説明

弾球遊技機

【課題】不正行為を防止して遊技店や遊技者に不利益を生じさせない弾球遊技機とする。
【解決手段】可動部材8により受け入れられた遊技球が入賞可能な一般入賞口12及び特別入賞口11を具備する変動入賞装置3と、遊技球が入賞可能な始動口とを遊技盤に備え、始動口へ遊技球が入賞することを補助遊技発生条件として、変動入賞装置3の可動部材8が所定開閉回数の開閉動作を行う補助遊技を発生し、補助遊技中に変動入賞装置3に受け入れられた遊技球が特別入賞口11に入賞することを特別遊技発生条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生制御可能な制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機のなかには、いわゆる第2種のパチンコ遊技機と呼ばれる遊技機がある。
この第2種のパチンコ遊技機は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤と、該遊技盤に設けられた変動入賞装置と、該変動入賞装置の内部に設けられた特別入賞口(Vゾーンと称される)と、該特別入賞口への遊技球の入賞(初回V入賞と称される)を検出するセンサ(特別入賞口センサ)と、該センサによる遊技球の検出に基づき遊技者に有利な特別遊技状態(大当りと称される)を発生させる制御を行う遊技制御装置(遊技制御手段)と、を備えている。
【0003】
前記変動入賞装置は、開閉可能な可動部材を備え、可動部材が閉状態のときには当該変動入賞装置内に遊技球が流入不可能であり、可動部材が開状態になったときには当該変動入賞装置内に遊技球が流入可能となる。
さらに、変動入賞装置は、当該変動入賞装置の内部に流入したにも拘わらず特別入賞口に入賞しない遊技球が入賞する一般入賞口を備えている。
また、遊技盤には、変動入賞装置内以外の箇所にも幾つかの入賞口が設けられ、いずれかの入賞口(特別入賞口、一般入賞口、その他の入賞口のいずれか)に遊技球が入賞すると、この入賞がそれぞれの入賞口に設けられたセンサにより検出され、この検出に基づき、それぞれ所定数の遊技球が払い出されるようになっている。
【0004】
第2種のパチンコ遊技機における前記特別遊技状態は、可動部材を所定の規定に従って開閉しながら行われるサイクル遊技(ラウンド遊技ともいう)を、各ラウンド中(各サイクル遊技中)に特別入賞口センサにより遊技球が再度検出される継続入賞が発生することを条件にラウンド継続しながら行われ、ラウンド継続の結果所定の最終ラウンド(例えば、15ラウンド)に達した場合には、この最終ラウンドで継続入賞が発生したとしても当該最終ラウンドを以て(終了条件が成立して)終了する遊技状態である。
第2種のパチンコ遊技機における遊技は、遊技領域に遊技球を発射して(打込んで)行われるが、特に、上記特別遊技状態が発生したときには、上記一般入賞口および特別入賞口への多数の入賞を発生させやすくなり、遊技者は大量の遊技球を獲得する機会を得る。
【0005】
ところで、従来、パチンコ遊技機等に対し不正行為を行って球の払い出しを受ける所謂ゴト行為が問題となっている。
ゴト行為には、例えば以下に説明するような種類がある。
【0006】
先ず、遊技球検出センサとしては、鋼製の球に無接触で感応し球を検出する電磁感応式のセンサが用いられることが一般的である。
このような電磁感応式の球検出センサを備える場合は、センサ近傍でトランシーバー等の電磁波を発生する機器を使用した場合、電磁波により球検出センサが感応し誤作動することがある。
このような球検出センサの欠点を利用して意図的に球検出センサを誤作動させ球の払い出しを受けるゴト行為を電波ゴトという。
【0007】
また、他のゴト行為としては、上皿等から曲がりやすい樹脂製の板状部材(セル)を挿入して入賞球検出センサ等に到達させ、入賞が発生していないのに賞球排出をさせる所謂セルゴトや、合い鍵でガラス枠を開放し手で開閉扉を開き球を変動入賞装置内に入れて賞球排出をさせる所謂ガラス枠開放ゴトなどがある。
【0008】
このような不正行為は、遊技店に不利益となるだけでなく、不正行為を行わない遊技者にとっても不利益となる。このため、不正行為の防止に関連した種々の機能を有する遊技機が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平08−266736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の弾球遊技機においては、不正行為への対策が必ずしも充分とは言えず、不正行為によって遊技店や遊技者に不利益を生じさせる可能性があった。
【0011】
この発明は、前記のような問題点を解決するためになされたもので、不正行為を防止して遊技店や遊技者に不利益を生じさせない弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、弾球遊技機において、
可動部材により受け入れられた遊技球が入賞可能な一般入賞口及び特別入賞口を具備する変動入賞装置と、
遊技球が入賞可能な始動口と
を遊技盤に備え、
前記始動口へ遊技球が入賞することを補助遊技発生条件として、前記変動入賞装置の可動部材が所定開閉回数の開閉動作を行う補助遊技を発生し、
前記補助遊技中に前記変動入賞装置に受け入れられた遊技球が前記特別入賞口に入賞することを特別遊技発生条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生制御可能な制御手段を備えることを特徴としている。
【0013】
ここで、「弾球遊技機」には、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などが含まれる。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る遊技機によれば、不正行為を防止して遊技店や遊技者に不利益を生じさせない弾球遊技機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る遊技機として例示するパチンコ遊技機を示す正面図である。
【図2】本実施例における変動入賞装置を示す拡大正面図である。
【図3】変動入賞装置の状態変化機構の動作を説明するための斜視図である。
【図4】変動入賞装置の状態変化機構の動作を説明するための斜視図である。
【図5】変動入賞装置の状態変換機構の動作を説明するための斜視図である。
【図6】変動入賞装置の動作(貯留状態)を説明するための斜視図である。
【図7】図1の弾球遊技機の主要構成を示すブロック図である。
【図8】状態変換機構の一部の構成を示す拡大正面図である。
【図9】状態変換機構の一部の構成を示す拡大正面図である。
【図10】遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図11】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図12】始動口センサ判定処理を示すフローチャートである。
【図13】始動入賞開閉処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】始動入賞開閉処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】第1始動口へ遊技球が入賞したときの可動部材やセンサの動作を示すタイムチャートである。
【図16】第2始動口へ遊技球が入賞したときの可動部材やセンサの動作を示すタイムチャートである。
【図17】始動入賞開閉処理の他の例を示すフローチャートである。
【図18】始動入賞開閉処理の他の例を示すフローチャートである。
【図19】入賞球検出センサ処理1を示すフローチャートである。
【図20】入賞球検出センサ処理2を示すフローチャートである。
【図21】始動入賞開閉処理のさらに他の例を示すフローチャートである。
【図22】始動入賞開閉処理のさらに他の例を示すフローチャートである。
【図23】入賞球検出センサ賞球数データ送信処理1を示すフローチャートである。
【図24】入賞球検出センサ賞球数データ送信処理2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1の実施の形態〕
以下、図面を参照して、本発明に係る第1の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、本発明に係る遊技機の適例としてのパチンコ遊技、特に、いわゆる「第2種」に属するタイプのパチンコ遊技機について説明を行うものである。
【0017】
図1に示すパチンコ遊技機100は、内部の遊技領域1a内に遊技球を発射して遊技を行うもので、その前面枠111の前側上半部におけるガラス板(図示省略)の奥側には、前記遊技領域1aを構成する遊技盤1が設置されている。
【0018】
この遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1aの下部には、左右に離間して、遊技球が入賞可能な一対の1回開放入賞装置(第1始動口)4,4が設けられ、これら第1始動口4,4の中央に位置して2回開放入賞装置(第2始動口)5が設けられている。
また、遊技領域1aの中央には、特別変動入賞装置(変動入賞装置)3が設けられている。
【0019】
