説明

情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】SMPTE299Mに従って、SMPTE292Mで規定されているHD-SDI上で伝送される音声信号の保護ができるようにする。
【解決手段】例えば音声信号が、SMPTE299Mに規定されているAudio Data Paketのパケット構造を有する場合、暗号化装置は、そのAudio Data PaketののうちのUDW2 乃至UDW17 のそれぞれのbit7乃至bit0 に対して暗号化を施し、それぞれの暗号化した結果から EvenParity を再計算して、bit8 に、bit8 の反転をbit9に割り当てる。また、暗号化装置は、それ以外のデータ、即ち、ADF,DID,DBN,DC,CLK,ECC,CSの暗号化を禁止する。本発明は、HD-SDI信号を伝送するシステムに適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、HD-SDI等で伝送される音声信号の適切な保護を実現できるようになった、情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映画等のコンテンツを伝送する際にそのコンテンツを保護するための手法が検討されている。例えば、非特許文献1のSMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いたコンテンツ保護の手法が検討されている。
【0003】
なお、非特許文献2のSMPTE299Mでは、 HD-SDIに24bitの音声信号を如何にしてEmbeded するかが規定されている。
【非特許文献1】SMPTE,Television - Bit-Serial Digital Interface for High-Definition Television Systems,2002年発行
【非特許文献2】SMPTE,Television - 24-Bit Digital Audio Format for SMPTE 299M Bit-Serial Interface,2004年発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現状検討されているコンテンツ保護の手法は、映像信号の保護に留まり、音声信号の保護についてまで考慮されていない状況である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、HD-SDI等で伝送される音声信号の適切な保護を実現できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の情報処理システムは、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する第1の情報処理装置と、その音声信号を受信する第2の情報処理装置とを一構成要素とする情報処理システムである。前記第1の情報処理装置は、所定方式に従った暗号化のときに利用する第1の鍵を生成する第1の鍵生成手段と、前記第1の鍵生成手段により生成された前記第1の鍵を利用して、前記所定方式に従って前記音声信号を暗号化する暗号化処理を実行する音声暗号化手段と、前記音声信号のうちの暗号化する部分と暗号化しない部分とを決定し、その決定結果に従って前記音声暗号化手段の前記暗号化処理を制御する暗号化有無決定手段と、前記暗号化有無決定手段の制御に基づき前記音声暗号化手段により暗号化された結果得られる暗号化音声信号を送信する送信手段とを備える。前記第2の情報処理装置は、前記第1の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信する受信手段と、前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成する第2の鍵生成手段と、前記第2の鍵生成手段により生成された前記第2の鍵を利用して、前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号を、前記所定方式に従って復号する復号処理を実行する音声復号手段と、前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号のうちの暗号化されている部分と暗号化されていない部分とを判定し、その判定結果に従って前記音声復号手段の前記復号処理を制御する暗号化有無判定手段とを備える。
【0007】
本発明の一側面の情報処理システムの情報処理方法は、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する第1の情報処理装置と、その音声信号を受信する第2の情報処理装置とを一構成要素とする情報処理システムの情報処理方法である。詳細には、前記第1の情報処理装置は、所定方式に従った暗号化のときに利用する第1の鍵を生成し、前記音声信号のうちの暗号化する第1の部分と暗号化しない第2の部分とを決定し、前記第1の部分については、生成された前記第1の鍵を利用して暗号化し、前記第2の部分については、暗号化を禁止し、暗号化された前記第1の部分と暗号化されていない前記第2の部分とからなる暗号化音声信号を送信する。すると、前記第2の情報処理装置は、前記第1の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信し、前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成し、受信された前記暗号化音声信号のうちの前記第1の部分と前記第2の部分とを判定し、判定された前記第2の部分については、生成された前記第2の鍵を利用して、前記所定方式に従って復号する。
【0008】
本発明の一側面の情報処理システムおよび情報処理方法においては、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する第1の情報処理装置と、その音声信号を受信する第2の情報処理装置とを一構成要素とする情報処理システムにおいて、次のような処理が実行される。即ち、前記第1の情報処理装置において、所定方式に従った暗号化のときに利用する第1の鍵が生成され、前記音声信号のうちの暗号化する第1の部分と暗号化しない第2の部分とが決定され、前記第1の部分については、生成された前記第1の鍵を利用して暗号化され、前記第2の部分については、暗号化が禁止され、暗号化された前記第1の部分と暗号化されていない前記第2の部分とからなる暗号化音声信号が送信される。すると、前記第2の情報処理装置において、前記第1の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号が受信され、前記第1の鍵に対応する第2の鍵が生成され、受信された前記暗号化音声信号のうちの前記第1の部分と前記第2の部分とが判定され、判定された前記第2の部分については、生成された前記第2の鍵を利用して、前記所定方式に従って復号される。
【0009】
本発明の一側面の第1の情報処理装置は、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する情報処理装置である。詳細には、本発明の一側面の第1の情報処理装置は、所定方式に従った暗号化のときに利用する鍵を生成する鍵生成手段と、前記鍵生成手段により生成された前記鍵を利用して、前記所定方式に従って前記音声信号を暗号化する暗号化処理を実行する音声暗号化手段と、前記音声信号のうちの暗号化する部分と暗号化しない部分とを決定し、その決定結果に従って前記音声暗号化手段の前記暗号化処理を制御する暗号化有無決定手段と、前記暗号化有無決定手段の制御に基づき前記音声暗号化手段により暗号化された結果得られる暗号化音声信号を送信する送信手段とを備える。
【0010】
前記音声信号は、前記SMPTE299Mに規定されているAudio Data Paketのパケット構造を有し、前記暗号化有無決定手段は、前記音声信号としての前記Audio data Packet のうちのUDW2 乃至UDW17までの部分を暗号化すると決定し、それ以外の部分を暗号化しないと決定する。
【0011】
前記暗号化有無決定手段は、前記UDW2 乃至UDW17 のそれぞれのbit7乃至bit0 に対して暗号化を施し、それぞれの暗号化した結果から EvenParity を再計算して、bit8に,bit8の反転をに割り当て、それ以外のデータの暗号化を禁止する。
【0012】
本発明の一側面の第1の情報処理方法は、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する情報処理装置の情報処理方法である。詳細には、本発明の一側面の第1の情報処理方法は、所定方式に従った暗号化のときに利用する鍵を生成し、前記音声信号のうちの暗号化する第1の部分と暗号化しない第2の部分とを決定し、前記第1の部分については、生成された前記鍵を利用して暗号化し、前記第2の部分については、暗号化を禁止し、暗号化された前記第1の部分と暗号化されていない前記第2の部分とからなる暗号化音声信号を送信するステップを含む。
【0013】
本発明の一側面の第1のプログラムは、上述した本発明の一側面の第1の情報処理方法に対応するプログラムである。
【0014】
本発明の一側面の第1の情報処理装置および方法並びに第1のプログラムにおいては、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号が送信されるまでの処理として、次のような処理が実行される。即ち、所定方式に従った暗号化のときに利用する鍵が生成され、前記音声信号のうちの暗号化する第1の部分と暗号化しない第2の部分とが決定され、前記第1の部分については、生成された前記鍵を利用して暗号化され、前記第2の部分については、暗号化が禁止され、暗号化された前記第1の部分と暗号化されていない前記第2の部分とからなる暗号化音声信号が送信される。
【0015】
