説明

情報処理システム、管理装置、クライアント装置、遠隔起動方法、および装置のプログラム

【課題】サーバ装置などのサービス提供手段が動作状態でない場合であっても、起動時刻を予め登録する必要なく、操作可能となるまでの待ち時間を短縮できるようにする。
【解決手段】クライアント装置からの信号を管理装置が受信することによりそのクライアント装置がネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、接続検知手段によりそのクライアント装置の接続が検知された時、サービスを提供するサービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手段と、を備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、何らかのサービスを提供する装置に、クライアント装置が接続することでそのサービスを遠隔利用できるようにする情報処理システムに用いられる情報処理システム、管理装置、クライアント装置、遠隔起動方法、および装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サーバ装置が提供する各種サービスをクライアント装置が利用するクライアント−サーバシステムがある。
こうしたサーバ装置についても、近年、各種電化製品について省電力化の必要が大きく認識されつつあるため、ユーザが使用しない時にはシャットダウン状態、休止状態(ハイバネーション状態)、スリープ状態(サスペンド状態)といった停止状態となるようにしているものがある。
【0003】
また、停止状態にあるサーバ装置に対して、そのサーバ装置のLAN(Local Area Network)インタフェースのMAC(Media Access Control)アドレスを含むマジックパケットと呼ばれるパケットを送信することで、サーバ装置を遠隔起動させるWOL(Wake on LAN)が知られている。
【0004】
また、ローカル端末の識別情報を含む情報をFAXメッセージとしてリモート端末に送信することにより、そのリモート端末における、端末間のセッションを確立・監視するデーモンを起動させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、リモート接続システムとして、利用者毎に、その利用者に対して予め定められた起動時刻になった時、その利用者用の仮想デスクトップ環境をサーバ装置に生成させるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3231657号
【特許文献2】特許第4353036号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述のようにサーバ装置が省電力化などにより常時起動していない情報処理システムでは、ユーザがクライアント装置からサーバ装置のサービスを利用しようとした時、サーバ装置が前述した停止状態であり、動作状態でない場合には、サーバ装置が動作状態となるまで待つ必要があった。なお、動作状態とは、サーバ装置からサービスが提供され、ユーザが該サービスをクライアント装置により操作可能である状態である。
こうして待ち時間が発生してしまうと、ユーザにとって心理的に負担となり、利便性を損ねるおそれがあった。
【0008】
また、前述したWOLや特許文献1のものについても、サーバ装置を起動させるための情報をユーザがクライアント装置から発行するため、サーバが起動するまでの間、ユーザには待ち時間が発生してしまっていた。
【0009】
また、前述した特許文献2のものは、各利用者について起動時刻を予め登録する必要があり、そうした登録を必要とせず自動的に待ち時間を短縮したり、予め登録した予定時刻以外に利用する場合についてまで考慮されたものではなかった。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、サーバ装置などのサービス提供手段が動作状態でない場合であっても、起動時刻を予め登録する必要なく、動作状態となるまでの待ち時間を短縮することができる情報処理システム、管理装置、クライアント装置、遠隔起動方法、および装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するために、本発明に係る情報処理システムは、サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介してクライアント装置が接続可能に構成された情報処理システムであって、前記クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、前記接続検知手段により該クライアント装置の接続が検知された時、前記サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報処理システムは、サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介してクライアント装置が接続可能に構成された情報処理システムであって、前記クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルと、前記接続検知手段により該クライアント装置の接続が検知された時、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手段により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた前記サービス提供手段の特定情報を該クライアント装置に送出する特定情報送出手段と、を備えたことを特徴としてもよい。
【0013】
