説明

情報処理装置、制御方法、およびそのプログラム

【課題】 送信側のファクシミリ装置に手を加えることなく、受信したファクシミリデータに回線を占有されないような受信制限を行うことが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【解決手段】ファクシミリデータの受信制限に関する情報を記憶する受信制限記憶手段と、前記受信するファクシミリデータが前記受信制限記憶手段に記憶された受信制限を満たすか否かを判定する受信判定手段と、前記受信判定手段により受信制限を満たすと判定されたら受信を継続し、一方、受信制限を満たさないと判定されたら前記ファクシミリデータの受信を中断する受信制御手段と、を有することを特長とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報処理装置、制御方法、およびそのプログラムに関し、受信するデータに関する制限値を設けておき、制限値を超えたデータの受信を中断する情報処理装置、制御方法、およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話回線を利用してデータを受信するデータ通信装置の身近な例としては、ファクシミリ装置が知られている。ファクシミリ装置は、良く知られているように文書等をデジタル信号に変換して、FAX番号で特定した相手先のファクシミリ装置に送信したり、FAX番号で特定されたファクシミリ装置が受信したりする機能を有する。
【0003】
ところで、ファクシミリを受信する場合、通常はファクシミリの送信元(者)が送信したもの全てを受信することになる。この場合、誤って大量のファクシミリデータが送信されてしまった場合や、いたずら目的による大量ファクシミリの送りつけなどが行われた場合、無駄な受信やファクシミリ(電話)回線の占有をしてしまうという問題があった。
【0004】
こういった問題に対応するために、特許文献1では、予め設定された受信可能枚数を超える画像データが送信されてくる場合には、その画像データの受信開始前に受信を規制する技術が提案されている。
【0005】
また、特許文献2では、受信相手先によって受信可能枚数による制限をするか否かを任意に切り替えられる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−181901号公報
【特許文献2】特開2004−88213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、通常のFAXプロトコルには送信枚数に関する項目はなく、特許文献1および特許文献2において提案されている技術では、送信側に送信枚数に関する情報送信をする仕組みが必要であり、受信側ではその情報をもとに受信枚数制限を行う必要がある。
【0008】
また、画像が多く含まれるファクシミリデータを受信する場合には、テキストだけの受信よりも時間がかかる場合があり、枚数制限だけでは、回線の占有を防ぎきれない場合もある。
【0009】
そこで、本発明は、送信側に手を加えることなく、受信したファクシミリデータに回線を占有されないような受信制限を行うことが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ファクシミリデータを受信可能な情報処理装置であって、前記ファクシミリデータの受信制限に関する情報を記憶する受信制限記憶手段と、前記受信するファクシミリデータが前記受信制限記憶手段に記憶された受信制限を満たすか否かを判定する受信判定手段と、前記受信判定手段により受信制限を満たすと判定されたら受信を継続し、一方、受信制限を満たさないと判定されたら前記ファクシミリデータの受信を中断する受信制御手段と、を有することを特長とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、送信側に手を加えることなく、受信したファクシミリデータに回線を占有されないような受信制限を行うことが可能な仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る情報処理装置を含むファクシミリシステムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】クライアント端末101、102およびファクシミリサーバ103のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の情報処理装置(クライアント端末101、102)およびサーバ装置(ファクシミリサーバ103)を含む送信システムが備える機能構成の一例を示す機能構成図である。
【図4】本実施の形態のファクシミリ用プリンタドライバを選択する際の印刷ダイアログ画面の一例である。
【図5】本実施形態のファクシミリ用プリンタドライバを選択する際の印刷ダイアログ画面の一例である。
【図6】本実施形態におけるファクシミリデータの受信制限値設定画面の一例を示す図である。
