説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】特定対象物の識別処理を迅速に行う。
【解決手段】情報処理装置は、変換部および算出部を具備する。ここで、画像に含まれる特定対象物における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域とし、第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合におけるその基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域とする。変換部は、基準画素の特徴量とその基準画素に係る第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて、他の画素の特徴量をその第2領域に含まれる画素毎に変換する。算出部は、基準画素毎に変換により求められた第2領域に含まれる各画素の値について、第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより、特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置に関する。詳しくは、画像を扱う情報処理装置および情報処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ(例えば、カメラ一体型レコーダ)等の情報処理装置により生成された画像について、この画像に含まれる被写体が何であるかを認識する被写体認識技術が提案されている。この被写体認識技術として、例えば、輝度や色等の特徴量を用いた画像処理により画像に含まれる人物の顔を検出する顔検出技術が提案されている。
【0003】
また、そのように顔検出技術を用いて検出された顔について、特定人物の顔であるか否かを識別する技術が提案されている。
【0004】
例えば、画像に含まれる顔上において一定の間隔で配置された複数の特徴点の局所的な特徴量をガボア・フィルタにより検出し、この検出された特徴量を用いて、人物の顔を識別する画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この画像処理装置では、画像に含まれる顔上に一定の間隔で離れて位置する特徴点を検出し、この特徴点の局所的な特徴量をガボア・フィルタにより検出する。そして、その検出された特徴量が、予め登録されている顔の特徴量に対してどの程度類似しているかを演算することにより、人物の顔を識別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−4003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来技術によれば、入力された画像に含まれる顔上において一定の間隔で配置された特徴点の局所的な特徴量を求め、この特徴量を用いて特定対象物(例えば、人物の顔)の識別を行うことができる。
【0007】
しかしながら、上述の従来技術では、ガボア・フィルタを用いて特徴量を求めるため、演算量が多くなる。ここで、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置において、生成された画像について顔識別を行う場合には、この顔識別の精度を維持し、顔識別処理を迅速に行うことが重要となる。このように、各態様において、特定対象物の識別処理の精度を維持し、その識別処理を迅速に行うことが重要となる。
【0008】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特定対象物の識別処理を迅速に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、画像に含まれる特定対象物における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域とし、上記第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合における当該基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域として、上記基準画素の特徴量と当該基準画素に係る上記第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて当該他の画素の特徴量を当該第2領域に含まれる画素毎に変換する変換部と、上記基準画素毎に上記変換により求められた上記第2領域に含まれる各画素の値について上記第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより上記特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する算出部とを具備する情報処理装置および情報処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、基準画素の特徴量とこの基準画素に係る第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて、他の画素の特徴量を画素毎に変換し、基準画素毎に求められた第2領域に含まれる各画素の値について、第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより、特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出するという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記第2領域に含まれる各画素の位置毎の演算結果を構成要素とする特徴量を上記識別処理に用いられる特徴量として算出するようにしてもよい。これにより、第2領域に含まれる各画素の位置毎の演算結果を構成要素とする特徴量を算出するという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記識別処理に用いられる特徴量と上記特定対象物とを関連付けて記憶する記憶部から取得された当該特徴量と上記算出された特徴量とについて、上記構成要素毎に比較することにより上記識別処理を行う識別部をさらに具備するようにしてもよい。これにより、記憶部から取得された特徴量と、算出された特徴量とについて、構成要素毎に比較することにより識別処理を行うという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記変換部は、上記特定対象物における複数の特徴点について上記変換を行い、上記算出部は、上記複数の特徴点について上記識別処理に用いられる特徴量を算出し、上記識別部は、上記記憶部から取得された特徴量と上記算出された特徴量とを上記特徴点毎に比較することにより上記識別処理を行うようにしてもよい。これにより、特定対象物における複数の特徴点について変換を行い、複数の特徴点について特徴量を算出し、記憶部から取得された特徴量と、算出された特徴量とを特徴点毎に比較することにより識別処理を行うという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記変換部は、上記基準画素の特徴量を基準として当該基準画素に係る上記第2領域に含まれる他の画素の特徴量が大きい場合には当該特徴量を第1の値に変換して、上記基準画素の特徴量を基準として当該基準画素に係る上記第2領域に含まれる他の画素の特徴量が小さい場合には当該特徴量を第2の値に変換するようにしてもよい。これにより、基準画素の特徴量を基準としてその基準画素に係る第2領域に含まれる他の画素の特徴量が大きい場合には、その特徴量を第1の値に変換し、基準画素の特徴量を基準としてその基準画素に係る第2領域に含まれる他の画素の特徴量が小さい場合には、その特徴量を第2の値に変換するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記変換部は、上記第1の値および上記第2の値のうちの何れか一方を正値とし、他方を負値とする上記変換を行うようにしてもよい。これにより、第1の値および第2の値のうちの何れか一方を正値とし、他方を負値とするという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記演算として加算を行うことにより上記識別処理に用いられる特徴量を算出するようにしてもよい。これにより、同一要素の加算を行うことにより特徴量を算出するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記変換部は、上記特定対象物における複数の特徴点に係る上記第1領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを上記特徴点に応じて変更して上記変換を行うようにしてもよい。これにより、特定対象物における複数の特徴点に係る第1領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを、特徴点に応じて変更して変換を行うという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記変換部は、上記特定対象物における複数の特徴点に係る上記第2領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを上記特徴点に応じて変更して上記変換を行うようにしてもよい。これにより、特定対象物における複数の特徴点に係る第2領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを、特徴点に応じて変更して変換を行うという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記変換部は、上記第2領域に含まれる各画素の位置のうち、上記識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ上記変換を行い、上記識別部は、上記第2領域に含まれる各画素の位置のうち、上記識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ上記演算を行うようにしてもよい。これにより、識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ変換を行い、識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ演算を行うという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記画像に含まれる上記特定対象物を検出する特定対象物検出部と、上記検出された特定対象物における上記特徴点を検出する特徴点検出部と、上記識別処理に用いられる特徴量と上記特定対象物とを関連付けて記憶する記憶部から取得された当該特徴量と上記算出された特徴量とを用いて上記識別処理を行う識別部とをさらに具備するようにしてもよい。これにより、画像に含まれる特定対象物を検出し、この検出された特定対象物における特徴点を検出し、記憶部から取得された特徴量と、算出された特徴量とを用いて識別処理を行うという作用をもたらす。
【0020】
また、この第1の側面において、上記特定対象物を人物の顔とし、上記特徴点を、上記顔に含まれる器官の少なくとも1つの端部とし、上記識別処理は、上記検出された人物の顔が特定人物の顔であるか否かを識別するようにしてもよい。これにより、検出された人物の顔が特定人物の顔であるか否かを識別するという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0021】
本技術によれば、特定対象物の識別処理を迅速に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】本技術の第1の実施の形態におけるカメラ制御部200の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】本技術の第1の実施の形態における登録顔検出部230の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】本技術の第1の実施の形態における顔画像生成部300の機能構成例を示すブロック図である。
【図5】本技術の第1の実施の形態における顔画像生成部300による顔画像の生成例を示す図である。
【図6】本技術の第1の実施の形態における特徴点検出辞書記憶部250の記憶内容の一例を模式的に示す図である。
【図7】本技術の第1の実施の形態における特徴点検出部232により顔の特徴点を検出する場合における検出例を示す図である。
【図8】本技術の第1の実施の形態における特徴点検出部232による特徴点検出処理の対象となった顔画像390と、その特徴点検出処理の検出結果とを模式的に示す図である。
【図9】本技術の第1の実施の形態における登録顔特徴量記憶部400の記憶内容の一例を模式的に示す図である。
【図10】本技術の第1の実施の形態における登録顔特徴量記憶部400に記憶されている特徴量および登録顔の関係例を模式的に示す図である。
【図11】本技術の第1の実施の形態における顔識別辞書記憶部500の記憶内容の一例を模式的に示す図である。
【図12】本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233による特徴量算出処理の対象となる顔画像と、この顔画像について特徴量を算出する際に用いられる対象領域とを簡略化して示す図である。
【図13】本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233による特徴量算出の際に用いられる画素を模式的に示す図である。
【図14】本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233による特徴量算出の際に用いられる比較対象領域と、この比較対象領域について算出された符号化情報との関係を模式的に示す図である。
