後退可能な針を備えた薬物送達デバイス
後退可能な針(1)を含む薬物送達デバイスであって、その遠位端及び近位端が、チャンネル(6)を形成する内面(4)、外面(5)、外面上に位置する第一の凸部(7)を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は針を含む薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の薬物送達デバイス、例えば注射器、特に、後退可能な針を有する安全注射器の1つの問題は、注射器の使用中、注射器の本体に対して固定されて、そして、動かないが、注射器の使用後、安全注射器の本体に引き戻すことができる針を有することである。それ故、薬物送達デバイスの針は、使用中は固定されているが、薬物送達デバイスの使用後にデバイスの本体に対して可動となるように、特別な方法で形成されなければならず、そして、また、デバイスの本体の中に特別な方法で配置されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
後退可能な針を備えた普通の安全注射器の多くは、針とは異なる材料から形成される内部端での配置を含み、そして、後で、針の配置が注射器本体に引き戻すことができるように、機械的に、例えば、キーロック機構で注射器の他の部品中にスナップ結合する複雑な幾何的方法で形成し得る針を含む。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の薬物送達デバイスの一実施態様は、遠位端を有する針を含む薬物送達デバイスに関し、近位端はチャンネルを形成する内面、外面、及び外面に位置する第一の凸部(salient)を含む。
【0005】
注射器、好ましくは、安全注射器であってもよい薬物送達デバイスは、針を含み、ここで、針自身は、針の外面に位置する第一の凸部を有する。凸部は、いかなる幾何学的形態、例えば、半球状の形態となり得る、表面上での、例えば、隆起であってもよい。それ故、針を、例えば、注射器本体の近位端、又は注射器のプランジャのような注射器の他部分と接合するために使用することができる別の材料で作られた針の周囲に追加のエレメントを形成する必要はない。注射器本体の近位端の間の接続は、注射器の使用中、針を位置づける(locate)ために必要である。注射器のプランジャと針の間の接続は、注射器の使用後、針を本体ユニット中へ引き戻すために必要である。
【0006】
別の実施態様において、針は、近位端と第一の凸部の間の外面上に位置付けされた第二の凸部を含む。
【0007】
両方の凸部、第一の及び第二の凸部は、一方では、例えば、デバイスが使われている時間の間、薬物送達デバイスの本体ユニットに、針を固定するように使うことができる。他方では、1つ又は両方の凸部が、針の外部でのいかなる追加のエレメント無しで、例えば、必要なコーティング又は外部被覆した外観無しで、針を薬物送達デバイスの別の部分とを接続するために使用することができる。
【0008】
別の実施態様において、第一の及び第二の凸部は、針の残部と同一素材を含む。
【0009】
もし2つの凸部が、針の残りの部分と同一材料で作られているなら、針及び凸部は、同一製造工程で形成できるであろう。針の外部で凸部を配置するために必要な更なる製造工程はない。このことは、薬物送達デバイスを製造するための製造工程数を低く維持する。別の利点は、凸部が針に強く接続されることである。凸部が、分離した製造工程で針の周囲に形成されるときと同様に、容易に、破断することはない。
【0010】
材料、針、従って、第一の及び第二の凸部は、例えば、金属又は合金で作られてもよい。
【0011】
別の実施態様において、凸部は、別の材料で作られた針を囲む追加のエレメントにより提供される。これは追加の材料及び製造工程であるが、針の材料から凸部を形成することより、より簡単な状況であるかもしれない。この実施態様において、本発明は、既存の後退可能な針を備えた安全注射器デバイスと比較して、凸部及び針の解放機構は、シール部と凸部又は凸部間の相互作用のみを含んで、機械的に簡単である有意性を保持する。
【0012】
別の実施態様において、第一の凸部は、針を囲む円周の形を有する。
【0013】
これは、第一の凸部が針の外面の周囲で環を形成することを意味する。
【0014】
別の実施態様において、第二の凸部は、針を囲む円周の形を有する。
【0015】
これは、第二の凸部が針の外面の周囲で環を形成することを意味する。
【0016】
別の実施態様において、第一の及び第二の凸部の両者は、針を囲む円周の形を有する。
【0017】
もし凸部が針に対して円周の形を有するなら、針はいかなる方向における固定から抜け出すことができないように、本体内部でよりよく固定されるであろう。同様に、針とデバイスの他部分との結合は、針の一点のみで、又は針の1端で位置する凸部と比較して、より強く、そして、より安全である。
【0018】
別の実施態様において、第一の及び第二の凸部は、それらの外部直径がチャンネルに沿って最大まで連続的に増加し、最大を超えて、連続的に低下するように形成される。
【0019】
もし凸部がこのように形成されると、針は固定から容易に「ロック解除」でき、それは、例えば、シールを凸部の「ロック」位置から「ロック解除」位置へ押さえることによるシールであってよい。もしシールが「解除」位置にある場合、針は、薬物送達デバイスの使用後、デバイスの本体に対して移動できるようになる。同様に、針は、薬物送達デバイスの他の部品、例えば、プランジャと、より容易に接続できるであろう。
【0020】
別の実施態様において、チャンネルの直径は、第一の及び第二の凸部の領域において一定である。
【0021】
針全体に亘って、一定直径のチャンネルの利点は、例えば、液体が針を通して加圧される場合、液体は、常に、針の近位端へ押される液体の同体積に対してチャンネル内の同距離を移動することである。従って、液体は一定用量を薬物送達デバイスにより解放することができるであろう。
【0022】
別の実施態様において、薬物送達デバイスは、更に、第一の開口部及び第二の開口部、その外端が本体ユニットの外端に位置し、そしてその内端が本体ユニット内に位置するように配置されたプランジャを有する本体ユニットを含み、ここで、プランジャは本体ユニットに対して遠位方向に可動であり、近位端並びに第一の及び第二の凸部が本体ユニット内に配置されるように、針は配置されている。
【0023】
本体ユニットに対して可動なプランジャは、一方では、液体を、例えば薬物送達デバイスの本体ユニット内に存在し得る液体を、針を通して、針の遠位端に加圧するために使用することができる。他方では、プランジャは、薬物送達デバイスの使用後に、針と連結したり、本体ユニット内に針を後退させるために使用することができる。共に本体ユニット内に位置する第一の及び第二の凸部を備えた針は、第一の及び第二の凸部により、薬物送達デバイスの使用中に固定することができ、そして更に例えば針の遠位端での傷害リスクを避けるために、薬物送達デバイスの使用の後、本体ユニット内に針を後退させるため、第一の及び/又は第二の凸部をプランジャと連結することができる。
【0024】
別の実施態様において、シールが第一と第二の凸部間に位置するように、針を囲む本体ユニット内に配置される。
【0025】
第一と第二の凸部の間に位置するシールは、針が本体ユニットに対して動かないように、本体ユニット内に針を固定することができる。シールそれ自体は、一方の、第一の及び第二の凸部の間の針と、他方の本体ユニットとの間で固定される。好ましくは、シールは、針に対して円周の形を有する。
【0026】
別の実施態様において、シールは、本体ユニットに面する表面で溝を含み、そして、溝は円周の形を有する。
【0027】
溝はシールをその位置で、例えば、本体ユニットの内側の凸部により固定するように使用することができる。
【0028】
別の実施態様において、シールは本体ユニットに対して移動することを出来ないように、シールが針を固定する。
【0029】
別の実施態様において、ボイドはシールと本体ユニットの第二の開口部の間の針の周囲に位置し、ここで、ボイドは、少なくともシールを部分的に収納することができるように形成される。
【0030】
本体ユニット内に位置するボイドが、少なくとも部分的にシール、好ましくは、シール全体を収納することができる。ボイドは、好ましくは、針に対して円周状の形態を有する。
【0031】
別の実施態様において、プランジャの内端は、シールが針を解放する位置に対してシールを押すように構成されている。
【0032】
遠位方向にプランジャを移動させることにより、シールは、シールの少なくとも一部、又はシール全体が、押さえられた後、ボイド内に位置するように、プランジャの内端から押さえることができる。それにより、シールは、シールの遠位移動に対して機械的抵抗となる第一の凸部の方へ移動しなければならない。もしシールはボイドに位置するなら、それは第一と第二の凸部の間の位置へ近位方向に後退できなくなるように第一の凸部によって固定される。シールがボイドに位置するとき、それは針を解放する。
【0033】
別の実施態様において、シールが第一の凸部に、又は本体ユニットの第一と第二の開口部の間に位置するとき、針は本体ユニットに対して近位方向に可動である。
【0034】
例えば、プランジャの第一の凸部上で又は亘ってプランジャの内端を有するシールを押した後、シールは第一の凸部、又は本体ユニットの第一と第二の開口部の間に位置する。第一の凸部上で又は亘ってシールを押した後、針は、以前と同じように強固に固定されず、そして、本体ユニットに対して近位方向に、移動することができる。好ましくは、針は、シール内に又はシールに対して近位方向に位置する第一の凸部のために、遠位方向に動くことができない。
