説明

弁装置および追焚付き給湯装置

【課題】水圧導出口を有しながらも簡易な構成を有し、かつ簡易な製造プロセスで製造可能な弁装置およびそれを有する給湯装置を提供する。
【解決手段】第1の弁体13aは第1および第2の開口部11a、11bの間の流路11Aの開度を制御可能に構成されている。第2の弁体13bは第1および第3の開口部11a、11cの間の流路11Aの開度を制御可能に構成されている。弁本体1は、樹脂よりなり、かつ第2および第3の開口部11b、11cの間で流路11Aに通じる第4の開口部11dを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁装置と、それを備えた追焚付き給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、追焚機能付き給湯装置の構成部品には、風呂の雑水と上水とを縁切りするための安全装置があり、これは逆流防止弁と呼ばれている。この逆流防止弁は、上水の給水元側の圧力(1次圧)と供給先側の圧力(2次圧)との圧力差により通常はオーバーフロー口を閉止しているが、断水などで給水元側に負圧が発生すると開弁してオーバーフロー口から雑水を給湯装置外へ排出することにより、雑水が上水へ流れ込むことを防止する。このような逆流防止弁は、たとえば特開2003−322404号公報(特許文献1参照)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−322404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この逆流防止弁には、上記のとおり1次圧を導入する必要がある。この1次圧を給湯装置の入水金具から導入することも考えられる。しかしながら、この入水金具は、給湯装置を外部の配管などと接続する必要から充分な強度を必要とするため真鍮鍛造切削品からなっている。このため、この入水金具に水圧導出口を設けるためには、入水金具にネジおよびOリングシール部を切削加工する必要がある。また逆流防止弁と繋ぐためのパイプにも入水金具へ固定するための固定フランジが必要となる。このように入水金具に水圧導出口を設けると、構造が複雑になるとともに製造プロセスが煩雑になり、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、水圧導出口を有しながらも簡易な構成を有し、かつ簡易な製造プロセスで製造可能な弁装置およびそれを有する給湯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の弁装置は、弁本体と、第1の弁体と、第2の弁体と、機構部とを備えている。弁本体は、第1の開口部と、その第1の開口部を挟むように配置された第2の開口部および第3の開口部とを有する流路を含んでいる。第1の弁体は、流路内において第1の開口部と第2の開口部との間の流路の開度を制御可能に構成されている。第2の弁体は、流路内において第1の開口部と第3の開口部との間の流路の開度を制御可能に構成されている。機構部は第1および第2の弁体を駆動させるためのものである。弁本体は、樹脂よりなり、かつ第2の開口部および第3の開口部の間で前記流路に通じる第4の開口部を有している。
【0007】
本発明の弁装置によれば、弁装置は樹脂よりなっている。このため、第4の開口部をたとえば水圧導出口として用いる場合、入水金具にネジ、Oリングシール部などを形成する必要がなくなり、入水金具の製造プロセスが簡易となりコストを低減することができる。また弁装置が樹脂よりなっているため、第4の開口部と他のパイプとの接続構造も弁装置の樹脂成形時に同時に形成することができる。このため、弁装置の製造プロセスも簡易であり、コストを低減することができる。さらに樹脂よりなる弁装置は、金属よりなる入水金具よりも加工が容易であるため、水圧導出口をファスナ接続にすることもでき、構造および組立も簡易にすることができる。
【0008】
上記の弁装置において、機構部は、流路内に配置され、かつ軸線を中心に回転可能に構成された軸体を含んでいる。第1および第2の弁体の各々は軸体に接続されている。第1の弁体は軸線を中心とした円盤形状に第1の切欠が形成された形状を有し、かつ第2の弁体は軸線を中心とした円盤形状に第2の切欠が形成された形状を有している。第1の切欠は、第2の切欠に対して軸線を中心とした点対称となるように配置されている。これにより軸体を回転させることで、第1の開口部と第2の開口部との間の流路の開度と、第1の開口部と第3の開口部との間の流路の開度との各々の変化を対称にすることが容易となる。
【0009】
上記の弁装置において、第1の切欠を開閉可能に構成された第1の遮蔽部と、第2の切欠を開閉可能に構成された第2の遮蔽部とをさらに備え、第4の開口部は、第1の遮蔽部と第2の遮蔽部との間で流路に通じるように配置されている。これにより、第4の開口部を水圧導出口として用いる際に第4の開口部から安定した水圧を与えることができる。
【0010】
上記の弁装置は、第1および第2の遮蔽部を有するスペーサは、流路の壁面に固定されており、かつ第1の開口部と第4の開口部とを連通させるための貫通孔を有している。これにより簡易な構成で第1および第2の切欠の開閉操作が可能となるとともに、第1の開口部から供給された流体の圧力を貫通孔を通じて第4の開口部から外部へ与えることが可能となる。
【0011】
