説明

微小流体素子の並列処理

微小流体のアレンジメントが、A)複数の微小流体装置と、B)回転によりそれぞれの装置で液体流が遠心力で駆動されるように配置された、回転モータと回転部材とを含む器機とを含む。微小流体装置のそれぞれが、共通の平坦な層にマイクロチャネル構造を含む。特徴は、それぞれの装置の層Iが、放射状に、回転部材の面に対して0°でない角度で、好適には90°で配置できることである。回転部材は、装置を保持するためのシートを有する。微小流体装置は、i)2つの本質的に平坦で平行な対向面と、端面と、ii)1、2、3、又はそれ以上の本質的に同等のマイクロチャネル構造の組であって、マイクロチャネル構造のそれぞれが、導入ポートIPIを含む第1導入アレンジメントを含む組とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学および生物科学での分析的、合成的、予備的な手続の小型化に関する。
【0002】
本発明の1つの態様は微小流体器機の配置であり、a)1つ、2つまたはそれ以上の本質的に等しい微小流体装置、およびb)微小流体装置を操作するための器機を含む。更なる態様は、i)そのような器機、ii)微小流体装置を操作するための器機の使用(操作方法)、iii)そのような微小流体装置、およびiv)予め決められた液体標本を微小流体装置のそれぞれのマイクロチャネル構造に入れる方法(ディップ・チップ技術:Dip-Chip technology)である。器機は、他の種類の微小流体装置を操作するために使用されても良い。微小流体装置は、新規な器機で操作されるだけでなく、他の器機及び/又は他の手段の使用によっても操作される。項目iii)の微小流体装置は、ディップ・チップ技術に適用される。
【0003】
微小流体装置は、そこを通って液体流が検体、反応物等の移動に用いられる多くのマイクロチャネル構造を含む。新規な配置/器機で使用される装置は、装置を回転させることにより形成される遠心力を使用し、それぞれのマイクロチャネル構造の少なくとも一部の中で移動させる。上述の態様iii)の装置は、液体流を駆動させる遠心力は不要である。
【背景技術】
【0004】
本願で引用された特許および特許出願は、その全体が参照することによりここに組み込まれる。
【0005】
微小流体システム
循環式のプラエットフォーム上の微小流体システム中で液体を移動させるために遠心力を使用することは、とりわけ、アバクシス・インク(Abaxis Inc)のUS 5,122,284、US 5,591,643、US 5,160,702、US 5,472,603、WO 9533986、WO 9506870、モレキュラーデバイス(Molecular Device)のUS 5,160,702、ガメラ・バイオサイエンス/テキャン(Gamera Biosciences/Tecan)のWO 9721090、WO 9807019、WO 9853311、WO 01877486、WO 0187487、ジャイロス・エービー/アメルシャム・ファーマシア・バイオテック(Gyros AB/Amersham Pharmacia Biotech)のWO 9955827、WO 9958245、WO 0025921、WO 0040750、WO 0056808、WO 0062042、WO 0102737、WO 0146465、WO 0147637、WO 0147638、WO 0154810、WO 0241997、WO 0241998、WO 0275312、WO 0274438、WO 0275775、WO 0275776、WO 03018198、WO 03024598、およびWO 03093802(SE0201310-0)に記載されている。
【0006】
遠心力は、扇形の微小流体ディスクにも使用される。バイオメトリック・イメージング(Biometric Imaging)のWO 9607919を参照。
【0007】
キャリパー(Caliper)のWO 0173396には、毛細管の先端として設計された入力ポートを有する微小流体装置が記載されている。
【0008】
非微小流体システム
色層分析列が遠心回転子中に配置されて回転し、その列を通って試料や他の液体の移動に使用される。
【0009】
遠心フィールドで同じ半径方向に、互いに平行に配置された、閉じた列中での沈殿は、血液試験を行うのに用いられる、例えば、US 6,114,179およびUS 5,338,689(Stiftung fur diagnosische Forschung)参照。
【0010】
回転できる循環式ディスクに基づく他の非微小流体システムは、US 4,469,973(Guigan)、US 4,519,981(Guigan)、US 4,390,499(IBM)、EP 392475(Idemitsu)等に記載されている。
【0011】
遠心力を用いた従来の微小流体技術の関する問題
化学および生物科学の手続きは、分析的、合成的、予備的な手続の生産性を向上させるために、小型化されたフォーマットに適用される。a)単位時間あたりに成功するテストの総数、およびb)与えられた容積/量の試料や試薬等からの成功したテスト/結果の数、の増加が一般に望まれる。
【0012】
小型化は、しばしば新しい問題、及び/又は大きなシステムでは扱うのが容易な強調された問題を生じる。微小流体装置との連結は、小さいほど及び/又はマイクロチャネル構造がより高集積化されるほど、困難になる。器機から独立したマイクロチャネル構造への液体の移動の不正確性のリスクは、マイクロリットル(μl)レンジ、特に、その低い部分(サブ・マイクロリットルレンジ又はナノリトルレンジ、ピコリットルレンジを含むナノリットルレンジ)になれば急激に増加する。望まない蒸発や表面への不規則な付着により引き起こされる減少の重大性は、急激に増加する。分子間力がより重要になり、より大きなスケールに比較して異なった液体の挙動を導くであろう。マクロな世界で何度も適用される全ての技術的解釈が、ミクロな世界に常に適用できるものではない。新しい技術的解釈や変形が必要とされる。
【発明の開示】
【0013】
本発明の目的
本発明の目的は、同様の、又は異なった微小流体装置を操作するために器機を提供することにあり、
a)多数のマイクロチャネル構造及び/又は微小流体装置の並列処理、及び/又は、
b)並列処理できる微小流体装置の数および型について使用者に取っての用途の拡大、及び/又は、
c)意図する手続きに使用する前の、独立したマイクロチャネル構造中での類似及び/又は異なる液体体積の並列貯蔵、及び/又は、
d)例えばi)マイクロチャネル構造の所定の部分での前後方向、ii)構造の一の部分では主方向、他の部分では、例えば逆方向のような異なった方向等のように、マイクロチャネル構造/微小流体装置の、予め決定された主方向に対して変化する方向への液体流の移動、及び/又は、
e)マイクロチャネル構造あたりの、より多くの数の処理工程や処理されるマイクロキャビティ、及び/又は、
f)器機から強制的な移動無しの、独立した試験及び/又は装置の照射、及び/又は、
g)装置中での液体流速度の独立した調整、等を可能にする。
【0014】
項目dのii)は、一般的に、液体流は、マイクロチャネル構造の上流部分では主方向で、その後の下流部分、一般的には構造の最終部分では、反対の方向であることを意味する。「主方向」の定義は、「マイクロフロディック・デバイス(微小流体装置)」の表題の下に記載されている。
【0015】
項目f)は、一の装置中のマイクロチャネル構造の対応する部分での液体流の速度が、並列処理される他の装置の対応する部分の液体流の速度と、決められた手段で異なることを含む。
【0016】
他の目的は、装置の独立したマイクロチャネル構造に、明確に定められた微小の流体体積を、急いで、再現性を有し、信頼性を有し、かつ正確に導入することを簡略化する。この目的は、特にナノリットル(nl)レンジ、即ち5000nl以下、において強調される。
【0017】
より大きく、増幅された、単純化する等の用語は、公知技術に比較した場合である。
【0018】
これらの目的は、新規な器機、新規な微小流体装置、及び/又は新規な配置を使用する方法に適用しても良い。
【0019】
これらの目的は、電動学的及び/又は非電動学的液体流が使用される、微小流体システムに関する。遠心力や他の慣性力、又は独立したマイクロチャネル構造中で外部に又は内部に形成される圧力差は、非電動学的液体流の形成に使用される。微小流体/マイクロチャネル構造の入口に(大気圧に比較して)高い圧力を与え、及び/又は出口に(大気圧に比較して)低い圧力を加えることにより、有用な圧力差を形成することができる。
【0020】
