説明

急速充電装置

【課題】平均消費電力を下げて、電力供給を受ける電力会社との契約を小規模化できる急速充電装置を提供する。
【解決手段】コントローラーC2は、設備用蓄電池3を充電する際に、商用電源20の交流電力から設備用蓄電池3の充電に必要な直流電力が生成されるように第1直流電源器32を制御し、その直流電力を第1直流電源器32から設備用蓄電池3に供給させ、負荷である動力用蓄電池21が接続されたときには、交流電源の交流電力から所定の直流電力が生成されるように第2直流電源器33を制御し、その所定の直流電力を設備用蓄電池3からの直流電力に加算して動力用蓄電池21の充電に必要な直流電力を生成し、第2直流電源器33から動力用蓄電池21に供給させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車に搭載された動力用蓄電池を充電する急速充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、石油資源の枯渇や地球温暖化の対策として、電気エネルギーを駆動源とする電気自動車が市場に普及してきているが、電気自動車に対しても、通常の自動車給油と同等時間で充電できる急速充電装置が求められている。
従来、急速充電できる装置として、例えば、大容量の設備用蓄電池を用意し、電気自動車への充電休止時に、その蓄電池を低電流で長時間をかけて充電しておき、電気自動車の蓄電池を充電するときには設備用蓄電池から大電流を放電する充電装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−207668号公報(第4,5頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在発表されている電気自動車の動力用蓄電池に対する急速充電装置の仕様としては、直流400V、電流100Aクラスの急速充電装置が想定され、それに伴って商用電源ラインからの電源供給も回路効率90%として、出力40kWのとき、入力電力は44kWを超えることが想定される。これを満足する電力の供給を受けるために、電力会社との契約が大規模となる課題があった。
【0005】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、急速充電装置の平均消費電力を下げて、電力供給を受ける電力会社との契約を小規模化し、さらに、効率を上げて電力損失を低減すると共に、コストを下げて一般普及の実現可能な急速充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る急速充電装置は、設備用蓄電池と、交流電源の交流電力をそれぞれ直流に変換する第1及び第2直流電源器と、設備用蓄電池を充電する際に、交流電源の交流電力から設備用蓄電池の充電に必要な直流電力が生成されるように第1直流電源器を制御し、その直流電力を第1直流電源器から設備用蓄電池に供給させるコントローラーとを備え、コントローラーは、負荷である動力用蓄電池が接続されたときには、交流電源の交流電力から所定の直流電力が生成されるように第2直流電源器を制御し、その所定の直流電力を設備用蓄電池からの直流電力に加算して動力用蓄電池の充電に必要な直流電力を生成し、第2直流電源器から動力用蓄電池に供給させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、設備用蓄電池を充電する際に、交流電源の交流電力から設備用蓄電池の充電に必要な直流電力が生成されるように第1直流電源器を制御し、その直流電力を第1直流電源器から設備用蓄電池に供給させる。また、負荷である動力用蓄電池が接続されたときには、交流電源の交流電力から所定の直流電力が生成されるように第2直流電源器を制御し、その所定の直流電力を設備用蓄電池からの直流電力に加算して動力用蓄電池の充電に必要な直流電力を生成し、第2直流電源器から動力用蓄電池に供給させる。これにより、設備用蓄電池からの出力分、第2直流電源器からの出力は少なくて済み、そのため、第2直流電源器の回路規模を小さくでき、急速充電装置の製作コストを低く抑えることができる。
【0008】
また、急速充電装置の設備用蓄電池から動力用蓄電池に充電される電力の損失は極めて少なくなり、急速充電装置の動作による損失は、第2直流電源器の負担する電力が少ない分、動力用蓄電池への充電時の電力損失は少なくなり、その結果、急速充電装置全体の電力効率が向上する。
【0009】
さらに、動力用蓄電池への充電休止時に、設備用蓄電池を充電して直流電力を蓄えておくようにしているので、動力用蓄電池への充電時に急速充電装置が消費する直流電力は、設備用蓄電池の出力分少ないことから、電力消費のピークを低く抑えることになり、電力会社との契約も小規模で済み、経費を節減できると同時に、電力系統線に与える変動を小さくすることができることから、近い将来、電気自動車用の急速充電器が交流電源として多数の電力系統に接続された際にも電力系統へ与える不安定要因を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。
図中に示す急速充電装置1は、例えば交流200Vの商用電源20と接続される直流電源器2と、例えば30kWhの直流電力量が蓄積可能な設備用蓄電池3(2次電池)と、設備用蓄電池3に電力を蓄積する際には接点Aに、動力用蓄電池21を充電する際には接点Bに切り換えられる第1切換スイッチ4と、設備用蓄電池3の直流電力を動力用蓄電池21に供給する際には接点Bに、設備用蓄電池3に直流電力を蓄積する際には接点Aに切り換えられる第2切換スイッチ5と、一端が第1切換スイッチ4の接点B側に接続され、他端が設備用蓄電池3の正極側に接続された常開の第3切換スイッチ6と、設備用蓄電池3への充電、又は動力用蓄電池21への電力供給を行うときに直流電源器2、第1及び第2切換スイッチ4、5をそれぞれ制御し、商用電源20が停電などにより受電が遮断されたときには第3切換スイッチ6を閉じるコントローラC1とを備えている。
【0012】
動力用蓄電池21は、例えばリチウムイオン電池からなり、電気自動車の駆動源の電源として使用されている。その動力用蓄電池21には、例えば充電電圧400V、電流100Aの容量の必要な蓄電池が使用されているものとする。また、第1及び第2切換スイッチ4,5には、直流400V、電流100Aを満足するものが使用されている。
【0013】
前述の直流電源器2は、例えば出力電力10kWの容量を有し、設備用蓄電池3を充電する際には、商用電源20の交流電力を直流に変換し、その出力から設備用蓄電池3の充電に必要な例えば直流300V、電流33A(直流電力)を生成して設備用蓄電池3を充電する。また、直流電源器2は、動力用蓄電池21を充電する際には、その交流電力を直流に変換し、その出力から例えば直流100V、電流100A(所定の直流電力10kW)を生成するように構成されている。
【0014】
前述のコントローラーC1は、例えば、電気自動車に搭載された電子制御ユニットからのCAN通信の受信等の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、設備用蓄電池3及び直流電源器2を直列に接続し、動力用蓄電池21への充電を行う。また、コントローラーC1は、動力用蓄電池が接続されていないことを、CAN通信が受信されていないこと等により判定したときには、動力用蓄電池21への充電休止として、直流電源器2と設備用蓄電池3を接続し、設備用蓄電池3への充電を行う。この場合、直流電源器2の電力負担は、設備用蓄電池3が無い場合に比べて小さくできる。
【0015】
