説明

悪性のホルモン感受性前立腺がんのマーカーとしてのホスホジエステラーゼ4D7

本発明は、悪性のホルモン感受性前立腺がん組織における発現を正常な組織又は良性の前立腺腫瘍組織における発現と比較すると、マーカーの発現が増加する悪性のホルモン感受性前立腺がんのマーカーとして用いるためのホスホジエステラーゼ4D7(PDE4D7)及び悪性のホルモン感受性前立腺がんの診断マーカーとしてのPDE4D7の使用に関する。本発明は、また、悪性のホルモン感受性前立腺がんを診断、検出、監視又は予知するための組成物、対応する検出方法、良性及び悪性のホルモン感受性前立腺がんの区別を可能にする方法、データ収集の方法並びに対応する免疫学的検定に関する。本発明は、また、悪性のホルモン感受性前立腺がんについての適格性に関して個体を認定する方法及びそのような前立腺がんを患う個体を階層化する免疫学的検定に関する。本発明は、更に、悪性のホルモン感受性前立腺がんの治療用の医薬組成物及びその使用を想定している。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
悪性のホルモン感受性前立腺がんのマーカーとして用いるためのホスホジエステラーゼ4D7(PDE4D7)であって、悪性のホルモン感受性前立腺がん組織における発現を正常な組織又は良性の前立腺腫瘍組織における発現と比較すると、前記マーカーの発現が増加する、当該ホスホジエステラーゼ4D7。
【請求項2】
悪性のホルモン感受性前立腺がん又は悪性のホルモン感受性前立腺がんへの進行を診断、検出、監視又は予知するための組成物であって、PDE4D7発現産物又はタンパク質に対する核酸親和性リガンド及び/又はペプチド親和性リガンドを有する、当該組成物。
【請求項3】
前記核酸親和性リガンド又はペプチド親和性リガンドが、造影剤として機能するために修飾された、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記親和性リガンドが、PDE4D7発現産物に対して特異的なオリゴヌクレオチドのセット、PDE4D7発現産物に対して特異的なプローブ、PDE4D7発現産物又はPDE4D7タンパク質に対して特異的なアプタマ、PDE4D7タンパク質に対して特異的な抗体及び/又はPDE4D7タンパク質に対して特異的な抗体変異体である、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
悪性のホルモン感受性前立腺がん又は悪性のホルモン感受性前立腺がんへの進行を診断、検出、監視又は予知するマーカーとしてのPDE4D7の使用。
【請求項6】
悪性のホルモン感受性前立腺がん又は悪性のホルモン感受性前立腺がんへの進行を検出、診断、監視又は予知する方法であって、少なくとも試料中のPDE4D7のレベルを決定するステップを有する、当該方法。
【請求項7】
悪性のホルモン感受性前立腺がん又は悪性のホルモン感受性前立腺がんへの進行を診断、監視又は予知する方法であって、良性の前立腺腫瘍と悪性のホルモン感受性前立腺がんとを区別し、
(a)試料中のPDE4D7のレベルを決定するステップと、
(b)試料中の参照遺伝子の発現のレベルを決定するステップと、
(c)測定されたPDE4D7の発現レベルを前記参照遺伝子の発現に標準化するステップと、
(d)標準化された前記発現レベルを良性の前立腺腫瘍を排除するように選択された所定のカットオフ値と比較するステップであって、前記カットオフ値を上回る標準化発現レベルは、悪性のホルモン感受性前立腺がんを示し、前記カットオフ値は約−2から+2の間、好ましくは約0である当該ステップと
を有する、当該方法。
【請求項8】
少なくとも
(a)個体内においてPDE4D7の発現を検査するステップと、
(b)ステップ(a)において決定された前記発現を対照レベルと比較するステップと
を有する、データ収集の方法。
【請求項9】
悪性のホルモン感受性前立腺がん又は悪性のホルモン感受性前立腺がんへの進行を検出、診断、監視又は予知する免疫学的検定であり、少なくとも
(a)個体から得られた試料中のPDE4D7の発現を検査するステップと、
(b)対照試料中のPDE4D7の発現を検査するステップと、
(c)ステップ(a)とステップ(b)とのPDE4D7の発現の差を決定するステップと、
(d)ステップ(c)において得られた結果に基づいてがんの存在若しくは病期又はがんの進行を判断するステップと
