説明

患者特有の補足的な医療コンテンツを用いる患者エンタテインメントシステム

エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26を提示するよう構成されるエンタテインメントデバイス30と連動して動作するよう構成される医療情報供給システムが、上記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに追加的なコンテンツを挿入するマルチプレクサ56と、上記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに挿入するための患者特有のコンテンツを選択するコントローラ42とを含む。医療情報供給方法が、エンタテインメントデバイス30を介してエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26を提示するステップと、上記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームを提示すると共に、上記エンタテインメントデバイスを介して患者特有のコンテンツを提示するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、医療分野に関する。本願は、特に病院又は他の臨床環境における患者に医療アドバイスを提供することに関し、その説明的な参照に基づき記載される。本願はより一般に、病院、家又は他の環境における患者又は他の対象者に医療アドバイスを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
病院において患者の監視を提供することが知られている。斯かる監視は、例えば心拍、血圧又はSpOレベルといった生理的パラメータの自動測定、又は患者重量、摂食行動、便通、尿機能、運動、睡眠期間等をあまり自動化されていない態様で追跡することを含むことができる。斯かる情報は通常、(例えば、測定された生理的パラメータに関するトレンド情報を記録することにより)自動的に記録されるか、又は電子若しくは紙ベースの患者カルテに斯かる情報を記録することにより病院職員により記録される。この情報は、患者の現在の物理状態及びおそらくメンタル状態に合わせて患者ケアを調整する医師、看護士又は他のケア提供者により使用される。
【0003】
患者がそれに従って自分の挙動を変えることができるように、有利にはこの情報が患者に伝達されることも理解されたい。例えば、看護士は、患者がより睡眠若しくは運動する必要があること、又はもっと食べる必要がある、もっと食事を減らす必要があるといったことを患者に伝える。(例えば心拍データ、摂食行動チャート等の)患者モニタリングの生の形式のデータは通常、患者にとってはほとんど有益でない。その代わりに、医師、看護士又は他のケア提供者が通常、適切な行動修正のための推奨事項を作成するため、適切な解析によって生の患者モニタリングデータをフィルタリングする。このフィルタリングは、複雑になる可能性があるか(例えば、心臓状態を決定する心電図の解析)、又は直接的になる可能性がある(例えば、摂食行動とカロリー摂取目標との比較)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
残念なことに、患者への情報の伝達が、効果がない又は非効率的な場合がある。一般的な患者は、1日につき数回看護士による簡単な訪問を受け、おそらく医師からの短い訪問を受けることができる。こうした患者とケア提供者との簡単な面会の間、ケア提供者は、関連する情報又はアドバイスを患者に伝達することを試みる。しかしながら、看護士又は医師は通常、その簡単な訪問の間、静脈点滴を交換する、診断プロービングを実行する等、実行すべき1つ又は複数の特定業務を持ち、気が散って、関連する情報又はアドバイスを患者に提供することができない場合がある。
【0005】
また更に、患者が情報又はアドバイスを受ける場合であっても、その患者が情報又はアドバイスを忘れる又は無視する場合がある。繰り返し伝達することで、患者の記憶が強化され、おそらく患者がアドバイスに従うチャンスが増加される。しかしながら、人員数の制限及び他の作業によって、患者とケア提供者との対話時間の量には制限が課せられる。
【0006】
以下は、上述した問題及びその他に対処する改良を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの側面によれば、医療情報供給システムが、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームを提示するよう構成されるエンタテインメントデバイスと連動して動作するよう構成される。この医療情報供給システムは、上記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに追加的なコンテンツを挿入する手段と、上記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに挿入するための患者特有のコンテンツを選択する手段とを含む。
【0008】
別の側面によれば、医療情報供給方法が開示され、この方法は、エンタテインメントデバイスを介してエンタテインメント音声/映像コンテンツを提示するステップと、上記エンタテインメント音声/映像コンテンツを提示すると共に、上記エンタテインメントデバイスを介して患者特有のコンテンツを選択的に提示するステップとを含む。
【0009】
別の側面によれば、情報供給システムが開示され、このシステムは、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームを提示するよう構成される1つ又は複数の要素を有するエンタテインメントデバイスと、上記エンタテインメントに関連しない患者特有のコンテンツを選択し、上記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームと共に上記エンタテインメントデバイスにより表示するため上記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに挿入するよう構成される1つ又は複数の追加的な要素とを含む。
【0010】
1つ利点は、患者が興味を持つ音声/映像コンテンツ表示と連動して、患者特有の情報又はアドバイスを提示する点にある。
【0011】
別の利点は、患者特有の情報及びアドバイスを自動的な態様で提供するため既存の音声/映像装置を利用する点にある。
【0012】
別の利点は、患者特有の情報及びアドバイスを更に提供するため、利用可能な娯楽志向の音声/映像装置を利用する点にある。
【0013】
別の利点は、患者が慣れ親しんでおり快適さを感じるテレビ又はエンタテインメントシステムを用いて患者に医療情報又はアドバイスを提供する点にある。
【0014】
別の利点は、リアルタイム患者モニタリングに基づき患者に対してわかりやすい医療関連アドバイスを提供する点にある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】病室における患者と、テレビ及びデジタルビデオレコーダを含む病室におけるエンタテインメントデバイスと、エンタテインメントデバイスと連動して動作するよう構成される医療情報供給システムとを図式的に表す図である。
【図2】図1の医療情報供給システムが、エンタテインメントデバイスにより表示されるエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに患者特有のコンテンツを挿入するときのさまざまな説明的な態様を図式的に表す図である。
【図3】図1の医療情報供給システムが、エンタテインメントデバイスにより表示されるエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに患者特有のコンテンツを挿入するときのさまざまな説明的な態様を図式的に表す図である。
