説明

情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム

【課題】複数の処理内容を有するサービス処理の消費電力を正確に見積もって報知することを目的とする。
【解決手段】サービス処理を構成する各処理内容の起動時に必要な消費電力量と、実行時に必要な消費電力値とを消費電力換算テーブルから読み出し、文書情報のページ数や部数を実行時に必要な消費電力値に乗算して求めた実行時の消費電力量と起動時に必要な消費電力量を加算することで、処理内容毎の消費電力量を算出して、さらに算出した各処理内容の消費電力量を加算することにより消費電力を算出する(110、116)。このとき、同じ処理(例えば、プリント)が連続する場合には、起動時に必要な消費電力は1回となるので、続けて起動時に必要な消費電力を加算しないようにする。そして、算出した消費電力を表示する(118)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の技術では、所定の印刷条件による印刷要求を入力する印刷要求入力手段と、印刷用紙の印刷枚数を取得する手段と、所定の枚数の印刷用紙を使用したときに消耗される環境資源の量を示す、環境資源消耗情報を記憶した記憶手段と、要求された印刷枚数に相当する印刷用紙を使用したときに消耗される環境資源の量を示す情報を算出する消耗資源量算出手段と、消耗資源量を象徴する画像を生成する画像生成手段と、その画像を表示出力する表示制御手段とを備えることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−330639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数の処理内容を有するサービス処理の消費電力を正確に見積もって報知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の情報処理装置は、予め定めた処理内容を複数組み合わせて文書情報に対して実行するサービス処理を選択するための選択手段と、前記処理内容毎に予め定めた必要な機能部へ供給する電力を制御する制御手段と、前記選択手段によって選択された前記サービス処理の個々の前記処理内容と処理順番とに基づいて前記制御手段の制御によって供給される電力の消費量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する表示手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の情報処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記表示手段は、機種毎に予め定められ、前記処理内容毎の消費電力を求めるための予め定めた消費電力換算テーブルを用いて前記消費量を見積もった消費電力見積もり結果を表示することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の情報処理は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記表示手段は、前記サービス処理を設定するための設定画面に前記消費電力見積もり結果を表示することを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の情報処理装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の発明において、前記サービス処理を実行する実行装置の最新機種の消費電力に関する情報を取得する取得手段を更に備え、前記表示手段が、前記取得手段によって取得された前記情報に基づいて最新機種の前記消費電力見積もり結果を表示することを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の情報処理プログラムは、コンピュータを、請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置の前記表示手段として機能させることを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の情報処理システムは、予め定めた処理内容を複数組み合わせて文書情報に対して実行するサービス処理における前記処理内容毎に予め定めた必要な機能部へ供給する電力を制御する制御手段を備え、前記サービス処理を実行する実行装置と、前記サービス処理を選択するための選択手段と、前記選択手段によって選択された前記サービス処理の個々の前記処理内容と処理順番とに基づいて前記制御手段の制御によって供給される電力の消費量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する表示手段と、を備えた情報処理装置と、を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記表示手段は、機種毎に予め定められ、前記処理内容毎の消費電力を求めるための予め定めた消費電力換算テーブルを用いて前記消費量を見積もった消費電力見積もり結果を表示することを特徴としている。