また、コントローラーC1は、設備用蓄電池3の残量がほぼ空のときに動力用蓄電池21が接続されたときには、設備用蓄電池3を使用することなく、直接、直流電源機2から動力用蓄電池21への充電を行う。この場合は、充電速度が前述の場合よりも遅くなるが、充電動作は継続可能である。
【0016】
また、コントローラーC1は、商用電源20が停電等により受電されなかった場合には、直流電源器2を切り離して設備用蓄電池3のみから直流電力を取り出す。この場合、電圧は設備用蓄電池3の充電状態により変動するため、一定電圧を取り出すことはできないが、災害時の非常用照明等に緊急用途として電力を供給することができる。
【0017】
次に、実施の形態1の急速充電装置の動作について図1を用いて説明する。
コントローラーC1は、本装置1に負荷となる動力用蓄電池が接続されていないことを、CAN通信が受信されていないこと等により判定した場合には、図1(a)に示すように、第1切換スイッチ4を接点Aに切り換えて直流電源器2と設備用蓄電池3とを接続すると共に、第2切換スイッチ5を接点Aに切り換えてグランドと接続する。そして、コントローラーC1は、設備用蓄電池3に直流電力が蓄積されるように直流電源器2を制御する。
【0018】
この時、直流電源器2は、設備用蓄電池3が満充電の状態、例えば30kWhの直流電力量が蓄積されるまでは充電が行われるように、商用電源20の交流電力を直流に変換し、その出力から例えば直流300V、電流33Aを生成し、第1切換スイッチ4を介して設備用蓄電池3に供給する。なお、この設備用蓄電池3への充電制御に関しては、定電圧定電流方式等、設備用蓄電池3の電力充電量と蓄電池の特性に合わせた充電方法を採用することとし、その設定値等の制御はコントローラーC1により行われる。
【0019】
コントローラーC1は、前述のCAN通信の受信等の方法により設備用蓄電池3への電力蓄積が終了したと判定したときには、第1切換スイッチ4を接点N(ニュートラル)に切り換えてオフ状態にし、前述のCAN通信等の受信により動力用蓄電池が接続されたことを判定するまで待機する。
【0020】
コントローラーC1は、CAN通信の受信等の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、同図(b)に示すように、第1切換スイッチ4を接点Bに切り換えて直流電源器2と電気自動車の動力用蓄電池21とを接続すると共に、第2切換スイッチ5を接点Bに切り換えて設備用蓄電池3と直流電源器2とを接続する。そして、コントローラーC1は、本装置1から動力用蓄電池21に充電が行われるように直流電源器2を制御する。
【0021】
この時、直流電源器2は、設備用蓄電池3から30kWの直流電力(電圧300V、電流100A)を取り込んで、不足分の10kWの直流電力(電圧100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して、その10kWの直流電力を前記30kWに加算し、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給する。動力用蓄電池21を充電しているときに、図1(b)に示すように、直流電源器2と設備用蓄電池3は直列に接続されているため、電圧が加算される。前述の例では、加算後の電圧は400Vとなる。また、直流電源器2の電力負担(必要出力容量)は、設備用蓄電池3が無い場合の40kWに比べて1/4となる。
なお、前述の例では、動力用蓄電池21への充電電力として40kWを一例として説明したが、CAN通信等を経由した電気自動車等、動力用蓄電池21からの要求に応じた電圧、電流にて充電を行うようにしても良い。
【0022】
また、コントローラーC1は、設備用蓄電池3の残量がほぼ空のときに、前述のCAN通信の受信等の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、第1切換スイッチ4を接点B側に切り換え、第2切換スイッチ5を接点A側に切り換えて接続する。そして、コントローラーC1は、商用電源20の交流電力から例えば電圧400V、電流25Aの直流電力が生成されるように直流電源器2を制御する。実際に発生させる電圧もしくは電流は動力用蓄電池21がCAN通信等を経由して要求する数値に合わせ、直流電源器2の容量(10kW)を最大値として発生する。この場合、設備用蓄電池3と直流電源器2を直列に接続して動力用蓄電池21を充電する場合に比べ、発生できる電力が小さいために充電速度は遅くなるが、動力用蓄電池21への充電動作を停止することなく、継続して充電することが可能となる。
【0023】
次に、例えば停電等により商用電源20の交流電圧(200V)が所定値以下となった場合の動作について説明する。
コントローラーC1は、前述のごとく交流電圧が所定値以下になったときには、常開の第3切換スイッチ6を閉じると共に、第1切換スイッチ4を接点N、第2切換スイッチ5を接点Aに切り換える。この時、直流電源器2は動作することなく、設備用蓄電池3から直流電力が負荷側に供給される。この場合、出力電圧はその時点で設備用蓄電池3に蓄積された電荷量に依存して決まるため、出力電圧にある程度の変動が許容される負荷にのみ電力供給が可能となることから、災害発生時の非常用照明等に利用することが可能である。商用電源20が事故等で停電している場合にコントローラーC1を動作させる電源としては、コントローラーC1に内蔵されたバッテリー、もしくは設備用蓄電池3からの電力を利用する。
【0024】
以上のように実施の形態1においては、動力用蓄電池21への充電休止時には、直流電源器2から例えば直流300V、電流33Aを出力して設備用蓄電池3に直流電力を蓄積する。また、動力用蓄電池21が接続されたときには、直流電源器2が設備用蓄電池3から30kWの直流電力を取り込んで、不足分の10kWの直流電力を商用電源20の交流電力から生成して、その30kWの直流電力に加算し、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給するようにしている。
【0025】
これにより、設備用蓄電池3からの出力分、直流電源器2からの出力が少なくて済み、そのため、直流電源器2の回路規模を小さくでき、急速充電装置1の製作コストを低く抑えることができる。例えば、前記の数値例のように設備用蓄電池3の電力を必要電力の3/4と設定したときに、直流電源器2の出力電力は必要電力の1/4で済み、その消費電力も約1/4となる。従って、直流電源器2の回路規模も約1/4にでき、急速充電装置1の製作コストも同様に下げることが可能となる。
【0026】
また、直流電源器2の容量が小さくなった分、直流電源器2が待機している状態での待機電力は小さくなり、その分充電時の電力損失は少なくなり、その結果、急速充電装置1全体の損失を低減できる。
【0027】
さらに、動力用蓄電池21への充電休止時に、設備用蓄電池3を充電して直流電力を蓄えておくようにしているので、動力用蓄電池21への充電時に急速充電装置1が消費する電力は、設備用蓄電池3の出力分少ないことから、電力消費のピークを低く抑えることになる。例えば電力ピークは、前述した如く約1/4となり、電力会社との契約も小規模で済み、経費の節減を図ることができると共に、電力系統に与える不安定要因を低減することができる。
【0028】
また、設備用蓄電池3の残量がほぼ空のときに負荷となる動力用蓄電池21が接続されたときには、直流電源器2から10kWの直流電力を出力させるようにしているので、充電速度は遅くなるものの、直流電源器2からの直流電力のみで動力用蓄電池21への充電を行うことができる。また、商用電源20の交流電圧が所定値以下になったときには、第3切換スイッチ6を閉じて設備用蓄電池3から直流電力を出力させるようにしているので、商用電源の停電時には、本装置を用いて災害時の非常用照明等への電力供給を可能としている。