【図4】図1の医療情報供給システムが、エンタテインメントデバイスにより表示されるエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに患者特有のコンテンツを挿入するときのさまざまな説明的な態様を図式的に表す図である。
【図5】図1の医療情報供給システムが、エンタテインメントデバイスにより表示されるエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに患者特有のコンテンツを挿入するときのさまざまな説明的な態様を図式的に表す図である。
【図6】図1の医療情報供給システムが、エンタテインメントデバイスにより表示されるエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに患者特有のコンテンツを挿入するときのさまざまな説明的な態様を図式的に表す図である。
【図7】図1の医療情報供給システムが、エンタテインメントデバイスにより表示されるエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに患者特有のコンテンツを挿入するときのさまざまな説明的な態様を図式的に表す図である。
【図8】図1の医療情報供給システムが、エンタテインメントデバイスにより表示されるエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに患者特有のコンテンツを挿入するときのさまざまな説明的な態様を図式的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の更に追加的な利点は、以下の詳細な説明を読み及び理解することにより当業者に認識されるだろう。
【0017】
本発明は、様々な要素及び要素の配列の形式並びに様々なステップ及びステップの配列の形式を取ることができる。図面は、好ましい実施形態を説明するためだけにあり、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではない。
【0018】
図1を参照すると、患者10が、病室12又は他の臨床若しくは家庭環境に配置される。例えばオプションで無線センサ14を含むボディセンサネットワークを用いて、患者10は監視される。センサ14は、例えば心臓サイクル又は心拍、血圧、SpO、呼吸速度又は呼吸数等を監視することができる。無線センサ14は、患者測定を収集する無線監視受信機16と無線で通信する。無線通信は、例えばブルートゥース、Zigbee、WiFi等の適切な無線プロトコルを使用する。患者移動性を容易にするため、例えば患者が屋外に行くことができるように、センサは、患者衣服に一体化されるか、又は患者移動性を促進する他の態様で患者に取り付けられることができる。収集された患者測定は、ケア提供者に転送されることができる。例えば患者測定を収集及び格納するナースステーションに通信により転送されることができる。いくつかの実施形態においては、患者10(及びそれ故、センサ14)が無線監視受信機16の範囲から離れて及びその範囲の外に移動する場合であっても、オプションで自律的に動作するボディセンサネットワークを形成するよう、無線センサ14が互いに無線で通信し合う。無線センサ14が図示されるが、他の実施形態においては、有線センサ又は有線及び無線センサの組合せが使用されることができる。
【0019】
追加的に又は代替的に、患者10は、オプションで例えば図示された静脈(IV)流体滴20といった治療法又は処置を受ける。病院環境において、患者10は通常、ベッド22においてかなりの時間を過ごす。眠っていないとき、患者は通常、エンタテインメントデバイス30により表示されるエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26を見るだろう。エンターテイメントデバイスは、例えばビデオを表示するためのディスプレイ又はスクリーン33を持つテレビ32であり、例えば図示されるデジタルビデオレコーダ34といった追加的な要素をオプションで含む。図示されるテレビ32は、関節式の取り付けロッド36により天井から下げて取付けられる。代替的に、テレビ32は、スタンド上に配置され、床に取り付けられ、又は、他の態様で支持されることができる。患者10は通常、少なくとも1つのハンドヘルドリモコン38を用いてエンタテインメントデバイス30のテレビ32、デジタルビデオレコーダ34又は他の要素を操作することができる。
【0020】
ある実施形態では、テレビ32は、市販のCRTテレビ、液晶テレビ、プラズマテレビ、フロントプロジェクション又はリアプロジェクションテレビ等である。テレビ32は、例えば1つ又は複数の内蔵スピーカ、2つ又はこれ以上の外部スピーカを含む有線又は無線サウンドシステム、組み込み型のステレオ又はハイファイオーディオシステム等、実質的に任意の音声技術を利用することができる。エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26はさまざまな形式をとることができる。例えば、無線ブロードキャスト信号、テレビブロードキャストを搬送するケーブルテレビフィード、テレビブロードキャストを搬送する衛星テレビフィード、支援されるケアコミュニティの居住者又は病院の患者にサービスを提供する閉回路テレビブロードキャスト、又は例えばビデオカセットレコーダ出力、DVD出力、デジタルビデオレコーダからの出力、これらの多様な組合せ若しくは並列といった非ブロードキャスト音声/映像コンテンツデータストリーム等を含む。エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームは、スタンダードディフィニション(例えば、通常SDTVと表されるスタンダードディフィニションテレビ)、ハイデフィニション(例えば、通常HDTVと表されるハイデフィニションテレビ)又は別の解像度とすることができ、標準的な4:3のディスプレイ、ワイドスクリーンディスプレイ又は他のディスプレイサイズを使用することができる。更に、ある実施形態においては、エンタテインメントデバイスは、テレビを含まない。例えば、エンタテインメントデバイスは、DVDを再生するポータブルDVDプレーヤとすることができる。その場合、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームはDVD出力を含む。ディスプレイは、コンピュータモニタ、ゲームモニタ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等とすることもできる。エンタテインメントデバイス30の少なくとも1つの要素は、例えば図示されるテレビ32の図示されるディスプレイ若しくはスクリーン33といったディスプレイ、又はPDA若しくは携帯電話のディスプレイ等を含むべきである。
【0021】
本書に使用される、「音声/映像コンテンツ」等の用語は、映像のみのコンテンツ及び音声と映像とが結合されたコンテンツを含むものとして意図される。例えば、「音声/映像コンテンツ」は、表示されるテキスト、サイレントビデオ、表示される静止画像、付随的なサウンドトラックを伴う映像等を含むことができる。
【0022】
