説明

心的外傷後ストレス障害の治療のためのテトラヒドロキノリン誘導体

本発明は、式Iのテトラヒドロキノリン誘導体
【化1】


(式中、R及びRは、それぞれ独立に(C−C)アルコキシを表し、Rは、アリール−(C−C)アルキル又はヘテロアリール−(C−C)アルキルを表し、そしてRは、水素又は(C−C)アルキルを表す。)又はその薬学的に許容される塩の、心的外傷後ストレス障害の予防又は治療のための医薬の製造のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心的外傷後ストレス障害の予防又は治療のための医薬の製造のためのテトラヒドロキノリン誘導体の使用及び心的外傷後ストレス障害の予防又は治療のための当該テトラヒドロキノリン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの不安は、特定の環境条件に対する異常な情動反応の一群の複雑で相互に関連した形態である。臨床的症状及び神経生物学的基質の違いに基づき、ヒトの不安は、不安障害の5つのサブタイプに細分化される;これらのサブタイプは、全般性不安障害(GAD)、パニック性不安障害(PADs)、恐怖症性不安(PHOBs)、強迫性障害(OCDs)及び心的外傷後ストレス障害(以下、PTSDsと略す。)を含む。
【0003】
オレキシン受容体拮抗薬は、覚醒度を減少し、睡眠を促進する、新規なタイプの神経系又は向精神性薬である。動物及びヒトにおけるそれらの作用機作は、脳内のオレキシン受容体の遮断及び睡眠覚醒系の調節と関連する。現在、オレキシン受容体拮抗薬の、睡眠障害及び不眠症の治療における使用について開発がすすめられている。
【0004】
国際公開公報第01/68609号及び国際公開公報第2005/118548号は、特定のテトラヒドロキノリン誘導体がオレキシン受容体拮抗薬であること、そして不安の治療に一般に使用できることを開示する。しかしながら、US2007/0160538A1は、いくつかのタイプの不安の治療に対するオレキシン受容体拮抗薬の使用を開示するが、特にストレス関連性不安(そして特にPTSDs)を除外している。
【発明の概要】
【0005】
驚くべきことに、US2007/0160538A1の教示にもかかわらず、下記の式Iのオレキシン受容体拮抗薬が、PTSDsの予防又は治療のための医薬の製造に用いることができ、そしてPTSDsの予防又は治療に適していることが見出された。
【0006】
本発明の種々の態様を以下に示す:
i) 本発明によれば、式Iの化合物
【化1】

(式中、
及びRは、それぞれ独立に(C−C)アルコキシを表し、
は、アリール−(C−C)アルキル又はヘテロアリール−(C−C)アルキルを表し、そして
は、水素又は(C−C)アルキルを表す。)
又は当該式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、PTSDの予防又は治療のための医薬の製造のために用いることができ、そしてPTSDの予防又は治療に好適である。
【0007】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしており、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用される:
【0008】
−「アルキル」という用語は、単独で使用する場合も、組み合わせて使用する場合も、1から4の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖飽和アルキル基を意味する。アルキル基の代表的な例は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルを含む。「(C−C)アルキル」(x及びyは、2つの異なる整数である。)という用語は、xからy個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。
【0009】
−「アルコキシ」という用語は、単独で使用する場合も、組み合わせて使用する場合も、1から4の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖飽和アルコキシ基を意味する。アルコキシ基の代表的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを含む。「(C−C)アルコキシ」(x及びyは、2つの異なる整数である。)という用語は、xからy個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を意味する。
【0010】
−「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくは、フッ素又は塩素を意味する。
【0011】
−「アリール」という用語は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群よりそれぞれ独立に選択される置換基により1〜3回置換されていてもよいフェニル基を意味する。アリールの代表的な例は、フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、2−メチル−フェニル、3−メチル−フェニル、4−メチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル及び4−メトキシ−フェニルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0012】
−アリール−(C−C)アルキル(x及びyは、2つの異なる整数である。)という用語は、1個の水素原子が本明細書で定義したアリール基により置換された、本明細書で定義した(C−C)アルキル基を意味する。アリール−(C−C)アルキル基の代表的な例は、ベンジル、2−フェニル−エチル及び2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0013】
−ヘテロアリールという用語は、単独の場合も、組合わせの場合も、酸素、窒素及び硫黄から選択される1、2又は3個の、同じでも異なっていてもよいヘテロ原子を含む、5−〜10−員の単環又は二環式芳香環を意味する。ヘテロアリール基は、未置換であっても、又は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシから独立に選択される3個までの置換基により置換されていてもよい。そのようなヘテロアリール基の例は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、シノリニル、イソベンゾフラニルである。好ましいヘテロアリール基は、未置換であるか、又はメチル、エチル若しくはメトキシにより1回置換されたピリジルである。
【0014】
−ヘテロアリール−(C−C)アルキル(x及びyは、2つの異なる整数である。)という用語は、1個の水素原子が本明細書で定義したヘテロアリール基により置換された、本明細書で定義した(C−C)アルキル基を意味する。ヘテロアリール−(C−C)アルキル基の代表的な例は、ピリジン環上において、メチル、メトキシ、塩素又はトリフルオロメチルにより任意に1回置換された2−(ピリジン−3−イル)−エチルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0015】
−「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。”Salt selection for basic drugs”、Int. J. Pharm.(1986)、33、201−217を参照してもよい。
【0016】
ii) 本発明の好ましい態様によれば、上記態様i)に定義した式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、Rが、メトキシ又はエトキシ(そして、好ましくはメトキシ)を表すような化合物又は塩である。
【0017】
iii) 本発明の別の好ましい態様によれば、上記態様i)又はii)に定義した式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、Rが、メトキシ又はエトキシ(そして、好ましくはメトキシ)を表すような化合物又は塩である。
【0018】
iv) 本発明の1つの変形によれば、上記態様i)、ii)又はiii)に定義した式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、Rが、アリール−(C−C)アルキルを表すような化合物又は塩である。
【0019】
v) 上記態様変形iv)の亜変形によれば、上記態様iv)に定義した式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、Rが4−トリフルオロメチル−フェニル−メチル、2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル又は3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピル(そして、特に2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル)を表すような化合物又は塩である。
【0020】
vi) 本発明の別の変形によれば、上記態様i)、ii)又はiii)に定義した式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、Rが、ヘテロアリール−(C−C)アルキルを表すような化合物又は塩である。
【0021】
vii) 上記態様変形vi)の亜変形によれば、上記態様vi)に定義した式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、Rが(4−トリフルオロメチル−3−ピリジル)−メチル、2−(4−トリフルオロメチル−3−ピリジル)−エチル又は3−(4−トリフルオロメチル−3−ピリジル)−プロピル(そして、特に2−(4−トリフルオロメチル−3−ピリジル)−エチル)を表すような化合物又は塩である。
【0022】
viii) 本発明のさらなる好ましい態様によれば、上記態様i)〜vii)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、Rが(C−C)アルキル(より好ましくは(C−C)アルキル、特にメチル又はエチル、とりわけメチル)を表すような化合物又は塩である。
【0023】
ix) 一般的に、PTSDsの予防又は治療に用いられ、又はそのような目的に好適な、態様i)〜viii)のいずれか一つに従う式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、フェニル基を保持する炭素原子が(R)配置であり、そして基Rを保持する炭素原子が(S)配置である、すなわち、式Iの化合物が、下記のIaの配置を有するような化合物又は塩である。
【0024】
【化2】