また、本発明に係る管理装置は、サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介して接続されて用いられる管理装置であって、クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、前記接続検知手段により該クライアント装置の接続が検知された時、前記サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る管理装置は、サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介して接続されて用いられる管理装置であって、クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルと、前記接続検知手段により該クライアント装置の接続が検知された時、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手段により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた前記サービス提供手段の特定情報を該クライアント装置に送出する特定情報送出手段と、を備えたことを特徴としてもよい。
【0015】
また、本発明に係るクライアント装置は、サービスを提供するサービス提供手段と、管理装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムに接続可能なクライアント装置であって、前記管理装置から前記サービス提供手段の特定情報を受信すると、該サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る遠隔起動方法は、サービスを提供するサービス提供手段と管理装置とがネットワークを介して接続され、クライアント装置が該ネットワークを介して接続可能に構成された情報処理システムにおける遠隔起動方法であって、前記管理装置が前記クライアント装置からの信号を受信することにより、該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知工程と、前記接続検知工程により該クライアント装置の接続が検知された時、前記サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を前記管理装置が送出する要求送出工程と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る遠隔起動方法は、サービスを提供するサービス提供手段と管理装置とがネットワークを介して接続され、クライアント装置が該ネットワークを介して接続可能に構成された情報処理システムにおける遠隔起動方法であって、前記管理装置は、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルを備え、前記管理装置が前記クライアント装置からの信号を受信することにより、該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知工程と、前記接続検知工程により該クライアント装置の接続が検知された時、前記テーブルに基づいて、前記接続検知工程により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた前記サービス提供手段の特定情報を前記管理装置が該クライアント装置に送出する特定情報送出工程と、を備えたことを特徴としてもよい。
【0018】
また、本発明に係る管理装置のプログラムは、サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介して接続されて用いられる管理装置のプログラムであって、クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手順と、前記接続検知手順により該クライアント装置の接続が検知された時、前記サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手順と、を前記管理装置のコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る管理装置のプログラムは、サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介して接続されて用いられる管理装置のプログラムであって、前記管理装置は、クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルを備え、前記クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手順と、前記接続検知手順により該クライアント装置の接続が検知された時、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手順により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた前記サービス提供手段の特定情報を該クライアント装置に送出する特定情報送出手順と、を前記管理装置のコンピュータに実行させることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、サービス提供手段が動作状態でない場合であっても、起動時刻を予め登録する必要なく、動作状態となるまでの待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の各実施形態に共通する概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の各実施形態に共通する動作概略を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態としての情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態による遠隔起動動作例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態としての情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態による遠隔起動動作例を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施形態としての情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図8】第3の実施形態によるサーバ・クライアント管理テーブル14の他の構成例を示す図である。
【図9】第3の実施形態によるサーバ・クライアント管理テーブル14のさらに他の構成例を示す図である。
