説明

情報処理装置、情報処理用プログラム、情報処理システム及び情報処理方法

【課題】サーバ装置側から見たWANの不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することが可能な情報処理装置等を提供する。
【解決手段】LANを介してサーバ装置SVと接続されていると共に、WANを介してストレージ装置ST1と接続されているストレージ配置制御装置Cにおいて、サーバ装置SVからストレージ装置ST1に送信されるべき複数のコマンドを統合して一つの統合コマンドを生成してストレージ装置ST1に送信し、送信された統合コマンド内に統合された各コマンドに夫々対応するデータの送受信を、各コマンド分纏めてストレージ装置ST1との間で行い、更にストレージ装置ST1との間で纏めて送受信されるデータを、各コマンドに夫々対応するデータ毎に分けてLANを介してサーバ装置SVとの間で送受信するiSCSIプロトコル制御部22を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理用プログラム、情報処理システム及び情報処理方法の技術分野に属する。より詳細には、サーバ装置及び一又は複数の情報蓄積装置と夫々接続されている情報処理装置及び当該情報処理装置用のプログラム、当該情報処理装置において実行される情報処理方法並びに当該情報処理装置を含む情報処理システムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等からなるサーバ装置と、ハードディスク等の大容量の記憶装置を含むいわゆるストレージ装置と、の間でのデータ送受信を行うための環境として、例えば、FC(Fiber Channel)プロトコルによるSAN(Storage Area Network)環境がある。しかし近年、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)回線で利用可能なiSCSI(internet Small Computer System Interface)対応のストレージ装置が多く製品出荷されており、当該サーバ装置と当該ストレージ装置とを結ぶ既存のTCP/IPネットワーク上でiSCSIプロトコルを実行することにより、当該サーバ装置と当該ストレージ装置との間でのデータの送受信が可能となっている。
【0003】
一方、上述したTCP/IPネットワーク上でiSCSIプロトコルを実行することによりデータの送受信を行う場合、以下のような問題点が考えられる。
【0004】
(1)サーバ装置とストレージ装置との間で例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network)経由でiSCSIプロトコルを用いてデータの送受信を行う場合、ストレージ装置の認識やデータ送受信(より具体的には、iSCSIコマンドやiSCSIデータの送受信)において遅延が発生し、そのやりとりによるサーバ装置側の負荷が大きくなる。
【0005】
(2)データ送受信途中でのタイムアウトによる回線切断や、当該WAN回線の品質に起因するデータ再送信が発生する場合、サーバ装置側の負荷が発生/増大し、これによりストレージ装置側でのデータ破壊が発生し得る。特にインターネット環境では、他のネットワークサービスと比較して、廉価でのデータ送受信が可能であるが、その分、回線品質に問題が発生し易い。特にシーケンシャルなデータを連続して送受信する場合、いわゆる「再送」が発生する可能性があり、その場合には、再度ストレージ装置からデータの再取得を行う必要があり、遅延が更に大きくなってしまう。
【0006】
(3)一台のサーバ装置と遠隔地にあるN個のストレージ装置とを「1:N」で接続する場合、各物理ボリュームの容量の制限や、当該遠隔地の具体的な場所に起因する夫々の制約をサーバ装置で常に確認しつつ処理する必要がある。
【0007】
ここで、上記の各問題点を考慮した従来技術としては以下の特許文献1及び2に開示されているものがある。
【0008】
先ず、下記特許文献1には、iSCSI加速装置をiSCSI記憶システムに組み込むことで、上記iSCSIプロトコルによるTCP/IPプロトコル処理及びその暗号化処理であるIPsec(IP security)処理におけるホスト側のCPU負荷の軽減及びデータ入出力の高速化並びにデータの保護を可能とすることが開示されている。
【0009】
一方、下記特許文献2には、iSCSIプロトコルでのデータの送受信において、サーバ装置とストレージ装置との間にキャッシュシステムを配置し、そのキャッシュシステムの仕組みとして、既に書き込み済みでキャッシュ上に保持しているデータを削除するという構成とすることで、データの送受信の高速化を図る点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−264744公報(例えば、段落番号[0011]乃至[0015])
