微小計量装置および液体を計量分注する方法
微小計量装置は、液体容器に結合するための第1端(102)と出力穴が設置されている第2端(104)とを備えたフレキシブルチューブを有する流体導管(100)を含む。調整可能なハブを備えた押出器(108)を有する作動デバイスが設けられ、フレキシブルチューブの部分の容積を変化させることができ、押出器(108)を第1端位置と第2端位置の間で移動させることによって、フレキシブルチューブが第1端位置または第2端位置において部分的に圧縮され、出口穴において液体(130)を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる。言い換えれば、微小計量装置は、作動デバイスによって流体導管の断面を変化させることができる部分を有する流体導管(100)を含み、流体導管の容積変化を生じさせる。作動デバイスの位置と出口穴の間の流体インピーダンスの、流体導管の第1端と作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率は、作動デバイスの位置を変えることにより変化させることができ、出口穴において分注される計量容積を少なくとも10%変化させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小計量装置、液体を計量分注する方法、および、本発明の微小計量装置を用いた際に所望の計量容積範囲を調整する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術によれば、ナノリットル範囲(10-12m3)の容積は、通常のピペットでは計量されないが、所要の精度を保証する具体的な方法が要求される。
【0003】
ここで、接触法、通常の分注法、ピン・プリンティング法等に加えて、非接触法は非常に重要である。
【0004】
周知の方法の種別は、高速切換弁に基づく。それゆえに、大抵は磁気駆動装置または圧電駆動装置に基づく適切な弁が、導管を介して媒質容器に結合され、この媒質容器の中の圧力が確立される。弁を切換時間1ms未満で高速切換することにより、短期間に非常に大きな流れが発生するので、流体は、表面張力が大きくても、分注位置から離れることができ、自由噴流として基板上に突き当たることができる。計量総量は、圧力および/または弁の切換時間により制御することができる。
【0005】
圧力を発生させるには異なる手法が存在し、切換弁の上述の概念に含まれる。
【0006】
図7に、シリンジ・ソレノイド法と称することのできる第1の周知の手法の略図を示す。ここで、流体導管10は、高速切換マイクロ電磁弁12を介して、除去可能なシリンジ14に流体的に結合されている。シリンジ14の下端には、ノズル穴16がある。流体導管10の反対端は、切換弁18を介してシリンジ・ポンプ20に結合されている。さらに、流体容器22もまた、さらなる流体導管24を介して切換弁18に結合されている。
【0007】
切換弁18は、2つの切換状態を有する。第1の切換状態では、シリンジ・ポンプ20のポンプ室26は、流体導管24を介して流体容器22に流体的に結合されているので、シリンジ・ポンプのピストン30を相応に動かし、ポンプ室26の容積を増やすことにより、液体28は流体容器からポンプ室26へ引き寄せられる。このプロセスは、シリンジ・ポンプ20を充填するのに役立つ。後続の計量プロセスでは、切換弁18が切換られ、流体導管10を介してポンプ室26のマイクロ電磁弁12への流体接続を生じさせる。ピストン30を用いることによって、ポンプ室26内部の液体に圧力が加えられ、マイクロ電磁弁12を高速切換することにより(切換時間<1ms)、シリンジ14の計量穴16から液体を分注させることができる。図7に示す型の計量装置は、例えばCartesian社より販売されている。
【0008】
図8に、例えばDelo社やVermes社により実施されている他の原理を示す。この方法では、液体42を圧力下に収容する圧力容器40が設けられる。圧力容器40の出口は、流体導管44を介して急速に切換可能な弁46に結合されており、この弁はここでも、流体導管48を介してノズル穴に結合されている。これを図8の矢印でほんの概略的に示す。この配置では、弁46の高速切換によって、ノズル穴から液体を自由噴流により分注させることもできる。
【0009】
他の周知の微小計量装置は、例えば、DE‐A‐19802367、DE‐A‐19802368、EP‐A‐0725267に記載されている。それらに記載されている微小計量装置は、フレキシブル膜に当接し、供給管路を介して容器に結合され、排水管を介してノズル穴に結合されているポンプ室を含む。このような微小計量装置の実施例を、図9a〜図9cを参照して以下に述べる。
【0010】
図9aに、静止位置にあるこのような微小計量装置の略断面を示す。計量装置は、計量ヘッド50と作動デバイス52とを含む。図示の実施例において、計量ヘッド50は、相互接続された2つの基板54、56により形成されており、これらの基板にはそれぞれ凹部が形成されている。第1の基板54は、容器結合部58と、入口路60と、計量室62とがこの第1の基板内に形成されるように構造化されている。下部基板56は、ノズル結合部64と、ノズル路および出口穴を有するノズル66と、ノズル66の出口穴よりもかなり大きい断面を有する出口領域68とがこの下部基板内に形成されるように構造化されている。
【0011】
さらに、この上部基板54の構造化により、上部基板に膜70が形成されている。
【0012】
図9bに示すように、作動デバイス52は押出器72を有し、この押出器により膜70は下向きに曲げられ、計量室62の容積を減らすことができる。計量室62の容積をこのように減らすことにより、一方では、入口路60および容器結合部58を通して逆流74が起こる。他方では、ノズル結合部64およびノズル66を通して順流が起こり、ノズル66の出口端において分注液76が生ずる。逆流74と計量された液76の比率は、容器と計量室の間の流体結合部の流体抵抗の、計量室とノズル66の出口穴の間の流体抵抗に対する比率に依存する。
【0013】
計量プロセスの後、押出器72は、作動デバイス52を用いて上向きに移動され(図9c参照)、図9aに示すように、弾性により最終的に元の位置に回復する。このように膜70が復元されることによって、計量室62の容積が増し、容器結合部58および入口路60を通して容器からの補充流78が起こる。この段階中、ノズル66を通る空気の吸い込みを回避するためには、膜70の復元は充分にゆっくり実行される必要があり、ノズル66内に液体を維持する毛細管力がこのことにより封じられることはない。
【0014】
図9a〜図9cを参照して上述した微小計量装置は、元々は生化学における酵素の計量のために開発された。これらの装置を用いることにより、1nL〜1000nLの容積範囲において、100mPasまでの粘性を有する液体を、媒質にはきわめて無関係に、かつ正確に計量することができる。計量される液体は、これにより好ましくはシリコン製の計量チップを自由噴流で計量室から押出すことにより計量される。しかしながら、この方法は比較的複雑なマイクロデバイスを必要とする。
【0015】
最後に、管状の圧電変換器が流体導管をノズル穴の形成されたノズル板に結合する液滴吐出システムが、US‐3683212により知られている。立上がり時間の短い電圧パルスが変換器に加えられ、変換器の収縮が生ずる。その結果生じる急激な封入容積の減少により、穴板内の穴から少量の流体が吐出される。これにより、液体は無圧下または低圧下に維持される。穴における表面張力は、変換器が作動していないときに液体が流出することを防止する。吐出された液体は、導管内の液体の毛細管順流によって入れ替わる。
【0016】
US‐3683212によれば、圧電インクジェット法と同様の音響原理の助けによって液滴が発生することがわかっている。ここで、音響圧力波は、堅固な流体導管内、例えば剛性ガラス毛細管内で発生し、その結果、出力位置において局所的に大きな圧力勾配が生じ、これが液滴分離をもたらす。アクチュエータの作動時間は、ここでシステムにおける音響伝播の範囲内であり、通常、数マイクロ秒である。したがって、この状況では、アクチュエータの下流および上流での流体導管の音響インピーダンスは、設計上重要である。したがって、これは少ない容積押出に対して高い音響インパルスが発生するインパルス法である。言い換えれば、圧力最大値および圧力最小値を有する音響波が作動位置と処理位置の間で発生し、分注位置では、対応する圧力により液体の吐出が生ずる。US3683212によれば、流体導管は無視できる程度に変形するだけであり、アクチュエータは主に音響波を送信するのみであり、流体導管の弾性はそれほど重要ではない。
【0017】
DE4314343C2により、一端が液体容器に結合され、他端が開口した液体供給チューブを有する液体計量装置が知られている。このチューブは接合ソケットに当着され、チューブの接合ソケットに対向する側にハンマーが設けられている。このハンマーはチューブ軸を横断する方向に周期的に振動することができ、チューブの断面全体がハンマーにより圧着され、すなわち流体領域が実質的にゼロとなる。これにより、衝撃力の影響がチューブに働き、個々の液滴が開口端から追い出される。
【0018】
本発明の目的は、簡単な構造の微小計量装置、さらに好ましくは、分注される計量容積を容易に変化させることのできる装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、液体の計量分注の方法を提供することである。
【発明の開示】
【0019】
この目的は、請求項1および9による微小計量装置と、請求項20、29、30による方法とにより達成される。
【0020】
本発明は、液体容器に結合するための第1端と出力穴が設置されている第2端とを備えたフレキシブルチューブ、好ましくはポリマーチューブを有する流体導管と、調整可能なハブを備えた押出器を有し、前記フレキシブルチューブの前記部分の容積を変化させることができ、前記押出器を前記第1端位置と前記第2端位置の間で移動させることにより、前記チューブが少なくとも前記第1端位置または前記第2端位置で部分的に圧縮され、前記出口穴において液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる作動デバイスとを含む微小計量装置を提供する。
【0021】
さらに、本発明は、液体容器に結合するための第1端と出力穴が設置されている第2端とを備えた流体導管であって、前記流体導管の容積変化を生じさせるために、前記流体導管の断面を変化させることができる部分を有する流体導管と、前記流体導管の容積変化を生じさせるために、前記流体導管の前記部分に沿った位置に配置され、前記出口穴から液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる作動デバイスとを含み、前記作動デバイスの位置と前記出口穴の間の流体インピーダンスの、前記流体容器と前記作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率は、前記作動デバイスの位置を変えることにより変化させることができ、前記出口穴において分注される計量容積を少なくとも10%変化させることができる微小計量装置を提供する。
【0022】
ここで、流体インピーダンスとは、管路の長さおよび流体断面により決定される流体抵抗および流体インダクタンスの組合せを意味する。
【0023】
したがって、本願は作動デバイスのハブを調整することにより、および/または、その容積を変化させることができる流体導管に沿って作動デバイスの位置を調整することにより、計量容積を調整することを可能とする。
【0024】
言及した流体抵抗の比率のこのような可変性は、好ましくは、流体導管を、流体容器と吐出穴の間で実質的に線形構造、すなわち、この流体導管が流体容器と吐出穴の間に不規則な断面変化のない断面を有するよう設計することにより達成可能である。最も単純な場合には、これは静止位置において流体容器と吐出穴の間に実質的に一定の断面を有する流体導管により達成することができる。
【0025】
本発明は、他の液滴発生器において必要となる精密機械部材またはミクロ構造部材を必要とせず、それによって、製造費用を著しく低減でき、また、作業安全性が増大する。さらに、流体運搬部は、単にプラスチック、例えばポリイミドなどの使い捨て部材として製造でき、それによって、媒質を変更する際の高価な掃除が省略される。
【0026】
さらに、本発明によれば、圧力を発生させるために、制限された圧力室が使用されず、可変の「作用領域」が使用される。これにより、押出器の位置、すなわち、それに沿って流体導管の断面が変動して流体導管の容積変化を生じさせる流体導管の部分に沿った作動デバイスの位置を変化させることにより、種々の流体にとって最適化が可能になる。軸非対称な容積変化により、好ましい方向の流体の流れを、流体導管内で出口穴の方向に発生させることができる。さらに、「作用領域」を増大することによって、例えば、最大計量容積を変化させても流体運搬部での構造変化が必要とならないような、より大きい押出器を使用することによって、最大計量容積の単純な変化を起こすことができる。最終的には、補充中の好ましい方向を確実にしたり、出口穴からの液体の漏出を回避するために、入力穴と出力穴の間の潜在的な圧力差を明確に規定することができる。したがって、流体導管内の毛細管力では移動できない媒質も計量することができる。
【0027】