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記表示手段は、前記サービス処理を設定するための設定画面に前記消費電力見積もり結果を表示することを特徴としている。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8の何れか1項に記載の発明において、前記情報処理装置が、前記サービス処理を実行する実行装置の最新機種の消費電力に関する情報を取得する取得手段を更に備え、前記表示手段が、前記取得手段によって取得された前記情報に基づいて最新機種の前記消費電力見積もり結果を表示すことを特徴としている。
【0014】
請求項10に記載の情報処理プログラムは、コンピュータを、請求項6〜8の何れか1項に記載の情報処理システムの前記表示手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の情報処理装置によれば、サービス処理の個々の処理内容と処理順番とに基づいて消費電力量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する構成を有していない場合に比べて、サービス処理の消費電力を正確に見積もって報知することができる、という効果がある。
【0016】
請求項2に記載の情報処理装置によれば、サービス処理の消費電力を機種毎に見積もることができる、という効果がある。
【0017】
請求項3に記載の情報処理装置によれば、サービス処理を設定する際に消費電力を確認することができる、という効果がある。
【0018】
請求項4に記載の情報処理装置によれば、最新機種の実行装置でサービス処理を実行する場合の消費電力を確認することができる、という効果がある。
【0019】
請求項5に記載の情報処理プログラムによれば、サービス処理の個々の処理内容と処理順番とに基づいて消費電力量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する処理を有していない場合に比べて、サービス処理の消費電力を正確に見積もって報知することができる、という効果がある。
【0020】
請求項6に記載の情報処理システムによれば、サービス処理の個々の処理内容と処理順番とに基づいて消費電力量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する構成を有していない場合に比べて、サービス処理の消費電力を正確に見積もることができる、という効果がある。
【0021】
請求項7に記載の情報処理システムによれば、サービス処理の消費電力を機種毎に見積もることができる、という効果がある。
【0022】
請求項8に記載の情報処理装置によれば、サービス処理を設定する際に消費電力を確認することができる、という効果がある。
【0023】
請求項9に記載の情報処理装置によれば、最新機種の実行装置でサービス処理を実行する場合の消費電力を確認することができる、という効果がある。
【0024】
請求項10に記載の情報処理プログラムによれば、サービス処理の個々の処理内容と処理順番とに基づいて消費電力量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する処理を有していない場合に比べて、サービス処理の消費電力を正確に見積もって報知することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係わる画像形成システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる画像形成システムにおける画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図3】サービス処理を構成する各処理内容種別毎のパラメータの種類の一例を示す図である。
【図4】サービス処理の一例を示す図である。
【図5】サービス処理Aを実行した場合の消費電力の遷移図である。
【図6】サービス処理Bを実行した場合の消費電力の遷移図である。
【図7】サービス処理Cを実行した場合の消費電力の遷移図である。
【図8】消費電力換算テーブルの一例を示す図である。
【図9】処理内容種別がプリントの場合の実行時に必要な消費電力換算テーブルの一例を示す図である。
