説明

弾性表面波素子片、および弾性表面波デバイス

【課題】弾性表面波の伝播領域に外部からの応力の影響を与えることなくパッケージ容器に強固に接合することが可能な弾性表面波素子片、およびそれを用いた弾性表面波デバイスを提供する。
【解決手段】SAW素子チップ10は、略矩形板状の圧電基板11上に、IDT電極12と、反射器13と、IDT電極12に接続された一対のボンディングパッド19a,19bが備えられ、IDT電極12および反射器13が形成された領域の直下に空隙が形成されるように、一方の主面14と平行に切り込むことにより形成された凹陥部17を有している。この凹陥部17により、SAW素子チップ10は、圧電基板11の他方の主面15側の保持基板部11Bと、圧電基板11の一方の主面14側に略水平に突設された自由端部を有するSAW素子基板部11Aと、保持基板部11BおよびSAW素子基板部11Aを連結する基端部11Cと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波素子片、および弾性表面波デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話などの移動体通信用端末や車載用機器などの部品において、共振子や帯域フィルタ等として、圧電基板の表面に形成したIDT(Interdigital Transducer)電極により圧電基板の表面に弾性表面波を励振させたり、弾性表面波を検出したりするように構成された弾性表面波素子片(以下「SAW(Surface Acoustic Wave)素子片」という)、およびそのSAW素子片を用いた弾性表面波デバイス(以下「SAWデバイス」という)が使用されている。SAW素子片は、水晶やニオブ酸リチウムあるいはタンタル酸リチウムなどの圧電材料からなる圧電基板上に、IDT電極とボンディングパッドとが少なくとも設けられた素子片として形成され、ボンディングパッドを介して印加される交流電圧をIDT電極が弾性表面波に変換させることにより、該素子片の表面に沿って表面波が伝播するものである。
【0003】
SAW素子片をパッケージ容器へ接合して実装する際には、SAW素子片を接合する接着剤の硬化収縮によりIDT電極に応力がかかり、また、パッケージ容器にリッドをシーム溶接等により接合するとパッケージ容器全体が反り曲がり、これによりパッケージ容器に接合されたSAW素子片のIDT電極に応力がかかる。そして、これらの応力により、SAW素子片の周波数特性が変動することが知られている。近年、パッケージ容器に対するSAW素子片の小型化のみならず低背化が要求され、これに応じてチップも薄くする必要があり、薄くするほどチップ下面からの応力が上面にあるIDT電極に及ぶ応力の悪影響が顕著になる。
このような問題を回避するため、圧電基板のIDT電極の真下を避けた位置に応力を緩和する切り欠き部を設け、IDT電極へ直接応力がかからないようにしたSAW素子片、および、それを用いたSAWデバイスが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1のSAWデバイス(弾性表面波装置)に用いられるSAW素子片(弾性表面波チップ)は、圧電基板の一方の主面に、複数の電極指が等間隔ピッチにて交差されてなるIDT電極、および該IDT電極に接続されたボンディングパッドが少なくとも設けられている。また、SAW素子片の一方の主面と対向する面には、IDT電極の形成領域と平面視で重ならない領域に任意の深さの切り欠き部が形成されている。このSAW素子片は、前記一方の主面と対向する面において、前記切り欠き部により画定されるIDT電極の形成領域と平面視で重ならない領域に塗布した接着剤により、パッケージ容器(容器)の凹底部に接着・固定され、ボンディングパッドとパッケージ容器とがボンディングワイヤにより接続されている。そして、パッケージ容器の上方にリッド(カバー)が接合されることにより、パッケージ容器の内部に接合されたSAW素子片が気密に封止されている。
このような構成のSAWデバイスとすることにより、接着剤硬化時の応力やパッケージ容器の熱膨張あるいは熱収縮応力などを切り欠き部に集中させて弾性表面波の伝播領域への波及を防止することによって、周波数の変化を抑えて安定した周波数特性が得られる構成となっている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−164304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のSAWデバイスでは、接着剤によりパッケージ容器に接合するSAW素子片の接合領域が、切り欠き部により画定されたSAW素子片の一端部分に限られるので、接着剤の量が十分に確保できずに接合強度が得られ難い。特に、近年、移動体通信機器をはじめとした電子機器の小型化への要求がますます高まっているのに伴ってSAW素子片の小型化が進むにつれ、SAW素子片においてIDT電極の形成領域が占める割合が増してSAW素子片の接合領域はさらに小さくなるので、接合強度が顕著に低下する要因となり得る。このため、パッケージ容器内にSAW素子片を接合したSAWデバイスにおいて、振動や落下などの衝撃によりSAW素子片とパッケージ容器との接合部分に加わるストレスによってSAW素子片がパッケージ容器から脱落する虞があるなど、SAWデバイスの耐衝撃性が確保できないという問題があった。
