説明

微生物マットに由来するエキソポリサッカライドを含む化粧用組成物およびその使用

微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)を含み、EPSの濃度が組成物の約0.001%w/wから約1.5%w/wである、スキンケア組成物を本明細書に開示する。好ましくは、EPSは、仏領ポリネシアにおいて見出される微生物マットから単離された微生物に由来する。組成物は、皮膚の細胞の代謝を変化させ、水和を改善することによって、皮膚の老化徴候および環境的な損傷を低減および防止するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35U.S.C.第119条(e)の下に、2008年4月15日出願の米国仮特許出願第61/044,992号の優先権を主張するものである。上記の文書は全て、その全文が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、一般に、化粧用組成物およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚は環境に対する物理的バリアである。皮膚の状態を引き起こすのはバリアの性質の変化、およびこのバリアに対する実際の損傷である。
【0004】
表皮および真皮は基底膜によって分けられており、皮下組織上を覆う皮膚を構成している。表皮は皮膚の最も表面の層であり、皮膚の抵抗性および不透過性を提供する。この層が変質すると、皮膚の知覚品質が影響を受け、最終的に皮膚の老化がもたらされる。皮膚の内層である真皮は、細胞外マトリックス(ECM)と呼ばれる複雑な媒介物中に分散された細胞(本質的に繊維芽細胞)からなる結合組織である。このマトリックスは、コラーゲンおよびエラスチン繊維、糖タンパク質(フィブロネクチンおよびラミニン)、ならびにプロテオグリカンからなる。細胞外マトリックスは細胞に対する構造として働き、多細胞性の生物体において組織および器官を密着させる。
【0005】
皮膚の老化は、皮膚の進行性の変化の原因である複雑な現象である。皮膚の老化は、(1)経時的な老化に相当する内因性の過程、および(2)環境ストレスへの曝露の有害作用に主に起因する外因性の過程の2つの過程に起因する。遺伝的、UV曝露、気候因子(厳しさ/風/寒冷/温暖)、汚染(化学的、フリーラジカル、汚染物質、窒素酸化物、金属)、アルコール摂取、または喫煙は、皮膚の老化に関与する因子である。
【0006】
表皮には様々なタイプの細胞が共存しているが、ケラチノサイトがこの層の大半を構成しており、粘膜皮膚のバリアによってもたらされる抵抗性において役割を果たしている。これらは、分化および成熟の極めて正確なプログラムに関与しており、このプログラムは表皮と真皮とのコンパートメント間の多くの相互作用に曝されている。これらの細胞の中心的な活性は、表皮における全タンパク質の90%近くを代表するケラチンの合成である。真皮に隣接する細胞の最下層は、再生する基底細胞である。細胞が成熟すると、これらは皮膚の外側層に向かって移動し、細胞の最終的な分化をもたらす。成熟の過程の間、細胞の生理、化学組成、形状、および方向性は変化する。細胞が皮膚の上層である角質層に到達すると、細胞は角質細胞と呼ばれ、もはや生存性ではない。角質細胞には核および細胞構造がない。角質細胞は、タンパク質のエンベロープおよび脂質によって取り囲まれている保水性のケラチンタンパク質で満たされている、平坦な六角形の細胞である。細胞の形状およびケラチンタンパク質の方向性により、角質層に強度が加わる。10〜30層の角質細胞の重積が存在する。細胞は、デスモソームと呼ばれるタンパク質の架橋によって、相互に連結を維持している。重積した脂質二重層が、細胞外スペースにおいて細胞を取り囲んでいる。得られた構造は、皮膚の天然の物理的および保水性のバリアである。
【0007】
成熟の過程の間、角質層に向かって移動する生存細胞は、タンパク質を顆粒中に凝集させ始める。これらの顆粒は皮膚の顆粒細胞層中に存在し、フィラグリンと呼ばれるタンパク質で満たされている。フィラグリンは、顆粒細胞中でケラチンタンパク質と複合されるようになる。この複合体が、フィラグリンをタンパク質分解性の分解から保護する。変性する細胞が皮膚の外側層に向かって移動するにしたがって、酵素はケラチン-フィラグリン複合体を分解する。フィラグリンは角質細胞の外側上にあり、保水性のケラチンは角質層の角質細胞内に留まる。皮膚の水分含量が低下すると、角質層における特異的なタンパク質分解酵素が誘発されて、フィラグリンを遊離アミノ酸にさらに分解する。遊離アミノ酸は、乳酸、尿素、および塩などの他の生理学的化学物質と一緒に角質層中に存在する。これらの化学物質は合わせて「天然保湿因子」と呼ばれ、皮膚をしっとりと保ち、水の性質を引き付け、保持することによって皮膚を柔軟に保つ原因である。角質層の水分含量は、通常約30%である。フィラグリンのアミノ酸へのタンパク質分解性の分解は、皮膚の浸透圧および皮膚が保持する水の量を制御するには皮膚が乾燥している場合にのみ起こる。トランスグルタミナーゼは、角質層の形成に関与する酵素であり、ケラチノサイトの角質層への分化の特異的なマーカーである。
【0008】
剥離は、皮膚を滑らかに保つ上で重要なもう一つの因子である。剥離は、角質細胞間のタンパク質の連結であるデスモソームを溶解し、これらの細胞を最終的に脱落する酵素プロセスである。フィラグリンタンパク質のタンパク質分解性の分解からアミノ酸を生成するのとは反対に、タンパク質分解酵素は、十分に水和された角質層の存在下で剥離機能を担っている。これらの酵素は細胞間に存在する。水の非存在下では、細胞は通常剥離せず、その結果肥厚し、乾燥した、粗い、うろこ状の皮膚となる。
【0009】
天然の皮膚のバリアが皮膚をしっとりと柔軟に保つために働く方法を説明する上で必要である最後の因子は、細胞間脂質の機能である。これらの脂質は角質層における角質細胞を取り囲む重積した二重層(多重膜)を形成し、この構造中に水を組み入れる。この脂質は、皮膚の顆粒層における細胞の分解に由来する(タンパク質顆粒の起源に類似する)。層板顆粒と呼ばれる特殊な脂質構造が、分解する細胞の細胞間間隙中に放出される。前者の細胞膜からの脂質の放出も存在する。これらの放出された脂質には、コレステロール、遊離脂肪酸、およびスフィンゴ脂質が含まれる。層板顆粒に由来するスフィンゴ脂質の1タイプであるセラミドは、重積する脂質構造を産生するのを担う主要な脂質成分の1つである。これらの脂質は、その親水性(水を引き付ける)領域中に水分子を捕捉する。角質細胞を取り囲む新しく形成された重積した脂質は、角質層の外へ水が通過するための、および天然保湿因子が皮膚の表面層の外に浸出するのを防ぐための不透過性のバリアを提供する。脂質層が水分を保持し、角質細胞を取り囲んで透過バリアを提供する。タンパク質および天然保湿因子を含んでいる細胞間脂質ならびに角質細胞は、一緒に働いて、水分の喪失および水分保持に対する効率的なバリアを提供して、皮膚の柔軟性を維持する。保護的な力が、乾燥および環境の攻撃から皮膚を遮蔽する。40歳を過ぎると細胞間脂質の急激な低下が存在し、乾燥した皮膚状態にいっそうなりやすくなる。
【0010】
刺激物に曝露されると角質層のバリア機能は損なわれ、皮膚を環境ストレス(例えば、紫外線照射、感染性物質など)に対して保護する角質層の能力が低下する。環境上の刺激物に繰返し長時間曝露すると、皮膚タンパク質の変性、脂質ラメラ層の組織崩壊、保護的な細胞間脂質の除去、天然保湿因子の喪失、および細胞間の接着の低下がもたらされる。これらの損傷は、角質細胞の剥離を担う酵素の機能の喪失の原因でもある。汚染、寒冷、日射、風、低湿度、または化学物質への曝露でこれらの問題は強調される。刺激物とは、十分な時間で十分な濃度に曝露した場合、細胞の損傷を生成することができる任意の物質である。損傷の重症度は、これらの刺激性の因子のタイプおよびこれらの因子の強度に依存する。外因性の因子によって皮膚の損傷を受けやすくする内因性の因子も存在する。これらの因子には、乾癬、湿疹などの活性な皮膚疾患の所有、遺伝性の乾燥皮膚状態、皮膚疾患の以前の病歴、敏感肌、および/または老齢が含まれる。
【0011】
UV曝露は表皮および真皮を損傷する原因である。太陽のUVB(290〜315nm)は本質的に表皮に影響を及ぼし、UVA(315〜400nm)は主に真皮に到達する。UV曝露による組織学的変化の詳しい研究により、皮膚の肥厚、弾力性の喪失、および免疫機能の低下が明らかになっている。慢性的なUV照射は、しわを出現させる真皮の生体力学的性質の改変をもたらす。光化学作用の発光は、様々なレベルで表皮および真皮に影響を及ぼす。エラストースプロセスの誘発は真皮の上のゾーンにおける異常組織の実行に相当し、これはUVBの慢性作用に非常に特徴的である。この新しい組織は、それ自体異常な弾性繊維の肥厚化を特徴とし、エラスチン周囲のミクロフィブリルの平行の組織化を喪失した損傷した繊維の出現を特徴とする(KLINGMAN LH、J.Invest.Dermatol、1985年、84巻、272〜6頁)。
【0012】
この過程は、フィブロネクチンで組み立てられた繊維の増加、およびエラスチンとは異なる原繊維化合物の増加と組み合わされる。このような組織の硬化は、真皮の物理化学的性質の喪失の原因である。UVBによって変更されたコラーゲン繊維は、観察可能な高密度の束として現れる。その光度エネルギーがDNAによって直接吸収されるUVB発光は、ピリミジン塩基の変化を主にもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/044,992号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】KLINGMAN LH、J.Invest.Dermatol、1985年、84巻、272〜6頁
【非特許文献2】Gautret P、Trichet J、Automicrites in modern cyanobacterial stromatolitic deposits of Rangiroa, Tuamotu Archipelago, French Polynesia:Biochemical parameters underlaying their formation、2005年、Sedimentary Geology 178巻、55〜73頁
【非特許文献3】Mao Che L、Andrefouet S、Bothorel V、Guezennec M、Rougeaux H、Guezennec J、Deslandes E、Trichet J、Matheron R、Le Campion T、Payri C、およびCaumette P、Physical, chemical, and microbiological characteristics of microbial mats (KOPARA) in the South Pacific atolls of French Polynesia、2001年、Can. J. Microbial. 47巻、994〜101頁
【非特許文献4】Richert L、Golubic S、Le Guedes R、Ratiskol J、Payri C、Guezennec J、2005年、Characterization of Exopolysaccharides Produced by Cyanobacteria Isolated from Polynesian Microbial Mats Current Microbiology 51巻、379〜384頁
【非特許文献5】Richert L、Golubic S、Le Guedes R、Herve A、Payri C、Cyanobacterial populations that build 'kopara' microbial mats in Rangiroa, Tuamotu Archipelago, French Polynesia European、2006年、Journal of Phycology 41巻(3)、259〜279頁
【非特許文献6】Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、(Easton、Pa.: Mack Publishing Co.、1995年)、1399〜1404頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、皮膚の老化徴候、ならびに他の皮膚の状態および皮膚の障害を防止および/または処置するための新しい取り組みを開発することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
より詳しくは、本発明に従って、微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)を含み、EPSの濃度が組成物の約0.001%から約1.5%w/wである、スキンケア組成物が提供される。
【0017】
特定の一実施形態において、微生物マットは海洋微生物マットである。別の特定の実施形態において、少なくとも1つのEPSが、微生物マットから単離された微生物の発酵によって産生される。別の特定の実施形態において、少なくとも1つのEPSは少なくとも2つのEPSを含み、各EPSは微生物マットから単離された異なる微生物から生じる。別の特定の実施形態において、少なくとも1つのEPSは少なくとも2つのEPSを含み、各EPSは異なる微生物マットから生じる。別の特定の実施形態において、微生物マットは仏領ポリネシアから生じる。別の特定の実施形態において、少なくとも1つのEPSは化学的または物理的に修飾されている。別の特定の実施形態において、少なくとも1つのEPSは解重合している。別の特定の実施形態において、少なくとも1つのEPSは天然のEPSである。別の特定の実施形態において、少なくとも1つのEPSは、硫酸化され、酢酸化され、乳酸化され、コハク酸化され、またはピルビン酸化されている。
【0018】
別の特定の実施形態において、本発明の組成物はアンチエイジングのスキンケアにおいて用いるためのものである。別の特定の実施形態において、本発明の組成物は日焼け後のスキンケアにおいて用いるためのものである。別の特定の実施形態において、本発明の組成物は日焼け止めのスキンケアにおいて用いるためのものである。別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つの皮膚の老化徴候を防止または低減するために用いるためのものである。
【0019】
特定の一実施形態において、組成物は水和を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、組成物は角質層の形態を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、組成物は皮膚の微起伏を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、組成物は剥離を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、組成物はケラチノサイトの分化を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、組成物は皮膚表面上の細菌の付着を低減するためのものである。別の特定の実施形態において、細菌の菌株は表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)または黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)である。別の特定の実施形態において、組成物は老化のヒト繊維芽細胞によるヒアルロン酸産生を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、組成物は表皮の全脂質合成を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、組成物は、皮膚の剥離に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、遺伝子は、カリクレイン5、ニューロシン、または角質層キモトリプシン酵素である。別の特定の実施形態において、組成物は、ケラチノサイトの分化に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、遺伝子は、フィラグリン、ロリクリン、またはインボルクリンである。別の特定の実施形態において、組成物はトランスグルタミナーゼの発現を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、組成物は照射された皮膚細胞の細胞内脂質ペルオキシダーゼを低減するためのものである。
【0020】
本発明の別の態様に従って、スキンケア組成物を製造するための、微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)の使用が提供される。本発明の使用の特定の一実施形態において、スキンケア組成物は、アンチエイジングのスキンケア組成物、日焼け後のスキンケア組成物、または日焼け止めスキンケア組成物である。
【0021】
本発明の別の態様に従って、少なくとも1つの皮膚の老化徴候を防止または低減するための、微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)の使用が提供される。
【0022】
特定の一実施形態において、使用は水和を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、使用は角質層の形態を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、使用は皮膚の微起伏を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、使用は剥離を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、使用はケラチノサイトの分化を改善するためのものである。別の特定の実施形態において、使用は皮膚表面上の細菌の付着を低減するためのものである。別の特定の実施形態において、細菌の菌株は表皮ブドウ球菌または黄色ブドウ球菌である。別の特定の実施形態において、使用は老化のヒト繊維芽細胞によるヒアルロン酸産生を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、使用は表皮の全脂質合成を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、使用は皮膚の剥離に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、遺伝子は、カリクレイン5、ニューロシン、または角質層キモトリプシン酵素である。別の特定の実施形態において、使用はケラチノサイトの分化に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、遺伝子は、フィラグリン、ロリクリン、またはインボルクリンである。別の特定の実施形態において、使用はトランスグルタミナーゼの発現を刺激するためのものである。別の特定の実施形態において、使用は照射された皮膚細胞の細胞内脂質ペルオキシダーゼを低減するためのものである。
【0023】
本発明の別の態様に従って、対象の皮膚上の微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)の有効量を含む組成物を投与する段階を含み、それによって皮膚の老化徴候が防止または低減される、対象における皮膚の老化徴候を防止または低減する方法が提供される。
【0024】
本発明の他の目的、利点、および特徴は、添付の図面を参照して例としてのみ与えられる、その特定の実施形態の以下の非限定的な説明を読めばより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】EPS処置なし(左下パネル)およびEPS処置あり(右パネル)の、汚染物質と接触させて5日後の移植片の写真を示す図である。