さらに、本発明は、液体を計量分注する方法であって、フレキシブルチューブ、好ましくはポリマーチューブを有する流体導管に、計量される液体を充填するステップと、調整可能なハブを備えた押出器によって前記フレキシブルチューブの部分の容積変化を生じさせ、前記押出器を第1端位置と第2端位置の間で移動させることによって、前記チューブが少なくとも第1端位置または第2端位置で部分的に圧縮され、前記流体導管の出口穴において液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させるステップとを含む液体を計量分注する方法を提供する。
【0028】
さらに、本発明は、本発明に係る微小計量装置を用いた計量プロセスにおいて、前記流体導管の前記部分に沿って前記作動デバイスを所定の位置に配置するステップを含み、前記流体導管の容積変化を生じさせるステップにおいて、結果として生ずる流体インピーダンスの比率に起因して、前記出口穴において所望の計量容積を分注させることができる、所望の計量容積を調整する方法を提供する。
【0029】
さらに、本発明は、本発明に係る微小計量装置を用いた計量プロセスにおいて、前記流体導管の前記部分に関して軸方向長さを有する押出器を選択するステップを含み、前記流体導管の容積変化を生じさせるステップにおいて、所望の計量容積を分注させることができるよう構成されている、所望の計量容積を調整する方法を提供する。
【0030】
したがって、本発明は、所望の計量容積を調整する際の付加的な自由度を可能にする。一方で、所定のハブを備え、これにより作動デバイスの所定の押出ができれば、上述のステップにより所望の計量容積を調整することができる。ハブと作動デバイスの押出が調整可能である場合には、上述のステップにより所望の計量容積範囲を調整でき、ハブまたは作動デバイスの押出をそれぞれ調整することによって、所望の計量容積範囲内にある計量容積を調整できる
【0031】
容積押出器システムの特徴的な性質と重要な利点は、本発明によって実現されたように、計量容積は計量される液体の粘性にほとんど無関係であるということである。
【0032】
そのうえ、本発明によれば、作動デバイスは流体導管と一緒に設計でき、容積押出の極端な事例として、押出器により流体導管を完全に圧着することができる。その場合には、付加的に、弁機能を実装できる。このように、容器と分注位置の間で流体導管を完全に遮断できるということは、周知の方法と比較してさらなる利点を提供することができる。
【0033】
US‐3683212の教示とは対称的に、本発明に係る微小計量装置においては、連続的な圧力勾配が流体導管全体にわたって確立され、流体は、実際に押出器から開始して、導管から押し出される。押出器と出口穴の間にある全流体は、出口穴の方向に移動する。容積押出は数ミリ秒の時間スケールで実施される(インパルス法によるよりもかなり遅い)ので、音響現象は役割を果たさない。
【0034】
添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施態様を以下に述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1a〜cの略図に基づいて、本発明の本質的特徴と本発明に内在する概念とを以下に述べる。
【0036】
本発明は、主としてナノリットルからピコリットルの範囲において、微小液滴または微小噴流をそれぞれ発生させるためのそれぞれの装置または方法に関する。流体運搬管は、本発明に係る微小計量装置の中心的な要素であり、その入口穴は計量される媒質が置かれている液体容器に結合されている。導管の他端には出口穴があり、これを通して計量される液体が分注される。流体運搬管は、好ましくは主として弾性材料により製造されるので、例えば導管を圧縮してこれを変形させることにより、入口穴と出口穴の間の導管の容積を変化させることができる。
【0037】
本発明に係る計量装置の計量プロセスの異なる段階における本質的要素を図1a〜cに示す。
【0038】
図1aに示すように、本発明の好ましい実施態様において、弾性ポリマーチューブである流体導管100は、液体容器に結合するための入口側端102と、微小液滴または微小噴流をそれぞれ分注できる出口側端104とを含む。出口側端104は、したがってノズルと称することもできる。図1a〜cにおいて、弾性ポリマーチューブ100の壁106をそれぞれ破線で図示する。
【0039】
押出器形態のアクチュエータ108が設けられ、この押出器108は、結合部110を有し、押出器108を駆動するための作動部材に取付ることができる。
【0040】
図示された実施態様において、弾性ポリマーチューブは、実質的に一定の断面を有し、この断面は、通常はその入力端102からその出力端104まで円形になる。
【0041】
このような微小計量装置において、押出器108の下に配置された領域112は、計量室領域と称することができ、この領域は、弾性ポリマーチューブ100に関する押出器108の位置によって規定される。実質的に押出器108の右側端において始まる領域114は、押出器領域112を出口端104に流体的に結合する出口路を表す。図で切り詰めて示され、押出器108の左側端から左に向かって延びる領域116は、押出器領域112を入力端102に流体的に結合する入力路を表す。
【0042】
さらに図1aに示すように、押出器108は、ポリマーチューブ100の壁106に対して斜方向に走る押出器表面120を含むことができ、これにより、微小計量装置の動作中、軸非対称な容積変化により、出口穴104に向かって好ましい方向の流体の流れを発生させることができる。
【0043】
以下では、本発明に係る微小計量装置の動作モードについて述べる。
【0044】
計量システムをスイッチオンした時、流体導管100は、外部で発生される圧力差または毛細管力のいずれかにより、自動的に充填される。
【0045】
外部で発生される圧力差は、例えば、流体が圧力下に置かれている流体容器を用いて加えることができる。
【0046】
出口端に関して正である静圧(過大圧力)を加えるとき、導管100内の液体によりもたらされる圧力が、液体を導管内に維持する毛細管力よりも高くならないよう考慮しなければならない。さもなければ、微小計量装置の非動作状態において出力端104から液体の漏出が生じるであろうからである。
【0047】
その一方で、毛細管力が過度に弱ければ、非動作状態において出力端からの液体の漏出を回避するために、出力端に関して負である圧力(過小圧力)を加えることができる。この反対の圧力は、補充中には毛細管力によって封じられる必要がある。
【0048】
計量プロセスの初めに、計量段階と称することのできる第1段階において、入口穴と出口穴の間の導管の容積を低減することにより、液体が導管から押出される。このことは、押出器108を下向きに、すなわちポリマーチューブ100に向かう方向に移動させることにより達成され、押出器領域112内にポリマーチューブの圧縮が生じる。この下向きの移動は、図1bにおいて矢印122で図示されている。したがって、押出器領域112は、本発明に係る微小計量装置の作用領域を表す。
【0049】
流体導管100のこの容積変化に起因して導管から押出された液体は、導管の端から押圧されるか、または、導管が流体容量を有する場合は導管断面を変化させることにより別の位置に収容される。
【0050】
押出器108の高速移動122により引き起こされる流体導管100の容積変化によって、一方では、矢印124で示すように、出口穴104に向かって流体の流れが起こり、他方では、矢印126で示すように、入力路116を通して流体容器への逆流が起こる。順流124により、出口穴104において微小液滴または微小噴流のそれぞれの形態の流体吐出が起こる。
【0051】
流体のどの部分を噴流または液滴としてそれぞれ出口穴104から分注させるは、容積変化の位置、型、および動力によって決まる。上記で既に言及したように、出口穴104に向かう好ましい方向の流れは、押出器108と、特に押出器表面120によって引き起こされるような軸非対称な容積変化によって影響を受ける。計量段階において出口端104で分注される噴流または液滴を発生させるためには、容積変化がかなり高速に生じ、所要のインパルスが流体液滴または流体噴流のそれぞれに伝達されることにより、その流体液滴または流体噴流は出口穴104から離れることができる。これにより、流体特性、例えば濃度、粘性、表面張力等も、また、入口穴と出口穴の間に存在し得る圧力差も、重要な役割を果たす。さらに、出口穴104と容積変化が行われる作用領域112の間の流体抵抗(すなわち出口路114の流体インピーダンス)も、作用領域112と入口穴102の間の導管部の流体インピーダンス(すなわち入口路116の流体インピーダンス)も、分注される計量総量(順流124)と容器へ戻る流体総量(逆流126)の間の比率を決定している。例えば、大きな動力で出口穴(104)の近くで容積変化が行われる場合には、良質な計量を達成することができる(例えば1ミリ秒以内で50nL)。
【0052】
押出器を出口穴(104)の近くに位置決めすることにより、出口路114の流体インピーダンスは入口路116の流体インピーダンスに比較して低くなり、押出される流体の大部分が出口穴104から吐出される。これにより、入口路116の長さが出口路114の長さの寸法の少なくとも2倍である場合に、好ましくは少なくとも5倍の大きさである場合に、より好ましくは少なくとも10倍の大きさである場合に、押出器は出口穴104の近くに配置されていると言える。
【0053】
流体液滴または流体噴流をそれぞれ吐出後、補充段階と称することのできる第2段階では、入口穴102と出口穴104の間の容積が再び増加される。このことは、押出器108を、流体導管100から離れるように、図1cに示すような矢印132の方向に移動させることにより達成される。この容積変化に起因して、液体は、図1cに矢印134で示すように、容器から入口穴102および入口路116を通して導管へ、特にその作用領域112へと流れる。出口穴104を通して空気を引き込むことは、導管断面が相応に小さいので毛細管力によって防止される。その一方で、容器から充填するための好ましい方向は、入口穴と出口穴の間の静水圧差により決定することができる。この目的のために、流体容器には、例えば再び圧力を与えることができる。
【0054】
補充段階の最後に、図1aに示す状況が再び存在し、計量プロセスが再び実行される。
【0055】
図2a〜dは、本発明に係る微小計量装置を用いた液滴発生器を示し、流体導管またはアクチュエータそれぞれのための取付台をそれぞれ有する。図2aは液滴発生器の側面図を示し、図2bはその底面図を示す。図2cは図2bの線A‐Aに沿った断面図を示し、図2dは、部分Bの拡大図を5:1の比率で示す。
【0056】
図2a〜dに示す液滴発生器は、ポリイミドチューブ150を含み、それは例えば200μmの内径を有することができる。ポリイミドチューブ150を収容するために、収容ブロック152および接合ブロック154が設けられている。収容ブロック152、および/または、接合ブロック154の中には案内溝が設けられ、そこにはポリイミドチューブが挿入され、ポリイミドチューブが収容ブロックと接合ブロックの間で安定した方法で確実に収容される。収容ブロック152および接合ブロック154は、例えば、取付ねじ156を用いて、取付台162の取付部160に取付られる。さらに、取付台162は、接合ブロック154に対向するポリイミドチューブ150側に押出器164を保持するように形成され、この押出器の助けによりチューブをその作用領域で圧縮することができ、それによって入口穴と出口穴の間で本発明に係る容積変化が得られる。そのために、押出器は、押出を電子的に制御でき、アダプタ166を介して押出器164に結合されている圧電スタック・アクチュエータ(図示せず)により駆動される。ポリイミドチューブ150の出口穴のそばで液滴吐出168の好ましい方向を生じさせるために、押出器164は、ここでもポリイミドチューブに関して斜方向、すなわち、このポリイミドチューブに対して或る角度で延びる押出表面を有する。
【0057】
さらに、取付台162は、圧電スタック・アクチュエータ形態の駆動ユニットのための受け手170を含む。さらに、取付台162は、例えばバネ継手を使用して、この取付台を貫通して、駆動装置をも含むデバイスに取付ることを可能とする凹部172を有することができる。
【0058】
図2a〜dに示す構造に関し、プロトタイプが構築され、実験によるテストに成功した。図3は、このプロトタイプにより実施された計量プロセスの種々の段階を示しており、いずれの場合もポリイミドチューブ150はその出口端180によって示されている。
【0059】
図4は、これらのプロトタイプを用いた1800の計量プロセスによる分注された質量をマイクログラムで示す。ここで、計量される液体としては水が使用された。平均液滴質量は22.57μg、標準偏差σは0.35μgであった。ポリイミドチューブは直径が200μmであった。図4に示す再現性の重量測定は、少なくとも従来の計量装置の精度に相応し、これより優れてさえいる精度を、本発明の概念で得ることができたことを証明している。
【0060】
図5a、図5b、図6a、および図6bに関して、本発明に係る微小計量装置において、所望の計量容積あるいは所望の計量容積範囲のそれぞれをどのように調整できるかについて以下に述べる。
【0061】
