説明

情報処理装置および情報処理方法、プログラム、並びに、記録媒体

【課題】 磁気テープに記録されているデータの属性情報を、MICにテーブル形式で記録させる。
【解決手段】 テープストリーマドライブに装着されたテープカセットのMICに記録される属性情報テーブルには、磁気テープに記録されている1記録単位のデータ(ファイル)を区別可能な識別子毎に、例えば、ファイル名やタイトル、ファイルの作成日時や更新日時、データサイズ、ファイルのデータの種類を示すデータ種別、データの圧縮率などが、ホストコンピュータ210から供給された属性情報として登録されるほか、更に、データの記録が終了した後に生成される属性情報であるデータ記録位置を示す情報であるグループ番号やグループ先頭からのオフセットなどが、属性情報として登録される。本発明は、例えば、テープストリーマドライブに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法、プログラム、並びに、記録媒体に関し、特に、データをシーケンシャルに記録する記録媒体に、データを記録する場合に用いて好適な、情報処理装置および情報処理方法、プログラム、並びに、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディジタルデータを磁気テープに記録したり、磁気テープに記録されたディジタルデータを再生することのできるデータ記録再生装置として、テープストリーマドライブがよく知られている。テープストリーマドライブに装着されるメディアであるテープカセットの磁気テープは、例えば、数10乃至数100GB(ギガバイト)程度の膨大な記録容量を有することが可能であり、このため、例えば、ホストコンピュータのハードディスク等に記録されたデータをバックアップする場合や、データサイズの大きい画像データや動画データ等からアーカイブを作成する場合などに広く利用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平09−134256公報
【0004】
特許文献1に記載のテープストリーマドライブでは、データの入出力に、SCSI(Small Computer System Interface)インターフェースが用いられている。すなわち、テープストリーマドライブに装着されるテープカセットの磁気テープにデータが記録される際には、ホストコンピュータから、例えば32kバイトを1レコードとしてデータが送信され、送信されたデータは、SCSIインターフェースを介してテープストリーマドライブに入力される。そして、入力されたデータは、圧縮され、必要に応じて、バッファリングされ、変調された後、RFアンプを介して、磁気ヘッドに供給され、磁気テープに記録される。また、テープカセットに記録されたデータが読み出される場合、磁気ヘッドにより読み出されたデータは、復調され、必要に応じてバッファリングされた後、伸長されて、ホストコンピュータに送信される。
【0005】
また、テープカセットには、不揮発性メモリ(MIC:Memory In Cassette)が設けられており、テープストリーマドライブのシステムコントローラから不揮発性メモリにデータが記録されるとともに、テープストリーマドライブのシステムコントローラから不揮発性メモリに記録されたデータが読み出されるようになされている。そして、不揮発性メモリとホストコンピュータとの間では、SCSIのコマンドを用いて、情報が授受されるので、不揮発性メモリとホストコンピュータとの間を、例えば、SCSIインターフェースとは独立したシリアルデータバスなどで結線する必要がない。
【0006】
テープストリーマドライブを用いて、データをバックアップしたり、アーカイブを作成するホストコンピュータとしては、大型計算機から、一般的なパーソナルコンピュータまで、さまざまなものが用いられる。
【0007】
大型計算機が広く用いられていた時代において、磁気テープにデータを記録する場合に用いられていたファイルフォーマットには、例えば、ANSI(American National Standards Institute)/JISラベル付き磁気テープフォーマットや、IBMラベル付き磁気テープフォーマット等があり、これらの磁気テープフォーマットのうち、例えば、JIS―SX―0601では、ファイル名(最大17文字)などを含むラベルとファイル本体との繰り返しによって、データが磁気テープに記録されるように規定されており、フォーマットの規則において、ファイル編成、レコードの固定長、可変長の別までが規定されている。
【0008】
これらの磁気テープフォーマットに対して、磁気テープの駆動やその制御に馴染まない、すなわち、そのままでは磁気テープに記録することができない、例えば、ISAM(Indexed Sequential Access Method)ファイルやVSAM(Virtual Storage Access Method)ファイルなどのファイルフォーマットもある。これらのフォーマットのデータは、例えば、固定行の扱いなど、そのデータ編成のために、そのままでは、磁気テープへ記録することができなかった。