【図10】第3の実施形態によるサーバ・クライアント管理テーブル14のさらに他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る情報処理システム、管理装置、クライアント装置、遠隔起動方法、および装置のプログラムを適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
まず、本発明の各実施形態に共通する概略について説明する。
本発明の実施形態は、図1に示すように、サーバ装置や仮想計算機のホスト装置などのサービス提供手段と、クライアント装置のネットワークへの接続を検知する接続検知手段と、サービス提供手段に起動要求信号を送出する要求送出手段と、が同一のネットワークに接続され、さらにそのネットワークにクライアント装置を接続可能となっている。
【0024】
接続検知手段は、例えばDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバなど、クライアント装置がネットワークに接続される際に必ず何らかの信号が送信される装置により実現される。こうしてクライアント装置からの信号を受けることにより、接続検知手段は、クライアント装置がネットワークに接続されたことを検知する。
【0025】
このため、前述したサービス提供手段、接続検知手段、要求送出手段が接続される同一のネットワークは、この接続検知手段により管理対象とされるネットワークである。したがって、例えば、仮想的に同一LANとして構築されているのであれば、物理的に異なるネットワークであってもよい。
【0026】
本発明の実施形態は、ユーザが、サーバ装置などのサービス提供手段を遠隔利用するためには、クライアント装置をネットワークに接続しなくてはならないという点に着目する。
このため、図2に示すように、クライアント装置がネットワークに接続されると(ステップS1)、接続検知手段が前述のようにクライアント装置のネットワーク接続を検知し(ステップS2)、この検知により要求送出手段がサービス提供手段に起動要求信号を送出する(ステップS3)。
【0027】
本発明の実施形態によれば、こうしてクライアント装置がネットワークに接続されたことを契機として、サーバ装置やホスト装置内の仮想計算機が自動的に起動するため、ユーザがサービス提供手段によるサービスを遠隔利用する際にこうしたサーバ装置や仮想計算機の起動時間だけ待たされることによる待ち時間を削減することができる。このため、ユーザによる体感速度を速くすることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0028】
〔第1の実施形態〕
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。この第1の実施形態は、前述した接続検知手段と要求送出手段とがDHCPサーバによる管理装置により実現され、サービス提供手段がサーバ装置により実現される場合の構成例を示すものである。すなわち、基本的な構成例として、DHCPを活用して実計算機を起動させる場合の例について示す。
【0029】
図3は、第1の実施形態としての情報処理システムの構成例を示す。
図3に示すように、本実施形態の情報処理システムは、管理装置1と、サーバ装置2とが同一のネットワークに接続され、さらにクライアント装置3が接続可能とされて構成される。図3の例では、各装置が1台しか記載されていないが、それぞれ複数台であってもよい。
【0030】
管理装置1は、通常のDHCPサービスを行うDHCPサービス部13に加えて、クライアント装置3を特定する特定情報にサーバ装置2の特定情報を関連付けたサーバ・クライアント管理テーブル14と、そのテーブルを作成/更新するテーブル更新部15と、クライアント装置3を特定する特定情報を基にサーバ装置2を特定して遠隔起動の制御を行う起動制御部11と、特定されたサーバ装置2を起動させる起動要求信号を送出する起動要求送出部12と、を備える。
【0031】
本実施形態では、DHCPサーバとしての機能により管理装置1が接続検知手段として機能するため、クライアント装置3の特定情報として、クライアント装置3のMACアドレスを使用する。
また、サーバ装置2を遠隔起動させる機能は、WOLとして規定されるマジック・パケット(起動対象となる装置を起動させる特殊なパケット;起動要求信号)を発行して実現する。
【0032】
図3の例では、各サーバ装置2のMACアドレスは起動制御部11が格納し、サーバ・クライアント管理テーブル14がサーバ装置の名称を格納する構成例を示す。このサーバ装置の名称により特定されるサーバ装置2のMACアドレスを起動制御部11が起動要求送出部12に送信し、起動要求送出部12がそのサーバ装置2のMACアドレスによりマジックパケットを生成して送出する。
【0033】
サーバ・クライアント管理テーブル14の更新は、クライアント装置3からの更新要求により、テーブル更新部15が行う。更新の際には、クライアント装置3から管理装置1にリモートログインすることで、テーブル更新部15がクライアント装置3の表示画面に設定画面を表示させ、クライアント装置3を操作するユーザはその設定画面からサーバ・クライアント管理テーブル14についての各種設定や情報更新を行う。
【0034】
なお、サーバ・クライアント管理テーブル14の更新は、管理装置1が表示部や操作入力部を備える構成である場合、その表示部や操作入力部からユーザや管理者が行う構成であってもよい。
【0035】
また、図3に示すテーブル例では、クライアント装置3の特定情報とサーバ装置2の特定情報は1対1として示すが、ユーザがクライアント装置3から複数のサーバ装置2を使用する場合には、1台のクライアント装置3の特定情報に複数のサーバ装置2の特定情報が関連付けられた構成であってもよい。
また逆に、1台のサーバ装置2が複数のクライアント装置3によって使用されるのであれば、複数のクライアント装置3の特定情報に1台のサーバ装置2の特定情報が対応していてもよい。
【0036】
DHCPサービス部13については、公知のDHCPサービスを提供するものであり、説明を省略する。
【0037】