【0029】
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
実施の形態2の急速充電装置11は、実施の形態1と同様の直流電源器2及び設備用蓄電池3と、第1及び第2切換スイッチ4,5と、常開の第3切換スイッチ6と、コントローラーC1とを備えている。第1切換スイッチ4は、設備用蓄電池3の正極と接続され、接点Aが第2切換スイッチ5の接点Bと接続されていると共に、直流電源器2の出力端と接続され、接点Bが本装置11の出力端と接続されている。第2切換スイッチ5は、設備用蓄電池3の負極と接続され、接点Aがグランドと接続され、接点Bが第1切換スイッチ4の接点Aと接続されていると共に、直流電源器2の出力端と接続されている。
【0030】
これにより、電気自動車等の動力用蓄電池21への充電休止時には、直流電源器2とグランドとの間に設備用蓄電池3が挿入された回路となり、電気自動車の動力用蓄電池21への充電時には、直流電源器2と動力用蓄電池21との間に設備用蓄電池3が挿入された回路、即ち、直流電源器2と設備用蓄電池3とが直列に接続された状態となる。前述の第3切換スイッチ6は、実施の形態1と同様に、一端が第1切換スイッチ4の接点B側に接続され、他端が設備用蓄電池3の正極側に接続されている。
【0031】
前述のコントローラーC1は、実施の形態1と同様に、設備用蓄電池3を充電する際には、図2(a)に示すように第1及び第2切換スイッチ4,5を接続して、例えば充電電力10kWの容量を有する直流電源器2を制御し、直流300V、電流33Aを例えば30kWhの容量を有する設備用蓄電池3に供給する。また、コントローラーC1は、動力用蓄電池21を充電する際には、第1及び第2切換スイッチ4,5を同図(b)に示すように切り換えて直流電源器2と設備用蓄電池3を直列に接続し、設備用蓄電池3に蓄積した直流電力から30kWの電力を出力させ、かつ、直流電源器2を制御する。この時、直流電源器2は、不足分の10kWの直流電力(直流100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して、その30kWの直流電力を10kWの直流電力に加算し、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給する。
【0032】
この場合も直流電源器2の電力負担は、設備用蓄電池3への充電時では直流電源器2の要求される電力(40kW)の1/4となり、動力用蓄電池21への充電時では共に1/4となっており、直流電源器2が1/4と小さくなる。第1及び第2切換スイッチ4,5には、実施の形態1と同様に、直流400V、電流100Aを満足するものが使用されている。
【0033】
実施の形態2における急速充電装置の動作については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
なお、交流電圧が所定値以下となったときには、コントローラーC1により、第3切換スイッチ6が閉じられると同時に、第1切換スイッチ4が接点A、第2切換スイッチ5が接点Nに切り換えられる。この場合、設備用蓄電池3が切り離された状態で直流電源器2から動力用蓄電池21へ充電が行われる。
【0034】
以上のように実施の形態2においては、動力用蓄電池21への充電休止時には、直流電源器2から直流300V、電流33Aを出力して設備用蓄電池3に直流電力を蓄積する。また、動力用蓄電池21が接続されたときには、設備用蓄電池3からの30kWの直流電力を、直流電源器2により生成された不足分の10kWの直流電力に加算して、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給するようにしている。
【0035】
これにより、実施の形態1と同様に、設備用蓄電池3からの出力分、直流電源器2からの出力は少なくて済み、直流電源器2の回路規模を小さくでき、急速充電装置11の製作コストを低く抑えることができる。例えば、前記の数値例のように設備用蓄電池3の電力を必要電力の3/4と設定したときに、直流電源器2の出力電力は必要電力の1/4で済み、その消費電力も約1/4となる。従って、直流電源器2の回路規模も約1/4でき、急速充電装置11の製作コストも同様に下げることが可能となる。
【0036】
また、直流電源器2の容量が小さくなった分、直流電源器2が待機している状態での待機電力は小さくなり、その分充電時の電力損失は少なくなり、その結果、急速充電装置11全体の損失を低減できる。
【0037】
さらに、動力用蓄電池21への充電休止時に、設備用蓄電池3を充電して直流電力を蓄えておくようにしているので、動力用蓄電池21への充電時に急速充電装置11が消費する電力は、設備用蓄電池3の出力分少ないことから、電力消費のピークを低く抑えることになる。例えば電力ピークは、前述した如く約1/4となり、電力会社との契約も小規模で済み、経費の節減を図ることができる。
【0038】
また、設備用蓄電池3の残量がほぼ空のときに負荷となる動力用蓄電池21が接続されたときには、直流電源器2から10kWの直流電力を出力させるようにしているので、充電速度は遅くなるものの、直流電源器2からの直流電力のみで動力用蓄電池21への充電を行うことができる。
【0039】
また、商用電源20の交流電圧が停電等により所定値以下になったときに、第3切換スイッチ6を閉じて設備用蓄電池3から直流電力を出力させるようにしているので、本装置11を非常用電源として非常用照明等に給電することが可能になる。
【0040】
また、実施の形態2においては、直流電源器2の出力端のうち、低圧側を常に接地することが可能である。このため、実施の形態2では、直流電源器2が装置構造上、絶縁耐力に制限があるような場合でも、実施の形態1の急速充電装置1と同等の効果を得ることができる。
【0041】
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
実施の形態3の急速充電装置31は、商用電源20と接続される第1直流電源器32及び第2直流電源器33と、実施の形態1と同様に例えば30kWhの直流電力量が蓄積可能な設備用蓄電池3と、一端が第2直流電源器33の出力側に接続され、他端が第1直流電源器32の出力側に接続された常開の第3切換スイッチ6と、一端が設備用蓄電池3に接続され、他端が第1直流電源器32の出力側に接続され、常時閉となっている第4切換スイッチ7と、後述するコントローラーC2とで構成されている。
【0042】
第1直流電源器32は、例えば、設備用蓄電池3の充電用で、充電電力10kWの容量を有している。この第1直流電源器32は、設備用蓄電池3を充電する際には、商用電源20の交流電圧200Vを直流に変換し、その出力から設備用蓄電池3の充電に必要な例えば直流300V、電流33A(直流電力)を生成して設備用蓄電池3に供給する。
【0043】
第2直流電源器33は、例えば、電気自動車に搭載された動力用蓄電池21の充電用で、充電電力10kWの容量を有している。この第2直流電源器33は、動力用蓄電池21を充電する際には、設備用蓄電池3に蓄積された直流電力から30kW(300V、100A)の直流電力を取り込んで、その30kWに不足分の10kWの直流電力(直流100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して加算し、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給する。
【0044】
