説明

情報処理装置、GUIプログラム及び記録媒体

【課題】ユーザによる自由な面付け設定のページ編集を可能とする。
【解決手段】描画データに対する面付け処理の各パラメータを含む設定ファイルを、各パラメータに基づくレイアウトを表示制御しながら作成する作成手段と、作成手段により作成された設定ファイルを記憶する記憶手段と、設定ファイルを使用する印刷設定がなされた場合、記憶手段から読み出した前記設定ファイルに基づいて、描画データに面付け処理を行う画像処理手段と、画像処理手段により面付け処理された描画データを出力先に送信する送信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、GUIプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタで印刷する際に、紙資源の節約を図りたいというニーズがある。そこで、プリンタドライバでは印刷設定画面を通して、複数ページ(2,4,6,9,16p)を1枚の紙に面付けして印刷する集約印刷の技術が採用されている。また、集約印刷の応用技術として、左上から右下にページを並べたり、右上から左下にページを並べたりすることにより、集約の順番を変更するレイアウト技術や、印刷された紙を折りたたんで重ねることにより本の形状になる製本印刷技術が既に知られている。
【0003】
図1と図2とを用いて集約印刷と製本印刷の具体例について説明する。図1は、集約印刷の具体例を示す図である。図1に示すように、プリンタは、集約印刷が設定された場合、論理ページに対し、縮小と割付処理を行って物理ページを生成する。「1in1」、「2in1」、「4in1」などの集約印刷がある。
【0004】
図2は、製本印刷の具体例を示す図である。図2に示すように、プリンタドライバは、製本印刷が設定された場合、論理ページに対し、集約印刷同様、縮小と割付処理を行って物理ページを生成する。図2に示す例では、全ページが6ページの場合の製本印刷の例である。
【0005】
次に、レイアウト技術について説明する。図3は、ページ配置の例を示す図である。上が第1、左が第2に優先されれば、図3Aに示すように左上、右上、左下、右下のページ順になる。左が第1、上が第2に優先されれば、図3Bに示すように左上、左下、右上、右下のページ順になる。上が第1、右が第2に優先されれば、図3Cに示すように右上、左上、右下、左下のページ順になる。右が第1、上が第2に優先されれば、図3Dに示すように右上、右下、左上、左下のページ順になる。
【0006】
次に、集約とレイアウトとを設定するUI(User Interface)について説明する。図4は、設定画面の例を示す図である。設定画面401は、集約の設定画面の一例である。ユーザは、カーソルを用いて集約を「しない」、「2ページを1ページに集約(2in1)」、「4ページを1ページに集約(4in1)」の中から一つを選択する。
【0007】
次に、ユーザは、ページの配列(レイアウト)を設定する。設定画面402は、ページ配列の設定画面の一例である。ページの配列は、図3に示したような配列が文字で記載されている。ユーザは、カーソルを用いて「左上、右上、左下、右下」、「左上、左下、右上、右下」、「右上、左上、右下、左下」、「右上、右下、左上、左下」の中から一つを選択する。図4に示すような設定画面を用いて、ユーザは集約の印刷設定を行う。
【0008】
ここで、集約印刷について、ページの集約数やレイアウト位置を予め決められたもの以外で集約を行いたいというニーズがある。このニーズに対し、特許文献1(特開2002−140176)には、集約印刷する際の集約数と集約順序を数値により指定する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記従来技術においても、レイアウト位置、大きさ、角度、ページの繰り返し、ページの並び順などの印刷設定は、予め決められた設定以外は選択できず、ユーザによる自由な面付け設定ができないという問題点がある。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザによる自由な面付け設定のページ編集を可能とする情報処理装置、印刷制御プログラム、記録媒体、印刷処理システム、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明における一局面の情報処理装置は、描画データに対する面付け処理の各パラメータを含む設定ファイルを、前記各パラメータに基づくレイアウトを表示制御しながら作成する作成手段と、前記作成手段により作成された設定ファイルを記憶する記憶手段と、前記設定ファイルを使用する印刷設定がなされた場合、前記記憶手段から読み出した前記設定ファイルに基づいて、描画データに面付け処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段により面付け処理された描画データを出力先に送信する送信手段と、を備える。
【0012】
また、本発明における他の局面のGUIプログラムは、描画データに対する面付け処理の各パラメータを含む設定ファイルを、前記各パラメータに基づくレイアウトを表示制御しながら作成する作成ステップと、前記作成ステップにより作成された設定ファイルを記憶部に記憶する記憶ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0013】
また、本発明の情報処理装置は、コンピュータにより実行可能なプログラムにより実現することができ、また、プログラムを記録した記録媒体をコンピュータに読み取らせて実現することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザによる自由な面付け設定のページ編集を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】集約印刷の具体例を示す図。
【図2】製本印刷の具体例を示す図。
【図3】ページ配置の例を示す図。
【図4】設定画面の例を示す図。
【図5】本発明における印刷制御システムの概略構成の一例を示す図。
【図6】PCのハードウェアの一例を示すブロック図。
【図7】実施例1におけるPCの機能の一例を示すブロック図。
【図8】集約印刷の様々な例を示す図。
【図9】自由なページの並び順の一例を示す図。
【図10】図8に示すカスタム1の設定ファイルの例を示す図。
【図11】図8に示すカスタム3の設定ファイルの例を示す図。