上記の弁装置において、弁本体は第4の開口部に配管を接続するための配管接続部を有している。この配管接続部は第1および第2の遮蔽部のいずれか一方の真上を跨ぐように設けられている。第4の開口部は、第1および第2の遮蔽部の間で流路に通じるように配管接続部の底部において偏心した位置に設けられている。これにより、第4の開口部を第1および第2の遮蔽部の間の流路に繋ぐことができて第4の開口部から外部へ安定した水圧を与えることができる。また配管接続部を第2の開口部から離して配置することができるため、配管接続部への配管の接続が容易となる。
【0012】
上記の弁装置において、第1の開口部は、第1および第2の弁体の少なくとも一方に平行な辺を有する開口形状を有している。これにより第1の開口部の開口面積を大きく維持しながら第1および第2の弁体の間隔を小さくすることができる。このため、弁装置の小型化が可能となるとともに、圧力−流量特性の劣化も抑制することができる。
【0013】
本発明の追焚付き給湯装置は、上記のいずれかの弁装置と、弁装置の第2および第3の開口部のいずれか一方に接続された熱交換器と、弁装置の第2および第3の開口部のいずれか他方に接続されたバイパス回路と、弁装置の第4の開口部に接続された水圧導入口を有する逆流防止弁とを備えている。
【0014】
本発明の追焚付き給湯装置によれば、弁装置の第4の開口部から逆流防止弁の水圧導入口に水圧を与えることができるため、入水金具に水圧導出口を設ける場合よりも、構成および製造プロセスを簡易にすることができる。
【0015】
上記の給湯装置において、第4の開口部が弁本体の鉛直上側および横側のいずれかに位置するように弁装置が配置されている。これにより、第4の開口部と逆流防止弁とを繋ぐ接続配管にトラップが生じることはなく、逆流防止弁および接続配管内の水を排水時に排出することが容易となる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、水圧導出口を有しながらも簡易な構成を有し、かつ簡易な製造プロセスで製造可能な弁装置およびそれを備えた追焚付き給湯装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態における弁装置およびステッピングモータの構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す弁装置およびステッピングモータにおける弁装置部分の断面を概略的に示す図である。
【図3】図1に示す弁装置の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図4】図1に示す弁装置に用いられる第1および第2の弁体の形状を説明するための図である。
【図5】図1に示す弁装置に用いられるスペーサの構成を下側から概略的に示す斜視図である。
【図6】図1に示す弁装置に用いられる軸体、弁体、スペーサなどの構成を概略的に示す斜視図である。
【図7】図1に示す弁装置に用いられる弁本体の破断斜視図である。
【図8】図1に示す弁装置において弁本体にスペーサが固定された様子を示す断面図である。
【図9】図1に示す弁装置において弁体と弁本体内部の流路壁面との間の径方向の隙間を説明するための断面図である。
【図10】図1に示す弁装置の動作を説明するための図である。
【図11】図1に示す弁装置およびステッピングモータを用いた追焚付き給湯装置の構成を概略的に示す図である。
【図12】図10に示す追焚付き給湯装置に用いられる逆流防止弁の構成を示す断面図である。
【図13】図11に示す逆流防止弁の開弁状態を示す断面図である。
【図14】追焚付き給湯装置の逆流防止弁に入水金具から水圧を導入する場合の比較例の構成を示す図である。
【図15】第4の開口部が第1および第2の遮蔽部の間に開口しない場合の比較例の弁装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図16】図1に示す弁装置において第4の開口部が弁本体の鉛直下側に設けられた比較例における弁装置と逆流防止弁との接続配管の構成を示す図である。
【図17】図1に示す弁装置において第4の開口部が弁本体の鉛直上側に設けられた好ましい例における弁装置と逆流防止弁との接続配管の構成を示す図である。
【図18】第1の開口部が円形の開口形状を有する場合の弁装置の構成を概略的に示す図である。
【図19】第1の開口部が第1および第2の弁体に平行な対辺を有する開口形状を有する場合の弁装置の構成を概略的に示す図である。
【図20】配管接続部の底面において円形をなす第4の開口部が形成された様子を示す図である。
【図21】配管接続部の底面において円弧と弦で囲まれた形状をなす第4の開口部が形成された様子を示す図である。
【図22】第4の開口部に座グリを設けた構成を図2の領域RSに対応する部分を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず本実施の形態の弁装置およびステッピングモータの構成を図1〜図9を用いて説明する。
【0019】
主に図1を参照して、本実施の形態の弁装置1にはステッピングモータ2が取付け固定されている。このステッピングモータにより、後述するように弁装置1内の軸体および弁体が回転駆動可能なように構成されている。
【0020】
主に図2および図3を参照して、本実施の形態の弁装置1は、弁本体11と、軸体12と、第1および第2の弁体13a、13bと、スペーサ14と、弁カラー15と、Oリング16a、16bとを主に有している。この軸体12、弁カラー15などは第1および第2の弁体13a、13を駆動させるための機構部を構成している。
【0021】