クライアント装置3は、ネットワークに接続してネットワーク経由でサーバ装置2のサービスを利用できる機能を備えたコンピュータであれば、一般的なPC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)などであってもよく、ユーザによる記憶領域が設けられていないシンクライアント装置であってもよい。ただし、ネットワークに接続したとき、IPアドレスを管理装置1から取得するためのDHCPクライアントがインストールされていることとする。
【0038】
また、クライアント装置3とユーザは、常に、関連付けられていることが好ましい。すなわち、クライアント装置3が不特定多数の人からは使用されない場合、本実施形態によりクライアント装置3に応じたサーバ装置2を自動起動させる動作を、ユーザに応じた動作とすることができる。このため、よりユーザの意思を反映させたシステムとすることができる。
【0039】
サーバ装置2は、一般的なPCサーバなどであってもよい。ただし、WOLなどネットワークを介した遠隔起動に対応する機構が実装されていることとする。本実施形態では、この遠隔起動に対応する機構としてWOLを用いる。
【0040】
以上のように、本実施形態は、管理装置1とサーバ装置2が同一のネットワークに接続され、そのネットワークにクライアント装置3が接続される構成となっている。ここで、同一のネットワークとは、管理装置1がDHCPサービスにより管理対象とするネットワークである。
【0041】
本実施形態は、ユーザが、サーバ装置2などのサービス提供手段を遠隔利用するためには、クライアント装置3をネットワークに接続しなくてはならないという点に着目したものである。
ユーザは、サーバ装置2といったサービス提供手段によるサービスを使用する前に、まず、クライアント装置3をネットワークに接続する。このとき、クライアント装置3が、DHCPによるIPアドレス取得のためにネットワークの管理装置1にアクセスする。このタイミングで管理装置1がサーバ装置2に対するマジックパケットを送出して起動させる。
なお、サーバ装置2の起動完了と、クライアント装置3へのIPアドレス付与は同期していないとしてよい。
【0042】
次に、本実施形態による動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント装置3が図3のネットワークに接続されると、DHCPクライアントによりIPアドレスの付与を管理装置1に要求する(ステップS11)。
【0043】
管理装置1のDHCPサービス部13がこのIPアドレスの付与要求を受信すると、その受信したIPアドレス付与要求に含まれるクライアント装置3のMACアドレスを起動制御部11に通知する(ステップS12)。
【0044】
起動制御部11は、サーバ・クライアント管理テーブル14を参照し、受信されたクライアント装置3のMACアドレスに関連付けられたサーバ装置2の名称を特定し、対応するMACアドレスを起動要求送出部12に通知する(ステップS13)。起動要求送出部12は、その特定されたサーバ装置2のMACアドレスを用いて、そのサーバ装置2宛てのマジックパケットを生成して送出する(ステップS14)。
【0045】
サーバ装置2は、自装置宛のマジックパケットを受信すると、WOLにより自動起動する(ステップS15)。
【0046】
なお、前述したサーバ・クライアント管理テーブル14の作成/更新動作については、例えばクライアント装置3からルータの設定を行う場合などと同様に公知のものであるため、説明を省略する。
【0047】
以上のように、前述した第1の実施形態では、クライアント装置3がネットワークに接続した時に送信するIPアドレスの付与要求に基づいて、管理装置1が、サーバ・クライアント管理テーブル14を参照してそのクライアント装置3の特定情報に関連付けられた特定情報のサーバ装置2を遠隔起動させる。このため、ユーザが実際にクライアント装置3からサーバ装置2を遠隔操作するときには、すでにサーバ装置2が動作している状態にすることができる。
【0048】
このため、例えばサスペンド状態、ハイバネーション状態、シャットダウン状態といった停止状態にあるサーバ装置2に対して、ユーザがクライアント装置3によりアクセスしようとする場合であっても、クライアント装置3がサーバ装置2にアクセス要求を送信してから実際に遠隔操作できるまでの待ち時間を短縮することができる。このため、CPUの処理速度の向上を必要とせず、遠隔操作におけるユーザにとっての体感速度を速くすることができる。
【0049】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、前述した接続検知手段がDHCPサーバによる管理装置により実現され、要求送出手段がクライアント装置3により実現され、サービス提供手段がサーバ装置により実現される場合の構成例を示すものである。すなわち、前述した第1の実施形態で要求送出手段が管理装置1により実現されているのに替えて、クライアント装置3に設けられるようにしたものである。
前述した第1の実施形態と同様のものについては説明を省略する。
【0050】
第2の実施形態では、図5に示すように、クライアント装置3が、管理装置1からの通知情報に基づいてサーバ装置2に起動要求信号を送出する起動要求送出部31を備える。
【0051】
次に、本実施形態による動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント装置3が図5のネットワークに接続されると、DHCPクライアントによりIPアドレスの付与を管理装置1に要求する(ステップS21)。
【0052】
管理装置1のDHCPサービス部13がこのIPアドレスの付与要求を受信すると、その受信したIPアドレス付与要求に含まれるクライアント装置3のMACアドレスを起動制御部11に通知する(ステップS22)。
【0053】
起動制御部11は、サーバ・クライアント管理テーブル14を参照し、受信されたクライアント装置3のMACアドレスに関連付けられたサーバ装置2の名称を特定し、対応するMACアドレスをクライアント装置3に通知する(ステップS23)。
【0054】
クライアント装置3の起動要求送出部31は、特定されたサーバ装置2のMACアドレスを受信すると、そのMACアドレスを用いて、サーバ装置2宛てのマジックパケットを生成して送出する(ステップS24)。
【0055】
