説明

弾球遊技機

【課題】簡単な構成によって遊技球の払い出しタイミングを変えることができる弾球遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤4の背面側に設けられた払出装置21から払い出された遊技球が払出通路22を通って払出口9まで誘導される弾球遊技機において、払出通路22に互いの全長を異にするメイン通路23とバイパス通路24を設けると共に、メイン通路23とバイパス通路24の分岐部に制御弁25を配設する。そして、遊技球が始動口13,14に入賞したことを契機に行われる抽選手段28の抽選結果に応じて制御弁25を切替動作し、抽選結果が大当たりの場合は遊技球(賞球)を全長の長い方のバイパス通路24を経由して払出口9まで導き、抽選結果がハズレの場合は遊技球を全長の短い方のメイン通路23を経由して払出口9まで導くようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機に代表される弾球遊技機の中には、遊技球が始動口へ入賞したことを契機に特別図柄抽選を行い、その抽選結果が当たりになると、「通常モード」から「当たりモード」へ移行して多数の賞球を獲得する機会を与えるようにした機種が知られている。この種の弾球遊技機では、遊技盤の背面側上部にモータ等を駆動源とする払出装置が設けられており、この払出装置は、始動口や大入賞口に遊技球が入賞することによって作動され、その入賞に応じた所定数の遊技球を賞球として払い出すようになっている。払出装置から払い出された遊技球は、遊技盤の背面側に設けられた払出通路を経由して払出口まで誘導され、この払出口から遊技盤の前面側下部に設けられた受け皿へ払い出される(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−35898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の弾球遊技機においては、払出装置は遊技球を払い出すために専ら用いられているため、払出装置から払い出された遊技球を特別図柄抽選等の遊技演出に関与させることはできなかった。すなわち、従来の弾球遊技機では、始動口に連設された排出通路内の検知センサが遊技球の入賞を検知すると、その検知信号に基づいて払出装置が作動開始して所定数の遊技球(賞球)を払い出すようになっているため、始動口への入賞後に賞球が払い出されるタイミングは特別図柄抽選の抽選結果に拘わらず常に一定となる。
【0004】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構成によって遊技球の払い出しタイミングを変えることができる弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための一手段として、本発明は、遊技盤の背面側に設けられた払出装置と、前記遊技盤の前面側に設けられた払出口とを備え、前記払出装置から払い出された遊技球が払出通路を通って前記払出口まで誘導される弾球遊技機において、前記払出通路に互いの全長を異にするメイン通路とバイパス通路を設けると共に、これらメイン通路とバイパス通路の分岐部に制御弁を設け、始動口への入球を契機に行われる抽選手段の抽選結果に基づいて前記制御弁を切替動作することにより、前記払出装置から払い出された遊技球が前記メイン通路と前記バイパス通路のいずれか一方を通って前記払出口まで誘導されるように構成した。
【0006】
このように構成された弾球遊技機では、抽選手段の抽選結果に基づいて制御弁を切替動作すると、払出装置から払い出された遊技球が全長を異にするメイン通路とバイパス通路のいずれか一方に振り分けられるため、抽選手段の抽選結果に応じて遊技球の払い出しタイミングを変えることができ、かかる遊技球の払い出しタイミングによって大当たり等の告知を行うことができる。
【0007】