図示される実施形態において、エンタテインメントデバイス30は、追加的に、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26と共に供給される患者特有のコンテンツを患者10に提供するために導入される。有利なことに、患者10は通常、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26に興味を持ち、それ故、エンタテインメントデバイス30を意識して見て聞いている。従って、このエンタテインメントデバイス30が、例えば医療情報又はアドバイスといった患者特有のコンテンツを供給するとき、患者10はこの情報及びアドバイスを知覚する可能性が高い。更に、ある実施形態において、患者10は、主に病室12、又は例えば支援されながら生活するコミュニティ、自宅療養する場合の家等の別の制限された環境に閉じこもる(又は少なくとも、多くの時間をその中で費やす)。患者はおそらく、エンタテインメントデバイス30を介してエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26を見ることにかなりの時間量を費やす。従って、行動修正アドバイスといった患者特有のコンテンツが、連続して、定期的又は他の周期的ベースで供給されることができる。結果として、患者10は、しばしばこの情報又はアドバイスを知覚することになり、それを記憶し、及び理想的にはそれに基づき行動する可能性が高くなる。行動修正アドバイスは、必要なとき患者がそのアドバイスにアクセスすることを可能にするため、又はコンテンツの患者による学習を強化するための反復的な補強を提供するため、繰り返されることができる。また更に、ある実施形態においては、供給される患者特有の情報が、センサ14により提供される患者医療表示に基づきリアルタイムに作成される。これは、情報又はアドバイスがタイムリに提供されることを可能にする。
【0023】
図1を引き続き参照すると、患者特有のコンテンツストレージ40は、患者特有のコンテンツコントローラ42により選択可能な患者特有のコンテンツを格納する。患者特有のコンテンツは、さまざまな態様において生成又は供給されることができる。1つの手法において、データ分析器44は、センサ14及び無線監視受信機16により取得される、又は別の有線若しくは無線センサにより取得される患者測定を解析する。患者10が特別な医学知識又は専門知識をほとんど又は全く持たない場合であっても、患者10により容易に理解されるわかりやすい言語で情報又はアドバイスを生成するために、データ分析器44は患者測定を解析する。例えば、データ分析器44は、心拍測定、血圧測定又は他の生理的測定を解析し、患者が興奮状態にあるかどうかを決定することができる。患者が興奮して、患者が心臓発作又は他のストレスで悪化する外傷の影響を受けやすくなる心臓状態又は他の状態を持つ場合、データ分析器44は、ストレスを軽減するための患者特有のコンテンツを生成する。この患者特有のコンテンツは、「落ち着いてください。あなたは少し興奮気味のようです」といったテキストのアドバイス、又は雲景といった気持ちを和らげる静止画像、又は水槽を泳ぐ魚の映像といった気持ちを和らげるビデオ映像、又は気持ちを落ち着かせる儀式を行うための提案等を含むことができる。患者が喘息発作を経験しているとデータ分析器44が決定する場合、この分析器は、「あなたの救命吸入器をすぐに使用してください」といった患者特有のメッセージを生成することができる。別の例として、データ分析器44は、病院ネットワーク又は他の場所から患者の摂食行動記録を受信することができる。データ分析器44は、所望の摂食行動プロファイル(例えば、所望のカロリー摂取、肉に対する果物/野菜の所望の比率等)とこの摂食行動記録とを比較し、患者特有のコンテンツとして役立つ食生活の改善のための推奨事項を作成する。ある実施形態において、データ分析器44は、食事のための推奨された選択に関して患者にフィードバックを提供することができる。例えば、データ分析器44は、ほとんど果物を食べていない患者が、ランチメニューから「フライドポテト」アイテムではなく「アップルソース」サイドアイテムを選ぶべきであることを勧めることができる。
【0024】
別の例として、データ分析器44は、重量測定を受信し、患者10に関する目標重量と重量測定とを比較することができる。例えば、重量測定があまりにも低い場合、データ分析器44は、「あなたは、病気の後まだ十分に体重が増えていないようです。もっとカロリーの高いものを食べる必要があります」といった患者特有のアドバイスコンテンツを構築する。重量測定は、患者が計測されているとき例えばスケールといった適切なセンサを直接読み出すことにより、又は、例えばデータ分析器44にアクセス可能な看護士により電子患者カルテに入力されることで手動入力される重量測定を読み出すことにより取得されることができる。
【0025】
患者特有のコンテンツの別の想定される源は、例えば1つ又は複数のケアモジュール50として構成されることができる予め録音された音声/映像コンテンツである。各ケアモジュール50は、特定の医療問題に関する音声/映像コンテンツを含む。医師又は他のケア提供者は、ケア計画スケジュール52に基づき患者10に与えられる患者特有のコンテンツとして患者10の状態に適した1つ又は複数のケアモジュール50を選択する。例えば、患者10が心臓発作を最近患った場合、ケア計画スケジュール52は、患者特有のコンテンツとして体重減少ケア計画モジュール、「禁煙」ケア計画モジュール及び「ウォーキング開始」ケア計画モジュールを含めることができる。ここで使用される、患者10に提示するために選択される所与のケア計画モジュールは、患者特有のコンテンツであると考えられる。なぜなら、このモジュールは、患者10のために選択されるからである。しかし、同じケア計画モジュールが別の患者への提示のために独立して選択されることもできる点を理解されたい。
【0026】
患者特有のコンテンツの別の想定される源は、メッセージ入力インタフェース54である。このインタフェースを介して、医師、看護士又は他のケア提供者は、エンタテインメントデバイス30を介した患者10への供給のために意図される患者特有のコンテンツを入力することができる。例えば、医師は、手術後動こうとする術後患者10を励ますため「病院の廊下で1日3回散歩することを忘れないでください」というメッセージを入力することができる。別の例として、薬の服用に関するリマインダーが適切な時間に表示されることができる。
【0027】
患者特有のコンテンツは、患者が行うべき行動を患者に知らせる情報に関連させることもできる。例えば、自動ピルディスペンサ53が、IV台上又は患者にとって便利な手の届く範囲に含まれる別の位置に取り付けられることができる。患者特有のコンテンツは、この例では、ピル形式の薬のスケジュール管理された投与がディスペンサ53から利用可能であることを患者に伝えるメッセージとすることができる。斯かるスケジューリングは、ケア計画スケジュール52に適切に組み込まれる。ピル調剤に関して指定された時間が来るとき、患者特有のコンテンツコントローラ42又は別のデバイスは、自動ピルディスペンサ53に対して有線又は無線のトリガー信号を出力する。この自動ディスペンサは、ベンディングマシンタイプ機構を用いてピルを出力する。オプションで、自動ピルディスペンサは、例えば光、ブザー音声等により、投与されるピルの利用可能性についての音声的及び/又は視覚的に知覚可能な指示を提供する。同時に与えられる患者特有のコンテンツは、患者にスケジュールされた薬物摂取を通知し、その薬がどこにあるか及びどの様に摂取するか(例えば、食事と一緒に飲む、又はコップ1杯の水と飲む等)を患者に指示するべくテレビ32に表示される音声/映像メッセージを含む。
【0028】
患者特有のコンテンツコントローラ42は、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26と共に患者に提示するため、患者特有のコンテンツストレージ40からコンテンツを選択する。コントローラ42は、どのコンテンツを提示すべきか、いつそれを提示すべきか、及びオプションで、どのようにそのコンテンツを提示すべきかを選択する。患者特有のコンテンツストレージ40は、時間単位、日単位で、又は供給前のさらにより長い時間患者特有のコンテンツを格納するための長期ストレージとして機能することができる。他の実施形態では、患者特有のコンテンツストレージ40は、コントローラがその提示を手配するのに十分な短い時間患者特有のコンテンツを格納する短期バッファとすることができる。他の実施形態において、患者特有のコンテンツストレージ40は、あまり緊急でないデータに対する長期ストレージ、及びできるだけ早く提示されるべきである緊急データ(例えば、喘息発作に応答して表示される「あなたの救命吸入器をすぐに使用してください」というメッセージ)に対する短期バッファとして機能する。
