説明

情報処理システムおよびシミュレーション装置

【課題】情報処理のカスタマイズが適正になされているかどうかを容易に検証することを可能とする。
【解決手段】CPU19は、情報端末1やハンディ端末においてユーザの操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸した入力インタフェース画像をLCD10に表示させる。タッチパネル12およびタッチパネルコントローラ13は、入力インタフェース画像上でのユーザの操作を入力する。CPU19は、入力された操作に応じてステーションで実行される処理をシミュレートし、伝票プリンタで出力される情報を摸した結果画像を生成する。CPU19は、生成した結果画像をLCD10に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店等における店員などによる注文受付業務などのような業務を支援する情報処理システムおよびこの情報処理システムの動作をシミュレートするシミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばファミリーレストランや居酒屋等の多くの飲食店では、メニュー品目の注文の受付業務や会計業務などの種々の業務を支援する種々の情報処理システムが利用されている。
【0003】
そしてこのような情報処理システムでは、店員等のユーザの操作を入力装置で入力し、その入力された操作に応じた処理を処理装置で実行し、その処理の結果を表す情報を出力装置で出力することが行われることがある。
【0004】
具体的には、飲食店で使用される情報処理システムの場合、上記の入力装置、処理装置および出力装置はそれぞれ、例えばオーダー端末、ステーション(サーバ)および伝票プリンタである。そしてこの場合にオーダー端末では、顧客により注文されたメニュー品目を指定する操作を入力する。オーダー端末は、入力した操作に基づいて注文されたメニュー品目のリストを含んだ受注情報を生成し、それをステーションに送信する。ステーションは、受注情報に基づいて、調理指示伝票の印刷を伝票プリンタに対して指示する。そしてこの指示に応じて伝票プリンタが調理指示伝票を印刷することにより、注文内容が調理人へと伝達される。
【0005】
さて、取り扱うメニュー品目は店舗毎に異なる。また、同一店舗に複数の伝票プリンタが設置される場合には、メニュー品目に応じて出力先の伝票プリンタの振り分けが行われることがあり、その際のメニュー品目と伝票プリンタとの対応関係も店舗毎に異なる。
【0006】
そこで情報処理システムでは、オーダー端末に設けられた操作キー(ソフトキーやハードキー)に対するメニュー品目の割り付けや、メニュー品目と伝票プリンタとの対応関係などをカスタマイズできるようにし、様々な店舗に適応可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−191035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のようなカスタマイズが可能であるために情報処理システムは、設定に応じて動作が変化するのであるが、設定が適正になされているかどうかは情報処理システムの全体を動作させて、その動作を検証してみなければ確認できなかった。
【0009】
例えば上記の具体的なシステムにおいては、オーダー端末でメニュー品目を指定する操作と、その操作の結果として伝票プリンタで印刷される調理指示伝票との整合性などを検証する必要があり、手間が掛かるという不具合があった。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、情報処理処理のカスタマイズが適正になされているかどうかを容易に検証することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様による情報処理システムは、業務に関する指示のためのユーザの操作を入力する入力装置と、前記入力手段で入力された前記操作による指示に応じて前記業務を支援するための処理を実行する処理装置と、前記処理手段での処理の結果を表す情報を出力する出力装置とを具備した情報処理システムであって、前記入力装置において前記ユーザの操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸した入力インタフェース画像を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段により表示された前記入力インタフェース画像上での前記ユーザの操作を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された操作に応じて前記処理装置で実行される処理をシミュレートし、前記出力装置で出力される情報を摸した結果画像を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記結果画像を表示する第2の表示手段とを備える。
