心拍・呼吸センサおよびそれを用いた生体監視装置
【課題】 長時間にわたって使用しても被験者(特に新生児)に違和感を与えず、かつ心拍数や呼吸数を無侵襲かつ無拘束な状態で高感度に検出することができる簡易な構成からなる心拍・呼吸センサ等を提供する。
【解決手段】 心拍・呼吸センサ4は、複数の通気孔3が形成された可撓性を有する振動伝達板1と、振動伝達板1に取り付けられた圧電トランスデューサー2とを有する。
【解決手段】 心拍・呼吸センサ4は、複数の通気孔3が形成された可撓性を有する振動伝達板1と、振動伝達板1に取り付けられた圧電トランスデューサー2とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新生児等の被験者の心拍数や呼吸数等を検出する心拍・呼吸センサおよびそれを用いた生体監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康状態の優れない新生児は、病院の集中治療室で保育器の中に入れられて治療が行われる。その際、新生児に心電図電極を装着してその心拍数等が測定される。しかし、心電図電極を装着する際には新生児の皮脂をアルコールなどで取り除く必要があるため、心電図を用いた心拍数や呼吸数の測定は煩雑であるという問題がある。また、新生児は皮膚が比較的弱いために、心電図電極を長時間装着していると皮膚にかぶれが生じたり、さらには心電図電極を外す際に皮膚が剥がれたりしてしまうこともある。さらに、心電図による測定中に新生児が動いて心電図電極が脱落してしまうこともある。そのため、特に新生児の心拍数や呼吸数を測定する場合には、それらを無侵襲かつ無拘束な状態で測定できる装置を用いることが好ましい。
【0003】
従来から、測定対象の心拍数や呼吸数などの生体データを無侵襲かつ無拘束な状態で測定する装置としては特許文献1〜3に開示された装置が知られている。
【0004】
特許文献1には、マウス等の小動物用の心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置およびそれを用いた小動物用心拍・呼吸数測定システムが開示されている。図10は特許文献1に開示された小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置を示す斜視図である。図10に示すように、その体温保持装置は、絶縁性シート103間に挟まれた感圧センサ104とスペーサー106とが平板状発熱装置101の上に設けられた構造を有しており、平板状発熱装置101によって小動物用の体温を保持することに加え、感圧センサ104によってその心拍・呼吸数を検出することを可能にしている。
【0005】
また、特許文献2には、体重、心拍、呼吸、活動量、生命状態等に関する生体信号を検出する生体信号検出装置が開示されている。図11は特許文献2に開示された生体信号検出装置におけるセンサシートの要部断面図である。図11に示すセンサシート216は、上から順に積層された、第1の導電層224、誘電性を有する弾性絶縁層225、第2の導電層226、絶縁スペーサー227および第3の導電層228を有している。このセンサシート216によれば、センサシート216上の生体215の体動に伴って弾性絶縁層225の厚みが変化し、第1および第2の導電層224,226とその間の弾性絶縁層225とが成す静電容量が変動する。その静電容量の変動を検出することで、生体の体動(心拍数や呼吸数など)が検出される。また、絶縁スペーサー227が潰れて導電層226,228同士が接触しているか否か、すなわち導電層226,228間が導通しているか否かによって、センサシート216に生体の体圧が加えられているか否かが検出される。絶縁スペーサー227に代えて感圧抵抗層が用いられた場合には、体重に応じた詳細な体圧データが得られる。
【0006】
また、特許文献3には、就寝中の被験者の生体データを測定する被験者データ測定用エアマットが開示されている。図12は特許文献3に開示されたエアマットを示す斜視図である。図12に示すように、エアマットは、上生地302aと下生地(不図示)とを接着した接着部303が、互いに所定の間隔をおいて複数箇所に形成されている。エアマットの内部空間から延びたエア導入部305が圧力センサ(不図示)に連通しており、この圧力センサがエアマットの内部圧力変化を検出して被験者の生体データを測定するように構成されている。
【特許文献1】国際公開第03/067967号パンフレット
【特許文献2】特開平10−14889号公報
【特許文献3】特開2002−52009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
新生児は、成人に比べて身体(身長・体重)が小さい、皮膚が弱いために蒸れによるかぶれ等が生じやすい等の特殊な事情がある。そのため、特に新生児に用いられる心拍・呼吸センサは、保育器内においても長時間にわたって小さな身体に対して感度良く検出を行うことができ、かつ、かぶれ等を生じさせ難い構成を有していることが求められる。
【0008】
ところが、特許文献1に開示された小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置は、その平板状発熱装置が硬質であるため、その上に寝かされた新生児に違和感を与えて安静・熟睡を妨げてしまう。そのため、新生児の正確な心拍数や呼吸数を長時間にわたって安定して測定することはできない。また、平板状発熱装置に厚みがあるために体温保持装置全体としても厚みを帯びていることから、その体温保持装置を、保育器内で寝ている新生児の下に敷かれたタオルをめくってベッドとタオルとの間に挿入しようとする場合には、体温保持装置がタオルに引っかかってしまう。したがって、そのような場合には新生児を抱き上げた状態で体温保持装置を保育器内に設置しなければならず、その体温保持装置を保育器内の新生児に用いる場合には医師や看護師等にとって必ずしも利便性に優れているとはいえない。
【0009】
また、特許文献2に開示されたセンサシートは、圧縮されることで生体の体動(心拍数や呼吸数など)を検出するように構成されている。そのため、センサシートが硬質の台の上に設置されていて新生児がそのセンサシートに直接接触している場合には比較的感度良く検出することが可能である。しかし、そうすると上述のように新生児に違和感を与えて安静・熟睡を妨げてしまうため、実際にはセンサシートは柔らかい布団の上に設置して用いられ、さらにセンサシートと被験者(新生児)との間にはタオルを介在させている。ところが、その場合には生体の体動が布団やタオル等に吸収されてしまうため、センサシートの検出感度は大きく低下してしまう。このような事情から、特許文献2のセンサシートは、保育器内の新生児から呼吸・心拍データを得る用途に用いるには不向きであると言える。
【0010】
なお、上記の体温保持装置(特許文献1)やセンサシート(特許文献2)に通気性を持たせるために通気孔を形成する場合、各通気孔を大きくしたり通気孔の数を多くすると平板状発熱装置による発熱量が不足して体温保持装置の保温効果を損ねたり、センサシートの検出領域がその分だけ減少してセンサシートの検出精度が低下したりするおそれがあることから、形成できる通気孔の大きさや数には限度がある。そのため、上記の体温保持装置やセンサシートは、そのような構造上の理由により、新生児に用いる場合に十分な通気性を持たせることができない場合がある。また、これらに通気孔を形成する場合には、湿気等による誤作動を防止したり電極等が露出したりするのを防ぐために、その形成面を湿気等から保護する目的で防水膜等で覆う加工を施す必要があるため、その分だけ製造コストが増加してしまう。
【0011】
また、特許文献3のエアマットは、被験者が上に載っても潰れないような空気容積を備えている必要があることから、少なくとも数cmの厚みを有する。そのため、そのようなエアマットは狭い保育器内に設置して用いることには適していない。また、そのようなエアマットを、保育器内で寝ている新生児の下に敷かれているタオルをめくってベッドとシーツの間に挿入することは事実上不可能である。
