説明

情報処理装置、情報記録システム、情報記録方法、並びにプログラムおよび記録媒体

【課題】情報処理装置に取得情報を保管する際、この取得情報に周辺情報(いわゆるコンテキスト情報)を収集関連付けることにより、取得情報の再利用性を向上させユーザに利便性の高い情報処理装置を提供する。
【解決手段】この情報処理装置は、参照すべき個人情報サービス群の指定を行っておき、取得したデータを保存するときに、指定した個人情報サービスを解析し、該当する情報データがあった場合、取得したデータのメタ情報あるいは参照情報として該当データの情報を書き込んで保存する。また、取得した情報をネットワークに接続された情報処理装置に保存する際に、指定した個人情報サービスを解析し、該当する情報データがあった場合、取得したデータのメタ情報あるいは参照情報として該当データの情報とを転送先の情報処理装置に書き込むようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報記録システム、情報記録方法、並びにプログラムおよび記録媒体に関し、特に、画像・映像・音声等のデータを情報処理装置にて保存管理するときに、保存したデータに自動的に意味づけを行って容易に再利用できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラで撮影された画像は、撮影時には画像ファイルとして、デジタルカメラ付属の比較的小容量の記録用媒体に保存される。その後、このような画像ファイルは、ユーザによって、パーソナルコンピュータ(PC)に転送され、ハードディスク上に保存される。
これらの画像データは、同一ディレクトリに時系列順で保存されるか、または、画像管理ソフトにより、ユーザがその内容に応じてディレクトリを作成し、この画像データ毎に、保存先を選択してから、そのディレクトリに転送して時系列順で保存されていた。
【0003】
また、このような画像データは、デジタルカメラ付属の記録用媒体に、他の関連情報(例えば、文字データや音声データ等)と併せて保存記録されるか、もしくは他の関連情報とリンクさせて保存するようにしていた(特許文献1)。
【0004】
また、特許文献2では、JPEG(Joint Photographic Experts Group)画像データ生成時にGPS(Global Positioning Systems)等の通信システムが提供する位置情報から現在の位置情報から取得可能な地図情報(地名や付近の施設名等)を取得し、Exif(Exchangeable Image File format)データの所定の領域にそれら地図情報データを挿入して画像データを生成している。
【特許文献1】特開2000−341569号公報
【特許文献2】特開2005−5953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等に代表される情報携帯端末への高精細なデジタルカメラの搭載により仕事上などの場面でメモ代わりにいろいろな情報を画像データとしてその場の情報を記録する行為が容易になってきている。
【0006】
しかし、仕事上で撮影した画像データを、上述したように従来の技術によって保存した場合、保存された画像データの内容とその保存先との対応関係は、保存先を決定したユーザによっても常に記憶されているとは限らないので、その保存先に的確にアクセスできない場合がある。
また、所望の画像データの保存先を見つけるために、ユーザが画像データの内容を逐一確認する必要があり、その作業に要する時間は、画像データの数が増えるにつれて増大するので、ユーザの労力負担が大きいという問題があった。
【0007】
しかし、仕事上で取得した情報は、なんらかのPIM(Personal Information manager)情報(個人の行動予定や仕事情報、連絡先データ等)と関連を持っているものである。
したがって、取得情報とPIM情報とを関連付けることによって、PIM情報から該取得情報を参照することができ、取得情報の再利用を促進することができる。
【0008】
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、情報処理装置に取得情報を保管する際、該取得情報に周辺情報(いわゆるコンテキスト情報)を収集関連付けることにより、取得情報の再利用性を向上させユーザに利便性の高い情報処理装置、情報記録システム、情報記録方法、並びにプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、操作指示により画像や音声情報を取得して、取得した情報から所定の電子データを生成する情報処理装置において、操作指示者を特定する情報を管理記憶するユーザ情報記憶手段と、前記操作者に関連する個人関連情報を管理記憶する個人関連情報記憶手段と、収集対象となる個人関連情報に関する所望の個人情報管理サービスを記述もしくは記憶する収集対象情報記憶手段と、前記収集対象情報記憶手段の個人情報管理サービスを解釈して、前記個人情報管理サービスに対応した前記個人関連情報記憶手段に記憶された前記操作指示者の個人関連情報内の所望のデータ(個人関連データ)を抽出する情報抽出手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記ユーザ情報記憶手段、前記個人関連情報記憶手段および前記収集対象情報記憶手段のうちいずれか、あるいは任意の組み合わせは、前記装置内もしくは前記装置から通信を介して認識可能な情報処理装置内に備えられていることを特徴とする情報処理装置である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報処理装置において、前記収集対象情報記憶手段には、個人関連情報を管理する個人情報管理サービスへの参照情報を含み、前記情報抽出手段は、前記装置で取得可能な情報を用いて取得対象データの判定を行うことを特徴とする情報処理装置である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載の情報処理装置において、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部と、前記電子データと関連付ける関連情報生成手段を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記関連情報生成手段は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部を関連記録情報データとして記憶し、前記記憶した関連記録情報データへの参照情報を、前記電子データのメタ情報に埋め込むことを特徴とする情報処理装置である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記関連情報生成手段は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部を、前記電子データのメタ情報に埋め込むことを特徴とする情報処理装置である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の情報処理装置において、収集情報に該当する個人関連情報を取得した際に、対象の個人関連情報を管理する情報管理手段に、前記電子データもしくは前記関連記録情報データを追加することを特徴とする情報処理装置である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置において、前記電子データを配布する際に、前記メタ情報の一部ないしは全部を削除するメタ情報削除手段を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、操作指示により画像や音声情報を取得して、取得した情報から所定の電子データを生成する情報処理端末と、前記情報処理端末から転送された前記電子データを受信して格納する情報処理装置をネットワークで接続した情報記録システムにおいて、前記情報処理端末は、操作指示者を特定する情報を管理記憶するユーザ情報記憶手段と、収集対象となる個人関連情報に関する所望の個人情報管理サービスを記述もしくは記憶する収集対象情報記憶手段と、前記操作指示者を特定する情報と前記電子データと前記個人情報管理サービスとを前記情報処理装置へ転送する転送手段とを備え、前記情報処理装置は、前記操作者に関連する個人関連情報を管理記憶する個人関連情報記憶手段と、前記情報処理端末から受信した個人情報管理サービスを解釈して、前記個人関連情報記憶手段に記憶された前記操作指示者の個人関連情報内の所望のデータ(個人関連データ)を取得する情報抽出手段とを備えることを特徴とする情報記録システムである。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の情報記録システムにおいて、前記ユーザ情報記憶手段、前記個人関連情報記憶手段および前記収集対象情報記憶手段のうちいずれか、あるいは任意の組み合わせは、前記情報処理端末内もしくは前記情報処理端末から通信を介して認識可能な情報処理装置内に備えられていることを特徴とする情報記録システムである。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の情報記録システムにおいて、前記収集対象情報記憶手段には、個人関連情報を管理する個人情報管理サービスへの参照情報を含み、前記情報抽出手段は、前記装置で取得可能な情報を用いて取得対象データの判定を行うことを特徴とする情報記録システムである。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項9、10または11に記載の情報記録システムにおいて、前記情報処理装置は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部と、前記電子データと関連付ける関連情報生成手段を備えることを特徴とする情報記録システムである。