図5a、図5bでは、ポリマーチューブ100を概略的に示しており、このポリマーチューブの入口穴102は液体容器200に流体的に結合されており、このポリマーチューブの出口端104は吐出穴を表す。作用領域112は、出口路114および入口路116と同様に、押出器108の位置により規定される。図5aに示す配置では、入力路116および出口路114は実質的に同じ長さx1、x2を有するので、チューブ100の断面が一定であるとすると、この入力路および出口路の流体インピーダンスは実質的に同一である。したがって、図示された態様の押出器108’において、好ましい流れ方向を生じることはなく、押出器108’によって生ずる容積押出は、出口穴104および入口穴102の方向に同一サイズの流れを引き起こすであろう。したがって、導管100の流体容量を無視すれば、出口穴104より吐出される容積は、押出器108’により引き起こされる容積押出の半分と同じ量となろう。
【0062】
図5bによれば、押出器108’は出口穴104の近くに配置されている。言い換えれば、入口路116の長さx1は出口路の長さx2の約5倍である。したがって、チューブ100の断面が一定であれば、入口路116の流体インピーダンスは出口路114の流体インピーダンスの5倍の大きさとなり、押出器108’により生ずる容積変化のほとんど大部分が出口穴104の方向に流れを生じさせ、したがってこの出口穴を通して吐出を生じさせる。
【0063】
上述の方法では、流体導管100に対する押出器の位置を変えることにより、所望の計量容積を調整することができる。さらに、もし、押出器の駆動手段がこの押出器のハブを選択的に調整でき、すなわち、この押出器の移動を流体導管に対して垂直の様々な距離で選択的に調整でき、押出器がその制御に依存して様々な容積変化を生じさせることができるならば、押出器の相応の制御により調整された計量容積範囲内で所望の計量容積の最終調整が行われるときに、上記の位置の調整は所望の計量容積範囲の調整を表わす。
【0064】
本発明によれば、押出器の位置を変えることによって入口路および出口路からの流体抵抗の比率を有意に変更できる限り、出口穴において分注される計量容積は、押出器の位置を変えることにより調整可能である。ここで、「有意に」とは、出口穴において分注される計量容積を少なくとも10%変化させることを意味すべきであり、それによって、実際の調整範囲は、押出器の位置をどの範囲にわたって調整できるかに依存することになる。これにより、本発明に係る微小計量装置を使用して押出器の位置を変えることにより、分注される計量容積の50%以上の変化を実現できる。本発明に係る入口路および出口路の流体抵抗の比率の調節力は、好ましくは、計量室すなわち作用領域と、入口路または出口路それぞれとの間において引き起こされる不規則な断面変化が生じないという本発明によって可能となる。本発明のさらに好ましい実施態様では、流体導管の断面は、静止位置において、押出の区分すなわち作用領域から出口穴まで一定である。さらに、好ましい実施態様では、流体容器と出口穴の間の流体導管全体は、実質的に一定の断面を有する。
【0065】
本発明により所望の計量容積あるいは所望の計量容積範囲のそれぞれをどのように調整できるかという第2の可能性は、図6a、図6bから読み取ることができる。図6aによれば、押出器108’はチューブ100に沿った長さl1を有し、一方図6bによれば、押出器208は管100に沿った長さl2を有する。長さl2は長さl1よりも長いので、押出器208のほうが同一のハブで大きな流体導管100の容積変化を可能とする。したがって、本発明によれば、ハブを一定にして流体導管に沿った押出器の長さを変えることにより、所望の計量容積、または上述と同様に、所望の計量容積範囲を調整することができる。
【0066】
したがって、本発明は、計量される媒質が充填された流体導管であって、一端は流体容器に結合することができ、他端には出力穴が設置されている流体導管を、流体導管の或る区分の容積を一時的に変化させることができるアクチュエータとともに有し、この容積変化により、出口穴において流体が自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注される微小計量装置を提供する。本発明によれば、流体導管全体は、フレキシブルポリマーチューブにより形成することができる。その一方で、言及した所定の区分のみがフレキシブルポリマーチューブにより形成され、この区分からの供給および排水は堅固な流体導管により形成されてもよい。
【0067】
記載したフレキシブルポリマーチューブの変形例として、本発明に係る微小計量装置の流体導管は、膜に覆われた実質的に堅固な担体で形成される流路によって形成することもできる。これにより、流路は不規則な断面変化なしに形成され、好ましくは担体内に一定の断面で形成され、この実施態様でさえも、押出器を相応に位置決めすることにより、入口路および出口路からの流体抵抗を調整でき、これにより出口穴において分注される計量容積の少なくとも10%の変化を達成することができる。
【0068】
上記で説明したように、本発明によれば、押出は流体導管の弾性区分において生じる。好ましくは、弾性区分は、流体導管、例えばフレキシブルポリマーチューブまたは膜のそれぞれにおける開始位置を動作後に自動的に回復できるので、押出器は流体導管に固定的に結合される必要がなく、流体導管は単純な使い捨て部材として設計することができる。
【0069】
本発明は、本発明に係る幾つかの微小計量装置が平行に配置される液滴発生器も含む。このような平行に配置された微小計量装置は個別に制御することができ、異なる液体または同一の液体を計量することができる。その一方で、液滴発生器は幾つかの流体導管を有することができ、押出器によりこれらの流体導管を同時に制御でき、この液滴発生器により同一または異なる液体を計量することができる。この目的のために、異なる流体導管の入口端は、同一または異なる液体容器に結合させることができる。
【0070】
したがって、本発明に係る微小計量装置は、1つまたは幾つかの微小液滴発生器から構成でき、各々は、計量される媒質が充填された(弾性の)流体導管であって、一端は流体容器に結合された入口穴を有し、他端は出口穴を有し、入口穴と出口穴の間に圧力差が存在できる流体導管と、流体容器と出口穴の間にある導管の容積を一時的に変化させることができる作動デバイスとを有し、第1段階中に、入口穴と出口穴の間の流体容積が有意の速度でその初期容積から少ない容積に減少され、それによって、微小液滴または微小噴流がそれぞれ出口穴を通して吐出され、押出された容積の一部は入口穴に漏出でき、微小液滴または微小噴流のそれぞれの容積に入口穴を通して容器へ退く容積を加えたものは作動デバイスにより引き起こされる容積変化に実質的に相当し、入口穴と出口穴の間の容積が再び増加される第2段階では、圧力または毛細管力によって駆動されて、流体導管は容器から再び充填される。
【0071】
図2a〜dに記載された取付台とは別に、自動取付台を設けることができ、これにより、例えば所望の計量容積範囲あるいは所望の計量容積のそれぞれを示す信号に応答して、流体導管に対する押出器の位置を自動調整することができる。
【0072】
本発明に係る微小計量装置を使用することにより、このように、個々の自由飛散微小液滴が、好ましくは周囲大気に接触する出口穴において発生し、この出口穴おいて流体が自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注される。これにより、本発明は、作動デバイスの1回の動作周期で、もはや液滴を吐出することを可能とし、この周期の間に押出器は流体導管の容積減少を1度生じさせ、これにより液滴を吐出する。
【0073】
本発明は、作動デバイスのハブを調整することにより、および/または、作動デバイスを流体導管の部分に沿った所定の位置に配置することにより、計量容積を調整することを可能にする。加えて、適合された軸方向長さを有する押出器を選択することができる。
【0074】
計量容積を調整するための調整可能なハブを使用するとき、作動デバイスまたは押出器それぞれのハブhは変化させることができ、チューブの直径、すなわち、作動デバイスの押出器の移動方向におけるチューブの断面寸法よりも小さい。
【0075】
チューブの断面全体が圧着されている場合、すなわち、流体領域が実質的にゼロになる場合には、DE4314343C2で要求されているように、液滴容積はチューブ軸に沿ったハンマーの外延とチューブの直径とにより決定される。チューブを圧着することにより、関連するチューブ部分内の全容積が押出される。おおよそ、これにより液滴容積を有意に決定する押出される容積に関しては―その他の配置が等しければ―、次式が当てはまる。
【数1】
ここで、Vは押出される容積、aは押出器の長さ、dはチューブの直径を表す。
【0076】
これと比較して、調整可能なハブを有する押出器において、その周りを押出器が移動するハブhが決定的な役割を果たす。ここで、押出される容積は、ハブhに依存し、横方向に微調整されたシリンダの容積によっておよそ記述される。
【数2】
ここで、hはチューブが圧縮されている距離である。
【0077】
このような押出される容積Vのハブhへの依存と、液滴容積への記述された効果とにより、本発明は、直径の異なるチューブまたは寸法の異なる押出器をそれぞれ結合することなく、計量容積の可変調整を可能にする。
【0078】
本発明によれば、単一の計量プロセスにおいて、容積押出と液滴発生または液滴容積それぞれとの間には関係があるので、本発明は、非周期的励起によって計量することを可能とする。このことは、例えば、特別な非周期パターンを基板にプリントする場合に有利である。
【0079】
上述の実施態様において、作動デバイスは、チューブをその非圧着状態から開始して作動させるように設計されている。その一方で、待機モードにおいて、チューブを部分的に、または完全に圧着すなわち圧縮させる実施態様が可能である。このような一実施態様の略断面図を図10aに示す。チューブ100は、その背面において対抗取付台300に当着されている。チューブ100の反対側では、圧電アクチュエータ302が、作動デバイスの取付台304に取付られている。押出器306は、圧電アクチュエータ302の前方端に配置されている。
【0080】
図10aに示す配置において、チューブ100は、待機モードにおいて完全に圧着されている。計量周期は、圧電アクチュエータ302をゆっくりと引き戻すことから開始し、チューブ100の断面が部分的に開放される。この段階中、流体は、増加するチューブ容積を補償するため、出口穴104に対向する端部102においてチューブ100が結合されている容器から、前に圧着されていた領域に流れる。次に、圧電アクチュエータ302を急速に延出してチューブ容積を再び減少させることにより、出口端104で液滴生成される実際の計量プロセスが実施される。上述の実施態様におけるように、計量される容積は圧電アクチュエータ302の調整移動量により規定され、したがって、作動電圧を変えることにより、または圧電アクチュエータ302の充電電流または放電電流の変位により、それぞれ制御することができる。図10aに示す構成の利点は、圧着されたチューブは、通常開口しているチューブと比較して、計量される物質の蒸発速度が著しく低いことである。
【0081】
したがって、この実施態様は一体型閉鎖機構を含む。しかしながら、商業的に入手可能な通常の圧電スタック・アクチュエータでは、圧電アクチュエータの延出状態は電圧が印加された状態であるという欠点がある。電圧を取り除くと、圧電スタック・アクチュエータは短くなった減縮状態になる。したがって、このことが意味するのは、図10aに示す一体型閉鎖機構の実施態様は、連続的に、ただし僅かにエネルギー消費をするということである。一体型閉鎖機構の利点を完全に利用するためには、図10aに示す実施態様では、計量システムが使用されない場合でも、連続的に電圧を印加するか、または圧電アクチュエータを充電しておくことがそれぞれ有利である。
【0082】
エネルギー消費を低減した一体型閉鎖機構は、作動デバイスに、押出器をポリマーチューブへと押圧し、待機モードにおいてチューブを部分的または完全に圧着する付勢手段、例えばバネを設けることにより実現することができる。そして、作動デバイスは、好ましくはアクチュエータを有し、付勢手段の力に抗して押出器を移動させ、チューブの断面を部分的または完全に解放するように配置されている。
【0083】
このような一体型閉鎖機構の一実施態様を図10bに示す。ここでも、チューブ100は対抗取付台310へと当着される。この実施態様において、作動デバイスは、バネ312と圧電スタック・アクチュエータ314の組合せを含む。さらに、作動デバイスは押出器316を含み、この押出器は作動板318に堅く連結されている。図10bに、例示的な連結手段として、2つの連結棒320と322を示す。バネ312は、その右側端で取付台324に当着され、アクチュエータ314の非動作状態において、押出器316をチューブ100に対して押圧してチューブを圧着する。この実施態様は、スイッチオフされた供給電圧でチューブが圧着された計量装置を実現可能であり、この実施態様は連続的なエネルギー消費のない一体型閉鎖機構を持つ。
【0084】
スイッチオフ状態において、押出器316は、チューブが対抗取付台310に押圧されて圧着されるように、バネによってチューブ100の上に押圧される。計量プロセスが実施される場合は、圧電アクチュエータ314は電圧を印加することにより延出され、こうして押出器316はバネ力に抗してリセットされる。チューブは弛み、計量される液体が、出口穴104に対向するチューブの側部102に結合された容器から流入する。圧電スタック・アクチュエータ318を急速に後退させることにより、チューブ100は、十分に強力になるように寸法が決められているバネ312によって再び圧着される。バネが十分に堅く寸法が決められているので、液体は自由飛散噴流として出口穴104から分注される。計量される容積は、圧電アクチュエータの調整移動量により再び規定され、したがって、作動電圧を変えることにより、または、圧電スタック・アクチュエータの充電電流または放電電流をそれぞれ変位させることにより、制御することができる。