前述のコントローラーC2は、例えば、電気自動車に搭載された電子制御ユニットからのCAN通信の受信等の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、第2直流電源器33により商用電源20の交流電力を取り込ませて直流電力に変換させ、設備用蓄電池3の直流電力と直列に接続して、その出力を動力用蓄電池21に供給するように制御する。コントローラーC2は、CAN通信の受信等の方法により充電終了と判定したときには、第2直流電源器33の制御を停止して充電動作を終了させる。また、コントローラーC2は、前述のCAN通信が受信されていないときには、第1直流電源器32により商用電源20の交流電力を取り込ませて直流電力に変換させ、その直流電力を設備用蓄電池3に充電させるように制御する。コントローラーC2は、設備用蓄電池3に必要な直流電力量(30kWh)が蓄積されたときには、第1直流電源器32の制御を停止させて設備用蓄電池3への充電動作を終了させる。
【0045】
また、コントローラーC2は、設備用蓄電池3の残量がほぼ空のときに、前述のCAN通信等の受信の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、設備用蓄電池3から直流電力が出力されないように第4切換スイッチ7を開とし、次いで、第1直流電源器32及び第2直流電源器33の両方が同時に動力用蓄電池21への充電動作を行うように制御する。コントローラーC2による設備用蓄電池3の残量がほぼ空か否かの判定は、前述したように、設備用蓄電池3の正極側に接続された電流検出手段及び電圧検出手段の検出値に基づいている。
【0046】
また、コントローラーC2は、商用電源20の交流電圧が所定値以下になったときに、第3切換スイッチ6を閉じて設備用蓄電池3を非常用電源として使用する。コントローラーC2による交流電圧が所定値以下になったか否かの判定は、前述したように、商用電源20の入力側に接続された不足電圧継電器からの信号に基づいている。
【0047】
前述した第1直流電源器32の電力負担は、動力用蓄電池21の要求される直流電力(40kW)の1/4となり、第2直流電源器33の電力負担は、第1直流電源器32と同様に1/4となっており、第1及び第2直流電源器31、32の回路規模は共に1/4と小さくなっている。
【0048】
次に、実施の形態3の急速充電装置の動作について図3を用いて説明する。先ず、本装置31の出力側に動力用蓄電池21が接続されていない状態を説明する。
コントローラーC2は、前述のCAN通信が受信されていないときには、本装置31の出力側に電気自動車の動力用蓄電池21が接続されていないと判定して、第1直流電源器32が設備用蓄電池3への充電動作を行うように制御すると共に、第2直流電源器33が動力用蓄電池21への充電動作を行わないように制御する。なお、コントローラーC2は、設備用蓄電池3が満充電(30kWh)の場合には、後述する制御動作を行うことなく待機する。コントローラーC2は、設備用蓄電池3が満充電でないときには、設備用蓄電池3に30kWhの直流電力量が蓄積されるように、第1直流電源器32を制御する。この時、第1直流電源器32は、商用電源20の交流電力を取り込んで直流に変換し、その出力から直流300V、電流33Aを生成して設備用蓄電池3に供給する。
【0049】
コントローラーC2は、待機中あるいは設備用蓄電池3への充電中に、CAN通信の受信等の方法により電気自動車の動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、第2直流電源器33が動力用蓄電池21への充電動作を行うように制御する。この時、コントローラーC2は、設備用蓄電池3への充電中であった場合には、第1直流電源器32の充電動作を停止して、商用電源20からの交流電圧の取り込みを中止させ、設備用蓄電池3への充電を停止させる。一方、第2直流電源器33は、コントローラーC2からの制御により、設備用蓄電池3に蓄積された直流電力から30kW(直流300V、電流100A)の直流電力を取り込んで、その30kWに不足分の10kWの直流電力(直流100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して加算し、40kW(直流400V、電流100A)の直流電力を動力用蓄電池21に供給する。この場合も、前述したように、前記の電圧値、電流値は一例であり、動力用蓄電池からの要求に合わせた特性で充電を行うように第2直流電源器33がコントローラーC3によって制御される。
【0050】
また、コントローラーC2は、設備用蓄電池3の直流電力量の残量が低下し、設備用蓄電池3のみでは動力用蓄電池21への充電が十分に行えない状態を検知しているときに、前述のCAN通信の受信等の方法により電気自動車の動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、第1直流電源器32と同時に第2直流電源器33を動作させる。そして、コントローラーC2は、設備用蓄電池3の直流電力に第1直流電源器32の直流電力を合わせ、かつ、第2直流電源器33と直列に接続して、設備用蓄電池3の残量の不足分を第1及び第2直流電源器32、32で補うように直流電力の出力制御し、動力用蓄電池21への充電を継続する。
【0051】
また、コントローラーC2は、設備用蓄電池3の残量がほぼ空のときに、前述のCAN通信等の受信等の方法により電気自動車の動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、第4切換スイッチ7を開き、次いで、第1直流電源器32及び第2直流電源器33の両方が同時に動力用蓄電池21への充電動作を行うように制御する。この時、コントローラーC2は、第1直流電源器32から例えば直流300V、電流33A、第2直流電源器33から例えば直流100V、電流33Aが発生するように制御する。なお、常閉の第4切替スイッチ7が開となることで、第1直流電源器32からの直流電力が設備用蓄電池7に流入しない。この結果、動力用蓄電池21には、直流400V、電流33Aの直流電力で充電が実施され、設備用蓄電池3の残量がある場合に比べて充電速度は遅くなるものの、継続して充電が可能となる。
【0052】
コントローラーC2は、動力用蓄電池21への充電が終了した場合には、各直流電源器32、33の充電動作を停止すると共に、第4の切替スイッチ7を再び閉とする。また、コントローラーC2は、動力用蓄電池21を充電しているときに商用電源20の交流電圧が所定値以下になったときには、常開の第3切換スイッチ6を閉じて、前記と同様に設備用蓄電池3を非常用電源とする。
【0053】
以上のように実施の形態3においては、動力用蓄電池21への充電休止時には、第1直流電源器32から直流300V、電流33Aを出力して設備用蓄電池3に直流電力を蓄積する。また、動力用蓄電池21が接続されたときには、第2直流電源器33が、設備用蓄電池3から30kWの直流電力を取り込んで、その30kWの直流電力に不足分の10kWの直流電力を商用電源20の交流電力から生成して加算し、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給するようにしている。
【0054】
これにより、設備用蓄電池3からの出力分、第2直流電源器33からの出力が少なくて済み、第2直流電源器33の回路規模を小さくできる。例えば、設備用蓄電池3の電力を必要電力の3/4と設定したときに、第2直流電源器33の出力電力は必要電力の1/4で済み、その消費電力も約1/4となる。従って、第2直流電源器33の回路規模も約1/4となる。
【0055】
また、第2直流電源器33の容量が小さくなった分、第2直流電源器33が待機している状態での待機電力は小さくなり、その分充電時の電力損失は少なくなり、その結果、急速充電装置31全体の電力効率が向上する。