サーバ装置2は、自装置宛のマジックパケットを受信すると、WOLにより自動起動する(ステップS25)。
【0056】
このように、前述した第1の実施形態では、管理装置1がサーバ装置2を起動させることとして説明したが、第2の実施形態では、管理装置1がクライアント装置3に対してIPアドレスを付与すると同時に、サーバ装置2のMACアドレスも通知することで、クライアント装置3が、サーバ装置2に対するマジック・パケットを送信する。
【0057】
以上のように、第2の実施形態によれば、要求送出手段をクライアント装置3に設ける構成としても、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0058】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態は、遠隔起動の対象を実計算機(サーバ装置2)に替えて、ホスト装置内に生成される仮想計算機としたものである。
前述した第1、第2の実施形態と同様のものについては説明を省略する。
【0059】
図7は、第3の実施形態としての情報処理システムの構成例を示す。
図7に示すように、第3の実施形態の情報処理システムでは、管理装置1と、仮想計算機を自装置内に生成するホスト装置4とが同一のネットワークに接続され、さらにクライアント装置3が接続可能とされて構成される。
【0060】
ホスト装置4は、仮想計算機管理部41を備え、この仮想計算機管理部41がホスト装置4における制御手段や記憶手段といったリソースを用いた各仮想計算機の生成や停止などの動作管理を行う。
【0061】
管理装置1におけるサーバ・クライアント管理テーブル14は、クライアント装置3のMACアドレスに、仮想計算機の名称を関連付けて格納する。
起動制御部11は、仮想計算機が生成されているホスト装置4のMACアドレスを格納し、ホスト装置4のMACアドレスと仮想計算機の名称とを起動要求送出部12に通知する。起動要求送出部12は、通知されたホスト装置4のMACアドレス宛に起動要求信号を生成し、送出する。
【0062】
遠隔起動の対象が仮想計算機である場合、前述した第1、第2の実施形態のようにWOLを利用できるとは限らない。
すなわち、仮想計算機をサスペンド状態やハイバネーション状態にする場合、仮想計算機が自らサスペンド処理やハイバネーション処理をするのではなく、仮想計算機を動作させている仮想計算機管理部41が、仮想計算機をサスペンド状態やハイバネーション状態にすることがあるためである。
【0063】
こうして仮想計算機がサスペンド状態やハイバネーション状態といった停止状態にある場合、仮想計算機は、ホスト装置4内のストレージ装置(不図示)にファイルとして保存されるため、マジック・パケットが送信されても受信することができない。
このため、管理装置1の起動要求送出部12は、予め定められた起動要求信号をホスト装置4の仮想計算機管理部41に送出し、その仮想計算機管理部41に対象となる仮想計算機を起動させることとなる。
【0064】
起動要求信号は、SSH(Secure Shell)などを活用する安全性の高いリモートアクセスによりホスト装置4に送信されることが好ましい。
【0065】
また、図7の例では、各装置が1台しか記載されていないが、それぞれ複数台であってもよい。
ここで、ホスト装置4や仮想計算機管理部41が複数存在する場合、起動要求送出部12がネットワークに仮想計算機の起動要求をブロード・キャストで送信する構成であってもよい。
【0066】
このため、ホスト装置4や仮想計算機管理部41が複数存在する場合、サーバ・クライアント管理テーブル14を図8に例示するように構成することが好ましい。すなわち、サーバ・クライアント管理テーブル14が、クライアント装置3の特定情報に、仮想計算機の特定情報と、その仮想計算機の動作管理を行う仮想計算機管理部41の特定情報と、その仮想計算機管理部41が含まれるホスト装置4の特定情報とを関連付けて構成されることが好ましい。
【0067】
この図8のテーブル構成例である場合、起動制御部11は、DHCPサービスによるIPアドレスの付与要求をクライアント装置3から受信すると、サーバ・クライアント管理テーブル14を参照し、そのクライアント装置3のMACアドレスに関連付けられている仮想計算機の特定情報と、その仮想計算機の動作管理を行う仮想計算機管理部41の特定情報と、その仮想計算機管理部41が含まれるホスト装置4の特定情報とを読み出す。
【0068】
起動制御部11は、各仮想計算機が生成されている各ホスト装置4のMACアドレスを格納し、読み出されたホスト装置4のMACアドレスと、仮想計算機管理部41の特定情報と、仮想計算機の名称とを起動要求送出部12に通知する。
起動要求送出部12は、通知されたホスト装置4のMACアドレス宛に、特定された仮想計算機管理部41に特定された仮想計算機を起動させる起動要求信号を生成し、送出する。
【0069】
ホスト装置4は、起動要求信号を受信すると、特定された仮想計算機管理部41に対象となる仮想計算機を起動させる。
【0070】
また、ホスト装置4が複数存在し、各ホスト装置4に仮想計算機管理部41が1つずつ設けられている場合、サーバ・クライアント管理テーブル14を図9に例示するように構成することが好ましい。すなわち、サーバ・クライアント管理テーブル14が、クライアント装置3の特定情報に、仮想計算機の特定情報と、その仮想計算機を生成するホスト装置4の特定情報とを関連付けて構成されることが好ましい。
【0071】
この図9のテーブル構成例である場合、起動制御部11は、DHCPサービスによるIPアドレスの付与要求をクライアント装置3から受信すると、サーバ・クライアント管理テーブル14を参照し、そのクライアント装置3のMACアドレスに関連付けられている仮想計算機の特定情報と、その仮想計算機を生成するホスト装置4の特定情報とを読み出す。
【0072】
起動制御部11は、各仮想計算機が生成されている各ホスト装置4のMACアドレスを格納し、読み出されたホスト装置4のMACアドレスと、仮想計算機の名称とを起動要求送出部12に通知する。
起動要求送出部12は、通知されたホスト装置4のMACアドレス宛に、特定された仮想計算機を起動させる起動要求信号を生成し、送出する。
【0073】
