情報処理システム、情報処理装置、制御方法およびコンピュータプログラム
【課題】画像形成装置の探索要求を受け付け、この探索要求に応じて画像形成装置の探索中継を実行するかを判断し、探索中継を実行すると判断した場合に探索中継を実行する情報処理装置を備える情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システム1000は、要求元モバイル端末102と、中継モバイル端末100と、画像形成装置106を備える。要求元モバイル端末102は、画像形成装置106を探索する探索手段と、画像形成装置106に生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示手段と、画像形成装置106を探索できなかった場合に、中継モバイル端末100に対し探索要求を行う探索要求手段とを備える。中継モバイル端末100は、画像形成装置106の探索要求を受け付ける受け付け手段と、受け付けた探索要求に応じて画像形成装置106の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、探索処理を実行し、探索結果を要求元モバイル端末102に返す探索中継手段とを備える。
【解決手段】情報処理システム1000は、要求元モバイル端末102と、中継モバイル端末100と、画像形成装置106を備える。要求元モバイル端末102は、画像形成装置106を探索する探索手段と、画像形成装置106に生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示手段と、画像形成装置106を探索できなかった場合に、中継モバイル端末100に対し探索要求を行う探索要求手段とを備える。中継モバイル端末100は、画像形成装置106の探索要求を受け付ける受け付け手段と、受け付けた探索要求に応じて画像形成装置106の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、探索処理を実行し、探索結果を要求元モバイル端末102に返す探索中継手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、制御方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが操作する携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末とプリンタとがBluetooth(登録商標)やWi−Fi Directなどの無線通信手段で直接接続されたシステムが提案されている。このシステムを利用して、モバイル端末が直接プリンタに対してモバイル端末が有する印刷データの印刷要求を行うことによって、プリンタに印刷出力させることが考えられる。
【0003】
モバイル端末とプリンタと直接接続して印刷を行う場合、モバイル端末は近くに存在する印刷できるプリンタを探索し、探索できたプリンタに対して印刷要求を行う。しかし、モバイル端末の近くにプリンタがない場合や、プリンタが無線通信手段を持っていない場合には、モバイル端末は印刷要求先のプリンタを探索することができない。
【0004】
特許文献1は、2つのステーション間で直接通信できない場合に、他のステーションが無線波によるフレームの中継を行う無線データ通信方法を開示する。この方法では、各ステーションの電波到達範囲の少なくとも一部が重なり合うように各ステーションを配置することにより実現される。また、特許文献2は、サービス検索装置がサービス検索要求を送信し、サービス検索要求に応答したサービス提供装置から、該サービス提供装置が保持する他のサービス提供装置の情報を受信するサービス検索方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−97821号公報
【特許文献2】特開2010−211472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1及び特許文献2が開示する技術を適用して、モバイル端末が、印刷要求先とするプリンタ(画像形成装置)の探索を、他のモバイル端末に対して要求(探索要求)する印刷システムが考えられる。この印刷システムにおいては、探索要求を受けたモバイル端末が画像形成装置を探索し、探索結果を探索要求元のモバイル端末に返す(探索中継を実行する)。
【0007】
しかし、この印刷システムでは、探索要求を受けたモバイル端末は、探索中継を実行するか否かを判断することなく、必ず探索中継を実行する。従って、この印刷システムによっては、例えばユーザがモバイル端末を携帯して移動中である場合や、モバイル端末の電池残量が少ない場合等、探索中継をするのが適当でない場合であっても、探索中継がされてしまう。
【0008】
また、上述した特許文献1及び特許文献2は、ユーザが操作する装置が他の装置を介して画像形成装置に印刷要求を行うことは開示していない。従って、特許文献1及び特許文献2が開示する技術を適用した印刷システムによっては、モバイル端末が他のモバイル端末を介して画像形成装置に対して印刷要求を行うことができない。すなわち、この印刷システムによっては、モバイル端末が印刷要求を中継することを通じて、画像形成装置に印刷出力させることができない。
【0009】
本発明は、上記の課題の少なくとも一つを解決するためになされたものである。本発明は、画像形成装置の探索要求を受け付け、この探索要求に応じて画像形成装置の探索中継を実行するかを判断し、探索中継を実行すると判断した場合に探索中継を実行する情報処理装置を備える情報処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態の情報処理システムは、印刷を要求する第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置からの要求をネットワークを介して中継する少なくとも1つの第2情報処理装置と、前記第1情報処理装置または前記第2情報処理装置からの印刷要求に応じて印刷を実行する画像形成装置とを備えた情報処理システムであって、前記第1情報処理装置は、前記画像形成装置を探索する探索手段と、印刷データを生成し、前記画像形成装置に対して、前記生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示手段と、前記探索手段が前記画像形成装置を探索できなかった場合に、前記第2情報処理装置に対して探索要求を行う探索要求手段とを備える。また、前記第2情報処理装置は、前記画像形成装置の探索要求を受け付ける要求受け付け手段と、前記要求受け付け手段が受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を前記第1情報処理装置に返す探索中継手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態の情報処理システムによれば、画像形成装置の探索要求を受け付けた情報処理装置は、この探索要求に応じて画像形成装置の探索中継を実行するかを判断した場合にのみ、画像形成装置を探索して探索結果を探索要求元に返す。従って、情報処理装置は、情報処理装置の状態に応じて探索中継を拒否することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1のシステム構成例を示す図である。
【図2】情報処理システムを構成する各装置のハードウェア構成を示す。
【図3】情報処理システムのソフトウェア構成の一例を示した図である。
【図4】探索結果のプリンタリストのデータ構造例を示す図である。
【図5】モバイル端末の表示画面に表示される探索結果のプリンタリストの一例を示す図である。
【図6】プリンタ探索処理を説明するフローチャートの例である。
【図7】探索結果のプリンタリストのデータ構造例を示す別の図である。
【図8】探索結果のプリンタリストのデータ構造例を示す別の図である。
【図9】モバイル端末の表示画面に表示される図8のプリンタリストの例を示す図である。
【図10】プリンタ探索中継処理を説明するフローチャートの例である。
【図11】モバイル端末の表示画面に表示される探索中継条件の設定画面の例を示す図である。
【図12】印刷処理を説明するフローチャートの例である。
【図13】印刷中継処理を説明するフローチャートの例である。
【図14】多重中継を行うプリンタ探索処理を説明するフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1)
図1は、本実施形態の情報処理システム1000のハードウェア構成例を示す。図1に示す情報処理システム1000は、モバイル端末100、102、および画像形成装置106を備える。モバイル端末100、102は情報処理装置として機能し、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを実行することができる。モバイル端末100は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fiなどの無線通信手段によってモバイル端末102や無線アクセスポイント104と接続する。また、無線アクセスポイント104はネットワーク105を介して画像形成装置106と通信することができる。図1の通信範囲101に示すように、無線通信手段で接続できる距離は、接続方式によって異なるが一般的に10m〜100m程度である。
【0014】
本実施例では、モバイル端末100は、第1情報処理装置として機能し、無線アクセスポイント104およびネットワーク105を経由して、画像形成装置106と接続する。ユーザは、モバイル端末100から文書データなど印刷を行いたいデータを画像形成装置に送信する。画像形成装置は印刷可能なデータに受け取ったデータを変換し印刷を行う。モバイル端末102は、第2情報処理装置として機能し、無線通信手段によってモバイル端末100と接続する。モバイル端末102は、通信範囲103の範囲内に存在する機器と接続することができる。本実施例では、モバイル端末102は無線アクセスポイントに対してアクセスするための情報がないため、接続することができない。
【0015】
図2は、本実施形態の情報処理システム1000のハードウェア構成例を示す。図2に示すモバイル端末100、102のハードウェア構成図は、一般的なモバイル端末のハードウェア構成図に相当する。モバイル端末としては、例えばスマートフォン、ノートPC、タブレット端末などが挙げられる。モバイル端末102のハードウェア構成はモバイル端末100のハードウェア構成と同様であり、以下ではモバイル端末100を参照して構成を説明する。
【0016】
モバイル端末100はCPU200、メモリ201、記憶装置202を備える。CPU200は、記憶装置202に記憶されたOSのプログラムをメモリ201にロードし、OS上で様々なアプリケーションプログラムを実行する。OSとは、モバイル端末上で稼動するオペレーティングシステムの略語であり、以下オペレーティングシステムのことをOSと呼ぶ。メモリ201は、例えばCPU200のワークエリアとして機能する。
【0017】
また、モバイル端末100は電源装置、ディスプレイ204、タッチパネル入力装置205、および無線通信装置206を備える。電源装置203は、モバイル端末の各装置に電力を供給する。電源装置203は、モバイル端末内に内蔵するバッテリーや、電源ケーブルと接続して外部の電力供給源から取得する。ディスプレイ204は、出力デバイスである。タッチパネル入力装置205は、入力を制御するポインティングデバイスである。無線通信装置206は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fiなどの方式を使用して、無線通信機能を備える他の機器と接続する。例えば、無線アクセスポイント104の無線通信装置や別のモバイル端末102の無線通信装置と接続し、データの送受信を行う。
【0018】
また、モバイル端末100はセンサー部207を備える。センサー部207は、各種センサーを備えており、各センサーで得られた情報をメモリ上に記憶する。センサーの種類としては、機器の動きを検知するモーションセンサー、機器の向きを検知する方位センサー、周囲の温度を検知する温度センサーなどが挙げられる。記憶装置202に記憶されたOSは、センサーによって記憶された情報を読み取ることにより、センサーの情報を得る。この情報を用いて、アプリケーションは動作を切り替えたりすることができる。
【0019】
また、モバイル端末100はGPS208も備える。GPS208は、位置情報を得るためのシステムであり、取得した位置情報をメモリ上に記憶する。センサーの情報と同様に、取得した位置情報はアプリケーションによって使用され、様々なサービスを提供する。
【0020】
