きな重量とすることができる。また、熱交換器カバー17の後側をカウンタウエイト8の中央ウエイト部8Aの上面側を利用して配置することができる。
【0083】
なお、実施の形態では、エンジン9に冷却ファン12を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば冷却ファンをエンジンと別個に設け、電動モータ、油圧モータ等を用いて回転駆動し、熱交換装置に冷却風を供給する構成としてもよい。
【0084】
また、実施の形態では、建設機械として、クローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。それ以外にも、ホイールローダ、ダンプトラック、リフトトラック等の他の建設機械にも広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1の油圧ショベルを拡大して示す平面図である。
【図3】上部旋回体を右後側からみた外観斜視図である。
【図4】熱交換器カバーを開いた状態の上部旋回体を図3と同様位置からみた外観斜視図である。
【図5】上部旋回体を図2中の矢示V−V方向からみた拡大断面図である。
【図6】熱交換器カバーを拡大して示す外観斜視図である。
【図7】ファイヤウォールと導風板とを組立てた状態で拡大して示す外観斜視図である。
【図8】図7中のファイヤウォールを単体で示す外観斜視図である。
【図9】図7中の導風板を単体で示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0086】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
5 旋回フレーム(車体フレーム)
6 キャブ
7 運転席
8 カウンタウエイト
8A 中央ウエイト部
8B 左側方ウエイト部
8C 左側方ウエイト部
8D 上面
9 エンジン(搭載機器)
10 マフラ装置
10A 排気管
10B 消音器
11 油圧ポンプ
12 冷却ファン
13 熱交換装置(搭載機器)
14 外装カバー
15 エンジンカバー
16 開口
17 熱交換器カバー
17A 周縁部
17B 膨出上面
17C 垂直面
18 左側面ドアカバー
19 右側面ドアカバー
20 左側面吸気口
21 吸気口
22 排出口
23 右側排気口(他の排気口)
24 ファイヤウォール
25 導風板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造体をなし前側に作業装置が取付けられる車体フレームと、該車体フレームの後側に設けられたカウンタウエイトと、該カウンタウエイトの前側に位置して前記車体フレーム上の左,右方向一側に搭載され油圧ポンプを駆動するエンジンと、前記油圧ポンプとは左,右方向の反対側に位置して該エンジンに付設され外部から冷却風を吸込む冷却ファンと、冷却風の流れ方向に対して該冷却ファンよりも上流側に位置し該冷却ファンと対面して設けられた熱交換器と、前記エンジン、熱交換器を含む搭載機器を覆うために前記車体フレーム上に設けられた外装カバーとからなる建設機械において、
前記外装カバーは、前記エンジンの上方に開閉不可能な状態で設けられたエンジンカバーと、該エンジンカバーと左,右方向に並んで前記熱交換器の上方に開閉可能に設けられ、かつ該エンジンカバーの上面に比較して上方に膨出した膨出上面を有する熱交換器カバーと、前記熱交換器と対面し前記車体フレームの側面に位置して開閉可能に設けられた側面ドアカバーとを備え、
前記熱交換器カバーには、前記側面ドアカバー側に位置して外気を冷却風として吸込む吸気口と、前記エンジンカバー側に位置して前記熱交換器を通過した冷却風を前記エンジンカバー上で水平方向に排出する排気口とを設け、
前記エンジンカバーには、前記熱交換器カバーに設けられた前記排気口から離れた位置で冷却風を排出する他の排気口を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記熱交換器カバーは、前記膨出上面から前記エンジンカバーの上面に向けて下側にほぼ垂直に延びた垂直面を有し、前記排気口は該垂直面に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記外装カバー内には、前記エンジンと油圧ポンプとの間を遮るファイヤウォールを設け、該ファイヤウォールには、前記エンジンの周囲を通過した冷却風を前記他の排気口に向けて導く導風板を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記導風板は、前記エンジンの排気ガスを排出するマフラ装置を上側から覆う位置に配設してなる請求項3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記カウンタウエイトは、高さ寸法が高い中央ウエイト部と、該中央ウエイト部から左,右方向に延びつつ前側に向けて湾曲した左,右の側方ウエイト部とにより構成し、
前記熱交換器カバーの後側は前記中央ウエイト部の上面側に配置する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
【請求項6】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側で左,右方向の中央部に俯仰動可能に設けられた前記作業装置とからなり、前記上部旋回体には、前記作業装置の側方に位置してオペレータが着座する運転席を有するキャブを設け、前記車体フレームは前記上部旋回体を構成する旋回フレームであり、前記エンジンは前記カウンタウエイトの前側に位置して左,右方向に延びる横置きに配置し、前記熱交換器は前記キャブの後側で前記エンジンと側面ドアカバーとの間に配置する構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−196543(P2009−196543A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41633(P2008−41633)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】