【図12】図8に示すカスタム4の設定ファイルの例を示す図。
【図13】図8に示すカスタム5の設定ファイルの例を示す図。
【図14】図8に示す設定例の一部を選択可能とする印刷設定画面の一例を示す図。
【図15】メニュー画面の一例(その1)を示す図。
【図16】ページ編集画面の一例(その1)を示す図。
【図17】ページ編集画面の一例(その2)の示す図。
【図18】ページ番号1のページのサイズと位置を変更する例を示す図。
【図19】ページ番号1のページのサイズを変更する例を示す図。
【図20】論理ページを回転する例を示す図。
【図21】原稿方向を変更する例を示す図。
【図22】メニュー画面の一例(その2)を示す図。
【図23】レイアウト名と集約数の決定画面の一例を示す図。
【図24】レイアウトの選択画面の一例を示す図。
【図25】選択されたレイアウトのページ編集画面の一例を示す図。
【図26】RAWスプールのシナリオ例を示す図。
【図27】RAWスプール時のページ編集の一例を示すフローチャート。
【図28】RAWスプール印刷の一例を示すシーケンス図。
【図29】実施例2におけるPCの機能の一例を示すブロック図。
【図30】EMFスプールのシナリオ例を示す図。
【図31】EMFスプール印刷の一例を示すシーケンス図。
【図32】変形例におけるMFPの一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる情報処理装置(以下、PC:Personal Computerともいう)、GUIプログラム及び記録媒体の実施例を詳細に説明する。
【0017】
また、以下に示す実施例では、画像データを出力する装置として、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を一つの筐体に搭載した複合機(MFP:Multifunction Peripheral)でもよいし、画像データを出力する機能を少なくとも有する印刷装置(例えばプリンタ)などでもよい。
【0018】
[実施例1]
<システム>
まず、本発明における印刷制御システムのシステム構成ついて説明する。図5は、本発明における印刷制御システムの概略構成の一例を示す図である。図5に示すように、印刷制御システムは、ネットワークを介してPC501とプリンタ502とが接続されている。図5に示すPC501は、印刷指示された描画データを、プリンタで解釈可能な印刷データに変換する。印刷データは、プリンタ502に出力される。
【0019】
図5に示す例では、情報処理装置(PC)が1つ、プリンタが1つ接続されているが、情報処理装置やプリンタの数がこれらの数に限られないことは言うまでもない。
【0020】
<ハードウェア>
図6は、情報処理装置(PC)600のハードウェアの一例を示すブロック図である。図6に示すように、PC600は、CPU(Central Processing Unit)601、RAM(Random Access Memory)602、HDD(Hard Disk Drive)603、ネットワークI/F部604、入力部605、表示部606、外部記録装置I/F部607を含む。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0021】
CPU601は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行う演算装置である。CPU601は、RAM602に記憶されたプログラムを実行する演算装置で、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0022】
RAM602は、CPU601が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0023】
HDD603は、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0024】
ネットワークI/F部604は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワーク(例えばEthernet(登録商標))を介して接続された通信機能を有するプリンタ620、630とPC600とのインタフェースである。
【0025】
入力部605は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示部606の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライスパット等を有する。また、入力部605は、ユーザがCPU601に操作指示を与えたり、データを入力したりするためのユーザインタフェースである。
【0026】
表示部606は、CRTやLCD等により構成され、CPU601から入力される表示データに応じた表示が行われる。
【0027】
外部記録装置I/F部607は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記録媒体608(例えば、フラッシュメモリなど)と情報処理装置600とのインタフェースである。
【0028】
また、記録媒体608に、所定のプログラムを格納し、記録媒体608に格納されたプログラムは外部記録装置I/F部607を介して情報処理装置600にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは情報処理装置600により実行可能となる。
【0029】
<機能>
図7は、実施例1におけるPCの機能の一例を示すブロック図である。図7に示すように、PC701は、OS(オペレーティングシステム)702、アプリケーション703、プリンタドライバ704、プリントプロセッサ710、記憶部711、ファイル作成部712、通信部713を含む。なお、実施例1では、RAWスプールを用いて印刷を行う場合について説明する。
【0030】
OS702は、PC701の処理全体の制御を行う。アプリケーション703は、一般的なアプリケーション(Word、PDF等)である。アプリケーション703は、ユーザから印刷指示を受け、プリンタドライバ(UI部)704に対してDEVMODEを出力する。
【0031】
プリンタドライバ704は、アプリケーション703の印刷指示に合わせてプリントアウトを行うためのプリンタを制御する。また、プリンタドライバ704は、印刷設定(UI)部705、描画(グラフィック)部707を含む。