液体流は、活動的でも、活動的でなくても良い。原理的に、毛管現象のみで移動するのではない液体流は活動的で、一般には外部手段により形成される。活動的な液体流は、遠心力や他の慣性力、ここで言及する他の力(毛管力を除く)により駆動される流れを含む。活動的でない液体流および毛管液体流は、原理的に同じ意味である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
微小流体器機配置(第1の態様)
本態様は、図1、2に示され、以下の2つの主部分を含む。
A)1またはそれ以上の本質的に等しい微小流体装置(101a,b..201a、b)。例えば図3に示すようなもの(300)。それぞれの装置は、1組(セットI)の1またはそれ以上の本質的に等しいマイクロチャネル構造(304a,b..,図3)含む。このマイクロチャネル構造は、装置の共通の略平坦な層(層I)の中に含まれる。それぞれのマイクロチャネル構造は、内部のマイクロ導管部分(308a,b..,図3)を含み、その中を液体や反応物等を下流方向に移動させるのに用いられる活性な液体が流れる。層Iや内部のマイクロ導管部分(308)についての詳細は、「微小流体」の見出しに下部に記載されている。
B)器機(100,200)。回転式モータ(102,202)および回転部材(103,203)を含む。この器機は、微小流体装置(101a,b..,201a,b..)の処理を意図する。
【0022】
図3a−cに示すように、マイクロチャネル構造は一般に、互いに接続された2又はそれ以上の平坦な基板から装置が形成される場合に備えて、異なった基板層か引き出すマイクロ構造からなる。図3に示す変形では、層Iは、上方部分も平坦な基板I、全体が平坦な基板II、および下方部分の基板IIIを少なくとも含む。
【0023】
回転部材(103,203)は、回転軸(104,204)に一致する対称軸(Cn、n>2,3,4〜∞)を一般に有する。nは好ましくは5以上であり、特に円形の変形(n=∞)を含む。回転部材(103,203)は、回転軸に垂直な回転面中の回転軸の周りで回転する。
【0024】
第1の態様は、2つの主な組み合わせの特徴を有する。
【0025】
第1の主な特徴は、回転部材(103,203)が1又はそれ以上のシート(105a,b..,205a,b..)を含み、回転部材の上の微小流体装置(101a,b..,201a,b..)の少なくとも1つが保持されることである。シートのそれぞれはi)グループの他のシートのいずれかと同じ半径距離に配置され、ii)回転面に対してαの角度で本質的に放射状に配置される。ここで、0°<α=<90°、好適には、45°=<α=<90°で、αは本質的に90°に等しい(図1−2参照)。本質的に90°に等しいαは、85°から90°の間の角度を含む。
【0026】
層Iが本質的に半径方向を有し、αが本質的に90°に等しい変形では、回転軸(104,204)方向の内方への装置の延びは、一般に、この軸を横切り、αが90°の時は完全に取り囲む。好ましい変形では、これは、層Iにも適用される。図1−2は、αが90°に等しい場合の変形を示す。
【0027】
アレンジメント(配置)は、他の種類の微小流体装置(図示せず)を含んでも良い。この場合、回転部材は、1又はそれ以上のそれらの種類の装置のための分離されたシート(グループB、C等)を含んでも良い。異なった種類の装置は、特定のグループのシートに適合しても、しなくても良い。
【0028】
好ましい変形において、セットIのマイクロチャネル構造は、本質的に平行である。グループ、特にグループAの各シート(105a,b..,205a,b..)は、回転軸(104,204)から本質的に同じ半径距離の異なった微小流体装置のセットIの、マイクロチャネル構造(304a,b..,図3)の内部のマイクロ導管部分(308a,b..,図3)の部分に対応して配置される。これはまた、もしあれば、マイクロチャネル構造の他の組(II、III等)に適用しても良い。
【0029】
第2の主な特徴は、微小流体装置(101a,b..,201a,b..)のそれぞれのマイクロチャネル構造(304a,b..,図3)中のマイクロ導管部分(308a,b..,図3)は、上流部分と下流部分と装置(101a,b..,201a,b..)が回転部材(103,203)中に配置され、回転軸(104,204)の周りで回転する場合に、液体が上流から下流に移動する/流れる中間部分とを有する。一般に、上流部分は、下流部分より、回転軸から短い半径距離を有する。
【0030】
器機
図1−2に示される新規な器機は、回転モータ(102,202)および回転部材(103,203)を含む。回転モータは、対称軸/回転軸(104,204)がそこを通る軸(107,207)を備えたシャフト(106,206)を含み、フレーム(108,208)に搭載される。回転部材(103,203)は、その上部に、1又はそれ以上のシート(105a,b..,205a,b..)を有し、所定の数の微小流体装置(101a,b..,201a,b..)を保持する(図1、2ではそれぞれ10個と4個)。各シートは、1、2、又はそれ以上の微小流体装置を保持する。
【0031】
それらの図に記載された各微小流体装置は、突出した形状の導入部分(109,209)を有する。各突出部分は、毛管寸法の内部マイクロ導管を有し、微小流体装置の表面に分かれて取り付けられる端部形状であっても良い。図1−2の突出は、ディスク形状の微小流体装置の端面(第1端面、図3dの303a)に取り付けられる。
【0032】
回転部材の上に配置されるシート(105a,b..,205a,b..)の総数(x)は、回転部材の大きさ、シートの大きさ、シートに配置される微小流体装置の大きさ(厚み、半径方向の広がり等)、シートの半径位置、シート/微小流体装置の環状の輪の数、回転するシート/装置の能力等に依存する。一般にxは、2=<x=<1000、例えば2=<x100である。この間隔は、半径方向に配置された長さの間隔が2−30cmの、多くの微小流体装置に適用される。
【0033】
それぞれのシート(105a,b..,205a,b..)は、好適には、シート内に配置された微小流体装置が回転部材(103,203)するときに保持されるように固定されるように設計される。この保持機能は、例えば、シートに配置される微小流体装置の部分にマッチする、回転部材の表面の、幾何学上の形状でも良い。幾何学上の形状は、1又はそれ以上の溝、および/又は1又はそれ以上のピン、および/又は高くなったおよび/又はリセスの構造でも良い。減圧、および/又は磁力、一般的には幾何学上の形状と他の保持機能の組み合わせが用いられても良い。回転部材の上に装置を保持するための機能を有しても良い。例えば、回転部材(103,203)のシート(105,205)中に配置される装置(101,201)の上部に遅付けられる上板(110,210)でも良い。上板(110,210)は、回転部材に対して回転する側面上の保持機能(一般には上板の下方側面)を含む。
【0034】
減圧に基づく保持機能は、回転部材(103,203)の上に減圧を導入することを要する。これは、一般的には新規な器機の非回転部分から行われ、回転部材(103,203)以外の回転部分を含んでも良い。他の回転部分の例としては、軸(106,206)および/又はシャフト(107,207)がある。回転部分と非回転部分との減圧接続は、好適には、a)回転部材が回転した時にそれらの部分の間で低いまたはゼロの抵抗を与える、および/又はb)世接続される回転部分と非回転部分の間で空気をリークさせる、である。好適な変形は、WO 03024596(Gyros AB)に記載されている。他の種類の接合を用いても構わない。
【0035】
磁力に基づく保持機能は、磁石または磁気材料を含むシート(105,205)を備えた微小流体装置(101a,b..,201a,b..)または回転部材(103,203)のいずれかまたは双方を必要とする。
【0036】
1又はそれ以上のシートは、回転部材(203)の回転軸(204)と平行で、これから離れた軸の周りで、微小流体装置(201)が回転できるように設計されることが好ましい。この軸は、一般に、それぞれのシートにとって独特で、シートおよび/又はシートに配置された装置を通る。回転は、全回転でも部分回転でも良い。装置の回転は、回転部材の面(回転面)に平行な面で行われる。副次的な変形では、および又はそれ以上の、好適には全てのグループのシートが、2又はそれ以上の交互に保持する構造(例えば幾何学的)を有する。かかる構造は、微小流体装置の配置を、回転部材の中心からシートを通る半径に対して固定された角度で行う。一般的には、この角度は0°、90°、および/又は180°である。装置の配置の変化は、一般に手動で行われる。他の副次的な変形では、グループのそれぞれのシートが、回転部材(203)の上にある分離されたターンテーブル(211a,b..)の上に配置され、回転部材(203)の回転とは独立して回転できる。ターンテーブルの回転面は、回転部材の回転面に平行である。ターンテーブル(211a,b..)は、電気モータ又は手動で駆動される。配置の変化は、器機のコントローラ(図示せず)にプログラムされた処理手順で規定されたタイムスケジュールに従って、自動的に行われる。微小流体装置の分離した回転を可能とするシートの使用は、特にαが90°又は本質的に90°の変形にとって重要である。