本発明の一側面の第2の情報処理装置は、第1の鍵が利用されて前記所定方式に従って暗号化された音声信号が、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って、別の情報処理装置から送信されてきた場合、その音声信号を受信して復号する処理を実行する情報処理装置である。詳細には、本発明の一側面の第2の情報処理装置は、前記別の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信する受信手段と、前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成する鍵生成手段と、前記鍵生成手段により生成された前記第2の鍵を利用して、前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号を、前記所定方式に従って復号する復号処理を実行する音声復号手段と、前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号のうちの暗号化されている部分と暗号化されていない部分とを判定し、その判定結果に従って前記音声復号手段の前記復号処理を制御する暗号化有無判定手段とを備える。
【0016】
前記音声信号は、前記SMPTE299Mに規定されているAudio Data Paketのパケット構造を有し、前記暗号化有無判定手段は、前記音声信号としての前記Audio Data PaketのうちのUDW2乃至UDW17までの部分を暗号化されていると判定し、それ以外の部分を暗号化されていないと判定する。
【0017】
本発明の第2の情報処理方法は、第1の鍵が利用されて前記所定方式に従って暗号化された音声信号が、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って、別の情報処理装置から送信されてきた場合、その音声信号を受信して復号する処理を実行する情報処理装置の情報処理方法である。詳細には、前記別の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信し、前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成し、受信された前記暗号化音声信号のうちの前記第1の部分と前記第2の部分とを判定し、判定された前記第2の部分については、生成された前記第2の鍵を利用して、前記所定方式に従って復号する。
【0018】
本発明の一側面の第2のプログラムは、上述した本発明の一側面の第2の情報処理方法に対応するプログラムである。
【0019】
本発明の一側面の第2の情報処理装置および方法並びに第2のプログラムにおいては、第1の鍵が利用されて前記所定方式に従って暗号化された音声信号が、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って、別の情報処理装置から送信されてきた場合、その音声信号を受信して復号する処理として、次のような処理が実行される。即ち、前記別の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号が受信され、前記第1の鍵に対応する第2の鍵が生成され、受信された前記暗号化音声信号のうちの前記第1の部分と前記第2の部分とが判定され、判定された前記第2の部分については、生成された前記第2の鍵が利用して、前記所定方式に従って復号される。
【発明の効果】
【0020】
以上のごとく、本発明の一側面によれば、HD-SDIを用いて音声信号を伝送できる。さらに、かかる音声信号の保護もできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、明細書又は図面における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0022】
さらに、この記載は、明細書又は図面に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、明細書又は図面に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0023】
本発明の一側面の情報処理システム(例えば図6の情報処理システム)は、
SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する第1の情報処理装置(例えば図6の暗号化装置201)と、その音声信号を受信する第2の情報処理装置(例えば図6の復号装置202)とを一構成要素とする情報処理システムにおいて、
前記第1の情報処理装置は、
所定方式に従った暗号化のときに利用する第1の鍵を生成する第1の鍵生成手段(例えば図6のメタデータ生成部12)と、
前記第1の鍵生成手段により生成された前記第1の鍵を利用して、前記所定方式に従って前記音声信号を暗号化する暗号化処理を実行する音声暗号化手段(例えば図6のAESコア部11、分割部13、変換部152乃至音声暗号化部153)と、
前記音声信号のうちの暗号化する部分と暗号化しない部分とを決定し、その決定結果に従って前記音声暗号化手段の前記暗号化処理を制御する暗号化有無決定手段(例えば図6の暗号化有無決定部154)と、
前記暗号化有無決定手段の制御に基づき前記音声暗号化手段により暗号化された結果得られる暗号化音声信号を送信する送信手段(例えば図6の合成部16と送信部17)と
を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信する受信手段(例えば図6の受信部21と分離部22)と、
前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成する第2の鍵生成手段(例えば図6のメタデータ抽出部23)と、
前記第2の鍵生成手段により生成された前記第2の鍵を利用して、前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号を、前記所定方式に従って復号する復号処理を実行する音声復号手段(例えば図6のAESコア部24、分割部25、FiFo部161乃至変換部163)と、
前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号のうちの暗号化されている部分と暗号化されていない部分とを判定し、その判定結果に従って前記音声復号手段の前記復号処理を制御する暗号化有無判定手段(例えば図6の暗号化有無判定部164)と
を備える。
【0024】
本発明の一側面の第1の情報処理装置(例えば図6の暗号化装置201)は、
SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する情報処理装置であって、
所定方式に従った暗号化のときに利用する鍵を生成する鍵生成手段(例えば図6のメタデータ生成部12)と、
前記鍵生成手段により生成された前記鍵を利用して、前記所定方式に従って前記音声信号を暗号化する暗号化処理を実行する音声暗号化手段(例えば図6のAESコア部11、分割部13、変換部152乃至音声暗号化部153)と、
前記音声信号のうちの暗号化する部分と暗号化しない部分とを決定し、その決定結果に従って前記音声暗号化手段の前記暗号化処理を制御する暗号化有無決定手段(例えば図6の暗号化有無決定部154)と、
前記暗号化有無決定手段の制御に基づき前記音声暗号化手段により暗号化された結果得られる暗号化音声信号を送信する送信手段(例えば図6の合成部16と送信部17)と
を備える。
【0025】
前記音声信号は、前記SMPTE299Mに規定されているAudio Data Paketのパケット構造を有し(例えば図4のパケット構造を有し)、
前記暗号化有無決定手段は、前記音声信号としての前記 Audio Data PaketのうちのUDW2乃至UDW17までの部分を暗号化すると決定し、それ以外の部分を暗号化しないと決定する。
【0026】
本発明の一側面の第1の情報処理方法および第1のプログラムは、上述した本発明の一側面の第1の情報処理装置に対応する方法とプログラムのそれぞれである。第1のプログラムは、例えば後述する図9のコンピュータにより実行される。
【0027】
本発明の一側面の第2の情報処理装置(図6の復号装置202)は、
第1の鍵が利用されて前記所定方式に従って暗号化された音声信号が、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って、別の情報処理装置(例えば図6の暗号化装置201)から送信されてきた場合、その音声信号を受信して復号する処理を実行する情報処理装置であって、
前記別の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信する受信手段(例えば図6の受信部21と分離部22)と、
前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成する鍵生成手段(例えば図6のメタデータ抽出部23)と、
前記鍵生成手段により生成された前記第2の鍵を利用して、前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号を、前記所定方式に従って復号する復号処理を実行する音声復号手段(例えば図6のAESコア部24、分割部25、FiFo部161乃至変換部163)と、
前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号のうちの暗号化されている部分と暗号化されていない部分とを判定し、その判定結果に従って前記音声復号手段の前記復号処理を制御する暗号化有無判定手段(例えば図6の暗号化有無判定部164)と
を備える。
【0028】
前記音声信号は、前記SMPTE299Mに規定されているAudio Data Paketのパケット構造を有し(例えば図4のパケット構造を有し)、
前記暗号化有無判定手段は、前記音声信号としての前記Audio Data PacketのうちのUDW2乃至UDW17までの部分を暗号化されていると判定し、それ以外の部分を暗号化されていないと判定する。
【0029】
ここで、本発明の理解を容易なものとするために、本発明の説明の前に、[発明が解決しようとする課題]で説明した内容について、図1を参照しつつ、さらに詳しく説明する。
【0030】
図1は、映像信号の暗号化によるコンテンツ保護(Link Encryption)を行うための情報処理システムであって、2006年4月時点で規格化中のSMPTE 427M「Link Encryption for 1.5Gb/s1 Serial Digital Interface」に準拠した情報処理システムの構成例を示す図である。