【図15】本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233により算出された各符号化情報と、これらの符号化情報の加算処理により算出された特徴量との関係を模式的に示す図である。
【図16】本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233による特徴量算出処理の対象となる顔画像と、この顔画像における各特徴点について算出された特徴量との関係を模式的に示す図である。
【図17】本技術の第1の実施の形態における識別部234による識別処理に用いられるスコアを算出する場合における算出方法を模式的に示す図である。
【図18】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100による画像記録処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100による画像記録処理の処理手順のうちの登録顔検出処理手順を示すフローチャートである。
【図20】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100による登録顔検出処理手順のうちの特徴量算出処理手順を示すフローチャートである。
【図21】本技術の実施の形態における撮像装置100による登録顔検出処理手順のうちの識別処理手順を示すフローチャートである。
【図22】本技術の第2の実施の形態における特徴量算出部233により特徴量を算出する際に用いられる特徴点周辺領域の設定例を示す図である。
【図23】本技術の第2の実施の形態における特徴量算出部233により特徴量を算出する際に用いられる特徴点周辺領域の設定例を示す図である。
【図24】本技術の第2の実施の形態における特徴量算出部233により特徴量を算出する際に用いられる比較対象領域の設定例を示す図である。
【図25】本技術の第2の実施の形態における特徴量算出部233により特徴量を算出する際に用いられる比較対象領域の設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(特徴量算出制御:特定対象物の識別処理に用いる特徴量として、特定対象物における特徴点に関する特徴量を算出する例)
2.第2の実施の形態(特徴量算出制御:特徴量を算出する際に用いられる特徴点周辺の領域サイズを特徴点に応じて変更する例)
【0024】
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【0025】
撮像装置100は、レンズ111と、撮像部112と、システム制御部120と、記憶装置部130と、外部I/F(Inter/Face)部140と、記録部150と、操作入力部160と、表示部170と、音声出力部180と、カメラ制御部200とを備える。撮像装置100は、例えば、被写体を撮像して画像データを生成し、この画像データについて画像解析により各特徴量を抽出し、この抽出された各特徴量を用いて各種画像処理を施すことが可能なデジタルスチルカメラによって実現することができる。なお、撮像装置100は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例である。
【0026】
レンズ111は、被写体からの光を集光する複数のレンズ(ズームレンズ、フォーカスレンズ等)から構成され、入射された被写体からの光がこれらのレンズを介して撮像部112に供給される。
【0027】
撮像部112は、電子シャッター機能を有する撮像素子(図示せず)と、この撮像素子の出力信号を処理して画像(画像データ)を生成する信号処理部(図示せず)とを備える。すなわち、撮像部112において、レンズ111を介して入射された被写体の光学像が撮像素子の撮像面に結像され、この状態で撮像素子が撮像動作を行い、信号処理部が撮像信号に対して信号処理を行うことにより画像(撮像画像)が生成される。そして、生成された画像が記憶装置部130に供給されて記憶される。なお、画像の生成に用いられるカメラパラメータ(撮像パラメータ)が、カメラ制御部200により順次決定される。
【0028】
カメラ制御部200は、記憶装置部130を介して撮像部112から供給される画像、および、システム制御部120からの制御に基づいて、撮像部112を制御するものである。なお、カメラ制御部200については、図2を参照して詳細に説明する。
【0029】
システム制御部120は、撮像装置100全体の制御を行うものである。例えば、システム制御部120は、操作入力部160により受け付けられたユーザからの操作入力に応じた制御を行う。また、システム制御部120は、表示部170に表示されるメニュー画面等の表示、記録部150に対する画像の記録や読出し、外部I/F部140を介して行われる外部コンピュータやネットワークとの通信等を制御する。さらに、システム制御部120は、撮像動作中のモニタリング時には、撮像部112により生成された画像を表示部170に表示させる制御を行う。
【0030】
記憶装置部130は、撮像装置100のシステム上で画像等を一時的に保存するための主記憶装置であり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)により構成される。すなわち、撮像装置100内における各部間の画像のやりとりは、主に記憶装置部130を介して行われる。
【0031】
外部I/F部140は、USB(Universal Serial Bus)等の入出力端子を備える外部インターフェースであり、外部コンピュータとの接続やネットワーク接続のためのインターフェースを提供する。
【0032】
記録部150は、システム制御部120の制御に基づいて、撮像部112により生成された画像を記録するものである。また、記録部150は、システム制御部120の制御に基づいて、記録されている画像を読み出してシステム制御部120に供給する。記録部150として、例えば、フラッシュメモリ等の記録媒体を用いることができる。また、記録部150は、撮像装置100に内蔵するようにしてもよく、着脱可能に撮像装置100に装着されるようにしてもよい。
【0033】
操作入力部160は、ユーザからの操作入力を受ける操作入力部であり、受け付けられた操作入力に応じた信号をシステム制御部120に出力する。例えば、画像の記録を指示するためのシャッターボタンが押下されると、シャッターボタン押下に応じた信号がシステム制御部120に出力される。
【0034】
表示部170は、システム制御部120の制御に基づいて、各種画像を表示する表示部である。例えば、表示部170は、撮像部112により生成された画像(例えば、スルー画像)、記録部150から読み出された画像、ユーザに提供されるメニュー画面等を表示する。
【0035】
音声出力部180は、システム制御部120の制御に基づいて、各種の音声情報を出力するものである。音声出力部180は、例えば、スピーカにより実現することができる。
【0036】
[カメラ制御部の構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態におけるカメラ制御部200の機能構成例を示すブロック図である。図2では、カメラ制御部200の機能構成例とともに、図1に示す撮像部112、システム制御部120および記憶装置部130の構成についても図示する。
【0037】
カメラ制御部200は、シーケンス制御部210と、カメラパラメータ制御部220と、登録顔検出部230と、記憶装置I/F240とを備える。ここで、記憶装置部130およびカメラパラメータ制御部220の間、また、記憶装置部130および登録顔検出部230の間で行われる画像のやりとりは、記憶装置I/F240を介して行われる。
【0038】
シーケンス制御部210は、システム制御部120からの画像記録待機命令で起動し、撮像部112により生成される画像を記録することが可能な状態を保持するものである。この画像記録待機状態では、撮像部112により生成される画像が、記憶装置部130に順次記憶される。例えば、1/60秒の間隔で、記憶装置部130に記憶される画像が順次更新される。また、シーケンス制御部210は、記憶装置部130に記憶されている現在の画像(撮像部112により生成された最新の画像)に基づいて、カメラパラメータ制御部220がカメラパラメータを決定するように制御を行う。また、シーケンス制御部210は、記憶装置部130に記憶されている現在の画像について登録顔検出部230が登録顔検出処理を行うための制御を行う。ここで、シーケンス制御部210は、登録されている顔(登録顔)を検出したことを示す登録顔検出情報が登録顔検出部230から出力された場合には、登録顔が検出された旨をシステム制御部120およびカメラパラメータ制御部220に出力する。
【0039】
カメラパラメータ制御部220は、画像に関するカメラパラメータを決定するものであり、決定されたカメラパラメータを用いて、撮像部112に対する撮像制御を行う。具体的には、カメラパラメータ制御部220は、シーケンス制御部210からのトリガに基づいて、記憶装置I/F240を介して、記憶装置部130に記憶されている現在の画像を取得する。そして、この現在の画像を評価して、シャッター速度、露出、ホワイトバランス等のカメラパラメータを決定する。また、カメラパラメータ制御部220は、現在の画像から登録顔が検出された場合には、検出された登録顔および現在の画像の評価に基づいてシャッター速度、露出、ホワイトバランス等のカメラパラメータを決定する。例えば、登録顔が検出された場合には、検出された登録顔の画像における位置および大きさに基づいて、検出された登録顔に最適なカメラパラメータが決定される。
【0040】
登録顔検出部230は、記憶装置部130に記憶されている現在の画像について登録顔検出処理を行うものであり、登録顔が検出された場合には登録顔検出情報をシーケンス制御部210に出力する。具体的には、登録顔検出部230は、シーケンス制御部210からのトリガに基づいて、記憶装置I/F240を介して、記憶装置部130に記憶されている現在の画像を取得し、この現在の画像について登録顔検出処理を行う。ここで、登録顔検出情報は、検出された登録顔に関する情報であり、例えば、検出された登録顔の画像における位置、大きさ、その顔の度合いを表すスコアを含む情報である。なお、登録顔検出部230については、図3を参照して詳細に説明する。
【0041】
[登録顔検出部の構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における登録顔検出部230の機能構成例を示すブロック図である。
【0042】
登録顔検出部230は、画像取得部231と、特徴点検出部232と、特徴量算出部233と、識別部234と、識別結果出力部235とを備える。また、登録顔検出部230は、特徴点検出辞書記憶部250と、顔画像生成部300と、顔識別辞書記憶部500と、登録顔特徴量記憶部400とを備える。
【0043】
画像取得部231は、記憶装置I/F240を介して、記憶装置部130に記憶されている画像(画像データ)を取得するものであり、取得された画像を顔画像生成部300に出力する。
【0044】
顔画像生成部300は、画像取得部231から出力された画像について、人物の顔を含む画像(顔画像)を生成するものであり、生成された顔画像を特徴点検出部232および特徴量算出部233に出力する。なお、顔画像生成部300については、図4を参照して詳細に説明する。
【0045】
特徴点検出部232は、特徴点検出辞書記憶部250に記憶されている特徴点検出辞書を用いて、顔画像生成部300により生成された顔画像に含まれる顔における特徴点を検出するものであり、検出結果(特徴点情報)を特徴量算出部233に出力する。
【0046】
特徴点検出辞書記憶部250は、特徴点検出部232による特徴点検出処理に用いられる特徴点検出辞書を記憶するものであり、記憶されている特徴点検出辞書を特徴点検出部232に供給する。なお、特徴点検出辞書記憶部250の記憶内容については、図6を参照して詳細に説明する。
【0047】
特徴量算出部233は、顔画像生成部300により生成された顔画像における各特徴点(特徴点検出部232により検出された各特徴点)について、特徴量を算出するものであり、算出された特徴量を識別部234に出力する。
【0048】
ここで、画像(例えば、顔画像)に含まれる特定対象物(例えば、人物の顔)における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域(例えば、図13(a)に示す特徴点周辺領域520(m×n領域))とする。また、第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合におけるその基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域(例えば、図13(a)に示す比較対象領域522(M×N領域))とする。この場合に、特徴量算出部233は、基準画素の特徴量と、この基準画素に係る第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて、他の画素の特徴量を画素毎に変換する。そして、特徴量算出部233は、基準画素毎に求められた第2領域に含まれる各画素の値(例えば、−1、+1)について、第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算(例えば、加算処理)を行う。この演算により、特徴量算出部233は、特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する。
【0049】