【図10】処理内容種別がファックス送信の場合の実行時に必要な消費電力換算テーブルの一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係わる画像形成システムにおける画像形成装置でサービス処理の消費電力の見積もりを表示する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】画像形成装置でサービス処理の消費電力の見積もりを行う際のサービス処理消費電力見積もり画面の一例を示し、(A)は消費電力見積もり(標準文書)が選択されている例を示す図であり、(B)は消費電力見積もり(実行文書)が選択されている例を示す図であり、(C)は文書一覧リストの一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係わる画像形成システムにおけるホストコンピュータでサービス処理の消費電力の見積もりを表示する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】(A)はホストコンピュータでサービス処理の消費電力の見積もりを行う際のサービス処理消費電力見積もり画面の一例を示す図であり、(B)はデバイス選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる画像形成システム10の概略構成を示す図である。
【0027】
画像形成システム10は、画像形成装置12及び複数のホストコンピュータ14(14A、14B、・・・)がネットワーク16を介して互いに接続されている。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態に係わる画像形成システム10における画像形成装置12の概略構成を示す図である。図2に示すように、画像形成装置12は、メインコントローラ18を含んで構成されている。
【0029】
メインコントローラ18は、CPU(Csentral Processing Unit)18A、ROM(Read Only Memory)18B、RAM(Random Access Memory)18C、不揮発性メモリ18D、及び入出力インタフェース(I/O)18Eがバス18Fを介して各々接続されている。
【0030】
I/O18Eには、操作表示部20、画像読取部22、画像形成部24、用紙供給部26、用紙排出部28、電話回線インターフェース(I/F)30、ネットワークインターフェース(I/F)32、ハードディスク34、及び省電力制御装置36の各機能部が接続されている。
【0031】
操作表示部20は、例えば、コピー開始等を指示するためのスタートボタンやテンキー等の各種ボタン、コピー濃度などの画像形成条件等の処理内容を設定するための設定画面や装置の状態等の各種画面を表示するためのタッチパネル等を含んで構成されている。
【0032】
画像読取部22は、ラインCCD等の画像読取センサや当該画像読取りセンサを走査するための走査機構や原稿を読取位置へ移動するための移動機構等を含んで構成され、装置にセットされた原稿の画像を読み取る。なお、画像読取部22は、移動機構によって原稿を読取位置へ移動して読み取る自動読取と、原稿読取位置へ利用者が原稿をセットして読み取る手動読取と、が可能とされている。
【0033】
画像形成部24は、例えば所謂電子写真方式により記録媒体上に画像を形成するものである。具体的には、画像形成部24は、感光体ドラムを帯電するための帯電装置、帯電された感光体ドラム上へ画像に応じた光を露光することにより感光体ドラム上に画像に応じた静電潜像を形成する露光装置、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナー現像する現像装置、感光体ドラム上に形成された画像に応じたトナー像を記録媒体に転写する転写装置、記録媒体に転写された画像に応じたトナー像を定着する定着装置等を含んで構成される。
【0034】
なお、露光装置としては、半導体レーザや回転多面鏡、コリメータレンズやシリンドリカルレンズ、fθレンズ等の光学系を含んで構成された光走査装置、複数のLEDから成るLEDヘッド等を適用することができる。
【0035】
また、画像形成部24は、電子写真方式に限らず、インクジェット記録方式により記録媒体上に画像を形成するものを適用するようにしてもよい。
【0036】
用紙供給部26は、記録用紙が収容される用紙収容部や、用紙収容部から画像形成部24へ記録用紙供給する供給機構等を含んで構成される。なお、用紙収納部は、記録用紙の種類の異なる記録用紙を収納するために複数備え、供給機構も用紙収納部に対応して複数備える。
【0037】
用紙排出部28は、記録用紙に対して、ステープル処理や穴あけ処理等の後処理を行うフィニッシャー、記録用紙が排出される排出部、画像形成部24で画像形成された記録用紙をフィニッシャーや排出部上に排出させるための排出機構等を含んで構成される。
【0038】
電話回線I/F30は、図示しない電話回線を介して接続された他の画像形成装置とファクシミリ通信を行うためのインターフェースである。
【0039】
ネットワークI/F32は、ネットワーク16を介してホストコンピュータ14等の他の装置とデータ通信するためのインターフェースである。
【0040】
ハードディスク34は、例えば装置の各部の状態や稼働状況等のログデータ、コピーやファクシミリ通信、プリント等の処理結果のログデータ、各種の設定データ、制御プログラム等が記憶される。
【0041】
省電力制御装置36は、操作表示部20によって実行が指示された処理内容に応じて電力供給部38を制御して、処理内容を実行するために必要な各機能部へ供給する電力を制御する。
