説明

情報入力装置とコンピュータのメニュー選択方法

【課題】狭い指運動の範囲で、正確に多様の指示が入力できること。
【解決手段】ベース部51に対して左右前後に揺動可能に設置されたディスプレイ54を有する可動部52と、可動部52上面に設置され指により押し込んで加圧される複数の押し込みスイッチ11a〜11cと、押し込みスイッチのうち、どの押し込みスイッチが加圧されたかを検出する加圧位置検出手段12と、指が押し込みスイッチを加圧しながら揺動させる時に、加圧を開始してから加圧を終了するまでの間に可動部52が移動した方向を検出する移動方向検出手段13と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報機器に文字や指令を入力する際のマルチモーダル・ユーザインターフェイス技術に係り、特に視覚・触覚を総合的に利用してユーザ操作を補助する小型で比較的簡単な機構で実現することのできる情報入力装置とコンピュータのメニュー選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、簡単な操作でコンピュータに情報を入力する技術が提案されている。一般に、一本指で多様な情報を入力するには、指先の下降位置と上昇位置を組み合わせて入力する情報を指定する方式が有効である。(特許文献1,2参照)。
【0003】
しかしながら、装置を小型化するために指の運動範囲が狭くなると、狭い運動範囲内で接近した下降位置と上昇位置を正確に把握することは困難である。
【0004】
特にタッチパッド、タッチディスプレイ、あるいは折り畳み式の携帯端末などのフラットな表面上や小さく限られたスペースで指を動かす場合には、触覚的な手掛かりが全くなく、画面上に表示されるカーソルの移動を視覚的に確認しながら操作せざるを得ずに、視覚的な注意の負荷が大きくなり、操作能率が低下すると共に誤入力も増えてしまう。
【0005】
この問題を解決するため、指先の下降位置と上昇位置とを組み合わせて入力する情報を指定する際に、指先の位置に応じて異なる触覚刺激を加えることで、下降位置と上昇位置を触感の差異により明瞭に把握できるようにした方式が考案され、狭い運動範囲で触感を頼りに素早く指を動かしながら明瞭に指位置を把握して正しく入力を行えるようになったが、機構が複雑であった。(特許文献3参照)。
【0006】
さらに、カーソルキーの形状や大きさを方向ごとに変えて触覚により区別できるようにする方式や指先接触部にボール状突起を複数個配列して、指先がボール状突起配列の上を円滑に移動しながらボール状突起配列の凹凸の触覚情報を手がかりに情報を入力する方式も提案されている。(特許文献4〜6参照)。
【0007】
また、特許文献7および特許文献8に記載の折り畳み式の携帯端末は、その可動部の表裏両面側にディスプレイが設けられ、ベース部に対して可動部を折り畳んだときには、折り畳まれた可動部の表面側にもディスプレイが露呈する構造のものが開示されている。
【特許文献1】特開平11−224161号公報
【特許文献2】実開平5−55222号公報
【特許文献3】特開2002−278694号公報
【特許文献4】特開平3−90922号公報
【特許文献5】特開平11−353091号公報
【特許文献6】特開2001−166871号公報
【特許文献7】特開2006−238495号公報
【特許文献8】特開2006−246336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの方式を、タッチディスプレイ、タッチパネルあるいは折り畳み式の携帯端末に導入することは困難であった。また、殊に、特許文献7や特許文献8の携帯端末のものでは、ディスプレイを設けた可動部はベース部に対して折り畳みしかできないヒンジ機構で結合されているため、可動部に設けたスイッチ手段や可動部だけをベース部に対して相対移動させることによりディスプレイに表示されるメニューを選択操作することはできないという問題があった。
【0009】
本発明は、上述のかかる事情に鑑みてなされたものであり、従来のタッチパッドやタッチディスプレイ、あるいは折り畳み式の携帯端末の使用法や構成を工夫して、狭い指運動の範囲で、正確に多様の指示を入力することのできる情報入力装置とコンピュータのメニュー選択方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係わる情報入力装置は、ベース部に対して左右前後に揺動可能に設置された可動部と、前記可動部上面に設置され指により押し込んで加圧される複数の押し込みスイッチと、前記押し込みスイッチのうち、どの押し込みスイッチが加圧されたかを検出する加圧位置検出手段と、指が前記押し込みスイッチを加圧しながら揺動させる時に、加圧を開始してから加圧を終了するまでの間に前記可動部が移動した方向を検出する移動方向検出手段と、前記加圧位置検出手段により検出される押し込みスイッチの位置に関連付けられて項目の選択される上位のメニューと前記移動方向