【図7】本実施形態における受信制限実施時間帯設定画面700の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における制限値テーブルの一例を示す図である。
【図9】本実施形態におけるFAXテーブルの一例を示す図である。
【図10】本実施形態におけるFAXの送受信データの一覧表示画面の一例を示す図である。
【図11】本実施形態のファクシミリサーバにおけるファクシミリ受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態のファクシミリサーバにおける受信判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態のファクシミリサーバにおける再送信に対応した受信判定処理の一例を示す。
【図14】本実施形態のファクシミリサーバにおける通信中断処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態のファクシミリサーバから送信される再送信通知の一例を示す図である。
【図16】本実施形態のファクシミリサーバにおけるFAX結合処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置および制御方法およびそのプログラムの実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る情報処理装置を含むファクシミリシステムの一例を示すシステム構成図である。本発明の情報処理装置に好適なクライアント端末101およびクライアント端末102は、例えば、パーソナルコンピュータであり、ネットワーク通信機能を備え、LAN105(ローカルエリアネットワーク)を介してファクシミリサーバ103とデータ通信が可能である。
【0015】
ファクシミリサーバ103は、公衆回線106を介してファクシミリ送受信機能を備えるFAX通信カード104を備えている。
【0016】
本システムは、最も基本的な通信インフラの1つであるファクシミリ(以下、FAXとも呼ぶ)を、インターネット/イントラネットを含めたネットワークシステムに統合し、TCP/IPネットワーク対応のFAXサーバシステムである。
【0017】
具体的には、ファクシミリサーバ103は、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標) Serverが稼働し、FAX通信カード104を装着し、後述するファクシミリシステム用サーバモジュール(図3の303)をインストールすることで、PCベースのFAX送受信ができる。送受信したFAXイメージや送受信情報は、ファクシミリサーバ103の記憶部に電子化されて蓄積され、一元管理される。
【0018】
そして、クライアント端末101(102)には、後述するファクシミリシステム用クライアントモジュール(図3の302)を起動させることで、ファクシミリサーバ103の記憶部に蓄積されている送受信データの確認や、管理者権限でログオンすることでファクシミリサーバ103側の各種設定ができる。
【0019】
また、クライアント端末101(102)には、後述するファクシミリ用プリンタドライバをインストールすることで、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標) OS上の各種文書アプリケーションから印刷実行と同じオペレーションでFAX送信が可能となっている。
【0020】
FAX通信カード104は、アナログ公衆回線106だけでなく、INS64回線、INS1500回線のいずれかに接続することで、FAXデータの送受信が可能となっている。PCIやEISAなどのシステムバスに増設するカードタイプのものや、USBなどの形態で接続するようなBOXタイプのものが利用可能である。
【0021】
送信データは、各クライアント端末からTCP/IPネットワークであるLAN105を経由してファクシミリサーバ103へ蓄積され、FAX通信カード104を動作させることで、順次送信される。
【0022】
受信データは、ファクシミリサーバ103に蓄積され、各クライアント端末からファクシミリデータを閲覧可能なように記憶される。
【0023】
図2は、クライアント端末101、102およびファクシミリサーバ103に適応可能な情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【0024】
図2に示すように、クライアント端末101、102およびファクシミリサーバ103では、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208が接続される。
【0025】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0026】