弁本体11は、内部に流路11Aを有している。その流路11Aは、第1の開口部11aと、その第1の開口部11aを挟むように配置された第2の開口部11bおよび第3の開口部11cとを有している。また弁本体11には、第4の開口部11dが流路11Aに通じるように形成されている。
【0022】
この弁装置1は分配弁であり、第1の開口部11aは流体(たとえば湯水)の流入口であり、第2〜第4の開口部11b、11c、11dの各々は流体の流出口である。特に第4の開口部11dは、弁装置1が追焚付き給湯装置に用いられる場合には、逆流防止弁へ上水の1次圧を与えるための水圧導出口となる部分である。
【0023】
軸体12は、弁本体11の流路11A内に配置されており、かつ仮想の軸線C−Cを中心に回転可能に構成されている。つまり軸体12は、その外周部に取付られた弁カラー15を介在して弁本体11に取付けられることにより、軸線C−Cを中心に回転可能である。
【0024】
軸体12と弁カラー15との間にはOリング16aが配置されており、かつ弁カラー15と弁本体11との間にはOリング16bが配置されている。また軸体12は、ステッピングモータ2により回転駆動力を与えられるように構成されている。このステッピングモータ2は、サーボ取付板3を介在して弁本体11に取付け固定されている。
【0025】
第1および第2の弁体13a、13bの各々は軸体12に取付けられている。第1の弁体13aは、流路11A内において第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間に位置している。第2の弁体13bは、流路11A内において第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間に位置している。
【0026】
主に図4を参照して、第1の弁体13aは軸線C−Cを中心Oとした円盤形状に第1の切欠13a1が形成された形状を有している。この第1の切欠13a1は、円盤形状の第1の弁体13aの中心Oの周りに約180°の角度範囲で設けられている。第1の切欠13a1が設けられていない第1の弁体13aの部分13a2は円弧形状を有している。また第1の切欠13a1が設けられた第1の弁体13aの部分はたとえばインボリュート曲線に似た外形を有している。
【0027】
第2の弁体13bも、第1の弁体13aと同様、軸線C−Cを中心Oとした円盤形状に第2の切欠13b1が形成された形状を有している。この第2の切欠13b1は、円盤形状の第2の弁体13bの中心Oの周りに約180°の角度範囲で設けられている。第2の切欠13b1が設けられていない第2の弁体13bの部分13b2は円弧形状を有している。また第2の切欠13b1が設けられた第2の弁体13bの部分はたとえばインボリュート曲線に似た外形を有している。
【0028】
具体的には第1および第2の切欠13a1、13b1は、軸体12を図4の矢印RD方向に回転させたときに、第1および第2の切欠13a1、13b1の各々の第1および第2の遮蔽部14a、14bから開いた部分の面積の変化が軸体12の回転角度の2乗に比例するような形状を有している。
【0029】
第1および第2の弁体13a、13bの双方は1つの軸体12に取付けられているため、第1の弁体13aの中心Oと第2の弁体13bの中心Oとは同一の軸線(直線)C−C上に位置している。第1の弁体13aの円弧部13a2の中心Oからの半径R1は、第2の弁体13bの円弧部13b2の中心Oからの半径R2と同じであってもよく、または異なっていてもよい。本実施の形態においては、半径R1は半径R2よりも小さくなっている。
【0030】
第1の切欠13a1は、軸線C−C方向から見たときに、第2の切欠13b1に対して軸線C−Cを中心Oとした点対称となるように配置されていることが好ましい。上述のように本実施の形態では半径R1が半径R2よりも小さくなっている場合には、軸線C−C方向から見た第1の弁体13aの形状は第2の弁体13bの形状の相似形状を有している。
【0031】
主に図3および図5を参照して、スペーサ14は、第1および第2の遮蔽部14a、14bと、連結部14cと、2つの凸状係合部14dとを主に有している。第1および第2の遮蔽部14a、14bの各々は、たとえば半円形状を有している。連結部14cは、第1および第2の遮蔽部14a、14bの双方に接続される部分であり、かつ軸体12の外周面に沿ってその外周面を覆う半円筒形状部を有している。
【0032】
連結部14cには軸線C−C方向と直交する方向に延びる貫通孔14eが形成されている。2つの凸状係合部14dは、それぞれ連結部14cの両端部に配置されており、かつ第1および第2の遮蔽部14a、14bの双方の外周端部よりも外周側に突き出すとともに、軸線C−C方向に延在している。
【0033】
主に図2および図6を参照して、スペーサ14は、第1の弁体13aと第2の弁体13bとの間で挟み込まれるとともに、貫通孔14e内に第2の弁体13bを挿通させることにより、軸体12に取付けられている。この取付け状態において、連結部14cの半円筒形状部は軸体12の外周面に沿ってその外周面を覆っている。またこの取付け状態において、第1および第2の遮蔽部14a、14bは、軸線C−Cに対して互いに同じ方向に位置している。
【0034】