【図2】処置なしで3時間後の非脱脂の移植片におけるフィラグリン標識を示す図である。
【図3】処置なしで3時間後の脱脂した移植片におけるフィラグリン標識を示す図である。
【図4】EPS処置(Pol-6)し3時間後の脱脂した移植片におけるフィラグリン標識を示す図である。
【図5】EPS処置(Pol-6およびPol-3)し3時間後の脱脂した移植片におけるフィラグリン標識を示す図である。
【図6】EPS処置(Pol-6およびPol-8)し3時間後の脱脂した移植片におけるフィラグリン標識を示す図である。
【図7】処置なしで3時間後の非脱脂の移植片におけるトランスグルタミナーゼ標識を示す図である。
【図8】処置なしで3時間後の脱脂した移植片におけるトランスグルタミナーゼ標識を示す図である。
【図9】EPS処置(Pol-6)し3時間後の脱脂した移植片におけるトランスグルタミナーゼ標識を示す図である。
【図10】非常に水和した皮膚(上パネル)から非常に乾燥した皮膚(下パネル)の形態の写真を示す図である。
【図11】EPSで処置した表面皮膚層の水和状態の前および後の写真を示す図である。
【図12】プラセボで処置した表面皮膚層の水和状態の前および後の写真を示す図である。
【図13】図11および12の、それぞれEPS処置とプラセボ処置との間の水和における違いを図示した図である。
【図14】EPSで処置した皮膚の微起伏状態の前および後の写真を示す図である。
【図15】プラセボで処置した皮膚の微起伏状態の前および後の写真を示す図である。
【図16】図14および15の、それぞれEPS処置とプラセボ処置との間の水和における違いを図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
微生物マットは、砂浜、沼地、三角州および河口、塩田および潟などの海岸地域に見られる非常に様々な地域に発生する。これらの独特な生態系は、様々な微生物の発生によって生成される、垂直方向に積層した粘性の層から概ね構成されている。これらは、温度、塩分、酸性度、およびUV光線の極端な変動に曝されている。ほとんどの細菌の細胞は、本質的に多糖から構成されている、粘液質の外側層によって取り囲まれている。これらの層は細胞表面にある程度付着している。多糖は培地中にも存在することがある。これらのタイプの多糖は、エキソポリサッカライド(EPS)と呼ばれている。(Gautret P、Trichet J、Automicrites in modern cyanobacterial stromatolitic deposits of Rangiroa, Tuamotu Archipelago, French Polynesia: Biochemical parameters underlaying their formation、2005年、Sedimentary Geology 178巻、55〜73頁;Mao Che L、Andrefouet S、Bothorel V、Guezennec M、Rougeaux H、Guezennec J、Deslandes E、Trichet J、Matheron R、Le Campion T、Payri C、およびCaumette P、Physical, chemical, and microbiological characteristics of microbial mats (KOPARA) in the South Pacific atolls of French Polynesia、2001年、Can. J. Microbial. 47巻、994〜101頁;Richert L、Golubic S、Le Guedes R、Ratiskol J、Payri C、Guezennec J、2005年、Characterization of Exopolysaccharides Produced by Cyanobacteria Isolated from Polynesian Microbial Mats Current Microbiology 51巻、
379〜384頁;Richert L、Golubic S、Le Guedes R、Herve A、Payri C、Cyanobacterial populations that build 'kopara' microbial mats in Rangiroa, Tuamotu Archipelago, French Polynesia European、2006年、Journal of Phycology 41巻(3)、259〜279頁)。
【0027】
仏領ポリネシアでは、微生物マットはソシエテ諸島のいくつかのハイアイランド(high islands)の環状サンゴ島および小島(モツ)のサンゴ礁上に成長している。これらの厚さは、場所および環境条件によるものであり、数ミリメートルから数十センチメートルの範囲であり得る。ツアモツ諸島では、これらの赤みを帯びたゼラチン状の微生物マットは「コパラ(Kopara)」と名付けられている。数年前、この天然資源は食糧不足の折に消費されたが、中央および北西太平洋のいくつかの諸島では、未だに食用に用いられているようである。これは、治療用プラスターとしても用いられていた。そのいくつかの性質、とりわけ栄養上および医薬上の性質のために、コパラは、医薬および医療補助の分野(抗微生物および治癒の性質)、食品工業(染料として用いられるカロチノイド)、ならびに土壌学(安定剤)などの様々な分野において注目され得る。
【0028】
コパラが見出される池のタイプは何であっても、コパラの構造は極めて均質であり、垂直方向に積層した微生物マットからなる。ほとんどの微生物マット同様、その機能上の群によって特徴付けられるいくつかの微生物が優勢である:シアノバクテリア(ポルミディウム属(Phormidium)、ならびにスキュトネマ属(Scytonema)、スキゾトリクス属(Schizothrix)、およびクロロコッカレス属(Chlorococcales)のもの)、硫黄光合成細菌、例えば、クロマティウム属(Chromatium)およびティオカプサ属(Thiocapsa)、紅色非硫黄細菌(ロドスピリルム属(Rhodospirillum)およびロドプセウドモナス属(Rhodopseudomonas)/ロドビウム属(Rhodobium)/ブラストクロリス属(Blastochloris)を含むPNSB)、ならびに硫酸還元菌(主にデスルフォウィブリオ属(Desulfovibrio))。
【0029】
これらの種は部分的に文献に記載されており、これらの種の大部分は病原性ではなく、知られている属に属しているが、ある種はそれでも新規なものである。極端な条件下に生存し、繁殖するこれらの細菌のいくつかは、実験室の培養条件下で増殖し、様々な分子を合成し、培地中に分泌することができることが見出されている。
【0030】
より正確には、本発明は、微生物マットから生じる細菌から分泌されるEPSの、化粧上および皮膚科の分野における有利な性質に関する。
【0031】
これらのEPSは高分子量のポリマーである(典型的には約100,000ダルトンから約5,000,000ダルトンを超える)。これらは様々な中性または酸性の糖の鎖からなる。これらのEPSのいくつかは分枝状であることが知られているが、他の構造は依然として知られていない。
【0032】
以下の実施例において、微生物マットから単離された9個のEPS(Pol-1、Pol-2〜Pol-9)が、水和を維持しながら剥離を刺激し、皮膚のバリア機能を改善する能力が示される。これらのEPSは、相互に化学的に異なり、仏領ポリネシアから生じた微生物マットからの9個の異なる細菌種の発酵に由来する。これら各EPSの特徴を以下のTable I(表1)に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
以下のTable II(表2)およびTable III(表3)は、中性の糖ではグルコース=10.0をベースに、酸性の糖ではグルクロン酸=10.0をベースにEPS Pol-3およびPol-6における様々な糖のモル比を提供するものである。
【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
Pol-5に関して、HPLCおよびDionexで測定して糖部分上に置換基は検出されなかった。単糖の比率をガス相クロマトグラフィーによって測定した。D-グルコース:17.2%(モル比:3.2);D-ガラクトース:15.3%(モル比:2.9);D-マンノース:2.6%(モル比:0.5)、D-グルクロン酸:13.0%(モル比:2.0);D-ガラクツロン酸:6.4%(モル比:1.0)。
【0038】
本発明は、所望の結果を提供するための有効量の少なくとも1つのEPSを投与する方法を包含する。本発明の特定の実施形態において、本発明のエキソポリサッカライドは、スキンケア組成物中、約0.01g/Lから約15g/Lの間の濃度で用いられる。これらは、組成物の0.001%から約1.5%w/wの濃度で含まれてもよい。
【0039】
本発明のエキソポリサッカライドは局所的に適用できる化粧用組成物(例えば、局所用製剤)中に調合されてもよい。このような局所的に適用できる組成物の非限定的な例には、スキンケアクリーム、クレンジングクリーム、軟膏、スキンケアローション、スキンケアゲル、スキンケアフォーム、サンケア組成物、サンスクリーンのスキンケア、メーキャップ除去クリーム、メーキャップ除去ローション、ファンデーションクリーム、液体ファンデーション、入浴およびシャワー用調製物、デオドラント組成物、制汗性組成物、ひげそり用製品組成物、ひげそり後用ゲルまたはローション、美容補助組成物、脱毛クリーム、石鹸組成物、ハンドクリーナー組成物、クレンジングバー、ベビーケア、ヘアケア、シャンプー、セットローション、トリートメントローション、ヘアクリーム、ヘアゲル、染色組成物、再構成組成物、パーマネント組成物、抗脱毛組成物、または局所用の化粧用レジメンにおいて用いるために適用される任意の他の組成物が含まれる。
【0040】
クリーム剤は、製薬用製剤および化粧用製剤の分野においてよく知られているように、水中油型または油中水型のいずれかの、粘性の液体または半固形エマルジョンである。クリーム基剤は水洗性であり、油相、乳化剤、および水相を含む。油相は「内部」相とも呼ばれ、ワセリン、およびセチルアルコールまたはステアリルアルコールなどの脂肪アルコールから一般的に成る。水相は、必ずではないが通常、体積の上で油相を上回り、一般的に湿潤剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は、一般的に、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、または両性界面活性剤である。
【0041】
ローション剤は、皮膚表面に摩擦なしに適用される調製物であり、その中に有効成分を含む固体粒子が水またはアルコール基剤中に存在する、通常液体または半流動体の調製物である。ローション剤は通常固体の懸濁液であり、好ましくは、本目的では、水中油型タイプの液体の油状エマルジョンを含む。ローション剤は、より流動性の組成物を適用するのが容易であるので、広い体面積を治療するのに好ましい製剤である。ローション剤中の不溶性の材料を微粉化するのが一般的に必要である。ローション剤は、通常、良好な分散を作り出す懸濁化剤、ならびに皮膚との接触において有効物質を局在させ維持するのに有用な組成物、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを含む。
【0042】
液剤は、溶解される物質の分子が溶媒の分子間に分散されるように、1つまたは複数の化学物質(溶質)を液体中に溶解することによって調製される均一な混合物である。液剤は、溶質を緩衝し、安定化し、または保存するための、他の化粧上許容される化学物質を含むことができる。液剤を調製するのに用いられる溶媒の一般的な例は、エタノール、水、プロピレングリコール、または任意の他の化粧上許容されるビヒクルである。
【0043】
ゲル剤は、半固形の、懸濁液タイプの系である。単一相のゲルは、通常水性であるが、好ましくはアルコール、および場合により油も含む担体の液体中にわたって本質的に均一に分配されている有機巨大分子を含む。「有機巨大分子」、すなわちゲル化剤は、ポリマーの「カルボマー」ファミリー(例えば、Carbopol(商標)として市販されていることがあるカルボキシポリアルキレン)などの架橋されているアクリル酸ポリマーである。他の例には、親水性ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、およびポリビニルアルコール;セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびメチルセルロース;ゴム、例えば、トラガカントゴムおよびザンタンゴム;アルギン酸ナトリウム、ならびにゼラチンである。均一のゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンなどの分散剤を加えてもよく、あるいは研和、機械的混和もしくは撹拌、またはこれらの組合せによってゲル化剤を分散させてもよい。
【0044】
軟膏剤は、通常ワセリンまたは他のワセリン誘導体をベースにする半固形の調製物である。当業者であれば理解されるように、用いられる特定の軟膏基剤は、数々の望ましい性質、例えば軟化性などを提供するものである。他の担体またはビヒクル同様、軟膏基剤は不活性で、安定で、刺激がなく、感作性でないものでなければならない。Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、(Easton、Pa.: Mack Publishing Co.、1995年)、1399〜1404頁において説明されるように、軟膏基剤は、油脂性基剤、乳化性基剤、エマルジョン基剤、および水溶性基剤の4クラスにグループ分けすることができる。油脂性軟膏基剤には、例えば、植物油、動物から得られた脂肪、および石油から得られた半固形炭化水素が含まれる。乳化性基剤は、吸収性軟膏基剤としても知られており、水をほとんどまたはまったく含まないもので、例えば、硫酸ヒドロキシステアリン、無水ラノリン、および親水性ワセリンが含まれる。エマルジョン軟膏基剤は、油中水型(W/O)エマルジョンまたは水中油型(O/W)エマルジョンのいずれかであり、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン、およびステアリン酸が含まれる。好ましい水溶性軟膏基剤は、様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される。再度、さらなる情報のために、Remington: The Science and Practice of Pharmacyを参照されたい。
【0045】
パスタ剤は、適切な基剤中に有効薬剤が懸濁している半固形の剤形である。基剤の性質に応じて、パスタ剤は、脂肪性パスタ剤または単一相の水性ゲルから作成されるものの間で分けられる。脂肪性パスタ剤における基剤は、一般的にワセリン、または親水性ワセリンなどである。単一相の水性ゲルから作成されるパスタ剤は、一般的に、基剤としてカルボキシメチルセルロースなどが組み入れられる。
【0046】
製剤は、また、リポソーム、ミセル、および微粒子で調製されてもよい。リポソームは、脂質二重層を含む脂肪壁を有する顕微鏡的小胞であり、本文脈において、アンチエイジング製剤の1つまたは複数の成分を封入する。本明細書のリポソーム調製物は、陽イオン性(正に荷電している)、陰イオン性(負に荷電している)、および中性の調製物を含む。陽イオン性のリポソームは容易に入手できる。例えば、N-[(1-2,3-ジオレイロキシ)プロピル]-N,N,N-トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームが、Lipofectin(商標)(GIBCO BRL、Grand Island、N.Y.)の商標で入手できる。同様に、陰イオン性および中性のリポソームも、例えば、Avanti Polar Lipids(Birmingham、Ala.)から容易に入手でき、または容易に入手できる材料を用いて容易に調製することができる。このような材料には、数ある中でも、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)が含まれる。これらの材料は、好適な比率でDOTMAと混合することもできる。これらの材料を用いてリポソームを作成するための方法は、当技術分野ではよく知られている。
【0047】
ミセルは、当技術分野において、その極性の頭部基が外側の球状のシェルを形成し、疎水性の炭化水素鎖が球状の中央に向かって配向し、コアを形成するように配置されている表面分子からなることが知られている。ミセルは、ミセルが天然に生じるように十分に高い濃度で界面活性剤を含む水溶液中に形成する。ミセルを形成するのに有用である界面活性剤には、それだけには限定されないが、ラウリン酸カリウム、オクタンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセートナトリウム、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムクロリド、ポリオキシル(polyoxyl)-8ドデシルエーテル、ポリオキシル-12ドデシルエーテル、ノノキシノール10、およびノノキシノール30が含まれる。
【0048】
同様に、本発明の製剤中に微粒子が組み入れられてもよい。リポソームおよびミセル同様、微粒子は、本発明の製剤の1つまたは複数の成分を本質的に封入する。これらは必ずではないが一般的に、脂質、好ましくはリン脂質などの荷電した脂質から形成される。脂質微粒子の調製は当技術分野ではよく知られており、関係するテキストおよび文献に記載されている。
【0049】
一実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つのさらなる有効成分/薬剤をさらに含む。さらなる一実施形態において、上記に記載した少なくとも1つのさらなる有効成分は、細胞の分化、細胞の代謝活性、細胞構造、細胞の増殖、細胞外プロセス、および色素沈着の少なくとも1つを変調する。
【0050】
本発明の組成物は、細胞の分化または増殖を変調する薬剤、麻酔剤、にきび抑制剤、アンチエイジング剤、抗細菌剤、アンチセルライト剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗酸化剤、駆虫剤、抗汚染剤、鎮痒剤、抗酒さ剤、抗脂漏剤、抗ストレス剤、抗末梢血管拡張剤、抗ウイルス剤、抗しわ剤、ベビーケア剤、入浴およびボディ剤、鎮静剤、クレンジング剤、コラーゲン合成剤、エラスターゼ阻害剤、皮膚摩擦剤、フェイシャルピーリング剤、ファーミング剤、フットケア剤、フリーラジカル捕捉剤、免疫機能変調剤、角質溶解剤、リフト剤、メーキャップ除去剤、メラニン形成刺激剤、ヘアケア剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、保湿剤、油吸収剤、浸透圧調節剤、抗光老化剤、保護剤、若返り剤、再生剤、再構成剤、敏感肌剤、ひげそり製品剤、皮膚防御増強剤、皮膚清浄剤、皮膚修復剤、スリミング剤、平滑化剤、軟化剤、無痛化剤、サンケア剤、サンレスタンニング剤、緊張化剤、およびホワイトニング剤、または前記化粧用組成物の局所適用を含む化粧用レジメンにおいて用いるために適応され、本発明のEPSの効果を補い、または補足する任意の他の薬剤の少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0051】