ROM203あるいは記憶装置である外部メモリ211は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本データ先指定方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0027】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは記憶装置である外部メモリ211からRAM202にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0028】
入力コントローラ205は、キーボード209からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、表示部の一例であるCRT210への表示出力を制御する。メモリコントローラ207は、外部メモリ211に記憶されている情報を読み出しと、外部メモリ211への情報の書き込みを制御する。
【0029】
通信I/Fコントローラ208は、通信回線と接続してデータの送受信の制御を行う。クライアント端末の場合、通信I/Fコントローラ208は、LAN105を介するデータの送受信を制御し、一方、ファクシミリサーバ103の場合、通信I/Fコントローラ208は、同様にLAN105を介するデータの送受信の制御と、FAX通信カード104として、公衆回線106を介するデータの送受信の制御も行うものとする。
【0030】
なお、ファクシミリサーバ103の外部メモリ211には、後述する各種テーブルが格納されているものとする。また、後述する本発明の処理の一例を示すフローチャートを実行するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムも、この外部メモリ211に記憶されているものとする。
【0031】
なお、外部メモリ211は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0032】
図3は本発明の情報処理装置(クライアント端末101、102)およびサーバ装置(ファクシミリサーバ103)を含む送信システムが備える機能構成の一例を示す機能構成図である。
【0033】
クライアント端末101、102は、ファクシミリ用プリンタドライバ301とファクシミリ用クライアントモジュール302を備えている。ファクシミリ用プリンタドライバ301は、送信データ生成部305、ログオン要求部306、送信画面表示部307、送信先選択部308、情報受信部309、およびデータ送信部310を機能構成として備えている。
【0034】
また、ファクシミリ用クライアントモジュール302は、画面表示制御部311を備えている。これは、ファクシミリサーバに蓄積されたファクシミリデータなどを表示するためのものであり、ファクシミリサーバがこの機能を持つように構成することも可能である。
【0035】
送信データ生成部305は、例えば文書作成アプリケーションプログラムで作成された文書データの印刷指示を受け付け、OS(オペレーティングシステム)を介して文書データの描画情報(DDI関数:Device Driver Interface)を受け取って、TIFF画像データを生成する。TIFF画像データの生成処理は既知の技術であるため詳細な説明は省略する。
【0036】
また、本実施の形態では、生成される送信データのデータフォーマットとしてTIFF画像データを用いているが、これに限られるものではなく、PDF形式であっても、ビットマップ形式であってもよい。なお、送信データ生成部305による送信データの生成処理は、ログオン要求部306によるログオン要求前に行われて、クライアント端末101、102内の外部メモリに送信データがスプールされることになる。このように、先にデータ生成とスプール処理を行っておくことにより、文書アプリケーションによる印刷処理プロセスを早期に解放することができ、ユーザは文書アプリケーションを使用して文書の編集処理を再開したり、ファイルを閉じたりすることができる。
【0037】
なお、ファクシミリ用プリンタドライバ301の出力先は、クライアント端末内の作業フォルダとなっており、外部出力ポートが指定されているわけではなく、作業フォルダ内に送信データファイルとして出力することになる。
【0038】
ログオン要求部306は、印刷指示を受け付けた際にファクシミリ用プリンタドライバ301で呼び出される機能部であり、図4に示すような印刷ダイアログを開いて、出力先の指定401で、ファクシミリ用プリンタドライバを選択してOKボタン402を押下することにより本処理が開始される。
【0039】
OKボタンが押下されると、出力先の指定401がファクシミリ用プリンタドライバであるか判断し、ファクシミリ用プリンタドライバであれば図5に示すようなログオンを行う際の認証要求画面を表示する。この認証要求画面を介してユーザにより入力されたユーザID(ユーザ識別情報)とパスワードを含む認証情報を、認証先のサーバ(本実施の形態では、ファクシミリサーバ103に相当する)に送信することでログオン要求を行う。また、出力先の指定401で異なるプリンタドライバが指定されていれば、指定されたプリンタドライバを介した通常の印刷処理が行われる。
【0040】
図5は、本実施形態のファクシミリ用プリンタドライバを選択する際の印刷ダイアログ画面の一例である。