【特許文献2】特開2008−016037公報(例えば、段落番号[0023]乃至[0027]並びに段落番号[0035]及び[0036])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した各特許文献に開示されているいずれの技術においても、基本的には、各目的に特化されたいわゆるハードウエア構成を別途設けることによりデータの送受信の高速化を図っている。このため、当該各特許文献に開示されている技術では、特別な構成を備えるハードウエア構成をその目的のために用意する必要があり、コスト及びその設置スペースの増大を招くという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、サーバ装置側から見たWANの不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することが可能な情報処理装置及び当該情報処理装置用のプログラム、当該情報処理装置において実行される情報処理方法並びに当該情報処理装置を含む情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ローカルエリアネットワークを介してサーバ装置と接続されていると共に、ネットワーク等の広域通信網を介して一又は複数のストレージ装置等の情報蓄積装置と接続されている情報処理装置において、前記サーバ装置からいずれか一の前記情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合して一つの統合コマンドを生成するiSCSIプロトコル制御部等の生成手段と、前記生成された統合コマンドを、前記広域通信網を介して前記一の情報蓄積装置に送信するLANポート等の送信手段と、前記送信された統合コマンド内に統合された各前記コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を、各前記コマンド分纏めて前記一の情報蓄積装置との間で前記広域通信網を介して行うiSCSIプロトコル制御部等の広域通信制御手段と、前記一の情報蓄積装置との間で纏めて送受信される前記蓄積データを、各前記コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎に分けて前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置との間で送受信するiSCSIプロトコル制御部等のローカルエリア通信制御手段と、を備える。
【0014】
よって、一の情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合した統合コマンドを生成して当該一の情報蓄積装置に送信すると共に、統合コマンド内に統合された各コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を各コマンド分纏めて一の情報蓄積装置との間で広域通信網を介して行い、更にサーバ装置との間では各コマンドに夫々対応する蓄積データ毎に送受信するので、広域通信網で接続された情報蓄積装置との間の通信回数を減らすことで、サーバ装置側から見た広域通信網の不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記生成手段は、前記サーバ装置において前記コマンドを処理する際の処理単位に相当する単位情報量よりも大きい情報量を対象とする一つの前記統合コマンドを生成し、前記広域通信制御手段は、各前記コマンドに夫々対応する前記蓄積データを、情報量が前記単位情報量より多くなるように且つ各前記コマンド分纏めて前記一の情報蓄積装置との間で送受信するように構成される。
【0016】
よって、処理単位に相当する単位情報量よりも大きい情報量を対象とする一つの統合コマンドを生成し、更に各コマンドに夫々対応する蓄積データを、情報量が単位情報量より多くなるように且つ各コマンド分纏めて一の情報蓄積装置との間で送受信するので、一度に送受信されるコマンド及び蓄積データとしての情報量を大きくすることで、広域通信網で接続された情報蓄積装置との間の通信回数を減らすことができる。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、一つの前記統合コマンドに統合される複数の前記コマンドが、前記一の情報蓄積装置において連続した領域に蓄積される前記蓄積データに夫々対応する当該各コマンドであるように構成される。
【0018】
よって、一つの統合コマンドに統合される複数のコマンドが、一の情報蓄積装置において連続した領域に蓄積される蓄積データに夫々対応する当該各コマンドであるので、連続した蓄積データに対する処理について、サーバ装置側から見た広域通信網の不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記一の情報蓄積装置内に蓄積されている前記蓄積データを前記サーバ装置において読み出す場合に、前記生成手段は、前記サーバ装置から前記一の情報蓄積装置に送信されるべき複数の読出コマンドを統合して前記統合コマンドを一つ生成し、前記広域データ通信制御手段は、前記送信された統合コマンド内に統合された各前記読出コマンドに夫々対応する蓄積データを、各前記読出コマンド分纏めて前記一の情報蓄積装置から前記広域通信網を介して取得すると共に、更に前記ローカルエリア通信制御手段は、前記一の情報蓄積装置から取得した前記蓄積データを、各前記読出コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎に分けて前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置に送信するように構成される。
【0020】