また、特許文献1に記載のSAWデバイスでは、外部応力を緩和させる切り込み部や接着剤による接合領域の位置と、ボンディングパッドの設置位置との位置関係が明確に規定されていない。パッケージ容器にSAW素子片を接合した後にワイヤボンディングによる実装を行う際に、SAW素子片のボンディングパッドの直下に、切り込み部や、パッケージ容器に接合されずに密着していない部分が存在すると、ワイヤボンディングする際のボンディングパッド直下の剛性が確保できないため、ボンディングワイヤ接合用の超音波がボンディングパッド直下から漏れることによりボンダビリティが低下し、安定したボンディングができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
〔適用例1〕本適用例の弾性表面波素子片は、略矩形板状の圧電基板の一方の主面に、複数の電極指が交差されてなるIDT電極、および該IDT電極に接続されたボンディングパッドが少なくとも設けられた弾性表面波素子片であって、前記圧電基板は、少なくとも前記IDT電極が形成された領域の直下に空隙が形成されるように前記一方の主面と平行に切り込むことによって形成された凹陥部を有し、該凹陥部により、前記一方の主面と対向する他方の主面側に所定の厚みを有する台座として設けられた保持基板部と、前記一方の主面側に所定の厚みを有して略水平に突設された自由端部を有する弾性表面波素子基板部と、前記凹陥部と異なる部分であって前記保持基板部および前記弾性表面波素子基板部を連結する基端部と、が形成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、弾性表面波の伝播領域である弾性表面波素子基板部が、基端部を介して保持基板部に片持ち支持された態様となり、外部から保持基板部にかかる応力が弾性表面波素子基板部にまで及びにくくなっている。また、弾性表面波素子片をパッケージ容器に接合する際に、保持基板部全体を強固に接着しても、弾性表面波素子基板部の振動特性に影響を与えることがない。したがって、振動や落下などの耐衝撃性に優れた弾性表面波デバイスを構成することが可能な弾性表面波素子片を提供することができる。
【0010】
〔適用例2〕上記適用例にかかる弾性表面波素子片において、前記ボンディングパッドが前記基端部上に設けられていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、パッケージ容器に弾性表面波素子片を接合してから、ワイヤボンディングにより実装する際に、ボンディングパッドのボンディングワイヤを接合する部分の直下からパッケージ容器の凹底部分までの領域は一定の剛性が確保され、ボンディングワイヤ接合時の超音波のボンディングパッド直下からの漏れが軽減される。これにより、弾性表面波素子片に対するボンディングワイヤのボンダビリティの低下を防ぐことができ、安定したボンディングを実現することができる。
【0012】
〔適用例3〕上記適用例にかかる弾性表面波素子片において、片持ち支持された前記弾性表面波素子基板部の前記自由端部の厚みが、前記IDT電極の前記電極指の等間隔ピッチの2倍以上であることを特徴とする。
【0013】
IDT電極の電極指の電極間ピッチの2ピッチ分は、励振される弾性表面波の波長λに相当し、例えばレイリー波は、IDT電極が形成される圧電基板の厚みがλであるときに、その圧電基板内に波動エネルギーが90%以上集中することが知られている。したがって、上記構成の弾性表面波素子片によれば、十分な振動特性を有する弾性表面波素子片を提供することができる。
【0014】
〔適用例4〕上記適用例にかかる弾性表面波素子片において、前記保持基板部の前記凹陥部側に、片持ち支持された前記弾性表面波素子基板部の前記自由端部の少なくとも前記IDT電極の形成領域と平面視で重ならない領域を乗せることができる枕部を設けてなることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、弾性表面波素子基板部の自由端部の上下振動を、弾性表面波の伝播領域に影響を与えることなく枕部により下から抑えることができる。これにより、弾性表面波素子片をパッケージ容器などに実装した後に、振動や落下などの衝撃によって生じた弾性表面波素子基板部の撓み振動を抑制し、弾性表面波素子基板部に対する撓み応力を軽減することができる。
【0016】
〔適用例5〕上記適用例にかかる弾性表面波素子片において、前記枕部が衝撃緩衝材になりうる弾性を有する絶縁材料からなり、且つ、前記自由端部に接合されて設けられていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、枕部の弾性により弾性表面波素子基板部の自由端部に加わる応力を抑えた状態で、実装後に振動や落下などの衝撃によって生じた弾性表面波素子基板部の撓み振動をより抑制することができる。また、枕部を支持部として枕部上の自由端部にボンディングパッドを設けることも可能になるので、弾性表面波素子片のパッドレイアウトの自由度が広がる。
