説明

心臓突然死リスクを予測するシステム、方法及び装置

【課題】患者監視の分野において、患者から収集される生理学的データを監視して患者の心臓突然死リスク予測を生成する。
【解決手段】心臓突然死を予測するシステム及び方法である。このシステムは、患者監視ステーション、ホルター解析ワークステーション、及び病院情報網を含んでいる。ホルター解析ワークステーションは、複数のデータ解析アルゴリズムを適用して心臓突然死報告を作成するように動作する。また、この方法は、第一のデータ解析手法及び第二のデータ解析手法を心電図データに適用して、心臓突然死リスクの指標を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者の生理学的状態を監視する分野に関する。さらに具体的には、本開示は、患者が心臓突然死を蒙るリスクを解析することに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓突然死(SCD)は、成人の主要な死因である。心臓突然死の最大の脅威の一つは、結果及び症状が突発的であり予期されないことである。SCDはしばしば、症状が最初に現われてから数分間以内に起こり得る。アテローム性動脈硬化又は過去の心臓発作のような潜在的な心臓状態によって患者のSCDリスクは高まり得るが、犠牲者が小児である場合もあれば心臓病の既往歴を有しない場合もある。
【0003】
SCDは、心臓によって発生されて心筋組織を通じて伝播される電気的刺激が速くなる(頻脈)、無秩序になる(細動)又はこれら両方になると発生する。心臓突然死を招く生理学的事象は、不規則な心調律(不整脈)、身体の頻脈制御不能、又は極端な心臓の緩徐化(徐脈)によって誘発され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在のSCDの監視は、以前に記録された患者の心電図(ECG)データの遡及的検討によって行なわれる。多くのSCD監視アルゴリズムは、正確な解析を実行するために一定の時間にわたって取得されたECGデータを必要とする。従って、心臓突然死監視システム及び方法はしばしば、通常12時間〜72時間に及ぶ一定の持続時間にわたって患者によって着用される可搬型ECG記録装置を用いる。この期間に、監視装置は患者のECGデータを記録し、検査終了時に、ECGデータを解析することにより患者の心臓突然死リスクを決定し得るようにECGデータが装置からコンピュータにダウンロードされる。
【0005】
得られる心臓突然死リスク解析は、過去12時間〜72時間にわたる患者の状態の遡及型の報告である。このことは、過去に収集されたデータに対する医師による過去遡行的(reactionary)な応答を招く。応答が過去遡行的であるようなかかるシステムは患者治療に不利となり得る。というのは、患者が既に退院していたり、心臓突然死リスクが高まっている状態に対して不利な治療及び/又は処置を開始していたりする場合があるからである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
患者監視の分野において、患者から収集される生理学的データを監視して患者の心臓突然死リスク予測を生成するシステム、方法及び装置を有することが望ましい。本書に開示されるシステムの各実施形態は、患者から少なくとも心電図データを取得する患者監視ステーションを含み得る。ホルター解析ワークステーションが、患者から少なくとも心電図データを予め決められた時間間隔で取得するように患者監視ステーションに通信接続され得る。次いで、ホルター解析ワークステーションは、心電図データにデータ解析アルゴリズムを適用して心臓突然死報告を作成することができる。病院情報網が、少なくとも一人の医師に心臓突然死報告が通知されるように各医師をホルター解析ワークステーションと通信接続する。
【0007】
また、心臓突然死リスク解析能力を有するホルター解析装置の各実施形態を本書に開示する。これらの実施形態は、心電図データ回収モジュールを含み得る。データ回収モジュールは、予め決められた時間にわたって取得された心電図データを回収する。ホルター解析装置はさらに、第一の心臓突然死解析手法モジュールを含み得る。第一の手法モジュールは、第一の心臓突然死リスク指標を生成する。ホルター解析装置はさらに、第二の心臓死解析手法モジュールを含んでいる。第二の手法モジュールは、第二の心臓突然死リスク指標を生成する。最後に、ホルター解析装置は、第一及び第二の心臓突然死リスク指標を受け取って、該第一及び第二の指標に基づいて心臓突然死報告を作成する心臓突然死報告生成モジュールを含み得る。
【0008】
また、患者の心臓突然死リスクを予測する方法の各実施形態を本書に開示する。この方法の各実施形態は、患者からの心電図データを受け取って、該心電図データに第一の心電図データ解析手法を適用するステップを含んでいる。この方法はさらに、心電図データに第二の心電図データ解析手法を適用して、第二の心臓突然死リスク指標を生成するステップを含んでいる。この方法のさらに他の実施形態は、第一の心臓突然死リスク指標及び第二の心臓突然死リスク指標を解析して、患者の心臓突然死リスクの複合的指標を生成するステップを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】心臓突然死を予測するシステムの一実施形態の模式図である。