【0009】
また、現在、広く用いられているファイルフォーマットには、順次ファイルと称される、磁気テープに直接記録できる形式のファイルフォーマットもある。例えば、UNIX(登録商標)では、ファイルシステムそのものが、ディスク、磁気テープなどの区別なく単一のバイトストリームとされているが、磁気テープに記録されるデータのファイルシステム上の編成等については、tar(Tape archiver)等のアプリケーションプログラムで設定されている。
【0010】
また、従来のテープストリーマドライブとホストコンピュータとの間のインターフェースにおいて、アプリケーションレイヤー(電気的な接続などの物理レイヤーやトランスポ−トレイヤーではなく、論理的なコマンドセットなどを規定するレイヤー)の論理的なコマンドセットは、HDDなどのランダムアクセス装置用のコマンドセットをテープストリーマドライブ用のコマンドセットに修正、拡張したものである。
【0011】
従来のパーソナルコンピュータ等と周辺機器とで主に用いられているインターフェースには、例えば、SCSI(Small Computer System Interface)、ATA(AT Attachment)、ATAPI(ATA Packet Interface)などがある。SCSIは、ANSI(American National Standards Institute)で規格化されている、外付けのハードディスクやMO(magneto optic)、CD−Rドライブなどの周辺機器をパーソナルコンピュータに接続する際のシステムインターフェースである。ATAは、ANSIで規格化されている、主にHDD用のインターフェースとして用いられているIDE(Integrated Drive Electronics)の正式な規格名称である。ATAPIは、IDEコントローラに、例えば、CD−ROMなどのハードディスク以外のデバイスを接続するために考案されたパケットインターフェイスであり、IDEと比較すると、転送速度の向上やリムーバブルメディアのサポート、ポータブルPC向けの機能などが規格化されている。ATAPIでは、SCSIコマンドをATAコマンドに変換することができるため、ATAPIを用いることにより、高価なSCSIインターフェースを必要としないCD−ROMドライブを比較的容易に開発することが可能となる。
【0012】
これらのインターフェース規格ごとに、磁気テープへのデータの記録再生に関する拡張コマンドセットが定められており、これらのコマンドセットを用いて、磁気テープへ記録されるデータを単一のストリームとみなし、磁気テープの先頭位置や現在の記録再生位置を基準として、ブロック単位のアドレス、バイト単位のアドレス、ファイルマーク単位、または、セットマーク単位で、位置決めや、データの読み出し、または、書き込み等を指令することが可能である。
【0013】
すなわち、従来のパーソナルコンピュータ等と周辺機器とで主に用いられている、SCSI、ATA、ATAPIなどのインターフェース規格においては、ホストコンピュータにおいてファイルやフォルダとして扱われているデータ単位の概念がない。また、テープストリーマドライブも、ホストコンピュータにおいてファイルやフォルダとして扱われているデータ単位の概念を有さずに、磁気テープへのデータの記録または磁気テープに記録されているデータの再生に関する処理を行っている。
【0014】
ホストコンピュータにおいてファイルやフォルダとして扱われているデータ単位を認識し、磁気テープに記録されるデータのファイルフォーマットを規定するのは、ホストコンピュータにおいて実行されるアプリケーションプログラムであり、規定されるフォーマットには、例えば、マイクロソフト・ウインドウズ(商標)NTが規定するMTF(Microsoft Tape Format)や、UNIX(登録商標)におけるtar(Tape Archiver)コマンド(圧縮機能はないが複数のファイルを1つにまとめたり、アーカイブしたファイルを元に戻したりして、ファイルをまとめて転送する際に用いられるコマンド)が規定するフォーマット等がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したテープストリーマドライブは、大容量の記憶容量を持つという特長がある反面、記録再生の位置決め時間が長いという課題を有する装置である。
【0016】
テープストリーマドライブでは、装着されたテープカセットの磁気テープにデータとともに記録されているファイルの識別子(多くの場合、記録されているデータのそれぞれの先頭部分に記録されている)を読み取らなければ、磁気テープに記録されているデータの内容を知ることができない。このため、テープストリーマドライブを用いた、磁気テープへのデータの記録においては、ユーザが所望するデータへアクセスするために、記録されているデータを先頭から走査していかなければならないため、ファイルシステムのディレクトリ情報領域を有することによりランダムアクセス可能なHDDなどと比較して、所望するデータへのアクセス時間がかかってしまう。