【0056】
また、動力用蓄電池21への充電休止時に、第1直流電源器32が設備用蓄電池3を充電して直流電力を蓄えておくようにしているので、動力用蓄電池21への充電時に急速充電装置31が消費する電力は、設備用蓄電池3の出力分少ないことから、電力消費のピークを低く抑えることになる。例えば電力ピークは、前述した如く約1/4となり、電力会社との契約も小規模で済み、経費の節減ができると同時に商用電源への変動を抑えることが可能である。
【0057】
さらに、実施の形態3においては、動力用蓄電池21への充電休止時に、第1直流電源器32が設備用蓄電池3を充電し、動力用蓄電池21が接続されたときには、第2直流電源器33が設備用蓄電池3から出力される30kWの直流電力に不足分の10kWの直流電力を加算する構成であるため、実施の形態1,2の急速充電装置1,11に必要であった、回路構成を切り替えるための第1及び第2切換スイッチ4,5が不要となり、急速充電装置31の回路構成を簡素化できる。
【0058】
また、設備用蓄電池3の残量がほぼ空のときに負荷となる動力用蓄電池21が接続されたときには、第1直流電源器32と第2直流電源器33の両方から直流電力を出力させるようにしているので、充電速度は遅くなるものの、動力用蓄電池21への充電を行うことができる。また、商用電源20の交流電圧が所定値以下になったときに、第3切換スイッチ6を閉じて設備用蓄電池3から直流電力を出力させるようにしているので、設備用蓄電池3を非常用電源として非常用照明等に給電することが可能になる。
【0059】
また、実施の形態3においては、上記に加え、以下に示す2点の特徴がある。
【0060】
(1)実施の形態1、2では、直流電源器2は例えば直流300V、電流33Aの出力を持つ動作と、例えば直流100V、電流100Aの出力を持つ動作の2通りの動作が必要であった。どちらも出力電力は10KWで等しいが、現実に電圧、電流の動作範囲の広い直流電源器2を製作することは費用面から困難な場合がある。一方、実施の形態3では、第1及び第2直流電源器32,33は、おのおのの電圧、電流の範囲が限られており、その分安価に製作できる可能性がある。
【0061】
(2)実施の形態1、2では、万一、設備用蓄電池3の残容量が著しく少ない状態で動力用蓄電池21を充電したい要望がある場合、前述した例では直流400V、電流25Aの電力を発生することができたのに対し、実施の形態3では2台の直流電源器32、33を同時に動作させることにより直流400V、電流33Aの電力を発生させ、実施の形態1、2に比べ急速に動力用蓄電池21への充電が可能であるという利点がある。
【0062】
また、実施の形態1,2及び3では、急速充電装置1,11,31に1個の設備用蓄電池3を設けたことを述べたが、その設備用蓄電池3を複数備えた急速充電装置1,11,31でもよい。その場合、設備用蓄電池3に1個あるいは2個以上の設備用蓄電池3を並列に接続する。これにより、設備用蓄電池3を充電する期間と動力用蓄電池21を充電する期間の選択の自由度が増すため、より多くの電気自動車を効率良く充電できる。
【0063】
実施の形態4.
ここで、前述した実施の形態3の急速充電装置31に複数の設備用蓄電池を設けて使用した場合の実施の形態について図4を用いて説明する。
図4は本発明の実施の形態4に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3と同様の部分には同じ符号を付している。
実施の形態4の急速充電装置41は、例えば交流200Vの商用電源20と接続される第1及び第2直流電源器32,33と、実施の形態3と同様に例えば30kWhの直流電力量が蓄積可能な第1及び第2設備用蓄電池3,44と、第1及び第2切換スイッチ42,43と、常開の第3切換スイッチ6と、常開の第5切換スイッチ8と、コントローラーC3とで構成されている。なお、コントローラーC3の制御機能については、急速充電装置41の動作を説明するときに詳述する。
【0064】
第1及び第2直流電源器32,33は、実施の形態3と同様に、充電電力10kWの容量を有し、第1直流電源器32を第1及び第2設備用蓄電池3,44の充電用として、第2直流電源器33を電気自動車の動力用蓄電池21の充電用として使用している。第1直流電源器32は、第1設備用蓄電池3あるいは第2設備用蓄電池44を充電する際、実施の形態3と同様に、商用電源20の交流電力を受け取って直流電力に変換し、その直流電力により第1設備用蓄電池3あるいは第2設備用蓄電池44を充電する。また、第2直流電源器33は、第1設備用蓄電池3あるいは第2設備用蓄電池44に蓄積された直流電力と直列に接続し電圧を加算することにより動力用蓄電池21への充電を行う。
【0065】
第1切換スイッチ42は、第1設備用蓄電池3の正極と接続され、接点Aが第2直流電源器33と接続されていると共に、第2切換スイッチ43の接点Bと接続されている。また、第1切換スイッチ42の接点Bは第1直流電源器32の出力端と接続されている。第2切換スイッチ43は、第2設備用蓄電池44の正極と接続され、接点Aが第1直流電源器32の出力端と接続され、接点Bが第2直流電源器33と接続されている。第3切換スイッチ6は、一端が第2直流電源器33の出力側に接続され、他端が例えば第2設備用蓄電池44の正極側に接続されている。前述の第1及び第2切換スイッチ42,43と第3切換スイッチ6は、コントローラーC3からの制御に基づいて回路の接続を切り換えるように構成されている。第5切換スイッチ8は、第1切換スイッチ42の接点Aと接点Bの間に接続されて常時開となっており、コントローラーC3からの制御に基づいて回路の接続を切り換えるように構成されている。なお、第3切換スイッチ6の他端を第2設備用蓄電池44の正極側に接続したことを述べたが、その第3切換スイッチ6の他端を第2設備用蓄電池44に代えて第1設備用蓄電池3の正極側に接続しても良い。
【0066】
次に、実施の形態4の急速充電装置の動作について図4を用いて説明する。なお、第1設備用蓄電池3には動力用蓄電池21を充電するのに必要な直流電力量が蓄積され、第2設備用蓄電池44には動力用蓄電池21を充電するのに必要な直流電力量が蓄積されていない場合を例として説明する。
コントローラーC3は、例えば、電気自動車に搭載された電子制御ユニットからのCAN通信が受信されていないとき、図中に示すように第1及び第2切換スイッチ42,43を共に接点A側に接続する。次いで、コントローラーC3は、第1直流電源器32により商用電源20の交流電力を直流に変換させて、その直流電力を第2設備用蓄電池44に供給させ、例えば30kWhの直流電力量が蓄積されるように充電動作を行わせる。この時、第1直流電源器32は、商用電源20の交流電力を直流に変換し、その出力から例えば直流300V、電流33Aを生成して第2設備用蓄電池44に供給する。コントローラーC3は、第2設備用蓄電池44への充電終了を検知したときには、第1直流電源器32の充電動作を停止する。この停止により、商用電源20との接続及び第2設備用蓄電池44との接続が遮断され充電を終了する。
【0067】
前記と逆に、第1設備用蓄電池3には動力用蓄電池21を充電するのに必要な直流電力量が蓄積されておらず、第2設備用蓄電池44には動力用蓄電池21を充電するのに必要な直流電力量が蓄積されている場合にも、コントローラーC3は、第1及び第2切換スイッチ42,43を共に接点B側に接続し、第2設備用蓄電池44に対して同様の充電動作を実施する。両方の設備用蓄電池3、44が共に十分な電荷量を蓄積していない場合には、前記の動作を繰り返し、第1及び第2設備用蓄電池3、44を順次に充電する。
【0068】