【0012】
そこで本発明は、長時間にわたって使用しても被験者(特に新生児)に違和感を与えず、かつ心拍数や呼吸数を無侵襲かつ無拘束な状態で高感度に検出することができる簡素な構成からなる心拍・呼吸センサおよびそれを用いた生体監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の心拍・呼吸センサは、複数の通気孔が形成された可撓性を有する振動伝達板と、該振動伝達板に取り付けられた圧電トランスデューサーとを有する。
【0014】
圧電トランスデューサーはそれ自体が高感度に生体信号を検出することができるものであり、さらに振動伝達板は圧電トランスデューサーによる生体信号検出範囲を拡大する役割を有する。したがって、本発明の心拍・呼吸センサによれば、心拍・呼吸センサに近接する被験者から音や振動等として発せられる生体信号を振動伝達板で受け、それによって振動伝達板に生じた振動を圧電トランスデューサーで検出することで、被験者の生体信号を無侵襲かつ無拘束な状態で広く高感度に検出することが可能である。また、本発明の心拍・呼吸センサは被験者から発せられる生体信号を振動伝達板で受けるように構成されていることから、従来のセンサシート等とは異なり必ずしも硬い台の上に設置して使用する必要はないので、心拍・呼吸センサが柔らかい布団の上に設置されている場合、心拍・呼吸センサをタオル等で巻いて用いた場合、あるいは被験者が着衣のままであっても、生体信号を高感度に検出することが可能である。
【0015】
また、本発明の心拍・呼吸センサは振動伝達板に複数の通気孔が形成されている。従来のセンサシート等とは異なり、本発明の心拍・呼吸センサにおける振動伝達板には発熱装置や電極配線等が設けられていないので、振動伝達板に形成できる通気孔の数や大きさがそれらによって制限されることはない。そのため、本発明の構成では、振動伝達板に十分な通気性を得られる程度に通気孔を形成することが可能である。そのため、本心拍・呼吸センサの上に寝ている被験者が発汗したような場合であっても湿気がその通気孔を通って通気することから、被験者に蒸れによるかぶれ等を生じさせない。
【0016】
さらに、本発明の心拍・呼吸センサは振動伝達板が可撓性を有していることから、心拍・呼吸センサの上で寝ている被験者が寝返りを打ったりして動いた場合には振動伝達板がその動きに応じて変形するため、被験者に違和感を与えることはない。したがって、被験者の安静や睡眠を妨げることなく、長時間にわたって生体信号を検出することが可能である。
【0017】
加えて、本発明の心拍・呼吸センサは振動伝達板とそれに取り付けられた圧電トランスデューサーとで構成されるものであり、簡素な薄いシート状に形成することができる。そのため、例えば保育器内で寝ている新生児の下に敷かれているタオルをめくって心拍・呼吸センサを挿入することが可能である。
【0018】
さらに、前記振動伝達板は隅部が丸みを帯びた形状を有している構成としてもよい。これにより、本心拍・呼吸センサを保育器内で寝ている新生児の下に敷かれているタオルをめくって挿入するような場合に、心拍・呼吸センサをタオルにより引っかかり難くすることができる。
【0019】
また、前記振動伝達板には、前記圧電トランスデューサーが取り付けられている位置を示す位置合わせ線が描かれている構成としてもよい。これにより、目視によって、圧電トランスデューサーを被験者の胸部の下などの所望の測定部位により正確に配置することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明の心拍・呼吸センサは、タオル地からなるカバーが装着されており、該カバーには前記心拍・呼吸センサに装着されたときに前記圧電トランスデューサーの位置を示す位置合わせ線が描かれている構成としてもよい。心拍・呼吸センサはその可撓性により新生児の体重によって新生児の体型に馴染むように変形し、さらにカバーはそのクッション効果によって心拍・呼吸センサと新生児との間で緩衝の役目を果たすことから、心拍・呼吸センサはカバーを装着して使用しても新生児に違和感を与えない。また、圧電トランスデューサーは、圧力や振動のみならず音も検出できる程度に高感度であることから、心拍・呼吸センサにカバーを装着して新生児の身体の下に置いた場合でも、その心拍や呼吸を十分に検出することが可能である。さらにこのように使用した場合には、心拍・呼吸センサの周囲にカバーによって通気空間が形成される。そのため、新生児が発汗して生じた湿気をそれらの空間および心拍・呼吸センサの通気孔を通して拡散できるので、新生児の皮膚のかぶれを防ぐことができる。さらに、カバーに位置合わせ線が描かれていることにより、心拍・呼吸センサにカバーを装着した場合でも、圧電トランスデューサーを被験者の胸部の下などの所望の測定部位により正確に配置することが可能となる。
【0021】
また、本発明の生体監視装置は、上記本発明の心拍・呼吸センサと、前記心拍・呼吸センサの出力信号から心音信号および呼吸信号を分離するフィルタ回路と、前記心音信号および前記呼吸信号を表示するモニタとを有する。
【0022】
本発明の生体監視装置によれば、心拍・呼吸センサで検出した生体信号から心音信号および呼吸信号が取り出され、それらがモニタに表示されることから、モニタでそれらの信号を監視することで被験者の心拍数や呼吸数を監視することができる。さらには、特に心音信号を睡眠時間中の間継続して記録して得られる睡眠データには、被験者の体動による大振幅の信号、心音信号、および無信号等が含まれることから、それらを解析することで、被験者の睡眠状態や睡眠パターンの簡易的な解析を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、長時間にわたって使用しても被験者(特に新生児)に違和感を与えず、かつ心拍数や呼吸数を無侵襲かつ無拘束な状態で高感度に検出することができる簡素な構成からなる心拍・呼吸センサおよびそれを用いた生体監視装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
<心拍・呼吸センサ>
図1は本発明に係る心拍・呼吸センサの一実施形態を示す図であり、図1(a)はその平面図、図1(b)はその断面図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の心拍・呼吸センサである心拍・呼吸センサ4は、可撓性を有する振動伝達板1と、振動伝達板1の裏面側の中央部に接着剤などによって取り付けられた圧電トランスデューサー2とを有している。振動伝達板1の、圧電トランスデューサー2が取り付けられている領域以外の領域には、複数の通気孔3が形成されている。さらに、振動伝達板1の裏面側には少なくとも圧電トランスデューサー2とそれから延びるリード2aとを覆う絶縁膜5が形成されている。この絶縁膜5は、振動伝達板1の通気孔3を覆わないように、通気孔3に対応する部分はくり貫かれている。
【0027】
振動伝達板1は薄いシート状のプラスチック樹脂等からなり、その大きさは、例えば縦200mm、横100mm、厚み1mmである。なお、その厚みは振動伝達板1の素材の硬さに応じて適宜選択することが可能である。
【0028】
また、圧電トランスデューサー2は円形形状を有しており、その大きさは例えば直径27mm、厚み0.5mmである。したがって、本実施形態の心拍・呼吸センサ4の厚みは、絶縁膜5の厚みを考慮しても、圧電トランスデューサー2が配置されている部分で約1.5mm程度、圧電トランスデューサー2が配置されていない部分で約1mm程度である。なお、圧電トランスデューサー2には例えばピエゾセラミックからなるものを用いることができる。
【0029】