【0032】
印刷設定部705は、ユーザに印刷設定画面を提供し、部数や集約数等の印刷設定を入力できるようにする。印刷設定部705は、アプリケーション703に、ユーザから入力された印刷設定を渡す。印刷設定部705は、第1解釈部706を有する。
【0033】
第1解釈部706は、記憶部711に記憶されている設定ファイルから、UI上に表示するための必要なパラメータ情報を解釈する。必要なパラメータとは、例えば、ファイル名などである。設定ファイルについては後述する。
【0034】
描画(graphic)部707は、印刷したいデータを、印刷設定部705やアプリケーション703により設定された印刷設定を基に、プリンタが理解可能な印刷データに変換する。例えば、描画部707は、集約や製本印刷のためのページ編集を行う。また、描画部707は、ページ編集を行うために、編集実行部708や第2解釈部709を有する。
【0035】
第2解釈部709は、記憶部711に記憶された設定ファイルの各パラメータを解釈し、編集実行部708が理解可能な形式(例えばスクリプト言語など)にする。編集実行部708は、第2解釈部709から提供された編集設定を基に、ページ編集を行う。ページ編集には、拡大、縮小、回転、平行移動などがある。編集実行部708は、これらの処理を各パラメータに基づいて行う。
【0036】
プリントプロセッサ710は、印刷データに対して面付け処理を行う。面付け処理とは、画像データの回転、縮小、平行移動、レイアウト設定などの処理を言う。ただし、実施例1のようにRAWスプールの場合、プリントプロセッサ710は、面付け処理を行わない。
【0037】
記憶部711は、設定ファイルを記憶する。設定ファイルは、集約の設定や製本の設定として、集約数、レイアウト位置、大きさ、角度、ページの繰り返し、白紙挿入等の集約、製本などの印刷動作を設定する各パラメータを含む。これらの各パラメータは、カスタムパラメータとして一元管理される。これにより、カスタム設定する際にはカスタムパラメータを編集すればよいため、複数のカスタム設定を管理しやすくなる。
【0038】
記憶部711は、設定ファイルを1つ保持し、その設定ファイルに対して複数のカスタムパラメータを保持するようにしてもよい。これにより、設定ファイルを一括で管理することができる。
【0039】
記憶部711は、設定ファイルを1つ又は複数保持し、1つの設定ファイルには1つのカスタムパラメータを保持するようにしてもよい。これにより、各パラメータの追加、削除などの編集が容易になる。
【0040】
ファイル作成部712は、前述した設定ファイルを作成する。例えば、ファイル作成部712は、直接設定ファイルを作成、編集できるテキストエディタであったり、ユーザがマウスなどを使用してページの配置などを決定することにより、設定ファイルの作成を保持するGUIアプリケーションであったりする。
【0041】
ファイル作成部712は、設定ファイルの各パラメータに基づくレイアウトを画面に表示制御しながら、各パラメータの編集等を実行できるようにする。これにより、ユーザは各パラメータに基づくレイアウトを確認しながら設定ファイルを作成することができる。
通信部713は、プリンタとのデータのやり取りを行う。例えば、通信部713は、面付け処理された描画データをプリンタ502に出力する。
【0042】
なお、OS702は、CPU601やワークメモリとしてのRAM602などにより実現されうる。
【0043】
<設定例>
図8は、集約印刷の様々な例を示す図である。図8に示すカスタム例は、ユーザが、ファイル作成部712を用いて設定ファイルを作成することにより実現できる。
【0044】
カスタム1は、任意の集約数の一例を示す。図8に示す例では、集約数が「5」の例を示す。一般的なプリンタドライバでは集約数「3」や「5」の設定はできない。しかし、本実施例では、設定ファイルで集約数を「5」に設定することができる。
【0045】
カスタム2は、自由な配置の一例を示す。図8に示す例では、Y字型に任意の順序で各ページを配置する。一般的なプリンタドライバでは、左上から右下などの決まったページの並び順しか選択することができない。しかし、本実施例では、設定ファイルにより自由な位置に配置することが可能となる。
【0046】
カスタム3は、白紙を自由な位置に配置する例を示す。図8に示す例では、1ページと2ページの間に白紙を2枚挿入する。一般的なプリンタドライバでは、集約や製本ページ内に白紙を挿入することはできない。しかし、本実施例では、設定ファイルに白紙のパラメータを設定することで自由な位置に白紙を配置することができる。
【0047】
カスタム4は、大きさを画像毎(又はページ毎)に変更する例を示す。図8に示す例では、2ページと3ページとを他の画像に比べて小さくする。一般的なプリンタドライバでは、集約や製本ページ内の各ページの大きさを変更することはできない。しかし、本実施例では、設定ファイルのパラメータを用いて各ページの大きさを設定することができる。
【0048】
カスタム5は、各ページの角度を変更する例を示す。図8に示す例では、各ページを45度程度回転させる。一般的なプリンタドライバでは、集約や製本ページ内の各ページの角度を選択することはできない。しかし、本実施例では、設定ファイルのパラメータを用いて各ページの角度を変更することができる。
【0049】
カスタム6は、任意のページを繰り返す例を示す。図8に示す例では1ページを3回繰り返す。一般的なプリンタドライバでは、集約や製本ページ内の任意のページを繰り返すことはできない。しかし、本実施例では、設定ファイルのパラメータにより任意のページを繰り返すことができる。
【0050】
図9は、自由なページの並び順の一例を示す図である。ページの並び順を変更する際に、文書の総ページ数を知らなければならない場合は、図9に示すようなスクリプトコードをユーザが設定ファイルに記述して、自由にページ順を変更する。ページの並び順は図9に示すように関数を用いることもできる。
【0051】
<設定ファイル>
次に、図10〜13を用いて、設定ファイルの具体例について説明する。図10は、図8に示すカスタム1の設定ファイルの例を示す図である。図10に示す符号1000は、設定ファイルの名称を示す。この例では、「Custom1(集約数)」である。
【0052】
設定ファイルのうち、符号1001の「layoutNum」により、集約数を設定できる。「layoutNum」を「5」にすれば集約数は「5」になり、「layoutNum」を「7」にすれば集約数は「7」になる。