【0029】
患者特有のコンテンツコントローラ42は、提示のため患者特有のコンテンツストレージ40からコンテンツを選択する。コンテンツが表示デバイス30により表示されるよう、マルチプレクサ56は、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26に選択された患者特有のコンテンツを挿入する。コンテンツコントローラ42及びマルチプレクサ56は、患者特有のコンテンツをエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26に挿入するために、さまざまな態様で作動することができる。選択されたコンテンツ挿入方法は、患者特有のコンテンツが提示される態様に依存し、更に、テレビ32の性能又は音声/映像エンタテインメントデバイス30の他の要素の性能に依存する場合がある。ある想定されるコンテンツ挿入手法は、ほとんどの音声/映像エンタテインメントシステム要素に組み込まれる無線リモコンの性能を利用する。例えば、多くのテレビ同様、図示されるテレビ32は、赤外線、無線周波数又は他の無線信号を介してテレビと通信するハンドヘルドリモコン38により制御可能である。図示される実施形態において、ハンドヘルドリモコン38は、DVR34も制御する「万能な」リモコンである。他の実施形態において、別々のハンドヘルドリモコンが、エンタテインメントデバイスの異なる要素に対して提供されることができるか、又はある要素は、リモコン操作されることができないとすることができる。リモコン38のボタン又は他のユーザ操作可能な入力により選択される適切な無線信号を送信することにより、ハンドヘルドリモコン38は、テレビ32をオン又はオフにする、チャネルを選択する、音声ボリュームを調整する、字幕をオン又はオフにする等をする機能を持つ。コンテンツコントローラ42は、従って、音声/映像エンタテインメントデバイス30のテレビ又は他の要素が電源をオン又はオフにする、所望のチャネルに変える、字幕をオン又はオフにすること等をもたらすこれらの無線信号を模倣するよう無線送信機58を作動させることで、音声/映像エンタテインメントデバイス30のテレビ又は他の要素を制御することができる。通常は、無線送信機58からの信号は、携帯リモコン38により生成される任意の信号よりも優先順位が高い。患者特有のコンテンツをエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26に挿入する方法のいくつかの説明的な例が、記載される。同様に、患者は、散歩又は投薬が実行されたこと、散歩の長さ等を確認するため、コントローラ38を介して送信機/受信機と通信することができる。
【0030】
図1を引き続き参照し、更に図2を参照すると、1つの手法において、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26は、映像表示スクリーン33の大部分の空間を占めるメインウィンドウ60(図において破線境界線により示される)に表示される。その一方で、患者特有の音声/映像コンテンツは、重畳された患者特有の音声/映像サブウィンドウ62(図2において破線境界線により示される)に表示される。この種のコンテンツ挿入を実現する1つの手法は、いくつかのテレビの内蔵ピクチャインピクチャ機能を利用することである。テレビ32がピクチャインピクチャ機能を持つ場合、サブウィンドウへの患者特有コンテンツの挿入は、以下のように実現されることができる。患者特有のコンテンツに関するチャネルが指定され、マルチプレクサ56は、指定されたチャネルの周波数帯にコンテンツを変調することにより患者特有のコンテンツをロードする。フォーマット変換、ピクセル解像度を変化させるための補間又は他のフォーマット調整が適切に実行される。サブウィンドウ62(即ち「ピクチャインピクチャ」)を表示するようテレビ32を構成するための適切な模倣されたリモコン信号を送信するべく、コントローラ42は送信機58を作動させる。サブウィンドウ62は、患者特有のコンテンツを搬送する指定されたチャネルにチューニングされる。テレビ32の内蔵型ピクチャインピクチャ機能に基づきサブウィンドウ62を操作するため、患者10はオプションで、ハンドヘルドリモコン38を使用することができる。例えば、あるテレビでは、患者10は、画面33の選択されたコーナへとサブウィンドウ62を移動することができ、サブウィンドウ62のサイズを変更することができ、又は、エンタテインメントデータストリーム26の音声部分と患者特有のコンテンツのオプションの音声部分との間で音声出力を切り替えること等ができる。患者がサブウィンドウ62を操作する(おそらく閉じる)ことを可能にするのが望ましくない場合、コントローラ42は、患者特有のコンテンツを搬送する指定されたチャネルにチューニングされるサブウィンドウ62を表示するようテレビ32を構成する模倣リモコン信号を、例えば10秒おきに1回等の反復的な態様で送信機58に再送信させるよう構成されることができる。
【0031】
図1を引き続き参照し、更に図3を参照すると、別の手法において、患者特有のコンテンツは、ディスプレイ又はスクリーン33の大部分の空間を占有するメインウィンドウ60に重畳される字幕64として表示される。ここでも、メインウィンドウ60は、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26の映像コンテンツを表示する。この種のコンテンツ挿入を実現する1つの手法は、聴覚障害者のためダイアログのテキスト表示を可能にするためいくつかのテレビにおいて提供される内蔵クローズドキャプション機能を利用する。テレビ32が内蔵クローズドキャプション機能を持つ場合、クローズドキャプションとしての患者特有のコンテンツの挿入は以下のように行われることができる。マルチプレクサ56は、エンタテインメント音声映像コンテンツデータストリーム26に患者特有のコンテンツを、通常クローズドキャプション情報を挿入するために使用されるフォーマットでクローズドキャプションデータとして挿入する。その後コントローラ42は、内蔵クローズドキャプション表示を可能にするようテレビ32を構成するための適切な模倣されたリモコン信号を送信するべく、送信機58を作動させる。いくつかの実施形態において、患者10は、ハンドヘルドリモコン38を用いてクローズドキャプションをオフにすることを選択することができる。患者10が患者特有のクローズドキャプションコンテンツ64をオフにすることを可能にするのが望ましくない場合、コントローラ42は、クローズドキャプションを表示するようテレビ32を構成するための適切な模倣されたリモコン信号を、例えば10秒おきに1回等の反復的な態様で送信機58に再送信させるよう動作させることができる。
【0032】
図1を引き続き参照し、更に図4を参照すると、別の手法において、患者特有のコンテンツは、ディスプレイ又はスクリーン33の大部分を占めるメインウィンドウ60に重畳される水平方向にスクロールするバナー66として表示される。ここでも、メインウィンドウ60は、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26の映像部分を表示する。この種のコンテンツ挿入は、データストリームレベルで適切に実行される。エンタテインメントデータストリーム26の映像部分は、スクロールバナー66に対応するピクセルをスクロールバナー66の領域におけるエンタテインメントデータストリーム26のピクセルで置き換えるよう処理される。その後、修正されたコンテンツがメインウィンドウ60に表示される。ここで、スクロールバナー66は、ピクセルレベルの映像データ置換により適切に重畳される。エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26が(例えば、いくつかのケーブルテレビフィード又は衛星テレビフィードにおいて)複数のチャネルを含む場合、ピクセルレベルでのデータ置換が各チャネル上で実行されることができるか、又はどのチャネルが現在視聴されているかについてマルチプレクサ56に伝えるため、フィードバック経路(図示省略)が提供されることができる。その結果、現在視聴されるチャネルの映像部分においてのみ置換が実行される。