上記のように構成された本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、例えば保育器内で寝ている新生児の下に敷いたタオルとその下のベッド布団との間に設置して使用される。心拍・呼吸センサ4は、新生児の心拍や呼吸を良好に検出できるように、新生児の胸部の下方に位置決めした状態で設置されていることが好ましい。心拍・呼吸センサ4がこのように設置された状態では、新生児の心音や呼吸音によって振動伝達板1が振動させられ、その振動が圧電トランスデューサー2に伝達される。圧電トランスデューサー2は、その振動によって自身に生じる歪みを電気信号に変換して、リード2aを介して後述する生体監視装置にその電気信号を出力する。このように、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、振動伝達板1に生じた振動を圧電トランスデューサー2で電気信号に変換することで新生児の心音や呼吸音を検出するように構成されているので、被験者によって加えられる圧力に基づいてそれらの検出を行う従来のセンサシートやエアマットとは異なり、センサが柔らかい布団の上に設置されている場合であっても心拍や呼吸を感度良く検出することができる。
【0030】
なお、仮に圧電トランスデューサー2を単体で新生児の下に設置した場合には、圧電トランスデューサー2の大きさの領域でしか心音や呼吸音を検出することができず、新生児が保育器内で寝返りを打つことなどによって少しでも移動すると、それらを検出することができなくなる。したがって、圧電トランスデューサー2を単体で用いようとすると、より広い領域での検出を良好に行うためには大型の圧電トランスデューサー2を用いる必要がある。ところが、圧電トランスデューサー2には可撓性が無いため、大型の圧電トランスデューサー2を新生児の下に設置すると新生児に違和感を与えてしまう。これに対し、本実施形態は可撓性を有する振動伝達板1を備えていることにより、比較的小型の圧電トランスデューサー2を用いても心音や呼吸音を広い領域において検出することが可能になっている。さらに、この場合には圧電トランスデューサー2が比較的小型であることから、新生児に違和感を与えることもない。
【0031】
また、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、上記のように最も厚い部分でも約1.5mm程度の厚みしかないので、保育器内で寝ている新生児の下に敷かれたタオルをめくってベッドとタオルとの間に心拍・呼吸センサ4を挿入することを容易に行うことが可能である。さらに、振動伝達板1は可撓性を有するので、心拍・呼吸センサ4の上で寝ている新生児が寝返りを打ったりして動いた場合には、振動伝達板1がその動きに応じて変形するため、新生児に違和感を与えることはない。加えて、振動伝達板1には複数の通気孔3が形成されており、これらは心拍・呼吸センサ4の表裏面の間で湿気を通す役割を果たすので、新生児の下に心拍・呼吸センサ4が配置されていても、新生児が自身の寝汗などで蒸れてかぶれを生じることはない。
【0032】
従来のセンサシート等とは異なり、本実施形態の振動伝達板1は発熱素子や配線電極等が設けられていない簡素な構成であることから、通気孔3は、圧電トランスデューサー2が設けられている領域以外なら自由に配置することができる。したがって、通気孔3の大きさや数を新生児に蒸れが生じない程度に設定することが可能である。なお、振動伝達板1に通気目的で形成できるのは通気孔3の形態に限られず、それに代えて振動伝達板1を例えば格子状や網状に構成して通気可能にしてもよい。
【0033】
また、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、振動伝達板1と圧電トランスデューサー2とからなる簡素な構成からなり、さらに圧電トランスデューサー2は絶縁膜5で保護されていることから、アルコール消毒を容易に行うことができる。したがって、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は清潔に保つことが容易であり、特に清潔さが求められる保育器内での使用に適している。さらに、振動伝達板1や絶縁膜5の材質に耐熱性や耐薬品性を有しているものを用いれば、その他の滅菌・消毒手段も適用可能である。
【0034】
図2は、図1に示した心拍・呼吸センサの一変形例を示す平面図である。図2に示す心拍・呼吸センサ4の上面側には、心拍・呼吸センサ4における圧電トランスデューサー2の位置を示す目印となる位置合わせ線11aが描かれている。これにより、目視によって、圧電トランスデューサー2を新生児の胸部の下などの所望の測定部位により正確に配置することが可能である。なお、位置合わせ線11aが比較的濃い色で描かれていると、心拍・呼吸センサ4をタオルやシーツの下に挿入した場合でもそれらの上から位置合わせ線11aを透かして視認することが容易になる。
【0035】
図3は、図1に示した心拍・呼吸センサの他の変形例を示す平面図である。図2に示す心拍・呼吸センサ4は隅部が丸み4aを帯びた形状になっている。これにより、心拍・呼吸センサ4をタオルやシーツの下に挿入する際に心拍・呼吸センサ4がそれらに引っかかり難くなるので、心拍・呼吸センサ4をタオルやシーツの下に一層容易に挿入することができる。
【0036】
図4は、本実施形態の心拍・呼吸センサをタオルで巻いて新生児の下に配置した状態を示す斜視図である。なお、図4では図2に示した形態の心拍・呼吸センサ4を用いた例を示している。
【0037】
上述したように、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は薄くて可撓性を有する構成であるので、タオル6で巻いて新生児7の身体の下に置いて使用することもできる。心拍・呼吸センサ4は新生児7の体重によって新生児7の体型に馴染むように変形し、さらにはタオル6はそのクッション効果によって心拍・呼吸センサ4と新生児7との間で緩衝の役目を果たすことから、心拍・呼吸センサ4はこのように使用されても新生児7に違和感を与えない。また、圧電トランスデューサー2は、圧力や振動のみならず音も検出できる程度に高感度であることから、心拍・呼吸センサ4をタオル6で巻いて新生児7の身体の下に置いた場合でも、その心拍や呼吸を十分に検出することが可能である。
【0038】
さらにこの場合には、図5に示すように、心拍・呼吸センサ4の周囲にタオル6によって通気空間が形成される。そのため、新生児7が発汗して生じた湿気をそれらの空間および心拍・呼吸センサ4の通気孔3を通して矢印のように拡散できるので、新生児7の皮膚のかぶれを防ぐことができる。
【0039】
さらには、心拍・呼吸センサ4をタオル6で巻くことに代えて、図6に示すような専用のタオルカバー19を用いてもよい。このタオルカバー19は心拍・呼吸センサ4を収容する袋状の形状に予め形成されている。心拍・呼吸センサ4をタオル6で巻く場合には、その巻き方によっては通気効果や生体信号の検出が不安定になることもあるが、専用のタオルカバー19を用いればそのような問題が生じることを防ぐことができる。さらに、タオルカバー19の表面には位置合わせ線11bが描かれている。タオルカバー19の位置合わせ線11bは、タオルカバー19内に心拍・呼吸センサ4を収納したときにその圧電トランスデューサー2の位置を示すものである。そのため、タオルカバー19を用いた場合でも、新生児7に対して所望の位置に心拍・呼吸センサ4の圧電トランスデューサー2を配置することができる。
【0040】
<生体監視装置>
図7は、上述した心拍・呼吸センサから出力される信号に基づいて心拍数および呼吸数等を監視することを可能にする生体監視装置を示すブロック図である。
【0041】