【0031】
なお、以下、コンテンツ保護を行うための情報処理システムを特に、コンテンツ保護システムと称する。
【0032】
また、図1において、実線で囲まれた四角は、装置またはその構成要素としてのブロックを示し、点線で囲まれた四角は、所定の情報を示している。このような実線と点線の四角の使い分けは、後述する他の図においても同様とされる。
【0033】
図1のコンテンツ保護システムは、コンテンツの一構成要素である映像信号を暗号化する暗号化装置1と、暗号化装置1により暗号化された映像信号を復号する復号装置2とから構成されている。ここに、コンテンツの一構成要素と記述したのは、後述するように、コンテンツは、一般的には、映像信号のみではなく、その他音声信号等からも構成されるからである。
【0034】
暗号化装置1と復号装置2との間のインタフェースは、本実施の形態では例えばSMPTE292Mで規定されているHD-SDIが採用されているとする。即ち、本実施の形態では、暗号化された映像信号は、いわゆるHD-SDI信号として暗号化装置1から復号装置2に伝送される。
【0035】
また、本実施の形態では、暗号化装置1に入力され、また復号装置2から出力される映像信号は、図1中Plain Text(Y),Plain Text(C)と記述されているように、輝度信号Yと色信号Cとに分離された形態とされている。
【0036】
暗号化装置1は、共通鍵暗号方式の一つのAES(Advanced Encryption Standard)暗号を利用して映像信号を暗号化する。このため、暗号化装置1は、AESコア部11乃至送信部17から構成されている。
【0037】
AESコア部11は、復号側(図1の例では復号装置2)との共通鍵であるLE Key31と、AES Input32とを用いて、映像信号を直接暗号化するためのデータとしてのAES output33を、AES暗号に従って生成して分割部13に提供する。
【0038】
このLE-Key31とAES Input32とは、メタデータ生成部12により生成される。即ち、メタデータ生成部12は、暗号化装置1の暗号化処理で必要となる各種情報、換言すると復号装置2の復号処理で必要となる各種情報、例えば上述したLE Key31やAES input32の他Frame reset等を生成する。さらに、メタデータ生成部12は、これらの各種情報のうちのLE Key31や幾つかの補足情報を含むデータ(以下、LEKP:Link Encryption Key Payloadと称する)を生成し、そのLEKPに対して、例えば復号装置2側の公開鍵を利用するRSA(R. Rivest、A. Shamir、L. Adelman)2048bitの暗号方式(以下、RSA暗号と称する)による暗号化処理を施す。なお、以下、LEKPがRSA暗号により暗号化された結果得られるデータをELEKPと称する。即ち、メタデータ生成部12はELEKPを生成する。そして、メタデータ生成部12はELEKPの他、AES input32の一構成要素等を含むメタデータ34を生成し、合成部16に提供する。
【0039】
ところで、本実施の形態では、AESコア部11から出力されて分割部13に提供されるAES output33は、128ビットで構成されている。そこで、分割部13は、AES output33を構成する128ビットのうち下位120ビットだけを、映像信号の暗号化に実際使用する鍵(以下、AES keyと称する)として10ビット毎に分割して、FiFo部14−Y,14−Cにそれぞれ順次提供する。なお、後述する図7においては、AES output33を構成する六角形、即ち、Ck,Yk(kは0乃至5の整数値)が記述された六角形が、1つのAES keyとして描画されている。
【0040】
FiFo部14−Y,14−Cのそれぞれは、その名称の通り、FiFo(First In First Out)により、10ビットのAES keyを順次映像暗号化部15−Y,15−Cのそれぞれに提供する。即ち、FiFo部14−Y,14−Cのそれぞれからは、10ビットのAES keyが複数個連続して配置されるストリームデータ(以下、AES key streamと称する)が出力される。具体的には例えば、後述する図7に示されるAES key stream for Yが、FiFo部14−Yから映像暗号化部15−Yに出力されるAES key streamの一例である。また例えば、後述する図7に示されるAES key stream for Cが、FiFo部14−Cから映像暗号化部15−Cに出力されるAES key streamの一例である。
【0041】
映像暗号化部15−Yは、映像信号のうちの輝度信号Yを、所定の単位毎に区分し、例えば1word毎に区分し、区分後のデータ毎に、FiFo部14−Yから順次提供されてくる10ビットのAES keyを1つずつ用いて暗号化し、その結果得られる信号(以下、暗号化輝度信号Yと称する)を合成部16に提供する。一方、映像暗号化部15−Cは、映像信号のうちの色信号Cを、所定の単位毎に区分し、例えば1word毎に区分し、区分後のデータ毎に、FiFo部14−Cから順次提供されてくる10ビットのAES keyを1つずつ用いて暗号化し、その結果得られる信号(以下、暗号化色信号Cと称する)を合成部16に提供する。
【0042】
なお、以下、映像暗号化部15−Yからの暗号化輝度信号Yと、映像暗号化部15−Cからの暗号化色信号Cとをまとめて、暗号化映像信号と称する。
【0043】
合成部16は、映像暗号化部15−Y,15−Cからの暗号化映像信号のうちの、例えばV-Blanking期間に、メタデータ生成部12により生成されたメタデータ34を重畳して、その結果得られる信号(以下、メタデータ重畳暗号化映像信号と称する)を、送信部17に提供する。
【0044】
送信部17は、合成部16から提供されたメタデータ重畳暗号化映像信号をHD-SDI信号の形態で復号装置2に送信する。即ち、送信部17は、メタデータ重畳暗号化映像信号の形態をHD-SDI信号の形態に変換する処理、例えば、メタデータ重畳暗号化映像信号の入力形態がパラレル信号である場合にはパラレル−シリアル変換処理等を実行する。
【0045】
このようにして、暗号化装置1からHD-SDI信号の形態で送信されたメタデータ重畳暗号化映像信号は、復号装置2に伝送される。かかる復号装置2は、受信部21乃至映像復号部27−Y,27−Cから構成されている。
【0046】
受信部21は、HD-SDI信号の形態で暗号化装置1から送信されてきたメタデータ重畳暗号化映像信号を受信して、分離部22に提供する。その際、受信部21は、必要に応じて、メタデータ重畳暗号化映像信号の形態を変換する処理、例えば、シリアル−パラレル変換処理等を適宜実行する。
【0047】
分離部22は、受信部21に受信されたメタデータ重畳暗号化映像信号から、暗号化輝度信号Y、暗号化色信号C、およびメタデータ34のそれぞれを分離して、映像復号部27−Y、映像復号部27−C、およびメタデータ抽出部23のそれぞれに提供する。
【0048】
換言すると、メタデータ抽出部23は、分離部22に提供されたメタデータ重畳暗号化映像信号から、メタデータ34等の情報を抽出する。そして、メタデータ抽出部23は、それらの抽出情報から、LE Key31やAES input32等を復元して、AESコア部24に提供する。
【0049】
AESコア部24は、メタデータ抽出部23から提供されたLE Key31やAES Input32を用いて、AES output33を復元し、分割部25に提供する。
【0050】
分割部25は、AES output33を構成する128ビットのうち下位120ビットだけを10ビット毎のAES keyに分割して、FiFo部26−Y,26−Cにそれぞれ順次提供する。
【0051】
FiFo部26−Y,26−Cのそれぞれは、その名称の通りFiFoにより、10ビットのAES keyを順次映像復号部27−Y,27−Cのそれぞれに提供する。即ち、FiFo部26−Y,26−Cのそれぞれからは、暗号化装置1側のFiFo部14−Y,14−Cのそれぞれの出力と同様のAES key streamがそれぞれ出力される。
【0052】
映像復号部27−Yは、分離部22からの暗号化輝度信号Yを所定の単位毎に区分し、例えば1word毎に区分し、区分後のデータ毎に、FiFo部26−Yから順次提供されてくる10ビットのAES keyを1つずつ用いて復号し、その結果復元された輝度信号Yを外部に順次出力していく。
【0053】
一方、映像復号部27−Cは、分離部22からの暗号化色信号Cを所定の単位毎に区分し、例えば1word毎に区分し、区分後のデータ毎に、FiFo部26−Cから順次提供されてくる10ビットのAES keyを1つずつ用いて復号し、その結果復元された色信号Cを外部に順次出力していく。
【0054】
以上図1を用いて説明したように、2006年4月時点で規格化中のSMPTE 427Mは映像信号の規格であることから、HD-SDIを用いてコンテンツを伝送する際のその保護としては、映像信号の暗号化による保護のみとされている。このような例からもわかるように、現状、コンテンツ保護として、音声信号の保護は考慮されていない状況である。
【0055】
しかしながら、上述したように、一般的には音声信号もコンテンツの一構成要素である以上、コンテンツ保護として、映像信号の保護のみならず、音声信号の保護も行う方が望ましい。そこで、本発明人は、例えばHD-SDI上にEmbeddedされる音声信号も、映像信号の保護と同様に暗号化により保護すべく、図1のコンテンツ保護システムに基づいて、例えば図2に示される構成のコンテンツ保護システムを発明した。
【0056】
図2において、図1と対応する箇所には対応する符号を付しており、それらの箇所については説明を適宜省略する。
【0057】
図2の例の暗号化装置51には、図1の暗号化装置1に対して、音声信号Aの暗号化を行うべく、LE Key生成部61乃至音声暗号化部66がさらに設けられている。
【0058】
LE Key生成部61は、音声信号A専用のLE Key35を生成して、即ちLE Key31とは独立した別のLE Key31を生成して、暗号化データ生成部62に提供する。
【0059】
暗号化データ生成部62は、このLE Key35を用いて、音声信号Aを直接暗号化するためのデータ36(以下、音声暗号化データ36と称する)を生成し、分割部63に提供する。