よって、一の情報蓄積装置内に蓄積されている蓄積データをサーバ装置において読み出す場合に、当該サーバ装置から一の情報蓄積装置に送信されるべき複数の読出コマンドを統合して統合コマンドを一つ生成し、統合コマンド内に統合された各読出コマンドに夫々対応する蓄積データを各読出コマンド分纏めて一の情報蓄積装置から取得すると共に、一の情報蓄積装置から取得した蓄積データを、各読出コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎にサーバ装置に送信するので、情報蓄積装置からの蓄積データの読み出し時において、サーバ装置側から見た広域通信網の不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【0021】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記蓄積データを前記サーバ装置から前記一の情報蓄積装置に送信して蓄積させる場合に、前記生成手段は、前記サーバ装置から前記一の情報蓄積装置に送信されるべき複数の書込コマンドを統合して前記統合コマンドを一つ生成し、前記ローカルエリア通信制御手段は、前記一の情報蓄積装置に蓄積させるべき前記蓄積データを、前記統合コマンドに統合された各前記書込コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎に前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置から取得し、更に前記広域データ通信制御手段は、各前記取得した蓄積データを、前記送信された統合コマンド内に統合された各前記書込コマンドに夫々対応する分だけ纏めて前記一の情報蓄積装置に前記広域通信網を介して送信するように構成される。
【0022】
よって、蓄積データをサーバ装置から一の情報蓄積装置に蓄積させる場合に、当該サーバ装置から一の情報蓄積装置に送信されるべき複数の書込コマンドを統合して統合コマンドを一つ生成し、一の情報蓄積装置に蓄積させるべき蓄積データを、統合コマンドに統合された各書込コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎にサーバ装置から取得すると共に、各取得した蓄積データを、統合コマンド内に統合された各書込コマンドに夫々対応する分だけ纏めて一の情報蓄積装置に送信するので、情報蓄積装置への蓄積データの書き込み時において、サーバ装置側から見た広域通信網の不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【0023】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記サーバ装置との間で前記ローカルエリアネットワークを介して送受信される前記蓄積データを一時的に記憶するキャッシュメモリ等のキャッシュ手段を更に備える。
【0024】
よって、サーバ装置との間で送受信される蓄積データを一時的に記憶するキャッシュ手段を更に備えるので、広域通信網の品質に起因する蓄積データの再送信等が発生する場合においても、サーバ装置における処理に必要な蓄積データを高速に送受信することができる。
【0025】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させる。
【0026】
よって、当該情報処理用プログラムをコンピュータで実行することにより、一の情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合した統合コマンドを生成して当該一の情報蓄積装置に送信すると共に、統合コマンド内に統合された各コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を各コマンド分纏めて一の情報蓄積装置との間で広域通信網を介して行い、更にサーバ装置との間では各コマンドに夫々対応する蓄積データ毎に送受信するように当該コンピュータが機能するので、広域通信網で接続された情報蓄積装置との間の通信回数を減らすことで、サーバ装置側から見た広域通信網の不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【0027】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置と、前記情報蓄積装置と、前記サーバ装置と、を備える。
【0028】
よって、情報処理装置において、一の情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合した統合コマンドを生成して当該一の情報蓄積装置に送信すると共に、統合コマンド内に統合された各コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を各コマンド分纏めて一の情報蓄積装置との間で広域通信網を介して行い、更にサーバ装置との間では各コマンドに夫々対応する蓄積データ毎に送受信するので、広域通信網で接続された情報蓄積装置との間の通信回数を減らすことで、サーバ装置側から見た広域通信網の不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【0029】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、ローカルエリアネットワークを介してサーバ装置と接続されていると共に、ネットワーク等の広域通信網を介して一又は複数のストレージ装置等の情報蓄積装置と接続されている情報処理装置において実行される情報処理方法であって、前記サーバ装置からいずれか一の前記情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合して一つの統合コマンドを生成する生成工程と、前記生成された統合コマンドを、前記広域通信網を介して前記一の情報蓄積装置に送信する送信工程と、前記送信された統合コマンド内に統合された各前記コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を、各前記コマンド分纏めて前記一の情報蓄積装置との間で前記広域通信網を介して行う広域データ通信制御工程と、前記一の情報蓄積装置との間で纏めて送受信される前記蓄積データを、各前記コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎に分けて前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置との間で送受信するローカルエリア通信制御工程と、を含む。