図7に示す生体監視装置は、心拍・呼吸センサ4から出力される信号がそれぞれ入力される2つのバンドパスフィルタ9,10と、各バンドパスフィルタ9,10を通過した信号の波形等を表示するモニタ14とを有している。バンドパスフィルタ9は人の心音信号の周波数帯域を通過させる特性を有し、バンドパスフィルタ10は人の呼吸信号の周波数帯域を通過させる特性を有している。したがって、心拍・呼吸センサ4から出力された信号(図8(a))がバンドパスフィルタ9を通過すると心音信号(図8(b))が分離され、バンドパスフィルタ10を通過すると呼吸信号(図8(c))が分離される。モニタ14は、それらの心音信号および呼吸信号の波形を、それらの波形から得られる単位時間当たりの心拍数および呼吸数と共に表示する。この心音信号によればI音、II音を明瞭に観察できることから、本生体監視装置は心機能の解析による医学研究への応用も可能である。
【0042】
また、本実施形態の生体監視装置は、新生児のみならず、成人、老人、あるいは被介護者を対象として用いることができる。例えば、就寝時に被験者の身体の下に心拍・呼吸センサ4を置くことにより、被験者の心拍数と呼吸数をモニタすることができると共に、その睡眠状態や睡眠パターンの簡易的な解析を行うことができる。
【0043】
被験者の心拍数と呼吸数は、モニタ14に表示される心音信号および呼吸信号の波形と心拍数および呼吸数とを適時監視することで知得することができる。また、睡眠状態や睡眠パターンは、心拍・呼吸センサ4から出力された信号(図8(a))がバンドパスフィルタ9を通過して得られる心音信号(図8(b))を睡眠時間中の間継続して記録したデータに基づいて解析することが可能である。図9は、心音信号を睡眠時間中の間継続して記録して得られた睡眠データを示している。この睡眠データにおいて、符号16は被験者の体動による大振幅の信号を示し、符号17はその心音信号を示し、符号18は無信号状態を示している。心音信号17は複数の異なる振幅からなる情報を含んでいる。
【0044】
上記の各信号は、それぞれ次のような状態を示している。大振幅の信号16は、被験者の体動や寝返り、あるいは筋肉の収縮を示している。比較的長く持続する一定の振幅の心音信号17は、睡眠段階3から4の深い睡眠を示している。心音信号17の中に大振幅の信号16が比較的多く現れる期間は、睡眠段階1から2の軽睡眠もしくはREM睡眠を示している。なお、心音信号17の振幅の変化は、体位の変化もしくは身体の移動を示している。無信号18は、被験者の身体が心拍・呼吸センサ4の検出領域外まで大幅に移動したことを示しており、この場合は被験者がベッドから落下したか、あるいはベッドから降りて徘徊していること等が考えられる。したがって、得られた睡眠データからそれらの信号を読み取ることで、簡易的に睡眠の状態を判定することができる。
【0045】
上述してきた本実施形態の心拍・呼吸センサ4およびそれを用いた生体監視装置によれば、心電図電極を新生児に装着することにより生じうる様々な障害を回避できるうえに、心電図電極装着の手間を省くことができるために即時に、新生児に違和感を与えることなく全く非侵襲的に必要な心拍や呼吸等の監視を行うことができる。実際上、重症な新生児以外は心電図記録は必要では無く、本実施形態の装置による監視で十分なことが多い。さらに本実施形態の装置によれば、心拍・呼吸センサ4に高感度な圧電トランスデューサー2を用いていることから、保育器内で行うことが難しい聴診を常時行っているのと同様の効果を得られ、実際に心雑音もモニタ14上で確認することができる。
【0046】
また、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、表面が滑らかで薄い形状を有しているため、保育器内に新生児を寝かせた後からでも新生児の身体の下に容易に挿入することができる。圧電トランスデューサー2はそれ自体が高感度で生体信号を検出することができるものであり、さらに薄い振動伝達板1は圧電トランスデューサー2による生体信号検出範囲を拡大する役割を有している。これにより、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、タオル6等で巻いても、被験者が着衣のままでも、あるいは心拍・呼吸センサ4が柔らかい布団の上に設置されている場合であっても、生体信号を高感度に検出することが可能になっている。また、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、基本的に圧電トランスデューサー2とそれが取り付けられる振動伝達板1とからなる単純な構成であるため、その製造コストを低く抑えることができることから、幅広い応用が考えられ広く市場性を獲得できる可能性がある。
【0047】
本実施形態の心拍・呼吸センサ4およびそれを用いた生体監視装置は、新生児のみならず、成人、老人、被介護者に対しても、そのままの構成で用いることができる。そのため、心拍・呼吸センサ4を用いた生体監視装置は、現在需要が高まっている家庭内で使用できる健康管理器具(例えば睡眠状態や睡眠パターンを監視する装置)として、これまで提案されているような複雑なシステムとは異なり簡便でかつ低コストで提供することができる。さらに、本実施形態の生体監視装置は被介護者の健康管理や徘徊老人の徘徊の確認などにも応用することができる。さらなる応用としては、各種移動手段(自動車、電車、航空機など)の運転手の座席に心拍・呼吸センサ4を設置して健康状態を監視することや、病院の診察室の患者用椅子の背に心拍・呼吸センサ4を設置して、患者が衣服を脱ぐことなくその聴診を行うことができるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る心拍・呼吸センサの一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示した心拍・呼吸センサの一変形例を示す平面図である。
【図3】図1に示した心拍・呼吸センサの他の変形例を示す平面図である。
【図4】本実施形態の心拍・呼吸センサをタオルで巻いて新生児の下に配置した状態を示す図である。
【図5】本実施形態の心拍・呼吸センサをタオルで巻いて新生児の下に配置した状態を示す図である。
【図6】本実施形態の心拍・呼吸センサの専用のタオルカバーを示す図である。
【図7】心拍・呼吸センサから出力される信号に基づいて心拍数および呼吸数等を監視することを可能にする生体監視装置を示すブロック図である。
【図8】心拍・呼吸センサから出力される信号、心音信号および呼吸信号の波形を示す図である。
【図9】心音信号を睡眠時間中の間継続して記録して得られた睡眠データを示す図である。
【図10】従来の小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置を示す斜視図である。
【図11】従来の生体信号検出装置におけるセンサシートの要部断面図である。
【図12】従来の就寝中の被験者の生体データを測定する被験者データ測定用エアマットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1 振動伝達板
2 圧電トランスデューサー
3 通気孔
4 心拍・呼吸センサ
5 絶縁膜
9,10 バンドパスフィルタ
14 モニタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、新生児等の被験者の心拍数や呼吸数等を検出する心拍・呼吸センサおよびそれを用いた生体監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康状態の優れない新生児は、病院の集中治療室で保育器の中に入れられて治療が行われる。その際、新生児に心電図電極を装着してその心拍数等が測定される。しかし、心電図電極を装着する際には新生児の皮脂をアルコールなどで取り除く必要があるため、心電図を用いた心拍数や呼吸数の測定は煩雑であるという問題がある。また、新生児は皮膚が比較的弱いために、心電図電極を長時間装着していると皮膚にかぶれが生じたり、さらには心電図電極を外す際に皮膚が剥がれたりしてしまうこともある。さらに、心電図による測定中に新生児が動いて心電図電極が脱落してしまうこともある。そのため、特に新生児の心拍数や呼吸数を測定する場合には、それらを無侵襲かつ無拘束な状態で測定できる装置を用いることが好ましい。
【0003】