無線アクセスポイント104は、無線通信装置209、ネットワークインターフェース210、および通信制御部211を備える。ネットワークインターフェース210は、LANなどのネットワーク105に接続する。通信制御部211は、無線通信装置209で受信したデータをネットワーク105を介して、例えば画像形成装置106に転送する。また、逆にネットワーク105を介して画像形成装置106から受信したデータを無線通信装置209に転送する。この仕組みにより、モバイル端末100は、ケーブルで直接接続している状態と同様に画像形成装置106にアクセスすることができる。
【0021】
画像形成装置106は、デジタル複合機である。画像形成装置106は、画像形成部212、デジタル複合機制御部213、ネットワークインターフェース214、およびプリント処理部215を備える。
【0022】
画像形成部212は、紙のハンドリングや画像転写・定着等の一連の画像形成プロセスを実行して、記録紙などの記録媒体上に画像を形成する。画像形成部212は、例えばインクジェットプリンタや電子写真方式の画像形成ユニットを備える。デジタル複合機制御部213は、画像形成部212の動作を制御する。例えば、デジタル複合機制御部213は、ネットワークインターフェース214を通して受信したデータをプリント処理部215により画像形成部212が解釈できるデータに変換する。デジタル複合機制御部213が変換したデータを画像形成部212に渡すことにより、画像形成部212は、ネットワーク経由で取得したデータを基に印刷処理する。
【0023】
図3は、本実施形態の情報処理システム1000のソフトウェア構成例を示す。情報処理システム1000は、要求元モバイル端末102と、中継モバイル端末301と、画像形成装置106を備える。中継モバイル端末100と要求元モバイル端末102は、同様の構造を持つ端末であり、各々が印刷ソフトウェア300と中継ソフトウェア301の両方を備える。モバイル端末100とモバイル端末102は、本実施例において役割が異なるため、以後モバイル端末100を中継モバイル端末、モバイル端末102を要求元モバイル端末と呼ぶ。
【0024】
要求元モバイル端末102には、印刷ソフトウェア300がOSにインストールされている。印刷ソフトウェア300は、要求元モバイル端末102の記憶装置202に記憶されており、ユーザまたはOSからの起動要求を受けて、OSがメモリ201上にモジュールを展開することで実行される。
【0025】
また、中継モバイル端末100には、中継ソフトウェア301がインストールされている。中継ソフトウェア301は、中継モバイル端末100の記憶装置に記憶されており、OSからの起動要求を受けて、OSがメモリ上にモジュールを展開することで実行される。
【0026】
印刷ソフトウェア300は、印刷要求を行うためのソフトウェアである。ユーザは、OS上に存在するファイルを管理するアプリケーション上でファイルを選択する。選択されたファイルを他のアプリケーションに渡すために、ユーザが印刷ソフトウェア300を選択することによって、OSは印刷ソフトウェア300を起動する。印刷ソフトウェア300は、起動時にOSからファイルのパスを受け取り、ファイル管理部303がOSにファイルの取得を要求する。OSは印刷ソフトウェア300のファイル管理部303からファイルの取得要求を受け、ファイルのパスから記憶装置202のどの場所に記憶されているかを特定し、ファイルのデータを取得する。
【0027】
印刷ソフトウェア300は、プリント制御部302、ファイル管理部303、探索制御部304、探索サービスリクエスタ305、および探索中継サービスリクエスタ306を備える。また、印刷ソフトウェア300は、ファイル変換部307、プリント中継サービスリクエスタ308、プリントサービスリクエスタ309、プリント処理部310および表示部311も備える。
【0028】
次に、中継ソフトウェア301の各機能について説明する。中継ソフトウェア301は中継処理部320、探索中継サービスプロバイダ321、探索処理部323、プリント処理部324、および機器情報取得部325を備える。また、中継ソフトウェア301は、プリント中継サービスプロバイダ322および表示部326も備える。
【0029】
画像形成装置106は、印刷処理部330を備える。画像形成装置106は、要求元モバイル端末102または中継モバイル端末100から印刷要求を受け付けた際に、画像形成部212でデータを紙にのせることにより印刷する。
【0030】
次に、各ソフトウェア300、301が備える機能について説明する。プリント制御部302は、印刷処理を制御し実行する。プリント制御部302は、まず探索制御部304にプリンタ探索要求を送る。探索制御部304は、探索サービスリクエスタ305を呼ぶ。探索サービスリクエスタ305は、無線通信装置206を介して画像形成装置106を探索する。すなわち、探索サービスリクエスタ305は、画像形成装置106を探索する探索手段として機能する。画像形成装置106が存在し、探索サービスリクエスタ305のリクエストに対して応答があった場合、探索サービスリクエスタ305は画像形成装置106からプリンタ情報を取得する。探索中継サービスリクエスタ306が画像形成装置106から応答を得られなかった場合、探索制御部304は、探索中継サービスリクエスタ306を呼ぶ。
【0031】
探索中継サービスリクエスタ306は、探索サービスリクエスタ305が画像形成装置106から応答を得られなかった場合、探索中継サービスプロバイダ321に探索中継のリクエストを送信する。すなわち、探索中継サービスリクエスタ306は、画像形成装置106を探索するために、探索要求を行う探索要求手段として機能する。探索中継サービスプロバイダ321は、探索中継サービスリクエスタ306のリクエストに対して応答を返すことにより存在を通知し、通信可能に接続する。すなわち探索中継サービスプロバイダ321は、探索中継サービスリクエスタ306から画像形成装置106の探索要求を受け付ける要求受け付け手段として機能する。通信範囲内に探索中継サービスプロバイダ321を持つ機器がいない場合は、探索中継サービスリクエスタ306は応答を取得できない。
【0032】
探索中継のリクエストを受けた探索中継サービスプロバイダ321は、中継リクエストを中継処理部320に伝える。中継処理部320は判断手段として機能し、リクエストを中継するかどうかを判断する。中継する場合、判断結果として探索処理部323に探索処理要求を行う。探索処理部323は、探索サービスリクエスタ305と同様の機能を有し、画像形成装置106の探索を行う。つまり、探索処理部323は、探索の中継要求を受けた場合は探索中継を行うが、中継モバイル端末100が要求元モバイル端末102である場合は、画像形成装置106を直接探索する探索手段として機能する。機器情報取得部325は、図2に示す各センサー部207、GPS208、電源装置203から各種情報を収集し、収集した情報に基づいて中継するか否かを判断する。すなわち、機器情報取得部325は、装置情報を収集する収集手段として機能する。探索処理部323は、自端末で可能な探索方式を用いて探索を行う。中継ソフトウェア301が探索サービスプロバイダを持つ場合は、該探索サービスプロバイダが画像形成装置106を探索する。中継モバイル端末100がプリンタンドライバを登録している場合は、登録している画像形成装置106の情報を探索中継サービスリクエスタ306に返す。すなわち、探索中継サービスプロバイダ321および探索処理部323は、画像形成装置106の探索処理を実行して探索結果を探索中継サービスリクエスタ306に返す探索中継手段として機能する。
【0033】
探索制御部304は、探索サービスリクエスタ305または探索中継サービスリクエスタ306が受信したプリンタ情報を基に、プリンタ情報をリスト化する。プリント制御部302は、リスト化したプリンタ情報を表示させるための画面を作成し、表示部311から表示させる。
【0034】
図4は探索結果のプリンタリスト情報例を示し、図5は探索結果の表示例を示す。探索制御部304は、探索によって見つかった数だけリストにプリンタ情報を追加する。図4に示すデータ構造は、探索中継サービスリクエスタ306のリクエストよりMobile−100からPrinterAの情報が返ってきた場合のリスト情報を示す。図5は、図4のリスト情報をプリント制御部302が表示部311に表示を要求しディスプレイに表示した状態を示す。
【0035】
ユーザは、ディスプレイに表示された図5に示すリストをタッチすることにより、タッチパネル入力装置205を介してリストを選択する。タッチパネル入力装置205からの情報はOSに伝わる。OSは印刷ソフトウェアにユーザの選択した情報を伝える。プリント制御部302は、ユーザが選択したプリンタ情報を受け取ると、印刷データを作成する。
【0036】
印刷データの一例として、本実施例ではPDF形式のファイルを印刷データとする。PDF以外のファイルであった場合は、ファイル変換部307がPDF形式のファイルに変換する。次に、プリント制御部302は、プリント処理部310対して印刷要求を出す。中継先を必要とせず、画像形成装置106に直接接続できる場合は、プリント処理部310がプリントサービスリクエスタ309に印刷要求を伝える。印刷要求を受け取ったプリントサービスリクエスタ309は、探索制御部304が作成したプリンタリスト情報を用いてユーザが選択した画像形成装置106に印刷リクエストを送信する。すなわち、プリント制御部302およびプリントサービスリクエスタ309は、印刷データの印刷を指示する印刷指示手段として機能する。
【0037】
中継先を必要とする場合は、プリント中継サービスリクエスタ308がプリント中継サービスプロバイダ322に対し印刷中継リクエストを送信する。そして、プリント処理部324は、中継処理部320を介して印刷中継リクエストに含まれる印刷データを受信し、受信した印刷データを画像形成装置106に送信する。印刷データを受信した画像形成装置106の印刷処理部330は、印刷データであるPDF形式のファイルPCLなどのデータに変換し、画像形成部212でデータを紙にのせることにより印刷する。
【0038】
図6は、本実施例に係る情報処理システム1000の印刷ソフトウェア300によるプリンタ探索処理の一例を示したフローチャートである。印刷ソフトウェア300は、要求元モバイル端末102のCPUにより記憶装置からメモリにロードされたプログラムであり、CPUが該プログラムを実行する。
【0039】
まず、ユーザの入力によってOSが印刷ソフトウェア300を起動し、印刷対象のファイルのパスを印刷ソフトウェアに通知する。S601で、通知を受けた印刷ソフトウェア300は、画像形成装置106の探索を開始する。つまり、プリント制御部302が探索制御部304に探索要求を行い、探索サービスリクエスタ305が探索する。探索サービスリクエスタ305は、無線通信装置を介して無線電波に乗せて探索リクエストをブロードキャスト送信する。
【0040】
S602で、探索リクエストに対して画像形成装置106が応答した場合、探索サービスリクエスタ305は画像形成装置106のプリンタ情報を取得する。S603で、探索制御部304はそのプリンタ情報をプリンタリストに追加する。図7は、探索サービスリクエスタ305がPrinterAを見つけた場合のリストデータを示す。
【0041】
探索サービスリクエスタ305がS602で行った探索リクエストに対して応答を得られなかった場合、プリンタリストには何も追加されない。画像形成装置106をみつけられなかった場合、S605で探索制御部304は、探索中継サービスリクエスタ306を呼ぶ。そして探索中継サービスリクエスタ306は、中継して画像形成装置106を探索できる中継モバイル端末100があるかどうかを探索する。
【0042】
なお、探索サービスリクエスタ305が直接接続できる画像形成装置106を見つけた場合に、プリント制御部302は、中継先を探さず探索を終了するかどうか判断する(S604)。この時に、プリント制御部302は、ディスプレイに中継して画像形成装置106を探すかどうかを選択する画面を、表示部311を介して表示し、ユーザの選択を受けて探索制御部304が次の処理を行う。すなわち、中継して探索を行う場合、S605で探索制御部304は、中継して探索できる中継モバイル端末100があるかどうかを探索する。探索制御部304は、探索中継サービスリクエスタ306を呼び無線通信装置を用いて探索中継リクエストを無線電波に乗せてブロードキャスト送信する。
【0043】
S606で、画像形成装置106が探索中継リクエストに対して応答し、探索中継サービスプロバイダ321が画像形成装置106のプリンタ情報を取得する。探索中継サービスプロバイダ321は、取得したプリンタ情報を探索中継サービスリクエスタ306に送信する。S607で、探索中継サービスリクエスタ306は、受け取ったプリンタ情報を探索制御部304に渡し、探索制御部304はプリンタ情報をプリンタリストに追加する。すなわち、探索中継サービスリクエスタ306は、探索結果を取得する取得手段として機能する。
【0044】
