説明

弾球遊技機

【課題】特別遊技領域に入球した遊技球が特別入賞口に一旦入賞しなくても、再度入賞できるチャンスを与える。
【解決手段】遊技領域に打込まれた遊技球が入球可能な特別遊技領域105内に、遊技球を特別遊技領域105内の上部に設けられた落下ガイド部70に誘導可能な誘導手段と、落下ガイド部70から落下した遊技球を捕球することにより、遊技球を特別遊技の権利を発生可能とする特別入賞口に搬送可能な第1キャッチャー80と、落下ガイド部70から落下した遊技球のうち、第1キャッチャー80に捕球されない遊技球を捕球することにより、遊技球を誘導手段に返送可能な第2キャッチャー81と、落下ガイド部70から落下した遊技球のうち、第1、2キャッチャー80、81のいずれにも捕球されない遊技球を遊技領域の裏面に排出する外れ口とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を遊技領域に打込んで遊技を行う弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機においては、遊技領域に発射された遊技球が、遊技領域に設けられた始動入賞口に入賞すると、それを契機に、遊技領域のほぼ中央部に配置された入賞装置に設けた羽根部材が開閉動作する。そして、羽根部材が開閉動作したとき、遊技球が入賞装置内に入球すると、その遊技球が入賞装置内の特別遊技領域に設けられた振分手段により、遊技者に対して有利な特別遊技の権利を発生させる特別入賞口または外れ口のいずれかに振り分けられる(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2006−34694号公報
【特許文献2】特開2006−149420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述のような弾球遊技機においては、遊技球が振分手段により振り分けられた時点で、特別遊技の権利が発生するか否かが決定されるため、遊技球の振分が単調であって趣向性が低い。
【0004】
本発明は、上述の従来の問題に鑑みてなされたもので、特別遊技領域に入球した遊技球が特別入賞口に一旦入賞しなくても、再度入賞できるチャンスを与えることにより、遊技の趣向性を向上させた弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行われる弾球遊技機において、前記遊技領域に打込まれた遊技球が入球可能な特別遊技領域内に、前記特別遊技領域に入球した遊技球を前記特別遊技領域内の上部に設けられた落下ガイド部に誘導可能な誘導手段と、前記落下ガイド部から落下した遊技球を捕球することにより、遊技球を遊技者に対して有利な特別遊技の権利を発生可能とする特別入賞口に搬送可能な特別権利発生捕球部材と、前記落下ガイド部から落下した遊技球のうち、前記特別権利発生捕球部材に捕球されない遊技球を捕球することにより、遊技球を前記誘導手段に返送可能な再抽選捕球部材と、前記落下ガイド部から落下した遊技球のうち、前記特別権利発生捕球部材及び前記再抽選捕球部材のいずれにも捕球されない遊技球を前記遊技領域の裏面に排出する外れ口とを設ける。
【0006】
(2)上記(1)項において、前記特別権利発生捕球部材及び前記再抽選捕球部材は、前記落下ガイド部の下方に設けられた垂直面の前面に交互に左右方向へ往復移動し得るようにガイドされ、その折返し地点で捕球した遊技球を排出する動作を行う。
【0007】
(3)上記(1)または(2)項において、前記誘導手段は、前記特別遊技領域の一側部から入球した遊技球を、前記落下ガイド部に向けて上昇させるリフト手段を有する。
【0008】
(4)上記(3)項において、前記誘導手段は、さらに前記落下ガイド部の上方に設けられた受入容器と、前記リフト手段の最上位置に配置され、遊技球を前記受入容器へ向けて発射する発射手段とを有し、前記受入容器に受け入れられた遊技球を、前記受入容器の下面に設けた複数の落し孔のいずれから前記落下ガイド部に排出する。
【0009】