を有する免疫学的検定であって、
前記検査するステップは、PDE4D7に特異的に結合する抗体の使用に基づく、当該免疫学的検定。
【請求項10】
良性の前立腺腫瘍と悪性のホルモン感受性前立腺がんとを区別する免疫学的検定であって、
(a)試料中のPDE4D7のレベルを決定するステップと、
(b)試料中の参照遺伝子の発現のレベルを決定するステップと、
(c)測定されたPDE4D7の発現レベルを前記参照遺伝子の発現に標準化するステップと、
(d)標準化された前記発現レベルを良性の前立腺腫瘍を排除するように選択された所定のカットオフ値と比較するステップであって、前記カットオフ値を上回る標準化発現レベルは、悪性のホルモン感受性前立腺がんを示し、前記カットオフ値は約−2から+2の間、好ましくは約0である当該ステップと
を有する、当該免疫学的検定。
【請求項11】
悪性のホルモン感受性前立腺がんの治療の適格性に関して個体を認定する方法であって、
(a)個体から得られた試料中のPDE4D7の発現を検査するステップと、
(b)前記試料中の参照遺伝子の発現及び/又は対照試料中のPDE4D7の発現を検査するステップと、
(c)ステップ(b)におけるレベルと比較してステップ(a)の発現のレベルを分類するステップと、
(d)前記個体の試料がPDE4D7の発現の増加したレベルを持つと分類された場合に、前記個体を悪性のホルモン感受性前立腺がんの治療を受けるに値すると認定するステップと
を有する、当該方法。
【請求項12】
悪性のホルモン感受性前立腺がんの病気を持つ個体又は個体のコホートを階層化する免疫学的検定であって、
(a)個体から得られた試料中のPDE4D7の発現を検査するステップと、
(b)前記試料中の参照遺伝子の発現及び/又は対照試料中のPDE4D7の発現を検査するステップと、
(c)ステップ(a)のPDE4D7の発現とステップ(b)におけるPDE4D7及び/又は参照遺伝子の発現との差を決定するステップと、
(d)前記個体の試料がPDE4D7の発現の増加したレベルを持つ場合、ステップ(c)において得られた結果に基づいて、悪性のホルモン感受性前立腺がんの治療に関して個体又は個体のコホートを階層化するステップと
を有する、当該免疫学的検定。
【請求項13】
前記発現の前記検査又は決定が、核酸若しくはタンパク質レベルの測定により又はPDE4D7若しくは前記参照遺伝子の生物学的活性の決定により達成される又は追加として達成される、請求項6、7若しくは11記載の方法又は請求項10若しくは12記載の免疫学的検定。
【請求項14】
測定された前記核酸若しくはタンパク質レベル又は測定された前記生物学的活性を対照レベルと比較する追加のステップを有する、請求項13記載の方法又は免疫学的検定。
【請求項15】
前記参照遺伝子が、異なるホスホジエステラーゼ、好ましくはPDE4D5又はハウスキーピング遺伝子、好ましくはGAPDH若しくはPBGDである、請求項7、11、13若しくは14記載の方法又は請求項10、12、13若しくは14記載の免疫学的検定。
【請求項16】
前立腺特異抗原(PSA)のレベルを決定する追加のステップを有する、請求項7、11、13、14若しくは15記載の方法又は請求項12、13、14若しくは15記載の免疫学的検定。
【請求項17】
2.5ないし4.0ng/mlのPSAレベルは悪性のホルモン感受性前立腺がんを示す、請求項16記載の方法又は免疫学的検定。
【請求項18】
前記試料が、組織試料、生検試料、尿試料、尿沈渣試料、血液試料、唾液試料、精液試料、循環腫瘍細胞を有する試料又は前立腺から分泌されるエキソソームを含む試料である、請求項6、7、11若しくは13ないし17のいずれか一項に記載の方法又は請求項9、10若しくは12ないし17のいずれか一項に記載の免疫学的検定。
【請求項19】
(a)PDE4D7の活性を直接的に阻害する化合物、好ましくはPDE4D7酵素活性の拮抗物質、
(b)PDE4D7の活性を間接的に阻害する化合物、
(c)PDE4D7タンパク質の優性阻害体又はその生物学的に活性な同等物、
(d)PDE4D7の優性阻害体をコードし、発現させる核酸、
(e)PDE4D7に対して特異的なmiRNA、
(f)PDE4D7のアンチセンス分子、
(g)PDE4D7に対して特異的なsiRNA、
(h)PDE4D7発現産物に対して又はPDE4D7タンパク質に対して特異的なアプタマ、
