説明

弁棒の製造

内部キャビティ(55)を有する弁部品内に孔を設ける方法であって、該方法は、上記キャビティ内に流体(59)を充填しシールするステップと、部品を貫通して内部キャビティ内に孔をレーザ孔明け加工するステップと、を含む。上記方法は、弁棒(54)に横穴を設けるために特に有利である。また、本発明は、弁棒を製造する方法に関し、該方法は、a)出口(57)とともに通路を有する弁棒ワークを提供するステップと、b)通路に流体を充填するステップと、c)出口をシールするステップと、d)ワークを貫通して通路内に横穴をレーザ孔明け加工するステップと、e)出口のシールを解除するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して弁部品の製造における改良に関し、特に、薬剤エアゾール弁、特に定量分配弁のための弁棒に関する。また、本発明は、所望の構造的品質および/または耐閉塞性を有する弁棒の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤を投与するためにエアゾールを使用することは、数十年の間にわたって知られている。かかるエアゾール製剤は、一般に、薬剤と、1つまたは複数の噴射剤(たとえば、クロロフルオロカーボン、より最近では噴射剤134a(CF3CH2F)および噴射剤227(CF3CHFCF3)等の水素含有フルオロカーボン)と、界面活性剤および/またはエタノール等の溶剤と、を含む。
【0003】
吸入、経鼻、舌下投与のための薬剤エアゾールは、一般に、定量分配弁を備えたエアゾール製剤の容器または瓶を備える。定量弁には多くの異なる設計があるが、大多数が、計量チャンバと弁棒とを備え、弁棒は、弁棒の外側のガスケットまたはシールとしても知られるダイアフラムを通して計量チャンバ内に摺動する。弁がその非分配位置にある時、ダイアフラムは、弁棒の周囲で閉鎖シールを維持する。弁棒は、弁棒の内側の通路内と連通する横穴を有する。弁が作動すると、横穴は、ダイアフラムを通過して計量チャンバ内に摺動し、計量チャンバの中身が横穴および通路を通過して弁棒出口から出る。
【0004】
横穴の直径は、0.1〜0.8mmの範囲をとる場合があり、弁棒出口直径は、通常0.8〜3mmの範囲をとる。中央通路は、通常、0.8〜4mmの直径を有する。
【0005】
エアゾール弁とエアゾール製剤とは、各々、製品から最適な薬学的特性を取得するために重要な役割を果たすことが理解されよう。たとえば、薬剤の分配の能力を低下させるかまたは分配を妨げる可能性のある弁、特に弁棒の閉塞があってはならない。
【0006】
弁棒は、従来、熱可塑性物質を射出成形することによりかつ金属を深絞りすることにより作製されてきた。また、金属弁棒は、機械加工および/または冷間鍛造によって製作される場合もある。
【0007】
深絞りされた金属弁棒は、弁棒の閉鎖端から弁棒の出口端までの中央内腔を有する中空であり、それは通路の役割を果たす。通常、出口端は内側に湾曲して、出口において中央内腔の寸法を制限する。横穴は、一般に、パンチングによって形成される。この作業により、弁棒内の横穴の周囲に、環状の突起またはバリが形成される結果となる。場合によっては、横穴を形成するためにパンチングされた金属が完全に除去されず弁棒内を内側に突出する大きいバリを残す場合がある。特にエタノール含有薬物エアゾール製剤の場合、たとえば横穴の周囲のかかる突起またはバリ等、薬剤が容易に取り除くことができない領域に蓄積する傾向がある、ということが観察されてきた。大きい薬剤の蓄積および/またはそれを後に無理に取り除くことにより、弁棒が完全に閉塞する可能性がある。さらに、空気への開口、たとえば弁棒横穴では、エタノールが蒸発する傾向がさらに高くなる。このため、これらの領域において薬剤が蓄積する傾向があり、これにより横穴が閉塞することになる可能性がある。
【0008】
しかしながら、弁棒内のバリの形成を最小限にするために横穴を打ち抜く前にダイを挿入することが可能である、ということが報告された。この技術により、弁棒の外面とともに内面の横穴の周囲に鋭利な縁部が残る。外面の鋭利な縁部は、弁棒に関連するダイアフラムシールに損傷を与える傾向がある。
【0009】
国際公開第99/55600号パンフレットは、閉塞問題が実質的に低減される、機械加工されかつ/または冷間鍛造された好ましくはステンレス鋼の弁棒を有する定量弁を開示している。弁棒は、好ましくは、機械加工しかつ/または冷間鍛造した後に横穴とともに出口を含む通路をドリルビットにより孔明け加工することによって製作される。弁棒内の横穴の周囲にバリが形成されないようにするために、好ましくは、孔明け加工作業中に少なくとも2回、ドリルビットを挿入し取り除くことが述べられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