【0018】
〔適用例6〕本適用例の弾性表面波デバイスは、略矩形板状の圧電基板の一方の主面に、複数の電極指が交差されてなるIDT電極、および該IDT電極に接続されたボンディングパッドが少なくとも設けられ、前記圧電基板は、少なくとも前記IDT電極が形成された領域の直下に空隙が形成されるように前記一方の主面と平行に切り込むことによって形成された凹陥部を有し、該凹陥部により、前記一方の主面と対向する他方の主面側に所定の厚みを有する台座として設けられた保持基板部と、前記一方の主面側に所定の厚みを有して略水平に突設された自由端部を有する弾性表面波素子基板部と、前記凹陥部と異なる部分であって前記保持基板部および前記弾性表面波素子基板部を連結する基端部と、が形成されている弾性表面波素子片を、接着剤によりパッケージ容器に接合して実装したことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、パッケージ容器に接合される弾性表面波素子片の弾性表面波素子基板部が基端部を介して保持基板部に片持ち支持された態様となり、保持基板部にかかる応力が弾性表面波素子基板部にまで及ばず、保持基板部からの応力を緩和することができる。これにより、接着剤の弾性などの物性を問わずに接合強度の高いものを選定することができ、また、接着剤の塗布位置(接合位置)を考慮しなくてもよく保持基板部の底部の全面に接着剤を塗布してパッケージ容器に接合することもできる。したがって、弾性表面波素子片を、弾性表面波素子基板部の振動特性に影響を与えることなくパッケージ容器に強固に接合することができるので、振動や落下などの耐衝撃性に優れた弾性表面波デバイスを提供することができる。
【0020】
〔適用例7〕上記適用例にかかる弾性表面波デバイスにおいて、前記ボンディングパッドが前記基端部上に設けられ、前記接着剤が少なくとも前記他方の主面の前記基端部直下に配置されてなることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、ボンディングパッドの直下からパッケージ容器の凹底部分までの領域は一定の剛性が確保され、ボンディングワイヤ接合時の超音波のボンディングパッド直下からの漏れが軽減され、弾性表面波素子片に対するボンディングワイヤのボンダビリティの低下を防ぐことができ、安定したボンディングを実現することができる。したがって、耐衝撃性とともに信頼性の高い弾性表面波デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、弾性表面波素子片としてのSAW素子チップ、および該SAW素子チップを実装した弾性表面波デバイスとしてのSAWデバイスの一実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のSAW素子チップを説明するものであり、(a)は平面図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
また、図2は、本実施形態のSAWデバイスを説明するものであり、(a)は平面図、同図(b)は、(a)のB−B線断面図である。なお、(a)において、SAWデバイスの上部に配置されるリッドは、SAWデバイスの内部の構成を説明する便宜上図示を省略する。
【0023】
〔SAW素子チップ〕
図1(a)において、SAW素子チップ10は、略矩形板状の水晶などの圧電材料からなる圧電基板11上に、IDT電極12と、反射器13と、IDT電極12に接続された一対のボンディングパッド19a,19bが備えられている。圧電基板11は表裏に主面14,15(図1(b)を参照)を有し、一方の主面14上にIDT電極12、反射器13、およびボンディングパッド19a,19bが形成されている。
【0024】
図1(b)に示すように、圧電基板11には、少なくともIDT電極12および反射器13が形成された領域の直下に空隙が形成されるように、一方の主面14と平行に切り込むことにより形成された凹陥部17を有している。この凹陥部17により、SAW素子チップ10は、圧電基板11の他方の主面15側の所定の厚みを有する保持基板部11Bと、圧電基板11の一方の主面14側に所定の厚みを有して略水平に突設された自由端部を有する弾性表面波素子基板部としてのSAW素子基板部11Aと、保持基板部11BおよびSAW素子基板部11Aを連結する基端部11Cと、を有している。すなわち、SAW素子チップ10において、弾性表面波の伝播領域を含むSAW素子基板部11Aは、保持基板部11B上に基端部11Cを介して片持ち支持された態様で備えられている。
なお、本実施形態では、主面14および主面15が略平行であって、且つ、凹陥部17のSAW素子基板部11A側および保持基板部11B側の面がそれぞれ主面14または主面15と平行であって、SAW素子基板部11Aおよび保持基板部11Bが均一な厚みを有している例を説明するが、これに限らず、SAW素子基板部11Aおよび保持基板部11Bの厚みは必ずしも均等でなくてもよい。
【0025】