ホスト装置4は、起動要求信号を受信すると、自装置内の仮想計算機管理部41に対象となる仮想計算機を起動させる。
【0074】
また、ホスト装置4が1台だけ設けられ、そのホスト装置4に仮想計算機管理部41が複数設けられている場合、サーバ・クライアント管理テーブル14を図10に例示するように構成することが好ましい。すなわち、サーバ・クライアント管理テーブル14が、クライアント装置3の特定情報に、仮想計算機の特定情報と、その仮想計算機の動作管理を行う仮想計算機管理部41の特定情報とを関連付けて構成されることが好ましい。
【0075】
この図10のテーブル構成例である場合、起動制御部11は、DHCPサービスによるIPアドレスの付与要求をクライアント装置3から受信すると、サーバ・クライアント管理テーブル14を参照し、そのクライアント装置3のMACアドレスに関連付けられている仮想計算機の特定情報と、その仮想計算機の動作管理を行う仮想計算機管理部41の特定情報とを読み出す。
【0076】
起動制御部11は、ホスト装置4のMACアドレスを格納し、ホスト装置4のMACアドレスと、読み出された仮想計算機の名称と、仮想計算機管理部41の特定情報とを起動要求送出部12に通知する。
起動要求送出部12は、通知されたホスト装置4のMACアドレス宛に、特定された仮想計算機管理部41に特定された仮想計算機を起動させる起動要求信号を生成し、送出する。
【0077】
ホスト装置4は、起動要求信号を受信すると、自装置内の仮想計算機管理部41に対象となる仮想計算機を起動させる。
【0078】
以上のように、第3の実施形態によれば、遠隔起動の対象が実計算機(サーバ装置2)でなく、ホスト装置内に生成される仮想計算機とする構成であっても、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られる。
このため、例えばクライアント装置3で仮想デスクトップを利用する場合にも、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0079】
特に、サービス提供手段が仮想計算機である場合、1台の物理的な計算機(ホスト装置4)内で複数の仮想計算機が同時に動作することがあるため、仮想計算機の起動に時間がかかる場合が考えられる。こうした場合、本実施形態による待ち時間の短縮効果がさらに大きく得られることとなる。
【0080】
また、第3の実施形態では、起動要求信号がSSHなどを活用したリモートアクセスによりホスト装置4に送信されるため、例えば管理装置1のコンピュータの処理能力が低い場合、前述した第2の実施形態のように起動要求送出部をクライアント装置3が備える構成とすることで、SSHなどを活用したリモートアクセスのための処理にクライアント装置3の処理能力を活用でき、効率的な処理分散を行うことができる。
【0081】
〔各実施形態について〕
なお、前述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0082】
例えば、前述した各実施形態では、クライアント装置3によるDHCPサービスへのアクセスを検知することでクライアント装置3のネットワークへの接続を検知することとして説明したが、クライアント装置3のネットワークへの接続を検知することができればこのものに限定されず、例えばセキュリティが強化されたネットワーク(特に、WLAN;Wireless LAN)で活用されるセキュリティ認証により接続を検知する構成であってもよい。
【0083】
この構成の場合、クライアント装置3のネットワーク接続のために行われる認証の時、クライアント装置3から、クライアント装置3、もしくはユーザの識別情報が、管理装置1に送信される。この識別情報を受信することで、管理装置1はクライアント装置3のネットワーク接続を検知する。
また、この構成の場合、サーバ・クライアント管理テーブル14に用いるクライアント装置3の特定情報には、クライアント装置3から送信される前記の識別情報を用いることが好ましい。
【0084】
また、管理装置1は、サーバ装置2やホスト装置4といったサービス提供手段以外の装置でネットワークに常時接続され、電源が常時ONとなっており、クライアント装置3のネットワーク接続時に必ず何らかの信号が送信される装置であれば、例えばDHCPサーバ、認証サーバなど、各種の装置であってよい。
【0085】
また、本発明の実施形態による遠隔起動対象であるサーバ装置2や仮想計算機が1つである場合、サーバ・クライアント管理テーブル14を用いず、クライアント装置3がネットワークに接続されたことが検知された時点で、管理装置1の起動制御部11に登録された1台のサーバまたはホスト装置4に対して起動要求信号を送出する構成であってもよい。
【0086】
また、クライアント装置3のネットワークからの切断を管理装置1が検知して、管理装置1からサーバ装置2や仮想計算機をサスペンド、ハイバネーション、シャットダウンできる構成をさらに備えてもよい。この遠隔停止は、公知の方法を用いるものであってよい。
【0087】
また、前述した各実施形態としての管理装置1やクライアント装置3を実現するための処理手順をプログラムとして記録媒体に記録することにより、本発明の各実施形態による前述した各機能を、その記録媒体から供給されるプログラムによって、システムを構成するコンピュータのCPUに処理を行わせて実現させることができる。
この場合、前記の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
すなわち、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体および該記録媒体から読み出された信号は本発明を構成することになる。
この記録媒体としては、例えばハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、ROM等を用いてよい。
【0088】
この本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムによって制御される管理装置1やクライアント装置3に、前述した各実施形態における各機能を実現させることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 管理装置
11 起動制御部
12 起動要求送出部
