説明

情報処理装置、画像移動指示方法及びプログラム

【課題】 簡単な操作によって複数の画像から任意のものを選択するとともに、その移動先を指示することができる情報処理装置、画像移動指示方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】 表示画面に1又は複数のオブジェクト画像60を表示する画像表示手段と、ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡64を取得する軌跡取得手段と、前記軌跡取得手段により取得される軌跡64に基づいて、前記1又は複数のオブジェクト画像60のうち全部又は一部を選択する画像選択手段と、前記軌跡取得手段により取得される軌跡64の端点62eに応じた位置に、前記画像選択手段により選択されるオブジェクト画像60を移動させる画像移動手段と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、画像移動指示方法及びプログラムに関し、特に複数の画像のうち一部又は全部を任意に選択するとともに、選択した画像の移動先を指示するための新規なユーザインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの表示画面上に表示されたアイコン等の画像をマウス等のポインティングデバイスを用いて移動させる手法として、「ドラッグアンドドロップ」と呼ばれるものがある。この手法では、コンピュータの画面にカーソルを表示し、このカーソルをポインティングデバイスで移動させることができる。そして、ポインティングデバイスに設けられたボタンを押下してカーソルの表示位置にあるアイコンを指示し、ボタンを押下したままでカーソルを移動させ、ボタンの押下を解除することによって、その解除したときのカーソルの表示位置にアイコンを移動させることができる。この手法によれば、直感的な操作によってアイコンを移動させることができる。
【特許文献1】特開2003−84884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記「ドラッグアンドドロップ」は、複数のアイコンの表示位置を移動させるのには、必ずしも便利な手法とは言えない。すなわち、上記「ドラッグアンドドロップ」により複数のアイコンの表示位置を移動させようとすれば、まず、カーソルにより指示される矩形でアイコンを囲んだり、カーソルによってアイコンを1個ずつ指示することによって、移動対象となるアイコンを選ぶ必要があり操作が煩雑となる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な操作によって複数の画像から任意のものを選択するとともに、その移動先を指示することができる情報処理装置、画像移動指示方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示手段と、ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得手段と、前記軌跡取得手段により取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択手段と、前記軌跡取得手段により取得される軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させる画像移動手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る画像移動指示方法は、表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示ステップと、ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得ステップと、前記軌跡取得ステップで取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択ステップと、前記軌跡取得ステップで取得される軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択ステップで選択される画像を移動させる画像移動ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示手段、ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得手段、前記軌跡取得手段により取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択手段、及び前記軌跡取得手段により取得される軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させる画像移動手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
ここでコンピュータは、例えば家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話機等である。また、プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等のあらゆるコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてよい。
【0009】
本発明によれば、ユーザが表示画面上に有限の軌跡を指示することにより、その軌跡に基づいて画像が選択され、それら選択された画像が軌跡の端点に移動する。軌跡は、例えばユーザによる指示位置の複数の通過点によって特定されてよい。この場合、これら複数の通過点に基づいて画像が選択されてよい。本発明によれば、ユーザは簡単な操作によって複数の画像から任意のものを選択するとともに、その移動先を指示することができるようになる。