【0021】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の情報記録システムにおいて、前記関連情報生成手段は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部を関連記録情報データとして記憶し、前記記憶した関連記録情報データへの参照情報を、前記電子データのメタ情報に埋め込むことを特徴とする情報記録システムである。
【0022】
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の情報記録システムにおいて、前記関連情報生成手段は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部を、前記電子データのメタ情報に埋め込むことを特徴とする情報記録システムである。
【0023】
請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載の情報記録システムにおいて、収集情報に該当する個人関連情報を取得した際に、対象の個人関連情報を管理する情報管理手段に、前記電子データもしくは前記関連記録情報データを追加表示することを特徴とする情報記録システムである。
【0024】
請求項16に記載の発明は、請求項9乃至15のいずれかに記載の情報記録システムにおいて、前記情報処理装置は、前記電子データを配布する際に、前記メタ情報の一部ないしは全部を削除するメタ情報削除手段を備えることを特徴とする情報記録システムである。
【0025】
請求項17に記載の発明は、操作指示により画像や音声情報を取得して、取得した情報から所定の電子データを生成して記録する情報記録方法において、操作指示者を特定する情報と、前記操作者に関連する個人関連情報を個人関連情報記憶手段に管理記憶し、収集対象となる個人関連情報に関する所望の個人情報管理サービスを収集対象情報記憶手段に記述もしくは記憶しておき、前記収集対象情報記憶手段の個人情報管理サービスを解釈して、前記個人関連情報記憶手段に記憶された前記操作指示者の個人関連情報内の所望のデータ(個人関連データ)を取得し、取得した個人関連データの全部もしくは一部と、前記電子データと関連付けることを特徴とする情報記録方法である。
【0026】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の情報記録方法において、収集情報に該当する個人関連情報を取得した際に、対象の個人関連情報を管理する情報管理手段に、前記電子データもしくは、前記抽出した個人関連データの全部もしくは一部を関連記録情報データとして記憶し、前記記憶した関連記録情報データへの参照情報を追加することを特徴とする情報記録方法である。
【0027】
請求項19に記載の発明は、コンピュータを、請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置の各手段、または、請求項9乃至16のいずれかに記載の情報記録システムの各手段として機能させるためのプログラムである。
請求項20に記載の発明は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、請求項19に記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、情報処理装置に取得情報を保管するときに、該取得情報がどういう状況で取得されたものかなどの周辺情報(いわゆるコンテキスト情報)による意味付けを自動的に行うことができるので、取得情報の再利用性を向上させるとともに、ユーザの利便性を向上することができる。
【0029】
即ち、後でその取得情報を参照した際に、何の情報であったのかなどの記憶の助けとなることも可能であり、情報の分類分けなどにも利用も可能であり、ユーザにとってわかりやすいデータの取り扱い手法を提供するための基本的なデータ保存手法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0031】
(A)本発明の概要:
本発明は、画像、動画、音声をはじめとする実世界の情報を電子的に記録する際に、関連する個人情報を収集する個人情報管理サービスをリストアップしておき、このリストを参照して個人関連情報を取得、記録情報へ関連メタ情報として関連付けもしくは埋め込むことにより、PIMアプリからの取得画像の呼び出しやPIMデータを用いた画像検索などの画像データの再利用の促進を促すことを目的としている。
【0032】
(A−1)取得した情報を取得した情報処理装置自体に記録する場合:
画像、動画や音声を記録する機能を搭載する情報処理装置(例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラや、カメラ機能のついた携帯電話やPDAなどの情報端末等)で使われるもので、この情報処理装置は、ユーザがそれぞれ個別に個人情報を管理するツール群を介して個人情報(いわゆるPIM情報(スケジュール、アドレス帳、仕事情報およびメール情報など)やGPSやRFID(Radio Frequency-Identification)タグ等のセンサによる位置情報)を取得可能になっている。
【0033】
例えば、カメラ付携帯端末やPDA等の情報携帯端末では、標準でPIMソフトが搭載され、これらの端末内のメモリ上で個人情報(スケジュール、アドレス帳、仕事情報およびメール情報など)が管理されている。または、ネットワーク上でサービス提供される個人情報を取得するようにしてもよい。
【0034】
本来これらの個人情報は、例えば、スケジュール情報はその人の行動予定情報であり、別の見方をすれば時間の推移に対する個人の状態遷移情報と見ることができる。
即ち、ユーザが活動中にメモ代わりに画像を取得する行為や、音声を記録する行為はその取得時間におけるスケジュール情報と何らかの相関関係があると考えてよい。
【0035】
そこで、ユーザ情報(ユーザを特定する情報)と収集対象を明記した情報リストをその場で作成、もしくは予め記録保持しておき、画像、動画や音声を記録する際にユーザ情報と個人情報管理サービスのリストである個人情報管理サービスリストを参照して、個人情報内に格納される項目のうち所望の項目の個人情報のデータを関連項目情報として抽出する。さらに、抽出した関連項目から場所情報や項目件名などのPIMアプリの管理項目に対応する格納データを参照後、取得記録情報を個人関連情報として所定のデータフォームで記述してファイル化し、情報処理装置へ記録する。
【0036】
さらに、記録データのメタ情報格納領域に関連データのファイル名やデータ内容のキーワードなどを記述して格納することにより、関連データファイルとの関連付けや取得記録データの周辺情報キーワードとして、画像などの取得情報の記録データファイル内に埋め込んで、情報処理装置へ記録する。
【0037】
これにより、記録データの管理アプリなどでファイル内のメタ情報検索などに、取得した個人情報を使用することが可能となり、従来での日時情報や画像情報などに加えてユーザの認知可能な周辺情報を新たに用いることが可能になる。
【0038】
(A−2)取得情報をネットワークを介して接続した情報処理装置に記録する場合:
画像、動画や音声を記録する機能を搭載する情報処理機器で取得した情報をネットワークで接続された情報処理装置へ転送して記録する場合である。
この情報処理装置では、ユーザがそれぞれ個別に個人情報を管理するツール群を介して、ネットワーク上で管理される個人関連情報を取得可能になっている。
【0039】
この情報処理装置は、ユーザ情報(ユーザを特定する情報)と収集対象情報をリスト化した個人情報管理サービスリストをその場で指示、もしくは予め記録保持しておき、転送された画像や音声を記録する際に、ユーザ情報と収集対象情報の個人情報管理サービスリストを参照して、個人情報内に格納される項目のうち所定の項目のデータを関連項目情報として抽出する。さらに、抽出した関連項目から場所情報や項目件名などの個人情報管理サービスの管理項目に対応する格納データを参照後、取得記録情報を個人関連情報として所定のデータフォームで記述してファイル化し、この情報処理装置へ記録する。
【0040】
さらに、記録データのファイルのメタ情報格納領域に関連データのファイル名やデータ内容のキーワードなどを記述して格納することにより、関連データファイルとの関連付けや取得記録データの周辺情報キーワードとして、画像などの取得情報の記録データファイル内に埋め込んで、この情報処理装置へ記録する。
【0041】
(B)本発明の詳細な説明:
<実施形態1>
本実施形態1に係る情報処理装置は、パーソナルユースを想定したメディアデータ(静止画データ、動画データ、音声データ等)を取得できる機器、例えば、PDAを例にして説明する。なお、メディアデータをファイル化したファイルを総称して、メディアデータファイルと称する。