この特別変動入賞装置3は、図2に示すように、当該変動入賞装置3を遊技盤1に取り付けるための取付基板3aと、前記取付基板3aの略中央部分に形成され、前記取付基板3aの後方に向かって突出し、前面が開口した凹室3bとを具備しており、前記取付基板3aに1又は複数(ここでは左右一対)の開閉部材(可動部材)8,8が設けられている。この可動部材8,8が閉状態(遊技者にとって不利な状態)のときには当該特別変動入賞装置3内に遊技球が流入不可能であり、可動部材8,8が開状態(上下逆「ハ」の字状に開いた状態;遊技者にとって有利な状態)になったときには当該特別変動入賞装置3内に遊技球が流入可能となる。
【0020】
この可動部材8,8は、前記第1始動口4又は第2始動口5への遊技球の入賞に基づき(第1始動口4又は第2始動口5へ遊技球が入賞することを補助遊技発生条件として)、可動部材開放ソレノイド(可動部材用電気的駆動源)8a,8a(図7)による駆動で開閉動作する(これを補助遊技とする)。すなわち、第1始動口4内には、1回開放入賞センサ(第1始動口センサ)4a(図7)が、また、第2始動口5内には、2回開放入賞センサ(第2始動口センサ)5a(図7)が、それぞれ配設されている。そして、第1始動口4内に入賞した遊技球が第1始動口センサ4aに検出されることに基づき、可動部材8,8が開動作後、所定時間経過後に再び閉動作するといった開閉動作を1回行う補助遊技を発生させるようになっている。同様に、第2始動口5に入賞した遊技球が第2始動口センサ5aに検出されることに基づき、前記開閉動作を2回行う補助遊技を発生させるようになっている。
【0021】
また、図3等に示すように、特別変動入賞装置3の凹室3bの所要部位、例えば手前側中央部分には、特別入賞口11が設けられている。
さらに、特別入賞口11の内部には、内部に入賞した遊技球を検出するための特別入賞口センサ11a(図7)が設けられている。
前記特別入賞口11の左右両側には、特別変動入賞装置3内に流入したにも拘わらず、特別入賞口11に流入しなかった遊技球が入賞する一般入賞口12,12が設けられている。
また、前記一般入賞口12,12及び特別入賞口11よりも上流側(ここでは、変動入賞装置3の上部に設けられた、遊技球の案内部材16の奥側)に、前記可動部材8,8により受け入れられた遊技球を検出可能な入賞球検出センサ17a,17a(ここでは、左右一対の通過穴17,17のそれぞれに設けられている)を備えている。
【0022】
そして、前記補助遊技中に特別変動入賞装置3内に流入した(可動部材により受け入れられた)遊技球が特別入賞口11に入賞することに基づき(これを特別遊技発生条件として)、大当りと称される特別遊技状態が発生するが、この特別遊技状態の詳細については後述する。
なお、ここで、「補助遊技中に特別変動入賞装置3内に流入した遊技球」とは、可動部材8,8が開状態に変換する過程で流入した遊技球と、可動部材8,8が開状態に変換した時に流入した遊技球と、可動部材8,8が開状態に変換後、閉状態に復帰する過程で流入した遊技球とが含まれる。
【0023】
さらに、特別変動入賞装置3の内部には、機構状態を変換することにより特別変動入賞装置3内に流入した遊技球の特別入賞口11への入賞のし易さを変化させることが可能な左右一対の回転体14,140が設けられている。この回転体14,140は、内部機構変換モータ(役物回転モータ)14m(図7,図9)により駆動される。
【0024】
また、特別変動入賞装置3の内部には、前記回転体14,140と共に、機構状態を変換することにより特別入賞装置3内に流入した遊技球の特別入賞口11への入賞のし易さを変化させることが可能な貯留部材15,15を備えている。この貯留部材15,15は、貯留状態変換ソレノイド(球貯留ソレノイド)15s,15s(図7)の駆動により開閉動作が行われるように構成されており、これにより遊技球を貯留/貯留解除可能になっている。
そして、前記した回転体14,140及び内部機構変換モータ(役物回転モータ)14m(図7)並びに貯留部材15,15及び貯留状態変換ソレノイド(球貯留ソレノイド)15s,15s等により、状態変化機構が構成されている。
なお、この回転体14,140および貯留部材15,15の構成ならびに動作の詳細については後述する。
【0025】
また、例えば特別変動入賞装置3の正面側の上部には、表示装置40が設けられている。この表示装置40は、特別遊技状態におけるサイクル遊技のラウンド数の表示等を行うためのものである。この表示装置40としては、例えばドット式の表示装置(多数の点灯部材の点灯状態を切り替えることで表示を行うもの)等が用いられる。
【0026】
遊技領域1aには、その他に、風車と呼ばれる打球方向変換部材7,…、多数の障害釘(図示省略)、入賞口6,…などが設けられている。また、遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴13が設けられている。
なお、各入賞口6,…の内部には、該入賞口6,…に入った遊技球を検出するための入賞口センサ6a,…(図7)が配設されている。
さらに、図示は省略するが、遊技盤1の手前側はガラス板に覆われていて、遊技盤1の手前側にはこのガラスを保持した前面カバー部材が設けられている。
【0027】
また、特に限定されないが、パチンコ遊技機100の横隣には、遊技球貸出用のプリペイドカード(図示省略)が挿入されるカード挿入口501を有するカードユニット500が設けられている。
また、パチンコ遊技機100の前面下部には上皿ユニット101が設けられ、この上皿ユニット101には、排出された遊技球(賞球、貸球)を貯留する上皿102が設けられている。この上皿102には、カード挿入口501にプリペイドカードを挿入した状態で押圧操作することで上皿102への貸球の排出動作を要求する球貸スイッチ106b、カード挿入口501に挿入されたプリペイドカードの返却動作を要求するためのカード返却スイッチ106c、カード挿入口501に挿入されたプリペイドカードに関する情報を表示する貸球用表示部106a、上皿102の遊技球を抜き取って下皿103に流下させるための球抜き操作レバー(図示省略)等がそれぞれ設けられている。
【0028】
さらに、上皿ユニット101の下側には、上皿102に収容しきれない遊技球を収容する下皿103、遊技領域1aに向けて遊技球を発射する発射装置(図示省略)において発射操作を行うための操作ハンドル104、灰皿105などが設置されている。
【0029】
また、パチンコ遊技機100の裏面側には、所定条件の成立(例えば、特別入賞口11、一般入賞口12、第1始動口4、第2始動口5、入賞口6に球が入賞したこと、或いは貸球スイッチ106bが押圧操作されたこと)に基づいて所要数の遊技球を排出する排出ユニット(図示省略)、該排出ユニットより排出された球の流路を賞球用流路又は貸球用流路の何れか一方に切換可能な流路切換ユニット(図示省略)、該流路切換ユニットから送られてきた球を上皿又は下皿へと流下案内する案内樋(図示省略)等が配設されている他、遊技に関する制御を統括的に行う遊技制御装置(遊技制御手段)20及び該遊技制御装置(遊技制御手段)20からの指令信号に基づいて球の排出制御等を行う排出制御装置(排出制御手段)30を含む制御手段、電源供給装置(図示省略)、外部出力端子を有する遊技盤用外部出力端子板28等が配設されている。
【0030】
このうち、排出ユニットには、球の流下規制を行う流下規制部材、該流下規制部材を駆動するための球排出モータ、流下規制部材の回動を規制するためのストッパーソレノイドなどが配設されている。
流路切換ユニットには、排出ユニットから送られてくる球の進路を貸球用流路と賞球用流路の何れか一方に切換可能な流路切換弁、該流路切換弁を駆動するための流路切換ソレノイド、賞球用流路を流れる賞球を検出するための賞球検出センサ、貸球用流路を流れる貸球を検出するための貸球検出センサなどが配設されている。
上記案内樋は、上皿に収容しきれずにオーバーフローした球を下皿に流下案内するためのオーバーフロー流路を備え、このオーバーフロー流路には、該オーバーフロー流路における球の滞留状態を検出するためのオーバーフロースイッチが配設されている。
【0031】
電源供給装置は、電源回路を有し、遊技制御装置20、排出制御装置30、演出制御装置50等の電気的に駆動する各構成要素に対し、それぞれ所定の電力を供給するようになっている。
電源供給装置は、ロジック電源回路を備えている。このロジック電源回路はDC12Vを元にDC5Vを生成する回路で、このロジック電源回路にはダイオードを介して、遊技制御装置20のRAM21b、排出制御装置30のRAM31b、コンデンサが並列接続されている。従って、このコンデンサがRAM21b、31bのバックアップ用電源として機能し、例えば、停電時など、RAM21b、31bへの電源供給が遮断されても、RAM21b、31bの記憶内容が所定時間保持されるようになっている。
【0032】
また、遊技制御装置(遊技制御手段)20は、図7に示すように、CPU(Central Processing Unit)21a、RAM(Random Access Memory)21b及びROM(Read Only Memory)21cを備えた遊技用マイクロコンピュータ21、インターフェース23、クロック22等を備えて構成されている。
このうち、CPU21aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う。
RAM21bは、第1始動口センサ、第2始動口センサのオン信号の記憶の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域、並びに、CPU21aの作業領域を備えている。
ROM21cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、種々の判定値などが書き込まれている。
【0033】