【0042】
電力供給部38は、省電力制御装置36の制御に従って、メインコントローラ18や操作表示部20、画像読取部22、用紙供給部26の供給機構、用紙排出部28の排出機構、用紙排出部28のフィニッシャー、排出機構等の各機能部への電力供給をオンオフする。
【0043】
すなわち、本実施の形態の画像形成装置12では、必要な機能部のみに電力を供給し、不必要な機能部については節電するように省電力制御装置36が電力供給部38を制御する。例えば、プリント処理の場合、画像読取部22に電力供給する必要はなく、その分電力が節約される。また、コピー処理の場合においても、例えば、操作表示部20による操作でコピー開始を指示した後にコピー動作へ移行したときに操作表示部20の表示等を停止するようにすれば、その分電力が節約される。
【0044】
このように、画像形成処理の種類によっては、全ての機能部へ電力を供給する必要はなく、必要のない部分への電力供給を停止することで部分的に節電される。
【0045】
また、本実施の形態に係わる画像形成システム10では、複数の処理内容を組み合わせて実行するサービス処理が可能とされている。
【0046】
サービス処理は、例えば、画像読取、共有フォルダ転送(SMB(Server Message Block)転送)、FTP(File Transfer Protocol)サーバ転送、電子メール送信、進展ボックス保存、プリント、ファックス送信、インターネットファックス送信等の処理の中から複数の処理を組み合わて画像形成装置12が実行する。サービス処理の設定は、表示操作部20やホストコンピュータ14のキーボード等を操作することにより、実行する処理内容の選択や、順序等の設定が行われる。なお、サービス処理の実行は、単一の画像形成装置12で行うようにしてもよいし、複数の画像形成装置12に分担して行うようにしてもよい。
【0047】
また、サービス処理を構成する各処理内容種別毎のパラメータの種類としては、図3に示すようなパラメータを有する。すなわち、画像読取では、カラーモード、地色除去、濃度、読み取り解像度、読み取り倍率などがあり、共有フォルダに転送では、転送先、保存場所、ログイン名、パスワード、ファイル名、出力ファイル形式、送信失敗時の再送信(回数)等があり、FTPサーバに転送では、転送先、保存場所、ログイン名、パスワード、ファイル名、出力ファイル形式、送信失敗時の再送信(回数)等があり、電子メールで送信では、解像度、カラーモード、転送フォーマット、送信失敗時の再送信(回数)等があり、進展ボックスに保存では、解像度、カラーモード等があり、プリントでは、部数、両面指定、用紙収容部指定、排出先指定等があり、ファックス送信では、宛先、画質、濃度、送信レポート出力等があり、インターネットファックス送信では、宛先、画質、濃度等がある。
【0048】
ところで、上述したように、本実施の形態では、画像形成装置12が部分的に節電されるため、サービス処理を構成する処理内容や処理内容の処理順番によっては消費電力が異なる。
【0049】
例えば、図4に示すように、FTP転送、プリントA、メール送信、プリントBの順に行うサービス処理Aと、FTP転送、メール送信、プリントA、プリントBの順に行うサービス処理Bと、ファックス送信、SMB転送、プリントの順に行うサービス処理Cと、のそれぞれを実行した場合の予想消費電力の遷移について比較すると、サービス処理Aでは、図5に示すように、FTP転送後にプリントAを行うためにウォームアップ(定着器の加熱等)により消費電力が増加してプリントAの量に応じた電力が消費される。その後メール送信され、プリントBを行うためのウォームアップにより再び消費電力が増加してプリントBの量に応じた電力が消費される。これに対して、サービス処理Bでは、プリントAとプリントBを連続して行うようになっており、図6に示すように、ウォームアップによる消費電力増加が1回に抑えられ、消費電力が低減されることが分る。
【0050】
一方、サービス処理Cの場合には、図7に示すように、ファックス送信後にファックス送信レポートを出力するためのウォームアップにより消費電力が増加し、その後SMB転送が行われ、プリントのためのウォームアップにより消費電力が増加するので、ファックス送信の後に続けてプリントを行うようにサービス処理を構成した方が消費電力が低くなることが分る。
【0051】
そこで、本実施の形態に係わる画像形成システム10では、実行するサービス処理を設定する際に、サービス処理の個々の処理内容と処理順番とに基づいてサービス処理の消費電力を見積もって表示することが可能とされている。これにより、利用者に節電を意識させ、省エネルギ意識を高める。
【0052】
なお、サービス処理の設定や、実行指示、見積もり結果の表示は、ホストコンピュータ14で行うようにしてもよいし、画像形成装置12で行うようにしてもよい。
【0053】
本実施の形態では、サービス処理の消費電力を見積もるために、図8に示すように、プリント、メール送信、ファックス送信、SMB転送等の処理内容種別毎に消費電力換算テーブル40がホストコンピュータ14や画像形成装置12に予め記憶されている。