【0033】
図1を引き続き参照し、更に図5参照すると、別の手法において、時間領域マルチプレキシングが使用される。即ち、これらの手法において、メインウィンドウ60は、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26又は患者特有の代替データストリームを与え、コントローラ42は、エンタテインメントコンテンツと患者特有のコンテンツデータストリームとの間を切り替える。この種のコンテンツ挿入を実現する1つの手法は、患者特有のコンテンツのためのチャネルを指定することである。マルチプレクサ56は、指定されたチャネルの周波数帯へとコンテンツを変調することにより、患者特有のコンテンツをロードする。フォーマット変換、ピクセル解像度を変化させるための補間又は他のフォーマット調整が適切に実行される。コントローラ42が患者特有のコンテンツが与えられるべきであると決定するとき、コントローラ42は、指定されたチャネルに切り替えるための適切な模倣されたリモコン信号を送信するべく送信機58を作動させる。コントローラ42が患者特有のコンテンツがオフにされるべきであると決定するとき、コントローラは、エンタテインメントコンテンツデータストリーム26に戻すための、ハンドヘルドリモコンの「最後のチャネルへの切り替え」処理を模倣するリモコン信号を送信するよう、送信機58を適切に作動させる。この「最後のチャネルへの切り替え」処理は、最後に表示されたチャネルに切り替えるため、ほとんどの市販のテレビのハンドヘルドリモコンにおいて提供される。例えば、患者10がチャネル11を見ていて、次にハンドヘルドリモコン38を用いて「3」「4」と押すことによりチャネル34に切り替えた後、「最後のチャネルへの切り替え」ボタンを押す場合、テレビ32は、チャネル11へと戻す。マルチチャネルフィードにおいて、「最後のチャネルへの切り替え」動作を使用することは、選択された患者特有のコンテンツの視聴が完了した後、テレビ32がエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26の正しいチャネルに戻ることを確実にする。代替的に、コントローラ42に対する適切なフィードバック(図示省略)により現在のチャネルが決定されることができる。その後、コントローラは、元に戻されるチャネルを選択するハンドヘルドリモコンの処理を模倣するリモコン信号を送信するよう送信機58を作動させることができる。
【0034】
図5を引き続き参照し、更に図6を参照すると、コントローラ42は、エンタテインメント音声/映像データストリーム26を中断するときをさまざまな態様で選択することができる。図6の例において、コントローラ42は、緊急的な患者特有のコンテンツ70の受信に反応して、エンタテインメントデータストリーム26を中断することを選ぶ。ここで用語「緊急」は、コントローラ42が、当該コンテンツを表示するためにエンタテインメントデータストリーム26を中断することを選択するほど、コンテンツが十分に重要であることを意味する。例えば、緊急的な患者特有のコンテンツ70は、ケア計画スケジュール52に関するスケジュールされた目標モジュール、又は、センサ14により検出される過換気に反応してバッグに向かって呼吸するよう患者10に伝えるメッセージ等とすることができる。点線のボックスにより示されるエンタテインメントコンテンツ26の部分72は、緊急的な患者特有のコンテンツ70により置き換えられる。通常は、置換されるエンタテインメントコンテンツ部分72は失われる。即ち、緊急的な患者特有のコンテンツ70により置換されるので、患者10は決してそのコンテンツを目にすることはない。しかしながら、いくつかの実施形態において、エンタテインメントデバイスは、時間シフト機能を提供するデジタルビデオレコーダ(DVR)34又は他のレコーディングデバイスを含む。典型的なDVRデバイスもリモコン制御可能であるので、コントローラ42は、緊急的な患者特有のコンテンツ70が提示される間、DVR34がエンタテインメントコンテンツ26をキャッシュに格納することをもたらす適切なリモコン信号を送信機58に模倣させることにより、及びその後エンタテインメントコンテンツデータストリーム26が中断される点からDVR34が再生を開始することをもたらす適切なリモコン信号を模倣させることにより、時間シフト機能を容易に実現することができる。
【0035】
図1及び図5を引き続き参照し、更に図7を参照すると、別の例において、コントローラ42は、患者特有のコンテンツをエンタテインメント音声/映像データストリーム26にオプションで含まれるコマーシャル74と置換することを決定する。例えばエンタテインメント音声/映像データストリーム26が放送テレビ信号、ケーブルテレビ信号又は広告コンテンツの挿入により利用可能性が継続される他のテレビ信号である場合、コマーシャル74が想定されることができる。この手法は、データストリーム26においていつコマーシャル74が開始及び終了するかを検出するオプションのコマーシャル検出器76(図1)を利用する。コマーシャル検出器76としての使用が想定されるいくつかのコマーシャル検出器は、DeLucaによる米国特許第5,973,723号、Vogelによる米国特許出願公開第2003/0145320 A1号、及びTrajkovicらによる米国特許出願公開第2002/0178444 A1号において開示される。これらは、参照によりそのすべてが本願に含まれる。コマーシャル検出器76により検出されるコマーシャル74の間、患者10にとってコマーシャル74よりコンテンツ78が有益であるという仮定の下、選択された患者特有のコンテンツ78がコマーシャル74と置換される。
【0036】
いくつかの実施形態において、指定されるチャネルにおける患者特有のコンテンツをマルチプレクサ56にロードさせて、患者特有のコンテンツが与えられることになる時間間隔の間に指定されたチャネルへとコントローラ42に切り替えさせることにより、時間領域マルチプレキシングが実現される。他の実施形態において、マルチプレクサ56は、エンタテインメントコンテンツデータストリーム26においてエンタテインメントコンテンツを直接上書きすることにより、時間領域マルチプレクス化された患者特有のコンテンツを挿入する。例えば、再度図7を参照すると、コマーシャルの間、指定された患者特有のコンテンツチャネルへ切り替えるのではなく、時間領域マルチプレクサ56は、現在表示されるエンタテインメントチャネルにおけるコマーシャル74を患者特有のコンテンツ78で上書きすることができる。これは、チャネルを変化させることなく現在提示されるエンタテインメントチャネルを提示し続けることにより与えられる。コマーシャルを検出し、コマーシャルを患者特有のコンテンツで置換するための時間を提供するために、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26をバッファリングすることも想定される。時間領域マルチプレキシングに関する別の手法は、2つ又はこれ以上の音声/映像信号(例えば、エンタテインメントA/Vデータストリーム26と患者特有のコンテンツとを含む追加的なデータストリーム)を受信し、及び患者に提示するため受信信号の選択された1つをテレビ32に伝達する音声/映像スイッチとして、マルチプレクサ56が機能することである。信号選択は、患者特有のコンテンツコントローラ42により提供される適切な有線又は無線信号を介して実行されることができる。