【0053】
図10に示す符号1002の部分がページのパラメータを示す。パラメータには、論理ページを示す「number」、角度を示す「rotate」、位置及び大きさを示す「x,y,width,height」、倍率を示す「zoom」を含む。上記各パラメータが論理ページ毎に設定される。図10に示す設定ファイルは、物理ページ1ページ分を示す。
【0054】
図11は、図8に示すカスタム3の設定ファイルの例を示す図である。図11に示す符号1100は、設定ファイルの名称を示す。符号1101は、集約数が「4」を示す。図11に示す符号1102、1103の部分は、白紙部分を示す。「number」が「0」である論理ページは、白紙を意味する。カスタム3の例では、「number」が「1」と「2」の間に「0」が二つあり、論理ページの1ページと2ページの間に白紙を2枚挿入することを意味する。
【0055】
図12は、図8に示すカスタム4の設定ファイルの例を示す図である。図12に示す符号1200は、設定ファイルの名称を示す。図12に示す符号1201、1202の部分は、パラメータ「zoom」が「50」に設定されている。つまり、「zoom」が「50」とは、この場合「100」を基準にするので、「0.5」倍を意味する。
【0056】
図13は、図8に示すカスタム5の設定ファイルの例を示す図である。図13に示す符号1300は、設定ファイルの名称を示す。図13に示す符号1301、1302、1303、1304の部分は、各ページのパラメータを示す。ここで、各ページのパラメータ「rotate」がそれぞれ「−45」、「45」、「−135」、「135」に設定されている。この例では、時計回りを「+」とする。つまり、図13に示す「rotate」のパラメータの設定値により、図8に示すカスタム5となる。
【0057】
図10〜13の設定ファイルは、ファイル作成部712により作成される。これらの設定ファイルの作成の仕方については後述する。また、設定ファイルは、ネットワークを通じて取得されてもよいし、記録媒体からコピーすることで取得されてもよい。なお、設定ファイルは、テキストファイルであってもよいし、スクリプトファイルであってもよい。
【0058】
設定ファイルがテキストファイルで場合は、ファイルの視認性が上がり、各パラメータの追加、修正、削除が容易になる。設定ファイルがスクリプトファイルの場合は、ページの並び順を複雑に変更でき、各パラメータの追加、修正、削除が容易でなる。
【0059】
図10〜13に示す例では、設定ファイルの保存形式は、JSON(JavaScript(登録商標) Object notation)形式であるが、他にもXML形式などでもよい。ユーザは、ファイル作成部712を用いて、設定ファイルの各パラメータを自由に編集することもできる。
【0060】
<設定画面の例>
図14は、図8に示す設定例の一部を選択可能とする印刷設定画面の一例を示す図である。図14に示す例では、記憶部711にカスタム1とカスタム2との設定ファイルが記憶されているとする。
【0061】
第1解釈部706は、記憶部711に記憶されている設定ファイルの識別情報(例えばファイル名)を取得する。印刷設定部705は、集約の選択肢として、プリンタドライバ704に予め設定されている「しない」、「2ページを1ページに集約」、「4ページを1ページに集約」に加え、第1解釈部706が取得した「Custom1」、「Custom2」を選択肢にする。
【0062】
印刷設定部705は、上記選択肢を画面に表示することで、図14に示す設定画面1401を表示部606に表示する。これにより、ユーザは、印刷設定画面1401からユーザが追加した「Custom1」や「Custom2」を選択することができる。
【0063】
<設定ファイルの作成>
次に、設定ファイルの作成について説明する。ファイル作成部712は、設定ファイルの各パラメータに基づくレイアウトを表示制御し、ユーザにレイアウトを確認させつつ設定ファイルの作成を行う。
【0064】
(1)既存の設定を編集
ファイル作成部712は、既存の設定ファイルを編集し、新たな設定ファイルを作成することができる。図15は、メニュー画面の一例(その1)を示す図である。図15に示すように、ユーザは既存のレイアウト名(又は設定ファイル名)を選択して「設定変更」ボタンを押下することにより、ページ編集画面を開くことができる。ファイル作成部712は、「設定変更」ボタンの押下を検知すると、ページ編集画面を表示制御する。
【0065】
図16は、ページ編集画面の一例(その1)を示す図である。ファイル作成部712は、物理ページの設定である「名前」、「集約数」、「次の開始ページ番号」、「ソート方法」等を表示し、ユーザは、これらのデータを編集することができる。図16に示すページ番号1〜4は、論理ページの番号を示す。
【0066】
図17は、ページ編集画面の一例(その2)の示す図である。ユーザがマウスなどのポインティングデバイスで論理ページを選択すると、図17に示す論理ページ設定ダイアログが表示される。ユーザは、この論理ページの各パラメータの設定を編集することができる。ファイル作成部712は、ポインティングデバイスによる論理ページの選択を検知すると、論理ページ設定ダイアログを表示制御する。
【0067】
論理ページの各パラメータは、「ページ番号」、「角度」、「x」、「y」、「width」、「height」、「zoom」、「原稿方向混在時の回転角度」等がある。ユーザは、マウスを使用してグラフィカルに論理ページのサイズや位置や角度を編集することができるし、直接論理ページ設定の値を入力して編集することもできる。ファイル作成部712は、論理ページの設定に対するユーザ操作を受け付け、この操作を編集画面に反映する。
【0068】
なお、ページ編集の性質を考えると、集約時における各論理ページのサイズ等のパラメータは一致した方が見栄えがよい。よって、論理ページ設定の各パラメータの横にチェックボックスが設けられる。ファイル作成部712は、このチェックボックスにチェックされた場合、1つの論理ページのパラメータの設定値を、他の全ての論理ページのパラメータに反映する。
【0069】
図18は、ページ番号1のページのサイズと位置を変更する例を示す図である。図18に示す例では、論理ページ1のページサイズを縮小し、論理ページ1の位置(x=0、y=0)を他の位置(x=0.2、y=0.2)に変更する。この位置は、例えば左上端の位置とする。
【0070】