また、上記の目的を達成するための他の手段として、本発明は、遊技盤の遊技領域に配設された始動口と、この始動口に入賞した遊技球を前記遊技盤の裏面側へ導く排出通路と、前記遊技盤の背面側に設けられた払出装置と、前記遊技盤の前面側に設けられた払出口とを備え、遊技領域を流下する遊技球が前記始動口に入賞したとき、抽選手段による当たり判定の抽選動作が行われると共に、前記払出装置から前記払出口に対して所定数の遊技球が払い出される弾球遊技機において、前記排出通路に前記抽選手段を動作させる上流側検知センサと前記払出装置を動作させる下流側検知センサとを配置し、これら上流側検知センサと下流側検知センサとの間に互いの全長を異にするメイン通路とバイパス通路を設けると共に、これらメイン通路とバイパス通路の分岐部に制御弁を設け、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記制御弁を切替動作することにより、前記始動口に入賞した遊技球が前記メイン通路と前記バイパス通路のいずれか一方を通って前記下流側検知センサまで誘導されるように構成した。
【0008】
このように構成された弾球遊技機では、抽選手段の抽選結果に基づいて制御弁を切替動作すると、始動口に入賞した遊技球が全長の異なるメイン通路とバイパス通路のいずれか一方を通って下流側検知センサまで誘導されるため、抽選手段の抽選結果に応じて払出装置の動作タイミングを変えて遊技球の払い出しに時間差を持たせることができ、かかる遊技球の払い出しタイミングによって大当たり等の告知を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の弾球遊技機によれば、全長の異なるメイン通路とバイパス通路の分岐部に設けた制御弁を切替動作するだけで、抽選手段の抽選結果に応じて遊技球の払い出しタイミングを変えることができるため、遊技球の払い出しタイミングによって大当たり等の告知を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の第1実施形態例に係る弾球遊技機の外観を示す斜視図、図2は該弾球遊技機の背面側の外観を示す斜視図、図3は該弾球遊技機に設けられた払出通路の構成図、図4該弾球遊技機に備えられる払出制御装置のブロック図、図5は該払出制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
【0011】
図1に示すように、本実施形態例に係る弾球遊技機1は、遊技場の島設備に配置される機枠2と、機枠2に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠3と、前面枠3に収納保持された遊技盤4と、前面枠3の前面に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス枠5と、前面枠3の下方に配設された前面ボード6と、前面ボード6に取り付けられた発射ハンドル7等を具備しており、前面ボード6には受け皿8と払出口9が設けられている。
【0012】
遊技盤4の盤面はガイドレール10等で囲まれた遊技領域11となっており、発射ハンドル7が遊技者によって任意角度に回転操作されると、図示せぬ発射装置が受け皿8に貯留された遊技球を遊技領域11に向けて連続的に打ち出すようになっている。遊技領域11の上部中央付近には液晶パネル(LCD)からなる特別図柄表示装置12が配設されており、この特別図柄表示装置12の真下位置には一対の始動口13,14が配設されている。上側の始動口13は上面に入賞孔を有する始動口であるが、下側の始動口14は一対の可動片を有する電動チューリップ構造の始動口となっている。そして、両始動口13,14のいずれか一方に遊技球が入賞すると、それを契機として後述する抽選手段によって特別図柄表示の抽選が行われ、特別図柄表示装置12上で図柄の変動表示と停止表示が行われる。また、特別図柄表示装置12の左右両側には通過チャッカー15が配設されており、これら通過チャッカー15を遊技球が通過したことを契機に普通図柄表示の抽選が行われ、その抽選結果が当たりの場合に下側の始動口14の可動片を一時的に開放して遊技球の入球を許可するようになっている。
【0013】