【0035】
別の実施態様において、プランジャの内端は、プランジャが針に対して一定の位置まで押さえられるとき、第一の及び/又は第二の凸部と係合するように構成されている。
【0036】
プランジャの内端が、2つの凸部の内1つと、又は2つの凸部の両者と同時にに係合するように構成することができる。例えば、ボイド内へシールを押すために、プランジャが遠位方向に押さえられるとき、針がプランジャに接続されるように、プランジャの内端が1つ又は両方の凸部と係合する。もしプランジャが、近位方向に後退する場合、針はまた、近位方向に後退し、従って、薬物送達デバイスの本体ユニット内に後退する。
【0037】
別の実施態様において、プランジャと係合した後、針が少なくとも部分的に本体内部へ後退できるように針は形成される。
【0038】
一方で、針がプランジャの内端と係合可能であり、そして他方で、近位方向に可動である手段が形成される。何故ならば、本体ユニット内の第二の開口部の遠位側に凸部がないからである。
【0039】
別の実施態様において、薬物送達デバイスは、本体ユニットの内面に位置するボス(boss)を含み、ボスは第二の開口部を囲む円周の形を有する。
【0040】
別の実施態様において、シールが針を解放するボス上でシールは可動である。
【0041】
別の実施態様において、薬物送達デバイスは薬剤を含む。薬物送達デバイスのが注射器内に事前注入された注射器として設計されている場合、薬剤はカートリッジ内に事前充填することができる。
【0042】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む薬学的処方品を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又は上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、リューマチ性関節炎などの血栓塞栓症の処置、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置、及び/又は、予防のため、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセジン−3又はエキセジン−4、若しくはエキセジン−3又はエキセジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0043】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0044】
ヒトインスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン; B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル) ヒトインスリンである。
【0045】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、配列HHis−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0046】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0047】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体;
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
又は前述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0048】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に表示されているような脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0049】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはそれらの誘導体などのグルコアミノグリカン、又は上述の多糖類のスルホン化された、例えば、ポリスルホン化形態、及び/又は、薬学的に許容可能なそれらの塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0050】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0051】
薬学的に許容可能な溶媒和は、例えば、水和物である。
【0052】
次の図は、薬物送達デバイスの幾つかの実施態様を図示するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1a】針の一実施態様の概略断面図を示す。
【図1b】凸部が別の形態を有する針の別の実施態様の概略断面図を示す。
【図2】第二の凸部を備えた針の別に実施態様の概略断面図を示す。
【図3】針の別の実施態様の概略断面図を示し、ここで、第一の及び第二の凸部は円周の形を有する。
【図4】薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図5a】部分としての薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは異なった位置にある。
【図5b】部分としての薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは異なった位置にある。
【図6a】薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは追加の凸部を備えた異なった位置にある。
【図6b】薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは追加の凸部を備えた異なった位置にある。
【図7a】セクションとしての薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは異なった位置にある。
【図7b】セクションとしての薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは異なった位置にある。
【図8a】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8b】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8c】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8d】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8e】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8f】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8g】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【0054】
図1は、針1の一つの実施態様の概略断面図を示す。針1は、遠位端2、近位端3、チャンネル6を形成する内面4、及び外面5を含む。2つの第一の凸部7は、針1に対して反対位置にある外面5上に位置する。2つの第一の凸部7は、この実施態様においては半球状形態を有する。
【0055】
図1bは、図1aで示される実施態様と類似した、針1の別の実施態様の概略断面図を示す。図1bで示されるこの実施態様において、2つの第一の凸部7は、ピラミッド形態を有する。同様に、これらの2つの凸部は、反対位置の外面5に位置する。
【0056】
図2は針1の別に実施態様の概略断面図を示す。図1aに示される針と比較して、図2の針は、更に、2つの第二の凸部8を示す。第二の凸部8は、第一の凸部7と針の近位端3の間に位置する。この実施態様において、第二の凸部8は、第一の凸部7と同様の半球状の幾何学的形態を有する。2つの第二の凸部8は、針1の反対側上の2つの第一の凸部7のように位置する。更なる実施態様(図示されていないが)において、第一の凸部7及び第二の凸部8は異なった幾何学的形態を有する。
【0057】
図3は針1の別の実施態様の概略断面図を示す。図2に示される針と比較して、図3に示される針は1つの第一の凸部7及び1つの第二の凸部8を有する。凸部7、8の両者は針1に対して円周の形を有する。円周状とは、凸部の両者が針1の外面5の周囲に環を形成する形態を有することを意味する。更なる実施態様(図示されていないが)において、第一の凸部7及び第二の凸部8は、異なった幾何学的形態を有し、例えば、第二の凸部8は、第一の凸部7より大きくても、又は小さくてもよい。
【0058】
図4はその基礎エレメントを備えた薬物送達デバイス100の実施態様の概略断面図を示す。この薬物送達デバイス100は本体ユニット9、遠位端での針1及び近位端でのプランジャ12を含む。針1は第一の及び第二の凸部7、8を含み、それは本体ユニット9の内側に位置する。シール15は、針1の周囲に、そして第一と第二の凸部7、8の間に位置する。本体ユニット9の内部に、第一の凸部7と本体ユニット9の第二の開口部11の間に位置するボイド16がある。ボイド16は、少なくとも部分的にはシール15を収納することができる。プランジャ9は、本体ユニット9の外部に位置する外端13、及び本体ユニット9の内部に位置する内端14を有する。プランジャ12は、本体ユニット9に対して第一の開口部10を通して遠位端方向に押すことができる。図4のみ、薬物送達デバイス100の基礎部分が、いかにして互いに配置されるかを概略的に示している。