図19は、ページ番号1のページのサイズを変更する例を示す図である。図19に示す例では、「width」と「height」とのパラメータのチェックボックスにチェックが入っており、これらのパラメータの変更は、全ての論理ページに反映される。例えば、ファイル作成部712は、論理ページ1のサイズ変更を、論理ページ2〜4にも適用する。
【0071】
図20は、論理ページを回転する例を示す図である。図20に示す例では、回転のアイコン2001を選択することで、論理ページが回転される例である。図20に示す例では、「角度」のチェックボックスにチェックが入っているため、全ての論理ページに回転が反映される。
【0072】
図21は、原稿方向を変更する例を示す図である。図21に示す例では、「4ページを1ページに集約」の初期状態から、原稿方向をヨコに変更した場合の表示例を示す。ファイル作成部712は、図21に示す原稿方向のプルダウンメニュー2101から「ヨコ」が選択されると、原稿方向を横にしてレイアウトを表示制御する。これは、原稿方向がヨコの場合はどのように表示されるのかを確認する場合などに使用される。
【0073】
(2)設定ファイルを新規作成
ファイル作成部712は、設定ファイルを新規に作成することができる。図22〜25を用いて、ユーザが新規に設定ファイルを作成する例について説明する。
【0074】
図22は、メニュー画面の一例(その2)を示す図である。図22に示す例で、ユーザは「新規作成」ボタンを押下することにより、ページ編集画面を開くことができる。ファイル作成部712は、「新規作成」ボタンの押下を検知すると、レイアウト名(設定ファイル名)と集約数の決定画面(図23)を表示制御する。
【0075】
図23は、レイアウト名と集約数の決定画面の一例を示す図である。図23に示す例では、レイアウト名を「Custom1」、集約数を「3」にする。ファイル作成部712は、「OK」ボタンの押下を検知すると、次の画面(図24)に遷移する。
【0076】
図24は、レイアウトの選択画面の一例を示す図である。図24に示す例では、ファイル作成部712は、決定された集約数に応じて、良く使用されると予想されるレイアウトをユーザに提示する。ファイル作成部712は、集約数毎に、よく使用されると予想されるレイアウトを保持しておく。これにより、ユーザは、所望のレイアウトに近いレイアウトを選択することができ、最小限の操作で新規レイアウトを作成することができる。
【0077】
図25は、選択されたレイアウトのページ編集画面の一例を示す図である。図25に示すように、論理ページがポインティングデバイスなどで選択された場合、論理ページ設定のダイアログが表示される。
【0078】
設定ファイルの編集については、(1)で説明した編集内容と同様である。ファイル作成部712は、編集された設定ファイルを記憶部711に記憶する。ファイル作成部712は、前述した編集を可能とするGUIプログラムが実行されることで前述した処理を行う。
【0079】
<シナリオ>
次に、Windows(登録商標)のプリンティングシナリオについて説明する。図26は、RAWスプールのシナリオ例を示す図である。RAWスプールとは、プリンタが直接解釈できるデータ形式で、スプール時にプリンタドライバ2604の描画部2605がプリンタ言語に変換する。解釈できるデータ形式はデバイスに依存する。RAWスプールでは、正しい描画結果が得られる。
【0080】
ユーザは、アプリケーション2602に対し、印刷指示を行う。アプリケーション2602は、印刷指示を受けると、GDI(Graphical Device Interface)2603に対してDEVMODE、文書の描画命令であるGDIコールを出力する。
【0081】
GDI2603は、OSの描画部である。GDI2603は、アプリケーション2602からGDIコールを取得し、GDIコールをDDIコールに変換し、DEVMODEとDDIコールを描画部2605に出力する。
【0082】
描画部2605は、DDI(Device Driver Interface)コールを取得すると、描画データをプリンタが解釈可能なPDLの印刷データに変換する。印刷データには、PDLの描画データと制御データが含まれる。描画部2605は、変換した印刷データをスプーラ2606に出力する。
【0083】
スプーラ2606は、取得した印刷データをスプールファイル(RAWデータ)2607として一時保存する。スプーラ2606は、スプールファイル2607をポートモニタ2608に出力する。スプールファイル2607は、プリンタが解釈可能なRAWデータの印刷データである。
【0084】
ポートモニタ2608は、設定されているポート番号が示す出力先に印刷データを出力する。
【0085】
図27は、RAWスプール時のページ編集の一例を示すフローチャートである。図27に示すステップS101で、プリンタドライバ704は、1ページ分の印刷データを蓄積する。RAWスプールでは、1ページから順番に処理する。
【0086】
ステップS102で、プリンタドライバ704は、ページ編集に必要なページが全て蓄積されたか判定する。プリンタドライバ704では、例えば集約を行うために必要なページを一旦蓄積する必要がある。ステップS102の判定結果がYES(蓄積された)であればステップS103に進み、判定結果がNO(蓄積されていない)であればステップS101に戻る。
【0087】
ステップS103で、プリンタドライバ704は、集約処理を行って各ページを必要な位置に配置する。
【0088】
ステップS104で、プリンタドライバ704は、印刷データとともに印刷コマンドを、スプーラを介してプリンタに出力する。
【0089】
なお、GDI2603とスプーラ2606は、OS702が提供する機能である。また、アプリケーション2602、GDI2603、プリンタドライバ2604、スプーラ2606は、例えばCPU601とワークメモリとしてのRAM602により実現され、ポートモニタ2608は、例えばCPU601やネットワークI/F部604により実現されうる。
【0090】
<動作>
次に、実施例1における印刷制御システムの動作について説明する。図28は、RAWスプール印刷の一例を示すシーケンス図である。図28に示す例では、「3in1」の集約印刷の例である。
【0091】
ステップS201で、OS702は、アプリケーションからの印刷指示を検知し、印刷設定部705に対し、印刷設定の決定依頼を行う。
【0092】