図8は、探索中継サービスリクエスタ306が、PrinterAとPrinterBが見つかった探索結果をMobile−100から受け取った場合のリストデータを示す。具体的には、データは図8に示すようにプリンタID、プリンタ位置および中継先のデータである。要求元モバイル端末102の表示部311は、プリント制御部302が作成したリスト化されたプリント情報の画面を表示する。すなわち、表示部311は、画像形成装置106の位置情報と中継モバイル端末100に対応する識別情報とを表示する表示手段として機能する。S606で、探索中継サービスプロバイダ321が、探索中継リクエストに対して応答を得られなかった場合、探索制御部304はプリンタリストに何も追加しない。プリント制御部302は、図6に示す処理によって探索制御部304が作成したプリンタリストを受け取り、表示部311にリスト表示する。図9に図8のプリンタリストを表示したディスプレイの画面を示す。プリント制御部302は、表示部311を介して表示する際、同一のプリンタ情報は結合し、一つの表示にするが、別々に表示してユーザに選択させてもよい。
【0045】
図10は、本実施例に係る情報処理システム1000の中継ソフトウェア301によるプリンタ探索中継処理の一例を示したフローチャートである。中継ソフトウェア301は、中継モバイル端末100のCPU200により記憶装置202からメモリ201にロードされたプログラムであり、CPU200が該プログラムを実行される。OSが起動する時に中継ソフトウェア301も起動される。
【0046】
中継ソフトウェア301が起動されると、S1001で中継処理部320は、探索中継サービスプロバイダを呼び、要求を受信できる状態にしておく。S1002で、探索中継サービスプロバイダ321は、要求元モバイル端末102の探索中継サービスリクエスタ306が送信した探索中継リクエストを受信する。S1003で、探索中継サービスプロバイダ321は中継処理部320に探索中継リクエストを伝え、中継処理部320が探索中継条件の確認を行う。探索中継条件が中継しない設定の場合、S1004で探索中継サービスプロバイダ321は、判断結果として、探索中継サービスリクエスタ306に対して中継拒否を示す情報を返す。中継する設定の場合、S1005で中継処理部320は機器情報取得部325から機器情報を取得し、探索中継条件の確認を行う。S1006で、中継処理部320は、各種情報に基づき中継するか否かの判断を行う。探索条件は、限定しないが例えば以下の条件が挙げられる。
1.端末ID
2.充電中か否か
3.電池残量
4.ディスプレイの状態
5.操作ロックの状態
6.モバイル上のアプリケーションの起動状態
7.移動中か否か
8.特定のアカウント、グループであるか否か
9.中継端末の能力
【0047】
端末IDを用いて判断する場合、中継処理部320は、探索中継リクエストの情報に含まれるリクエスト送信元の端末IDを使用し、あらかじめ登録しておいた中継を許可する端末か否かを判断する。登録していなかった、つまり許可しない端末であった場合、要求元モバイル端末102の探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。中継を拒否する場合、探索中継サービスプロバイダ321は応答を返さない構成でもよい。端末IDはモバイル端末ごとにユニークなIDであり、GUIDやMACアドレスなどを使用する。
【0048】
充電中か否かに基づいて判断する場合、機器情報取得部325は、電源装置203が充電中かどうかを確認する。本実施例では、充電中でなかった場合、ユーザが機器を使用中であると判断し、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。電池残量で判断する場合、機器情報取得部325は、電源装置203の電池残量を確認する。電池残量が一定量以下であった場合、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。
【0049】
ディスプレイ204の状態で判断する場合、機器情報取得部325は、ディスプレイ204の状態を確認する。ディスプレイ204が表示状態になっていた場合、例えばディスプレイ204に写真や動画画像が表示されている場合、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。操作ロックの状態で判断する場合、機器情報取得部325はOSの操作ロック機能を確認し、操作ロックがされているか否かの確認を行う。
【0050】
モバイル上のアプリケーションの起動状態で判断する場合、機器情報取得部325はOSに問い合わせ、起動中のアプリケーションのリストを取得する。そしてアプリケーションの状態に応じて、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。例えば、起動中のアプリケーションの数が一定数以上である場合や特定のアプリケーションが起動していた場合に探索中継サービスプロバイダ321が中継拒否を返すようにすることができる。
【0051】
移動中か否かで判断する場合、機器情報取得部325は、センサー部207やGPS208の情報を取得し、その情報に基づいて移動中か否かを判断する。例えば、モーションセンサーの情報が絶えず変化している場合や、GPS208の情報が一定時間ごとに一定量以上の変化量があった場合に、中継処理部320は移動中であるとみなす。そして探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306中継拒否を示す情報を返す。
【0052】
特定のアカウント、グループであるか否かで判断する場合、探索中継リクエストにリクエスト元のアカウントやグループの情報を含める。その情報を元に中継を許可するアカウントおよびグループであるか否かを確認し、許可しないアカウントおよびグループであった場合、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。
【0053】
中継モバイル端末100の能力で判断する場合、探索中継リクエストにリクエスト元の端末情報を含める。例えば、スマートフォンかタブレットかという情報やCPUの情報などを含める。そして、機器情報取得部325はOSから端末の種類情報、CPUの情報を取得し、中継端末の能力が探索中継リクエストの要求元の能力より低い場合、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。低いか高いかの判断は、例えば、CPUで判断する場合はクロック数の比較などで判断する。モバイル端末の種類で判断する場合は、例えばスマートフォンよりタブレットのほうが能力は高いと判断する。
【0054】
上述した探索条件設定では、探索中継サービスプロバイダが探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。上述した中継拒否を示す情報は、中継拒否の理由を含んでもよい。例えば移動中か否かで判断する場合、探索中継サービスプロバイダ321は、移動中の情報を含めた中継拒否を返す。ユーザは、要求元モバイル端末102のディスプレイ上で移動中の情報を含めた中継拒否を確認し、一定時間が経過した後に改めて探索中継を行うという選択肢を得ることができる。
【0055】
図11は、中継モバイル端末100の表示部326に表示される、探索条件の設定画面の一例を示す。探索条件は設定項目ごとにそれぞれオン・オフができる。S1007で、中継処理部320が探索中継条件の設定を確認し、中継を許可する設定であった場合、探索処理部323が画像形成装置106の探索処理を行う。探索処理は、前述した図6に示す処理と同様の処理のため省略する。
【0056】
探索処理部323が画像形成装置106の探索を実行した結果、S1008で、画像形成装置106取得できた場合、探索処理部323はプリンタリストを探索中継サービスプロバイダ321に渡す。探索中継サービスプロバイダ321は、受け取ったプリンタリストを探索中継サービスリクエスタ306に返す。なお、本実施例では画像形成装置106の探索を例にして記載したが、中継するという処理においては画像形成装置以外の探索に適応することもでき、探索以外の機能にも適応することができる。
【0057】
図12は、本実施例に係る情報処理システムの印刷ソフトウェア300による印刷処理の一例を示したフローチャートである。前述したプリンタ探索処理が行われると、図9に示す要求元モバイル端末102のディスプレイ画面には、印刷できるプリンタリストが表示される。S1201で、ユーザは、プリントリストから印刷する画像形成装置106を選択する。ユーザの入力によりOSがタッチパネル入力装置の信号を受け、印刷ソフトウェア300に入力情報を伝える。
【0058】
S1202で、プリント制御部302は、選択した画像形成装置106が印刷ソフトウェア300を実行している要求元モバイル端末102から直接印刷要求ができる画像形成装置であるか否かを判断する。プリント制御部302は、プリンタリストの情報にRelayDeviceの情報がない場合、直接印刷できると判断する。例えば、図8のプリンタリストの場合、PrinterAは直接印刷でき、PrinterBは直接印刷できないことを示している。S1203で、プリント制御部302が直接印刷要求できる画像形成装置106であると判断した場合、該画像形成装置106に接続する。具体的には、プリント制御部302がプリント処理部310に印刷リクエストを依頼する。そしてプリントサービスリクエスタ309はプリント処理部310から印刷リクエストを受け取り、該画像形成装置106に印刷リクエストとともに接続を要求する(S1204)。
【0059】
S1205で、画像形成装置106は、プリントサービスプロバイダから印刷リクエストを受け取ると、印刷データをPCLなどのデータに変換し、印刷を実行する。
【0060】
S1201でユーザが選択した画像形成装置106に直接接続できない、または直接接続できるが接続できなかった場合、S1206でユーザは選択した画像形成装置106に接続できる中継先を選択する。そして、その接続先に接続するために、プリント中継サービスリクエスタ308は、接続先のプリント中継サービスプロバイダ322に印刷中継リクエストを送信する。
【0061】
印刷中継リクエストは中継先の端末IDを含んでおり、印刷中継リクエストを受信したプリント中継サービスプロバイダ322は、自身の端末IDと受信した端末IDを比較する。比較の結果同じであればプリント中継サービスプロバイダ322はプリント中継サービスリクエスタ308に応答する。プリント中継サービスリクエスタ308は印刷中継リクエストの応答を受信することで中継先と接続する(S1207)。
【0062】
S1208で、プリント中継サービスプロバイダ322から印刷中継リクエストに対する応答がない場合、プリント制御部302は要求した中継先に接続できないと判断する。S1209でプリント制御部302は、プリント中継サービスリクエスタに、選択した画像形成装置106に接続できる他の中継先を探すように指示を出す。選択した画像形成装置106に接続できる他の中継先が見つからなかった場合、S1210で、プリント制御部302は要求元モバイル端末102のディスプレイ上に、再度画像形成装置106の探索を行うかどうかの選択画面を表示する。
【0063】
S1211で、ユーザが再び探索を選択した場合、探索制御部304は図6を参照して説明したプリンタ探索処理を再度実行する。画像形成装置106が見つかった場合、探索制御部304はプリンタリストを再取得し、プリントリストの情報に基づいてプリント制御部302が要求元モバイル端末102のディスプレイにプリンタリストを表示する。S1201で、ユーザが再探索を選択しなかった場合、印刷処理はキャンセルされ終了する。
【0064】
S1208で、プリント中継サービスプロバイダ322から印刷中継リクエストの応答があり中継先が見つかった場合、プリント制御部302は応答に含まれる情報を確認する。S1212で、プリント制御部302は応答情報から選択した画像形成装置106につながらなかったことを示すステータスを取得した場合、S1209に進み、選択した画像形成装置106に接続できる他の中継先を探す。応答情報から中継モバイル端末100が画像形成装置106に正常に接続できるステータスを取得した場合、プリント制御部302は印刷データを作成する。印刷データがPDFファイルでない場合は、ファイル変換部がPDFファイルに変換する。
【0065】
S1213で、プリント制御部302は、作成した印刷データをプリント中継サービスリクエスタ308に渡す。プリント中継サービスリクエスタ308は受け取った印刷データをプリント中継サービスプロバイダ322に渡す。そしてプリント処理部324は、印刷データを画像形成装置106の印刷処理部330に送信する。すなわち、プリント中継サービスプロバイダ322およびプリント処理部324は、印刷要求を受信し、受信した印刷要求を印刷出力先とされた画像形成装置106に対して中継する印刷中継手段として機能する。以上の処理により印刷データを受け取った画像形成装置106の画像形成部212は印刷を実行する。
【0066】
