説明

悪条件下での視認性が改善されたディスプレイを有する携帯撮像装置

悪い視覚条件下での画像視認性が改善されたソフトコピーディスプレイを有するデジタル画像撮影装置であって、画像センサと、光学系と、ソフトコピーディスプレイと、複数の色変換を記憶するデータ記憶システムと、環境感知手段と、処理装置であって、入力デジタル画像を取り込む工程と、環境感知手段からの信号に応じてプレビュー色変換を選択する工程であって、悪い視覚条件に対応する環境感知手段からの信号に対して、改善された画像視認性を提供するプレビュー色変換を選択する工程と、入力デジタル画像をプレビュー色変換を用いて変換してプレビュー画像を形成する工程と、ソフトコピーディスプレイにプレビュー画像を表示する工程と、プレビュー色変換を用いずに入力デジタル画像を処理装置アクセス可能メモリに記録する工程と、を行う処理装置と、を備えるデジタル画像撮影装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯表示装置上でデジタル画像を表示する分野、特に悪条件下での視認性が改善されたディスプレイを有するデジタル撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラは非常に普及しており、従来のフィルムカメラの大部分がデジタルカメラに取って代わってきている。今日、多くのデジタルカメラは、カメラの背面に画像表示画面が組み込まれている。この表示画面は、画像を取り込みながら構成することを可能にし、また、カメラ設定を調整するためのユーザインターフェース要素を提供する。さらに、表示画面は、取り込まれデジタルカメラのメモリに保存された画像を閲覧するのにも用いられる。
【0003】
多くのデジタルカメラやカメラ付電話において、光学ファインダはなく表示画面が取り込む写真を構成するのに用いられる。したがって、表示画面が幅広い条件下でユーザに見えることが重要である。
【0004】
LCDなどの表示画面上の画像の視認性は、悪い視覚条件、特に直射日光からのグレア(物の見えづらさを生じさせるようなまぶしさのこと)によって制限され得る。したがって、このような悪条件下でこれらの装置を用いて画像を取り込むことは非常に難しい。
【0005】
グレアを最小限にするために、ディスプレイの前面に様々な材料を用いることが知られている。例えば、フォーレイ他による「黒レベル向上の光学装置及びシステム、及びそれらを用いる方法」というタイトルの米国特許出願公開第2009/0213593号には、ディスプレイのコントラストを高めるために微構造層を利用することが開示されている。しかし、このような材料を用いることはかなりのコストがかかり、開発された最良の材料でさえディスプレイを明るい日光条件で用いると画像の視認性に非常に影響を与えるような容認できないグレアレベルを生成する。
【0006】
米国特許第6,529,212号に記載されているように、周囲/周辺の輝度に応じて表示装置の輝度及びコントラストを自動的に調整することも知られている。この米国特許は、照明条件の変更に応じて、ディスプレイに表示される間、画像の輝度及びコントラストの両方を動的に変更する装置及び方法を開示している。センサを利用して、表示部を照射する光の輝度及びディスプレイの周辺の輝度を継続的に測定する。光センサによって生成された測定信号は、処理され、ディスプレイの輝度及びコントラストを徐々に調整させるディスプレイ輝度及びコントラスト調整制御信号を供給するので、表示された画像の明度及びコントラストの知覚は様々な条件下で一定に保たれる。同様に、スキナーによる「周辺光によってLCD輝度を自動的に調整するLCDデジタルカメラ」というタイトルの米国特許第7,403,227号には、測定された画面レベルに応じてLCDのバックライトの輝度を調整することが開示されている。しかし、これらの方法は直射日光からの「グレア」の環境レベルを補うレベルまで輝度を上げることができないため、厳しいグレアの条件下では機能しない。
【0007】
カラーデジタルカメラからの画像を処理して、モノクロ画像を生成したり色飽和度のより高い画像を生成したりするなど、ユーザが選択可能な画像修正を提供することが知られている。記録された画像はデジタルカメラ上のディスプレイで見ることができ、モノクロまたは色飽和度が高い画像として表示される。ある悪条件下においては、このように処理された画像は見やすいかもしれない。しかし、記録された画像は表示された画像と同じ修正を受けるため、この方法は記録された画像を修正することになり、ある悪条件下での視認性が改善されたディスプレイを提供するが、その後これらの画像をいかなる条件下でも見やすくするという課題を解決しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3,971,065号
【特許文献2】米国特許第4,642,678号
【特許文献3】米国特許第4,774,574号
【特許文献4】米国特許第5,189,511号
【特許文献5】米国特許第5,493,335号
【特許文献6】米国特許第5,652,621号
【特許文献7】米国特許第6,192,162号
【特許文献8】米国特許第6,292,218号
【特許文献9】米国特許第6,529,212号
【特許文献10】米国特許第6,934,056号
【特許文献11】米国特許第7,403,227号
【特許文献12】米国特許出願公開第2005/0191729号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
画像取込工程の間に効果的な画像構成を行うために、悪い視覚条件下でのデジタル撮像装置に表示された画像の視認性を改善し、費用効果が高く、かつ使い勝手のよい方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、悪い視覚条件下での画像視認性が改善されたソフトコピーディスプレイを有するデジタル画像撮影装置であって、デジタル画像を取り込む画像センサと、画像センサ上にシーンを撮像する光学系と、ソフトコピーディスプレイと、複数の色変換を記憶するデータ記憶システムと、環境感知手段と、処理装置と、を備え、処理装置は、画像センサを用いて入力デジタル画像を取り込む工程と、環境感知手段からの信号に応じて、複数の色変換からプレビュー色変換を選択する工程であって、悪い視覚条件に対応する環境感知手段からの信号に応じて、初期設定のプレビュー色変換よりも改善された画像視認性を提供するプレビュー色変換を選択する工程と、プレビュー色変換を用いて入力デジタル画像を変換してプレビュー画像を形成する工程と、ソフトコピーディスプレイにプレビュー画像を表示する工程と、プレビュー色変換を用いずに、処理装置がアクセス可能なメモリに入力デジタル画像を記録する工程と、を実行することを特徴とするデジタル画像撮影装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、高レベルの視覚グレアを有する悪い視覚条件下でデジタル画像を取り込む際に、画像構成のために用いられるプレビュー画像の視認性を改善するという効果がある。この特徴により、ユーザは画像取込工程の際に画像をよりうまく構成することができる。
【0012】
さらに、本発明は、画像レビューモードで画像を閲覧する際、悪い視覚条件下で見る場合、デジタル画像の視認性を改善するという効果もある。
【0013】
さらに、本発明は、視覚条件に応じてソフトコピーディスプレイの輝度を自動的に調整する方法を補足することができるので、十分な画像視認性が得られる視覚条件の範囲を拡大することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術のデジタルカメラシステムの構成要素を示す上位概略図である。
【図2】デジタルカメラでデジタル画像を処理するのに用いられる一般的な画像処理動作を示すフロー図である。
【図3】本発明の好適な実施形態に関わる、悪条件下での視認性が改善されたプレビューディスプレイを提供する方法の概略を説明するフロー図である。
【図4】本発明の好適な実施形態に関わる、悪条件下での視認性が改善されたレビューディスプレイを提供する方法の概略を説明するフロー図である。
【図5】本発明に従って用いられるデジタルカメラの背面図である。
【図6A】色コントラスト強調を有さないコントラスト変換を実施するルックアップテーブル曲線を示す。
【図6B】中程度の色コントラスト強調を有するコントラスト変換を実施するルックアップテーブル曲線を示す。
【図6C】大きな色コントラスト強調を有するコントラスト変換を実施するルックアップテーブル曲線を示す。
【図7】本発明に関わる表示輝度の調整に用いることができる機能を示す。
【0015】
添付の図面は本発明の概念を示す目的であり、縮尺通りではないことが理解されるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の記載では、本発明の好適な実施形態をソフトウェアプログラムとして通常実装されるように記載する。当業者は、そのようなソフトウェアと同等の物がハードウェアでも構築できることが容易に分かるだろう。画像処理アルゴリズム及びシステムはよく知られているので、本発明の記載は、特に、本発明に関わるシステム及び方法の一部を形成するか、または、より直接的に関わるアルゴリズム及びシステムを対象にする。このアルゴリズム及びシステムの他の態様、及びこれらに関わる画像信号を生成及び処理するハードウェアまたはソフトウェアは、本明細書には具体的に図示または記載しないが、このようなシステム、アルゴリズム、当該技術で知られる構成要素及び要素から選択することができる。以下の材料における本発明に関わる記載したシステムを考慮すると、本発明の実施に有用な具体的に図示、提案または記載されていないソフトウェアは、従来技術であり、従来技術の通常の技術の範囲内である。