【0030】
よって、一の情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合した統合コマンドを生成して当該一の情報蓄積装置に送信すると共に、統合コマンド内に統合された各コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を各コマンド分纏めて一の情報蓄積装置との間で広域通信網を介して行い、更にサーバ装置との間では各コマンドに夫々対応する蓄積データ毎に送受信するので、広域通信網で接続された情報蓄積装置との間の通信回数を減らすことで、サーバ装置側から見た広域通信網の不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、一の情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合した統合コマンドを生成して当該一の情報蓄積装置に送信すると共に、統合コマンド内に統合された各コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を各コマンド分纏めて一の情報蓄積装置との間で広域通信網を介して行い、更にサーバ装置との間では各コマンドに夫々対応する蓄積データ毎に送受信するので、広域通信網で接続された情報蓄積装置との間の通信回数を減らすことで、サーバ装置側から見た広域通信網の不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態に係る情報処理システムの概要構成を示すブロック図であり、(a)は当該情報処理システムの全体構成を示すブロック図であり、(b)は実施形態に係るストレージ配置制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係るデータ読み出し動作を説明する図である。
【図3】実施形態に係るデータ書き込み動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明を実施するための形態について、図1乃至図3を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、パーソナルコンピュータ等からなるサーバ装置と、一又は複数のストレージ装置と、当該サーバ装置とはLAN(Local Area Network)を介して接続され、当該ストレージ装置とはWANを介してTCP/IPプロトコルに準拠して接続されているストレージ配置制御装置と、を含む情報処理システムに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0034】
また、図1は実施形態の情報処理システムの概要構成を示すブロック図であり、図2は当該情報処理システムにおけるデータの読み出し動作を説明する図であり、図3は当該情報処理システムにおけるデータの書き込み動作を説明する図である。
(I)情報処理システムの構成
初めに、実施形態に係る情報処理システムの全体構成等について、図1を用いて説明する。
【0035】
図1(a)に示すように、実施形態に係る情報処理システムSの全体構成としては、基本的には従来と同様の構成を備えた上記サーバ装置SVと、当該サーバ装置SVとは別の場所に設定され且つ基本的には従来と同様の構成を備えた上記ストレージ装置ST1乃至ST3と、実施形態に係るストレージ配置制御装置Cと、により構成されている。この構成において、サーバ装置SVとストレージ配置制御装置Cとは、iSCSIプロトコルを利用したデータの送受信が可能なTCP/IP回線であるLANにより相互に接続されている。また各ストレージ装置ST1乃至ST3と、ストレージ配置制御装置Cとは、これもまた上記iSCSIプロトコルを利用したデータの送受信が可能なTCP/IP回線としてWANであるネットワークNTにより相互に接続されている。
【0036】
このとき、各ストレージ装置ST1乃至ST3は、夫々、ネットワークNTに接続するための入出力制御動作を行うLANポートPと、例えばハードディスク等の不揮発性の記録媒体からなるディスクDK1乃至DK3と、を備えている。そして、当該ディスクDK1乃至DK3に記憶されているデータを、ネットワークNT及びストレージ配置制御装置Cを介してサーバ装置SVとの間で送受信することが可能とされている。
【0037】
一方、上記ストレージ配置制御装置Cは、キャッシュ手段の一例としてのキャッシュメモリ10と、キャッシュディスク11と、キャッシュ制御部20と、仮想ボリューム制御部21と、生成手段の一例、広域通信制御手段の一例及びローカルエリア通信制御手段の一例としてのiSCSIプロトコル制御部22と、ストレージアドレス管理テーブル30と、各ストレージ装置ST1乃至ST3に夫々対応し且つ当該ストレージ装置ST1乃至ST3との間におけるネットワークNTを介したデータの送受信のための入出力制御動作を行う送信手段の一例としてのLANポートP2乃至P4と、サーバ装置SVとの間におけるLANを介したデータの送受信のための入出力制御動作を行うLANポートP1と、を備えている。
【0038】
この構成において、キャッシュメモリ10はサーバ装置SVとの間で送受信されることが多いデータを一時的に記憶するメモリであり、キャッシュディスク11は当該キャッシュメモリ10の退避領域としての機能を有している。そして、キャッシュ制御部20は、当該キャッシュメモリ10に対するデータの送受信をキャッシュ制御する。
【0039】