図13は、本実施例に係る情報処理システム1000の中継ソフトウェア301による印刷中継処理の一例を示したフローチャートである。S1301で中継ソフトウェア301が起動されると印刷要求を受信できる状態になる。S1302で、プリント中継サービスプロバイダ322は、要求元モバイル端末102のプリント中継サービスリクエスタ308が送信した印刷中継リクエストを受信する。S1303で、中継処理部320が中継するか否かを判断し、中継を行う場合、印刷中継リクエストに含まれる画像形成装置106の端末IDを取得し、画像形成装置106に接続する。
【0067】
S1304で、画像形成装置106に接続でき、印刷できることを確認すると、S1305でプリント中継サービスプロバイダ322は、印刷ができることを示すステータスをプリント中継サービスリクエスタ308に返す。画像形成装置106に接続できなかった場合、S1306で画像形成装置106が見つからなかったことを示すステータスをプリント中継サービスリクエスタ308に返す。
【0068】
プリント中継サービスプロバイダ322は印刷できることを示すステータスを返した場合、次にプリント中継サービスリクエスタ308から印刷データを受信する。プリント処理部324が、受信した印刷データを印刷要求を受けた画像形成装置106の印刷処理部330に送信することで印刷が行われる(S1307)。この印刷方法は、中継モバイル端末内の不図示のプリンタドライバを使用し、LAN経由で画像形成装置106に印刷を指示してもよい。また、プリントサービスプロバイダを持つ画像形成装置に接続して印刷データを送信し印刷を指示してもよい。印刷が終了したときに、プリント処理部324は印刷処理部330から印刷が終了したことを示す情報を受信する。S1308で、プリント中継サービスプロバイダ322は、プリント中継サービスリクエスタ308に印刷が終了したことを示すステータスを返す。
【0069】
中継モバイル端末100を介して画像形成装置106が印刷する場合、要求元モバイル端末102の印刷データが中継モバイル端末100に読み取られる可能性がある。ユーザは、例えば以下のように一般的な公開鍵暗号方式を用いて暗号化することもできる。具体的には、要求元モバイル端末102が中継モバイル端末100を中継して画像形成装置106に接続できたとする。すると画像形成装置106側で暗号化キーを生成し、該暗号キーとジョブIDを中継モバイル端末100を経由して要求元モバイル端末102に渡す。すなわち画像形成装置106は、印刷データを暗号化するための暗号化情報を生成する暗号化手段として機能する。
【0070】
プリント制御部302は、プリント中継サービスリクエスタ308から暗号キーとジョブIDを受け取ると、印刷データとジョブIDを暗号化して中継モバイル端末301に送信する。中継モバイル端末301は受信した、暗号化された印刷データとジョブIDを画像形成装置106に渡す。画像形成装置106は、ジョブIDと対に記憶しておいた復号化キーを用いて暗号化された印刷データを復号化し印刷する。この仕組みにより中継先に印刷データを読まれなくすることができるのでユーザビリティーが向上する。
【0071】
また、本実施例では要求元モバイル端末で印刷データの生成を行ったが、要求元モバイル端末側ではファイルを変換せずに送信して、中継モバイル端末側で印刷データにファイル変換する構成でもよい。
【0072】
以上述べたように、実施例1では、自端末から画像形成装置106を探索できない場合は他の端末に探索中継を依頼し、中継によって画像形成装置106を探索し、印刷することができる。また、自端末が中継を行う場合は状況に応じて中継するか否かを判断することができる。
【0073】
(実施例2)
図14は、実施例2の情報処理システムの中継ソフトウェアによる、多重中継を行うプリンタ探索処理の一例を示したフローチャートである。ここで行われる処理は、前述した図6に示したプリンタ探索処理の一部を変更したものであるため、変更がある部分のみ説明し、類似する処理は省略する。
【0074】
探索制御部304は、プリンタ探索を行う時に探索制限情報として、探索中継リクエストに探索レベルと探索IDを追加で付加する。そして探索中継サービスリクエスタ306は、探索レベルと探索IDが付加された探索中継リクエストを探索中継サービスプロバイダ321に送信する。探索レベルとは、要求元モバイル端末102を起点として何段階まで探索要求元のモバイル端末から探索要求先のモバイル端末に対して探索要求を行うかを示すレベルである。探索IDとは、中継ソフトウェア301がプリンタ探索処理を一意に識別するための識別情報である。中継処理部320は、この探索レベルを使用して何段階まで中継するか、例えば中継回数を制御する。
【0075】
S1401で、中継処理部320は、探索中継リクエストを受け取ると、まず探索IDを確認し、すでに一度受け取った探索IDか否かを確認する。これは、探索中継リクエストを受信して中継処理を行う時に探索IDを記憶しておき、次にリクエストを受信したときに記憶しておいた探索IDのリストと同じ探索IDかどうかを判断するためである。すでに受信した探索IDであった場合は中継処理を行わずに終了する。S1401で、中継処理部320が一度も受け取ったことがない探索IDであると判断した場合、S601〜S603の処理に進む。
【0076】
S1402で、中継処理部320は、次に探索中継を行う前に探索レベルの確認を行う。探索レベルが0でなければ、S1403で中継処理部320は探索レベルを1減算し中継処理を行う。そして、次の中継先に探索中継リクエストを送信するときに1減算した探索レベルの情報を付加する(S1404)。これにより、探索レベルを1に設定したときには一つ中継を行うところまで探索を行い、探索レベルが2の場合には2つ中継を行うところまで探索処理を行うことができるようになる。
【0077】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そしてそのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0078】
100 中継モバイル端末
102 要求元モバイル端末
106 画像形成装置
300 印刷ソフトウェア
301 中継ソフトウェア
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、制御方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが操作する携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末とプリンタとがBluetooth(登録商標)やWi−Fi Directなどの無線通信手段で直接接続されたシステムが提案されている。このシステムを利用して、モバイル端末が直接プリンタに対してモバイル端末が有する印刷データの印刷要求を行うことによって、プリンタに印刷出力させることが考えられる。
【0003】
モバイル端末とプリンタと直接接続して印刷を行う場合、モバイル端末は近くに存在する印刷できるプリンタを探索し、探索できたプリンタに対して印刷要求を行う。しかし、モバイル端末の近くにプリンタがない場合や、プリンタが無線通信手段を持っていない場合には、モバイル端末は印刷要求先のプリンタを探索することができない。
【0004】
特許文献1は、2つのステーション間で直接通信できない場合に、他のステーションが無線波によるフレームの中継を行う無線データ通信方法を開示する。この方法では、各ステーションの電波到達範囲の少なくとも一部が重なり合うように各ステーションを配置することにより実現される。また、特許文献2は、サービス検索装置がサービス検索要求を送信し、サービス検索要求に応答したサービス提供装置から、該サービス提供装置が保持する他のサービス提供装置の情報を受信するサービス検索方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−97821号公報
【特許文献2】特開2010−211472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1及び特許文献2が開示する技術を適用して、モバイル端末が、印刷要求先とするプリンタ(画像形成装置)の探索を、他のモバイル端末に対して要求(探索要求)する印刷システムが考えられる。この印刷システムにおいては、探索要求を受けたモバイル端末が画像形成装置を探索し、探索結果を探索要求元のモバイル端末に返す(探索中継を実行する)。
【0007】
しかし、この印刷システムでは、探索要求を受けたモバイル端末は、探索中継を実行するか否かを判断することなく、必ず探索中継を実行する。従って、この印刷システムによっては、例えばユーザがモバイル端末を携帯して移動中である場合や、モバイル端末の電池残量が少ない場合等、探索中継をするのが適当でない場合であっても、探索中継がされてしまう。
【0008】
また、上述した特許文献1及び特許文献2は、ユーザが操作する装置が他の装置を介して画像形成装置に印刷要求を行うことは開示していない。従って、特許文献1及び特許文献2が開示する技術を適用した印刷システムによっては、モバイル端末が他のモバイル端末を介して画像形成装置に対して印刷要求を行うことができない。すなわち、この印刷システムによっては、モバイル端末が印刷要求を中継することを通じて、画像形成装置に印刷出力させることができない。
【0009】
本発明は、上記の課題の少なくとも一つを解決するためになされたものである。本発明は、画像形成装置の探索要求を受け付け、この探索要求に応じて画像形成装置の探索中継を実行するかを判断し、探索中継を実行すると判断した場合に探索中継を実行する情報処理装置を備える情報処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態の情報処理システムは、印刷を要求する第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置からの要求をネットワークを介して中継する少なくとも1つの第2情報処理装置と、前記第1情報処理装置または前記第2情報処理装置からの印刷要求に応じて印刷を実行する画像形成装置とを備えた情報処理システムであって、前記第1情報処理装置は、前記画像形成装置を探索する探索手段と、印刷データを生成し、前記画像形成装置に対して、前記生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示手段と、前記探索手段が前記画像形成装置を探索できなかった場合に、前記第2情報処理装置に対して探索要求を行う探索要求手段とを備える。また、前記第2情報処理装置は、前記画像形成装置の探索要求を受け付ける要求受け付け手段と、前記要求受け付け手段が受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を前記第1情報処理装置に返す探索中継手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態の情報処理システムによれば、画像形成装置の探索要求を受け付けた情報処理装置は、この探索要求に応じて画像形成装置の探索中継を実行するかを判断した場合にのみ、画像形成装置を探索して探索結果を探索要求元に返す。従って、情報処理装置は、情報処理装置の状態に応じて探索中継を拒否することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1のシステム構成例を示す図である。
【図2】情報処理システムを構成する各装置のハードウェア構成を示す。
【図3】情報処理システムのソフトウェア構成の一例を示した図である。
【図4】探索結果のプリンタリストのデータ構造例を示す図である。
【図5】モバイル端末の表示画面に表示される探索結果のプリンタリストの一例を示す図である。
【図6】プリンタ探索処理を説明するフローチャートの例である。
【図7】探索結果のプリンタリストのデータ構造例を示す別の図である。
【図8】探索結果のプリンタリストのデータ構造例を示す別の図である。
【図9】モバイル端末の表示画面に表示される図8のプリンタリストの例を示す図である。
【図10】プリンタ探索中継処理を説明するフローチャートの例である。
【図11】モバイル端末の表示画面に表示される探索中継条件の設定画面の例を示す図である。
【図12】印刷処理を説明するフローチャートの例である。
【図13】印刷中継処理を説明するフローチャートの例である。
【図14】多重中継を行うプリンタ探索処理を説明するフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1)
図1は、本実施形態の情報処理システム1000のハードウェア構成例を示す。図1に示す情報処理システム1000は、モバイル端末100、102、および画像形成装置106を備える。モバイル端末100、102は情報処理装置として機能し、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを実行することができる。モバイル端末100は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fiなどの無線通信手段によってモバイル端末102や無線アクセスポイント104と接続する。また、無線アクセスポイント104はネットワーク105を介して画像形成装置106と通信することができる。図1の通信範囲101に示すように、無線通信手段で接続できる距離は、接続方式によって異なるが一般的に10m〜100m程度である。