【0060】
なお、音声暗号化データ36は、所定の共通鍵暗号方式に従って、例えば本実施の形態では映像信号の暗号化と同様にAES暗号に従って生成される。即ち、例えば本実施の形態では、音声暗号化データ36は、AES output33と同様に128ビットで構成されている。換言すると、AESコア部11とは映像信号用の暗号化エンジンであり、かかる暗号化エンジンによりAES output33が生成される。一方、音声暗号化データ生成部62とは、映像信号用の暗号化エンジンとは独立して別に設けられた音声信号A専用の暗号化エンジンであり、かかる音声信号A専用の暗号化エンジンにより、AES output33とは別の音声暗号化データ36が生成される。
【0061】
分割部63は、音声暗号化データ36を構成する128ビットのうち下位120ビットだけを10ビット毎のデータに分割して、FiFo部64に順次提供する。なお、本実施の形態では、暗号化データ生成部62にはAES暗号が採用されているので、以下、分割部63により10ビット毎に分割されるデータも、AES keyと称する。
【0062】
FiFo部64は、その名称の通りFiFoにより、分割部63からの10ビットのAES keyを順次音声暗号化部66に提供する。即ち、FiFo部64からは、音声信号A専用のAES key streamが出力される。
【0063】
変換部65は、必要に応じて、音声信号Aを、暗号化可能な形態に変換する処理、例えばシリアル−パラレル変換処理等を実行した上で、音声暗号化部66に提供する。
【0064】
音声暗号化部66は、変換部65からの音声信号Aを所定の単位毎に区分し、例えば1word毎に区分し、区分後のデータ毎に、FiFo部64から順次提供されてくる10ビットのAES keyを1つずつ用いて暗号化し、その結果得られる信号(以下、暗号化音声信号Aと称する)を合成部16に提供する。
【0065】
合成部16は、暗号化映像信号に対して、メタデータ34の他さらに、暗号化音声信号Aもメタデータのひとつとして重畳し、その結果得られる信号(以下、音声メタデータ重畳暗号化映像信号と称する)を送信部17に提供する。
【0066】
すると、暗号化装置51の送信部17から復号装置52に対して、音声メタデータ重畳暗号化映像信号がHD-SDI信号の形態で伝送される。かかる復号装置52には、図1の復号装置2に対して、暗号化音声信号Aの復号を行うべく、LE Key生成部71乃至変換部76がさらに設けられている。
【0067】
LE Key生成部71は、暗号化装置51側で利用されたLE Key35、即ち、音声信号A専用のLE Key35と同一の鍵を生成し、復号データ生成部72に提供する。
【0068】
復号データ生成部72は、そのLE Key35を用いて、暗号化音声信号Aを直接復号するためのデータ37(以下、音声復号データ37と称する)を生成し、分割部73に提供する。即ち、音声復号データ37は、音声暗号化データ36に対応する復号用のデータであって、本実施の形態では128ビットのデータである。
【0069】
分割部73は、音声復号データ37を構成する128ビットのうち下位120ビットだけを10ビット毎のAES keyに分割して、FiFo部74に順次提供する。
【0070】
FiFo部74は、その名称の通りFiFoにより、10ビットのAES keyを順次音声復号部75に提供する。即ち、FiFo部74からは、音声信号A専用のAES key streamが出力される。
【0071】
音声復号部75にはまた、分離部22により音声メタデータ重畳暗号化映像信号から分離された暗号化音声信号Aも提供される。そこで、音声復号部75は、この暗号化音声信号Aを所定の単位毎に区分し、例えば1word毎に区分し、区分後のデータ毎に、FiFo部74から順次提供されてくる10ビットのAES keyを1つずつ用いて復号し、その結果復元された音声信号Aを変換部76に順次出力していく。
【0072】
変換部76は、必要に応じて、音声復号部75からの音声信号Aを、その形態を変換する処理、例えばパラレル−シリアル変換処理等を実行した上で、外部に出力する。
【0073】
このような図2の構成を有するコンテンツ保護システムを採用することで、HD-SDI信号上での映像信号(輝度信号Y,色信号C)をSMPTE 427Mの技術を利用して保護するのみならず、HD-SDI信号上にEmbedded された音声信号Aについても同様に保護することが可能になる。
【0074】
ただし、図2の構成のコンテンツ保護システムには、次の第1の弱点と第2の弱点とが存在する。
【0075】
第1の弱点とは、上述したように、音声信号A専用に暗号方式を定め、音声信号A専用の暗号回路としてのLE Key生成部61乃至音声暗号化部66を暗号化装置51側に搭載させ、かつ、音声信号A専用の復号回路としてのLE Key生成部71乃至変換部76を復号装置52側に搭載させる必要がある点である。即ち、図2の暗号化装置51は、図1の暗号化装置1と比較すると音声信号A専用の暗号回路分だけ回路規模が増大し、同様に、図2の復号装置52は、図1の復号装置2と比較すると音声信号A専用の復号回路分だけ回路規模が増大する、という第1の弱点が存在する。
【0076】
また、第2の弱点とは、上述したように、映像信号に対する暗号化/復号のための共通鍵であるLE Key31とは別個に、音声信号Aに対する暗号化/復号のための共通鍵であるLE Key35が利用されるため、音声信号A専用のLE Key35を伝送するための新たな Secure な手段を確立する必要がある、という点である。
【0077】
以下、第2の弱点についてさらに詳しく説明する。
【0078】
即ち、HD-SDI 上の伝送では、要求される処理速度の関係から暗号アルゴリズムとして共通鍵暗号方式を採用するのが一般的であり、本実施の形態でもAES暗号を採用している。このような共通鍵暗号方式では暗号側と復号側で共通鍵を持っている必要があり、その共通鍵を暗号側と復号側との双方に対して Secure な手段を介して伝送してやらなければ、Security Hole ができてしまいコンテンツ保護は実現できない。
【0079】
共通鍵を伝送するための Secureな手段としては、一般的に次の第1の手段乃至第3の手段が存在する。第1の手段とは、ハードウエアに共通鍵を埋め込む手段である。第2の手段とは、公開鍵暗号方式を用いて共通鍵を伝送する手段である。第3の手段とは、Diffie-Hellman鍵交換アルゴリズムを用いて共通鍵を伝送する手段である。
【0080】
例えば、映像信号用の共通鍵であるLE Key31を伝送するための Secureな手段としては、第2の手段が用いられている。即ち、上述したように、LE Key31は、メタデータ生成部12により公開鍵暗号方式のひとつであるRSA暗号により暗号化されてメタデータ34に含められ、合成部16により暗号化映像信号に重畳されて、送信部17から復号装置52側に伝送される。
【0081】
図2の例では、このような映像信号用のLE Key31を伝送するためのSecureな手段とは別に、音声信号A専用のLE Key35を伝送するための新たなSecureな手段を確立する必要がある、という第2の弱点が存在する。
【0082】
例えば、音声信号A専用のLE Key35を伝送するための新たなSecureな手段として、上述した第1の手段を採用する場合、即ち、LE Key35をハードウエアに埋め込む場合、第2の弱点とは、結局次のような弱点となる。即ち、Secure度を確保するために鍵交換の間隔を短くしようとすると、それだけ多くのLE Key35の束を埋め込まなくてはならず、ハードウエア規模が大きくなってしまう、という弱点が第2の弱点となる。
【0083】
また例えば、音声信号A専用のLE Key35を伝送するための新たなSecureな手段として、上述した第2の手段や第3の手段を採用する場合、即ち、公開鍵暗号方式やDiffie-Hellman鍵交換アルゴリズムを用いて共通鍵を伝送しようとする場合、第2の弱点とは、結局次のような弱点となる。即ち、そのための実現手段がメタデータ生成部12やメタデータ抽出部23とは別個に必要となり、その実現手段がソフトウエアで実現されてもハードウエアで実現されても、その負担が大きくなり処理が重くなってしまう、という弱点が第2の弱点となる。
【0084】
そこで、本発明人は、かかる第1の弱点と第2の弱点とを克服すべく、さらに、図3に示されるようなコンテンツ保護システムを発明した。即ち、図3は、本発明が適用される情報処理システムとしてのコンテンツ保護システムの一実施の形態であって、図2の形態とは異なるコンテンツ保護システムの構成例を示している。
【0085】
図3において、図1と対応する箇所には対応する符号を付しており、それらの箇所については説明を適宜省略する。
【0086】
図3の例の暗号化装置51には、図1の暗号化装置1に対して、音声信号Aの暗号化を行うべく、変換部151乃至音声暗号化部153がさらに設けられている。
【0087】
変換部151は、必要に応じて、音声信号Aを、暗号化可能な形態に変換する処理、例えばシリアル−パラレル変換処理等を実行した上で、音声暗号化部153に提供する。
【0088】
FiFo部152は、その名称の通りFiFoにより、分割部13より提供されてくる10ビットのAES keyを順次音声暗号化部153に提供する。即ち、図1を用いて上述したように、分割部13より出力される10ビットのAES keyとは、映像信号のうちの色信号Cを映像暗号化部15−Cが暗号化するときに利用するAES keyである。図3の例ではさらに、かかるAES keyがFiFo部152にも提供されるのである。即ち、図3の例では、FiFo部152に提供されるAES key、換言すると音声信号Aの暗号化に利用されるAES keyは、映像信号の暗号化に利用されるAES keyとは別の専用鍵ではなく、映像信号(色信号C)の暗号化に利用されるAES keyと兼用の鍵となっている。具体的には例えば、後述する図7の例に示されるAES key stream for Cが、FiFo部14−Cを介して映像暗号化部15−Cに提供されるとともに、FiFo部152を介して音声暗号化部153にも提供される。
【0089】