【0085】
ここで、図10a、図10bに関して述べた実施態様は、チューブが完全に圧着しない場合にも機能するということに留意すべきである。
【0086】
押出器または作動デバイスそれぞれの調整可能なハブを介して計量容積が調整される本発明の実施態様においては、押出器は第1端位置と第2端位置の間で移動され、ポリマーチューブはこの第1端位置および第2端位置において部分的に圧縮される。これにより、第1端位置が第2端位置よりも大きなチューブ容積を規定するので、押出器を第1端位置から第2端位置へと移動することにより、液体が吐出端から注出される。これにより、第1端位置は、チューブの完全弛緩状態、または、チューブの部分圧縮状態を規定することができる。第2端位置は、ポリマーチューブの部分圧縮状態、または完全圧縮状態を含むことができる。言い換えれば、作動デバイスの調整可能なハブによって計量容積を調整可能である本発明に係る実施態様においては、チューブの壁は、作動デバイスまたは押出器それぞれにより、フレキシブルポリマーチューブの光切断面の一部を介して移動する。反対に、非圧着状態から完全圧着状態へチューブを完全に圧着させる場合には、チューブの壁は、チューブの光切断面全体を横断して移動する。
【0087】
図10a、図10bに示す実施態様は、作動デバイスの位置を変え、これにより出口穴から分注される計量容積を変化させることができるように、実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る計量プロセスの1実施態様を説明するための略断面図である。
【図2】本発明に係る微小計量装置の1実施態様の略図である。
【図3】液滴生成の画像シーケンスを概略的に示す。
【図4】プロトタイプを介して発生する液滴容積を示す線図である。
【図5a】本発明に係る微小計量装置において、計量容積範囲がどのように調整可能であるかを表す略図である。
【図5b】本発明に係る微小計量装置において、計量容積範囲がどのように調整可能であるかを表す略図である。
【図6a】別法として、本発明により計量容積範囲がどのように調整可能であるかを表す略図である。
【図6b】別法として、本発明により計量容積範囲がどのように調整可能であるかを表す略図である。
【図7】周知の微小計量システムの略図である。
【図8】他の周知の微小計量システムの略図である。
【図9a】他の周知の微小計量システムの略図である。
【図9b】他の周知の微小計量システムの略図である。
【図9c】他の周知の微小計量システムの略図である。
【図10a】本発明に係る微小計量装置の変形例の実施態様の略図である。
【図10b】本発明に係る微小計量装置の他の変形例の実施態様の略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小計量装置、液体を計量分注する方法、および、本発明の微小計量装置を用いた際に所望の計量容積範囲を調整する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術によれば、ナノリットル範囲(10-12m3)の容積は、通常のピペットでは計量されないが、所要の精度を保証する具体的な方法が要求される。
【0003】
ここで、接触法、通常の分注法、ピン・プリンティング法等に加えて、非接触法は非常に重要である。
【0004】
周知の方法の種別は、高速切換弁に基づく。それゆえに、大抵は磁気駆動装置または圧電駆動装置に基づく適切な弁が、導管を介して媒質容器に結合され、この媒質容器の中の圧力が確立される。弁を切換時間1ms未満で高速切換することにより、短期間に非常に大きな流れが発生するので、流体は、表面張力が大きくても、分注位置から離れることができ、自由噴流として基板上に突き当たることができる。計量総量は、圧力および/または弁の切換時間により制御することができる。
【0005】
圧力を発生させるには異なる手法が存在し、切換弁の上述の概念に含まれる。
【0006】
図7に、シリンジ・ソレノイド法と称することのできる第1の周知の手法の略図を示す。ここで、流体導管10は、高速切換マイクロ電磁弁12を介して、除去可能なシリンジ14に流体的に結合されている。シリンジ14の下端には、ノズル穴16がある。流体導管10の反対端は、切換弁18を介してシリンジ・ポンプ20に結合されている。さらに、流体容器22もまた、さらなる流体導管24を介して切換弁18に結合されている。
【0007】
切換弁18は、2つの切換状態を有する。第1の切換状態では、シリンジ・ポンプ20のポンプ室26は、流体導管24を介して流体容器22に流体的に結合されているので、シリンジ・ポンプのピストン30を相応に動かし、ポンプ室26の容積を増やすことにより、液体28は流体容器からポンプ室26へ引き寄せられる。このプロセスは、シリンジ・ポンプ20を充填するのに役立つ。後続の計量プロセスでは、切換弁18が切換られ、流体導管10を介してポンプ室26のマイクロ電磁弁12への流体接続を生じさせる。ピストン30を用いることによって、ポンプ室26内部の液体に圧力が加えられ、マイクロ電磁弁12を高速切換することにより(切換時間<1ms)、シリンジ14の計量穴16から液体を分注させることができる。図7に示す型の計量装置は、例えばCartesian社より販売されている。
【0008】
図8に、例えばDelo社やVermes社により実施されている他の原理を示す。この方法では、液体42を圧力下に収容する圧力容器40が設けられる。圧力容器40の出口は、流体導管44を介して急速に切換可能な弁46に結合されており、この弁はここでも、流体導管48を介してノズル穴に結合されている。これを図8の矢印でほんの概略的に示す。この配置では、弁46の高速切換によって、ノズル穴から液体を自由噴流により分注させることもできる。
【0009】
他の周知の微小計量装置は、例えば、DE‐A‐19802367、DE‐A‐19802368、EP‐A‐0725267に記載されている。それらに記載されている微小計量装置は、フレキシブル膜に当接し、供給管路を介して容器に結合され、排水管を介してノズル穴に結合されているポンプ室を含む。このような微小計量装置の実施例を、図9a〜図9cを参照して以下に述べる。
【0010】
図9aに、静止位置にあるこのような微小計量装置の略断面を示す。計量装置は、計量ヘッド50と作動デバイス52とを含む。図示の実施例において、計量ヘッド50は、相互接続された2つの基板54、56により形成されており、これらの基板にはそれぞれ凹部が形成されている。第1の基板54は、容器結合部58と、入口路60と、計量室62とがこの第1の基板内に形成されるように構造化されている。下部基板56は、ノズル結合部64と、ノズル路および出口穴を有するノズル66と、ノズル66の出口穴よりもかなり大きい断面を有する出口領域68とがこの下部基板内に形成されるように構造化されている。
【0011】
さらに、この上部基板54の構造化により、上部基板に膜70が形成されている。
【0012】
図9bに示すように、作動デバイス52は押出器72を有し、この押出器により膜70は下向きに曲げられ、計量室62の容積を減らすことができる。計量室62の容積をこのように減らすことにより、一方では、入口路60および容器結合部58を通して逆流74が起こる。他方では、ノズル結合部64およびノズル66を通して順流が起こり、ノズル66の出口端において分注液76が生ずる。逆流74と計量された液76の比率は、容器と計量室の間の流体結合部の流体抵抗の、計量室とノズル66の出口穴の間の流体抵抗に対する比率に依存する。
【0013】
計量プロセスの後、押出器72は、作動デバイス52を用いて上向きに移動され(図9c参照)、図9aに示すように、弾性により最終的に元の位置に回復する。このように膜70が復元されることによって、計量室62の容積が増し、容器結合部58および入口路60を通して容器からの補充流78が起こる。この段階中、ノズル66を通る空気の吸い込みを回避するためには、膜70の復元は充分にゆっくり実行される必要があり、ノズル66内に液体を維持する毛細管力がこのことにより封じられることはない。
【0014】
図9a〜図9cを参照して上述した微小計量装置は、元々は生化学における酵素の計量のために開発された。これらの装置を用いることにより、1nL〜1000nLの容積範囲において、100mPasまでの粘性を有する液体を、媒質にはきわめて無関係に、かつ正確に計量することができる。計量される液体は、これにより好ましくはシリコン製の計量チップを自由噴流で計量室から押出すことにより計量される。しかしながら、この方法は比較的複雑なマイクロデバイスを必要とする。
【0015】
最後に、管状の圧電変換器が流体導管をノズル穴の形成されたノズル板に結合する液滴吐出システムが、US‐3683212により知られている。立上がり時間の短い電圧パルスが変換器に加えられ、変換器の収縮が生ずる。その結果生じる急激な封入容積の減少により、穴板内の穴から少量の流体が吐出される。これにより、液体は無圧下または低圧下に維持される。穴における表面張力は、変換器が作動していないときに液体が流出することを防止する。吐出された液体は、導管内の液体の毛細管順流によって入れ替わる。
【0016】
US‐3683212によれば、圧電インクジェット法と同様の音響原理の助けによって液滴が発生することがわかっている。ここで、音響圧力波は、堅固な流体導管内、例えば剛性ガラス毛細管内で発生し、その結果、出力位置において局所的に大きな圧力勾配が生じ、これが液滴分離をもたらす。アクチュエータの作動時間は、ここでシステムにおける音響伝播の範囲内であり、通常、数マイクロ秒である。したがって、この状況では、アクチュエータの下流および上流での流体導管の音響インピーダンスは、設計上重要である。したがって、これは少ない容積押出に対して高い音響インパルスが発生するインパルス法である。言い換えれば、圧力最大値および圧力最小値を有する音響波が作動位置と処理位置の間で発生し、分注位置では、対応する圧力により液体の吐出が生ずる。US3683212によれば、流体導管は無視できる程度に変形するだけであり、アクチュエータは主に音響波を送信するのみであり、流体導管の弾性はそれほど重要ではない。
【0017】
DE4314343C2により、一端が液体容器に結合され、他端が開口した液体供給チューブを有する液体計量装置が知られている。このチューブは接合ソケットに当着され、チューブの接合ソケットに対向する側にハンマーが設けられている。このハンマーはチューブ軸を横断する方向に周期的に振動することができ、チューブの断面全体がハンマーにより圧着され、すなわち流体領域が実質的にゼロとなる。これにより、衝撃力の影響がチューブに働き、個々の液滴が開口端から追い出される。
【0018】
本発明の目的は、簡単な構造の微小計量装置、さらに好ましくは、分注される計量容積を容易に変化させることのできる装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、液体の計量分注の方法を提供することである。
【発明の開示】
【0019】
この目的は、請求項1および9による微小計量装置と、請求項20、29、30による方法とにより達成される。
【0020】
本発明は、液体容器に結合するための第1端と出力穴が設置されている第2端とを備えたフレキシブルチューブ、好ましくはポリマーチューブを有する流体導管と、調整可能なハブを備えた押出器を有し、前記フレキシブルチューブの前記部分の容積を変化させることができ、前記押出器を前記第1端位置と前記第2端位置の間で移動させることにより、前記チューブが少なくとも前記第1端位置または前記第2端位置で部分的に圧縮され、前記出口穴において液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる作動デバイスとを含む微小計量装置を提供する。
【0021】
さらに、本発明は、液体容器に結合するための第1端と出力穴が設置されている第2端とを備えた流体導管であって、前記流体導管の容積変化を生じさせるために、前記流体導管の断面を変化させることができる部分を有する流体導管と、前記流体導管の容積変化を生じさせるために、前記流体導管の前記部分に沿った位置に配置され、前記出口穴から液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる作動デバイスとを含み、前記作動デバイスの位置と前記出口穴の間の流体インピーダンスの、前記流体容器と前記作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率は、前記作動デバイスの位置を変えることにより変化させることができ、前記出口穴において分注される計量容積を少なくとも10%変化させることができる微小計量装置を提供する。
【0022】
ここで、流体インピーダンスとは、管路の長さおよび流体断面により決定される流体抵抗および流体インダクタンスの組合せを意味する。
【0023】
したがって、本願は作動デバイスのハブを調整することにより、および/または、その容積を変化させることができる流体導管に沿って作動デバイスの位置を調整することにより、計量容積を調整することを可能とする。
【0024】