それだけには限定されないが、細胞の分化または増殖を変調する薬剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチナールデヒド、レチニールパルミテート、トランスレチノイン酸、13-シスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β-カロチン、レチニルエステル)、ビタミンDおよびその誘導体(コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、25-ヒドロキシコレカルシフェロール)、成長因子、エストラジオール誘導体が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0052】
それだけには限定されないが、麻酔剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、塩酸リドカインおよびその誘導体が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0053】
それだけには限定されないが、にきび抑制剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、過酸化ベンゾイル、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチナールデヒド、レチニールパルミテート、トランスレチノイン酸、13-シスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β-カロチン、レチニルエステル)、サリチル酸、イオウ、硫化カルシウム、アルコール、ならびにアセトンが含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0054】
それだけには限定されないが、アンチエイジング/抗しわ剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ヒアルロン酸、ナトリウム-2-ピロリドンカルボキシレート、グリコサミノグリカン、キネチン、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチナールデヒド、レチニールパルミテート、トランスレチノイン酸、13-シスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β-カロチン、レチニルエステル)、表皮成長因子、セラミド、エチルビスイミノメチルグアヤコール塩化マンガン、糖化阻害剤、クリュサンテルムインディクム(chrysanthellum indicum)抽出物、およびアパニゾメノンフロスアクワエ(aphanizomenon flos aquae)抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0055】
それだけには限定されないが、抗細菌剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ユーカリプタス抽出物、リン酸クリンダマイシン、カルバクロール、エリスロマイシン、およびテトラサイクリンの群に属する抗生物質が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0056】
それだけには限定されないが、抗真菌剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、エコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、アムホテリシンB、テルビナフィン、およびオクトピロックスが含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0057】
それだけには限定されないが、抗炎症剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、アラントイン、ビタミンEおよびその誘導体(α-トコフェロール、δ-トコフェロール、γ-トコフェロール)、カモミール油、イチョウ葉油、ならびにチャ(camellia sinensis)抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0058】
それだけには限定されないが、抗刺激剤/無痛化剤/平滑化剤/鎮静剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、アラントイン、チャ抽出物、ラベンダー油、アロエベラ、リンデン抽出物、ヤナギラン(epilobium angustifolium)抽出物、クリュサンテルムインディクム抽出物、コラノキ(cola nitida)抽出物、およびアルテロモナス(altermonas)発酵物抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0059】
それだけには限定されないが、抗酸化剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、フルフリルアデニン、パンテノール、リポ酸、ユビキノン、ナイアシンアミド、メラトニン、カタラーゼ、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ、ポリフェノール、システイン、アラントイン、キネチン、ビタミンCおよびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)、ビタミンEおよびその誘導体(α-トコフェロール、δ-トコフェロール、γ-トコフェロール)、グレープシード抽出物、およびチャ抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0060】
それだけには限定されないが、鎮痒剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、テナルジン、トリメプラジン、およびシプロヘプタジンが含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0061】
それだけには限定されないが、抗酒さ剤/抗末梢血管拡張剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、メトロニダゾール、血管収縮剤、過酸化ベンゾイル、アゼライン酸、イオウ、ダイズタンパク質、およびグリコサミノグリカンが含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0062】
それだけには限定されないが、抗脂漏剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、プロゲステロン誘導体、イソルトロール、およびヒノキチオールが含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0063】
それだけには限定されないが、敏感肌剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ローズ油およびジャスミン油が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0064】
それだけには限定されないが、クレンジング剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、コカミドMEA、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、およびイラクサ葉抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0065】
それだけには限定されないが、コラーゲン合成剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチナールデヒド、レチニールパルミテート、トランスレチノイン酸、13-シスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β-カロチン、レチニルエステル)、ビタミンCおよびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)、成長因子およびその誘導体が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0066】
それだけには限定されないが、皮膚摩擦剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、α/βヒドロキシ酸、サリチル酸、グリコール酸、乳酸、シトラス酸、およびウォールナッツシェル粉末が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0067】
それだけには限定されないが、フェイシャルピーリング剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、グリコール酸、乳酸、トリクロロ酢酸、およびフェノールが含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0068】
それだけには限定されないが、ファーミング剤/緊張化剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ジメチルアミノエタノール、神経-化粧用有効薬剤(Botox(商標)様の)、キトサン、アルニカ抽出物、ウイキョウ-スウィート油、およびパパイヤ抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0069】
それだけには限定されないが、フリーラジカル捕捉剤/抗汚染剤/抗ストレス剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、グレープシード抽出物、α-トコフェロールおよびそのエステル、スーパーオキシドジスムターゼ、金属のいくつかのキレート化剤、ビタミンCおよびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0070】
それだけには限定されないが、ヘアケア剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ポリ-D-グルコサミン、ポリ-N-アセチル-D-グルコサミン、ステアラルコニウムクロリド、およびラウリル硫酸トリエタノールアミンが含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0071】
それだけには限定されないが、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、チャ抽出物、ポリフェノール、スパトロビカウリス(spatholobi caulis)抽出物、ニシキギ(euonymus alatus)抽出物、リゾマノトプテリュギイ(rhizoma notopterygii)抽出物、ケルセチン、グリコサミノグリカン、ポリメトキシフラボノイド、N-アセチル-システイン、2-フリルジオキシム、イソフラボン、ビタミンCおよびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチナールデヒド、レチニールパルミテート、トランスレチノイン酸、13-シスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β-カロチン、レチニルエステル)、ならびにヒドロキサメート誘導体が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0072】
それだけには限定されないが、保湿剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、キュウリ抽出物、ナトリウム-2-ピロリドンカルボキシレート、PCAナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、キチンおよびその誘導体、αヒドロキシ酸、ヒアルロン酸、ならびに加水分解されたコムギタンパク質が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0073】
それだけには限定されないが、浸透圧調節剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、マンニトール、ズルシトール、およびベタインが含まれる。
【0074】
それだけには限定されないが、保護剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ポリ-N-アセチル-D-グルコサミン、ポリ-D-グルコサミン、アルキルアミド、キトサン、クリュサンテルムインディクム抽出物、チャ抽出物、およびアルテロモナス発酵抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0075】
それだけには限定されないが、若返り剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ローズマリー抽出物、シタン抽出物、ゼラニウム抽出物、ならびにビタミンEおよびその誘導体(α-トコフェロール、δ-トコフェロール、γ-トコフェロール)が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0076】
それだけには限定されないが、皮膚修復剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチナールデヒド、レチニールパルミテート、トランスレチノイン酸、13-シスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β-カロチン、レチニルエステル)、アラントイン、ユーカリプタス抽出物、ラベンダー油、ローズ油、ならびにコラーゲン合成の活性化物質および皮膚の細胞外マトリックスの成分の活性化物質が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0077】
それだけには限定されないが、スリミング剤/アンチセルライト剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、クリュサンテルムインディクム抽出物、ジヒドロミリセチン、テオブロミン、テオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、イソプロピルアルテレノール塩酸塩、エピネフリン、α-MSHアゴニスト、アデニル酸シクラーゼ活性化物質、およびホスホジエステラーゼ阻害剤が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0078】
それだけには限定されないが、サンケア剤/光老化剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、PABA(p-アミノ安息香酸)および誘導体、グルコノラクトン、サリチレート、シンナメート、ベンゾフェノン、ジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、ビタミンEおよびその誘導体(α-トコフェロール、δ-トコフェロール、γ-トコフェロール)、エチルビスイミノメチルグアヤコール塩化マンガン、グリコサミノグリカン、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチナールデヒド、レチニールパルミテート、トランスレチノイン酸、13-シスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β-カロチン、レチニルエステル)、二酸化チタン、オクチルメトキシシンナメート、ベンゾフェノン、サリチル酸オクチル、ヤナギラン抽出物、ルメクスオッキデンタリス(rumex occidentalis)抽出物、クリュサンテルムインディクム抽出物、チャ抽出物、およびアルテロモナス発酵抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0079】
それだけには限定されないが、サンレスタンニング剤/メラニン形成刺激剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、ジヒドロキシアセトン、α-MSHアゴニスト、アデニル酸シクラーゼ活性化剤、およびホスホジエステラーゼ阻害剤が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0080】
それだけには限定されないが、トーニング剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、イラクサ抽出物、オレンジの花抽出物、シタン抽出物、およびウイッチヘーゼル抽出物が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0081】
それだけには限定されないが、ホワイトニング剤/色素沈着剤には、植物抽出物、藻類抽出物、果物抽出物、野菜抽出物、マメ科植物抽出物、発酵物、タンパク質分解性加水分解物、ペプチド、酵母菌抽出物およびその誘導体、微生物抽出物、動物由来の抽出物、ならびに合成化合物が含まれる。より具体的には、このような薬剤には、アルブチン、アゼライン酸、ビタミンCおよびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)、ヒドロキノン、N-アセチル-4-S-システアミニルフェノール、コウジ酸、メラノスタット(メラノスタチン)、トレチノイン、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチナールデヒド、レチニールパルミテート、トランスレチノイン酸、13-シスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β-カロチン、レチニルエステル)、ルメクスオッキデンタリス(ruminex occidentalis)抽出物、カンゾウ、クワ、クマコケモモ(ベアベリー)、チロシナーゼ阻害剤、メラノソーム-トランスファー阻害剤、ならびにメラニン捕捉剤が含まれる。また、これらの任意の組合せが含まれる。
【0082】
一実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に許容される局所用担体、ビヒクル、賦形剤、または添加物(すなわち、局所的に/化粧上許容される担体、ビヒクル、賦形剤、または添加物)をさらに含む。このような担体、ビヒクル、賦形剤、または添加物は当技術分野においてよく知られており、例えば、有効成分の感覚受容的性質、皮膚浸透、および到達性に関して最終製剤を改善するために用いられてよい。担体、ビヒクル、または賦形剤の例には、緩衝化剤、担体薬剤、キレート化剤、コンディショナー剤、着色剤、減粘剤、皮膚軟化剤、乳化剤、フィルム形成剤、泡沫剤、湿潤剤、ラクチレート剤、親油性剤、滑沢剤、中和剤、油剤、乳白剤、保存剤、可溶化剤、溶剤、安定化剤、界面活性剤、増粘剤、粘稠剤、水分吸収剤、浸潤剤、香料、および熱水が含まれる。これらの任意の組合せも含まれる。
【0083】
本発明の組成物は、特異的に制御されている送達システムを提供するために調合されてよい。このような送達システムの非限定的な例には、緩徐な送達システム、迅速な送達システム、即時送達システム、遅延型の送達システム、ゼロ次の送達システム、および二重または多重スピードの送達システムが含まれる。このような制御された送達システムは、化学的送達システム、多重エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン;リポソーム、微粒子、ナノ粒子、マイクロスポンジ、ビーズおよびシクロデキストリンなどのカプセル封入;ポリマーマトリックス、ポリマー化粧用コンジュゲート、油体/オレオシン、油溶性分子フィルム、スキンパッチ、単位投与量を含めた特定の製剤で達成されてよい。