【0059】
図5a/bは、それぞれ、薬物送達デバイス100のセクションの概略断面図を示す。両図において、図の左側に針1のセクションが、そして、図の右側にプランジャ12のセクションがある。
【0060】
図5aにおいて、シール15は第一と第二の凸部7、8の間に位置し、そして、プランジャ12の内端14は第二の凸部8の近位端に位置する。第一の凸部7の遠位端において、本体ユニット9の内側にボイド16がある。第三の凸部22は、薬物送達デバイスの第二の開口部11に位置する。この第三の凸部は、針がプランジャ9からこの方向に押されたとき、針1が遠位方向へ移動することを阻止する。第一の凸部7と第三の凸部22の間の本体ユニット9の内側でボイド16がある。
【0061】
図5bは、図5aの薬物送達デバイス100のセクションを示し、ここで、内端14を備えたプランジャ12は遠位方向に押され、それにより、シール15は、前部ボイド16の内部へ第一の凸部7を押し込まれた。プランジャ12を、更に、遠位方向へ移動させることにより、プランジャ12の内端14が、本体ユニット9に対して針1を移動させることなく、第二の凸部8を超えて針1と接続することになる。何故ならば、第三の凸部22は、針1を遠位方向へ移動することを阻止する。針1は、本体ユニット2に対して、その位置でシール15により、以前と同等に強く固定できなくなる。針1とシール15間の連結力の減少は、針1とシール15間の接着、又は静的摩擦接合の破断、第一の凸部7を越えるシール15の走行によって引き起こされ、第三の凸部22が容易に通過することができるシール15の中央領域を通るチャンネルの形成、又は例えば、第三の凸部22が、第一の凸部7と比較して、より小さいか、又はより小さいプロファイルを有するなど第一の及び第三の凸部7、22間のサイズ又は幾何学的形状の差異を含めた、しかしそれらに限定されない多くの手段により引き起こされる。プランジャ12と針1の間の、プランジャの内端14と針1の第二の凸部8を通した接合を通じて、針は、プランジャ9を近位方向へ後退することにより、本体ユニット2内へ後退することができる。
【0062】
図6a/bは、図5a/bに示されるものと同様の実施態様を示す。図6a/bに示される実施態様は、更に、本体ユニット9の内側に位置する凸部17を有する。本体ユニットの内側に位置する凸部17が、本体ユニット9の全内面の周囲に円周状に広がっている(run)。凸部17は、図6aに示されるシール15の初期位置で、第一と第二の凸部7、8間に位置する。本体ユニット9の内側の凸部は、更に、シール15をその位置で固定する。第三の凸部22は、それは第二の開口部11に位置するが、この実施態様において、針1に対して円周状に広がるディスク形態を有する。圧力が針1に、又は近位方向からシール15にかかるとき、第三の凸部22は、針1を本体ユニット2に対して遠位方向に移動することを阻止する。シール15の外側からの圧力を通して、針1は、近位及び遠位方向の両方においてより強く固定され、この位置において、例えば、凸部17によりシール15の圧縮力を増加させ、ここで、順番に、シール15の軸方向の移動に対する、従って針1に対する更なる機械的抵抗を作り出すことになる。
【0063】
シール15が、図6bに示されるように、前部ボイド16内へ押し込まれるとき、シール15上への圧縮力は減少する。何故ならば、凸部17は、シール15に更なる圧縮力がもはや提供しないからである。従って、シール15を通して広がる針1は、シール15が2つの凸部7、8間に位置するとき、以前と同様には強く結合されない。本体ユニット9の内側の凸部17は、本体ユニット9と固定して接合され、そして、シール15を前部ボイド16内へ移動させない。プランジャ12が遠位方向へ移動し、そして、シール15を、前部ボイド16内へ押すとき、プランジャ14の内端はシール15の前の位置に移動する。従って、プランジャ9の内端14の遠位端が、シール15が以前に存在した位置にある。第二の凸部8に打ち勝つために離れて押さえられていたプランジャの内端14の部品が、本体ユニット9の内側に位置する凸部17によって外部位置で共に押さえられている。プランジャの内端14への外部から圧縮は、針1とプランジャ12の間の接続を強化する。従って、針1は、プランジャ12と固定的に接続され、そして、全ての針1が本体ユニット9内に位置する端部にあるように、プランジャ12の本体ユニット9に対して近位方向の移動によって後退することができよう。
【0064】
図7a/bは、図6a/bに示されるものと同様の実施態様を示す。図7a/bに示される実施態様は、針1が通過し、そして、針上に第三の凸部を有さない追加のボス23を有する。
【0065】
図7a/bに示される実施態様は、本体ユニット9の内側に位置する凸部17を有する。本体ユニットの内側に位置する凸部17は、本体ユニット9の全内側の周囲に円周状に広がる。凸部17は、図7aに示される通り、シール15の初期位置で、第一と第二の凸部7、8間に位置する。本体ユニット9の内側の凸部17は、更に、シール15をその位置において固定し、その結果、例えば、シール15の軸方向の移動に対する更なる機械的抵抗を、順次、創造していくシール15の増大する圧縮力を提供することにより、溝29が凸部17に位置するような方法で、シール15が配置される。第二の開口部11に位置するボス23が、第一の凸部7と接触する。針が通過するボス23内の孔は、第一の凸部7の直径より小さい直径である。従って、圧力が針1上にかかるか、又は近位方向からシール15にかかるとき、針1は本体ユニット2に対して遠位方向に移動することを阻止される。この位置において、針1とシール15の間の摩擦、及び第一の凸部7とシール15の相互作用は、針1を近位方向に移動することを阻止する。この位置において、凸部17は、シール15、従って針1の軸方向への移動に対する更なる機械的抵抗を、順次、創造していくシール15の増大する圧縮を提供する。
【0066】
シール15が図7bに示されるように前部ボイド16内へ押されるとき、シール15上の圧縮力は低下する。何故ならば、凸部17は、もはや、シール15に対して更なる圧縮力を提供しないからである。シール15は、第一の凸部7、及び本体突起23上に押し込まれる。この位置において、針1は、もはや、シール15とは接触しない。本体ユニット9の内側の凸部17は、本体ユニット9と固定的に接続し、そして、前部ボイド内へシール15を移動させない。プランジャ12は遠位方向に移動され、そして、前のボイド16内へシール15を押すとき、プランジャ14の内端は、シール15の前の位置を占める。プランジャ9の内端14の遠位端は、第一の及び第二の凸部7、8の位置へ押される。従って、針1は、プランジャ12に固定的に接続される。針1が通過するボス23中の孔は、針の外部直径より大きく、従って、針1の近位移動に対する抵抗を与えない。針1全体が本体ユニット9の内部に位置する端部にあるように、針1は、プランジャ12を本体ユニット9に対して近位方向へ移動させることによって後退することができよう。
【0067】
図8a〜8gは、7つの異なった使用段階における薬物送達デバイス100の実施態様の概略断面図を示す。
【0068】
図8aは、概略断面における薬物送達デバイス100の実施態様を示す。薬物送達デバイス100は、第一の凸部7及び第二の凸部8を備えた針1を含む。針1は本体ユニット9に対して、第一の凸部7及び第二の凸部8が本体ユニット9の内側に位置するように位置する。薬物送達デバイス100は、更に、外端13及び内端14を備えたプランジャ12を含む。プランジャの近位部分はスリーブ19によって取り囲まれている。プランジャ12を囲むスリーブ19内で、スプリング20が配置される。スプリング20は、事前に圧縮され、応力負荷状態になる。本体ユニット9は、その近位端で第一の開口部10、及びその遠位端で第二の開口部11を含む。第一の凸部7と第二の凸部8の間で、針1に対して円周状に形成され、そして、その外端で及び本体ユニット9の内側に位置する突起21に接触するシールがある。プランジャ12の内端14とシール15の間のチャンバーは、液体18で満たされ、それは、例えば、薬剤であり得る。シール15は液体がボイド16内へ移動することを阻止する。図8aは、スタート位置における薬物送達デバイス100を示す。
【0069】
図8bは、図8aに示される薬物送達デバイス100使用の中間段階を示す。プランジャ12の外端13を押すことにより、プランジャ12は本体ユニット9に対して遠位方向に移動する。遠位方向にプランジャ12を移動することにより、本体ユニット9の内側に存在する液体18は、針1を通して、そしてシール15の近位側に押し付けられる。シール15のフランジは、突起21上に押し付けられる。シールが本体ユニット9に対して固定されるので、従って、針1は、また、シール15によって本体ユニット9に対して固定される。シール15のフランジは相対的に大きい表面積を有する。何故ならば、それは、本体ユニット9の外側の直径で存在するからである。液体18は、フランジに対して加圧し、そして、斜めの突起21は、フランジと、シール15を遠位方向に押されることを阻止する突起21間の摩擦力を創造する。さらにその上、針1は、本体ユニット9の第二の開口部11の内側に位置する第一の凸部7のため、本体ユニット9に対して遠位方向に移動することができない。