横穴を設けるために弁棒をレーザ孔明け加工することは、「エアゾール・ハンドブック(The Aerosol Handbook)」(M.ジョンセン(M.Johnsen)、第2版、1982、ウエイン・ドーランド社(Wayne Dorland Co.)、164頁)において報告されている。しかしながら、レーザビームを使用することにより、0.13mmm程度の小さい横穴が作製されたが、それらには目詰まりおよび他の問題が引き起こされる可能性が高いことが報告されている。
【0011】
弁棒の横穴を提供し、特に望ましい構造的品質および/または耐閉塞性を有する弁棒の提供を可能にする方法が必要とされ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、水等の流体を弁棒の通路に充填してシールしその後弁棒内に横穴をレーザ孔明け加工することにより、望ましい構造的品質および/または耐閉塞性を有する横穴、故に弁棒を提供することができる。
【0013】
従来の弁棒のレーザ孔明け加工中に複数の欠陥が発生することがわかった。レーザビームが孔明け加工されている壁を通り抜ける時に、後壁に過度なレーザビームが突き当たるために後壁の破損が発生する。オリフィス出口の周縁に再凝固した材料が蓄積するために、弁棒内の横穴の周囲にドロスが形成される。さらに、溶解物が下方に噴出することにより、弁棒の内面、特に後壁に粒子が堆積することになる可能性もある。弁棒において、これらの欠陥は、薬剤の蓄積または遊離した薬剤の粒子の付着に対し望ましくない表面をもたらす可能性があり、そのため弁棒における閉塞の傾向が増大する。これらの欠陥はまた、金属弁棒内の腐食の可能性を増大させおよび/または発現を促進する可能性もある。
【0014】
弁棒通路内に流体を充填し、弁棒出口をシールして、横穴のレーザ孔明け加工(前および)中に流体が出口から実質的に漏出しないようにすることにより、ドロスおよび堆積粒子の形成とともに後壁破損を大幅に低減しまたは実質的に防止することができる、ということが分かった。破損の低減または実質的な防止は、2つの態様からの結果であるように見える。第1に、弁棒出口を一時的にシールすることにより、ビームが通り抜ける時、流体は最初に障壁として通路内に保持され(たとえば、それは簡単に出口から押し出されることも噴き出されることもない)、余分なレーザビームを吸収して散乱させ、そのためレーザが後壁に突き当たるのを実質的に防止するとともに、粒子の堆積を妨げる。第2に、ビームが通り抜けた後、流体(気化したかつ/または流体として)の少なくとも一部と、レーザ孔明け加工工程において任意のアシストガスが使用された場合はアシストガスと、を新たにレーザ孔明け加工された孔から強制的に漏出させまたは押し出し、孔出口におけるドロスの蓄積とこの場合もまた粒子の堆積との形成を妨げる。
【0015】
このようにレーザ孔明け加工された弁棒の内部は、望ましい構造的および/または耐閉塞性品質を示す。特に、ドロスがないかまたは実質的になく環状の突起または鋭利な縁部を示さない弁棒内の横穴出口は、薬剤堆積または蓄積に対する潜在的な原因となる面が有利に最低限であることを示し、そのため、有利な耐閉塞性特性を示す。
【0016】
したがって、本発明の一態様では、内部キャビティを有する弁部品内に孔を設ける方法であって、上記キャビティを流体で充填してシールするステップと、弁部品を貫通して内部キャビティまで孔をレーザ孔明け加工するステップと、を含む方法が提供される。
【0017】
このレーザ孔明け加工の方法は、望ましくは内部キャビティを有する任意の弁部品に孔を孔明け加工するために適している。しかしながら、本方法は、弁棒に横穴を設けるためかつ弁棒の製造において特に有利である。
【0018】
本発明の別の態様は、弁棒を製造する方法であって、
a)出口付きの通路を有する弁棒ワークを用意するステップと、
b)通路を流体で充填するステップと、
c)出口をシールするステップと、
d)ワークを貫通して通路まで横穴をレーザ孔明け加工するステップと、
e)出口のシールを解除するステップと、
を含む方法が提供される。
【0019】
望ましくは、レーザ孔明け加工を、アシストガスを用いて行う。
【0020】
本発明による方法は、プラスチックまたは金属製の弁部品または弁棒に対して適用可能である。
【0021】
このようにレーザ孔明け加工された弁部品/弁棒に対し、適当に、洗浄および/または仕上げのために従来使用されていた洗浄および/または仕上げ処置を施してもよい。
【0022】
代替または付加技術として、このようにレーザ孔明け加工された弁部品/弁棒に対し、溶解物が外側に噴出する結果として、レーザ孔明け加工中に夫々の部品の外面、たとえば孔入口の周縁の周りに形成された可能性のある任意のスパッタを除去するために、研磨または化学洗浄または仕上げ工程を施してもよい。金属弁部品/弁棒の場合、アシストガスとして酸素が優先的に使用される場合、通常、任意のスパッタおよび/または浮遊再凝固粒子が金属酸化物の形態で存在し、かかる酸化物を、酸洗いにおいて都合よく溶かすことができる。有利には、化学洗浄工程としてかかる酸洗いを使用することはまた、同時に、金属面の所望の不動態化ももたらすことができる。
【0023】
本発明の別の態様は、上述した方法によって得ることができる弁棒である。
【0024】