【0017】
さらに、本明細書で用いられるように、本発明の方法を行うコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されるが、コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(ハードドライブやフロッピーディスク)や磁気テープなどの磁気記憶媒体、光学ディスク、光学テープ、機械可読バーコードなどの光学記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)やリードオンリーメモリ(ROM)などの半導体電子記憶装置、または、1つ以上のコンピュータが本発明に関わる方法を実行するように制御するための命令を有するコンピュータプログラムを記憶する他の物理的装置または媒体である。
【0018】
撮像装置及び信号取り込み及び処理のための関連する回路を用いるデジタルカメラ及びディスプレイはよく知られているので、本発明の記載は特に、本発明に関わるシステム及び方法の一部を形成するか、または、より直接的に関わるアルゴリズム及びシステムを対象にする。本明細書に具体的に図示または記載しない要素は、従来技術で知られている要素から選択される。記載する実施形態の態様は、ソフトウェアで提供される。以下の材料における本発明に関わる記載したシステムを考慮すると、本発明の実施に有用な具体的に図示、提案または記載されていないソフトウェアは、従来技術であり従来技術の通常の技術の範囲内である。
【0019】
本発明は、本明細書に記載される実施形態の組み合わせを含む。「特定の実施形態」などの表現は、本発明の少なくとも1つの実施形態に存在する特徴を指す。「実施形態」または「特定の実施形態」などの表現は必ずしも同一の実施形態を指すとは限らないが、そういった実施形態は指示されたり当業者に容易に明らかでない限り相互に排除しあうことはない。「方法」などを指すのに単数形または複数形を用いることは限定ではない。他に明確に記載されたり文脈によって必要とされない限り、本発明で「または」という語は非排他的な意味で用いられる。
【0020】
デジタルカメラの以下の説明は当業者によく知られているだろう。本発明の実施形態には、コストの削減、特徴の追加またはカメラの性能の改善のために選択される、考えられる多くのバリエーションがあることは明らかだろう。
【0021】
図1は、デジタルカメラ10を含むデジタル写真システムのブロック図を示す。デジタルカメラ10は、携帯用電池で動作する装置であり、画像を取り込みレビューする際にユーザが容易に手で持って操作できるくらい十分小さいことが好ましい。デジタルカメラ10は、画像メモリ30を用いてデジタル画像ファイルとして保存されるデジタル画像を生成する。本明細書で用いられるように「デジタル画像」または「デジタル画像ファイル」という表現は、デジタル静止画像やデジタルビデオファイルなどのあらゆるデジタル画像ファイルを指す。
【0022】
ある実施形態において、デジタルカメラ10は、動画ビデオ画像と静止画像の両方を取り込む。デジタルカメラ10は、デジタル音楽プレーヤ(例えば、MP3プレーヤ)、携帯電話、GPS受信機またはプログラム可能な携帯端末(PDA)などの他の機能を含むがこれに限定されない。
【0023】
デジタルカメラ10は、調整可能な開口部を有するズームレンズ4及び調整可能シャッタ6を備える。ズームレンズ4は、ズーム及びフォーカスモータ駆動装置8によって制御される。デジタルカメラ10は、(図示しない)シーンからの光を、画像センサ14、例えば単一チップカラーCCDまたはCMOS画像センサ上に集光する。他の実施形態では、可変または固定の焦点を有する固定焦点距離レンズが用いられる。
【0024】
画像センサ14の出力は、アナログ信号処理装置(ASP)及びアナログデジタル(A/D)変換器16によってデジタル形式に変換され、バッファメモリ18に一時的に保存される。バッファメモリ18に保存された画像データは、次に、ファームウェアメモリ28に保存された組み込みソフトウェアプログラム(例えば、ファームウェア)を用いて処理装置20によって操作される。ある実施形態において、ソフトウェアプログラムは、リードオンリーメモリ(ROM)を用いてファームウェアメモリ28に恒久的に保存される。他の実施形態では、ファームウェアメモリ28は、例えばフラッシュEPROMメモリを用いることによって変更される。このような実施形態において、外部装置は、有線インターフェース38または無線モデム50を用いて、ファームウェアメモリ28に保存されたソフトウェアプログラムを更新することができる。また、このような実施形態において、ファームウェアメモリ28を用いて、画像センサ校正データ、ユーザ設定選択及びカメラの電源が切られた場合に保護するべき他のデータを保存することができる。ある実施形態において、処理装置20は、(図示しない)プログラムメモリを含み、ファームウェアメモリ28に保存されたソフトウェアプログラムは、処理装置20によって実行される前にプログラムメモリに複製される。
【0025】
処理装置20の機能は、1つ以上のデジタル信号処理装置(DSP)を含む単一のプログラム可能処理装置または複数のプログラム可能処理装置を用いることによって提供されることが理解されるだろう。または、処理装置20は、カスタム回路(例えば、デジタルカメラ専用に設計された1つ以上のカスタム集積回路(IC))によって提供されるか、または、プログラム可能処理装置及びカスタム回路の組み合わせによって提供される。処理装置20と図1に示す様々な構成要素のうちいくつかまたは全てとの接続装置は、一般的なデータバスを用いて構成されることが理解されるだろう。例えば、ある実施形態において、処理装置20、バッファメモリ18、画像メモリ30及びファームウェアメモリ28の間の接続は、一般的なデータバスを用いて構築される。
【0026】
処理された画像は、その後画像メモリ30を用いて保存される。画像メモリ30は、取り外し可能なフラッシュメモリカード、内部フラッシュメモリチップ、磁気メモリまたは光学メモリを含むが、これらに限定されない当業者に既知のあらゆる形式のメモリであることが理解される。ある実施形態において、画像メモリ30は、内部フラッシュメモリチップ、及び、セキュアデジタル(SD)カードなどの取り外し可能なフラッシュメモリカードへの標準インターフェースを含む。または、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(CF)カード、マルチメディアカード(MMC)、xDカードやメモリスティックなどの異なるメモリカード形式を用いてもよい。
【0027】
画像センサ14は、タイミング生成器12によって制御されることで様々なクロック信号を生成して行及び列を選択し、ASP及びA/D変換器16の動作と同期する。画像センサ14は、約4,000×3,000ピクセルの静止画像ファイルを提供するために、例えば12.4メガピクセル(4,088×3,040ピクセル)を有する。画像センサは、カラー画像を提供するために、一般的にカラーフィルターアレイで覆われることにより異なる着色された画素を含む画素の配列を有する画像センサを提供する。異なるカラー画素は、多くの異なるパターンで配置される。一例として、開示内容をここに援用する同一出願人によるバイエルの「カラー撮像アレイ」というタイトルの米国特許第3,971,065号に記載されているように、周知のバイエルカラーフィルターアレイを用いて配置される。2つ目の例として、開示内容をここに援用する2007年7月28日に同一出願人により出願された、コンプトン及びハミルトンの「光感度が改善された画像センサ」というタイトルの米国特許出願公開番号2007/0024931に記載されているように、異なるカラー画素が配置される。これらの例は限定ではなく、他の多くのカラーパターンが用いられてもよい。
【0028】
画像センサ14、タイミング生成器12及びASP及びA/D変換器16は、別々に製造された集積回路でもよいし、またはCMOS画像センサで一般的に行われているような単一の集積回路として製造されてもよい。ある実施形態において、この単一の集積回路は、処理装置20によって提供される機能のいくつかを含む、図1に示された他の機能のいくつかを行うことができる。
【0029】
画像センサ14は、タイミング生成器12により低解像度センサ画像データの動画シーケンスを提供する第1モードで駆動される場合に有効である。第1モードは、画像を構成するためにビデオ画像を取り込む際や取り込む静止画像をプレビュー表示させる際に用いられる。このプレビューモードでのセンサ画像データは、例えば1,280×720ピクセルのHD解像度画像データとして、または例えば640×480ピクセルのVGA解像度画像データとして、または画像センサの解像度と比べてデータの列及び行が非常に少ない他の解像度を用いて提供されてもよい。
【0030】
プレビューモードでのセンサ画像データは、同じ色を有する隣接画素の値を結合することによって、または画素値のいくつかを削除することによって、或いは一部のカラー画素を結合する一方で他のカラー画素を削除することによって提供されてもよい。プレビューモードでの画像データは、開示内容をここに援用する同一出願人によるパルルスキ他の「動画像をプレビュー表示させながら静止画像の取り込みを開始する電子カメラ」というタイトルの米国特許第6,292,218号に記載されているように処理されてもよい。
【0031】