例えば、特徴量算出部233は、基準画素の特徴量を基準としてその基準画素に係る第2領域に含まれる他の画素の特徴量が大きい場合には、その特徴量を第1の値に変換する。一方、特徴量算出部233は、基準画素の特徴量を基準としてその基準画素に係る第2領域に含まれる他の画素の特徴量が小さい場合には、その特徴量を第2の値に変換する。この場合に、特徴量算出部233は、例えば、第1の値および第2の値のうちの何れか一方を正値(例えば、+1)とし、他方を負値(例えば、−1)とする変換を行う。なお、ここで、基準画素の特徴量を基準として大きい場合とは、基準画素の特徴量以上の場合と、基準画素の特徴量よりも大きい場合との双方の意味を含むものとする。また、基準画素の特徴量を基準として小さい場合とは、基準画素の特徴量以下の場合と、基準画素の特徴量未満の場合との双方の意味を含むものとする。ただし、基準画素の特徴量を基準として大きい場合が、基準画素の特徴量以上を意味するときには、基準画素の特徴量を基準として小さい場合は、基準画素の特徴量未満を意味するものとする。一方、基準画素の特徴量を基準として大きい場合が、基準画素の特徴量よりも大きい場合を意味するときには、基準画素の特徴量を基準として小さい場合は、基準画素の特徴量以下を意味するものとする。
【0050】
また、特徴量算出部233は、例えば、図15に示すように、第2領域に含まれる各画素の位置毎の演算結果を構成要素とする特徴量を、識別処理に用いられる特徴量として算出する。また、特徴量算出部233は、特定対象物における複数の特徴点について変換を行い、複数の特徴点について、識別処理に用いられる特徴量を算出する。なお、特徴量の算出処理については、図12乃至図16を参照して詳細に説明する。また、特徴量算出部233は、特許請求の範囲に記載の変換部および算出部の一例である。
【0051】
登録顔特徴量記憶部400は、識別部234による識別処理に用いられる登録顔特徴量を記憶するものであり、記憶されている登録顔特徴量を識別部234に供給する。なお、登録顔特徴量記憶部400の記憶内容については、図9および図10を参照して詳細に説明する。
【0052】
顔識別辞書記憶部500は、識別部234による識別処理に用いられる顔識別辞書(統計学習辞書)を記憶するものであり、記憶されている顔識別辞書を識別部234に供給する。なお、顔識別辞書記憶部500の記憶内容については、図11を参照して詳細に説明する。
【0053】
識別部234は、顔画像生成部300により生成された顔画像に含まれる顔が、登録顔であるか否かを判定する顔判定処理(識別処理)を行うものである。そして、この判定結果(識別結果)を識別結果出力部235に出力する。
【0054】
具体的には、識別部234は、登録顔特徴量記憶部400に記憶されている登録顔特徴量を取得し、この登録顔特徴量と、特徴量算出部233により算出された特徴量とを、各特徴点について、構成要素毎に比較することにより識別処理を行う。この場合に、比較対象となる特徴点およびその要素は、顔識別辞書記憶部500に記憶されている顔識別辞書により特定される。
【0055】
すなわち、顔識別辞書記憶部500には、特徴点に関する情報(特徴点識別情報)と、特徴量における位置と、閾値との組合せを複数含む同一形式の判定情報が1または複数記憶されている。識別部234は、その判定情報に含まれる複数の組合せに係る位置に対応する特徴量(特徴量算出部233により算出された特徴量)と、この位置に対応する登録顔特徴量とを比較して類似度(例えば、差分値)を算出する。そして、識別部234は、その算出された類似度と、その組合せに係る閾値との比較結果に基づいて、評価値(スコア)を算出し、このスコアに基づいて識別を行う。なお、識別部234による識別処理については、図17を参照して詳細に説明する。
【0056】
識別結果出力部235は、識別部234による識別結果をシーケンス制御部210に出力するものである。例えば、識別結果出力部235は、顔画像に含まれる顔が登録顔であると判定された判定結果が識別部234から出力された場合には、登録顔が検出された旨を示す登録顔検出情報をシーケンス制御部210に出力する。この登録顔検出情報には、例えば、検出された登録顔の画像における位置および大きさと、その顔の度合いを表すスコアとが含まれる。
【0057】
[顔画像生成部の構成例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における顔画像生成部300の機能構成例を示すブロック図である。
【0058】
顔画像生成部300は、顔検出辞書記憶部310と、顔検出部320と、眼検出辞書記憶部330と、眼検出部340と、正規化部350とを備える。
【0059】
顔検出辞書記憶部310は、顔検出部320による顔検出処理に用いられる顔検出辞書を記憶するものであり、記憶されている顔検出辞書を顔検出部320に供給する。
【0060】
顔検出部320は、画像取得部231から出力された画像に含まれる人物の顔を検出するものであり、検出された顔に関する顔検出情報を眼検出部340に出力する。顔検出方法として、例えば、顔の輝度分布情報が記録されているテンプレートと実画像とのマッチングによる顔検出方法(例えば、特開2004−133637参照。)、画像に含まれる肌色の部分や人間の顔の特徴量等に基づいた顔検出方法等を用いることができる。また、顔検出情報には、検出された顔を含む顔画像や、検出された顔の画像上における位置およびサイズが含まれる。なお、顔検出部320は、特許請求の範囲に記載の特定対象物検出部の一例である。
【0061】
眼検出辞書記憶部330は、眼検出部340による眼検出処理に用いられる眼検出辞書を記憶するものであり、記憶されている眼検出辞書を眼検出部340に供給する。
【0062】
眼検出部340は、顔検出部320により検出された顔の両眼を検出するものであり、検出された両眼に関する眼情報と、顔検出部320から出力された顔検出情報とを正規化部350に出力する。すなわち、眼検出部340は、画像取得部231から出力された画像に含まれる顔における両眼を検出する。この眼検出方法として、例えば、顔検出方法と同様に、眼の輝度分布情報が記録されているテンプレートと実画像とのマッチングによる眼検出方法等を用いることができる。また、眼情報には、検出された両眼の顔画像における位置が含まれる。この眼情報により、画像上における両眼の位置を特定することができる。この両眼の位置は、例えば、両眼の中心位置とすることができる。
【0063】
正規化部350は、眼検出部340から出力された眼情報および顔検出情報に基づいて、画像取得部231から出力された画像に含まれる顔に関する顔画像を正規化するものであり、正規化された顔画像を特徴点検出部232および特徴量算出部233に出力する。例えば、正規化部350は、正規化テンプレートを用いて、顔検出部320により検出された顔画像について正規化を行う。この正規化テンプレートとして、例えば、図5(c)に示すように、顔画像における両眼の位置を基準とする正規化テンプレート351を用いることができる。すなわち、正規化部350は、眼検出部340から出力された顔画像における両眼の位置が、正規化テンプレートにおける両眼の位置と合致するように、顔検出部320から出力された顔画像に回転処理および拡大縮小処理を施す。そして、正規化部350は、その顔画像に解像度変換(例えば、80画素×80画素)を施して正規化する。なお、顔画像の正規化については、図5を参照して詳細に説明する。
【0064】
[顔画像生成例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における顔画像生成部300による顔画像の生成例を示す図である。
【0065】
図5(a)には、撮像部112により生成された画像360を簡略化して示す。画像360には、3人の人物361乃至363が含まれているものとする。このように、撮像部112により生成された画像360について、顔検出部320が顔検出処理を行う。
【0066】
図5(b)には、顔検出部320による顔検出処理の検出結果を模式的に示す。すなわち、画像360において、顔検出部320により検出された顔を矩形364乃至366で囲んで示す。このように、顔検出部320により検出された顔(矩形364乃至366内の顔)について、眼検出部340が眼検出処理を行う。
【0067】
図5(c)には、眼検出部340による眼検出処理の検出結果と、正規化部350による正規化処理に用いられる正規化テンプレート351とを模式的に示す。図5(c)では、顔検出部320により検出された顔(矩形364乃至366内の顔)のうち、人物363の顔(矩形366内の顔)について正規化処理を行う例のみを示すが、他の顔についても同様に正規化処理を行うことができる。
【0068】
また、図5(c)では、画像360から取り出された顔画像370において、眼検出部340により検出された目の位置を×印371および372で示す。なお、図5(c)では、眼における中心位置を眼の位置とする例を示す。
【0069】
正規化テンプレート351は、正規化部350が正規化処理を行う際に用いられるテンプレートであり、正規化を行う際に基準となる基準位置352および353が規定されている。また、正規化部350は、眼検出部340により検出された顔画像370における両眼の位置(×印371および372)が、正規化テンプレート351における基準位置352および353に合致するように、正規化処理を行う。すなわち、左右の眼間距離が一定となるように正規化処理が行われる。具体的には、正規化部350は、顔画像370を回転処理するとともに、顔画像の解像度を変換する。顔画像のサイズは、例えば、顔における特徴点を検出することができる程度のサイズとすることが好ましい。例えば、顔画像の解像度が80画素×80画素となるように解像度変換され、正規化顔画像が生成される。
【0070】
図5(d)には、正規化部350による正規化処理により生成された正規化顔画像375を簡略化して示す。
【0071】
例えば、図5(d)に示すように、顔画像370について解像度変換および回転処理がされると、正規化された顔画像(正規化顔画像375)が生成される。正規化顔画像375に含まれる人物363の顔の両眼の位置が、図5(c)に示す正規化テンプレート351における基準位置352および353に合致している。
【0072】
なお、基準位置としては、顔に含まれる両眼以外の他の器官の位置を用いるようにしてもよい。また、複数の器官の位置を、基準位置として用いるようにしてもよい。
【0073】
[特徴点検出辞書記憶部の内容例]
図6は、本技術の第1の実施の形態における特徴点検出辞書記憶部250の記憶内容の一例を模式的に示す図である。
【0074】
特徴点検出辞書記憶部250は、顔画像生成部300により生成された顔画像に含まれる人物の顔における特徴点を検出するための特徴点検出辞書を記憶するものである。特徴点検出辞書記憶部250には、特徴点識別情報251および特徴点検出辞書252が関連付けて記憶されている。
【0075】
特徴点識別情報251は、人物の顔における各特徴点を識別するための識別情報である。なお、本技術の第1の実施の形態では、検出対象となる特徴点をK個(例えば、K=70)とする例について説明する。
【0076】
特徴点検出辞書252は、顔画像生成部300により生成された顔画像に含まれる人物の顔における特徴点を検出するための情報である。すなわち、特徴点検出部232は、特徴点検出辞書252を用いて、顔画像生成部300により生成された顔画像に含まれる人物の顔における特徴点を検出する。
【0077】
例えば、特徴点検出方法として、顔検出方法および眼検出方法と同様に、各特徴点の輝度分布情報が記録されているテンプレートと実画像とのマッチングによる検出方法を用いることができる。このように、特徴点検出方法としてマッチングによる検出方法を用いる場合には、各特徴点の輝度分布情報が記録されているテンプレートが、特徴点検出辞書252として格納される。例えば、左眼の左側端部を特徴点として検出する際に用いられるテンプレート253、鼻の左側端部を特徴点として検出する際に用いられるテンプレート254、口の左側端部を特徴点として検出する際に用いられるテンプレート255等が格納される。このように、顔における特徴点として、目尻や鼻先等の個体差に依存しにくい器官の一部(端部等)等が用いられる。
【0078】
[特徴点の検出例]
図7は、本技術の第1の実施の形態における特徴点検出部232により顔の特徴点を検出する場合における検出例を示す図である。図7(a)乃至(c)には、特徴点の検出対象となる顔画像の遷移例(顔画像380乃至382)を示す。すなわち、図7(a)には、顔画像生成部300により生成された顔画像380を示し、図7(b)および(c)には、顔画像380について縮小処理が施された顔画像381および382を示す。なお、顔画像380は、例えば、80画素×80画素の画像とすることができる。また、縮小処理は、例えば、前の画像を0.83倍に縮小する縮小処理とすることができる。
【0079】
例えば、顔画像380について特徴点を検出する場合には、図7(a)の左側に示すように、顔画像380の左上隅に取出枠385が配置され、取出枠385内に含まれる画像について、特徴点検出部232が特徴点検出処理(例えば、マッチング処理)を行う。続いて、取出枠385が右側方向(矢印386、387に示す方向)に1画素シフトされて、取出枠385内に含まれる画像について特徴点検出処理が行われる。
【0080】
以降も同様にして、取出枠385が1画素ずつ右側方向に順次シフトされて、取出枠385内に含まれる画像について特徴点検出処理が順次行われる。そして、取出枠385が、顔画像380の右端の位置にシフトされて取出枠385内に含まれる画像について特徴点検出処理が行われると、取出枠385が1画素下側にシフトされるとともに顔画像380の左端に移動される。
【0081】
続いて、顔画像380の左端に移動直後の取出枠385内に含まれる画像について特徴点検出処理が行われた後に、取出枠385が1画素ずつ右側方向に順次シフトされて、取出枠385内に含まれる画像について特徴点検出処理が順次行われる。
【0082】
以降も同様に、取出枠385内に含まれる画像について特徴点検出処理が順次行われる。そして、図7(a)の右側に示すように、取出枠385が、顔画像380の右端および下端の位置にシフトされて取出枠385内に含まれる画像が取り出されると、顔画像380についての特徴点検出処理を終了する。
【0083】
また、図7(b)および(c)に示す顔画像381および382(顔画像380について縮小処理が施された顔画像)についても同様に、特徴点検出処理が行われる。なお、図7(b)および(c)の左側の顔画像381および382では、取出枠385の最初の配置位置を示し、図7(b)および(c)の右側の顔画像381および382では、取出枠385の最後の配置位置を示す。ここで、取出枠385の最初の配置位置から最後の配置位置までの移動については、図7(a)に示す移動と同様である。また、取出枠385の大きさは、特徴点の検出対象となる顔画像のサイズにかかわらず一定である。そして、特徴点の検出対象となる顔画像のサイズが、一定サイズとなるまで、特徴点検出処理が行われる。