図1(a)に示すように、SAW素子基板部11A上のIDT電極12は二つの櫛型の交差指電極を有し、一方の交差指電極のバスバーに連結された複数の電極指12aと、他方の交差指電極のバスバーに連結された複数の電極指12bとが、向かい合って互いに接触しないように配置されて形成されている。IDT電極12は、本実施形態ではアルミニウム(Al)で形成され、二つの交差指電極の電極指12aと電極指12bのそれぞれに逆相の電圧が印加されることで弾性表面波を励振できるように構成されている。
【0026】
ボンディングパッド19a,19bは、圧電基板11の凹陥部17と平面視で重ならない領域である基端部11C上に設けられ、圧電基板11の厚み方向全体で支持されている。これにより、SAW素子チップ10を後述するパッケージ容器20に接合した後にワイヤボンディングにより実装する際に、ボンディングパッド19a,19bのボンディングワイヤを接合する部分の直下からパッケージ容器20との接合部分までの領域は一定の剛性が確保される。したがって、ボンディングワイヤ接合時の超音波のボンディングパッド19a,19b直下からの漏れが軽減されることによりボンダビリティの低下を防ぐことができ、安定したワイヤボンディングを実現することができる。
また、本実施形態では、ボンディングパッド19aは、電極間配線18aによりIDT電極12の一方の電極指12aを連結するバスバーに接続され、ボンディングパッド19bは、電極間配線18bによりIDT電極12の他方の電極指12bを連結するバスバーに接続されている。
【0027】
反射器13は、IDT電極12を挟んだ両側に配置されて形成され、SAW素子基板部11A上においてIDT電極12から伝搬された弾性表面波を反射器13で反射させて、SAW素子基板部11Aの中央部にエネルギーを封じ込める役目を果たしている。なお、本実施形態では反射器13もIDT電極12と同様にアルミニウム(Al)で形成されている。
【0028】
図1(b)に示すように、IDT電極12における電極指12aと電極指12b間の距離はピッチPにて形成され、励振される弾性表面波の波長λはλ=2Pの関係になる。また、IDT電極12は厚みHにて形成されている。
また、SAW素子基板部11Aの厚みtは、例えば、弾性表面波の1波長(λ)以上の厚みに設定されている。このようにすれば、弾性表面波素子片(本実施形態ではSAW素子チップ10)において、励振される弾性表面波が例えばレイリー波の場合、IDT電極が形成された圧電基板(本実施形態ではSAW素子基板部11A)の厚みがλであるときに、圧電基板内に波動エネルギーが90%以上集中することが知られており、圧電基板(SAW素子基板部11A)の厚みがλ以上であれば、十分な振動特性を発揮できるので好ましい。
なお、弾性表面波素子片(SAW素子チップ10)における波動エネルギーは、IDT電極が形成された圧電基板(SAW素子基板部11A)の厚み5λ以内に略100%が集中されることが知られているので、SAW素子基板部11Aの厚みは、1λ〜5λの範囲にてなるべく厚くすることがより好ましい。
また、凹陥部57の断面における空隙の大きさTは、例えば20λ〜500λの範囲にて設定される。
【0029】
次に、上述のSAW素子チップ10の製造方法について説明する。
SAW素子チップ10の製造においては、まず、圧電基板11の原版となるウェハ状の圧電基板ウェハ上に、複数のSAW素子チップ10の原型となるIDT電極12などの電極パターンが規則的にストライプ状に並ぶようにパターニングを施し、ダイシングすることにより複数のSAW素子チップ10の原型を個片化したのち、各個片に凹陥部17を形成することによってSAW素子チップ10を得る。このようなSAW素子チップ10の製造方法について以下に詳述する。
【0030】
まず、圧電基板ウェハ上に、蒸着法あるいはスパッタリング法などにより、各電極パターンの形成用の金属材料を積層させてから、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングを施すことにより、IDT電極12、反射器13、ボンディングパッド19a,19b、および電極間配線18a,18bからなるSAW素子チップ10の電極パターンを規則的に並べて複数形成する。IDT電極12、反射器13、ボンディングパッド19a,19b、および電極間配線18a,18bからなる電極パターンのうち、IDT電極12および反射器13および電極間配線18a,18bは、アルミニウム(Al)等の金属パターンによって形成するとよい。また、ボンディングパッド19a,19bは、例えばクロム(Cr)被覆した上に金(Au)を被覆したもの(Cr/Au)や、金と錫(Sn)との合金(AuSn)等の金属パターンによって別途形成してもよい。また前記電極パターン生成後に、SiO2などのシリコン酸化膜や陽極酸化等の薄膜により電極パターンの上に保護膜を形成してもよく、このようにすると、導電性異物が付着した場合の電極間ショートなどが防止できるので好ましい。
【0031】
次に、上記の各電極パターンを形成した圧電基板ウェハを、ダイシングして各SAW素子チップ10の電極パターンごとに個片化することによりSAW素子チップ10の原型を得る。
【0032】