画像センサ14は、タイミング生成器12により高解像度静止画像データを提供する第2モードで駆動される場合にも有効である。この最終モードセンサ画像データは、高照明レベルを有するシーンでは、画像センサの画素の全てを含む高解像度出力画像データとして提供され、例えば4,000×3,000ピクセルを有する12メガピクセルの最終画像データであってもよい。低照明レベルにおいては、最終センサ画像データは、信号レベル、引いてはセンサの「ISO速度」を上げるために、画像センサ上の同じ色の画素のいくつかを「ビニング」することによって提供されてもよい。
【0032】
ズーム及びフォーカスモータ駆動装置8は、処理装置20によって供給された制御信号によって制御されて適切な焦点距離設定を提供し、画像センサ14上にシーンの焦点を合わせる。画像センサ14の露光レベルは、調整可能な開口部及び調整可能なシャッタ6のF数及び露光時間、タイミング生成器12を介した画像センサ14の露光期間、及びASP及びA/D変換器16のゲイン(すなわちISO速度)設定を制御することによって制御される。処理装置20は、シーンを明るくすることができるフラッシュ2も制御する。
【0033】
随意的な補助センサ42は、シーンや視覚環境についての情報を感知するのに用いられる。例えば、補助センサ42は、適切な露光レベルを設定するためにシーンの照明レベルを測定する光センサでもよい。または補助センサ42は、環境センサとして用いられ画像が画像ディスプレイ32に表示される視覚環境の特徴を検出してもよい。当業者は、多くの他の種類の補助センサ42を用いてもよいことを認識するだろう。
【0034】
処理装置20は、メニュー、及び表示メモリ36に一時的に保存され、画像ディスプレイ32に表示される低解像度カラー画像を生成する。画像ディスプレイ32は、一般的にアクティブマトリクスカラー液晶ディスプレイ(LCD)であり、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの他の種類のディスプレイを用いてもよい。ビデオインターフェース44は、デジタルカメラ10からフラットパネルHDTVディスプレイなどのビデオディスプレイ46にビデオ出力信号を提供する。プレビューモードまたはビデオモードにおいて、バッファメモリ18からのデジタル画像データは、処理装置20によって操作され、一般的にカラー画像として表示される一連の動画プレビュー画像を画像ディスプレイ32に形成する。レビューモードでは、画像ディスプレイ32に表示された画像が画像メモリ30に保存されたデジタル画像ファイルからの画像データを用いて生成される。
【0035】
カラーLCD画像ディスプレイ32に表示されるグラフィカルユーザインターフェースは、ユーザ制御装置34によって提供されたユーザ入力に応じて制御される。ユーザ制御装置34は、ビデオ取り込みモード、静止画像取り込みモード及びレビューモードなどの様々なカメラモードを選択するのに用いられる。ユーザ制御装置34はまた、カメラの電源を入れ、ズームレンズを制御し、写真撮影工程を開始するのにも用いられる。ユーザ制御装置34は、一般的に、ボタン、ロッカースイッチ、ジョイスティックまたは回転式ダイヤルのいくつかの組み合わせを含む。ある実施形態において、ユーザ制御装置34のいくつかは、画像ディスプレイ32上のタッチ画面オーバーレイを用いて提供される。他の実施形態において、付加的な状態ディスプレイまたは画像ディスプレイが用いられる。処理装置20に接続された音声コーデック22は、マイク24から音声信号を受信し音声信号をスピーカ26に提供する。これらの構成要素は、ビデオシーケンスまたは静止画像とともに音声トラックを記録及び再生するのに用いられてもよい。デジタルカメラ10がコンビネーションカメラや携帯電話などの多機能装置である場合、マイク24及びスピーカ26は電話の会話に用いられてもよい。
【0036】
ある実施形態において、スピーカ26は、ユーザインターフェースの一部として用いられ、例えばユーザ制御装置が押下されたこと、または特定のモードが選択されたことを示す様々な音響信号を提供する。ある実施形態において、マイク26、音声コーデック22及び処理装置20は音声認識を提供するのに用いられ、ユーザはユーザ制御装置34ではなく音声命令を用いて処理装置20にユーザ入力を提供することができる。スピーカ26は、ユーザに着信電話呼び出しを知らせるのに用いられてもよい。この着信電話呼び出しは、ファームウェアメモリ28に保存された標準着信音を用いて、または無線ネットワーク58からダウンロードされ、画像メモリ30に保存されたカスタム着信音を用いて行われる。さらに、(図示しない)振動装置を用いて着信電話呼び出しの無音(例えば、非可聴)の通知を提供してもよい。
【0037】
既知のExif−JPEG画像ファイルなどの「完成した」画像ファイル内に圧縮され保存されるレンダリングされたsRGB画像データを画像メモリ30に生成するために、処理装置20はまた、画像センサ14からの画像データに更なる処理を提供する。
【0038】
デジタルカメラ10は、有線インターフェース38を介してインターフェース/充電器48に接続され、インターフェース/充電器48は、家または会社にあるデスクトップコンピュータまたは携帯用コンピュータであるコンピュータ40に接続される。有線インターフェース38は、例えば既知のUSB2.0インターフェース仕様に準拠してもよい。インターフェース/充電器48は、有線インターフェース38を介してデジタルカメラ10の(図示しない)充電式電池一式に電力を提供してもよい。
【0039】
デジタルカメラ10は、無線周波数帯域52を通じて無線ネットワーク58とインターフェースをとる無線モデム50を備えてもよい。無線モデム50は、既知のBluetooth無線インターフェースや既知の802.11無線インターフェースなどの様々な無線インターフェースプロトコルを用いてもよい。コンピュータ40は、インターネット70を介して、KodakEasyShareGalleryなどの写真サービス会社72に画像をアップロードすることができる。(図示しない)他の装置は、写真サービス会社72によって保存された画像にアクセスできる。
【0040】
別の実施形態において、無線モデム50は、無線周波数(例えば無線)回線を通じて、3GSMネットワークなどの(図示しない)携帯電話ネットワークと通信し、デジタルカメラ10からデジタル画像ファイルをアップロードするためにインターネット70と接続する。これらのデジタル画像ファイルは、コンピュータ40または写真サービス会社72に提供される。
【0041】
図2は、ASP及びA/D変換器16によって出力された画像センサ14からのカラーセンサデータ100を処理するために、デジタルカメラ10(図1)の処理装置20によって行われる画像処理動作を示すフロー図である。ある実施形態において、特定のデジタル画像に対してカラーセンサデータ100を操作するために、処理装置20によって用いられる処理パラメータは様々なユーザ設定175によって決定され、ユーザ設定175は画像ディスプレイ32に表示されたメニューに応答してユーザ制御装置34を介して選択される。
【0042】
ASP及びA/D変換器16によってデジタル変換されたカラーセンサデータ100は、画像センサ14からのノイズを縮小するためにセンサノイズ縮小工程105によって処理される。ある実施形態において、この処理は、開示内容をここに援用する同一出願人により出願されたギンデル他の「可変ノイズ除去カーネルを用いた希薄なカラーデジタル画像のノイズ除去及び補間」というタイトルの米国特許第6,934,056号に記載された方法を用いて行われてもよい。ノイズ縮小のレベルは、ISO設定110に応じて調整可能なので、より高いISO露光指数設定においてフィルタリングが強化される。
【0043】
カラー画像データは、各画素位置で、赤、緑及び青(RGB)画像データ値を提供するためにデモザイク工程115によって処理される。デモザイク工程115を行うアルゴリズムは、一般的にカラーフィルターアレイ(CFA)補間アルゴリズムまたは「デベイヤ」アルゴリズムとして知られている。本発明の一実施形態において、デモザイク工程115は、開示内容をここに援用する同一出願人によるアダム他の「単一センサーカラー電子カメラの適応カラー平面補間」というタイトルの米国特許第5,652,621号に記載された輝度CFA補間方法を用いてもよい。デモザイク工程115はまた、開示内容をここに援用する同一出願人によるコックの「サンプリングされたカラー画像信号の保管されたクロミナンス値を生成する信号処理方法及び装置」というタイトルのクロミナンスCFA補間方法を用いてもよい。
【0044】
ある実施形態において、ユーザは異なる画素解像度モードを選択して、デジタルカメラがより小さいサイズの画像を生成できるようにする。多画素解像度は、開示内容をここに援用する同一出願人によるパルルスキ他の「ユーザが画像記録サイズを選択できる単一センサーカラーカメラ」というタイトルの米国特許第5,493,335号に記載されているように提供されてもよい。ある実施形態において、解像度モード設定120はユーザによって、最大サイズ(例えば、3,000×2,000画素)、中間サイズ(例えば、1,500×1,000画素)または小型サイズ(750×500画素)が選択される。
【0045】
カラー画像データは、色補正工程125で色を補正される。ある実施形態において、色補正は、開示内容をここに援用する同一出願人によるパルルスキ他の「電子カメラからのハードコピー画像の演色性を改善する方法及び装置」というタイトルの米国特許第5,189,511号に記載されているように、3×3線形空間色補正マトリクスを用いて提供される。ある実施形態において、異なるユーザ選択可能なカラーモードがデジタルカメラ10のファームウェアメモリ28に異なるカラーマトリクス係数を保存することによって提供される。例えば、4つの異なるカラーモードが提供され、カラーモード設定130を用いて以下の色補正マトリクスのうち1つを選択する。
【0046】
設定1(標準の色再現)
【0047】
【数1】