言及した流体抵抗の比率のこのような可変性は、好ましくは、流体導管を、流体容器と吐出穴の間で実質的に線形構造、すなわち、この流体導管が流体容器と吐出穴の間に不規則な断面変化のない断面を有するよう設計することにより達成可能である。最も単純な場合には、これは静止位置において流体容器と吐出穴の間に実質的に一定の断面を有する流体導管により達成することができる。
【0025】
本発明は、他の液滴発生器において必要となる精密機械部材またはミクロ構造部材を必要とせず、それによって、製造費用を著しく低減でき、また、作業安全性が増大する。さらに、流体運搬部は、単にプラスチック、例えばポリイミドなどの使い捨て部材として製造でき、それによって、媒質を変更する際の高価な掃除が省略される。
【0026】
さらに、本発明によれば、圧力を発生させるために、制限された圧力室が使用されず、可変の「作用領域」が使用される。これにより、押出器の位置、すなわち、それに沿って流体導管の断面が変動して流体導管の容積変化を生じさせる流体導管の部分に沿った作動デバイスの位置を変化させることにより、種々の流体にとって最適化が可能になる。軸非対称な容積変化により、好ましい方向の流体の流れを、流体導管内で出口穴の方向に発生させることができる。さらに、「作用領域」を増大することによって、例えば、最大計量容積を変化させても流体運搬部での構造変化が必要とならないような、より大きい押出器を使用することによって、最大計量容積の単純な変化を起こすことができる。最終的には、補充中の好ましい方向を確実にしたり、出口穴からの液体の漏出を回避するために、入力穴と出力穴の間の潜在的な圧力差を明確に規定することができる。したがって、流体導管内の毛細管力では移動できない媒質も計量することができる。
【0027】
さらに、本発明は、液体を計量分注する方法であって、フレキシブルチューブ、好ましくはポリマーチューブを有する流体導管に、計量される液体を充填するステップと、調整可能なハブを備えた押出器によって前記フレキシブルチューブの部分の容積変化を生じさせ、前記押出器を第1端位置と第2端位置の間で移動させることによって、前記チューブが少なくとも第1端位置または第2端位置で部分的に圧縮され、前記流体導管の出口穴において液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させるステップとを含む液体を計量分注する方法を提供する。
【0028】
さらに、本発明は、本発明に係る微小計量装置を用いた計量プロセスにおいて、前記流体導管の前記部分に沿って前記作動デバイスを所定の位置に配置するステップを含み、前記流体導管の容積変化を生じさせるステップにおいて、結果として生ずる流体インピーダンスの比率に起因して、前記出口穴において所望の計量容積を分注させることができる、所望の計量容積を調整する方法を提供する。
【0029】
さらに、本発明は、本発明に係る微小計量装置を用いた計量プロセスにおいて、前記流体導管の前記部分に関して軸方向長さを有する押出器を選択するステップを含み、前記流体導管の容積変化を生じさせるステップにおいて、所望の計量容積を分注させることができるよう構成されている、所望の計量容積を調整する方法を提供する。
【0030】
したがって、本発明は、所望の計量容積を調整する際の付加的な自由度を可能にする。一方で、所定のハブを備え、これにより作動デバイスの所定の押出ができれば、上述のステップにより所望の計量容積を調整することができる。ハブと作動デバイスの押出が調整可能である場合には、上述のステップにより所望の計量容積範囲を調整でき、ハブまたは作動デバイスの押出をそれぞれ調整することによって、所望の計量容積範囲内にある計量容積を調整できる
【0031】
容積押出器システムの特徴的な性質と重要な利点は、本発明によって実現されたように、計量容積は計量される液体の粘性にほとんど無関係であるということである。
【0032】
そのうえ、本発明によれば、作動デバイスは流体導管と一緒に設計でき、容積押出の極端な事例として、押出器により流体導管を完全に圧着することができる。その場合には、付加的に、弁機能を実装できる。このように、容器と分注位置の間で流体導管を完全に遮断できるということは、周知の方法と比較してさらなる利点を提供することができる。
【0033】
US‐3683212の教示とは対称的に、本発明に係る微小計量装置においては、連続的な圧力勾配が流体導管全体にわたって確立され、流体は、実際に押出器から開始して、導管から押し出される。押出器と出口穴の間にある全流体は、出口穴の方向に移動する。容積押出は数ミリ秒の時間スケールで実施される(インパルス法によるよりもかなり遅い)ので、音響現象は役割を果たさない。
【0034】
添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施態様を以下に述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1a〜cの略図に基づいて、本発明の本質的特徴と本発明に内在する概念とを以下に述べる。
【0036】
本発明は、主としてナノリットルからピコリットルの範囲において、微小液滴または微小噴流をそれぞれ発生させるためのそれぞれの装置または方法に関する。流体運搬管は、本発明に係る微小計量装置の中心的な要素であり、その入口穴は計量される媒質が置かれている液体容器に結合されている。導管の他端には出口穴があり、これを通して計量される液体が分注される。流体運搬管は、好ましくは主として弾性材料により製造されるので、例えば導管を圧縮してこれを変形させることにより、入口穴と出口穴の間の導管の容積を変化させることができる。
【0037】
本発明に係る計量装置の計量プロセスの異なる段階における本質的要素を図1a〜cに示す。
【0038】
図1aに示すように、本発明の好ましい実施態様において、弾性ポリマーチューブである流体導管100は、液体容器に結合するための入口側端102と、微小液滴または微小噴流をそれぞれ分注できる出口側端104とを含む。出口側端104は、したがってノズルと称することもできる。図1a〜cにおいて、弾性ポリマーチューブ100の壁106をそれぞれ破線で図示する。
【0039】
押出器形態のアクチュエータ108が設けられ、この押出器108は、結合部110を有し、押出器108を駆動するための作動部材に取付ることができる。
【0040】
図示された実施態様において、弾性ポリマーチューブは、実質的に一定の断面を有し、この断面は、通常はその入力端102からその出力端104まで円形になる。
【0041】
このような微小計量装置において、押出器108の下に配置された領域112は、計量室領域と称することができ、この領域は、弾性ポリマーチューブ100に関する押出器108の位置によって規定される。実質的に押出器108の右側端において始まる領域114は、押出器領域112を出口端104に流体的に結合する出口路を表す。図で切り詰めて示され、押出器108の左側端から左に向かって延びる領域116は、押出器領域112を入力端102に流体的に結合する入力路を表す。
【0042】
さらに図1aに示すように、押出器108は、ポリマーチューブ100の壁106に対して斜方向に走る押出器表面120を含むことができ、これにより、微小計量装置の動作中、軸非対称な容積変化により、出口穴104に向かって好ましい方向の流体の流れを発生させることができる。
【0043】
以下では、本発明に係る微小計量装置の動作モードについて述べる。
【0044】
計量システムをスイッチオンした時、流体導管100は、外部で発生される圧力差または毛細管力のいずれかにより、自動的に充填される。
【0045】
外部で発生される圧力差は、例えば、流体が圧力下に置かれている流体容器を用いて加えることができる。
【0046】
出口端に関して正である静圧(過大圧力)を加えるとき、導管100内の液体によりもたらされる圧力が、液体を導管内に維持する毛細管力よりも高くならないよう考慮しなければならない。さもなければ、微小計量装置の非動作状態において出力端104から液体の漏出が生じるであろうからである。
【0047】
その一方で、毛細管力が過度に弱ければ、非動作状態において出力端からの液体の漏出を回避するために、出力端に関して負である圧力(過小圧力)を加えることができる。この反対の圧力は、補充中には毛細管力によって封じられる必要がある。
【0048】
計量プロセスの初めに、計量段階と称することのできる第1段階において、入口穴と出口穴の間の導管の容積を低減することにより、液体が導管から押出される。このことは、押出器108を下向きに、すなわちポリマーチューブ100に向かう方向に移動させることにより達成され、押出器領域112内にポリマーチューブの圧縮が生じる。この下向きの移動は、図1bにおいて矢印122で図示されている。したがって、押出器領域112は、本発明に係る微小計量装置の作用領域を表す。
【0049】
流体導管100のこの容積変化に起因して導管から押出された液体は、導管の端から押圧されるか、または、導管が流体容量を有する場合は導管断面を変化させることにより別の位置に収容される。
【0050】
押出器108の高速移動122により引き起こされる流体導管100の容積変化によって、一方では、矢印124で示すように、出口穴104に向かって流体の流れが起こり、他方では、矢印126で示すように、入力路116を通して流体容器への逆流が起こる。順流124により、出口穴104において微小液滴または微小噴流のそれぞれの形態の流体吐出が起こる。
【0051】
流体のどの部分を噴流または液滴としてそれぞれ出口穴104から分注させるは、容積変化の位置、型、および動力によって決まる。上記で既に言及したように、出口穴104に向かう好ましい方向の流れは、押出器108と、特に押出器表面120によって引き起こされるような軸非対称な容積変化によって影響を受ける。計量段階において出口端104で分注される噴流または液滴を発生させるためには、容積変化がかなり高速に生じ、所要のインパルスが流体液滴または流体噴流のそれぞれに伝達されることにより、その流体液滴または流体噴流は出口穴104から離れることができる。これにより、流体特性、例えば濃度、粘性、表面張力等も、また、入口穴と出口穴の間に存在し得る圧力差も、重要な役割を果たす。さらに、出口穴104と容積変化が行われる作用領域112の間の流体抵抗(すなわち出口路114の流体インピーダンス)も、作用領域112と入口穴102の間の導管部の流体インピーダンス(すなわち入口路116の流体インピーダンス)も、分注される計量総量(順流124)と容器へ戻る流体総量(逆流126)の間の比率を決定している。例えば、大きな動力で出口穴(104)の近くで容積変化が行われる場合には、良質な計量を達成することができる(例えば1ミリ秒以内で50nL)。
【0052】
押出器を出口穴(104)の近くに位置決めすることにより、出口路114の流体インピーダンスは入口路116の流体インピーダンスに比較して低くなり、押出される流体の大部分が出口穴104から吐出される。これにより、入口路116の長さが出口路114の長さの寸法の少なくとも2倍である場合に、好ましくは少なくとも5倍の大きさである場合に、より好ましくは少なくとも10倍の大きさである場合に、押出器は出口穴104の近くに配置されていると言える。
【0053】
流体液滴または流体噴流をそれぞれ吐出後、補充段階と称することのできる第2段階では、入口穴102と出口穴104の間の容積が再び増加される。このことは、押出器108を、流体導管100から離れるように、図1cに示すような矢印132の方向に移動させることにより達成される。この容積変化に起因して、液体は、図1cに矢印134で示すように、容器から入口穴102および入口路116を通して導管へ、特にその作用領域112へと流れる。出口穴104を通して空気を引き込むことは、導管断面が相応に小さいので毛細管力によって防止される。その一方で、容器から充填するための好ましい方向は、入口穴と出口穴の間の静水圧差により決定することができる。この目的のために、流体容器には、例えば再び圧力を与えることができる。
【0054】
補充段階の最後に、図1aに示す状況が再び存在し、計量プロセスが再び実行される。
【0055】
図2a〜dは、本発明に係る微小計量装置を用いた液滴発生器を示し、流体導管またはアクチュエータそれぞれのための取付台をそれぞれ有する。図2aは液滴発生器の側面図を示し、図2bはその底面図を示す。図2cは図2bの線A‐Aに沿った断面図を示し、図2dは、部分Bの拡大図を5:1の比率で示す。
【0056】
図2a〜dに示す液滴発生器は、ポリイミドチューブ150を含み、それは例えば200μmの内径を有することができる。ポリイミドチューブ150を収容するために、収容ブロック152および接合ブロック154が設けられている。収容ブロック152、および/または、接合ブロック154の中には案内溝が設けられ、そこにはポリイミドチューブが挿入され、ポリイミドチューブが収容ブロックと接合ブロックの間で安定した方法で確実に収容される。収容ブロック152および接合ブロック154は、例えば、取付ねじ156を用いて、取付台162の取付部160に取付られる。さらに、取付台162は、接合ブロック154に対向するポリイミドチューブ150側に押出器164を保持するように形成され、この押出器の助けによりチューブをその作用領域で圧縮することができ、それによって入口穴と出口穴の間で本発明に係る容積変化が得られる。そのために、押出器は、押出を電子的に制御でき、アダプタ166を介して押出器164に結合されている圧電スタック・アクチュエータ(図示せず)により駆動される。ポリイミドチューブ150の出口穴のそばで液滴吐出168の好ましい方向を生じさせるために、押出器164は、ここでもポリイミドチューブに関して斜方向、すなわち、このポリイミドチューブに対して或る角度で延びる押出表面を有する。