次に、第1設備用蓄電池3及び第2設備用蓄電池44が共に十分な直流電力量を蓄積している場合を例として、本装置41に負荷となる動力用蓄電池21が接続された場合の動作を説明する。
コントローラーC3は、電気自動車の電子制御ユニットからのCAN通信の受信等の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、第2直流電源器33により商用電源20の交流電力を取り込ませて直流電力に変換させ、第1設備用蓄電池3の直流電力と直列に接続して、その出力(例えば40kWの直流電力)を動力用蓄電池21に供給するように制御する。この時、第2直流電源器33は、その制御により、第1設備用蓄電池3に蓄積された直流電力から30kWの直流電力を取り込んで、不足分の10kWの直流電力(直流100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して加算し、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給する。一方、コントローラーC3は、動力用蓄電池21への充電終了をCAN通信等の方法により検知したときには、第2直流電源器33の充電動作を停止する。この停止により、商用電源20との接続及び第1設備用蓄電池3との接続が遮断される。
【0069】
コントローラーC3は、第1設備用蓄電池3の使用による動力用蓄電池21への充電を繰り返し実施するうちに、第1設備用蓄電池3に蓄積された直流電力量が所定容量以下まで低下したことを検知すると、第1及び第2切換スイッチ42,43を共に接点Aから接点B側に切り換えて接続する。次いで、コントローラーC3は、第1直流電源器32を動作させて商用電源20より交流電力を取り込ませ、第1設備用蓄電池3に30kWhの直流電力量が蓄積されるように、第1直流電源器32を制御する。この時、第1直流電源器32は、その制御により、商用電源20の交流電力を直流に変換し、その出力から直流300V、電流33Aを生成して第1設備用蓄電池3に供給する。
【0070】
コントローラーC3は、第1設備用蓄電池3の充電中に、CAN通信の受信等の方法により本装置41の出力側に動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、第2直流電源器33を動作させて商用電源20より交流電力を取り込ませ、直流出力が十分な直流電力量を持つ第2設備用蓄電池44と直列に接続されるようにする。そして、コントローラーC3は、40kWの直流電力が動力用蓄電池21に出力されるように、第2直流電源器33を制御する。この時、第2直流電源器33は、その制御により、第2設備用蓄電池44に蓄積された直流電力から30kWの直流電力を取り込んで、不足分の10kWの直流電力(直流100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して加算し、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給する。一方、コントローラーC3は、動力用蓄電池21への充電終了をCAN通信の受信等の方法により検知したときには、第2直流電源器33の動作を停止し、動力用蓄電池21への充電動作を停止させる。
【0071】
つまり、第1及び第2設備用蓄電池3,44のうち、第1設備用蓄電池3を動力用蓄電池21の充電に使用する場合、第1及び第2切換スイッチ42,43を接点A側に切り換えて接続する。これにより、第1設備用蓄電池3は、第2直流電源器33と直列に接続され、動力用蓄電池21の充電に使用される。この場合、第2設備用蓄電池44は第1直流電源器32により充電される。逆に、第2設備用蓄電池44を動力用蓄電池21の充電に使用する場合には、第1及び第2切換スイッチ42,43を接点Aから接点B側に切り換えて接続することにより、第2設備用蓄電池44と第2直流電源器33とが直列に接続されて動力用蓄電池21の充電に用いられ、同時に第1設備用蓄電池3は第1直流電源器32により充電される。
【0072】
このように、動力用蓄電池21の充電を行うと同時に、使用していない方の設備用蓄電池の充電を行うことができる。そのため、連続的に電気自動車の動力用蓄電池21の充電を行うことが可能となり、多くの電気自動車を効率良く充電できる。
【0073】
さらに、実施の形態4において、例えば第1設備用蓄電池3及び第2設備用蓄電池44のどちらも動力用蓄電池21を充電するのに必要な直流電力量を保有しているときに、前述のCAN通信の受信等の方法により本装置41の出力側に動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、前述のように、コントローラーC3は、第1及び第2切換スイッチ42、43を共に接点Aに接続し、第1設備用蓄電池3から本装置41に接続された動力用蓄電池21への充電を行う。
【0074】
この状態において、第1設備用蓄電池3の蓄電電力量が動力用蓄電池21への充電とともに減少し、もし、動力用蓄電池21の充電が終了する前に第1設備用蓄電池3の保有電力量が充電に必要な電力以下に減少した場合には、コントローラーC3がこのことを検知し、第1及び第2切換スイッチ42、43を接点Aから接点B側に切り換える。これにより、引き続き第2設備用蓄電池44を用いて動力用蓄電池21の充電を継続して行うことが可能である。上記は、第2設備用蓄電池44を用いて動力用蓄電池21を充電中に残電力量が不足し、第1設備用蓄電池3が十分な直流電力量を保有している場合も同様に第1及び第2切換スイッチ42、43を接点Bから接点A側に切り換えることにより可能である。
このように、実施の形態4においては、設備用蓄電池の残量不足による装置の運用停止を避けることが可能であるという点でさらに効率的な装置の運用が可能である。
【0075】
次に、第1及び第2設備用蓄電池3、44の直流電力量の残量がともにほぼ空のときに、前述のCAN通信の受信等の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定した場合に第1と第2直流電源器32、33を同時に用いて動力用蓄電池21への充電を行う動作を説明する。
コントローラーC3は、第1直流電源器32と第2直流電源器33に動作させると共に、常開の第5切替スイッチ8を閉、第1及び第2切換スイッチ42、43を接点N(ニュートラル)の位置に切り換えるように制御を行う。これにより、各設備用蓄電池3、44を切り離し、第1直流電源器32と第2直流電源器33を直列に接続して動力用蓄電池21に充電を行う。この場合、実施の形態3と同様に、第1直流電源器32からは例えば電圧300V、電流33A、第2直流電源器33からは例えば電圧100V、電流33Aを発生させることができる。一方、コントローラーC3は、動力用蓄電池21を充電しているときに商用電源20の交流電圧が所定値以下になったときには、常開の第3切換スイッチ6を閉じて、例えば第2設備用蓄電池44から災害時の非常用照明等に電力を供給することにより本装置41を非常用電源とすることができる。
【0076】
また、実施の形態4においては、実施の形態3と同様に、(1)第1及び第2直流電源器32,33は、おのおのの電圧、電流の範囲が限られており、その分安価に製作できる可能性があることと、(2)第1及び第2設備用蓄電池3,44が共に残量が空に近い状態でも2台の直流電源器32、33を直列に接続することにより上記例では電圧400V、電流33Aの直流電力により動力用蓄電池21を充電できるという利点がある。
【0077】
なお、実施の形態4では、一例として2個の設備用蓄電池3,44を用いる場合を説明したが、設備用蓄電池を3個以上使用しても同様に実施が可能であり、より多くの電気自動車を効率良く充電できる。
【0078】
実施の形態5.