従来から、測定対象の心拍数や呼吸数などの生体データを無侵襲かつ無拘束な状態で測定する装置としては特許文献1〜3に開示された装置が知られている。
【0004】
特許文献1には、マウス等の小動物用の心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置およびそれを用いた小動物用心拍・呼吸数測定システムが開示されている。図10は特許文献1に開示された小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置を示す斜視図である。図10に示すように、その体温保持装置は、絶縁性シート103間に挟まれた感圧センサ104とスペーサー106とが平板状発熱装置101の上に設けられた構造を有しており、平板状発熱装置101によって小動物用の体温を保持することに加え、感圧センサ104によってその心拍・呼吸数を検出することを可能にしている。
【0005】
また、特許文献2には、体重、心拍、呼吸、活動量、生命状態等に関する生体信号を検出する生体信号検出装置が開示されている。図11は特許文献2に開示された生体信号検出装置におけるセンサシートの要部断面図である。図11に示すセンサシート216は、上から順に積層された、第1の導電層224、誘電性を有する弾性絶縁層225、第2の導電層226、絶縁スペーサー227および第3の導電層228を有している。このセンサシート216によれば、センサシート216上の生体215の体動に伴って弾性絶縁層225の厚みが変化し、第1および第2の導電層224,226とその間の弾性絶縁層225とが成す静電容量が変動する。その静電容量の変動を検出することで、生体の体動(心拍数や呼吸数など)が検出される。また、絶縁スペーサー227が潰れて導電層226,228同士が接触しているか否か、すなわち導電層226,228間が導通しているか否かによって、センサシート216に生体の体圧が加えられているか否かが検出される。絶縁スペーサー227に代えて感圧抵抗層が用いられた場合には、体重に応じた詳細な体圧データが得られる。
【0006】
また、特許文献3には、就寝中の被験者の生体データを測定する被験者データ測定用エアマットが開示されている。図12は特許文献3に開示されたエアマットを示す斜視図である。図12に示すように、エアマットは、上生地302aと下生地(不図示)とを接着した接着部303が、互いに所定の間隔をおいて複数箇所に形成されている。エアマットの内部空間から延びたエア導入部305が圧力センサ(不図示)に連通しており、この圧力センサがエアマットの内部圧力変化を検出して被験者の生体データを測定するように構成されている。
【特許文献1】国際公開第03/067967号パンフレット
【特許文献2】特開平10−14889号公報
【特許文献3】特開2002−52009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
新生児は、成人に比べて身体(身長・体重)が小さい、皮膚が弱いために蒸れによるかぶれ等が生じやすい等の特殊な事情がある。そのため、特に新生児に用いられる心拍・呼吸センサは、保育器内においても長時間にわたって小さな身体に対して感度良く検出を行うことができ、かつ、かぶれ等を生じさせ難い構成を有していることが求められる。
【0008】
ところが、特許文献1に開示された小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置は、その平板状発熱装置が硬質であるため、その上に寝かされた新生児に違和感を与えて安静・熟睡を妨げてしまう。そのため、新生児の正確な心拍数や呼吸数を長時間にわたって安定して測定することはできない。また、平板状発熱装置に厚みがあるために体温保持装置全体としても厚みを帯びていることから、その体温保持装置を、保育器内で寝ている新生児の下に敷かれたタオルをめくってベッドとタオルとの間に挿入しようとする場合には、体温保持装置がタオルに引っかかってしまう。したがって、そのような場合には新生児を抱き上げた状態で体温保持装置を保育器内に設置しなければならず、その体温保持装置を保育器内の新生児に用いる場合には医師や看護師等にとって必ずしも利便性に優れているとはいえない。
【0009】
また、特許文献2に開示されたセンサシートは、圧縮されることで生体の体動(心拍数や呼吸数など)を検出するように構成されている。そのため、センサシートが硬質の台の上に設置されていて新生児がそのセンサシートに直接接触している場合には比較的感度良く検出することが可能である。しかし、そうすると上述のように新生児に違和感を与えて安静・熟睡を妨げてしまうため、実際にはセンサシートは柔らかい布団の上に設置して用いられ、さらにセンサシートと被験者(新生児)との間にはタオルを介在させている。ところが、その場合には生体の体動が布団やタオル等に吸収されてしまうため、センサシートの検出感度は大きく低下してしまう。このような事情から、特許文献2のセンサシートは、保育器内の新生児から呼吸・心拍データを得る用途に用いるには不向きであると言える。
【0010】
なお、上記の体温保持装置(特許文献1)やセンサシート(特許文献2)に通気性を持たせるために通気孔を形成する場合、各通気孔を大きくしたり通気孔の数を多くすると平板状発熱装置による発熱量が不足して体温保持装置の保温効果を損ねたり、センサシートの検出領域がその分だけ減少してセンサシートの検出精度が低下したりするおそれがあることから、形成できる通気孔の大きさや数には限度がある。そのため、上記の体温保持装置やセンサシートは、そのような構造上の理由により、新生児に用いる場合に十分な通気性を持たせることができない場合がある。また、これらに通気孔を形成する場合には、湿気等による誤作動を防止したり電極等が露出したりするのを防ぐために、その形成面を湿気等から保護する目的で防水膜等で覆う加工を施す必要があるため、その分だけ製造コストが増加してしまう。
【0011】
また、特許文献3のエアマットは、被験者が上に載っても潰れないような空気容積を備えている必要があることから、少なくとも数cmの厚みを有する。そのため、そのようなエアマットは狭い保育器内に設置して用いることには適していない。また、そのようなエアマットを、保育器内で寝ている新生児の下に敷かれているタオルをめくってベッドとシーツの間に挿入することは事実上不可能である。
【0012】
そこで本発明は、長時間にわたって使用しても被験者(特に新生児)に違和感を与えず、かつ心拍数や呼吸数を無侵襲かつ無拘束な状態で高感度に検出することができる簡素な構成からなる心拍・呼吸センサおよびそれを用いた生体監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の心拍・呼吸センサは、複数の通気孔が形成された可撓性を有する振動伝達板と、該振動伝達板に取り付けられた圧電トランスデューサーとを有する。
【0014】
圧電トランスデューサーはそれ自体が高感度に生体信号を検出することができるものであり、さらに振動伝達板は圧電トランスデューサーによる生体信号検出範囲を拡大する役割を有する。したがって、本発明の心拍・呼吸センサによれば、心拍・呼吸センサに近接する被験者から音や振動等として発せられる生体信号を振動伝達板で受け、それによって振動伝達板に生じた振動を圧電トランスデューサーで検出することで、被験者の生体信号を無侵襲かつ無拘束な状態で広く高感度に検出することが可能である。また、本発明の心拍・呼吸センサは被験者から発せられる生体信号を振動伝達板で受けるように構成されていることから、従来のセンサシート等とは異なり必ずしも硬い台の上に設置して使用する必要はないので、心拍・呼吸センサが柔らかい布団の上に設置されている場合、心拍・呼吸センサをタオル等で巻いて用いた場合、あるいは被験者が着衣のままであっても、生体信号を高感度に検出することが可能である。
【0015】