検出手段により検出される前記可動部の揺動方向に関連付けられて項目の選択される下位のメニューからなる階層的なメニュー構造を加圧中に継続的にハイライト表示またはポップアップ表示し、加圧を終了するときにハイライトまたはポップアップを終了するメニュー制御手段と、前記下位のメニュー内でフォーカスの当たる項目をハイライト表示するメニュー項目ハイライト手段と、前記移動方向検出手段によって検出される加圧中の前記可動部の揺動方向に対応する方向に、メニュー内のフォーカスを移動するメニューフォーカス制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明では、ベース部に対して可動部を左右前後に揺動変位できるように設置された情報入力装置であるので、例えば、ベース部に固定的に配置されたスイッチ群の操作からだけでなく、可動部に配置した複数の押し込みスイッチの操作と、可動部全体をベース部に対して左右前後に揺動させる操作を組み合わせて、メニューを選択できるので、小さな面積内に設けられた少数のスイッチで多様な情報を指定できる情報入力装置を得ることができるようになる。また、装置のコストを下げるために簡易なスイッチ機構によって前記の「加圧位置」と「移動方向」を検出する加圧位置検出手段と移動方向検出手段を与え、またこの簡易な構成の範囲で、多様な情報を視覚的に分かりやすく入力するためのメニュー制御手段(メニューポップアップ手段、メニューフォーカス制御手段、メニュー項目ハイライト手段、及び、メニューデザイン)を与える。さらに従来のタッチパネルやタッチディスプレイあるいは折り畳み式携帯端末は変形しないソリッドな構造を持つため、操作中に触覚手掛かりが欠如していたが、本発明の簡易化された加圧位置検出手段と移動方向検出手段では、装置内に物理的に動く部分があるため、クリック感や操作方向に応じて異なる形態で指を刺激する突起などの触覚手掛かりを与えることができる。なおコストを下げる必要がない場面でも、従来のタッチパッドやタッチディスプレイを使いながら、本発明で与えるメニュー制御手段を用いると、多様な情報を容易に入力できるようになる。
【0012】
従来にも、押し込みと方向選択を兼ねた方向スイッチ等の複合的スイッチが開発され、販売されているが、こうしたスイッチは多様な情報を単一のスイッチで入力できるメリットがある反面、何を入力しているのか確認することが難しく、誤入力を生じやすいことが問題であった。本発明では、押したことをクリック感で確認し、揺動した方向を指に加わる突起の刺激で確認し、触覚手掛かりを豊富に供えた構成とすることで、従来の複合的スイッチにありがちな誤入力を低減することを可能にしている。
【0013】
本発明では、階層化されたメニュー構造において、フォーカスをあてたメニュー項目を中心に指の移動方向によって定まる位置のメニュー項目を選択し、指の加圧状態の変化や別に設けた確定用ボタンの操作によって、当該選択を有効にする。
【0014】
ここで、フォーカスをあてたメニュー項目はハイライト表示するが、「ハイライト表示」とは、フォーカスされていることを識別可能であれば足りる趣旨である。
【0015】
上記の加圧位置検出手段は、配列された複数の押し込みスイッチのどのスイッチが指で押し込まれたかを検出し、この押し込まれた位置に関連付けられた3行3列の項目からなる下位のメニューをハイライト表示またはポップアップ表示して、操作者は、前記スイッチを押し込んだまま、指を前後左右に動かし、上記の移動方向検出手段によって、この指の動きを検出し、下位のメニューの中でハイライト表示する項目を指の動きと対応する位置に移動する。
【0016】
誤操作、誤動作を防止するために、好ましくは、指が前記押し込みスイッチに加圧しながら揺動させて移動する時に、加圧を終了してから加圧を開始するまでの時間間隔が所定間隔以下である場合に、この加圧の終了と開始を無効として、連続的に加圧が行われていたと見なすチャタリング防止手段を備え、また、揺動方向検出手段が可動部の揺動方向を検出する際に、揺動量が適切な量に到達したことを音や振動で通知する手段を備えるようにするとよい。
【0017】
本発明に係わるメニュー選択方法では、前記メニューポップアップ手段の前記下位のメニュー(以下、下位のメニューのことをサブメニューとも呼ぶ)と上位のメニュー(以下、上位のメニューのことをメインメニューとも呼ぶ)からなる階層的なメニュー構造において、前記複数の押し込みスイッチのうちのどれが押し込まれるのかということに応じて、上位のメニューの項目であるところの下位のメニューの一つが選定され、さらに前記押し込みスイッチを押し込んだまま、前記可動部を揺動すると、その揺動方向に応じて、押し込みスイッチの押し込み時に選択された下位のメニューの3行3列の項目の一つが選択されるように構成することを特徴とする。
【0018】