【0084】
図8は、本技術の第1の実施の形態における特徴点検出部232による特徴点検出処理の対象となった顔画像390と、その特徴点検出処理の検出結果とを模式的に示す図である。図8に示す顔画像390は、図7(a)に示す顔画像380と同一であり、人物の顔391が含まれる。
【0085】
また、図8には、顔画像390に含まれる顔391について検出された特徴点の位置を、太線の×印で模式的に示す。また、図8では、説明の容易のため、検出対象となる特徴点のうちの代表的な特徴点のみを示す。例えば、顔391における眼392、393、鼻394、口395、あご396等の顔の各パーツ(器官)における端部が特徴点として検出される。
【0086】
このように、特徴点検出部232により検出された各特徴点について、特徴量算出部233が特徴量を算出する。
【0087】
[登録顔特徴量記憶部の内容例]
図9は、本技術の第1の実施の形態における登録顔特徴量記憶部400の記憶内容の一例を模式的に示す図である。
【0088】
登録顔特徴量記憶部400は、識別部234による識別処理の対象となる人物の顔(登録顔)に関する特徴量を記憶するものである。登録顔特徴量記憶部400には、個人識別情報401と、氏名402と、登録顔情報403と、特徴量404とが関連付けて記憶されている。
【0089】
個人識別情報401は、登録顔として登録されている人物を識別するための識別情報である。
【0090】
氏名402は、登録顔として登録されている人物の氏名である。なお、氏名402には、氏名以外に、ニックネームや芸名等を格納するようにしてもよい。例えば、登録顔検出部230により登録顔が検出された場合には、氏名402に格納されている情報に基づいて、その検出された顔の人物に関する情報(氏名、ニックネーム等)を表示することができる。
【0091】
登録顔情報403は、登録顔として登録されている人物の顔に関する情報である。登録顔情報403には、例えば、登録顔として登録されている人物の顔を含む画像(登録顔画像)が格納される。
【0092】
特徴量404は、登録顔に関する特徴量(登録顔特徴量)である。なお、登録顔および特徴量の関係については、図10を参照して詳細に説明する。
【0093】
図10は、本技術の第1の実施の形態における登録顔特徴量記憶部400に記憶されている特徴量および登録顔の関係例を模式的に示す図である。
【0094】
図10(a)には、登録顔特徴量記憶部400に特徴量が記憶されている人物に関する登録顔情報403の一例を示す。図10(a)では、登録顔情報403として、図9に示す丙谷美子(個人識別情報401の#102)の登録顔画像411を簡略化して示す。また、図10(a)では、登録顔画像411における特徴点の一部を×印で模式的に示す。これらの特徴点は、特徴点検出部232により検出される特徴点に対応する。
【0095】
図10(b)には、登録顔特徴量記憶部400に記憶されている特徴量404の一例を示す。図10(b)では、特徴量404として、図10(a)に示す登録顔画像411における各特徴点について算出された特徴量の一部を模式的に示す。
【0096】
図10(b)に示すように、特徴量412は、登録顔画像411における特徴点単位で格納される。また、特徴量412は、特徴点毎に24個(5×5−1)の要素により構成される。なお、特徴量412を構成する24個の要素については、図12乃至図16を参照して詳細に説明する。
【0097】
[顔識別辞書記憶部の内容例]
図11は、本技術の第1の実施の形態における顔識別辞書記憶部500の記憶内容の一例を模式的に示す図である。図11(a)には、顔識別辞書記憶部500の記憶内容の一例を示す。また、図11(b)には、図11(a)に示す位置情報(x,y)502に対応するxy座標を示す。
【0098】
顔識別辞書記憶部500は、顔画像生成部300により生成された顔画像について識別処理を行うための判定情報である。また、顔識別辞書記憶部500は、登録顔特徴量記憶部400に特徴量が登録されている人物の顔(登録顔)を識別するための判定情報である。
【0099】
顔識別辞書記憶部500には、特徴点識別情報501と、位置情報(x,y)502と、閾値(th)503と、スコア(α)504との組合せがL組格納されている。例えば、L=1000程度とすることができる。
【0100】
特徴点識別情報501には、特徴点単位の特徴量のうち、比較対象となる特徴量に対応する特徴点の識別情報が格納される。例えば、特徴点識別情報501には、図10(b)に示す特徴点識別情報413のうち、比較対象となる特徴量に対応する特徴点の識別情報(#0乃至#(K−1))が格納される。
【0101】
位置情報(x,y)502には、比較対象となる特徴量の位置が格納される。例えば、位置情報(x,y)502には、特徴量(例えば、図10(b)に示す特徴量414)をxy座標(平面座標)に対応させた場合において、このxy座標の左上隅を原点とした場合における座標点(x,y)が格納される。
【0102】
ここで、特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502に格納される情報について説明する。例えば、図11(b)に示す矩形群505を構成する各矩形のうち、左上隅を原点とし、水平方向をx軸、垂直方向をy軸とする。この場合に、図10(b)に示す特徴量(矩形415で示す)の位置が、特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502に格納される場合を想定する。この場合には、特徴点識別情報501には「#1」が格納され、位置情報(x,y)502のxには「0」が格納され、yには「2」が格納される。
【0103】
閾値(th)503には、比較対象となる2つの特徴量の差分値に関する閾値が格納される。この比較対象となる2つの特徴量は、特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502により特定される2つの特徴量(登録顔特徴量記憶部400における特徴量(登録顔特徴量)、特徴量算出部233により算出された特徴量)である。
【0104】
スコア(α)504には、識別処理を行うためのスコアの算出に用いられる値が格納される。このスコアは、登録顔の度合いを表す評価値である。なお、これらの各値を用いて行われる登録顔の度合いを表すスコアの算出については、図17を参照して詳細に説明する。
【0105】
また、これらの各値は、例えば、アダブースト(AdaBoost)等の機械学習アルゴリズムにより学習されたもののうちで、最も効果的な上位1000組の組合せを用いて設定される。この学習の対象となる画像として、例えば、登録顔が含まれている顔画像と、登録顔が含まれていない顔画像とを用いる。また、判定処理に用いられる顔識別辞書は、対象画像が登録顔を含むか否かを判定する際の判定基準のみに関するデータを保持する判定情報であり、画像そのものを保持するものではない。このため、記憶容量を削減することができるとともに、判定処理を迅速に行うことができる。なお、機械学習アルゴリズムとして、SVM(Support Vector Machine)やReal AdaBoost等を用いるようにしてもよい。
【0106】
[特徴量の算出例]
図12は、本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233による特徴量算出処理の対象となる顔画像と、この顔画像について特徴量を算出する際に用いられる対象領域とを簡略化して示す図である。なお、図12(a)に示す顔画像390は、領域511を追加した点以外は、図8と同様である。
【0107】
図12(b)には、顔画像390における一部の領域(領域511)を拡大して示す。すなわち、領域511は、顔画像390において検出された特徴点510を含む矩形領域であり、特徴点510について特徴量を算出する際に用いられる領域である。なお、図12(b)では、領域511に含まれる各画素を矩形で模式的に示す。また、顔画像390は、例えば、80画素×80画素により構成される画像であり、顔画像390における領域511は、例えば、図12(b)に示すように、7画素×7画素により構成される領域である。
【0108】
図13は、本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233による特徴量算出の際に用いられる画素を模式的に示す図である。
【0109】
図13(a)には、図12(b)に示す領域511に含まれる各画素を、その内部に識別番号1乃至49を付して示す。なお、以下では、各画素について説明する場合には、その識別番号を付して説明する。例えば、図12(b)に示す特徴点510に対応する画素512は、図13(a)に示す画素5である。また、特徴点周辺領域520に対応する矩形を太線で示す。ここで、特徴点周辺領域520は、特徴点を含むその周りの領域(m画素×n画素の領域(m×n領域))である。また、特徴点周辺領域520に含まれる各画素が、特徴量を算出する際に基準となる画素(基準画素)として順次選択される。
【0110】
例えば、画素1(矩形521で囲んで示す)が基準画素として選択された場合における特徴量算出例について説明する。画素1が基準画素として選択された場合には、画素1を中心とする矩形領域(M画素×N画素の領域(M×N領域))が、比較対象領域522として設定される。この比較対象領域522を図13(b)に示す。
【0111】
ここで、特徴点周辺領域(m×n領域)および比較対象領域(M×N領域)のパラメータ(M×N、m×n)は予め設定され、その設定されているパラメータが特徴量算出部233に保持されている。
【0112】
例えば、比較対象領域(M×N領域)として、検出対象となる特徴点の周辺における特徴的なテクスチャを十分に含んでいる範囲が設定される。また、特徴点周辺領域(m×n領域)として、顔における特徴点の検出誤差を網羅する領域が設定される。
【0113】
例えば、1ピクセルの誤差を含む検出精度により特徴点を検出する場合には、m×n=3×3が設定される。また、2ピクセルの誤差を含む検出精度により特徴点検出をする場合には、m×n=5×5が設定される。
【0114】
なお、特徴点検出の位置誤差が統計的に異方性を持つ場合には、位置誤差が発生しやすい方向へ異方性を持たせてもよい(例えば、m×n=3×5)。また、検出誤差を網羅していれば、必ずしもm×nの矩形領域である必要は無く、特徴点を中心とした任意の形状としてよい。
【0115】
また、比較対象領域(M画素×N画素の領域(M×N領域))は、顔における特徴点の検出処理において誤差が発生すると想定される領域を含むものとし、誤差領域をカバーすることができれば、必ずしも矩形とする必要はなく、任意の形状領域とすることができる。これらについては、本技術の第2の実施の形態で示す。
【0116】
図13(b)には、図13(a)に示す領域511における比較対象領域522のみを示す。また、基準画素(画素1)を太線で示す。ここで、特徴量算出部233は、比較対象領域522に含まれる各画素のうち、基準画素(画素1)の輝度成分(Y成分)と他の画素の輝度成分とを順次比較して、基準画素(画素1)以外の画素を符号化する。例えば、基準画素(画素1)の輝度成分と、他の画素の輝度成分とを比較して、比較対象となった画像の輝度成分が基準画素(画素1)の輝度成分以上である場合には、その比較対象となった画像を「+1」として符号化する。また、例えば、基準画素(画素1)の輝度成分と、他の画素の輝度成分とを比較して、比較対象となった画像の輝度成分が基準画素(画素1)の輝度成分未満である場合には、その比較対象となった画像を「−1」として符号化する。すなわち、次の式1を用いて、基準画素(画素1)以外の各画素f(x,y)について符号化が行われる。
f(x,y)=+1(ただし、I(x,y)≧Pである場合)
f(x,y)=−1(ただし、I(x,y)<Pである場合) … 式1
【0117】
ここで、x,yは、比較対象領域522における座標位置を意味する(すなわち、x,y∈{比較対象領域522における座標})。また、Pは、基準画素(画素1)の輝度成分の値である。また、I(x,y)は、比較対象領域522における座標(x,y)の輝度成分の値である。
【0118】
このように、基準画素(画素1)以外の各画素について符号化された値(符号化情報525)を図13(c)に示す。
【0119】
図13(c)には、図13(b)に示す比較対象領域522において符号化された各画素(基準画素(画素1)以外の各画素)の値を符号化情報525として示す。なお、図13(c)では、対応する画素の矩形内に、符号化された値(「+1」、「−1」)を付して示す。
【0120】
また、特徴点周辺領域520に含まれる他の画素(画素2乃至9)についても同様に符号化情報が生成される。すなわち、画素2乃至9が基準画素として順次選択され、基準画素について符号化情報が生成される。このように、特徴点周辺領域520に含まれる各画素(画素1乃至9)について算出された符号化情報の例を図14に示す。
【0121】
図14は、本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233による特徴量算出の際に用いられる比較対象領域と、この比較対象領域について算出された符号化情報との関係を模式的に示す図である。
【0122】
図14(a)には、特徴点周辺領域520に含まれる画素1について符号化情報を算出する際に用いられる比較対象領域522と、特徴点周辺領域520に含まれる画素1について算出された符号化情報525とを示す。なお、図14(a)に示す比較対象領域522および符号化情報525は、図13(b)に示す比較対象領域522と、図13(c)に示す符号化情報525と同一である。
【0123】
図14(b)には、特徴点周辺領域520に含まれる画素2について符号化情報を算出する際に用いられる比較対象領域531と、特徴点周辺領域520に含まれる画素2について算出された符号化情報532とを示す。