【0070】
図8cは、更に、図8aに示される薬物送達デバイス100使用の中間段階を示す。プランジャの内端14を遠位方向へ移動させることを通して、内端14はシール15に直接接触する。プランジャの内端14の遠位端は、シール15の近位端へ直接、力をかけることができる。
【0071】
図8dは、図8aに示される薬物送達デバイス100使用の、更なる中間段階を示す。本体ユニット9に対して遠位方向にプランジャ12を、更に、押すことにより、シール15と事前に接触した内端14が、シール15が突起21への直接接触をしない方法でシール15を針1に対して遠位方向に押す。シール15のフランジは、突起21から引き離される。この間、針1は本体ユニット9に対してその位置に留まる。シール15は、なお、流体18がボイド16へ流れ込むのを防ぐ。
【0072】
図8eは、図8aに示される薬物送達デバイス100使用における別の中間段階を示す。シール15が突起21と接触しなくなった後、内端14を備えたプランジャ12を遠位方向へ押すことにより、それはボイド16中に遠位方向に押すことができる。スリーブ19のスナップアーム24は、本体ユニット9との接触により内側に力を加えられる。順次、スリーブスナップアーム24は、プランジャロッドラッチアーム25を内側に変形させる。プランジャロッドラッチアーム25は、スリーブラッチ機構26を内側にスナップ(snap)する。スプリング20は、プランジャ上に近位方向で力をかける。プランジャ12の近位移動は、プランジャ12の近位端表面に手動でかけられた圧力により抵抗を受ける。
【0073】
図8fは、図8aで示される薬物送達デバイス100使用における別の中間段階を示す。この段階において、シール15は、ボイド16に位置する。従って、シール15は、もはや、後退すされる針1に対する抵抗を示さない。プランジャ12の内端14は、第二の凸部8をスナップしてきた。これにより、針1は、第二の凸部8に亘ってプランジャ12に接続される。シール15は、なお、流体18の残りがボイド16に抗して位置する面積をシールすることにより、流体18がボイド16へ流入することを阻止する。液体18の極少量で調節された量のみが、薬物送達デバイス100に滞留する。スリーブスナップアーム24は、本体ユニット9の凹部27にロックする。従って、スリーブ19は、本体ユニット9と接続し、そして、もはや、本体ユニット9に対して移動することができない。プランジャ9のプランジャロッドラッチアーム25は、スリーブラッチ機構26を避けた変形条件で残留している。
【0074】
図8gは、図8aで示される薬物送達デバイス100使用における別の中間段階を示す。プランジャ12を針1を備えたその内端14に亘って接続した後、そして、針1からシール15を分離した後、針1は、事前に応力を受けたスプリング20により、近位方向で本体ユニット9に対して後退することができる。針1全体が本体ユニット9の内側に位置するかぎり、針1は後退することができる。末端位置において、内端14はスリーブ19と接触する。プランジャロッドスナップアーム28は、それらがスリーブ19の遠位端表面の孔を経由して通過するので、内側に変形する。一旦プランジャロッドスナップアーム28が、スリーブ19の孔から離れると、プランジャロッドスナップアーム28が、スリーブ19に対して後方位置でプランジャ12をロックするために外側に曲がり、そして、針1を遠位方向に移動することを阻止する。
【0075】
参照数字
1)針;
2)遠位端;
3)近位端;
4)内面;
5)外面;
6)チャンネル;
7)第一の凸部;
8)第二の凸部;
9)本体;
10)第一の開口部;
11)第二の開口部;
12)プランジャ;
13)外端;
14)内端;
15)シール;
16)ボイド;
17)本体ユニットの内側での凸部;
18)液体;
19)スリーブ
20)スプリング;
21)突起;
22)第三の凸部;
23)ボス;
24)スナップアーム;
25)プランジャロッドラッチアーム;
26)スリーブラッチ機構;
27)凹部;
28)プランジャロッドスナップアーム;
29)溝;
100)薬物送達デバイス;
【技術分野】
【0001】
本発明は針を含む薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の薬物送達デバイス、例えば注射器、特に、後退可能な針を有する安全注射器の1つの問題は、注射器の使用中、注射器の本体に対して固定されて、そして、動かないが、注射器の使用後、安全注射器の本体に引き戻すことができる針を有することである。それ故、薬物送達デバイスの針は、使用中は固定されているが、薬物送達デバイスの使用後にデバイスの本体に対して可動となるように、特別な方法で形成されなければならず、そして、また、デバイスの本体の中に特別な方法で配置されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
後退可能な針を備えた普通の安全注射器の多くは、針とは異なる材料から形成される内部端での配置を含み、そして、後で、針の配置が注射器本体に引き戻すことができるように、機械的に、例えば、キーロック機構で注射器の他の部品中にスナップ結合する複雑な幾何的方法で形成し得る針を含む。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の薬物送達デバイスの一実施態様は、遠位端を有する針を含む薬物送達デバイスに関し、近位端はチャンネルを形成する内面、外面、及び外面に位置する第一の凸部(salient)を含む。
【0005】
注射器、好ましくは、安全注射器であってもよい薬物送達デバイスは、針を含み、ここで、針自身は、針の外面に位置する第一の凸部を有する。凸部は、いかなる幾何学的形態、例えば、半球状の形態となり得る、表面上での、例えば、隆起であってもよい。それ故、針を、例えば、注射器本体の近位端、又は注射器のプランジャのような注射器の他部分と接合するために使用することができる別の材料で作られた針の周囲に追加のエレメントを形成する必要はない。注射器本体の近位端の間の接続は、注射器の使用中、針を位置づける(locate)ために必要である。注射器のプランジャと針の間の接続は、注射器の使用後、針を本体ユニット中へ引き戻すために必要である。
【0006】
別の実施態様において、針は、近位端と第一の凸部の間の外面上に位置付けされた第二の凸部を含む。
【0007】
両方の凸部、第一の及び第二の凸部は、一方では、例えば、デバイスが使われている時間の間、薬物送達デバイスの本体ユニットに、針を固定するように使うことができる。他方では、1つ又は両方の凸部が、針の外部でのいかなる追加のエレメント無しで、例えば、必要なコーティング又は外部被覆した外観無しで、針を薬物送達デバイスの別の部分とを接続するために使用することができる。
【0008】
別の実施態様において、第一の及び第二の凸部は、針の残部と同一素材を含む。
【0009】
もし2つの凸部が、針の残りの部分と同一材料で作られているなら、針及び凸部は、同一製造工程で形成できるであろう。針の外部で凸部を配置するために必要な更なる製造工程はない。このことは、薬物送達デバイスを製造するための製造工程数を低く維持する。別の利点は、凸部が針に強く接続されることである。凸部が、分離した製造工程で針の周囲に形成されるときと同様に、容易に、破断することはない。
【0010】
材料、針、従って、第一の及び第二の凸部は、例えば、金属又は合金で作られてもよい。
【0011】
別の実施態様において、凸部は、別の材料で作られた針を囲む追加のエレメントにより提供される。これは追加の材料及び製造工程であるが、針の材料から凸部を形成することより、より簡単な状況であるかもしれない。この実施態様において、本発明は、既存の後退可能な針を備えた安全注射器デバイスと比較して、凸部及び針の解放機構は、シール部と凸部又は凸部間の相互作用のみを含んで、機械的に簡単である有意性を保持する。
【0012】
別の実施態様において、第一の凸部は、針を囲む円周の形を有する。
【0013】
これは、第一の凸部が針の外面の周囲で環を形成することを意味する。
【0014】
別の実施態様において、第二の凸部は、針を囲む円周の形を有する。
【0015】
これは、第二の凸部が針の外面の周囲で環を形成することを意味する。
【0016】
別の実施態様において、第一の及び第二の凸部の両者は、針を囲む円周の形を有する。
【0017】
もし凸部が針に対して円周の形を有するなら、針はいかなる方向における固定から抜け出すことができないように、本体内部でよりよく固定されるであろう。同様に、針とデバイスの他部分との結合は、針の一点のみで、又は針の1端で位置する凸部と比較して、より強く、そして、より安全である。
【0018】
別の実施態様において、第一の及び第二の凸部は、それらの外部直径がチャンネルに沿って最大まで連続的に増加し、最大を超えて、連続的に低下するように形成される。
【0019】
もし凸部がこのように形成されると、針は固定から容易に「ロック解除」でき、それは、例えば、シールを凸部の「ロック」位置から「ロック解除」位置へ押さえることによるシールであってよい。もしシールが「解除」位置にある場合、針は、薬物送達デバイスの使用後、デバイスの本体に対して移動できるようになる。同様に、針は、薬物送達デバイスの他の部品、例えば、プランジャと、より容易に接続できるであろう。
【0020】
別の実施態様において、チャンネルの直径は、第一の及び第二の凸部の領域において一定である。
【0021】