この取付け状態においてスペーサ14に対して軸体12を回転させることにより、第1の切欠13a1を第1の遮蔽部14aで開閉可能であり、かつ第2の切欠13b1を第2の遮蔽部14bで開閉可能である。そして第1および第2の切欠13a1、13b1が軸線C−Cに対して互いに異なる方向に位置し、かつ第1および第2の遮蔽部14a、14bが軸線C−Cに対して互いに同じ方向に位置しているため、第1の遮蔽部14aが第1の切欠13a1を閉じているときに、第2の遮蔽部14bが第2の切欠13b1を開くことができる。また逆に、第1の遮蔽部14aが第1の切欠13a1を開いているときに、第2の遮蔽部14bが第2の切欠13b1を閉じることもできる。
【0035】
主に図7および図8を参照して、弁本体11の流路11Aの壁面(以下、「流路壁面」とも称する)には、軸線C−Cの延びる方向に延在する直線状の溝11eが形成されている。スペーサ14は、凸状係合部14dが溝11e内に嵌め込まれた状態で、溝11eで案内されながら流路11A内に挿入されることにより、流路壁面に固定され得る。つまりスペーサ14が流路11A内に挿入された状態ではスペーサ14の両側の凸状係合部14dのそれぞれが溝11e内に嵌り込んでいるため、軸体12が軸線C−Cを中心として回転してもスペーサ14が軸体12とともに回転することはない。
【0036】
主に図7および図9を参照して、弁本体11の流路壁面には、周方向に沿って約180°の角度範囲で延在する溝11fが形成されている。
【0037】
図2に示す第1の弁体13aの円弧部13a2と流路壁面との間の径方向の隙間の大きさL1が、図9に示す第2の弁体13bの円弧部13b2と流路壁面との間の径方向の隙間の大きさL2よりも大きくなっていることが好ましい。
【0038】
隙間の大きさL1を隙間の大きさL2よりも大きくするために、図4に示すように第1の弁体13aの円弧部13a2の半径R1が第2の弁体13bの円弧部13b2の半径R2よりも小さくされてもよく、また図7に示すように第1の弁体13aが位置する部分の流路壁面に周方向に延びる溝11fが形成されてもよい。また半径R1が半径R2よりも小さくされた構成と、溝11fが形成された構成とが組み合わされてもよい。
【0039】
なお軸線C−Cに対して、第1、第2および第4の開口部11a、11b、11dは直交する向きに設けられており、第3の開口部11cは平行な向きに設けられていることが好ましい。
【0040】
弁本体11、軸体12、第1および第2の弁体13a、13b、スペーサ14および弁カラー15の材質はたとえばPPS(polyphenylene sulfide)などの樹脂からなっており、サーボ取付板3はたとえば亜鉛めっき鋼板からなっている。また第1および第2の弁体13a、13bは軸体12と一体的に形成されたものであってもよく、また軸体12と別体からなり軸体12に取付け固定されたものであってもよい。
【0041】
次に、本実施の形態の弁装置1の動作について図10(A)〜図10(C)を用いて説明する。
【0042】
図10(A)を参照して、この状態は、第1の弁体13aの第1の切欠13a1の全体が第1の遮蔽部14aで覆われておらず開いており、かつ第2の弁体13bの第2の切欠13b1の全体が第2の遮蔽部14bで覆われて閉じた状態を示している。この状態では図9に示すように、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間で流体(たとえば湯水)が流通可能であり、かつ第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間で流体の流通は遮断されている。
【0043】
なお第1および第2の切欠13a1、13b1が形成された部分のうち第1および第2の遮蔽部で覆われておらず開いた部分には図中ハッチングが付されている。このハッチングは、図10(B)、(C)にも同様に付されている。
【0044】
図10(B)を参照して、この状態は図10(A)の状態から軸体12を矢印RDで示すように図中時計周りに約90°回転させた状態である。この状態では、第1の弁体13aの第1の切欠13a1の一部が第1の遮蔽部14aで覆われているが、残りの部分は第1の遮蔽部14aで覆われておらず開いている。また第2の弁体13bの第2の切欠13b1の一部が第2の遮蔽部14bで覆われているが、残りの部分は第2の遮蔽部14bで覆われておらず開いている。つまり、第1および第2の切欠13a1、13b1の双方の一部分が開いた状態となっている。このため、この状態では、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間で所定量の流体が流通可能であり、かつ第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間でも所定量の流体が流通可能である。
【0045】
図10(C)を参照して、この状態は図10(B)の状態から軸体12を矢印RDで示すように図中時計回りにさらに約90°回転させた状態である。この状態では、第1の弁体13aの第1の切欠13a1の全体が第1の遮蔽部14aで覆われて閉じており、かつ第2の弁体13bの第2の切欠13b1の全体が第2の遮蔽部14bで覆われておらず開いた状態となっている。この状態では図2に示すように、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間で主たる流体の流通は遮断されており、かつ第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間で流体は流通可能である。
【0046】