【0048】
設定2(色飽和度の高い再現)
【0049】
【数2】

【0050】
設定3(飽和が抑制された色再現)
【0051】
【数3】

【0052】
設定4(モノクロ)
【0053】
【数4】

【0054】
他の実施形態において、3次元ルックアップテーブルは色補正工程125を行うのに用いられる。
【0055】
カラー画像データは、さらに色調補正工程135によって処理される。ある実施形態において、色調補正工程135は、前に引用した米国特許第5,189、511号に記載されているように、一次元ルックアップテーブルを用いて行われてもよい。ある実施形態において、複数の色調補正ルックアップテーブルがデジタルカメラ10のファームウェアメモリ28に保存される。これらは、「標準の」色調補正曲線、「高コントラスト」色調補正曲線、及び「低コントラスト」色調補正曲線を提供するルックアップテーブルを含む。ユーザが選択したコントラスト設定140は色調補正工程135を行う際に、処理装置20によってどの色調補正ルックアップテーブルを用いるかを判定するのに用いられる。
【0056】
カラー画像データは、さらに画像鮮鋭化工程145によって処理される。ある実施形態において、この工程は、開示内容をここに援用する同一出願人によるハミルトン他の「エッジ強調カラーデジタル画像」というタイトルの米国特許第6,192,162号に記載された方法を用いて提供されてもよい。ある実施形態において、ユーザは、「標準鮮鋭化」設定、「高鮮鋭化」設定、及び「低鮮鋭化」設定を含む様々な鮮鋭化設定から選択することができる。この例では、処理装置20はデジタルカメラ10のユーザによって選択された鮮鋭化設定150に応じて、3つの異なるエッジブースト乗数値のうち1つ、例えば、「高鮮鋭化」では2.0、「標準鮮鋭化」では1.0、「低鮮鋭化」では0.5レベルを用いる。
【0057】
カラー画像データは、さらに画像圧縮工程155によって処理される。ある実施形態において、画像圧縮工程155は、開示内容をここに援用する同一出願人によるデイリー他の「適応ブロック変換画像符号化方法及び装置」というタイトルの米国特許第4,774,574号に記載された方法を用いて提供されてもよい。ある実施形態において、ユーザは様々な圧縮設定から選択することができる。この選択は、デジタルカメラ10のファームウェアメモリ28に複数の量子化テーブル、例えば3つの異なるテーブルを保存することによって実現される。これらのテーブルは、デジタルカメラ10の画像メモリ30に保存される圧縮されたデジタル画像ファイル180に対して、異なる品質レベル及び平均ファイルサイズを提供する。ユーザが選択した圧縮モード設定160は、処理装置20によって特定の画像に対して画像圧縮工程155で用いられる特定の量子化テーブルの選択に用いられる。
【0058】
圧縮されたカラー画像データは、ファイル初期化工程165を用いてデジタル画像ファイル180に保存される。画像ファイルは、様々なメタデータ170を含む。メタデータ170は、画像を取り込んだカメラのモデル、画像のサイズ、画像が取り込まれた日時などのデジタル画像、及び、レンズ焦点距離、レンズの露光時間及びF数、カメラのフラッシュがたかれたか否かなどの様々なカメラ設定に関連するあらゆる種類の情報である。好適な実施形態において、このメタデータ170は全て周知のExif−JPEG静止画像ファイル形式内の標準タグを用いて保存される。
【0059】
本発明を図3を参照して説明する。図3は、本発明の好適な実施形態に関わる、悪条件下での視認性が改善されたプレビューディスプレイを提供する方法の概略を説明する。入力デジタル画像取込ブロック200は、デジタルカメラ10を用いて入力デジタル画像205を取り込む。ある実施形態において、入力デジタル画像205は、動画ビデオシーケンスを提供するデジタル画像のシーケンスまたはビデオ「クリップ」である。他の実施形態において、入力デジタル画像205は、後で高解像度静止画像を取り込むために取り込む静止画像を構成する目的で取り込まれ、画像ディスプレイ32(図1)上に表示される一連のプレビュー画像である。
【0060】
視覚環境特徴検出工程215は、環境センサ210からの入力を用いて視覚環境の特徴を検出する。本発明の好適な実施形態において、環境センサ210は、ユーザが画像ディスプレイ32(図1)を見るであろう視覚環境における光レベルの指標を提供するのに用いられる。一実施形態において、環境センサ210は、画像ディスプレイ32に入射する光レベルを測定する、画像ディスプレイ32に隣接して設けられた補助センサ42でもよい。別の実施形態において、画像取込工程の際に、シーン輝度レベル及び入力デジタル画像205を取り込む工程で用いる対応する露光値(EV)を判定するのに用いられるシーン感知手段を環境センサ210として用いてもよい。このアプローチは、撮影するシーンの輝度レベルが通常画像ディスプレイ32上に当たる周辺光レベルに密接に関連するということを利用している。一般的に、デジタルカメラの画像センサ14(図1)は、シーン感知手段として用いられる。あるいは、補助センサ42をシーン感知手段として用いてもよい。
【0061】
次に、表示色変換選択工程220は、特徴を検出された視覚環境に応じで利用可能な色変換のセット225から表示色変換230を選択する。好適な実施形態において、表示色変換選択工程220は、視覚環境での照明レベルが閾値照明レベル以下であると判断される場合、標準的な色の出現を有する初期設定の表示色変換を選択する。照明レベルが閾値照明レベルを上回る場合、別の強調された表示色変換が選択され、高いグレアを有する悪い視覚条件下で改善された画像視認性を提供する。
【0062】
一実施形態において、強調された表示色変換は、初期設定の表示色変換と比較して画像コントラストが上げられる。より高いレベルの画像コントラストを用いて作成されたプレビュー画像は、高いグレアの視覚条件下において改善された画像視認性を有する。このような変換は、過度のコントラストのために「視覚的に満足のいく」画像を生成しないかもしれないが、ユーザがより容易にプレビュー画像における被写体の位置を識別することができる画像を生成するので、ユーザは所望の画像をより正確に構成することができるだろう。強調された表示色変換は、画像輝度や画像彩度などの他の画像属性を調整するのに用いられてもよい。強調された表示色変換は、これらの画像属性のうちいずれか1つを調整するか、または画像属性の組み合わせを調整してもよい。例えば、強調された表示色変換は、初期設定の表示色変換と比較して、画像コントラストと画像彩度の両方が上げられてもよい。
【0063】