次に、仮想ボリューム制御部21は、各ストレージ装置ST1乃至ST3に夫々備えられているディスクDK1乃至DK3(いわゆるボリューム)を、サーバ装置SVから見て恰も一つのLAN上で接続されているかのように仮想的に動作させる。このとき、当該仮想ボリューム制御部21は、各ストレージ装置ST1乃至ST3に含まれる各ディスクDK1乃至DK3のiSCSIプロトコルとしてのアドレス(IPアドレス)を記憶しているストレージアドレス管理テーブル30における当該記憶内容を参照して動作する。
【0040】
更にiSCSIプロトコル制御部22は、これもストレージアドレス管理テーブル30における記憶内容を参照しつつ、後述する実施形態に係るデータの送受信(より具体的には、ストレージ装置ST1乃至ST3のいずれかを対象とするデータの読み出し及び書き込み)を一括して制御する。
【0041】
次に、実施形態に係るストレージ配置制御装置Cの動作を、より詳細に図2及び図3を用いて説明する。
(II)読出動作の実施形態
先ず、当該動作としてのデータの読み出し動作について、具体的にストレージ装置ST1を対象とする当該読み出し動作を例として図2を用いて説明する。なお、図2に例示する動作は、サーバ装置SVからの読出コマンドに対応してストレージ装置ST1に連続して記憶されている三ブロック分のデータD−A乃至D−Cを読み出して、当該サーバ装置SVに出力する動作である。
【0042】
図2に例示するように、実施形態に係る読出動作としては、先ずサーバ装置SVから、上記データD−Aの読み出しを要求する読出コマンドRC−A、上記データD−Bの読み出しを要求する読出コマンドRC−B並びに上記データD−Cの読み出しを要求する読出コマンドRC−Cが夫々時系列的にストレージ配置制御装置Cに送信される。
【0043】
これによりストレージ配置制御装置CのiSCSIプロトコル制御部22は、これら三つの読出コマンドRC−A乃至RC−Cを纏めて(換言すれば束ねて)統合読出コマンドRC−ABCを生成する。このとき、当該統合読出コマンドRC−ABCとしては、データD−A、データD−B及びデータD−C夫々を連続して読み出す旨のコマンドとなる。
【0044】
なお、当該データD−A、データD−B及びデータD−Cが相互に連続したディスクDKの領域に記憶されているデータブロックであるか否かについて、iSCSIプロトコル制御部22はストレージアドレス管理テーブル30の内容を確認し、連続した領域に記憶されているものである場合は、当該ストレージアドレス管理テーブル30を更に参照してデータD−A、データD−B及びデータD−Cを一纏まりとするための新たなディスクDK上のアドレスや要求すべきデータ領域を算出し、上記iSCSIプロトコルの読出コマンドのフレーム上に再設定(再記述)する。
【0045】
また、統合読出コマンドRC−ABCにおけるデータ読み出しの要求単位のデータ量は、iSCSIプロトコル制御部22において、サーバ装置SVからの上記読出コマンドRC−A等における要求単位のデータ量よりも大きなデータ量として任意に設定可能とされている。より具体的に例えば、サーバ装置SVからの上記読出コマンドRC−A乃至RC−Cにおいてその要求単位のデータ量が32キロバイトであったとすると、統合読出コマンドRC−ABCとしての読出要求単位におけるデータ量を例えば512キロバイトとする。
【0046】
その後、iSCSIプロトコル制御部22は、ネットワークNTを介して上記統合読出コマンドRC−ABCをその宛先たるストレージ装置ST1に送信する。
【0047】
これにより、ストレージ装置ST1は、例えばそれに含まれるディスクDK1内に上記データD−A乃至D−Cが連続して記憶されている場合、これらを読み出し、更にデータD−ABCとしてこれらを連続して纏めた上でストレージ配置制御装置Cに送信する。
【0048】
その後ストレージ配置制御装置CのiSCSIプロトコル制御部22は、データD−ABCを受信中においてストレージアドレス管理テーブル30を参照しつつ、当該データD−ABCに含まれているデータD−A乃至D−Cの夫々を受信し終わったか否かを、当該データD−A乃至D−C毎に確認する。
【0049】
これにより、先ずデータD−Aの受信が完了したことが確認できたとき、iSCSIプロトコル制御部22は、上記読出コマンドRC−Aにおける要求単位に対応して、当該受信したデータD−Aを32キロバイトの読み出し単位に分割し、夫々サーバ装置SVにLANを介して順次送信する。その後、当該データD−Aの受信を全て完了したサーバ装置SVから当該受信完了の旨の受領信号ACKを受信したら、iSCSIプロトコル制御部22は、これに対してiSCSIレスポンスResを返信する。
【0050】
次にiSCSIプロトコル制御部22は、データD−Aに続いてデータD−Bの受信が完了したことが確認できたとき、上記読出コマンドRC−Bにおける要求単位に対応して、当該受信したデータD−Bを32キロバイトの読み出し単位に分割し、夫々サーバ装置SVにLANを介して順次送信する。その後、当該データD−Bの受信を全て完了したサーバ装置SVから当該受信完了の旨の受領信号ACKを受信したら、iSCSIプロトコル制御部22は、これに対してiSCSIレスポンスResを返信する。
【0051】
更にiSCSIプロトコル制御部22は、データD−Bに続いてデータD−Cの受信が完了したことが確認できたとき、上記読出コマンドRC−Cにおける要求単位に対応して、当該受信したデータD−Cを32キロバイトの読み出し単位に分割し、夫々サーバ装置SVにLANを介して順次送信する。その後、当該データD−Cの受信を全て完了したサーバ装置SVから当該受信完了の旨の受領信号ACKを受信したら、iSCSIプロトコル制御部22は、これに対してiSCSIレスポンスResを返信する。
【0052】