【0037】
先のパラグラフで記載したように、180°の装置の回転能力は、流れる方向の逆転を可能とする。これにより、微小流体装置の部分で、液体(溶かした試薬や溶かした粒子を含む)を前後に移動させることが可能となる。
【0038】
液体の流れの逆転は、装置の大きさを大きくすることなく、より複雑な手続きを可能とする、非常に多くの機能ユニットを含む拡張された微小流体装置の可能性を予見させる。微小流体装置は、このように1の側面で開始し、逆転したユニットが微小流体装置に開始する側面に向かって戻ることを可能とする対向する他の側面に達する。一端、逆転ユニット中で処理中の試薬/製品等は、最後に装置が180°回転し、処理が続けられる。
【0039】
他の変形では、シートが横方向、例えば半径方向に動くことができる。それらの変形では、半径方向にシート(105,205)を動かすことにより内部のマイクロ導管部分で、流速を調整することができる。一定の回転速度の場合、シート(および微小流体装置)を外方に移動させることにより半径方向の流速を増加させることができない方に移動させることにより現象させることができる。本質的に同じ多くの微小流体装置を、異なった半径距離に置くことで、流速のスペクトラムを同時に行うことができる。
【0040】
独立したシート(105,205)を半径方向に移動させることにより、装置(101,201)の単純で独立した処理が可能となる。このように、装置は、時々、回転部材(103,203)上の他の装置より外方位置に配置しても良い。これにより、回転部材(103,203)上に同時に存在する独立した微小流体装置(101,201)の部分領域の測定や照射が容易となる。
【0041】
半径方向の移動により、2つの適当に配置された新規な器機の間の微小流体装置の移動が、例えば、流れを逆にするために装置を180°回転させることなく、簡単に行うことができる。
【0042】
他の補足的な変形では、シート(105,205)に配置された微小流体装置(101,201)が、回転部材(103,203)の面に対して上方および/又は下方に移動させることができる(軸方向の移動)。装置/シートの移動は、他の装置/シートの移動に充足しても独立でも良い。この変形は、例えば、測定や照射等の、装置の独立した取り扱いを可能にする。
【0043】
回転モータ(102,202)は、回転部材(103,203)の上に配置されるマイクロ導管部分(308)の、上流位置と下流位置との間で液体を移動させる必要な遠心力を作ることができる。遠心力は、構造の中で十分に局所的な静水圧を形成するための第2の液体体積と結合して使用され、マイクロチャネル構造の外方(下流)および/又は内方(上流)へのたわみを通って第1の液体体積を移動させる。例えば、WO 0146465参照。回転モータ(102,202)は、一般には50−30000rpmの範囲で、例えば50−25000rpmの範囲またはその範囲の一部のような回転速度を与えることができる。より高い回転速度を与える回転モータを用いても構わない。回転モータは、回転速度が異なった値、異なった加速、及び/または減速となるようにセットできるという意味で、調整可能なことが好ましい。遠心力は、また他の力および/又は手段と組み合わせて、微小流体装置中での液体の流れを移動させることができる。
【0044】
微小流体装置
微小流体装置(300)は図3に示され、3層の変形が3つの平坦な基板(I、II、およびIII)を含む。基板Iおよび基板IIIは、上面および下面に開いた微小構造をそれぞれ有し、基板IIは、基板が通る孔を有する。図3dに示されたように、基板が並置された場合、マイクロチャネル構造(304a,b..)が形成される。図3の変形の、基板I、IIおよびIIIの幅(a、bおよびc)は、a=b>cである。これは、微小流体装置(300)が、一般に、2つの本質的に平坦で平行に対向する側面(図3dの301a,302)を含むことを意味する。平行な対向面は、一般に、装置の上面(301a,b)と底面(302)を規定する。装置の上面および/又は底面は、一般には多角形で、例えば、矩形や四角形(矩形ディスク、四角形ディスク)のように、まっすぐな面と垂直な角を有する。一般に、上面と底面は、同じ大きさおよび/又は形状を有し、端面が、上面および底面に対して垂直になるように配置される。端面の面積は、一般には上面および/又は底面の面積より小さい。
【0045】
装置(300)は、好適にはディスク又はディスク形状である。ディスクは平坦であるが、異なった長さおよび/又は幅の平坦な基板が、図3dに示すように製造で使用されるような変形も含む。
【0046】
装置(300)あたりのマイクロチャネル構造(304a,b..)の数は、装置及び/又は独立したマイクロチャネル構造の大きさに依存する。一般に、微小流体装置は、例えば3以上(>=3)又は5以上(>=5)又は10以上(>=10)又は25以上(>=25)又は50以上(>=50)のような、総数で2以上(>=2)のマイクロチャネル構造を含む。一般的な上限は、100と1000の間であり、例えば、1装置あたり100と500の間のマイクロチャネル構造である。マイクロチャネル構造は、設計、装置中の方向、装置中で延びる層等に依存してセット(セットI、II、III等)に分割される。セット中のマイクロチャネル構造の数は、一般には1〜50の範囲内であり、例えば2〜25や2〜20である。同じセットのマイクロチャネル構造は、共通の導入口を有し、共通の分配マニホールド(後述)と組み合わされる。セットのマイクロチャネル構造は、一般には本質的に平行である。セットのマイクロチャネル構造中の層(層I)は、一般に装置の上面又は底面に対して本質的に平行である。
【0047】
接頭語「マイクロ」は、10μm以下(=<10μm)、例えば5×10μm以下(5×10μm)や10μm以下(=<10μm)の深さ及び/又は幅を有する1又はそれ以上のマイクロキャビティ及び/又はマイクロ導管を含むそれぞれ独立したマイクロチャネル構造(304)を意図する。この範囲内での寸法は、マイクロチャネル構造のいずれの位置においてもすぐに使用できることが好ましい。マイクロキャビティの体積および、移動させて処理される液体の部分標本は、一般にナノリットル(nl)の範囲であり、即ち、1000nl以下(=<1000nl)又は500nl以下(=<500nl)又は100nl以下(=<100nl)又は50nl以下(=<50nl)又はそれ以下のような、5000nl以下(=<5000nl)の範囲である。nlの範囲を超えて拡がる、例えば1〜10μl、1〜100μl、および1〜1000μl(μlの範囲)のような体積を備えた、より大きなマイクロキャビティであってもよい。これらのより大きなマイクロキャビティは、一般に液体の導入口に組み合わされ、試料又は洗浄液等の導入に用いられる。
【0048】
マイクロキャビティ又はマイクロチャンバは、周囲のマイクロ導管と比較して、同一の又は異なった断面構造を有してもよい。
【0049】
マイクロチャネル構造は、一般に閉じられ、例えば被覆されているが、液体及び/又は空気の導入/排出口(ポート/ベント)を有する。
【0050】
マイクロチャネル構造の異なった部分
マイクロチャネル構造(304)は、構造中で予め決められた処理を行うのに必要な機能ユニットを含む。かかる機能ユニットは、
a)それぞれが1又はそれ以上の導入ポート(例えば、IPIおよびIP1;305,306a,b..)を含む1又はそれ以上の導入アレンジ、
b)1又はそれ以上の出力ポート(OPI、OP1、OP1;307a,b..,316,320a,b..)を含む1又はそれ以上の出力アレンジ、および
c)導入ポートアレンジと出力ポートアレンジの間の、内部マイクロ導管部分(308a,b..)を、少なくとも含む
【0051】
導入アレンジは、一般に、液体溶の体積測定ユニット(309a,b..及び310a,b..:図3c及び3a)を含み、そこから測定された液体の体積が、マイクロチャネル構造の下流に移される。図3に示すように、以下の2種類の導入アレンジが存在する。