別の実施形態において、強調された表示色変換は、様々な特殊効果を適用することで改善された視認性を有する画像を生成してもよい。例えば、強調された表示色変換は、高コントラストのグレースケールデジタル画像を生成するのに用いられてもよい。
【0064】
ある実施形態において、特徴を検出された視覚環境に応じて、複数の強調された表示色変換を選択してもよい。例えば、視覚環境において検出された照明レベルが上がるにつれて、より積極的な色強調が選択されてもよい。すなわち、中レベルの照明レベルを有する視覚環境では、中程度のコントラスト及び彩度上昇を有する表示色変換230が選択され、高レベルの照明レベルを有する視覚環境では、大きなコントラスト及び彩度上昇を有する表示色変換230が選択され、非常に高い照明レベルを有する視覚環境では高コントラストのグレースケールデジタル画像を生成する表示色変換230が選択されてもよい。
【0065】
プレビュー画像形成工程235では、選択された表示色変換230を入力デジタル画像205に適用することによってプレビュー画像240を形成する。その後、プレビュー画像表示工程245で、デジタルカメラ10(図1)の画像ディスプレイ32(図1)上にプレビュー画像240を表示する。
【0066】
一般的に、初期設定の表示色変換は、理想的な視覚条件で用いられる際に高品質なプレビュー画像を生成するように設計される。悪い視覚条件が検出された際に表示色変換選択工程220で選択された強調された表示色変換は、一般的に理想的な視覚条件で用いられると望ましくない結果を生成するので、理想的な視覚条件で用いられることは適切ではない。しかし、強調された表示色変換を用いてプレビュー画像240が形成されると、悪い視覚条件下で見る場合、初期設定の表示色変換と比較して改善された画像視認性を有する。強調されたプレビュー画像を高グレアの悪い視覚条件下で見る場合、概して初期設定のプレビュー画像を理想的な視覚環境で見る場合よりも、依然として低い画像品質である。しかし、悪い視覚条件において、初期設定のプレビュー画像を同じ条件で見る場合と比較して、強調されたプレビュー画像は改善された画像視認性を有する。この画像視認性の改善は、多くの場合ユーザに重要な利点となり得る。例えば、静止画像を取り込む前、またはビデオクリップを取り込む際、画像を構成する工程でユーザがプレビュー画像を見る場合、強調されたプレビュー画像により、ユーザは、よりうまくシーンにおいて所望の領域を取り込むことができる。
【0067】
選択された表示色変換230を、後で使用するためにデジタル画像集265に保存されるバージョンのデジタル画像に適用することは概して望ましくない。したがって、別の処理経路を設けて、デジタル画像集265への保存のために出力画像を生成する。デジタル画像処理及び圧縮工程250では、入力デジタル画像205を生成して圧縮されたデジタル画像255を生成する。
【0068】
デジタル画像処理及び圧縮工程250は、一般的に色処理及び画像圧縮を含む多くの画像処理演算の適用を含む。色処理は、一般的に出力色変換248の適用を含む。一実施形態において、出力色変換は、理想的な視覚条件で使用するためのプレビュー画像240を形成するのに用いられる初期設定の表示色変換と同一であってもよい。これは、画像ディスプレイ32(図1)が、標準的なビデオディスプレイ(例えば、標準的なsRGB画像を見るように設計されたビデオディスプレイ)と類似した特徴を有する場合適切である。他の実施形態において、出力色変換248は、入力デジタル画像が圧縮デジタル画像255の所望の色空間に既に存在する場合ヌル変換であってもよい。
【0069】
好適な実施形態において、デジタル画像処理及び圧縮工程250は、既知のJPEG形式で圧縮されたデジタル画像255を生成するのに用いられるJPEG圧縮工程を含む。圧縮デジタル画像保存工程260では、デジタル画像集265に圧縮されたデジタル画像255を保存する。
【0070】
本発明の別の実施形態において、随意的な表示輝度調整工程275では、特徴を検出された視覚環境に応じて画像ディスプレイ32(図1)の輝度を調整する。例えば、輝度が低い視覚環境において、表示輝度調整工程275は画像ディスプレイ32の輝度を低い輝度レベルに設定して、明るすぎるディスプレイを見ることに起因する目の疲れを軽減することができる。その後、輝度が高い視覚環境において、表示輝度調整工程275は画像ディスプレイ32の輝度を高い輝度レベルに設定して高レベルの可視フレアの影響の克服に寄与することができる。このような表示輝度の調整を表示色変換230の選択とともに行うことにより、プレビュー画像240の画像視認性を改善する効果をもたらす。
【0071】
表示輝度調整工程275を用いて表示輝度を調整する機構は、デジタルカメラ10(図1)で用いられる種類の画像ディスプレイ32(図1)の機能だろう。LCD画像ディスプレイは、画像ディスプレイ32の1つの一般的な種類である。LCD画像ディスプレイは、一般的にLCD画素によって変調される光を提供するのに用いられるバックライトを備える。この場合、表示輝度調整工程275は、例えばデューティーサイクルパラメータを調整することによって、バックライトの光レベルを調整できる。OLED画像ディスプレイもデジタルカメラに用いられてきた。OLED画像ディスプレイの場合、表示輝度調整工程275において、OLEDがその最大輝度を直接変更することができる。
【0072】
本発明の一実施形態において、表示色変換選択工程220は、随意的なユーザ選択可能な視覚モード270に対応する。この場合、デジタルカメラ10(図1)のユーザインターフェースに関連付けられたユーザ制御装置34(図1)を用いて、ユーザはユーザ選択可能な視覚モード270を選択してもよい。例えば、ユーザが特徴が検出された視覚環境に基づいて表示色変換230が自動的に選択されることを望む場合、あるユーザ選択可能な視覚モード270を選択してもよい。ユーザがこの機能を切り、常に初期設定の表示色変換を用いることを望む場合、別のユーザ選択可能視覚モード270を選択してもよい。ユーザが常に改善されたプレビュー色変換を用いることを望む場合、第3のユーザ選択可能視覚モード270を選択してもよい。
【0073】
ユーザ選択可能視覚モード270は、様々な攻撃性レベルを有する強調された表示色変換のモードから選択されるか、異なる色強調様式を用いる。例えば、あるユーザは、コントラストを上げる強調された表示色変換を好み、別のユーザは、グレースケールプレビュー画像を生成する強調された表示色変換を好むかもしれない。
【0074】