また、静止画に関する個人関連情報を記憶するデータ形式として、Exifを用いて説明するが、データ本体とそのデータの周辺情報(撮影条件情報、メーカ情報やフォーマット情報など)を記述可能なメタ情報格納領域などを有するデータフォーマットであり、かつメタ情報格納領域にユーザが自由に書き込み可能な領域が設定されているものであれば、本発明を適用することができる。
なお、PDAの代わりに、上記機能を取り込んだ多機能機器、例えばスキャナ、コピー、プリント機能を有するMFPなどへ本発明の機能を搭載することも可能である。
【0042】
図1は、本発明の実施形態1に係る情報処理装置の全体構成を示すブロック図である。同図において、情報処理装置は、当該装置の全体を制御する制御手段1、撮影して取得した画像データを画像データファイルにファイル化して記憶手段4に記憶させる画像データ生成手段2、被写体を撮影する撮影手段3、生成した画像データファイルやこの装置の制御プログラム等を記憶する記憶手段4、画像データファイルに記憶する個人関連情報の取得先である個人情報管理サービスを示す収集対象情報(例えば、個人情報を管理しているPIMサービスの名称等)を記憶した収集対象情報記憶手段5、当該装置を使用するオーナ情報を記憶するオーナ情報記憶手段6、個人関連情報がネットワーク10に接続されたデータベース11や情報処理装置に存在するときに、それらの装置との通信を行う通信手段7、キーやボタン等からなりデータや指示を入力する入力手段8、ガイド画面や、撮影結果や処理結果等を表示する表示手段9とを少なくとも備えている。
また、上記の個人関連情報は、当該装置自身の記憶手段4に記憶されているとしてもよい。
【0043】
このような構成において、撮影手段3で撮影された画像データに基づいてファイル化された画像データファイルを記憶手段4へ記憶する。このとき、画像データファイルには、撮影して取得した画像データに関連する付加的な情報を示すメタ情報として、例えば、撮影した日時を示す撮影日時情報、撮影した場所を示す撮影場所情報、撮影したときの各種設定を示す撮影設定情報、この画像データファイルが格納される記憶手段4におけるアドレスを示す画像データファイルアドレス情報等の情報がメタ情報格納領域に記録される。
この画像データファイルを記憶するとき、あるいは、入力手段8により画像データファイルが指定されたときに、画像データファイルと収集対象情報記憶手段5およびオーナ情報記憶手段6を参照して個人情報管理サービスで管理されている個人情報から検索し、取得した個人関連情報を一時ファイルとしてファイル化し、画像データファイルに関連付けて記憶手段4に記録させる。なお、この関連付けは、記憶手段4における一時ファイルの格納場所を示す一時ファイルアドレス情報を、画像データファイルのメタ情報格納領域に記録することにより行うことが可能である。
【0044】
図2は、本実施形態1に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。同図において、情報処理装置は、入力部21、記録指示部22、収集対象情報記憶部23、個人関連情報取得判定部24、情報抽出部25、ユーザ特定部26、メタ情報追加部27、情報管理部28、収集対象関連情報取得部30(30、…、30)からなっている。
また、各収集対象関連情報取得部30は、関連情報記憶部31、関連情報取得部32、参照情報生成部33を含んでいる。
【0045】
情報管理部28には、撮影手段3で撮影して取得した画像データを画像データ生成手段2でファイル化した画像データファイルや、他の手段で取得しファイル化された音声データファイルや動画像データファイルが蓄積される。
入力部21は、情報管理部28に記憶されているメディアデータファイルのリストを表示手段9に表示させて、ユーザに入力手段8を用いて指定させる。
【0046】
記録指示部22は、収集対象情報記憶部23に記憶された中から、入力部21で指定された画像データファイルに付加するための個人関連情報を取得するために、個人情報管理サービスを指定する。
収集対象情報記憶部23(上記の収集対象情報記憶手段5により実現する)は、画像データファイルに記憶する個人関連情報の取得先で、PIM情報(個人情報)を管理するデータベースやこの個人関連情報を管理する手段(個人情報管理サービス)を特定するための情報を記憶する。ここで、個人関連情報とは、例えば、個人のスケジュール管理、連絡先情報DB、仕事情報やメール情報等から取得できる情報である。このような収集対象である個人情報管理サービスを特定する収集対象情報を保持するようにしたので、精度良く簡便に個人関連情報を収集することができる。
【0047】
収集対象情報記憶部23には、これらの手段(個人情報管理サービス)に対応した文字列(キーワード)を、例えば、図3のように、予め記憶させておく。図3(A)において、「Schedule」はスケジュール管理から、「アドレス」は連絡先情報DBから、「メール」は電子メールから、個人関連情報を取得し、「GPS」は指定された場所情報に対するマップなどの情報を取得することを意味している。
【0048】
また、図3(B)のように、個人情報管理サービスを複数の情報カテゴリに分類しておき、このカテゴリを指定するようにしてもよい。例えば、図4に例示したように、表示手段9に情報カテゴリ毎のタブ40で表示し、十字キー42によっていずれかのタブを選択し、決定ボタン41を押下する。例えば、情報カテゴリ1を選択すると、「Schedule」と「アドレス」が選択されたことになる。
【0049】
記録指示部22では、収集対象情報記憶部23に記憶された個人情報管理サービスを表示手段9に表示させ、この中から個人情報管理サービスをユーザに選択させる。
あるいは、収集対象情報記憶部23に記憶された個人情報管理サービスをすべて自動的に選択するようにしてもよい。
このように、個人情報管理サービスを任意に選択することができるので、個人情報へのアクセスが可能となる。
【0050】
記録指示部22は、選択された個人情報管理サービスを示す文字列(キーワード)を所定の記述ルール(例えば、キーワードリストの前に接頭語として処理実行キーワード「Ctxt>」を入れる。この接頭語は他の目的には使用しない文字列とする。)にしたがって文字列を生成し、この生成された文字列を、入力部21で指定された画像データファイルのメタ情報格納領域に挿入して更新する。
【0051】
例えば、キーワードが「Schedule」および「アドレス」の場合には、「Ctxt>Schedule」および「Ctxt>アドレス」の文字列、あるいは、2つをまとめて「Ctxt>Schedule アドレス」のような文字列を生成する。
画像データファイルがExifフォーマットに対応していれば、図5に例示したように、画像データファイルのメタ情報格納領域に関連ファイル名(フルパス名などでも可)をテキスト情報として所定の領域に記述することにより関連付けを行ってもよい。
【0052】
例えば、ユーザコメントタグ50は、ユーザが自由にテキストを記入可能であるから、この領域を利用することができる。また、JPEG形式でもあるため、Exifが利用していない他のアプリケーションマーカ領域に独自に記入領域を設定することも可能である。このときは画像検索等の画像操作には、このメタ情報を操作するためのインターフェースを用意したサービスを介することによって、他のサービスはこれらのメタ情報を利用することが可能になる。
【0053】
また、個人関連情報を誰の個人情報(PIM情報)から取得するのかを指定しなければならない。一般に、ユーザが個人で使う場合には、初期設定時に、当該装置を使用するオーナ情報をオーナ情報記憶手段6に設定保存しておく。また、当該装置を複数人のユーザが使用する場合には、オーナ情報記憶手段6に複数人のオーナ情報を記憶させておく。このオーナ情報は、個人情報管理サービスがユーザを識別可能な情報(例えば、ユーザID、メールアドレス等)であればよい。
しかし、当該装置を1人で使うときには、機器固有の番号や記号(機器識別情報)、例えば、PDAなどの情報機器ではシリアルナンバー、携帯電話では電話番号等であってもよい。
【0054】
記録指示部22では、ユーザ特定部26を起動して、個人関連情報を得るユーザのオーナ情報を取得する。ユーザ特定部26では、オーナ情報記憶手段6に記憶されたオーナ情報を表示手段9に表示し、ユーザに選択されたオーナ情報を戻す。
しかし、当該装置を1人のユーザが使用するときには、ネットワーク10上に機器識別情報とユーザとを対応付けたオーナ情報を管理保管するDB(データベース)11を設置して、このDB11を参照することによりオーナ情報を得る。
【0055】
記録指示部22は、関連情報取得判定部24を起動して、入力部21で指定された画像データファイルの画像データファイルアドレス情報とオーナ情報とを送る。
関連情報取得判定部24では、入力部21で指定された画像データファイルのメタ情報格納領域内のキーワードの有無を確認する。
メタ情報格納領域内に所定の記述ルールで書かれたキーワード、例えば、接頭語「Ctxt>」をもつキーワードがあるかを解析する。
このような記述ルールで書かれたキーワードが存在しなければ、この画像データファイルの個人関連情報を抽出することは行わない。
【0056】
しかし、所定の記述ルールで書かれたキーワードが存在すれば、メタ情報格納領域からキーワードのみを抽出する。例えば、「Ctxt>Schedule アドレス」のように2つのキーワードがあれば、「Schedule」と「アドレス」とを抽出する。