実施の形態3,4では、急速充電装置31,41に動力用蓄電池21の充電用として1個の直流電源器33を設けたことを述べたが、実施の形態5は、動力用蓄電池21の充電用として複数の直流電源器を設けたものである。
図5は本発明の実施の形態5に係る急速充電装置の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3と同様の部分には同じ符号を付している。
【0079】
実施の形態5の急速充電装置51は、商用電源20と接続される第1直流電源器32と、第1直流電源器32と同様に商用電源20にそれぞれ接続される例えば4個の第2直流電源器33,34,35,36と、第1直流電源器32及び第2直流電源器33,34,35,36にそれぞれ接続され、実施の形態3と同様に30kWhの直流電力量が蓄積可能な設備用蓄電池3と、一端が例えば第2直流電源器36の出力側に接続され、他端が第1直流電源器32の出力側に接続された常開の第3切換スイッチ6と、一端が第1直流電源器32の出力側に接続され、他端が設備用蓄電池3の正極側に接続された常閉の第4切換スイッチ7と、コントローラーC4とで構成されている。なお、コントローラーC4の制御機能については、急速充電装置51の操作を説明するときに詳述する。
【0080】
第1直流電源器32及び第2直流電源器33,34,35,36は、実施の形態3と同様に、例えば充電電力10kWの容量を有し、第1直流電源器32を設備用蓄電池3の充電用として、4個の第2直流電源器33,34,35,36を電気自動車の動力用蓄電池21(複数)の充電用として使用している。第1直流電源器32は、設備用蓄電池3を充電する際、実施の形態3と同様に、商用電源20の交流電力を直流に変換し、その出力から直流300V、電流33Aを生成して充電する。第1直流電源器32による設備用蓄電池3への充電は、動力用蓄電池21への充電の休止時に行われる。
【0081】
また、第2直流電源器33,34,35,36は、動力用蓄電池21を充電する際、設備用蓄電池3に蓄積された直流電力から30kW(300V、100A)の直流電力に、それぞれ不足分の10kWの直流電力(直流100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して加算し、40kWの直流電力を本装置51の出力側にそれぞれ接続された動力用蓄電池21に供給する。つまり、4台の電気自動車を同時に充電することができる。
【0082】
次に、実施の形態4の急速充電装置の動作について図5を用いて説明する。
まず、コントローラーC4は、設備用蓄電池3に充電を実施する必要があると判定した場合、第1直流電源器32を動作させ、例えば電圧300V、電流33Aにて設備用蓄電池3の充電を行わせる。次に、コントローラーC4は、例えば電気自動車の電子制御ユニットからのCAN通信の受信等の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、第1直流電源器32の動作を停止して設備用蓄電池3への充電を停止させると共に、CAN通信の受信から何れの第2直流電源器33〜36の出力側に動力用蓄電池21が接続されたかどうかを判定する。
【0083】
例えば、コントローラーC4は、第2直流電源器33と第2直流電源器34とに順次に動力用蓄電池21が接続されたことを検知したときには、2個の第2直流電源器33、34に動作を開始させることにより、商用電源20より交流電力を取り込み、各動力用蓄電池21に必要な電力例えば40kWが供給されるように各第2直流電源装置を制御する。この時、第2直流電源器33、34は、それぞれ第1設備用蓄電池3に蓄積された直流電力から30kWの直流電力を取り込んで、不足分の10kWの直流電力(直流100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して加算し、40kWの直流電力をそれぞれの動力用蓄電池21に供給する。
【0084】
一方、コントローラーC4は、第2直流電源器33、34から各動力用蓄電池21に充電が行われているときに、残りの2個の第2直流電源器35、36の出力側に動力用蓄電池21が接続されたことをCAN通信の受信等の方法により検知したときには、前記と同様にさらに第2直流電源器35、36に動作させることにより、商用電源20から交流電力を取り込み、接続された各動力用蓄電池21に必要な直流電力が供給されるように制御を行う。この時、第2直流電源器35、36は、第1設備用蓄電池3に蓄積された直流電力から30kWの直流電力を取り込んで、不足分の10kWの直流電力(直流100V、電流100A)を商用電源20の交流電力から生成して加算し、40kWの直流電力を動力用蓄電池21に供給する。また、コントローラーC4は、4個の第2直流電源器33〜36から各動力用蓄電池21に充電が行われているときに、例えば第2直流電源器33による動力用蓄電池21への充電終了をCAN通信の受信等の方法により検知したときには、第2直流電源器33の動作を停止して動力用蓄電池21への充電を停止させ、商用電源20からの交流電力の取り込み、設備用蓄電池3との接続を終了させる。
【0085】
また、コントローラーC4は、設備用蓄電池3の直流電力量の残量がほぼ空のときに、前述のCAN通信の受信等の方法により動力用蓄電池21が接続されたと判定したときには、動力用蓄電池21が接続された例えば第2直流電源器33に動作を行わせ商用電源20より交流電力を取り込ませると同時に、常閉の第4切換スイッチ7を開とする。次いで、コントローラーC4は、第1直流電源器32を動作させて第1及び第2直流電源器32、36を直列に接続して、動力用蓄電池21に充電を行わせる。そして、コントローラーC4は、第1直流電源器32からの直流電力が設備用蓄電池3に流入しないように第4切換スイッチ7を開とする。
【0086】
この時、例えば第1直流電源器32から電圧300V、電流33Aの直流電力を発生させ、同時に第2直流電源器33より電圧100V、電流33Aの直流電力を発生させ、これらを直列に接続することにより電圧400V、電流33Aの直流電力が動力用蓄電池21に供給される。コントローラーC4は、動力用蓄電池21への充電終了を判定した場合には、第2直流電源32の動作を停止させ、商用電源20からの交流電力の取り込みを中止させて動力用蓄電池21への充電動作を停止する。また、コントローラーC4は、第4切換スイッチ7を閉として第1直流電源器32から設備用蓄電池3への充電動作を実施させる。さらに、コントローラーC4は、本装置1が待機中に、商用電源20の交流電圧が所定値以下になったときには、常開の第3切換スイッチ6を閉じて設備用蓄電池3を非常用電源とする。
【0087】
以上のように実施の形態5においては、複数の電気自動車等を同時に接続して充電することが可能となる。その場合、設備用蓄電池3及び切換スイッチ等の設備が1台分で済むことから、装置全体を複数準備することに比べて装置全体を小型化にでき、費用も削減できる。
また、実施の形態5においては、複数の電気自動車を同時に充電する場合を想定していることから、搭載する設備用蓄電池3の容量は必要に応じて増加させることも可能である。
【0088】
また、設備用蓄電池3の残量がほぼ空のときに負荷となる動力用蓄電池21が接続されたときには、動力用蓄電池21が接続された第2直流電源器から10kWの直流電力を出力させるようにしているので、充電速度は遅くなるものの、第2直流電源器からの直流電力のみで動力用蓄電池21への充電を行うことができる。