【0025】
x) 態様i)〜v)及びviii)又はix)の特に好ましい変形によれば、PTSDsの予防又は治療に用いられ、又はそのような目的に好適な式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、2−{6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド又はその薬学的に許容される塩の1つである。
【0026】
xi) 態様x)の好ましい亜態様によれば、PTSDsの予防又は治療に用いられ、又はそのような目的に好適な式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、(R)−2−{(S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド又はその薬学的に許容される塩の1つ(そして、特に(R)−2−{(S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド 塩酸塩)である。
【0027】
xii) 本発明の別の態様は、PTSDを病む患者を治療する方法に関し、当該方法は、当該PTSDを治療するのに十分な量の、上記態様i)に定義した式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0028】
xiii) 本発明のさらに別の態様は、PTSDを病む患者の症状を軽減する方法に関し、当該方法は、当該患者のPTSDの症状を軽減するのに十分な量の、上記態様i)に定義した式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0029】
xiv) 本発明のさらなる態様は、PTSDを病む傾向がある患者において、PTSDの発症を予防する方法に関し、当該方法は、当該患者のPTSDの発症を予防するのに十分な量の、上記態様i)に定義した式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0030】
xv) さらに、本発明のさらなる態様は、PTSDを病む傾向がある患者(すなわち、心的外傷ストレスを受けた患者)において、PTSDの症状を軽減する方法に関し、当該方法は、当該患者のPTSDの症状を軽減するのに十分な量の、上記態様i)に定義した式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0031】
上記の態様xii)〜xv)に記載の方法に関し、式Iの化合物及びこれらの薬学的に許容される塩に関して上記態様i)〜xi)言及された好適性は、当該方法に準用される。
【0032】
式Iの化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、当業者に知られた方法により製造することができる(例えば、国際公開公報第01/68609号及び国際公開公報第2005/118548号を見よ。)。
【0033】
式Iの化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、PTSDsの予防又は治療のための医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】驚愕反応試験の結果を示すグラフ。
【0035】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005、Part 5、”Pharmaceutical Manufacturing” [Lippincott Williams & Wilkinsにより出版]を見よ。)、記述された式Iの化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0036】
PTSDsの治療のために供される本発明の化合物又は薬学的に許容される塩の用量は、投与方法、治療される対象の年齢及び体重並びに患者の状態によって変わり、最終的には担当医によって決定される。目安として、予防上又は治療上、PTSDsの症状を和らげるか又は除くために患者に与えられる式Iの化合物の量は、1日当たり1mg〜1000mg(すなわち、1日当たり0.015〜15mg/kg体重)、特に1日当たり5mg〜500mg(すなわち、1日当たり0.075〜7.5mg/kg)、そして特に、1日当たり10mg〜200mg(すなわち、1日当たり0.15〜3mg/kg)である。
【0037】
本発明の特定の態様を下記の実施例に記載するが、本発明をより詳細に説明するためのものであり、その範囲を限定するものでは全くない。
【0038】
発明化合物の薬理学的性質
ラットにおける恐怖増強的驚愕に対する式Iの化合物の効果
実験方法:
情動反応性に対する効果を評価するために、式Iの化合物を動物に投与することができる。試験薬剤非投与の場合と比べた反応性の減少は、投与された化合物が恐怖と不安を減少させることを示す。ここで使用する「対照哺乳動物」は、非処理哺乳動物(すなわち、薬剤を投与されないか、又は評価すべき同じ組み合わせの薬剤を投与されない動物)及び/又は訓練対照哺乳動物(すなわち、学習した行動を示すように訓練を受けた哺乳動物)でありえる。
【0039】
音響驚愕に対する情動反応の低下の兆候は、恐怖増強的音響驚愕動物モデルにおいて見出された。ビヒクル(PEG400)により処置した対照及びジアゼパムの経口投与による積極的処置と比較して、音響驚愕反応性の低下により評価した抗不安様活性は、式Iの化合物による処置の1時間後に観察された。これは、特徴的な情動反応性で特徴付けられるFischer F344系の実験用ラットで観察された。ヒト医学においては、健常な対象と比較し、PTSD不安を病む患者において、音響驚愕反応性の増強が観察された(Exaggerated acoustic startle reflex in Gulf War veterans with posttraumatic stress disorder、Am. J. Psychiatry (1996)、153(1)、64−68)。
【0040】
ラットの恐怖増強的驚愕においては、光のような中性刺激は、軽度のフットショックのような嫌悪刺激と、反復的に対になる。動物に強度の音響刺激を与える場合に、驚愕刺激に先だって光刺激を与えると、増強された驚愕反応が誘因される(古典的な恐怖の条件付け増強)。ベンゾジアゼピン系抗不安薬は反応の増強を弱める。驚愕反応は、聴覚驚愕室(auditory startle chambers)を用いて記録された。暗所にて95−dBに順応させた後、光の存在下又は非存在下において、90、95又は105dBの音響刺激(持続時間50−ms)を、無作為に交互に10回与えた。各試行タイプの驚愕反応の大きさを、各ラットについて全試験を通じて平均した。
【0041】
結果:
4グループのラットについて、上記の試験を行った後に得られた結果を図1に要約した:
−ビヒクルのみで処置した12匹のラットから成る第一のグループ(図1において「対照1」と記載。)、
−107mg/kgの(R)−2−{(S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド 塩酸塩により経口処置された12匹のラットから成る第二のグループ(図1において「化合物A」と記載。)、
−ビヒクルのみで処置した16匹のラットから成る第三のグループ(図1において「対照2」と記載。)、及び
−3mg/kgのジアゼパムにより経口処置された12匹のラットから成る第四のグループ(図1において「ジアゼパム」と記載。)。
【0042】
(R)−2−{(S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド 塩酸塩(化合物A、「対照1」のグループのラットと比較。)による経口処置は、ジアゼパム(「対照2」のグループのラットと比較。)による経口処置と同様に、Fischer F344系ラットの驚愕反応の大きさを顕著に減ずることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