関連情報取得判定部24は、抽出したキーワードを情報抽出部25へ送る。
【0057】
情報抽出部25は、関連情報取得判定部24から渡された1つ一つのキーワードに対して、入力部21で指定された画像データファイルの個人関連情報を取得して、一時ファイルとしてファイル化して記憶手段4へ累積記憶する。
情報抽出部25は、1つのキーワードについて個人関連情報を抽出するときには、オーナ情報、画像データファイルアドレス、および画像データファイルに記憶されている検索キー情報とを渡して、キーワードに対する収集対象関連情報取得部30を起動させる。
ここで、検索キー情報とは、画像データファイルのメタ情報格納領域に記憶されている撮影日時情報や撮影場所情報をいう。
【0058】
収集対象関連情報取得部30は、この実施形態1では情報処理装置内に存在するものとして説明するが、スケジュール管理や連絡先情報DB、仕事情報やメール情報などの個人関連情報をネットワーク10上のシステムで管理運用する場合には、その運用しているシステム上にあるものとしてもよい。もちろん、これらの個人関連情報が当該装置内やネットワーク10上のシステムとに混在するものとしてもよい。
【0059】
収集対象関連情報取得部30が起動されると、収集対象関連情報取得部30内の関連情報取得部32を起動する。
関連情報取得部32は、収集対象関連情報取得部30内の関連情報記憶部31を参照して、オーナ情報で特定されたユーザの個人情報に対して、検索キー情報に合致する個人情報を検索し、検索キー情報の合致した個人情報の所定の項目に対応する個人情報を抽出し、個人関連情報を取得する。
次に、収集対象関連情報取得部30は、収集対象関連情報取得部30内の参照情報生成部33を起動する。
参照情報生成部33では、検索キー情報に合致したデータと情報抽出部25から渡された画像データファイルアドレスとをリンクするように、収集対象関連情報取得部30内の関連情報記憶部31に記録する。
収集対象関連情報取得部30では、取得した個人関連情報を情報抽出部25へ戻す。
【0060】
メタ情報追加部27は、情報抽出部25によって起動され、抽出し終わった個人関連情報を一時ファイルから読み出して、個人関連情報の全部あるいは一部を、情報管理部28に記憶された画像データファイルのメタ情報格納領域を更新する。このメタ情報格納領域は、Exifでは利用していない領域(例えば、Exifでは使用していないJPEG形式で定義されている別領域のヘッダ領域)であり、且つ他のアプリケーションの利用していない独自の領域を設定することも可能である。この場合、画像検索等の画像操作には、このメタ情報格納領域を操作するためのインターフェースを用意したサービスを介することによって、他のサービスはこれらメタ情報を利用することが可能になる。
【0061】
あるいは、抽出し終わった個人関連情報(例えば、「件名」、「場所」、「仕事情報」等)を一時ファイルから読み出して、個人関連情報の全部あるいは一部を、所定のフォーマット(例えばxml形式)のテキストファイルを生成して、記録されている画像データファイルのファイル名から一定のルールで生成されるファイル名(ファイル名が同じで、拡張子を「.xml」とする等)で個人関連情報ファイルとして記憶手段4(もしくはネットワーク上の記憶装置の所定のフォルダ内)に記憶する。この個人関連情報ファイルのアドレスを示す個人関連情報ファイルアドレスを画像データファイルのメタ情報格納領域に記録させる。
このとき、抽出された個人関連情報を画像データファイルとは別に記憶するようになっているので、収集した情報がメタ情報格納領域の容量に制限されることなく有効に保存管理でき、画像データファイルが単独で配布されたりコピーされたりしてもプライバシーを侵すことがない。
【0062】
次に、収集対象情報記憶部23に、スケジュール管理PIMを表す「Schedule」というキーワードが記憶されている場合を例にして、情報抽出部25と収集対象関連情報取得部30の具体的な処理について説明する。
【0063】
情報抽出部25は、収集対象情報記憶部23を解析して、文字列「Schedule」に対応する当該装置で稼動するスケジュール管理PIM(収集対象関連情報取得部30)を起動し、画像データファイルアドレス情報と撮影日時情報とをパラメータとして収集対象関連情報部30に送る。
【0064】
スケジュール管理PIM(収集対象関連情報取得部30内の関連情報取得部32)では、管理されているスケジュール(収集対象関連情報取得部30内の関連情報記憶部31)を参照して、撮影日時情報が示す撮影日時を時間範囲に含む個人スケジュールを検索する。見つかった個人スケジュールの「開始時間」や「終了時間」、「スケジュールの件名」、「場所情報」や「仕事情報」等を個人関連情報として抽出する。
スケジュール管理PIM(収集対象関連情報取得部30)は、抽出された個人関連情報を情報抽出部25へ送る。
また、スケジュール管理PIM(収集対象関連情報取得部30内の参照情報生成部33)では、画像データファイルのアドレスを、撮影日時を時間範囲に含む個人スケジュールにリンクするように個人スケジュール管理PIMに登録する。
【0065】
例えば、図7に例示したように、個人スケジュール管理アプリケーション60のユーザが追加記入可能な項目61に、画像データファイルのファイル名(パス情報を含む参照情報)にリンクするように追加することにより、ユーザが意識することなく個人管理サービス利用時にスケジュールと関連付けされた画像データファイルの存在が認識でき、参照情報から個人情報管理サービスを介して参照利用することが可能になる。
【0066】
また、当該装置で、撮影日時情報の他にも例えば撮影場所情報を取得可能であり、個人管理サービス側でGPSによる場所情報を使った地図情報をサポートしているときには、情報抽出部25から送られた撮影場所情報もしくは撮影場所情報に対応する地図情報を使って、個人情報に記載されている場所情報と比較して、一致するもしくは同じ建物内である等のあらかじめ決められた判定基準に基づいて該当情報かどうかを判定してもよい。
【0067】
また、個人情報管理サービスがネットワーク上でサービスされているときには、個人情報管理サービス(例えば、スケジュール管理PIM等)とユーザを特定するオーナ情報(ユーザ名、ユーザID、メールアドレス等)も送ることによって、特定された個人の個人関連情報を取得するようにしてもよい。
【0068】
次に、図8のフローチャートを用いて、本実施形態1における処理手順を説明する。
ここでは、ユーザがメモ用に会議風景や出席者、提示されているドキュメントなどを撮影した画像データを記録するときを例にして説明する。
また、予め本発明が提供する機能を実行するためのエージェントアプリを当該装置内に起動させておく。あるいは、画像の撮影あるいは明示的に指定することによって、本発明を実行するための機能を起動するようにしてもよい。
【0069】
ユーザがメモ用に対象情報をキャプチャすると、装置内にて画像データが画像データファイルとして記憶手段4に記録される(ステップS100)。あるいは、既に撮影済みの画像であれば、以降で処理対象とする画像データファイルをユーザが指定する。
【0070】
次に、指定された画像データファイルから撮影した撮影日時情報や撮影場所情報を取り出し、予め記憶しておいた収集対象情報記憶部23からユーザによって指定された収集対象情報を、指定された画像データファイルのメタ情報格納領域に記録する(ステップS101)。ここで、当該機能が起動された時に、収集対象情報記憶部23の内容を作成するようにしてもよい。
【0071】
指定された画像データファイルのメタ情報格納領域に収集対象情報が記録されていなければ(ステップS102/NO)、処理を終了させる。
一方、収集対象情報が記録されていれば(ステップS102/YES)、当該装置を操作しているユーザのオーナ情報を取得し(ステップS103)、画像データファイルのメタ情報格納領域から撮影日時情報(検索キー情報)を取得し(ステップS104)、さらに、メタ情報格納領域の収集対象情報を解析して、個人関連情報の取得先である個人情報管理サービスのリストを個人情報管理サービスリストとして作成する(ステップS105)。
【0072】
上記収集対象情報は、テキスト形式で対象の個人情報管理サービスをキーワード単位で記述しておき、これらのキーワード(「Schedule」や「メール」)を所定の記述ルールに従ってメタ情報格納領域に記録しておく。この記述ルールは、例えば、キーワードのリストの接頭語として処理実行キーワード「Ctxt>」を追加するものであり、この接頭語によりキーワードのリストで示される個人情報管理サービスから個人関連情報の取得の実行を指示するようになっている。
また、個人関連情報の取得先の個人情報管理サービスのリストは、メタ情報格納領域に記録されているキーワードのリストから、キーワードに対応する個人情報管理サービスを特定してリスト化したものである。
【0073】
次に、作成した収集対象の個人情報管理サービスのリスト中の未処理の個人情報管理サービスを1つ取り出して、この個人情報管理サービスの参照と管理するデータベースへアクセスを実行し(ステップS106/YES)、この個人情報管理サービスに、撮影画像の撮影日時情報を時間範囲に含む個人情報がなければ(S107/NO)、当該個人情報管理サービスを処理済としてステップS106へ戻る。