【0014】
本実施例では、モバイル端末100は、第1情報処理装置として機能し、無線アクセスポイント104およびネットワーク105を経由して、画像形成装置106と接続する。ユーザは、モバイル端末100から文書データなど印刷を行いたいデータを画像形成装置に送信する。画像形成装置は印刷可能なデータに受け取ったデータを変換し印刷を行う。モバイル端末102は、第2情報処理装置として機能し、無線通信手段によってモバイル端末100と接続する。モバイル端末102は、通信範囲103の範囲内に存在する機器と接続することができる。本実施例では、モバイル端末102は無線アクセスポイントに対してアクセスするための情報がないため、接続することができない。
【0015】
図2は、本実施形態の情報処理システム1000のハードウェア構成例を示す。図2に示すモバイル端末100、102のハードウェア構成図は、一般的なモバイル端末のハードウェア構成図に相当する。モバイル端末としては、例えばスマートフォン、ノートPC、タブレット端末などが挙げられる。モバイル端末102のハードウェア構成はモバイル端末100のハードウェア構成と同様であり、以下ではモバイル端末100を参照して構成を説明する。
【0016】
モバイル端末100はCPU200、メモリ201、記憶装置202を備える。CPU200は、記憶装置202に記憶されたOSのプログラムをメモリ201にロードし、OS上で様々なアプリケーションプログラムを実行する。OSとは、モバイル端末上で稼動するオペレーティングシステムの略語であり、以下オペレーティングシステムのことをOSと呼ぶ。メモリ201は、例えばCPU200のワークエリアとして機能する。
【0017】
また、モバイル端末100は電源装置、ディスプレイ204、タッチパネル入力装置205、および無線通信装置206を備える。電源装置203は、モバイル端末の各装置に電力を供給する。電源装置203は、モバイル端末内に内蔵するバッテリーや、電源ケーブルと接続して外部の電力供給源から取得する。ディスプレイ204は、出力デバイスである。タッチパネル入力装置205は、入力を制御するポインティングデバイスである。無線通信装置206は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fiなどの方式を使用して、無線通信機能を備える他の機器と接続する。例えば、無線アクセスポイント104の無線通信装置や別のモバイル端末102の無線通信装置と接続し、データの送受信を行う。
【0018】
また、モバイル端末100はセンサー部207を備える。センサー部207は、各種センサーを備えており、各センサーで得られた情報をメモリ上に記憶する。センサーの種類としては、機器の動きを検知するモーションセンサー、機器の向きを検知する方位センサー、周囲の温度を検知する温度センサーなどが挙げられる。記憶装置202に記憶されたOSは、センサーによって記憶された情報を読み取ることにより、センサーの情報を得る。この情報を用いて、アプリケーションは動作を切り替えたりすることができる。
【0019】
また、モバイル端末100はGPS208も備える。GPS208は、位置情報を得るためのシステムであり、取得した位置情報をメモリ上に記憶する。センサーの情報と同様に、取得した位置情報はアプリケーションによって使用され、様々なサービスを提供する。
【0020】
無線アクセスポイント104は、無線通信装置209、ネットワークインターフェース210、および通信制御部211を備える。ネットワークインターフェース210は、LANなどのネットワーク105に接続する。通信制御部211は、無線通信装置209で受信したデータをネットワーク105を介して、例えば画像形成装置106に転送する。また、逆にネットワーク105を介して画像形成装置106から受信したデータを無線通信装置209に転送する。この仕組みにより、モバイル端末100は、ケーブルで直接接続している状態と同様に画像形成装置106にアクセスすることができる。
【0021】
画像形成装置106は、デジタル複合機である。画像形成装置106は、画像形成部212、デジタル複合機制御部213、ネットワークインターフェース214、およびプリント処理部215を備える。
【0022】
画像形成部212は、紙のハンドリングや画像転写・定着等の一連の画像形成プロセスを実行して、記録紙などの記録媒体上に画像を形成する。画像形成部212は、例えばインクジェットプリンタや電子写真方式の画像形成ユニットを備える。デジタル複合機制御部213は、画像形成部212の動作を制御する。例えば、デジタル複合機制御部213は、ネットワークインターフェース214を通して受信したデータをプリント処理部215により画像形成部212が解釈できるデータに変換する。デジタル複合機制御部213が変換したデータを画像形成部212に渡すことにより、画像形成部212は、ネットワーク経由で取得したデータを基に印刷処理する。
【0023】
図3は、本実施形態の情報処理システム1000のソフトウェア構成例を示す。情報処理システム1000は、要求元モバイル端末102と、中継モバイル端末301と、画像形成装置106を備える。中継モバイル端末100と要求元モバイル端末102は、同様の構造を持つ端末であり、各々が印刷ソフトウェア300と中継ソフトウェア301の両方を備える。モバイル端末100とモバイル端末102は、本実施例において役割が異なるため、以後モバイル端末100を中継モバイル端末、モバイル端末102を要求元モバイル端末と呼ぶ。
【0024】
要求元モバイル端末102には、印刷ソフトウェア300がOSにインストールされている。印刷ソフトウェア300は、要求元モバイル端末102の記憶装置202に記憶されており、ユーザまたはOSからの起動要求を受けて、OSがメモリ201上にモジュールを展開することで実行される。
【0025】
また、中継モバイル端末100には、中継ソフトウェア301がインストールされている。中継ソフトウェア301は、中継モバイル端末100の記憶装置に記憶されており、OSからの起動要求を受けて、OSがメモリ上にモジュールを展開することで実行される。
【0026】
印刷ソフトウェア300は、印刷要求を行うためのソフトウェアである。ユーザは、OS上に存在するファイルを管理するアプリケーション上でファイルを選択する。選択されたファイルを他のアプリケーションに渡すために、ユーザが印刷ソフトウェア300を選択することによって、OSは印刷ソフトウェア300を起動する。印刷ソフトウェア300は、起動時にOSからファイルのパスを受け取り、ファイル管理部303がOSにファイルの取得を要求する。OSは印刷ソフトウェア300のファイル管理部303からファイルの取得要求を受け、ファイルのパスから記憶装置202のどの場所に記憶されているかを特定し、ファイルのデータを取得する。
【0027】
印刷ソフトウェア300は、プリント制御部302、ファイル管理部303、探索制御部304、探索サービスリクエスタ305、および探索中継サービスリクエスタ306を備える。また、印刷ソフトウェア300は、ファイル変換部307、プリント中継サービスリクエスタ308、プリントサービスリクエスタ309、プリント処理部310および表示部311も備える。
【0028】
次に、中継ソフトウェア301の各機能について説明する。中継ソフトウェア301は中継処理部320、探索中継サービスプロバイダ321、探索処理部323、プリント処理部324、および機器情報取得部325を備える。また、中継ソフトウェア301は、プリント中継サービスプロバイダ322および表示部326も備える。
【0029】
画像形成装置106は、印刷処理部330を備える。画像形成装置106は、要求元モバイル端末102または中継モバイル端末100から印刷要求を受け付けた際に、画像形成部212でデータを紙にのせることにより印刷する。
【0030】
次に、各ソフトウェア300、301が備える機能について説明する。プリント制御部302は、印刷処理を制御し実行する。プリント制御部302は、まず探索制御部304にプリンタ探索要求を送る。探索制御部304は、探索サービスリクエスタ305を呼ぶ。探索サービスリクエスタ305は、無線通信装置206を介して画像形成装置106を探索する。すなわち、探索サービスリクエスタ305は、画像形成装置106を探索する探索手段として機能する。画像形成装置106が存在し、探索サービスリクエスタ305のリクエストに対して応答があった場合、探索サービスリクエスタ305は画像形成装置106からプリンタ情報を取得する。探索中継サービスリクエスタ306が画像形成装置106から応答を得られなかった場合、探索制御部304は、探索中継サービスリクエスタ306を呼ぶ。
【0031】
探索中継サービスリクエスタ306は、探索サービスリクエスタ305が画像形成装置106から応答を得られなかった場合、探索中継サービスプロバイダ321に探索中継のリクエストを送信する。すなわち、探索中継サービスリクエスタ306は、画像形成装置106を探索するために、探索要求を行う探索要求手段として機能する。探索中継サービスプロバイダ321は、探索中継サービスリクエスタ306のリクエストに対して応答を返すことにより存在を通知し、通信可能に接続する。すなわち探索中継サービスプロバイダ321は、探索中継サービスリクエスタ306から画像形成装置106の探索要求を受け付ける要求受け付け手段として機能する。通信範囲内に探索中継サービスプロバイダ321を持つ機器がいない場合は、探索中継サービスリクエスタ306は応答を取得できない。
【0032】
探索中継のリクエストを受けた探索中継サービスプロバイダ321は、中継リクエストを中継処理部320に伝える。中継処理部320は判断手段として機能し、リクエストを中継するかどうかを判断する。中継する場合、判断結果として探索処理部323に探索処理要求を行う。探索処理部323は、探索サービスリクエスタ305と同様の機能を有し、画像形成装置106の探索を行う。つまり、探索処理部323は、探索の中継要求を受けた場合は探索中継を行うが、中継モバイル端末100が要求元モバイル端末102である場合は、画像形成装置106を直接探索する探索手段として機能する。機器情報取得部325は、図2に示す各センサー部207、GPS208、電源装置203から各種情報を収集し、収集した情報に基づいて中継するか否かを判断する。すなわち、機器情報取得部325は、装置情報を収集する収集手段として機能する。探索処理部323は、自端末で可能な探索方式を用いて探索を行う。中継ソフトウェア301が探索サービスプロバイダを持つ場合は、該探索サービスプロバイダが画像形成装置106を探索する。中継モバイル端末100がプリンタンドライバを登録している場合は、登録している画像形成装置106の情報を探索中継サービスリクエスタ306に返す。すなわち、探索中継サービスプロバイダ321および探索処理部323は、画像形成装置106の探索処理を実行して探索結果を探索中継サービスリクエスタ306に返す探索中継手段として機能する。
【0033】
探索制御部304は、探索サービスリクエスタ305または探索中継サービスリクエスタ306が受信したプリンタ情報を基に、プリンタ情報をリスト化する。プリント制御部302は、リスト化したプリンタ情報を表示させるための画面を作成し、表示部311から表示させる。
【0034】
図4は探索結果のプリンタリスト情報例を示し、図5は探索結果の表示例を示す。探索制御部304は、探索によって見つかった数だけリストにプリンタ情報を追加する。図4に示すデータ構造は、探索中継サービスリクエスタ306のリクエストよりMobile−100からPrinterAの情報が返ってきた場合のリスト情報を示す。図5は、図4のリスト情報をプリント制御部302が表示部311に表示を要求しディスプレイに表示した状態を示す。
【0035】
ユーザは、ディスプレイに表示された図5に示すリストをタッチすることにより、タッチパネル入力装置205を介してリストを選択する。タッチパネル入力装置205からの情報はOSに伝わる。OSは印刷ソフトウェアにユーザの選択した情報を伝える。プリント制御部302は、ユーザが選択したプリンタ情報を受け取ると、印刷データを作成する。
【0036】
印刷データの一例として、本実施例ではPDF形式のファイルを印刷データとする。PDF以外のファイルであった場合は、ファイル変換部307がPDF形式のファイルに変換する。次に、プリント制御部302は、プリント処理部310対して印刷要求を出す。中継先を必要とせず、画像形成装置106に直接接続できる場合は、プリント処理部310がプリントサービスリクエスタ309に印刷要求を伝える。印刷要求を受け取ったプリントサービスリクエスタ309は、探索制御部304が作成したプリンタリスト情報を用いてユーザが選択した画像形成装置106に印刷リクエストを送信する。すなわち、プリント制御部302およびプリントサービスリクエスタ309は、印刷データの印刷を指示する印刷指示手段として機能する。