遊技制御装置20のインターフェース23には、各種検出手段(第1始動口センサ4a,4a、第2始動口センサ5a、特別入賞口センサ11a、入賞球検出センサ17a,17a、入賞口センサ6a,…)などが、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して接続されていて、これらから出力される各種信号をCPU21aに出力している。
【0034】
また、インターフェース23は、CPU21aから出力される制御信号を入力して、図示しない出力ポート及びドライバーを介して、遊技盤用外部出力端子板28、演出制御装置50、可動部材を開閉するための可動部材開放ソレノイド8a,8a、役物回転モータ14m、球貯留ソレノイド15s,15sなどに出力している。
【0035】
さらに、遊技制御装置20のCPU21aは、遊技盤に備えられる入賞口に遊技球が入賞したかどうかを監視しており、入賞口におけるセンサ(第1始動口センサ4a,4a、第2始動口センサ5a、入賞球検出センサ17a,17a、入賞口センサ6a,…)から入賞球の検出信号が入力された場合に、当該入賞が有効かどうかを判断し、入賞が有効な場合に、それら検出信号に基づいて、排出制御装置30に指令信号(賞球制御指令)を送って(その入賞に対応する賞球数データを出力して)、排出装置80より所要数の賞球を排出させる。
【0036】
また、遊技中、遊技球が第1始動口4,4又は第2始動口5に入賞すると、それぞれ第1始動口センサ4a,4a又は第2始動口センサ5aからの検出信号が遊技制御装置20のCPU21aに入力される。するとCPU21aは、当該入賞が有効かどうかを判断し、入賞が有効な場合には、補助遊技発生条件が成立したとして、それぞれ可動部材8,8を所定数だけ開閉動作させる補助遊技を発生させる。
この開閉動作に関連して、遊技球が特別変動入賞装置3の内部に流入すると、入賞球検出センサ17aを通過する。ここで、前記入賞球検出センサ17aにおいて遊技球の検出が有効となっている場合には、当該入賞に対応する賞球数データを排出制御装置(排出制御手段)30に対して出力する。
そして、この流入した遊技球が特別入賞口11に入賞すると、特別入賞口センサ11aからの検出信号がCPU21aに入力される。この入力に基づき、CPU21aは、特別入賞口センサ11aにおいて遊技球の検出が有効となっているかどうかを判断し、当該特別入賞口センサ11aにおいて遊技球の検出が有効となっている場合には、特別遊技発生条件が成立したと判断し、大当りと呼ばれる特別遊技状態を発生させる。
【0037】
このように特別遊技状態を発生させる際には、CPU21aは、演出制御装置50に指令信号を送り、当該指令信号を受けて当該演出制御装置50が表示装置40に種々の表示を行わせるように制御したり、スピーカ60より出力される効果音や音声を制御したり、各種装飾ランプ・LED70(例えば、サイドランプ19,19等)の点灯・点滅状態を制御したりする。
【0038】
特別遊技状態中は、可動部材8,8を間欠的に開閉しながら行われるサイクル遊技が所定ラウンド数を上限に行われる。このサイクル遊技は、前記可動部材8,8が前記補助遊技における開閉回数よりも多い開閉回数を最大開閉回数とする開閉動作を行う遊技である。
また、このサイクル遊技は、各サイクル遊技中に前記変動入賞装置に受け入れられた遊技球が特別入賞口11に入賞する継続入賞が発生することを条件(継続条件)に新たなサイクル遊技が継続して行われ(これをラウンド継続という)、ラウンド継続の結果所定の最終ラウンド(例えば、本実施の形態の場合15ラウンド)に達した場合には、たとえこの最終ラウンドで継続入賞が発生したとしても当該最終ラウンドを以て終了条件が成立して終了する。
このような特別遊技状態中は、一般入賞口12および特別入賞口11への多数の入賞を発生させやすくなり、遊技者は大量の遊技球を獲得する機会を得る。
【0039】
なお、各入賞口におけるセンサから遊技制御装置20(特にはCPU21a)に入賞球の検出信号が送られた場合には、前記したように、当該入賞が有効かどうかの判断を行うようになっているが、この実施の形態では、各センサによって当該入賞が有効か無効かの判断基準が異なっている。
例えば、第1始動口センサ4a及び第2始動口センサ5aでは、遊技状態が補助遊技又は特別遊技状態中である場合は、遊技球の入賞(検出)を無効とし、それ以外の遊技状態の場合は、遊技球の入賞(検出)を有効とするようになっている。
【0040】
また、入賞球検出センサ17aでは、原則として、特別遊技状態が発生している場合は、遊技球の入賞(検出)を有効とし、特別遊技状態以外の場合は、遊技球の入賞(検出)を無効としている(遊技制御手段20の中の球検出無効手段による)。しかし、この実施の形態では、さらに、遊技制御手段20の中に球検出有効化手段を備えており、特別遊技状態以外であるにも拘わらず、補助遊技の発生があった場合に限り、前記入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出を所定時間有効とするようになっている。ここでは、遊技球が第1始動口センサ4aに入賞したことによって補助遊技が発生した場合には、2秒間だけ入賞球検出センサ17aを有効とし、遊技球が第2始動口センサ5aに入賞したことによって補助遊技が発生した場合には、3秒間だけ入賞球検出センサ17aを有効とするようになっている。
【0041】
さらに、特別入賞口センサ11aでは、原則として、特別遊技状態が発生している場合は、遊技球の入賞(検出)を有効とし、特別遊技状態以外の場合は、遊技球の入賞(検出)を無効としている(遊技制御手段20の中の特別入賞口球検出無効手段による)。しかし、この実施の形態では、さらに、遊技制御手段20の中に特別入賞口球検出有効化手段を備えており、特別遊技状態以外であるにも拘わらず、補助遊技の発生があった場合に限り、前記特別入賞口センサ11aによる遊技球の検出を所定時間有効とするようになっている。ここでは、遊技球が第1始動口センサ4aに入賞したことによって補助遊技が発生した場合には、3秒間だけ特別入賞口センサ11aを有効とし、遊技球が第2始動口センサ5aに入賞したことによって補助遊技が発生した場合には、4.2秒間だけ特別入賞口センサ11aを有効とするようになっている。
また、この実施の形態では、その他の入賞口センサ6aでは、遊技状態に拘わらず、常に遊技球の入賞を有効としている。
【0042】
排出制御装置30は、図7に示すように、CPU31a、ROM31c、RAM31b、インターフェース32等を備えて構成されている。
インターフェース32には、流路切換ユニットの貸球検出センサ及び賞球検出センサ、オーバーフローセンサ、カードユニット500、遊技制御装置20などが接続されていて、これらから出力される各種信号をCPU31aに出力している。
また、インターフェース32は、CPU31aから出力される制御信号を入力して、排出装置80の球排出モータ及びストッパーソレノイド、カードユニット500、流路切換ユニットの流路切換ソレノイドなどに出力している。
即ち、排出制御装置30のCPU31aは、遊技制御装置20から入力される賞球制御指令(遊技制御手段から出力された賞球数データの受信)やカードユニット500から入力される貸球制御指令に基づいて、流路切換ユニットの流路切換に制御信号を送って、排出装置80からの球排出流路を賞球用流路又は貸球用流路の何れか一方に切り換えると共に、排出装置の球排出モータ及びストッパーソレノイドに制御信号を送って、排出装置80より所要数の球を排出させる(前記賞球数データに基づく賞球排出を行う)制御を行う。
【0043】
演出制御装置50は、図7に示すように、CPU51a、RAM51b、ROM51c、インターフェース52などを備えている。このうちCPU51aは、その内部に制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタなどを備えてなり、遊技制御装置20とインターフェース52を介して接続されている。ROM51cには、表示制御プログラム、装飾制御プログラム及び音制御プログラムや表示制御データ、装飾制御データ、音制御データ等が書き込まれている。RAM51bは、各種データを一時的に記憶する記憶領域やCPU51aの作業領域などを備えている。
【0044】
演出制御装置50は、遊技制御装置20から出力される演出制御データの中の表示制御情報に基づいて、表示装置40に各種の演出表示や、その他の各種情報表示などを行わせる表示制御を行う。
【0045】
さらに、演出制御装置50は、インターフェース52を介して装飾LED70(例えば、サイドランプ19等)、表示装置40、スピーカ60等に接続されている。
そして、演出制御装置50は、遊技制御装置20から出力される演出制御データの中の装飾制御指令に基づいて装飾LED70等の点灯状態を制御したり、遊技制御装置20から出力される演出制御データの中の音制御指令に基づいてスピーカ60の出力音を制御したりする。
パチンコ遊技機100は、概略、以上のように構成されている。
【0046】
次に、特別変動入賞装置3の内部の構成ならびに動作について詳細に説明する。
【0047】
先ず、上述のように、特別変動入賞装置3は一対の可動部材8,8を備え、例えば図3に示すように、これら可動部材8,8が開動作した際には、遊技球が当該特別変動入賞装置3内に流入可能となる。
特別変動入賞装置3の内部の上部には、流入した遊技球を当該特別変動入賞装置3の内部領域の奥へと案内する案内部材16(例えば板状のもの)が略水平に設けられている。この案内部材16の奥側部分には、遊技球を該案内部材16の下側へと通過可能な通過穴17,17が(例えば左右一対に)設けられている。これら通過穴17,17には、該通過穴17,17を通過する遊技球を検出する遊技球検出センサ(入賞球検出センサ)17a,17aが設けられている。