【図2】心臓突然死リスクを予測する方法の一実施形態のステップを示す流れ図である。
【図3】心臓突然死リスクのアルゴリズムの適用のさらに詳細な実施形態を示す流れ図である。
【図4】ECG管理システム・ワークフローの方法の一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、患者監視システム10の一実施形態を示す。患者監視システム10は、患者モニタ14に接続された1又は複数の患者12を含んでいる。患者モニタ14は、患者から多様な生理学的データを収集する複数の電極(図示されていない)又は他の変換器(トランスデューサ、図示されていない)を介して患者に取り付けられ得る。生理学的データは、変換器から患者モニタ14への有線送信又は無線送信によって収集され得る。
【0011】
収集される生理学的信号としては、心電図(ECG)データ、呼吸数、血圧、及びSpO等がある。患者モニタ14によって収集されるさらに他の生理学的データとしては、動脈圧(ART)、中心静脈圧(CVP)、頭蓋内圧(ICP)、肺動脈圧(PA)、左房圧(LA)、特殊圧(SP)、大腿動脈圧(FEM)、右房圧(RA)、臍帯動脈圧(UAC)、臍帯静脈圧(UVC)、心拍出量(CO)、二酸化炭素(CO2)及び呼気終末二酸化炭素(ETCo2)、並びに脳波図(EEG)等がある。また、当業者に公知の他の生理学的データも患者モニタ14によって収集され得ることが理解される。少なくとも、患者モニタ14は患者12からECGデータを収集する。ECGデータは標準的な12誘導ECG波形データを含んでいてよく、120ヘルツ〜240ヘルツの間の速度でサンプリングされ得るが、これらの仕様は患者モニタ14によって実行されるECG監視に関する例示的なものに過ぎない。
【0012】
患者モニタ14は、患者12から実時間で生理学的データを収集し、収集された生理学的データを実時間で中央監視ステーション16へ送信する。中央監視ステーション16は複数の患者モニタ14から生理学的データを受け取り、これら複数の患者モニタ14は、医療施設の一つの階又は建物翼のような病院又は他の医療施設の特定の領域に位置する患者モニタ14の全てを含み得る。患者モニタ14から中央監視ステーション16への生理学的データの送信は、有線接続又は無線接続を介して実行され得る。好ましくは、生理学的データの送信はデータが患者モニタによって収集されているときに実時間で行なわれるが、データ送信は代替的には、定期的であってもよいし、様々な患者モニタ14の間で多重化されていてもよい。
【0013】
中央監視ステーション16は、収集された患者の生理学的データを受け取って、後の回収及び/又は処理のためにデータを記憶する。加えて、中央監視ステーション16は、患者の生理学的データに関して何らかの信号処理作用及び/又は管理作用を実行することもできる。これらの作用としては、生理学的データを患者の電子的医療記録(EMR)に相関させること、及び/又は収集された生理学的データを医療提供者のIT網の適当な場所に記憶させること等がある。
【0014】
次に、記憶された生理学的データ18はホルター・ワークステーション20へ送信される。ホルター・ワークステーション20は、生理学的データ18を受け取って、該生理学的データ18に多様な信号処理手法を適用する。本書にさらに詳細に記載するように、一実施形態では、データ処理手法は1又は複数の心臓突然死予測アルゴリズムを含んでいる。この1又は複数の心臓突然死アルゴリズムの適用の結果として、ホルター・ワークステーション20はSCDリスク報告22を生成する。SCDリスク報告22は、生理学的データへの1又は複数のSCDアルゴリズムの適用の結果又は出力を含んでいる。SCD報告は一般的には、患者の心臓突然死リスクの指標を与える。リスクの指標は、心臓突然死の起こり易さの百分率又は他の指標であってもよいし、「低」、「中」及び「高」の各名称を含む等級のようなさらに一般化されたリスクの特性であってもよい。
【0015】
SCDリスク報告22はホルター・ワークステーション20からECG管理システム24へ送られる。ECG管理システム24はSCDリスク報告の付加的処理を提供し、SCDリスク報告の結果についての1又は複数の医師への警報及び/又は通知を調整する。ECG管理システム24は好ましくは、医師28に関連する多様な通信装置に警報又は通知26を与える。警報及び/又は通知26は、プリンタ及び/若しくはファクス機30、医師によって携帯され且つ/若しくは医師28に極く近接した携帯情報端末(PDA)32、並びに/又は医師28が電子メール及び/若しくは他のインスタント・メッセージ発信通信手法等によって通知を受け取るコンピュータ・ワークステーション34へ送られ得る。
【0016】