一方、撮影画像の撮影日時情報を時間範囲に含む個人情報があれば(S107/YES)、その個人情報から開始時間や終了時間、件名や場所情報等を取得して、一時ファイルとして記憶手段4へ累積して書き出す(ステップS108)。
【0074】
また、この個人情報の判定は、撮影日時情報の他にも、例えば装置が撮影場所情報を取得可能なときに、撮影場所情報もしくは撮影場所情報に対応する地図情報(装置内で参照可能であってもよいし、ネットワーク上のサービスを介して地図情報を参照してもよい)を使って個人情報に記載されている場所情報と比較し、一致するもしくは同じ建物内である等の予め決められた判定基準に基づいて該当情報かどうかを判定してもよい。
【0075】
次に、個人関連情報の収集対象の個人情報管理サービスにおいて、撮影画像の撮影日時情報を時間範囲に含んでいた個人情報と指定された画像データファイルとを関連付け(ステップS109)、当該個人情報管理サービスを処理済みとしてステップS106へ戻る。
【0076】
個人関連情報の取得先対象の個人情報管理サービスのリスト中の未処理の個人情報管理サービスがなければ(ステップS106/NO)、一時的に書き出された取得した個人関連情報を重複するものを唯一化して整理し、指定された画像データファイルのメタ情報格納領域へ記録する(ステップS110)。
または、取得した個人関連情報(「件名」や「場所」、「仕事情報」など)を重複するものを唯一化して整理し、所定のフォーマット(例えばxml形式)のテキストファイルを生成して、指定された画像データファイルのファイル名から一定のルールで生成されるファイル名で個人関連情報ファイルとして保存し、画像データのメタ情報格納領域にこのファイル名を記録するようにしてもよい。
【0077】
以上のような構成により、画像をはじめとする実世界の情報を電子的に記録する際に関連する個人関連情報の取得先となる収集対象情報をリストアップ(個人情報管理サービスリスト)しておき、この情報を参照して個人関連情報を取得し、取得した個人関連情報または個人関連情報ファイルの格納場所を示す個人関連情報ファイルアドレス情報を画像データファイルのメタ情報格納領域に埋め込むことにより、個人情報管理サービスからの取得画像の呼び出しや個人情報を用いた画像検索などの画像データの再利用の促進を促すことができる。
【0078】
<実施形態1の変形例>
次に、実施形態1の変形例について説明する。この変形例は、実施形態1のオーナ情報記憶部6に記憶されるオーナ情報が異なる場合であり、情報処理装置の全体構成および機能の構成は実施形態1と相違しないため、情報処理装置の全体構成示す図面として図1を用い、情報処理装置の機能構成を示す図面としては図2を用いて説明する。
以下の説明では、実施形態1と同じ機能動作については省略し、相違する点について説明するが、記録指示部22、関連情報取得判定部24、情報抽出部25、ユーザ特定部26、収集対象関連情報取得部30、関連情報記憶部31、関連情報取得部32、参照情報生成部33のそれぞれを、記録指示部22’、関連情報取得判定部24’、情報抽出部25’、ユーザ特定部26’、収集対象情報取得部30’、関連情報記憶部31’、関連情報取得部32’、参照情報生成部33’にかえて説明し、また、オーナ情報を記憶するオーナ情報記憶手段6をオーナ情報記憶手段6’にかえて説明する。
【0079】
本変形例におけるオーナ情報は、図9に例示するように、オーナ名80ごとに、3つ組み(キーワード81、取得サービス82、参照パス83)のリストを対応させてオーナ情報記憶手段6’に記憶されている。
オーナ名80は、本情報処理装置を使用するユーザを示すオーナ名である。
キーワード81は、ユーザが収集対象を指定する際のキーワードであり、このキーワードは収集対象情報記憶部23に記憶されているキーワードである。
取得サービス82は、キーワード81に対応し、個人関連情報を取得するための個人情報管理サービス名(モジュール名)である。
参照パス83は、キーワード81に対応し、情報抽出部25’にて起動させる収集対象関連情報取得部30’のファイル名(パス名であってもよい)、あるいは、個人情報管理サービスがユーザごとに管理している個人情報にアクセスするために必要となるデータベースのアドレスである。
【0080】
次に、このオーナ情報の登録方法について説明する。
まず、サービス開始のためのユーザ登録について説明する(初期設定)。
本情報処理装置を使用するユーザは、予め自分の使用する個人情報管理サービスに関する情報を登録する。例えば、図10に例示するような、表示手段9に表示される登録用画面84(=登録用のデータを生成するアプリケーションソフトもしくは登録用のデータを格納するデータベースへのデータ追加用インターフェースの画面)を用い、使用する個人情報管理サービス85と、個人情報管理サービスがユーザごとに管理している個人情報にアクセスするために必要となるデータベースのアドレスを示すデータベースアドレス情報86(参照するためのパス情報など)を、入力手段8を用いて設定する。
【0081】
なお、本発明が対象とする個人情報管理サービスとしては、個人情報管理サービスが管理する個人情報へのアクセスのためのインターフェースが公開されているか、もしくは個人情報へ直接アクセスが可能な手法が公開されているものである。本変形例において説明される個人情報管理サービスは、予め上記取得方法を実装していることにより、所望の該当個人情報を自動に取得することを可能にしている。
【0082】
設定したユーザ情報は、例えば図9に示すような二次元マトリックス上のデータとして、ユーザが収集対象を指定する際のキーワード81(収集対象情報記憶部に格納されるキーワードに対応)と、キーワードに対応する個人情報管理サービスを介して個人関連情報を取得する各サービス(収集対象関連情報取得部30’)の名前(=ソフトウエアモジュール名)82、個人情報管理サービスがユーザごとに管理している個人情報にアクセスするために必要となるデータベースのアドレスを示すデータベースアドレス情報83を各ユーザ(オーナ)ごとにオーナ情報のデータベースとして生成し、オーナ情報記憶部6’に記憶保持しておく。
【0083】
次に、記録指示部22’では、ユーザ特定部26’を起動して、取得した情報の関連情報を得るユーザのオーナ情報を取得する。
ユーザ特定部26’では、オーナ情報記憶手段6’に記憶されたオーナ情報を表示手段9に表示し、ユーザに選択されたオーナ名と、該オーナ名に対応付けられたキーワードと、キーワードに対応付けられた収集対象関連情報取得判定部30’の名前またはパスを示す取得モジュール情報と、該キーワードに対応付けられた個人情報管理サービス内のデータベースへのパスを示すデータベースアドレス情報とをオーナ情報として記録指示部22’に戻す。
【0084】
続いて、記録指示部22’は、取得したオーナ情報から任意の個人情報管理サービスをユーザに指定させ、指定された個人情報管理サービスに対応するキーワードを画像データファイルのメタ情報格納領域に記憶する。
なお、キーワードの画像データファイルへの記憶は、画像データ取得時にユーザに個人情報管理サービスを指定させ、画像データファイルのメタ情報格納領域に記憶しておいてもよい。また、予め本情報処理装置で画像データ等を取得する際に、特定の個人情報管理サービスに対するキーワードを画像データファイルのメタ情報格納領域に記憶させるように設定しておいてもよい。
【0085】
さらに、記録指示部22’は、関連情報取得判定部24’を起動して、入力部21で指定された画像データファイルのアドレスと、ユーザ特定部26’から受信したオーナ情報とを関連情報取得判定部24’に送る。
【0086】
関連情報取得判定部24’では、記録指示部22’から受信した画像データファイルのアドレスに基づいて画像データファイルにアクセスし、画像データファイルのメタ情報格納領域にキーワードがあるかを確認する。
メタ情報格納領域に所定の記述ルールで書かれたキーワード、例えば、接頭語「Ctext>」を持つキーワードがあるかを解析する。このような記述ルールで書かれたキーワードが存在しなければ、この画像データファイルの個人関連情報を抽出することは行わない。このような記述ルールで書かれたキーワードが存在すれば、画像データファイルのメタ情報格納領域からキーワードのみを抽出する。
【0087】
続いて、関連情報取得判定部24’は、画像データファイルのメタ情報格納領域から抽出したキーワードと、記録指示部22’から取得したオーナ情報に含まれるキーワードとを照合して、合致したキーワードに対応するオーナ情報に基づいて、画像データファイルの名前と検索キー情報と取得モジュール情報とデータベースアドレス情報とを対応付けてリスト化して個人情報管理サービスリスト(図11)を作成し、情報抽出部25’に送る。本変形例においては、個人情報管理サービスリストを情報抽出部25’に送るとして説明するが、個人情報管理サービスリストの格納されている場所を示すアドレス情報を情報抽出部25’に送ってもよい。
【0088】
情報抽出部25’は、関連情報取得判定部24’から渡された個人情報管理サービスリストに含まれるキーワードの1つ1つに対して、以下の処理を行っていく。
【0089】
(1)関連情報取得判定部24’から渡されたキーワードと、記録指示部22’から渡されたオーナ情報に含まれるキーワードとを対比し、マッチするキーワードがあれば、キーワードに対応付けられている取得モジュール情報とデータベースアドレス情報を抽出する。