(i)PDE4D7タンパク質に特異的に結合することができる小分子又はペプチド模倣体、及び
(j)PDE4D7タンパク質に対して特異的な抗体及び/又はPDE4D7タンパク質に対して特異的な抗体変異体
の群から選択された少なくとも1つの要素を有する、阻害性医薬組成物。
【請求項20】
(a)PDE4D7の活性を直接的に阻害する化合物、好ましくはPDE4D7酵素活性の拮抗物質、
(b)PDE4D7の活性を間接的に阻害する化合物、
(c)PDE4D7タンパク質の優性阻害体又はその生物学的に活性な同等物、
(d)PDE4D7の優性阻害体をコードし、発現させる核酸、
(e)PDE4D7に対して特異的なmiRNA、
(f)PDE4D7のアンチセンス分子、
(g)PDE4D7に対して特異的なsiRNA、
(h)PDE4D7発現産物に対して又はPDE4D7タンパク質に対して特異的なアプタマ、
(i)PDE4D7タンパク質に特異的に結合することができる小分子又はペプチド模倣体、及び
(j)PDE4D7タンパク質に対して特異的な抗体及び/又はPDE4D7タンパク質に対して特異的な抗体変異体
の群から選択された少なくとも1つの要素を有する、悪性のホルモン感受性前立腺がんの治療又は予防のための阻害性医薬組成物。
【請求項21】
(a)PDE4D7の活性を直接的に刺激又は変調する化合物、好ましくはPDE4D7酵素活性のアロステリック作動物質、
(b)PDE4D7の活性を間接的に刺激又は変調する化合物、
(c)PDE4D7タンパク質又はその生物学的に活性な同等物、
(d)PDE4D7をコードし、発現させる核酸、
(e)PDE4D7のmiRNAに対して特異的なmiRNA阻害剤、
(f)脱メチル化剤、及び
(g)ホスホジエステラーゼ置換因子
の群から選択された少なくとも1つの要素を有する、刺激性医薬組成物。
【請求項22】
前記阻害性又は前記刺激性医薬組成物が、PDE4D7の発現レベルに依存して前立腺がんの治療のために用いられ、前記発現のレベルは、請求項7のステップ(a)ないし(c)に従って決定及び/又は監視される、請求項19記載の阻害性医薬組成物又は請求項21記載の刺激性医薬組成物。
【請求項23】
増加した及び/又は増加しているPDE4D7のレベルの場合は前記阻害性医薬組成物が投与され、減少した及び/又は減少しているPDE4D7のレベルの場合は前記刺激性医薬組成物が投与される、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記前立腺がんの治療が、請求項19記載の医薬組成物の投与又は他のがんの治療、好ましくは放射線療法又は化学療法と組み合わせられた請求項19記載の医薬組成物の投与を有する、請求項11若しくは13ないし18のいずれか一項に記載の方法又は請求項12ないし18のいずれか一項に記載の免疫学的検定。
【請求項25】
がん、好ましくは前立腺がん、より好ましくは悪性のホルモン感受性前立腺がんを検出、診断、監視若しくは予知するため又はがんの治療のためのPDE4D7タンパク質に対して特異的な抗体及び/又はPDE4D7タンパク質に対して特異的な抗体変異体の使用。
【請求項26】
前記悪性のホルモン感受性前立腺がんが、ホルモン感受性ステージIないしIVの前立腺がん、ホルモン感受性再発前立腺がん又はホルモン感受性転移前立腺がんである、請求項2ないし4のいずれか一項に記載の組成物、請求項5記載の使用、請求項6、7、11、13ないし18若しくは24のいずれか一項に記載の方法、請求項9、10、12ないし18若しくは24のいずれか一項に記載の免疫学的検定、請求項20記載の阻害性医薬組成物又は請求項25記載の使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2012−526544(P2012−526544A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510423(P2012−510423)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052072
【国際公開番号】WO2010/131194
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【出願人】(301008419)ザ ユニバーシティー コート オブ ザ ユニバーシティー オブ グラスゴー (8)
【Fターム(参考)】