【0054】
また、各処理内容は、各処理を起動する際に必要な消費電力と、実行時に必要な消費電力とがそれぞれ異なるので、起動時と実行時とに分けてそれぞれ予め記憶されている。例えば、プリントの場合、起動時にはウォームアップ(定着器等の加熱)のための電力が必要とされ、実行時の電力と異なるので、各処理内容毎に起動時に必要な消費電力量と実行時に必要な消費電力値(記録用紙1枚あたりの消費電力値)とに分けた消費電力換算テーブルを予め記憶する。
【0055】
実行時に必要な消費電力換算テーブル40の一例としては、例えば、処理内容種別がプリントの場合には、図9に示すように、両面指定(両面または片面)、用紙収納部指定(収納部A〜D)、排出部指定(センタ排出部またはスタッカー排出部)、メールボックス(ビン1〜N)、部数(1〜N)等のパラメータ毎に、係数(予め定めた基準パラメータに対する係数)や消費電力値(例えば、1枚あたりの消費電力)をテーブルとして記憶しておくことでプリントの消費電力が算出され、処理内容種別がファックス送信の場合には、図10に示すように、画質(標準、高画質、超高画質(400dpi)、超高画質(600dpi))や濃度(−10〜+10)のパラメータ毎に、係数や消費電力値をテーブルとして記憶することでファックス送信の消費電力が算出される。
【0056】
なお、起動時に必要な消費電力換算テーブルについては、処理内容毎に予め定めた消費電力量を対応させたものとしてもよいし、起動時に必要な消費電力についても、現在の装置の状態によって異なる場合があるので、装置の状態を検出するセンサ等を設けてセンサの検出結果に応じて、消費電力量を算出する消費電力換算テーブルを用意しておくようにしてもよい。例えば、プリントの場合には、定着器の温度によって異なるため、現在の温度に応じた消費電力量を求める換算テーブルを用意しておくことで、ウォームアップ時の消費電力を正確に予測することが可能となる。
【0057】
また、画像形成装置12の機種毎に消費電力換算テーブル40が異なるため、それぞれの機種毎に消費電力換算テーブル40を備え、処理を行う画像形成装置12から消費電力換算テーブル40を取得して消費電力を見積もってもよいし、ホストコンピュータ14のうち何れかをサーバとして機能させて機種毎の消費電力換算テーブル40を予め記憶しておいて、消費電力の見積もりを行う際に、取得するようにしてもよい。
【0058】
また、消費電力換算テーブル40から消費電力を見積もる際には、ページ数や部数等によって消費電力が変化するため、予め定めた標準文書情報をモデルとして算出してもよいし、実行する文書情報を指定して、実行文書情報のページ数や部数に応じて算出してもよい。
【0059】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる画像形成システム10でサービス処理の消費電力の見積もりを表示する際の処理について説明する。
【0060】
サービス処理の消費電力の見積もりを表示する際の処理は、画像形成装置12の操作表示部20に表示する場合と、画像形成装置12を遠隔操作する装置(例えば、ホストコンピュータ14等)のモニタ等に表示する場合がある。
【0061】
まず、画像形成装置12でサービス処理の消費電力の見積もりを表示する場合について説明する。図11は、本発明の実施の形態に係わる画像形成システム12における画像形成装置12でサービス処理の消費電力の見積もりを表示する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、画像形成装置12のROM18Bやハードディスク34等に記憶されたプログラムを実行することによって行われる。
【0062】
まず、ステップ100では、サービス処理消費電力見積もり画面が表示されてステップ102へ移行する。サービス処理消費電力見積もり画面としては、例えば、図12(A)に示すような画面が表示される。図12(A)に示す画面では、既に登録されいてるサービス処理一覧や、サービス処理の登録を指示する登録ボタン表示、編集ボタン表示、消費電力の見積もりを指示する消費電力見積もりボタン表示、見積もり結果の表示等が表示される例を示す。なお、当該サービス処理消費電力見積もり画面は、サービス処理の処理内容を設定する際に表示されるものとしてもよい。
【0063】
ステップ102では、サービス処理が選択されたか否かが判定される。該判定は、例えば、操作表示部20が操作されて、図12(A)に示すサービス処理一覧の中からサービス処理が選択されたか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ104へ移行する。なお、待機中に他の処理を行う指示が行われた場合(例えば、登録ボタン表示や編集ボタン表示を選択する操作が行われた場合)には当該処理を終了して対応する処理を行う。
【0064】
ステップ104では、選択されたサービス処理が反転表示されてステップ106へ移行する。例えば、図12(A)に示すように、反転表示する。図12(A)では、サービス処理Bが選択された例を示す。