【0124】
図14(c)には、特徴点周辺領域520に含まれる画素9について符号化情報を算出する際に用いられる比較対象領域535と、特徴点周辺領域520に含まれる画素9について算出された符号化情報536とを示す。
【0125】
なお、図14に示す比較対象領域522、531、535における基準画素については、太線で囲んで示す。また、図14に示す符号化情報525、532、536における基準画素の位置に対応する矩形については、白抜き矩形として太線で囲んで示す。なお、図14では、特徴点周辺領域520に含まれる画素3乃至8に関する比較対象領域および符号化情報の図示を省略する。
【0126】
このように、特徴点周辺領域520に含まれる各画素(画素1乃至9)について符号化情報が算出される。このように算出された各符号化情報について、特徴量算出部233が加算処理を行うことにより特徴量を算出する。この例を図15に示す。
【0127】
図15は、本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233により算出された各符号化情報と、これらの符号化情報の加算処理により算出された特徴量との関係を模式的に示す図である。
【0128】
図15(a)には、特徴点周辺領域520に含まれる各画素(画素1乃至9)について算出された符号化情報525、532、536を示す。なお、符号化情報525、532、536は、図14(a)乃至(c)と同様である。また、図15(a)では、図14と同様に、特徴点周辺領域520に含まれる画素3乃至8に関する符号化情報の図示を省略する。
【0129】
図15(b)には、特徴点周辺領域520に含まれる各画素(画素1乃至9)について算出された符号化情報の加算処理により算出された特徴量540を模式的に示す。すなわち、特徴点周辺領域520に含まれる各画素(画素1乃至9)について算出された9つの符号化情報の各要素(24個)の値(「+1」または「−1」)が、要素毎に順次加算されることにより、特徴量540が算出される。すなわち、符号化情報におけるxy座標において、同一要素の値(9個の値)を順次加算することにより、その要素における値が算出される。例えば、特徴量540を構成する要素541の値については、特徴量540に対応するxy座標において、要素541の位置と同一の位置(例えば、点線の矩形542乃至544で示す)の値を順次加算することにより算出される。すなわち、次の式2を用いて、特徴量を構成する各要素F(x,y)が算出される。
【数1】

【0130】
ここで、x,yは、比較対象領域(M×N領域)における座標位置を意味する(すなわち、x,y∈{比較対象領域(M×N領域)における座標})。また、x',y'は、特徴点周辺領域(m×n領域)における座標位置を意味する(すなわち、x',y'∈{特徴点周辺領域(m×n領域)における座標})。ここで、9つの符号化情報の各要素(24個)の値は、「+1」または「−1」であるため、特徴量540を構成する各要素の値aは一定の範囲内の値(−9≦a≦+9)となる。
【0131】
また、他の特徴点についても同様に特徴量が算出される。すなわち、次の式3を用いて、各特徴点について、特徴量を構成する各要素F(k,x,y)が算出される。
【数2】

【0132】
ここで、x,y、x',y'は、式2と同様である。また、kは、特徴点識別情報を意味する(すなわち、k=0〜K−1)。
【0133】
また、各特徴点について算出される特徴量の例を図16に示す。また、このように算出される特徴量については、GHF(Gradient Histogram Feature)と称することができる。
【0134】
図16は、本技術の第1の実施の形態における特徴量算出部233による特徴量算出処理の対象となる顔画像と、この顔画像における各特徴点について算出された特徴量との関係を模式的に示す図である。なお、図16(a)に示す顔画像390は、図8と同様である。
【0135】
図16(b)には、顔画像390における各特徴点について算出された特徴量540、545、546を模式的に示す。なお、特徴量540は、図15(b)と同様である。また、特徴量545は、顔画像390における特徴点515について算出された特徴量であり、特徴量546は、顔画像390における特徴点516について算出された特徴量であるものとする。また、これらの関係を太線の矢印で結んで示す。なお、図16では、特徴点510、515、516について算出された特徴量540、545、546以外の特徴量の図示を省略する。
【0136】
このように、特徴点検出部232が、顔画像生成部300により生成された顔画像390において各特徴点を検出する。続いて、特徴量算出部233が、顔画像390において検出された各特徴点について特徴量を算出する。
【0137】
また、登録顔特徴量記憶部400には、上述した算出処理により予め算出された特徴量が記憶されている(例えば、図10(b)に示す特徴量412)。
【0138】
このように各特徴点について算出された特徴量を用いて、識別部234が、識別処理を行う。この例を図17に示す。
【0139】
[登録顔の識別例]
図17は、本技術の第1の実施の形態における識別部234による識別処理に用いられるスコアを算出する場合における算出方法を模式的に示す図である。
【0140】
最初に、識別部234が、識別処理に用いられる2つの特徴量A(i)およびB(i)を取得する。ここで、特徴量A(i)は、登録顔特徴量記憶部400に記憶されている特徴量のうち、顔識別辞書記憶部500の特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502により特定される特徴量を意味する。また、特徴量B(i)は、特徴量算出部233により算出された特徴量のうち、顔識別辞書記憶部500の特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502により特定される特徴量を意味する。なお、iは、顔識別辞書記憶部500の各レコードを表す値であり、0≦i≦L−1となる。
【0141】
続いて、識別部234が、取得された2つの値の差分値D(i)を算出する。ここで、差分値D(i)=A(i)−B(i)である。
【0142】
続いて、識別部234が、顔識別辞書記憶部500の閾値(th)503に格納されている閾値th(i)と、差分値D(i)とを比較する。続いて、識別部234が、閾値th(i)と差分値D(i)との比較結果に基づいて、弱仮説(Weak Learner)h(i)を算出する。具体的には、弱仮説h(i)は、次式を用いて算出される。
差分値D(i)≦閾値th(i)であれば、弱仮説h(i)=1
差分値D(i)>閾値th(i)であれば、弱仮説h(i)=0
【0143】
また、h(z)は、z>0の場合には0となり、z≦0の場合には1となる関数を表すものとする。
【0144】
続いて、識別部234が、算出された弱仮説h(i)と、スコア(α)504に格納されている値α(i)とを乗算することにより、h(i)α(i)を算出する。識別部234は、これらの算出処理を顔識別辞書記憶部500の0行目から(L−1)行目まで繰り返し行い、h(i)α(i)の合計値をスコアSとして算出する。具体的には、スコアS(最終仮説)は、式4を用いて算出される。
【数3】

【0145】
続いて、識別部234が、式4により算出されたスコアSに基づいて、顔画像に含まれる顔が登録顔であるか否かを判定する。具体的には、スコアSが閾値S1以上である場合には、顔画像に含まれる顔が登録顔であると判定される。一方、スコアSが閾値S1未満である場合には、顔画像に含まれる顔が登録顔ではないと判定される。なお、閾値S1については、固定値を用いるようにしてもよく、登録顔に応じて変更するようにしてもよい。すなわち、スコアSと比較する閾値S1については、適宜調整することができる。また、差分値D(i)については、ゲイン係数等を用いて調整するようにしてもよい。
【0146】
次に、具体的な計算方法について説明する。
【0147】
ここで、図17(a)乃至(c)では、その左側に登録顔特徴量記憶部400に記憶されている特徴量601、611、621を示し、その右側に特徴量算出部233により算出された特徴量602、612、622を示す。また、図17(a)乃至(c)では、識別部234による識別処理に用いられる2つの特徴量に対応する領域を、太線の矩形で囲んで示す。
【0148】
最初に、判定を行うためのスコアSの値に0がセットされる。そして、図17(a)に示すように、顔識別辞書記憶部500の0行目に格納されている各値を用いた演算が行われる。具体的には、顔識別辞書記憶部500の0行目の特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502により特定される2つの特徴量が取得される。ここで、登録顔特徴量記憶部400から取得された特徴量をA(0)とし、特徴量算出部233により算出された特徴量をB(0)とする。そして、次式を用いて、差分値D(0)が算出される。
D(0)=A(0)−B(0)
【0149】
例えば、点線の矩形603に示すように、差分値D(0)が算出される。
【0150】
続いて、算出された差分値D(0)と、顔識別辞書記憶部500の0行目に格納されている閾値(th)503の閾値th(0)とが比較される。そして、閾値th(0)と差分値D(0)との比較結果に基づいて、弱仮説h(0)が算出される。なお、弱仮説h(0)は、上述した式を用いて算出される。
【0151】
続いて、算出された弱仮説h(0)と、顔識別辞書記憶部500の1行目に格納されているスコア(α)504の値α(0)とを乗算することにより、h(0)α(0)が算出される。そして、算出されたh(0)α(0)がスコアSに加算される。
【0152】
続いて、顔識別辞書記憶部500の1行目に格納されている各値を用いて、上述した各演算を繰り返す。具体的には、図17(b)に示すように、顔識別辞書記憶部500の1行目に格納されている各値を用いた演算(差分値D(1)の算出(点線の矩形613)、弱仮説h(1)の算出、h(1)α(1)の算出、スコアSの算出)が行われる。
【0153】
続いて、顔識別辞書記憶部500の2行目から(L−1)行目までに格納されている各値を順次用いて、上述した各演算を繰り返す。そして、顔識別辞書記憶部500の(L−1)行目に格納されている各値を用いた各演算が終了した後に、スコアSが閾値S1以上であるか否かが判断される。
【0154】
例えば、上述の機械学習アルゴリズムによって学習時における登録顔識別成功の学習サンプルを正側とし、登録顔識別失敗時の学習サンプルを負側として学習した場合を想定する。この場合において、顔識別辞書記憶部500の0乃至(L−1)行目に格納されている各値を用いた各演算の終了後におけるスコアSが閾値S1以上である場合には、顔画像に登録顔が含まれていると判定される。一方、各演算の終了後におけるスコアSが閾値S1未満である場合には、顔画像に登録顔が含まれていないと判定される。
【0155】
ここで、撮像部112により生成される画像が表示部170に表示されている場合(いわゆる、スルー画像の表示)を想定する。この場合において、例えば、識別部234による識別処理の検出結果として、顔画像に含まれる顔が登録顔であると判定された場合には、その検出結果をその登録顔に関連付けて表示部170に表示させることができる。例えば、その検出結果として、その登録顔の少なくとも一部を囲むように枠を付して表示部170に表示させることができる。
【0156】
また、この検出結果に基づいて、例えば、カメラパラメータ制御部220が、その登録顔に最適なカメラパラメータを決定することができる。例えば、その登録顔を綺麗にするようにカメラパラメータを設定することができる。例えば、画像における登録顔の位置をAFエリア(距測エリア)として設定してオートフォーカス制御を行う。また、登録顔について最適な撮影条件となるように、ホワイトバランス、カラーバランス、露出等のオート制御を行う。
【0157】
[撮像装置の動作例]
次に、上述の実施の形態における撮像装置100の動作について図面を参照して説明する。
【0158】
図18は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100による画像記録処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この例では、画像記録待機状態である場合に、画像を生成し、この画像について顔識別処理を行う例について説明する。
【0159】
最初に、画像記録待機状態であるか否かが判断される(ステップS901)。画像記録待機状態である場合には(ステップS901)、撮像部112が画像を生成し(ステップS902)、生成された画像について登録顔検出部230が登録顔検出処理を行う(ステップS910)。この登録顔検出処理については、図19を参照して詳細に説明する。なお、この登録顔検出処理は各フレームに対して行うようにしてもよく、一定間隔毎のフレームに対して行うようにしてもよい。一方、画像記録待機状態でない場合には(ステップS901)、画像記録処理の動作を終了する。
【0160】
続いて、カメラパラメータ制御部220がカメラパラメータを決定する(ステップS903)。例えば、登録顔検出部230から登録顔検出情報が出力された場合には、カメラパラメータ制御部220が、検出された登録顔の画像における位置および大きさに基づいて、検出された登録顔に最適なカメラパラメータを決定する。続いて、シャッターボタンが押下されたか否かが判断され(ステップS904)、シャッターボタンが押下された場合には、生成された画像が静止画として記録部150に記録される(ステップS905)。一方、シャッターボタンが押下されない場合には(ステップS904)、画像記録処理の動作を終了する。
【0161】
図19は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100による画像記録処理の処理手順のうちの登録顔検出処理手順(図18に示すステップS910の処理手順)を示すフローチャートである。
【0162】