a)多くの体積測定ユニット(309)を含む、共通の分配システム又は分配マニフォールド(315)を備えた共通の導入ポートIPI(305)、および、
b)それぞれのマイクロチャネル構造用の、分離されたポートIPI(306a,b..)および体積測定ユニット(310a,b..)。
導入アレンジは、例えば、体積測定ユニットの上流の特別な材料を除去するための分離ユニットのような、他の機能ユニットを含んでも良い。体積測定ユニットの上流の特別な材料を除去するための分離ユニットは、沈殿、濾過等の基づく。
【0052】
排出アレンジは、内部マイクロ導管部分(308a,b..)の下流端部の直接接続されても、接続されなくても構わない。図3に、以下の3種類の排出アレンジを示す。
1)マイクロチャネル構造の内部マイクロ導管部分(308a,b..)の下流端部と接続され、処理された液体の部分標本を廃棄するのに使用される排出ポート(OPI)(307a,b..)と、
2)分配マニフォールド(315)と接続され、分配マニフォールド(315)に分配された余剰の液体や余剰の空気の処理に使用される排出ポート(OPI)(307a,b..)と、
3)単体の体積測定ユニットに分配され、体積測定ユニット(310a,b..)に接続されたオーバーフローマイクロ導管を介して通ることができる余剰の液体の処分ための排出ポート(OPI)(320a,b..)である。
排出アレンジは、処理機能を含んでも、含まなくても構わない。排出ポートは、一般に、空気ベントや空気の排出にも使用できる。
【0053】
内部マイクロ導管部分(308a,b..)は、一般に、試料のような液体が処理される1又はそれ以上の機能ユニットを含む。この部分において、一般に能動的な液体流が、液体、反応物等を、その部分の少なくとも一部で移動させるために使用される。
【0054】
IPI(305)やIP1(306)のような導入ポートは、液体及び/又は粒子(例えば、浮遊形態)の導入に本来使用される。OPI(307)のような排出ポートは、本来、空気や液体の排出に使用される。ポートは、例えば、空気の導入(ベント)、空気の排出(ベント)、液体の導入、及び液体の排出から選択されるような、他の機能や機能の組み合わせを備えても構わない。
【0055】
多くのマイクロチャネル構造に共通の機能ユニット(マイクロ導管又はマイクロ導管のシステム)は、共通のそれぞれのマイクロチャネル構造の一部である。図3の導入ポート(305)と分配マニフォールド(315)は、接続されたそれぞれのマイクロチャネル構造の一部である。
【0056】
体積測定ユニットは、このユニットに接続された導入ポート中に分配された液体体積の一部を測定するのに使用される。測定された体積は更に下流に移動し、導入アレンジから関連するマイクロチャネル構造に入る。測定の精度は高く、決められた体積に対して、一般には、例えば±5%以内のような、±10%以内である。
【0057】
体積測定ユニット(309a,b..,310a,b..)は、一般に、体積規定マイクロキャビティ(311a,b..(図3c)、312a,b..(図3a))や、体積規定マイクロキャビティ(311a,b..,312a,b..)の下方端部に接続されたバルブ機能(313a,b..(図3a)、314a,b..(図3a))を含む。バルブ機能(313a,b..,314a,b)は、体積測定ユニットからマイクロチャネル構造の下流部分への液体の望まないリークを防止する。一般に、余剰の空気及び/又は液体が体積測定ユニットからそこを通って除去されるオーバーフローマイクロ導管(321,319a,b..)が存在する。
【0058】
2又はそれ以上のマイクロチャネル構造が、液体用の同一の導入ポート(305)に接続された場合、体積測定ユニット(309a,b..)は、導入ポート(IPI,305)に接続されたマイクロチャネル構造用に共通の分配マニフォールド(315)を形成しても良い。図3に示された分配マニフォールド(315)は、直列接続された体積測定ユニット(309a,b..)と、余剰の空気や余剰の液体のための1又はそれ以上の排出ポート(OPI,316)(オーバーフローマイクロ導管)とを含む。必要であれば、単に空気のための導入/排出ポート(導入ベント)(317a,b..)が、臨界位置に設けられ、明確な液体体積の有効な分割を、分配ユニットに接続されたそれぞれのマイクロチャネル構造に対して行うのを助ける。図3に示された態様では、臨界位置は、体積規定マイクロキャビティの間、及び/又はそれぞれの端部部分(317b-e,317a,f)の上である。それらの導入ベントの位置は、それぞれの導入ベントが、関係するマイクロキャビティ中で測定される体積を規定するのに参加するように選択される。例えば、閉じたベントのそれぞれの組の間の体積が、測定される体積を決めるように選択される。例えば、化学又は部鶴的表面特性の部分的な変化である、アンチウィッキング(anti-wicking)構造が、導入ベント(317a,b..)と同じ場所に存在し、体積の規定を補助しても良い。それらの導入ベントを通る液体の望まない通過を防止するために、導入ベント(317a,b..)の漏らされるマイクロ導管の内側は、特に液体を含む部分に接続される部分において、一般には疎水性(322a,b..)である。
【0059】
1つのマイクロチャネル構造のみが、導入ポート(306)に接続された場合、体積測定ユニット(310a,b..)は、一般に、その排出端部においてバルブ機能(314a,b..)を有し、その導入端部において導入マイクロ導管を介して導入ポート(306a,b..)に接続されるとともに、そこを通って余剰の液体が主流路を離れることができるオーバーフローマイクロ導管(319a,b..)に接続された体積規定マイクロキャビティ(312a,b..)を含む。体積規定マイクロキャビティ(312a,b..)の断面積は、一般には、オーバーフローマイクロ導管(319a,b..)が取り付けられる導入端部で大きくなり、排出端部で小さくなる。図3に示される変形におけるはオーバーフローマイクロ導管(319a,b..)は、排出ポート(OPI,320a,b..)で終わっている。
【0060】
マイクロ導管(オーバーフローマイクロ導管)(321及び319a,b..)は、一般に、バルブ機能(331及び332a,b..)を有する。
【0061】
好適な変形では、体積測定ユニットは、マイクロチャネル構造(304a,b..)は、それぞれのユニットの下方レベルでマイクロチャネル構造(304a,b..)の下流部分への接続部(バルブ313,314)に下方で接遺族される。余剰のマイクロ導管(321,319)の排出端部(316及び320a,b)は、一般に、導入ベント(317a,b..)より低いレベルにある。例えば、対応する体積測定ユニット(309,310)と対応するマイクロチャネル構造の下流部分との間の接続部、即ち、体積測定ユニット(309,310)と内部マイクロ導管部分(308)との間より低いレベルにある。
【0062】
液体の導入ポートが配置されるレベルは、自己吸収(毛管)が体積測定ユニットを満たすのに依存するほど、臨界的ではない。
【0063】
体積測定ユニットは、この明細書の他の場所で議論する体積のために、区間/サブ区間の中の液体の体積を測定できる。
【0064】
ウィックにより測定された液体が無くなるのを防止するために、アンチウィック構造が、液体の導入ポートと下流に設けられた体積測定ユニットとの間に配置されても良い。
【0065】
分配マニフォールド、体積測定ユニット、アンチウィック構造、バルブ、粒子材料を除去する分離ユニット等の設計についての更なる情報は、例えば、WO 9853311(Gamera Biosciences)、WO 02074438(Gyros AB)、WO 0318198(Gyros AB)や他の多くに見られる。WO 0274438中の粒子ユニット3,7,10-12(図4、8、11−13)、WO 0318198(Gyros AB)中のユニットB−D(図3−5)、およびこの明細書で引用された出版物中のアンチウィックリング構造やバルブに関する他の経路を参照のこと。
【0066】
同じ機能を有する導入ポートは、一般には、例えば端面(303)又は上面又は底面(301,302)のような、同じ面に存在する。異なった機能を有する導入ポートは、一般には、例えば異なった端面(303a,b,c,d)又は端面と平行な対向面の一つ(301,302)、又は上面と底面(301,302)のような、異なった面に存在する。多くのマイクロチャネル構造に共通な、図3のIPI(305)のような導入ポートは、このように1の側面に存在し、1のマイクロチャネル構造のみに接続され、又はマイクロチャネル構造の他の組み合わせに接続されたIPI(306)のような導入ポートは、上述の側面の他の側面に存在する。