【0010】
なお、前記画像選択手段は、前記1又は複数の画像のうち、前記軌跡取得手段により取得される軌跡により囲まれるものを選択するようにしてもよい。また、前記画像移動手段は、前記軌跡取得手段により取得される軌跡の終点に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させるようにしてもよい。
【0011】
また、前記画像移動手段が、前記画像選択手段により選択される画像を所定基準に従って前記表示画面上で整列させる手段を含むようにしてもよい。こうすれば、画像の移動とともに画像の整列も行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る携帯用ゲーム機の外観を示す図である。同図に示す携帯用ゲーム機10は、上部筐体12と下部筐体14とを含んで構成される。上部筐体12と下部筐体14とはヒンジ部16を介して結合されている。携帯用ゲーム機10は、同図に示すような上部筐体12及び下部筐体14の表面をユーザが見ることができるプレイ状態と、上部筐体12の表面と下部筐体14の表面とが合わされた折り畳み状態と、をとるようになっている。携帯用ゲーム機10によれば、電池駆動によってユーザが場所を選ばずゲームをプレイできるようになっている。
【0014】
上部筐体12の表面には液晶表示パネル18が備えられている。また、上部筐体12にはスピーカが内蔵されている。一方、下部筐体14の表面には、タッチスクリーン20、十字キー22、ボタン24a,24b,24c,24dが備えられている。タッチスクリーン20は、公知の液晶表示パネル(図2の第1液晶表示パネル部40)の上に公知のタッチパネル(図2のタッチパネル部56)が重ねられて構成されている。また、下部筐体14の正面側側面には、ゲームカートリッジを脱着可能に構成されるカートリッジスロット26が設けられている。カートリッジスロット26は下部筐体14の背面側側面にも設けられている(図示せず)。なお、携帯用ゲーム機10には電源スイッチ等の図示しない他の部材も取り付けられている。
【0015】
図2は、携帯用ゲーム機10のハードウェア構成を示している。本実施形態に係る携帯用ゲーム機10は、公知のコンピュータゲームシステムであり、ROMを内蔵したゲームカートリッジ48がカートリッジインタフェース(カートリッジI/F)46に装着され、そのROMに格納されたゲームプログラムが携帯用ゲーム機10に読み込まれる。ここでは、ゲームプログラムを携帯用ゲーム機10に供給するためにゲームカートリッジ48を用いるが、CD−ROMやDVD等、他のあらゆるコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を用いることも可能である。また、インターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からゲームプログラムを携帯用ゲーム機10に供給することも可能であるし、赤外線通信等の各種データ通信を利用して据置型のゲーム機やパーソナルコンピュータ等からゲームプログラムを携帯用ゲーム機10に供給することも可能である。
【0016】
携帯用ゲーム機10は、バス32、マイクロプロセッサ34、主記憶36、画像処理部38、第1液晶表示パネル部40、第2液晶表示パネル部42、入出力処理部44、カートリッジI/F46、音声処理部50、スピーカ52、操作キー部54、タッチパネル部56を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。これらは電池とともに筐体内に収容されており、該電池により駆動され、携帯可能となっている。
【0017】
バス32はアドレス及びデータを携帯用ゲーム機10の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ34、主記憶36、画像処理部38及び入出力処理部44は、バス32によって相互データ通信可能に接続される。
【0018】
マイクロプロセッサ34は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムやゲームカートリッジ48から読み出されるゲームプログラムに基づいて、携帯用ゲーム機10の各部を制御する。主記憶36は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、ゲームカートリッジ48から読み出されたゲームプログラムが必要に応じて書き込まれる。主記憶36はマイクロプロセッサ34の作業用としても用いられる。
【0019】
第1液晶表示パネル部40及び第2液晶表示パネル部42は公知の液晶表示パネルにより構成される。第1液晶表示パネル部40は、下部筐体14に設けられたタッチスクリーン20の液晶表示パネルを含んで構成されている。また、第2液晶表示パネル部42は、上部筐体12の液晶表示パネル18を含んで構成されている。画像処理部38は、マイクロプロセッサ34により生成されたゲーム画像データを、所定のタイミングで第1液晶表示パネル部40又は/及び第2液晶表示パネル部42に表示出力させる。
【0020】
入出力処理部44は、マイクロプロセッサ34がカートリッジI/F46、音声処理部50、操作キー部54、タッチパネル部56にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部44には、カートリッジI/F46、音声処理部50、操作キー部54、タッチパネル部56が接続される。
【0021】