(5)請求項(1)〜(4)項において、前記誘導手段は、前記特別遊技の権利が発生したとき、遊技球が移動する通路の一部を切断する橋を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、次のような効果を奏せられる。
請求項1記載の発明によると、特別遊技領域内に入球した遊技球が、特別権利発生捕球部材に捕球される可能性及び再抽選捕球部材に捕球される可能性が生じる。これにより、特別遊技領域に入球した遊技球のうち特別権利発生捕球部材に捕球されなかった、いわゆる「はずれ球」を再抽選捕球部材が捕球した場合には再抽選が可能な状態となり、趣向性の高い遊技を楽しむことができる。
【0011】
請求項2記載の発明によると、落下ガイド部から落下した遊技球を、特別権利発生捕球部材または再抽選捕球部材が捕球するか否かを遊技機の前面から目視することができ、遊技の演出効果をより高めることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によると、特別遊技領域に入球した遊技球が、重力に逆らって上昇する意外性とともに、遊技球の特別遊技領域内での滞留時間が長くなり、その分遊技を長時間楽しむことができる
【0013】
請求項4記載の発明によると、誘導手段に誘導された遊技球が発射手段により発射される意外性とともに、受入容器に受け入れられた遊技球が、複数の落し孔のいずれかから落下ガイド部に排出されるため、遊技球の落下位置を適度に拡散させることができる。
【0014】
請求項5記載の発明によると、特別遊技の権利が発生した時点で、誘導手段に設けた橋が遊技球の通路の一部を切断するため、特別遊技の状態を橋の動きで確認することができ、遊技の演出効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した弾球遊技機の正面図である。なお、以下の説明においては、図1、2において図面手前を「前方または表面」とし、図面奧を「後方または裏面」とし、左方を「左方」とし、右方を「右方」とする。
【0016】
図1に示すように、弾球遊技機をなすパチンコ機1は、遊技施設に据付けられる外枠2と、外枠2内に固定され、表面に外側ガイドレール5と内側ガイドレール6とによって包囲された円形状の遊技領域7を形成した遊技盤3と、遊技盤3の表面を開閉可能に外枠2に支持されたガラス枠扉4とを備えている。
【0017】
ガラス枠扉4の下方に設けられた球供給皿9に貯留されている遊技球は、ガラス枠扉4の右下に設けられた操作ハンドル8を回動操作することによって、発射装置(図示略)から発射されて、外側ガイドレール5及び内側ガイドレール6により誘導されて遊技領域7に打込まれ、遊技領域7に植設された多数の遊技釘に当接しながら流下する。なお、遊技釘は図面簡素化のため省略してある。
【0018】
遊技領域7のほぼ中央部には、遊技領域7に打込まれた遊技球Aを内部に受入可能な入賞装置10が配置されている。入賞装置10は、内部に特別遊技領域105を形成するものであり、この入賞装置10の下方には、遊技球Aが入球可能な第1始動口30及び左右の第2始動口31がそれぞれ配置されている。さらに遊技領域7の最下部には、遊技領域7に打込まれた遊技球を遊技盤3の裏面側に排出するアウト口32が設けられている。
【0019】
入賞装置10は、その左側面に上下方向へ開閉可能な羽根部材12を有し、第1始動口30または第2始動口31に遊技球Aが入球したことを契機に、羽根部材12が所定回数開閉動作を行なう。
【0020】
羽根部材12が開閉動作している期間は、入賞装置10の左側面が一旦開放されるため、遊技領域7に打込まれた遊技球Aが特別遊技領域105に入球する確率が高くなる。
【0021】
図2は、入賞装置10の正面図、図3は、入賞装置10の右側面の一部を破断して示す斜視図、図4は、入賞装置10の右側面及び上面の一部を破断して示す上側から見た斜視図である。なお、図2においては、入賞装置10の前側に設けられたアクリル等の透明樹脂から形成されるカバー10aの後方にある部品を破線で示し、図3以降の図面においては、カバー10aを取外した状態を示している。