(式中、
及びRは、それぞれ独立に(C−C)アルコキシを表し、
は、アリール−(C−C)アルキル又はヘテロアリール−(C−C)アルキルを表し、そして
は、水素又は(C−C)アルキルを表す。)
又は当該式Iの化合物の薬学的に許容される塩の、心的外傷後ストレス障害の予防又は治療のための医薬の製造のための使用。
【請求項2】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、Rがメトキシ又はエトキシを表すような化合物又は塩である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、Rがメトキシ又はエトキシを表すような化合物又は塩である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、Rがアリール−(C−C)アルキルを表すような化合物又は塩である、請求項1〜3の1項に記載の使用。
【請求項5】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、Rが2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチルを表すような化合物又は塩である、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、Rがヘテロアリール−(C−C)アルキルを表すような化合物又は塩である、請求項1〜3の1項に記載の使用。
【請求項7】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、Rが(C−C)アルキルを表すような化合物又は塩である、請求項1〜6の1項に記載の使用。
【請求項8】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、Rがメチルを表すような化合物又は塩である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、2−{6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド又はその薬学的に許容される塩の1つである、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、(R)−2−{(S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド又はその薬学的に許容される塩の1つである、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
(R)−2−{(S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド 塩酸塩が用いられる、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
心的外傷後ストレス障害の予防又は治療のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載のとおりの式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2011−500550(P2011−500550A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528515(P2010−528515)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054138
【国際公開番号】WO2009/047723
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】