【0084】
それだけには限定されないが、緩衝化剤は、塩基/酸の塩であり、皮膚の性質、および皮膚のpHと適合性である。頻繁に用いられる緩衝剤の一例は酢酸ナトリウムである。
【0085】
それだけには限定されないが、担体薬剤は、有効成分の適用を助けることができる成分である。頻繁に用いられる担体の一例はイソヘキサデカンである。
【0086】
それだけには限定されないが、キレート化剤は、1価および2価の陽イオンを結合することができる成分、例えば、EDTA、EDTA三ナトリウム、EDTA四ナトリウム、EDTA二ナトリウム、またはこれらの組合せである。
【0087】
それだけには限定されないが、コンディショナー剤は、潤滑化作用および水和効果を有する成分、例えば、塩化セトリモニウム、塩化ジセチルジモニウム、トリデセス-12、クオタニウム-27、クオタニウム-18、ポリクオタニウム-10、ベヘントリモニウムメトスルフェート、セテアリルアルコール、ステアラミドプロピルジメチルアミン、トリメチルシリルアモジメチコン、イソラウレス-6、オクトキシノール-4、ジメチコン、ジメチコノール、シクロペンタシロキサン、パレス-7、パレス-9、リノール酸、およびグリセリン、またはこれらの組合せである。
【0088】
それだけには限定されないが、減粘剤は、粘着性の材料上に吸着することができ、それらの接着する傾向を低減する成分、例えば、シクロペンタシロキサン、ジメチコンおよびビニルジメチコン、フェニルトリメチコン、イソプロピルエステル、イソステアリン酸エステル、セバシン酸ジメチル、ならびにセバシン酸ジプロピル、またはこれらの組合せである。
【0089】
それだけには限定されないが、皮膚軟化剤は、潤滑作用および水和効果を有する成分、例えば、パルミチン酸イソプロピル、ヒマワリ種子油、鉱油、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、シクロペンタシロキサン、ジメチコン、ビニルジメチコン、ビス-フェニルプロピルジメチコン、アルキルジメチコン、ステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸スクロース、ミリスチルアルコール、乳酸ミリスチル、セチルアセテート、ジカプリリルエーテル、フローラエステル-20、マレイン酸化したダイズ油、シクロメチコン、シアバター、水素化ココナツ油、パルミチン酸イソプロピル、ジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケート、および安息香酸アルキル、またはこれらの組合せである。
【0090】
それだけには限定されないが、乳化剤は、エマルジョン中の不混和性物質の分離を防ぐことができ、別のものにおける1物質の均等な分配を助けることができ、手触り、均一性、粘稠度、および安定性を改善することができる成分、例えば、セテアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、アルキルアクリレートクロスポリマー、ステアリン酸、乳化ワックス、オレイン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート、ポリエチレングリコポリソルベート(polyethylene glycopolysorbate)、トリエタノールアミン、シクロペンタシロキサン、ジメチコンコポリオール、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート、ジステアリン酸スクロース、PEG-100ステアレート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、ラウレス-7、リン酸セチル、DEAリン酸セチル、ステアリン酸グリコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘントリモニウムメトスルフェート、およびセテアレス-2、またはこれらの組合せである。
【0091】
それだけには限定されないが、フィルム形成剤は、処方の粘着性を最小にするために寸法安定性があり連続性のフィルムを形成することができる成分、例えば、コムギタンパク質、エイコセン共重合体、パーフルオロメチルイソプロピルエーテル、ジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケート、トリメチルシロキシシリケート、ジメチコン、ビニルジメチコン、およびシクロペンタシロキサン、またはこれらの組合せである。
【0092】
それだけには限定されないが、泡沫剤は、生成物中の空気の量を調節することができる成分、例えば、ラウラミドDEAおよびコカミドMEA、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、N-オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、および2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、またはこれらの組合せである。
【0093】
それだけには限定されないが、湿潤剤は、一定の湿度を維持し、水分を保持することができる成分、例えば、グリセリン、PEG-8、ブチレングリコール、およびプロピレングリコール、またはこれらの組合せである。
【0094】
それだけには限定されないが、滑沢剤は、滑りやすさを加え、摩擦を低減して適用を改善することができる成分、例えば、ジメチコン、およびジメチコンコポリオール、またはこれらの組合せである。
【0095】
それだけには限定されないが、中和剤は、酸-アルカリバランスを変更することができる成分、例えば、トリエタノールアミン、および水酸化ナトリウム、またはこれらの組合せである。
【0096】
それだけには限定されないが、乳白剤は、澄明または半透明の生成物の外見を、よりクリーミーまたは真珠光沢のものに変えることができる成分、例えば、ステアリン酸グリセリル、およびPEG-100ステアレート、またはこれらの組合せである。
【0097】
それだけには限定されないが、保存剤は、微生物による、または化学的な損傷を遅らせ、または防ぐことができ、変色に対して保護することができる成分、例えば、DMDMヒダントイン、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、エチルパラベン、ブチルパラベン、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、クオタニウム-8、クオタニウム-14、クオタニウム-15、プロピレングリコール、デヒドロ酢酸、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、およびゲルマベン、またはこれらの組合せである。
【0098】
それだけには限定されないが、可溶化剤は、不適合性の成分を均一な溶液の一部分にすることができる成分、例えば、ポリソルベート、セテアレス、ステアレス、およびPEG、またはこれらの組合せである。
【0099】
それだけには限定されないが、安定化剤は、処理加工の間および後の物理的性質および化学的性質を維持することができ、製品寿命の間の物質の物理的性質における変化を防ぎ、または限定することができる成分、例えば、ポリエチレン、塩化ナトリウム、ステアリルアルコール、ザンタンゴム、EDTA四ナトリウム、およびジメチコンコポリオール、またはこれらの組合せである。
【0100】
それだけには限定されないが、界面活性剤は、水または水溶液中に溶解した場合に表面の張力を低減することができ、2つの脂質間、または液体と固体との間の界面の張力を低減することができる成分、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、オクトキシノール-40、イソラウレス-60、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルアルコール、ラウラミドDEA、およびココアミドプロピルベタイン、またはこれらの組合せである。
【0101】
それだけには限定されないが、増粘剤は、水を吸収して本体に分け与え、粘稠性または手触りを改善し、エマルジョンを安定化することができる成分、例えば、ステアリン酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボマー(カルボマーナトリウムおよびカルボマーカリウムを含む)、アルキルアクリレートクロスポリマー、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、ラウレス-7、セチルアルコール、ザンタンゴム、アルキルジメチコン、ヒドロキシエチルセルロース、ステアリン酸グリセリル、テトラステアリン酸ペンタエリスリチル、ステアリルアルコール、およびポリクオタニウム-10、またはこれらの組合せである。
【0102】
それだけには限定されないが、粘稠剤は、液体によって表される流動度および流動に対する内部抵抗を制御することができる成分、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カプリリルグリコール、およびミリスチルアルコール、またはこれらの組合せである。
【0103】
それだけには限定されないが、水分吸収剤は、生成物の水を吸収して湿度を維持することができる成分、例えば、カルボキシビニルポリマー、アクリル共重合体、ポリアクリルアミド、多糖、天然ゴム、粘土、改質粘土、金属塩、脂肪酸、またはこれらの組合せである。
【0104】
それだけには限定されないが、湿潤剤は、浸透をよりよくし、表面にわたって拡散するために水の表面張力を低減することができる成分、例えば、カプリル酸塩、カプリリルグリコール、カプリル酸グリセリル、カプリル酸ポリグリセリル-2、ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-3、およびTEA-ラウレス硫酸、またはこれらの組合せである。
【0105】
本発明のエキソポリサッカライドまたは組成物は、それだけには限定されないが、広口ビン、ビン、チューブ、スティック、ローラーボールアプリケーター、エアロゾルスプレー装置などを含む任意の適切な方法で、従来の方法において包装されてよい。本発明のエキソポリサッカライドまたは組成物は、1つが有効成分を含み、第2が局所的に/皮膚科学的に許容されるビヒクルを含み、これらが適用前のいくつかの固定された時間点で一緒に混合され得る、2つまたはそれを超える別々のコンパートメントのキットとして包装されてよい。例えば、クリーム剤、粉末剤、錠剤、カプセル剤、または液剤の形態の有効成分は、密封されている、使い捨ての小包中に含まれてもよく、これは開封され、局所的に許容されるビヒクルと混合されてよく、また、密封されている、使い捨ての小包中に予め計量された形態において貯蔵されてもよい。あるいは、有効成分および局所的に許容されるビヒクルを大量で提供してもよく、そこから固体に対して計量スプーンもしくは計量カップ、または液体に対して較正されたバイアルもしくはドロッパなどの様々な計量装置を用いて必要な量を引き出すことができる。本発明のエキソポリサッカライドまたは組成物を基材上に広げ、次いでその後包装してもよい。適切な基材には、フィルムドレッシングを含めたドレッシング、および包帯が含まれる。一実施形態において、キットまたは包装は、使用/適用のための指示、例えば、皮膚の状態または皮膚の老化徴候を防止または低減するための指示を含んでもよい。
【0106】
別の態様において、本発明は、対象における皮膚の老化徴候または別の皮膚状態を防止または低減するためのエキソポリサッカライドの使用(例えば、化粧上または治療上の使用)を提供する。
【0107】
別の態様において、本発明は、皮膚の老化徴候を防止または低減するためのエキソポリサッカライドの使用(例えば、化粧上または治療上の使用)を提供する。それだけには限定されないが、本明細書で用いられる「皮膚の老化徴候」の語は、しわ、細腺、皮膚の堅さおよび弾性の喪失、手触りの喪失、脱水、皮膚の防御メカニズムの弱化として、炎症、光損傷(特に、UV照射が誘発する酸化ストレス)、発赤、末梢血管拡張、皮膚のたるみ、皮脂過剰、孔の拡張、目の周りのくま、皮膚の堅さの喪失、褐色斑点、シミ、皮膚の色素沈着過度、皮膚の厚さの増大、キズ、皮膚の弾性およびコラーゲン含量の喪失、乾燥肌、黒子、肝斑、疲れた肌、目の下の袋、皮脂生成の撹乱、皮膚の快適さの喪失、および皮膚の活力喪失(代謝活性の低下)、またはこれらの任意の組合せを意味する。
【0108】
本明細書で用いられる、「皮膚の老化徴候の低減」または「皮膚の状態または障害の低減」の表現における「低減」の語は、それぞれ予め存在する皮膚の老化徴候、または皮膚の状態もしくは障害の低減に言及することを意味する。これは、それぞれ、老化徴候もしくは皮膚の状態または障害の、完全な、または部分的な矯正/処置を包含する。本明細書で用いられる、「皮膚の老化徴候を防止する」または「皮膚の状態もしくは障害を防止する」の表現における「防止する」の語は、それぞれ、皮膚の老化徴候、または皮膚の状態もしくは障害の、完全な、または部分的な防止の開始における遅延に言及することを意味する。
【0109】
本明細書で用いられる、EPSに関するときの「微生物マットから生じる」の語は、EPSを分泌する微生物の起源に言及することを意味する。初めに微生物マットから単離された菌株からin vitroで培養された微生物菌株によって分泌されたEPSも、「微生物マットから生じる」の語に包含される。同様に、「微生物マットから単離された微生物」の語は、初めに微生物マットから単離された菌株からin vitroで培養された微生物菌株を包含する。これはEPSをコードする遺伝子を含む組換えの微生物も含む。
【0110】
別の態様において、本発明は、細胞の摩擦による皮膚の粘稠度、剥離を改善するための、およびコラーゲン繊維構造を改善するためのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0111】
別の態様において、本発明は、角質層の形態を改善するためのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0112】
別の態様において、本発明は、剥離を改善するためのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0113】
別の態様において、本発明は、皮膚表面上の細菌の付着を低減するためのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0114】
別の態様において、本発明は、水和を改善するためのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0115】
別の態様において、本発明は、皮膚の微起伏を改善するためのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0116】
別の態様において、本発明は、老化のヒト繊維芽細胞によるヒアルロン酸産生を刺激するためのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0117】
別の態様において、本発明は、表皮の全脂質合成を刺激するためのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0118】
別の態様において、本発明は、剥離機能に関与する遺伝子の発現を刺激するためのエキソポリサッカライドの使用(例えば、化粧上の使用)に関する。さらなる一実施形態において、上記に記載した遺伝子は、KLK5(カリクレイン、角質層酵素)、KLK6(ニューロシン)、およびKLK7(角質層キモトリプシン酵素)をコードする。
【0119】
別の態様において、本発明は、ケラチノサイトの分化に関与する遺伝子の発現を刺激するためのエキソポリサッカライドの使用(例えば、化粧上の使用)に関する。さらなる一実施形態において、上記に記載した遺伝子は、フィラグリンおよびインボルクリンをコードする。
【0120】
別の態様において、本発明は、トランスグルタミナーゼの発現を刺激するためのエキソポリサッカライドの使用(例えば、化粧上の使用)に関する。
【0121】
別の態様において、本発明は、皮膚の状態または皮膚の老化徴候を防止または低減するための薬物を調製するためのエキソポリサッカライドの使用を提供する。
【0122】
別の態様において、本発明は、細胞の摩擦による皮膚の粘稠度、剥離を改善するための、およびコラーゲン繊維構造を改善するための薬物を調製するためのエキソポリサッカライドの使用を提供する。
【0123】
より特定の実施形態において、老化に関連する皮膚の状態は、しわ、細腺、シミ、光損傷(特に、UV照射が誘発する酸化ストレス)、キズ、皮膚の色素沈着過度、シミ、皮膚の厚さの増大、皮膚の弾性およびコラーゲン含量の喪失、乾燥肌、黒子、ならびに/または肝斑、あるいはこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0124】
本発明のエキソポリサッカライドまたは組成物を送達する方法は変動してよいが、通常、皮膚の老化徴候、例えば、内因性の老化および/もしくは外因性の老化に関連し、これらによってもたらされ、またはこれらによって影響を受ける任意の皮膚の徴候の傾向があり、あるいはこれらによって影響を受ける皮膚の領域に適用することを含む。
【0125】
クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤、パスタ剤などを、罹患している表面上に広げ、やさしくすり込んでよい。液剤は同じ方法で適用してよいが、より典型的にはドロッパ、スワブなどで適用し、罹患している領域に注意深く適用する。
【0126】
適用のレジメンは、容易に決定され得る数々の因子、例えば、状態の重症度、および最初の処置に対する反応性によるものであるが、通常、進行中のベースで1日あたり1回または複数回の適用を伴う。当業者であれば、投与すべき製剤の最適量、適用方法、および反復の割合を容易に決定することができる。一般に、本発明の製剤を1週間に1回または2回から1日1回または2回までの範囲で適用すると考えられる。したがって、本明細書で用いられる、本発明の組成物に関するときの「有効量」の語は、対象の皮膚の老化徴候、または皮膚の状態もしくは障害を効果的に防止または低減する量である。これは、通常、処置すべき皮膚を覆うのに十分な量を構成する。有効量は、組成物の形態(例えば、ゲル、クリーム、セラムなど)、および対象の皮膚のタイプに応じて変動してよい。
【0127】
一実施形態において、上記に記載した対象は哺乳動物である。さらなる一実施形態において、上記に記載した哺乳動物はヒトである。
【0128】
本発明を、以下の非限定的な実施例によって、さらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0129】
ヒトケラチノサイトに対するEPSの効果(in vitroの生存性)
ヒトケラチノサイトに対して毒性ではない濃度を決定するために、各EPSの細胞毒性の評価をMTTアッセイを用いることによって行った(NHEK、第3継代)。
【0130】
MTT細胞増殖アッセイは、細胞増殖速度を測定し、逆に、代謝上の事象がアポトーシスまたは壊死をもたらす場合は細胞の生存性の低下を測定する。このアッセイは、ミトコンドリアの脱水素酵素が黄色テトラゾリウムMTT(3-(4,5-ジメチルチアゾリル-2)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)を低減して、NADHおよびNADPHなどの還元性同等物を産生する能力に基づく。得られた細胞内紫色のホルマザンを可溶化し、分光光度法によって定量することができる。結果を以下のTable IV(表4)に示す。
【0131】
【表4】