ステップS202で、印刷設定部705は、OS702から印刷の依頼を受けると、第1解釈部706によりユーザが追加した設定ファイルの一覧の取得要求を行う。
【0093】
ステップS203、204で、第1解釈部706は、記憶部711に記憶されている設定ファイルを検索し、例えば設定ファイルの名称を取得する。
【0094】
ステップS205で、印刷設定部705は、ステップS204で取得した設定ファイルの名称を、デフォルトの集約印刷の選択肢一覧に追加する。
【0095】
ステップS206で、印刷設定部705は、印刷設定画面(例えば図14参照)を表示部606に表示し、ユーザからの印刷設定の入力を受け付ける。印刷設定が決定し、ユーザにより印刷の実行ボタンが押下される。
【0096】
ステップS207で、OS702は、印刷ジョブの開始を描画部707に依頼する。ステップS208で、描画部707は、設定された印刷設定を基に、ページ編集(例えば面付け処理)の準備を、編集実行部708に依頼する。
【0097】
ステップS209で、編集実行部708は、設定ファイルの取得依頼を第2解釈部709に行う。ここでは、ステップS206で「3in1」が入力され、記憶部711に記憶される設定ファイルを用いることとする。
【0098】
ステップS210、S211で、第2解釈部709は、「3in1」に対応する設定ファイルを検索し、検索された設定ファイルの各パラメータを取得する。取得された各パラメータは、編集実行部708や描画部707に出力される。
【0099】
ステップS212で、描画部707は、プリンタ502に対し、ジョブコマンドを発行する。プリンタ502は、描画部707にコマンドの応答を返す。描画部707は、コマンドの応答をOS702に出力する。
【0100】
ステップS213で、OS702は、プリンタ502から描画部707経由で取得した応答がジョブ開始OKを示せば、描画部707にドキュメントの開始を通知する。
【0101】
ステップS214で、描画部707は、プリンタ502に対し、ドキュメント開始のコマンドを発行する。プリンタ502は、描画部707にコマンドの応答を返す。描画部707は、コマンドの応答をOS702に出力する。
【0102】
ステップS215で、OS702は、プリンタ502から描画部707経由で取得し応答がドキュメント開始OKを示せば、描画部707にページの開始を通知する。
【0103】
ステップS216で、描画部707は、編集実行部708に対し、ページの開始を通知する。これにより、編集実行部708は、ページデータを取得し始める。
【0104】
ステップS217で、OS702は、描画部707に対し、ページの終了を通知する。
【0105】
ステップS218で、描画部707は、編集実行部708に対し、ページの終了を通知する。
【0106】
ステップS219で、編集実行部708は、ページデータをメモリに蓄積する。メモリは、編集実行部708内部のメモリでもよいし、外部のメモリでもよい。
【0107】
ステップS220〜S224、ステップS225〜S229までは、ステップS215〜S219と同様である。図17に示す例では、「3in1」であるため、ステップS215〜S219の処理を3ページ分繰り返す。
【0108】
ステップS230で、編集実行部708は、3ページ分のデータを設定ファイルの各パラメータに基づいて物理ページに配置する。
【0109】
ステップS231で、編集実行部708は、3ページ分のデータを出力するようコマンドをプリンタ502に発行する。プリンタ502は、コマンドの応答を編集実行部708に返し、この応答は、描画部707経由でOS702に通知される。
【0110】
ステップS232で、OS702は、描画部707に対し、ドキュメントの終了を通知する。
【0111】
ステップS233で、描画部707は、プリンタ502に対し、ドキュメントの終了コマンドを発行する。プリンタ502は、ドキュメントの終了コマンドに対する応答を描画部707に返す。描画部707は、応答をOS702に出力する。
【0112】
ステップS234で、OS702は、描画部707に対し、ジョブの終了を通知する。
【0113】
ステップS235で、描画部707は、プリンタ502に対し、ジョブの終了コマンドを発行する。プリンタ502は、ジョブの終了コマンドに対する応答を、描画部707を経由してOS702に出力する。
【0114】
以上、実施例1によれば、面付け処理の各パラメータが設定される設定ファイルをグラフィカルに作成することを可能とする。また、実施例に1によれば、RAWスプールを用いて印刷する場合に、ユーザが作成した設定ファイルを用いることで、ユーザによる自由な面付け設定を可能にすることができる。よって、ユーザのニーズに合った柔軟な集約印刷や製本印刷を行うことができる。
【0115】
[実施例2]
次に、実施例2における印刷制御システムについて説明する。実施例2では、EMFスプールを用いて印刷する場合について説明する。
【0116】
<機能>
図29は、実施例2におけるPCの機能の一例を示すブロック図である。図29に示すように、PC2901は、OS(オペレーティングシステム)2902、アプリケーション703、プリンタドライバ2903、プリントプロセッサ2905、記憶部711、ファイル作成部712、通信部713を含む。なお、図29に示す機能において、図7に示す機能と同様の機能のものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0117】
図29に示すプリンタドライバ2903は、実施例1と異なり、ページ編集などを行わずにPDL変換を行う。PDL変換は、描画部2904が担う。
【0118】
プリントプロセッサ2905は、集約印刷などに関するページ編集の面付け処理を行う。プリントプロセッサ2905は、描画データに対して、面付け処理をするか否かは、DEVMODEから判断してもよいし、attribute情報から印刷設定を直接取得し、判断してもよい。例えば、印刷設定が2in1の集約が設定されていた場合、プリントプロセッサ2905は、少なくとも縮小、回転の面付け処理が必要であると判断できる。プリントプロセッサ2905は、ページ編集を行うため、編集実行部2906、第2解釈部2907を有する。
【0119】
編集実行部2906は、機能としては実施例1の編集実行部708と同様であるが、プリントプロセッサ2905に備えられる。第2解釈部2907は、機能としては実施例1の第2解釈部709と同様であるが、プリントプロセッサ2905に備えられる。
【0120】