【0048】
案内部材16の下側には、通過穴17、17を介して案内部材16の下側に流下する遊技球の障害となる障害部材18が設けられている。
この障害部材18の上面は、切り妻屋根状の屋根部18aとなっている。
この屋根部18aは、比較的緩やかに左右対称に下り傾斜するように形成された頂部18bと、該頂部18bと連接され、該頂部18bよりも急な傾斜で左右対称に下り傾斜するように、それぞれ円弧状にくぼんだ円弧状部18c,18cとを備えて構成されている。なお、頂部18bは、少なくとも遊技球1個分よりも大きな横幅に設定されている。
また、障害部材18には、障害部材18の後方から手前側に貫通した貫通孔部18d(図4等)が形成されている。この貫通孔部18dは1個の遊技球を通過可能な程度の内径に設定されている。
【0049】
この障害部材18上に落下した遊技球は、通常、屋根部18aにより左右に振り分けられるように流下案内される。ただし、後述するように、頂部18bの左右両脇に回転体14,140の起立壁部14bが位置する際には、起立壁部14bにより遊技球が屋根部18aの頂部18b上を後方に案内され、該頂部18bの後方に形成された障害部材18の貫通孔部18d内に落下、侵入する。この落下した遊技球は、前記貫通孔部18d内を移動して手前側に案内され、貫通孔部18dの前方に排出される。なお、貫通孔部18dの出口の鉛直位置は、後述する入賞球用通路T1に遊技球がスムーズに移動できるように、特別変動入賞装置3の内部領域の底面Tよりも高い位置(入賞球用通路T1と同じ位置又は入賞球用通路T1より高い位置)にある。
【0050】
また、上記回転体14,140は、それぞれ正面を向いた状態で障害部材18の円弧状部18c、18cに沿って鉛直方向に回転可能となるように、左右対称に配設されている。
ここで、図8に示すように、回転体140は、円板状の本体部140aと、この本体部140aの裏面の周縁部の所定部分から後方に向けて起立する起立壁部14b(図3等も参照)とを備えて構成されている。具体的には、回転体140には、例えば中心角が約45度の2つの円弧状の起立壁部14b,14bが、中心角約120度の間隔を空けた位置に設けられている。さらに、本体部140aの正面側には、起立壁部14b,14bの位置にそれぞれ対応して、例えばジャンケンの「チョキ」を模した図柄が付されている。また、この「チョキ」の他、「グー」を模した図柄が付されている。この結果、「チョキ」、「チョキ」、「グー」の図柄が等間隔(約120度間隔)に配されている。
他方、回転体14は、回転体140の本体部140aと同様の形状の本体部14aの裏面側に、回転体140と同様の起立壁部14bを、例えば1つだけ備えている。そして、本体部14aの正面側には、起立壁部14bの位置に対応して、「チョキ」を模した図柄が付され、この「チョキ」の図柄を起点として時計回りに、「グー」、「グー」の図柄が順次、等間隔(約120度間隔)に付されている。
【0051】
また、回転体14,140は互いに同期した状態で内部機構変換モータ(役物回転モータ)14m(図7,図9)により駆動されるようになっている。すなわち、例えば、回転体140は、時計回りに、また、回転体14は、反時計回りに、同じスピードで回転するようになっている。さらに、図8等に示すように、回転体14の「チョキ」の図柄と、回転体140の「チョキ」図柄の1つとが同期し、回転体140の「グー」の図柄と、回転体14の「グー」図柄の1つとが同期して、左右対称に回転動作するようになっている。
このように、2つの回転体14,140は、互いに同期して回転する。
従って、回転体14の起立壁部14bと,回転体140の一方の起立壁部14b同士が互いに近づいて向き合ったり、遠ざかったりする動作を繰り返すことになる。
【0052】
なお、2つ回転体14,140は、停止の際にも互いに同期する。具体的には、図9に示すように、役物回転モータ14mの動力を回転体14の本体部14aの裏面側に伝達する軸には、軸と共に回転する回転体位置検出用突出部が設けられている(ここでは、14c,14d,14eの3つの回転体位置検出用突出部が、本体部14aの正面側の図柄位置に合わせて設けられている)。また、この回転体位置検出用突出部14c,14d,14eに対応する回転体位置検出センサ14f,14g,14hが設けられている。ここでは、コ字状の凹部を有するセンサであり、突出部がこの凹部に入ることにより位置検出を行う電磁感応式のセンサを用いている。
【0053】
そして、回転体位置検出用突出部14cが回転体位置検出センサ14fの位置に達すると、図4に示すように回転体14,140の「チョキ」同士が近づいた状態となり、回転体位置検出用突出部14dが回転体位置検出センサ14gの位置に達すると、図5に示すように回転体14の「グー」と回転体140の「チョキ」が近づいた状態となり、回転体位置検出用突出部14eが回転体位置検出センサ14hの位置に達すると、図3に示すように回転体14,140の「グー」同士が近づいた状態となる。
【0054】
貯留部材15,15は、図3等に示すように、例えば本体部15a,15aと、この本体部15a,15aの正面側に設けられ、双方の貯留部材15,15が手前側に閉じた際に遊技球を貯留するための貯留部15b,15bとを備えて構成されている。
これら貯留部材15,15は、それぞれ本体部15a,15aの板面方向を鉛直方向に保ったまま、各々の軸部15j、15jを軸に手前側に回動可能となっている。これら貯留部材15,15は、貯留状態変換ソレノイド15s,15s(図7)の駆動により、互いに左右対称に回動することで、開閉動作する。
また、これら貯留部材15,15は、開動作した状態(図4等)では、互いの間隔に遊技球を1個通過可能な程度の間隔で左右対称に配されている。
さらに、貯留部材15,15の各本体部15a,15aの外側部分の下部は、これら貯留部材15,15が開動作した際(例えば図3の状態)に該本体部15a,15aの下側を遊技球が通過可能となるように切り欠かれた切り欠き部15c,15cとなっている。
なお、貯留部材15,15の開閉動作は、左右対称に限るものではなく、例えば、一方を開状態、他方を閉状態とすることもできる。
【0055】
特別変動入賞装置3の内部領域の底面Tの中央部には、貯留部材15,15どうしの間隔の下側部分から、特別入賞口11に至る入賞球用通路T1が形成されている。この入賞球用通路T1は、底面Tの他の部分よりも若干高い段差部となっている。
なお、底面T(入賞球用通路T1も含む)は、手前側に向けて若干の下り傾斜を有する。従って、該底面Tまで流下した遊技球は、この下り傾斜に沿って、手前側の一般入賞口12または特別入賞口11に案内される。
【0056】
ここで、障害部材18の貫通孔部18dの出口、貯留部材15,15どうしの間隔、および入賞球用通路T1の、それぞれの水平方向中心位置は、パチンコ遊技機100を正面視した際、特別入賞口11の水平方向中心位置と一致する。
従って、通過穴17,17を介して案内部材16よりも下側に流下し、起立壁部14bに沿って屋根部18a上を後方に案内され、貫通孔部18dに侵入して手前側に排出される遊技球は、貯留部材15,15どうしの間隔を通過し易く、しかも、入賞球用通路T1上を手前側に向けて転がって特別入賞口11内に入賞し易い(図4等参照)。
他方、通過穴17,17を介して案内部材16よりも下側に流下したものの、起立壁部14b,14bにより案内されず、屋根部18aの円弧状部18cにより左右に振り分けられる遊技球は、貯留部材15,15の左右を回り込んでから手前側に至り易いため、特別入賞口11内には入賞し難く、一般入賞口12に入賞し易い(図3等)。
【0057】
例えば、図4に示すように、回転体14,140の双方の起立壁部14b、14bの一部ずつが、障害部材18の屋根部18aの頂部18bよりも上側に突出した状態で向き合うことにより、頂部18bの左右両脇に起立壁部14b、14bが位置する際には、通過穴17、17を介して案内部材16の下側に流下した遊技球は屋根部18aの頂部18b上を起立壁部14b、14bにより後方に案内され易く、このように案内された遊技球は、該頂部18bの後方に形成された障害部材18の貫通孔部18d内に落下、侵入する。この落下した遊技球は、前記貫通孔部18d内を移動して手前側に案内された後、排出される。さらに、この排出された遊技球は、貯留部材15,15の間隔を介して入賞球用通路T1上を前方に転がり易い。このように案内される遊技球は、特別入賞口11に極めて入賞し易い。
【0058】
他方、図6に示すように、回転体14,140は図4と同じ状態であるが、貯留部材15,15が閉状態の時には、通過穴17、17を介して案内部材16の下側に流下した遊技球は屋根部18aの頂部18b上を起立壁部14b、14bにより後方に案内され易く、このように案内された遊技球は、該頂部18bの後方に形成された障害部材18の貫通孔部18d内に落下、侵入する。この落下した遊技球は、前記貫通孔部18d内を移動して手前側に案内された後、排出される。さらに、この排出された遊技球は、閉状態の貯留部材15,15の貯留部15b、15bに貯留され易い(ただし貯留されるのは1個の遊技球のみ)。
そして、貯留された遊技球は、その後、貯留部材15,15が開動作した際に、入賞球用通路T1上を前方に転がり易く、このように案内される遊技球は、特別入賞口11に極めて入賞し易い。
なお、この図4、図6に示すような回転体14,140の状態を、「回転体第1状態」とする。