本発明のさらなる態様は、上述した方法によって得られる弁棒である。
【0025】
さらなる態様では、本発明は、かかる弁棒を備える定量弁を提供する。さらに別の態様では、本発明は、かかる弁棒を備える定量ディスペンサを提供する。
【0026】
従属請求項は、本発明のさらなる実施形態を規定する。
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明、その実施形態およびさらなる利点について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は明細書に記載された本発明の詳細な態様および好ましい態様の全ての組合せに及ぶと理解されるべきである。
【0029】
図1は、典型的な定量エアゾールディスペンサ(1)、特に定量噴霧器を示す。図1のディスペンサに示すように、かかるディスペンサは、一般に、定量弁(概して(5)によって示す)が備えられ、エアゾール製剤(4)を収容する製剤チャンバ(3)を画定するキャニスタ(2)を有する。弁(5)は、典型的には、弁の部品を保持する中央部と、弁を容器に固定するためにエアゾール容器の首部の周囲に圧着する環状フランジと、を有するフェルール(6)を備える。エアゾール容器とフェルールとの間に、気密シールを確実にするガスケット(8)が締め付けられている。弁は、計量チャンバ(12)を貫通するフェルールの中央開口(9)を貫通して延在する弁棒(概して(10)で示す)を備える。弁棒の外端(14)は、計量チャンバ(12)から突出し、弾性ダイアフラム(16)と密封係合している。弁棒の内端(20)は、計量チャンバ(12)内に突出してタンクシール(22)と密封係合する。計量チャンバ内にバネ(24)が配置され、その一端はタンクシール(22)に当接し、他端は弁棒の中間部の周囲に延在しているフランジ(26)に当接する。バネ(24)は、図1に示すように、弁棒をその非分配位置まで付勢する。ディスペンサは、計量チャンバ(12)の周囲に延在する保持カップ(28)を有してもよい。(しばしば、エアゾール製剤が懸濁液である場合は保持カップを使用することが望ましいが、溶剤エアゾール製剤の場合は、通常保持カップは使用しない。)保持カップの壁は、保持チャンバ(27)と、保持チャンバと製剤チャンバとの間の開放連通を可能にする開口(29)と、を画定する。
【0030】
その非分配位置では、保持チャンバまたは保持カップが使用されない場合は製剤チャンバの中身は、計量チャンバの入口開口(30)を貫通する弁棒の内端(20)の溝(32)を通過することにより計量チャンバ(12)に入ることができる。弁棒がその分配位置(図示せず)まで移動すると、溝(32)はタンクシール(22)の外側に移動し、それにより弁棒の内端が、エアゾール製剤が充填端を通して計量チャンバの内外に流れないようにするシールを完了する。その分配位置では、弁棒の横穴(34)は、ダイアフラムを通過して計量チャンバ内に入る。横穴(34)は、計量チャンバの中身が弁から分配されるように中央出口通路(図2および図3を参照)と連通する。
【0031】
図2は、定量分配弁で使用されてきた従来の深絞りされた弁棒の断面図を表す。弁棒(10)は、閉鎖端(43)と、外側部(14)と、内側部(20)と、フランジ(26)と、溝(32)と、図1を参照して説明したような横穴(34)と、を備える。弁棒は、中央通路(40)を有する中空である。弁棒の出口端(42)は内側に湾曲しており、出口(41)における中央通路(40)のサイズを制限している。横穴(34)は、典型的にはパンチングによって形成される。図4(a)は、バレル洗浄後のかかるパンチングされた横穴の典型的な下面(孔出口)のSEM写真を示す。図4(a)から分かるように、パンチング作業により、横穴の周囲に弁棒の内側に突出する複数のバリを有する環状の突起が形成される結果となる。上述したように、突起およびバリは、薬剤の堆積および/または蓄積の原因となる面として作用する可能性があり、そのため弁棒が閉塞する傾向を増大させる。
【0032】
図3は、機械加工されかつ/または冷間鍛造された弁棒の断面図を示す。図3に示すタイプの機械加工された弁棒は、定量分配弁において使用されてきた。弁棒(10)は、外端(14)と、内端(20)と、フランジ(26)と、溝(32)と、横穴(34)と、中央通路(40)と、を備える。横穴および中央通路は、ドリルビットを用いて孔明け加工によって形成され、横穴が通路と通路の内端近くで接合するように配置される。バリの形成を回避するために、孔明け加工作業中にドリルビットは通常少なくとも2回挿入され取り除かれる。図4(b)は、バレル洗浄後のかかる機械加工された弁棒における横穴の典型的な下面(孔出口)のSEM写真を示す。図4(b)から分かるように、横穴の下面は、深絞りされた弁棒のパンチングされた横穴より実質的に優れた構造的品質を示す。かかる機械加工された弁により閉塞問題が実質的に低減するが、図4(b)から分かるように、かかるビット孔明け加工は、弁棒の内面の横穴の周囲に鋭利な縁部を残す。この縁部もまた、薬剤堆積の原因となる面を提供する可能性がある。
【0033】