【0041】
ファクシミリシステムログオン画面501は、ファクシミリシステムへログオンする際に表示される。ユーザIDおよびパスワードは、ユーザテーブル316に記憶されている。サーバは、ファクシミリシステムが実行されているサーバのアドレスを示すものであり、表示されているように、IPアドレスを指定してもよいし、サーバ名を指定してもよい。必要事項を入力してログオンボタン502を押下することによりログオンが実行される。
【0042】
なお、「ログオン画面を表示」にチェックがされている場合に、本画面を表示し、チェックされていない場合は、入力済みのログオン情報を用いてログオンするようにすることもできる。
【0043】
送信画面表示部307は、ログオン認証された際にファクシミリ用プリンタドライバ301で呼び出される機能部であり、データ送信先を選択するための選択画面を表示する機能を備えている。
【0044】
送信先選択部308は、送信画面表示部307により表示された選択画面を介してユーザにより入力・指定された送信先を決定する機能を備えている。ユーザの権限に従って、データの送信先として少なくとも任意の送信先を指定する第1の指定方法(ファクシミリ番号の番号入力)と送信先リストから選択する第2の指定方法(電話帳を開いて一覧から指定)で指定された送信先の選択を受け付けて決定する機能を備えている。
【0045】
情報受信部309は、ファクシミリサーバ103と通信して、ログオン認証の認証結果とユーザ権限を受信したり、また、認証されたユーザが選択できる電話帳である送信先リストを受信したりする機能を備えている。
【0046】
データ送信部310は、送信データ生成部305で生成された送信データを、送信先選択部308で決定された送信先にデータ送信すべく、ファクシミリサーバ103にデータ送信を行う。具体的には、作業フォルダにスプールされている送信データを、送信先選択部308で選択・決定された送信先の情報と共に、ファクシミリサーバ103のファクシミリシステム用サーバモジュールにアップロードして、データ送信登録が行われる。
【0047】
なお、送信データ生成部305によるデータ生成処理をファクシミリ用プリンタドライバ301によるプロセスにし、ログオン要求部306、送信画面表示部307、送信先選択部308、情報受信部309、データ送信部310による各処理を、ファクシミリ用プリンタドライバ301から呼び出す別プロセス(別サービス)として実現してもよい。
【0048】
画面表示制御部311は、クライアント端末の画面に、後述する各種画面の表示制御を行うための制御部である。この制御によりクライアント端末の画面に受信したファクシミリデータが表示されることになる。
【0049】
次にファクシミリシステム用サーバモジュール303の機能構成について説明する。
【0050】
受信判定処理部312は、受信中のファクシミリデータの受信を継続するか否かの判定を行う処理部である。制限値テーブル317にはファクシミリデータを受信する際の制限値が記憶されており、受信判定処理部312は、この制限値に応じて受信継続の可否の判定を行う。
【0051】
通知情報生成部314は、受信判定処理部312により受信を中断すると判定された場合送信元への通知情報を生成する。設定により、単に通信が中断されたことを通知するようにしてもよいし、中断された理由や、再送信用の情報(例えば識別ID)を付加することも可能である。
【0052】
識別ID確認部313では、受信したファクシミリデータに識別IDが付与されているかを確認する。付与されていた場合、付与された識別IDは通知情報生成部314により生成されたものであり、中断されたファクシミリの再送データであることを示す。識別IDが付与されていた場合、FAX結合処理部315で、中断された時に受信済みのファクシミリデータと、今回の通信で受信するファクシミリデータの結合処理を行う。
【0053】
ユーザテーブル316は、ファクシミリシステムのユーザ名およびパスワードが記憶されている。クライアント端末のログオン要求部306によりログオン要求に対する認証処理を行う際に利用される。
【0054】
制限値テーブル317は、ファクシミリデータの受信制限に関する設定が記憶されている。設定は図6および図7に示すような設定画面にて行われる。
【0055】
図6は、本実施形態におけるファクシミリデータの受信制限値設定画面の一例を示す図である。
【0056】
受信制限値設定画面600は、不図示の管理者用端末から選択されることで起動される。クライアント端末やファクシミリサーバのどちらで起動できるようにしてもよい。制限方法601では、制限方法を選択することができる。本実施例では、受信枚数による受信制限と通信時間による受信制限、およびその組み合わせなどを選択することが可能である。
【0057】
「枚数と時間による選択」を選択した場合、制限値602は、枚数と時間の両方の値を入力することが可能となる。そして、例えば制限値が、「10枚・5分」と設定されていれば、通信時間が3分しか経過していなくても受信枚数が10枚になれば通信が切断される。逆に7枚しか受信していなくても5分を超過した場合には通信を切断する。