(2)取得モジュール情報に基づいてキーワードに対応する収集対象関連情報取得部30’を起動させ、収集対象関連情報取得部30’に画像データファイル名もしくはファイルアドレス、および画像データファイルに記憶されている検索キー情報とを渡す。
(3)収集対象関連情報取得部30’は、情報抽出部25’によって起動されると、収集対象関連情報取得部30’内の関連情報取得部32’を起動し、情報抽出部25’から受信したデータベースアドレスに基づいて収集対象関連情報取得部30’内の関連情報記憶部31を参照し、検索キー情報に合致するデータを検索し、検索キー情報の合致したデータの中から個人関連情報を取得する。
【0090】
次に、図12のフローチャートを用いて、本変形例における処理手順を説明する。
ユーザが収集対象を指定する際のキーワード81(収集対象情報記憶部23に格納されるキーワードに対応)と、キーワードに対応する個人情報管理サービスを介して個人関連情報を取得する各サービス(収集対象関連情報取得部30’)の名前(=ソフトウエアモジュール名)82、個人情報管理サービスがユーザごとに管理している個人情報にアクセスするために必要となるデータベースのアドレスを示すデータベースアドレス情報83を各ユーザ(オーナ)ごとにオーナ情報のデータベースとして生成し、オーナ情報記憶部6’に記憶する初期設定を行う(ステップS201)。
【0091】
ユーザがメモ用に対象情報(画像データなど)をキャプチャすると、装置内にて画像データをファイル化して画像データファイルとして記憶手段4に一時的に記録する(ステップS202)。あるいは、既に撮影済みの画像であれば、以降で処理対象とする画像データファイルをユーザが指定する(情報管理部28および入力部21の機能)。
【0092】
次に、予め記憶しておいたオーナ情報からユーザに指定された収集対象情報(キーワード)を、指定された画像データファイルのメタ情報格納領域に記録する(記録指示部22’の機能)(ステップS203)。
次に、関連情報取得判定部24’において、指定された画像データファイルのメタ情報格納領域に収集対象情報(キーワード)が格納されているかを確認し(ステップS204)、収集対象情報が記録されていなければ(ステップS204/NO)、処理を終了させる。
【0093】
一方、収集対象情報が記録されていれば(ステップS204/YES)、記録指示部22’を介してユーザ特定部26’の情報を参照して、当該装置を操作しているユーザのオーナ情報を取得し(ステップS205)、画像データファイルのメタ情報格納領域から撮影日時情報(必要であれば撮影場所情報)を検索キー情報として取得し(ステップS206)、さらに、メタ情報格納領域から取得したキーワードと取得したオーナ情報とを照合して、合致したキーワードに対応するオーナ情報に基づいて、画像データファイルの名前と検索キー情報と取得モジュール情報とデータベースアドレス情報とを対応付けてリスト化して個人情報管理サービスリストを作成する(ステップS207)。
【0094】
上記収集対象情報は、テキスト形式で対象の個人管理サービスをキーワード単位で記述しておき、これらのキーワード(「Schedule」や「メール」)を所定の記述ルールに従ってメタ情報領域に記録しておく。この記述ルールは、例えば、キーワードのリストの接頭語として処理実行キーワード「Ctxt>」を追加するものであり、この接頭語によりキーワードリストで示される個人管理サービスの実行を指示するようになっている。
【0095】
次に、情報抽出部25’にて、作成した収集対象の個人情報管理サービスのリスト中の未処理のリスト項目を1つ取り出して、対応する取得サービスモジュール(ソフトウエア:収集対象関連情報取得部30’)を起動させ(ステップS208)、対応するデータベースアドレス情報を上記リスト項目から取得(ステップS209)、さらに上記リスト項目から収集対象関連情報取得部30’内の関連情報記憶部31により対応する検索キー情報である撮影画像の撮影日時情報を取得し、収集対象関連情報取得部30’内の関連情報取得部32により上記検索キー情報を時間範囲に含む個人情報の有無を判定し(ステップS210)、個人情報がなければ(ステップS210/NO)、当該個人情報管理サービスを処理済としてステップS212へ移行する。
【0096】
一方、撮影画像の撮影日時情報を時間範囲に含む個人情報があれば(ステップS210/YES)、収集対象関連情報取得部30’内の参照情報生成部33’にてその個人情報から開始時間や終了時間、件名や場所情報等の項目関連情報を取得して、図13に例示したようなデータ(画像データファイル名と取得した個人情報等)を一時ファイルとして記憶手段4へ累積して書き出す(ステップS211)。
また、この個人情報の判定は、撮影日時情報の他にも、例えば装置が撮影場所情報を取得可能なときに、撮影場所情報もしくは撮影場所情報に対応する地図情報(装置内で参照可能であってもよいし、ネットワーク上のサービスを介して地図情報を参照してもよい)を使って個人情報に記載されている場所情報と比較し、一致するもしくは同じ建物内である等の予め決められた判定基準に基づいて該当情報かどうかを判定してもよい。
【0097】
そして、情報抽出部25’にて収集対象関連情報取得部30’にて処理終了の通知を受けると、個人情報管理サービスリストの次項目のチェックを行い(ステップS212)、未処理の項目があれば(ステップS212/YES)、ステップS208に戻り、未処理の項目に対応する個人情報管理サービスに対してステップS208からステップS212の処理を行い、結果を上記データへ追加記入していく。
【0098】
他方、個人管理サービスリスト中の未処理の項目がなければ(ステップS212/NO)、メタ情報追加部27にて一時的に書き出された取得した関連情報を重複するものを唯一化して整理し、上記参照結果のデータ(図13)で指定された画像データファイルのメタ情報格納領域へ記録する(ステップS213)。
または、取得した個人関連情報(「件名」や「場所」、「仕事情報」など)を重複するものを唯一化して整理し、所定のフォーマット(例えばxml形式)のテキストファイルを生成して、指定された画像データファイルのファイル名から一定のルールで生成されるファイル名で個人関連情報ファイルとして保存し、画像データのメタ情報格納領域にこのファイル名を記録するようにしてもよい。
【0099】
さらに、例えば、図14に示すように、個人情報管理サービスがさらにハイパーリンクによるデータへのアクセス機能を有している場合(あるいはその手法が公開されている場合)には、収集対象関連情報取得部30’にて、収集対象関連情報取得部30’内の関連情報取得部32’が検索キー情報に適合する個人情報を取得した際に(ステップS210/YES)、収集対象関連情報取得部30’内の参照情報生成部33’にてその個人情報から開始時間や終了時間、件名や場所情報等の項目関連情報を取得して、図13に例示したようなデータを一時ファイルとして記憶手段4へ累積して書き出し(ステップS211)、対象画像データの最終保存先の参照情報を、情報抽出部25’を介して情報管理部28から取得して、その該当個人情報に個人情報管理サービスが認識可能なリンク情報として追加記入することにより個人情報と指定された画像データファイルとを関連付ける(ステップS214)、というような処理とすることも可能である。
【0100】
以上のような構成により、画像をはじめとする実世界の情報を電子的に記録する際に関連する個人情報を収集する対象情報をリストアップしておき、この情報を参照して個人関連情報を取得し、記録情報へ関連メタ情報として関連付けもしくは埋め込むことにより、個人情報管理サービスからの取得画像の呼び出しや個人情報管理サービスを用いた画像検索などの画像データの再利用の促進を促すことができる。
【0101】
<実施形態2>
本実施形態2は、画像や音声情報を取得する装置に個人情報を管理する機能がない場合、取得した画像や音声情報とこの情報に関連した情報をその取得した装置以外の装置に記録するものである。
【0102】
図15は、実施形態2に係る情報記録システムの概略構成図である。同図において、情報記録システムは、ユーザが所持あるいは操作する情報処理装置91、情報処理装置91から転送された情報を格納する情報処理装置90、ユーザの個人情報を記憶管理しているデータ管理サーバ92、およびこれらの各装置を接続するネットワーク93とから構成されている。
【0103】
情報処理装置91は、実施形態1と同様に、例えば、画像記録装置(カメラ、ビデオカメラ等)、音声記録装置(ICレコーダ等)、携帯電話機、音声や画像を取得できるPDAである。以下では、カメラを用いて説明する。
情報処理装置90は、ユーザ個人や小グループで所持するPC(パーソナルコンピュータ)、データ共有のためのサーバコンピュータであり、ネットワーク93を介して接続された情報処理装置91から画像データファイルを受信して格納する。このときに、データ管理サーバ92に記録されている個人情報を個人関連情報として取得して記録する。
【0104】
データ管理サーバ92は、ユーザの個人関連情報を管理するサーバコンピュータであり、個人情報を管理するサーバと、個人情報を格納する個人情報データベース(DB)とからなっている。情報処理装置91から情報処理装置90に送信される収集対象情報と、そのユーザを特定するオーナ情報(ユーザIDやメールアドレス等)、および、個人関連情報を取得するための検索キー情報とにより、個人関連情報を抽出して、要求元へ返信する。