13 DHCPサービス部
14 サーバ・クライアント管理テーブル
15 テーブル更新部
2 サーバ装置(サービス提供手段の一例)
3 クライアント装置
31 起動要求送出部
4 ホスト装置
41 仮想計算機管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介してクライアント装置が接続可能に構成された情報処理システムであって、
前記クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、
前記接続検知手段により該クライアント装置の接続が検知された時、前記サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手段と、を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルを備え、
前記要求送出手段は、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手段により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた特定情報で特定される前記サービス提供手段に対して前記起動要求信号を送出することを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介してクライアント装置が接続可能に構成された情報処理システムであって、
前記クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、
前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルと、
前記接続検知手段により該クライアント装置の接続が検知された時、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手段により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた前記サービス提供手段の特定情報を該クライアント装置に送出する特定情報送出手段と、を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
前記サービス提供手段は、自装置内に仮想計算機を生成するホスト装置であり、
前記要求送出手段は、前記接続検知手段により前記クライアント装置の接続が検知された時、前記ホスト装置に対して前記起動要求信号を送出することにより、該ホスト装置内で前記仮想計算機を管理する仮想計算機管理部に該仮想計算機を起動させることを特徴とする請求項2または3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記テーブルは、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記仮想計算機を特定する特定情報と、該仮想計算機を管理する仮想計算機管理部を特定する特定情報と、該仮想計算機管理部を含む前記ホスト装置を特定する特定情報と、を関連付けて構成されたことを特徴とする請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介して接続されて用いられる管理装置であって、
クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、
前記接続検知手段により該クライアント装置の接続が検知された時、前記サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手段と、を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項7】
前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルを備え、
前記要求送出手段は、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手段により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた特定情報で特定される前記サービス提供手段に対して前記起動要求信号を送出することを特徴とする請求項6記載の管理装置。
【請求項8】
サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介して接続されて用いられる管理装置であって、
クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手段と、
前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルと、
前記接続検知手段により該クライアント装置の接続が検知された時、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手段により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた前記サービス提供手段の特定情報を該クライアント装置に送出する特定情報送出手段と、を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項9】
前記サービス提供手段は、自装置内に仮想計算機を生成するホスト装置であり、
前記要求送出手段は、前記接続検知手段により前記クライアント装置の接続が検知された時、前記ホスト装置に対して前記起動要求信号を送出することにより、該ホスト装置内で前記仮想計算機を管理する仮想計算機管理部に該仮想計算機を起動させることを特徴とする請求項7または8記載の管理装置。
【請求項10】
前記テーブルは、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記仮想計算機を特定する特定情報と、該仮想計算機を管理する仮想計算機管理部を特定する特定情報と、該仮想計算機管理部を含む前記ホスト装置を特定する特定情報と、を関連付けて構成されたことを特徴とする請求項9記載の管理装置。
【請求項11】
サービスを提供するサービス提供手段と、管理装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムに接続可能なクライアント装置であって、