【0037】
別の想定された実施形態において、メッセージは、サブリミナル的な動機付けを提供するために、非常に短い持続時間の間スクリーン上で点滅される。患者特有のコンテンツが患者により認められるべきであるタイプである場合、斯かるフィードバックが受信されるまで、コンテンツが表示されることができる。例えば、患者が投与されたピルを自動ピルディスペンサ53から除去したことを自動ピルディスペンサ53上のセンサが検出するまで、自動ピルディスペンサ53により投与されるピルを服用せよとのメッセージが、テレビ画面においてスクロールされることができる。センサは、例えば、投与されたピルを患者が投与トレイから取ることによりその投与されたピルの重み又は接触状態がなくなるときを検出する、投与トレイの底部に配置される圧力又は接触センサとすることができる。いくつかの斯かる実施形態において、患者が直ちに応答しない場合には、患者特有のコンテンツの提示が、より介入的になるよう変化することができる。例えば、「あなたのピルを取ってください」というメッセージは、安定したスクロールメッセージとして開始することができる。その後、患者による応答が検出されない場合、このメッセージは、点滅又は閃光するものに変わり、それでもなお応答が検出されない場合、音声信号が起動されることができる。患者による応答があまりに長く遅延する場合、(病院環境では)ナースステーションに対して、(自宅の患者の場合には)電話によるライフライン先に対して、又は別の第3者に対して、信号を送信することも想定される。
【0038】
患者特有のコンテンツが緊急である場合(例えば、心臓センサ及びデータ分析器44により検出される動悸鼓動を制御するため、患者が立ち止まって休息する必要があることを警告する場合)、患者がそのコンテンツをすぐに受信することを確実にするためにその後適切な音声又は視覚キューがオプションで提供される。例えば、患者の注意を得るため、テレビは、複数の大きな「警告音」を作ることができる。患者特有のコンテンツが緊急であり、患者が屋外にいるか又は他の態様でテレビ32から離れている場合、緊急的な患者特有のコンテンツを供給するため携帯電話といった別の通信経路を使用することが想定される。
【0039】
図1を参照し、更に図8を参照すると、エンタテインメントデータストリーム26と共に与えられる患者特有のコンテンツは、インタラクティブコンテンツとすることができることが想定される。図8において、図5の時間領域マルチプレキシング手法が使用される。図8は、対話式患者アンケートフォーム80の形で患者特有のコンテンツを示す。このフォームは、現在考慮中の質問を示すため強調表示82を適切に表示する。1つの手法において、質問は、番号を選択することで答えることのできるフォーマットである。例えば、呼吸における問題点に関する質問は、以下のように適切に作成されることができる。
質問1:あなたは、呼吸に何か問題がありますか?
問題がなければ「1」を押してください;
ときどき問題がある場合には「2」を押してください;
頻繁に問題がある場合には「3」を押してください;
継続的に問題がある場合には「4」を押してください。
すると患者10は、ハンドヘルドリモコン38上で適切に対応する番号のボタンを押す。コントローラ42に動作可能に結合され、テレビ32の近くに位置される受信機84は、患者が適切なボタンを押すことにより生成される無線信号を検出し、コントローラ42はこの答えを受信する。
【0040】
図示された実施形態は、病室12又は他の臨床環境の文脈で述べられる。しかしながら、例えば在宅ケア(person receiving care)の場合の家庭といった他の環境においてエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに患者特有のコンテンツを一体化する斯かる手法を使用することも想定される。更に、患者特有のコンテンツをエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに挿入するための図示及び記載された手法は、説明的な例であり、他の手法が使用されることもできる。更になお、挿入される患者特有のコンテンツの図示及び記載された源は、説明的な例であり、患者特有のコンテンツの他の源及びタイプが使用されることもできる。患者特有のコンテンツは、患者の医師又は患者の家族のメンバーといった患者以外の人に供給されることもできる(好ましくは、斯かる情報の提供に対する患者の同意又は患者の医療情報のプライバシーに関する他の保護を条件として)。
【0041】
エンタテインメントデバイス30上にエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26と共に患者特有のコンテンツを与える利点は、患者10が通常、かなりの時間この活動に従事するという点にある(通常、例えば看護士及び医師の訪問の累積時間より長い時間)。更に、患者10は通常、エンタテインメントコンテンツに注意を払っており、それ故、同様に提示される患者特有のコンテンツを受け入れ易い。しかしながら、患者は通常、エンタテインメントデバイス30を絶えず使用するわけではない。むしろ、患者は例えば眠る、読書する等の他の活動にかなりの時間を費やすことができる。いくつかの実施形態においては、エンタテインメントデバイス30がエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26を提示するためにすでに動作しているときのみ、患者特有のコンテンツが与えられる。これらの実施形態において、デバイス30がオフにされるとき(又はスリープモードにされる、若しくはエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26の提示を停止するよう他の態様でセットされるとき)、患者特有のコンテンツが提示されないことになる。
【0042】
他の実施形態において、コントローラ42は、エンタテインメントデバイス30又はその選択された部分、例えばテレビ32をオンにするための適切な模倣されたリモコン信号を送信するよう送信機58を作動させるべく構成されることができる。コントローラ42が、例えば現在の喘息発作又は他の深刻な問題を処理する方法に関する患者へのアドバイスといった緊急的な患者特有のコンテンツを受信するとき、コントローラ40は、例えば、テレビ32を選択的にオンにすることができる。患者がエンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26の提示を「オフにする」とき、エンタテインメントデバイス30が常にオンのままにされることも、(オプションで音声部分なしで、オプションでディスプレイ33が減光される態様で、又は比較的目立たないよう構成される他の態様で)患者特有のコンテンツだけを表示するようにされることも想定される。
【0043】