【0012】
本発明の第2の態様によるシミュレーション装置は、業務に関する指示のためのユーザの操作を入力する入力装置と、前記入力手段で入力された前記操作による指示に応じて前記業務を支援するための処理を実行する処理装置と、前記処理手段での処理の結果を表す情報を出力する出力装置とを具備した情報処理システムにおける動作をシミュレートするシミュレーション装置であって、前記入力装置において前記ユーザの操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸した入力インタフェース画像を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段により表示された前記入力インタフェース画像上での前記ユーザの操作を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された操作に応じて前記処理装置で実行される処理をシミュレートし、前記出力装置で出力される情報を摸した結果画像を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記結果画像を表示する第2の表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、情報処理のカスタマイズが適正になされているかどうかを容易に検証することを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る接客支援システムの構成を図。
【図2】図1中の情報端末のブロック図。
【図3】図2中のCPUによるシミュレーション処理のフローチャート。
【図4】初期状態におけるシミュレーション画像を含んだ表示画面の一例を示す図。
【図5】オーダー入力操作に伴って結果画像を変更するように更新した後のシミュレーション画像を含んだ表示画面の一例を示す図。
【図6】表示対象の切り替えに伴って結果画像を変更するように更新した後のシミュレーション画像を含んだ表示画面の一例を示す図。
【図7】シミュレーション対象の切り替えに伴ってインタフェース画像にを変更するように更新した後のシミュレーション画像を含んだ表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0016】
図1は本実施形態に係る接客支援システム100の構成を図である。
【0017】
この接客支援システム100は、飲食店や販売店などのような顧客の注文に応じて飲食サービスや商品販売サービスを提供する任意の施設で利用可能である。ただし以下においては、飲食店での利用に適応するものとして構成された接客支援システム100について説明することとする。
【0018】
接客支援システム100は、複数の情報端末1、複数のハンディ端末2、複数の伝票プリンタ3およびステーション4をLAN(local area network)5にそれぞれ接続して構成される。ただし、ハンディ端末2は、無線アクセスポイント6を介してLAN5に接続される。情報端末1、ハンディ端末2および伝票プリンタ3は、図1では2つずつを図示しているが、その数はそれぞれに任意である。情報端末1、ハンディ端末2および伝票プリンタ3は、1つのみが設けられても良い。
【0019】
情報端末1は、例えば接客フロアやチェックアウトカウンタに設置される。顧客に対する案内業務、受注業務、給仕(配膳)業務、あるいは会計業務など各種の業務を支援するための処理を行う。そして、接客フロアに設置された情報端末1においては、案内業務、受注業務および給仕(配膳)業務を支援するための処理が主として利用される。またチェックアウトカウンタに設置された情報端末1においては、さらに会計業務を支援するための処理が利用される。なお、情報端末1は、上記の業務の一部のみを支援する処理を行うことにより用途に特化したものとしても良い。情報端末1のうちの少なくとも1つは、後述するシミュレーション処理を実行する機能を備え、シミュレートするシミュレーション装置として機能する。情報端末1は、例えばPOS(point-of-sale)端末として実現できる。
【0020】
ハンディ端末2は、ソフトキーやハードキーなどの操作キーが複数配列されたユーザインタフェースを備え、このユーザインタフェースによりオーダー入力のためのユーザの操作を入力する。ハンディ端末2は、入力した操作に従ってオーダー情報を生成し、このオーダー情報を無線送信する。ハンディ端末2から無線送信されたオーダー情報は、無線アクセスポイント6およびLAN5を介してステーション4に伝送される。
【0021】
伝票プリンタ3は、例えば接客フロアやキッチンに設置される。接客フロアに設置された伝票プリンタ3は、受注情報に基づく注文伝票を顧客のために印刷する。すなわち、接客フロアに設置された伝票プリンタ3は、いわゆるカスタマープリンタとして利用される。またキッチンに設置された伝票プリンタ3は、受注情報に基づく調理指示伝票を調理人のために印刷する。すなわち、キッチンに設置された伝票プリンタ3は、いわゆるキッチンプリンタとして利用される。