また、商用電源20の交流電圧が所定値以下になったときに、第3切換スイッチ6を閉じて設備用蓄電池3から直流電力を出力させるようにしているので、設備用蓄電池3を非常用電源として非常用照明等に給電することが可能になる。
【0089】
なお、実施の形態5では実施の形態3を基に説明したが、実施の形態1,2の急速充電装置1、11に複数の直流電源器2を設置して、複数の動力用蓄電池21を同時に充電できるようにすることも可能である。例えば図1においては、複数の直流電源器2を設置し、各直流電源器2毎に第1切換スイッチ4を介して設備用蓄電池3と本装置1の出力端が接続されるようにし、さらに、各直流電源器2毎に第2切換スイッチ5を介して設備用蓄電池3と接続されるようにする。
【0090】
また、実施の形態1〜5では、コントローラーにより、直流電源器(第1及び第2直流電源器)や切換スイッチを制御するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば直流電源器に内蔵された制御回路に上記のコントローラーと同じ制御機能を持たせるようにしても良い。また、設備用蓄電池の容量を30kWhとして説明したが、これに限定されるものではない。
【0091】
また、実施形態1〜5において、商用電源20とは別に補助電源(太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、地熱発電など)を設け、本装置内の設備用蓄電池に並列に接続することにより給電することも可能である。これにより、商用電源20からの受電量を軽減することが可能となる。この場合、風力発電等、交流を発電する設備の場合には直流に変換後に設備用蓄電池に供給し、太陽光発電等、直流を発電する設備の場合には電圧を変換した後設備用蓄電池に供給する。
【0092】
また、実施の形態1〜5では、急速充電装置1,11,31,41,51を電気自動車に適用したことを述べたが、これに限定されるものではない。例えば、ロボットに適用してもよいし、無人搬送車の電源装置として用いてもよい。その場合、ロボットや無人搬送車に内蔵されている設備用蓄電池の充電特性に適した直流電源器や設備用蓄電池が使用されることは言うまでもない。同様に、設備用蓄電池及び動力用蓄電池の容量として一例を説明に用いたが、他の容量の電池を用いること、あるいはリチウムイオン電池に限らず、他のあらゆる種類の電池を用いることも可能である。
【0093】
実施の形態1〜5では、設備用蓄電池3、44及び動力用蓄電池21への充電において、電圧値、電流値を例として示したが、蓄電池への充電は一定電圧、電流で行われるものではなく、例えば定電圧定電流方式等で示されるような、蓄電池の特性に合わせた充電方法を用いることが一般的に必要である。これらの充電特性の制御は、設備用蓄電池3、44については各コントローラーC1〜C4により、蓄電池への充電電流、端子電圧等を計測することにより自動的に最適な動作が実施されるものとする。また、動力用蓄電池21については、電気自動車等動力用蓄電池の装置仕様に従うが、動力用蓄電池側から充電電圧・電流値を指定する仕様である場合にはそれに従う。
【0094】
実施の形態1〜5では、急速充電装置の電源として商用電源20としたが、これに限定されるものではなく、自家発電設備等、交流電力を発電する電源装置であれば何れでも良い。
【符号の説明】
【0095】
1,11,31,41,51 急速充電装置、2 直流電源器、3 設備用蓄電池(第1設備用蓄電池)、4,42 第1切換スイッチ、5,43 第2切換スイッチ、6 第3切換スイッチ、7 第4切換スイッチ、8 第5切換スイッチ、20 商用電源、21 電気自動車の動力用蓄電池、32 第1直流電源器、33,34,35,36 第2直流電源器、44 第2設備用蓄電池。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備用蓄電池と、
交流電源の交流電力をそれぞれ直流に変換する第1及び第2直流電源器と、
前記設備用蓄電池を充電する際に、交流電源の交流電力から前記設備用蓄電池の充電に必要な直流電力が生成されるように前記第1直流電源器を制御し、その直流電力を前記第1直流電源器から前記設備用蓄電池に供給させるコントローラーとを備え、
前記コントローラーは、負荷である動力用蓄電池が接続されたときには、交流電源の交流電力から所定の直流電力が生成されるように前記第2直流電源器を制御し、その所定の直流電力を前記設備用蓄電池からの直流電力に加算して前記動力用蓄電池の充電に必要な直流電力を生成し、前記第2直流電源器から前記動力用蓄電池に供給させることを特徴とする急速充電装置。
【請求項2】
前記コントローラーは、前記動力用蓄電池の接続を検知していないときに、前記設備用蓄電池に直流電力が供給されるように前記第1直流電源器を制御することを特徴とする請求項1記載の急速充電装置。
【請求項3】
前記第2直流電源器は複数設けられ、
前記コントローラーは、前記動力用蓄電池の接続を検知したときには、前記動力用蓄電池が接続された第2直流電源器に交流電源と前記設備用蓄電池とを接続して、当該第2直流電源器から所定の直流電力が生成されるように制御し、かつ、その所定の直流電力を前記設備用蓄電池からの直流電力に加算することを特徴とする請求項1又は2記載の急速充電装置。
【請求項4】
前記コントローラーは、前記設備用蓄電池の残量がほぼ空のときに、前記動力用蓄電池の接続を検知したときには、交流電源の交流電力から所定の直流電力が生成されるように前記第2直流電源器を制御し、その所定の直流電力を第2直流電源器から前記動力用蓄電池に供給させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の急速充電装置。
【請求項5】
前記コントローラーは、前記設備用蓄電池の残量がほぼ空のときに、前記動力用蓄電池の接続を検知したときには、交流電源の交流電力から所定の直流電力が生成されるように前記第1直流電源器を制御し、その所定の直流電力を第1直流電源器から前記動力用蓄電池に供給させることを特徴とする請求項4記載の急速充電装置。
【請求項6】
前記設備用蓄電池の正極側と前記第2直流電源器の出力側との間に設けられた常開のスイッチを備え、
前記コントローラーは、交流電源の交流電圧が所定値以下になったときに、前記スイッチを閉じて前記設備用蓄電池を非常用電源とすることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の急速充電装置。
【請求項7】
前記設備用蓄電池に補助電源を並列に接続したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の急速充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−39864(P2012−39864A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201667(P2011−201667)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【分割の表示】特願2011−573(P2011−573)の分割
【原出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【出願人】(500091520)株式会社アイケイエス (7)
【Fターム(参考)】