【0022】
入賞装置10は、遊技盤3における遊技領域7の中央にフランジ部11aが固定されるとともに、フランジ部11aの内側に特別遊技領域105を形成した箱型のハウジング11を備えている。
【0023】
ハウジング11の左側部のほぼ中央位置には、羽根部材12の開閉動作に伴って開閉可能な入賞口20が開口されている。入賞口20の直下には、遊技球Aの通過を検出する入賞センサ21が配置され、さらに入賞センサ21の直下には右側に向けて傾斜する誘導路22、及び誘導路22中に設けられた跳ね上げ式の橋23が設けられている。誘導路22の右端部は、カバー10aの右下端に開口された導入口24(図1参照)を通じてその奥側に設けられたリフト手段40(図2、4参照)の下端に連通している。
【0024】
図3、4に示すように、リフト手段40は、誘導路22に誘導された遊技球Aを上昇移動させるもので、その最上位置奥部には、遊技球Aを一旦停止させる発射待機部50が設けられている。発射待機部50の外側には、遊技球Aを斜め上方へ発射可能な発射手段51が対向配置されている。発射待機部50の内側は、発射手段51により発射された遊技球Aを誘導するガイド用通路60を介して特定遊技領域105の最上位置の奥部に配置された椀形の受入容器61に連通している。
【0025】
受入容器61の下面には、受入容器61に受け入れられた遊技球Aを落下させる複数の落し孔62が開口されている。受入容器61の下方には、受入容器61の落し孔62から落下した遊技球Aを受止めて、前方へ落下させる板状の落下ガイド部70が設けられている。落下ガイド部70の下方に設けられた第1垂直面72には、落下ガイド部70から落下した遊技球Aを捕球可能な特別権利発生捕球部材をなす第1キャッチャー80が左右方向へ往復移動可能に支持されている。また第1キャッチャー80の下方には、落下ガイド部70から落下した遊技球Aのうち特別権利発生捕球部材80により捕球されなかった遊技球Aを捕球可能な再抽選捕球部材をなす第2キャッチャー81が第1キャッチャー80とは逆方向に向けて、左右方向へ往復移動可能に支持されている。
【0026】
第1キャッチャー80は、図5、7に示すように、落下ガイド部70から落下した遊技球Aを捕球可能な補球姿勢を維持しつつ第1垂直面72に沿って左右方向に往復動作し、遊技球Aを捕球している場合には、特別遊技領域105における右端折返し地点(図6参照)に設けられた後述する特別入賞口100に遊技球Aを排出する動作を行なう。
【0027】
第2キャッチャー81は、図5、6に示すように、遊技球Aを捕球可能な補球姿勢を維持しつつ第1垂直面72の下方前部に設けられた第2垂直面74の前面に沿って第1キャッチャー80とは逆向きに左右方向へ往復動作し、遊技球Aを捕球している場合には、特別遊技領域105の右端折り返し地点(図7参照)に設けられた後述の再抽選用誘導路103(図8参照)に遊技球Aを排出する動作を行なう。第2キャッチャー81から排出された遊技球Aは、再抽選用誘導路103を通ってカバー10aにおける導入口24の左側方に開口された再チャレンジ用排出口25(図2参照)から誘導路22に戻され、再度、リフト手段40をもって上昇移動して、落下ガイド部70から落下する動作を行なう。
【0028】
橋23は、第1キャッチャー80に捕球された遊技球Aが特別入賞口100を通過して特別遊技の権利が発生したことを契機に、入賞口20から入球した遊技球Aが落下ガイド部70へ誘導されないように、図2に実線で示す倒伏位置から想像線で示す跳ね上げ位置に回動することによって、誘導路22の一部を切断するものである。橋23が跳ね上げ位置に回動した場合、遊技球Aは、橋23の下方に設けられたガイド部23b、ガイド部23bの後方に設けられた排出ガイド部77に誘導され、排出ガイド部77の左右両側に設けられた外れ口78を通って遊技盤3の裏側に排出される。そして、特別遊技の権利が終了した時点で、橋23は倒伏位置に復帰する。なお、橋23は、誘導路22の下方に設けられたソレノイド23aによって回動する。
【0029】