【0022】
ステーション4は、例えばバックヤードに設置され、情報端末1から送信された各種の情報を集計処理し、飲食店の営業に拘わる管理業務を支援する。またステーション4は、複数の情報端末1で共通に利用される情報の管理処理を行うこともある。
【0023】
図2は情報端末1のブロック図である。
【0024】
情報端末1は、液晶ディスプレイ(LCD)10、表示コントローラ11、タッチパネル12、タッチパネルコントローラ13、周辺機器インタフェース(周辺機器I/F)14、通信インタフェース(通信I/F)15、ROM(read-only memory)16、RAM(random-access memory)17、HDD(hard disk drive)18およびCPU(central processing unit)19を含む。このうち、表示コントローラ11、タッチパネルコントローラ13、周辺機器インタフェース14、通信インタフェース15、ROM16、RAM17、HDD18およびCPU19は、バスラインにそれぞれ接続されている。液晶ディスプレイ10およびタッチパネル12は、表示コントローラ11およびタッチパネルコントローラ13にそれぞれ接続されている。
【0025】
液晶ディスプレイ10は、表示コントローラ11により駆動されて画像を表示する。表示コントローラ11は、CPU19の制御の下にRAM17から転送される画像データに応じた画像が表示されるように液晶ディスプレイ10を制御する。
【0026】
タッチパネル12は、液晶ディスプレイ10の表示面に積層配置されている。タッチパネル12は、液晶ディスプレイ10の表示画面へのユーザによるタッチがなされた際に、そのタッチ位置に応じた検出信号を出力する。タッチパネルコントローラ13は、タッチパネル12から出力された検出信号に基づいて上記のタッチ位置を表す座標情報を求め、この座標情報をCPU19へ送る。
【0027】
周辺機器インタフェース14には、プリンタ7や客面表示装置8などの周辺機器が必要に応じて接続される。周辺機器インタフェース14は、接続されている周辺機器と通信する。周辺機器インタフェース14としては、USB(universal serial bus)の汎用規格に準拠したインタフェース回路などを利用できる。なお、プリンタ7は、受注伝票、領収伝票あるいは各種のジャーナルなどを印刷するために利用される。客面表示装置8は、会計結果や広告情報などを顧客に提示するための画像を表示するために利用される。プリンタ7および客面表示装置8の少なくとも一方は、情報端末1に内蔵されていても良い。
【0028】
通信インタフェース15は、伝票プリンタ3およびステーション4とLAN5を介して通信する。通信インタフェース15としては、イーサネット(登録商標)などの汎用規格に準拠したインタフェース回路などを利用できる。
【0029】
ROM16は、CPU19の処理手順を記述したプログラムや、CPU16が各種の処理を実行する上で必要なデータなどを記憶している。
【0030】
RAM17は、CPU16が各種の処理を実行する上で必要なデータを必要に応じて記憶する。例えばRAM17には、液晶ディスプレイ10で表示する画像を表す画像情報が記憶される。またRAM17は、CPU16が各種の処理を行う際のワークエリアとしても利用される。
【0031】
HDD18は、CPU19の処理手順を記述したプログラムや、CPU16が各種の処理を実行する上で必要なデータなどを記憶している。HDD18には、情報処理システム100が設置されている飲食店で提供されるメニュー品目に関するデータベースが記憶される。HDD18には、ハンディ端末2におけるユーザインタフェースを摸した入力インタフェース画像のデータが記憶される。またHDD18には、ハンディ端末2で行われるユーザ操作と同様な操作による指示を上記の入力インタフェース画像上で入力するために、入力インタフェース画像中の領域と情報端末1やハンディ端末2のユーザインタフェースに含まれる操作キーとの関連付け等を記述したデータが記述される。このデータに基づいて上記の入力インタフェース画像上でのユーザの操作を入力する処理をCPU19が行うことで、ハンディ端末2で行われるユーザ操作と同様な操作を可能とするGUIが実現される。さらにHDD18には、情報端末1やハンディ端末2のユーザインタフェースに含まれる操作キーのそれぞれとメニュー品目との対応関係を記述したデータテーブルが記憶される。なお、上記のデータベースには、各メニュー品目の名称、価格、あるいは対応する伝票プリンタ3の識別情報などが含まれる。
【0032】
CPU19は、ROM16やHDD18に記憶されたプログラムに従って、前述した各種の業務を支援するための各種の処理やシミュレーション処理を実行する。
【0033】