<シナリオ>
次に、Windows(登録商標)のプリンティングシナリオについて説明する。図30は、EMFスプールのシナリオ例を示す図である。EMFスプールとは、Windows(登録商標)における共通のデータ形式で、プリンタドライバはスプール時に起動される。共通のデータ形式は、デバイスに非依存である。EMFスプールでは、時間のかかる処理がバックグラウンドで行われるため、印刷開始指示後のアプリケーションに制御が戻る時間が短い。なお、図30に示す機能において、図26に示す機能と同様のものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0121】
図30に示すように、ユーザは、PC3001のアプリケーション2602に対し、印刷指示を行う。アプリケーション2602は、印刷指示を受けると、GDI3002に対してDEVMODE、文書の描画命令であるGDIコールを出力する。
【0122】
GDI3002は、OSの描画部である。GDI3002は、アプリケーション2602からGDIコールを取得し、GDIコールをDDIコールに変換し、DEVMODEとDDIコールをスプーラ3003に出力する。
【0123】
スプーラ3003は、取得したEMFデータをスプールファイル3004として一時保存する。プリントプロセッサ3005は、スプールファイル3004(EMFデータ)を取得し、面付け処理を行う。このとき、プリントプロセッサ3005は、記憶部711に記憶されている設定ファイルに基づいて面付け処理を行うこともできる。プリントプロセッサ3005は、面付け処理したデータをスプーラ3003に出力する。
【0124】
スプーラ3003は、面付け処理された描画データをGDI3002に出力する。GDI3002は、面付け処理された描画データをDDIコールで描画部3006に出力する。
【0125】
描画部3006は、取得した描画データをプリンタ502が解釈可能なPDLに変換し、変換された印刷データ(描画データ及び制御データ)をスプーラ3003に出力する。
【0126】
スプーラ3003は、取得した印刷データを一時保存する。スプーラ3003は、印刷データをポートモニタ3007に出力する。ポートモニタ3007は、設定されているポート番号が示す出力先に印刷データを出力する。なお、プリントプロセッサ3005は、OS601とワークメモリとしてのRAM602などにより実現されうる。
【0127】
<動作>
次に、実施例2における印刷制御システムの動作について説明する。図31は、EMFスプール印刷の一例を示すシーケンス図である。図31に示す例では、「3in1」の集約印刷の例である。なお、図31に示す処理において、図28に示す処理と同様の処理を行うものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0128】
ステップS301で、OS2902は、プリントプロセッサ2905に対し、印刷の開始を通知する。
【0129】
ステップS302で、プリントプロセッサ2905は、ユーザが選択した印刷設定を基に、ページ編集の準備を編集実行部2906に依頼する。ここで、ユーザは、記憶部711に記憶される設定ファイルに対応する印刷設定(「3in1の集約印刷」)を選択したとする。
【0130】
ステップS303で、編集実行部2906は、ページ編集の設定内容を取得するよう第2解釈部2907に依頼する。
【0131】
ステップS304で、第2解釈部2907は、ユーザが選択した設定ファイルを記憶部711から検索する。
【0132】
ステップS305で、第2解釈部2907は、検索された設定ファイルに記述された各パラメータを取得する。第3解釈部2907は、設定ファイルの各パラメータを取得すると、編集実行部2906を介してプリントプロセッサ2905に各パラメータを出力する。
【0133】
ステップS306で、プリントプロセッサ2905は、描画部2904に対し、ジョブの開始を通知する。
【0134】
ステップS307で、描画部2904は、プリンタ502に対し、ジョブコマンドを発行する。プリンタ502は、描画部2904にコマンドの応答を返す。描画部2904は、コマンドの応答をプリントプロセッサ2905に出力する。
【0135】
ステップS308で、プリントプロセッサ2905は、プリンタ502から描画部2904経由で取得した応答がジョブ開始OKを示せば、描画部2904にドキュメントの開始を通知する。
【0136】
ステップS309で、描画部2904は、プリンタ502に対し、ドキュメント開始のコマンドを発行する。プリンタ502は、描画部2904にコマンドの応答を返す。描画部2904は、コマンドの応答をプリントプロセッサ2905に出力する。
【0137】
ステップS310で、プリントプロセッサ2905は、プリンタ502から描画部2904経由で取得した応答がドキュメント開始OKを示せば、編集実行部2906にページの開始を通知する。
【0138】
ステップS311で、編集実行部2906は、描画部2904に対し、ページの開始を通知する。
【0139】
ステップS312で、描画部2904は、プリンタ502に対し、ページの開始コマンドを発行する。プリンタ502は、コマンドの応答を描画部2904に返す。コマンドの応答は、編集実行部2906を介してプリントプロセッサ2905に出力される。
【0140】
ステップS313で、プリントプロセッサ2905は、ページの終了を編集実行部2906に通知する。
【0141】
ステップS314〜S316で、編集実行部2906は、設定ファイルの各パラメータに基づいて、3ページ分の配置を行う。EMFスプールでは、アプリケーション703からの描画命令が一旦EMF形式で蓄えられるので、プリントプロセッサ2905でページ編集を行うことができる。
【0142】
ステップS317で、編集実行部2906は、編集された印刷データとともにページの終了を描画部2904に通知する。
【0143】
ステップS318で、描画部2904は、PDLに変換した印刷データとともにページの終了コマンドをプリンタ502に発行する。プリンタ502は、終了コマンドに対する応答を描画部2904に出力する。終了コマンドに対する応答は、編集実行部2906を経由してプリントプロセッサ2905に通知される。
【0144】
ステップS319で、プリントプロセッサ2905は、ドキュメントの終了を描画部2904に通知する。
【0145】