また、上記メニュー選択方法では、押し込みスイッチを押し込んだままの状態で可動部を左右前後に揺動させる最中に、加圧位置に応じた下位のメニューがハイライト表示されるかまたはポップアップ表示され続け、この下位のメニューの中心項目から可動部の揺動方向に応じてメニューフォーカスを移動し、所望のメニュー項目をハイライト表示することになる。
【0019】
また、本発明は、前記ベース部を手で持つ側として形成し、前記可動部を前記ベース部に対してヒンジ機構を介して折り畳み可能に形成する折り畳み式携帯端末として構成し、かつ、前記可動部が前後左右に揺動できるように前記ヒンジ機構自体が揺動する構成とし、前記ヒンジ機構に前記移動方向検出手段とを設けたことを特徴とする。
【0020】
なお、ヒンジ機構自体が折り畳んだ状態でも揺動し、かつその揺動を移動方向検出手段が検出できるように構成すれば、同じ情報入力装置を、携帯端末を折り畳んだ状態でもディスプレイに表示されるメニュー項目を選択する目的に使用でき、携帯端末の利便性を拡大できる。
【0021】
また、本発明は、前記ヒンジ機構に、前記可動部の左右前後の揺動運動に応じて手指に刺激を与える刺激付与手段を設け、この刺激付与手段を介して触覚的に手指に刺激を加えて、前記可動部の左右前後の揺動方向を操作者が区別できるように構成したことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記押し込みスイッチを前記可動部上面に3つ若しくは4つ配列し、前記下位のメニュー(サブメニュー)の3行3列の項目の配列を、これら押し込みスイッチに対応させて、横に3つ並べて配置し全体として3行9列、若しくは横に4つ並べて配置し全体として3行12列の項目を備えたメニューとし、さらに、このメニューの項目に、QWERTYキーボードの文字配列を模擬するように文字を配置することを特徴とする。そして前記可動部上面に3つ若しくは4つ横に配列した押し込みスイッチのどれが押されるかと言うことに応じて、対応する位置にあるサブメニューにフォーカスを動かして、そのサブメニューに対応するエリアをハイライト表示する。そして前記押し込みスイッチを押し込んだまま、前記可動部を揺動させれば、その揺動方向に応じて、ハイライト表示されている下位のメニューの中の3行3列の項目の中の一つにフォーカスが移動して、揺動方向に対応する項目がハイライト表示されることになる。そして指を押し込みスイッチから離した時点で選択されている項目の文字が入力する。
【0023】
あるいは、下位のメニューをもっと目立たせるために、QWERTYキーボードの英字アルファベット配列を模擬する文字配列を左右に並ぶ3つまたは4つのエリアに分割し、これらの各エリアの英字アルファベットを3行3列の項目の配列として並べて、これを下位のメニュー(サブメニュー)として前記メニューポップアップ手段によってポップアップ表示するようにする。前記加圧位置が、3つ若しくは4つ配列した押し込みスイッチのいずれの上にあるのかに応じて、対応する位置にあるサブメニューをポップアップ表示することができる。
【0024】
上記では、3行3列のサブメニューを横に3つまたは4つ並べてできる3行9列または3行12列の項目の配列に、QWERTYキーボードの文字配列を近似するように文字を割り当てたが、同様に、3行3列のサブメニューを縦に2つ並べれば、6行3列の項目の配列ができ、そこに携帯電話のテンキーの配列を近似するように文字を割り当てることもできる。この場合には、前記可動部上面に2つ縦に配列した押し込みスイッチのどれが押されるかと言うことに応じて、対応する位置にあるサブメニューにフォーカスを動かして、そのサブメニューに対応するエリアをハイライト表示する。そして前記押し込みスイッチを押し込んだまま、前記可動部を揺動させれば、その揺動方向に応じて、ハイライト表示されている下位のメニューの中の3行3列の項目の中の一つにフォーカスが移動して、揺動方向に対応する項目がハイライト表示されることになる。そして指を押し込みスイッチから離した時点で選択されている項目の文字が入力する。
【0025】
また、本発明は、前記ディスプレイ前面に透明カバー部を左右前後に揺動可能に設置し、前記透明カバー部側を前記可動部として用いることを特徴とする。これによれば、透明カバー部によりディスプレイを保護しつつ、その上に配置した押し込みスイッチを加圧して押しながら、可動部を左右前後に揺動させることにより、メニュー項目を選択したり文字などの情報を入力を実行したりすることができ、便利性を増すことができるようになる。
【0026】
