説明

弦楽器用弦高測定器

【課題】 弦楽器の弦高を精度よく測定し数値化する。
【解決手段】 被測定弦楽器に磁性体の計測弦を張りネック上に計測弦と空隙を持たせてU字型磁性体を置き、空隙を持った磁気回路を構成する。
この磁気回路に鎖交する一次コイルと二次コイルを置くと、これらの相互インダクタンスは空隙の大きさにより変化する。
この変化を一次電流と誘導二次電圧により計測する事で空隙の大きさを求め楽器ネックと弦の高さである弦高を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弦楽器の弦高を正確に測定する方法に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来使用するにつれて変化していく弦楽器の弦高を測定し管理するには、物差しや適当な厚みのゲージを使用して弦高を測定し管理していた。
この様な測定では十分な精度と客観性の在る計測が出来ないため、感覚に頼った弦高管理を行っている点である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は実際の弦の変わりに磁性体で作られた計測弦を計測したい楽器に張り、計測したい位置の楽器ネック部に弦高よりも低く高さが概知なU字型磁性体を置き、そのU字型磁性体に一次コイルと二次コイルを巻く。
U字型磁性体と計測弦により空隙を介して磁気回路を構成し、空隙の変化が磁気抵抗の変化と成る様にする。
一次コイルに交流電流を通しそれによって二次コイルに誘起される交流電圧の強度及び位相は磁気回路の磁気抵抗により決まるため、U字型磁性体と計測弦の空隙を知ることが出来る。
U字型磁性体の高さが概知であるので、楽器のネックと弦の距離である弦高を測定することが出来る。
【発明の効果】
【0004】
本発明の弦高測定により、弦楽器の演奏しやすさと音質に影響がある弦高を正確に測定し管理することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は弦高測定装置の実施方法を示した説明図である。
【図2】図2は弦高測定装置の計測方法を示した説明図である。
【図3】図3は弦高測定装置センサー部の詳細を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
一般に指で弦をネックに押し付けて音を変化させる弦楽器の弦高はさほど高くなく、従って受一次コイルを直接、計測弦とネックの間に挿入する事には多少無理が在るので、図3の様にU字型磁性体の先端のみを計測弦とネックの間に挿入するようにする。
【実施例】
【0007】
図1は、本発明装置の1実施例で弦楽器の各部と弦高測定装置のセンサーとの関係を示している。
【0008】
図2は、本発明装置の計測原理で、送信コイルと二次コイルの相互インダクタンスは、U字型磁性体と計測弦の空隙の大きさにより大きく変化します。
従って一次コイルに加える電流が一定であるならば、二次コイルに誘起される電圧はU字型磁性体と計測弦の空隙の大きさにより一定の値を取る。
予め一次コイルに加える電流を定め、空隙と二次コイルの誘起電圧の関係を求めておく事で空隙の大きさを計測できる。
またセンサーの高さは一定であり、センサーと空療を加えた高さは弦高に成るため結果弦高を知ることが出来る。
【0009】
図3は、本発明装置を実施する際のセンサー形状と計測弦及びネックの関係を示している。
【符号の説明】
【0010】
1 本発明装置の計測弦
2 本発明装置のセンサー
3 弦楽器のブリッジ
4 弦楽器の共鳴箱
5 弦楽器のネック
6 弦楽器の弦巻取り具
50 U字型磁性体
51 一次コイル
52 二次コイル
53 一次コイル交流定電流源
54 二次コイル交流電圧測定器
55 U字型磁性体と計測弦との空隙に於ける磁束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
U字型磁性体と弦楽器に張られた磁性体の計測弦さらに両者の空隙によって形成される磁気回路に鎖交する一次コイルと二次コイルを置き、一次コイル側の交流定電流によって二次コイルに誘起される交流電圧は、U字型磁性体と計測弦の空隙によって定まることを利用して弦楽器の弦高を求める弦高測定装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−65115(P2011−65115A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235701(P2009−235701)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(501444958)
【出願人】(509281829)
【Fターム(参考)】