【0067】
ポートの開口部は、開口部で終端するマイクロ導管を含む先端部上(図3cの323,324、図3aの325a,b..,326a,b..,333)にあっても良い。先端部は、毛細管の形状や三角形等でも良く、微小流体装置がそれから形成される基板の統合された部分、又は基板に分離して取り付けられても良い。このような種類のポートの設計の一般的な条件は、突出である。代わりに、ポートは、装置の適当な面の平坦な表面の、直接的な開口部であっても良い。
【0068】
導入ポートの突出した設計は、ここでは「ディップ・チップ技術(Dip-Chip technique)」と呼ばれる、新規な方法論に特に良く適応する。この技術は、液体の導入が、同種のポートを導入される液体に浸すと同時に完了することを含む。1より多くの同種の導入ポートが有る場合、個々のポートが分離された液体、例えばマイクロプレートの井戸、に同時に浸される。もし対応する導入アレンジの内部表面が、本明細書の他の場所で検討したような十分な湿潤性を有する場合、毛管現象により、それぞれのマイクロチャネル構造(304)に、最初のバルブ機能(導入ポート305,314に対して313,331、導入ポート306に対して332)まで液体が満たされる。新規な器機の中で微小流体装置を回転させ、オーバーフローマイクロ導管(319,332)でバルブ機能(332,331)を開くことにより、オーバーフローマイクロ導管(導入ポート305に対して321,導入ポート306に対して319)を介して、余剰の液体がマイクロチャネル構造を去り、体積が規定されたそれぞれのマイクロキャビティ(導入ポート305に対して311a,b..,導入ポート306に対して312a,b..)に規定された体積の液体を残す。回転速度が速くなった場合、体積が規定されたマイクロキャビティ中の液体は、更に下流に移動し、反応マイクロキャビティ(327a,b..)に至る。もし、それぞれの反応マイクロキャビティがバルブ機能を備えて終端すれば、流れない状態で反応を行うことが可能となる。もし、バルブ機能が存在しなければ、反応は一般に流れた状態で行われる。背景技術の刊行物として引用された刊行物として、特にWO 0275312(Gyros AB)およびWO 03093802(SE0201310-0)(Gyros AB)がある。
【0069】
装置の平坦な表面の、平坦な開口部であるポートへの導入は従来の方法で行われ、一般的にはピペット及び/又はだいたい自動化されたディスペンサにより行われる。もし、同じ液体が、側面の複数のポートに導入される場合、関係する側面は単に液体に浸されるだけで良い。
【0070】
所定の変形では、異なったマイクロチャネル構造の導入部分が、交差するか互いに横切る必要があり、一方、液体の望まない混合を避けるために、物理的に分離して保つ必要がある。これが以下の変形の場合である。
A)セットのそれぞれのマイクロチャネル構造が2又はそれ以上の導入ポートに接続され、それらのポートの少なくとも1つが、そのセットの多くのマイクロチャネル構造に共通であり、
B)少なくとも2つの導入ポートが、端面の同じマイクロチャネル構造の口に接続される。
異なったサブレイヤーの異なったマイクロチャネル構造のマイクロ導管部分を交差するように配置することにより、望まない混合の危険を回避できる。これは図3に示され、導入ポート(例えば導入ポート305)の1種を含む導入アレンジの上流部分は、導入アレンジの上流部分を含むサブレイヤーから物理的に分離されたサブレイヤーであり、導入
アレンジは他の種類の導入ポート(例えば導入ポート306)を含む。この文脈において上流部分は、導入マイクロ導管を備えた導入ポートを少なくとも含み、対応する体積規定マイクロキャビティ及び/又は分離機能のような機能ユニットを含んでも良い。分離機能は、導入ポートと体積測定ユニットとの間に配置される。サブレイヤーは、中間基板II(図3b、d)により表され、一般には、異なったサブレイヤー(例えば基板IとIII)に存在する液体の導通を提供する。異なったサブレイヤーは、中間サブレイヤー/サブ基板(例えば基板II)の異なった面に配置される。
【0071】
内部マイクロ導管(308)は、1又はそれ以上の以下の機能ユニットを含んでも良い。液体移動溶のマイクロ導管、バルブユニット、分岐ユニット、周囲の雰囲気へのベント(排出ポート)、液体混合用のユニット、化学反応又は生物反応を起こさせるためのユニット、液相から溶けたもの又は粒子材料を分離するためのユニット、廃物キャビティとオーバーフローチャネルを含む廃液ユニット、検出ユニット、構造で処理された部分標本の収集用ユニット、例えば分析のための更に他の装置への輸送ユニット、液体流を混ぜ、又は分けるためのユニット等である。例えば検出/測定が反応マイクロキャビティで、このマイクロキャビティの輸送壁(検出窓)を介して行われるように、ユニットは結合されても良い。内部のマイクロ導管部分の、機能ユニットの存在は、図3に示され、それぞれの内部のマイクロ導管部分(308)は、反応マイクロキャビティ(327a,b..)を有する。行われる反応が、流れない状態、又は流れる状態で行われる否かにより、マイクロキャビティ(327)の排出端でバルブ機能(328a,b..)が有っても無くても良い。反応マイクロキャビティの壁を半透明/透明(検出窓、329a,b..)にすることにより、反応マイクロキャビティ内で行われる現象の結果を測定することができる。
【0072】
有用な機能ユニットについての更なる詳細は、上で引用した出版物中に見ることができる。第1には、Gamera Biosciences/Tecan、又は譲受人としてのGyros AB/Amersham Biosciencesである。
【0073】
マイクロチャネル構造は、反転、分岐、液体が前後する部分等が無い限り、一般には、内部マイクロ導管部分(308a,b..)の最初から端部の方向に定義される液体流(D1)の主方向を有する。他の流れの主方向を有するマイクロチャネル構造が無い場合、マイクロチャネル構造のDは、関連する装置のための液体の主方向となる。一般的な場合、D1は、1の端面(第1端面(303a))から他の装置の端面、例えば対向する端面(第2端面(303c))に向かう。D1に比較して逆の液体流ができる微小流体装置(300)の変形では、主方向D1は、内部液体マイクロ導管(308)の最初の部分における主な流れ方向となり、一般には、逆流が起きる領域までの部分となる。
【0074】
もし、文脈から明らかで無い場合、マイクロチャネル構造(304)の「より高い」、「上方の」および「内部の」レベル/位置は比較であり、「より低い」レベル/位置にあるレベル/位置に比較して、主方向D1と反対の方向に関連するレベル/位置が配置されることを意味する。「上」、「上方」、「内方」等および「下」、「下方」、「外方」の用語は、マイクロチャネル構造の主方向D1に「逆らって」、「沿って」をそれぞれ意味する。
【0075】
装置(300)は、回転部材(103,203)の上のシート(105,205)に配置されても良い。ディスク面を、下流部分より短い半径距離で、内部のマイクロ導管部分(308a,b..)において外方に向けても構わない。この配置は、第1の端面(303a)が回転部材(103,203)の中心(対称軸、回転軸)(104,201)に近づくことを意味する。装置の主方向D1は、第1端面(303a)(中心)から対向する端面(303c)(外方)方向であり、回転面に対して所定の角度(β)(−90°<β<90°、好適には、45°<β<45°、例えば0°)を有しても良い。
【0076】
内部表面の湿潤性/非湿潤性
マイクロチャネル構造は、好適な変形では、疎水性の内部表面を有する。疎水性は、例えば、WO 0056808、WO 0147637、又はUS 5,773,488(Gyros AB)に記載されたように導入される。親水性は、それらの出版物に記載されたようであり、即ち、構造ユニットの内側の湿潤性は、一旦、液体がユニットの導入を通った場合、毛管力のために、ユニットが液体で満たされるのに十分であるべきである。適当な疎水性のある表面の破損(例えば、アンチウィッキング手段及び/又はバルブ)が、WO 9958245及びWO 0274438のように導入される。WO 0185602(Åmic&Gyros AB)参照。
【0077】