【0059】
例えば、図5に示すように、頂部18bの片側(例えば、左側)のみに起立壁部14bが位置する際には、上記回転体第1状態と比べると屋根部18aによって逆側(例えば、右側)に案内され易く、後方には案内され難い。従って、この場合、上記回転体第1状態に比べて特別入賞口11に入賞し難い。
ただし、頂部18bの片側には、起立壁部14bが位置するので、起立壁部14bが位置する側の通過孔17を介して落下した場合には、ある程度の割合で屋根部18aの頂部18b上を一方の起立壁部14bによって後方に案内されるので、ある程度の割合で特別入賞口11に入賞する可能性がある。
【0060】
例えば、図3に示すように、頂部18bの左右両脇に、ともに回転体14,140の起立壁部14bが位置しない際には、通過穴17、17を介して案内部材16の下側に流下した遊技球は屋根部18aにより左右両側に振り分けられやすく、後方には殆ど案内されない。従って、貯留部材15,15の左右いずれかの脇を介して前方に転がり易い。このように、図3に示すような状態では、遊技球が特別入賞口11に入賞し難い。
【0061】
なお、図示しないが、遊技球を特別入賞口11に入賞させたくない場合は、貯留部材15の片方のみ(左右のどちらか一方)を図6に示すような閉状態に回転させておく(もう片方は開状態のまま)ことで、さらに、遊技球が特別入賞口11に入賞し難い状態とすることができる。すなわち、障害部材18の屋根部18aの頂部18bにおいて、遊技球が、後方に形成された貫通孔部18d内に侵入して手前側に案内され、貫通孔部18dの前方に排出された場合でも、貯留部材15の片方のみが閉状態となっていると、当該閉状態の貯留部材15が障害物となって、貫通孔部18dから排出された遊技球を特別入賞口11に入賞させやすい入賞球用通路T1から外すことができる。その結果、遊技球は特別入賞口11に極めて入賞し難くなる。
【0062】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機100の制御手段(主に遊技制御手段としての遊技制御装置20)における遊技制御の詳細について説明する。
【0063】
まず、図10に示すように、遊技制御装置20では、初期化処理を行う(ステップS1)。この初期化処理は、電源オン時又はリセット後に1回のみ行われる処理であり、RAM21bにエラーが含まれているかどうか判定し、エラーが含まれている場合には、RAM21bを初期化すると共に、各種フラグの初期化設定が行われる。さらに、割込処理を実行するタイミングを規定するタイマ割込時間(例えば、4ms)をCPU21aに設定する処理を行う。また、種々のタイマがセットされると共に、演出制御装置50へ初期化コマンドを出力する処理が行われる。
【0064】
次に、前記した球検出無効手段、球検出有効化手段、特別入賞口球検出無効手段、特別入賞口球検出有効化手段を含む遊技制御装置(遊技制御手段)20において、始動口センサ判定処理(ステップS2)を行い、始動入賞開閉処理(ステップS3)を行う。
【0065】
始動口センサ判定処理では、図12に示すように、まず、第2始動口センサ5aがオンとなっているかどうかの判定を行う(ステップS21)。ここで、第2始動口センサ5aがオンである場合には、可動部材8,8の作動回数を2回に設定し(ステップS22)、可動部材8,8の開放時間に0.5秒を設定し(ステップS23)、可動部材8,8の閉止時間に0.6秒を設定し(ステップS24)、特別入賞口センサ11aの有効時間に4.2秒を設定し(ステップS25)、入賞球検出センサ17a,17aの有効時間に3秒を設定する(ステップS26)。その後、始動口センサ無効化フラグをセットし(ステップS33)、補助遊技を発生させる。
【0066】
一方、ステップS21で第2始動口センサ5aがオンでない場合は、次に、第1始動口センサ4a,4aがオンとなっているかどうかの判定を行う(ステップS27)。ここで、第1始動口センサ4a,4aがオンでない場合は、前記S21に戻り、第2始動口センサ5aか第1始動口センサ4a,4aがオンとなるまで、S21とS22の判定を繰り返す。第1始動口センサ4a,4aがオンである場合には、可動部材8,8の作動回数を1回に設定し(ステップS28)、可動部材8,8の開放時間に0.4秒を設定し(ステップS29)、可動部材8,8の閉止時間に0秒(プログラム上、閉止時間を設定する必要があるためダミーを設定する)を設定し(ステップS30)、特別入賞口センサ11aの有効時間に3秒を設定し(ステップS31)、入賞球検出センサ17a,17aの有効時間に2秒を設定する(ステップS32)。その後、始動口センサ無効化フラグをセットし(ステップS33)、補助遊技を発生させる。
【0067】
始動入賞開閉処理では、図13及び図14に示すように、まず、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオン状態(可動部材8,8が開状態)か否かの判定を行う(ステップS41)。ここで、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオン状態である場合は、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオフ状態(可動部材8,8を閉状態)にし(ステップS42)、制御タイマに閉止時間を設定し(ステップS43)、作動回数を−1更新する(ステップS44)。
【0068】
そして、作動回数が0になったか否かの判定を行い(ステップS45)、作動回数が0の場合には、始動センサ無効化フラグをクリアし(ステップS46)、制御タイマをクリアする(ステップS47)。それから、入賞球検出センサ17a,17aの有効時間がタイムアップしているか否かの判定を行い(ステップS57)、まだ、タイムアップしていない場合は、入賞球検出センサ17a,17aがオン状態か否かの判定を行う(ステップS58)。
【0069】
ここで、入賞球検出センサ17a,17aがオン状態の場合には、15個賞球数データを排出制御装置に送信する(ステップS59)。その後、特別入賞口センサ11aの有効時間がタイムアップしているか否かの判定を行い(ステップS60)、タイムアップしている場合は、そのまま当該処理を終了し、タイムアップしていない場合は、特別入賞口センサ11aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS61)、特別入賞口センサ11aがオン状態のときは、大当りフラグをセットし(ステップS62)、当該処理を終了する。また、特別入賞口センサ11aがオフ状態のときは、S57に戻り、ここからの処理を繰り返す。なお、S57で入賞球検出センサ17a,17aの有効時間がタイムアップしている場合及びS58で入賞球検出センサ17a,17aがオフ状態の場合には、そのままS60の判定に飛ぶようになっている。
【0070】
前記S45で作動回数が0でない場合には、特別入賞口センサ11aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS50)、オン状態のときは変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオフ状態にし(ステップS51)、制御タイマをクリアし(ステップS52)、作動回数をクリアする(ステップS53)。その後、大当りフラグをセットし(ステップS62)、当該処理を終了する。
【0071】
前記S50で特別入賞口センサ11aがオフ状態のときは、次に入賞球検出センサ17a,17aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS54)、オン状態のときには、15個賞球数データを排出制御装置30に送信(ステップS55)した後、制御タイマがタイムアップか否かの判定を行う(ステップS56)。ここで、タイムアップしている場合にはS41に戻り、タイムアップしていない場合にはS50に戻る。なお、S54で入賞球検出センサ17a,17aがオフ状態のときは、S55を飛ばしてS56の判定を行う。
【0072】
前記S41で変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオフ状態(可動部材8,8が閉状態)のときは変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオン状態(可動部材8,8を開状態)にし(ステップS48)、制御タイマに開放時間を設定する(ステップS49)。その後、S50で特別入賞口センサ11aがオンの状態か否かの判定を行い、その後は前記したのと同様に処理を進める。
【0073】
なお、前記処理の結果、図15に示すように、第1始動口4,4に入賞球が入賞して第1始動口センサ4a,4aがオンとなった場合には、第1始動口センサ4a,4aがオンとなったときt1からt2までの0.4秒間、可動部材開放ソレノイド8a,8aをオン状態として可動部材を開状態とすると共に、始動口センサ(第1始動口センサ4a,4a及び第2始動口センサ5a)を無効にする。また、入賞球検出センサ17a,17aは可動部材8,8が閉状態となってからt4までの2秒間も有効となり、計2.4秒間有効となる。さらに、特別入賞口センサ11aは可動部材8,8が閉状態となってからt3までの3秒間も有効となり、計3.4秒間有効となる。
【0074】