次に、個片化されたSAW素子チップ10の原型の圧電基板11に切り込むことにより凹陥部17を形成する。圧電基板11に切り込みを形成するエッチング方法としては、エッチングの異方性に優れた反応性イオンエッチング法(以下、「RIE(Reactive Ion Etching)」という)や集束イオンビーム(以下、「FIB(Focused Ion Beam)」という)などのドライエッチング法が好ましい。
【0033】
RIEは、プラズマ中にて例えばハロゲンガス(CF4、CCl4など)を含む反応性ガスの活性種を、被加工材料である圧電基板11の表面に反応させて揮発性を有する反応生成物(CF4、CCl4などのハロゲンガスを用いた場合にはハロゲン化合物)を生成させ、これを圧電基板11の表面から脱離させることによりエッチングするものである。なお、反応性ガスとして例えばSF6とC48を用いたRIEによれば、SF6が圧電基板11をエッチングする役割を、また、C48がエッチング孔の側壁にポリマーの保護膜を形成する役割をそれぞれ担い、このエッチングと保護膜形成が交互に行われることによって圧電基板11を略垂直方向に深くエッチングすることができるので、凹陥部17の形成方法として好ましい。
【0034】
また、凹陥部17を形成する別のエッチング方法としてのFIBは、例えばガリウム(Ga)などのイオンを電界で加速したビームを数100nm〜数nmまで細く絞ったものである。FIBは、その集束されたイオンビームにより圧電基板11の表面の原子をはじきとばして堀り進むので、RIEよりもさらに微細なエッチング加工が可能であるとともに、RIEのようにマスクを必要としないので、凹陥部17となる切り込みを形成するエッチング方法としてより好ましい。
【0035】
上記したいずれかのエッチング方法により凹陥部17を形成する際には、SAW素子チップ10の原型の側壁側からイオンビームを照射してエッチングを行う。図1(b)においては、紙面手前側から奥側の方向がイオンビームの照射方向となり、イオンビームを紙面上下方向あるいは左右方向に走査させながら圧電基板11をエッチングしていくことにより凹陥部17を形成することができる。
以上述べた工程を経て、圧電基板11に形成された凹陥部17により、弾性表面波の伝播領域であるSAW素子基板部11Aが、基端部11Cを介して保持基板部11Bに片持ち支持された態様のSAW素子チップ10が得られる。
【0036】
〔SAWデバイス〕
次に、上述のSAW素子チップ10が実装されたSAWデバイス1について説明する。
図2に示すように、SAWデバイス1は、パッケージ容器20の凹部の凹底部分にSAW素子チップ10が接着剤91により接合され、さらに、SAW素子チップ10とパッケージ容器20とがボンディングワイヤ95により接続された状態で、パッケージ容器20上にリッド29が接合され、SAW素子チップ10がパッケージ容器20内に気密に封止されている。
【0037】
図2(b)に示すように、パッケージ容器20は、セラミックス絶縁材料などからなる略矩形の平板状の第1層基板21、略矩形フレーム状の第2層基板22、第3層基板23、およびシールリング24が、この順に積層されて形成されている。また、パッケージ容器20の外底部分となる第1層基板21の底面には図示しない実装端子が設けられている。
また、パッケージ容器20には、SAW素子チップ10と接続するための複数の接続端子が設けられている。本実施形態では、パッケージ容器20の凹部において、第2層基板22により形成される段差上に接続端子32a,32bが設けられ、各接続端子32a,32bは、第2層基板22および第1層基板21に形成された図示しない配線パターン、またはスルーホールなどの層内配線パターンにより、対応する前記実装端子にそれぞれ接続されている。
これらの各接続端子、実装端子、およびそれらを接続する配線パターンは、一般に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属配線材料をセラミックス絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施すことにより形成される。
【0038】
パッケージ容器20の凹部の凹底部分には、接着剤91によりSAW素子チップ10が接合されている。このとき、接着剤91は、SAW素子チップ10のIDT電極12などが形成された一方の主面と対向する主面の全面に塗布され、SAW素子チップ10を強固に接合している。このようにパッケージ容器20に接合されたSAW素子チップ10において、弾性表面波が伝播されるSAW素子基板部11Aは、接着剤91により全面が強固に接合された保持基板部11B上に基端部11Cを介して片持ち支持された自由端部として設けられているので、外部から保持基板部11Bを介して働く応力が及びにくい状態になっている。
【0039】
上記のように、パッケージ容器20に接合されたSAW素子チップ10のボンディングパッド19a,19bと、パッケージ容器20の対応する接続端子32a,32bとは、ボンディングワイヤ95によりそれぞれ接続されている。ボンディングパッド19a,19bは、SAW素子チップ10の基端部11C上に設けられ、また、基端部11Cを含む圧電基板11の底面(他方の主面)は接着剤91により強固に接合されている。これにより、ボンディングワイヤ95を接合する部分の直下からパッケージ容器20までの領域は一定の剛性が確保され、ボンディングワイヤ接合時の超音波のボンディングパッド19a,19b直下からの漏れが軽減されてボンダビリティの低下を防ぐことができることにより、安定したボンディングが実現される。