図5(a)は、ワーク(54)、ここでは特に深絞りされた金属弁棒ワークに孔をレーザ孔明け加工する好ましい方法を絵画的に示す。この図5(a)を参照すると、ワークのキャビティすなわち通路(55)に流体(59)が充填されており、ワークの出口(57)はシールされており、孔すなわち横穴は、ワークを通してキャビティすなわち通路内にレーザ孔明け加工される(レーザビームの方向を概して矢印(53)によって示す)。好ましくは、レーザ孔明け加工を、アシストガスを用いて行う(矢印(52)は、概してレーザ出力開口(51)近くのアシストガス投入を示す)。好ましくは、ワークの出口(57)は、機械的締付け(56)によってシールされ、力が加えられることにより(概して矢印(58)によって示す)適所に保持される。適当には、レーザ孔明け加工後、出口はシールが解除される(図示せず)。横穴(34)を有する結果としての弁棒(10)を図5(b)に示す。
【0034】
図6(b)は、本発明の方法によって提供される横穴の典型的な下面(孔出口)のSEM写真を示す。なお、図6は、任意の後の洗浄または仕上げなしにプレスから外された(後述する実施例1の)弁棒の顕微鏡写真を示す。図6(b)において、特に図4(a)および図4(b)と比較して容易に分かるように、横穴の下面は、計量弁で使用される既知の弁棒に典型的なバリ、環状の突起および鋭利な縁部のない、非常に望ましい構造的特性を示す。
【0035】
また、従来のレーザ孔明け加工によって得られる横穴と比較して、本発明の方法によって得られる弁棒とともに横穴の下面は、非常に望ましい構造的品質を示す。図7は、従来のレーザ孔明け加工によって得られる弁棒(すなわち、後述する実施例A)、特に弁棒の後壁(図7(a))と横穴の孔出口(図7(b))とのSEM写真を示す。横穴下面の図6(b)と図7(b)とを比較して分かるように、従来のレーザ孔明け加工された横穴の孔出口は、ドロスが蓄積して不規則であり、孔出口の周りの下壁に広範囲の粒子堆積が観察されるが、本発明によって得られる横穴の孔出口には実質的にドロスがなく、下壁には実質的に粒子が堆積していない。弁棒の後壁の図6(a)と図7(a)とを比較して分かるように、従来のレーザ孔明け加工された弁棒の後壁は広範囲の破損および堆積粒子を示すが、本発明によって孔明け加工された弁棒の後壁には、実質的に後壁破損および堆積粒子がない。
【0036】
本発明の方法によってレーザ孔明け加工された弁棒の内部の望ましい構造的特性のために、弁棒には、薬剤の堆積または蓄積に対する原因となる面が実質的になく、そのため、かかる弁棒は、改善された耐閉塞性を示す。また、レーザ孔明け加工の前にキャビティ内に流体を充填しシールする本発明による方法を、キャビティを有する他の弁部品(弁棒を除く)に孔を設ける場合にも有利に使用することができる。例えば、本方法を、望ましくは、保持カップまたは計量チャンバに開口を設けるために使用することができる。
【0037】
レーザ孔明け加工された孔すなわち横穴の直径は、適当には0.1mmから1.1mmの範囲であってよく、弁棒の横穴の場合、より好ましくは0.3〜0.8mmの範囲であり最も好ましくは0.35〜0.75mmの範囲であって、保持カップおよび計量チャンバの開口の場合、より好ましくは0.6〜1.0mmの範囲であり最も好ましくは0.75〜0.95mmの範囲である。
【0038】
望ましくは、レーザ孔明け加工を、アシストガスを用いて行う。適当なアシストガスには、酸素、アルゴン、窒素、ヘリウムまたは空気等、レーザ孔明け加工に従来使用されるアシストガスがある。金属弁部品/弁棒をレーザ孔明け加工するために、アシストガスとして酸素が望ましい。
【0039】
製造および処理を容易にするために、流体は、望ましくは周囲温度(たとえば、約22℃)の流体である。好ましくは、流体は液体または液体ベースの流体(たとえば、溶剤、懸濁液、ゲル、発泡体、乳濁液およびゾルを含むコロイド分散系)であり、より好ましくは、好ましくは標準試験方法(Standard Test Method)ASTM D2196−99(試験方法A)に従って確定される、動粘性が33000mPa未満である液体または液体ベースの流体である。水および水性流体が特に適している。
【0040】
プラスチック弁棒を製造する方法では、弁棒ワークを、適当には、成形、特に射出熱可塑性成形によって提供してもよい。より詳細には、弁棒の1つまたは複数の外形を有する弁棒ブランクを、成形、特に射出熱可塑性成形によって提供してもよく、通路および出口を、孔明け加工、特にレーザ孔明け加工によって形成してもよい。
【0041】
金属、好ましくはステンレス鋼の弁棒を製造する方法では、弁棒ワークを、適当には、機械加工および/または冷間鍛造によって提供してもよい。より詳細には、弁棒の1つまたは複数の外形を有する弁棒ブランクを、機械加工および/または冷間鍛造によって提供してもよく、通路および出口を、孔明け加工、特にレーザ孔明け加工によって形成してもよい。
【0042】