マイクロチャネル構造の内部表面の親水性(液体接触角)に対する厳密な要求は、異なった機能ユニットの間で変化する。部分的な疎水性表面の破壊を除き、マイクロ導管の少なくとも2又は3の内部の壁に対する液体接触角は、特別なユニットにおいて、輸送される液体にとって湿潤(湿潤性のある、液体接触角=<90°)であり、液体接触角は好適には60°以下(=<60°)であり、例えば50°以下(=<50°)又は40°以下(=<40°)又は30°以下(=<30°)又は20°以下(=<20°)である。1又はそれ以上の壁がより高い液体接触角を有する場合、例えば、非湿潤性(疎水性)の場合、残った壁の低い液体接触角により補ってもよい。これは、特に非湿潤性のふたが、疎水性のマイクロチャネル構造を覆うのに使用される場合に重要となる。値は、使用される温度に適用する。好適な液体は、一般には他の水性液を含む水である。
【0078】
上述の液体接触角は、平衡の接触角であり、例えば+25℃±5℃のような室温のような使用温度で測定されたものである。
【0079】
親水性/疎水性に上述したものは、特に、もし存在するのであればマイクロチャネル構造の先端部分を含む、好適な微小流体装置(304)のマイクロチャネル構造(304)の導入アレンジに適用される。
【0080】
通気目的(導入及び/又は排出ベント)で使用されるマイクロ導管は、一般に、少なくとも液体に対することを意図するマイクロ導管との接続において、疎水性の内部表面を有する。
【0081】
バルブ機能
バルブ機能は、一般には、3つの主なカテゴリーから選択される。
1.機械バルブ。
2.どのチャネルを通って液体流が形成されるかを決定する手段を備えた、交差するチャネルを含むバルブ。
3.内部バルブ、即ち、液体の通過又は非通過が、液体の物理的及び/又は化学的特性と、バルブの内壁の表面材料に依存するバルブ。
【0082】
タイプ1のバルブは、一般にマイクロ導管を物理的に閉じることを要求し、それゆえに「閉止バルブ(closing valve)」と呼ばれる。これらはしばしば、可動な機械的部分である。
【0083】
タイプ2のバルブは、閉じる機能を有さず、それゆえに「非閉止バルブ(non-closing valve)」である。一般的な例は、電極を切り替えることにより2つのチャネルの交差点において、動電学的な流れを管理するものである。例えば、US 5,716,825(Hewlett Packard)およびUS 5,705,813(Hewlett Packard)参照。
【0084】
タイプ3のバルブは、液体の通過又は非通過が以下に基づく。
(a)バルブ機能の位置におけるマイクロ導管中の断面積を、マイクロ導管の壁の材料(閉止バルブ)に導入されるエネルギを変えることにより変化させる、及び/又は、
(b)異なった相互エネルギの表面間の境界に、バルブ位置において通過して流れる液を提供する(非閉止バルブ、毛管、又は能動バルブ)及び/又は、
(c)バルブ機能において、マイクロ導管に適当な湾曲を与える(幾何学バルブ、非閉止バルブ)。
【0085】
タイプ3aのバルブは、WO 0102737(Gyros AB)に示されており、バルブ機能を行うために、刺激応答性ポリマ(インテリジェンスポリマ)が提案されている。また、WO 9721090(Gamera Biosciences)では、非平衡ポリマ構造の弛緩、および溶融性ワックスプラグがバルブとして提案されている。
【0086】
タイプ3bのバルブは、化学的及び/又は幾何学的な表面特性の部分的な変化に基づく。流れは液体を駆動させる力の増加により達成される。疎水性の表面の破損(化学的表面特性の変化)をバルブとして使用することは、WO 9958245(Gyros AB)、WO 0146465(Gyros AB)、WO 0185602(Åmic AB & Gyros AB)、WO 0274438(Gyros AB)、及びWO 031898(Gyros AB)に記載されている。幾何学的な表面特性の変化をバルブとして使用することは、WO 9615576(David Sarnoff Res. Inst.)、EP 305210(Biotrack)、及びWO 9807019(Gamera Biosciences)に記載されている。他の代替えは、小孔の孔やクラスタを有する多孔質部材であり、液体が通過するのに十分な駆動力を得る。孔は、一般には疎水性であり、直径は5μm以下、例えば1μm以下のような、円形領域に対応する大きさを有する。
【0087】
タイプ3bのバルブは、もし、アンチウィッキング構造として記載されたように、側面の化学的及び/又は幾何学的な表面特性の変化を使用するのであれば、アンチウィッキング機能をしばしば含む。
【0088】
タイプ3cのバルブは、遠心性の基盤システム用であり、下流方向に曲がったマイクロ導管(U形状、又はY形状)の下流端部を、上流方向に曲がったマイクロ導管に接続することにより行われる。これは、WO 0146465(Gyros AB)に記載され、2又はそれ以上のY/U形状の構造が下流方向に連続した構造である。
【0089】
もし、閉止バルブがマイクロ導管装置で使用されたら、一般にバルブ機能の上流端部と結合された排出ベントを備える。
【0090】
アンチウィッキング構造
アンチウィッキング構造は、一般には、ウイッキング、即ち、マイクロ導管の内部端部での望まない液体の移動を防止する部分的な表面変形である。マイクロ導管装置では、アンチウィッキング構造は、予め決められたマイクロキャビティ中で、nlレンジの液体体積を維持する場合に、特に重要となる。
【0091】
アンチウィッキング構造は、一般に、マイクロ導管の内部の長手方向の端部における、表面特性の変化を含む。端部は、一般に、マイクロキャビティで始まり、マイクロ導管中に延びてマイクロキャビティに接続される。変化は、幾何学的及び/又は化学的な表面特性の変化に関係する。アンチウィッキング構造は、マイクロキャビティの上流又は下流に存在し、液体を囲んでも構わない。アンチウィッキングの機能は、内部エッジでの疎水性表面の破損の存在に基づいた内部バルブに本質的に存在する。
【0092】
幾何学的な表面特性の変化は、一般に、存在し、へこみや突起(突出)のような変形から選択される。多くの場合、変形は関連するマイクロ導管の内壁の中に延びるか横切る。WO 0274438(Gyros AB)及びWO 031898(Gyros AB)参照。
【0093】
例えば、耳状又は三角形状、台形形状等のような、へこみの形状の変形は、WO 0274438の図3、5、8、10、11、12、及び13、WO 031898(Gyros AB)の図2、4、及び5、WO 0275312(Gyros AB)の図1に、記載されている。
【0094】
アンチウィッキング目的のための、化学的表面特性の変化(表面損傷)は、湿潤性のマイクロ導管の内部表面が非湿潤性の領域を含むような場合を意味する。それらの領域は、第1に、マイクロ導管の内部端部に存在するが、好ましい場合は、端部の間の全体に延びる。
【0095】
幾何学的な変化、表面特性の化学的な変化は、マイクロ導管の内部表面の全体又は部分的に同時に発生する。
【0096】
アンチウィッキング構造の多くの種類の更なる情報は、内部バルブ機能と組み合わせることができ、これは、WO 0274438(Gyros AB)やWO 031898(Gyros AB)に記載されている。
【0097】
微小流体装置の作製
微小流体装置は、無機又は有機材料から作製される。一般的な無機材料は、シリコン、水晶、ガラス等である。一般的な有機材料は、エラストマを含むプラスチックで、例えばゴムシリコーンポリマ(例えば、ポリ・ジメチル・シロキサン)等である。好ましい変形では、開口したマイクロ構造は、平坦な基板の表面に、エッチング、レーザー切断、リソグラフィ、複製等の様々な技術を用いて形成される。作製の支店から、プラスチック材料が好ましく、マイクロ構造は、一般には開口したマイクロチャネルの構造のマイクロ構造が、エンボス、モールデイング、キャスティング等の複製により作製される。マイクロ構造は、それから、上部構造により覆われ、もし必要であればこれもマイクロ構造からなる。例えば、WO 9116966(Pharmacia Biotech AB)参照。基板のマイクロ構造は、2つの平坦な基板の表面が対向した場合、所望の閉じられたマイクロチャネル構造が、2つの基板の間に形成される。
【0098】
マイクロチャネル構造の異なった部分が、層I(セットIのマイクロチャネル構造がその中で延びた層)の異なったサブ層中にあることを要求する微小流体装置は、製造方法において多くの基板層を含んで形成されても良い。図3及び上述の文章参照。望まれていないマイクロ構造のような共通の導入アレンジ(305+309)は、第1基板の表面に規定され(III、基板の底面として表示)、第1基板(III)には規定されないマイクロチャネル構造(304)の部分は、1又はそれ以上の追加の平坦な基板(I、基板の上面に表示)の表面に規定されても良い。基板のマイクロ構造は、基板が対向し互いに接続された場合に、マイクロチャネル構造を備えたマイクロ導管装置が形成されるように、互いに組み合わされる。もし必要であれば、2つの近い位置の基板の間に、中間平坦基板(II)が配置されても構わない。異なった基板(III、I)中に規定されたマイクロチャネル構造の部分間の液体接続を提供するために、中間平坦基板(II)が配置される。小孔、又はより小さな孔のクラスタ、又は多孔質膜は、一般には液体接続が行われる位置で一般に存在する。図3は、平坦なディスクが、異なった形状(この場合は幅)を有する平坦な基板から形成された場合について記載されている。図3において、基板III及びIIの幅(a及びb)は等しく、基板Iの幅(c)より大きい。