針全体に亘って、一定直径のチャンネルの利点は、例えば、液体が針を通して加圧される場合、液体は、常に、針の近位端へ押される液体の同体積に対してチャンネル内の同距離を移動することである。従って、液体は一定用量を薬物送達デバイスにより解放することができるであろう。
【0022】
別の実施態様において、薬物送達デバイスは、更に、第一の開口部及び第二の開口部、その外端が本体ユニットの外端に位置し、そしてその内端が本体ユニット内に位置するように配置されたプランジャを有する本体ユニットを含み、ここで、プランジャは本体ユニットに対して遠位方向に可動であり、近位端並びに第一の及び第二の凸部が本体ユニット内に配置されるように、針は配置されている。
【0023】
本体ユニットに対して可動なプランジャは、一方では、液体を、例えば薬物送達デバイスの本体ユニット内に存在し得る液体を、針を通して、針の遠位端に加圧するために使用することができる。他方では、プランジャは、薬物送達デバイスの使用後に、針と連結したり、本体ユニット内に針を後退させるために使用することができる。共に本体ユニット内に位置する第一の及び第二の凸部を備えた針は、第一の及び第二の凸部により、薬物送達デバイスの使用中に固定することができ、そして更に例えば針の遠位端での傷害リスクを避けるために、薬物送達デバイスの使用の後、本体ユニット内に針を後退させるため、第一の及び/又は第二の凸部をプランジャと連結することができる。
【0024】
別の実施態様において、シールが第一と第二の凸部間に位置するように、針を囲む本体ユニット内に配置される。
【0025】
第一と第二の凸部の間に位置するシールは、針が本体ユニットに対して動かないように、本体ユニット内に針を固定することができる。シールそれ自体は、一方の、第一の及び第二の凸部の間の針と、他方の本体ユニットとの間で固定される。好ましくは、シールは、針に対して円周の形を有する。
【0026】
別の実施態様において、シールは、本体ユニットに面する表面で溝を含み、そして、溝は円周の形を有する。
【0027】
溝はシールをその位置で、例えば、本体ユニットの内側の凸部により固定するように使用することができる。
【0028】
別の実施態様において、シールは本体ユニットに対して移動することを出来ないように、シールが針を固定する。
【0029】
別の実施態様において、ボイドはシールと本体ユニットの第二の開口部の間の針の周囲に位置し、ここで、ボイドは、少なくともシールを部分的に収納することができるように形成される。
【0030】
本体ユニット内に位置するボイドが、少なくとも部分的にシール、好ましくは、シール全体を収納することができる。ボイドは、好ましくは、針に対して円周状の形態を有する。
【0031】
別の実施態様において、プランジャの内端は、シールが針を解放する位置に対してシールを押すように構成されている。
【0032】
遠位方向にプランジャを移動させることにより、シールは、シールの少なくとも一部、又はシール全体が、押さえられた後、ボイド内に位置するように、プランジャの内端から押さえることができる。それにより、シールは、シールの遠位移動に対して機械的抵抗となる第一の凸部の方へ移動しなければならない。もしシールはボイドに位置するなら、それは第一と第二の凸部の間の位置へ近位方向に後退できなくなるように第一の凸部によって固定される。シールがボイドに位置するとき、それは針を解放する。
【0033】
別の実施態様において、シールが第一の凸部に、又は本体ユニットの第一と第二の開口部の間に位置するとき、針は本体ユニットに対して近位方向に可動である。
【0034】
例えば、プランジャの第一の凸部上で又は亘ってプランジャの内端を有するシールを押した後、シールは第一の凸部、又は本体ユニットの第一と第二の開口部の間に位置する。第一の凸部上で又は亘ってシールを押した後、針は、以前と同じように強固に固定されず、そして、本体ユニットに対して近位方向に、移動することができる。好ましくは、針は、シール内に又はシールに対して近位方向に位置する第一の凸部のために、遠位方向に動くことができない。
【0035】
別の実施態様において、プランジャの内端は、プランジャが針に対して一定の位置まで押さえられるとき、第一の及び/又は第二の凸部と係合するように構成されている。
【0036】
プランジャの内端が、2つの凸部の内1つと、又は2つの凸部の両者と同時にに係合するように構成することができる。例えば、ボイド内へシールを押すために、プランジャが遠位方向に押さえられるとき、針がプランジャに接続されるように、プランジャの内端が1つ又は両方の凸部と係合する。もしプランジャが、近位方向に後退する場合、針はまた、近位方向に後退し、従って、薬物送達デバイスの本体ユニット内に後退する。
【0037】
別の実施態様において、プランジャと係合した後、針が少なくとも部分的に本体内部へ後退できるように針は形成される。
【0038】
一方で、針がプランジャの内端と係合可能であり、そして他方で、近位方向に可動である手段が形成される。何故ならば、本体ユニット内の第二の開口部の遠位側に凸部がないからである。
【0039】
別の実施態様において、薬物送達デバイスは、本体ユニットの内面に位置するボス(boss)を含み、ボスは第二の開口部を囲む円周の形を有する。
【0040】
別の実施態様において、シールが針を解放するボス上でシールは可動である。
【0041】
別の実施態様において、薬物送達デバイスは薬剤を含む。薬物送達デバイスのが注射器内に事前注入された注射器として設計されている場合、薬剤はカートリッジ内に事前充填することができる。
【0042】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む薬学的処方品を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又は上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、リューマチ性関節炎などの血栓塞栓症の処置、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置、及び/又は、予防のため、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセジン−3又はエキセジン−4、若しくはエキセジン−3又はエキセジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0043】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0044】
ヒトインスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン; B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル) ヒトインスリンである。
【0045】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、配列HHis−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0046】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0047】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体;
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
又は前述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0048】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に表示されているような脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0049】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはそれらの誘導体などのグルコアミノグリカン、又は上述の多糖類のスルホン化された、例えば、ポリスルホン化形態、及び/又は、薬学的に許容可能なそれらの塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0050】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0051】
薬学的に許容可能な溶媒和は、例えば、水和物である。
【0052】
次の図は、薬物送達デバイスの幾つかの実施態様を図示するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1a】針の一実施態様の概略断面図を示す。
【図1b】凸部が別の形態を有する針の別の実施態様の概略断面図を示す。
【図2】第二の凸部を備えた針の別に実施態様の概略断面図を示す。
【図3】針の別の実施態様の概略断面図を示し、ここで、第一の及び第二の凸部は円周の形を有する。
【図4】薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図5a】部分としての薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは異なった位置にある。
【図5b】部分としての薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは異なった位置にある。