【0058】
制限値602では、枚数による制限や時間による制限に対しての値を設定することができる。本画面では、受信枚数による受信制限が10枚までと設定されていることがわかる。
【0059】
詳細設定ボタン603を押下すると図7に示す時間帯に関する詳細設定画面に遷移する。
【0060】
図7は、本実施形態における受信制限実施時間帯設定画面700の一例を示す図である。
【0061】
制限を実施する曜日701では、「毎日」「平日」「曜日指定」などのメニューにより制限を実施する曜日を指定することができる。制限を実施する時間帯702では、「全日」「指定時間帯」などのメニューにより制限を実施する時間帯を指定することができる。ここで指定された曜日や時間帯に対して、受信制限が行われる。
【0062】
図8は、本発明の実施形態における制限値テーブルの一例を示す図である。
【0063】
図3の制限値テーブル317に対応し、図6および図7の設定画面にて設定された内容が記憶されている。
【0064】
種別801には、制限方法601で指定された種別が記憶されている。制限値802には、制限値602で指定された値が記憶されている。時間帯803には、制限を実施する時間帯702で指定された内容が、曜日804には、制限を実施する曜日701で指定された内容が記憶されている。選択欄805は、現在設定が有効な項目に対してチェックが付くようになっている。また、設定が有効な項目だけを表示するようにすることも可能である。
【0065】
FAXテーブル318は、ファクシミリサーバにおけるFAXの送受信に関するデータが記憶されている。
図9は、本実施形態におけるFAXテーブルの一例を示す図である。
【0066】
FAXID901は、ファクシミリサーバの送受信の1件ごとに付与された一意のIDである。FAXの送受信データには送信前の状態のものも含まれる。
【0067】
ステータス902は、FAXID901に対応するステータスが記憶されている。「表示済み(受信FAX)」とは、後述するFAXビューアで受信したFAXを表示済みであることを示す。「新規受信中断」とは、受信制限により、受信が中断されたことを示す。このFAXデータに対応するステータスのFAXIDが付加されたカバーページを受信すると、再送信と判断され、ファクシミリデータが結合されることになる。
【0068】
「送信済」は、クライアント端末などからの指示により送信済であることを示す。「新規受信」は、新規に受信したファクシミリデータのことを示す。「送信準備完了」とは、ファクシミリデータの送信の準備は完了しているが、まだ送信はされていない状態を示す。
【0069】
送受信時刻903は、ステータス902が更新された時刻が記憶される。送受信枚数904は、該当するステータスに対応する送受信枚数が記憶されている。
【0070】
FAX番号905は、送信元のFAX番号が記載されている。本実施例では、ナンバーディスプレイ情報から取得したFAX番号を表示することとしている。また、ナンバーディスプレイ情報から取得できなかった場合には空白が表示される。
【0071】
図10は、本実施形態におけるFAXの送受信データの一覧表示画面の一例を示す図である。
【0072】
ファクシミリサーバへ蓄積された送受信データは、クライアントアプリケーションの一覧表示画面により、各クライアント端末から参照することができる。表示されるデータは図9に示すFAXテーブルの内容となっている。確認できる情報について、ユーザごとにアクセス権を割り当てることもできる。また管理者権限で利用すると、ファクシミリサーバが管理するログオンユーザについての各種設定や、ファクシミリサーバの動作についての各種設定もこの画面から行うことができる。
【0073】
1001は、ユーザごとに送受信データを表示することができるが、ここではすべてのユーザの送受信データが表示された状態をしめす。送受信データは1002の表示エリアに選択可能な状態で一覧表示される。
【0074】
一覧からアイテムをダブルクリックすると、不図示のFAXビューワが起動し、FAXイメージが表示される。FAXビューワはイメージを回転、拡大、縮小して表示することができる。また、アノテーション機能を利用して文字や画像をイメージに貼り付けることも可能である。
【0075】
図11は、本実施形態のファクシミリサーバにおけるファクシミリ受信処理の一例を示すフローチャートである。
【0076】
本フローチャートは、外部メモリ211に格納された本発明のプログラムが、クライアント端末あるいはファクシミリサーバのRAM202をワークエリアとしてCPU201が実行することにより実現される。
【0077】
まずステップS1101で、ファクシミリサーバが受信したファクシミリデータに対して受信制限の設定があるかどうかを判定する。制限値テーブル317に制限値が設定されていれば設定があると判断する。ここで制限値が設定されていない場合は、ステップS1102で通常の受信処理を行い、ステップS1108でFAXテーブル318に受信結果を書込み、処理を終了する。
【0078】