なお、情報端末1は、ROM16やHDD18にプログラムが記憶された状態にて販売や譲渡がなされても良いし、記憶媒体に記憶された状態や通信回線を介した通信により販売または譲渡されたプログラムが任意に情報端末1にインストールされても良い。なお、上記の記憶媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、あるいは半導体メモリなどのあらゆる種類のものを利用できる。
【0034】
次に接客支援システム100の動作について説明する。
【0035】
さて、HDD18に記憶されるデータベースおよびデータテーブルは、接客支援システム100を飲食店に新規導入する際などにおいて作成される。これらのデータベースおよびデータテーブルは、ステーション4にも記憶される。これらのデータベースおよびデータテーブルは、接客支援システム100を利用している飲食店で提供するメニュー品目に関して何らかの変更が生じた場合や、ユーザインタフェースに含まれる操作キーのそれぞれとメニュー品目との対応関係に変更が生じた場合には、適宜に更新される。
【0036】
なお、データベースおよびデータテーブルの作成や更新は、典型的にはユーザや保守作業者の指示の下にステーション4内のCPUによって行われる。そしてこのようにしてステーション4で得られる新たなデータベースおよびデータテーブルが情報端末1のHDD18にコピーされる。しかし、データベースおよびデータテーブルの作成や更新を情報端末1のCPU19で行っても良いし、あるいは接客支援システム100に含まれないコンピュータで行っても良い。
【0037】
情報端末1やハンディ端末2でオーダー入力のための操作をユーザが行うと、その操作に応じて情報端末1やハンディ端末2で生成されたオーダー情報がLAN5を介してステーション4に伝送される。ステーション4は、到来したオーダー情報を、会計処理や集計処理などのために管理する。またステーション4は、オーダー情報をLAN5を介して伝票プリンタ3へと送信する。伝票プリンタ3は、到来したオーダー情報に応じた内容の調理指示伝票や注文伝票を印刷する。
【0038】
さて、情報端末1やハンディ端末2のユーザインタフェースに含まれる操作キーのそれぞれとメニュー品目との対応関係や、メニュー品目と伝票プリンタ3との対応関係を確認したい場合にユーザは、情報端末1が備えるシミュレーション機能を利用できる。このシミュレーション機能の起動がユーザにより要求された情報端末1のCPU19は、図3に示すようなシミュレーション処理を実行する。
【0039】
ステップSa1においてCPU19は、シミュレーション画像を生成し、それをLCD10に表示させる。
【0040】
図4は初期状態におけるシミュレーション画像40を含んだ表示画面の一例を示す図である。
【0041】
シミュレーション画像40は、入力インタフェース画像41と結果画像42とを含む。入力インタフェース画像41は、ハンディ端末2におけるユーザインタフェースの外観を摸した画像である。結果画像42は、伝票プリンタ3で印刷される伝票の内容を表した画像である。なお、初期状態においては、結果画像42は図4に示すように実質的な情報を何ら表していない。
【0042】
ステップSa2においてCPU19は、何らかの操作がユーザにより行われるのを待ち受ける。そして何らかの操作が行われたならば、CPU19はその操作の内容を判定する。そしてユーザによりなされた操作が、入力インタフェース画像40を利用してオーダーを入力する操作であったならば、CPU19はステップSa2からステップSa3に移行する。具体的には、入力インタフェース画像41には、ハンディ端末2に設けられている多数のボタンが表されている。CPU19は、入力インタフェース41中のボタンのいずれかを押すような操作がユーザによりなされた場合、そのボタンに関連付けられたハンディ端末2のボタンを判断し、さらにそのハンディ端末2のボタンに割り当てられたメニュー品目についてのオーダーを入力する操作がなされたと判定する。
【0043】
ステップSa3においてCPU19は、上記のユーザの操作により指定されたメニュー品目(以下、指定品目と称する)を判定し、そのメニュー品目を含むように注文リストを更新する。すなわちCPU19は、上記の操作による指示に応じて、新たに注文されたメニュー品目を注文リストに追加する処理を実行する。ここで注文リストは、例えばRAM17に記憶されるデータであって、オーダー済みのメニュー品目の一覧を表す。従ってシミュレーション処理の開始直後には、注文リストにはいずれのメニュー品目も含まれていない。そしてここでは、CPU19は指定品目を含むように注文リストを更新する。なお指定品目の判定は、HDD18に記憶されたデータテーブルを参照して行う。
【0044】
ステップSa4においてCPU19は、指定品目に対応する伝票の出力先となる伝票プリンタ3を判定する。この判定は、HDD18に記憶されたデータベースを参照して行う。