代替的には、ECG管理システム24は、本書に開示されるような患者監視システム10の各実施形態において必要でない場合がある。これらの実施形態では、ホルター・ワークステーション20を病院情報網に接続することができる。病院情報網は、限定しないが1又は複数の情報サーバ(図示されていない)を含んでおり、この情報サーバは、多様なコンピュータ・ワークステーション、医師のPDA、可動式コンピュータ装置、及び/又は1若しくは複数のサーバに記憶されたディジタル情報が1若しくは複数の医師にとってアクセス可能となるような1若しくは複数の医師に関連する他の通信装置に、有線接続並びに無線接続を介して接続される。SCDリスク報告22は、病院情報網を介して医師28に関連する通信装置の1又は複数へ送信され得る。かかる実施形態では、ホルター・ワークステーション20は、SCDリスク報告22が通信装置への配信に適したフォーマットとなるように、且つ/又はSCDリスク報告22が送られる宛先の特定の医師の識別を含むように、付加的な処理を含み得る。
【0017】
図2は、ホルター・ワークステーション20の各実施形態によって実行される方法の一実施形態を示している。最初に、ステップ50においてデータ収集の時間間隔が構成設定される。このステップでは、記憶された生理学的データの取得と取得との間の時間が、医師、又はプログラム若しくはモジュール間隔によってホルター・ワークステーションに対して設定される。生理学的データは患者から実時間で収集され得るが、ホルター・ワークステーションは収集された生理学的データを設定された時間間隔で取得するのみでもよい。これらの時間間隔は、1分間以下分の生理学的データから1時間以上分までの生理学的データの範囲にわたり得る。代替的な実施形態では、ホルター・ワークステーションは、患者の生理学的データを実時間で受け取るが、ステップ50において生理学的データを設定された時間間隔に基づいてグループ分けする。次に、ステップ52において、SCD規準が構成設定される。SCD規準の構成設定は、医師によって手動で実行されてもよいが、医師、病院、又は医療提供者が画定したSCD規準集合に従って、記憶されたコンピュータ・コードによって実行されてもよい。SCD規準の構成設定は、取得された生理学的データに適用される1又は複数のSCDリスク解析アルゴリズムの選択を含み得る。SCDリスク解析アルゴリズムを用いて、生理学的データに基づいて患者のSCDリスクを算出する。
【0018】
ステップ54では、生理学的データが、予め構成設定された時間間隔で取得される。生理学的データは、患者モニタ14、中央監視ステーション16、又は直接患者12自身から取得することができる。典型的に取得される生理学的データは、少なくとも心電図(ECG)データを含んでいる。
【0019】
次に、ステップ56において心電図データの特性を検出して標識する。ECG特性は、心拍を識別することと、ECGデータの形態学的特徴に標識することとを含んでおり、標識はQRS複合、T波、又は他の多くのECGの形態学的特徴を標識することを含み得る。ステップ56でのECG特性の検出及び標識は、各々の拍動が正常であるか、又は例えば不整脈、頻脈若しくは徐脈のように異常であるかの分類を含んでいる。
【0020】
次に、ステップ58において、1又は複数のSCDアルゴリズムが生理学的データに適用される。本書でさらに詳細に記載するように、適用されるアルゴリズムを選択するための複数のSCDアルゴリズムが存在していてよい。この選択は医師によって行なわれてもよいし、特定の医師、医師団、病院又は医療提供者によって画定されるような予め画定された手順の一部であってもよい。複数のSCDアルゴリズムの各々が、異なる生理学的データ若しくは生理学的データの組み合わせを解析し、又は異なるSCDリスク指標を生成する等のような特定の方法で生理学的データを解析する。
【0021】
次いで、ステップ60において、ステップ58において適用されたSCDアルゴリズムの結果を用いてSCD報告を作成する。生成されたSCD報告は、ステップ58において適用されたSCDアルゴリズムによって算出されたようなSCDリスクの個別の結果に基づく患者のSCDリスクの複合的リスク解析を含んでいる。次に、ステップ62ではSCD報告が記録される。SCD報告は、ECG管理システム24に記録されてもよいが、代替的には、SCD報告が通信装置を用いて受信されて記録されるように特定の医師に関連する又は極く近接した通信装置へ送信されてもよい。これらの実施形態では、記録されたSCD報告はプリンタ又はファクスからのプリントアウトであってもよいし、PDA又は他の医師用コンピュータ・ワークステーションのメモリに電子的に記憶されてもよい。
【0022】
ステップ62においてSCD報告が記録された後に、各ステップ、特に生理学的データが予め構成設定された時間間隔で取得されるステップ54から始まる各ステップを繰り返すことができる。生理学的データは患者が病院又は医療施設に入院している期間にわたって予め構成設定された時間間隔で取得されてもよいし、外来患者から所定の時間にわたり取得されてもよい。さらに他の実施形態では、生理学的データは、患者が自宅のような遠隔地におり集中管理拠点の医師によって遠隔監視されているような状況では、予め構成設定された時間間隔で長期又は継続期間にわたり取得され得る。