なお、上記データD−ABCの受信が全て完了したとき、iSCSIプロトコル制御部22は、当該受信完了の旨の受領信号ACKをストレージ装置ST1に送信し、その後当該受領信号ACKに対応するiSCSIレスポンスResをストレージ装置ST1から受信して、実施形態に係るストレージ配置制御装置Cとしての読出動作を終了する。
(III)書込動作の実施形態
次に、実施形態に係るストレージ配置制御装置Cの動作としてのデータの書き込み動作について、具体的にストレージ装置ST1を対象とする当該書き込み動作を例として図3を用いて説明する。なお、図3に例示する動作は、サーバ装置SVからの書込コマンドに対応して、当該サーバ装置SVに記憶されている三ブロック分のデータD−A乃至D−Cを読み出し、これらをストレージ装置ST1における連続した領域に書き込む(記憶させる)動作である。
【0053】
図3に例示するように、実施形態に係る書込動作としては、先ずサーバ装置SVから、上記データD−Aのストレージ装置ST1への書き込みを要求する書込コマンドWC−Aがストレージ配置制御装置Cに送信される。
【0054】
これにより、ストレージ配置制御装置CのiSCSIプロトコル制御部22は、当該書込コマンドWC−Aを受信したら、対応するデータD−Aの受信準備を行い、当該受信準備が完了した旨の受信準備完了信号R2Tをサーバ装置SVに返信する。
【0055】
次に、当該受信準備完了信号R2Tを受信したサーバ装置SVは、書込コマンドWC−Aに係る書込用のデータD−Aを、例えば32キロバイト毎に分割してストレージ配置制御装置Cに送信する。これによりiSCSIプロトコル制御部22は、当該データD−Aを順次受信し、全て受信したら当該受信完了の旨のiSCSIレスポンスResをサーバ装置SVに返信する。その後キャッシュ制御部20は、上記受信済みの書込コマンドWC−Aと、これに対応するデータD−Aと、を、キャッシュメモリ10又はキャッシュディスク11に一時的に記憶させる。
【0056】
次にサーバ装置SVから、上記データD−Bのストレージ装置ST1への書き込みを要求する書込コマンドWC−Bがストレージ配置制御装置Cに送信されると、これを受信したiSCSIプロトコル制御部22は、対応するデータD−Bの受信準備を行い、当該受信準備が完了した旨の受信準備完了信号R2Tをサーバ装置SVに返信する。
【0057】
当該受信準備完了信号R2Tを受信したサーバ装置SVは、書込コマンドWC−Bに係る書込用のデータD−Bを、例えば32キロバイト毎に分割してストレージ配置制御装置Cに送信する。これによりiSCSIプロトコル制御部22は、当該データD−Bを順次受信し、全て受信したら当該受信完了の旨のiSCSIレスポンスResをサーバ装置SVに返信する。その後キャッシュ制御部20は、上記受信済みの書込コマンドWC−Bと、これに対応するデータD−Bと、を、キャッシュメモリ10又はキャッシュディスク11に一時的に記憶させる。
【0058】
更にサーバ装置SVから、上記データD−Cのストレージ装置ST1への書き込みを要求する書込コマンドWC−Cがストレージ配置制御装置Cに送信されると、これを受信したiSCSIプロトコル制御部22は、対応するデータD−Cの受信準備を行い、当該受信準備が完了した旨の受信準備完了信号R2Tをサーバ装置SVに返信する。
【0059】
当該受信準備完了信号R2Tを受信したサーバ装置SVは、書込コマンドWC−Cに係る書込用のデータD−Cを、例えば32キロバイト毎に分割してストレージ配置制御装置Cに送信する。これによりiSCSIプロトコル制御部22は、当該データD−Cを順次受信し、全て受信したら当該受信完了の旨のiSCSIレスポンスResをサーバ装置SVに返信する。その後キャッシュ制御部20は、上記受信済みの書込コマンドWC−Cと、これに対応するデータD−Cと、を、キャッシュメモリ10又はキャッシュディスク11に一時的に記憶させる。
【0060】
以上の動作によりストレージ装置ST1に書き込むべきデータD−A乃至D−C及びそれらに対応する書込コマンドWC−A乃至WC−Cがキャッシュメモリ10又はキャッシュディスク11に記憶されたら、次にiSCSIプロトコル制御部22は、三つの書込コマンドWC−A乃至WC−Cを纏めて(換言すれば束ねて)統合書込コマンドWC−ABCを生成する。このとき、当該統合書込コマンドWC−ABCとしては、データD−A、データD−B及びデータD−C夫々を連続してストレージ装置ST1内に書き込む旨のコマンドとなる。
【0061】
なお、当該データD−A、データD−B及びデータD−Cの連続した書き込み先について、iSCSIプロトコル制御部22はストレージアドレス管理テーブル30の内容を確認し、それらが連続した一纏まりの領域に書き込まれるように新たなディスクDK(ストレージ装置ST1内のディスクDK1乃至DK3のいずれか)上のアドレスや要求すべきデータ領域を算出し、上記統合書込コマンドWC−ABCのフレーム上に再設定(再記述)する。
【0062】
また、統合書込コマンドWC−ABCにおけるデータ書き込みの要求単位のデータ量は、上記統合読出コマンドRC−ABCの場合と同様に、iSCSIプロトコル制御部22において、サーバ装置SVからの上記書込コマンドWC−A等における要求単位のデータ量よりも大きなデータ量として任意に設定可能とされている。より具体的に例えば、サーバ装置SVからの上記書込コマンドWC−A乃至WC−Cにおいてその要求単位のデータ量が32キロバイトであったとすると、統合書込コマンドWC−ABCとしての読出要求単位におけるデータ量を例えば512キロバイトとする。
【0063】