また更に、コントローラ42及び/又はマルチプレクサ56が、エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26の患者10による視聴に能動的に介入することも想定される。例えば、コントローラ42は、夜間時間(例えば、午後10時00分から翌午前7時00分まで)の間、患者の視聴を制限するよう構成されることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ42は、エンタテインメントデバイス30若しくはその選択された部分、例えばテレビ32をオフにするための、又はデバイスをスリープ状態若しくは他の態様で停止状態にするための適切な模倣されたリモコン信号を送信するよう送信機58を作動させることにより、これを行う。いくつかの実施形態において、敏感な状態を持つ心臓患者又は他の患者と共に使用されるコントローラ42は、センサ14を介して患者のバイタルサインを監視し、患者が過度に刺激されていることをその監視されたバイタルサインが示す場合、刺激的なコンテンツ(例えばスポーツイベント、成人向きの映画又はその他)を表示することが知られているチャネルからより心を和らげるコンテンツを表示することが知られているチャネルへの切り替えをエンタテインメントデバイス30に実行させるよう構成される。エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリーム26を心和ませるチャネルに切り替える代わりに、例えば図5に図式的に示される時間領域マルチプレキシング手法を用いて、コントローラ42は、心和らげる患者特有のコンテンツへと切り替えることができる。
【0044】
図示された例において、コントローラ42は、無線ハンドヘルドリモコン38の信号を模倣する無線送信機58を介して、エンタテインメントデバイス30を作動させる。他の想定される実施形態においては、例えばコントローラ42とエンタテインメントデバイス30との間の適切な有線制御接続を含ませることにより、又はエンタテインメントデバイス30にコントローラ42を一体化することにより、より直接的な動作制御が提供される。同様に、マルチプレクサ56は、エンタテインメントデバイス30に、又はコントローラ42に一体化されることができる。他の物理的実施形態が使用されることもできる。例えば、いくつかの実施形態においては、コンピュータ又はコンピュータネットワークが、データ分析器44、ストレージ40及びメッセージ入力インタフェース54を実現する。斯かるコンピュータ又はコンピュータネットワークは、オプションでケア計画スケジュール52及びケア計画モジュール50を格納することもでき、オプションでコントローラ42を実現することもでき、及びオプションでマルチプレクサ56を実現することもできる。ストレージ及びデータ要素40、50、52は、例えばRAM、ハードディスク等のコンピュータのメモリ又はストレージ要素により適切に実現される。処理要素42、44は、適切なソフトウェアを実行するコンピュータ又はコンピュータネットワークにおける1つ又は複数の汎用マイクロプロセッサにより適切に実現される。メッセージ入力インタフェース54は、例えばキーボード、マウス等のコンピュータのインタフェースデバイスにより、又は適切な実行ソフトウェアと連動して動作するネットワーク上のダム端末により適切に実現される。マルチプレクサ56は、エンタテインメントデータストリーム26がデジタルである実施形態において適切なソフトウェアを実行するコンピュータ若しくはコンピュータネットワークにおける1つ若しくは複数の汎用マイクロプロセッサにより適切に実現されるか、又はアドオン式の特定用途向け集積回路(ASIC)若しくはデジタルデータストリームをより高速で処理するため若しくはアナログデータストリームを処理するために追加又は接続されるハードウェアにより実現されることができる。いくつかの実施形態において、ケア計画音声/映像モジュール50が、エンタテインメントデバイス30の近くで一体化されることが想定される。例えばDVR34のハードドライブ上又は他の不揮発性ストレージにコンテンツが格納される。
【0045】
本発明は、好ましい実施形態を参照して記述されてきた。上記の詳細な説明を読み及び理解すれば、第三者は、修正及び変更を思いつくことができる。それらの修正及び変更が添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、本発明は、すべての斯かる修正及び変更を含むものとして構築されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームを提示するよう構成されるエンタテインメントデバイスと連動して動作するよう構成される医療情報供給システムであって、
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに追加的なコンテンツを挿入する手段と、
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに挿入するための患者特有のコンテンツを選択する手段とを有する、医療情報供給システム。
【請求項2】
前記挿入手段が、マルチプレクサを含み、前記選択手段は、選択コントローラを含む、請求項1に記載の医療情報供給システム。
【請求項3】
前記患者特有のコンテンツを選択する手段が、患者特有のコンテンツに優先順位を付け、コンテンツの優先順位に基づき、挿入するための患者特有のコンテンツを選択する、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記エンタテインメントデバイスを制御するよう構成されるハンドヘルドリモコンの無線出力を模倣する無線送信機を含む、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項5】
前記マルチプレクサが、前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの指定されるチャネルに前記追加的なコンテンツを挿入するよう構成され、前記コントローラは、前記エンタテインメントデバイスが前記指定されたチャネルを表示することをもたらす無線出力を模倣するよう構成される、請求項4に記載の医療情報供給システム。
【請求項6】
前記コントローラが、前記エンタテインメントデバイスがサブウィンドウ及びメインウィンドウのうちの1つに前記指定されたチャネルを表示することをもたらす無線出力を模倣するよう構成される、請求項5に記載の医療情報供給システム。
【請求項7】
前記マルチプレクサが、前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの提示された映像に重畳されるテキストとして前記追加的なコンテンツを挿入するよう構成される、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項8】
前記マルチプレクサが、前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの選択された映像ピクセルを追加的なコンテンツに対応するピクセルで置換するよう構成される、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項9】
前記マルチプレクサが、サブウィンドウに表示される映像、スクロールバナー、重畳されるテキスト、及び置換ストリーミングビデオの1つ又は複数として、前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに前記追加的なコンテンツを挿入するよう構成される、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項10】
1つ又は複数の患者測定を解析するデータ分析器であって、前記コントローラが、前記解析された測定に基づき患者特有の医療アドバイスコンテンツを選択することをもたらす、データ分析器を更に含む、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項11】
1つ又は複数の前記患者測定の少なくともいくつかを生成するよう構成される無線相互通信センサを有する無線ボディセンサネットワークを更に含む、請求項10に記載の医療情報供給システム。
【請求項12】
前記コントローラにより選択可能な予め記録された医療関連コンテンツを有するケアモジュールと、
ケア計画スケジュールとを更に含み、
前記コントローラが、前記ケア計画スケジュールに基づき前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに挿入するための前記患者特有のコンテンツとして前記ケアモジュールを選択する、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項13】