【0057】
さらに、取付台162は、圧電スタック・アクチュエータ形態の駆動ユニットのための受け手170を含む。さらに、取付台162は、例えばバネ継手を使用して、この取付台を貫通して、駆動装置をも含むデバイスに取付ることを可能とする凹部172を有することができる。
【0058】
図2a〜dに示す構造に関し、プロトタイプが構築され、実験によるテストに成功した。図3は、このプロトタイプにより実施された計量プロセスの種々の段階を示しており、いずれの場合もポリイミドチューブ150はその出口端180によって示されている。
【0059】
図4は、これらのプロトタイプを用いた1800の計量プロセスによる分注された質量をマイクログラムで示す。ここで、計量される液体としては水が使用された。平均液滴質量は22.57μg、標準偏差σは0.35μgであった。ポリイミドチューブは直径が200μmであった。図4に示す再現性の重量測定は、少なくとも従来の計量装置の精度に相応し、これより優れてさえいる精度を、本発明の概念で得ることができたことを証明している。
【0060】
図5a、図5b、図6a、および図6bに関して、本発明に係る微小計量装置において、所望の計量容積あるいは所望の計量容積範囲のそれぞれをどのように調整できるかについて以下に述べる。
【0061】
図5a、図5bでは、ポリマーチューブ100を概略的に示しており、このポリマーチューブの入口穴102は液体容器200に流体的に結合されており、このポリマーチューブの出口端104は吐出穴を表す。作用領域112は、出口路114および入口路116と同様に、押出器108の位置により規定される。図5aに示す配置では、入力路116および出口路114は実質的に同じ長さx1、x2を有するので、チューブ100の断面が一定であるとすると、この入力路および出口路の流体インピーダンスは実質的に同一である。したがって、図示された態様の押出器108’において、好ましい流れ方向を生じることはなく、押出器108’によって生ずる容積押出は、出口穴104および入口穴102の方向に同一サイズの流れを引き起こすであろう。したがって、導管100の流体容量を無視すれば、出口穴104より吐出される容積は、押出器108’により引き起こされる容積押出の半分と同じ量となろう。
【0062】
図5bによれば、押出器108’は出口穴104の近くに配置されている。言い換えれば、入口路116の長さx1は出口路の長さx2の約5倍である。したがって、チューブ100の断面が一定であれば、入口路116の流体インピーダンスは出口路114の流体インピーダンスの5倍の大きさとなり、押出器108’により生ずる容積変化のほとんど大部分が出口穴104の方向に流れを生じさせ、したがってこの出口穴を通して吐出を生じさせる。
【0063】
上述の方法では、流体導管100に対する押出器の位置を変えることにより、所望の計量容積を調整することができる。さらに、もし、押出器の駆動手段がこの押出器のハブを選択的に調整でき、すなわち、この押出器の移動を流体導管に対して垂直の様々な距離で選択的に調整でき、押出器がその制御に依存して様々な容積変化を生じさせることができるならば、押出器の相応の制御により調整された計量容積範囲内で所望の計量容積の最終調整が行われるときに、上記の位置の調整は所望の計量容積範囲の調整を表わす。
【0064】
本発明によれば、押出器の位置を変えることによって入口路および出口路からの流体抵抗の比率を有意に変更できる限り、出口穴において分注される計量容積は、押出器の位置を変えることにより調整可能である。ここで、「有意に」とは、出口穴において分注される計量容積を少なくとも10%変化させることを意味すべきであり、それによって、実際の調整範囲は、押出器の位置をどの範囲にわたって調整できるかに依存することになる。これにより、本発明に係る微小計量装置を使用して押出器の位置を変えることにより、分注される計量容積の50%以上の変化を実現できる。本発明に係る入口路および出口路の流体抵抗の比率の調節力は、好ましくは、計量室すなわち作用領域と、入口路または出口路それぞれとの間において引き起こされる不規則な断面変化が生じないという本発明によって可能となる。本発明のさらに好ましい実施態様では、流体導管の断面は、静止位置において、押出の区分すなわち作用領域から出口穴まで一定である。さらに、好ましい実施態様では、流体容器と出口穴の間の流体導管全体は、実質的に一定の断面を有する。
【0065】
本発明により所望の計量容積あるいは所望の計量容積範囲のそれぞれをどのように調整できるかという第2の可能性は、図6a、図6bから読み取ることができる。図6aによれば、押出器108’はチューブ100に沿った長さl1を有し、一方図6bによれば、押出器208は管100に沿った長さl2を有する。長さl2は長さl1よりも長いので、押出器208のほうが同一のハブで大きな流体導管100の容積変化を可能とする。したがって、本発明によれば、ハブを一定にして流体導管に沿った押出器の長さを変えることにより、所望の計量容積、または上述と同様に、所望の計量容積範囲を調整することができる。
【0066】
したがって、本発明は、計量される媒質が充填された流体導管であって、一端は流体容器に結合することができ、他端には出力穴が設置されている流体導管を、流体導管の或る区分の容積を一時的に変化させることができるアクチュエータとともに有し、この容積変化により、出口穴において流体が自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注される微小計量装置を提供する。本発明によれば、流体導管全体は、フレキシブルポリマーチューブにより形成することができる。その一方で、言及した所定の区分のみがフレキシブルポリマーチューブにより形成され、この区分からの供給および排水は堅固な流体導管により形成されてもよい。
【0067】
記載したフレキシブルポリマーチューブの変形例として、本発明に係る微小計量装置の流体導管は、膜に覆われた実質的に堅固な担体で形成される流路によって形成することもできる。これにより、流路は不規則な断面変化なしに形成され、好ましくは担体内に一定の断面で形成され、この実施態様でさえも、押出器を相応に位置決めすることにより、入口路および出口路からの流体抵抗を調整でき、これにより出口穴において分注される計量容積の少なくとも10%の変化を達成することができる。
【0068】
上記で説明したように、本発明によれば、押出は流体導管の弾性区分において生じる。好ましくは、弾性区分は、流体導管、例えばフレキシブルポリマーチューブまたは膜のそれぞれにおける開始位置を動作後に自動的に回復できるので、押出器は流体導管に固定的に結合される必要がなく、流体導管は単純な使い捨て部材として設計することができる。
【0069】
本発明は、本発明に係る幾つかの微小計量装置が平行に配置される液滴発生器も含む。このような平行に配置された微小計量装置は個別に制御することができ、異なる液体または同一の液体を計量することができる。その一方で、液滴発生器は幾つかの流体導管を有することができ、押出器によりこれらの流体導管を同時に制御でき、この液滴発生器により同一または異なる液体を計量することができる。この目的のために、異なる流体導管の入口端は、同一または異なる液体容器に結合させることができる。
【0070】
したがって、本発明に係る微小計量装置は、1つまたは幾つかの微小液滴発生器から構成でき、各々は、計量される媒質が充填された(弾性の)流体導管であって、一端は流体容器に結合された入口穴を有し、他端は出口穴を有し、入口穴と出口穴の間に圧力差が存在できる流体導管と、流体容器と出口穴の間にある導管の容積を一時的に変化させることができる作動デバイスとを有し、第1段階中に、入口穴と出口穴の間の流体容積が有意の速度でその初期容積から少ない容積に減少され、それによって、微小液滴または微小噴流がそれぞれ出口穴を通して吐出され、押出された容積の一部は入口穴に漏出でき、微小液滴または微小噴流のそれぞれの容積に入口穴を通して容器へ退く容積を加えたものは作動デバイスにより引き起こされる容積変化に実質的に相当し、入口穴と出口穴の間の容積が再び増加される第2段階では、圧力または毛細管力によって駆動されて、流体導管は容器から再び充填される。
【0071】
図2a〜dに記載された取付台とは別に、自動取付台を設けることができ、これにより、例えば所望の計量容積範囲あるいは所望の計量容積のそれぞれを示す信号に応答して、流体導管に対する押出器の位置を自動調整することができる。
【0072】
本発明に係る微小計量装置を使用することにより、このように、個々の自由飛散微小液滴が、好ましくは周囲大気に接触する出口穴において発生し、この出口穴おいて流体が自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注される。これにより、本発明は、作動デバイスの1回の動作周期で、もはや液滴を吐出することを可能とし、この周期の間に押出器は流体導管の容積減少を1度生じさせ、これにより液滴を吐出する。
【0073】
本発明は、作動デバイスのハブを調整することにより、および/または、作動デバイスを流体導管の部分に沿った所定の位置に配置することにより、計量容積を調整することを可能にする。加えて、適合された軸方向長さを有する押出器を選択することができる。
【0074】
計量容積を調整するための調整可能なハブを使用するとき、作動デバイスまたは押出器それぞれのハブhは変化させることができ、チューブの直径、すなわち、作動デバイスの押出器の移動方向におけるチューブの断面寸法よりも小さい。
【0075】
チューブの断面全体が圧着されている場合、すなわち、流体領域が実質的にゼロになる場合には、DE4314343C2で要求されているように、液滴容積はチューブ軸に沿ったハンマーの外延とチューブの直径とにより決定される。チューブを圧着することにより、関連するチューブ部分内の全容積が押出される。おおよそ、これにより液滴容積を有意に決定する押出される容積に関しては―その他の配置が等しければ―、次式が当てはまる。
【数1】
ここで、Vは押出される容積、aは押出器の長さ、dはチューブの直径を表す。
【0076】
これと比較して、調整可能なハブを有する押出器において、その周りを押出器が移動するハブhが決定的な役割を果たす。ここで、押出される容積は、ハブhに依存し、横方向に微調整されたシリンダの容積によっておよそ記述される。
【数2】
ここで、hはチューブが圧縮されている距離である。
【0077】
このような押出される容積Vのハブhへの依存と、液滴容積への記述された効果とにより、本発明は、直径の異なるチューブまたは寸法の異なる押出器をそれぞれ結合することなく、計量容積の可変調整を可能にする。
【0078】
本発明によれば、単一の計量プロセスにおいて、容積押出と液滴発生または液滴容積それぞれとの間には関係があるので、本発明は、非周期的励起によって計量することを可能とする。このことは、例えば、特別な非周期パターンを基板にプリントする場合に有利である。
【0079】
上述の実施態様において、作動デバイスは、チューブをその非圧着状態から開始して作動させるように設計されている。その一方で、待機モードにおいて、チューブを部分的に、または完全に圧着すなわち圧縮させる実施態様が可能である。このような一実施態様の略断面図を図10aに示す。チューブ100は、その背面において対抗取付台300に当着されている。チューブ100の反対側では、圧電アクチュエータ302が、作動デバイスの取付台304に取付られている。押出器306は、圧電アクチュエータ302の前方端に配置されている。
【0080】
図10aに示す配置において、チューブ100は、待機モードにおいて完全に圧着されている。計量周期は、圧電アクチュエータ302をゆっくりと引き戻すことから開始し、チューブ100の断面が部分的に開放される。この段階中、流体は、増加するチューブ容積を補償するため、出口穴104に対向する端部102においてチューブ100が結合されている容器から、前に圧着されていた領域に流れる。次に、圧電アクチュエータ302を急速に延出してチューブ容積を再び減少させることにより、出口端104で液滴生成される実際の計量プロセスが実施される。上述の実施態様におけるように、計量される容積は圧電アクチュエータ302の調整移動量により規定され、したがって、作動電圧を変えることにより、または圧電アクチュエータ302の充電電流または放電電流の変位により、それぞれ制御することができる。図10aに示す構成の利点は、圧着されたチューブは、通常開口しているチューブと比較して、計量される物質の蒸発速度が著しく低いことである。
【0081】
したがって、この実施態様は一体型閉鎖機構を含む。しかしながら、商業的に入手可能な通常の圧電スタック・アクチュエータでは、圧電アクチュエータの延出状態は電圧が印加された状態であるという欠点がある。電圧を取り除くと、圧電スタック・アクチュエータは短くなった減縮状態になる。したがって、このことが意味するのは、図10aに示す一体型閉鎖機構の実施態様は、連続的に、ただし僅かにエネルギー消費をするということである。一体型閉鎖機構の利点を完全に利用するためには、図10aに示す実施態様では、計量システムが使用されない場合でも、連続的に電圧を印加するか、または圧電アクチュエータを充電しておくことがそれぞれ有利である。
【0082】