なお、本発明における特別遊技領域105内に入球した遊技球Aを落下ガイド部70に誘導可能な誘導手段は、誘導路22、橋23、リフト手段40及び発射手段51を含むものとするが、本発明は、これに特定されるものでなく、適宜変更可能である。
【0030】
図3、4に示すように、リフト手段40は、奥行方向に配列された複数のカム41と、カム41の後部にあってカム軸に軸結した駆動モータ42と、各カム41の上部にあって、それぞれのカムリード面に下端を接し、かつ奥行方向に向けて順次その高さを高くした複数の昇降ロッド43と、各昇降ロッド43の側面に配置され、各昇降ロッド43を昇降ガイドするガイド用スリット44aを開口したガイドプレート44と、各昇降ロッド43の頂部に一体化され、奥行方向に向けて若干下り傾斜した設置プレート45とを備えている。
【0031】
駆動モータ42の回転に伴う各カム41の偏心運動に応じて前列の昇降ロッド43から順に昇降動作を繰返す。これにより、導入口24に導入された遊技球Aは、昇降ロッド43の昇降運動により順次高さを増しつつ後部側まで順送りされ、最終的に発射待機部50まで上昇移動する。
【0032】
発射手段51は、発射待機部50に向けて回動可能に支持された発射レバー52と、その先端に一体化されたハンマー53を備えている。発射レバー52は、図示略のソレノイドに連係され、発射待機部50に遊技球Aが誘導される毎、ソレノイドにより発射レバー52を回動させて、ハンマー53により遊技球Aを発射する。
【0033】
発射された遊技球Aは、ガイド用通路60を通って受入容器61内に入球し、受入容器61の内周面を転動した後、複数の落し孔62のいずれから落下ガイド部70上に落下する。これにより、落し孔62からの落球位置や回転慣性等により遊技球Aの落下位置や転動方向を拡散させることができる。
【0034】
落下ガイド70上に落下した遊技球Aは、前方へ転動して落下ガイド部70の前端から落下する。このとき、遊技球Aが落下するタイミングと、第1キャッチャー80が遊技球Aの真下を通過するタイミングとが一致すると、遊技球Aは第1キャッチャー80に捕球される。また、第1キャッチャー80により捕球されなかった、いわゆる「はずれ球」の落下位置と第2キャッチャー81の移動位置とが一致すれば、第2キャッチャー81により遊技球Aが捕球される。
【0035】
図5〜図7は、第1、2キャッチャー80、81及びその近傍、並びにキャッチャー駆動機構を示す斜視図である。落下ガイド部70の下方には、その前端に連続する第1垂直面72が形成され、第1垂直面72には、その下縁に連続する前下り傾斜の傾斜面73が形成され、傾斜面73の下方には、その前縁に連続する第2垂直面74が形成されている。第1、第2キャッチャー80、81は、第1、第2垂直面72及び74に形成された図示略の上向き円弧状スリット、図示略の下向き円孔状のスリットを通して左右方向へ移動可能に突出している。
【0036】
第1垂直面72の前面右端部には、第1キャッチャー80が右端折り返し地点に達したとき(図6参照)、第1キャッチャー80の側部に当接可能な第1解除ピン75が突設され、また、第2垂直面74の前面右端部には、第2キャッチャー81が右端折り返し地点に達したとき(図7参照)、第2キャッチャー81の側部に当接可能な第2解除ピン76が突設されている。
【0037】
第1キャッチャー80は、ハウジング11の背面に設けられた図示略の第1の平行リンクの上端部に枢着される背面板82と、背面板82の前面に枢軸82aにより揺動可能に枢支され、かつ上部に遊技球Aの球面に応じたくぼみ形状の捕球部83bを形成した捕球用のグラブ83と、グラブ83の右方に枢軸82bにより揺動可能に枢支され、かつグラブ83の右側部下縁に設けられた爪部83aに先端が係合することにより、グラブ83の捕球部83bを上向き位置、すなわち落下ガイド部70から落下した遊技球Aを捕球可能な補球姿勢に保持するロック部材84とを備えている。なお、第2キャッチャー82は、第1キャッチャー80と同一構造、同一寸法であるため、図面に第1キャッチャー80と同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0038】