【0037】
中継先を必要とする場合は、プリント中継サービスリクエスタ308がプリント中継サービスプロバイダ322に対し印刷中継リクエストを送信する。そして、プリント処理部324は、中継処理部320を介して印刷中継リクエストに含まれる印刷データを受信し、受信した印刷データを画像形成装置106に送信する。印刷データを受信した画像形成装置106の印刷処理部330は、印刷データであるPDF形式のファイルPCLなどのデータに変換し、画像形成部212でデータを紙にのせることにより印刷する。
【0038】
図6は、本実施例に係る情報処理システム1000の印刷ソフトウェア300によるプリンタ探索処理の一例を示したフローチャートである。印刷ソフトウェア300は、要求元モバイル端末102のCPUにより記憶装置からメモリにロードされたプログラムであり、CPUが該プログラムを実行する。
【0039】
まず、ユーザの入力によってOSが印刷ソフトウェア300を起動し、印刷対象のファイルのパスを印刷ソフトウェアに通知する。S601で、通知を受けた印刷ソフトウェア300は、画像形成装置106の探索を開始する。つまり、プリント制御部302が探索制御部304に探索要求を行い、探索サービスリクエスタ305が探索する。探索サービスリクエスタ305は、無線通信装置を介して無線電波に乗せて探索リクエストをブロードキャスト送信する。
【0040】
S602で、探索リクエストに対して画像形成装置106が応答した場合、探索サービスリクエスタ305は画像形成装置106のプリンタ情報を取得する。S603で、探索制御部304はそのプリンタ情報をプリンタリストに追加する。図7は、探索サービスリクエスタ305がPrinterAを見つけた場合のリストデータを示す。
【0041】
探索サービスリクエスタ305がS602で行った探索リクエストに対して応答を得られなかった場合、プリンタリストには何も追加されない。画像形成装置106をみつけられなかった場合、S605で探索制御部304は、探索中継サービスリクエスタ306を呼ぶ。そして探索中継サービスリクエスタ306は、中継して画像形成装置106を探索できる中継モバイル端末100があるかどうかを探索する。
【0042】
なお、探索サービスリクエスタ305が直接接続できる画像形成装置106を見つけた場合に、プリント制御部302は、中継先を探さず探索を終了するかどうか判断する(S604)。この時に、プリント制御部302は、ディスプレイに中継して画像形成装置106を探すかどうかを選択する画面を、表示部311を介して表示し、ユーザの選択を受けて探索制御部304が次の処理を行う。すなわち、中継して探索を行う場合、S605で探索制御部304は、中継して探索できる中継モバイル端末100があるかどうかを探索する。探索制御部304は、探索中継サービスリクエスタ306を呼び無線通信装置を用いて探索中継リクエストを無線電波に乗せてブロードキャスト送信する。
【0043】
S606で、画像形成装置106が探索中継リクエストに対して応答し、探索中継サービスプロバイダ321が画像形成装置106のプリンタ情報を取得する。探索中継サービスプロバイダ321は、取得したプリンタ情報を探索中継サービスリクエスタ306に送信する。S607で、探索中継サービスリクエスタ306は、受け取ったプリンタ情報を探索制御部304に渡し、探索制御部304はプリンタ情報をプリンタリストに追加する。すなわち、探索中継サービスリクエスタ306は、探索結果を取得する取得手段として機能する。
【0044】
図8は、探索中継サービスリクエスタ306が、PrinterAとPrinterBが見つかった探索結果をMobile−100から受け取った場合のリストデータを示す。具体的には、データは図8に示すようにプリンタID、プリンタ位置および中継先のデータである。要求元モバイル端末102の表示部311は、プリント制御部302が作成したリスト化されたプリント情報の画面を表示する。すなわち、表示部311は、画像形成装置106の位置情報と中継モバイル端末100に対応する識別情報とを表示する表示手段として機能する。S606で、探索中継サービスプロバイダ321が、探索中継リクエストに対して応答を得られなかった場合、探索制御部304はプリンタリストに何も追加しない。プリント制御部302は、図6に示す処理によって探索制御部304が作成したプリンタリストを受け取り、表示部311にリスト表示する。図9に図8のプリンタリストを表示したディスプレイの画面を示す。プリント制御部302は、表示部311を介して表示する際、同一のプリンタ情報は結合し、一つの表示にするが、別々に表示してユーザに選択させてもよい。
【0045】
図10は、本実施例に係る情報処理システム1000の中継ソフトウェア301によるプリンタ探索中継処理の一例を示したフローチャートである。中継ソフトウェア301は、中継モバイル端末100のCPU200により記憶装置202からメモリ201にロードされたプログラムであり、CPU200が該プログラムを実行される。OSが起動する時に中継ソフトウェア301も起動される。
【0046】
中継ソフトウェア301が起動されると、S1001で中継処理部320は、探索中継サービスプロバイダを呼び、要求を受信できる状態にしておく。S1002で、探索中継サービスプロバイダ321は、要求元モバイル端末102の探索中継サービスリクエスタ306が送信した探索中継リクエストを受信する。S1003で、探索中継サービスプロバイダ321は中継処理部320に探索中継リクエストを伝え、中継処理部320が探索中継条件の確認を行う。探索中継条件が中継しない設定の場合、S1004で探索中継サービスプロバイダ321は、判断結果として、探索中継サービスリクエスタ306に対して中継拒否を示す情報を返す。中継する設定の場合、S1005で中継処理部320は機器情報取得部325から機器情報を取得し、探索中継条件の確認を行う。S1006で、中継処理部320は、各種情報に基づき中継するか否かの判断を行う。探索条件は、限定しないが例えば以下の条件が挙げられる。
1.端末ID
2.充電中か否か
3.電池残量
4.ディスプレイの状態
5.操作ロックの状態
6.モバイル上のアプリケーションの起動状態
7.移動中か否か
8.特定のアカウント、グループであるか否か
9.中継端末の能力
【0047】
端末IDを用いて判断する場合、中継処理部320は、探索中継リクエストの情報に含まれるリクエスト送信元の端末IDを使用し、あらかじめ登録しておいた中継を許可する端末か否かを判断する。登録していなかった、つまり許可しない端末であった場合、要求元モバイル端末102の探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。中継を拒否する場合、探索中継サービスプロバイダ321は応答を返さない構成でもよい。端末IDはモバイル端末ごとにユニークなIDであり、GUIDやMACアドレスなどを使用する。
【0048】
充電中か否かに基づいて判断する場合、機器情報取得部325は、電源装置203が充電中かどうかを確認する。本実施例では、充電中でなかった場合、ユーザが機器を使用中であると判断し、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。電池残量で判断する場合、機器情報取得部325は、電源装置203の電池残量を確認する。電池残量が一定量以下であった場合、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。
【0049】
ディスプレイ204の状態で判断する場合、機器情報取得部325は、ディスプレイ204の状態を確認する。ディスプレイ204が表示状態になっていた場合、例えばディスプレイ204に写真や動画画像が表示されている場合、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。操作ロックの状態で判断する場合、機器情報取得部325はOSの操作ロック機能を確認し、操作ロックがされているか否かの確認を行う。
【0050】
モバイル上のアプリケーションの起動状態で判断する場合、機器情報取得部325はOSに問い合わせ、起動中のアプリケーションのリストを取得する。そしてアプリケーションの状態に応じて、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。例えば、起動中のアプリケーションの数が一定数以上である場合や特定のアプリケーションが起動していた場合に探索中継サービスプロバイダ321が中継拒否を返すようにすることができる。
【0051】
移動中か否かで判断する場合、機器情報取得部325は、センサー部207やGPS208の情報を取得し、その情報に基づいて移動中か否かを判断する。例えば、モーションセンサーの情報が絶えず変化している場合や、GPS208の情報が一定時間ごとに一定量以上の変化量があった場合に、中継処理部320は移動中であるとみなす。そして探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306中継拒否を示す情報を返す。
【0052】
特定のアカウント、グループであるか否かで判断する場合、探索中継リクエストにリクエスト元のアカウントやグループの情報を含める。その情報を元に中継を許可するアカウントおよびグループであるか否かを確認し、許可しないアカウントおよびグループであった場合、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。
【0053】
中継モバイル端末100の能力で判断する場合、探索中継リクエストにリクエスト元の端末情報を含める。例えば、スマートフォンかタブレットかという情報やCPUの情報などを含める。そして、機器情報取得部325はOSから端末の種類情報、CPUの情報を取得し、中継端末の能力が探索中継リクエストの要求元の能力より低い場合、探索中継サービスプロバイダ321は探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。低いか高いかの判断は、例えば、CPUで判断する場合はクロック数の比較などで判断する。モバイル端末の種類で判断する場合は、例えばスマートフォンよりタブレットのほうが能力は高いと判断する。
【0054】
上述した探索条件設定では、探索中継サービスプロバイダが探索中継サービスリクエスタ306に中継拒否を示す情報を返す。上述した中継拒否を示す情報は、中継拒否の理由を含んでもよい。例えば移動中か否かで判断する場合、探索中継サービスプロバイダ321は、移動中の情報を含めた中継拒否を返す。ユーザは、要求元モバイル端末102のディスプレイ上で移動中の情報を含めた中継拒否を確認し、一定時間が経過した後に改めて探索中継を行うという選択肢を得ることができる。
【0055】
図11は、中継モバイル端末100の表示部326に表示される、探索条件の設定画面の一例を示す。探索条件は設定項目ごとにそれぞれオン・オフができる。S1007で、中継処理部320が探索中継条件の設定を確認し、中継を許可する設定であった場合、探索処理部323が画像形成装置106の探索処理を行う。探索処理は、前述した図6に示す処理と同様の処理のため省略する。
【0056】
探索処理部323が画像形成装置106の探索を実行した結果、S1008で、画像形成装置106取得できた場合、探索処理部323はプリンタリストを探索中継サービスプロバイダ321に渡す。探索中継サービスプロバイダ321は、受け取ったプリンタリストを探索中継サービスリクエスタ306に返す。なお、本実施例では画像形成装置106の探索を例にして記載したが、中継するという処理においては画像形成装置以外の探索に適応することもでき、探索以外の機能にも適応することができる。
【0057】
図12は、本実施例に係る情報処理システムの印刷ソフトウェア300による印刷処理の一例を示したフローチャートである。前述したプリンタ探索処理が行われると、図9に示す要求元モバイル端末102のディスプレイ画面には、印刷できるプリンタリストが表示される。S1201で、ユーザは、プリントリストから印刷する画像形成装置106を選択する。ユーザの入力によりOSがタッチパネル入力装置の信号を受け、印刷ソフトウェア300に入力情報を伝える。
【0058】
S1202で、プリント制御部302は、選択した画像形成装置106が印刷ソフトウェア300を実行している要求元モバイル端末102から直接印刷要求ができる画像形成装置であるか否かを判断する。プリント制御部302は、プリンタリストの情報にRelayDeviceの情報がない場合、直接印刷できると判断する。例えば、図8のプリンタリストの場合、PrinterAは直接印刷でき、PrinterBは直接印刷できないことを示している。S1203で、プリント制御部302が直接印刷要求できる画像形成装置106であると判断した場合、該画像形成装置106に接続する。具体的には、プリント制御部302がプリント処理部310に印刷リクエストを依頼する。そしてプリントサービスリクエスタ309はプリント処理部310から印刷リクエストを受け取り、該画像形成装置106に印刷リクエストとともに接続を要求する(S1204)。