【0040】
パッケージ容器20の上側には、例えば金属製のリッド29が、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金等をフレーム状に型抜きして形成されたシールリング24を介してシーム溶接され、パッケージ容器20内部に接合されたSAW素子チップ10が気密に封止されている。
【0041】
上記第1の実施形態のSAWデバイス1によれば、パッケージ容器20に接合されたSAW素子チップ10の弾性表面波の伝播領域を含むSAW素子基板部11Aが、基端部11Cを介して保持基板部11Bに片持ち支持された自由端部として設けられ、保持基板部11Bにかかる応力がSAW素子基板部11Aにまで及びにくい。これにより、パッケージ容器20にSAW素子チップ10を接合するために用いる接着剤91には、弾性などの物性を問わずに接合強度の高いものを選定することができ、また、接着剤91の塗布位置(接合位置)を考慮しなくてもよいので、保持基板部11Bの底部の全面に接着剤91を塗布してパッケージ容器20に接合することができる。したがって、SAW素子チップ10を、SAW素子基板部11Aの振動特性に影響を与えることなくパッケージ容器20に強固に接合することにより、振動や落下などの耐衝撃性に優れたSAWデバイス1を提供することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、SAW素子チップの第2の実施形態について図面を参照して説明する。図3は、上記第1の実施形態のSAW素子チップ10の変形例を説明するものであり、図1(b)のSAW素子チップ10と同じ位置の断面を示す模式断面図である。なお、本第2の実施形態のSAW素子チップの構成のうち、上記実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
図3において、SAW素子チップ50は、平面視で略矩形状の圧電基板51の一方の主面54上に、IDT電極12と、反射器13と、IDT電極12に接続された一対のボンディングパッド19bが備えられている。圧電基板51には、少なくともIDT電極12および反射器13が形成された領域の直下に空隙が形成されるように、一方の主面54と平行に切り込むことにより形成された凹陥部57を有している。この凹陥部57により、SAW素子チップ50において、一方の主面54上に形成されたIDT電極12および反射器13の形成領域を含むSAW素子基板部51Aが、保持基板部51B上に基端部51Cを介して片持ち支持された自由端部として設けられている。
【0044】
保持基板部51Bの凹陥部57側には、片持ち支持されたSAW素子基板部51Aの自由端部のIDT電極12および反射器13の形成領域と平面視で重ならない領域を乗せることが可能な突起部分である枕部52が形成されている。本実施形態の枕部52は、SAW素子基板部51Aと接触しないように隙間を設けて形成され、枕部52がSAW素子基板部51Aにおける定常動作時の弾性表面波の伝播を干渉しないようになっている。
【0045】
上記第2の実施形態のSAW素子チップ50によれば、自由端部を有するSAW素子基板部51Aの上下振動を、弾性表面波の伝播領域に影響を与えることなく枕部52により下から抑えることができる。これにより、実装後に振動や落下などの衝撃によって生じたSAW素子基板部51Aの撓み振動を抑制し、SAW素子基板部51Aに対する撓み応力を軽減することができるので、耐衝撃性の高いSAWデバイスを構成することが可能なSAW素子チップ50を提供することができる。
【0046】
上記第1および第2の実施形態で説明したSAW素子チップ10,50は、以下の変形例として実施することも可能である。
(変形例1)
図4は、上記第1の実施形態のSAW素子チップ10の変形例を説明するものであり、図1(b)のSAW素子チップ10と同じ位置の断面を示す模式断面図である。なお、本変形例のSAW素子チップの構成のうち、圧電基板の凹陥部に支持体を設けること以外は上記第1の実施形態と同一であるため、上記第1の実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
図4において、SAW素子チップ60は、略矩形板状の圧電基板11の一方の主面14上に、IDT電極12と、反射器13と、IDT電極12に接続された一対のボンディングパッド19bが備えられている。圧電基板11は、少なくともIDT電極12および反射器13が形成された領域の直下に空隙が形成されるように、一方の主面14と平行に切り込むことにより形成された凹陥部17を有している。この凹陥部17により、SAW素子チップ60において、一方の主面14上に形成されたIDT電極12および反射器13の形成領域を含むSAW素子基板部11Aが、保持基板部11B上に基端部11Cを介して片持ち支持された自由端部として設けられている。