別法として、金属、特にステンレス鋼の弁棒を製造する場合、弁棒ワークを、望ましくは深絞りによって提供してもよい。好ましくは、弁棒の1つまたは複数の外形を有するワークを深絞りする。深絞りされた弁棒の場合、有利に、弁棒内のデッドボリュームを低減することによりさらに耐閉塞性を向上させることができ、それによりエアゾール製剤は、製剤を出口に搬送するために必要な弁棒の部分(すなわち、弁棒の横穴と出口との間)のみに接触しかつその部分のみを通過することになる。望ましくは、深絞りされた弁棒の製造は、通路を、通路の内部の弁棒の閉鎖端と横穴との間の部分が密封されるようにプラグ内に挿入するステップと、弁棒の出口端を内側にカーリングするステップと、を含む。より望ましくは、弁棒の閉鎖端から実質的に横穴までの弁棒の内部が密封されるように、プラグを挿入する。プラグを、横穴をレーザ孔明け加工する前または後、より詳細には、通路が充填される前かまたは出口のシールが解除された後のいずれに挿入してもよい。出口端のカーリングもまた、レーザ孔明け加工の前または後、より詳細には出口をシールする前または出口のシールを解除した後のいずれに行ってもよいが、いずれの場合もプラグが挿入された後である。図8は、かかる方法によって得ることができる好ましい深絞りされた弁棒の断面図を示す。図8の好ましい実施形態において分かるように、閉鎖端(43)と横穴(34)との間(より実質的には横穴の真下)に、弁棒内の締まりばめを形成するプラグ(46)を配置する。これにより、有利に、弁棒内のデッドボリュームの量が低減し、そのため耐閉塞性が向上する。好ましくは、プラグをステンレス鋼から作製する。
【0043】
このようにレーザ孔明け加工された弁部品/弁棒に対し、金属弁棒に対する光輝焼きなまし、バレル研磨または不動態化等、洗浄および/または仕上げのために従来使用する洗浄および/または仕上げ処置を適当に施してもよい。バレル研磨は、一般的には、水・洗剤混合物により容器内の複数の弁棒をタンブリングすることによって行う。洗剤は、一般的には、陰イオンおよび非陰イオン界面活性剤と有機酸との混合物である。不動態化では、金属(特にステンレス鋼)弁棒を酸によって洗うことにより、保護的な不動態化金属(クロム)酸化膜の形成を促進する。したがって、弁棒を、好ましくは硝酸の酸性溶液(5〜50%濃度)またはクエン酸の酸性溶液(1〜10%濃度)もしくは自発的な不動態化を促進するように表面の汚染を除去するための他の適当な化合物を用いて処理する。
【0044】
別法としてまたはそれに加えて、このようにレーザ孔明け加工された弁部品/棒に対し、スパッタまたは浮遊残留粒子を除去するために研磨または化学洗浄または仕上げを施してもよい。適当な研磨洗浄または仕上げには、バフ研磨、ショットブラスティングまたは酸洗いがあってもよい。後者の2つの例示的な洗浄方法は、特に金属弁部品/弁棒に適しており、洗浄方法として酸洗いを使用することは、レーザ孔明け加工を、酸素アシストガスを用いて行った場合に特に有利である。ショットブラスティングでは、外面を、粒子サイズが10〜100μmであるアルミナ等の微粒子を用いて、約1〜2秒に3〜5バール等の高圧下で、ブラスティング、好ましくはスポットブラスティングする。望ましくは、ショットブラスティング中の部品/弁棒の後壁を保護するために、部品/弁棒内のレーザ孔明け加工された孔の後方に金属ピンまたはシャフトを挿入してもよい。
【0045】
本発明の方法によって得ることができかつ提供される弁部品/弁棒は、その望ましい構造的品質のために、計量弁、特に薬剤の分配のための計量弁と、定量ディスペンサ、特に薬物定量ディスペンサ、より詳細には定量噴霧器と、において使用するために特に適している。
【実施例】
【0046】
使用する材料
弁棒ワーク
以下のレーザ孔明け加工実験はすべて、ステンレス鋼タイプ305(「SS305」)ストリップから深絞りすることによって製造されたステンレス鋼弁棒ワークを用いて行った。弁棒は、24.4mmの全長と、0.2mmの壁厚さと、開口部と閉鎖部との間の外部フランジと、外部溝と、を有していた。中央内腔すなわち通路の内径は、横穴が孔明け加工される位置において2.4mmであった。特に明記しない限り、弁棒の出口端は内側にカーリングしており、出口の直径は1.6mmであった。弁棒の内部容積は85μlであった。深絞り工程中、鋼を絞り油(アドフォーマル(ADFORMALTM)EP130、下記参照)によってコーティングし、それはレーザ孔明け加工前に除去しなかった。
【0047】
生水
ゲル:アイデアル・インダストリーズ・インク(Ideal Industries Inc.)によって提供されるアクア・ゲル(Aqua−GelTM)IIケーブル・プリング・ルーブリカント(Cable Pulling Lubricant)
デブ・リミテッド(Deb Limited)によって提供されるデブ(DebTM)手洗い液
油:BPルーブリカンツ・アンド・スペシャル・プロダクツ・リミテッド(BP Lubricants and Special Products Limited)によって提供されるアドフォーマル(AdformalTM)EP130極圧金属形成油
直径2.2mmのステンレス鋼シャフト
直径1.5mmのプラスティックコーティングされたワイヤ