最初に、顔画像生成部300が、画像取得部231から出力された画像について、人物の顔を含む画像(顔画像)を生成する(ステップS911)。続いて、特徴点検出部232が、特徴点検出辞書記憶部250に記憶されている特徴点検出辞書を用いて、顔画像生成部300により生成された顔画像に含まれる顔における特徴点を検出する(ステップS912)。
【0163】
続いて、特徴量算出部233が、顔画像生成部300により生成された顔画像における各特徴点について特徴量を算出する特徴量算出処理を行う(ステップS920)。この特徴量算出処理については、図20を参照して詳細に説明する。
【0164】
続いて、識別部234が、登録顔特徴量記憶部400に特徴量が記憶されている登録顔のうちから、識別対象となる1つの登録顔を選択する(ステップS913)。続いて、この選択された登録顔(識別対象となる登録顔)に関連付けて記憶されている特徴量を用いて、顔画像生成部300により生成された顔画像に含まれる顔が登録顔であるか否かを識別する識別処理が行われる(ステップS940)。この識別処理については、図21を参照して詳細に説明する。
【0165】
続いて、識別処理(ステップS940)により、登録顔である旨の判定がされたか否かが判断される(ステップS914)。そして、登録顔である旨の判定がされた場合には、識別結果出力部235が、その判定結果(識別結果)をシーケンス制御部210に出力する(ステップS916)。
【0166】
また、登録顔である旨の判定がされない場合には(ステップS914)、登録顔特徴量記憶部400に特徴量が記憶されている登録顔のうち、全ての登録顔について識別処理が終了したか否かが判断される(ステップS915)。そして、全ての登録顔について識別処理が終了した場合には(ステップS915)、識別結果出力部235が、その判定結果(識別結果)をシーケンス制御部210に出力する(ステップS916)。一方、全ての登録顔について識別処理が終了していない場合には(ステップS915)、ステップS913に戻り、登録顔特徴量記憶部400に特徴量が記憶されている登録顔のうちから、新たな識別対象となる1つの登録顔が選択される。
【0167】
図20は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100による登録顔検出処理手順のうちの特徴量算出処理手順(図19に示すステップS920の処理手順)を示すフローチャートである。
【0168】
最初に、特徴点k(i)(ただし、0≦i≦K−1)が選択される(ステップS921)。続いて、特徴点k(i)について設定された特徴点周辺領域内の画素から基準画素Pが選択される(ステップS922)。続いて、基準画素Pについて設定された比較対象領域内の画素から比較対象画素Iが選択される(ステップS923)。
【0169】
続いて、比較対象画素Iの輝度成分が、基準画素Pの輝度成分以上であるか否かが判断される(ステップS924)。比較対象画素Iの輝度成分が、基準画素Pの輝度成分以上である場合には(ステップS924)、比較対象画素Iが「+1」に符号化される(ステップS925)。一方、比較対象画素Iの輝度成分が、基準画素Pの輝度成分未満である場合には(ステップS924)、比較対象画素Iが「−1」に符号化される(ステップS926)。なお、ステップS924乃至S926は、特許請求の範囲に記載の変換手順の一例である。
【0170】
続いて、比較対象画素Iについて符号化された値(「+1」または「−1」)が、特徴点k(i)について設定された特徴点周辺領域内の同一要素の値に加算される(ステップS927)。なお、ステップS927は、特許請求の範囲に記載の算出手順の一例である。
【0171】
続いて、基準画素Pについて設定された比較対象領域内の全ての画素について符号化が終了したか否かが判断され(ステップS928)、全ての画素について符号化が終了していない場合には、ステップS923に戻り、新たな比較対象画素Iが選択される。一方、全ての画素について符号化が終了した場合には(ステップS928)、特徴点k(i)について設定された特徴点周辺領域内の全ての画素が基準画素Pとして選択されたか否かが判断される(ステップS929)。
【0172】
特徴点k(i)について設定された特徴点周辺領域内の全ての画素が基準画素Pとして選択されていない場合には(ステップS929)、ステップS922に戻り、新たな基準画素Pが選択される。全ての画素が基準画素Pとして選択された場合には(ステップS929)、全ての特徴点について特徴量の算出が終了したか否かが判断される(ステップS930)。全ての特徴点について特徴量の算出が終了していない場合には(ステップS930)、ステップS921に戻り、新たな特徴点k(i)(ただし、0≦i≦K−1)が選択される。全ての特徴点について特徴量の算出が終了した場合には(ステップS930)、特徴量算出処理の動作を終了する。
【0173】
図21は、本技術の実施の形態における撮像装置100による登録顔検出処理手順のうちの識別処理手順(図19に示すステップS940の処理手順)を示すフローチャートである。
【0174】
最初に、スコアSが「0」に初期化され(ステップS941)、変数iが「1」に初期化される(ステップS942)。続いて、顔識別辞書記憶部500のi行目に格納されている特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502により特定される要素A(i)およびB(i)の値が取得される(ステップS943)。ここで、要素A(i)は、登録顔特徴量記憶部400から取得され、要素B(i)は、特徴量算出部233により算出された特徴量のうちから取得される。
【0175】
続いて、取得された要素A(i)およびB(i)の値の差分値D(i)が算出される(ステップS944)。続いて、顔識別辞書記憶部500のi行目に格納されている閾値(th)503の閾値th(i)と、算出された差分値D(i)とが比較される(ステップS945)。そして、算出された差分値D(i)が閾値th(i)以下である場合には(ステップS945)、弱仮説h(i)=1と算出される(ステップS946)。一方、算出された差分値D(i)が閾値th(i)よりも大きい場合には(ステップS945)、弱仮説h(i)=0と算出される(ステップS947)。
【0176】
続いて、顔識別辞書記憶部500のi行目に格納されているスコア(α)504の値α(i)と、算出された弱仮説h(i)とが乗算され、この乗算により求められた値h(i)α(i)がスコアSに加算される(ステップS948)。
【0177】
続いて、変数iに「1」が加算され(ステップS949)、変数iが(L−1)よりも大きいか否かが判断される(ステップS950)。変数iが(L−1)よりも大きくない場合には(ステップS950)、顔識別辞書記憶部500の各行の値についての判定処理が終了していないため、ステップS943に戻り、判定処理を繰り返す(ステップS943乃至S949)。一方、変数iが(L−1)よりも大きい場合には(ステップS950)、顔識別辞書記憶部500の各行の値についての判定処理が終了しているため、ステップS951に進み、スコアSの値が、閾値S1以上であるか否かが判断される(ステップS951)。
【0178】
スコアSの値が、閾値S1以上である場合には(ステップS951)、顔画像に含まれる顔は登録顔である判定される(ステップS952)。一方、スコアSの値が、閾値S1未満である場合には(ステップS951)、顔画像に含まれる顔は登録顔ではないと判定される(ステップS953)。
【0179】
また、この例では、顔識別辞書記憶部500の0行目から(L−1)行目までの各値を用いてスコアSを算出した後に判定処理を行う例について説明した。しかしながら、例えば、顔識別辞書記憶部500の各レコードに対応させて打切閾値を格納しておき、ステップS948で求められたスコアSが、現在のレコードの打切閾値を下回った場合に、判定処理を打ち切るようにしてもよい。これにより、識別処理をさらに高速化することができる。
【0180】
以上では、特徴点検出部232により検出された全ての特徴点について、特徴量算出部233が、全ての要素を含む特徴量(GHF)を算出する例を示した。ただし、識別部234による識別処理に用いられる特徴量の要素のみを算出するようにしてもよい。具体的には、顔識別辞書記憶部500の特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502により特定される要素のみを、特徴量算出部233が算出するようにしてもよい。すなわち、特徴量算出部233は、第2領域に含まれる各画素の位置のうち、識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ変換を行い、第2領域に含まれる各画素の位置のうち、識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ、特徴量の演算を行う。
【0181】
例えば、特徴点周辺領域(m×n領域)を3画素×3画素とし(m×n=3×3)、比較対象領域(M×N領域)を5画素×5画素とし(M×N=5×5)、特徴点の数を70とする(K=70)場合を想定する。例えば、全ての要素を含む特徴量(GHF)を算出する場合には、(3×3)×(5×5−1)×70=15120の要素の演算を行う必要がある。これに対して、顔識別辞書記憶部500の特徴点識別情報501および位置情報(x,y)502により特定される要素のみを算出する場合には、L(例えば、1,000程度)の要素のみの演算を行う。すなわち、全ての要素を含む特徴量(GHF)を算出する場合と比較して、1/15程度の演算のみでよい。このため、特徴量算出に係る演算量およびメモリ使用量を同時に削減することができる。
【0182】
[ガボア・フィルタおよびLBP(Local Binary Pattern)との比較例]
ここで、同一人物を識別する識別処理に用いられる特徴量として、「ガボア・フィルタ」および「LBP」を比較対象として簡単に説明する。
【0183】
例えば、人物の顔識別処理に用いられる特徴量としてガボア・フィルタを用いる場合を想定する。例えば、ガボア・フィルタは、特定の周波数fと特定の角度θに選択性を持つ空間フィルタである。また、周波数fおよび角度θを段階的に変化させた組み合わせで複数のフィルタを構成し、得られるスカラ応答の組を「ガボア・ジェット」と呼ぶ。ガボア・フィルタを適用するフィルタ窓は、24画素×24画素等の固定サイズが用いられ、固定フィルタ窓内で有効なスカラ応答が得られる周波数fと角度θを選択する。例えば、5パターンの周波数f、8パターンの角度θを用い、全40パターンのガボア・フィルタを45画素×36画素の正規化済み顔画像の全画素について適用し、ガボア・ジェットを求めて特徴量とすることができる。
【0184】
この場合に、人物顔識別を行うための辞書作成時には、入力顔画像と登録顔画像の特徴量(ガボア・ジェット)を計算する。そして、顔画像の対応画素の特徴量類似度から、同一人物顔の判定に有利なガボア・フィルタ応答を統計学習(Ada boost)により選択し、辞書を作成する。
【0185】
また、識別処理時には、学習済みの統計辞書を参照して、特定の画素、周波数f、角度θのガボア・フィルタ応答を計算し、その応答差分値から同一人物顔の類似スコアを算出する。例えば、ガボア・フィルタの計算を行う際に、ガボア・フィルタ応答を公式から直接計算すると、三角関数を含む等の要因により演算が遅くなる。
【0186】
このため、事前に決定したパターンの周波数f・角度θに対して、ガボア・フィルタ応答を計算するフィルタ係数集合を用意し、その係数集合を顔画像に乗算することにより、フィルタ応答を求める方法が一般に用いられている。この場合には、フィルタ係数集合をテーブル化しておく必要があるため、メモリ消費量が増える。
【0187】
また、ガボア・フィルタの演算を高速化するために、フィルタ窓サイズを小さくすると、フィルタ窓内のテクスチャ自体が、全てのパターンの周波数fを表現することができずに、有効なフィルタ応答が得られなくなる。このため、24画素×24画素程度のフィルタ窓サイズが一般に用いられ、演算高速化のために9画素×9画素等の小さなフィルタ窓を用いることは通常は無い。
【0188】
次に、人物の顔識別処理に用いられる特徴量としてLBPを用いる場合を想定する。LBPは、局所テクスチャの回転情報を「0」または「1」の符号パターンに置き換え、注目画像領域における符号情報の発現頻度をヒストグラム化した特徴量である。
【0189】
LBPの計算方法は、例えば、注目画素を中央として、その周囲の外枠画素と中央画素との比較を行う。この比較結果に基づいて、外枠画素が中央画素以上の輝度であれば「1」、中央画素未満の輝度であれば「0」として符号化し、その結果得られた「0」「1」の符号パターンの数値をラベルとする。そして、注目画像領域の全ての画素についてLBPを適用し、同一のラベルが何回発現したかをヒストグラム化したものがLBPの特徴量となる。
【0190】
なお、LBPでは、「0→1」「1→0」の符号変化が2回以下の頻度で再現するラベルをUniform Patternと呼ぶ。Uniform Patternは、それぞれ単一のラベルとしてカウントし、Uniform Pattern以外のラベルをまとめてひとつのラベルとしてカウントする。
【0191】
このように、LBPを特徴量として用いる場合には、「0」「1」の符号パターンを求めた後、ラベル発現頻度をカウントするため、検出符号パターンと対応するラベルを探索する必要があり、その探索処理に時間かかる。
【0192】
また、画像自体にノイズが含まれ、符号パターン作成時の中央画素上にノイズがのった場合、異なる符号パターンが生成される可能性があり、LBPはノイズに影響を受けやすい特徴量であると考えられる。
【0193】
これに対して、本技術の第1の実施の形態では、識別処理を行う際に用いられる特徴量としてGHFを用いる。このGHFは、特徴量を算出する際における演算が、輝度の比較と加算のみであるため、高速に特徴量を求めることができる。すなわち、ガボア・フィルタおよびLBPよりも高速に特徴量を求めることができる。
【0194】