【0048】
保持基板部11Bの凹陥部17側には、SAW素子基板部11Aの弾性表面波の伝播に干渉しない程度の弾性を有する絶縁材料からなり、且つ、SAW素子基板部11Aの自由端部のIDT電極12および反射器13の形成領域と平面視で重ならない領域に接合された枕部62が形成されている。枕部62は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、あるいはシリコン系樹脂などの、衝撃緩衝材となりうる弾性を有したものを用いる。
【0049】
この構成によれば、枕部62の弾性により、自由端部を有するSAW素子基板部11Aに加わる応力を抑えた状態で、実装後に振動や落下などの衝撃によって生じたSAW素子基板部11Aの撓み振動をより抑制することができる。
また、枕部62として、SAW素子基板部11Aの定常動作時の振動特性に影響を与えない弾性の範囲内で比較的硬めの材料を用いることにより、枕部62を支持部としてSAW素子基板部11A上にボンディングパッドを設けてワイヤボンディングすることも可能になり、この場合、SAW素子チップのパッドレイアウト設計の自由度が広がる。
【0050】
(変形例2)
上記第2の実施形態では、保持基板部51Bの凹陥部57側に、片持ち支持されたSAW素子基板部51Aの自由端部を乗せることが可能な枕部52を保持基板部51Bの突起部として一体形成した例を示した。これに限らず、保持基板部51B上に圧電基板51の材料とは別の材料からなる枕部を設ける構成としてもよい。
図5は、保持基板部上に樹脂からなる枕部を設けたSAW素子チップを説明するものであり、図1(b)のSAW素子チップ10と同じ位置の断面を示す模式断面図である。なお、本変形例のSAW素子チップの構成のうち、圧電基板の凹陥部に突起としての枕部を設けること以外は上記第1の実施形態と同一であるため、上記第1の実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0051】
図5に示すように、SAW素子チップ70は、IDT電極12および反射器13を含む弾性表面波の伝播領域の直下に空隙が形成されるように、一方の主面14と平行に切り込むことにより形成された凹陥部17を有し、この凹陥部17により、SAW素子基板部11Aが、保持基板部11B上に基端部11Cを介して片持ち支持された自由端部として設けられている。
【0052】
保持基板部11Bの凹陥部17側には、片持ち支持されたSAW素子基板部11Aの自由端部のIDT電極12および反射器13の形成領域と平面視で重ならない領域を乗せることが可能な枕部72が設けられている。枕部72は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、あるいはシリコン系樹脂などの、衝撃緩衝材となりうる弾性を有した絶縁性樹脂からなり、本実施形態では、SAW素子基板部11Aと接触しないように隙間を空けて設けられ、枕部72がSAW素子基板部11Aにおける定常動作時の振動特性に影響を与えないようになっている。
【0053】
上記構成のSAW素子チップ70によれば、実装後に振動や落下などの衝撃が加わった際に、SAW素子基板部11Aに変位が生じて保持基板部11Bに衝突することが避けられるとともに、枕部72が緩衝材となって衝撃が緩和され、SAW素子基板部11Aの破損が防止されるなど、耐衝撃性の向上に効果を奏する。
【0054】
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態およびその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態および変形例で説明したSAW素子チップ10,50,60,70の圧電基板11,51には水晶を用いたが、これに限定されない。水晶以外に、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ほう酸リチウム(Li247)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウム、五酸化タンタル(Ta25)などの薄膜圧電材料を積層させて構成された圧電基板を用いることもできる。
【0056】
また、上記実施形態では、SAW素子チップ10をセラミックなどからなるパッケージ容器20に収容した態様のSAWデバイス1について説明したが、これに限定されない。例えば、平板状の配線基板を基板として用いて、連続環状の封止材を介してリッドを接合した構成のパッケージ容器を用いたり、あるいは、ベース基板に所謂CANケースを被せて密閉する構成のパッケージ容器を用いて、内部に接合したSAW素子チップ10を気密に封止する構成としてもよい。
【0057】