このように軸体12を回転させることにより、第1および第2の切欠13a1、13b1の開閉操作を行なうことができる。これにより、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間の流路の開度と、第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流路の開度とを調整することができる。このため、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間の流量と、第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流量とを同時に制御することが可能となる。
【0047】
次に、本実施の形態の弁装置1を有する追焚付き給湯装置の構成について図11を用いて説明する。
【0048】
図11を参照して、追焚付き給湯装置100は、弁装置1と、ステッピングモータ2と、給湯側熱交換器31aと、風呂側熱交換器31bと、燃焼バーナ32と、送風機33と、給水配管35と、出湯配管36と、バイパス回路37と、配管38〜44と、逆流防止弁50と、ポンプ60と、逆止弁80a、80bと、注湯電磁弁90とを主に有している。
【0049】
給湯側熱交換器31aには、給湯側熱交換器31aに給水するための給水配管35と、給湯側熱交換器31aから出湯するための出湯配管36とが接続されている。バイパス回路(バイパス配管)37は、この給水配管35と出湯配管36とを接続している。図1〜図9に示す構成を有する本実施の形態の弁装置1は、たとえば給水配管35とバイパス回路37との接続部に接続されている。
【0050】
風呂側熱交換器31bの入口側には風呂戻り配管43が接続されており、風呂側熱交換器31bの出口側には風呂往き配管44が接続されている。ポンプ60は、主に浴槽(図示せず)と風呂側熱交換器31bとの間で湯水を循環させるためのものであり、風呂戻り配管43に接続されている。
【0051】
給湯側熱交換器31aおよび風呂側熱交換器31bの各々は、燃焼バーナ32で発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行なうためのものである。送風機33は燃焼バーナ32に対して燃焼に必要な空気を供給するためのものである。
【0052】
逆流防止弁50は、風呂の雑水と上水とを縁切りするための安全装置である。この逆流防止弁50は、上水の給水元側の圧力(1次圧)と供給先側の圧力(2次圧)との圧力差により通常はオーバーフロー口を閉止するものであり、1次圧を導入するために配管38を通じて給水配管35に接続され、かつ2次圧を導入するために配管39、40と注湯電磁弁90と逆止弁80aとを通じて出湯配管36に接続されている。この配管40は逆止弁80bと配管42とを通じて風呂戻り配管43に接続されている。なお注湯電磁弁90は、風呂湯張り時に開弁して、出湯配管36の湯水を配管42を介して風呂回路に導くものである。
【0053】
また逆流防止弁50は、断水などで給水元側に負圧が発生すると開弁してオーバーフロー口から雑水を給湯装置100の外部へ排出するため、そのオーバーフロー口は配管41を通じて給湯装置100の排水部に接続されている。
【0054】
主に図2および図11を参照して、弁装置1の第1の開口部11aは給水配管35の給水側部分35aに接続されており、第2の開口部11bは給水配管35の熱交換器側部分35bに接続されている。また第3の開口部11cはバイパス回路37に接続されている。第4の開口部11dは、逆流防止弁50の1次圧を導入するための水圧導入口に繋がる配管38に接続されている。
【0055】
次に、上記の逆流防止弁50の構成および動作の一例を図12および図13を用いて説明する。
【0056】
図12を参照して、逆流防止弁50は、ハウジング51と、弁体52と、バネ53とを主に有している。ハウジング51は、オーバーフロー口51gおよび2次圧(P2)導入口51eを有する第1ハウジング51aと、中間位置にある第2ハウジング51bと、1次圧(P1)導入口51fを有する第3ハウジング51cとを有している。
【0057】
1次圧導入口51f、2次圧導入口51eおよびオーバーフロー口51gの各々は、ハウジング51内の収容室51dに繋がっている。弁体52は、この収容室51d内において図中上下方向に移動可能なように配置されている。バネ53は、弁体52を開付勢するように構成されている。つまり、弁体52が開弁して2次圧導入口51eとオーバーフロー口51gとが連通するようにバネ53は弁体52を付勢している。
【0058】
主に図12および図11を参照して、この逆流防止弁50の1次圧導入口51fが弁装置1に接続された配管38に接続されており、2次圧導入口51eが出湯配管36に接続された配管40に接続されており、かつオーバーフロー口51gが排出部に繋がる配管41に接続されている。
【0059】
1次圧導入口51fに1次圧が導入され、かつ2次圧導入口51eに2次圧が導入された正常状態では、1次圧と2次圧との差圧(1次圧P1>2次圧P2)により弁体52は図中上側に押し付けられる。これにより2次圧導入口51eとオーバーフロー口51gとの間の流路は遮断されて閉弁状態となっている。
【0060】
この状態から、断水などにより1次圧が減圧すると、バネ53の付勢力により弁体52は図13に示すように図中下側に移動する。これにより2次圧導入口51eとオーバーフロー口51gとが連通して開弁状態となる。これにより、オーバーフロー口51gから雑水が給湯装置100外へ排出されることにより、雑水が上水へ流れ込むことが防止される。
【0061】
次に、本実施の形態の作用効果について図14〜図16および図18に示す比較例と対比して説明する。