【0059】
S1205で、画像形成装置106は、プリントサービスプロバイダから印刷リクエストを受け取ると、印刷データをPCLなどのデータに変換し、印刷を実行する。
【0060】
S1201でユーザが選択した画像形成装置106に直接接続できない、または直接接続できるが接続できなかった場合、S1206でユーザは選択した画像形成装置106に接続できる中継先を選択する。そして、その接続先に接続するために、プリント中継サービスリクエスタ308は、接続先のプリント中継サービスプロバイダ322に印刷中継リクエストを送信する。
【0061】
印刷中継リクエストは中継先の端末IDを含んでおり、印刷中継リクエストを受信したプリント中継サービスプロバイダ322は、自身の端末IDと受信した端末IDを比較する。比較の結果同じであればプリント中継サービスプロバイダ322はプリント中継サービスリクエスタ308に応答する。プリント中継サービスリクエスタ308は印刷中継リクエストの応答を受信することで中継先と接続する(S1207)。
【0062】
S1208で、プリント中継サービスプロバイダ322から印刷中継リクエストに対する応答がない場合、プリント制御部302は要求した中継先に接続できないと判断する。S1209でプリント制御部302は、プリント中継サービスリクエスタに、選択した画像形成装置106に接続できる他の中継先を探すように指示を出す。選択した画像形成装置106に接続できる他の中継先が見つからなかった場合、S1210で、プリント制御部302は要求元モバイル端末102のディスプレイ上に、再度画像形成装置106の探索を行うかどうかの選択画面を表示する。
【0063】
S1211で、ユーザが再び探索を選択した場合、探索制御部304は図6を参照して説明したプリンタ探索処理を再度実行する。画像形成装置106が見つかった場合、探索制御部304はプリンタリストを再取得し、プリントリストの情報に基づいてプリント制御部302が要求元モバイル端末102のディスプレイにプリンタリストを表示する。S1201で、ユーザが再探索を選択しなかった場合、印刷処理はキャンセルされ終了する。
【0064】
S1208で、プリント中継サービスプロバイダ322から印刷中継リクエストの応答があり中継先が見つかった場合、プリント制御部302は応答に含まれる情報を確認する。S1212で、プリント制御部302は応答情報から選択した画像形成装置106につながらなかったことを示すステータスを取得した場合、S1209に進み、選択した画像形成装置106に接続できる他の中継先を探す。応答情報から中継モバイル端末100が画像形成装置106に正常に接続できるステータスを取得した場合、プリント制御部302は印刷データを作成する。印刷データがPDFファイルでない場合は、ファイル変換部がPDFファイルに変換する。
【0065】
S1213で、プリント制御部302は、作成した印刷データをプリント中継サービスリクエスタ308に渡す。プリント中継サービスリクエスタ308は受け取った印刷データをプリント中継サービスプロバイダ322に渡す。そしてプリント処理部324は、印刷データを画像形成装置106の印刷処理部330に送信する。すなわち、プリント中継サービスプロバイダ322およびプリント処理部324は、印刷要求を受信し、受信した印刷要求を印刷出力先とされた画像形成装置106に対して中継する印刷中継手段として機能する。以上の処理により印刷データを受け取った画像形成装置106の画像形成部212は印刷を実行する。
【0066】
図13は、本実施例に係る情報処理システム1000の中継ソフトウェア301による印刷中継処理の一例を示したフローチャートである。S1301で中継ソフトウェア301が起動されると印刷要求を受信できる状態になる。S1302で、プリント中継サービスプロバイダ322は、要求元モバイル端末102のプリント中継サービスリクエスタ308が送信した印刷中継リクエストを受信する。S1303で、中継処理部320が中継するか否かを判断し、中継を行う場合、印刷中継リクエストに含まれる画像形成装置106の端末IDを取得し、画像形成装置106に接続する。
【0067】
S1304で、画像形成装置106に接続でき、印刷できることを確認すると、S1305でプリント中継サービスプロバイダ322は、印刷ができることを示すステータスをプリント中継サービスリクエスタ308に返す。画像形成装置106に接続できなかった場合、S1306で画像形成装置106が見つからなかったことを示すステータスをプリント中継サービスリクエスタ308に返す。
【0068】
プリント中継サービスプロバイダ322は印刷できることを示すステータスを返した場合、次にプリント中継サービスリクエスタ308から印刷データを受信する。プリント処理部324が、受信した印刷データを印刷要求を受けた画像形成装置106の印刷処理部330に送信することで印刷が行われる(S1307)。この印刷方法は、中継モバイル端末内の不図示のプリンタドライバを使用し、LAN経由で画像形成装置106に印刷を指示してもよい。また、プリントサービスプロバイダを持つ画像形成装置に接続して印刷データを送信し印刷を指示してもよい。印刷が終了したときに、プリント処理部324は印刷処理部330から印刷が終了したことを示す情報を受信する。S1308で、プリント中継サービスプロバイダ322は、プリント中継サービスリクエスタ308に印刷が終了したことを示すステータスを返す。
【0069】
中継モバイル端末100を介して画像形成装置106が印刷する場合、要求元モバイル端末102の印刷データが中継モバイル端末100に読み取られる可能性がある。ユーザは、例えば以下のように一般的な公開鍵暗号方式を用いて暗号化することもできる。具体的には、要求元モバイル端末102が中継モバイル端末100を中継して画像形成装置106に接続できたとする。すると画像形成装置106側で暗号化キーを生成し、該暗号キーとジョブIDを中継モバイル端末100を経由して要求元モバイル端末102に渡す。すなわち画像形成装置106は、印刷データを暗号化するための暗号化情報を生成する暗号化手段として機能する。
【0070】
プリント制御部302は、プリント中継サービスリクエスタ308から暗号キーとジョブIDを受け取ると、印刷データとジョブIDを暗号化して中継モバイル端末301に送信する。中継モバイル端末301は受信した、暗号化された印刷データとジョブIDを画像形成装置106に渡す。画像形成装置106は、ジョブIDと対に記憶しておいた復号化キーを用いて暗号化された印刷データを復号化し印刷する。この仕組みにより中継先に印刷データを読まれなくすることができるのでユーザビリティーが向上する。
【0071】
また、本実施例では要求元モバイル端末で印刷データの生成を行ったが、要求元モバイル端末側ではファイルを変換せずに送信して、中継モバイル端末側で印刷データにファイル変換する構成でもよい。
【0072】
以上述べたように、実施例1では、自端末から画像形成装置106を探索できない場合は他の端末に探索中継を依頼し、中継によって画像形成装置106を探索し、印刷することができる。また、自端末が中継を行う場合は状況に応じて中継するか否かを判断することができる。
【0073】
(実施例2)
図14は、実施例2の情報処理システムの中継ソフトウェアによる、多重中継を行うプリンタ探索処理の一例を示したフローチャートである。ここで行われる処理は、前述した図6に示したプリンタ探索処理の一部を変更したものであるため、変更がある部分のみ説明し、類似する処理は省略する。
【0074】
探索制御部304は、プリンタ探索を行う時に探索制限情報として、探索中継リクエストに探索レベルと探索IDを追加で付加する。そして探索中継サービスリクエスタ306は、探索レベルと探索IDが付加された探索中継リクエストを探索中継サービスプロバイダ321に送信する。探索レベルとは、要求元モバイル端末102を起点として何段階まで探索要求元のモバイル端末から探索要求先のモバイル端末に対して探索要求を行うかを示すレベルである。探索IDとは、中継ソフトウェア301がプリンタ探索処理を一意に識別するための識別情報である。中継処理部320は、この探索レベルを使用して何段階まで中継するか、例えば中継回数を制御する。
【0075】
S1401で、中継処理部320は、探索中継リクエストを受け取ると、まず探索IDを確認し、すでに一度受け取った探索IDか否かを確認する。これは、探索中継リクエストを受信して中継処理を行う時に探索IDを記憶しておき、次にリクエストを受信したときに記憶しておいた探索IDのリストと同じ探索IDかどうかを判断するためである。すでに受信した探索IDであった場合は中継処理を行わずに終了する。S1401で、中継処理部320が一度も受け取ったことがない探索IDであると判断した場合、S601〜S603の処理に進む。
【0076】
S1402で、中継処理部320は、次に探索中継を行う前に探索レベルの確認を行う。探索レベルが0でなければ、S1403で中継処理部320は探索レベルを1減算し中継処理を行う。そして、次の中継先に探索中継リクエストを送信するときに1減算した探索レベルの情報を付加する(S1404)。これにより、探索レベルを1に設定したときには一つ中継を行うところまで探索を行い、探索レベルが2の場合には2つ中継を行うところまで探索処理を行うことができるようになる。
【0077】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そしてそのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0078】
100 中継モバイル端末
102 要求元モバイル端末
106 画像形成装置
300 印刷ソフトウェア
301 中継ソフトウェア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷要求を行う第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置からの印刷要求をネットワークを介して中継する少なくとも1つの第2情報処理装置と、前記第1情報処理装置または前記第2情報処理装置からの印刷要求に応じて印刷を実行する画像形成装置とを備えた情報処理システムであって、
前記第1情報処理装置は、
前記画像形成装置を探索する探索手段と、
印刷データを生成し、前記画像形成装置に対して、前記生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示手段と、
前記探索手段が前記画像形成装置を探索できなかった場合に、前記第2情報処理装置に対して探索要求を行う探索要求手段と、を備え、
前記第2情報処理装置は、
前記画像形成装置の探索要求を受け付ける要求受け付け手段と、
前記要求受け付け手段が受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を前記第1情報処理装置に返す探索中継手段を備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第2情報処理装置が備える前記探索中継手段は、前記画像形成装置を探索することができた場合に、該画像形成装置の位置情報と、該第2情報処理装置を識別する識別情報とを前記探索結果に含めて前記第1情報処理装置が備える前記探索要求手段に返し、
前記第1情報処理装置は、さらに、
前記探索要求手段が第2情報処理装置が備える探索中継手段から前記探索結果を受信した場合に、前記探索結果に含まれる前記画像形成装置の位置情報と前記第2情報処理装置を識別する識別情報を表示する表示手段とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1情報処理装置が備える前記印刷指示手段は、前記探索要求手段が前記画像形成装置の位置情報と前記第2情報処理装置を識別する識別情報とを受信した場合に、前記位置情報と前記識別情報とに基づいて、前記識別情報に対応する第2情報処理装置に対して、前記位置情報に対応する画像形成装置を印刷出力先とする印刷要求を送信し、
前記第2情報処理装置は、さらに、
前記第1情報処理装置からの前記印刷要求を受信し、該印刷要求を前記印刷出力先とされた画像形成装置に対して中継する印刷中継手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2情報処理装置は、さらに、
前記第2情報処理装置の装置情報を収集する収集手段を備え、
前記判断手段は、前記要求受け付け手段が前記第1情報処理装置が備える前記探索要求手段から前記画像形成装置の探索要求を受け付けた場合に、予め定められた、探索処理の実行に関する探索条件が設定されているかを判断し、前記探索条件が設定されている場合に、前記収集手段が収集した装置情報が前記設定されている探索条件を満たすかを判断し、前記装置情報が前記探索条件を満たす場合に、前記画像形成装置を探索すると判断する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記第1情報処理装置が前記印刷データを暗号化するための暗号化情報を生成する暗号化手段を備え、