【0017】
テープストリーマドライブによる磁気テープへのデータの記録における、この様な欠点をカバーするために、例えば、Windows(登録商標)付属のバックアップユーティリティー(NTBACKUP.EXE)においては、カタログと称される、インデックスやディレクトリ情報の様な情報を、ホストコンピュータにおいて保持し、ホストコンピュータがテープストリーマドライブを制御して、磁気テープにデータを記録させたり、磁気テープに記録されているデータを読み出す処理において、カタログを参照することができるようになされている。すなわち、ホストコンピュータが、テープストリーマドライブによって磁気テープに記録されるデータのファイル情報を記憶していた。
【0018】
磁気テープは、リムーバブルなメディアであるから、カタログを保持しているホストコンピュータ以外の他のホストコンピュータにより、磁気テープにデータを記録させたり、磁気テープに記録されているデータを読み出す処理の指令を受ける場合がある。そのような場合、カタログを保持していないホストコンピュータは、カタログを作成する動作を行うために、磁気テープを走査する必要がある。磁気テープの大容量化が更に進んだ場合、カタログ作成に長時間を要してしまう。
【0019】
このように、テープストリーマドライブの動作を規定しているのはホストコンピュータであるから、ホストコンピュータの処理と独立してテープストリーマドライブの動作を最適化することにより、磁気テープのダメージの低減化や、アクセス時間の短縮を図ることは困難であった。
【0020】
また、テープストリーマドライブは、磁気テープへのデータのバックアップやアーカイブの作成のために用いられることが多い。すなわち、データの書き込み時においては、既に、ホストコンピュータのハードディスク上に完結した1つのファイルとして存在しているため、例えば、ファイル名やファイルのサイズ等の属性情報がすでに確定している。しかしながら、従来のテープストリーマドライブによる磁気テープへのデータの記録または再生処理においては、その処理の制御に、例えば、ファイルサイズなどの属性情報を利用することができなかった。
【0021】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、記録媒体にシーケンシャルに記録されたデータを、容易に検索することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の情報処理装置は、データをシーケンシャルに記録する記録媒体にデータを記録する情報処理装置であって、記録媒体に記録されるデータおよびデータの属性情報を取得する取得手段と、記録媒体にデータを記録するデータ記録手段と、記録媒体において、データ記録手段によりデータが記録される記録領域とは異なる領域に、属性情報をテーブル形式で記録する属性情報記録手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
取得手段により取得された属性情報、または、データ記録手段により実行されるデータの記録媒体への記録結果を基に、属性情報を更に生成する属性情報生成手段を更に備えさせるようにすることができ、属性情報記録手段には、属性情報生成手段により生成された属性情報を更に記録させるようにすることができる。
【0024】
データは、取得手段により所定の記録単位ごとに取得されるものとすることができ、属性情報は、所定の記録単位ごとのデータに対応付けられて取得手段により取得されるものとすることができるとともに、属性情報記録手段により、所定の記録単位ごとに1レコードとされて、テーブル形式で記録されるものとすることができる。
【0025】
所定の記録単位ごとのデータを個々に区別するための識別情報を生成する識別情報生成手段を更に備えさせるようにすることができ、属性情報記録手段には、識別情報生成手段により生成された識別情報に対応付けて、属性情報を、所定の記録単位ごとに1レコードとしてテーブル形式で記録させるようにすることができる。
【0026】
他の情報処理装置へデータを供給するデータ供給手段を更に備えさせるようにすることができ、取得手段には、他の情報処理装置より、記録媒体に記録されるデータおよびデータの属性情報を取得させるようにすることができ、データ供給手段には、識別情報生成手段により生成された識別情報を、他の情報処理装置へ供給させるようにすることができる。
【0027】
記録媒体は、磁気テープにデータを記録することができるテープカセットであるものとすることができる。
【0028】
属性情報記録手段には、属性情報を、テープカセットに設けられた磁気テープとは異なるメモリに記録させるようにすることができる。
【0029】
記録媒体は、CD−Rであるものとすることができる。
【0030】
属性情報記録手段により記録された属性情報を読み出す属性情報読み出し手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0031】