【0065】
ステップ106では、消費電力見積もりが指示されたか否かが判定される。該判定は、操作表示部20が操作されて消費電力の見積もりを行う指示が行われたか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ102に戻って上述の処理が繰り返され、肯定された場合にはステップ108へ移行する。例えば、図12(A)の例では、サービス処理が選択されて消費電力見積もり(標準文書)または消費電力見積もり(実行文書)の何れかを選択する指示がなされたか否かを判定する。
【0066】
ステップ108では、実行文書指定か否かが判定される。本実施の形態では、予め定めた標準文書を利用して消費電力を算出する場合と、実行する文書を指定して消費電力を算出する場合があり、後者が選択されたか否かを判定し、該判定が否定された場合には、標準文書を利用して消費電力を算出するものとしてステップ110へ移行し、肯定された場合にはステップ112へ移行する。すなわち、図12(A)の例において、消費電力見積もり(標準)が選択された場合に否定され、消費電力見積もり(実行文書)が選択された場合に肯定される。
【0067】
ステップ110では、標準文書を利用してサービス処理を行った際の消費電力が算出されてステップ118へ移行する。すなわち、消費電力換算テーブル40を用いてサービス処理を構成する処理内容に応じた消費電力を標準文書を利用して算出する。具体的には、サービス処理を構成する各処理内容の起動時に必要な消費電力量と、実行時に必要な消費電力値とを消費電力換算テーブル40から読み出す。そして、標準文書のページ数や部数を実行時に必要な消費電力値に乗算して求めた実行時の消費電力量と起動時に必要な消費電力量を加算することで、処理内容毎の消費電力量を算出して、さらに算出した各処理内容の消費電力量を加算することにより消費電力を算出する。このとき、同じ処理内容(例えば、プリント)が連続する場合には、起動時に必要な消費電力は1回となるので、続けて起動時に必要な消費電力を加算しないようにする。
【0068】
一方、図12(B)に示すように、消費電力見積もり(実行文書)が選択されて、ステップ112へ移行すると、予め定めた場所に格納されている文書リスト一覧が表示されてステップ114へ移行する。文書リスト一覧としては、例えば、図12(C)に示すように、Document1〜5のように、予め定めた場所に格納された文書情報の一覧が表示される。
【0069】
ステップ114では、実行文書が選択されたか否かが判定され、該判定が否定された場合にはステップ112に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定されたところでステップ116へ移行する。例えば、図12(C)の例では、文書リスト一覧の中からサービス処理を実行する文書情報が操作表示部20の操作によって選択されたか否かを判定する。
【0070】
ステップ116では、実行文書を利用してサービス処理を行った際の消費電力が算出されてステップ118へ移行する。すなわち、消費電力換算テーブル40を用いてサービス処理を構成する処理内容に応じた消費電力を実行文書を利用して算出する。具体的には、サービス処理を構成する各処理内容の起動時に必要な消費電力量と、実行時に必要な消費電力値とを消費電力換算テーブル04から読み出す。そして、実行文書のページ数や部数を実行時に必要な消費電力値に乗算して求めた実行時の消費電力量と起動時に必要な消費電力量を加算することで、処理内容毎の消費電力量を算出して、さらに算出した各処理内容の消費電力量を加算することにより消費電力を算出する。このとき、同じ処理内容(例えば、プリント)が連続する場合には、起動時に必要な消費電力は1回となるので、続けて起動時に必要な消費電力を加算しないようにする。
【0071】
ステップ118では、算出された消費電力が表示されて一連の処理を終了する。例えば、図12(A)、(B)の場合には、「???」の欄に算出された消費電力値を表示する。これにより、サービス処理を行った場合の消費電力が利用者に報知される。
【0072】
続いて、、ホストコンピュータ14でサービス処理の消費電力の見積もりを表示する場合について説明する。図13は、本発明の実施の形態に係わる画像形成システム12におけるホストコンピュータ14でサービス処理の消費電力の見積もりを表示する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、当該処理は、ホストコンピュータ14にインストールされた画像形成装置12のドライバ情報に含まれる処理である。また、以下の処理では、サービス処理を行う実行文書が既に決定されているものとして説明するが、画像形成装置12でサービス処理の消費電力の見積もりを表示する場合のように、標準文書を用いて消費電力を算出するか、実行文書を用いて消費電力を算出するかを選択するようにしてもよい。
【0073】