本発明に係わるコンピュータのメニュー選択方法は、ベース部に対して左右前後に揺動可能に設置された可動部を、その上面に設けた複数の押し込みスイッチを押し込みながら前後左右に揺動させて、ディスプレイに階層的に表示されるメニューを選択する方法であって、前記押し込みスイッチのうち、どの押し込みスイッチが加圧されたかを検出する加圧位置を検出する加圧位置検出ステップと、指が前記押し込みスイッチを加圧しながら揺動させる時に、加圧を開始してから加圧を終了するまでの間に前記可動部が移動した方向を検出する移動方向検出ステップと、前記加圧位置検出手段により検出される押し込みスイッチの位置に関連付けられたサブメニューを加圧中に継続的にハイライト表示するかまたはポップアップ表示し、加圧を終了するときにハイライト表示またはポップアップ表示を終了するステップと、前記のハイライト表示またはポップアップ表示されているサブメニュー内でさらに細かく2段階目のフォーカスの当たる項目をハイライト表示するとともに、前記移動方向検出手段によって検出される加圧中の前記可動部の揺動方向に従って、メニュー内のフォーカスを対応する方向の項目に移動するステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、指からの押し込みスイッチへの加圧操作による加圧状態と、揺動方向との組合せによって、簡単な機構で階層的なメニューを効率よく選択可能とし、狭い指運動の範囲で、正確に多様の指示を入力することを可能とし、従来のQWERTYキーボードのキー配列や携帯電話のテンキー配列と互換性のあるように文字を配列したメニュー項目を能率的に選択して、文字を入力することを可能とした。また従来誤入力が多かった複合的スイッチの欠点を、揺動方向を指の触覚に通知する機構を用いて改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の実施の形態による情報入力装置(場合によっては、「データ入力装置」ともいう)1のブロック図である。ここで、情報入力装置1を、図3に示す折り畳み式の携帯端末50に適用した場合を例に挙げて説明していく。情報入力装置1は、指操作情報を入力する入力部10、入力した情報をもとにメニュー項目などディスプレイに表示するべき情報の処理を行う処理部30、処理された情報を表示する表示部20、および、データを記憶する記憶部40で構成されている。
【0029】
処理部30は、入力部10から取得する加圧状態および揺動方向(以下、「移動方向」ともいう)の信号のチャタリングを除去するチャタリング防止手段35、加圧状態データおよび移動方向データをもとに、メニューのポップアップ表示を制御するメニューポップアップ手段31、ポップアップメニュー内でフォーカスの当たる項目をハイライト表示するメニュー項目ハイライト手段32、メニュー内のフォーカスを対応する方向の項目に移動するメニューフォーカス制御手段33、メニューのポップアップ位置を可変にするメニューポップアップ位置制御手段34を備えている。各手段31から35は、CPUの機能として実現可能であり、携帯端末50のベース部51または可動部52のいずれかに設けられる。勿論、チャタリング防止手段35など、ハードウェアによって実現するようにしてもよい。
【0030】
図2は、情報入力装置1、すなわち、携帯端末50の可動部52の外観図である。携帯端末50の可動部52に設けられる入力部10の一構成要素としての操作部材11には、指操作による圧力を受け止める3つの押し込みスイッチ11a,11b,11cが、情報入力装置1の可動部52下側に等間隔に配列される。ユーザはいずれかの押し込みスイッチ11a〜11cを加圧させることで情報を入力する。その上のディスプレイ(以下、「表示部」ともいう)20の画面下縁部には、操作部材11の加圧箇所(押し込みスイッチ11a,11b,11cのいずれか)に対応してサブメニューが選ばれるように、3つの押し込みスイッチに対応する3つの項目:Menu L,Menu C,Menu R から成る上位メニューが表示されている。
【0031】
左右方向(横方向)に配列された押し込みスイッチ11a,11b,11cは、指を押し込み操作して加圧し、かつ、加圧した状態で可動部52を矢印で示すように、後で詳述するヒンジ機構によりベース部51に対して左右前後方向に揺動できる。これにより、いずれかの押し込みスイッチ11a〜11bを指で加圧することによって、加圧されている位置が左、中央、右の3箇所のどの押し込みスイッチが加圧されたかがわかり、その加圧されている位置検出信号をコンピュータの処理部30に出力するようになっている。
【0032】
また、この加圧位置検出手段12に加えて、後述する揺動方向(移動方向)検出手段13が配置されていて、いずれかの押し込みスイッチを押し込んだ状態を維持しながら、左右前後に可動部52を移動(揺動)させることで、揺動方向検出手段13により移動方向(揺動方向)が検出できるようになっている。
【0033】
図2(b)は、ユーザが例えば、入力部10の押し込みスイッチ11aを押下(加圧)することで、Menu Lを選択したときのディスプレイ表示を示したものである。すなわち、押し込みスイッチ11aを押下することで、MENU Lに対応するサブメニューの項目であるSUBMENU L1〜L9が3行3列の配列をなして(この3行3列の項目の配列がサブメニューと呼ばれる)ポップアップ表示され、中央のL5が選択候補としてフォーカスされ、ハイライト表示されている。この状態からさらに、例えば、押し込みスイッチ11aを加圧した状態のまま、可動部52と一体に左方向へ移動(揺動)させると、これに伴ってフォーカス位置がSUBMENU L5からL4へ移動し、可動部52と一体に前方向へ移動(揺動)させるとサブメニュー内でハイライト表示される項目がL5からL2へ移動し、後方向へ移動(揺動)させるとハイライト表示される項目がL5からL8へ移動し、右方向へ移動(揺動)させるとハイライト表示される項目がL5からL6へ移動するようになっている。