音声暗号化部153は、変換部151からの音声信号Aを、所定の単位毎に区分し、例えば1word毎に区分し、区分後のデータ毎に、FiFo部152から順次提供されてくる10ビットのAES key、即ち、色信号Cと兼用のAES keyを1つずつ用いて暗号化し、その結果得られる暗号化音声信号Aを合成部16に提供する。
【0090】
合成部16は、暗号化映像信号に対して、メタデータ34の他さらに、暗号化音声信号Aもメタデータのひとつとして重畳し、その結果得られる音声メタデータ重畳暗号化映像信号を送信部17に提供する。
【0091】
すると、暗号化装置101の送信部17から復号装置102に対して、音声メタデータ重畳暗号化映像信号がHD-SDI信号の形態で伝送される。かかる復号装置102には、図1の復号装置2に対して、暗号化音声信号Aの復号を行うべく、FiFo部161乃至変換部163がさらに設けられている。
【0092】
FiFo部161は、その名称の通りFiFoにより、分割部25より提供されてくる10ビットのAES keyを順次音声復号部162に提供する。即ち、図1を用いて上述したように、分割部25より出力される10ビットのAES keyとは、暗号化映像信号のうちの暗号化色信号Cを映像復号部27−Cが復号するときに利用するAES keyである。図3の例ではさらに、かかるAES keyがFiFo部161にも提供されるのである。即ち、図3の例では、FiFo部161に提供されるAES key、換言すると暗号化音声信号Aの復号に利用されるAES keyは、映像信号の復号に利用されるAES keyとは別の専用鍵ではなく、映像信号(色信号C)の復号に利用されるAES keyと兼用の鍵となっている。具体的には例えば、後述する図7の例に示されるAES key stream for Cが復元されて、FiFo部26−Cを介して映像復号部27−Cに提供されるとともに、FiFo部161を介して音声復号部162にも提供される。
【0093】
音声復号部162は、分離部22からの暗号化音声信号Aを所定の単位毎に区分し、例えば1word毎に区分し、区分後のデータ毎に、FiFo部161から順次提供されてくる10ビットのAES key、即ち、暗号化色信号Cと兼用のAES keyを1つずつ用いて復号して、その結果復元される音声信号Aを変換部163に順次出力していく。
【0094】
変換部163は、必要に応じて、音声復号部162からの音声信号Aを、その形態を変換する処理、例えばパラレル−シリアル変換処理等を実行した上で、外部に出力する。
【0095】
以上説明した図2と図3とを比較するに、図2の暗号化装置51で必要であったLE Key生成部61乃至分割部63が、即ち、音声信号A専用の暗号化回路の一部が、図3の暗号化装置101では不要となっている。同様に、図2の復号装置52で必要であったLE Key生成部71乃至分割部73が、即ち、暗号化音声信号A専用の復号回路の一部が、図3の復号装置102では不要となっている。このように、図3の例のコンテンツ保護システムを採用することで、図2の例のコンテンツ保護システムに比較して回路規模を縮小させること、即ち、上述した図2の例のコンテンツ保護システムの第1の弱点を克服することが可能になる。
【0096】
また、図3の例のコンテンツ保護システムでは、音声信号Aの暗号化/復号のための共通鍵として、映像信号の暗号化/復号に利用されたLE Key31が兼用される。これにより、音声信号A専用の共通鍵を伝送するための新たな Secure な手段の確立は不要になる。即ち、上述した図2の例のコンテンツ保護システムの第2の弱点を克服することが可能になる。
【0097】
ところで、本実施の形態では、図3の例のコンテンツ保護システムのインタフェース、即ち、暗号化装置101と復号装置102との間のインタフェースは、上述したように、SMPTE292Mで規定されているHD-SDIが採用されている。
【0098】
このHD-SDI 上に Embedded される音声信号は、図4に示されるAudio Data Packetの形式でEmbedded されることがSMPTE299Mで規定されている。即ち、音声信号もまたメタデータのひとつである。
【0099】
ここで、図4を参照して、音声信号のAudio Data Packetのパケット構造について簡単に説明する。
【0100】
音声信号のAudio Data Packetは、図4に示されるように、ADF(Ancillary Data Flag) , DID(Data Identification) , DBN(Data Block Number) , DC(Data Count) , User Data , CS(Check Sum)といった情報がその順番で配置されるパケット構造を有している。そして、音声信号のAudio Data PacketのUser dataは、図4のUDW0乃至UDW23で示されるように24wordsのデータであって、具体的には、CLK(audio clock phase data),CHn(nは1乃至4の整数値)(audio data),ECC(Error correction codes)といった情報がそれぞれ格納される。
【0101】
図4中UDW0,UDW1 で示されている CLK は、入力音声信号のサンプリング クロックと映像信号の位相を測定した結果である。
【0102】
図4中UDW2乃至UDW17で示されている各CHnは、入力音声信号のうちのAES subframeと称される単位の実データを、4word分のデータパケットに変換したものである。なお、AES subframeの構造については図5に示されているが、この構造の詳細な説明については、ここでは冗長になるので省略する。その説明が必要な場合にはSMPTE299Mの規格書のFigure1とその説明文章を参考にするとよい。
【0103】
図4中UDW18乃至UDW23で示されるECCは、伝送エラーの検出や訂正のために付加されている情報である。
【0104】
このように、HD-SDI 上に Embedded される音声信号は、図4のAudio Data Packetのパケット構造を有する必要がある。従って、図3の例のコンテンツ保護システムにおいて、暗号化装置101から復号装置102に伝送される暗号化音声信号Aもまた、HD-SDI 上に Embedded されることから、図4のAudio Data Packet のパケット構造を保持する必要がある。
【0105】
そこで、かかる保持を行うためには、暗号化装置101では次のような取扱いがなされるとよい。
【0106】
即ち、図4のパケット構造のうち ADF,DID,DBN,DCに関しては、音声信号Aの暗号化を行った場合でも暗号化をしなかった場合のそれと何ら変わるものではない。即ち、ADF,DID,DBN,DCは暗号化してはならない情報である。また、CS に関しては音声信号Aの暗号化によるデータの変更に対応して再計算し、伝送路上のパケットの CSとして正しい値につけかえてやる必要がある情報である。
【0107】
また、図4中UDW0,UDW1で示されている CLK は、音声信号Aの実データであるCHnと一緒に暗号化されてしまうと、音声信号Aの暗号化非対応の受信装置における音声信号サンプリングクロック再生のための PLLがロックすることができず音声信号Aと映像信号の同期が取れなくなってしまう可能性がある。従って、互換性を確保するためには ADFやDID などと同様にCLKは暗号化してはならない情報である。
【0108】
また、図4中UDW18乃至UDW23 で示されている ECC を、音声信号Aの実データであるCHnの暗号化に伴い再計算してつけかえてしまうと、そのECCは暗号化された音声信号Aの実データに対してのものとなってしまい、暗号化する前の音声信号Aの実データに対しての伝送エラー検出や訂正の手段が失われてしまうことになる。従って、ECCもまた暗号化してはならない情報である。また、ECC を再計算しないことで音声信号非対応の受信装置では ECC エラーを検知することが可能になるので、この情報をもとに受信装置から出力される音声信号をミュートすることも可能になる。
【0109】
以上のことを考慮すると、HD-SDI 上 Embedded されている図4のパケット構造の音声信号Aのうちの暗号化の対象となる情報は、音声信号Aの実データである各CHn、即ち、図4中UDW2乃至UDW17までの16 words となる。
【0110】
そこで、図3の暗号化装置101は、UDW2 乃至UDW17 のそれぞれのbit7乃至bit0 に対して暗号化を施し、それぞれの暗号化した結果から EvenParity を再計算して、それぞれのbit8に、bit8の反転をbit9に割り当て、それ以外のデータの暗号化を禁止する、といった暗号化処理(以下、パケット構造保持暗号化処理と称する)を実行することで、図4のAudio Data Packet としての構造を保持しつつ、音声信号Aの暗号化による保護が可能になる。
【0111】
この場合、復号装置102は、図4のAudio Data Packet としての構造を保持しつつ暗号化音声信号Aの復号を行うときには、音声信号Aの実データである各CHn、即ち、図4中UDW2乃至UDW17までの16 wordsのみを復号する、といった復号処理(以下、パケット構造保持復号処理と称する)を実行すればよい。
【0112】
このようなパケット構造保持暗号化処理自体は、図3の音声暗号化部153によってなされるが、その処理の制御、即ち、図4のAudio Data Packetのうちの何れの部分を暗号化して何れの部分を暗号化しないのかの決定や、その決定結果に基づく各種処理の制御については、音声暗号化部153自身の判断で行ってもよいし、図6に示される暗号化有無決定部154のように他のブロックが行ってもよい。同様に、パケット構造保持復号処理自体は、図3の音声復号部162によってなされるが、その処理の制御、即ち、図4のAudio Data Packetのうちの何れの部分が暗号化されいて何れの部分が暗号化されていないのかの判定や、その判定結果に基づく各種処理の制御については、音声復号部162自身の判断で行ってもよいし、図6に示される暗号化有無判定部164のように他のブロックが行ってもよい。
【0113】