【0132】
このアッセイにおいて試験したポリサッカライドの濃度では生存性の変化は観察されなかった。
【実施例2】
【0133】
老化のヒト繊維芽細胞に対するEPSの効果(in vitroにおける生存性)
老化のヒト繊維芽細胞に対して有害ではない濃度を決定するために、上記実施例1に記載したMTTアッセイを用いることによって各化合物の細胞毒性の評価を行った。これらの老化細胞は、正常皮膚繊維芽細胞の継代培養によって得、老化の表現型は第12継代から得られた。以下のTable V(表5)に生存性の結果を示す。
【0134】
【表5】

【0135】
このアッセイにおいて試験したポリサッカライドの濃度では生存性の変化は観察されなかった。
【実施例3】
【0136】
老化のヒト繊維芽細胞によるヒアルロン酸合成に対するEPSの効果
老化のヒト繊維芽細胞によるヒアルロン酸合成に対するEPSの効果を評価するために、この試験を行った。ヒアルロン酸合成は繊維芽細胞活性のマーカーであり、この化合物には吸湿性の性質があるので皮膚の天然の湿潤剤である。これらの老化細胞は正常皮膚繊維芽細胞の継代培養によって得られ、老化の表現型は第12継代から得られる。
【0137】
試験したEPSの遺伝子発現分析は、細胞外マトリックスタンパク質合成の低下、成長因子に対する感受性の低下、およびマトリックスメタロプロテイナーゼの合成の上昇を実証した。細胞の成長に直接的な効果のない化合物のいくつかは、表皮成長因子(EGF)の存在下で、老化の繊維芽細胞の増殖を刺激することが実証されている。この効果は、EGFに対する細胞の感受性の上昇に起因するものであった。EGFに対するこの観察に基づくと、TGFβのような他の因子に対する同様の状況が存在し得る。TGFβにはHA合成を誘発する能力がある。しかし、古い細胞ほどTGFβに対して脱感作されることが観察されている。そこでEPSの2タイプの効果、すなわちHAの生成に対するこれらの直接的な効果、およびTGFβに対する細胞の感受性を回復する可能性を試験した。
【0138】
老化の繊維芽細胞を、コンフルエンスになるまで24時間、前培養した。次いで、培地を除去し、試験するEPS単独、TGFβ単独、もしくは試験するEPSとTGFβとの混合を含む、または含まない(対照)アッセイ培地によって置き換えた。次いで、細胞を72時間培養した。インキュベートの終わりに、上清中のヒアルロン酸濃度を、標準ELISAアッセイによって製造元の手順(R&D Systems DY3614)に従って評価し、細胞の生存性を標準MTT組入れアッセイを用いて評価した。結果を以下のTable VI(表6)に示す。
【0139】
【表6】