カートリッジI/F46は、ゲームカートリッジ48を収容するための開口を有しており、その奥部に信号入出力端子が設けられている。そして、ゲームカートリッジ48を該開口に押し込み、信号入出力端子とゲームカートリッジ48の端子(図示せず)とを相互に接続することにより、ゲームカートリッジ48との間で信号授受ができるようになっている。
【0022】
音声処理部50はサウンドバッファを含んで構成されており、ゲームカートリッジ48から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データをスピーカ52から出力する。
【0023】
操作キー部54はユーザがゲーム操作をするための入力手段であり、図1に示される十字キー22、ボタン24a,24b,24c,24d等を含んで構成される。入出力処理部44は一定周期ごと(例えば1/60秒ごと)に操作キー部54の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス32を介してマイクロプロセッサ34に渡す。マイクロプロセッサ34は、その操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。
【0024】
タッチパネル部56はユーザがゲーム操作入力を行うための入力手段である。タッチパネル部56は、所定時間毎に、ユーザの指やスタイラスなどによって押圧されているタッチスクリーン20上の位置を示す位置座標を取得し、マイクロプロセッサ34に供給する。
【0025】
また、上述のようにタッチパネル部56は第1液晶パネル部40に重ねて設けられており、例えば公知の抵抗膜方式(感圧方式)のタッチパネルによって構成される。すなわち、タッチパネル部56は、上部導電フィルム(抵抗膜)と下部導電フィルム(抵抗膜)とを含んで構成される。これらのフィルムの間には空間が形成されており、タッチパネル部56が押圧された場合にのみ、これらのフィルムが接触し、通電するようになっている。タッチパネル部56では、上部導電フィルムと下部導電フィルムとが接触することにより出力される電圧を検出し、その出力電圧に基づいて取得される押圧位置の位置座標を出力する。なお、ここでは、タッチパネル部56が抵抗膜方式のタッチパネルによって構成されることとして説明するが、タッチパネル部56は他の方式のタッチパネルによって構成されるようにしてもよい。本実施形態では、ユーザが直接又は間接にタッチパネル部56の任意の位置に触れて、そのまま接触した状態で接触位置を移動させ、その後にタッチパネル部56への接触を止める(手を離す)ことにより、有限の長さの軌跡を携帯用ゲーム機10に入力することができるようになっている。
【0026】
ここで、上記ハードウェア構成を有する携帯用ゲーム機10を用いて、簡単な操作によって複数の画像から任意のものを選択するとともに、その移動先を指示することができる情報処理装置を実現する方法について説明する。
【0027】
図3は、タッチスクリーン20に表示されるゲーム画面の一例を示しており、同図(a)は、ユーザによる画像移動指示が行われる前のゲーム画面を示しており、同図(b)は、ユーザによる画像移動指示の様子を示しており、同図(c)は、ユーザによる画像移動指示に応じて画像が移動した後のゲーム画面を示している。
【0028】
携帯用ゲーム機10では、ユーザがタッチスクリーン20の表面をスタイラス等で触れることによって、その接触位置が携帯用ゲーム機10に入力されるようになっている。同図(a)に示すように、タッチスクリーン20に表示されるゲーム画面には、オブジェクト画像60a〜60fが表されており、これらオブジェクト画像60a〜60fは、例えばゲームキャラクタを表すものである。このゲーム画面が表示された状態で、同図(b)に示すように、ユーザがスタイラス等をタッチスクリーン20の接触開始位置62sに接触させ、そのまま(タッチスクリーン20にスタイラス等を接触させたままで)オブジェクト画像60b〜60eの表示位置を囲むように接触位置を移動させ、接触終了位置62eでスタイラス等をタッチスクリーン20から離すことにより、接触開始位置62sから接触終了位置62eに至る有限の長さの軌跡64を携帯用ゲーム機10に入力することができる。上述したように、この軌跡64は、軌跡64上の複数の位置座標(位置座標列)として携帯用ゲーム機10に入力される。
【0029】
本携帯用ゲーム機10では、こうして入力される軌跡64により、オブジェクト画像60a〜60fのうち、軌跡64により囲まれるオブジェクト60b〜60eが移動対象として選出される。そして、これらユーザによって入力された指示位置の軌跡64により選出されたオブジェクト画像60b〜60eは、同図(c)に示すように、軌跡64の終端点である接触終了位置62eに向けて第1液晶表示パネル部40における表示位置を移動させる。このとき、オブジェクト画像60b〜60eは、接触終了位置62eに向けて移動しながら、接触終了位置62eの近くから遠くに向かって、所定基準に従った順序で並ぶようになっている。この所定基準は、例えばオブジェクト画像60の各種属性値(オブジェクト画像60がゲームキャラクタを示す場合、そのゲームキャラクタの各種属性値)の昇順又は降順であってよい。
【0030】
このように、本携帯用ゲーム機10では、スタイラス等でタッチスクリーン20に有限の長さの軌跡64を描き、移動対象となる1又は複数のオブジェクト画像60を該軌跡64で取り囲むことにより、軌跡64により取り囲まれたオブジェクト画像60を軌跡64の終端点である接触終了位置62eに向けて移動させることができ、しかも、その際にそれら選出されたオブジェクト画像60を所定順に整列させることができる。
【0031】