前記コントローラにより選択可能な対話式の医療関連コンテンツを有するケアモジュールを更に含み、前記コントローラが、ハンドヘルドリモコンにより送信される無線応答を受信する無線受信機を更に含む、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項14】
前記コントローラにより選択可能な患者特有のコンテンツを格納するストレージと、
前記ストレージに患者特有のコンテンツを入力するためのユーザインタフェースとを更に含む、請求項2に記載の医療情報供給システム。
【請求項15】
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームにおけるコマーシャルを検出するコマーシャル検出器を更に含み、前記患者特有のコンテンツにより、前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの前記提示における前記コマーシャルが置換される、請求項1に記載の医療情報供給システム。
【請求項16】
医療情報供給方法において、
エンタテインメントデバイスを介してエンタテインメント音声/映像コンテンツを提示するステップと、
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツを提示すると共に、前記エンタテインメントデバイスを介して患者特有のコンテンツを選択的に提示するステップとを有する、医療情報供給方法。
【請求項17】
前記患者特有のコンテンツを選択的に提示するステップが、前記患者特有のコンテンツの提示を可能にするため前記エンタテインメント音声/映像コンテンツの提示を自動的に修正するステップを含む、請求項16に記載の医療情報供給方法。
【請求項18】
前記患者特有のコンテンツを選択的に提示するステップが、
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの提示された映像に重畳されるテキストによる患者特有のコンテンツを表示するステップと、
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの提示された映像に重畳されるスクロールバナーとして患者特有のコンテンツを表示するステップと、
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの映像を提示するメインウィンドウに重畳されるサブウィンドウに患者特有のコンテンツを表示するステップと、
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの選択された映像部分を患者特有の映像コンテンツで置換するステップとのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の医療情報供給方法。
【請求項19】
1つ又は複数の患者測定を取得するステップと、
1つ又は複数の前記患者測定に基づき、提示するための前記患者特有のコンテンツを選択するステップとを更に含む、請求項16に記載の医療情報供給方法。
【請求項20】
前記エンタテインメントデバイスを制御するよう構成されるハンドヘルドリモコンを介して、前記提示される患者特有のコンテンツに対する患者の応答を受信するステップを更に含む、請求項16に記載の医療情報供給方法。
【請求項21】
予め記録された医療関連コンテンツを有するケアモジュールのための提示時間をスケジュール化するステップを更に含み、前記患者特有のコンテンツを提示するステップが、前記スケジュールされた表示時間に前記ケアモジュールを提示するステップを含む、請求項16に記載の医療情報供給方法。
【請求項22】
前記エンタテインメントデバイスを介して患者特有のコンテンツを選択的に提示するステップが、前記提示されたエンタテインメント音声/映像コンテンツのコマーシャル広告セグメントに一致する時間に調整される、請求項16に記載の医療情報供給方法。
【請求項23】
前記エンタテインメントデバイスを介してエンタテインメント音声/映像コンテンツを提示するステップが、ストリーミングされたブロードキャスト音声/映像を連続的に提示するステップを有し、前記エンタテインメント音声/映像コンテンツを提示すると共に、前記エンタテインメントデバイスを介して患者特有のコンテンツを選択的に提示するステップは、前記連続的にストリーミングされたブロードキャスト音声/映像コンテンツの選択された時間間隔分を前記患者特有のコンテンツで置換するステップを有する、請求項16に記載の医療情報供給方法。
【請求項24】
前記エンタテインメントデバイスを介してエンタテインメント音声/映像コンテンツを提示するステップが、ストリーミングされたブロードキャスト音声/映像を連続的に提示するステップを有し、
前記エンタテインメント音声/映像コンテンツを提示すると共に、前記エンタテインメントデバイスを介して患者特有のコンテンツを選択的に提示するステップは、前記連続的にストリーミングされたブロードキャスト音声/映像コンテンツの前記映像要素上に患者特有のコンテンツを空間的にオーバレイ表示するステップを有する、請求項16に記載の医療情報供給方法。
【請求項25】
エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームを提示するよう構成される1つ又は複数の要素を有するエンタテインメントデバイスと、
前記エンタテインメントに関連しない視聴者特有のコンテンツを選択し、前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームと共に前記エンタテインメントデバイスによる提示のため前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームに挿入するよう構成される1つ又は複数の追加的な要素とを有する、情報供給システム。
【請求項26】
前記1つ又は複数の追加的な要素が、視聴者特有のコンテンツを選択し、前記エンタテインメントデバイスのスクリーン又はディスプレイに示される前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームの提示された映像上に重畳するよう構成される、請求項25に記載の情報供給システム。
【請求項27】
前記1つ又は複数の追加的な要素が、前記視聴者特有のコンテンツを選択し、時間領域マルチプレクスされた態様で提示するよう構成され、及び前記エンタテインメントデバイスを介して前記エンタテインメント音声/映像コンテンツデータストリームを提示するよう構成される、請求項25に記載の情報供給システム。
【請求項28】
視聴者の生理的状態を監視する1つ又は複数のモニタを更に含み、前記視聴者特有のコンテンツが、前記監視された生理的状態に基づき選択される、請求項25に記載の情報供給システム。
【請求項29】
前記1つ又は複数の追加的な要素が、視聴者特有の情報を得るよう構成される1つ又は複数の要素を含み、前記視聴者特有のコンテンツは、前記取得された視聴者特有の情報に基づき構築される、請求項25に記載の情報供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−517656(P2010−517656A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548772(P2009−548772)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050280
【国際公開番号】WO2008/096286
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】