別の実施形態において、表示色変換選択工程220は、環境センサ210からの入力を用いずに、ユーザ選択可能視覚モード270に応じて表示色変換230を手動で選択してもよい。これは、ユーザが完全に制御したい場合や、ユーザが、自動的に選択された表示色変換を用いて取得された結果を好まない場合に有用である。一実施形態において、デジタルカメラの背面のボタンなどのユーザインターフェース制御装置を用いて、強調されたコントラスト及び彩度を有する表示色変換230を用いるか否かを手動で特定してもよい。例えばボタンが押されない場合、初期設定の表示色変換が用いられる。しかし、ユーザが高グレアの視覚環境にいる場合、ユーザはボタンを押して強調された表示色変換を選択してもよい。
【0075】
一般的に、デジタルカメラはデジタル画像の撮影に加えてレビューモードでデジタル画像集265(図3)の一部として画像メモリ30(図1)に保存された以前に撮影されたデジタル画像をレビューするのにも用いられる。図4は、デジタルカメラ10が、画像レビューモードで用いられる場合、本発明の方法が、どのように利用されるかを示すフロー図である。デジタル画像解凍工程280は、デジタル画像集265からデジタル画像を解凍して解凍されたデジタル画像285を生成するのに用いられる。図3に関連して記載された画像プレビューモードのように、視覚環境特徴検出工程215は、環境センサ210からの信号に応じて視覚環境の特徴を検出する。その後、表示色変換選択工程220は、利用可能な色変換のセット225から表示色変換230を選択する。レビュー画像形成工程290は、その後、解凍されたデジタル画像285に表示色変換230を適用し、レビュー画像292を形成する。レビュー画像表示工程294は、その後、画像ディスプレイ32(図1)上にレビュー画像292を表示する。前述したように、表示輝度調整工程275は、特徴を検出された視覚環境に応じて、画像ディスプレイ32の輝度を随意的に調整してもよい。さらに、表示色変換選択工程220は、ユーザ選択可能視覚モード270に随意的に対応する。
【0076】
図5は、本発明に関連するデジタルカメラ300の機能を示す図である。デジタルカメラ300は、画像撮影を開始するための撮影ボタン315、及び本発明の方法に関わるプレビュー画像240(図3)及びレビュー画像292(図4)を表示するのに用いられる画像ディスプレイ305を有する。画像ディスプレイ305は、メニューやボタンなどの様々なユーザインターフェース要素を表示するのに用いられてもよい。好適な実施形態において、画像ディスプレイ305は、ユーザが画像ディスプレイ305に触ることによってユーザインターフェースとやり取りすることを可能にする、タッチセンサ式オーバーレイを有するLCD表示画面である。タッチ画面オーバーレイを形成する方法には、当業者に知られている多くの方法がある。本発明の一実施形態において、タッチセンサ式オーバレイは容量性タッチ画面技術を用いる。本発明で用いられる他の種類のタッチ画面には、抵抗技術、赤外線技術または表面弾性波技術を用いるものがある。ある実施形態において、ボタン、ジョイスティック、及び(図示しない)ダイヤルなどの様々なユーザインターフェース要素がユーザとやり取りするために設けられる。
【0077】
図示されている表示されたデジタル画像310は、図3及び図4を参照して前述された方法に従って形成されたプレビュー画像240またはレビュー画像292のいずれかである。画像ディスプレイ305に隣接して示された補助環境センサ320は、1つ以上の光源325から画像ディスプレイ305に当たる周辺光330の照明レベルを測定する。光源325は、太陽または他の光源である。多くの視覚環境において、複数の光源が画像ディスプレイ305に当たる周辺光330に寄与することになる。前述したように、本発明のいくつかの実施形態では、本構成に示す別の補助環境センサ320ではなく環境センサとして画像センサ14(図1)を用いる。
【0078】
本発明のある実施形態において、プレビュー画像240(図3)は、ユーザが撮影ボタン315を半押しすることで画像ディスプレイ305に表示される。撮影ボタン315が半押しされている間、表示されたプレビュー画像は新しい入力デジタル画像205(図3)を取り込み続け、選択された表示色変換230(図3)を用いて処理し更新されたプレビュー画像240を決定することによりリアルタイムで更新される。このように、ユーザは、所望の画像構成が得られるまで画像構成を調整することができる。
【0079】
次に、ユーザが撮影ボタン315を完全に押すことで、入力デジタル画像205は処理装置がアクセス可能なメモリに記録される。記録されたデジタル画像は、最近のプレビュー画像240を生成するのに用いられた同一の入力デジタル画像205から形成するか、またはユーザが撮影ボタン315を完全に押すことによって、新しい入力デジタル画像205を取り込み、記録してもよい。
【0080】
ある実施形態において、撮影ボタン315が完全に押され入力デジタル画像205が記録された後、記録されたデジタル画像は所定時間画像ディスプレイ305に表示されることで、ユーザが撮影したデジタル画像をもう一度見ることを可能にする。ユーザは、ユーザインターフェースを適切に操作することにより、撮影したデジタル画像に消去やタグ付けなどの動作を行って選択してもよい。表示されたデジタル画像は、レビュー画像292(図4)と考えられる。ある実施形態において、レビュー画像292は、環境センサ210からの信号に応じて選択された表示色変換230を用いて処理される。他の実施形態において、レビュー画像292は表示色変換230を用いずに画像ディスプレイ305上に表示されてもよい。または、ユーザ選択可能視覚モードを設けることによって、ユーザは表示色変換230を適用するかの選択を与えられてもよい。
【0081】
本発明の方法が、デジタルビデオカメラまたはビデオ撮影モードで用いられているデジタルスチルカメラに適用される場合、プレビュー画像240は継続的に更新されて撮影され、デジタルビデオファイルに保存されたデジタルビデオ画像をユーザに表示する。デジタルビデオファイルは、デジタル画像集265の一種である。ある実施形態において、プレビュー画像240は、更新されて撮影されたデジタルビデオの各フレームを表示する。他の実施形態において、フレームのサブセットのみが用いられてプレビュー画像240が形成される。例えば、プレビュー画像240はデジタルビデオの1つおきのフレームのみに対して形成されてもよい。
【0082】
本発明の一実施形態において、利用可能な色変換のセット225は異なるコントラストまたは彩度特徴を有する色変換を含む。デジタル画像のコントラストを調整する方法には、当業者に知られている多くの方法がある。本発明に従って用いられるデジタル画像のコントラストを上げる1つの方法としては、入力デジタル画像205におけるコード値のサブセットを求め、画像ディスプレイ305のコード値範囲を満たすようにコード値を拡張する方法がある。数学的に、この演算は、以下の式で表わされる。
【0083】
【数5】