【0023】
図3は、1又は複数のSCDアルゴリズムを適用するステップ58の一実施形態において実行されるステップのさらに詳細な流れ図である。図3に示す実施形態では、SCDアルゴリズムによって解析される生理学的データは、図2に示すステップ56のようにECG特性を検出して標識するように処理されたECG生理学的データである。
【0024】
最初に、ステップ70において、ECGデータにSCDアルゴリズムを適用するコンピュータ又はシステムにECGデータが読み込まれる。読み込まれるECGデータは、標識付きECG特性、又は他の拍動注釈若しくは分類を含み得る。これらの標識、注釈又は分類は、ECGデータに適用されるSCDアルゴリズムの幾つか又は全部を支援する。
【0025】
次に、選択されたSCDアルゴリズムがECGデータに適用される。適用されるSCDアルゴリズムは、T波交互脈(TWA)74、心拍数不整(heart rate turbulence)78、及び/又は心減速容量(heart deceleration capacity)82のリストから選択されるアルゴリズムの少なくとも一つを含んでいる。適用されるSCDアルゴリズムは上述のSCDアルゴリズムの少なくとも一つを含んでいるが、このリストはステップ58において適用され得るSCDアルゴリズムの形式を例示しているに過ぎない。既に指定されたアルゴリズムの1又は複数と関連して適用され得る他の代替的なSCDアルゴリズムとしては、心拍数変動の算出、QT間隔解析、ST間隔解析、及び/又はSCDリスクに相関する他の生理学的データの解析がある。
【0026】
明確に述べると、T波交互脈検出アルゴリズムは、最初にステップ72においてTWA解析アルゴリズムを構成設定し、ステップ74においてTWA傾向及び測定値を算出することにより適用される。本書に開示される実施形態に関連して用いられ得るTWA交互脈検出アルゴリズムの一例は、Verier等に対する米国特許第5,148,812号に開示されているが、この明細書に開示されているアルゴリズムは、本書に開示されるような実施形態と共に用いられ得るTWA検出アルゴリズムの形式を例示しているに過ぎない。
【0027】
心室細動に対する心受攻性は、ECGのT波での交互脈及びSTセグメントの解析によって動的に追跡される。TWA検出アルゴリズムでは、「T波」との用語は、ECGのT波及びSTセグメントの両方を含む部分を意味するように定義され得る。T波での交互脈は、心室の筋細胞の再分極の速度が異なることに起因する。細胞が非一様に回復(又は再分極)する程度が、心臓の電気的不安定性の基準となる。TWA検出アルゴリズムは、ECG、特にT波の内部の周期間変動を定量化する方法を提供する。フーリエ・パワー・スペクトル解析、非線形変換、スペクトル解析、複素復調、又は動的交代振幅推定手法のような手法を用いて、患者のECGに見られる心拍間ばらつきを定量化することができる。
【0028】
次に、心拍数不整解析アルゴリズムを構成設定するステップ76、並びに不整開始及び不整勾配の各測定値を算出するステップ78によって、心拍数不整を解析する。不整開始及び不整勾配の各測定値を算出するステップはタコグラム波形の構築を含んでいる。というのは、これらの結果が、ECGデータに適用される心拍数不整アルゴリズムに依存して、改善されたSCDリスク指標を与えるのに役立つ場合があるからである。ステップ76において構成設定されステップ78において適用され得る心拍数不整アルゴリズムの一例としては、Schmidtに対する米国特許第6,496,722号に開示されたアルゴリズム等があるが、このことは本書に開示されるような実施形態と共に用いられ得る心拍数不整アルゴリズムの範囲の限定を意図するものではない。
【0029】
心拍数不整は、通常の基本調律から外れて早くに発生する心拍である期外収縮の存在によって特徴付けられる。期外収縮は基本調律に特有の特徴を残しており、これらの特徴をリスクの層別化に用い得ることが判明している。一般に、正常な人又はリスクが僅かに増大した人々については、期外収縮に続く心拍系列は通常加速するが数回の心拍にわたるのみであり、次いで心拍系列の周波数低下期が続く。リスクが増大している人々ではこの特徴的な反応は相対的に著しく弱いか又は全く欠落している。これらの場合にはしばしば、幾分不安定な心拍系列、すなわち秩序のない心拍系列又は不整が見受けられる。上述のように、心拍数不整を解析するためには、不整開始、期外収縮の前の最後の正常RR間隔の平均値と期外収縮後の最初の正常RR間隔の平均値との間の差、及び幾つかの心拍間隔の系列内での最大周波数減少時の勾配を算出することが必要である。加えて、勾配の規則性の尺度である勾配相関係数がもう一つの関連算出値となり得る。これらの量の各々が、患者の心臓突然死リスクを決定するのに用いるのに適していることが立証されている。小規模な開始、平坦な勾配、又は小さい勾配相関係数が、近い時期に死亡するリスクの著しい増大を示す。代替的には、周波数領域での信号処理を用いてECG信号の低周波部及び高周波部を識別することができる。高周波部の増大が、近い時期に死亡するリスクの増大を示す。
【0030】