他の情報処理装置から記録媒体に記録されたデータを検索するための情報と、検索されたデータの再生要求を受ける再生要求取得手段と、再生要求取得手段により取得されたデータを検索するための情報を基に、属性情報読み出し手段により読み出された属性情報から、データに対応するレコードを検索する検索手段と、検索手段により検索されたレコードに対応するデータを再生する再生手段とを更に備えさせるようにすることができる。
【0032】
他の情報処理装置から記録媒体に記録されたデータを検索するための情報と、検索されたデータに対応する属性情報の送信の要求を受ける送信要求取得手段と、送信要求取得手段により取得されたデータを検索するための情報を基に、属性情報読み出し手段により読み出された属性情報から、データに対応するレコードを検索する検索手段と、検索手段により検索されたレコードに対応する属性情報の他の情報処理装置への送信を制御する属性情報送信制御手段とを更に備えさせるようにすることができる。
【0033】
他の情報処理装置から記録媒体に記録されたデータを検索するための情報と、検索されたデータに関する統計情報の送信の要求を受ける送信要求取得手段と、送信要求取得手段により取得されたデータを検索するための情報を基に、属性情報読み出し手段により読み出された属性情報から、データに対応するレコードを検索する検索手段と、検索手段により検索されたレコードに含まれる属性情報を用いて、データに関する統計情報を算出する算出手段と、算出手段により算出された統計情報の、他の情報処理装置への送信を制御する統計情報送信制御手段とを更に備えさせるようにすることができる。
【0034】
取得手段により取得されたデータを一時保存する複数のデータ一時記憶手段と、取得手段により取得された属性情報を基に、データ一時記憶手段へのデータの一時記憶を制御する記憶制御手段とを更に備えさせるようにすることができ、記憶制御手段には、複数の一時記憶手段のうちのいずれかにおいて、一時記憶手段が備える記憶容量のデータが記憶された場合、データを読み出させるようにすることができ、データ記録手段には、記憶制御手段により読み出されたデータを記録媒体に記録させるようにすることができる。
【0035】
本発明の情報処理方法は、データをシーケンシャルに記録する記録媒体にデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、記録媒体に記録されるデータの取得を制御するデータ取得制御ステップと、データの属性情報の取得を制御する属性情報取得制御ステップと、データ取得制御ステップの処理により取得が制御されたデータの、記録媒体への記録を制御するデータ記録制御ステップと、属性情報取得制御ステップの処理により取得が制御された属性情報の、記録媒体において、データ記録制御ステップの処理によりデータが記録される記録領域とは異なる領域へのテーブル形式での記録を制御する属性情報記録制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0036】
本発明のプログラムは、データをシーケンシャルに記録する記録媒体にデータを記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、記録媒体に記録されるデータの取得を制御するデータ取得制御ステップと、データの属性情報の取得を制御する属性情報取得制御ステップと、データ取得制御ステップの処理により取得が制御されたデータの、記録媒体への記録を制御するデータ記録制御ステップと、属性情報取得制御ステップの処理により取得が制御された属性情報の、記録媒体において、データ記録制御ステップの処理によりデータが記録される記録領域とは異なる領域へのテーブル形式での記録を制御する属性情報記録制御ステップとを含むことを特徴とする処理をコンピュータに実行させる。
【0037】
本発明の情報処理装置および情報処理方法、並びに、プログラムにおいては、記録媒体に記録されるデータが取得され、データの属性情報が取得され、取得されたデータが記録媒体へ記録され、属性情報が、記録媒体において、データが記録される記録領域とは異なる領域へ、テーブル形式で記録される。
【0038】
本発明の記録媒体は、データをシーケンシャルに記録する記録媒体であって、データが記録される第1の記録領域と、第1の記録領域とは異なる領域であって、第1の記録領域に記録されているデータの属性情報をテーブル形式で記録する第2の記録領域とを備えることを特徴とする。
【0039】
記録媒体は、磁気テープを備えるテープカセットであるものとすることができ、第1の領域は、磁気テープの記録領域であるものとすることができ、第2の領域は、磁気テープとは別に設けられたメモリの記録領域であるものとすることができる。
【0040】
記録媒体は、CD−Rであるものとすることができる。
【0041】
本発明の記録媒体においては、データがシーケンシャルに第1の記録領域に記録され、第1の記録領域とは異なる領域である第2の記録領域に、第1の記録領域に記録されているデータの属性情報がテーブル形式で記録される。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、データを記録することができ、特に、データの記録領域と異なる記録領域に、データに対応する属性情報をテーブル形式で記録することができるので、シーケンシャルに記録されたデータまたはそのデータに対応する属性情報を容易に検索することができる。