また、本発明の心拍・呼吸センサは振動伝達板に複数の通気孔が形成されている。従来のセンサシート等とは異なり、本発明の心拍・呼吸センサにおける振動伝達板には発熱装置や電極配線等が設けられていないので、振動伝達板に形成できる通気孔の数や大きさがそれらによって制限されることはない。そのため、本発明の構成では、振動伝達板に十分な通気性を得られる程度に通気孔を形成することが可能である。そのため、本心拍・呼吸センサの上に寝ている被験者が発汗したような場合であっても湿気がその通気孔を通って通気することから、被験者に蒸れによるかぶれ等を生じさせない。
【0016】
さらに、本発明の心拍・呼吸センサは振動伝達板が可撓性を有していることから、心拍・呼吸センサの上で寝ている被験者が寝返りを打ったりして動いた場合には振動伝達板がその動きに応じて変形するため、被験者に違和感を与えることはない。したがって、被験者の安静や睡眠を妨げることなく、長時間にわたって生体信号を検出することが可能である。
【0017】
加えて、本発明の心拍・呼吸センサは振動伝達板とそれに取り付けられた圧電トランスデューサーとで構成されるものであり、簡素な薄いシート状に形成することができる。そのため、例えば保育器内で寝ている新生児の下に敷かれているタオルをめくって心拍・呼吸センサを挿入することが可能である。
【0018】
さらに、前記振動伝達板は隅部が丸みを帯びた形状を有している構成としてもよい。これにより、本心拍・呼吸センサを保育器内で寝ている新生児の下に敷かれているタオルをめくって挿入するような場合に、心拍・呼吸センサをタオルにより引っかかり難くすることができる。
【0019】
また、前記振動伝達板には、前記圧電トランスデューサーが取り付けられている位置を示す位置合わせ線が描かれている構成としてもよい。これにより、目視によって、圧電トランスデューサーを被験者の胸部の下などの所望の測定部位により正確に配置することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明の心拍・呼吸センサは、タオル地からなるカバーが装着されており、該カバーには前記心拍・呼吸センサに装着されたときに前記圧電トランスデューサーの位置を示す位置合わせ線が描かれている構成としてもよい。心拍・呼吸センサはその可撓性により新生児の体重によって新生児の体型に馴染むように変形し、さらにカバーはそのクッション効果によって心拍・呼吸センサと新生児との間で緩衝の役目を果たすことから、心拍・呼吸センサはカバーを装着して使用しても新生児に違和感を与えない。また、圧電トランスデューサーは、圧力や振動のみならず音も検出できる程度に高感度であることから、心拍・呼吸センサにカバーを装着して新生児の身体の下に置いた場合でも、その心拍や呼吸を十分に検出することが可能である。さらにこのように使用した場合には、心拍・呼吸センサの周囲にカバーによって通気空間が形成される。そのため、新生児が発汗して生じた湿気をそれらの空間および心拍・呼吸センサの通気孔を通して拡散できるので、新生児の皮膚のかぶれを防ぐことができる。さらに、カバーに位置合わせ線が描かれていることにより、心拍・呼吸センサにカバーを装着した場合でも、圧電トランスデューサーを被験者の胸部の下などの所望の測定部位により正確に配置することが可能となる。
【0021】
また、本発明の生体監視装置は、上記本発明の心拍・呼吸センサと、前記心拍・呼吸センサの出力信号から心音信号および呼吸信号を分離するフィルタ回路と、前記心音信号および前記呼吸信号を表示するモニタとを有する。
【0022】
本発明の生体監視装置によれば、心拍・呼吸センサで検出した生体信号から心音信号および呼吸信号が取り出され、それらがモニタに表示されることから、モニタでそれらの信号を監視することで被験者の心拍数や呼吸数を監視することができる。さらには、特に心音信号を睡眠時間中の間継続して記録して得られる睡眠データには、被験者の体動による大振幅の信号、心音信号、および無信号等が含まれることから、それらを解析することで、被験者の睡眠状態や睡眠パターンの簡易的な解析を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、長時間にわたって使用しても被験者(特に新生児)に違和感を与えず、かつ心拍数や呼吸数を無侵襲かつ無拘束な状態で高感度に検出することができる簡素な構成からなる心拍・呼吸センサおよびそれを用いた生体監視装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
<心拍・呼吸センサ>
図1は本発明に係る心拍・呼吸センサの一実施形態を示す図であり、図1(a)はその平面図、図1(b)はその断面図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の心拍・呼吸センサである心拍・呼吸センサ4は、可撓性を有する振動伝達板1と、振動伝達板1の裏面側の中央部に接着剤などによって取り付けられた圧電トランスデューサー2とを有している。振動伝達板1の、圧電トランスデューサー2が取り付けられている領域以外の領域には、複数の通気孔3が形成されている。さらに、振動伝達板1の裏面側には少なくとも圧電トランスデューサー2とそれから延びるリード2aとを覆う絶縁膜5が形成されている。この絶縁膜5は、振動伝達板1の通気孔3を覆わないように、通気孔3に対応する部分はくり貫かれている。
【0027】
振動伝達板1は薄いシート状のプラスチック樹脂等からなり、その大きさは、例えば縦200mm、横100mm、厚み1mmである。なお、その厚みは振動伝達板1の素材の硬さに応じて適宜選択することが可能である。
【0028】
また、圧電トランスデューサー2は円形形状を有しており、その大きさは例えば直径27mm、厚み0.5mmである。したがって、本実施形態の心拍・呼吸センサ4の厚みは、絶縁膜5の厚みを考慮しても、圧電トランスデューサー2が配置されている部分で約1.5mm程度、圧電トランスデューサー2が配置されていない部分で約1mm程度である。なお、圧電トランスデューサー2には例えばピエゾセラミックからなるものを用いることができる。
【0029】
上記のように構成された本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、例えば保育器内で寝ている新生児の下に敷いたタオルとその下のベッド布団との間に設置して使用される。心拍・呼吸センサ4は、新生児の心拍や呼吸を良好に検出できるように、新生児の胸部の下方に位置決めした状態で設置されていることが好ましい。心拍・呼吸センサ4がこのように設置された状態では、新生児の心音や呼吸音によって振動伝達板1が振動させられ、その振動が圧電トランスデューサー2に伝達される。圧電トランスデューサー2は、その振動によって自身に生じる歪みを電気信号に変換して、リード2aを介して後述する生体監視装置にその電気信号を出力する。このように、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、振動伝達板1に生じた振動を圧電トランスデューサー2で電気信号に変換することで新生児の心音や呼吸音を検出するように構成されているので、被験者によって加えられる圧力に基づいてそれらの検出を行う従来のセンサシートやエアマットとは異なり、センサが柔らかい布団の上に設置されている場合であっても心拍や呼吸を感度良く検出することができる。
【0030】
なお、仮に圧電トランスデューサー2を単体で新生児の下に設置した場合には、圧電トランスデューサー2の大きさの領域でしか心音や呼吸音を検出することができず、新生児が保育器内で寝返りを打つことなどによって少しでも移動すると、それらを検出することができなくなる。したがって、圧電トランスデューサー2を単体で用いようとすると、より広い領域での検出を良好に行うためには大型の圧電トランスデューサー2を用いる必要がある。ところが、圧電トランスデューサー2には可撓性が無いため、大型の圧電トランスデューサー2を新生児の下に設置すると新生児に違和感を与えてしまう。これに対し、本実施形態は可撓性を有する振動伝達板1を備えていることにより、比較的小型の圧電トランスデューサー2を用いても心音や呼吸音を広い領域において検出することが可能になっている。さらに、この場合には圧電トランスデューサー2が比較的小型であることから、新生児に違和感を与えることもない。