減速容量は、減速容量アルゴリズムを構成設定するステップ80、及び減速容量を算出するステップ82によって決定され得る。減速容量を算出するステップはさらに、ECGデータへの減速容量アルゴリズムの適用から生ずる結果を解釈するのに医師又は解析プログラムを支援し得る平均波形を構築するステップを含んでいる。減速容量を算出するために用いられ得るアルゴリズムの非限定的な実施例が、Schmidt等に対する米国特許第7,200,528号に開示されている。
【0031】
減速容量を用いると、ECG測定の心拍間隔を順に並べることにより患者の心臓突然死リスクを評価することができる。次に、各々の測定値に対し、当該測定値自体を前回の測定値で除算したもの等しい属性を割り当てることができる。従って、属性は、前回測定された間隔に対する各々の測定間隔を、前回測定された間隔の百分率として表わす。患者の心臓突然死リスク推定は、対象属性及び次回の属性の和から前回2回分の算出属性の和を減算することにより行なわれ得る。この評価は、対象測定値と直前の測定値との間の関係を画定する。この評価の結果が大きいほど、患者の生存の可能性は高い。というのは、心臓がより広範囲の心拍数変動を生成して制御することが可能であるからである。
【0032】
幾つかの実施形態では、TWAアルゴリズム、心拍数不整アルゴリズム、及び減速容量アルゴリズムがECGデータに適用される。他の実施形態では、上述のTWAアルゴリズム、心拍数不整アルゴリズム、及び減速容量アルゴリズムの二つがECGデータに適用される。さらに他の実施形態では、これら三つのアルゴリズムの一つのみがECGデータに適用され、他の少なくとも一つのアルゴリズムが患者の生理学的データに適用される。他のアルゴリズムとしては、心拍数変動、QT間隔解析、ST間隔解析、又はSCDリスクに相関があると判明しているその他任意の生理学的データ解析等がある。
【0033】
心拍数変動アルゴリズムのECGデータへの適用は、心拍数変動アルゴリズムを構成設定するステップ84と、心拍数変動測定値を算出するステップ88とを含んでいる。QT間隔解析アルゴリズムのECGデータへの適用は、QT間隔解析アルゴリズムを構成設定するステップ88と、QT間隔傾向及び測定値を算出するステップ90とを含んでいる。同様に、ST間隔解析の適用は、ST解析アルゴリズムを構成設定するステップ92と、ST間隔傾向及び測定値を算出するステップ94とを含み得る。
【0034】
加えて、患者モニタ14によって患者12から収集された他の生理学的データを、SCDアルゴリズムの解析及び適用に組み入れることができる。この付加的な生理学的データは、ステップ95において、コンピュータ、システム、又は任意の生理学的データ解析SCDアルゴリズムを適用するソフトウェア・モジュールに読み込まれる。次いで、ステップ96において、少なくとも一つの生理学的データ解析アルゴリズムが構成設定され、次にステップ98において適用されて生理学的データ傾向及び測定値を算出する。
【0035】
選択されるSCDアルゴリズムのECGデータ又は他の生理学的データへの適用の結果は、ステップ100においてSCD情報データベースに記憶される。次いで、これらの結果は図2のステップ60において用いられてSCDリスク報告を作成する。
【0036】
上述のような構成設定するステップは、一つのデータ集合へのアルゴリズムの適用を準備するために必要となるような標準的なデータ処理作用を含んでいる。かかる構成設定は、データに適用されるべき1又は複数のアルゴリズムの選択を含んでいる。構成設定するステップは、アルゴリズムが適用されるデータの選択、選択されるデータの出所及び/又は電子的記憶箇所の選択、並びに選択されるアルゴリズム内での変数の初期化のようなデータ処理ステップを含んでいる。
【0037】
図1に示すような幾つかの実施形態では、ホルター・ワークステーション20がSCDリスク報告22を生成し、SCDリスク報告22はECG管理システム24へ送られる。ECG管理システム24は、警報及び/又は通知26を医師28又は医師28に関連する通信装置へ送信することを担当する。
【0038】
図4は、警報及び/又は通知26を生成し且つ/又は送信するためにECG管理システム24によって採用されるステップを示す流れ図である。最初に、ステップ110においてSCDリスク報告の経路指定(ルーティング)が構成設定される。SCDリスク報告が重大なリスクを識別したと決定された場合には、医師への通知が必要であって、SCD報告経路設定はSCDリスク報告を送るべき通信装置を識別する。次に、ステップ120において、SCDリスク報告がデータベース130に読み込まれる。SCDリスク報告は、患者の電子的な医療履歴にさらに詳しい情報を与えるように記録される。SCDリスク報告は、識別されたリスクが低リスクであるか高リスクであるかを記録することができる。データベース130にSCDリスク報告を記憶させることにより、患者の治療過程にわたる多数の報告からのデータにさらなる傾向分析及び/又はリスク分析を適用することが可能となる。
【0039】