一方、受信制限が設定されていた場合には、ステップS1103に進みこれから受信するファクシミリデータのページに対する受信判定処理を実行する。受信判定処理では、次に受信するファクシミリデータのページが「制限範囲内」か「制限範囲外」かの判定が行われる。受信判定処理の詳細については後述する。
【0079】
ステップS1104ではステップS1103の受信判定処理の判定結果を判定する。判定結果が制限範囲外であった場合、ステップS1105に進み受信を中断する。ここでの受信制御は、通信を切断するようにしてもよいし、通信は切断せず、受信だけ中止するようにしてもよい。受信が中断された場合、送信元には、エラーが返信される。ステップS1108に進み、受信中断した処理内容をFAXテーブル318に書込み、処理を終了する。
【0080】
一方、ステップS1104で受信範囲内と判定された場合、ステップS1106に進み該当するページの受信を継続し、ステップS1107で受信完了かどうかの判定を行う。具体的には、例えば最終ページまで受信が完了したかなどで判定することができる。受信が完了した場合には、ステップS1108に進み、受信内容をFAXテーブル318に書込み、処理を終了する。受信が完了していない場合、すなわち、受信すべき次のページが残っている場合は、ステップS1103に戻り受信判定処理を行う。
【0081】
この処理により、送信側は通常のFAX送信を行っていたとしても、受信側で受信制限内であるか否かの判定を行うことができるので、制限を超える受信の場合は受信を中断することが可能となる。
【0082】
図12は、本実施形態のファクシミリサーバにおける受信判定処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、外部メモリ211に格納された本発明のプログラムが、クライアント端末あるいはファクシミリサーバのRAM202をワークエリアとしてCPU201が実行することにより実現される。各種判断は、制限値テーブル317を参照することにより行われる。
【0083】
ステップS1201で、判定時の曜日・時間帯が、制限値テーブル317で設定されたものに含まれるかどうかを判定する。選択されている条件から外れる場合、例えば時間帯が19:00で合った場合、ステップS1207に進み「制限範囲内」として処理を終了する。選択されている条件に含まれる場合、例えば曜日が金曜日であった場合、ステップS1202に進み、枚数制限が設定されているかどうかの判定を行う。設定されていなかった場合、ステップS1204に進む。設定されていた場合、ステップS1203で、次のページを受信した場合に、制限値として設定された枚数をオーバーするかどうかの判定を行う。設定された枚数までは受信可能なのか、設定された枚数に達した時点で受信不可にするかなどは任意に設定可能である。枚数オーバーすると判定された場合、ステップS1206に進む。一方、ステップS1203で枚数がオーバーしないと判定された場合、ステップS1204に進む。
【0084】
ステップS1204では、通信時間の制限が設定されているかどうかの判定を行う。時間制限の設定がされていない場合は、ステップS1207に進む。一方、時間制限の設定がされている場合はステップS1205に進み、制限時間をオーバーしているかどうかの判定を行う。時間がオーバーする場合は、ステップS1207に進み、時間がオーバーしていない場合は、ステップS1206に進む。
【0085】
ステップSS1206では、該当の受信データを「制限範囲外」と判定し、ステップS1207では、該当の受信データを「制限範囲内」と判定し受信判定処理を終了する。制限範囲外とは、受信制限の範囲を超えていることを意味し、その後の受信は中断される。一方、制限範囲内とは、受信制限の範囲に収まっていることを意味し、受信は継続される。
【0086】
これにより、受信制限の判定を行う曜日や時間帯を設定したり、受信枚数や受信(通信)時間の範囲を設定したりすることで、きめ細やかな受信制限を行うことができる。
【0087】
図13は、本実施形態のファクシミリサーバにおける再送信に対応した受信判定処理の一例を示す。
【0088】
図11の受信判定処理では、受信が中断された場合、送信元へはエラーが通知されるだけで、再送したい場合、再度送付しなければならない。また、受信済みのデータがファクシミリサーバに保存されている場合でも、どこまで送信が完了しているかが分からないという問題があった。そこで、本フローチャートでは、再送信を可能とするような構成とした。図13のステップS1302からステップS1310は、ステップS1306を除いて図11のステップS1101からステップS1108と同様の処理なので説明は一部省略する。
【0089】
ステップS1301で、受信したファクシミリデータに識別IDが付与されているか確認しておく。そして、ステップS1309でFAXテーブルに書込みを行ったあと、ステップS1310で、ステップS1301で識別IDが付与されていたかの判定を行い、付与されていなかった場合は処理を終了する。一方、識別IDが付与されていた場合は、ステップS1311に進み、FAX結合処理を行う。FAX結合処理では、受信したファクシミリデータが、以前中断されたファクシミリデータと今回受信したファクシミリデータを結合する。詳細については後述する。