まず、ステップ200では、サービス処理消費電力見積もり画面が表示されてステップ102へ移行する。サービス処理消費電力見積もり画面としては、例えば、図14(A)に示すような画面が表示される。図14(A)に示す画面では、既に登録されいてるサービス処理一覧や、サービス処理の登録を指示する登録ボタン表示、編集ボタン表示、消費電力の見積もりを指示する消費電力見積もりボタン表示、見積もり結果の表示等が表示される例を示す。なお、当該サービス処理消費電力見積もり画面は、サービス処理の処理内容を設定する際に表示されるものとしてもよい。
【0074】
ステップ202では、サービス処理が選択されたか否かが判定される。該判定は、例えば、ホストコンピュータ14のキーボードやマウス等が操作されて、図14(A)に示すサービス処理一覧の中からサービス処理が選択されたか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ104へ移行する。なお、待機中に他の処理を行う指示が行われた場合(例えば、登録ボタン表示や編集ボタン表示を選択する操作が行われた場合)には処理を終了して対応する処理を行う。
【0075】
ステップ204では、選択されたサービス処理が反転表示されてステップ206へ移行する。例えば、図14(A)に示すように、反転表示する。図14(A)では、サービス処理Bが選択された例を示す。
【0076】
ステップ206では、消費電力見積もりが指示されたか否かが判定される。該判定は、ホストコンピュータ14のキーボードやマウス等が操作されて消費電力の見積もりを行う指示が行われたか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ202に戻って上述の処理が繰り返され、肯定された場合にはステップ208へ移行する。例えば、図14(A)の例では、サービス処理が選択Bされて消費電力見積もりが選択されたか否かを判定する。
【0077】
ステップ208では、デバイス選択画面が表示されてステップ210へ移行する。すなわち、使用するデバイス(画像形成装置12の機種)によって消費電力が異なるため、使用するデバイスを選択するための画面を表示する。例えば、図14(B)に示すようなデバイス選択画面を表示する。図14(B)の例では、デバイスを直接指定する場合の項目と、既に登録されているデバイスを選択する場合の項目とを表示する例を示す。
【0078】
ステップ210では、デバイス直接指定が選択されたか否かが判定される。該判定は、例えば、図14(B)の例において、デバイス直接指定の項目にIP(Internet Protocol)アドレスが入力されたか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ212へ移行し、肯定された場合にはステップ214へ移行する。
【0079】
ステップ212では、デバイス選択が行われたか否かが判定される。該判定は、例えば、図14(B)の例において、デバイス選択の項目に表示されている既に登録されているデバイスの何れかが選択されたか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ210に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ216へ移行する。
【0080】
一方、ステップ214では、指定先デバイス(デバイス直接指定の項目に入力されたIPアドレス)にアクセスして、デバイス情報が取得されてデバイスが登録されてステップ216へ移行する。当該処理により、図14(B)のデバイス選択の項目に新たにデバイスが登録される。
【0081】
ステップ216では、対応する消費電力換算テーブル40が取得されてステップ218へ移行する。すなわち、デバイス直接指定またはデバイス選択の項目から指定されたデバイスにアクセスして消費電力換算テーブル40を取得する。なお、サーバ等に各デバイスの消費電力換算テーブル40を格納しておいてサーバから対応する消費電力換算テーブル40を取得するようにしてもよい。或いは、予め定めた会社のURL等にアクセスしてインターネット等を介して対応する消費電力換算テーブル40を取得するようにしてもよい。これらの場合には、最新機種の消費電力換算テーブル40を取得して、以下の処理を行うことにより最新機種の消費電力を比較として表示するようにしてもよい。
【0082】
ステップ218では、消費電力が算出されてステップ220へ移行する。すなわち、取得した消費電力換算テーブル40を用いてサービス処理を構成する処理内容に応じた消費電力を既に指定されている実行文書を利用して算出する。具体的には、サービス処理を構成する各処理内容の起動時に必要な消費電力量と、実行時に必要な消費電力値とを消費電力換算テーブル40から読み出す。そして、実行文書のページ数や部数を実行時に必要な消費電力値に乗算して求めた実行時の消費電力量と起動時に必要な消費電力量を加算することで、処理内容毎の消費電力量を算出して、さらに算出した各処理内容の消費電力量を加算することにより消費電力を算出する。このとき、同じ処理内容(例えば、プリント)が連続する場合には、起動時に必要な消費電力は1回となるので、続けて起動時に必要な消費電力を加算しないようにする。