次に、ステップ140においてSCDリスク報告を解析して、SCDリスクが正常範囲外であるか否かを決定する。代替的には、ステップ140においてSCDリスクを低SCDリスク、中SCDリスク又は高SCDリスクと等級付けしてもよいし、SCDリスクを発生の可能性の百分率として指定してもよい。医師は、指定されたSCDリスクに応じて処置を講じることができる。低リスクのSCD報告は低い優先度の通知及び限定された医師の処置を生じ、又は幾つかの場合には医師への通知を行なわない。高リスクのSCD報告は高い重要度又は優先度の通信を介して医師へ送信され得る。これにより、医師は即時の又は集中的な処置を行なうことができる。
【0040】
SCDリスクが正常範囲外であると決定されない場合には、プログラムはステップ150で終了し、如何なる指標も医師へ送られない。代替的には、ステップ140においてSCDリスクが正常範囲外であると決定された場合には、SCDリスク報告が医師の通信装置へ送られる。SCDリスク報告が送られる特定の通信装置及び送信フォーマットは、ステップ110においてSCDリスク報告経路設定の構成設定時に決定されたものであってよい。
【0041】
SCDリスク報告結果の等級付けと予め決められたリスク報告経路設定手順とによって、患者のSCDリスクの通知はこのリスクと釣り合う態様で医師に送られる。このように、SCDリスクが低い又は正常状態であると決定されたときには医師は他の職務から注意を逸らされずに済むが、状況が遥かに深刻なSCD発生リスクへ変化した場合には医師に通知される。
【0042】
システム及び方法の各実施形態を本書に開示したが、本発明の代替的な実施形態は心臓突然死解析能力を示すホルター解析装置の形態を取り得ることも特記しておく。ホルター解析装置は典型的には、本書に開示されているような方法のステップを実行する一連のモジュールを含んでいる。一般的に述べると、モジュールは所定の作用を果たすハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェアとして任意の具現化形態を含んでいる。多くのモジュールが、入力を受け取り、入力に対して信号処理作用又はデータ処理作用を実行して出力を生成し得るが、このことは本書に開示されているようなモジュールによって実行され得る作用の形式を限定するものではない。
【0043】
ホルター解析装置は、所定の時間間隔で生理学的データを取得するデータ回収モジュールを含み得る。生理学的データは、限定しないがECGデータであってよい。取得された生理学的データは、第一の心臓突然死解析手法モジュールによって処理される。第一の手法モジュールは、取得された生理学的データに第一の心臓突然死解析手法を適用するように構成される。第一の心臓突然死リスク指標が、第一の心臓突然死解析手法モジュールから生成される。次に、第二の心臓突然死解析手法モジュールが、取得された生理学的データに第二の心臓突然死解析手法を適用するように構成される。第二の手法モジュールは、生理学的データを受け取り、取得された生理学的データに第二の心臓突然死解析手法を適用して、第二の心臓突然死リスク指標を生成する。さらに他の実施形態は付加的な心臓死リスク解析手法モジュールを含むが、これらの実施形態は、本書に開示されるようなホルター解析装置の範囲を限定するものではない。
【0044】
心臓突然死報告生成モジュールが、第一及び第二の心臓突然死リスク指標を受け取り、これら第一及び第二の指標に基づいて心臓突然死報告を作成する。従って、この心臓突然死報告は、取得された生理学的データに少なくとも二つのSCD解析手法を適用したSCDリスク結果に基づいている。このSCD報告は記憶モジュールに保存されてもよいし、心臓突然死報告の結果の通知が行なわれ得るように医師又は病院IT網の他の部分へ送信されてもよい。
【0045】
ホルター解析装置の代替的な実施形態は、心電図データ注釈モジュールをさらに含み得る。この実施形態は、取得された生理学的データがECGデータであるときに用いられ得る。データ注釈モジュールは、医師が利用するツールを含んでいてもよいし、収集されたECGデータにおいてECGの特性及び形態を自動的に識別して標識するように構成されてもよい。
【0046】
本書に開示されるようなシステム、方法及び装置は、現行のSCDリスク決定システム、方法及び装置を凌ぐ利点を与えることができる。一つの利点は、本書に開示されるような実施形態は、SCDリスク解析に対する予測的又は事前対策的なアプローチを与えることである。現在利用可能なシステム、方法及び装置は、ECG又は他の生理学的データの長期にわたる収集に依存しており、以前に収集されたデータの遡及的分析を提供する。これにより、以前に存在していた患者の状態に対して過去遡行的なアプローチが行なわれる。多くの場合に、このことによって患者が時期尚早に退院させられたり、SCDに至る可能性のあるような心臓発作の発生時に医学的支援を得ることが困難であり得るような場所に不注意に旅行したりする場合がある。従って、患者のECGデータ及び/又は他の生理学的データの解析とSCDリスクの算出とを同時に行なうことにより、医師の治療を受けている患者の全般的な健康状態を解析するときのさらにもう一つのツールを医師に提供する。加えて、本書に開示されるような実施形態は、多数のSCDリスク解析手法及び/又はアルゴリズムを利用する複合的なSCDリスク解析を生成する利点を与える。これにより、単一の特定的なSCDリスク・アルゴリズムの弱点を、収集されたECGデータ及び/又は生理学的データに同時に適用され得る他のアルゴリズムの強みによって克服することができるため、SCDリスクのさらに堅牢な指標が提供される。