【0140】
10ng/mlのTGFβは、ヒアルロン酸合成を明らかに、かつ著しく増大した(4倍)。
【0141】
TGFβなしの化合物Pol-3は、用量反応性にヒアルロン酸(HA)の生成を著しく増大した。化合物Pol-2は、生成物Pol-3と同じ効果を示すが、活性は弱い。
【0142】
化合物Pol-5、Pol-7、Pol-8、およびPol-9は、基底のHA生成にはいかなる効果もなかったが、HA生成に対するTGFβの刺激効果を著しく低減した。
【0143】
生成物Pol-5、Pol-7、Pol-8、およびPol-9で得られた結果は受容体との結合を示唆するが、これらはTGFβに対する反応を低減するのでアンタゴニスト効果である。
【実施例4】
【0144】
UV照射に曝露したヒト細胞培養物中の脂質ペルオキシドの生成に対するEPSの効果
UVA+UVB照射に曝露した、または曝露しないヒト細胞中の脂質ペルオキシダーゼ(LP)(皮膚脂質の分解)の量の相対的定量に対する、本発明のEPSの効果を評価するために、この試験を行った。この評価は、特定の蛍光プローブ、および蛍光フローサイトメトリー分析を用いて得られた。この方法は各細胞の蛍光を測定し、多くの細胞を評価する(1実験条件ごとに10000細胞)ので、多大な感度をもたらすものである。
【0145】
完全SFM培地中でケラチノサイトを最高100%のコンフルエンスに前培養した。次いで、培地を、試験するEPSを含む、もしくは含まないアッセイ培地、または対照で置き換え、細胞を24時間、37℃および5%CO2でインキュベートした。インキュベート後、特定のプローブである脂質の蛍光類似体(C11-Fluor)および試験するEPSまたは対照を組み入れ、細胞を45分間、37℃および5%CO2でインキュベートした。次いで、培地ですすぐことによってプローブを除去した。洗浄培地を、試験するEPSまたは対照を含む培地で置き換えた。非処置の対照を平行して行った。細胞に、210mJ/cm2のUVBを照射した。非照射の対照を平行して行った。照射後、細胞を1時間、37℃および5%CO2でインキュベートし、次いでPBSですすぎ、トリプシン処理した。蛍光のパラメータを、10000個の個々の細胞に対して、FACSArray(商標)システムソフトウエア(Becton-Dickinson)によって操作するFACSArray(商標)細胞計算器で、フローサイトメトリーによって測定した(細胞集団の選択なし)。このアッセイにおいて、膜の細胞中に挿入された蛍光プローブC-11Fluorは酸化時に低減した。結果を以下のTable VII(表7)に示す。
【0146】
【表7】

【0147】
照射により、細胞内脂質過酸化物の量は著しく増加した(7倍)。50μMの基準のBHAは、照射された細胞の細胞内脂質過酸化物の量を低減した(76%の保護)。この結果は予想されたものであり、アッセイを確証するものであった。
【0148】
化合物Pol-5は、照射された細胞の細胞内脂質過酸化物の量を低減する傾向を有する。
【実施例5】
【0149】
剥離に関与するタンパク質分解酵素をコードする遺伝子の発現に対するEPSの効果およびヒトケラチノサイトの培養物における分化のマーカー
分化のタンパク質(フィラグリン、ロリクリン、インボルクリン)、および剥離に関与する角質層トリプシン酵素(カリクレイン5、6、および7)をコードするmRNAの誘導に対するEPSの効果を測定するために、このアッセイを行った。選択されたマーカーの相対的な発現を、「リアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応」法(RT-QPCR)を用いてアッセイした。
【0150】
ケラチノサイトを培地中で前培養した。コンフルエンス時に、培地を、試験化合物を含む、または含まない(対照)アッセイ培地(EGFおよび下垂体抽出物を含まないSFM)に交換し、細胞を24時間、37℃および5%CO2でインキュベートした。実験の終わりに、細胞をPBSバッファー中で洗浄し、ウエル1個あたりTri-reagent 300μlとともに、-80℃で即時凍結した。
【0151】
選択された各マーカーからの、特異的なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)生成物の増幅を可能にするプライマー対を用い、肝臓グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(G3PDH)を、本実験における基準のマーカーとして用いた。全RNAの抽出を、Tri-Reagent(商標)によってプロトコールに従って行った。混入したDNAの除去を、「DNAフリー」システムを用いてDNAse処理によって行った。次いで、オリゴ(dT)およびSuperscript II逆転写酵素の存在下で、mRNAの逆転写を行った。
【0152】
最初に、遺伝子発現の変調を、第1の濃度の6個のEPS上で評価した(Table VIII(表8))。第2のステップとして、3濃度の4個のEPS上で評価した(Table IX(表9))。
【0153】
【表8】

【0154】
【表9】

【0155】
レチノイン酸は逆方向の分化プロファイルを示した。CaCl2は前方向の分化プロファイルを示した。これらの結果は予想されたものであり、アッセイを確証するものであった。
【0156】
Pol-6は、剥離および分化をコードする遺伝子の強力な増大を示した。このエキソポリサッカライドは、ケラチノサイトの角質細胞への細胞の分化を誘導する(前方向の分化効果)。
【0157】
第2シリーズの試験は、Pol-3が前方向の分化プロファイルを表すことを示した。
【実施例6】
【0158】
表皮脂質合成に対するEPSの効果
再構成された表皮におけるリン脂質および中性脂質合成に対する評価
本発明のEPSの脂質合成に対する効果を評価するために、この試験を行った。薄層クロマトグラフィーを用いてリン脂質(細胞膜)および中性脂質(表皮特異的な脂質を含む)を別々に測定した。SkinEthic(商標)で再構成したヒト表皮の組成が、正常ヒト表皮に近かったので、このヒト表皮をモデルに用いた。
【0159】
表皮組織を24ウエルプレート中に配置し、SkinEthic(商標)培地中で12時間培養した。次いで、培地を新鮮な培地によって置き換え、試験するEPSを、指摘された濃度で表皮の表面上に適用した(局所処置)。3つの対照の表皮は非処置であり、3つの基準の表皮を、培地中で、全皮膚脂質の知られている刺激物質であるレチノイン酸で処置した(全身処置)。処置は全て3回ずつ行い、合計72時間培養した。24時間処置後、培地を標識培地(0.225μCi/[14C]酢酸のウエル)によって置き換え、表皮を処置した。48時間のインキュベーション時間の間に標識化を行った。用いた放射性マーカーは、[2-14C]-酢酸のナトリウム塩、Amersham CFA14(2.04Gbq/mmol、55mCi/mmol)であった。表皮をPBS溶液中で洗浄し、解離した。次いで、細胞を、氷上で0.5Mの過塩素酸で処置することによって溶解した。脂質をメタノール/クロロホルム(2:1)によって抽出し、BlighおよびDyerによって記載された手順に従って、中和後にPBSおよびクロロホルムを加えることによって相分離を行った。クロロホルム蒸発後に液体シンチレーション(LKB 1210 Rackbeta)とともに有機相(脂質)中へ組み入れることによって、放射能を定量した。有機相を窒素下で乾燥させ、薄層クロマトグラフィー(TLC;Merck K60プレート)を、2つの溶媒系:リン脂質に対してクロロホルム/メタノール/水(50:18:2.6)、または中性脂質に対してヘキサン/エーテル/酢酸(15:5.6:0.19)を用いることによって行った。Phosphorlmager Cyclone(商標)およびMultigaugeソフトウエア(Fujifilm)でTLCプレート上の様々なスポットの放射活性の直接的な計数を行うことによって、様々な代謝産物を定量した。結果を以下のTable X(表10)に示す。
【0160】
【表10】