始動口13,14の下方位置にはアタッカーと呼ばれる大入賞口16が配設されており、この大入賞口16は前記抽選手段による特別図柄表示の抽選結果に基づいて開閉動作される。具体的には、特別図柄表示の抽選結果が大当たりの場合、特別図柄表示装置12で図柄の変動表示を例えば「777」のように特定図柄で停止させると共に、大入賞口16が複数回繰り返して開放動作する。大入賞口16は1回の開放動作について例えば30秒経過するまで、あるいは遊技球が例えば10個入賞するまで開放状態を維持し、かかる開放動作を例えば15回繰り返した後に大当たりが終了する。その他、遊技領域11には遊技球の払い出しのみを行う複数の一般入賞口17が配設されており、いずれの始動口13,14や大入賞口16や一般入賞口17にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域11の最下端部に設けられたアウト口18から遊技盤4の裏面側に排出されるようになっている。なお、これら始動口13,14と大入賞口16および一般入賞口17に入賞した遊技球は、それぞれ図示せぬ排出通路を通って遊技盤4の裏面側へ導かれるようになっており、各排出通路の内部には遊技球の入賞を検知する入賞検知センサが配置されている。
【0014】
図2に示すように、遊技盤4の裏面側の最上部には上面を開口する貯留タンク19が配設されており、この貯留タンク19内に遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補充されるようになっている。貯留タンク19の下方には流下樋20が配設されており、この流下樋20は同図の右方へ向かって下るように緩やかに傾斜している。流下樋20の下流側には払出装置21が配設されており、貯留タンク19内の遊技球は流下樋20の上流側に落下した後、流下樋20の傾斜に沿って流下して払出装置21で滞留される。この払出装置21は外周面に複数の凹部を有するスプロケットによって構成されており、スプロケットを図示せぬモータを駆動源として回転駆動することにより、払出装置21で滞留させていた遊技球が払出通路22に対して払い出される。なお、このモータは前述した各入賞検知センサの検知信号に基づいて始動され、遊技球が始動口13,14と大入賞口16および一般入賞口17のいずれかに入賞すると、排出通路内に配置した前記入賞検知センサの検知信号に基づいてモータが駆動することにより、その入賞に応じた所定個数(例えば3個)の遊技球が払出装置21から払出通路22に払い出される。そして、この遊技球は払出通路22によって前記払出口9まで誘導された後、払出口9から受け皿8内に賞球として払い出される。
【0015】
図3に示すように、払出通路22には、遊技盤4の裏面側に沿って上下方向へ真っ直ぐに延びるメイン通路23と、メイン通路23から分岐して九十九折り状に折れ曲がるバイパス通路24とが設けられており、バイパス通路24の全長はメイン通路23の全長に対して十分に長く(例えば約2倍に)設定されている。これらメイン通路23とバイパス通路24の分岐部には制御弁25が配設されており、この制御弁25を図示せぬソレノイドを駆動源として図3の実線位置と破線位置との間で回動することにより、払出装置21から払い出された遊技球はメイン通路23とバイパス通路24のいずれか一方へ導かれる。また、メイン通路23とバイパス通路24の合流部よりも下流側の払出通路22には払出球検知センサ26が配設されており、メイン通路23またはバイパス通路24を通過した遊技球は、この払出球検知センサ26で検出された後に払出口9まで誘導される。
【0016】
図4に示すように、制御弁25は払出制御装置27から出力される制御信号により、図3に示す実線位置と破線位置のいずれか一方に切替動作される。この払出制御装置27には払出球検知センサ26の検知信号と前記抽選手段28による抽選結果の制御信号とが入力され、払出制御装置27はこれら払出球検知センサ26の検知信号と抽選手段28の制御信号に基づいて、制御弁25の駆動源であるソレノイドに対して所望の切替信号を出力する。具体的には、抽選手段28による特別図柄表示の抽選結果が大当たりの場合、払出制御装置27から制御弁25に対して切替信号が出力されることにより、制御弁25が図3の実線位置から破線位置へ回動してバイパス通路24を開放する。その結果、払出装置21から払い出された遊技球は全長の長い方のバイパス通路24へ導かれて払出口9まで至り、その途中で払出球検知センサ26が遊技球の通過を検知すると、制御装置27から制御弁25に対して別の切替信号が出力され、制御弁25は図3の破線位置から実線位置へと回動復帰する。一方、抽選手段28による特別図柄表示の抽選結果がハズレの場合、払出制御装置27から制御弁25に対して切替信号は出力されず、制御弁25は図3の実線位置の姿勢を維持する。この場合、メイン通路23が開放されてバイパス通路24が閉じられているため、払出装置21から払い出された遊技球は全長の短い方のメイン通路23へ導かれて払出口9まで至る。なお、払出装置21の駆動制御を行う駆動制御装置と制御弁25の払出制御装置27は遊技盤4の裏面下部に配設された制御ボックス29内に収納されており、抽選手段28による特別図柄表示の抽選等の遊技動作全般を処理するメイン基板は図示せぬ他の制御ボックス内に収納されている。