【0047】
本書に開示されるように、システム、方法、及び装置の幾つかの実施形態は、コンピュータにおいてのみ具現化されてもよく、幾つかのかかる実施形態では、方法の各ステップ及び/又はシステムの各ブロックはマイクロプロセッサにおいて動作するソフトウェアによって実行されてよく、この場合のソフトウェアは、入力を受け取り、該入力にアルゴリズム又は作用を適用し、結果出力を生成する一連のモジュールとして構成される。かかる実施形態では、技術的効果は、患者のSCDリスクのさらに事前対策的で堅牢な指標を生成して、患者の全般的な健康状態及び/又は心臓の状態を評価する医師の能力を支援することである。
【0048】
この書面の記載は、最適な態様を含めて本発明を開示し、また当業者が本発明を製造して利用することを可能にするように実例を用いている。本発明の特許付与可能な範囲は特許請求の範囲によって画定され、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造的要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0049】
10 患者監視システム
12 患者
14 患者モニタ
16 中央監視ステーション
18 生理学的データ
20 ホルター・ワークステーション
22 SCDリスク報告
24 ECG管理システム
26 警報又は通知
28 医師
30 プリンタ及び/又はファックス機
32 携帯情報端末
34 コンピュータ・ワークステーション
58 1又は複数のSCDアルゴリズムを適用するステップ
130 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者から収集された生理学的データから心臓突然死を予測するシステムであって、
少なくとも一人の患者に接続されており、該患者から少なくとも心電図データを含む複数の生理学的データを取得する患者モニタと、
該患者モニタに通信接続されており、前記患者生理学的データを取得するホルター解析ワークステーションであって、心臓突然死報告を作成するために前記生理学的データに複数のデータ解析アルゴリズムを適用するホルター解析ワークステーションと、
病院記録が前記心臓突然死報告を含むように更新されることができ、また少なくとも一人の医師に前記ホルター解析ワークステーションの結果を通知することができるように、複数の医師及び複数の病院記録を前記ホルター解析ワークステーションと通信接続する病院情報網と
を備えたシステム。
【請求項2】
前記複数のデータ解析アルゴリズムは、少なくともT波交互脈検出、心拍数不整の測定、及び心減速容量の測定を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ホルター解析ワークステーションと前記病院情報網との間に前記通信接続を形成する心電図管理システムをさらに含んでいる請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記患者モニタは、実時間で前記患者から生理学的データを収集する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記患者モニタは、予め決められた時間間隔で前記患者から生理学的データを収集する、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ホルター解析ワークステーションは、前記患者モニタにより12時間毎に収集される累積的な前記生理学的データを取得する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記心電図管理システムは、前記ホルター解析ワークステーションから前記心臓突然死報告を受け取り、該心臓突然死報告における前記データ解析アルゴリズムの結果を予め決められた範囲と比較して、前記心臓突然死報告のリスクが前記予め決められた範囲を超えるときに少なくとも一人の医師に警報を通知する、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記予め決められた範囲は、少なくとも一つの数値範囲を含んでおり、結果が該範囲外にあるときに心臓突然死リスク増大を示す、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ホルター解析ワークステーション及び前記心電図管理システムに通信接続された心臓突然死報告データベースをさらに含んでおり、前記心電図管理システムは、患者の心臓突然死リスクを決定するために患者の心臓突然死報告の少なくとも一つを回収する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記心電図管理システムは、患者の心臓突然死リスクを決定するときに複数の心臓突然死報告を解析する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