その後、iSCSIプロトコル制御部22は、ネットワークNTを介して上記統合書込コマンドWC−ABCをその宛先たるストレージ装置ST1に送信する。その後、当該統合書込コマンドWC−ABCに対応する受信準備完了信号R2Tをストレージ装置ST1から受信したら、iSCSIプロトコル制御部22は次に、統合書込コマンドWC−ABCの対象たる上記データD−A乃至D−Cをキャッシュメモリ10又はキャッシュディスク11から読み出し、これらを連続して纏めてデータD−ABCとした上で、これをストレージ装置ST1に送信して対応するアドレスに記憶させる。
【0064】
その後、当該送信したデータD−ABCに対応するiSCSIレスポンスResをストレージ装置ST1から受信して、実施形態に係るストレージ配置制御装置Cとしての書込動作を終了する。
【0065】
以上夫々説明したように、実施形態に係るストレージ配置制御装置Cの動作によれば、例えば一のストレージ装置ST1に送信されるべき読出コマンドRC―A乃至RC−C又は書込コマンドWC−A乃至WC―CをiSCSIプロトコルに準拠して夫々統合した統合読出コマンドRC−ABC又は統合書込コマンドWC−ABCを生成して当該一のストレージ装置ST1に送信すると共に、当該統合読出コマンドRC−ABC又は統合書込コマンドWC−ABC内に統合された読出コマンドRC―A乃至RC−C又は書込コマンドWC−A乃至WC―Cに夫々対応するデータの送受信を、iSCSIプロトコルに準拠しつつ各コマンド分纏めて一のストレージ装置ST1との間でネットワークNTを介して行い、更にサーバ装置SVとの間では各コマンドに夫々対応するデータ毎に送受信するので、ネットワークNTで接続されたストレージ装置ST1乃至ST3との間の通信回数を減らすことで、サーバ装置SV側から見たネットワークNTの不安定性に起因する動作遅延や蓄積データの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【0066】
また、サーバ装置SVにおける処理単位のデータ量よりも大きいデータ量を対象とする一つの統合読出コマンドRC−ABC又は一つの統合書込コマンドWC−ABCを生成し、更に読出コマンドRC―A乃至RC−C又は書込コマンドWC−A乃至WC―Cに夫々対応するデータを、そのデータ量が上記処理単位のデータ量より多くなるように且つ各コマンド分纏めて一のストレージ装置ST1との間で送受信するので、一度に送受信されるコマンド及びデータとしてのデータ量を大きくすることで、ネットワークNTで接続されたストレージ装置ST1乃至ST3との間の通信回数を減らすことができると共に、高速にデータの送受信を行うことができる。
【0067】
更に、一つの統合読出コマンドRC−ABC又は一つの統合書込コマンドWC−ABCに統合される複数の読出コマンドRC―A乃至RC−C又は書込コマンドWC−A乃至WC―Cが、一のストレージ装置ST1において連続した領域に蓄積されるデータに夫々対応する当該各コマンドであるので、連続したデータに対する処理について、サーバ装置SV側から見たネットワークNTの不安定性に起因する動作遅延やデータの再送受信を、ハードウエアとしての特別な構成を追加することなく低減することができる。
【0068】
更にまた、サーバ装置SVとの間で送受信されるデータを一時的に記憶するキャッシュメモリ10等を更に備えるので、ネットワークNTの品質に起因するデータの再送信等が発生する場合においても、サーバ装置SVにおける処理に必要なデータを高速に送受信することができる。
【0069】
更に、ストレージ配置制御装置Cに仮想ボリューム制御部21を備えているので、サーバ装置SVから見て、各ストレージ装置ST1乃至ST3を同一LAN上の同一ボリュームにあるように見せることが可能である。
【0070】
なお、図2及び図3に示した流れずに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これをマイクロコンピュータ等により読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータを、実施形態に係るiSCSIプロトコル制御部22として活用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上夫々説明したように、本発明は情報処理システムSのの分野に利用することが可能であり、特にサーバ装置と、一又は複数のストレージ装置と、を、WAN等のネットワークNTを介してTCP/IPプロトコルに準拠して接続する情報処理システムの分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【符号の説明】
【0072】
10 キャッシュメモリ
11 キャッシュディスク
20 キャッシュ制御部
21 仮想ボリューム制御部
22 iSCSIプロトコル制御部
30 ストレージアドレス管理テーブル
S 情報処理システム
C ストレージ配置制御装置
SV サーバ装置
ST1、ST2、ST3 ストレージ装置
NT ネットワーク
P、P1、P2、P3、P4 LANポート
DK1、DK2、DK3 ディスク
D−A、D−B、D−C、D−ABC データ
RC−A、RC−B、RC−C 読出コマンド
WC−A、WC−B、WC−C 書込コマンド
RC−ABC 統合読出コマンド
WC−ABC 統合書込コマンド
ACK 受領信号
Res iSCSIレスポンス
R2T 受信準備完了信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルエリアネットワークを介してサーバ装置と接続されていると共に、広域通信網を介して一又は複数の情報蓄積装置と接続されている情報処理装置において、
前記サーバ装置からいずれか一の前記情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合して一つの統合コマンドを生成する生成手段と、