即ち、図6は、本発明が適用される情報処理システムとしてのコンテンツ保護システムの一実施の形態であって、図3の形態とは異なるコンテンツ保護システムの構成例を示している。図6において、図3と対応する箇所には対応する符号を付しており、それらの箇所については説明を適宜省略する。図6の例の暗号化装置201には、図3の例の暗号化装置101に対して、上述した暗号化有無決定部154がさらに設けられている。図6の例の復号装置202には、図3の例の復号装置102に対して、上述した暗号化有無判定部164がさらに設けられている。
【0114】
なお、図2の例のコンテンツ保護システムについても、暗号化装置51と復号装置52との間のインタフェースとして本実施の形態のようにHD-SDIが採用されている場合には、パケット構造保持暗号化処理とパケット構造保持復号処理との実行が必要になる。この場合、パケット構造保持暗号化処理自体は、図2の音声暗号化部66によってなされるが、その処理の制御については、音声暗号化部66自身の判断で行ってもよいし、図示せぬ他のブロックが行ってもよい。同様に、パケット構造保持復号処理自体は、図2の音声復号部75によってなされるが、その処理の制御については、音声復号部75自身の判断で行ってもよいし、図示せぬ他のブロックが行ってもよい。
【0115】
次に、図7を参照して、図3の暗号化装置101または図6の暗号化装置201の動作のうちの、音声信号Aの暗号化処理について説明する。即ち、図7は、AES128bit CTRモードにおいて、映像信号のうちの色信号C 用のAES Key Streamを音声信号A用のAES Key Stream として流用した場合における、音声信号Aの暗号化処理例を説明するタイミングチャートである。
【0116】
具体的には、図7においては、同図中上から順に、Clock , AES Line Reset , Cipher Block Count , AES input32 , AES output33 , AES key stream for Y , AES key stream for C , Stream Converter Reset , 1.5Gbps SDI(音声信号A Embedded Original) , 暗号化音声信号Aのそれぞれについてのタイミングチャートが示されている。
【0117】
Clockとは、約75MHz、正確には74.25MHzか74.147MHzのVideo Clockである。
【0118】
AES Line Resetとは、映像信号のEAVの直後のサンプルの位相で、即ち図7の例では、1.5Gps SDI(音声信号A Embedded Original)におけるLN0と記述された六角形で示されるデータの位相で、暗号化対象のフレームにとっての最初のAES output33が図3等のAESコア部11から出力されるように、そのAESコア部11のSystem delay分だけ前、例えば図7の例ではAES Core System delay(ex.12clock)と記述されているように12clock分だけ前もって、AESコア部11に対してかけるリセット信号である。
【0119】
Ciper Block Countとは、CTR(カウンタ)モードで動作させているAESコア部11の最下位のカウンタであって、AES output33がAESコア部11から出力される毎に、例えば図7の例では6clock毎にインクリメントされる。なお、図7のCiper Block Countのタイミングチャート上の2750=6*458+2という式は、次のような意味を持つ。即ち、HD-SDI信号としての映像信号の1フレーム分のデータは、図示はしないが、EAV,H-ANC,SAV,Active Video or V-ANCといった情報がその順番に並んで配置される2750wordsからなるデータである。この1フレーム分のデータ量である2750wordsが上述した式の左辺である。即ち、1フレーム分のデータが、6wordsのブロック毎に区分され、区分後の各ブロックのひとつひとつに対して1つのAES output33がそれぞれ割り当てられる。そして、各ブロックを構成する6wordsのそれぞれ1wordに対して、割り当てられたAES output33から分割されたAES keyが1つずつ利用されて1clok毎に順次暗号化されていく。このことを示すために、2750=6*458+2という式が記述されているのである。
【0120】
AES output33は、上述したように、図3等の分割部13において10ビット単位のAES keyに分割される。この10ビット単位のAES keyが、図7の例では1つの六角形として描画されている。ただし、符号が記載されていない灰色の六角形は、無データを示している。以下適宜、図7の六角形内の符号を用いることで複数のAES Keyをそれぞれ区別する。
【0121】
1つのAES output33から分割されてFiFo部14−Yに提供されたAES keyY0乃至Y5はその順番で順次映像暗号化部15−Yに提供される。即ち、図7に示されるように、AESコア部11からは、6clock毎にAES output33が1つずつ出力されるので、その結果、分割部13において各AES output33からそれぞれ分割された各AES keyY0乃至Y5のそれぞれが、AES key streamとしてFiFo部14−Yを介して映像暗号化部15−Yに提供される。この様子が、図7の例では、AES key stream for Yとして示されている。
【0122】
同様に、1つのAES output33から分割されてFiFo部14−Cに提供されたAES keyC0乃至C5はその順番で順次映像暗号化部15−Cに提供される。即ち、図7に示されるように、AESコア部11からは、6clock毎にAES output33が1つずつ出力されるので、その結果、分割部13において各AES output33からそれぞれ分割された各AES keyC0乃至C5のそれぞれが、AES key streamとしてFiFo部14−Cを介して映像暗号化部15−Cに提供される。この様子が、図7の例では、AES key stream for Cとして示されている。
【0123】
図3や図6の例では、図7に示されるように、かかるAES key stream for Cが、音声信号Aの暗号化のためのAES key streamとして兼用される。即ち、かかるAES key stream for CがFIFo部152を介して音声暗号化部153にも提供される。そこで、音声暗号化部153が、そのAES key stream for Cに含まれる各AES keyC0乃至C5を1つずつ使用して、音声信号Aを1wordずつ順次暗号化していく。
【0124】
具体的には例えば図7の例では、映像信号の暗号化開始位相を示す基準パルスとしてのStream Converter Resetの下方には、映像信号のうちのH-Ancに音声信号Aが重畳されているHD-SDI信号が、1.5Gbps SDI(音声信号A Embedded Original)として描画されている。なお、図7において、1.5Gbps SDI(音声信号A Embedded Original)を構成する複数の六角形のそれぞれは1word分のデータを示している。即ち、1.5Gbps SDI(音声信号A Embedded Original)のうちの、LN1よりも時間的に後方に配置されている複数の六角形からなるストリームデータが、上述した図4のパケット構造を有する音声信号Aである。
【0125】
この場合、音声暗号化部153は、上述したパケット構造保持暗号化処理を実行するときには、図4の音声信号AのうちのADF,DID,DBN,DC,CLKについては、その暗号化処理を禁止し、それらをそのまま合成部16に提供する。
【0126】
そして、図7に示されるように、CLKの後のCH1が提供されてきた段階で、音声暗号化部153は、音声信号AのうちのCHnを1wordずつ、即ち、図4のUDW2乃至UDW17のそれぞれ1つずつを、AES key stream for Cに含まれる各AES keyC0乃至C5のうちの1つをそれぞれ利用して暗号化した上で、合成部16に順次提供する。図7の例では、CH1のうちのUDW2が、AES key stream for Cに含まれるAES keyC4を利用して暗号化されている様子が描画されている。
【0127】
このようにして、音声暗号化部153は、CH4のUDW17までの暗号化を順次実行すると、図7には図示していないが、その後暗号化処理を再度禁止する。即ち、図4のECCとCSとは暗号化されずにそのまま音声暗号化部153から合成部16に提供される。
【0128】
以上の音声暗号化部153による暗号化処理の結果、図7中一番下方にその一部が示されているように、暗号化音声信号Aが得られ、合成部16に提供されることになる。
【0129】
このように、HD-SDI 上に Embedded される音声信号Aに対する暗号化の実行有無のタイミング(以下、音声信号暗号化ON/OFFタイミングと称する)は、パケット構造保持暗号化処理の例では、ADF,DID,DBN,DC,CLKまでがOFF状態とされ、その後CHnのUDW2乃至UDW17までがON状態とされ、そして、その後のECCとCSとがOFF状態とされる。
【0130】
ただし、音声信号暗号化ON/OFFタイミングは、パケット構造保持暗号化処理の例に限定されず、HD-SDI上にEmbedded されている既存音パケットの有無、どの Gp、Ch を暗号化してコンテンツを保護するのか等の様々な設計思想に応じて変化させることが可能である。即ち、音声信号暗号化ON/OFFタイミングは、変化して一定ではない場合もある。しかしながら、そのような場合であっても、映像信号用の暗号エンジン、即ち図3等の例ではAESコア部11は、音声信号AをEmbedded することが許可されている H-ANC 期間では連続動作しているので、音声信号Aに対する暗号化の有無の切替がどの位相で行われたとしても、暗号化対象の1wordの各データのそれぞれについて、AES key Stream中の一のAES keyを一義的に定義することができる。
【0131】