また、上記実施形態および変形例1,2では、SAW素子片として、1ポート型のSAW素子チップ10,50,60,70を用いた例を説明した。これに限定されず、より高い周波数帯に利用可能な2ポート型のSAW素子チップであってもよく、この他、SAWフィルタ、あるいはセンサやコンボルバなどのSAW遅延素子などの、圧電基板上にIDT電極が形成されてなる他のSAWデバイスであってもよい。また、上記SAW素子チップ10,50,60,70において、反射器のない構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】(a)は、第1の実施形態の弾性表面波素子片としてのSAW素子チップを説明する平面図、(b)は、同図(a)のA−A線断面図。
【図2】(a)は、第1の実施形態の弾性表面波デバイスとしてのSAWデバイスを説明する平面図、(b)は、同図(a)のB−B線断面図。
【図3】第2の実施形態のSAW素子チップを説明する断面図。
【図4】SAW素子チップの変形例1を説明する断面図。
【図5】SAW素子チップの変形例2を説明する断面図。
【符号の説明】
【0059】
1…弾性表面波デバイスとしてのSAWデバイス、10,50,60,70…弾性表面波素子片としてのSAW素子チップ、11,51…圧電基板、11A,51A…弾性表面波素子基板部としてのSAW素子基板部、11B,51B…保持基板部、11C,51C…基端部、12…IDT電極、12a,12b…電極指、13…反射器、14,15…主面、17,57…凹陥部、18a,18b…電極間配線、19a,19b…ボンディングパッド、20…パッケージ容器、29…リッド、32a,32b…接続端子、52,62,72…枕部、91…接着剤、95…ボンディングワイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形板状の圧電基板の一方の主面に、複数の電極指が交差されてなるIDT電極、および該IDT電極に接続されたボンディングパッドが少なくとも設けられた弾性表面波素子片であって、
前記圧電基板は、少なくとも前記IDT電極が形成された領域の直下に空隙が形成されるように前記一方の主面と平行に切り込むことによって形成された凹陥部を有し、該凹陥部により、前記一方の主面と対向する他方の主面側に所定の厚みを有する台座として設けられた保持基板部と、前記一方の主面側に所定の厚みを有して略水平に突設された自由端部を有する弾性表面波素子基板部と、前記凹陥部と異なる部分であって前記保持基板部および前記弾性表面波素子基板部を連結する基端部と、が形成されていることを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項2】
請求項1に記載の弾性表面波素子片であって、
前記ボンディングパッドが前記基端部上に設けられていることを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項3】
請求項1または2に記載の弾性表面波素子片であって、
片持ち支持された前記弾性表面波素子基板部の前記自由端部の厚みが、前記IDT電極の前記電極指の等間隔ピッチの2倍以上であることを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の弾性表面波素子片であって、
前記保持基板部の前記凹陥部側に、片持ち支持された前記弾性表面波素子基板部の前記自由端部の少なくとも前記IDT電極の形成領域と平面視で重ならない領域を乗せることができる枕部を設けてなることを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項5】
請求項4に記載の弾性表面波素子片であって、
前記枕部が衝撃緩衝材になりうる弾性を有する絶縁材料からなり、且つ、前記自由端部に接合されて設けられていることを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項6】
略矩形板状の圧電基板の一方の主面に、複数の電極指が交差されてなるIDT電極、および該IDT電極に接続されたボンディングパッドが少なくとも設けられ、前記圧電基板は、少なくとも前記IDT電極が形成された領域の直下に空隙が形成されるように前記一方の主面と平行に切り込むことによって形成された凹陥部を有し、該凹陥部により、前記一方の主面と対向する他方の主面側に所定の厚みを有する台座として設けられた保持基板部と、前記一方の主面側に所定の厚みを有して略水平に突設された自由端部を有する弾性表面波素子基板部と、前記凹陥部と異なる部分であって前記保持基板部および前記弾性表面波素子基板部を連結する基端部と、が形成されている弾性表面波素子片を、
接着剤によりパッケージ容器に接合して実装したことを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の弾性表面波デバイスであって、
前記ボンディングパッドが前記基端部上に設けられ、
前記接着剤が少なくとも前記他方の主面の前記基端部直下に配置されてなることを特徴とする弾性表面波デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−188600(P2009−188600A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24939(P2008−24939)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】