【0034】
図2(c)、(d)は、QWERTYキーボードの英字アルファベット配列を近似するように文字を3行9列の配列に並べ、それを左、中央、右の3グループに分けたものである。各グループが下位のメニューの3行3列の項目から成っている。入力部10の操作部材11、つまり左端にある押し込みスイッチ11aを加圧すると、左グループが3行3列のサブメニューとして、ポップアップして表示される。そして加圧しながら、可動部52を右方向に移動させると、それに対応してサブメニューの中でフォーカスの当たる項目が右方向に移動して、アルファベット「D」がハイライト表示される。
【0035】
次に、情報入力装置1が組み込まれる折り畳み式の携帯端末50の構成を説明する。すなわち、図3〜5において、携帯端末50は手で持つことができるベース部51と、ベース部51に対して図3(b)に示すヒンジ機構60を介して左右および前後に揺動(移動)できる可動部52とで形成される。なお、ヒンジ機構60の詳細構造については後述する。ベース部51は自体公知の各種の文字や記号等の情報を打ち込める複数のキー53や電源スイッチ53a、メニュー選択機能や実行機能を兼ねた操作スイッチ53b等が設けられている。可動部52には、ディスプレイ54が設けられ、その下縁には上記の押し込みスイッチ11a,11b,11cが横一列に配置される。こうして、可動部52は、図3のように携帯端末50を開いた状態から、ベース部51に対してヒンジ機構60の回りに図3(c)の矢印AおよびB方向に回転して二点鎖線のように折り畳むことができる。なお、図5は、可動部52を矢印B方向に回転してベース部51に背中合わせになるように折り畳んだ状態の可動部52を示す。また、可動部52は図4(a)、同図(b)のように、可動部52を開いた状態で左右方向に揺動でき、さらに、図4(c)の矢印Cで示す方向およびC方向と反対方向である前後方向に揺動できるようになっている。
【0036】
次に、図3で使われたヒンジ機構60を若干簡略化した上で、指の触覚を刺激する機構を設けたヒンジ機構に新たに60の番号をつけて、図6,図7に基づいて説明する。すなわち、ヒンジ機構60は、上リンク61と、下リンク62と、上下両リンク61、62を結合するT字状の左リンク63と、左リンク63と同じようにT字状の右リンク64とを有し、各リンク61〜64は互いにピン結合されて4節平行リンク機構が形成される。上記上リンク61は、可動部52を開いたり折り畳んだりできるように可動部を回動可能に支持すると共に、可動部52と一体に左右前後に移動するようになっている。下リンク62はベース部51に対して相対回転可能に支持される。
【0037】
そして、上リンク61には、上記押し込みスイッチ11a,11b,11cと、これらスイッチを含む電気回路に回路要素として電気接続される加圧位置検出手段13(図1参照)を設置した上リンク61とが組み込まれる。こうして、上リンク61に配列された押し込みスイッチ11a〜11cのいずれかが押し込まれながら、左方向に力を作用させると、ヒンジ機構60は図7(a)のように左方向に揺動変位し、右方向に力を加えると、図7(b)のようにヒンジ機構60は右方向へ揺動変位する。
【0038】
また、上記の4節平行リンク機構は、下リンク62を回動中心として揺動できるように形成されていて、押し込みスイッチ11a〜11bのいずれかを加圧しながら前方向に力を作用させると、4節平行リンク機構は図7(c)に示すように全体的に前方向に揺動変位し、後方向に力を作用させると図7(d)のように後方向に揺動変位するようになっている。
【0039】
他方、下リンク62には、可動接点である左リンク63および右リンク64と電気接続可能な一対の固定接点65,66が設けられる。ヒンジ機構60が左方向へ揺動すると、左リンク63が接点65と電気接続し、右方向へ揺動すると、右リンク64が接点66と電気接続する。
【0040】
また、下リンク62の中央部位には、下リンク62と直交する方向に所定長さだけ伸びる可動接点としての機能を有する直交リンク(「可動接点」ともいう)67が一体に取り付けられ、ベース部51側に設けた固定接点68,69と電気接続ができるようになっている。ヒンジ機構60が前方向へ揺動すると、図7(c)のように可動接点67は固定接点68に電気接続し、後方向へ揺動すると、図7(d)のように可動接点67は固定接点69と電気接続する。
【0041】
こうして、ヒンジ機構60には、前後左右の揺動(移動)方向を検出するための移動方向検出手段12(図1参照)が形成されることとなる。
【0042】
次に、ヒンジ機構60に設けられる触覚刺激付与手段を説明する。左リンク63および右リンク64は、左右いずれかの方向に揺動すると、その下方が揺動方向に応じてベース部51の下面から突出するため、手指に触覚的に刺激を与えて左右いずれの方向に可動部52が揺動されたかを覚知できる。また、ベース部52が前後方向に揺動されると、可動接点としての直交リンク67のいずれかの端部が可動部52の下面から突出するため、手指に触覚的に刺激を与えて前後いずれの方向に揺動されたかを覚知できる。
【0043】
こうして、左リンク63、右リンク64、直交リンク67がヒンジ機構60の揺動変位に応じてベース部51下面から突出することにより、手指に刺激を付与することで刺激付与手段が形成されることとなる。
【0044】
以上、加圧位置検出手段12によっていずれの押し込みスイッチ11a〜11cが加圧されたかを検出でき、移動方向検出手段13によって、可動部52が左右前後いずれの方向に揺動(移動)されたかを検出できる。
【0045】
この、加圧位置および加圧状態データ、および揺動方向、揺動量データを用いて次の処理によって、メニュー項目の効率的な選択を実行する。
【0046】
次に上記の構成を有する情報入力装置1の動作を図8のフローチャートと図2の画面表示例を用いて説明する。
【0047】
図8は、データ入力装置1の処理部30の処理手順を示すフローチャートである。ここで、処理部は、加圧位置検出手段12から送られてきた信号をチャタリング防止手段35によってチャタリングを除去した後のデータを用いて、まず加圧あり否かを判定する(S101)。そして、加圧ありの場合は(S101で「YES」)、加圧位置を取得し(S102)、その加圧位置に対応するサブメニュー(3行3列の項目の配列)をポップアップ表示させる。そして、サブメニュー内で加圧しながら移動した位置に対応する項目をハイライト表示する(S104)。
【0048】
たとえば、図2(b)に示す入力部10の左端(MENU Lの位置)が押された場合は、MENU Lに対応するサブメニュー(9個の項目SubMenu L1〜L9の3行3列の配列)がポップアップ表示され、その中央位置にある項目SubMenu L5がハイライト表示される。次に加圧状態が解除されたか否かを判定して(S105)、解除されていない場合は(S105で「NO」)、移動方向検出手段13からチャタリング防止手段35を介して入力された移動方向データを入力して、移動方向が変化したか否かを判定する(S108)。移動方向が変化し、それが往復運動でない場合は(S109で「NO」)、ステップS104に戻って、メニュー選択テーブル41を参照して選択されたその加圧位置、移動位置のサブメニュー項目をハイライト表示する。
【0049】
この状態で加圧が解除されると(S105で「YES」)、ハイライト表示されたサブメニュー項目が選択・実行され(S106)、ポップアップ表示が終了する(S107)。
【0050】
一方、ステップS109で、往復運動の場合など所定の移動パターンに該当したときは選択されたサブメニュー項目をキャンセルして(S110)、ポップアップを終了する(S107)。これにより、選択の取消を容易に行うことができる。
【0051】
なお、図8は加圧解除によって選択されたサブメニューを実行するようにしたが、移動方向検出手段13の下に実行ボタンを配置し、操作部材11をさらに押し込むことによってこの実行ボタンをON状態にすることによって実行させるようにしても良い。
また、図6は常時実行されるルーチンとして示しているが、加圧状態がOFFからONになったときに起動されるイベント起動ルーチンとして実現しても良い。
【0052】
以上、携帯端末50における情報入力装置1の基本的な構成と動作について説明した。
【0053】
次に、変形例を述べる。
左右前後の揺動方向を検知する方式については、上述した方式のほか、ディスプレイ前面の可動部に、板状の透明カバーを左右前後に揺動可能となるように設ける。これにより、透明カバー側を可動部として用いる方式にすることもできる。
【0054】
また、図9のように、携帯端末50の可動部70aをヒンジ機構70bを介してベース部70cに左右前後に揺動するように取り付けた構成にすることも可能である。
【0055】
また、図10に示すように、4つの押し込みスイッチ11a〜11dを配列し、3行3列の項目の配列からなるサブメニューを、押し込みスイッチに対応させて横に4つ並べて全体として3行12列の項目を備えたメニューとしてもよい。この方が余裕を持ってQWERTY文字配列を項目に割り当てることができる。
【0056】
また、図11、図12に示すように、装置本体部71の上方に4節平行リンク機構でなるヒンジ機構72、73を介してディスプレイ74(あるいはこれは透明なディスプレイカバーでも良い)を設け、これを可動部75として形成した形態のものにも適用することができる。この変形例によれば、図12(a)のように可動部75を前後方向や、同図(b)のように左右方向に揺動させて、メニューを選択することができる。
【0057】
また、上記の実施の形態においては、ヒンジ機構60を図6に示す形態で構成したが、この代わりに図13,図14に示した変形例のように、左リンク63および右リンク64をT字状に形成するのではなく、各リンク63,64の下方に鈎状に出っ張る鈎部63a,64aを形成した形態とすることもできる。これにより、上記実施の形態の場合と同様に、可動部52を揺動させたときに、その揺動方向を検出することができる。
【0058】
また、上記では詳細を説明しなかったが、メニュー選択操作の過程で、電子音を発音させるなどして聴覚的に覚知する構成を採用してもよい。これにより、ユーザの操作性を高めることが可能となる。
【0059】
なお図11の構成例では、押し込みスイッチ11は可動部75の上面に横方向のみならず縦方向にも並んでいる。このように縦方向に並んだ押し込みスイッチを利用して、携帯電話のテンキーの入力を行う方法を図15に示す。図15で可動部52は矢印で示される前後左右の方向に揺動できるように構成されている。揺動する機構の具体例としては既に前述したいずれの機構を用いても良い。そしてこの可動部52の上に押し込みスイッチ11aと11bが設けられており、2つの縦に並んだサブメニュー80と81がディスプレイに表示されているが、この例では押し込みスイッチ11aの方が押し込まれているため、それに対応したサブメニュー81にフォーカスが当たり、このサブメニューが強調した枠でハイライト表示されている。そして押し込みスイッチ11aを押したまま、可動部52を右方向に動かすと、サブメニュー81内でフォーカスの当たる項目も右に移動し、この例では、数字の6がハイライト表示されることになり、押し込みスイッチ11aから指を離して加圧をやめるときに、数字6が入力することになる。このようにして図15の構成を用いれば、2つの縦に並んだサブメニューの全体として6行3列の項目に携帯電話のテンキーを割り当てて、テンキーの入力を能率良く実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態による情報入力装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による情報入力装置のメニュー項目表示の動作を説明するための装置平面図である。
【図3】図2の装置を有する携帯端末に係り、(a)はその携帯端末を展開した状態を示す平面図、(b)はヒンジ機構の概略構成図、(c)は(a)の側面図である。
【図4】携帯端末の動作を説明する説明図である。
【図5】携帯端末の可動部を外側に折り畳んだ状態を示す可動部の平面図である。
【図6】ヒンジ機構に係り、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は下面図である。
【図7】図6のヒンジ機構の動作を示す説明図である。
【図8】図1の処理部30の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の変形例に係り、(a)はその平面図、(b)は側面図である。
【図10】本発明の他の変形例におけるメニュー項目表示を示すディスプレイの平面図である。
【図11】本発明のさらに他の変形例における携帯端末の構成図である。
【図12】図11の携帯端末の動作を示す説明図である。
【図13】本発明のヒンジ機構の変形例に係り、(a)はその正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図14】図13のヒンジ機構の動作を説明する説明図である。
【図15】揺動する可動部の上に縦に並べた二つの押し込みキーを操作して、携帯電話と互換のテンキー入力を行う方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 情報入力装置
10 入力部
11 操作部材
11a〜11d 押し込みスイッチ
12 加圧位置検出手段
13 移動方向検出手段
20 表示部
30 処理部
31 メニューポップアップ手段
32 メニュー項目ハイライト手段
33 メニューフォーカス制御手段
34 メニューポップアップ位置制御手段
35 チャタリング防止手段
40 記憶部
41 メニュー選択テーブル
51 ベース部
52 可動部
53 キー
54 ディスプレイ
60 ヒンジ機構
61 上リンク
62 下リンク
63 左リンク(可動接点)
63a 鈎部(可動接点)
64 右リンク(可動接点)
64a 鈎部(可動接点)
65、66 固定接点
67 直交リンク(可動接点)
68、69 固定接点
70 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部に対して左右前後に揺動可能に設置された可動部と、
前記可動部のどの位置が加圧されたかを検出する加圧位置検出手段と、
前記可動部を加圧しながら揺動させる時に、加圧を開始してから加圧を終了するまでの間に前記可動部が移動した方向を検出する移動方向検出手段と、
前記加圧位置検出手段によって検出された加圧位置に基づき上位のメニューの項目の一つを選択し、前記移動方向検出手段によって検出された移動方向に基づいて下位のメニューの3行3列に配列した項目の一つを選択することを特徴とする情報入力装置。
【請求項2】
前記加圧位置検出手段は、前記可動部上面に設置され指により押し込んで加圧される複数の押し込みスイッチで構成されていることを特徴とする請求項1記載の情報入力装置。
【請求項3】
前記押し込みスイッチを前記可動部上面に3つ若しくは4つ横に並べて配列し、前記下位のメニューの3行3列の項目の配列を、これら押し込みスイッチに対応させて横に3つ並べて配置し、全体として3行9列、若しくは横に4つ並べて配置し全体として3行12列の項目を備えたメニューとし、さらに、このメニューの項目に、QWERTYキーボードの文字配列を模擬するように文字を配置することを特徴とする請求項2記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記押し込みスイッチを前記可動部上面に2つ縦に並べて配列し、前記下位のメニューの3行3列の項目の配列を、これら押し込みスイッチに対応させて縦に2つ並べて配置し、全体として6行3列の項目を備えたメニューとし、さらに、このメニューの項目に、携帯電話のテンキーの文字配列を模擬するように文字を配置することを特徴とする請求項2記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記ベース部は手で持つ側として形成され、
前記可動部は前記ベース部に対してヒンジ機構を介して折り畳み可能であって、前記可動部が左右前後に揺動可能となるように前記ヒンジ機構自体が揺動する構成を取り、前記ヒンジ機構に前記移動方向検出手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の情報入力装置。
【請求項6】
前記ヒンジ機構に、前記可動部の左右前後の揺動運動に応じて手指に刺激を与える刺激付与手段を設け、この刺激付与手段を介して触覚的に手指に刺激を加えて、前記可動部の左右前後の揺動方向を操作者が区別できるように構成したことを特徴とする請求項5記載の情報入力装置。
【請求項7】
前記ベース部に設けられたディスプレイの前面に透明カバー部を左右前後に揺動可能に設置し、前記透明カバー部側を前記可動部として用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の情報入力装置。
【請求項8】
請求項1から7までに記載の情報入力装置において、
前記加圧位置検出手段により検出される押し込みスイッチの位置に関連付けられた前記下位のメニューの3行3列の項目の配列を加圧中に継続的にハイライト表示またはポップアップ表示し、加圧を終了するときにハイライトまたはポップアップを終了するメニュー制御手段と、
前記下位のメニューの3行3列の項目の配列内でフォーカスの当たる項目をハイライト表示するメニュー項目ハイライト手段と、
前記移動方向検出手段によって検出される加圧中の前記可動部の揺動方向に対応する方向に、メニュー内のフォーカスを移動するメニューフォーカス制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報入力装置。
【請求項9】
ディスプレイに表示されたメニューを、ベース部に対して左右前後に揺動可能に設置された可動部と前記可動部の上面に設けた複数の押し込みスイッチを用いて選択する方法であって、
前記押し込みスイッチのうち、どの押し込みスイッチが加圧されたかを検出する加圧位置を検出する加圧位置検出ステップと、
指が前記押し込みスイッチを加圧しながら揺動させる時に、加圧を開始してから加圧を終了するまでの間に前記可動部が移動した方向を検出する移動方向検出ステップと、
前記加圧位置検出ステップにより検出される押し込みスイッチの位置に関連付けられた上位のメニューと、前記移動方向検出ステップによって検出される前記可動部の揺動方向に関連付けられた下位のメニューからなる階層的なメニュー構造を加圧中に継続的にハイライト表示またはポップアップ表示し、加圧を終了するときにハイライトまたはポップアップを終了するステップと、
前記下位のメニュー内でフォーカスの当たる項目をハイライト表示すると共に、
前記移動方向検出ステップによって検出される加圧中の前記可動部の揺動方向に従って、メニュー内のフォーカスを対応する方向の項目に移動するステップと、
を備えたことを特徴とするコンピュータのメニュー選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−97062(P2008−97062A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274520(P2006−274520)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】