【0084】
式中、CVinは、入力デジタル画像205のコード値であり、CVoutは、コントラストが上げられたデジタル画像のコード値であり、mは、画像コントラストに関わる勾配パラメータであり、bは、画像輝度に関わるオフセットパラメータであり、Clip(x,0,255)は、値を0から255内に縮小する関数である。この例では、式(5)は、あらゆる表示コード値範囲を用いるように一般化されることが当業者にとって明らかだろうが、画像ディスプレイ305は0から255の範囲のコード値を受け入れると仮定する。
【0085】
式(5)の勾配パラメータm及びオフセットパラメータbは、以下の式を用いて、画像ディスプレイ305のコード値範囲を満たすように拡張される入力コード値のサブセットに関連する。
【0086】
【数6】

【0087】
【数7】

【0088】
式中、Min及びMaxは、それぞれ、入力コード値のサブセットにおける最小及び最大入力コード値である。
【0089】
デジタル画像の彩度を調整する方法には、当業者に知られている多くの方法がある。本発明に従って用いられるデジタル画像の彩度を上げる1つの方法としては、入力デジタル画像205のコード値にマトリクス変換を適用する方法がある。このようなマトリクス変換は、以下の式で与えられる。
【0090】
【数8】

【0091】
式中、Rin、Gin及びBinは、それぞれ、入力デジタル画像205の画素の赤、緑及び青のコード値であり、Rout、Gout及びBoutは、彩度が上げられたデジタル画像の対応する画素の赤、緑及び青のコード値であり、MCは、彩度マトリクスである。本発明に従って用いられる彩度マトリクスの一形態は、以下の式で与えられる。
【0092】
【数9】

【0093】
式中、K1及びK2は、マトリクス係数である。本発明の一実施形態において、マトリクス係数は、以下の式を用いて飽和パラメータSに関連づけられる。
【0094】
【数10】

【0095】
【数11】

【0096】
式(5)に明示されたような縮小工程は、変換されたコード値が変換されたコード値の許容範囲を超えないようにするために、以下の式に記載された変換だけでなく、式(8)に暗に存在する。
【0097】
色変換の3つ目の種類として、カラー入力デジタル画像205をグレースケール(モノクロ)デジタル画像に変換するグレースケール変換がある。グレースケール変換には、当業者に知られている多くの種類がある。本発明に従って用いられたグレースケール変換の一形態は、以下の式で表わされる。
【0098】
【数12】

【0099】
式中、MGはグレースケール変換マトリクスである。赤、緑及び青の色チャネルに等しく重み付けするグレースケール変換マトリクスの一例は、以下の式で与えられる。
【0100】
【数13】

【0101】
色チャネルに異なる重み付けを行う別のグレースケール変換マトリクスは、式(4)で与えられる。
【0102】
色変換選択工程220で選択された色変換のセット225は、前述したコントラスト強調、彩度引き上げ、及びグレースケール変換などの2つ以上の種類の色修正を組み合わせる色変換を含んでもよい。例えば、選択された色変換230はコントラスト強調及び彩度引き上げの両方を含んでもよい。一般的に、組み合わされた色変換は対応する個々の色変換の式を組み合わせることで形成される。例えば、以下の式はコントラスト強調色変換及び彩度引き上げ色変換を組み合わせる際に用いられる。
【0103】
【数14】

【0104】
同様に、以下の式はグレースケール変換色変換をコントラスト強調色変換と組み合わせる際に用いられる。
【0105】
【数15】

【0106】
本発明の一実施形態において、表示色変換選択工程220は視覚環境特徴検出工程215によって提供される露光値(EV)によって、及びユーザ選択可能視覚モード270に基づいて、3つの異なる色変換を含む色変換のセット225から選択する。以下の表は3つの色変換を集約する。
【0107】
【表1】

【0108】
変換1は、コントラストまたは彩度を引き上げない、画像をグレースケール表示に変換しない初期設定の色変換である。この色変換は基本的にヌル変換であり、入力デジタル画像を変更しない。この色変換が選択されると、プレビュー画像240が入力デジタル画像230と等しくなるので、入力デジタル画像230に色変換を適用する必要がない。変換2は、中程度のコントラスト強調及び中程度の彩度引き上げを与える色変換である。変換3は、大きなコントラスト強調を与え、画像をグレースケール表示に変換する色変換である。
【0109】
ユーザが3つのユーザ選択可能視覚モード270から選択することを可能にするユーザインターフェースを設けてもよい。第1ユーザ選択可能視覚モード270では、初期設定の色変換が常に適用されるように、環境センサ210からの信号とは無関係に変換1が常に選択される。
【0110】
第2ユーザ選択可能視覚モード270では、表示色変換選択工程220は、測定されたEV値によって変換1及び変換2から選択する。表2は、選択された表示色変換選択工程220によって表示色変換230を選択する際に用いられるEV範囲例を示す。このモードでは、一般的に、コントラスト強調及び彩度引き上げを含むことで改善された画像視認性を有する表示色変換230が高フレアの悪い視覚条件に対応する高いEV値に対して選択される。
【0111】
【表2】

【0112】
第3のユーザ選択可能視覚モード270では、表示色変換選択工程220は、測定されたEV値によって変換1及び変換3から選択する。表3は、表示色変換230を選択する際に表示色変換選択工程220によって用いられるEV範囲例を示す。このモードでは、一般的に、画像視認性が改善された高いコントラストのグレースケール変換が、高フレアの悪い視覚条件に対応する高いEV値に対して選択される。
【0113】
【表3】