各キャッチャー80、81を左右方向へ往復動作させるためのキャッチャー駆動機構90は、ハウジング11の裏面に前後方向の軸廻りに回動可能に支持された回転板92と、回転板92の外周部側面に回転可能に連結され、回転板92の180度回転毎に移動方向を反転するクランクレバー95と、クランクレバー95の端部に回動可能に連結される一対の平行リンク94、94と、回転板92を回転させるモータ93とを備えている。
【0039】
各キャッチャー80、81は、交互に反対方向へ上向き円弧及び下向き円弧を描きつつ第1、第2垂直面72,74に沿って左右方向へ水平度を保ちつつ移動し、落下ガイド部70から落下する遊技球Aの捕球動作を繰返し、例えば、第1キャッチャー80が左端折返し点に到達したときは、第2キャッチャー81が右端折り返し地点に到達する。
【0040】
第1キャッチャー80は、グラブ83の捕球部83bに遊技球Aを捕球している場合、右端折り返し地点に到達すると、第1解除ピン75にロック部材84の側部が当接して、ロック部材84が解除方向(図5においてB方向)へ回動してグラブ83の係止爪83aから外れることにより、図6に示すように、グラブ83が遊技球Aの重さにより右傾して遊技球Aを排出する。
【0041】
第1キャッチャー80におけるグラブ83の排出先の直下には、グラブ83から排出された遊技球Aが入球可能な特別入賞口100が配置されている。特別入賞口100内には、遊技球Aの通過を検出するための特別入賞検出センサ100aが設けられている。特別入賞検出センサ100aは、遊技球Aの通過を検出することによって、その特別権利発生信号を遊技盤3の裏面に設けられた図示略の制御回路部に送信する。制御回路部は、特別権利発生権利信号を入力することによって、遊技を遊技者によって有利な特別遊技の権利を発生させて、特別遊技状態に変化させる。
【0042】
特別遊技の権利が発生した場合には、例えば羽根部材12が所定回数開閉動作を繰返すか、あるいは羽根部材12が開閉動作している最中に、遊技球Aが特定遊技領域105内に所定数(例えば10個)入球するまで繰返される動作が、複数ラウンドに亘って繰返され、遊技者に対して短時間に大量の賞球、すなわち遊技価値を付与することになる。この期間は、橋23は跳ね上げ位置に移動して、遊技状態の変化を目視することができるとともに、入賞口20から入球した遊技球Aの全ては外れ口78から遊技盤3の裏面側に排出される。特別遊技状態が終了すると、再び橋23は倒伏位置に移動する。
【0043】
第2キャッチャー81は、グラブ83の捕球部83bに遊技球Aを捕球している場合、右端折り返し地点に到達すると、第2解除ピン76にロック部材84の側部が当接して、ロック部材84が解除方向(図5においてB方向)へ回動してグラブ83の係止爪83aから外れることにより、図7、8に示すように、グラブ83が遊技球Aの重さにより右傾して遊技球Aを再抽選用誘導路103に排出する。
【0044】
図8に示すように、第2キャッチャー81のグラブ83から排出された遊技球83は、再抽選用誘導路103、再チャレンジ用排出口25を通って誘導路22の末端に転動して、再びリフト手段40、発射手段51を通って受入容器61内に導入されて、落下ガイド部70上に落下する。
【0045】
以上により、本実施形態においては、特別遊技領域105内に入球した遊技球Aが、第1キャッチャー80のグラブ83に捕球される可能性及び第2キャッチャー81のグラブ83に捕球される可能性が生じる。これにより、特別遊技領域105に入球した遊技球Aのうち第1キャッチャー80のグラブ83に捕球されなかった、いわゆる「はずれ球」を第2キャッチャー81のグラブ83が捕球した場合には再抽選が可能な状態となり、趣向性の高い遊技を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を適用した弾球遊技機の正面図である。
【図2】入賞装置の正面図である。
【図3】入賞装置の右側面の一部を切り欠いて右側面から見た斜視図である。
【図4】入賞装置の右側面及び上部の一部を切り欠いて上方から見た斜視図である。