【図6a】薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは追加の凸部を備えた異なった位置にある。
【図6b】薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは追加の凸部を備えた異なった位置にある。
【図7a】セクションとしての薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは異なった位置にある。
【図7b】セクションとしての薬物送達デバイスの実施態様の一部の概略断面図を示し、ここで、プランジャとシールは異なった位置にある。
【図8a】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8b】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8c】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8d】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8e】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8f】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【図8g】使用時の7つの異なった工程における薬物送達デバイスの実施態様の概略断面図を示す。
【0054】
図1は、針1の一つの実施態様の概略断面図を示す。針1は、遠位端2、近位端3、チャンネル6を形成する内面4、及び外面5を含む。2つの第一の凸部7は、針1に対して反対位置にある外面5上に位置する。2つの第一の凸部7は、この実施態様においては半球状形態を有する。
【0055】
図1bは、図1aで示される実施態様と類似した、針1の別の実施態様の概略断面図を示す。図1bで示されるこの実施態様において、2つの第一の凸部7は、ピラミッド形態を有する。同様に、これらの2つの凸部は、反対位置の外面5に位置する。
【0056】
図2は針1の別に実施態様の概略断面図を示す。図1aに示される針と比較して、図2の針は、更に、2つの第二の凸部8を示す。第二の凸部8は、第一の凸部7と針の近位端3の間に位置する。この実施態様において、第二の凸部8は、第一の凸部7と同様の半球状の幾何学的形態を有する。2つの第二の凸部8は、針1の反対側上の2つの第一の凸部7のように位置する。更なる実施態様(図示されていないが)において、第一の凸部7及び第二の凸部8は異なった幾何学的形態を有する。
【0057】
図3は針1の別の実施態様の概略断面図を示す。図2に示される針と比較して、図3に示される針は1つの第一の凸部7及び1つの第二の凸部8を有する。凸部7、8の両者は針1に対して円周の形を有する。円周状とは、凸部の両者が針1の外面5の周囲に環を形成する形態を有することを意味する。更なる実施態様(図示されていないが)において、第一の凸部7及び第二の凸部8は、異なった幾何学的形態を有し、例えば、第二の凸部8は、第一の凸部7より大きくても、又は小さくてもよい。
【0058】
図4はその基礎エレメントを備えた薬物送達デバイス100の実施態様の概略断面図を示す。この薬物送達デバイス100は本体ユニット9、遠位端での針1及び近位端でのプランジャ12を含む。針1は第一の及び第二の凸部7、8を含み、それは本体ユニット9の内側に位置する。シール15は、針1の周囲に、そして第一と第二の凸部7、8の間に位置する。本体ユニット9の内部に、第一の凸部7と本体ユニット9の第二の開口部11の間に位置するボイド16がある。ボイド16は、少なくとも部分的にはシール15を収納することができる。プランジャ9は、本体ユニット9の外部に位置する外端13、及び本体ユニット9の内部に位置する内端14を有する。プランジャ12は、本体ユニット9に対して第一の開口部10を通して遠位端方向に押すことができる。図4のみ、薬物送達デバイス100の基礎部分が、いかにして互いに配置されるかを概略的に示している。
【0059】
図5a/bは、それぞれ、薬物送達デバイス100のセクションの概略断面図を示す。両図において、図の左側に針1のセクションが、そして、図の右側にプランジャ12のセクションがある。
【0060】
図5aにおいて、シール15は第一と第二の凸部7、8の間に位置し、そして、プランジャ12の内端14は第二の凸部8の近位端に位置する。第一の凸部7の遠位端において、本体ユニット9の内側にボイド16がある。第三の凸部22は、薬物送達デバイスの第二の開口部11に位置する。この第三の凸部は、針がプランジャ9からこの方向に押されたとき、針1が遠位方向へ移動することを阻止する。第一の凸部7と第三の凸部22の間の本体ユニット9の内側でボイド16がある。
【0061】
図5bは、図5aの薬物送達デバイス100のセクションを示し、ここで、内端14を備えたプランジャ12は遠位方向に押され、それにより、シール15は、前部ボイド16の内部へ第一の凸部7を押し込まれた。プランジャ12を、更に、遠位方向へ移動させることにより、プランジャ12の内端14が、本体ユニット9に対して針1を移動させることなく、第二の凸部8を超えて針1と接続することになる。何故ならば、第三の凸部22は、針1を遠位方向へ移動することを阻止する。針1は、本体ユニット2に対して、その位置でシール15により、以前と同等に強く固定できなくなる。針1とシール15間の連結力の減少は、針1とシール15間の接着、又は静的摩擦接合の破断、第一の凸部7を越えるシール15の走行によって引き起こされ、第三の凸部22が容易に通過することができるシール15の中央領域を通るチャンネルの形成、又は例えば、第三の凸部22が、第一の凸部7と比較して、より小さいか、又はより小さいプロファイルを有するなど第一の及び第三の凸部7、22間のサイズ又は幾何学的形状の差異を含めた、しかしそれらに限定されない多くの手段により引き起こされる。プランジャ12と針1の間の、プランジャの内端14と針1の第二の凸部8を通した接合を通じて、針は、プランジャ9を近位方向へ後退することにより、本体ユニット2内へ後退することができる。
【0062】
図6a/bは、図5a/bに示されるものと同様の実施態様を示す。図6a/bに示される実施態様は、更に、本体ユニット9の内側に位置する凸部17を有する。本体ユニットの内側に位置する凸部17が、本体ユニット9の全内面の周囲に円周状に広がっている(run)。凸部17は、図6aに示されるシール15の初期位置で、第一と第二の凸部7、8間に位置する。本体ユニット9の内側の凸部は、更に、シール15をその位置で固定する。第三の凸部22は、それは第二の開口部11に位置するが、この実施態様において、針1に対して円周状に広がるディスク形態を有する。圧力が針1に、又は近位方向からシール15にかかるとき、第三の凸部22は、針1を本体ユニット2に対して遠位方向に移動することを阻止する。シール15の外側からの圧力を通して、針1は、近位及び遠位方向の両方においてより強く固定され、この位置において、例えば、凸部17によりシール15の圧縮力を増加させ、ここで、順番に、シール15の軸方向の移動に対する、従って針1に対する更なる機械的抵抗を作り出すことになる。
【0063】
シール15が、図6bに示されるように、前部ボイド16内へ押し込まれるとき、シール15上への圧縮力は減少する。何故ならば、凸部17は、シール15に更なる圧縮力がもはや提供しないからである。従って、シール15を通して広がる針1は、シール15が2つの凸部7、8間に位置するとき、以前と同様には強く結合されない。本体ユニット9の内側の凸部17は、本体ユニット9と固定して接合され、そして、シール15を前部ボイド16内へ移動させない。プランジャ12が遠位方向へ移動し、そして、シール15を、前部ボイド16内へ押すとき、プランジャ14の内端はシール15の前の位置に移動する。従って、プランジャ9の内端14の遠位端が、シール15が以前に存在した位置にある。第二の凸部8に打ち勝つために離れて押さえられていたプランジャの内端14の部品が、本体ユニット9の内側に位置する凸部17によって外部位置で共に押さえられている。プランジャの内端14への外部から圧縮は、針1とプランジャ12の間の接続を強化する。従って、針1は、プランジャ12と固定的に接続され、そして、全ての針1が本体ユニット9内に位置する端部にあるように、プランジャ12の本体ユニット9に対して近位方向の移動によって後退することができよう。
【0064】
図7a/bは、図6a/bに示されるものと同様の実施態様を示す。図7a/bに示される実施態様は、針1が通過し、そして、針上に第三の凸部を有さない追加のボス23を有する。
【0065】
図7a/bに示される実施態様は、本体ユニット9の内側に位置する凸部17を有する。本体ユニットの内側に位置する凸部17は、本体ユニット9の全内側の周囲に円周状に広がる。凸部17は、図7aに示される通り、シール15の初期位置で、第一と第二の凸部7、8間に位置する。本体ユニット9の内側の凸部17は、更に、シール15をその位置において固定し、その結果、例えば、シール15の軸方向の移動に対する更なる機械的抵抗を、順次、創造していくシール15の増大する圧縮力を提供することにより、溝29が凸部17に位置するような方法で、シール15が配置される。第二の開口部11に位置するボス23が、第一の凸部7と接触する。針が通過するボス23内の孔は、第一の凸部7の直径より小さい直径である。従って、圧力が針1上にかかるか、又は近位方向からシール15にかかるとき、針1は本体ユニット2に対して遠位方向に移動することを阻止される。この位置において、針1とシール15の間の摩擦、及び第一の凸部7とシール15の相互作用は、針1を近位方向に移動することを阻止する。この位置において、凸部17は、シール15、従って針1の軸方向への移動に対する更なる機械的抵抗を、順次、創造していくシール15の増大する圧縮を提供する。