前記生成された統合コマンドを、前記広域通信網を介して前記一の情報蓄積装置に送信する送信手段と、
前記送信された統合コマンド内に統合された各前記コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を、各前記コマンド分纏めて前記一の情報蓄積装置との間で前記広域通信網を介して行う広域通信制御手段と、
前記一の情報蓄積装置との間で纏めて送受信される前記蓄積データを、各前記コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎に分けて前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置との間で送受信するローカルエリア通信制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記生成手段は、前記サーバ装置において前記コマンドを処理する際の処理単位に相当する単位情報量よりも大きい情報量を対象とする一つの前記統合コマンドを生成し、
前記広域通信制御手段は、各前記コマンドに夫々対応する前記蓄積データを、情報量が前記単位情報量より多くなるように且つ各前記コマンド分纏めて前記一の情報蓄積装置との間で送受信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
一つの前記統合コマンドに統合される複数の前記コマンドが、前記一の情報蓄積装置において連続した領域に蓄積される前記蓄積データに夫々対応する当該各コマンドであることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記一の情報蓄積装置内に蓄積されている前記蓄積データを前記サーバ装置において読み出す場合に、
前記生成手段は、前記サーバ装置から前記一の情報蓄積装置に送信されるべき複数の読出コマンドを統合して前記統合コマンドを一つ生成し、
前記広域データ通信制御手段は、前記送信された統合コマンド内に統合された各前記読出コマンドに夫々対応する蓄積データを、各前記読出コマンド分纏めて前記一の情報蓄積装置から前記広域通信網を介して取得すると共に、
更に前記ローカルエリア通信制御手段は、前記一の情報蓄積装置から取得した前記蓄積データを、各前記読出コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎に分けて前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置に送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記蓄積データを前記サーバ装置から前記一の情報蓄積装置に送信して蓄積させる場合に、
前記生成手段は、前記サーバ装置から前記一の情報蓄積装置に送信されるべき複数の書込コマンドを統合して前記統合コマンドを一つ生成し、
前記ローカルエリア通信制御手段は、前記一の情報蓄積装置に蓄積させるべき前記蓄積データを、前記統合コマンドに統合された各前記書込コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎に前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置から取得し、
更に前記広域データ通信制御手段は、各前記取得した蓄積データを、前記送信された統合コマンド内に統合された各前記書込コマンドに夫々対応する分だけ纏めて前記一の情報蓄積装置に前記広域通信網を介して送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記サーバ装置との間で前記ローカルエリアネットワークを介して送受信される前記蓄積データを一時的に記憶するキャッシュ手段を更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させることを特徴とする情報処理用プログラム。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記情報蓄積装置と、
前記サーバ装置と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
ローカルエリアネットワークを介してサーバ装置と接続されていると共に、広域通信網を介して一又は複数の情報蓄積装置と接続されている情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記サーバ装置からいずれか一の前記情報蓄積装置に送信されるべき複数のコマンドを統合して一つの統合コマンドを生成する生成工程と、
前記生成された統合コマンドを、前記広域通信網を介して前記一の情報蓄積装置に送信する送信工程と、
前記送信された統合コマンド内に統合された各前記コマンドに夫々対応する蓄積データの送受信を、各前記コマンド分纏めて前記一の情報蓄積装置との間で前記広域通信網を介して行う広域データ通信制御工程と、
前記一の情報蓄積装置との間で纏めて送受信される前記蓄積データを、各前記コマンドに夫々対応する当該蓄積データ毎に分けて前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置との間で送受信するローカルエリア通信制御工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−238042(P2010−238042A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86403(P2009−86403)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】