【0062】
図14の比較例に示すように、逆流防止弁50に1次圧を導入する場合、入水金具70の水圧導出口70aから逆流防止弁50に1次圧を導入することも考えられる。しかし、この場合、入水金具70は、給湯装置100を外部の配管などと接続する必要から充分な強度を必要とするため真鍮鍛造切削品からなっている。このため、この入水金具70に水圧導出口70aを設けるためには、入水金具70にネジおよびOリングシール部を切削加工する必要がある。また逆流防止弁50と繋ぐための配管38にも入水金具へ固定するための固定フランジが必要となる。このように入水金具70に水圧導出口70aを設けると、構造が複雑になるとともに製造プロセスが煩雑になり、製造コストが高くなるという問題がある。
【0063】
これに対して本実施の形態においては、図2および図11に示すように弁装置1の第4の開口部11dから逆流防止弁50に1次圧が導入されている。この弁装置1は、給湯装置100の内部に配置される部品であり、給湯装置100の外部の配管と接続する必要がない。このため、弁装置1には入水金具70のような強度は必要とされない。よって弁装置1は樹脂により構成することができる。
【0064】
このように弁装置1を樹脂で形成できるため、第4の開口部11dをたとえば水圧導出口として用いる場合、上記の入水金具70にネジ、Oリングシール部などを形成する必要がなくなり、入水金具70の製造プロセスが簡易となりコストを低減することができる。また弁装置1が樹脂よりなっているため、第4の開口部11dと配管38との接続構造も弁装置1の樹脂成形時に同時に形成することができる。このため、弁装置1自体の製造プロセスも簡易であり、コストを低減することができる。さらに樹脂よりなる弁装置1は、金属よりなる入水金具よりも加工が容易であるため、水圧導出口をファスナ接続にすることもでき、構造および組立も簡易にすることができる。
【0065】
また本実施の形態においては、第1の弁体13aに設けられた第1の切欠13a1は、第2の弁体13bに設けられた第2の切欠13b1に対して軸線C−Cを中心Oとした点対称となるように配置されている。これにより軸体12を回転させることで、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間の流路の開度と、第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流路の開度との各々の変化を対称にすることが容易となる。
【0066】
またたとえば図15の比較例に示すように、第4の開口部11dが第1および第2の遮蔽部14a、14bの間ではなく、第2の遮蔽部14bよりも第3の開口部11c側で流路11Aに繋がる構成も考えられる。この構成においては、第2の弁体13bが第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流路を全閉したときに、第2の弁体13bによる圧力損失によって第4の開口部11dから外部に与えられる水圧が第2の弁体13bが全開時の場合の水圧と比較して大きく低下する。
【0067】
これに対して本実施の形態においては、図2に示すように第4の開口部11dは第1の遮蔽部14aと第2の遮蔽部14bとの間で流路11Aに通じるように配置されている。これにより、第2の弁体13bが第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流路を全閉したときに第4の開口部11dから外部に与えられる水圧は、第2の弁体13bが全開時の場合の水圧と比較して大きく低下することはない。このため、第4の開口部11dを水圧導出口として用いる際に第4の開口部11dから安定した水圧を外部へ与えることができる。
【0068】
また第1の遮蔽部14aと第2の遮蔽部14bとの間に位置する流路11Aは第1の開口部11aから入ってきた水を第2および第3の開口部11b、11cに分配するのに必要な空間である。この空間を利用して第4の開口部11dから外部へ1次圧を与えることができるため、弁装置1自体の寸法を小さく維持しながら、弁装置1に水圧導出口(第4の開口部11d)を設けることが可能となる。
【0069】
またたとえば図16の比較例に示すように、第4の開口部11dが弁本体11の鉛直下側に位置するように弁装置1を給湯装置100内に配置する構成も考えられる。ここで、逆流防止弁50自体には通常、排水通路がないため、逆流防止弁50においては入口(図12における1次圧導入口51f)から排水する必要がある。このため、弁装置1よりも上方に逆流防止弁50を設置しなければ、逆流防止弁50内の水を排出することができない。
【0070】
しかし、逆流防止弁50が弁装置1よりも上方に設置されると、逆流防止弁50と弁装置1とを接続する配管38にトラップ部TRが生じる。このようなトラップ部TRが配管38に生じた場合、逆流防止弁50と配管38との内部の水を排水する際に、このトラップ部TRに水が溜まり排水が困難となる。またトラップ部TRに残った水が凍結すると配管38が破損する可能性がある。
【0071】
これに対して本実施の形態においては、図17に示すように第4の開口部11dが弁本体11の鉛直上側および横側のいずれかに位置するように弁装置1が給湯装置100内に配置されていることが好ましい。なお図17は第4の開口部11dが弁本体11の鉛直上側に位置する場合を示している。
【0072】