【0099】
本発明の優先日において、好ましいプラスチック材料は、a)ポリカーボネートとポリオレフィンを含むプラスチック材料である。この文脈において、ポリオレフィンは繰り返しの炭化水素モノマーユニットを含み、これは好ましくは、1又はそれ以上の、重合された炭素−炭素の2重又は3重結合や、飽和し、分岐した直鎖又は環状のアルキル及び/又はアルキレングループを含む。一般的な例は、日本ゼオン社製のゼオネックス(Zeonex:登録商標)、ゼオノール(Zeonor:登録商標)であり、後者がより好ましい。例えば、WO 0056808(Gyros AB)参照。
【0100】
第2の主な態様−器機
新規なアレンジに、器機を用いても構わない。主な特徴は、器機が本発明の第1の態様で議論したシート(105a,b..,)を含む。言葉を換えれば、回転部材はシートを含み、そのそれぞれが、本発明の第1の態様と同じ方法で微小流体装置(300)の層Iを配置することができる。異なった変形が、上述の記載から明らかであり、そのような装置と使用される微小流体装置に関連する器機の特徴の双方に関係する。
【0101】
第3の主な態様−方法/2又はそれ以上の微小流体装置を並列に処理するための器機の使用
この方法は、
i)本発明の第2の態様の器機を提供する工程と、
ii)器機(300)のシート(105,205)に保持される適用された1又はそれ以上の微小流体装置(101,102,300)を提供する工程と、
iii)必要な液体、反応物、試料等を、工程ii)で提供された微小流体装置(300)のそれぞれの1又はそれ以上のマイクロチャネル構造(304)に入れる工程と、
iv)工程iii)で入れられた装置を、回転部材(103,203)のシート(105,205)中に配置する工程と、及び、
v)回転軸(104,204)の周りで回転部材(103,203)を回転させ、装置のマイクロチャネル構造の中で液体流が平衡に形成される少なくとも1のサブ工程を使用することにより、工程iv)で器機の中に配置された装置を処理する工程と、
を含む。
工程iii)は、工程iv)の前及び/又は後に行っても良い。反応物や他の必要な化学物質は、マイクロチャネル構造(304)中に予め分配しても構わない。即ち、工程ii)で提供される装置に含まれても構わない。もし、微小流体装置が、それを許容するのであれば、それらは、新しい「ディップチップ技術(Dip-Chip technique)」により説明されるように入れても構わない。本発明の第5の態様を参照。新規な方法は、プロトコルの一部で、器機に内部での又は外部での多くの更なる処理工程を含んでも良い。そのような外部の処理工程は、工程i)からv)に先だって又は後に、又は一連の工程に挿入されて行われても良い。
【0102】
第4の主な態様−微小流体装置
この態様は、新規なアレンジの一部として全体を上での述べた、様々な微小流体装置に関する。第4の態様の主な特徴は、a)1、2、又はそれ以上の導入ポート(305,306)を装置(300)の端部に有し、b)この導入ポートに接続されたそれぞれのマイクロチャネル構造(304a,b..)の最も上流部分の親水性は、自己給水(毛管)によりそれぞれのマイクロチャネル構造のこの部分に、少なくとも予め規定した体積の液体が浸透するようになる。それぞれの導入ポート(305,306)は、ここの多くの場所で述べたようなマイクロ導管を含む突出形態(324,333a,b..)でも良い。この体積は、例えばセットIのような、セットの導入ポートの間で異なる。これは、一般には、関係する導入ポート(305,306)に接続された体積測定ユニット(309,310)中の体積が規定されたキャビティ(311,312)の少なくとも和である。上述の「微小流体装置」の表題の下部を参照。
【0103】
好ましい変形では、特徴は、それぞれのマイクロチャネル構造の内部のマイクロ導管部分(308a,b..)の対応する部分が、本質的に第1の端面(303a)から同じ距離にあること又は同じレベルにあることである。
【0104】
新規な微小流体装置の、更なる特徴では、本発明の第1の態様の文脈で既に述べた。
【0105】
第5の主な態様−ディップ・チップ技術による導入
この特徴は、微小流体ディスクに液体を導入する方法に関する。その特徴は、
i)本発明の第4の態様の微小流体装置を提供する工程と、
ii)それぞれの導入ポートを通る液体を提供する工程と、
iii)少なくとも1の導入ポートを十分な時間、液体に浸し、このポートのために予め規定された体積をマイクロチャネル構造に吸い上げる工程と、
iv)予め規定された体積を導入するのに使用される、導入ポートに接続されたそれぞれの体積測定で、導入する液体の体積を規定する工程と、
を含む。
工程iv)は、例えば本発明の器機の中で、液体流を動かすための遠心力の使用により行っても構わない。適当に微小流体装置を器機に適用し駆動力を用いることにより、他の駆動力を使用しても構わない。
【0106】
この場合、ポートは、2又はそれ以上のポートを含み、異なった液体がそれぞれのポートを通って導入される。それらの液体は、例えば微小プレートの井戸のような、好適には異なった容器で供給される。この場合、ポートの間の距離、及び/又は井戸の間の距離は、互いにフィットするように適用される。もしディップ・チップ技術に適用されるのであれば、他のポートが、同様の方法で用いられても良い。代わりに、液滴分配(ドロップ・ディスペンサ)やピペット等のような、従来の分配技術がポートの適用されても良い。
【0107】
工程iv)に続いて、測定された体積が、使用される導入ポートの接続されたマイクロチャネル構造中で、平行に更に下流に運ばれても構わない
【0108】
ベストモードの具体例
優先日において、変形に対応するベストモードの具体例が、図面に示されている。
【0109】
本発明は、更に、明細書の一部である添付されたクレームで定義される。
【図面の簡単な説明】
【0110】
それぞれの参照番号の最初の数は図に関し、後ろの2つの数はその細部に関する。
【0111】
【図1a】10個の微小流体装置の環状配置を含む新規な微小流体配置の様々な図である。図1aは配置の側面図である。
【図1b】10個の微小流体装置の環状配置を含む新規な微小流体配置の様々な図である。図1bは上面図である。
【図1c】10個の微小流体装置の環状配置を含む新規な微小流体配置の様々な図である。図1cは上方からの斜視図である。
【図1d】10個の微小流体装置の環状配置を含む新規な微小流体配置の様々な図である。図1dはA−A面で規定された断面図であり、装置が半径方向に配置されることを示す。
【図2a】4個の微小流体装置の環状配置を含む様々な図である。配置は、図1と同じ方向から見たものである。
【図2b】4個の微小流体装置の環状配置を含む様々な図である。配置は、図1と同じ方向から見たものである。
【図2c】4個の微小流体装置の環状配置を含む様々な図である。配置は、図1と同じ方向から見たものである。
【図2d】4個の微小流体装置の環状配置を含む様々な図である。配置は、図1と同じ方向から見たものである。図2dは、装置が回転できること、即ち、環状配置の中心から装置を通る半径に対して、異なった方向となることができることを示す。
【図3a】新規な微小流体装置の概略的な平面図であり、多くの平坦な基板からなり、5つのマイクロチャネル構造を含む。図3a−cは、底面基板層、中間基板層、及び上部基板層のそれぞれの斜視図である。
【図3b】新規な微小流体装置の概略的な平面図であり、多くの平坦な基板からなり、5つのマイクロチャネル構造を含む。図3a−cは、底面基板層、中間基板層、及び上部基板層のそれぞれの斜視図である。
【図3c】新規な微小流体装置の概略的な平面図であり、多くの平坦な基板からなり、5つのマイクロチャネル構造を含む。図3a−cは、底面基板層、中間基板層、及び上部基板層のそれぞれの斜視図である。
【図3d】新規な微小流体装置の概略的な平面図であり、多くの平坦な基板からなり、5つのマイクロチャネル構造を含む。図3dは、それらの基板層がどうのように接合され、マイクロチャネル構造を有する微小流体装置を形成するかを示す。