また、前記処理の結果、図16に示すように、第2始動口5に入賞球が入賞して第2始動口センサ5aがオンとなった場合には、第2始動口センサ5aがオンとなったときt11からt12までの0.5秒間、可動部材開放ソレノイド8a,8aをオン状態として可動部材を開状態とし、t12からt13までの0.6秒間の可動部材開放ソレノイド8a,8aのオフ状態(可動部材の閉状態)を挟んで、t13からt14までの0.5秒間、可動部材開放ソレノイド8a,8aを再びオン状態として可動部材を開状態とする。そして、その間(t11からt14までの計1.6秒間)、始動口センサ(第1始動口センサ4a,4a及び第2始動口センサ5a)を無効にする。また、入賞球検出センサ17a,17aは可動部材8,8が2回目に閉状態となったときt14からt16までの3秒間も有効となり、計4.6秒間有効となる。さらに、特別入賞口センサ11aは可動部材8,8が2回目に閉状態となったときt14からt15までの4.2秒間も有効となり、計5.8秒間有効となる。
【0075】
その後、図10の遊技制御処理に戻って、大当りフラグがセットされているか否かの判定を行い(ステップS4)、大当りフラグがセットされていれば大当り処理(ステップS5)を行って前記したような特別遊技状態を発生させ、大当りフラグがセットされていない場合は始動口センサ判定処理S2に戻る。
【0076】
なお、この実施の形態では、所定時間毎にタイマ割込処理が行われている。ここでは、図11に示すように、各種センサ監視処理(ステップS11)、各種データ送信処理(ステップS12)、各種タイマ更新処理(ステップS13)が所定時間毎(例えば、4ms毎)に行われるようになっている。
具体的には、各種センサ監視処理S11は、変動入賞装置3内以外の入賞口に遊技球が入賞したか否かを検出するための入賞口センサ6aを監視する処理である。
また、各種データ送信処理では、変動入賞装置3内以外の入賞口に遊技球が入賞したことに対する賞球数データを排出制御装置30に送信したり、始動口入賞に基づいて表示演出データを演出制御装置50に送信したりする。
さらに、各種タイマ更新処理は、この実施の形態における制御タイマや、特別入賞口センサ11aや入賞球検出センサ17a,17aの有効時間を計数するためのタイマを更新する処理である。
【0077】
〔第2の実施の形態〕
上記の第1の実施の形態では、センサのオンオフを時間によってのみ制御してきたが、この第2の実施の形態では、時間の他、入賞球検出センサ17aが正常な数を超える入賞球を検出した場合にもセンサオフ状態にできるようになっている。さらに、この第2の実施の形態では、入賞球検出センサ17aが正常な数を超える入賞球を検出した場合に、前記回転体14,140や貯留部材15,15等で構成される状態変化機構の機構状態を変化させることにより、遊技球の特別入賞口への入賞のし易さを変化させるようにもなっている。
【0078】
このため、第2の実施の形態では、制御手段(ここでは遊技制御手段20)は、入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出が有効な時間中に前記入賞球検出センサ17aにより検出した球数を計数する入賞球計数手段を備えており、前記遊技制御手段20の中の球検出有効化手段は、前記入賞球計数手段の計数結果が所定数(ここでは9個)に達した場合、前記入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出が有効な時間中であっても前記入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出を無効にする機能を備えている。
また、前記遊技制御手段20は、前記入賞球計数手段の計数結果が所定数に達した時点以降に特別入賞口11への入賞があっても、その入賞を無効化する第1特別入賞無効化手段を備えている。
【0079】
さらに、遊技制御手段20は、可動部材8,8により受け入れられた遊技球の特別入賞口11への入賞し易さを変化させる入賞難易度変化手段を備えており、前記入賞難易度変化手段は、前記入賞球計数手段の計数結果が所定数に達した場合、遊技球が特別入賞口11に入賞し難い状態に変化させる制御を行う第1特別入賞難状態制御手段を備えている。ここでは、第1特別入賞難状態制御手段の制御によって、状態変化機構を構成する回転体14,140及び貯留部材15,15の機構状態を変化させて、遊技球が特別入賞口11に入賞し難い状態にするようになっている。
なお、遊技制御処理に関しては、この第2の実施の形態では、特に始動入賞開閉処理が前記第1の実施の形態と異なるため、当該処理について説明し、他の処理や構成についての説明は省略する。
【0080】
この実施の形態の始動入賞開閉処理では、図17及び図18に示すように、まず、入賞球検出カウンタ(入賞球計数手段)をクリアする(ステップS71)。次に、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオン状態(可動部材8,8が開状態)か否かの判定を行う(ステップS72)。ここで、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオン状態である場合は、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオフ状態(可動部材8,8を閉状態)にし(ステップS73)、制御タイマに閉止時間を設定し(ステップS74)、作動回数を−1更新する(ステップS75)。
【0081】
そして、作動回数が0になったか否かの判定を行い(ステップS76)、作動回数が0の場合には、始動センサ無効化フラグをクリアし(ステップS77)、制御タイマをクリアする(ステップS78)。それから、入賞球検出センサ17a,17aの有効時間がタイムアップしているか否かの判定を行い(ステップS88)、まだ、タイムアップしていない場合は、入賞球検出センサ17a,17aがオン状態か否かの判定を行う(ステップS89)。
【0082】
ここで、入賞球検出センサ17a,17aがオン状態の場合には、図20に示す入賞球検出センサ処理2を行う(ステップS90)。
入賞球検出センサ処理2では、まず、入賞球検出カウンタを+1し(ステップS111)、15個賞球数データを排出制御装置30に送信する(ステップS112)。それから入賞球検出カウンタが9となったか否かの判定を行い(ステップS113)、9となった場合は、特別入賞口センサ11aの有効時間を強制的にタイムアップさせる(ステップS114)。また、ここでは、状態変化処理を行う(ステップS115)。この状態変化処理により、前記回転体14,140を遊技球が特別入賞口11へ入賞し難い状態(例えば、図3に示すような状態)とし、また、貯留部材15,15の片方を閉じることにより、一層遊技球が特別入賞口11へ入賞し難い状態とするようになっている。そして、当該処理を終了する。
なお、S113で入賞球検出カウンタが9となっていない場合は、そのまま処理を終了する。
【0083】
その後、特別入賞口センサ11aの有効時間がタイムアップしているか否かの判定を行い(ステップS91)、タイムアップしている場合は、そのまま始動入賞開閉処理を終了し、タイムアップしていない場合は、特別入賞口センサ11aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS92)、特別入賞口センサ11aがオン状態のときは、大当りフラグをセットし(ステップS93)、当該処理を終了する。また、特別入賞口センサ11aがオフ状態のときは、S88に戻り、ここからの処理を繰り返す。なお、S88で入賞球検出センサ17a,17aの有効時間がタイムアップしている場合及びS89で入賞球検出センサ17a,17aがオフ状態の場合には、そのままS91の判定に飛ぶようになっている。
【0084】
前記S76で作動回数が0でない場合には、特別入賞口センサ11aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS81)、オン状態のときは変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオフ状態にし(ステップS82)、制御タイマをクリアし(ステップS83)、作動回数をクリアする(ステップS84)。その後、大当りフラグをセットし(ステップS93)、当該処理を終了する。
【0085】
前記S81で特別入賞口センサ11aがオフ状態のときは、次に入賞球検出センサ17a,17aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS85)、オン状態のときには、図19に示す入賞球検出センサ処理1を行う(ステップS86)。
入賞球検出センサ処理1では、まず、入賞球検出カウンタを+1し(ステップS101)、15個賞球数データを排出制御装置30に送信する(ステップS102)。それから入賞球検出カウンタが9となったか否かの判定を行い(ステップS103)、9となった場合は、制御タイマを強制的にタイムアップさせ(ステップS104)、作動回数を1に設定し(ステップS105)、入賞球検出センサ17a,17aの有効時間を強制的にタイムアップさせ(ステップS106)、特別入賞口センサ11aの有効時間を強制的にタイムアップさせる(ステップS107)。また、ここでは、状態変化処理を行う(ステップS108)。この状態変化処理により、前記回転体14,140を遊技球が特別入賞口11へ入賞し難い状態(例えば、図3に示すような状態)とし、また、貯留部材15,15の片方を閉じることにより、一層遊技球が特別入賞口11へ入賞し難い状態とするようになっている。そして、当該処理を終了する。
なお、S103で入賞球検出カウンタが9となっていない場合は、そのまま処理を終了する。
【0086】