エネルギー消費を低減した一体型閉鎖機構は、作動デバイスに、押出器をポリマーチューブへと押圧し、待機モードにおいてチューブを部分的または完全に圧着する付勢手段、例えばバネを設けることにより実現することができる。そして、作動デバイスは、好ましくはアクチュエータを有し、付勢手段の力に抗して押出器を移動させ、チューブの断面を部分的または完全に解放するように配置されている。
【0083】
このような一体型閉鎖機構の一実施態様を図10bに示す。ここでも、チューブ100は対抗取付台310へと当着される。この実施態様において、作動デバイスは、バネ312と圧電スタック・アクチュエータ314の組合せを含む。さらに、作動デバイスは押出器316を含み、この押出器は作動板318に堅く連結されている。図10bに、例示的な連結手段として、2つの連結棒320と322を示す。バネ312は、その右側端で取付台324に当着され、アクチュエータ314の非動作状態において、押出器316をチューブ100に対して押圧してチューブを圧着する。この実施態様は、スイッチオフされた供給電圧でチューブが圧着された計量装置を実現可能であり、この実施態様は連続的なエネルギー消費のない一体型閉鎖機構を持つ。
【0084】
スイッチオフ状態において、押出器316は、チューブが対抗取付台310に押圧されて圧着されるように、バネによってチューブ100の上に押圧される。計量プロセスが実施される場合は、圧電アクチュエータ314は電圧を印加することにより延出され、こうして押出器316はバネ力に抗してリセットされる。チューブは弛み、計量される液体が、出口穴104に対向するチューブの側部102に結合された容器から流入する。圧電スタック・アクチュエータ318を急速に後退させることにより、チューブ100は、十分に強力になるように寸法が決められているバネ312によって再び圧着される。バネが十分に堅く寸法が決められているので、液体は自由飛散噴流として出口穴104から分注される。計量される容積は、圧電アクチュエータの調整移動量により再び規定され、したがって、作動電圧を変えることにより、または、圧電スタック・アクチュエータの充電電流または放電電流をそれぞれ変位させることにより、制御することができる。
【0085】
ここで、図10a、図10bに関して述べた実施態様は、チューブが完全に圧着しない場合にも機能するということに留意すべきである。
【0086】
押出器または作動デバイスそれぞれの調整可能なハブを介して計量容積が調整される本発明の実施態様においては、押出器は第1端位置と第2端位置の間で移動され、ポリマーチューブはこの第1端位置および第2端位置において部分的に圧縮される。これにより、第1端位置が第2端位置よりも大きなチューブ容積を規定するので、押出器を第1端位置から第2端位置へと移動することにより、液体が吐出端から注出される。これにより、第1端位置は、チューブの完全弛緩状態、または、チューブの部分圧縮状態を規定することができる。第2端位置は、ポリマーチューブの部分圧縮状態、または完全圧縮状態を含むことができる。言い換えれば、作動デバイスの調整可能なハブによって計量容積を調整可能である本発明に係る実施態様においては、チューブの壁は、作動デバイスまたは押出器それぞれにより、フレキシブルポリマーチューブの光切断面の一部を介して移動する。反対に、非圧着状態から完全圧着状態へチューブを完全に圧着させる場合には、チューブの壁は、チューブの光切断面全体を横断して移動する。
【0087】
図10a、図10bに示す実施態様は、作動デバイスの位置を変え、これにより出口穴から分注される計量容積を変化させることができるように、実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る計量プロセスの1実施態様を説明するための略断面図である。
【図2】本発明に係る微小計量装置の1実施態様の略図である。
【図3】液滴生成の画像シーケンスを概略的に示す。
【図4】プロトタイプを介して発生する液滴容積を示す線図である。
【図5a】本発明に係る微小計量装置において、計量容積範囲がどのように調整可能であるかを表す略図である。
【図5b】本発明に係る微小計量装置において、計量容積範囲がどのように調整可能であるかを表す略図である。
【図6a】別法として、本発明により計量容積範囲がどのように調整可能であるかを表す略図である。
【図6b】別法として、本発明により計量容積範囲がどのように調整可能であるかを表す略図である。
【図7】周知の微小計量システムの略図である。
【図8】他の周知の微小計量システムの略図である。
【図9a】他の周知の微小計量システムの略図である。
【図9b】他の周知の微小計量システムの略図である。
【図9c】他の周知の微小計量システムの略図である。
【図10a】本発明に係る微小計量装置の変形例の実施態様の略図である。
【図10b】本発明に係る微小計量装置の他の変形例の実施態様の略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器(200)に結合するための第1端(102)と出口穴(104)が設置された第2端とを備えたフレキシブルチューブを有する流体導管(100;150)と、
調整可能なハブを備えた押出器(108;108’;208;306;316)を有し、これにより前記フレキシブルチューブの部分の容積を変化させることができ、前記押出器(108;108’;208;306;316)を第1端位置と第2端位置の間で移動させることにより、前記チューブが少なくとも前記第1端位置または前記第2端位置において部分的に圧縮され、前記出口穴(104)において液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる作動デバイスとを含む、微小計量装置。
【請求項2】
前記フレキシブルチューブは、ポリイミドから成る、請求項1に記載の微小計量装置。
【請求項3】
前記フレキシブルチューブは、不規則な断面変化を有さない少なくとも1つの部分を有し、前記作動デバイス(108;108’;164;208)の位置を前記部分に沿って変えることにより、前記作動デバイスの位置と前記出口穴(104)の間の流体インピーダンスの前記第1端(102)と前記作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率を変化させることができ、前記出口穴(104)における計量容積出力を少なくとも10%変化させることができる、請求項1または2に記載の微小計量装置。
【請求項4】
前記チューブは、前記チューブの容積変化を生じさせるために、前記押出器(108;108’;208;306;316)によって所定の長さにわたって圧縮される、請求項1〜3のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項5】
前記押出器(108)は、前記チューブに関して軸非対称な容積変化を生じさせる形態を有する、請求項4に記載の微小計量装置。
【請求項6】
前記作動デバイスを前記チューブに沿った1つの位置または前記位置にて保持する手段(152、154、162)をさらに有する、請求項1〜5のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項7】
前記押出器(316)によって前記チューブを完全圧縮状態または部分圧縮状態へと付勢する付勢手段(312)を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項8】
前記作動デバイスは、前記押出器(316)を前記付勢手段(312)の付勢に抗して移動させるように配置されているアクチュエータ(314、320、322)を有する、請求項7に記載の微小計量装置。
【請求項9】
液体容器(100)に結合するための第1端(102)と出口穴(104)が設置されている第2端とを備えた流体導管(100;150)であって、前記流体導管の容積変化を生じさせるために、前記流体導管の断面を変化させることができる部分を有する流体導管(100;150)と、
前記流体導管の容積変化を生じさせるために、前記流体導管の前記部分に沿った位置に配置され、前記出口穴(104)から液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる作動デバイス(108;108’;164;208)とを含み、
前記作動デバイス(108;108’;164;208)の位置と前記出口穴(104)の間の流体インピーダンスの、前記流体導管(100;150)の前記第1端(102)と前記作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率は、前記作動デバイスの位置を変えることにより変化させることができ、前記出口穴(104)において分注される計量容積を少なくとも10%変化させることができる、微小計量装置。
【請求項10】
前記作動デバイスは、前記流体導管(100;150)の前記部分を所定の長さにわたって圧縮させることができ、前記流体導管の前記部分の容積変化を生じさせる押出器(108;108’;164;208)を有する、請求項9に記載の微小計量装置。
【請求項11】
前記押出器(108)は、前記流体導管(100;150)の前記部分に関して軸非対称な容積変化を生じさせる形態を有する、請求項10に記載の微小計量装置。
【請求項12】
前記作動デバイスを前記流体導管の前記部分に沿った位置に保持する手段(152、154、162)をさらに有する、請求項9〜11のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項13】
前記流体導管(100;150)は、静止状態において、前記第1端(102)と前記出口穴(104)の間に不規則な断面変化を有さない、請求項1〜12のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項14】
前記流体導管(100;150)は、静止位置において、前記第1端(102)と前記出口穴(104)の間に実質的に一定の断面を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項15】
前記流体導管に圧力差をもたらす手段をさらに有する、請求項1〜14のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項16】
前記流体導管(100;150)は、計量される液体を前記流体導管を通して毛細管力により移動できる断面領域を有する、請求項1〜15のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項17】
複数のそれぞれの流体導管を有し、幾つかの等しいまたは異なる液体を同時または逐次に分注できる、請求項1〜16のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項18】
前記複数の流体導管の容積変化を同時に生じさせる作動デバイスを有する、請求項17に記載の微小計量装置。
【請求項19】
前記作動デバイスは、一般的な押出器である、請求項18に記載の微小計量装置。
【請求項20】
液体を計量分注する方法であって、
フレキシブルチューブを有する流体導管(100;150)に、計量される液体を充填するステップと、
調整可能なハブを備えた押出器(108;108’;208;306;316)によって前記フレキシブルチューブの部分の容積変化を生じさせ、前記押出器(108;108’;208;306;316)を第1端位置と第2端位置の間で移動させることによって、前記フレキシブルチューブが少なくとも前記第1端位置または前記第2端位置において部分的に圧縮され、前記流体導管(100;150)の出口穴(104)において液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させるステップとを含む、液体を計量分注する方法。
【請求項21】
前記フレキシブルチューブに沿った位置に押出器(108;108’;164;208)を設け、前記チューブを所定の長さにわたって圧縮させることができ、前記チューブの前記部分の容積変化を生じさせるステップをさらに含む、請求項20記載の液体を計量分注する方法。
【請求項22】
前記流体導管(100;150)は、流体容器(200)に結合されている第1端(102)と前記出口穴(104)が設置されている第2端とを有し、
前記押出器の位置を前記チューブに沿って選択し、前記押出器(108;108’;164;208)の位置と前記出口穴(104)の間の流体インピーダンスの、前記第1端(102)と前記作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率を調整し、容積変化を生じさせることによって前記出口穴(104)において所望の計量容積を分注させるステップをさらに含む、請求項21に記載の液体を計量分注する方法。
【請求項23】
前記フレキシブルチューブに関して軸方向の長さを有する押出器(108;108’;164;208)を選択し、前記押出器を用いて容積変化を生じさせ、前記出口穴(104)において所望の計量容積を分注させるステップをさらに含む、請求項21または22に記載の液体を計量分注する方法。
【請求項24】
前記容積変化を生じさせるステップにおいて、前記フレキシブルチューブに関して軸非対称な容積変化が実施され、前記流体導管(100;150)において前記出口穴(104)に向かって好ましい方向の流体の流れを生じさせる、請求項22〜23のいずれかに記載の液体を計量分注する方法。