ネットワーク93は、上記の各装置を接続するためのLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)やインターネットなどである。
【0105】
図16は、本実施形態2に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。同図において、情報処理装置91は、入力部21、記録指示部22、収集対象情報記憶部23、ユーザ特定部26、記録データ転送部71を含んでいる。
また、情報処理装置90は、記録データ受信部72、関連情報取得判定部24、情報抽出部25、メタ情報追加部27、情報管理部28、収集対象関連情報取得部30(301、…、30n)からなっている。また、収集対象関連情報取得部30は、関連情報記憶部31、関連情報取得部32、参照情報生成部33を含んでいる。
図16において、図2と同様な機能については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0106】
ユーザは、通信機能付デジタルカメラなどの情報処理装置91内に個人情報を扱う機能がない場合、ユーザが通常個人情報を管理する情報処理装置90(PCまたはサーバ)に、予め本発明が提供する機能を実行するためのエージェントアプリを起動させておく。
情報処理装置91の記録指示部22では、入力部21で指定された画像データファイルに付加するための個人関連情報を取得するために個人関連情報の取得先となる個人情報管理サービスを入力部21により選択し、選択された個人情報管理サービスを示す文字列(キーワード)を所定の記述ルールにしたがって生成し、生成されたキーワードを入力部21で指定された画像データファイルのメタ情報格納領域に追記して記憶手段4へ記録する。
次に、情報処理装置91の記録データ転送部71は、画像データファイルと、この装置の操作しているユーザのオーナ情報とをファイル転送機能(FTP機能)を利用して、指定された情報処理装置90へ転送する。
【0107】
情報処理装置90の記録データ受信部72では、情報処理装置91からファイル転送されてきた画像データファイルとオーナ情報とを一旦情報管理部28に記録する。このとき、画像データファイルの情報管理部28におけるアドレスを示す画像データファイルアドレス情報として画像データファイルのメタ情報格納領域に記録する。この情報管理部28に記録した情報に基づいて、データ管理サーバから個人関連情報を取得する。この取得方法および記録方法については実施形態1と同様である。
また、収集対象情報記憶部23を情報処理装置90に備えるようにして、記録データ受信部72で情報処理装置91から取得する画像データファイルを情報管理部28に記憶するときに、収集対象情報記憶部23に記憶された収集対象情報をメタ情報格納領域に記録するようにしてもよい。
【0108】
<実施形態2の変形例>
次に、実施形態2の変形例として、実施形態2における情報処理装置91が、図17に示すようなスキャナやMFPなどの複数ユーザが共用する情報処理装置100である場合について説明する。
図17に示す実施形態2の変形例では、情報処理装置100と、情報処理装置90とデータ管理サーバ92とはネットワーク93で接続されている。また、ユーザはRFIDタグ等の認証用のデバイス101を所有し、情報処理装置100にはデバイス101のRFID情報を読み取るリーダ装置102が設置されている。また、データ管理サーバ92は、RFID情報とオーナ情報を関連させて維持管理している。
【0109】
ユーザが原稿等をスキャンすると、一時的に情報処理装置100の記憶手段にスキャン画像データファイルが記録される。この後で、画像データファイルの転送先を指定する場合には、記録指示部22が起動される。
記録指示部22では、情報処理装置100に記憶された収集対象情報を表示させて、所望の収集対象の個人情報管理サービスを選択させる。
また、記録指示部22は、ユーザを特定するために、ユーザ特定部26を起動させる。
ユーザ特定部26は、リーダ装置102でデバイス101のRFID情報を読み取って、読み取ったRFID情報をデータ管理サーバ92に送って、対応するオーナ情報を取得する。
【0110】
記録指示部22では、一時的に記憶したスキャン画像データをファイル化した画像データファイルのメタ情報格納領域に収集対象情報を書き込み、書き込んだスキャン画像と、オーナ情報とを、ユーザに指定された情報処理装置90へネットワーク93を介して転送する。
以下、転送された情報を受け取った情報処理装置90の動作は、上記の実施形態2と同様である。
【0111】
上記では、ユーザを特定するためにRFIDタグを用いるようにしていたが、顔画像、虹彩、音声、指紋などの生体情報を使った認証手段を設けてユーザを特定するようにしてもよい。
【0112】
上記の実施形態1、実施形態2およびそれらの変形例のように、画像データファイルのメタ情報格納領域に、個人関連情報を書き込んだまま不特定の宛先へ配信してしまうと、個人として秘密にすべき情報が流出してプライバシーの侵害が起こってしまうことがある。
そこで、図18に例示したように、画像データファイルを配信するときには、配信指示部73を起動し、情報管理部28に記録されている画像データファイルから配信対象の画像データファイルをユーザに指示させる。
その後、メタ情報削除部74を起動し、メタ情報格納領域の中から他人に知られたくないような個人関連情報だけ、あるいは、すべての個人関連情報を削除する。
削除後、配信部75で指定された宛先へ個人関連情報を削除した画像データファイルを配信する。
このように、個人として秘密にすべき情報を知られたくないような用途で配布するような場合に、意図的に削除可能にすることにより、プライバシーに配慮することも可能になる。
【0113】
<その他の実施形態>
また、画像データファイルの画像データ処理結果から個人関連情報の一部を新たに生成することも可能である。
例えば、画像データに人物画像情報が含まれる際には顔認証を行って個人を判別し、該当する個人情報の検索対象に連絡先データを追加して、メールアドレスや所属等の個人関連情報を抽出することも可能である。
さらに、画像データに二次元バーコード等が含まれる際には、デコード処理によりバーコード内情報を復元してURLなどのドキュメントに関する情報が取得された場合には、個人関連情報にこれら情報も追加することも可能である。
【0114】
<プログラムおよび記録媒体による実施形態>
本発明は、上述した実施形態のみに限定されたものではない。上述した実施形態の情報処理装置および情報記録システムを構成する各機能をそれぞれプログラム化して、予め記録媒体に書き込んでおき、この記録媒体に記録されたこれらのプログラムをコンピュータに備えられたメモリあるいは記憶装置に格納し、そのプログラムを実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
また、上記プログラムは、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することによって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0115】
なお、上述した実施形態の機能を実現するプログラムは、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等のいずれの形態の記録媒体で提供されてもよい。あるいは、ネットワークを介して記憶装置に格納された上記プログラムをサーバコンピュータから直接供給を受けるようにしてもよい。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
このように、上述した実施形態の機能をプログラム化して流通させることによって、コストの低廉化、および可搬性や汎用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】実施形態1に係る情報処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】収集対象情報記憶部のデータ例である。
【図4】収集対象情報の指示例である。
【図5】収集対象情報を画像データのメタ情報格納領域として記憶したときの例である。
【図6】関連情報をメタ情報格納領域として記憶したときの例である。
【図7】スケジュール管理アプリケーションの該当項目とリンクした画像データファイルの表示例である。
【図8】実施形態1における処理手順を説明するフローチャートである。
【図9】実施形態1の変形例におけるオーナ情報の表示例である。
【図10】実施形態1の変形例におけるオーナ情報の登録用画面例である。
【図11】実施形態1の変形例における個人情報管理サービスリストの例である。
【図12】実施形態1の変形例における処理手順を説明するフローチャートである。
【図13】個人情報を検索した結果を一時ファイルに格納した例である。
【図14】実施形態1の変形例における他の処理手順を説明するフローチャートである。
【図15】実施形態2に係る情報処理システムの概略構成図である。
【図16】実施形態2に係る情報記録システムの機能構成を示すブロック図である。
【図17】複数ユーザが共用する情報記録システムの概略構成図である。
【図18】情報を配信するときの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0117】