【0017】
図5のフローチャートに示すように、本実施形態例に係る弾球遊技機1においては、遊技領域11を流下する遊技球が両始動口13,14のいずれか一方に入賞し(S−1)、その入賞球が排出通路内の図示せぬ入賞検知センサを通過すると(S−2)、入賞検知センサの検知信号に基づいて抽選手段28が特別図柄表示の抽選を実行する(S−3)。そして抽選手段28の抽選結果が判定され(S−4)、抽選手段28の抽選結果が大当たりの場合は、払出制御装置27から制御弁25に対して切替信号が出力されることにより、制御弁25が図3の実線位置から破線位置へ回動してバイパス通路24を開放する(S−5)。これにより、払出装置21から払い出された所定数の賞球(遊技球)は全長の長い方のバイパス通路24内を通過し(S−6)、その賞球が払出球検知センサ26を通過すると(S−7)、払出球検知センサ26の検知信号に基づいて払出制御装置27から制御弁25に対して別の切替信号が出力されることにより、制御弁25が図3の破線位置から実線位置へと回動復帰する(S−8)。このようにして払出球検知センサ26を通過した賞球は払出口9まで導かれた後、最終的に払出口9から受け皿8内に払い出される(S−9)。
【0018】
一方、S−4において抽選手段28の抽選結果がハズレの場合は、払出制御装置27から制御弁25に対して切替信号は出力されず、制御弁25は図3の実線位置の姿勢を維持してメイン通路23を開放している(S−10)。これにより、払出装置21から払い出された所定数の賞球は、全長が短い方のメイン通路23を通過(S−11)して払出口9まで導かれた後、最終的に払出口9から受け皿8内に払い出される(S−9)。なお、メイン通路23を通過した賞球は払出球検知センサ26によって検出され、その検知信号に基づいて払出制御装置27から制御弁25に対して切替信号が出力されるが、この場合、制御弁25は図3の実線位置に既に復帰しているため回動しない。
【0019】
このように本実施形態例に係る弾球遊技機1では、遊技球が始動口13,14に入賞したことを契機に行われる抽選手段28の抽選結果に応じて制御弁25を切替動作し、抽選結果が大当たりの場合は遊技球(賞球)を全長の長い方のバイパス通路24を経由して払出口9まで導き、抽選結果がハズレの場合は遊技球を全長の短い方のメイン通路23を経由して払出口9まで導くようにしたので、大当たりの場合とハズレの場合とで遊技球(賞球)の払い出しに要する時間に違いを持たせることができる。これにより、遊技球が通常よりも著しく遅く払い出された場合は、特別図柄表示装置12の図柄が大当たりを表示する特定図柄で停止する前に、払い出しタイミングによって暗に大当たりであることを示唆することができ、遊技球の払い出し時間を大当たりの告知手段として利用することができる。
【0020】
なお、上記した第1実施形態例では、遊技球の払い出しタイミングによって大当たりを告知するようにしたが、例えば抽選手段28で通常当たりと確変当たりおよびハズレを含む抽選を行い、その抽選結果が確変当たりの場合に、遊技球の払い出しを遅らせて当たり告知をするようにしても良い。
【0021】
図6は本発明の第2実施形態例に係る弾球遊技機に設けられた排出通路の構成図、図7該弾球遊技機に備えられる駆動制御装置のブロック図であり、図1〜図5に対応する部分には同一符号を付してある。
【0022】