また、例えばAudio Control Packet または SMPTE 427M で規定されている Audio Data Packet(DID=40hex、SDID=06hex)に Reserve bit が用意されているのでこれらを利用することで、送信側と受信側とで、即ち図3の例では暗号化装置101と復号装置102との間で、また図6の例では暗号化装置201と復号装置202との間で、各種情報の共有が可能となる。例えば共有すべき情報としては、HD-SDI 上に Embedded されている音声信号Aのどの Gp のどの Ch を暗号化しているのかを示す情報、即ち、例えばパケット構造保持暗号化処理ではCHnのUDW2乃至UDW17のうちの何れを暗号化して伝送しているのかを示す情報等が挙げられる。
【0132】
なお、図3の復号装置102または図6の復号装置202の動作のうちの、暗号化音声信号Aの復号処理については、基本的に、図7を用いて説明した暗号化処理の逆処理となるだけであるので、ここではその説明は省略する。
【0133】
以上、本発明が適用される情報処理システムの実施の形態として、図2,図3,図6に示されるコンテンツ保護システムについて説明したが、本発明は、これらの例に限定されず、その他様々な実施の形態を取ることが可能である。
【0134】
具体的には例えば、図3の例の情報処理システムが有する2つの弱点を克服したい場合、即ち上述したように、回路規模が大きくなるという第1の弱点と、音声信号A専用の共通鍵を伝送するための新たな Secure な手段を確立する必要があるという第2の弱点とを克服したい場合には、基本的に、共通鍵とそれを利用する暗号化エンジンや復号エンジンを、映像信号と音声信号Aとで兼用する、という手法を採用すればよい。以下、かかる手法を映像音声兼用手法と称する。
【0135】
この映像音声兼用手法が適用された情報処理システムの一実施の形態が、上述した図3や図6のコンテンツ保護システムである。即ち、図3や図6の例では、兼用される共通鍵がLE Key31であり、兼用される暗号化エンジンがAESコア部11であり、兼用される復号エンジンがAESコア部24である。換言すると、LE Key31、AESコア部11、およびAESコア部24を映像信号と音声信号Aとで兼用する形態であれば足り、図3や図6の例に限定されず、例えば図8のようなコンテンツ保護システムを採用してもよい。。
【0136】
即ち、図8は、本発明が適用される情報処理システムとしてのコンテンツ保護システムの一実施の形態であって、図2,図3,図6等の形態とは異なるコンテンツ保護システムの構成例を示している。
【0137】
図8において、図6と対応する箇所には対応する符号を付しており、それらの箇所については説明を適宜省略する。
【0138】
図8の例の暗号化装置251には、図6の暗号化装置201に対して、分割部261がさらに設けられている。即ち、図6の例では、分割部13からFiFo部14−Cに提供される色信号C用のAES Keyが、音声信号A用のAES Keyとして兼用されるように、FiFo部152にも提供される。これに対して、図8の例では、分割部13とは別の分割部261が設けられており、かかる分割部261によりAES output33が10wordの各データに分割され、かかる10wordの各データが音声信号A用のAES KeyとしFiFo部152に提供される。
【0139】
同様に、図8の例の復号装置252には、図6の復号装置202に対して、分割部262がさらに設けられている。即ち、図6の例では、分割部25からFiFo部26−Cに提供される色信号C用のAES Keyが、音声信号A用のAES Keyとして兼用されるように、FiFo部161にも提供される。これに対して、図8の例では、分割部25とは別の分割部262が設けられており、かかる分割部262によりAES output33が10wordの各データに分割され、かかる10wordの各データが音声信号A用のAES KeyとしFiFo部161に提供される。
【0140】
なお、図3の例と同様に、暗号化有無決定部154の機能を音声暗号化部153に委譲することで暗号化有無決定部154を省略し、また、暗号化有無判定部164の機能を音声復号部162に委譲することで暗号化有無判定部164を省略してもよい。
【0141】
さらにまた、例えば、上述した例では、メタデータ34、暗号化音声信号A、および暗号化映像信号は全て一緒に、即ち、音声メタデータ重畳暗号化映像信号として、送信側である暗号化装置から受信側である復号装置に送信されているが、それぞれ一緒に送信する必要は必ずしもない。
【0142】
例えば図示はしないが、必要に応じて、HD-SDIにEmbeddedされる音声信号Aを暗号化する暗号化装置(以下、音声専用暗号化装置と称する)と、その暗号化装置から出力された暗号化音声信号Aを復号する復号装置(以下、音声専用復号装置と称する)とを別に設けてもよい。
【0143】
また例えば、メタデータ34を、暗号化映像信号や暗号化音声信号Aとは別の伝送経路で送信側から受信側に伝送してもよい。
【0144】
さらにまた、本発明を適用できる暗号化アルゴリズムは、上述した例ではAESとされたが、上述した例に特に限定されない。例えば、本発明は、DES(Data Encryption Standard)や3DES等の様々な暗号アルゴリズムに対しても適用可能である。
【0145】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0146】
図9は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。即ち、例えば上述した一連の処理をプログラムにより実行する場合には、暗号化装置や復号装置のそれぞれは、図9の構成のパーソナルコンピュータまたはその一部で構成することも可能である。
【0147】
図9において、CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302、または記憶部308に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)303には、CPU301が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304により相互に接続されている。
【0148】
CPU301にはまた、バス304を介して入出力インタフェース305が接続されている。入出力インタフェース305には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続されている。CPU301は、入力部306から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU301は、処理の結果を出力部307に出力する。
【0149】
入出力インタフェース305に接続されている記憶部308は、例えばハードディスクからなり、CPU301が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部309は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
【0150】
また、通信部309を介してプログラムを取得し、記憶部308に記憶してもよい。
【0151】
入出力インタフェース305に接続されているドライブ310は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア311が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部308に転送され、記憶される。
【0152】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図9に示されるように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア311、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM302や、記憶部308を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部309を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0153】
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0154】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】SMPTE 427Mに準拠したコンテンツ保護システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明が適用されるコンテンツ保護システムの構成例を示す図である。
【図3】本発明が適用されるコンテンツ保護システムの構成例であって、図2とは別の例を示す図である。
【図4】HD-SDI 上に Embedded される音声信号の構造例を示す図である。
【図5】図4の音声信号のうちのCHnの内容を示す図である。
【図6】本発明が適用されるコンテンツ保護システムの構成例であって、図2,図3とは別の例を示す図である。
【図7】図3または図6の暗号化装置の音声信号Aの暗号化処理の例を説明するタイミングチャートである。
【図8】本発明が適用されるコンテンツ保護システムの構成例であって、図2,図3,図6とは別の例を示す図である。
【図9】本発明が適用されるプログラムを実行するパーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0156】
1 暗号化装置, 2 復号装置, 11 AESコア部, 12 メタデータ生成部, 13 分割部, 14−Y,14−C FiFo部, 15−C,15−Y 映像暗号化部, 16 合成部, 17 送信部, 21 受信部, 22 分離部, 23 メタデータ抽出部, 24 AESコア部, 25 分割部, 26−Y,26−C FiFo部, 27−C,27−Y 映像復号部, 31 LE Key, 32 AES input, 33 AES output, 34 メタデータ, 35 LE Key, 36 音声暗号化データ, 37 音声復号データ, 51 暗号化装置, 52 復号装置, 61 LE Key生成部, 62 AES key生成部, 63 分割部, 64 FiFo部, 65 変換部, 66 音声暗号化部, 71 LE Key生成部, 72 復号データ生成部, 73 分割部, 74 FiFo部, 75 音声復号部, 76 変換部, 101 暗号化装置, 102 復号装置, 151 変換部, 152 FiFo部, 153 音声暗号化部, 154 暗号化有無決定部, 161 FiFo部, 162 音声復号部, 163 変換部, 164 暗号化有無判定部, 251 暗号化装置, 252 復号装置, 261 分割部, 262 分割部, 301 CPU, 302 ROM, 308 記憶部, 311 リムーバブルメディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する第1の情報処理装置と、その音声信号を受信する第2の情報処理装置とを一構成要素とする情報処理システムにおいて、