入賞球検出センサ処理1が終了した後、制御タイマがタイムアップか否かの判定を行う(ステップS87)。ここで、タイムアップしている場合にはS72に戻り、タイムアップしていない場合にはS81に戻る。なお、S85で入賞球検出センサ17a,17aがオフ状態のときは、S86を飛ばしてS87の判定を行う。
【0087】
前記S72で変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオフ状態(可動部材8,8が閉状態)のときは変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオン状態(可動部材8,8を開状態)にし(ステップS79)、制御タイマに開放時間を設定する(ステップS80)。その後、S81で特別入賞口センサ11aがオンの状態か否かの判定を行い、その後は前記したのと同様に処理を進める。
【0088】
〔第3の実施の形態〕
上記の第2の実施の形態では、センサのオンオフを時間によって制御する他、入賞球検出センサ17aが正常な数を超える入賞球を検出した場合にもセンサオフ状態にできるようにしたが、この第3の実施の形態では、時間の他、入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出に基づき発生する賞球の加算データが正常な数を超えた場合にセンサオフ状態にできるようになっている。さらに、この第3の実施の形態では、入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出に基づき発生する賞球の加算データが正常な数を超えた場合に、前記回転体14,140や貯留部材15,15等で構成される状態変化機構の機構状態を変化させることにより、遊技球の特別入賞口への入賞のし易さを変化させるようにもなっている。
【0089】
このため、第3の実施の形態では、制御手段(ここでは遊技制御手段20)は、入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出が有効な時間中に、前記入賞球検出センサ17aが遊技球を検出したことに基づき発生した賞球数データを排出制御手段30に送信する前に、その賞球数データが示す数値を加算して記憶する賞球数データ加算記憶手段を備えており、前記遊技制御手段20の中の球検出有効化手段は、前記賞球数データ加算記憶手段の加算記憶結果が上限数(ここでは125個)に達した場合、前記入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出が有効な時間中であっても前記入賞球検出センサ17aによる遊技球の検出を無効にする機能を備えている。
また、前記遊技制御手段20は、前記賞球数データ加算記憶手段の加算記憶結果が上限数に達した時点以降に特別入賞口11への入賞があっても、その入賞を無効化する第2特別入賞無効化手段を備えている。
なお、この実施の形態では、前記賞球数データ加算記憶手段は、加算記憶結果が上限数に達した場合、その加算記憶結果から上限数を減算した数値を余り数値データとして記憶し、上限数に達した際の賞球数データが示す数値から前記余り数値データが示す数値を減算した数値データを賞球数データとして送信する最後賞球数データ送信手段を含んでいる。
【0090】
さらに、遊技制御手段20は、可動部材8,8により受け入れられた遊技球の特別入賞口11への入賞し易さを変化させる入賞難易度変化手段を備えており、前記入賞難易度変化手段は、前記賞球数データ加算記憶手段の加算記憶結果が上限数に達した場合、遊技球が特別入賞口11に入賞し難い状態に変化させる制御を行う第2特別入賞難状態制御手段を備えている。ここでは、第2特別入賞難状態制御手段の制御によって、状態変化機構を構成する回転体14,140及び貯留部材15,15の機構状態を変化させて、遊技球が特別入賞口11に入賞し難い状態にするようになっている。
なお、遊技制御処理に関しては、この第3の実施の形態では、特に始動入賞開閉処理が前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なるため、当該処理について説明し、他の処理や構成についての説明は省略する。
【0091】
この実施の形態の始動入賞開閉処理では、図21及び図22に示すように、まず、入賞球検出センサ用賞球数加算カウンタ(賞球数データ加算記憶手段)をクリアする(ステップS121)。次に、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオン状態(可動部材8,8が開状態)か否かの判定を行う(ステップS122)。ここで、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオン状態である場合は、変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオフ状態(可動部材8,8を閉状態)にし(ステップS123)、制御タイマに閉止時間を設定し(ステップS124)、作動回数を−1更新する(ステップS125)。
【0092】
そして、作動回数が0になったか否かの判定を行い(ステップS126)、作動回数が0の場合には、始動センサ無効化フラグをクリアし(ステップS127)、制御タイマをクリアする(ステップS128)。それから、入賞球検出センサ17a,17aの有効時間がタイムアップしているか否かの判定を行い(ステップS138)、まだ、タイムアップしていない場合は、入賞球検出センサ17a,17aがオン状態か否かの判定を行う(ステップS139)。
【0093】
ここで、入賞球検出センサ17a,17aがオン状態の場合には、図24に示す入賞球検出センサ賞球数データ送信処理2を行う(ステップS140)。
入賞球検出センサ賞球数データ送信処理2では、まず、入賞球検出センサ用賞球数加算カウンタtに15を加算する(ステップS171)。次に、125≦tかどうかの判定を行い(ステップS172)、125≦tである場合(加算記憶結果が上限数に達した場合)には、前記した最後賞球数データ送信手段によって、t−125=sの計算(その加算記憶結果から上限数を減算した数値を余り数値データsとして記憶)を行い(ステップS173)、15−s個データを賞球数データとして排出制御装置30へ送信(上限数に達した際の賞球数データが示す数値(ここでは15個)から前記余り数値データsが示す数値を減算した数値データを賞球数データとして送信)し(ステップS174)、その後、特別入賞口センサ11aの有効時間を強制的にタイムアップさせる(ステップS175)。また、ここでは、状態変化処理を行う(ステップS176)。この状態変化処理により、前記回転体14,140を遊技球が特別入賞口11へ入賞し難い状態(例えば、図3に示すような状態)とし、また、貯留部材15,15の片方を閉じることにより、一層遊技球が特別入賞口11へ入賞し難い状態とするようになっている。そして、当該処理を終了する。
なお、S172で125>tである場合には、15個賞球数データを排出制御装置30に送信し(ステップS177)、入賞球検出センサ賞球数データ送信処理2を終了する。
【0094】
その後、特別入賞口センサ11aの有効時間がタイムアップしているか否かの判定を行い(ステップS141)、タイムアップしている場合は、そのまま始動入賞開閉処理を終了し、タイムアップしていない場合は、特別入賞口センサ11aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS142)、特別入賞口センサ11aがオン状態のときは、大当りフラグをセットし(ステップS143)、当該処理を終了する。また、特別入賞口センサ11aがオフ状態のときは、S138に戻り、ここからの処理を繰り返す。なお、S138で入賞球検出センサ17a,17aの有効時間がタイムアップしている場合及びS139で入賞球検出センサ17a,17aがオフ状態の場合には、そのままS141の判定に飛ぶようになっている。
【0095】
前記S126で作動回数が0でない場合には、特別入賞口センサ11aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS131)、オン状態のときは変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオフ状態にし(ステップS132)、制御タイマをクリアし(ステップS133)、作動回数をクリアする(ステップS134)。その後、大当りフラグをセットし(ステップS143)、当該処理を終了する。
【0096】
前記S131で特別入賞口センサ11aがオフ状態のときは、次に入賞球検出センサ17a,17aがオン状態か否かの判定を行い(ステップS135)、オン状態のときには、図23に示す入賞球検出センサ賞球数データ送信処理1を行う(ステップS136)。
入賞球検出センサ賞球数データ送信処理1では、まず、入賞球検出センサ用賞球数加算カウンタtに15を加算する(ステップS151)。次に、125≦tかどうかの判定を行い(ステップS152)、125≦tである場合(加算記憶結果が上限数に達した場合)には、前記した最後賞球数データ送信手段によって、t−125=sの計算(その加算記憶結果から上限数を減算した数値を余り数値データsとして記憶)を行い(ステップS153)、15−s個データを賞球数データとして排出制御装置30へ送信(上限数に達した際の賞球数データが示す数値(ここでは15個)から前記余り数値データsが示す数値を減算した数値データを賞球数データとして送信)し(ステップS154)、その後、制御タイマを強制的にタイムアップさせ(ステップS155)、作動回数を1に設定し(ステップS156)、入賞球検出センサ17a,17aの有効時間を強制的にタイムアップさせ(ステップS157)、特別入賞口センサ11aの有効時間を強制的にタイムアップさせる(ステップS158)。また、ここでは、状態変化処理を行う(ステップS159)。この状態変化処理により、前記回転体14,140を遊技球が特別入賞口11へ入賞し難い状態(例えば、図3に示すような状態)とし、また、貯留部材15,15の片方を閉じることにより、一層遊技球が特別入賞口11へ入賞し難い状態とするようになっている。そして、当該処理を終了する。
