説明

情報処理装置およびサーバおよび画面制御方法およびプログラムおよび記録媒体

【課題】入力項目(コンボボックス)の一覧(リスト)の一部が表示領域を越えて非表示となってしまった場合でも、操作画面の幅(縦の長さ)を変更又はスクロールを使用して操作画面を目的の値まで移動させるといった煩雑なユーザ操作を行うことなく、ユーザが目的の値を見ながら入力項目の一覧から情報を容易に選択することができるようにすること。
【解決手段】入力項目(コンボボックス)210を有する操作画面の一部分を当該操作画面よりも小さな表示領域にスクロール可能に表示可能な情報処理装置のCPUは、リスト部分211中で選択状態となっている情報(選択項目213)が表示されるべき位置が、表示領域外である場合には、選択項目213が表示されるべき位置が前記表示領域内となるように、入力項目の親項目をスクロールさせる構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンボボックスのように選択可能な情報の一覧(リスト)をプルダウン表示させていずれかの情報を選択させる入力項目であり、且つ、前記一覧がプルダウン表示される際に表示領域を越える部分については非表示状態となる構成の入力項目を有する操作画面の画面制御に関する。
【背景技術】
【0002】
データをフィールドに入力する再に、その入力支援方法の一つとして、入力領域に入力中の文字列に対して、入力文字列の候補を一覧(コンボボックスのリスト)としてプルダウン表示し、この一覧から選択することによって文字列の入力の手間を省くSUGGESTの技術が、一般的に知られている(例えば、Google社の「Googleサジェスト」)。
【0003】
今日のWebの環境においてコンボボックスのような入力領域と選択領域を持つコンポーネントは、標準では用意されていない。
【0004】
よって、上述のSUGGESTを実現するには、候補の一覧を別のWebコンポーネントで作成し、その一覧を入力領域の下に表示させるという2つ以上のWebコンポーネントを組み合わせることでSUGGESTの機能を実現する方法が多く用いられている。
【0005】
また、特許文献1には、データ入力を行うアプリケーションプログラムに対して、そのアプリケーションプログラムが取扱うデータの形式や項目の性質を把握して入力支援を行う入力支援方法が開示されている。
【特許文献1】特開平10−105547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ドロップダウンリスト以外のWebコンポーネント(例えば、上述のSUGGESTで用いられているコンボボックス)は、画面(ブラウザ)の領域を越えて表示することはできない。
【0007】
このため、Webの環境において、コンボボックスのリストが長くなってまった場合に、画面の領域を狭めるといった動作、あるいは、画面に収まらない長さのリストから値を選ぶ際に、リストが画面の中に隠れてしまい(例えば、後述する図2の212のようなデータ)実際に選択したい値が見えなくなってしまうという問題があった。
【0008】
従来このような状況の場合、目的の値を見ながら値を選択するために、画面の幅をユーザが目的の値が参照できる位置まで広げたり、また、ブラウザ等のスクロールバーを目的の値が参照できる位置まで手動で動かす等の操作により回避していた。
【0009】
このため、ユーザの操作性を低下させる要因となっていた。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、入力項目(コンボボックス)のプルダウン表示される一覧(リスト)の一部が表示領域を越えて非表示となってしまった場合でも、操作画面の幅(縦の長さ)を変更又はスクロールを使用して操作画面を目的の値まで移動させるといった煩雑なユーザ操作を行うことなく、ユーザが目的の値を見ながら入力項目の一覧から情報を容易に選択することができるようにする仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、選択可能な情報の一覧をプルダウン表示させていずれかの情報を選択させる入力項目であり、且つ、前記一覧がプルダウン表示される際に表示領域を越える部分については非表示状態となる構成の入力項目を有する操作画面の一部分を当該操作画面よりも小さな前記表示領域にスクロール可能に表示可能な情報処理装置において、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が、前記表示領域外である場合には、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が前記表示領域内となるように、前記操作画面をスクロールさせるスクロール制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、選択可能な情報の一覧をプルダウン表示させていずれかの情報を選択させる入力項目であり、且つ、前記一覧がプルダウン表示される際に表示領域を越える部分については非表示状態となる構成の入力項目を有するクライアント上で表示される操作画面の画面データと、クライアント上で実行される画面制御プログラムを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記操作画面の画像データと前記画面制御プログラムを、前記操作画面の一部分を当該操作画面よりも小さな前記表示領域にスクロール可能に表示可能なクライアントに対して送信する送信手段と、を有するサーバであり、前記画面制御プログラムは、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が、前記表示領域外である場合には、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が前記表示領域内となるように、前記操作画面をスクロールさせるスクロール制御機能を、前記クライアントに実現させるためのプログラムである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザには目的の値までシステムが自動でスクロールする機能を提供することにより、操作画面のサイズを意識することなく容易にコンボボックス等のリストを選択操作することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明を適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1において、100はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。