【0114】
ある実施形態において、表示色変換230は、一連の一次元ルックアップテーブル及びマトリクス変換を用いて実現されてもよい。例えば、コントラスト強調変換は、入力コード値をコントラストが上げられたコード値に変換する一次元ルックアップテーブルを用いて実現されてもよい。このようなルックアップテーブルの例は、図6A、図6B及び図6Cに示される。図6Aは、表1の変換1に対応する、コントラスト強調を与えない第1コントラストルックアップテーブル400を示す。図6Bは、表1の変換2に対応する、中程度のコントラスト強調を与える第2コントラストルックアップテーブル410を示す。図6Cは、表1の変換3に対応する、大きな強調を与える第3コントラストルックアップテーブル420を示す。彩度引き上げ変換及びグレースケール変換は、式(8)及び(12)に示すように、3×3のマトリクス変換を用いて実現されてもよい。
【0115】
他の実施形態において、表示色変換230は、当業者に既知の他の色変換種類を用いて実現されてもよい。例えば、表示色変換230は、3次元ルックアップテーブルを用いるか、または、式(5)で与えられた線形コントラスト強調関数のような数学的方程式を直接評価することによって実現されてもよい。
【0116】
本発明の別の実施形態において、利用可能な色変換のセット225は、特徴を検出された視覚環境に関数的に関連した1つ以上の変換パラメータによって定義された、継続的に変化するセット色変換である。例えば、式(5)から(7)に定義されたコントラスト変換に用いられたMin及びMaxパラメータ、及び、式(10)及び(11)に定義された彩度引き上げ変換に用いられた飽和パラメータSを、環境センサ210によって決定されたEV値に関連付ける関数関係が定義されてもよい。このように、視覚グレアが大きくなるにつれて、コントラスト及び彩度を持続的に上げて、プレビュー及びレビュー画像の改善された視認性を提供する。
【0117】
同様に、表示輝度調整工程275は、EV値に応じて画像ディスプレイ32の輝度を調整してもよい。図7は、表示輝度調整関数430の例を示す。表示輝度調整関数430は、環境センサ210によって決定されたEVレベルに応じて表示輝度を調整する。一実施形態において、LCDディスプレイの表示輝度は、ディスプレイバックライトのデューティーサイクルを調整することによって調整される。
【符号の説明】
【0118】
2 フラッシュ、4 ズームレンズ、6 調整可能な開口部及び調整可能なシャッタ、8 ズーム及びフォーカスモータ駆動装置、10 デジタルカメラ、12 タイミング生成装置、14 画像センサ、16 ASP及びA/D変換器、18 バッファメモリ、20 処理装置、22 音声コーデック、24 マイク、26 スピーカ、28 ファームウェアメモリ、30 画像メモリ、32 画像ディスプレイ、34 ユーザ制御装置、36 表示メモリ、38 有線インターフェース、40 コンピュータ、42 補助センサ、44 ビデオインターフェース、46 ビデオディスプレイ、48 インターフェース/充電器、50 無線モデム、52 無線周波数帯、58 無線ネットワーク、70 インターネット、72 写真サービス会社、100 カラーセンサデータ、105 センサノイズ縮小工程、110 ISO設定、115 デモザイク工程、120 解像度モード設定、125 色補正工程、130 カラーモード設定、135 色調補正工程、140 コントラスト設定、145 画像鮮鋭化工程、150 鮮鋭化設定、155 画像圧縮工程、160 圧縮モード設定、165 ファイル初期化工程、170 メタデータ、175 ユーザ設定、180 デジタル画像ファイル、200 入力デジタル画像取込工程、205 入力デジタル画像、210 環境センサ、215 視覚環境特徴検出工程、220 表示色変換選択工程、225 色変換、230 表示色変換、235 プレビュー画像形成工程、240 プレビュー画像、245 プレビュー画像表示工程、248 出力色変換、250 デジタル画像処理及び圧縮工程、255 圧縮デジタル画像、260 圧縮デジタル画像保存工程、265 デジタル画像集、270 ユーザ選択可能視覚モード、275 表示輝度調整工程、280 デジタル画像解凍工程、285 解凍デジタル画像、290 レビュー画像形成工程、292 レビュー画像、294 レビュー画像表示工程、300 デジタルカメラ、305 画像ディスプレイ、310 表示されたデジタル画像、315 撮影ボタン、320 補助環境センサ、325 光源、330 周辺光、400 第1コントラストルックアップテーブル、410 第2コントラストルックアップテーブル、420 第3コントラストルックアップテーブル、430 表示輝度調整関数。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
悪い視覚条件下での画像視認性が改善されたソフトコピーディスプレイを有するデジタル画像撮影装置であって、
デジタル画像を取り込む画像センサと、
画像センサ上にシーンを撮像する光学系と、
ソフトコピーディスプレイと、
複数の色変換を記憶するデータ記憶システムと、
環境感知手段と、
処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記画像センサを用いて入力デジタル画像を取り込む工程と、
前記環境感知手段からの信号に応じて、前記複数の色変換からプレビュー色変換を選択する工程であって、悪い視覚条件に対応する前記環境感知手段からの信号に応じて、初期設定のプレビュー色変換よりも改善された画像視認性を提供するプレビュー色変換を選択する工程と、
前記プレビュー色変換を用いて前記入力デジタル画像を変換してプレビュー画像を形成する工程と、
前記ソフトコピーディスプレイに前記プレビュー画像を表示する工程と、
前記プレビュー色変換を用いずに、処理装置がアクセス可能なメモリに前記入力デジタル画像を記録する工程と、
を実行することを特徴とするデジタル画像撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記ソフトコピーディスプレイは、LCDディスプレイまたはOLEDディスプレイである、デジタル画像撮影装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記画像センサは、前記環境感知手段として用いられる、デジタル画像撮影装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記環境感知手段は、前記シーンの輝度レベルを判定する、デジタル画像撮影装置。
【請求項5】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記環境感知手段は、前記ソフトコピーディスプレイに入射する周辺光の光レベルを検出する、デジタル画像撮影装置。
【請求項6】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記環境感知手段が前記デジタル画像撮影装置が高輝度環境にあることを検出した場合、画像コントラストまたは画像彩度を引き上げるプレビュー色変換が選択される、デジタル画像撮影装置。
【請求項7】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記環境感知手段が前記デジタル画像撮影装置が高輝度環境にあることを検出した場合、グレースケールプレビュー画像を形成するプレビュー色変換が選択される、デジタル画像撮影装置。
【請求項8】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記プレビュー色変換の選択は、さらに、ユーザ嗜好設定に対応する、デジタル画像撮影装置。
【請求項9】
請求項8に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記ユーザ嗜好設定は、前記プレビュー色変換を前記環境感知手段からの信号に応じて変更すべきかを示す、デジタル画像撮影装置。
【請求項10】
請求項8に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記ユーザ嗜好設定は、悪い視覚条件に対応する前記環境感知手段からの信号に対して選択された1つ以上のプレビュー色変換に関連付けられたコントラスト変更または彩度変更の大きさを制御する、デジタル画像撮影装置。
【請求項11】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記処理装置は、さらに、前記環境感知手段からの信号に応じて前記ソフトコピーディスプレイの輝度を調整する工程を行う、デジタル画像撮影装置。
【請求項12】
請求項11に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記ソフトコピーディスプレイの輝度は、悪い視覚条件に対応する前記環境感知手段からの信号に対して上げられる、デジタル画像撮影装置。
【請求項13】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記処理装置は、さらに、前記入力デジタル画像を前記処理装置アクセス可能メモリに記録する前に出力色変換を前記入力デジタル画像に適用する工程を行う、デジタル画像撮影装置。
【請求項14】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記デジタル画像撮影装置は、静止デジタル画像を取り込むデジタルカメラである、デジタル画像撮影装置。
【請求項15】
請求項14に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記プレビュー画像は、ユーザが撮影ボタンを半押しすることで前記ソフトコピーディスプレイに表示される、デジタル画像撮影装置。
【請求項16】
請求項15に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記入力デジタル画像は、前記ユーザが撮影ボタンを完全に押すことで前記処理装置アクセス可能メモリに記録される、デジタル画像撮影装置。
【請求項17】
請求項15に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記入力デジタル画像は、前記ユーザが撮影ボタンを完全に押した後、前記プレビュー色変換を用いずに前記ソフトコピーディスプレイに表示される、デジタル画像撮影装置。
【請求項18】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、前記デジタル画像撮影装置は、デジタルビデオを取り込むデジタルビデオカメラである、デジタル画像撮影装置。
【請求項19】
請求項1に記載のデジタル画像撮影装置であって、
前記複数の色変換は、1つ以上の変換パラメータによって制御される継続的に変化する色変換のセットであり、
前記プレビュー色変換の選択は、前記環境感知手段からの信号に応じて前記1つ以上の変換パラメータに対するパラメータ値を設定する工程を含む、
デジタル画像撮影装置。
【請求項20】
悪い視覚条件下での画像視認性が改善されたソフトコピーディスプレイを有するデジタル画像撮影装置であって、
デジタル画像を取り込む画像センサと、
前記画像センサ上にシーンを撮像する光学系と、
ソフトコピーディスプレイと、
複数の色変換を記憶するデータ記憶システムと、
処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記画像センサを用いて入力デジタル画像を取り込む工程と、
ユーザ入力に応じてプレビュー色変換を選択する工程と、
前記プレビュー色変換を用いて前記入力デジタル画像を変換してプレビュー画像を形成する工程と、
前記ソフトコピーディスプレイに前記プレビュー画像を表示する工程と、
前記プレビュー色変換を用いずに、前記入力デジタル画像を処理装置アクセス可能メモリに記録する工程と、
を実行することを特徴とするデジタル画像撮影装置。
【請求項21】
悪い視覚条件下で画像視認性が改善されたソフトコピーディスプレイを有するデジタル画像撮影装置であって、
ソフトコピーディスプレイと、
複数のデジタル画像を記憶する画像記憶システムと、
複数の色変換を記憶するデータ記憶システムと、
環境感知手段と、
処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記複数のデジタル画像から入力デジタル画像を抽出する工程と、
前記環境感知手段からの信号に応じて、前記複数の色変換からレビュー色変換を選択する工程であって、悪い視覚条件に対応する前記環境感知手段からの信号に対して、改善された画像視認性を提供するレビュー色変換を選択する工程と、
前記レビュー色変換を用いて前記入力デジタル画像を変換してレビュー画像を形成する工程と、
前記ソフトコピーディスプレイに前記レビュー画像を表示する工程と、
を実行することを特徴とするデジタル画像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−520934(P2013−520934A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555068(P2012−555068)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2011/025636
【国際公開番号】WO2011/106294
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.コンパクトフラッシュ
3.BLUETOOTH
4.GSM
5.Exif
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】