図4及び図5は、かかるユーザインターフェースを実現するために主記憶36で記憶・更新されるオブジェクトデータベースの構成例を示す図であり、図4は、オブジェクト画像60に対する移動指示前のオブジェクトデータベースの内容を示しており、図5は、オブジェクト画像60に対する移動指示後のオブジェクトデータベースの内容を示している。図4に示すように、オブジェクトデータベースは、タッチスクリーン20に表示されているオブジェクト画像60a〜60fを識別するオブジェクトIDと、該オブジェクト画像60がタッチスクリーン20において整列して表示されている場合にその直前に位置しているオブジェクト画像60のオブジェクトID(前オブジェクトID)、直後に位置しているオブジェクト画像60のオブジェクトID(後オブジェクトID)、各オブジェクト画像60のタッチスクリーン20における表示位置及び方向、各オブジェクト画像60の属性を対応づけて記憶しており、オブジェクト画像60に対する移動指示前には、前オブジェクトID及び後オブジェクトIDの欄には、該当するものが無いことを示す「NULL」が格納されている。
【0032】
そして、図3(b)に示すようにしてユーザからオブジェクト画像60の移動指示が行われると、ユーザによって選出されたオブジェクト画像60について、前オブジェクトID、後オブジェクトID、位置・方向の各欄が更新されるようになっている。具体的には、選出された各オブジェクト画像60の属性がオブジェクトデータベースから読み出され、その値によって選出されたオブジェクト画像60に対して順序づけが行われる。そして、各オブジェクト画像60に対応する前オブジェクトID欄には、当該順序づけに従うオブジェクト画像60の列において、そのオブジェクト画像60の直前に位置することとなるオブジェクト画像60のオブジェクトIDが格納される。また、後オブジェクトID欄には、直後に位置することとなるオブジェクト画像60のオブジェクトIDが格納される。また、順序付けの結果、先頭に位置することとなるオブジェクト画像60の前オブジェクトID欄、及び最後尾に位置することとなるオブジェクト画像60の後オブジェクトID欄には、それぞれ「NULL」が格納される。このとき、位置・方向欄には、移動後の各オブジェクト画像60の表示位置及び方向が格納される。
【0033】
図6は、本実施形態に係る携帯用ゲーム機10で実行されるオブジェクト画像移動処理を示すフロー図である。同図に示すオブジェクト画像移動処理は、ゲームカートリッジ48に格納されるプログラムをマイクロプロセッサ34が実行することにより実現される処理であり、まずタッチスクリーン20上の指示位置の軌跡64のデータを取得する(S101)。ここでは、軌跡64のデータは、図7に示すように、該軌跡64上の複数の位置座標70−1〜70−12を含んでいる。次に、携帯用ゲーム機10は、軌跡64によって囲まれているオブジェクト画像60を選出する(S102)。例えば、図7に示すように、タッチスクリーン20に表示されている各オブジェクト画像60のタッチスクリーン20における表示位置72を通り、予め定めた方向に延伸する複数の(例えば2つ)仮想的な直線74のすべてが、軌跡64と当該オブジェクト画像60の表示位置72を挟んで2つの交点を有するか否かを判断する。そして複数の仮想的な直線74のすべてが、そのような軌跡64との2つの交点を有していれば、そのオブジェクト画像60は軌跡64によって囲まれていると判断する。
【0034】
その後、軌跡64によって選出されたオブジェクト画像60の各属性をオブジェクトデータベースから読み出し、その昇順又は降順を求める。これにより、選出されたオブジェクト画像60の整列順を判断する(S103)。そして、移動後の各オブジェクト画像60の表示位置及び方向、各オブジェクト画像60に係る前オブジェクトID及び後オブジェクトIDをオブジェクトデータベースに書き込む(S104)。そして、その順で軌跡64の終端点である位置座標70−12に向かって整列するよう、選出された各オブジェクト画像60をタッチスクリーン20上で移動させ(S105)、処理を終了する。
【0035】
以上説明した携帯用ゲーム機10によれば、表示画面であるタッチスクリーン20に複数のオブジェクト画像60が表示され、ユーザによるタッチスクリーン20上の指示位置の有限の軌跡64が取得される。そして、取得される軌跡64に基づいて複数のオブジェクト画像60のうち全部又は一部が選択される。そして、取得される軌跡64の端点である接触終了位置62eに、選択されたオブジェクト画像60が移動する。このため、ユーザはスタイラス等でタッチスクリーン20に触れ、軌跡64を描き、スタイラス等をタッチスクリーン20から離すだけで、その軌跡64によって囲まれるオブジェクト画像60を軌跡64の終点である接触終了位置62eに向けて移動させることができる。このため、非常に簡単な操作によって複数の画像から任意のものを選択するとともに、その移動先を指示することができるようになる。このとき、オブジェクト画像60は、その属性に応じた順序で整列するので、ユーザの利便性を向上できる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0037】
例えば、上記実施形態では軌跡64の入力にタッチスクリーン20(タッチパネル部56)を用いたが、マウス等のポインティングデバイスを用いて有限の長さの軌跡64を入力するようにしてもよい。この場合、表示画面にカーソルを表示しておき、その軌跡のうちポインティングデバイスに備えられたボタンが押下されている間の部分を、有限の長さの軌跡64として用いればよい。また、本発明は携帯用ゲーム機10のみならず、他のあらゆるコンピュータに適用可能である。
【0038】