幅2.2mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート
ブル・タック(Blu−TackTM)、英国レスターのボスティック・リミテッド(Bostik Limited(Leicester,UK))によって製造される低粘着性接着パテ。
【0048】
レーザ孔明け加工
1.06μm波長で放出するエレクトロクス・スコーピオン(Electrox Scorpion)400Wパルス式Nd:YAGレーザ(英国レッチワースのエレクトロクス(Electrox(Letchworth,UK))によって提供される)を使用して、弁棒ワークに孔を孔明け加工した。
【0049】
図9は、以下の実施例で使用するレーザ孔明け加工システム(100)の構成を概略的に示す。レーザビーム(127)を、ハンドヘルドコントローラ(121)によって操作するレーザビーム源(120)によって生成した。ビームを、ファイバ出力管(123)に端部接続された8m長の600μmコア径の光ファイバ(122)によって伝達した。ファイバ出力ハウジング(124)は、ファイバ出力管と、レンズ、たとえば集束レンズ(126)と、アシストガス投入(125)によって提供されるアシストガスノズルと、を有していた。ワーク上にあった任意の余分な絞り油を、アシストガスにより外面に薄膜を残して吹き払った。ワーク(54)を、プラットフォーム(129)上の万力で締め付けた。プラットフォーム(129)に対して横方向の範囲が500×540×165mm3で最大の横方向の速度が最大300mm/秒で移動可能な取付具(128)により、ファイバ出力ハウジング(124)を3軸CNCテーブル(130)上に取り付けた。かかる移動を、CNCテーブルコントローラ(132)を介してパーソナルコンピュータ(131)から制御可能した。
【0050】
すべての実験において、焦点距離が120mmである集束レンズを使用した。焦点面位置を、ノズル・ワーク距離を1.7mmにして材料面の上に配置した。目標孔サイズは0.47mm径であった。実験を、レーザを垂直または水平に配置し、それに応じて弁棒ワークを夫々水平または垂直に配置して行った。レーザおよびワークの位置決めはレーザ孔明け加工の結果に対し重大な影響を与えないということを理解すべきである。しかしながら、弁棒ワークに流体を充填した実施例では、弁棒ワークを垂直に配置しレーザを水平に配置することが都合がよい。
【0051】
弁棒ワークに流体を充填した実施例では、1.27mm径の標準ベベル(regular−bevel)のポイント針を有する10ml注射器を使用して、弁棒ブランク内に流体を注入した。弁棒開口がシールされた実施例では、レーザ孔明け加工前および孔明け加工中に圧縮性の弁棒締付けで弁棒開口上を押圧した。弁棒締付けを、弁棒開口にブル・タック(Blu−TackTM)片を配置し物理的に人差し指で押圧することによってもたらした。自動化工程では、弁棒締付けを、Oリングを作製するために使用する等のシリコーンゴムから作製することができる。
【0052】
予備実験において、壁厚さが0.2mmであるAISI 305ステンレス鋼弁棒ワークに孔を孔明け加工するために、シングルまたはダブルレーザパルスが有効であることが分かった。しかしながら、7kWピーク出力のダブルパルスが、より一貫した孔をもたらすため好ましかった。以下の実験では、特に明記しない限り、ピーク出力が7kW、パルス幅が0.3ミリ秒、パルス毎のエネルギーが2.1Jおよびパルス周波数が20Hzであるダブルパルスを使用した。また、特に明記しない限り3バールの圧力(流速42l/分)のアシストガス、特に明記しない限り酸素を使用した。矩形パルス形状を使用した。
【0053】
分析
レーザ孔明け加工された弁棒を分析するために、精密カッタを使用して弁棒に沿って切断した。弁棒を、17mmの長さに切断した後、物理的に割って開き、弁棒の下壁(下面)と後面とをあらわにした。弁棒の下壁において、孔出口の周囲のドロス堆積の程度を分析する一方、過度なレーザビームが突き当たる結果として任意の破損がないか後壁を分析した。両サンプルに対し、飛散粒子の堆積がないか分析した。光学顕微鏡を用いて予備分析を行った。そして、走査電子顕微鏡(SEM)を使用してさらなる分析を行った。
【0054】
実施例1〜10および実施例A〜E
【0055】
【表1】

【0056】
実施例A
図7(a)および図7(b)は、いかなる障壁材も使用せずにレーザ孔明け加工したSS 305弁棒のSEM写真を示す。図7(a)から分かるように、過度なレーザビームによって後壁が破損し、約1mmの破損スポットと大量の粒子堆積が残った。図7(b)から、孔出口に大量のドロスが蓄積したことが認めることができる。
【0057】
実施例B
この実施例では、レーザ孔明け加工する前にワーク内に生水を充填した。しかしながら、弁棒締付けは使用しなかった。図10(a)および図10(b)は、横穴をレーザ孔明け加工した後の結果としてのSS 305弁棒のSEM写真を示す。図10(a)から分かるように、およそ1mm径の局所的な後壁破損を認めることができた。孔出口の周囲のドロス蓄積は広範囲であり、図10(b)において分かるように孔出口の周縁に大きい粒子が付着している。