【0083】
そして、ステップ220では、算出された消費電力が表示されて一連の処理を終了する。例えば、図14(A)の場合には、「???」の欄に算出された消費電力値を表示する。これにより、サービス処理を行った場合の消費電力が利用者に報知される。
【0084】
なお、上記の実施の形態では、予め定めた消費電力換算テーブル40を利用してサービス処理を実行する際の消費電力を算出して表示するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、電力供給部38からメインコントローラ18や操作表示部20、画像読取部22等の各機能部への通電時間を計測するためのタイマ等を含んで省電力制御装置36を構成し、各処理内容を実行した場合の各機能部への通電時間等を実測することで消費電力を求めて、消費電力換算テーブル40を作成したり、補正するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 画像形成システム
12 画像形成装置
14 ホストコンピュータ
16 ネットワーク
18 メインコントローラ
20 操作表示部
32 ネットワークI/F
36 省電力制御装置
38 電力供給部
40 消費電力換算テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた処理内容を複数組み合わせて文書情報に対して実行するサービス処理を選択するための選択手段と、
前記処理内容毎に予め定めた必要な機能部へ供給する電力を制御する制御手段と、
前記選択手段によって選択された前記サービス処理の個々の前記処理内容と処理順番とに基づいて前記制御手段の制御によって供給される電力の消費量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する表示手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、機種毎に予め定められ、前記処理内容毎の消費電力を求めるための予め定めた消費電力換算テーブルを用いて前記消費量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記サービス処理を設定するための設定画面に前記消費電力見積もり結果を表示する請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記サービス処理を実行する実行装置の最新機種の消費電力に関する情報を取得する取得手段を更に備え、前記表示手段が、前記取得手段によって取得された前記情報に基づいて最新機種の前記消費電力見積もり結果を表示する請求項1〜3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置の前記表示手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項6】
予め定めた処理内容を複数組み合わせて文書情報に対して実行するサービス処理における前記処理内容毎に予め定めた必要な機能部へ供給する電力を制御する制御手段を備え、前記サービス処理を実行する実行装置と、
前記サービス処理を選択するための選択手段と、前記選択手段によって選択された前記サービス処理の個々の前記処理内容と処理順番とに基づいて前記制御手段の制御によって供給される電力の消費量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する表示手段と、を備えた情報処理装置と、
を備えた情報処理システム。
【請求項7】
前記表示手段は、機種毎に予め定められ、前記処理内容毎の消費電力を求めるための予め定めた消費電力換算テーブルを用いて前記消費量を見積もった消費電力見積もり結果を表示する請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示手段は、前記サービス処理を設定するための設定画面に前記消費電力見積もり結果を表示する請求項6又は請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理装置が、前記サービス処理を実行する実行装置の最新機種の消費電力に関する情報を取得する取得手段を更に備え、前記表示手段が、前記取得手段によって取得された前記情報に基づいて最新機種の前記消費電力見積もり結果を表示する請求項6〜8の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項6〜8の何れか1項に記載の情報処理システムの前記表示手段として機能させるための情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−198288(P2011−198288A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66841(P2010−66841)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】