さらに、選択されたオブジェクト画像60は、接触終了位置62eに向けて直線的に移動してもよいし、他の経路によって移動してもよい。例えば、図8(a)に示すように、オブジェクト画像60b,60c,60dが、位置座標70−1〜70−6を通る軌跡64によって取り囲まれ、選択された場合には、オブジェクト画像60b,60c,60dをその属性値によって順序付けし、最も先頭のオブジェクト画像(ここではオブジェクト画像60bとする)を、接触開始位置である位置座標70−1に移動させ、そこから軌跡64に沿ってオブジェクト画像60bを接触終了位置である位置座標70−6まで移動させてもよい。他のオブジェクト画像60c,60dは、その属性値に従った順序でオブジェクト画像60bの後ろを追従して移動するようにすればよい。この場合、図8(b)に示すように、移動完了後は、属性値に応じた順序にて、軌跡64に沿って軌跡64の終端部にオブジェクト画像60b,60c,60dが整列することになる。
【0039】
また、軌跡64の始点から終点までオブジェクト画像60を移動させる代わりに、軌跡64の交点80を算出し、図9に示すように、オブジェクト画像60b,60c,60dが、位置座標70−1〜70−9を通る軌跡64によって取り囲まれ、選択された場合に、オブジェクト画像60b,60c,60dをその属性値によって順序付けし、最も先頭のオブジェクト画像(ここでもオブジェクト画像60bとする)を交点80に移動させ、そこから軌跡64に沿ってオブジェクト画像60bを接触終了位置である位置座標70−9まで移動させてもよい。この場合、オブジェクト画像60bを位置座標70―2に移動させ、そこから位置座標70−3、70−4、…、70−9へと移動させてもよいし、位置座標70−8、70−9と移動させてもよい。このときも、他のオブジェクト画像60c,60dは、その属性値に従った順序でオブジェクト画像60bの後ろを追従して移動するようにすればよい。また、移動完了後は、図8(b)のように、属性値に応じた順序にて、軌跡64に沿って軌跡64の終端部にオブジェクト画像60b,60c,60dが整列することになる。
【0040】
さらに、図8(b)のようにすべてのオブジェクト画像60b,60c,60dを、その移動完了後、軌跡64に沿って整列させる代わりに、軌跡64の屈曲に関わらず、直線上にオブジェクト画像60b,60c,60dを整列させてもよい。すなわち、図10(a)に示すように、オブジェクト画像60b,60c,60dが、位置座標70−1〜70−9を通る軌跡64によって取り囲まれ、選択された場合に、オブジェクト画像60b,60c,60dをその属性値によって順序付けするとともに、最も先頭のオブジェクト画像(ここでもオブジェクト画像60bとする)を軌跡64の始点や交点等に移動させ、そこから軌跡64に沿ってオブジェクト画像60bを接触終了位置である位置座標70−9まで移動させる。そして、他のオブジェクト画像60c,60dは、その属性値に従った順序でオブジェクト画像60bの後ろを追従して移動させる。そして、移動終了時に、先頭のオブジェクト画像60b以外のオブジェクト画像60、すなわち先頭のオブジェクト画像60bに追従するオブジェクト画像60c,60dについては、軌跡64から外れて、軌跡64を特定する位置座標列70−1〜70−9のうち最後に入力された位置座標である位置座標70−9とその直前に入力された位置座標である位置座標70−8とを結ぶ直線上に移動させる。こうすれば、図10(b)に示すように、接触終了位置である位置座標70−9とその直前に入力された位置座標である位置座標70−8とを結ぶ直線上に、属性値に応じた順序にてオブジェクト画像60b,60c,60dを整列させることができる。
【0041】
以上のように、オブジェクト画像60b,60c,60dを整列させる際、その少なくとも一部を軌跡64に沿わせるようにすることで、非常に簡単な操作で、複数の画像から任意のものを選択するとともに、その移動先を指示することができるようになるのみならず、その整列方向も指示することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯用ゲーム機の外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯用ゲーム機のハードウェア構成を示す図である。
【図3】ユーザによる軌跡入力の前後におけるゲーム画面の推移を示す図である。
【図4】オブジェクトデータベースの構成を示す図である。
【図5】オブジェクトデータベースの構成を示す図である。
【図6】オブジェクト画像移動処理を示すフロー図である。
【図7】ユーザにより入力される軌跡に囲まれているオブジェクト画像を判断する処理を説明する図である。
【図8】オブジェクト画像の移動経路のバリエーションを示す図である。
【図9】オブジェクト画像の移動経路のバリエーションを示す図である。
【図10】オブジェクト画像の移動経路のバリエーションを示す図である。
【符号の説明】
【0043】
10 携帯用ゲーム機、12 上部筐体、14 下部筐体、16 ヒンジ部、18 液晶表示パネル、20 タッチスクリーン、22 十字キー、24 ボタン、26 カートリッジスロット、32 バス、34 マイクロプロセッサ、38 画像処理部、40 第1液晶表示パネル部、42 第2液晶表示パネル部、44 入出力処理部、46 カートリッジインタフェース、48 ゲームカートリッジ、50 音声処理部、52 スピーカ、54 操作キー部、56 タッチパネル部、60 オブジェクト画像、62s 接触開始位置、62e 接触終了位置、64 軌跡、70 位置座標、72 (オブジェクト画像の)表示位置、74 直線、80 交点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示手段と、
ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得手段と、
前記軌跡取得手段により取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択手段と、
前記軌跡取得手段により取得される軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させる画像移動手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記画像選択手段は、前記1又は複数の画像のうち、前記軌跡取得手段により取得される軌跡により囲まれるものを選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記画像移動手段は、前記軌跡取得手段により取得される軌跡の終点に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記画像移動手段は、前記画像選択手段により選択される画像を所定基準に従って前記表示画面上で整列させる手段を含む、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示ステップと、
ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得ステップと、
前記軌跡取得ステップで取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択ステップと、
前記軌跡取得ステップで取得される軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択ステップで選択される画像を移動させる画像移動ステップと、
を含むことを特徴とする画像移動指示方法。
【請求項6】
表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示手段、
ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得手段、
前記軌跡取得手段により取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択手段、及び
前記軌跡取得手段により取得される軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させる画像移動手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示手段と、
ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得手段と、
前記軌跡取得手段により取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択手段と、
前記軌跡取得手段により取得される前記軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させる画像移動手段とを含み
前記画像移動手段は、前記画像選択手段により選択される画像を、前記端点を含む前記軌跡の一部に沿って整列させる、
とを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記画像選択手段は、前記1又は複数の画像のうち、前記軌跡取得手段により取得される軌跡により囲まれるものを選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記画像移動手段は、前記軌跡取得手段により取得される軌跡の終点に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示ステップと、
ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得ステップと、
前記軌跡取得ステップで取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択ステップと、
前記軌跡取得ステップで取得される前記軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択ステップで選択される画像を移動させる画像移動ステップとを含み
前記画像移動ステップは、前記画像選択ステップで選択される画像を、前記端点を含む前記軌跡の一部に沿って整列させるステップを含む、
とを特徴とする画像移動指示方法。
【請求項5】
表示画面に1又は複数の画像を表示する画像表示手段、
ユーザにより指示される前記表示画面上の位置の有限の軌跡を取得する軌跡取得手段、
前記軌跡取得手段により取得される軌跡に基づいて、前記1又は複数の画像のうち全部又は一部を選択する画像選択手段
記軌跡取得手段により取得される前記軌跡の端点に応じた位置に、前記画像選択手段により選択される画像を移動させる画像移動手段、
としてコンピュータを機能させ
前記画像移動手段は、前記画像選択手段により選択される画像を、前記端点を含む前記軌跡の一部に沿って整列させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−244353(P2006−244353A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−62289(P2005−62289)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】