前記第1情報処理装置が備える前記印刷指示手段は、前記画像形成装置から暗号化情報を受信した際に、当該暗号化情報を用いて前記印刷データを暗号化する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1情報処理装置が備える前記探索要求手段は、予め定められた、該第1情報処理装置を起点として何段階まで探索要求元の情報処理装置から探索要求先の情報処理装置に対して前記探索要求を行うかを示す探索レベルを前記探索要求に含めて前記第2情報処理装置に対して送信し、
前記第2情報処理装置が備える前記探索中継手段は、前記画像形成装置を探索することができなかった場合に、前記要求受け付け手段が受け付けた前記探索要求に含まれる前記探索レベルに基づいて、前記第2情報処理装置とは異なる第2情報処理装置に対して前記画像形成装置の探索要求を行うかを判断し、前記画像形成装置の探索要求を行うと判断した場合に、前記探索レベルを1つ減らした上で、前記第2情報処理装置とは異なる第2情報処理装置に対して該探索レベルを含む探索要求を行う
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2情報処理装置が備える前記探索中継手段は、前記探索レベルが0である場合に、前記第2情報処理装置とは異なる第2情報処理装置に対して前記画像形成装置の探索要求を行わないと判断する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
画像形成装置を探索する探索手段と、
前記画像形成装置の探索要求を行う情報処理装置を第1情報処理装置、前記第1情報処理装置の探索要求に応じて前記画像形成装置を探索し、探索結果を前記第1情報処理装置に返す情報処理装置を第2情報処理装置としたときに、前記探索手段が前記画像形成装置を探索できなかった場合に、前記第2情報処理装置に対し探索要求を行う探索要求手段と、
前記第2情報処理装置から探索結果を取得する取得手段と、
前記画像形成装置の探索要求を受け付ける要求受け付け手段と、
前記要求受け付け手段が受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を探索要求元に返す探索中継手段を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
印刷を要求する第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置からの要求をネットワークを介して中継する少なくとも1つの第2情報処理装置と、前記第1情報処理装置または前記第2情報処理装置からの印刷要求に応じて印刷を実行する画像形成装置とを備えた情報処理システムを制御する方法であって、
前記第1情報処理装置により、
前記画像形成装置を探索する探索工程と、
印刷データを生成し、前記画像形成装置に対して、前記生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示工程と、
前記探索工程で前記画像形成装置を探索できなかった場合に、前記第2情報処理装置に対して探索要求を行う探索要求工程と、
前記第2情報処理装置により、
前記画像形成装置の探索要求を受け付ける要求受け付け工程と、
前記要求受け付け工程で受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程で前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を前記第1情報処理装置に返す探索中継工程を含む
ことを特徴とする制御方法。
制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
画像形成装置を探索する探索手段と、
印刷データを生成し、前記画像形成装置に対して、前記生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示手段と、
前記探索手段が前記画像形成装置を探索できなかった場合に、他の情報処理装置に対して探索要求を行う探索要求手段を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
画像形成装置の探索要求を他の情報処理装置から受け付ける要求受け付け手段と、
前記要求受け付け手段が受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を前記他の情報処理装置に返す探索中継手段を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項1】
印刷要求を行う第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置からの印刷要求をネットワークを介して中継する少なくとも1つの第2情報処理装置と、前記第1情報処理装置または前記第2情報処理装置からの印刷要求に応じて印刷を実行する画像形成装置とを備えた情報処理システムであって、
前記第1情報処理装置は、
前記画像形成装置を探索する探索手段と、
印刷データを生成し、前記画像形成装置に対して、前記生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示手段と、
前記探索手段が前記画像形成装置を探索できなかった場合に、前記第2情報処理装置に対して探索要求を行う探索要求手段と、を備え、
前記第2情報処理装置は、
前記画像形成装置の探索要求を受け付ける要求受け付け手段と、
前記要求受け付け手段が受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を前記第1情報処理装置に返す探索中継手段を備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第2情報処理装置が備える前記探索中継手段は、前記画像形成装置を探索することができた場合に、該画像形成装置の位置情報と、該第2情報処理装置を識別する識別情報とを前記探索結果に含めて前記第1情報処理装置が備える前記探索要求手段に返し、
前記第1情報処理装置は、さらに、
前記探索要求手段が第2情報処理装置が備える探索中継手段から前記探索結果を受信した場合に、前記探索結果に含まれる前記画像形成装置の位置情報と前記第2情報処理装置を識別する識別情報を表示する表示手段とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1情報処理装置が備える前記印刷指示手段は、前記探索要求手段が前記画像形成装置の位置情報と前記第2情報処理装置を識別する識別情報とを受信した場合に、前記位置情報と前記識別情報とに基づいて、前記識別情報に対応する第2情報処理装置に対して、前記位置情報に対応する画像形成装置を印刷出力先とする印刷要求を送信し、
前記第2情報処理装置は、さらに、
前記第1情報処理装置からの前記印刷要求を受信し、該印刷要求を前記印刷出力先とされた画像形成装置に対して中継する印刷中継手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2情報処理装置は、さらに、
前記第2情報処理装置の装置情報を収集する収集手段を備え、
前記判断手段は、前記要求受け付け手段が前記第1情報処理装置が備える前記探索要求手段から前記画像形成装置の探索要求を受け付けた場合に、予め定められた、探索処理の実行に関する探索条件が設定されているかを判断し、前記探索条件が設定されている場合に、前記収集手段が収集した装置情報が前記設定されている探索条件を満たすかを判断し、前記装置情報が前記探索条件を満たす場合に、前記画像形成装置を探索すると判断する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記第1情報処理装置が前記印刷データを暗号化するための暗号化情報を生成する暗号化手段を備え、
前記第1情報処理装置が備える前記印刷指示手段は、前記画像形成装置から暗号化情報を受信した際に、当該暗号化情報を用いて前記印刷データを暗号化する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1情報処理装置が備える前記探索要求手段は、予め定められた、該第1情報処理装置を起点として何段階まで探索要求元の情報処理装置から探索要求先の情報処理装置に対して前記探索要求を行うかを示す探索レベルを前記探索要求に含めて前記第2情報処理装置に対して送信し、
前記第2情報処理装置が備える前記探索中継手段は、前記画像形成装置を探索することができなかった場合に、前記要求受け付け手段が受け付けた前記探索要求に含まれる前記探索レベルに基づいて、前記第2情報処理装置とは異なる第2情報処理装置に対して前記画像形成装置の探索要求を行うかを判断し、前記画像形成装置の探索要求を行うと判断した場合に、前記探索レベルを1つ減らした上で、前記第2情報処理装置とは異なる第2情報処理装置に対して該探索レベルを含む探索要求を行う
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2情報処理装置が備える前記探索中継手段は、前記探索レベルが0である場合に、前記第2情報処理装置とは異なる第2情報処理装置に対して前記画像形成装置の探索要求を行わないと判断する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
画像形成装置を探索する探索手段と、
前記画像形成装置の探索要求を行う情報処理装置を第1情報処理装置、前記第1情報処理装置の探索要求に応じて前記画像形成装置を探索し、探索結果を前記第1情報処理装置に返す情報処理装置を第2情報処理装置としたときに、前記探索手段が前記画像形成装置を探索できなかった場合に、前記第2情報処理装置に対し探索要求を行う探索要求手段と、
前記第2情報処理装置から探索結果を取得する取得手段と、
前記画像形成装置の探索要求を受け付ける要求受け付け手段と、
前記要求受け付け手段が受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を探索要求元に返す探索中継手段を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
印刷を要求する第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置からの要求をネットワークを介して中継する少なくとも1つの第2情報処理装置と、前記第1情報処理装置または前記第2情報処理装置からの印刷要求に応じて印刷を実行する画像形成装置とを備えた情報処理システムを制御する方法であって、
前記第1情報処理装置により、
前記画像形成装置を探索する探索工程と、
印刷データを生成し、前記画像形成装置に対して、前記生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示工程と、
前記探索工程で前記画像形成装置を探索できなかった場合に、前記第2情報処理装置に対して探索要求を行う探索要求工程と、
前記第2情報処理装置により、
前記画像形成装置の探索要求を受け付ける要求受け付け工程と、
前記要求受け付け工程で受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程で前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を前記第1情報処理装置に返す探索中継工程を含む
ことを特徴とする制御方法。
制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
画像形成装置を探索する探索手段と、
印刷データを生成し、前記画像形成装置に対して、前記生成した印刷データの印刷を指示する印刷指示手段と、
前記探索手段が前記画像形成装置を探索できなかった場合に、他の情報処理装置に対して探索要求を行う探索要求手段を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
画像形成装置の探索要求を他の情報処理装置から受け付ける要求受け付け手段と、
前記要求受け付け手段が受け付けた探索要求に応じて前記画像形成装置の探索処理を実行するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記画像形成装置の探索処理を実行すると判断した場合に、該画像形成装置の探索処理を実行して探索結果を前記他の情報処理装置に返す探索中継手段を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−109437(P2013−109437A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252254(P2011−252254)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]