心臓突然死の可能性の予測を有するホルター解析装置であって、
予め決められた時間にわたって取得された心電図データを予め決められた間隔で回収する心電図データ回収モジュールと、
第一の構成設定モジュール及び第一の算出モジュールを含んでおり、第一の心臓突然死リスク指標を生成するために前記心電図データに心臓突然死解析手法を適用する第一の心臓突然死解析手法モジュールと、
第二の構成設定モジュール及び第二の算出モジュールを含んでおり、第二の心臓突然死リスク指標を生成するために前記心電図データに心臓突然死手法を適用する第二の心臓突然死解析手法モジュールと、
前記第一及び第二の心臓突然死リスク指標を受け取って該第一及び第二の指標に基づいて心臓突然死報告を生成する心臓突然死報告生成モジュールと
を備えたホルター解析装置。
【請求項12】
前記第一の手法は、T波交互脈検出、心拍数不整の測定、及び心減速容量の測定を含む手法のリストから選択され、前記第二の手法は、T波交互脈検出、心拍数不整の測定、及び心減速容量の測定を含む手法のリストから選択される、請求項11に記載のホルター解析装置。
【請求項13】
心電図の形態を検出し、前記心電図データにおいて前記検出された形態の存在を標識する心電図データ注釈モジュールをさらに含んでいる請求項12に記載のホルター解析装置。
【請求項14】
前記患者について生成された複数の心臓突然死報告を受け取って記憶する心臓突然死報告記憶モジュールをさらに含んでいる請求項13に記載のホルター解析装置。
【請求項15】
第三の構成設定モジュール及び第三の算出モジュールを含んでおり、第三の心臓突然死リスク指標を生成するために前記心電図データに心臓突然死解析手法を適用する第三の心臓突然死解析手法モジュールをさらに含んでおり、前記心臓突然死報告は、前記第三の心臓突然死リスク指標に付加的に基づいている、請求項13に記載のホルター解析装置。
【請求項16】
臨床設定において患者の心臓突然死を予測する方法であって、
前記患者から心電図(ECG)データを受け取るステップと、
第一の心臓突然死リスク指標を生成するために第一の心電図データ解析手法を適用するステップと、
第二の心臓突然死リスク指標を生成するために前記ECGデータに第二の心電図データ解析手法を適用するステップと、
前記第一の心臓突然死リスク指標及び前記第二の心臓突然死リスク指標を解析するステップと、
前記第一の指標及び前記第二の指標の前記解析に基づいて前記患者の心臓突然死リスクの複合的指標を生成するステップと
を備えた方法。
【請求項17】
前記第一の心電図データ解析手法及び前記第二の心電図データ解析手法は、T波交互脈検出、心拍数不整を測定すること、及び心減速容量を測定することを含むリストから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複合的指標を、前記患者の心臓突然死リスクを示す少なくとも一つの予め決められた閾値と比較するステップと、
前記検出された心臓突然死リスクを示す警報を生成するステップと
をさらに含んでいる請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第二の心臓突然死リスク指標を受け取るために、T波交互脈を検出すること、心拍数不整を測定すること、及び心減速容量を測定することを含むリストから選択される第三の心電図データ解析手法を適用するステップをさらに含んでおり、前記複合的指標は、前記第三の手法の結果にさらに基づいている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
心拍数変動を算出すること、QT間隔傾向を算出すること、ST間隔傾向を算出することを含むリストから選択される少なくとも一つの付加的な心電図データ解析手法を適用するステップをさらに含んでおり、前記複合的指標は、前記少なくとも一つの付加的な心電図データ解析手法の結果にさらに基づいている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも一つの非ECGデータ解析手法を他の生理学的データに適用するステップをさらに含んでおり、前記生理学的データは、心電図データ及び他の生理学的データを含んでいる、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−509114(P2011−509114A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541472(P2010−541472)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/086262
【国際公開番号】WO2009/088627
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】