ステップS320で、描画部2904は、プリンタ502に対し、ドキュメントの終了コマンドを発行する。プリンタ502は、ドキュメントの終了コマンドに対する応答を描画部2904に返す。描画部2904は、応答をプリントプロセッサ2905に出力する。
【0146】
ステップS321で、プリントプロセッサ2905は、描画部2904に対し、ジョブの終了を通知する。
【0147】
ステップS322で、描画部2904は、プリンタ502に対し、ジョブの終了コマンドを発行する。プリンタ502は、ジョブの終了コマンドに対する応答を、描画部2904を経由してプリントプロセッサ2905に出力する。
【0148】
以上、実施例2によれば、面付け処理の各パラメータが設定される設定ファイルをグラフィカルに作成することを可能とする。また、実施例2によれば、EMFスプールを用いて印刷する場合に、ユーザが作成した設定ファイルを用いることで、ユーザによる自由なレイアウト設定を可能にすることができる。よって、ユーザのニーズに合った柔軟な集約印刷や製本印刷を行うことができる。
【0149】
[変形例]
次に、変形例における画像形成装置について説明する。変形例では、前述した印刷制御処理(プリンタドライバ)がMFPに組み込まれている。図32は、変形例におけるMFP3201の一例を示すブロック図である。図32に示すように、MFP3201は、印刷制御プログラム3203をメモリに保持し、この印刷制御プログラムを実行することで、印刷データを生成する。生成された印刷データは画像形成され出力される。これにより、変形例に係るMFP3201によれば、MFP単体で、各実施例に示した処理を行なうことができる。
【0150】
各実施例のPCや変形例のMFPで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0151】
また、各実施例のPCや変形例のMFPで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0152】
また、各実施例のPCや変形例のMFPで実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0153】
各実施例のPCや変形例のMFPで実行されるプログラムは、前述した各手段を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各機能が主記憶装置上にロードされ、上記各機能が主記憶装置上に作成されるようになっている。
【0154】
なお、本発明は、上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0155】
501、600PC
502、620、630 プリンタ
601 CPU
602 RAM
603 HDD
604 ネットワークI/F部
605 入力部
606 表示部
607 外部記憶装置I/F部
608 記録媒体
702 OS
703、2602 アプリケーション
704、2604、2903 プリンタドライバ
705 印刷設定部
706 第1解釈部
707、2904 描画部
708、2906 編集実行部
709、2907 第2解釈部
710、3005 プリントプロセッサ
711 記憶部
712 ファイル作成部
713 通信部
2603、3002 GDI
2605、3005 描画部
2606、3003 スプーラ
2608、3007 ポートモニタ
2301 MFP
2303 印刷制御プログラム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0156】
【特許文献1】特開2002−140176

【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画データに対する面付け処理の各パラメータを含む設定ファイルを、前記各パラメータに基づくレイアウトを表示制御しながら作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された設定ファイルを記憶する記憶手段と、
前記設定ファイルを使用する印刷設定がなされた場合、前記記憶手段から読み出した前記設定ファイルに基づいて、描画データに面付け処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段により面付け処理された描画データを出力先に送信する送信手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記作成手段は、
1つの論理ページにおけるパラメータの設定値を、他の全ての論理ページにおけるパラメータに反映可能とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記各パラメータは、集約数、レイアウト位置、大きさ、角度、ページの繰り返しを含み、カスタムパラメータとして一元管理される請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定ファイルは、前記カスタムパラメータを複数保持する請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定ファイルは、前記カスタムレイアウトを一つ保持する請求項3記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定ファイルは、スクリプトファイルであることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定ファイルは、テキストファイルであることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
描画データに対する面付け処理の各パラメータを含む設定ファイルを、前記各パラメータに基づくレイアウトを表示制御しながら作成する作成ステップと、
前記作成ステップにより作成された設定ファイルを記憶部に記憶する記憶ステップと、
をコンピュータに実行させるためのGUIプログラム。
【請求項9】
請求項8記載のGUIプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−141857(P2012−141857A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−279(P2011−279)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】