【0058】
実施例1および2
図6(a)および図6(b)は、ワークをレーザ孔明け加工することによって得られたSS 305弁棒のSEM写真を示し、弁棒の出口を、ワークに水を充填した後に弁棒締付けによりシールした(実施例1)。結果をいかなる障壁もなく孔明け加工したものまたは水を用いたがシールしなかったもの(実施例AおよびB)と比較することにより、後壁に対する破損と後壁における粒子の堆積とが防止されたことが分かる。孔出口の周縁の周囲に眼に見えるドロスの蓄積がないことを認めることができる(図6(b)に示すように)。さらに、弁棒の下壁は、実質的に粒子の堆積がないように見える。パルス幅として0.4ミリ秒ではなく0.3ミリ秒を用いた実施例2の結果は、実施例1に類似していた。実施例1および2と弁棒ワークのキャビティ内に流体を充填しシールした他の以下の実施例のすべてとにおいて、ビームが通り抜けた後、弁棒内の流体を、新たに孔明け加工された孔から扇のような噴霧の形態で押し出した。
【0059】
これらの実験の結果と実施例C〜Eおよび実施例3〜10の結果とを以下の表において要約する。
【0060】
【表2】

【0061】
実施例C
1.27mm径標準ベベルポイント針に固定された10ml注射器を使用して、ビームが通り抜けた時およびその後でさえも弁棒内に連続して水を充填するために、レーザ孔明け加工前または孔明け加工中に、水を弁棒内にポンプで注入した。結果は実施例AおよびBと類似しており、孔出口における大量のドロスとともに約2mm径スポットの後壁破損が認められた。若干の粒子堆積が認められた。
【0062】
実施例D
レーザ孔明け加工を通して、エアブラシを使用して、およそ20psiで水ジェット噴射を弁棒の開口内に向けた。エアブラシのノズルを、弁棒の開口に対し10mmの距離で保持した。結果は、実施例A〜Cと類似し、孔出口における大量のドロスおよび若干の粒子堆積とともに約1mm径スポット後壁破損が認められた。
【0063】
このように、弁棒締付けを用いることにより局所的な後壁破損と粒子堆積とが完全に防止され、そのため、かかる締付けのない孔明け加工より汚染のない孔明け加工が提供された。さらに、弁棒締付けを使用する場合、弁棒の下壁は実質的に粒子堆積がないように見え、孔出口の周縁の周囲に眼に見えるドロスの蓄積がないことを認めることができた。
【0064】
実施例3〜6
酸素の異なるアシストガス圧力、すなわち1および2バールの低圧力と4および6バールの高圧力とを使用することにより、すべて最適な結果が得られ、3バールのアシストガス圧で行った実施例1および2の結果に対し著しい差は示されなかった。
【0065】
実施例7
より高いパルス周波数の使用は結果に影響を与えなかった。この場合もまた、結果としての弁棒には後壁破損、粒子堆積およびドロス蓄積がないかまたは実質的になかった。
【0066】
実施例8〜10およびE
実施例8〜10の結果は、実施例1〜7の結果と類似し、実施例Eの結果は実施例Bに類似した。そのため、弁棒出口を締め付けるとともに窒素またはアルゴンアシストガスを使用することによってもまた、内部が所望の構造的品質を示し、後壁破損、粒子堆積および孔出口におけるドロス蓄積がないかまたは実質的にない、弁棒の製作が可能となる。
【0067】
実施例11〜13および実施例FおよびG
表3において要約するように、ゲル、油、溶剤等の他の流体を検査した。
【0068】
【表3】

【0069】
これらの実施例の結果を以下に列挙する。
【0070】
【表4】

【0071】
弁棒締付けにより出口をシールするとともに他の流体を使用することは、等しく有効であり、弁棒締付けを使用しなかった実施例の結果と比較して、後壁破損、粒子堆積、ドロス蓄積は完全に防止されたかまたは大幅に低減された。
【0072】
比較のためのH〜J
以下の表において要約するように、障壁としての固体を検査した。各場合において、障壁は孔明け加工前にワークのキャビティに挿入した。実施例IおよびJの場合、弁棒ワークの出口端はカーリングしておらず、そのためPTFEシートとステンレス鋼(「SS」)シャフトとを挿入することができるように、出口の直径は約2.4mmであった。
【0073】
【表5】

【0074】
結果を表6において要約する。
【0075】
【表6】

【0076】
場合によっては、固体障壁の使用により後壁破損が防止されたが、各場合において、結果としての弁棒に、大量のドロス蓄積と粒子堆積(特に下壁上)が認められた。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】定量エアゾールディスペンサの断面図を示す。
【図2】従来技術による深絞りされた金属弁棒の断面図を示す。
【図3】従来技術の機械加工されかつ/または冷間鍛造された金属弁棒の断面図を示す。
【図4a】バレル洗浄後のステンレス鋼タイプ305(「SS305」)から作製された深絞りされた弁棒における横穴の下面(孔出口)の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図4b】バレル洗浄後の機械加工されたSS305弁棒における横穴の下面(孔出口)のSEM写真を示す。