この情報処理装置100は、CPU101、RAM102、ROM103、外部メモリ104、入力装置105、表示装置106、ネットワークインタフェースカード(NIC)107等を備え、これらがシステムバス108を介して互いに接続されている構成となっている。なお、実際には101〜107とシステムバス108との間にはインタフェース回路やチップセット等が存在するが、図では省略されている。
【0016】
CPU101は、ROM103又は外部メモリ104等に記憶保存されたプログラム等を読み出して実行することにより、各種制御処理を実行する。RAM102は、CPU101の作業領域として使用される。
【0017】
NIC107は、図示しないネットワークに有線又は無線で接続され、ネットワーク400を介してサーバ300と通信可能である。なお、サーバ300も情報処理装置100と同様のハードウェア構成とする。
【0018】
外部メモリ104は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM,DVD、フラッシュメモリ等で構成される。
【0019】
なお、クライアントとしての情報処理装置100は、サーバ300からHTML等の構造化言語で記述された画面データ(コンテンツ)を受信して、CPU101が実行するブラウザプログラム(以下、ブラウザ)により表示装置106上に表示可能である。なお、このブラウザは、操作画面(コンボボックスを有する)の一部分を当該操作画面よりも小さな表示領域にスクロール可能に表示することができる。
【0020】
また、この画像データは、内部にスクリプト言語で記載されているプログラム(クライアントサイドスクリプト)が格納されている。さらに、CPU101は、CPU101が実行するブラウザ上で上記画面データ内に格納されているクライアントサイドスクリプトを実行可能である。
【0021】
以下、図2〜図4を参照して、本発明におけるスクロール制御について説明する。
【0022】
図2〜図4は、本発明におけるスクロール制御を説明するための模式図である。なお、特に図2,図3はスクロール制御前の画面のイメージに対応し、図4はスクロール制御後の画面のイメージに対応する。また、図2〜図4で同一のものには同一の符号を付してある。
【0023】
図2において、200は入力項目の親項目(入力項目が所属していて且つスクロールバーを持つ項目であり、例えば、入力項目が所属しているフレームやブラウザのウィンドウ)の表示部分の画面イメージであり、図1に示したサーバ300から情報処理装置100にダウンロード等されてCPU101が実行するブラウザにより表示装置106上に表示されたものである。
【0024】
例えば、上述のSUGGEST技術を用いて入力支援の場合、図2に示すように、ユーザは入力項目(コンボボックス)210に値(ここでは"A")を入力すると、入力項目に入力された文字で始まるデータが入力候補としてプルダウン表示される候補一覧部分(リスト部分)211に表示される。なお、この入力候補データは非同期による通信により、サーバから取得されるものであるが、データの所得方法そのものに関しては本発明とは無関係であるため説明は省略する。
【0025】
なお、Webの環境におけるコンボボックスは、前述のとおりリストボックスのようにブラウザの領域等の表示部分を超えて表示することはできない。つまり、親項目の表示部分200に対して候補のリスト部分211を十分に表示できない場合、212に示すように表示されないデータができてしまう。
【0026】
なお、画面に表示できないデータ(表示されない領域212)は、図中では便宜上網掛けとして図示しているが、本来はブラウザの中に入ってしまっているためユーザからは全く見えない部分である。
【0027】
図2に示した例は、リスト部分211内で選択されている項目213が、表示されている領域にある(即ち、表示されない領域212にない)場合を示している。
【0028】
そして、図2の状態から、ユーザが入力装置105において下矢印キー等を用いて、表示されない領域212の項目に選択項目を移動させると図3に示すように、選択項目213は見えなくなってしまう。
【0029】
本実施形態のスクロール制御では、コンボボックス210のスクロールバーを備えた最も近い上位項目のスクロールバーを図4に示すように、選択項目213が完全に見える位置まで下げるように制御する。
【0030】
なお、このスクロール制御は、リスト211の選択項目213が変更されたことに応じて、CPU101はCPU101が実行するブラウザプログラム(以下ブラウザ)上で画面データ内にスクリプト言語で記載されているプログラム(クライアントサイドスクリプト)を実行することにより実現される。なお、このクライアントサイドスクリプトによるスクロール処理は、後述する図5〜図7で詳述する。
【0031】
なお、図2〜図4において、201は親項目の表示部分の長さを示す。202は、親項目のTop(上端)からリスト部分211のTop(上端)までの長さを示す。220は親項目のスクロール量を示す。
【0032】
また、203は、リスト部分211のTop(上端)から選択項目213のTop(上端)までの長さを示す。222は、リスト部分211のスクロール量を示す。204は選択項目自体の長さを示す。221は画面最下部の横スクロールバー自体の長さを示す。