例えば、ガボア・フィルタを用いる場合には、45画素×36画素の入力顔画像に対して、フィルタ窓のサイズが24画素×24画素程度とする必要がある。これに対して、特徴量(GHF)は、80画素×80画素の入力顔画像に対して、15画素×15画素のフィルタ窓により有効な特徴を表現することができ、高速な演算が可能となる。
【0195】
また、特徴量(GHF)を用いた識別処理の実行時には、AdaBoostを併用することにより、弱仮説数分の特徴量要素の特徴量のみを用いて、判定処理に用いられるスコアSを算出することができ、高速演算が可能となる。
【0196】
また、特徴量(GHF)による識別処理に用いられる辞書を作成する場合には、特徴量(GHF)の演算自体が高速であるため、その辞書の作成時間を短縮させることができる。
【0197】
また、特徴量(GHF)の演算は、基準画素とその周辺画素との比較演算と、符号化、同一要素の加算のみである。このため、ガボア・フィルタで使用するフィルタテーブルや、LBPで使用するラベルのテーブル等のテーブルデータ(すなわち、事前準備が必要なテーブルデータ)を用意する必要がなく、省メモリ化を実現することができる。
【0198】
また、特徴量(GHF)自体が位置誤差を考慮した特徴量であるため、ガボア・フィルタやLBPと比較して、特徴量(GHF)は、顔パーツ検出の特徴点位置誤差に強い特徴量である。このため、入力画像にノイズを含み、特徴点検出に誤差が発生しやすい状況でも、精度良く識別処理を行うことができる。
【0199】
また、顔パーツ検出に利用するアルゴリズムを変更した場合でも、想定される検出誤差を吸収するように、特徴点周辺領域および比較対象領域のサイズや形態を変更することにより、容易に対処することができる。
【0200】
また、特徴量(GHF)を算出する場合には、基準画素との比較により、輝度情報を符号化(−1、+1)するため、特徴量(GHF)は、輝度変化の大小に左右されにくい特徴量である。このため、照明変化が生じる場合でも、ロバストな識別処理が可能となる。
【0201】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、特徴点周辺領域および比較対象領域として、一定サイズ(例えば、特徴点周辺領域(m画素×n画素)、比較対象領域(M画素×N画素))の領域を用いる例について説明した。ここで、例えば、人物の顔については、その特徴点に対応する部分毎に特徴的な範囲が異なることが多い。このため、特徴点周辺領域および比較対象領域については、そのサイズを特徴点毎に変更することが考えられる。そこで、本技術の第2の実施の形態では、特徴点周辺領域および比較対象領域のサイズを特徴点毎に変更する例について説明する。なお、本技術の第2の実施の形態における撮像装置の構成については、本技術の第1の実施の形態と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0202】
[特徴点周辺領域(m×n領域)の設定例]
図22および図23は、本技術の第2の実施の形態における特徴量算出部233により特徴量を算出する際に用いられる特徴点周辺領域の設定例を示す図である。
【0203】
図22には、人物の顔700のアゴ先を特徴点701とする場合における特徴点周辺領域の設定例を示す。
【0204】
図22(a)には、本技術の第1の実施の形態で示した特徴点周辺領域705(一定サイズ)を示す。すなわち、特徴点周辺領域705は、人物の顔700のアゴ先の特徴点701を中心位置とする一定サイズ(例えば、5画素×5画素)の領域である。
【0205】
図22(b)には、図22(a)に示す特徴点周辺領域705を、人物の顔700の上下方向の上側に移動させた場合における特徴点周辺領域706を示す。すなわち、特徴点周辺領域706は、人物の顔700のアゴ先の特徴点701の位置よりも上側(人物の顔700の上下方向の上側)を中心位置とする一定サイズ(例えば、5画素×5画素)の領域である。図22(b)に示すように、特徴点周辺領域706の中心位置をアゴ先の特徴点701の位置よりも上方にずらした方が、顔に関してさらに多くのテクスチャ情報を含む特徴量を求めることができる。
【0206】
ここで、特徴点周辺領域(m×n領域)の面積は、特徴量の計算時間に比例する。このため、特徴点周辺領域(m×n領域)を小さくすることにより、特徴量の算出処理を高速化することができる。この例を図22(c)に示す。
【0207】
図22(c)には、図22(b)に示す特徴点周辺領域706を、人物の顔700の左右方向のサイズを短くした場合における特徴点周辺領域707を示す。すなわち、特徴点周辺領域707は、人物の顔700のアゴ先の特徴点701の位置よりも上側(人物の顔700の上下方向の上側)を中心位置とし、サイズを変更した領域(例えば、5画素×3画素)である。図22(c)に示すように、特徴点周辺領域707の左右方向のサイズを短くし、テクスチャ情報の少ない領域を省略することができる。これにより、特徴点701の周辺領域において、必要なテクスチャ情報を効率的に用いて特徴量を算出することができる。
【0208】
図23には、人物の顔710における右眼711の目頭を特徴点713とする場合における特徴点周辺領域の設定例を示す。
【0209】
図23(a)には、人物の顔710を示す。また、図23(b)および(c)には、図23(a)に示す人物の顔710における右眼711を含む領域712を拡大して示す。
【0210】
図23(b)には、本技術の第1の実施の形態で示した特徴点周辺領域715(一定サイズ)を示す。すなわち、特徴点周辺領域715は、人物の顔710における右眼711の目頭の特徴点713を中心位置とする一定サイズ(例えば、5画素×5画素)の領域である。
【0211】
図23(c)には、図23(b)に示す特徴点周辺領域715を、人物の顔710の左右方向の右側に移動させた場合における特徴点周辺領域716を示す。すなわち、特徴点周辺領域716は、人物の顔710における右眼711の目頭の特徴点713の位置よりも右側(人物の顔710の左右方向の右側)を中心位置とする一定サイズ(例えば、5画素×5画素)の領域である。図23(c)に示すように、特徴点周辺領域716の中心位置を右眼711の目頭の特徴点713の位置よりも右方にずらした方が、目尻周辺の有効な特徴を取得することができる。
【0212】
[比較対象領域(M×N領域)の設定例]
図24および図25は、本技術の第2の実施の形態における特徴量算出部233により特徴量を算出する際に用いられる比較対象領域の設定例を示す図である。
【0213】
上述したように、比較対象領域として、顔における各部の特徴点の検出誤差を網羅する領域を設定する。例えば、1ピクセルの誤差を含む顔パーツ検出精度で特徴点検出をする場合には、M×N=3×3を設定し、2ピクセルの誤差を含む顔パーツ検出精度で特徴点検出をする場合には、M×N=5×5を設定することができる。なお、特徴点検出の位置誤差が統計的に異方性を持つ場合には、位置誤差が発生しやすい方向へ異方性を持たせてもよい(例えば、M×N=3×5)。特徴点検出の位置誤差が異方性を持つ場合(例えば、人物の顔の場合)として、アゴ先の例(図24に示す)および目の真横の輪郭点の例(図25に示す)を示す。また、検出誤差を網羅している場合には、必ずしも矩形領域とする必要は無く、特徴点を基準とする任意の形状とすることができる。
【0214】
図24には、人物の顔720のアゴ先を特徴点722とする場合における比較対象領域の設定例を示す。図24(a)には、人物の顔720(アゴ先を特徴点722とする)を示す。図24(b)には、図24(a)に示す特徴点722に対応する比較対象領域の設定例を示す。
【0215】
図24(a)に示すように、アゴ先の特徴点722は、口721の動きに合わせて上下に移動するが、横の動作は生じにくい。このため、特徴点検出誤差は、上下方向に長い楕円形(例えば、特徴点722から延びる4本の矢印により特定される楕円形)となる。そこで、特徴点検出誤差に対応する楕円形(上下方向に長い楕円形)の領域をカバーするように比較対象領域を設定することができる。この例(比較対象領域725)を図24(b)に示す。
【0216】
図25には、人物の顔730における眼の真横の輪郭点を特徴点731とする場合における比較対象領域の設定例を示す。図25(a)乃至(c)には、人物の顔730(眼の真横の輪郭点を特徴点731とする)の姿勢の遷移例を示す。図25(a)には、正面向きの人物の顔730を示し、図25(b)には、左右方向において微小に左側を向いた場合における人物の顔730を示し、図25(c)には、左右方向において微小に右側を向いた場合における人物の顔730を示す。図25(d)には、図25(a)乃至(c)に示す特徴点731に対応する比較対象領域の設定例を示す。
【0217】
例えば、図25(b)または(c)に示すように、人物の顔730が微小に左右方向を向いた場合に、同一人物判定を行う場合を想定する。この場合には、図25(a)乃至(c)に示すように、人物の顔730の輪郭点(特徴点731)は、統計的に左右方向に広い検出分布を持つことになる。このため、特徴点検出の検出誤差も、左右方向に広い異方性を持つことになる。
【0218】
このように、顔の姿勢によって特徴点検出誤差が異方性を持つ場合においても、検出誤差範囲に基づいて比較対象領域を設定することができる。すなわち、人物の顔730における眼の真横の輪郭点を特徴点731とする場合において、特徴量を求める場合には、図25(d)に示すように、左右方向に長い検出誤差範囲をカバーするように比較対象領域735を設定することができる。この例(比較対象領域735)を図25(d)に示す。
【0219】
図24および図25に示すように、人物の顔720のアゴ先を特徴点722とする場合における比較対象領域725として、矩形領域以外の領域(例えば、楕円形の領域)を設定することができる。また、人物の顔730における眼の真横の輪郭点を特徴点731とする場合における比較対象領域735として、矩形領域以外の領域(例えば、楕円形の領域)を設定することができる。すなわち、特徴量算出部233は、特定対象物における複数の特徴点に係る特徴点周辺領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを特徴点に応じて変更して変換(符号化)を行うことができる。また、特徴量算出部233は、特定対象物における複数の特徴点に係る比較対象領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを特徴点に応じて変更して変換(符号化)を行うことができる。
【0220】
このように各領域を設定することにより、特徴量の算出処理を高速化することができ、検出誤差に対処した特徴量を得ることができる。
【0221】
なお、本技術の実施の形態では、画像を構成する各画素の輝度(Y)を用いて、識別処理を行うための特徴量を算出する例を示したが、各画素の他の特徴を用いて特徴量を算出するようにしてもよい。例えば、各画素の他の特徴として、RGB、YCbCr、HSV(Hue Saturation Value)、色差等の要素(例えば、特徴量を演算する画像のカラーフォーマットの要素)をそのまま用いることができる。また、例えば、各要素のうちの1つの要素(例えば、RGBのうち1つのR)のみを用いるようにしてもよい。
【0222】
また、本技術の実施の形態では、人物の顔が特定人物の顔であるか否かを識別する場合について説明したが、他の対象物を識別する場合についても、本技術の実施の形態を適用することができる。例えば、猫や犬等のペットや動物、家、乗り物(車、バイク)等の様々な対象物について個体識別を行う場合に本技術の実施の形態を適用することができる。例えば、ペットを個体識別する場合は、色、模様、耳の形等の違いにより、人間を個人識別する場合よりも識別し易い。
【0223】
また、静止画および動画を撮像するデジタルビデオカメラ(例えば、カメラ一体型レコーダ)や撮像機能を備える携帯電話機の各種の情報処理装置に本技術の実施の形態を適用することができる。また、例えば、監視カメラに接続されて、人物の顔を識別する登録顔検出装置等の情報処理装置に本技術の実施の形態を適用することができる。
【0224】
なお、本技術の第1の実施の形態では、比較対象となる2つの特徴量(GHF)の類似度として、2つの特徴量(GHF)を構成する同一要素における差分値を用いて、識別処理を行う例を示した。この差分値は、最も簡単で高速演算が可能な類似度であるため、識別処理を迅速に行うことができる。ただし、他の類似度を弱仮説関数の入力に置き換えることも可能である。例えば、ヒストグラムの類似度に値するもの(例えば、Histogram intersection、Log-likelihood statistic、Chi square statistic)を、弱仮説関数の入力に置き換えることも可能である。
【0225】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0226】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0227】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) 画像に含まれる特定対象物における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域とし、前記第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合における当該基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域として、前記基準画素の特徴量と当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて当該他の画素の特徴量を当該第2領域に含まれる画素毎に変換する変換部と、
前記基準画素毎に前記変換により求められた前記第2領域に含まれる各画素の値について前記第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより前記特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する算出部と
を具備する情報処理装置。