【請求項25】
前記流体導管(100;150)に静圧をもたらすステップをさらに含む、請求項20〜24のいずれかに記載の液体を計量分注する方法。
【請求項26】
前記出口端に関する静圧が過大圧力であり、容積変化を生じさせる際、および/または、計量プロセス後に補充を支援する際に、前記流体導管(100;150)において前記出口穴(104)に向かって好ましい方向の流体の流れを生じさせる、請求項25に記載の液体を計量分注する方法。
【請求項27】
前記出口端に関する静圧が過小圧力であり、容積変化を生じないときに、前記出口端からの液体の漏出を防止する、請求項25に記載の液体を計量分注する方法。
【請求項28】
前記容積変化を生じさせるステップの後に前記容積変化を逆転し、前記チューブが初期状態に復帰するステップをさらに含み、このステップの間に前記流体導管(100;150)の毛細管補充が起こる、請求項20〜27のいずれかに記載の液体を計量分注する方法。
【請求項29】
請求項9に記載の微小計量装置を用いた計量プロセスの間に、所望の計量容積を調整する方法であって、
前記流体導管(100;150)の前記部分に沿って前記作動デバイス(108;108’;164)を所定の位置に配置するステップを含み、前記流体導管(100;150)の容積変化を生じさせるステップにおいて、結果として生ずる流体インピーダンスの比率に起因して、前記出口穴(104)において所望の計量容積を分注できる、所望の計量容積を調節する方法。
【請求項30】
請求項10に記載の微小計量装置を用いた計量プロセスにおいて、所望の計量容積を調整する方法であって、
前記流体導管(100;150)の前記部分に関して軸方向長さ(l1、l2)の押出器(108;108’;164;208)を選択するステップを含み、前記流体導管(100;150)の容積変化を生じさせるステップにおいて、前記出口穴(104)において所望の計量容積を分注できるよう構成されている、所望の計量容積を調節する方法。
【請求項1】
液体容器(200)に結合するための第1端(102)と出口穴(104)が設置された第2端とを備えたフレキシブルチューブを有する流体導管(100;150)と、
調整可能なハブを備えた押出器(108;108’;208;306;316)を有し、これにより前記フレキシブルチューブの部分の容積を変化させることができ、前記押出器(108;108’;208;306;316)を第1端位置と第2端位置の間で移動させることにより、前記チューブが少なくとも前記第1端位置または前記第2端位置において部分的に圧縮され、前記出口穴(104)において液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる作動デバイスとを含む、微小計量装置。
【請求項2】
前記フレキシブルチューブは、ポリイミドから成る、請求項1に記載の微小計量装置。
【請求項3】
前記フレキシブルチューブは、不規則な断面変化を有さない少なくとも1つの部分を有し、前記作動デバイス(108;108’;164;208)の位置を前記部分に沿って変えることにより、前記作動デバイスの位置と前記出口穴(104)の間の流体インピーダンスの前記第1端(102)と前記作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率を変化させることができ、前記出口穴(104)における計量容積出力を少なくとも10%変化させることができる、請求項1または2に記載の微小計量装置。
【請求項4】
前記チューブは、前記チューブの容積変化を生じさせるために、前記押出器(108;108’;208;306;316)によって所定の長さにわたって圧縮される、請求項1〜3のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項5】
前記押出器(108)は、前記チューブに関して軸非対称な容積変化を生じさせる形態を有する、請求項4に記載の微小計量装置。
【請求項6】
前記作動デバイスを前記チューブに沿った1つの位置または前記位置にて保持する手段(152、154、162)をさらに有する、請求項1〜5のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項7】
前記押出器(316)によって前記チューブを完全圧縮状態または部分圧縮状態へと付勢する付勢手段(312)を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項8】
前記作動デバイスは、前記押出器(316)を前記付勢手段(312)の付勢に抗して移動させるように配置されているアクチュエータ(314、320、322)を有する、請求項7に記載の微小計量装置。
【請求項9】
液体容器(100)に結合するための第1端(102)と出口穴(104)が設置されている第2端とを備えた流体導管(100;150)であって、前記流体導管の容積変化を生じさせるために、前記流体導管の断面を変化させることができる部分を有する流体導管(100;150)と、
前記流体導管の容積変化を生じさせるために、前記流体導管の前記部分に沿った位置に配置され、前記出口穴(104)から液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させる作動デバイス(108;108’;164;208)とを含み、
前記作動デバイス(108;108’;164;208)の位置と前記出口穴(104)の間の流体インピーダンスの、前記流体導管(100;150)の前記第1端(102)と前記作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率は、前記作動デバイスの位置を変えることにより変化させることができ、前記出口穴(104)において分注される計量容積を少なくとも10%変化させることができる、微小計量装置。
【請求項10】
前記作動デバイスは、前記流体導管(100;150)の前記部分を所定の長さにわたって圧縮させることができ、前記流体導管の前記部分の容積変化を生じさせる押出器(108;108’;164;208)を有する、請求項9に記載の微小計量装置。
【請求項11】
前記押出器(108)は、前記流体導管(100;150)の前記部分に関して軸非対称な容積変化を生じさせる形態を有する、請求項10に記載の微小計量装置。
【請求項12】
前記作動デバイスを前記流体導管の前記部分に沿った位置に保持する手段(152、154、162)をさらに有する、請求項9〜11のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項13】
前記流体導管(100;150)は、静止状態において、前記第1端(102)と前記出口穴(104)の間に不規則な断面変化を有さない、請求項1〜12のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項14】
前記流体導管(100;150)は、静止位置において、前記第1端(102)と前記出口穴(104)の間に実質的に一定の断面を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項15】
前記流体導管に圧力差をもたらす手段をさらに有する、請求項1〜14のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項16】
前記流体導管(100;150)は、計量される液体を前記流体導管を通して毛細管力により移動できる断面領域を有する、請求項1〜15のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項17】
複数のそれぞれの流体導管を有し、幾つかの等しいまたは異なる液体を同時または逐次に分注できる、請求項1〜16のいずれかに記載の微小計量装置。
【請求項18】
前記複数の流体導管の容積変化を同時に生じさせる作動デバイスを有する、請求項17に記載の微小計量装置。
【請求項19】
前記作動デバイスは、一般的な押出器である、請求項18に記載の微小計量装置。
【請求項20】
液体を計量分注する方法であって、
フレキシブルチューブを有する流体導管(100;150)に、計量される液体を充填するステップと、
調整可能なハブを備えた押出器(108;108’;208;306;316)によって前記フレキシブルチューブの部分の容積変化を生じさせ、前記押出器(108;108’;208;306;316)を第1端位置と第2端位置の間で移動させることによって、前記フレキシブルチューブが少なくとも前記第1端位置または前記第2端位置において部分的に圧縮され、前記流体導管(100;150)の出口穴(104)において液体を自由飛散液滴または自由飛散噴流として分注させるステップとを含む、液体を計量分注する方法。
【請求項21】
前記フレキシブルチューブに沿った位置に押出器(108;108’;164;208)を設け、前記チューブを所定の長さにわたって圧縮させることができ、前記チューブの前記部分の容積変化を生じさせるステップをさらに含む、請求項20記載の液体を計量分注する方法。
【請求項22】
前記流体導管(100;150)は、流体容器(200)に結合されている第1端(102)と前記出口穴(104)が設置されている第2端とを有し、
前記押出器の位置を前記チューブに沿って選択し、前記押出器(108;108’;164;208)の位置と前記出口穴(104)の間の流体インピーダンスの、前記第1端(102)と前記作動デバイスの位置の間の流体インピーダンスに対する比率を調整し、容積変化を生じさせることによって前記出口穴(104)において所望の計量容積を分注させるステップをさらに含む、請求項21に記載の液体を計量分注する方法。
【請求項23】
前記フレキシブルチューブに関して軸方向の長さを有する押出器(108;108’;164;208)を選択し、前記押出器を用いて容積変化を生じさせ、前記出口穴(104)において所望の計量容積を分注させるステップをさらに含む、請求項21または22に記載の液体を計量分注する方法。
【請求項24】
前記容積変化を生じさせるステップにおいて、前記フレキシブルチューブに関して軸非対称な容積変化が実施され、前記流体導管(100;150)において前記出口穴(104)に向かって好ましい方向の流体の流れを生じさせる、請求項22〜23のいずれかに記載の液体を計量分注する方法。
【請求項25】
前記流体導管(100;150)に静圧をもたらすステップをさらに含む、請求項20〜24のいずれかに記載の液体を計量分注する方法。
【請求項26】
前記出口端に関する静圧が過大圧力であり、容積変化を生じさせる際、および/または、計量プロセス後に補充を支援する際に、前記流体導管(100;150)において前記出口穴(104)に向かって好ましい方向の流体の流れを生じさせる、請求項25に記載の液体を計量分注する方法。
【請求項27】
前記出口端に関する静圧が過小圧力であり、容積変化を生じないときに、前記出口端からの液体の漏出を防止する、請求項25に記載の液体を計量分注する方法。
【請求項28】
前記容積変化を生じさせるステップの後に前記容積変化を逆転し、前記チューブが初期状態に復帰するステップをさらに含み、このステップの間に前記流体導管(100;150)の毛細管補充が起こる、請求項20〜27のいずれかに記載の液体を計量分注する方法。
【請求項29】
請求項9に記載の微小計量装置を用いた計量プロセスの間に、所望の計量容積を調整する方法であって、
前記流体導管(100;150)の前記部分に沿って前記作動デバイス(108;108’;164)を所定の位置に配置するステップを含み、前記流体導管(100;150)の容積変化を生じさせるステップにおいて、結果として生ずる流体インピーダンスの比率に起因して、前記出口穴(104)において所望の計量容積を分注できる、所望の計量容積を調節する方法。
【請求項30】
請求項10に記載の微小計量装置を用いた計量プロセスにおいて、所望の計量容積を調整する方法であって、
前記流体導管(100;150)の前記部分に関して軸方向長さ(l1、l2)の押出器(108;108’;164;208)を選択するステップを含み、前記流体導管(100;150)の容積変化を生じさせるステップにおいて、前記出口穴(104)において所望の計量容積を分注できるよう構成されている、所望の計量容積を調節する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【公表番号】特表2007−502399(P2007−502399A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522991(P2006−522991)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009063
【国際公開番号】WO2005/016534
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506051544)
【出願人】(506051555)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009063
【国際公開番号】WO2005/016534
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506051544)
【出願人】(506051555)
【Fターム(参考)】
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