【0161】
表皮脂質中の14C-酢酸の基底の組入れは強力であり、表皮ケラチノサイトの代謝は正常であったことを表していた。
【0162】
基準のレチノイン酸は、期待通り全脂質の合成を著しく増大した(対照の175%)。
【0163】
EPS Pol-3、Pol-4、Pol-5、Pol-6、Pol-7、およびPol-8は、全脂質の合成を著しく増大した(それぞれ、対照の165%、176%、157%、183%、174%、および159%)。しかし、化合物Pol-1、Pol-2、およびPol-9は、全脂質の合成を大幅に修飾しなかった。
【実施例7】
【0164】
表皮ブドウ球菌および黄色ブドウ球菌のヒト皮膚表面上への付着に対するEPSの効果
ビオチンでタグ付けした細菌(表皮ブドウ球菌および黄色ブドウ球菌)のヒト皮膚表面上への付着に対するEPSの活性を評価するために、この試験を行った。
【0165】
ヒト皮膚片(4cm×4cm)を、美容減量手術中に健常対象から除去した腹部生検から調製した。
【0166】
本実験において用いた細菌の菌株である表皮ブドウ球菌および黄色ブドウ球菌は、生体材料、カテーテル、および様々な細胞上で実証されたように、任意の支持体に付着する性質がある。この細菌をLB-寒天培地に接種し、次いで、半対数期までLB液体培地中で37℃で培養した(DO640=0.4)。次いで、細菌を70%エタノール中で固定し、洗浄し、ビオチンでタグ付けした。部分的にビオチンでタグ付けされた精製された細菌をアリコートにし、使用前に-80℃で凍結した。
【0167】
96ウエルプレート1枚を皮膚で調製した。試験するEPSを1時間適用した。インキュベートの終わりに、EPSを除去し、皮膚を表皮ブドウ球菌と、または黄色ブドウ球菌と接触させた。室温で2時間インキュベート後、PBS中で3回洗浄し、各ウエル中にグアニジン4Mを加え、室温で40分間放置した。次いで、上清を抽出し、-80℃で凍結した。
【0168】
各上清および各細菌の試料を、MilliBlotドットブロット装置(Millipore)を用いてニトロセルロース膜(Hybond、ECL、Amersham)上に移した。最終の反応の特異性を評価するために対照を全て行った。培地または試験する化合物を細菌または皮膚と予め接触させずにニトロセルロース膜上に移すことによって、検出システムの干渉での対照を行った。このアッセイにおいて干渉は観察されなかった。膜上の非特異的な部位を、飽和バッファーPBS/0.05% Tween 20/5%無脂肪ミルク(PBSTM)中で、37℃で2時間飽和させた。PBSTM中で十分に洗浄した後、特異的な抗原部位を、PBSTM中で希釈したストレプトアビジン-セイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲートで標識した。PBSTM中で十分に洗浄した後、Kodak(商標)MRフィルム上で化学発光ECL法(増強された化学発光、Amersham)を用いてペルオキシダーゼ活性を明らかにした。結果を以下のTable XI(表11)に示す。
【0169】
【表11】

【0170】
表皮ブドウ球菌の細菌の付着は著しく、シグナルの増幅は十分であった。化合物Pol-1およびPol-5は、表皮ブドウ球菌の皮膚への付着を著しく低減した(それぞれ38%および65%の阻害)。
【0171】
黄色ブドウ球菌の細菌の付着は著しく、シグナルの増幅は十分であった。化合物Pol-1およびPol-5は、黄色ブドウ球菌の皮膚への付着を著しく低減した(それぞれ49%および66%の阻害)。
【0172】
結論として、化合物Pol-1およびPol-5は、フィルムを作り出すことができ、またはヒト皮膚の表面上の表皮ブドウ球菌もしくは黄色ブドウ球菌の細菌の付着からの保護をマスクすることができる性質を示す。
【実施例8】
【0173】
抗汚染活性に対するEPS製剤クリームの効果
正常皮膚上のフリーラジカルに対する化粧用生成物の効果によって化粧用生成物の抗汚染活性を評価するために、この試験を行った。汚染物質と重金属との混合物を用いて、環境汚染(煙霧、煙など)の有害効果を模倣した。ヒト皮膚の良好なモデルとして、本実験における皮膚モデルとしての移植片を用いた。
【0174】
ヒト皮膚片(移植片27個)を、美容減量手術中に健常対象(64歳)から除去した腹部生検から調製した。これらを37℃および5%CO2でBEM培地中に配置した。試験するEPSを、指摘された濃度(移植片ごとに2mg)で表皮の表面上に適用した(局所処置)。これらを、第1日目(0日目)および1、2、3、および4日後(1日目、2日目、3日目、および4日目)に適用した。
【0175】
4日目に、重金属(Table XII(表12))および炭化水素の混合物30μLを紙ディスク上に適用し、同定した移植片上に直ちに配置した。
【0176】
【表12】

【0177】
0日目および5日目に、各バッチの移植片3個を除去し、形態学的観察用にブアン液中で固定した。ブアン媒体中で48時間後、移植片を脱水し、パラフィン中に包埋し、マッソントリクローム染色液中で染色した。3日目の培地においてMDAアッセイ(ラジカル変化からの安定な生成物であるマロンジアルデヒド)を行って、24時間照射後、汚染によって産生したフリーラジカルに対する生成物の効率を定量した。結果を以下のTable XIII(表13)に示す。
【0178】
処置なしの移植片(T)、5日目:角質層は厚く、わずかに積層しており、表面上は明らかに角質化されており、そのベースはわずかに角質化されていた。角化不全は中程度であった。表皮は形態の良好な4から5層の細胞層を有していた。真皮-表皮接合部の軽減は明らかであった。乳頭の真皮は厚いコラーゲン繊維が幾分圧縮した網目構造を形成していることを示していた。図1左上パネルを参照されたい。
【0179】
汚染物質と一緒の移植片(TP)、5日目:角質層は厚く、わずかに積層しており、表面上は明らかに角質化されていた。角化不全は中程度であった。表皮は、深部の変化を有する4から5層の細胞層を有していた。これらの変化は、表皮にわたってピクノチック(picnotic)な核を有する細胞が多く存在することを特徴としていた。真皮-表皮接合部の解離は明らかであった。真皮-表皮接合部の軽減はやや明らかであった。乳頭の真皮は厚いコラーゲン繊維があまり圧縮していない網目構造を形成していることを示していた。図1左下パネルを参照されたい。
【0180】
汚染物質と一緒の移植片、Pol-5で処置(PP)、5日目:角質層は厚く、わずかに積層しており、表面上は明らかに角質化されていた。角化不全は中程度であった。表皮は、ほとんど変化していない4から5層の細胞層を有していた。真皮-表皮接合部の解離は軽度であった。真皮-表皮接合部の軽減はやや明らかであった。乳頭の真皮は厚いコラーゲン繊維があまり圧縮していない網目構造を形成していることを示していた。図1右パネルを参照されたい。
【0181】
【表13】

【0182】
αトコフェロール対照は汚染物質の活性の低減を有しており、アッセイを確証していた。Pol-5に対する結果は、潜在的な抗汚染活性を指摘するものであった。
【実施例9】
【0183】
ヒト皮膚移植片上の皮膚のバリアの再構成に対するEPSの効果
このアッセイは、試験したEPSの皮膚のバリアに対する再構成効果を実証することを探求するものであった。生物学的活性を、全般的形態の組織学的専門知識によって、ならびにフィラグリンおよび膜トランスグルタミナーゼの免疫標識によって評価した。フィラグリンおよび/またはトランスグルタミナーゼのより高い発現レベル(例えば、より多い細胞層における)が、ケラチノサイトの分化の増大の徴候である。
【0184】
ヒト皮膚移植片を、48歳女性の腹部成形術から得た。1ゾーンを、エーテル/アセトンの混合液を用いて脱脂肪(脱脂)して、試験するEPSに対する感受性を増大し、比較結果を潜在的に偏らせる外的要因を取り除いた(例えば、脂肪の厚さおよび含量は試料によって変化することがあり、対照と試験のEPSとの間の結果を偏らせるパラメータを導入することがある)。この脱脂したゾーン上に、24個の実験的移植を得た。6個の実験的移植を非脱脂の切片から産生した。全部で30個の移植片をBEM培地中に入れ、37℃および5%CO2のインキュベーター中で貯蔵した。この材料を移植片3個の10ロットに分けた。
【0185】
脂質を除去した直後に移植片1個あたり4mgの濃度で試験するEPSを局所的に適用した。接触期間は3時間であった。時間T0および3時間で、ロットの各3個の移植片を2つの部分に切断した。第1の部分を、全般的形態を観察するために通常のブアン媒体中で固定した。第2の半分を、フィラグリンおよび膜トランスグルタミナーゼを特異的に免疫標識するために-80℃で凍結させ、維持した。
【0186】
通常のブアン媒体中で固定して48時間後、試料を乾燥させ、パラフィン中で含浸させた。凍結試料を低温槽中で厚さ7μmの切片にスライスし、次いで標識用に組織学的スライド上に糊付けした。
【0187】
全般的形態の観察を、マッソン型トリクローム染色を用いて達成した。凍結スライド上で時間T0およびT3時間に抗フィラグリンであるモノクローナルクローンOKTB1でフィラグリンをマーキングし、ビオチン/ストレプトアビジン系により、ヨウ化プロピジウム染色を用いて着色した核がFITCにおいて明らかになった。膜からのトランスグルタミナーゼを凍結スライド上で時間T0およびT3時間に、抗トランスグルタミナーゼであるモノクローナルクローンBC1でマーキングし、ビオチン/ストレプトアビジン系により、ヨウ化プロピジウム染色を用いて着色した核がFITCにおいて明らかになった。
【0188】
フィラグリン
T0時、フィラグリンは角質層のベースにわずかに発現され、非脱脂の移植片における細胞の層は正常数であった。フィラグリンは脱脂した移植片中にわずかに多く存在した。
【0189】
図2に観察され得るように、3時間後、フィラグリンは非処置および非脱脂の移植片中に明瞭に発現された。図3に観察され得るように、フィラグリンは脱脂したおよび非処置の移植片中にわずかに発現された。中程度の数の細胞層を観察することができた。
【0190】
脱脂した移植片上にPol-6(図4)、Pol-3、およびPol-8を適用後、フィラグリンは、それぞれ11/12(Pol-6)および8/9の細胞層(pol-3および8)上に強力に発現された。
【0191】
脱脂した移植片上にPol-6およびPol-3の混合物を適用後、フィラグリンは8/9の細胞層上に明瞭に発現された(図5)。
【0192】
脱脂した移植片上にPol-6およびPol-8の混合物を適用後、フィラグリンは8/9の細胞層上に明瞭に発現された(図6)。
【0193】
膜トランスグルタミナーゼ
T0時、トランスグルタミナーゼは、非脱脂および非処置の移植片中、角質層の基底の3/4の細胞層上に、および新たに脱脂した移植片上に、非常にわずかにかつ随伴性に発現された。
【0194】
3時間後、トランスグルタミナーゼは、非脱脂および非処置の移植片中に非常にわずかに発現された(図7)。トランスグルタミナーゼは、脱脂したおよび非処置の移植片に観察されなかった(図8)。
【0195】
脱脂した移植片上で、Pol-6(図9)およびPol-3で処置したものに対して、トランスグルタミナーゼは5/6の細胞層上に明瞭に発現された。
【0196】
フィラグリンおよび膜トランスグルタミナーゼ(TGM)の免疫染色の結果を、以下のTable XIV(表14)に示す。
【0197】
【表14】