【0031】
また、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、上記のように最も厚い部分でも約1.5mm程度の厚みしかないので、保育器内で寝ている新生児の下に敷かれたタオルをめくってベッドとタオルとの間に心拍・呼吸センサ4を挿入することを容易に行うことが可能である。さらに、振動伝達板1は可撓性を有するので、心拍・呼吸センサ4の上で寝ている新生児が寝返りを打ったりして動いた場合には、振動伝達板1がその動きに応じて変形するため、新生児に違和感を与えることはない。加えて、振動伝達板1には複数の通気孔3が形成されており、これらは心拍・呼吸センサ4の表裏面の間で湿気を通す役割を果たすので、新生児の下に心拍・呼吸センサ4が配置されていても、新生児が自身の寝汗などで蒸れてかぶれを生じることはない。
【0032】
従来のセンサシート等とは異なり、本実施形態の振動伝達板1は発熱素子や配線電極等が設けられていない簡素な構成であることから、通気孔3は、圧電トランスデューサー2が設けられている領域以外なら自由に配置することができる。したがって、通気孔3の大きさや数を新生児に蒸れが生じない程度に設定することが可能である。なお、振動伝達板1に通気目的で形成できるのは通気孔3の形態に限られず、それに代えて振動伝達板1を例えば格子状や網状に構成して通気可能にしてもよい。
【0033】
また、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、振動伝達板1と圧電トランスデューサー2とからなる簡素な構成からなり、さらに圧電トランスデューサー2は絶縁膜5で保護されていることから、アルコール消毒を容易に行うことができる。したがって、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は清潔に保つことが容易であり、特に清潔さが求められる保育器内での使用に適している。さらに、振動伝達板1や絶縁膜5の材質に耐熱性や耐薬品性を有しているものを用いれば、その他の滅菌・消毒手段も適用可能である。
【0034】
図2は、図1に示した心拍・呼吸センサの一変形例を示す平面図である。図2に示す心拍・呼吸センサ4の上面側には、心拍・呼吸センサ4における圧電トランスデューサー2の位置を示す目印となる位置合わせ線11aが描かれている。これにより、目視によって、圧電トランスデューサー2を新生児の胸部の下などの所望の測定部位により正確に配置することが可能である。なお、位置合わせ線11aが比較的濃い色で描かれていると、心拍・呼吸センサ4をタオルやシーツの下に挿入した場合でもそれらの上から位置合わせ線11aを透かして視認することが容易になる。
【0035】
図3は、図1に示した心拍・呼吸センサの他の変形例を示す平面図である。図2に示す心拍・呼吸センサ4は隅部が丸み4aを帯びた形状になっている。これにより、心拍・呼吸センサ4をタオルやシーツの下に挿入する際に心拍・呼吸センサ4がそれらに引っかかり難くなるので、心拍・呼吸センサ4をタオルやシーツの下に一層容易に挿入することができる。
【0036】
図4は、本実施形態の心拍・呼吸センサをタオルで巻いて新生児の下に配置した状態を示す斜視図である。なお、図4では図2に示した形態の心拍・呼吸センサ4を用いた例を示している。
【0037】
上述したように、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は薄くて可撓性を有する構成であるので、タオル6で巻いて新生児7の身体の下に置いて使用することもできる。心拍・呼吸センサ4は新生児7の体重によって新生児7の体型に馴染むように変形し、さらにはタオル6はそのクッション効果によって心拍・呼吸センサ4と新生児7との間で緩衝の役目を果たすことから、心拍・呼吸センサ4はこのように使用されても新生児7に違和感を与えない。また、圧電トランスデューサー2は、圧力や振動のみならず音も検出できる程度に高感度であることから、心拍・呼吸センサ4をタオル6で巻いて新生児7の身体の下に置いた場合でも、その心拍や呼吸を十分に検出することが可能である。
【0038】
さらにこの場合には、図5に示すように、心拍・呼吸センサ4の周囲にタオル6によって通気空間が形成される。そのため、新生児7が発汗して生じた湿気をそれらの空間および心拍・呼吸センサ4の通気孔3を通して矢印のように拡散できるので、新生児7の皮膚のかぶれを防ぐことができる。
【0039】
さらには、心拍・呼吸センサ4をタオル6で巻くことに代えて、図6に示すような専用のタオルカバー19を用いてもよい。このタオルカバー19は心拍・呼吸センサ4を収容する袋状の形状に予め形成されている。心拍・呼吸センサ4をタオル6で巻く場合には、その巻き方によっては通気効果や生体信号の検出が不安定になることもあるが、専用のタオルカバー19を用いればそのような問題が生じることを防ぐことができる。さらに、タオルカバー19の表面には位置合わせ線11bが描かれている。タオルカバー19の位置合わせ線11bは、タオルカバー19内に心拍・呼吸センサ4を収納したときにその圧電トランスデューサー2の位置を示すものである。そのため、タオルカバー19を用いた場合でも、新生児7に対して所望の位置に心拍・呼吸センサ4の圧電トランスデューサー2を配置することができる。
【0040】
<生体監視装置>
図7は、上述した心拍・呼吸センサから出力される信号に基づいて心拍数および呼吸数等を監視することを可能にする生体監視装置を示すブロック図である。
【0041】
図7に示す生体監視装置は、心拍・呼吸センサ4から出力される信号がそれぞれ入力される2つのバンドパスフィルタ9,10と、各バンドパスフィルタ9,10を通過した信号の波形等を表示するモニタ14とを有している。バンドパスフィルタ9は人の心音信号の周波数帯域を通過させる特性を有し、バンドパスフィルタ10は人の呼吸信号の周波数帯域を通過させる特性を有している。したがって、心拍・呼吸センサ4から出力された信号(図8(a))がバンドパスフィルタ9を通過すると心音信号(図8(b))が分離され、バンドパスフィルタ10を通過すると呼吸信号(図8(c))が分離される。モニタ14は、それらの心音信号および呼吸信号の波形を、それらの波形から得られる単位時間当たりの心拍数および呼吸数と共に表示する。この心音信号によればI音、II音を明瞭に観察できることから、本生体監視装置は心機能の解析による医学研究への応用も可能である。
【0042】
また、本実施形態の生体監視装置は、新生児のみならず、成人、老人、あるいは被介護者を対象として用いることができる。例えば、就寝時に被験者の身体の下に心拍・呼吸センサ4を置くことにより、被験者の心拍数と呼吸数をモニタすることができると共に、その睡眠状態や睡眠パターンの簡易的な解析を行うことができる。
【0043】
被験者の心拍数と呼吸数は、モニタ14に表示される心音信号および呼吸信号の波形と心拍数および呼吸数とを適時監視することで知得することができる。また、睡眠状態や睡眠パターンは、心拍・呼吸センサ4から出力された信号(図8(a))がバンドパスフィルタ9を通過して得られる心音信号(図8(b))を睡眠時間中の間継続して記録したデータに基づいて解析することが可能である。図9は、心音信号を睡眠時間中の間継続して記録して得られた睡眠データを示している。この睡眠データにおいて、符号16は被験者の体動による大振幅の信号を示し、符号17はその心音信号を示し、符号18は無信号状態を示している。心音信号17は複数の異なる振幅からなる情報を含んでいる。
【0044】