【符号の説明】
【0112】
101 微小流体装置、102 回転モータ、103 回転部材、104 回転軸、105 シート、106 スピンドル、107 シャフト、108 フレーム、109 突出、110 トッププレート。









【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小流体のアレンジメントであって、
A)1又はそれ以上の微小流体装置であって、該微小流体装置のそれぞれが、該微小流体装置の共通で略平坦な層(層I)に含まれる1又はそれ以上の本質的に同等のマイクロチャネル構造の組(セットI)を含み、それぞれの該マイクロチャネル構造が、その中で能動的な液体流が使用される内部マイクロ導管部分を含む、該微小流体構造と、
B)器機であって、1又はそれ以上の該微小流体装置の処理を行い、回転モータと回転部材とを含む該器機とを含み、
I)該回転部材が、1又はそれ以上の該微小流体装置の少なくとも1つを保持するための、1又はそれ以上のシートのグループを含み、該シートのそれぞれが、
i)該グループの他のいずれかのシートと同じ半径方向の距離に配置され、
ii)層Iを、回転面に対して、0°<α=<90°(αは0°より大きく90°以下)で、好ましくはαが本質的に90°であるような角度αで、本質的に放射状に配置し、
iii)好適には、該マイクロチャネル構造の該マイクロ導管部分の中の対応する位置を、1又はそれ以上の該微小流体装置のいずれかに、本質的に等しい半径方向の距離で配置し、
II)対応する該微小流体装置が1又はそれ以上のシートのいずれかに配置された場合に、該内部のマイクロ導管部分は、下流部分より短い半径方向の距離で配置される上流部分を有することを特徴とする微小流体のアレンジメント。
【請求項2】
上記シートが、半径方向及び/又は軸方向に調整可能なことを特徴とする請求項1のアレンジメント。
【請求項3】
上記シートが、固定された放射状の位置にあることを特徴とする請求項1のアレンジメント。
【請求項4】
上記装置のそれぞれが、層Iに平行で、一般には矩形である2つの平坦な表面を有し、好適にはそれぞれの装置がディスク形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかのアレンジメント。
【請求項5】
上記シートが、微小流体構造のそれぞれの層Iを、関連する該シートを通る半径に対して、例えば0°、90°、及び/又は180°のような異なった角度で保持できることを特徴とする請求項1〜4のいずれかのアレンジメント。
【請求項6】
上記微小流体装置が、請求項7〜19のいずれかにかかることを特徴とする請求項1〜5のいずれかのアレンジメント。
【請求項7】
微小流体装置であって、
i)2つの本質的に平坦で平行な対向面、及び端面と、
ii)1、2、3、又はそれ以上の本質的に同等のマイクロチャネル構造からなる組であって、該マイクロチャネル構造のそれぞれが、導入ポートIPIを含む第1の導入アレンジメントを含む該組とを含み、
a)該導入ポートのそれぞれが端面に存在し、
b)該第1の導入アレンジメントの内壁の湿潤性が、自己給水(毛管現象)により、1又はそれ以上の該ポートと接触した、予め規定された第1の体積の液体を少なくとも浸透させることを特徴とする微小流体装置。
【請求項8】
上記第1の導入アレンジメントが、例えば上記組の全てのマイクロチャネル構造で共通であるように、上記マイクロチャネル構造の1つより多くで共通であることを特徴とする請求項7に記載の微小流体装置。
【請求項9】
a)上記マイクロチャネル構造のそれぞれが、追加の導入ポートIPIを含む第2の導入アレンジメントを含み、該導入アレンジメントと導入ポートが、該マイクロチャネル構造の1つのみに接続され、又は2又はそれ以上のマイクロチャネル構造に対して共通であり、
b)該第2の導入アレンジメントの内壁の湿潤性が、自己給水(毛管現象)により、IPIと接触した、予め規定された第2の体積の液体を少なくとも浸透させることを特徴とする請求項7〜8のいずれかの微小流体装置。
【請求項10】
IPI及びIPIのいずれか1つ又は双方が、存在するのであれば、上記装置の表面と統合された又は表面から延びた突出部の一部であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかの微小流体装置。
【請求項11】
a)上記第1及び/又は第2の導入アレンジメントの少なくとも1つが、存在するのであれば、該アレンジメントに結合されたマイクロチャネル構造あたり1つの体積測定ユニットを含み、
b)該体積測定ユニットが、バルブ機能に結合された排出端部を有し、好適には受動的で、該バルブ機能が、該排出端部を通って、該体積測定ユニットに結合された該マイクロチャネル構造の下流部分に液体が流れるのを制御することを特徴とする請求項7〜10のいずれかの微小流体装置。
【請求項12】
a)上記第1および第2の導入アレンジメントのいずれか一方または双方の上記導入ポートが、存在するのであれば、1つだけのマイクロチャネル構造に流体接続され、
b)上記体積測定ユニットが、好適には該ユニットで測定される体積を規定するためのオーバーフローチャネルを有することを特徴とする請求項11の微小流体装置。
【請求項13】
上記第1及び第2の導入アレンジメントのいずれか一方または双方の上記導入ポートが、存在するのであれば、上記導入ポートと流体接続されたマイクロチャネル構造あたり1つの体積測定ユニットを含む分配マニフォールドを介して、2又はそれ以上の該マイクロチャネル構造に流体接続されたことを特徴とする請求項11の微小流体装置。
【請求項14】
上記分配マニフォールドが、該マニフォールドのすべての体積測定ユニットに共通の余剰マイクロ導管を含むことを特徴とする請求項13の微小流体装置。
【請求項15】
湿潤性/親水性が、IPI及びIPIから、存在するのであれば、関連する上記導入ポートに接続されたそれぞれの体積測定ユニットの上記バルブ機能に与えられ、これにより、毛管現象で、該導入ポートを該バルブ機能まで上記液体で満たすことを特徴とする請求項9〜14のいずれかの微小流体装置。
【請求項16】
a)上記体積測定ユニットのそれぞれが、例えば1000nl以下、又は500nl以下、又は100nl以下である5000nl以下のようなナノリットルの範囲で、液体体積の測定ができ、
b)予め決められた第1及び第2(存在するならば)の体積のそれぞれが、関連する上記導入アレンジメント/導入ポートと接合された体積測定ユニット中で測定される液体の体積の和と、本質的に同等であることを特徴とする請求項11〜15のいずれかの微小流体装置。
【請求項17】
上記第1導入アレンジメントの上記導入ポート(IPI)が1の側面に存在し、上記第2導入アレンジメントの上記導入ポート(IPI)(存在するのであれば)が異なった側面に存在し、好適には、IPI及びIPIの少なくとも1つが、端面又は異なった端面に存在することを特徴とする請求項7〜16のいずれかの微小流体装置。
【請求項18】
少なくとも2つの本質的に平坦な基板で、該基板の1、2、又はそれ以上が個々のマイクロチャネル構造を規定することを特徴とする請求項7〜17のいずれかの微小流体装置。
【請求項19】
i)上記マイクロチャネル構造のそれぞれが、上記2つの対向面に対して本質的に平行である、上記装置の層の中を延び、
ii)該マイクロチャネル構造のそれぞれが、上記導入アレンジメントに続く下流と、液体、試薬、分析液等を移動させるために、活性な液体流を用いることができる内部マイクロ導管部分を含み、
iii)該マイクロチャネル構造のそれぞれの該マイクロ導管部分の対応する部分が、該第1端面から本質的に同じ距離にあることを特徴とする請求項7〜18のいずれかに記載の微小流体装置。


【図3d】
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【公表番号】特表2006−509196(P2006−509196A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557034(P2004−557034)
【出願日】平成15年12月1日(2003.12.1)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001850
【国際公開番号】WO2004/050247
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(300082380)ノラダ・ホールディング・アクチボラグ (2)
【氏名又は名称原語表記】Norada Holding Aktiebolag
【Fターム(参考)】