図6に示すように、本実施形態例に係る弾球遊技機では、始動口13,14に入賞した遊技球を遊技盤4の裏面側へ導く排出通路のうち、始動口14に連設された排出通路30に、遊技盤4の裏面側に沿って上下方向へ真っ直ぐに延びるメイン通路31と、メイン通路31から分岐して九十九折り状に折れ曲がるバイパス通路32とが設けられており、バイパス通路32の全長はメイン通路31の全長に対して十分に長く(例えば約2倍に)設定されている。メイン通路とバイパス通路の分岐部よりも上流側の排出通路30には上流側検知センサ(入賞検知センサ)33が配設されており、この上流側検知センサ33が始動口14に入賞した遊技球の通過を検知すると、その検知信号に基づいて前述した抽選手段28が特別図柄表示の抽選を実行するようになっている。メイン通路31とバイパス通路32の分岐部には制御弁34が配設されており、この制御弁34を図示せぬソレノイドを駆動源として図6の実線位置と破線位置との間で回動することにより、始動口14に入賞した遊技球はメイン通路31とバイパス通路32のいずれか一方へ導かれる。また、メイン通路31とバイパス通路32の合流部よりも下流側の排出通路30には下流側検知センサ35が配設されており、メイン通路31またはバイパス通路32を通過した遊技球は、この下流側検知センサ35で検出された後に遊技盤4の裏面側へ排出される。
【0023】
図7に示すように、抽選手段28による抽選結果の制御信号と下流側検知センサ35の検知信号は駆動制御装置36に入力され、この下流側検知センサ35の検知信号に基づいて駆動制御装置36が前記払出装置21の駆動源(モータ)に動作信号を出力することにより、払出装置21のスプロケットが回転して所定個数の遊技球を払出通路に対して払い出すようになっている。なお、この第2実施形態例の場合、払出通路はメイン通路だけでバイパス通路を有していないため、払出装置21から払出通路を経由して払出口9まで払い出される時間は常に一定である。
【0024】
また、抽選手段28の制御信号に基づいて駆動制御装置36が制御弁34の駆動源(ソレノイド)に所望の切替信号を出力することにより、制御弁34は図6に示す実線位置と破線位置のいずれか一方に切替動作される。具体的には、抽選手段28による特別図柄表示の抽選結果が大当たりの場合、駆動制御装置36から制御弁34に対して切替信号が出力されることにより、制御弁34が図6の実線位置から破線位置へ回動してバイパス通路32を開放する。その結果、始動口14に入賞した遊技球は全長の長い方のバイパス通路32を経由して遊技盤4の裏面側へ排出され、その途中で下流側検知センサ35が遊技球の通過を検知すると、下流側検知センサ35から駆動制御装置36に検知信号が出力される。これにより駆動制御装置36から払出装置21に動作信号が出力されるため、払出装置21から払出通路に所定個数の遊技球が払い出されると共に、駆動制御装置36から制御弁34に対して別の切替信号が出力されることにより、制御弁34が図3の破線位置から実線位置へと回動復帰する。一方、抽選手段28による特別図柄表示の抽選結果がハズレの場合、駆動制御装置36から制御弁34に対して切替信号は出力されず、制御弁34は図6の実線位置の姿勢を維持する。この場合、メイン通路31が開放されてバイパス通路32が閉じられているため、始動口14に入賞した遊技球は全長の短い方のメイン通路31を経由して下流側検知センサ35に至り、下流側検知センサ35が遊技球の通過を検知すると、駆動制御装置36の動作信号によって払出装置21が作動して所定個数の遊技球を払い出す。
【0025】
このように第2実施形態例に係る弾球遊技機では、遊技球が始動口14に入賞したことを契機に行われる抽選手段28の抽選結果に応じて制御弁34を切替動作し、抽選結果が大当たりの場合は遊技球(賞球)を全長の長い方のバイパス通路32を経由して下流側検知センサ35まで導き、抽選結果がハズレの場合は遊技球を全長の短い方のメイン通路31を経由して下流側検知センサ35まで導くようにしたので、下流側検知センサ35の検知信号に基づいて払出装置21が遊技球の払い出し動作を開始するまでの時間、換言すると遊技球(賞球)の払い出しに要する時間を大当たりの場合とハズレの場合とで異ならせることができる。これにより、遊技球が通常よりも著しく遅く払い出された場合は、特別図柄表示装置12の図柄が大当たりを表示する特定図柄で停止する前に、払い出しタイミングによって暗に大当たりであることを示唆することができ、遊技球の払い出し時間を大当たりの告知手段として利用することができる。
【0026】