(2) 前記算出部は、前記第2領域に含まれる各画素の位置毎の演算結果を構成要素とする特徴量を前記識別処理に用いられる特徴量として算出する前記(1)記載の情報処理装置。
(3) 前記識別処理に用いられる特徴量と前記特定対象物とを関連付けて記憶する記憶部から取得された当該特徴量と前記算出された特徴量とについて、前記構成要素毎に比較することにより前記識別処理を行う識別部をさらに具備する前記(2)記載の情報処理装置。
(4) 前記変換部は、前記特定対象物における複数の特徴点について前記変換を行い、
前記算出部は、前記複数の特徴点について前記識別処理に用いられる特徴量を算出し、
前記識別部は、前記記憶部から取得された特徴量と前記算出された特徴量とを前記特徴点毎に比較することにより前記識別処理を行う
前記(3)記載の情報処理装置。
(5) 前記変換部は、前記基準画素の特徴量を基準として当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量が大きい場合には当該特徴量を第1の値に変換して、前記基準画素の特徴量を基準として当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量が小さい場合には当該特徴量を第2の値に変換する前記(1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6) 前記変換部は、前記第1の値および前記第2の値のうちの何れか一方を正値とし、他方を負値とする前記変換を行う前記(5)記載の情報処理装置。
(7) 前記算出部は、前記演算として加算を行うことにより前記識別処理に用いられる特徴量を算出する前記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8) 前記変換部は、前記特定対象物における複数の特徴点に係る前記第1領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを前記特徴点に応じて変更して前記変換を行う前記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9) 前記変換部は、前記特定対象物における複数の特徴点に係る前記第2領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを前記特徴点に応じて変更して前記変換を行う前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10) 前記変換部は、前記第2領域に含まれる各画素の位置のうち、前記識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ前記変換を行い、
前記識別部は、前記第2領域に含まれる各画素の位置のうち、前記識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ前記演算を行う
前記(1)から(9)のいずれかに記載の情報処理装置。
(11) 前記画像に含まれる前記特定対象物を検出する特定対象物検出部と、
前記検出された特定対象物における前記特徴点を検出する特徴点検出部と、
前記識別処理に用いられる特徴量と前記特定対象物とを関連付けて記憶する記憶部から取得された当該特徴量と前記算出された特徴量とを用いて前記識別処理を行う識別部と
をさらに具備する前記(1)から(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
(12) 前記特定対象物は、人物の顔であり、
前記特徴点は、前記顔に含まれる器官の少なくとも1つの端部であり、
前記識別処理は、前記検出された人物の顔が特定人物の顔であるか否かを識別する
前記(1)から(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13) 画像に含まれる特定対象物における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域とし、前記第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合における当該基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域として、前記基準画素の特徴量と当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて当該他の画素の特徴量を当該第2領域に含まれる画素毎に変換する変換手順と、
前記基準画素毎に前記変換により求められた前記第2領域に含まれる各画素の値について前記第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより前記特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する算出手順と
を具備する情報処理方法。
(14) 画像に含まれる特定対象物における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域とし、前記第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合における当該基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域として、前記基準画素の特徴量と当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて当該他の画素の特徴量を当該第2領域に含まれる画素毎に変換する変換手順と、
前記基準画素毎に前記変換により求められた前記第2領域に含まれる各画素の値について前記第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより前記特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する算出手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0228】
100 撮像装置
111 レンズ
112 撮像部
120 システム制御部
130 記憶装置部
140 外部I/F部
150 記録部
160 操作入力部
170 表示部
180 音声出力部
200 カメラ制御部
210 シーケンス制御部
220 カメラパラメータ制御部
230 登録顔検出部
231 画像取得部
232 特徴点検出部
233 特徴量算出部
234 識別部
235 識別結果出力部
240 記憶装置I/F
250 特徴点検出辞書記憶部
300 顔画像生成部
310 顔検出辞書記憶部
320 顔検出部
330 眼検出辞書記憶部
340 眼検出部
350 正規化部
400 登録顔特徴量記憶部
500 顔識別辞書記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に含まれる特定対象物における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域とし、前記第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合における当該基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域として、前記基準画素の特徴量と当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて当該他の画素の特徴量を当該第2領域に含まれる画素毎に変換する変換部と、
前記基準画素毎に前記変換により求められた前記第2領域に含まれる各画素の値について前記第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより前記特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する算出部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記第2領域に含まれる各画素の位置毎の演算結果を構成要素とする特徴量を前記識別処理に用いられる特徴量として算出する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記識別処理に用いられる特徴量と前記特定対象物とを関連付けて記憶する記憶部から取得された当該特徴量と前記算出された特徴量とについて、前記構成要素毎に比較することにより前記識別処理を行う識別部をさらに具備する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記変換部は、前記特定対象物における複数の特徴点について前記変換を行い、
前記算出部は、前記複数の特徴点について前記識別処理に用いられる特徴量を算出し、
前記識別部は、前記記憶部から取得された特徴量と前記算出された特徴量とを前記特徴点毎に比較することにより前記識別処理を行う
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記変換部は、前記基準画素の特徴量を基準として当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量が大きい場合には当該特徴量を第1の値に変換して、前記基準画素の特徴量を基準として当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量が小さい場合には当該特徴量を第2の値に変換する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記変換部は、前記第1の値および前記第2の値のうちの何れか一方を正値とし、他方を負値とする前記変換を行う請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記演算として加算を行うことにより前記識別処理に用いられる特徴量を算出する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記変換部は、前記特定対象物における複数の特徴点に係る前記第1領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを前記特徴点に応じて変更して前記変換を行う請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記変換部は、前記特定対象物における複数の特徴点に係る前記第2領域のサイズおよび形態の少なくとも1つを前記特徴点に応じて変更して前記変換を行う請求項1記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記変換部は、前記第2領域に含まれる各画素の位置のうち、前記識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ前記変換を行い、
前記識別部は、前記第2領域に含まれる各画素の位置のうち、前記識別処理に用いられる特徴量に係る位置のみ前記演算を行う
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記画像に含まれる前記特定対象物を検出する特定対象物検出部と、
前記検出された特定対象物における前記特徴点を検出する特徴点検出部と、
前記識別処理に用いられる特徴量と前記特定対象物とを関連付けて記憶する記憶部から取得された当該特徴量と前記算出された特徴量とを用いて前記識別処理を行う識別部と
をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記特定対象物は、人物の顔であり、
前記特徴点は、前記顔に含まれる器官の少なくとも1つの端部であり、
前記識別処理は、前記検出された人物の顔が特定人物の顔であるか否かを識別する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項13】
画像に含まれる特定対象物における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域とし、前記第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合における当該基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域として、前記基準画素の特徴量と当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて当該他の画素の特徴量を当該第2領域に含まれる画素毎に変換する変換手順と、
前記基準画素毎に前記変換により求められた前記第2領域に含まれる各画素の値について前記第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより前記特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する算出手順と
を具備する情報処理方法。
【請求項14】
画像に含まれる特定対象物における特徴点とその周囲とを含む領域を第1領域とし、前記第1領域に含まれる1つの画素を基準画素とした場合における当該基準画素とその周囲の画素とを含む領域を第2領域として、前記基準画素の特徴量と当該基準画素に係る前記第2領域に含まれる他の画素の特徴量との比較結果に基づいて当該他の画素の特徴量を当該第2領域に含まれる画素毎に変換する変換手順と、
前記基準画素毎に前記変換により求められた前記第2領域に含まれる各画素の値について前記第2領域に含まれる各画素の位置毎に演算を行うことにより前記特定対象物を識別する識別処理に用いられる特徴量を算出する算出手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−198781(P2012−198781A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62736(P2011−62736)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】