【0033】
以下、図5〜図7のフローチャートを参照して、本発明におけるスクロール制御について詳細に説明する。
【0034】
図5は、本発明の第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図2〜図4に示したコンボボックス210の選択状態が変化した場合に実行される。なお、このフローチャートの処理は、CPU101が、CPU101により実行されるブラウザプログラム(以下ブラウザ)上で画面データ内にスクリプト言語で記載されているプログラム(クライアントサイドスクリプト)を実行することにより実現される。また、図中、S500〜S504は各ステップを示す。
【0035】
まず、ユーザが入力装置105を用いてコンボボックスの項目選択状態を変更すると、CPU101は、CPU101により実行されるブラウザプログラム(以下ブラウザ)上で画面データ内にスクリプト言語で記載されている本フローチャートのプログラムを起動する。そして、まずステップS500において、CPU101は、親項目を確定する。ここで言う親項目とは、コンボボックスが属しているコンポーネントのことであり、更にスクロールの対象となるものである。例えば、コンボボックスがTABLEの中にありそのTABLEがスクロールする場合は、親項目はTABLEになる。しかし、TABLEの中に入ってはいるがそのTABLEはスクロールしない場合は親項目はBODYになる。親項目の高さは、対象のコンポーネントのスクロールバー一番上にした状態から現在画面に表示されている最下部までの高さである。なお、このS500の処理の詳細は後述する図6で説明する。
【0036】
次に、ステップS501において、CPU101は、親項目のTop(先端)から親項目の表示部分のBottom(下端)までの長さ(以下、親項目の長さ)を計算し、RAM102内に格納する。図2〜図4に示した例では、親項目の表示部分の長さ201に、親項目の親項目のスクロール量220を加算した値として計算される。
【0037】
次に、ステップS502において、CPU101は、親項目のTop(先端)から選択項目のBottom(下端)までの長さ(以下、選択項目までの長さ)を計算し、RAM102内に格納する。なお、この詳細な計算方法は後述する図6で説明する。
【0038】
次に、ステップS503において、CPU101は、S501で算出した親項目の長さと、S503で算出した選択項目までの長さとを比較する。これにより、選択項目が見えている状態(例えば図2の状態)か、選択項目が見えていない状態(例えば図3の状態)か判断する。
【0039】
そして、ステップS503で、CPU101が、親項目の長さが選択項目までの長さ未満(親項目の長さ<選択項目までの長さ)と判定した場合には、CPU101は、選択項目が見えている状態(例えば図2の状態)と判断し、スクロールバーの制御は行わず、そのまま処理を終了する。
【0040】
一方、ステップS503で、CPU101が、親項目の長さが選択項目までの長さ以上(親項目の長さ≧選択項目までの長さ)と判定した場合には、選択項目が見えていない状態(例えば図3の状態)と判断して、ステップS504に処理を進める。
【0041】
ステップS504では、CPU101は、選択項目が見える状態(例えば図4の状態)になるまで親項目のスクロールバーを移動させるように制御し、処理を終了する。
【0042】
なお、ここでは、CPU101が、選択項目が見える状態(例えば図4の状態)になるまで親項目のスクロールバーを移動させるように制御する構成について示したが、選択項目が見える状態(例えば図4の状態)になるまで親項目の表示領域200を広げるように構成してもよい。
【0043】
また、選択項目が見える状態(例えば図4の状態)になるまで表示領域200の表示倍率を縮小する構成も本発明に含まれるものである。
【0044】
以下、図6のフローチャートを参照して、図5のステップS500に示した親項目の決定処理について詳細に説明する。
【0045】
図6は、本発明の第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図5のステップS500に示した親項目の決定処理の詳細フローチャートに対応する。なお、このフローチャートの処理は、CPU101が、CPU101により実行されるブラウザプログラム(以下ブラウザ)上で画面データ内にスクリプト言語で記載されているプログラム(クライアントサイドスクリプト)を実行することにより実現される。また、図中、S700〜S705は各ステップを示す。
【0046】
なお、親項目とは、コンボボックスが所属していてかつスクロールバーを持つものである。つまり、選択項目を見える状態にするために下げるスクロールバーをもつコンポーネントのことを示す。
【0047】
まず、ステップS700において、CPU101は、RAM102上に変数「対象」を格納する領域を確保するとともに、「対象」に選択項目のあるリスト部分を設定する。
【0048】
次に、ステップS701において、CPU101は、ステップS700で「対象」に設定された項目の一つ上位のコンポーネント(項目)があるかどうか判定する。
【0049】
そして、ステップS701で、「対象」に設定された項目の一つ上位のコンポーネントがあると判定した場合には、CPU101は、ステップS702において、そのコンポーネントにスクロールバーがあるかどうか判定する。
【0050】
そして、ステップS702で、対象(選択項目のあるリスト部分)の一つ上のコンポーネントにスクロールバーがあると判定した場合には、ステップS703に処理を進める。
【0051】
ステップS703では、CPU101は、該コンポーネントを親項目として設定し、処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS702で、「対象」に設定された項目の一つ上位のコンポーネントにスクロールバーが無いと判定した場合には、ステップS704に処理を進める。