このように第4の開口部11dを弁本体11の鉛直上側および横側のいずれかに位置させることにより、逆流防止弁50が弁装置1よりも上方に配置された場合でも、逆流防止弁50と弁装置1とを接続する配管38にトラップ部TRが生じることはない。このため、逆流防止弁50と配管38との内部の水を排水することが容易となり、配管38内での凍結による配管38の破損を防止することができる。
【0073】
またたとえば図18の比較例に示すように、第1の開口部11aの開口形状を円形とすることも考えられる。しかし、第1および第2の弁体13a、13bは第1の開口部11aを挟んで配置する必要があるため、第1の開口部11aの開口形状が円形では第1および第2の弁体13a、13bの間隔を小さくすることが難しい。このため、弁装置1の軸線C−C方向の寸法を小さくすることが困難である。
【0074】
また第1の開口部11aを円形のまま円の直径を小さくすることも考えられる。しかし、この場合には第1および第2の弁体13a、13bの間隔をそれほど小さくできないにもかかわらず、第1の開口部11aの開口面積の減少量が大きくなる。このように開口面積が小さくなると同じ圧力をかけたときに第1の開口部11aを通過する流量が少なくなるため、圧力−流量特性(P−Q(Pressure-Quantity of flow)特性)が大きく損なわれる。
【0075】
これに対して本実施の形態においては、図19に示すように第1の開口部11aは、第1および第2の弁体13a、13bの少なくとも一方に平行な辺11a1を有する開口形状を有している。これにより単純に円の直径を小さくする場合よりも、第1の開口部11aの開口面積を大きく維持しながら第1および第2の弁体13a、13bの間隔を小さくすることが可能となり、弁装置1の小型化(特に軸線C−C方向の小型化)が可能となる。また第1の開口部11aの開口面積も大きく維持できるため、圧力−流量特性の悪化も抑制することができる。なお図19は第1の開口部11aが、第1および第2の弁体13a、13bの双方に平行な対辺11a1、11a1を有する場合を示している。ここで平行な辺とは、多少の曲がりを有したものや僅かに角度がずれているものも含む概念である。
【0076】
また本実施の形態においては第1および第2の遮蔽部14a、14bを有するスペーサ14は、流路壁面に固定されており、かつ第1の開口部11aと第4の開口部11dとを連通させるための貫通孔14eを有している。これにより簡易な構成で第1および第2の切欠13a1、13b1の開閉操作が可能となるとともに、第1の開口部11aから供給された流体の圧力を貫通孔14eを通じて第4の開口部11dから外部へ与えることが可能となる。
【0077】
また本実施の形態においては弁本体11は第4の開口部11dに配管38を接続するための配管接続部11d1を有している。この配管接続部11d1は第2の遮蔽部14bの真上を跨ぐように設けられている。第4の開口部11dは、第1および第2の遮蔽部14a、14bの間で流路11Aに通じるように配管接続部11d1の底部において偏心した位置に設けられている。これにより、第4の開口部11dを第1および第2の遮蔽部14a、14bの間の流路11Aに繋ぐことができて第4の開口部11dから外部へ安定した水圧を与えることができる。また配管接続部11d1を第2の開口部11bから離して配置できるため、配管38の接続が容易となる。
【0078】
なお本実施の形態における第4の開口部11dの形状は、図20に示すように配管接続部11d1の底面において円形(丸型)であってもよいが、この円形に限定されるものではなく、円の一部を切り取った形状であってもよい。たとえば第4の開口部11dの配管接続部11d1の底面における形状は、図21に示すように円弧と弦で囲まれたような形状であってもよく、また円弧と円の中心を通る2本の線分とで囲まれた扇形形状であってもよい。
【0079】
また図22に示すように、配管接続部11d1の底面に座グリ11daが形成されて、第4の開口部11dと接続されてもよい。この座グリ11daは、配管接続部11d1の底面において第4の開口部11dよりも内周側に位置していることが好ましい。これにより配管接続部11d1内に配管38が奥まで挿入された場合に、配管38自体の肉厚などにより第4の開口部11dが閉塞されるといった不具合を防止することができる。
【0080】
また本実施の形態においては、第1および第2の切欠13a1、13b1が軸線C−Cに対して互いに異なる方向に位置し、かつ第1および第2の遮蔽部14a、14bが軸線C−Cに対して互いに同じ方向に位置している場合について説明した。しかし、第1および第2の切欠13a1、13b1が軸線C−Cに対して互いに同じ方向に位置し、かつ第1および第2の遮蔽部14a、14bが軸線C−Cに対して互いに異なる方向に位置していてもよい。この場合、第1の遮蔽部14aは、第2の遮蔽部14bに対して軸線C−Cを中心Oとした点対称となるように配置されていることが好ましい。この場合にも、軸体12を回転させることで、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間の流路の開度と、第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流路の開度との各々の変化を対称にすることが可能かつ容易となる。
【0081】
また図11に示すように、第1の遮蔽部14aが第1の切欠13a1を閉じているときに第2の遮蔽部14bが第2の切欠13b1を開くことができ、かつ第1の遮蔽部14aが第1の切欠13a1を開いているときに第2の遮蔽部14bが第2の切欠13b1を閉じることができるのであれば、第1および第2の切欠13a1、13b1と第1および第2の遮蔽部14a、14bとの位置は特に制限されるものではない。