上記の各信号は、それぞれ次のような状態を示している。大振幅の信号16は、被験者の体動や寝返り、あるいは筋肉の収縮を示している。比較的長く持続する一定の振幅の心音信号17は、睡眠段階3から4の深い睡眠を示している。心音信号17の中に大振幅の信号16が比較的多く現れる期間は、睡眠段階1から2の軽睡眠もしくはREM睡眠を示している。なお、心音信号17の振幅の変化は、体位の変化もしくは身体の移動を示している。無信号18は、被験者の身体が心拍・呼吸センサ4の検出領域外まで大幅に移動したことを示しており、この場合は被験者がベッドから落下したか、あるいはベッドから降りて徘徊していること等が考えられる。したがって、得られた睡眠データからそれらの信号を読み取ることで、簡易的に睡眠の状態を判定することができる。
【0045】
上述してきた本実施形態の心拍・呼吸センサ4およびそれを用いた生体監視装置によれば、心電図電極を新生児に装着することにより生じうる様々な障害を回避できるうえに、心電図電極装着の手間を省くことができるために即時に、新生児に違和感を与えることなく全く非侵襲的に必要な心拍や呼吸等の監視を行うことができる。実際上、重症な新生児以外は心電図記録は必要では無く、本実施形態の装置による監視で十分なことが多い。さらに本実施形態の装置によれば、心拍・呼吸センサ4に高感度な圧電トランスデューサー2を用いていることから、保育器内で行うことが難しい聴診を常時行っているのと同様の効果を得られ、実際に心雑音もモニタ14上で確認することができる。
【0046】
また、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、表面が滑らかで薄い形状を有しているため、保育器内に新生児を寝かせた後からでも新生児の身体の下に容易に挿入することができる。圧電トランスデューサー2はそれ自体が高感度で生体信号を検出することができるものであり、さらに薄い振動伝達板1は圧電トランスデューサー2による生体信号検出範囲を拡大する役割を有している。これにより、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、タオル6等で巻いても、被験者が着衣のままでも、あるいは心拍・呼吸センサ4が柔らかい布団の上に設置されている場合であっても、生体信号を高感度に検出することが可能になっている。また、本実施形態の心拍・呼吸センサ4は、基本的に圧電トランスデューサー2とそれが取り付けられる振動伝達板1とからなる単純な構成であるため、その製造コストを低く抑えることができることから、幅広い応用が考えられ広く市場性を獲得できる可能性がある。
【0047】
本実施形態の心拍・呼吸センサ4およびそれを用いた生体監視装置は、新生児のみならず、成人、老人、被介護者に対しても、そのままの構成で用いることができる。そのため、心拍・呼吸センサ4を用いた生体監視装置は、現在需要が高まっている家庭内で使用できる健康管理器具(例えば睡眠状態や睡眠パターンを監視する装置)として、これまで提案されているような複雑なシステムとは異なり簡便でかつ低コストで提供することができる。さらに、本実施形態の生体監視装置は被介護者の健康管理や徘徊老人の徘徊の確認などにも応用することができる。さらなる応用としては、各種移動手段(自動車、電車、航空機など)の運転手の座席に心拍・呼吸センサ4を設置して健康状態を監視することや、病院の診察室の患者用椅子の背に心拍・呼吸センサ4を設置して、患者が衣服を脱ぐことなくその聴診を行うことができるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る心拍・呼吸センサの一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示した心拍・呼吸センサの一変形例を示す平面図である。
【図3】図1に示した心拍・呼吸センサの他の変形例を示す平面図である。
【図4】本実施形態の心拍・呼吸センサをタオルで巻いて新生児の下に配置した状態を示す図である。
【図5】本実施形態の心拍・呼吸センサをタオルで巻いて新生児の下に配置した状態を示す図である。
【図6】本実施形態の心拍・呼吸センサの専用のタオルカバーを示す図である。
【図7】心拍・呼吸センサから出力される信号に基づいて心拍数および呼吸数等を監視することを可能にする生体監視装置を示すブロック図である。
【図8】心拍・呼吸センサから出力される信号、心音信号および呼吸信号の波形を示す図である。
【図9】心音信号を睡眠時間中の間継続して記録して得られた睡眠データを示す図である。
【図10】従来の小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置を示す斜視図である。
【図11】従来の生体信号検出装置におけるセンサシートの要部断面図である。
【図12】従来の就寝中の被験者の生体データを測定する被験者データ測定用エアマットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1 振動伝達板
2 圧電トランスデューサー
3 通気孔
4 心拍・呼吸センサ
5 絶縁膜
9,10 バンドパスフィルタ
14 モニタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通気孔が形成された可撓性を有する振動伝達板と、該振動伝達板に取り付けられた圧電トランスデューサーとを有する心拍・呼吸センサ。
【請求項2】
前記振動伝達板は隅部が丸みを帯びた形状を有している、請求項1に記載の心拍・呼吸センサ。
【請求項3】
前記振動伝達板には、前記圧電トランスデューサーが取り付けられている位置を示す位置合わせ線が描かれている、請求項1または2に記載の心拍・呼吸センサ。
【請求項4】
タオル地からなるカバーが装着されており、該カバーには前記心拍・呼吸センサに装着されたときに前記圧電トランスデューサーの位置を示す位置合わせ線が描かれている、請求項1から3のいずれか1項に記載の心拍・呼吸センサ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の心拍・呼吸センサと、
前記心拍・呼吸センサの出力信号から心音信号および呼吸信号を分離するフィルタ回路と、
前記心音信号および前記呼吸信号を表示するモニタと、
を有する生体監視装置。
【請求項1】
複数の通気孔が形成された可撓性を有する振動伝達板と、該振動伝達板に取り付けられた圧電トランスデューサーとを有する心拍・呼吸センサ。
【請求項2】
前記振動伝達板は隅部が丸みを帯びた形状を有している、請求項1に記載の心拍・呼吸センサ。
【請求項3】
前記振動伝達板には、前記圧電トランスデューサーが取り付けられている位置を示す位置合わせ線が描かれている、請求項1または2に記載の心拍・呼吸センサ。
【請求項4】
タオル地からなるカバーが装着されており、該カバーには前記心拍・呼吸センサに装着されたときに前記圧電トランスデューサーの位置を示す位置合わせ線が描かれている、請求項1から3のいずれか1項に記載の心拍・呼吸センサ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の心拍・呼吸センサと、
前記心拍・呼吸センサの出力信号から心音信号および呼吸信号を分離するフィルタ回路と、
前記心音信号および前記呼吸信号を表示するモニタと、
を有する生体監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−129933(P2006−129933A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319422(P2004−319422)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(501362814)株式会社 エーティーラボ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(501362814)株式会社 エーティーラボ (1)
【Fターム(参考)】
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