1…制御手段、2…画像データ生成手段、3…撮影手段、4…記憶手段、5…収集対象情報記憶手段、6…オーナ情報記憶手段、7…通信手段、8…入力手段、9…表示手段、10…ネットワーク、11…データベース(DB)、21…入力部、22…記録指示部、23…収集対象情報記憶部、24…関連情報取得判定部、25…情報抽出部、26…ユーザ特定部、27…メタ情報追加部、28…情報管理部、30…収集対象関連情報取得部、31…関連情報記憶部、32…関連情報取得部、33…参照情報生成部、100…情報処理装置、101…デバイス、102…リーダ装置、40…情報カテゴリ付の収集対象情報タグ、41…決定ボタン、42…十字キー、43…情報カテゴリ1の収集対象情報タグ、44…情報カテゴリ2の収集対象情報タグ、50…ユーザコメントタグ、60…個人スケジュール管理PIM、61…ユーザが追加記入可能な項目、71…記録データ転送部、72…記録データ受信部、73…配信指示部、74…メタ情報削除部、75…配信部、90…情報処理装置(PC/サーバ等)、91…情報処理装置(PDA/カメラ等)、92…データ管理サーバ、93…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作指示により画像や音声情報を取得して、取得した情報から所定の電子データを生成する情報処理装置において、操作指示者を特定する情報を管理記憶するユーザ情報記憶手段と、前記操作者に関連する個人関連情報を管理記憶する個人関連情報記憶手段と、収集対象となる個人関連情報に関する所望の個人情報管理サービスを記述もしくは記憶する収集対象情報記憶手段と、前記収集対象情報記憶手段の個人情報管理サービスを解釈して、前記個人情報管理サービスに対応した前記個人関連情報記憶手段に記憶された前記操作指示者の個人関連情報内の所望のデータ(個人関連データ)を抽出する情報抽出手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、前記ユーザ情報記憶手段、前記個人関連情報記憶手段および前記収集対象情報記憶手段のうちいずれか、あるいは任意の組み合わせは、前記装置内もしくは前記装置から通信を介して認識可能な情報処理装置内に備えられていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置において、前記収集対象情報記憶手段には、個人関連情報を管理する個人情報管理サービスへの参照情報を含み、前記情報抽出手段は、前記装置で取得可能な情報を用いて取得対象データの判定を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載の情報処理装置において、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部と、前記電子データと関連付ける関連情報生成手段を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、前記関連情報生成手段は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部を関連記録情報データとして記憶し、前記記憶した関連記録情報データへの参照情報を、前記電子データのメタ情報に埋め込むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理装置において、前記関連情報生成手段は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部を、前記電子データのメタ情報に埋め込むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の情報処理装置において、収集情報に該当する個人関連情報を取得した際に、対象の個人関連情報を管理する情報管理手段に、前記電子データもしくは前記関連記録情報データを追加することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置において、前記電子データを配布する際に、前記メタ情報の一部ないしは全部を削除するメタ情報削除手段を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
操作指示により画像や音声情報を取得して、取得した情報から所定の電子データを生成する情報処理端末と、前記情報処理端末から転送された前記電子データを受信して格納する情報処理装置をネットワークで接続した情報記録システムにおいて、
前記情報処理端末は、操作指示者を特定する情報を管理記憶するユーザ情報記憶手段と、収集対象となる個人関連情報に関する所望の個人情報管理サービスを記述もしくは記憶する収集対象情報記憶手段と、前記操作指示者を特定する情報と前記電子データと前記個人情報管理サービスとを前記情報処理装置へ転送する転送手段とを備え、
前記情報処理装置は、前記操作者に関連する個人関連情報を管理記憶する個人関連情報記憶手段と、
前記情報処理端末から受信した個人情報管理サービスを解釈して、前記個人関連情報記憶手段に記憶された前記操作指示者の個人関連情報内の所望のデータ(個人関連データ)を取得する情報抽出手段とを備えることを特徴とする情報記録システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報記録システムにおいて、前記ユーザ情報記憶手段、前記個人関連情報記憶手段および前記収集対象情報記憶手段のうちいずれか、あるいは任意の組み合わせは、前記情報処理端末内もしくは前記情報処理端末から通信を介して認識可能な情報処理装置内に備えられていることを特徴とする情報記録システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載の情報記録システムにおいて、前記収集対象情報記憶手段には、個人関連情報を管理する個人情報管理サービスへの参照情報を含み、前記情報抽出手段は、前記装置で取得可能な情報を用いて取得対象データの判定を行うことを特徴とする情報記録システム。
【請求項12】
請求項9、10または11に記載の情報記録システムにおいて、前記情報処理装置は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部と、前記電子データと関連付ける関連情報生成手段を備えることを特徴とする情報記録システム。
【請求項13】
請求項12に記載の情報記録システムにおいて、前記関連情報生成手段は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部を関連記録情報データとして記憶し、前記記憶した関連記録情報データへの参照情報を、前記電子データのメタ情報に埋め込むことを特徴とする情報記録システム。
【請求項14】
請求項12に記載の情報記録システムにおいて、前記関連情報生成手段は、前記情報抽出手段で抽出した個人関連データの全部もしくは一部を、前記電子データのメタ情報に埋め込むことを特徴とする情報記録システム。
【請求項15】
請求項13または14に記載の情報記録システムにおいて、収集情報に該当する個人関連情報を取得した際に、対象の個人関連情報を管理する情報管理手段に、前記電子データもしくは前記関連記録情報データを追加表示することを特徴とする情報記録システム。
【請求項16】
請求項9乃至15のいずれかに記載の情報記録システムにおいて、前記情報処理装置は、前記電子データを配布する際に、前記メタ情報の一部ないしは全部を削除するメタ情報削除手段を備えることを特徴とする情報記録システム。
【請求項17】
操作指示により画像や音声情報を取得して、取得した情報から所定の電子データを生成して記録する情報記録方法において、操作指示者を特定する情報と、前記操作者に関連する個人関連情報を個人関連情報記憶手段に管理記憶し、収集対象となる個人関連情報に関する所望の個人情報管理サービスを収集対象情報記憶手段に記述もしくは記憶しておき、前記収集対象情報記憶手段の個人情報管理サービスを解釈して、前記個人関連情報記憶手段に記憶された前記操作指示者の個人関連情報内の所望のデータ(個人関連データ)を取得し、取得した個人関連データの全部もしくは一部と、前記電子データと関連付けることを特徴とする情報記録方法。
【請求項18】
請求項17に記載の情報記録方法において、収集情報に該当する個人関連情報を取得した際に、対象の個人関連情報を管理する情報管理手段に、前記電子データもしくは、前記抽出した個人関連データの全部もしくは一部を関連記録情報データとして記憶し、前記記憶した関連記録情報データへの参照情報を追加することを特徴とする情報記録方法。
【請求項19】
コンピュータを、請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置の各手段、または、請求項9乃至16のいずれかに記載の情報記録システムの各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、請求項19に記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−102765(P2007−102765A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238031(P2006−238031)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】