【図5a】弁棒ワークに横穴をレーザ孔明け加工する好ましい方法を概略的かつ絵画的に表す。
【図5b】図5aの方法の結果としての弁棒を概略的かつ絵画的に表す。
【図6a】本発明の好ましい方法により(特に実施例1により)得られたSS305弁棒のSEM写真を示す。
【図6b】本発明の好ましい方法により(特に実施例1により)得られたSS305弁棒のSEM写真を示す。
【図7a】従来のレーザ孔明け加工後に得られたSS305弁棒(実施例A)のSEM写真を示す。
【図7b】従来のレーザ孔明け加工後に得られたSS305弁棒(実施例A)のSEM写真を示す。
【図8】弁棒を製造する好ましい方法によって得られた深絞りされた金属弁棒の断面図を示す。
【図9】弁棒に横穴をレーザ孔明け加工する好ましいシステムを概略的に示す。
【図10a】水が充填されているが出口をシールしていないワークにレーザ孔明け加工した後に得られたSS305弁棒(実施例B)のSEM写真を示す。
【図10b】水が充填されているが出口をシールしていないワークにレーザ孔明け加工した後に得られたSS305弁棒(実施例B)のSEM写真を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部キャビティを有する弁部品に孔を設けるための方法であって、
前記内部キャビティを流体で充填してシールするステップと、
前記弁部品を貫通して前記内部キャビティまで前記孔をレーザ孔明け加工するステップと、
を含む孔形成方法。
【請求項2】
前記弁部品が弁棒である、請求項1に記載の孔形成方法。
【請求項3】
弁棒を製造する方法であって、
a)出口付きの通路を有する弁棒ワークを用意するステップと、
b)前記通路を流体で充填するステップと、
c)前記出口をシールするステップと、
d)前記弁棒ワークを貫通して前記通路まで横穴をレーザ孔明け加工するステップと、
e)前記出口のシールを解除するステップと、
を含む弁棒製造方法。
【請求項4】
前記弁棒がプラスチックであり、前記弁棒ワークが、成形、特に射出熱可塑性成形によって用意される、請求項3に記載の弁棒製造方法。
【請求項5】
前記弁棒がプラスチックであり、弁棒ワークを用意する前記ステップが、
i)成形、特に射出熱可塑性成形により、前記弁棒の1つ以上の外部輪郭を有する弁棒ブランクを用意するステップと、
ii)孔明け加工により前記通路および出口を形成するステップと、
を含む、請求項3に記載の弁棒製造方法。
【請求項6】
前記弁棒が金属であり、前記弁棒ワークが、機械加工および/または冷間鍛造によって用意される、請求項3に記載の弁棒製造方法。
【請求項7】
前記弁棒が金属であり、弁棒ワークを用意する前記ステップが、
i)機械加工および/または冷間鍛造により、前記弁棒の1つ以上の外部輪郭を有する弁棒ブランクを用意するステップと、
ii)孔明け加工により前記通路および出口を形成するステップと、
を含む、請求項3に記載の弁棒製造方法。
【請求項8】
前記通路および出口が、レーザ孔明け加工によって形成される、請求項5または7に記載の弁棒製造方法。
【請求項9】
前記弁棒が金属であり、前記弁棒ワークが深絞りによって用意される、請求項3に記載の弁棒製造方法。
【請求項10】
f)前記通路内に、該通路の内部における前記弁棒の前記閉鎖端と前記横穴との間の部分を封止するように、プラグを挿入するステップと、
g)前記弁棒の出口端を内側にカーリングするステップと、
をさらに含み、
前記プラグを挿入する前記ステップ(f)が、ステップb)の前またはステップe)の後に行われ、前記出口端をカーリングする前記ステップ(g)が、ステップb)の前またはステップe)の後であって、前記プラグを挿入した後に行われる、請求項9に記載の弁棒製造方法。
【請求項11】
請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる弁棒。
【請求項12】
請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法によって得られた弁棒。
【請求項13】
請求項11または12に記載の弁棒を具備する定量弁。
【請求項14】
請求項11または12に記載の弁棒を具備する定量ディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−513035(P2006−513035A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−517542(P2004−517542)
【出願日】平成15年5月6日(2003.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2003/014468
【国際公開番号】WO2004/002672
【国際公開日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】