【0053】
ステップS704では、CPU101は、現在「対象」に設定されている項目の一つ上位のコンポーネントを新たに「対象」に設定変更し、ステップS701に処理を戻し、該「対象」について処理を行う。
【0054】
また、ステップS701で、CPU101が、「対象」に設定された項目の一つ上位のコンポーネントが無いと判定した場合には、CPU101はステップS705に処理を進める。
【0055】
そしてステップS705では、CPU101は、ブラウザがスクロール対象になるため親項目を最上位の項目であるBODYに決定し、RAM102に格納して、処理を終了する。
【0056】
なお、図6では、リスト部分から上位の項目を1つずつ辿っていき親項目を決定する構成について示したが、アプリケーション(画面)作成時に親項目に相当する項目に親項目を示すIDを付加しておき、該IDを見つけて親項目に決定するように構成してもよい。
【0057】
以下、図7のフローチャートを参照して、図5のステップS502に示した選択項目までの長さの計算処理(即ち、親項目のTop(上端)から選択項目のBottom(下端)までの長さの計算処理)について詳細に説明する。
【0058】
図7は、本発明の第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図5のステップS502に示した選択項目までの長さの計算処理の詳細フローチャートに対応する。なお、なお、このフローチャートの処理は、CPU101が、CPU101により実行されるブラウザプログラム(以下ブラウザ)上で画面データ内にスクリプト言語で記載されているプログラム(クライアントサイドスクリプト)を実行することにより実現される。また、図中、S601〜S609は各ステップを示す。
【0059】
まず、ステップS601において、CPU101は、RAM102上に変数FROM,TOを格納する領域を確保するとともに、FROMにリスト項目を設定し、TOにリスト項目の1つ上位の項目を設定する。
【0060】
次に、ステップS602において、CPU101は、RAM102上に変数「高さ」を格納する領域を確保するとともに、変数「長さ」を「0」で初期化する。
【0061】
次に、ステップS603〜ステップS606において、CPU101は、親項目のTop(上端)からリスト項目のTop(上端)までの長さを求める。
【0062】
詳細には、ステップS603において、CPU101は、FROMに設定された項目のTop(上端)からTOに設定された項目のTop(上端)までの長さを取得し、RAM102内に格納する。
【0063】
次に、ステップS604において、CPU101は、「長さ」に格納された値にステップS603で求めた長さを加算した値を、「長さ」に格納する。
【0064】
次に、ステップS605において、CPU101は、TOに設定された項目が親項目であるか否かを判定し、親項目でないと判定した場合には、ステップS606に処理を進める。
【0065】
ステップS606では、CPU101は、FROMに現在TOに設定された項目を設定し、さらに、TOに現在TOに設定されている項目の1つ上位の項目を設定し、ステップS603に処理を戻す。
【0066】
一方、ステップS605で、CPU101が、TOに設定された項目が親項目であると判定した場合には、ステップS607に処理を進める。
【0067】
以上のステップS603〜ステップS606で求めた、親項目のTop(上端)からリスト項目のTop(上端)までの長さは、図2〜図4に示した例では、親項目のTop(上端)からリスト部分211のTop(上端)までの長さ202として求められる。
【0068】
ステップS607では、CPU101は、リスト部分のTop(上端)からリスト内の選択項目のTop(上端)までの長さを取得し、RAM102内に格納する。図2〜図4に示した例では、リスト部分211のTop(上端)から選択項目213のTop(上端)までの長さ203として求められる。
【0069】
次に、ステップS608において、CPU101は、選択項目自体の長さを取得し、RAM102内に格納する。図2〜図4に示した例では、選択項目自体の長さ204として求められる。
【0070】
次に、ステップS609において、CPU101は、ステップS601〜S606で算出し「長さ」に格納された値(図2〜図4の例では202)と、ステップS607で取得された値(図2〜図4の例では203)、ステップS608で取得された値(図2〜図4の例では204)を合計し、さらに、リスト部分のスクロール量(図2〜図4の例では222)を減算した値を算出し、RAM102内に格納して、処理を終了する。
【0071】
以上説明したように、選択可能な情報の一覧(リスト)をプルダウン表示させていずれかの情報を選択させる入力項目であり、且つ、前記一覧がプルダウン表示される際に表示領域を越える部分については非表示状態となる構成の入力項目(例えば図2〜図4のコンボボックス210)を有する操作画面の一部分を当該操作画面よりも小さな前記表示領域(例えば、Webブラウザのウィンドウの表示領域や、Webブラウザのウィンドウを区切ったフレームの表示領域(図2〜図4の200))にスクロール可能に表示可能な情報処理装置100が、前記一覧中で選択状態となっている情報(図2〜図4の213)が表示されるべき位置が、前記表示領域外である場合には(図3の場合)、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が前記表示領域内となるように(図4の状態になるように)、前記操作画面をスクロールさせる構成を有するので、アプリケーションユーザには目的の値までシステムが自動でスクロールする機能を提供することにより、作業画面のサイズを意識することなく容易にコンボボックス等のリストを選択操作することが可能になる。
【0072】
また、スクロールバーや画面の幅を操作する必要がなくなることにより、ユーザの操作性を向上させ、ユーザの操作時のストレスを軽減させることができる。