なお、S152で125>tである場合には、15個賞球数データを排出制御装置30に送信し(ステップS160)、入賞球検出センサ賞球数データ送信処理1を終了する。
【0097】
入賞球検出センサ賞球数データ送信処理1が終了した後、制御タイマがタイムアップか否かを判定を行う(ステップS137)。ここで、タイムアップしている場合にはS122に戻り、タイムアップしていない場合にはS131に戻る。なお、S135で入賞球検出センサ17a,17aがオフ状態のときは、S136を飛ばしてS137の判定を行う。
【0098】
前記S122で変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aがオフ状態(可動部材8,8が閉状態)のときは変動入賞装置ソレノイド(可動部材開放ソレノイド)8a,8aをオン状態(可動部材8,8を開状態)にし(ステップS129)、制御タイマに開放時間を設定する(ステップS130)。その後、S131で特別入賞口センサ11aがオンの状態か否かの判定を行い、その後は前記したのと同様に処理を進める。
【0099】
以上のように、第1の実施の形態における遊技機によれば、特別遊技状態以外で変動入賞装置内の入賞球検出センサが有効となるのは、始動口に遊技球が入賞してから一定期間だけであるため、その他の期間に無理やり、変動入賞装置内に遊技球を入れても賞球の払い出しは一切行われない。よって、不正行為は行われなくなり、遊技店が被害を受けることのない弾球遊技機とすることができる。
【0100】
また、第2の実施の形態では、入賞球検出センサによる遊技球の検出の有効な時間だけを設定すると、始動入賞時に一気に遊技球を流し込むような不正を防ぎきれないのに対して、賞球排出有効個数設定が付いていることで、前記したような不正を行っても効果が少ない。よって、不正行為は行われなくなり、遊技店が被害を受けることのない弾球遊技機とすることができる。
【0101】
さらに、第2の実施の形態では、遊技球の検出が有効な時間中に、入賞球検出センサが検出した球数が異常状態と言える所定数に達した場合、すなわち、不正行為によって大量の遊技球が変動入賞装置内に入れられた場合に、当該不正行為によって入れられた遊技球が特別入賞口に入賞し難い状態にすることができる。従って、不正行為によって特別入賞口に遊技球を入賞させることにより特別遊技状態を発生させるという、遊技店にとっての不利益を防ぐことができる。
【0102】
またさらに、第2の実施の形態では、遊技球の検出が有効な時間中に、入賞球検出センサが検出した球数が異常状態と言える所定数に達した場合、すなわち、不正行為によって大量の遊技球が変動入賞装置内に入れられた場合に、それ以降に特別入賞口への入賞があっても、その入賞を無効化することができる。従って、不正行為によって特別入賞口に遊技球を入賞させることにより特別遊技状態を発生させるという、遊技店にとっての不利益を確実に防ぐことができる。
【0103】
また、第3の実施の形態では、払い出される賞球数の上限が決まっているので、不正行為を行われた場合の被害を予め正確に予想しやすい。
【0104】
さらに、第3の実施の形態では、遊技球の検出が有効な時間中に、入賞球検出センサが遊技球を検出したことに基づき発生した賞球数データの加算記憶結果が異常状態と言える上限数に達した場合、すなわち、不正行為によって大量の遊技球が変動入賞装置内に入れられて賞球の払い出しの指示がなされた場合に、当該不正行為によって入れられた遊技球が特別入賞口に入賞し難い状態にすることができる。従って、不正行為によって特別入賞口に遊技球を入賞させることにより特別遊技状態を発生させるという、遊技店にとっての不利益を防ぐことができる。
【0105】
またさらに、第3の実施の形態では、遊技球の検出が有効な時間中に、入賞球検出センサが遊技球を検出したことに基づき発生した賞球数データの加算記憶結果が異常状態と言える上限数に達した場合、すなわち、不正行為によって大量の遊技球が変動入賞装置内に入れられて賞球の払い出しの指示がなされた場合に、それ以降に特別入賞口への入賞があっても、その入賞を無効化することができる。従って、不正行為によって特別入賞口に遊技球を入賞させることにより特別遊技状態を発生させるという、遊技店にとっての不利益を確実に防ぐことができる。
【0106】
また、これらの実施の形態では、
前記遊技制御手段は、
特別遊技状態以外で、前記特別入賞口センサによる遊技球の検出があった場合、その遊技球の検出を無効とする特別入賞口球検出無効手段と、
特別遊技状態以外であるにも拘わらず、前記補助遊技の発生があった場合に限り、前記特別入賞口センサによる遊技球の検出を所定時間有効とする特別入賞口球検出有効化手段と、
を備え、
前記特別入賞口球検出有効化手段は、
補助遊技の発生から入賞球検出センサによる遊技球の検出が無効となるまでの時間よりも、補助遊技の発生から特別入賞口センサによる遊技球の検出が無効となるまでの時間を長くするようになっている。
すなわち、補助遊技の発生から特別入賞口センサによる遊技球の検出が無効となるまでの時間よりも、補助遊技の発生から入賞球検出センサによる遊技球の検出が無効となるまでの時間を短くするようになっている。
【0107】
これにより、入賞球検出センサの有効時間すれすれで入賞した遊技球が流下し、V入賞(特別入賞口に入賞)してもそのV入賞を有効とすることができ、特別遊技状態を発生させることができるため、遊技者に遊技機に対する不信感を与えることがない弾球遊技機とすることができる。
【0108】
なお、前記の構成に対して、次のようにすることもできる。
すなわち、
前記遊技制御手段は、
特別遊技状態以外で、前記特別入賞口センサによる遊技球の検出があった場合、その遊技球の検出を無効とする特別入賞口球検出無効手段と、
特別遊技状態以外であるにも拘わらず、前記補助遊技の発生があった場合に限り、前記特別入賞口センサによる遊技球の検出を所定時間有効とする特別入賞口球検出有効化手段と、
を備え、
前記特別入賞口球検出有効化手段は、
補助遊技の発生から入賞球検出センサによる遊技球の検出が無効となるまでの時間と、補助遊技の発生から特別入賞口センサによる遊技球の検出が無効となるまでの時間とを同一にするようになっている、
という構成である。
【0109】
このように、入賞球検出センサの有効時間と特別入賞口センサの有効時間を同一とすることで、両者をプログラム上同じタイマを使って計時することができ、プログラム容量を削減することができる。
【0110】
また、本発明は、前記実施の形態のパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機などにも適用可能である。
さらに、可動部材が閉じたときに遊技球が特別変動入賞装置内に流入不可能としたが、これに限らず、閉じたときには、開いたときに比べて遊技球が特別変動入賞装置内に流入し難い状態であればよく、例えば、閉じたときでも1個の遊技球が通過可能な間隔だけ開いていてもよい。
またさらに、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0111】
100 弾球遊技機
1 遊技盤
3 変動入賞装置
3a 取付基板
3b 凹室
4 第1始動口
5 第2始動口
8 可動部材
11 特別入賞口
12 一般入賞口
14,140 状態変化機構
14m 可動部材用電気的駆動源
17a 入賞球検出センサ
20 遊技制御手段(制御手段、球検出無効手段、球検出有効化手段、入賞球計数手段、賞球数データ加算記憶手段、入賞難易度変化手段、第1特別入賞難状態制御手段、第2特別入賞難状態制御手段、第1特別入賞無効化手段、第2特別入賞無効化手段)
30 排出制御手段(制御手段)
80 賞球排出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部材により受け入れられた遊技球が入賞可能な一般入賞口及び特別入賞口を具備する変動入賞装置と、
遊技球が入賞可能な始動口と
を遊技盤に備え、
前記始動口へ遊技球が入賞することを補助遊技発生条件として、前記変動入賞装置の可動部材が所定開閉回数の開閉動作を行う補助遊技を発生し、
前記補助遊技中に前記変動入賞装置に受け入れられた遊技球が前記特別入賞口に入賞することを特別遊技発生条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生制御可能な制御手段を備えることを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−22854(P2010−22854A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249841(P2009−249841)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【分割の表示】特願2006−232045(P2006−232045)の分割
【原出願日】平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】