【0045】
ステップSa5においてCPU19は、上記の判定した出力先が表示対象となっているか否かを確認する。そして上記の判定した出力先が表示対象であるならば、CPU19はステップSa5からステップSa6へ進む。
【0046】
ここで、シミュレーション画像40には、操作ボタン43,44を含んでいて、これらは、カスタマープリンタおよびキッチンプリンタがそれぞれ対応付けられている。そしてCPU19は、操作ボタン43,44のうちの選択されているプリンタに対応するボタンをアクティブ表示(ハッチングで示す)とする。またシミュレーション画像40には、リストボックス45を含んでいる。そしてCPU19は、結果画像の表示対象とするプリンタの番号をリストボックス45に表示する。なお本実施形態では、「キッチンプリンタNo.8」をデフォルトで選択することとし、初期のシミュレーション画像においては操作ボタン44をアクティブ表示とするとともに、リストボックス45には「No.8」と表示している。
【0047】
つまり、シミュレーション画像40が表示された状態にあっては、「キッチンプリンタNo.8」に相当する伝票プリンタ3が表示対象である。従って、例えばシミュレーション画像40が表示された状態において「キッチンプリンタNo.8」に相当する伝票プリンタ3により伝票を出力するべきメニュー品目の指定がなされたならば、CPU19はステップSa6へ移行する。
【0048】
ステップSa6においてCPU19は、表示対象である伝票プリンタ3で印刷される伝票の内容を表した結果画像を生成する。これは例えば、注文リストから表示対象である伝票プリンタ3が対応付けられたメニュー品目を抽出し、該当するメニュー品目に関する情報を予め定めた形態で表した画像を生成することにより実現される。つまりCPU19は、ユーザ操作に応じた処理の結果として生成された注文リストの内容を表す画像を生成する。
【0049】
ステップSa7においてCPU19は、上記のように生成した結果画像を含むようにLCD10において表示させるシミュレーション画像を更新する。
【0050】
図5はステップSa7にて更新後のシミュレーション画像50を含んだ表示画面の一例を示す図である。
【0051】
シミュレーション画像50は、シミュレーション画像40における結果画像42を結果画像51に置き換えて生成された画像となっている。そしてこの図5における結果画像では、「アイスコーヒー」の調理指示を表した調理指示伝票が「キッチンプリンタNo.8」に相当する伝票プリンタ3で印刷されることを示している。
【0052】
なお、ステップSa7においてシミュレーション画像を更新し終えたならばCPU19は、ステップSa2の待ち受け状態に戻る。
【0053】
さて、CPU19がステップSa2の待ち受け状態にあるときになされたユーザ操作が、表示対象とする伝票プリンタ3の切り替えを要求するものであった場合、CPU19はステップSa2からステップSa8へ進む。具体的には、ユーザは、キッチンプリンタが選択されているときには操作ボタン43を操作することによって、またカスタマープリンタが選択されているときには操作ボタン44を操作することによって、カスタマープリンタおよびキッチンプリンタのうちの選択するプリンタの切り替えを要求することができる。また、リストボックス45を利用して選択されている種類のプリンタのうちで表示対象とする個体の切り替えを要求することができる。そしてCPU19は、これらの操作に応じて表示対象とする伝票プリンタ3を変更する。そして新たに表示対象とした伝票プリンタ3で印刷される伝票の内容を表した結果画像を生成する。
【0054】
ステップSa9においてCPU19は、上記のように生成した結果画像を含むように、LCD10において表示させるシミュレーション画像を更新する。
【0055】
図6はステップSa9にて更新後のシミュレーション画像60を含んだ表示画面の一例を示す図である。
【0056】
シミュレーション画像60は、シミュレーション画像40における結果画像42を結果画像61に置き換えて生成された画像となっている。この図6における結果画像では、「キッチンプリンタNo.3」に相当する伝票プリンタ3で印刷される調理指示伝票の内容を示している。
【0057】
なお、ステップSa9においてシミュレーション画像を更新し終えたならばCPU19は、ステップSa2の待ち受け状態に戻る。
【0058】
さて、以上においてはハンディ端末2でのオーダー入力の操作に関するシミュレーションについて説明しているが、情報端末1におけるシミュレーション機能では、情報端末1でのオーダー入力の操作に関するシミュレーションも前記と同様に行うことが可能である。そして情報端末1およびハンディ端末2のいずれをシミュレーションの対象とするかを指定する操作を入力するために、各シミュレーション画像には操作ボタン47,48を設けている。そしてCPU19は、操作ボタン47,48のうちのシミュレーションの対象とされている端末に対応するボタンをアクティブ表示(ハッチングで示す)とする。ユーザは、ハンディ端末2がシミュレーション対象とされているときには操作ボタン48を操作することによって、また情報端末1がシミュレーション対象とされているときには操作ボタン47を操作することによって、シミュレーション対象とする端末の切り替えを要求することができる。そこで、このようなシミュレーション対象の切り替えを要求する操作が行われたならば、ステップSa2からステップSa10へ進む。