【0066】
シール15が図7bに示されるように前部ボイド16内へ押されるとき、シール15上の圧縮力は低下する。何故ならば、凸部17は、もはや、シール15に対して更なる圧縮力を提供しないからである。シール15は、第一の凸部7、及び本体突起23上に押し込まれる。この位置において、針1は、もはや、シール15とは接触しない。本体ユニット9の内側の凸部17は、本体ユニット9と固定的に接続し、そして、前部ボイド内へシール15を移動させない。プランジャ12は遠位方向に移動され、そして、前のボイド16内へシール15を押すとき、プランジャ14の内端は、シール15の前の位置を占める。プランジャ9の内端14の遠位端は、第一の及び第二の凸部7、8の位置へ押される。従って、針1は、プランジャ12に固定的に接続される。針1が通過するボス23中の孔は、針の外部直径より大きく、従って、針1の近位移動に対する抵抗を与えない。針1全体が本体ユニット9の内部に位置する端部にあるように、針1は、プランジャ12を本体ユニット9に対して近位方向へ移動させることによって後退することができよう。
【0067】
図8a〜8gは、7つの異なった使用段階における薬物送達デバイス100の実施態様の概略断面図を示す。
【0068】
図8aは、概略断面における薬物送達デバイス100の実施態様を示す。薬物送達デバイス100は、第一の凸部7及び第二の凸部8を備えた針1を含む。針1は本体ユニット9に対して、第一の凸部7及び第二の凸部8が本体ユニット9の内側に位置するように位置する。薬物送達デバイス100は、更に、外端13及び内端14を備えたプランジャ12を含む。プランジャの近位部分はスリーブ19によって取り囲まれている。プランジャ12を囲むスリーブ19内で、スプリング20が配置される。スプリング20は、事前に圧縮され、応力負荷状態になる。本体ユニット9は、その近位端で第一の開口部10、及びその遠位端で第二の開口部11を含む。第一の凸部7と第二の凸部8の間で、針1に対して円周状に形成され、そして、その外端で及び本体ユニット9の内側に位置する突起21に接触するシールがある。プランジャ12の内端14とシール15の間のチャンバーは、液体18で満たされ、それは、例えば、薬剤であり得る。シール15は液体がボイド16内へ移動することを阻止する。図8aは、スタート位置における薬物送達デバイス100を示す。
【0069】
図8bは、図8aに示される薬物送達デバイス100使用の中間段階を示す。プランジャ12の外端13を押すことにより、プランジャ12は本体ユニット9に対して遠位方向に移動する。遠位方向にプランジャ12を移動することにより、本体ユニット9の内側に存在する液体18は、針1を通して、そしてシール15の近位側に押し付けられる。シール15のフランジは、突起21上に押し付けられる。シールが本体ユニット9に対して固定されるので、従って、針1は、また、シール15によって本体ユニット9に対して固定される。シール15のフランジは相対的に大きい表面積を有する。何故ならば、それは、本体ユニット9の外側の直径で存在するからである。液体18は、フランジに対して加圧し、そして、斜めの突起21は、フランジと、シール15を遠位方向に押されることを阻止する突起21間の摩擦力を創造する。さらにその上、針1は、本体ユニット9の第二の開口部11の内側に位置する第一の凸部7のため、本体ユニット9に対して遠位方向に移動することができない。
【0070】
図8cは、更に、図8aに示される薬物送達デバイス100使用の中間段階を示す。プランジャの内端14を遠位方向へ移動させることを通して、内端14はシール15に直接接触する。プランジャの内端14の遠位端は、シール15の近位端へ直接、力をかけることができる。
【0071】
図8dは、図8aに示される薬物送達デバイス100使用の、更なる中間段階を示す。本体ユニット9に対して遠位方向にプランジャ12を、更に、押すことにより、シール15と事前に接触した内端14が、シール15が突起21への直接接触をしない方法でシール15を針1に対して遠位方向に押す。シール15のフランジは、突起21から引き離される。この間、針1は本体ユニット9に対してその位置に留まる。シール15は、なお、流体18がボイド16へ流れ込むのを防ぐ。
【0072】
図8eは、図8aに示される薬物送達デバイス100使用における別の中間段階を示す。シール15が突起21と接触しなくなった後、内端14を備えたプランジャ12を遠位方向へ押すことにより、それはボイド16中に遠位方向に押すことができる。スリーブ19のスナップアーム24は、本体ユニット9との接触により内側に力を加えられる。順次、スリーブスナップアーム24は、プランジャロッドラッチアーム25を内側に変形させる。プランジャロッドラッチアーム25は、スリーブラッチ機構26を内側にスナップ(snap)する。スプリング20は、プランジャ上に近位方向で力をかける。プランジャ12の近位移動は、プランジャ12の近位端表面に手動でかけられた圧力により抵抗を受ける。
【0073】
図8fは、図8aで示される薬物送達デバイス100使用における別の中間段階を示す。この段階において、シール15は、ボイド16に位置する。従って、シール15は、もはや、後退すされる針1に対する抵抗を示さない。プランジャ12の内端14は、第二の凸部8をスナップしてきた。これにより、針1は、第二の凸部8に亘ってプランジャ12に接続される。シール15は、なお、流体18の残りがボイド16に抗して位置する面積をシールすることにより、流体18がボイド16へ流入することを阻止する。液体18の極少量で調節された量のみが、薬物送達デバイス100に滞留する。スリーブスナップアーム24は、本体ユニット9の凹部27にロックする。従って、スリーブ19は、本体ユニット9と接続し、そして、もはや、本体ユニット9に対して移動することができない。プランジャ9のプランジャロッドラッチアーム25は、スリーブラッチ機構26を避けた変形条件で残留している。
【0074】
図8gは、図8aで示される薬物送達デバイス100使用における別の中間段階を示す。プランジャ12を針1を備えたその内端14に亘って接続した後、そして、針1からシール15を分離した後、針1は、事前に応力を受けたスプリング20により、近位方向で本体ユニット9に対して後退することができる。針1全体が本体ユニット9の内側に位置するかぎり、針1は後退することができる。末端位置において、内端14はスリーブ19と接触する。プランジャロッドスナップアーム28は、それらがスリーブ19の遠位端表面の孔を経由して通過するので、内側に変形する。一旦プランジャロッドスナップアーム28が、スリーブ19の孔から離れると、プランジャロッドスナップアーム28が、スリーブ19に対して後方位置でプランジャ12をロックするために外側に曲がり、そして、針1を遠位方向に移動することを阻止する。
【0075】
参照数字
1)針;
2)遠位端;
3)近位端;
4)内面;
5)外面;
6)チャンネル;
7)第一の凸部;
8)第二の凸部;
9)本体;
10)第一の開口部;
11)第二の開口部;
12)プランジャ;
13)外端;
14)内端;
15)シール;
16)ボイド;
17)本体ユニットの内側での凸部;
18)液体;
19)スリーブ
20)スプリング;
21)突起;
22)第三の凸部;
23)ボス;
24)スナップアーム;
25)プランジャロッドラッチアーム;
26)スリーブラッチ機構;
27)凹部;
28)プランジャロッドスナップアーム;
29)溝;
100)薬物送達デバイス;
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(100)であって:
−チャンネル(6)を形成する内面(4);
−外面(5);
−外面(5)上に位置する第一の凸部(7);
を含む遠位端(2)及び近位端(3)を備えた針(1)を含む、上記薬物送達デバイス。
【請求項2】
針(1)が近位端(3)と第一の凸部(7)の間の外面(5)上に位置する第二の凸部(8)を含む請求項1に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項3】
第一の及び第二の凸部(7,8)が、針(1)の残部と同一材料を含む請求項2に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項4】
第一の凸部(7)が針(1)を囲む円周の形を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項5】
第二の凸部(8)が針(1)を囲む円周の形を有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項6】
第一の及び第二の凸部(7、8)が、外部直径が最大までチャンネル(6)に沿って連続的に増大し、最大を超えると、連続的に縮小していくように形成される請求項2〜5のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)であって:
−第一の開口部(10)及び第二の開口部(11)を有する本体ユニット(9);