【0090】
ステップS1305で、制限範囲外と判定された場合には、ステップS1306では、通信中断処理を行う。
【0091】
図14は、本実施形態のファクシミリサーバにおける通信中断処理の一例を示すフローチャートである。
【0092】
ステップS1401で、制限範囲外のデータに対して、受信した分までのファクシミリデータにFAXIDの付与を行う。FAXIDとは、図9のFAXID901のことで、再送信時の識別IDとして利用される。
【0093】
ステップS1402では、通知情報の取得と行う。具体的には、送信元に対して通知する情報の取得であり、受信済みの枚数や通信が中断された理由などの情報である。通知される情報の一例を図15に示す。
【0094】
図15は、本実施形態のファクシミリサーバから送信される再送信通知の一例を示す図である。
【0095】
「FAX再送信のお願い」通知1500は、通知受信判定処理により受信制限の範囲を超えているために、受信が中断された場合に送信元のFAXに対して通知されるものである。
【0096】
メッセージ領域1501は、エラーとなった理由や再送信の方法や問合せ先など、送信元にメッセージとして通知したい内容が記載される。通知内容についてはあらかじめ設定しておくことが可能である。
【0097】
通信状況欄1502は、通信の状況を通知する領域であり、本実施形態では、受信FAXIDが識別IDとして利用される。受信したファクシミリデータにこのIDが付与されている場合には、再送信であるとして、FAX結合処理を行う。
【0098】
先頭ページ欄1503および最終ページ欄1504は、既に受信済みの内容を縮小して表示している。「FAX再送信のお願い」通知を受け取った送信元の担当者がどこまで送信できているのかが分かりやすいようになっている。
【0099】
図14のフローチャートの説明に戻る。ステップS1402で取得する通知情報とは、図15に示す内容をファクシミリサーバから取得することを意味する。通知に表示する内容はこれに限ったものではなく、自由に設定することができる。また、少なくともFAXIDだけ通知することで、中断されたのはどのデータであるのかの判定を行うことが可能となっている。
【0100】
ステップS1403で、図15に示す通知情報を作成し、ステップS1404で送信元へ通知して処理を終了する。
【0101】
図16は、本実施形態のファクシミリサーバにおけるFAX結合処理の一例を示す図である。
【0102】
ステップS1601で、受信したファクシミリデータから識別ID(FAXID)を取得し、FAXテーブルと照会する。
【0103】
ステップS1602で、対応するFAXがあるかどうかを判定する。具体的には、例えば取得したFAXIDが「27184」であった場合、FAXテーブルに同様のFAXIDを持つデータが存在するか確認する処理である。通常は対応するFAXが存在するはずであるが、削除された場合などは存在しないこともある。ステップS1602では、対応するFAXが存在しない場合、ステップS1603でエラーとして通常の受信として処理する。
【0104】
一方、ステップS1602で対応するFAXが存在した場合、ステップS1604で、該当のFAXIDに対応する受信済みデータと今回受信したデータを結合する。そしてステップS1605でFAXテーブルを更新する。この場合、結合したデータに対して新しいFAXIDが付与され、ステータスは、例えば、「結合済み」と表示する。また、結合済みのFAXIDのデータに対して再送信処理が行われた場合でも同様の処理をすることで、1つのデータとして管理することができる。
【0105】
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信側は通常のFAX送信を行っていたとしても、受信側で受信制限内であるか否かの判定を行うことができるので、制限を超える受信の場合は受信を中断することが可能となる。また、通信が中断された場合でも、再送信を促すことで、以前受信したファクシミリデータを再送信されたファクシミリデータを結合して1つのデータとして管理することができる。
【0106】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0107】