【0059】
ステップSa10においてCPU19は、シミュレーション対象として新たに指定された端末におけるユーザインタフェースを摸した入力インタフェース画像を含むように、LCD10において表示させるシミュレーション画像を更新する。
【0060】
図7はステップSa10にて更新後のシミュレーション画像70を含んだ表示画面の一例を示す図である。
【0061】
シミュレーション画像70は、シミュレーション画像60における入力インタフェース画像41をユーザインタフェース71に置き換えて生成された画像となっている。そして入力インタフェース画像71は、情報端末1にてオーダー入力の操作を受け付ける際にLCD10に表示する画像である。
【0062】
なお、ステップSa10においてシミュレーション画像を更新し終えたならばCPU19は、ステップSa2の待ち受け状態に戻る。
【0063】
ところで、CPU19がステップSa2の待ち受け状態にあるときに、オーダー入力、表示対象の切り替えおよびシミュレーション対象の切り替えのいずれかを指定する操作とは異なる操作がユーザによりなされた場合、CPU19はその指定に応じた図示しない処理に移行し、その処理を実行する。なお、別の業務を支援するための処理の起動や処理の停止などのような図3の処理の終了条件に合致する要求がなされた場合以外では、操作に応じた処理の完了後にCPU19はステップSa2の待ち受け状態に戻る。
【0064】
かくして、入力インタフェース画像41中で「アイスコーヒー」が割り付けられた操作キー46をユーザがタッチする操作を行ったことに伴ってLCD10での表示画面が図4に示す状態から図5に示す状態に遷移し、かつ「アイスコーヒー」についての調理指示伝票が「キッチンプリンタNo.8」で印刷されることが妥当であるならば、「アイスコーヒー」に関する設定が適正であることをユーザが認識できる。しかしながら、入力インタフェース画像41中で「アイスコーヒー」が割り付けられた操作キー46以外の操作キーをユーザがタッチする操作を行ったことに伴ってLCD10での表示画面が図4に示す状態から図5に示す状態に遷移した場合には、当該タッチした操作キーに関するメニュー品目の対応付けが正しくないことをユーザが認識できる。また、「アイスコーヒー」についての調理指示伝票が「キッチンプリンタNo.8」以外の伝票プリンタ3で印刷されるべきであるのに「アイスコーヒー」が割り付けられた操作キー46をユーザがタッチする操作を行ったことに伴ってLCD10での表示画面が図4に示す状態から図5に示す状態に遷移した場合には、「アイスコーヒー」についての伝票プリンタ3の対応付けが正しくないことをユーザが認識できる。また、「アイスコーヒー」が割り付けられているはずの操作キー46をユーザがタッチする操作を行ったことに伴ってLCD10での表示画面が図4に示す状態から図5に示すのとは異なる状態に遷移した場合には、操作キー46に関するメニュー品目の対応付けが正しくないことをユーザが認識できる。つまり、情報端末1やハンディ端末2のユーザインタフェースに含まれる操作キーのそれぞれとメニュー品目との対応関係を記述したデータテーブルが、接客支援システム100の使用環境に適応した適切なものとなっているか否かをユーザが容易に確認できる。
【0065】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0066】
シミュレーション画像、入力インタフェース画像および結果画像のうちの少なくとも一部をステーション4にて生成しても良い。すなわち、上記のシミュレーション機能を情報端末1とステーション4との協働によって実現しても良い。具体的には例えば、ステーション4で生成したシミュレーション画像を情報端末1においてLCD10に表示させる。さらにシミュレーション画像内の入力インタフェース画像におけるユーザの操作を情報端末1で入力し、ステーション4に通知する。そしてユーザの操作に応じたシミュレーション画像の更新をステーション4にて行う。
【0067】
シミュレーション画像を、ステーション4に内蔵または外付けされた表示デバイスにて表示しても良い。
【0068】
シミュレーション画像内の入力インタフェース画像におけるユーザの操作を、ステーション4に内蔵または外付けされた例えばマウスなどの入力デバイスを用いてステーション4にて入力しても良い。
【0069】
入力インタフェース画像と結果画像とをそれぞれ個別の表示デバイスに表示させても良い。