【0073】
さらに、アプリケーション開発者には、コンボボックスの配置位置など画面の構成を意識しなくても、使い勝手のよい画面を設計することが可能になる。また、1画面に表示するデータ数の上限制限しなくても、使い勝手のよい画面を設計することが可能になる。
【0074】
また、サーバより操作画面の画面データと画面制御プログラムを受信実行したクライアントは、ユーザに目的の値までシステムが自動でスクロールする機能を提供することができ、コンボボックス等の入力項目の表示位置や操作画面のサイズを意識することなく容易にコンボボックス等の一覧から情報を選択操作することが可能になる。
【0075】
また、スクロール操作や操作画面のサイズ変更等を操作する必要がなくなることにより、ユーザの操作性を向上させ、ユーザの操作時のストレスを軽減させることができる。
【0076】
従って、入力項目(コンボボックス)の一覧(リスト)の一部が表示領域を越えて非表示となってしまった場合でも、操作画面の幅(縦の長さ)を変更又はスクロールを使用して操作画面を目的の値まで移動させるといった煩雑なユーザ操作を行うことなく、ユーザが目的の値を見ながら入力項目の一覧から情報を容易に選択することができる等の効果を奏する。
【0077】
また、サーバ300の外部メモリに上述した図5〜図7のフローチャートに示した処理に対応するプログラムを含む画面データを格納しておき、サーバ300のCPUが、上記画面データをクライアントとしての情報処理装置100に送信する構成を備えることにより、クライアントとしての情報処理装置100は、サーバ300から上記画面データをダウンロードしてブラウザにより表示させるだけで、上述のスクロール制御処理を実行させて、上述した効果を得ることができる。
【0078】
なお、上記実施形態では、サーバ300から画面データ(図5〜図7のフローチャートに対応するプログラムを含む)を情報処理装置100にダウンロードして実行する構成について示したが、上記図5〜図7のフローチャートに示した処理に対応するプログラムを情報処理装置100の外部メモリ104にインストールしておき、情報処理装置100のCPU101が、外部メモリ104に格納されたプログラムを読み出してRAM102上で実行するように構成してもよい。
【0079】
また、画面データもHTML等の構造化言語で記述されたものに限定されるものではなく、本発明のスクロール制御は、Webの環境のコンボボックスのようにリストが長くなってまった場合に画面に収まらないリストの部分が非表示となってしまう構成の画面に対する画面制御であれば、どのような形態で提供される画面であってもよい。
【0080】
また、上述した図2〜図4に示した画面の構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0081】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0082】
以下、図8に示すメモリマップを参照して本発明に係る情報処理装置100,サーバ300で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0083】
図8は、本発明に係る情報処理装置100,サーバ300で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0084】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0085】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0086】
本実施形態における図5,図6,図7に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0087】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0088】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0089】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0090】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0091】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0092】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を得ることが可能となる。
【0093】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を得ることが可能となる。
【0094】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0095】
以上示したように、本発明によれば、入力項目(コンボボックス)の一覧(リスト)の一部が表示領域を越えて非表示となってしまった場合でも、操作画面の幅(縦の長さ)を変更(親項目の表示領域を広げる)又はスクロールを使用して操作画面を目的の値まで移動させるといった煩雑なユーザ操作を行うことなく、ユーザが目的の値を見ながら入力項目の一覧から情報を容易に選択することができる。
【0096】
よって、コンボボックスにおいて、選択されている項目を常に目で確認しながら操作することができ、ストレスのない簡便な操作で目的の値を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明を適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明におけるスクロール制御を説明するための模式図である。
【図3】本発明におけるスクロール制御を説明するための模式図である。