【図5】入賞装置における要部の斜視図である。
【図6】入賞装置における要部の状態変化を示す斜視図である。
【図7】入賞装置における要部の他の状態変化を示す斜視図である。
【図8】図7におけるa部の拡大図である。
【符号の説明】
【0047】
1 弾球遊技機(パチンコ機)
2 外枠
3 遊技盤
4 ガラス枠扉
5 外側ガイドレール
6 内側ガイドレール
7 遊技領域
8 操作ハンドル
9 球供給皿
10 入賞装置(特別遊技領域)
10a カバー
11 ハウジング
11a フランジ部
12 羽根部材
20 入賞口
21 入賞センサ
22 誘導路(誘導手段)
23 橋(誘導手段)
23a ソレノイド
23b ガイド部
24 導入口
25 再チャレンジ用排出口
30 第1始動口
31 第2始動口
32 アウト口
40 リフト手段(誘導手段)
41 カム
42 駆動モータ
43 昇降ロッド
44 ガイドプレート
44a ガイド用スリット
45 設置プレート
50 発射待機部
51 発射手段
52 発射レバー
53 ハンマー
60 ガイド用通路
61 受入容器
62 落し孔
70 落下ガイド部
72 第1垂直面
73 傾斜面
74 第2垂直面
75 第1解除ピン
76 第2解除ピン
77 排出ガイド部
78 外れ口
80 第1キャッチャー(特別権利発生捕球部材)
81 第2キャッチャー(再抽選捕球部材)
82 背面板
82a、82b 枢軸
83 グラブ
83a 係止爪
83b 捕球部
84 ロック部材
90 キャッチャー駆動機構
92 回転板
93 モータ
94 平行リンク
95 クランクレバー
100 特別入賞口
100a 特別入賞検出センサ
103 再抽選用誘導路
105 特別遊技領域
A 遊技球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行われる弾球遊技機において、
前記遊技領域に打込まれた遊技球が入球可能な特別遊技領域内に、前記特別遊技領域に入球した遊技球を前記特別遊技領域内の上部に設けられた落下ガイド部に誘導可能な誘導手段と、前記落下ガイド部から落下した遊技球を捕球することにより、遊技球を遊技者に対して有利な特別遊技の権利を発生可能とする特別入賞口に搬送可能な特別権利発生捕球部材と、前記落下ガイド部から落下した遊技球のうち、前記特別権利発生捕球部材に捕球されない遊技球を捕球することにより、遊技球を前記誘導手段に返送可能な再抽選捕球部材と、前記落下ガイド部から落下した遊技球のうち、前記特別権利発生捕球部材及び前記再抽選捕球部材のいずれにも捕球されない遊技球を前記遊技領域の裏面に排出する外れ口とを設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記特別権利発生捕球部材及び前記再抽選捕球部材は、前記落下ガイド部の下方に設けられた垂直面の前面に交互に左右方向へ往復移動し得るようにガイドされ、その折返し地点で捕球した遊技球を排出する動作を行うことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記誘導手段は、前記特別遊技領域の一側部から入球した遊技球を、前記落下ガイド部に向けて上昇させるリフト手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記誘導手段は、さらに前記落下ガイド部の上方に設けられた受入容器と、前記リフト手段の最上位置に配置され、遊技球を前記受入容器へ向けて発射する発射手段とを有し、前記受入容器に受け入れられた遊技球を、前記受入容器の下面に設けた複数の落し孔のいずれから前記落下ガイド部に排出することを特徴とする請求項3記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記誘導手段は、前記特別遊技の権利が発生したとき、遊技球が移動する通路の一部を切断する橋を有することを特徴とする1〜4のいずれかに記載の弾球遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate