説明

情報処理システム、情報処理方法及びプログラム

【課題】予期しない障害が発生した場合でも、最適な障害修復作業を案内して作業支援を行うことにある。
【解決手段】故障解析装置120は、データセンタの稼働状況に係る情報を取得し、稼働状況に係る情報に基づいて、データセンタに対する障害修復作業に関する情報を判定し、障害修復作業に関する情報をHMD101、104に対して送信する。HMD101、104は、障害修復作業に関する情報に基づいて、障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する。故障解析装置120は、HMD101、104によって提示された案内による障害修復作業の後、データセンタの稼働状況に係る情報を新たに取得した場合、当該稼働状況に係る情報に基づいて、データセンタに対する障害修復作業に関する情報を新たに判定し、HMD101、104に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して重畳表示させることが可能な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機器等の障害が発生した場合、作業員による障害箇所の特定及び障害修復作業が行われる。例えば特許文献1に開示されるように、コピー機の紙詰まりに対し、拡張現実(Augmented Reality、以下AR)を利用して除去操作を簡単にする技術が知られている。具体的には、所定時間内に所定のセンサにより用紙が検出されないとき、紙詰まりが発生したと看做され、予め紙詰まり発生位置に対応付けて用意されたコピー機の内部映像及び操作手順が重畳表示される。これにより、コピー機の紙詰まり発生箇所を容易に認識することができ、除去操作を簡単に案内することができる。なお、ARとは文字、図形、静止画、動画等のコンピュータで管理されたデータ(以下、コンピュータグラフィックス画像データ)を、現実の環境へ重畳表示させ、補足的な情報を与える技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−201101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、予め発生する障害が想定されており、想定される障害に対する対策が予め定義されているケースである。例えば、複数の障害要因が組み合わさって新たな障害が発生する場合もある。この場合、特許文献1に開示される技術では、最適な障害修復作業の案内を行うことができない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、予期しない障害が発生した場合でも、最適な障害修復作業を案内して作業支援を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムの第1の態様は、現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して表示させることが可能な拡張現実感提示装置と、コンピュータシステムに発生した障害を解析可能な故障解析装置とを有する情報処理システムであって、前記故障解析装置は、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された前記障害修復作業に関する情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する送信手段とを有し、前記拡張現実感提示装置は、前記障害修復作業に関する情報に基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する提示手段を有し、前記故障解析装置は、前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報が前記取得手段によって新たに取得された場合、前記判定手段により、当該稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を新たに判定し、前記送信手段により、新たに判定された障害修復作業に関する情報を前記拡張現実提示装置に対して送信することを特徴とする。
本発明の情報処理方法は、現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して表示させることが可能な拡張現実感提示装置と、コンピュータシステムに発生した障害を解析可能な故障解析装置とによって実行される情報処理方法であって、前記故障解析装置は、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を判定する判定ステップと、前記判定ステップにより判定された前記障害修復作業に関する情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する送信ステップとを含み、前記拡張現実感提示装置は、前記障害修復作業に係る情報に基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する提示ステップを含み、前記故障解析装置は、前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報を新たに取得した場合、当該稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に係る情報を新たに判定し、新たに判定された障害修復作業に関する情報を前記拡張現実提示装置に対して送信することを特徴とする。
本発明のプログラムは、現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して表示させることが可能な拡張現実感提示装置と、コンピュータシステムに発生した障害を解析可能な故障解析装置とを有する情報処理システムにおける情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記故障解析装置が、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報を取得する取得ステップと、前記故障解析装置が、前記取得ステップにより取得された前記稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を判定する判定ステップと、前記故障解析装置が、前記判定ステップにより判定された前記障害修復作業に関する情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する送信ステップと、前記拡張現実感提示装置が、前記障害修復作業に関する情報に基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する提示ステップとを含み、前記故障解析装置が、前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報が前記取得ステップによって新たに取得された場合、前記判定ステップにより、当該稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を新たに判定し、前記送信ステップにより、新たに判定された障害修復作業に関する情報を前記拡張現実提示装置に対して送信するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の情報処理システムの第2の態様は、現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して表示させることが可能な拡張現実感提示装置と、修理対象物に発生した障害を解析可能な故障解析装置とを有する情報処理システムであって、前記故障解析装置は、前記修理対象物の稼働状況に係る情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記稼働状況に係る情報に基づいて、前記修理対象物に対する障害修復作業に関する情報を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された前記障害修復作業に関する情報を示す情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する送信手段とを有し、前記拡張現実感提示装置は、前記障害修復作業に関する情報に基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する提示手段を有し、前記故障解析装置は、前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記修理対象物の稼働状況に係る情報が前記取得手段によって新たに取得された場合、前記判定手段により、当該稼働状況に係る情報に基づいて、前記修理対象物に対する障害修復作業に関する情報を新たに判定し、前記送信手段により、新たに判定された障害修復作業に関する情報を前記拡張現実提示装置に対して送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予期しない障害が発生した場合でも、最適な障害修復作業を案内して作業支援を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る故障解析システムの構成を概略的に示す図である。
【図2−1】故障解析装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2−2】HMD及び小型カメラのハードウェア構成を示す図である。
【図3】故障解析装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】HMDの処理を示すフローチャートである。
【図5】HMDにおいて、現在地から障害修復作業の対象オブジェクトであるプロキシサーバcまでの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に合成表示した状態の例を示す図である。
【図6】HMDにおいて、障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に合成表示した状態の例を示す図である。
【図7】HMDにおいて、障害修復の完了通知を表すコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に合成表示した状態の例を示す図である。
【図8】ルールデータの一例を示す図である。
【図9】習熟度判定テーブルの一例を示す図である。
【図10】作業内容説明テーブルの一例を示す図である。
【図11】作業員テーブルの一例を示す図である。
【図12】作業内容履歴テーブルの一例を示す図である。
【図13】要求能力テーブルの一例を示す図である。
【図14】情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【図15】位置管理サーバとHMDとの機能的な構成を示す図である。
【図16】情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
【図17】RFIDリーダから発信される信号を説明するための図である。
【図18】フリーアクセスフロアに敷設されたネットワークケーブルを床面にARで表示する例を示す図である。
【図19】フリーアクセスフロアに敷設されたネットワークケーブルの位置を特定する構成の一例を説明するための図である。
【図20】フリーアクセスフロアに敷設されたネットワークケーブルの位置を特定する構成の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る故障解析システムの構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る故障解析システムは、データセンタに設置される各種サーバやルータ111〜118等の稼働状況に係る情報を取得し、障害修復作業の方法を判定する故障解析装置120を備える。なお、障害修復作業の方法の判定は、例えば、インターネットが使用できない等のユーザからの苦情があった場合等に実行される。故障解析装置120は、障害修復作業の方法を判定すると、障害修復作業の場所までの案内情報や障害修復作業の方法の案内情報を、作業員y、xの頭部に装着される眼鏡型のHMD(Head Mounted Display)101、104に対して無線通信回線を介して送信する。HMD101、104は、作業員y、xを障害修復作業の場所まで案内するコンピュータグラフィックス画像データや、障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを、現実空間の映像と合成して表示する。即ち、HMD101、104は、光学的に透過してHMD101、104のレンズ部分に映し出される現実空間の映像に整合する位置にコンピュータグラフィックス画像データを表示することにより、拡張された現実感を演出する。以下の説明では、このように拡張された現実感を与えるコンピュータグラフィックス画像データの合成表示を、AR(Augmented Reality)表示と称することがある。なお、HMDには、非透過型やビデオ透過型、光学透過型等様々な方式がある。合成表示(AR表示)とは、いずれかの方式によってHMDのレンズ部分に映し出される現実空間の映像に対し、整合する位置にコンピュータグラフィックス画像データを重畳表示することであって、例えば、光学透過型方式であれば、シースルーで見る現実空間の映像に対して重畳表示され、ビデオ透過型であれば、ビデオカメラで撮影した現実空間の映像に対して重畳表示される。
【0011】
なお、本実施形態においては、AR表示を行うデバイスであるAR表示デバイスの例として眼鏡型のHMDを挙げているが、これに限られない。例えば、カメラによって撮影された現実空間の映像を液晶ディスプレイ等に表示し、表示された現実空間の映像にコンピュータグラフィックス画像データを合成表示するような携帯端末型のAR表示デバイスでもよいし、移動車両の運転席の視線方向に設置され、光学的に透過して映し出される現実空間の映像にコンピュータグラフィックス画像データを合成表示するようなヘッドアップディスプレイ型のAR表示デバイスであってもよい。また、現実空間の映像に整合させてコンピュータグラフィックス画像データを表示させる際に、現実空間の映像中のオブジェクトとコンピュータグラフィックス画像データとの座標合わせが行われる。座標合わせの手法としては、HMDの位置(緯度、経度)と姿勢(方向、仰角)とに基づいてHMDを装着した作業者が現実空間のどこを見ているかを推定し、推定した位置に整合するようにコンピュータグラフィックス画像データを合成してもよいし、現実空間のオブジェクトにマーカを付けておき、そのマーカをカメラで撮影し、撮影された画像データから当該マーカの位置を検出し、検出した位置と整合するようにコンピュータグラフィックス画像データを合成してもよい。さらに、カメラで捉えた現実空間の画像データを解析することにより現実空間のオブジェクトの位置を検出し、検出した位置と整合するようにコンピュータグラフィックス画像データを合成してもよい。
【0012】
また、HMD101、104には、作業員x、yの視界に近い画角で画像データを撮影することができるように小型カメラ102、105が取り付けられている。撮影された画像データは無線通信回線により故障解析装置120に対して送信される。故障解析装置120は、受信した画像データを一旦記憶装置122に記憶した後、画像データを解析し、画像データに映っているサーバやルータ111〜118の存在を検出したり、サーバやルータ111〜118の稼働状態を判定する。例えば、故障解析装置120は、予めサーバやルータ111〜118の画像データを登録しておき、撮影された画像データとサーバやルータ111〜118の画像データとのマッチングを行うことにより、サーバやルータ111〜118の存在を検出する。稼働状態の判定方法としては、例えば、故障解析装置120は、サーバやルータ111〜118の電源ランプ部分の画像データを解析し、電源ランプが点灯していることを検知できればサーバの電源がオンであると判定し、電源ランプが点灯していることを検知できなければサーバの電源がオフであると判定する。
【0013】
また、故障解析装置120は、モニタリング部121によってデータセンタに設置されるサーバやルータ111〜118からログデータを取得する。ここで取得されるログデータとしては、CPU使用率、メモリ使用率、電源電圧、温度、通信速度、アクセス数等が挙げられる。モニタリング部121によって取得されたログデータは、記憶装置122に保持される。また、記憶装置122には、過去の障害発生時に実際に行われた対応方法を示す過去障害対応データ、予め定められた障害発生時の対応ルールを示すルールデータが蓄積されている。例えばインターネットが使用できない等の苦情が寄せられると、指示内容生成部123は、最新のログデータ及び画像データを解析することにより、該当するサーバやルータの稼働状況を認識するとともに、発生した障害に関連するルールデータ及び過去障害対応データを記憶装置122から取得して障害修復作業の方法を判定する。
【0014】
障害修復作業の方法が判定されると、故障解析装置120は、HMD101、104(HMD101、104を装着した作業員y、x)の現在地と障害修復作業の場所との位置を含む地図データを取得し、現在地から障害修復作業の場所までの経路を案内するための案内情報を生成する。生成された案内情報はHMD101、104に対して送信され、HMD101、104は、現在地から障害修復作業の場所までの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成してAR表示する。なお、故障解析装置120がHMD101、104の現在地を得る際にはGPS(Global Positioning system)を使用すればよい。
【0015】
作業員y、xが案内に従って障害修復作業の場所に到着すると、指示内容生成部123は、障害修復作業の方法をHMD101、104に送信する。HMD101、104は、障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成してAR表示する。これにより、作業員y、xは案内に従って障害修復作業を行うことができる。なお、作業員が障害修復作業の場所に到着したことは、小型カメラ102、105が障害修復作業の対象のサーバやルータ111〜118の画像データを撮影し、指示内容生成部123が当該画像データを解析することにより検知することが可能である。また、故障解析装置120は、データセンタの遠隔地にいる作業員y、xの上司zのPC130ともインターネットを介して接続されている。故障解析装置120は、上司zのPC130から送信された電子メールをモニタリング部121で受信すると、電子メールの内容を解析し、解析した内容を加味して障害修復作業の方法を判定する。
【0016】
図2−1は、本実施形態に係る故障解析装置120のハードウェア構成を示す図である。CPU201は、システムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM203又はHD(ハードディスク)207には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム、故障解析装置120が実行する例えば図3に示す処理のプログラム等が記憶されている。
【0017】
なお、図2−1の例では、HD207は故障解析装置120の内部に配置された構成としているが、他の実施形態としてHD207に相当する構成が故障解析装置120の外部に配置された構成としてもよい。また、本実施形態に係る例えば図3に示す処理を行うためのプログラムは、フレキシブルディスク(FD)やCD−ROM等、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、それらの記録媒体から供給される構成としてもよいし、インターネット等の通信媒体を介して供給される構成としてもよい。
【0018】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0019】
HD207やFD206は、外部メモリとして機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0020】
ディスクコントローラ205は、HD207やFD206等の外部メモリへのアクセスを制御する。通信I/Fコントローラ204は、インターネットやLANと接続し、例えばTCP/IPによって外部との通信を制御するものである。
【0021】
ディスプレイコントローラ208は、ディスプレイ209における画像表示を制御する。
【0022】
KBコントローラ210は、KB(キーボード)211からの操作入力を受け付け、CPU201に対して送信する。なお、図示していないが、KB211の他に、マウス等のポインティングデバイスもユーザの操作手段として本実施形態に係る故障解析装置120に適用可能である。
【0023】
図1に示す指示内容生成部123は、例えばHD207内に記憶され、必要に応じてRAM202にロードされるプログラム及びそれを実行するCPU201によって実現される構成である。また、モニタリング部121は通信I/Fコントローラ204に相当する構成であり、記憶装置122はHD207に相当する構成である。
【0024】
図2−2は、本実施形態に係るHMD101、104及び小型カメラ102、105のハードウェア構成を示す図である。CPU301は、システムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM302には、HMD101、104が実行する例えば図4に示す処理のプログラム等が記憶されている。なお、図4に示す処理を行うためのプログラムは、インターネット等の通信媒体を介して供給される構成としてもよい。
【0025】
RAM304は、CPU301の主メモリ、ワークメモリ等として機能する。CPU301は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM304にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。通信I/Fコントローラ303は、インターネットやLANと接続し、例えばTCP/IPによって外部との通信を制御するものである。
【0026】
撮像部305は、光学レンズを介して入射され、撮像素子に結像される被写体像を電気信号に変換し、動画像データ又は静止画像データを出力する。ディスプレイコントローラ306は、ディスプレイ307における画像表示を制御する。本実施形態では、光学透過型のヘッドマウントディスプレイを採用しており、ディスプレイ307はハーフミラーで構成され、装着したユーザはディスプレイ307を介して外の様子を見ることができる。なお、撮像部305は、図1の小型カメラ102、105に相当する構成である。
【0027】
図3は、本実施形態に係る故障解析装置120の処理の流れを示すフローチャートである。図3に示す処理は、例えばインターネットが使用できない等のユーザからの苦情があった場合、管理者が故障解析装置120に対してその苦情の内容を入力することにより開始される処理である。
【0028】
ステップS301において、指示内容生成部123は、最新のログデータ及び画像データ、並びに、必要なルールデータ及び過去障害対応データを記憶装置122から取得する。記憶装置122に記憶されるログデータや画像データは、モニタリング部121によって取得されるものである。モニタリング部121は、各サーバやルータ111〜118においてログデータが更新されるタイミングでログデータを取得するようにしてもよいし、定期的なタイミングでログデータを取得するようにしてもよい。またモニタリング部121は、小型カメラ102、105が画像データを撮影したタイミングで画像データを取得する。
【0029】
ステップS302において、指示内容生成部123は、記憶装置122から取得したログデータ、画像データ、ルールデータ及び過去障害対応データを基に、例えば既存の決定木のアルゴリズムを利用して障害修復作業の方法を判定する。ここでは、障害修復作業の方法として「誰(作業員オブジェクト)が、どの装置(対象オブジェクト)に対し、何(操作オブジェクト)を行うか」が判定される。具体例として、作業員x(作業員オブジェクト)が、Webサーバa117(対象オブジェクト)に対し、再起動(操作オブジェクト)を行うことと、作業員y(作業員オブジェクト)が、Webサーバb112(対象オブジェクト)に対し、再起動(操作オブジェクト)を行うこととが判定されたものとする。
【0030】
ステップS303において、指示内容生成部123は、障害修復作業が完了したか否かを判定する。障害修復作業が完了した場合、処理はステップS307に移行する。一方、障害修復作業が完了していない場合、処理はステップS304に移行する。ここでは、直前のステップS302において障害修復作業の方法が判定されたので、障害修復作業は完了していないと判定される。従って、処理はステップS304に移行する。
【0031】
ステップS304において、指示内容生成部123は、HMD101、104の現在地と対象オブジェクトの位置とを含む地図データを取得し、HMD101、104の現在値から対象オブジェクトまでの経路を案内するための案内情報を生成し、HMD101、104に対して送信する。即ち、指示内容生成部123は、HMD101に対しては、HMD101を装着した作業員yの現在地からWebサーバb112までの経路を案内するための案内情報を送信し、HMD104に対しては、HMD104を装着した作業員xの現在地からWebサーバa117までの経路を案内するための案内情報を送信する。
【0032】
ステップS305において、指示内容生成部123は、ステップS301において記憶装置122から取得した画像データを解析することにより、HMD101、104を装着した作業員y、xが夫々対象オブジェクトに到着したか否かを判定する。即ちここでは、指示内容生成部123は、小型カメラ102、105によって撮影された画像データを解析した結果、当該画像データのうち、Webサーバb112やWebサーバa117の画像データが一定の割合以上の領域を占めている場合、対象オブジェクトに到着したと判定する。対象オブジェクトに到着した場合、処理はステップS306に移行する。一方、対象オブジェクトに到着していない場合、処理はステップS304に戻る。
【0033】
ステップS306において、指示内容生成部123は、障害修復作業の方法をHMD101、104に対して送信する。即ち、指示内容生成部123は、HMD101に対して、「作業員yが、Webサーバb112に対し、再起動を行う」という内容の障害修復作業の方法を送信する。一方、指示内容生成部123は、HMD104に対して、「作業員xが、Webサーバa117に対し、再起動を行う」という内容の障害修復作業の方法を送信する。これにより、HMD101には、「作業員yが、Webサーバb112に対し、再起動を行う」という障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データが現実空間と合成表示される。また、HMD104には、「作業員xが、Webサーバa117に対し、再起動を行う」という障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データが現実空間と合成表示される。作業員y、xは夫々、HMD101、104に表示されるコンピュータグラフィックス画像データによる案内に従って障害修復作業を行う。障害修復作業によって、サーバやルータ111〜118のCPU使用率、メモリ使用率、通信速度、アクセス数等の値に変化が現れると、サーバやルータ111〜118ではログデータの更新が行われる。
【0034】
ステップS306の後、処理はステップS301に戻る。ステップS301において、再び指示内容生成部123は、最新のログデータ及び画像データ、並びに、必要なルールデータ及び過去障害対応データを記憶装置122から取得する。
【0035】
ステップS302において、指示内容生成部123は、記憶装置122から取得したログデータ、画像データ、ルールデータ及び過去障害対応データを基に、例えば既存の決定木のアルゴリズムを利用して障害修復作業の方法を判定する。ここでは、障害修復作業の方法として、作業員x(作業員オブジェクト)が、プロキシサーバc115(対象オブジェクト)に対し、再起動(操作オブジェクト)を行うことと、作業員y(作業員オブジェクト)が、プロキシサーバd111(対象オブジェクト)に対し、設定ファイルの確認(操作オブジェクト)を行うこととが判定されたものとする。
【0036】
ステップS303において、指示内容生成部123は、障害修復作業が完了したか否かを判定する。ここでは、直前のステップS302において障害修復作業の方法が決定されたので、障害修復作業が完了していないと判定される。従って、処理はステップS304に移行する。
【0037】
ステップS304において、指示内容生成部123は、前述の方法と同様の方法により、HMD101の現在地であるWebサーバb112から対象オブジェクトであるプロキシサーバd111までの経路を案内するための案内情報を生成し、HMD101に対して送信する。また、指示内容生成部123は、同様に、HMD104の現在地であるWebサーバa117から対象オブジェクトであるプロキシサーバc115までの経路を案内するための案内情報を生成し、HMD104に対して送信する。
【0038】
ステップS305において、指示内容生成部123は、前述の方法と同様の方法により、HMD101、104を装着した作業員y、xが夫々、対象オブジェクトであるプロキシサーバd111、プロキシサーバc115に到着したか否かを判定する。HMD101、104が夫々対象オブジェクトに到着すると、指示内容生成部123は、ステップS306において、障害修復作業の内容をHMD101、104に対して送信する。即ち、指示内容生成部123は、HMD101に対して、「作業員yが、プロキシサーバd111に対し、設定ファイルの確認を行う」という内容の障害修復作業の方法を送信する。また、指示内容生成部123は、HMD104に対して、「作業員xが、プロキシサーバc115に対し、再起動を行う」という内容の障害修復作業の方法を送信する。これにより、HMD101には、「作業員yが、プロキシサーバd111に対し、設定ファイルの確認を行う」という障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データが合成表示される。また、HMD104には、「作業員xが、プロキシサーバc115に対し、再起動を行う」という障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データが表示される。作業員y、xは夫々、HMD101、104に表示されるコンピュータグラフィックス画像データによる案内に従って障害修復作業を行う。この障害修復作業によってログデータが更新される。
【0039】
ところで、作業員y、xの上司zが、前日にルータe116のハードウェア故障があり、対応がなされたことを思い出し、作業員xのメールアドレス宛へ「前日にルータe116のハードウェア故障があり、対応がなされた」と記載した電子メールを送信したものとする。この電子メールはステップS302においてモニタリング部121によって取得される。取得された電子メールは、記憶装置122に記憶される。
【0040】
ステップS306の後、処理はステップS301に戻る。ステップS301において、指示内容生成部123は、最新のログデータ及び画像データ、並びに、必要なルールデータ及び過去障害対応データのほか、上記電子メールを記憶装置122から取得する。
【0041】
ステップS302において、指示内容生成部123は、記憶装置122から取得したログデータ、画像データ、ルールデータ及び過去障害対応データのほか、上記電子メールを基に、例えば既存の決定木のアルゴリズムを利用して障害修復作業の方法を判定する。ここでは、特に電子メールの解析内容が反映されて、障害修復作業の方法として、作業員x(作業員オブジェクト)が、ルータe116(対象オブジェクト)に対し、ルーティングテーブルの情報の確認(操作オブジェクト)を行うことが判定されたものとする。
【0042】
ステップS303において、指示内容生成部123は、障害修復作業が完了したか否かを判定する。ここでは、直前のステップS302において障害修復作業の方法が決定されたので、障害修復作業が完了していないと判定される。従って、処理はステップS304に移行する。
【0043】
ステップS304において、指示内容生成部123は、前述の方法と同様の方法により、HMD104の現在地であるプロキシサーバc115から対象オブジェクトであるルータe116までの経路を案内するための案内情報を生成し、HMD104に対して送信する。なお、HMD101に対する案内情報は、HMD101を装着した作業員xに対する障害修復作業における対象オブジェクトに変化がないため、生成されない。
【0044】
ステップS305において、指示内容生成部123は、前述の方法と同様の方法により、HMD104を装着した作業員xが対象オブジェクトであるルータe116に到着したか否かを判定する。HMD104を装着した作業員xが対象オブジェクトであるルータe116に到着したと判定されると、ステップS306において、指示内容生成部123は、障害修復作業の内容をHMD104に対して送信する。即ち、指示内容生成部123は、HMD104に対して、「作業員xが、ルータe116に対し、ルーティングテーブルの情報の確認を行う」という内容の障害修復作業の方法を送信する。これにより、HMD104には、「作業員xが、ルータe116に対し、ルーティングテーブルの情報の確認を行う」という障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データが合成表示される。
【0045】
ところで、作業員xは、障害修復作業の方法の案内に従ってルーティングテーブルの情報を確認すると、ハードウェア故障対応によってルーティングテーブルの情報が変更されているはずなのに、変更されていないことを確認したものとする。作業員xは、ルーティングテーブルの情報が表示されたディスプレイを小型カメラ105で撮影し、画像データでルーティングテーブルの情報を故障解析装置120に対して送信する。故障解析装置120は、ルーティングテーブルの情報を含む画像データを受信すると、記憶装置122に記憶する。
【0046】
ステップS306の後、処理はステップS301に戻る。ステップS301において、再び指示内容生成部123は、最新のログデータ及び画像データ、並びに、必要なルールデータ及び過去障害対応データを記憶装置122から取得する。
【0047】
ステップS302において、指示内容生成部123は、記憶装置122から取得したログデータ、画像データ、ルールデータ及び過去障害対応データを基に、例えば既存の決定木のアルゴリズムを使用して障害修復作業の方法を判定する。ここでは、画像データの解析によってルーティングテーブルの情報が変更されているはずなのに変更されてないことが検知され、障害修復作業の方法として、作業員x(作業員オブジェクト)がルータe116(対象オブジェクト)に対し、ルーティングテーブルの情報の変更(操作オブジェクト)を行うことが判定されたものとする。
【0048】
ステップS303において、指示内容生成部123は、障害修復作業が完了したか否かを判定する。ここでは、直前のステップS302において障害修復作業の方法が決定されたので、障害修復作業が完了していないと判定される。従って、処理はステップS304に移行する。
【0049】
HMD101、104を装着した作業員y、xに対する障害修復作業における対象オブジェクトに変化はない。従って、ステップS304において、指示内容生成部123は、HMD101、104に対する案内情報を生成しない。
【0050】
ステップS305において、指示内容生成部123は、HMD101、104を装着した作業員y、xはともに対象オブジェクトに到着していると判定する。従って、処理はステップS306に移行する。
【0051】
ステップS306において、指示内容生成部123は、障害修復作業の内容をHMD104に対して送信する。即ち、指示内容生成部123は、HMD104に対して、「作業員xが、ルータe116に対し、ルーティングテーブルの情報の変更を行う」という障害修復作業の方法を送信する。これにより、HMD104には、「作業員xが、ルータe116に対し、ルーティングテーブルの情報の変更を行う」という障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データが合成表示される。
【0052】
作業員xがコンピュータグラフィックス画像データの案内に従って修復作業を行うと、サーバやルータ111〜118のログデータが更新されるとともに、サーバやルータのランプの点灯状態が変化する等、小型カメラ105によって撮影される画像データも更新される。このように更新されたログデータや画像データは、故障解析装置120の記憶装置122に記憶される。
【0053】
ステップS306の後、処理はステップS301に戻る。ステップS301において、再び指示内容生成部123は、最新のログデータ及び画像データ、並びに、必要なルールデータ及び過去障害対応データを記憶装置122から取得する。
【0054】
ステップS302において、指示内容生成部123は、記憶装置122から取得したログデータ、画像データ、ルールデータ及び過去障害対応データを基に、例えば既存の決定木のアルゴリズムを利用して障害修復作業の方法を判定する。ここでは、指示内容生成部123は、ログデータを解析した結果、例えばCPU使用率が低下した、通信速度が向上したこと等を検知することにより、或いは、画像データを解析した結果、例えば故障ランプが消灯したこと等を検知することにより、障害はないと判定し、障害修復作業の方法の判定は行わない。従って、ステップS303では、障害修復は完了したと判定され、処理はステップS307に移行する。
【0055】
ステップS307において、指示内容生成部123は、HMD101、104に対して障害修復の完了通知を送信する。これにより、HMD101、104には、例えば「○○時○○分に完全復旧」といった内容のコンピュータグラフィックス画像データが合成表示される。作業員y、xは障害修復作業を終了する。なお、図3に示す処理は、管理者による故障解析装置への入力に限らず、データセンタ内の各種機器の性能情報が予め定めておいた閾値を超えた場合に開始されてもよい。
【0056】
図4は、HMD101、104の処理を示すフローチャートである。より具体的には、図4(a)は、現在地から障害修復作業の対象オブジェクトまでの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データをHMD101、104が表示する処理を示している。図4(b)は、障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データをHMD101、104が表示する処理を示している。図4(c)は、障害修復の完了通知をHMD101、104が表示する処理を示している。なお、図4に示す各処理は、CPU301がROM302から必要なプログラムを読み込み、実行することによって行われる。
【0057】
先ず、HMD101、104が、現在地から障害修復作業の対象オブジェクトまでの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データを表示する処理について、図4(a)を参照しながら説明する。ステップS401において、HMD101、104は、現在地から障害修復作業の対象オブジェクトまでの経路を案内するための案内情報を故障解析装置120から受信したか否かを判定する。案内情報を受信した場合、処理はステップS402に移行する。案内情報を受信していない場合、処理はステップS401に戻り、再び案内情報の受信判定を行う。ステップS402において、HMD101、104は、現在地から障害修復作業の対象オブジェクトまでの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に重畳して合成し、AR表示する。これにより、作業員y、xに対して現在地から障害修復作業の対象オブジェクトまでの経路が案内される。
【0058】
図5は、HMD104において、現在地から障害修復作業の対象オブジェクトであるプロキシサーバc115までの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に合成表示した状態の例を示す図である。図5において、プロキシサーバd111、Webサーバb112、プロキシサーバc115、ルータe116は現実空間の映像である。501は、現在地から障害修復作業の対象オブジェクトであるプロキシサーバc115までの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データであり、現実空間の映像との座標合わせが行われた状態で合成表示されている。なお、502は、経路の案内先となる対象オブジェクトがプロキシサーバc115であることを明示したコンピュータグラフィックス画像データであり、HMD104に映し出される映像中の所定の位置に合成表示されている。
【0059】
次に、HMD101、104が、障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを合成表示する処理について、図4(b)を参照しながら説明する。ステップS403において、HMD101、104は、障害修復作業の方法を故障解析装置120から受信したか否かを判定する。障害修復作業の方法を受信した場合、処理はステップS404に移行する。一方、障害修復作業の方法を受信していない場合、処理はステップS403に戻り、再び障害修復作業の方法の受信判定を行う。ステップS404において、HMD101、104は、障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に対し合成表示する。これにより、作業員y、xに対して障害修復作業の方法が案内される。
【0060】
図6は、HMD104において、障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に合成表示した状態の例を示す図である。図6において、プロキシサーバc115は現実空間の映像である。障害修復作業の操作オブジェクトが再起動であるので、再起動ボタンを差し示すコンピュータグラフィックス画像データ601を再起動ボタンの位置に座標合わせをして合成表示している。なお、602は、障害修復作業の対象オブジェクトがプロキシサーバc115であり、操作オブジェクトが再起動であることを明示したコンピュータグラフィックス画像データであり、HMD104に映し出される映像中の所定の位置に合成表示されている。
【0061】
次に、HMD101、104が、障害修復の完了通知を合成表示する処理について、図4(c)を参照しながら説明する。ステップS405において、HMD101、104は、障害修復の完了通知を故障解析装置120から受信したか否かを判定する。障害修復の完了通知を受信した場合、処理はステップS406に移行する。一方、障害修復の完了通知を受信していない場合、処理はステップS405に戻り、再び障害修復の完了通知の受信判定を行う。ステップS406において、HMD101、104は、障害修復の完了通知を表すコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に対し合成表示する。これにより、作業員y、xに対して障害修復作業が完了したことが通知される。
【0062】
図7は、HMD104において、障害修復の完了通知を表すコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に合成表示した状態の例を示す図である。図7において、ルータe116は現実空間の映像である。701は、障害修復作業が完了したことを通知するコンピュータグラフィックス画像データであり、HMD104に映し出される映像中の所定の位置に合成表示されている。
【0063】
以上のように、本実施形態においては、苦情が発生すると、発生した障害に対応する障害修復作業に関する情報が作業員に対して提示される。作業員は提示された障害修復作業方法や障害発生場所等の障害修復作業に関する情報に従って作業を進めるが、作業によってシステムの稼働状態が変化する。システムの稼働状態が変化すると、変化後のシステムの稼働状態に対応した障害修復作業の方法等を含む障害修復作業に関する情報を新たに求め、作業者に提示する。このような処理を繰り返し実行することで、予期しない障害が発生した場合でも、最適な障害修復作業を案内して障害の解析作業支援を行うことが可能となる。
【0064】
また、上述した実施形態では、故障解析装置から提示される障害修復作業の方法に従って作業員が作業を進めた場合について説明したが、作業員自らの経験に基づいて、提示される障害修復作業の方法とは異なる方法で作業を進めた場合であっても、その都度、故障解析装置がログデータや画像データを取得し、その時点におけるシステムの稼働状態に応じた障害修復作業の方法を求めることが可能である。
【0065】
また、図8を用いて、指示内容生成部123が障害修復作業の方法を判定するための一例であって、既存の決定木のアルゴリズムを用いる以外の例について以下に説明する。
【0066】
図8は、ルールデータの一例を示す図である。図8に示すルールデータは、各チェック項目に対する障害修復作業の優先度の重み付けを示している。なお、図8に示す例では、重み付けは「0」〜「10」までの数値によって表されており、数値が大きいほど優先度が高いことを示している。
【0067】
例えば、「Pingの応答はない?」というチェック項目について、Pingの応答がない場合には、重みが「10」に設定されている障害修復作業1は最も優先度の高い作業であることを示しており、重みが「0」に設定されている障害修復作業3は実施する必要のない作業であることを示している。
【0068】
指示内容生成部123は、コンピュータシステムの稼働状況を表す情報(各種ログデータ、CPU使用率、メモリ使用率、通信速度、あるいはコマンドの実行結果など)から、図8に示すルールデータの各チェック項目に該当するか否かを判定する。そして、指示内容生成部123は、各障害修復作業について、現状のコンピュータシステムの稼働状況に該当すると判定したチェック項目の重みの合計値を算出し、算出した合計値が最も大きい障害修復作業を作業員に対して指示する。
【0069】
なお、上述の例では、該当するチェック項目の重みを障害復旧作業ごとに合計する例を説明したが、ルールデータの重みを用いて障害復旧作業の優先度を評価可能なための種々の評価式を用いてもよく、特に限定はされない。
【0070】
また、上述の例では、作業を一つだけ選択する例を説明したが、複数の作業を優先度の高い順番に順次実行する構成であってもよく、特に限定はされない。
【0071】
さらに、本発明の他の実施形態に係る故障解析システムとして、作業員による作業の実行結果に基づいて作業員の習熟度を判定し、判定した作業員の習熟度に応じて、障害復旧作業の指示内容を変更する構成であってもよい。
【0072】
例えば、指示内容生成部123は、障害復旧作業を指示する情報を作業員に対して送信した後、作業員が作業を開始してから作業を完了するまでの時間を計測し、例えば計測した時間に基づいて作業員の習熟度を判定する。この場合、予め作業時間と習熟度との対応関係が定義された習熟度判定テーブルが記憶装置122に記憶されている。図9は、習熟度判定テーブルの一例を示す図である。図9に示す習熟度判定テーブル1の例では、作業1について、作業時間が5分未満であれば習熟度はA判定(最高ランク)、5分以上10分未満であればB判定、10分以上であればC判定(最低ランク)であることを示している。
【0073】
あるいは、指示内容生成部123は、障害復旧作業を指示する情報を作業員に対して送信した後、作業員が行った作業が正しく行われたか否かを判定し、作業が正しく行われた割合(作業成功率)に基づいて作業員の習熟度を判定する構成であってもよい。この場合、予め作業が正しく行われた度合いと習熟度との対応関係が定義された習熟度判定テーブルが記憶装置122に記憶されている。図9に示す習熟度判定テーブル2の例では、作業1について、成功率が90%以上であればA判定、成功率が70%以上であれば90%未満であればB判定、成功率が70%未満であればC判定であることを示している。
【0074】
なお、作業が正しく行われた割合(作業成功率)というのは、例えば、全作業項目の数のうち、正しく作業が行われた項目の数の割合であってもよいし、作業の難易度によって重み付けを行ったうえで予め定義された評価式を用いて算出されてもよく、特に限定はされない。
【0075】
さらに、指示内容生成部123は、作業員の習熟度の判定結果に応じて、次回、作業員に対して送信する障害復旧作業の情報を決定する。例えば、新人の作業員とベテランの作業員とが同じ作業を行う場合であっても、新人やアルバイトの作業員に対しては、専門用語などが通じない場合もあり、基本的な事項を詳細に説明したほうがよいのに対して、ベテランの作業員に対しては、基本的な事項を詳細に説明すると逆に作業効率が下がってしまうため、専門用語を用いて指示するのが好ましい。
【0076】
そこで、指示内容生成部123は、新人の作業員に対しては、例えば専門用語を用いない表現で詳細に作業内容を説明した障害修復作業の方法を表す情報を送信する。これにより、新人の作業員が装着するHMDは、詳細に作業内容を説明した障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成してAR表示する。
【0077】
また、指示内容生成部123は、ベテランの作業員に対しては専門用語を用いた表現で簡潔に作業内容を説明した障害修復作業の方法を表す情報を送信する。これにより、ベテランの作業員が装着するHMDは、専門用語を用いて簡潔に作業内容を説明した障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成してAR表示する。
【0078】
この場合、1つの障害復旧作業に対して、複数の習熟度に対応づけてそれぞれ異なる作業内容の説明(専門用語を用いた簡潔な説明や専門用語を用いない詳細な説明など)を格納した作業内容説明テーブルを、予め記憶装置122に記憶させておく必要がある。そして、指示内容生成部123は、作業員の習熟度を判定すると、判定した習熟度に対応する作業内容の説明を作業内容説明テーブルから読み出し、読み出した説明を各作業員に対して送信する。
【0079】
図10は、作業内容説明テーブルの一例を示す図である。図10に示す例では、指示内容生成部123は、例えば作業1について習熟度Aと判定した作業員に対して記述Xの内容を送信する。
【0080】
上記の構成によれば、ARを利用してインタラクティブな作業指示を行う場合、作業結果に応じて障害修復作業が繰り返し行われることになるが、前回までの作業員の作業内容に応じて作業員ごとに異なるレベルの作業指示の説明が送られる。これにより、ユーザの習熟度に応じて適切に作業指示を行うことができるようになるため、障害復旧作業を効率的に行うことができるようになる。
【0081】
以上、各作業員に対する説明のレベルを異ならせる構成について説明したが、他にも、例えばARで表示させるマニュアルの開示範囲を異ならせてもよい。例えば、習熟度の低い新人作業員やアルバイト作業員に対してあまり多くの情報を開示してしまうのはセキュリティの面からも好ましくない。したがって、習熟度の低い新人作業員やアルバイト作業員に対しては必要最小限の範囲についてのみ開示し、習熟度の高い管理職レベルの作業員に対してはマニュアルの全ての内容を開示するようにしてもよい。
【0082】
なお、このようなセキュリティを考慮した構成については、上述した作業員の習熟度に基づいて判定する構成のほか、予め作業員テーブルなどに登録されている作業員の役職データやアクセス権限などに基づいて判定する構成であってもよい。
【0083】
また、本発明の他の実施形態に係る故障解析システムとして、作業員の習熟度に応じて、障害復旧作業を行う作業員を決定してもよい。
【0084】
例えば、作業ミスすると重大な障害を引き起こす可能性のある重要な作業を指示するのは危険であるため、そのような重要な作業については作業ミスの多い作業員よりも堅実に作業をこなす作業員に対して指示することが好ましい。
【0085】
この場合、上述した構成と同様に各作業員が行った障害復旧作業の内容について、指示内容生成部123が習熟度判定テーブルを用いて各作業員の習熟度を判定し、判定結果である各作業員の習熟度を作業員テーブルに書き込む。図11は、作業員テーブルの一例を示す図である。図11に示す例では、作業員Xについて、作業1の習熟度はAランクと判定されており、作業2の習熟度はBランクと判定されている。
【0086】
なお、作業員テーブルに各作業についての習熟度を書き込むための各作業員の習熟度の判定については、前回の障害復旧作業の作業内容に対して習熟度判定テーブルを用いて各作業員の習熟度を判定する構成であってもよい。あるいは、過去の障害復旧作業の作業内容履歴(作業時間や作業が正しく行われた度合い)を作業内容履歴テーブルに記憶しておき、作業内容履歴の各値の平均値により習熟度判定テーブルを用いて習熟度を判定してもよい。また、作業内容履歴がない作業員については、最も低い習熟度であると判定してもよく、特に限定はされない。図12は、作業内容履歴テーブルの一例を示す図である。図12に示す例では、例えば作業員ID001の作業員(すなわち作業員X)は、20XX年3月1に作業1を作業時間3分、作業成功率85%で行ったことを示している。
【0087】
また、各障害復旧作業について担当するのに要求される作業員の能力水準を定義した要求能力テーブルを予め記憶装置122に記憶させておく。図13は、要求能力テーブルの一例を示す図である。図13に示す例では、例えば作業1を実施する作業員に要求される最低限の能力水準はCランクであることを示している。
【0088】
これにより、指示内容生成部123は、現在のコンピュータシステムの稼働状況に基づいて障害復旧作業の内容を決定すると、要求能力テーブルから、決定した障害復旧作業を担当するのに要求される習熟度を読み出す。そして、指示内容生成部123は、作業員テーブルに記憶された各作業員の能力水準データを読み出して、これから障害復旧作業を担当するのに必要な能力水準を備えた作業員を決定し、決定した作業員に対して、障害修復作業の方法を表す情報を送信する。
【0089】
なお、作業員テーブルに格納される能力水準データは、例えば、各作業の習熟度の平均値に基づいて決定されてもよいし、その他の評価式によって決定されてもよく、各作業員の総合的な能力水準を表す値であればよい。また、この能力水準は、作業員によって各障害修復作業が実行される都度、指示内容生成部123によって更新されてもよい。
【0090】
また、要求される能力水準の作業員が複数いた場合には、過去に各作業員が担当した障害修復作業の中に、今回と同じ作業や類似する作業があるか否かを判定し、同じ作業や類似する作業の経験を有する作業員を優先的に担当させてもよい。この場合、作業員テーブルに過去の作業実績を記憶しておき、指示内容生成部123は、作業員テーブルから過去の作業実績を読み出して、今回と同じ作業や類似する作業の経験の有無を判定する。あるいは、その他の優先度ルール(作業回数の少ない順など)を予め定義しておいてもよいし、ユーザに手動で選択させる構成であってもよく、特に限定はされない。
【0091】
上記の構成によれば、ARを利用してインタラクティブな作業指示を行う場合、作業結果に応じて障害修復作業が繰り返し行われることになるが、前回までの作業員の作業内容に応じて作業員が決定される。これにより、障害修復作業の難易度に応じた適切な作業員を担当者として決定することができるようになる。
【0092】
ところで、作業員は、障害修復作業の内容として、ネットワークケーブルに関して物理的な障害の可能性について確認する指示を受け取った場合、確認の対象となるネットワークケーブルがフリーアクセスフロアパネルの下、サーバラック内、あるいは設備の壁面内(以下、フリーアクセスフロア)のどこを通って敷設されているか特定する必要がある。
【0093】
しかしながら、データセンタなどにおいては膨大な数の計算機が設置されており、それらの計算機をネットワークに接続するためのケーブルの本数もまた膨大な数にのぼる。そのため、フリーアクセスフロアに敷設されたケーブルのうち、確認の対象となるネットワークケーブルがどこを通っているか確認することは至難の業である。
【0094】
そこで、本発明では、AR技術を用いて、フリーアクセスフロアに敷設されたネットワークケーブルの中から、所望のネットワークケーブルを容易に見つけ出すことが可能となる技術をも提供する。以下、この技術について詳細に説明する。
【0095】
本発明の実施形態に係る故障解析システムは、フリーアクセスフロアに敷設された実際のネットワークケーブルに沿って、当該ネットワークケーブルを表す仮想画像を現実空間におけるフロアパネルあるいはフロアパネルの撮像画像に重畳表示させるものである。
【0096】
本発明の実施形態に係る故障解析システムを実現するための具体的な構成について説明すれば以下のとおりである。図14は、本発明の実施形態に係る故障解析システムの構成の一例を示す図である。図14に示すとおり、本発明の実施形態に係る故障解析システムは、RFID800a、800b、800c・・・(以下、総称の場合はRFID800と略す)が埋め込まれたネットワークケーブル801と、RFIDリーダ802a〜802dと、位置管理サーバ803と、HMD804とを含んで構成される。なお、図14には、ネットワークケーブルをARで表示する技術に関する部分のみを示しているが、図14に示す構成は図1に示す故障解析システムの一部として組み込まれる。すなわち、障害修復作業を支援するための各種の構成については図1に示す故障解析システムと同様であるため説明は省略する。
【0097】
ネットワークケーブル801は、データセンタ内のフリーアクセスフロアに敷設されており、フロアパネルによりネットワークケーブル801は見えていない。また、ネットワークケーブル801には、RFID800が一定の間隔(例えば1m間隔など)で埋め込まれており、各RFIDは当該ネットワークケーブルを識別するためのIDを記憶している。
【0098】
RFIDリーダ802a〜802dは、ネットワークケーブル801に埋め込まれているRFID800から電波を受信する。
【0099】
位置管理サーバ803は、RFIDリーダ802a〜802dと通信可能なようにネットワークで接続されており、RFIDリーダ802a〜802dから受信する情報に基づいて各RFID800の位置を検知する。そして、位置管理サーバ803は、検知したRFID800の位置を表す位置情報をHMD804に送信する。位置管理サーバ803の詳細について後述する。なお、図14に示す例では、位置管理サーバ803とRFIDリーダ802a〜802dとは無線ネットワークにより接続されているが、有線LANで接続されていてもよい。
【0100】
なお、位置管理サーバ803のハードウェア構成は、図2−1を用いて説明した故障解析装置120と同様、CPUがシステムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御し、メモリやHDには、BIOSやOSのほか、各種の機能を実現するプログラムが記憶されている。
【0101】
HMD804は、位置管理サーバ803から受信したRFID800の位置情報に基づいて、ネットワークケーブル801の実際の位置に沿って、ネットワークケーブル801を表す仮想画像805を床面上に重畳して表示する。なお、図1を用いて説明したHMD101等と同じ機能を備えており、詳細な説明は省略する。
【0102】
なお、HMD804のハードウェア構成は、図2−2を用いて説明したHMD101等と同様、CPUがシステムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御し、メモリやHDには、BIOSやOSのほか、各種の機能を実現するプログラムが記憶されている。
【0103】
図15は、位置管理サーバ803とHMD804との機能的な構成を示す図である。RFIDリーダ802a〜802dは、ネットワークケーブル801に備えられているRFID800から発信される無線信号を受信すると、それぞれ受信したタイミングでハイレベルとなる波形の信号を位置管理サーバ803に対して送信する。位置管理サーバ803は、信号受信部8031、位置特定部8032、および位置情報送信部8033を含んで構成される。信号受信部8031は、RFIDリーダ802a〜802dから発信された信号を受信するものである。位置特定部8032は、信号受信部8031が各RFID802a〜802dから受信した信号に基づいて、ネットワークケーブル801に備えられているRFID800の各位置(RFID800a、RFID800b、RFID800c・・・の各位置)を特定する。位置情報送信部8033は、RFID800の各位置を示す位置情報をHMD804に対して送信する。
【0104】
HMD804は、位置情報受信部8041、位置姿勢検知部8042、および画像提示部8043を含んで構成される。位置情報受信部8041は、位置管理サーバ803から上述した位置情報を受信する。位置姿勢検知部8042は、HMD804の位置(例えば、緯度、経度、あるいは、ローカルで定義された位置座標など)及び姿勢(例えば、方向、仰角)を検知する。画像提示部8043は、位置姿勢検知部8042により検知されたHMD804の位置及び姿勢に基づいて、HMD804を装着する作業員が現実空間のどこを見ているかを推定する。そして、画像提示部8043は、位置情報受信部8041が受信したRFID800の位置情報に基づいて、フリーアクセスフロアにネットワークケーブル801が敷設されている場所の床の上を作業員が見ていることを検知した場合、フリーアクセスフロアに敷設されているネットワークケーブル801の実際の位置に沿って、ネットワークケーブル801を表す仮想画像805を生成し、床面上の映像(透過型HMDの場合は現実空間)に重畳して表示する。
【0105】
図16は、本発明の実施形態に係る故障解析システムの処理を示すフローチャートである。ステップS501において、信号受信部8031は、RFIDリーダ802a〜802dの全てからハイレベルの信号を受信する。図17は、RFIDリーダ802a〜802dから発信される信号を説明するための図である。
【0106】
なお、フリーアクセスフロアにはネットワークケーブル801のほかにも複数のネットワークケーブルが敷設されているが、本実施形態では、作業員が携帯端末などの入力装置を介して、故障解析システムに対してネットワークケーブル801の位置をARで表示することを指示する入力を行ったものとする。
【0107】
また、ネットワークケーブル801には、RFID800a、RFID800b、RFID800c・・・と複数のRFIDが備えられているが、RFIDリーダ802a〜802dは、ネットワークケーブル801の全てのRFID800について無線信号を受信し、それぞれ受信したタイミングでハイレベルとなる波形の信号を位置管理サーバ803に対して送信する。
【0108】
また、ネットワークケーブル801に備えられた各RFID800が無線信号を発信するタイミングとしては、例えば、RFID800がパッシブ型であれば、作業員がネットワークケーブル801の位置をARで表示することを指示する入力を行った際に、RFIDリーダ802a〜802dのいずれかから、各RFID800に対してIDの発信を要求する信号を送信し、その要求に対して各RFID800が時間をずらして自身のIDを発信する構成がある。なお、必ずしもネットワークケーブル801に備えられた全てのRFID800から無線信号を受信する構成である必要はなく、所定の間隔で配置されたRFIDのみが無線信号を発信する構成であってもよく特に限定はされない。
【0109】
ここでは、RFID800aからの信号を受信した場合を例に説明する。RFIDリーダ802a〜802dは、RFID800から発信される信号を受信すると、そのタイミングでハイレベルの信号を出力する。図17の例ではRFIDリーダ802aは時刻t1にRFID801から信号を受信し、同時刻t1にハイレベルの信号を出力している。また、RFIDリーダ802bは時刻t2にRFID801から信号を受信し、同時刻t2にハイレベルの信号を出力している。
【0110】
また、RFIDリーダ802cは時刻t3にRFID800から信号を受信し、同時刻t3にハイレベル信号を出力している。RFIDリーダ802dは時刻t4にRFID801から信号を受信し、同時刻t4にハイレベルの信号を出力している。
【0111】
このようにして、RFIDリーダ802a〜dはRFID800aからの信号を受信して、位置管理サーバ803の信号受信部8031はRFIDリーダ802a〜dの全てからハイレベルの信号を受信する。また、同様にして、RFIDリーダ802a〜dはRFID800bからの信号を受信して、位置管理サーバ803の信号受信部8031はRFIDリーダ802a〜dの全てからハイレベルの信号を受信する。これを繰り返して、ネットワークケーブル801に備えられた全てのRFID800からの信号を受信して、位置管理サーバ803の信号受信部8031は全てのRFID800についてRFIDリーダ802a〜dの全てからハイレベルの信号を受信する。
【0112】
ステップS502において、位置特定部8032は、RFIDリーダ802a〜dからハイレベルの信号を受信した時刻差や位相差に基づいて各RFID800の位置(すなわち、RFID800a、RFID800b、RFID800c・・・のそれぞれの位置)を特定する。なお、このような位置特定手法としては、例えばTDOA(Time Difference of Arrival)方式の位置検出手法を用いることができる。あるいは、特開2000−98019号公報に開示されているような技術を適用することができる。
【0113】
ステップS503において、位置情報送信部8033は、HMD804に対してステップS502において特定された位置を表す位置情報を送信する。なお、位置管理サーバ803は、予め作業員が登録を行うことにより、ネットワークケーブル801に関する情報(接続元、接続先、回線速度など)を記憶しておき、このHMD804に対して位置情報と共にネットワークケーブルに関する情報を送信してもよい。
【0114】
ステップS504において、HMD804の位置情報受信部8041は、位置管理サーバ803から上述した位置情報やネットワークケーブルに関する情報を受信する。ステップS505において、位置姿勢検知部8042は、HMD804の位置と姿勢とを検知する。
【0115】
ステップS506において、画像提示部8043は、位置姿勢検知部8042により検知されたHMD804の位置及び姿勢に基づいて、HMD104を装着する作業員が現実空間のどこを見ているかを推定する。そして、画像提示部8043は、位置情報受信部8041が受信したRFID800の位置情報に基づいて、フリーアクセスフロアにネットワークケーブル801が敷設されている場所の床の上を作業員が見ていることを検知した場合、フリーアクセスフロアに敷設されているネットワークケーブル801の実際の位置に沿って、ネットワークケーブル801を表す仮想画像805を生成し、図18に示すように床面の映像(透過型HMDの場合は現実空間)に重畳して表示する。図18は、フリーアクセスフロアに敷設されたネットワークケーブルを床面にARで表示する例を示す図である。図18に示す例では、画像提示部8043は、ネットワークケーブル801を示す仮想画像のほか、ネットワークケーブル801に関する情報(接続元、接続先、回線速度など)も提示している。
【0116】
なお、HMD804の位置の特定は、RFID800の位置の特定と同様、例えば、HMD804にもRFIDを備えておき、RFIDリーダ802a〜802dでHMD804のRFIDからの信号を受信し、そのときの時刻差や位相差に基づいて特定することができる。これにより、HMD804とRFID800との相対的な位置関係を特定することができ、HMD804上の適切な位置にネットワークケーブル801の仮想画像をARで表示することが可能となる。
【0117】
また、以下にネットワークケーブルの位置を特定するための他の構成について説明する。図19は、フリーアクセスフロアに敷設されたネットワークケーブルの位置を特定する構成の一例を説明するための図である。図19は、サーバルームの平面図である。サーバルームZには、フロアパネルZ上にラックA、ラックBを含む複数のラックが設置されている。また、フロアパネルZの下はフリーアクセスフロアであり、ネットワークケーブルが敷設されているが、ネットワークケーブルはフロアパネルZによって隠されており、通常は見ることができない。また、図19に示すとおり、フロアパネルZには座標が設定されており、フロアパネルZ上に示される波線は、座標を示すための線である。
【0118】
図19に示す例では、ラックAに設置された機器のポートaとラックBに設置された機器のポートbとがネットワークケーブルZにより接続されている例を示している。上述のとおり、ネットワークケーブルZはフロアパネルZの下に敷設されており、図19には、フロアパネルZにおけるネットワークケーブルZの位置を表す線を示している。図19に示す例では、ネットワークケーブルZは、ポートaの側から順に(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)の各座標の位置を通ってポートbに接続される。位置管理サーバZには、ユーザによって、これらのネットワークポートと座標の情報が登録されている。このとき、ネットワークケーブルZが接続されているいずれかのネットワークポートを起点にした場合の各座標を通過する順番を表す情報も登録されているものとする。また、この場合、最低限、ネットワークケーブルの敷設の方向が変わる座標が位置管理サーバZに登録されていればよいが、位置が変わる座標間の途中の座標が登録される構成であってもよい。
【0119】
そして、故障解析システムによる解析の結果、障害修復作業としてネットワークケーブルの確認の指示を行う場合などにおいて、位置管理サーバZは、作業者が装着するHMDに対してネットワークケーブルの位置情報として上記座標およびポートの情報を送信する。さらに、作業者が装着するHMDは、確認対象のネットワークケーブルZがフリーアクセスフロアに敷設されている場所のフロアパネルZを作業者がHMDから見ていると判断した場合、HMDは上記座標を接続する線を表す仮想画像を生成し、生成した仮想画像をフロアパネルZの映像に重畳させて作業員に提示する。
【0120】
図20は、フリーアクセスフロアに敷設されたネットワークケーブルの位置を特定する構成の他の例を説明するための図である。図20は、サーバルームの平面図である。サーバルームZ’には、フロアパネルZ’上にラックA、ラックBを含む複数のラックが設置されている。また、フロアパネルZ’の下はフリーアクセスフロアであり、ネットワークケーブルが敷設されているが、ネットワークケーブルはフロアパネルZ’によって隠されており、通常は見ることができない。また、図20に示すとおり、フロアパネルZ’には座標が設定されており、フロアパネルZ’上に示される波線は、座標を示すための線である。
【0121】
図20に示す例では、ラックAに設置された機器のポートaとラックBに設置された機器のポートbとがネットワークケーブルZ’により接続されている例を示している。上述のとおり、ネットワークケーブルZ’はフロアパネルZ’の下に敷設されており、図20には、フロアパネルZ’におけるネットワークケーブルZ’の位置を表す線を示している。
【0122】
図20に示す例では、図19に示す例と異なり、ネットワークケーブルZ’は所定の間隔ごとにRFIDを備えている。このネットワークケーブルZ’に埋め込まれている各RFIDにはネットワークケーブルZ’を他のネットワークケーブルと識別するためのIDが格納されている。また、図20において、フロアパネルZ’には、波線が交差する点においてRFIDリーダが備えられている。このRFIDリーダは、位置管理サーバZ’と通信可能である。
【0123】
フロアパネルZ’の波線が交差する点に備えられているRFIDリーダは、ネットワークケーブルに備えられているRFIDが発信する信号を読み取り、位置管理サーバZ’に送信する。このとき、各RFIDリーダは、RFIDから発せられるネットワークケーブルZ’のIDを表す信号のほか、読み取った信号の強度についても位置管理サーバZ’に送信する。
【0124】
位置管理サーバZ’は、RFIDリーダから受信した信号および信号の強度に基づいて、ネットワークケーブルZ’に埋め込まれたRFIDからの信号で一定の強度以上の信号を読み取ったRFIDリーダの座標を特定する。すなわち、一定の強度以上の信号を受信したRFIDリーダについては、その近傍をネットワークケーブルZ’が通っていることを表しているため、ネットワークケーブルZ’は位置管理サーバZ’によって特定された上記の座標を通っていることになる。図20に示す例では白丸で表される座標に設けられているRFIDリーダが一定の強度の信号を受信したことを表している。また、位置管理サーバZ’には、ユーザによって予めネットワークケーブルZ’が接続されているポートが登録されているものとする。
【0125】
そして、故障解析システムによる解析の結果、障害修復作業としてネットワークケーブルの確認の指示を行う場合などにおいて、位置管理サーバZ’は、作業者が装着するHMDに対してネットワークケーブルの位置情報として上記の白丸で表される座標およびポートの情報を送信する。さらに、作業者が装着するHMDは、確認対象のネットワークケーブルZ’がフリーアクセスフロアに敷設されている場所のフロアパネルZ’を作業者がHMDから見ていると判断した場合、HMDは上記座標を接続する線を表す仮想画像を生成し、生成した仮想画像をフロアパネルZの映像に重畳させて作業員に提示する。
【0126】
上記の構成によれば、作業員には、フリーアクセスフロアに敷設されているネットワークケーブルの位置に沿って、床面に当該ネットワークケーブルを表す仮想画像がHMDを介して提示される。
【0127】
これにより、本発明の実施形態に係る故障解析システムによれば、作業員は、障害修復作業の内容として、ネットワークケーブルを確認する旨の作業指示を受けた場合、対象となるネットワークケーブルがフリーアクセスフロアのどこを通って敷設されているか容易に見つけることができるため、作業員の作業効率を向上させることが可能となる。
【0128】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
101、104:HMD、102、105:小型カメラ、120:故障解析装置、121:モニタリング部、122:記憶装置、123:指示内容生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して表示させることが可能な拡張現実感提示装置と、コンピュータシステムに発生した障害を解析可能な故障解析装置とを有する情報処理システムであって、
前記故障解析装置は、
前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記障害修復作業に関する情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する送信手段とを有し、
前記拡張現実感提示装置は、
前記障害修復作業に関する情報に基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する提示手段を有し、
前記故障解析装置は、
前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報が前記取得手段によって新たに取得された場合、前記判定手段により、当該稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を新たに判定し、前記送信手段により、新たに判定された障害修復作業に関する情報を前記拡張現実提示装置に対して送信することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記故障解析装置は、前記判定手段により、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報に基づいて、複数の作業員が前記コンピュータシステムに対して個々に実行すべき障害修復作業に関する情報を判定し、前記送信手段により、前記各障害修復作業の方法を夫々該当する作業員の前記拡張現実提示装置に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記故障解析装置は、前記送信手段により、前記拡張現実感提示装置の現在地から前記障害修復作業の場所までの経路を案内するための案内情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信し、
前記拡張現実感提示装置は、前記提示手段により、前記案内情報に基づいて、前記拡張現実感提示装置の現在地から前記障害修復作業の場所までの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の実行結果に基づいて当該作業を行った作業員の習熟度を判定し、
前記故障解析装置は、
前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を新たに判定した場合、新たに判定された障害復旧作業に関する情報について、前記習熟度に応じた作業内容の説明を表す情報を前記拡張現実提示装置に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の実行結果に基づいて当該作業を行った作業員の習熟度を判定し、
前記故障解析装置は、
前記判定手段により、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報に基づいて、前記複数の作業員が前記コンピュータシステムに対して個々に実行すべき障害修復作業に関する情報を判定する際、前記習熟度に応じて前記作業員の担当する障害修復作業を決定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記故障解析装置は、フリーアクセスフロアに敷設されているネットワークケーブルの位置を特定する位置特定手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記判定手段により判定された前記障害修復作業に関する情報の一部として、前記位置特定手段によって特定された前記ネットワークケーブルの位置を表す位置情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信し、
前記拡張現実感提示装置は、前記提示手段が、前記障害修復作業に関する情報に含まれる前記位置情報基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データとして、前記ネットワークケーブルを現実空間の映像と合成して提示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して表示させることが可能な拡張現実感提示装置と、コンピュータシステムに発生した障害を解析可能な故障解析装置とによって実行される情報処理方法であって、
前記故障解析装置は、
前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより判定された前記障害修復作業に関する情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する送信ステップとを含み、
前記拡張現実感提示装置は、
前記障害修復作業に係る情報に基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する提示ステップを含み、
前記故障解析装置は、
前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報を新たに取得した場合、当該稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に係る情報を新たに判定し、新たに判定された障害修復作業に関する情報を前記拡張現実提示装置に対して送信することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して表示させることが可能な拡張現実感提示装置と、コンピュータシステムに発生した障害を解析可能な故障解析装置とを有する情報処理システムにおける情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記故障解析装置が、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報を取得する取得ステップと、
前記故障解析装置が、前記取得ステップにより取得された前記稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を判定する判定ステップと、
前記故障解析装置が、前記判定ステップにより判定された前記障害修復作業に関する情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する送信ステップと、
前記拡張現実感提示装置が、前記障害修復作業に関する情報に基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する提示ステップとを含み、
前記故障解析装置が、
前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記コンピュータシステムの稼働状況に係る情報が前記取得ステップによって新たに取得された場合、前記判定ステップにより、当該稼働状況に係る情報に基づいて、前記コンピュータシステムに対する障害修復作業に関する情報を新たに判定し、前記送信ステップにより、新たに判定された障害修復作業に関する情報を前記拡張現実提示装置に対して送信するステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して表示させることが可能な拡張現実感提示装置と、修理対象物に発生した障害を解析可能な故障解析装置とを有する情報処理システムであって、
前記故障解析装置は、
前記修理対象物の稼働状況に係る情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記稼働状況に係る情報に基づいて、前記修理対象物に対する障害修復作業に関する情報を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記障害修復作業に関する情報を示す情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する送信手段とを有し、
前記拡張現実感提示装置は、
前記障害修復作業に関する情報に基づいて、前記障害修復作業の方法を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して提示する提示手段を有し、
前記故障解析装置は、
前記拡張現実感提示装置によって提示された案内による障害修復作業の後、前記修理対象物の稼働状況に係る情報が前記取得手段によって新たに取得された場合、前記判定手段により、当該稼働状況に係る情報に基づいて、前記修理対象物に対する障害修復作業に関する情報を新たに判定し、前記送信手段により、新たに判定された障害修復作業に関する情報を前記拡張現実提示装置に対して送信することを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−248860(P2011−248860A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66198(P2011−66198)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000191076)新日鉄ソリューションズ株式会社 (136)
【Fターム(参考)】