【0070】
シミュレートする処理は、上記実施形態に挙げたものには限定されず、ユーザ操作に応じて何らかの情報を得る処理であれば如何なる処理でも良い。例えば、POSにおける処理をシミュレートすることもできる。具体的には、顧客の注文を受けて店員が該当商品を顧客に引き渡すとともに、会計処理を行う業態においては、上記の会計処理を支援するPOSが利用される。そしてこのようなPOSで上記の会計処理に関して行う処理をシミュレートの対象として上記の実施形態と同様に実施することが可能である。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…情報端末、2…ハンディ端末、3…伝票プリンタ、4…ステーション、5…LAN、6…無線アクセスポイント、7…プリンタ、8…客面表示装置、10…液晶ディスプレイ、11…表示コントローラ、12…タッチパネル、13…タッチパネルコントローラ、14…周辺機器インタフェース、15…通信インタフェース、16…ROM、17…RAM、18…HDD、19…CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作を入力する入力装置と、
前記入力手段で入力された前記操作による指示に応じて処理を実行する処理装置と、
前記処理手段での処理の結果を表す情報を出力する出力装置とを具備した情報処理システムであって、
前記入力装置において前記ユーザの操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸した入力インタフェース画像を表示する第1の表示手段と、
前記入力装置で入力されるのと同様な前記ユーザの操作を前記第1の表示手段により表示された前記入力インタフェース画像上で入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された操作に応じて前記処理装置で実行される処理をシミュレートし、前記出力装置で出力される情報を摸した結果画像を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記結果画像を表示する第2の表示手段とを具備したことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理システムは、前記第1の表示手段、前記入力手段、前記生成手段および前記第2の表示手段を具備したシミュレーション装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1の表示手段および前記第2の表示手段は、同一の表示デバイスを共用し、前記入力インタフェース画像と前記結果画像とを前記表示デバイスの表示領域に並べて表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースの外観をそれぞれ異ならせたものとして前記入力装置を複数備え、
前記第1の表示手段は、前記複数の入力装置のうちのユーザにより選択された1つの入力装置に関する入力インタフェース画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記処理手段での処理の結果を表すそれぞれ異なる情報を出力するために前記出力装置を複数備え、
前記生成手段は、前記複数の出力装置のそれぞれで出力される情報を摸した複数の結果画像を生成し、
前記第2の表示手段は、前記複数の出力装置のうちのユーザにより選択された1つの出力装置に関して前記生成手段により生成された結果画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
入力装置においてユーザの操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸した入力インタフェース画像を表示する第1の表示手段と、
前記入力装置で入力されるのと同様な前記ユーザの操作を前記第1の表示手段により表示された前記入力インタフェース画像上で入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された操作に応じて処理装置で実行される処理をシミュレートし、前記処理装置での処理の結果を表すものであって出力装置で出力される情報を摸した結果画像を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記結果画像を表示する第2の表示手段とを具備したことを特徴とするシミュレーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−181061(P2011−181061A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158160(P2010−158160)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】