【図4】本発明におけるスクロール制御を説明するための模式図である。
【図5】本発明の第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る情報処理装置100,サーバ300で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0098】
100 情報処理装置
101 CPU
102 RAM
105 入力装置
106 表示装置
107 NIC
210 入力項目(コンボボックス)
211 候補一覧部分(リスト部分)
212 表示されない領域
213 選択項目
300 サーバ
400 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択可能な情報の一覧をプルダウン表示させていずれかの情報を選択させる入力項目であり、且つ、前記一覧がプルダウン表示される際に表示領域を越える部分については非表示状態となる構成の入力項目を有する操作画面の一部分を当該操作画面よりも小さな前記表示領域にスクロール可能に表示可能な情報処理装置において、
前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が、前記表示領域外である場合には、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が前記表示領域内となるように、前記操作画面をスクロールさせるスクロール制御手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記操作画面は、複数の階層で項目を定義可能で且つ前記各階層の項目にスクロール機能を設けることが可能なものであり、
前記スクロール制御手段は、前記入力項目の上位の階層の項目で且つスクロール可能な項目をスクロールさせることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作画面は、所定の構造化言語により定義されたものであり、
前記入力項目は、コンボボックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
選択可能な情報の一覧をプルダウン表示させていずれかの情報を選択させる入力項目であり、且つ、前記一覧がプルダウン表示される際に表示領域を越える部分については非表示状態となる構成の入力項目を有するクライアント上で表示される操作画面の画面データと、クライアント上で実行される画面制御プログラムを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記操作画面の画像データと前記画面制御プログラムを、前記操作画面の一部分を当該操作画面よりも小さな前記表示領域にスクロール可能に表示可能なクライアントに対して送信する送信手段と、を有するサーバであり、
前記画面制御プログラムは、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が、前記表示領域外である場合には、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が前記表示領域内となるように、前記操作画面をスクロールさせるスクロール制御機能を、前記クライアントに実現させるためのプログラムである、ことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
前記操作画面は、複数の階層で項目を定義可能で且つ前記各階層の項目にスクロール機能を設けることが可能なものであり、
前記スクロール制御機能は、前記入力項目の上位の階層の項目で且つスクロール可能な項目をスクロールさせることを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記操作画面は、所定の構造化言語により定義されたものであり、
前記入力項目は、コンボボックスであることを特徴とする請求項4又は5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記画面制御プログラムは、前記画面データ内に含まれることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項8】
選択可能な情報の一覧をプルダウン表示させていずれかの情報を選択させる入力項目であり、且つ、前記一覧がプルダウン表示される際に表示領域を越える部分については非表示状態となる構成の入力項目を有する操作画面の一部分を当該操作画面よりも小さな前記表示領域にスクロール可能に表示可能な情報処理装置における画面制御方法において、
前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が、前記表示領域外である場合には、前記一覧中で選択状態となっている情報が表示されるべき位置が前記表示領域内となるように、前記操作画面をスクロールさせるスクロールステップを有することを特徴とする画面制御方法。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載された情報処理装置としてコンピュータを機能させるための、又は、請求項8に記載された画面制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載された情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、請求項8に記載された画面制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−90366(P2008−90366A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267413(P2006−267413)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】