また、本発明におけるプログラムは、各フローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は各フローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0108】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0109】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0110】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0111】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0112】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0113】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0114】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0115】
101 クライアント端末
102 クライアント端末
103 ファクシミリサーバ
104 FAX通信カード
105 LAN
106 公衆回線
301 ファクシミリ用プリンタドライバ
302 ファクシミリシステム用クライアントモジュール
303 ファクシミリシステム用サーバモジュール
306 ログオン要求部
307 送信画面表示部
310 データ送信部
311 画面表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリデータを受信可能な情報処理装置であって、
前記ファクシミリデータの受信制限に関する情報を記憶する受信制限記憶手段と、
前記受信するファクシミリデータが前記受信制限記憶手段に記憶された受信制限を満たすか否かを判定する受信判定手段と、
前記受信判定手段により受信制限を満たすと判定されたら受信を継続し、一方、受信制限を満たさないと判定されたら前記ファクシミリデータの受信を中断する受信制御手段と、
を有することを特長とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受信制御手段により受信が中断された場合、少なくとも前記中断されたファクシミリデータを特定可能な識別情報を含む中断通知を送信元に通知する通信中断通知手段を更に有する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信するファクシミリデータに前記識別情報が付与されているかを判定する識別情報判定手段と、
前記識別情報判定手段により前記識別情報が付与されていると判定された場合には、前記識別情報が付与されたファクシミリデータと、前記識別情報により特定される既に受信済みのファクシミリデータとを結合するFAX結合手段を更に有する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通信中断通知手段で通知される中断通知には、前記中断されたファクシミリデータの先頭ページと最終ページが表示されていることを特長とする請求項2または3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受信制限記憶手段に記憶された受信制限に関する情報は、ファクシミリの受信データまたは通信時間であることを特長とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ファクシミリデータの受信制限に関する情報を記憶する受信制限記憶手段を有する、ファクシミリデータを受信可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記受信するファクシミリデータが前記受信制限記憶手段に記憶された受信制限を満たすか否かを判定する受信判定ステップと、
前記受信判定ステップにより受信制限を満たすと判定されたら受信を継続し、一方、受信制限を満たさないと判定されたら前記ファクシミリデータの受信を中断する受信制御ステップと、
を有することを特長とする情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
ファクシミリデータの受信制限に関する情報を記憶する受信制限記憶手段を有する、ファクシミリデータを受信可能な情報処理装置で実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記受信するファクシミリデータが前記受信制限記憶手段に記憶された受信制限を満たすか否かを判定する受信判定手段と、
前記受信判定手段により受信制限を満たすと判定されたら受信を継続し、一方、受信制限を満たさないと判定されたら前記ファクシミリデータの受信を中断する受信制御手段と、
を有することを特長とする情報処理装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−30925(P2013−30925A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164667(P2011−164667)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.INS
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(399107177)キヤノンソフト情報システム株式会社 (20)
【Fターム(参考)】