なお、上記した第2実施形態例では、遊技球の入賞によって抽選手段28の抽選を行わせる2つの始動口13,14のうち、本発明を一方の始動口14の排出通路30に適用した場合について説明したが、本発明を始動口14の代わりに他方の始動口13の排出通路に適用したり、始動口13,14の両方に適用することも可能である。また、遊技球の入賞によって抽選手段28の抽選を行わせる始動口13,14の数は2つに限定されず、少なくとも1つの始動口を備えていれば良い。
【0027】
また、この第2実施形態例においても第1実施形態例と同様に、抽選手段28で通常当たりと確変当たりおよびハズレを含む抽選を行い、その抽選結果が確変当たりの場合に、遊技球の払い出しを遅らせて当たり告知をするようにしても良い。
【0028】
また、上記した各実施形態例では、抽選手段28の抽選結果が大当たりの場合は全長の長い方のバイパス通路を開放し、抽選結果がハズレの場合は全長の短い方のメイン通路を開放するようにしているが、その逆に、抽選結果が大当たりの場合にメイン通路を開放し、抽選結果がハズレの場合にバイパス通路を開放するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る弾球遊技機の外観を示す斜視図である。
【図2】該弾球遊技機の背面側の外観を示す斜視図である。
【図3】該弾球遊技機に設けられた払出通路の構成図である。
【図4】該弾球遊技機に備えられる払出制御装置のブロック図である。
【図5】該払出制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態例に係る弾球遊技機に設けられた排出通路の構成図である。
【図7】該弾球遊技機に備えられる駆動制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0030】
1 弾球遊技機
4 遊技盤
8 受け皿
9 払出口
11 遊技領域
12 特別図柄表示装置
13,14 始動口
19 貯留タンク
20 流下樋
21 払出装置
22 払出通路
23 メイン通路
24 バイパス通路
25 制御弁
26 払出球検知センサ
27 払出制御装置
28 抽選手段
30 排出通路
31 メイン通路
32 バイパス通路
33 上流側検知センサ
34 制御弁
35 下流側検知センサ
36 駆動制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の背面側に設けられた払出装置と、前記遊技盤の前面側に設けられた払出口とを備え、前記払出装置から払い出された遊技球が払出通路を通って前記払出口まで誘導される弾球遊技機において、
前記払出通路に互いの全長を異にするメイン通路とバイパス通路を設けると共に、これらメイン通路とバイパス通路の分岐部に制御弁を設け、
始動口への入球を契機に行われる抽選手段の抽選結果に基づいて前記制御弁を切替動作することにより、前記払出装置から払い出された遊技球が前記メイン通路と前記バイパス通路のいずれか一方を通って前記払出口まで誘導されるようにしたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技盤の遊技領域に配設された始動口と、この始動口に入賞した遊技球を前記遊技盤の裏面側へ導く排出通路と、前記遊技盤の背面側に設けられた払出装置と、前記遊技盤の前面側に設けられた払出口とを備え、遊技領域を流下する遊技球が前記始動口に入賞したとき、抽選手段による当たり判定の抽選動作が行われると共に、前記払出装置から前記払出口に対して所定数の遊技球が払い出される弾球遊技機において、
前記排出通路に前記抽選手段を動作させる上流側検知センサと前記払出装置を動作させる下流側検知センサとを配置し、これら上流側検知センサと下流側検知センサとの間に互いの全長を異にするメイン通路とバイパス通路を設けると共に、これらメイン通路とバイパス通路の分岐部に制御弁を設け、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記制御弁を切替動作することにより、前記始動口に入賞した遊技球が前記メイン通路と前記バイパス通路のいずれか一方を通って前記下流側検知センサまで誘導されるようにしたことを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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