【0082】
なお上記実施の形態においては、第1および第2の弁体13a、13bの各々に設けられる第1および第2の切欠13a1、13b1はともに約180°の角度範囲で形成されている。この第1および第2の切欠13a1、13b1の形成角度範囲は、ともに180°未満であってもよく、また180°を超えていてもよい。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、逆流防止弁に1次圧を導入するための水圧導出口を有する弁装置およびそれを備えた追焚付き給湯装置に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0085】
1 弁装置、2 ステッピングモータ、3 サーボ取付板、11 弁本体、11A 流路、11a 第1の開口部、11a1 辺、11b 第2の開口部、11c 第3の開口部、11d 第4の開口部、11d1 配管接続部、11da 座グリ、11e,11f 溝、12 軸体、13a2 第1の円弧部、13b2 第2の円弧部、13a1 第1の切欠、13b1 第2の切欠、13a 第1の弁体、13b 第2の弁体、14 スペーサ、14a 第1の遮蔽部、14b 第2の遮蔽部、14c 連結部、14d 凸状係合部、14e 貫通孔、15 弁カラー、16a,16b Oリング、31a 給湯側熱交換器、31b 風呂側熱交換器、32 燃焼バーナ、33 送風機、35 給水配管、35a 給水側部分、35b 熱交換器側部分、36 出湯配管、37 バイパス回路、38〜42 配管、43 風呂戻り配管、44 風呂往き配管、50 逆流防止弁、51 ハウジング、51a 第1ハウジング、51b 第2ハウジング、51c 第3ハウジング、51d 収容室、51e 2次圧導入口、51f 1次圧導入口、51g オーバーフロー口、52 弁体、53 バネ、60 ポンプ、70 入水金具、70a 水圧導出口、80a,80b 逆止弁、90 注湯電磁弁、100 給湯装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口部と、前記第1の開口部を挟むように配置された第2の開口部および第3の開口部とを有する流路を含む弁本体と、
前記流路内において前記第1の開口部と前記第2の開口部との間の前記流路の開度を制御可能な第1の弁体と、
前記流路内において前記第1の開口部と前記第3の開口部との間の前記流路の開度を制御可能な第2の弁体と、
前記第1および第2の弁体を駆動させるための機構部とを備え、
前記弁本体は、樹脂よりなり、かつ前記第2の開口部および前記第3の開口部の間で前記流路に通じる第4の開口部を有する、弁装置。
【請求項2】
前記機構部は、前記流路内に配置され、かつ軸線を中心に回転可能に構成された軸体を含み、
前記第1および第2の弁体の各々は前記軸体に接続されており、
前記第1の弁体は前記軸線を中心とした円盤形状に第1の切欠が形成された形状を有し、かつ前記第2の弁体は前記軸線を中心とした円盤形状に第2の切欠が形成された形状を有し、
前記第1の切欠は、前記第2の切欠に対して前記軸線を中心とした点対称となるように配置されている、請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記第1の切欠を開閉可能に構成された第1の遮蔽部と、
前記第2の切欠を開閉可能に構成された第2の遮蔽部とをさらに備え、
前記第4の開口部は、前記第1の遮蔽部と前記第2の遮蔽部との間で前記流路に通じるように配置されている、請求項1または2に記載の弁装置。
【請求項4】
前記第1および第2の遮蔽部を有するスペーサは、前記流路の壁面に固定されており、かつ前記第1の開口部と前記第4の開口部とを連通させるための貫通孔を有している、請求項3に記載の弁装置。
【請求項5】
前記弁本体は、前記第4の開口部に配管を接続するための配管接続部を有し、
前記配管接続部は、前記第1および第2の遮蔽部のいずれか一方の真上を跨ぐように設けられており、
前記第4の開口部は、前記第1および第2の遮蔽部の間で前記流路に通じるように前記配管接続部の底部において偏心した位置に設けられている、請求項4に記載の弁装置。
【請求項6】
前記第1の開口部は、前記第1および第2の弁体の少なくとも一方に平行な辺を有する開口形状を有している、請求項1〜5のいずれかに記載の弁装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の前記弁装置と、
前記弁装置の前記第2および第3の開口部のいずれか一方に接続された熱交換器と、
前記弁装置の前記第2および第3の開口部のいずれか他方に接続されたバイパス回路と、
前記弁装置の前記第4の開口部に接続された水圧導入口を有する逆流防止弁とを備えた、追焚付き給湯装置。
【請求項8】
前記第4の開口部が前記弁本体の鉛直上側および横側のいずれかに位置するように前記弁装置が配置されている、請求項7に記載の追焚付き給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−76447(P2013−76447A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217327(P2011−217327)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】