−外端(13)が本体ユニット(9)の外側に位置し、そして内端(14)が本体ユニット(9)内に位置するように配置されたプランジャ(12);
を更に含み、ここで、プランジャ(12)は、本体ユニット(9)に対して遠位方向に可動であり、針(1)は、近位端(3)、及び第一の及び第二の凸部(7,8)が本体ユニット(9)内に位置するように配置される、上記薬物送達デバイス(100)。
【請求項8】
第一の及び第二の凸部(7、8)の間に位置するように、針(1)の周囲の本体ユニット(9)の内部に配置されるシール(15)を、更に含む請求項2〜7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項9】
シール(15)が本体ユニット(9)に面する表面に溝を有し、そして、溝(29)が円周の形である請求項8に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項10】
針(1)が本体ユニット(9)に対して動かないように、シール(15)が針(1)を固定する請求項8又は9に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項11】
本体ユニットが、シール(15)と本体ユニット(9)の第二の開口部(11)の間の針(1)の周囲に位置するボイドを含み、ここで、ボイド(16)は、少なくとも部分的にシール(15)を収納できるように形成される請求項8〜10のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項12】
プランジャ(12)の内端(14)は、シール(15)が針(1)を解放する位置に、シール(15)を押すよう構成される請求項8〜11のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項13】
シール(15)が第一の凸部(7)と本体ユニット(9)の第二の開口部(11)の間に位置するとき、針(1)は、本体ユニット(9)に対して近位方向に可動である請求項12に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項14】
プランジャ(12)が針(1)に対して一定の位置まで押されるとき、プランジャ(12)の内端(14)が、第一の及び/又は第二の凸部(7、8)と係合するように構成される請求項7〜13のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項15】
針(1)が、プランジャ(12)に係合された後、少なくとも部分的に本体ユニット(9)内に後退することができるように形成される請求項14に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項16】
薬物送達デバイス(100)が、本体ユニット(9)の内面に位置するボス(23)を含み、そして、ボス(23)が第二の開口部(11)を囲む円周の形を有する請求項7〜15のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項17】
シール(15)が針(1)を解放するボス(23)上まで可動である請求項16に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項18】
薬剤を含む請求項1〜17のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項1】
薬物送達デバイス(100)であって:
−チャンネル(6)を形成する内面(4);
−外面(5);
−外面(5)上に位置する第一の凸部(7);
を含む遠位端(2)及び近位端(3)を備えた針(1)を含む、上記薬物送達デバイス。
【請求項2】
針(1)が近位端(3)と第一の凸部(7)の間の外面(5)上に位置する第二の凸部(8)を含む請求項1に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項3】
第一の及び第二の凸部(7,8)が、針(1)の残部と同一材料を含む請求項2に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項4】
第一の凸部(7)が針(1)を囲む円周の形を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項5】
第二の凸部(8)が針(1)を囲む円周の形を有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項6】
第一の及び第二の凸部(7、8)が、外部直径が最大までチャンネル(6)に沿って連続的に増大し、最大を超えると、連続的に縮小していくように形成される請求項2〜5のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)であって:
−第一の開口部(10)及び第二の開口部(11)を有する本体ユニット(9);
−外端(13)が本体ユニット(9)の外側に位置し、そして内端(14)が本体ユニット(9)内に位置するように配置されたプランジャ(12);
を更に含み、ここで、プランジャ(12)は、本体ユニット(9)に対して遠位方向に可動であり、針(1)は、近位端(3)、及び第一の及び第二の凸部(7,8)が本体ユニット(9)内に位置するように配置される、上記薬物送達デバイス(100)。
【請求項8】
第一の及び第二の凸部(7、8)の間に位置するように、針(1)の周囲の本体ユニット(9)の内部に配置されるシール(15)を、更に含む請求項2〜7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項9】
シール(15)が本体ユニット(9)に面する表面に溝を有し、そして、溝(29)が円周の形である請求項8に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項10】
針(1)が本体ユニット(9)に対して動かないように、シール(15)が針(1)を固定する請求項8又は9に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項11】
本体ユニットが、シール(15)と本体ユニット(9)の第二の開口部(11)の間の針(1)の周囲に位置するボイドを含み、ここで、ボイド(16)は、少なくとも部分的にシール(15)を収納できるように形成される請求項8〜10のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項12】
プランジャ(12)の内端(14)は、シール(15)が針(1)を解放する位置に、シール(15)を押すよう構成される請求項8〜11のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項13】
シール(15)が第一の凸部(7)と本体ユニット(9)の第二の開口部(11)の間に位置するとき、針(1)は、本体ユニット(9)に対して近位方向に可動である請求項12に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項14】
プランジャ(12)が針(1)に対して一定の位置まで押されるとき、プランジャ(12)の内端(14)が、第一の及び/又は第二の凸部(7、8)と係合するように構成される請求項7〜13のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項15】
針(1)が、プランジャ(12)に係合された後、少なくとも部分的に本体ユニット(9)内に後退することができるように形成される請求項14に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項16】
薬物送達デバイス(100)が、本体ユニット(9)の内面に位置するボス(23)を含み、そして、ボス(23)が第二の開口部(11)を囲む円周の形を有する請求項7〜15のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項17】
シール(15)が針(1)を解放するボス(23)上まで可動である請求項16に記載の薬物送達デバイス(100)。
【請求項18】
薬剤を含む請求項1〜17のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(100)。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図8f】
【図8g】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図8f】
【図8g】
【公表番号】特表2012−519509(P2012−519509A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552453(P2011−552453)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052786
【国際公開番号】WO2010/100241
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052786
【国際公開番号】WO2010/100241
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】
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