【0198】
脱脂した移植片は、真皮の外観の顕著な損傷と組み合わされた脱水皮膚における類似する形態を有する角質層の、非常に鮮明な悪化を示した(コラーゲン繊維の障害)。
【0199】
全般的形態の観察は、3時間接触後、EPS Pol-3は角質層の形態を改善し、これは角質層の表面の保湿活性をもたらすことを示す。Pol-3とPol-8との混合物およびPol-6とPol-8との混合物は、角質層の形態を改善した(保湿効果)。
【0200】
EPS Pol-6は、角質層および真皮のレベルで皮膚の構造を改善した。詳しくは、全般的形態は、EPS Pol-6と接触して3時間後、角質層はふわふわしていたことを示しており、細胞の再生および剥離を指摘していた。コラーゲン繊維はより厚く、より組織化されていたようであった。
【0201】
フィラグリンの発現は、適用したEPSは全て、3時間の接触後、細胞層の鮮明な増大(強度および数)をもたらしたことを示していた。
【0202】
膜トランスグルタミナーゼの発現は、EPS Pol-6、およびPol-6とPol-8との混合物は、皮膚のバリアの再構築活性を誘発したことを示していた。
【実施例10】
【0203】
ポリサッカライド含有スキンケア組成物の水和および皮膚バリアの再構築の性質の臨床試験
このアッセイの目的は、20人の志願者のパネルに対して、30日使用後、EPSを含有するクリームの保湿活性および脂質バリア再構築能力を客観的に評価することであった。この活性はプラセボに比べて評価した。両方の製剤を、スプリットフェイス(split-face)デザインを用いて適用した。志願者を、乾燥しやすい皮膚を有する30歳と50歳との間の対象の集団において募集した。保湿効果を、生理学的剥離であるタイプD-Squames(登録商標)表面サンプリングから特別にマーキングすることによって定量的に評価した。再構築効果を、シアノアクリレートで糊付けした試料上の微起伏を分析することによって、および写真によって評価した。
【0204】
Pol-6およびPol-3を含有するスキンケア製剤を調製した。
【0205】
【表15】

【0206】
生理学的剥離を用いた特別マーキング(Diagnoskin(商標))による水和の定量的評価。
システムDIAGNOSKIN(商標)による皮膚の保水レベルの評価を、生理学的剥離を定量することによって行った。18人の志願者が有効製剤の評価に含まれ、19人の志願者がプラセボ群の役割であった。
【0207】
柔軟な接着性のバンドであるD-Squam(商標)を皮膚上へ適用し、回収時に角質細胞の表面層が採取された。顕微鏡(対物レンズ25×、直接光)を用いて、この剥離の評価を行った。これらの観察に基づいて、皮膚試料を1から12に等級付けし、12が水和の可能な最高レベルであった。図10は、最高の水和から最低の水和までの皮膚の形態の3枚の写真を示す。
【0208】
有効組成物:以下のTable XVI(表16)に見ることができるように、有効クリームを適用して30日後、剥離の質の9.82%の増大が観察された。
【0209】
【表16】

【0210】
試料の形態学的局面により、Pol-6とPol-3との混合物で30日間処置した場合、非常に水和した皮膚の手触りが明らかになった。実際、T0に認められた細胞のプレートおよび厚いゾーン(皮膚の脱水和を示す)は、処置30日後に実際に消失した。次いで、単一の細胞が観察され、より水和した皮膚に同義であった。前および後の写真については図11を参照されたい。
【0211】
プラセボ:以下のTable XVII(表17)に見ることができるように、プラセボを適用して30日後、剥離の質の7.14%の低減が観察された。
【0212】
【表17】

【0213】
プラセボを適用した志願者に対する試料の形態学的局面は、小型細胞プレートを有する皮膚の重要な変質を示しており、皮膚の脱水和の増大を指摘していた。前および後の写真については図12を参照されたい。
【0214】
プラセボと有効クリームとの間の隔たり(17%)は、高率の分化/剥離に関連する、皮膚の剥離の明らかな改善を示す。この違いは図13において説明される。皮膚の表面のコートのより効率的な再生が、より良好で平滑な皮膚の原因となる張りおよび再構成効果と組み合わされて観察された。
【0215】
再構成効果の定量的評価
有効クリームおよびプラセボに対する志願者18人の頬骨上で試料採取を行った。皮膚上に直接シアノアクリレート接着剤を1滴落とし、即座に清浄な組織学的スライドを張り付けることによって、表面の試料を調製した。シアノアクリレート接着剤が急速に重合すること(30秒)により、痛みを伴わずに、均一な厚さの角質の外側部分(角質細胞4〜6層)の試料を採ることができる。側面から直接光を当てて顕微鏡(対物レンズ2.5×)を用いて試料を観察すると、微起伏のパラメータ(1次線、2次線、多角形など)を考慮に入れた評価が可能となった。
【0216】
有効組成物:以下のTable XVIII(表18)に見ることができるように、有効クリームを適用して30日後、微起伏の9.09%の改善が観察された。
【0217】
【表18】

【0218】
非処置および処置の皮膚を顕微鏡で観察すると、微起伏のパラメータにおける対照的な違いとなった。有効クリームで30日間処置した志願者は、多角形を形成する1次線および2次線の交わりを有する、皮膚の完全な組織化および構造を示した。処置前、これらの同じパラメータは認められず、換言すると皮膚の緊張線(皮膚の緊張の線)に沿って1次線および2次線の配向を代わりに示す脱水和した皮膚の状態であった。処置した志願者の皮膚の前および後の写真については図14を参照されたい。
【0219】
プラセボ組成物:以下のTable XIX(表19)に見ることができるように、プラセボを適用して30日後、微起伏の質の6.49%の低下が観察された。
【0220】
【表19】

【0221】
プラセボで30日間処置した志願者の皮膚を顕微鏡で観察すると、皮膚の緊張線に沿って1次線および2次線の整列を有する微起伏の変質、換言すると皮膚の著しい脱水和が示される。プラセボ処置した志願者の皮膚の前および後の写真については図15を参照されたい。
【0222】
この試験は、エキソポリサッカライドと調合されたクリームで、皮膚の微起伏の質における16%の増加を示していた。この違いを図16において説明する。
【0223】
この試験は、本発明のエキソポリサッカライドの剥離性の活性を証明したものであり、皮膚の微起伏を回復する一方で皮膚の剥離の改善を示す。皮膚の手触りははっきりと改善した。
【実施例11】
【0224】
EPS含有スキンケア組成物の抗汚染性質の臨床試験
臨床試験を行って、正常の使用の条件下で、Pol-5での抗汚染スキンケアの有効性を決定した。この目的では、大都市に在住する敏感肌を有する30歳から50歳の女性63人の志願者が登録し、このうち50%が喫煙者であった。志願者に、以下の実施例12に記載する抗汚染のスキンケアを4週間の間1日2回使用するよう指示し、その他の点では各自の化粧習慣を変更しないよう指示した。志願者は、D7およびD28に、2つの自己適用したアンケートを完了した。データ収集および材料の物流を郵便によって行った。
【0225】
回答者57人のアンケートにおいて特定のコメントを確認した:回答者は、クリームが適用しやすく、クリームに心地よい匂いがあり、クリームに心地よい手触りがあり、クリームは速やかに浸透し、満足な感触があり、皮膚を汚染から保護し、汚染による致死的な効果に対して戦い、健康的な外見効果をもたらし、皮膚をより美しくし、顔貌の曇りを少なくすることを見出した。
【0226】
Pol-5と調合されたクリームを4週間標準的に使用した後、70%を超えて好ましい意見を表していた。大多数の志願者(74.5%)が、製品を、ややよい(23.6%)、よい(34.5%)、または非常によい(16.75%)と評価した。残りの志願者のほとんどは、製品に対して中立的な意見を有した(21.8%)。
【実施例12】
【0227】
EPS含有スキンケア製剤
それだけには限定されないが、本発明のポリサッカライドは、少なくとも以下の成分を含有する製剤中に含まれてもよい。
【0228】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)を含み、EPSの濃度が組成物の約0.001%w/wから約1.5%w/wである、スキンケア組成物。
【請求項2】
微生物マットが海洋微生物マットである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのEPSが、微生物マットから単離された微生物の発酵によって産生される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1つのEPSが少なくとも2つのEPSを含み、各EPSは微生物マットから単離された異なる微生物から生じる、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1つのEPSが少なくとも2つのEPSを含み、各EPSは異なる微生物マットから生じる、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
微生物マットが仏領ポリネシアから生じる、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1つのEPSが化学的または物理的に修飾されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つのEPSが解重合している、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのEPSが天然のEPSである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1つのEPSが、硫酸化され、酢酸化され、乳酸化され、コハク酸化され、またはピルビン酸化されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
アンチエイジングのスキンケアにおいて用いるための、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
日焼け後のスキンケアにおいて用いるための、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
サンスクリーンのスキンケアにおいて用いるための、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1つの皮膚の老化徴候を防止または低減するために用いるための、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
水和を改善するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
角質層の形態を改善するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
皮膚の微起伏を改善するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
剥離を改善するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項19】
ケラチノサイトの分化を改善するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項20】
皮膚表面上の細菌の接着を低減するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項21】
細菌の菌株が表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)または黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
老化のヒト繊維芽細胞によるヒアルロン酸産生を刺激するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項23】
表皮の全脂質合成を刺激するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項24】
皮膚の剥離に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現を刺激するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項25】
遺伝子が、カリクレイン5、ニューロシン、または角質層キモトリプシン酵素である、請求項25に記載の組成物。
【請求項26】
ケラチノサイトの分化に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現を刺激するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項27】
遺伝子が、フィラグリン、ロリクリン、またはインボルクリンである、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
トランスグルタミナーゼの発現を刺激するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項29】
照射された皮膚細胞の細胞内脂質ペルオキシダーゼを低減するための、請求項14に記載の組成物。
【請求項30】
スキンケア組成物を製造するための、微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)の使用。
【請求項31】
スキンケア組成物が、アンチエイジングのスキンケア組成物、日焼け後のスキンケア組成物、または日焼け止めスキンケア組成物である、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
少なくとも1つの皮膚の老化徴候を防止または低減するための、微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)の使用。
【請求項33】
水和を改善するための、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
角質層の形態を改善するための、請求項32に記載の使用。
【請求項35】
皮膚の微起伏を改善するための、請求項32に記載の使用。
【請求項36】
剥離を改善するための、請求項32に記載の使用。
【請求項37】
ケラチノサイトの分化を改善するための、請求項32に記載の使用。
【請求項38】
皮膚表面上の細菌の付着を低減するための、請求項32に記載の使用。
【請求項39】
細菌の菌株が表皮ブドウ球菌または黄色ブドウ球菌である、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
老化のヒト繊維芽細胞によるヒアルロン酸産生を刺激するための、請求項32に記載の使用。
【請求項41】
表皮の全脂質合成を刺激するための、請求項32に記載の使用。
【請求項42】
皮膚の剥離に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現を刺激するための、請求項32に記載の使用。
【請求項43】
遺伝子が、カリクレイン5、ニューロシン、または角質層キモトリプシン酵素である、請求項42に記載の使用。
【請求項44】
ケラチノサイトの分化に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現を刺激するための、請求項32に記載の使用。
【請求項45】
遺伝子が、フィラグリン、ロリクリン、およびインボルクリンからなる群から選択される、請求項44に記載の使用。
【請求項46】
トランスグルタミナーゼの発現を刺激するための、請求項32に記載の使用。
【請求項47】
照射された皮膚細胞の細胞内脂質ペルオキシダーゼを低減するための、請求項32に記載の使用。
【請求項48】
対象の皮膚上の微生物マットから生じる少なくとも1つのエキソポリサッカライド(EPS)の有効量を含む組成物を投与する段階を含み、それによって皮膚の老化徴候が防止または低減される、対象における皮膚の老化徴候を防止または低減する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−516584(P2011−516584A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504293(P2011−504293)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000493
【国際公開番号】WO2009/127057
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(510273662)イノヴァクティヴ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】