前記第1の情報処理装置は、
所定方式に従った暗号化のときに利用する第1の鍵を生成する第1の鍵生成手段と、
前記第1の鍵生成手段により生成された前記第1の鍵を利用して、前記所定方式に従って前記音声信号を暗号化する暗号化処理を実行する音声暗号化手段と、
前記音声信号のうちの暗号化する部分と暗号化しない部分とを決定し、その決定結果に従って前記音声暗号化手段の前記暗号化処理を制御する暗号化有無決定手段と、
前記暗号化有無決定手段の制御に基づき前記音声暗号化手段により暗号化された結果得られる暗号化音声信号を送信する送信手段と
を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信する受信手段と、
前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成する第2の鍵生成手段と、
前記第2の鍵生成手段により生成された前記第2の鍵を利用して、前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号を、前記所定方式に従って復号する復号処理を実行する音声復号手段と、
前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号のうちの暗号化されている部分と暗号化されていない部分とを判定し、その判定結果に従って前記音声復号手段の前記復号処理を制御する暗号化有無判定手段と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する第1の情報処理装置と、その音声信号を受信する第2の情報処理装置とを一構成要素とする情報処理システムの情報処理方法において、
前記第1の情報処理装置は、
所定方式に従った暗号化のときに利用する第1の鍵を生成し、
前記音声信号のうちの暗号化する第1の部分と暗号化しない第2の部分とを決定し、
前記第1の部分については、生成された前記第1の鍵を利用して暗号化し、前記第2の部分については、暗号化を禁止し、
暗号化された前記第1の部分と暗号化されていない前記第2の部分とからなる暗号化音声信号を送信し、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信し、
前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成し、
受信された前記暗号化音声信号のうちの前記第1の部分と前記第2の部分とを判定し、
判定された前記第2の部分については、生成された前記第2の鍵を利用して、前記所定方式に従って復号する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項3】
SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する情報処理装置において、
所定方式に従った暗号化のときに利用する鍵を生成する鍵生成手段と、
前記鍵生成手段により生成された前記鍵を利用して、前記所定方式に従って前記音声信号を暗号化する暗号化処理を実行する音声暗号化手段と、
前記音声信号のうちの暗号化する部分と暗号化しない部分とを決定し、その決定結果に従って前記音声暗号化手段の前記暗号化処理を制御する暗号化有無決定手段と、
前記暗号化有無決定手段の制御に基づき前記音声暗号化手段により暗号化された結果得られる暗号化音声信号を送信する送信手段と
を備える情報処理装置。
【請求項4】
前記音声信号は、前記SMPTE299Mに規定されているAudio Data Paketのパケット構造を有し、
前記暗号化有無決定手段は、前記音声信号としての前記 Audio Data PaketのうちのUDW2乃至UDW17までの部分を暗号化すると決定し、それ以外の部分を暗号化しないと決定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記暗号化有無決定手段は、前記UDW2 乃至UDW17 のそれぞれのbit7乃至bit0 に対して暗号化を施し、それぞれの暗号化した結果から EvenParity を再計算して、bit8 に、bit8 の反転をbit9に割り当て、それ以外のデータの暗号化を禁止する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する情報処理装置の情報処理方法において、
所定方式に従った暗号化のときに利用する鍵を生成し、
前記音声信号のうちの暗号化する第1の部分と暗号化しない第2の部分とを決定し、
前記第1の部分については、生成された前記鍵を利用して暗号化し、前記第2の部分については、暗号化を禁止し、
暗号化された前記第1の部分と暗号化されていない前記第2の部分とからなる暗号化音声信号を送信する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項7】
SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って音声信号を送信する処理を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
所定方式に従った暗号化のときに利用する鍵を生成し、
前記音声信号のうちの暗号化する第1の部分と暗号化しない第2の部分とを決定し、
前記第1の部分については、生成された前記鍵を利用して暗号化し、前記第2の部分については、暗号化を禁止し、
暗号化された前記第1の部分と暗号化されていない前記第2の部分とからなる暗号化音声信号を送信する
ステップを含むプログラム。
【請求項8】
第1の鍵が利用されて前記所定方式に従って暗号化された音声信号が、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って、別の情報処理装置から送信されてきた場合、その音声信号を受信して復号する処理を実行する情報処理装置であって、
前記別の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信する受信手段と、
前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成する鍵生成手段と、
前記鍵生成手段により生成された前記第2の鍵を利用して、前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号を、前記所定方式に従って復号する復号処理を実行する音声復号手段と、
前記受信手段に受信された前記暗号化音声信号のうちの暗号化されている部分と暗号化されていない部分とを判定し、その判定結果に従って前記音声復号手段の前記復号処理を制御する暗号化有無判定手段と
を備える情報処理装置。
【請求項9】
前記音声信号は、前記SMPTE299Mに規定されているAudio Data Paketのパケット構造を有し、
前記暗号化有無判定手段は、前記音声信号としての前記 Audio Data PaketのうちのUDW2乃至UDW17までの部分を暗号化されていると判定し、それ以外の部分を暗号化されていないと判定する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
第1の鍵が利用されて前記所定方式に従って暗号化された音声信号が、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って、別の情報処理装置から送信されてきた場合、その音声信号を受信して復号する処理を実行する情報処理装置の情報処理方法であって、
前記別の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を受信し、
前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成し、
受信された前記暗号化音声信号のうちの前記第1の部分と前記第2の部分とを判定し、
判定された前記第2の部分については、生成された前記第2の鍵を利用して、前記所定方式に従って復号する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項11】
第1の鍵が利用されて前記所定方式に従って暗号化された音声信号が、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers )292Mで規定されているHD-SDI(it-Serial Digital Interface for High-Definition Televisiton Systems)を用いて、SMPTE299Mの規定に従って送信されてきた場合、その音声信号を受信して復号する処理を実行する情報処理装置に対する制御を行うコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記別の情報処理装置から送信されてきた前記暗号化音声信号を前記情報処理装置に受信させ、
前記第1の鍵に対応する第2の鍵を生成し、
前記情報処理装置に受信された前記暗号化音声信号のうちの前記第1の部分と前記第2の部分とを判定し、
判定された前記第2の部分については、生成された前記第2の鍵を利用して、前記所定方式に従って復号する
ステップを含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−306171(P2007−306171A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130972(P2006−130972)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】