前記管理装置から前記サービス提供手段の特定情報を受信すると、該サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手段を備えたことを特徴とするクライアント装置。
【請求項12】
サービスを提供するサービス提供手段と管理装置とがネットワークを介して接続され、クライアント装置が該ネットワークを介して接続可能に構成された情報処理システムにおける遠隔起動方法であって、
前記管理装置が前記クライアント装置からの信号を受信することにより、該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知工程と、
前記接続検知工程により該クライアント装置の接続が検知された時、前記サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を前記管理装置が送出する要求送出工程と、を備えたことを特徴とする遠隔起動方法。
【請求項13】
前記管理装置は、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルを備え、
前記要求送出工程では、前記テーブルに基づいて、前記接続検知工程により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた特定情報で特定される前記サービス提供手段に対して前記管理装置が前記起動要求信号を送出することを特徴とする請求項12記載の遠隔起動方法。
【請求項14】
サービスを提供するサービス提供手段と管理装置とがネットワークを介して接続され、クライアント装置が該ネットワークを介して接続可能に構成された情報処理システムにおける遠隔起動方法であって、
前記管理装置は、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルを備え、
前記管理装置が前記クライアント装置からの信号を受信することにより、該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知工程と、
前記接続検知工程により該クライアント装置の接続が検知された時、前記テーブルに基づいて、前記接続検知工程により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた前記サービス提供手段の特定情報を前記管理装置が該クライアント装置に送出する特定情報送出工程と、を備えたことを特徴とする遠隔起動方法。
【請求項15】
前記サービス提供手段は、自装置内に仮想計算機を生成するホスト装置であり、
前記要求送出工程では、前記接続検知工程により前記クライアント装置の接続が検知された時、前記ホスト装置に対して前記起動要求信号を送出することにより、該ホスト装置内で前記仮想計算機を管理する仮想計算機管理部に該仮想計算機を起動させることを特徴とする請求項12から14の何れか1項に記載の遠隔起動方法。
【請求項16】
サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介して接続されて用いられる管理装置のプログラムであって、
クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手順と、
前記接続検知手順により該クライアント装置の接続が検知された時、前記サービス提供手段に対して当該サービス提供手段を起動させる起動要求信号を送出する要求送出手順と、を前記管理装置のコンピュータに実行させることを特徴とする管理装置のプログラム。
【請求項17】
前記管理装置は、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルを備え、
前記要求送出手順では、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手順により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた特定情報で特定される前記サービス提供手段に対して前記起動要求信号を送出することを特徴とする請求項16記載の管理装置のプログラム。
【請求項18】
サービスを提供するサービス提供手段にネットワークを介して接続されて用いられる管理装置のプログラムであって、
前記管理装置は、クライアント装置を特定する特定情報に、前記サービス提供手段を特定する特定情報を関連付けたテーブルを備え、
前記クライアント装置からの信号を受信することにより該クライアント装置が前記ネットワークに接続されたことを検知する接続検知手順と、
前記接続検知手順により該クライアント装置の接続が検知された時、前記テーブルに基づいて、前記接続検知手順により接続が検知された前記クライアント装置の特定情報に関連付けられた前記サービス提供手段の特定情報を該クライアント装置に送出する特定情報送出手順と、を前記管理装置のコンピュータに実行させることを特徴とする管理装置のプログラム。
【請求項19】
前記サービス提供手段は、自装置内に仮想計算機を生成するホスト装置であり、
前記要求送出手順では、前記接続検知手順により前記クライアント装置の接続が検知された時、前記ホスト装置に対して前記起動要求信号を送出することにより、該ホスト装置内で前記仮想計算機を管理する仮想計算機管理部に該仮想計算機を起動させることを特徴とする請求項17または18記載の管理装置のプログラム。
【請求項20】
前記テーブルは、前記クライアント装置を特定する特定情報に、前記仮想計算機を特定する特定情報と、該仮想計算機を管理する仮想計算機管理部を特定する特定情報と、該仮想計算機管理部を含む前記ホスト装置を特定する特定情報と、を関連付けて構成されたことを特徴とする請求項19記載の管理装置のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−150464(P2011−150464A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9943(P2010−9943)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】