【0043】
また、他の本発明によれば、データと属性情報が記録された記録媒体を提供することができ、特に、特に、データの記録領域と異なる記録領域に、データに対応する属性情報がテーブル形式で記録されるようにしたので、この記録媒体を装着した再生装置または情報処理装置などにおいて、シーケンシャルに記録されたデータまたはそのデータに対応する属性情報を容易に検索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0045】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0046】
請求項1に記載の情報処理装置(例えば、図1のテープストリーマドライブ1)は、記録媒体に記録されるデータおよびデータの属性情報を取得する取得手段(例えば、図1のUSBインターフェース21)と、記録媒体にデータを記録するデータ記録手段(例えば、図1の記録ヘッド41)と、記録媒体において、データ記録手段によりデータが記録される記録領域とは異なる領域に、属性情報をテーブル形式で記録する属性情報記録手段(例えば、図2のテーブル記憶制御部123)とを備えることを特徴とする。
【0047】
取得手段により取得された属性情報、または、データ記録手段により実行されるデータの記録媒体への記録結果を基に、属性情報を更に生成する属性情報生成手段(例えば、図2の属性情報生成部122)を更に備えることができ、属性情報記録手段は、属性情報生成手段により生成された属性情報を更に記録することができる。
【0048】
データは、取得手段により所定の記録単位(例えば、ホストコンピュータ201でファイルとして扱われていたデータ単位である1記録単位)ごとに取得されるようにすることができ、属性情報は、所定の記録単位ごとのデータに対応付けられて取得手段により取得されるとともに、属性情報記録手段により、所定の記録単位ごとに1レコードとされて、テーブル形式で記録されるようにすることができる。
【0049】
所定の記録単位ごとのデータを個々に区別するための識別情報を生成する識別情報生成手段(例えば、図2の識別子生成部103)を更に備えることができ、属性情報記録手段は、識別情報生成手段により生成された識別情報に対応付けて、属性情報を、所定の記録単位ごとに1レコードとしてテーブル形式で記録することができる。
【0050】
他の情報処理装置へデータを供給するデータ供給手段(例えば、図1のUSBインターフェース21)を更に備えることができ、取得手段は、他の情報処理装置より、記録媒体に記録されるデータおよびデータの属性情報を取得することができ、データ供給手段は、識別情報生成手段により生成された識別情報を、他の情報処理装置へ供給することができる。
【0051】
記録媒体は、磁気テープ(例えば、図1の磁気テープ62)にデータを記録することができるテープカセット(例えば、図1のテープカセット51)であるものとすることができる。
【0052】
属性情報記録手段は、属性情報を、テープカセットに設けられた磁気テープとは異なるメモリ(例えば、図1のMIC63)に記録することができる。
【0053】
属性情報記録手段により記録された属性情報を読み出す属性情報読み出し手段(例えば、図2のテーブル読み出し制御部125)を更に備えることができる。
【0054】
他の情報処理装置から記録媒体に記録されたデータを検索するための情報と、検索されたデータの再生要求を受ける再生要求取得手段(例えば、図2のコマンド取得部101)と、再生要求取得手段により取得されたデータを検索するための情報を基に、属性情報読み出し手段により読み出された属性情報から、データに対応するレコードを検索する検索手段(例えば、図2の検索処理部124)と、検索手段により検索されたレコードに対応するデータを再生する再生手段(例えば、図1の再生ヘッド42)とを更に備えることができる。
【0055】
他の情報処理装置から記録媒体に記録されたデータを検索するための情報と、検索されたデータに対応する属性情報の送信の要求を受ける送信要求取得手段(例えば、図2のコマンド取得部101)と、送信要求取得手段により取得されたデータを検索するための情報を基に、属性情報読み出し手段により読み出された属性情報から、データに対応するレコードを検索する検索手段(例えば、図2の検索処理部124)と、検索手段により検索されたレコードに対応する属性情報の他の情報処理装置への送信を制御する属性情報送信制御手段(例えば、図1の問い合わせ結果情報供給制御部127)とを更に備えることができる。
【0056】
他の情報処理装置から記録媒体に記録されたデータを検索するための情報と、検索されたデータに関する統計情報の送信の要求を受ける送信要求取得手段(例えば、図2のコマンド取得部101)と、送信要求取得手段により取得されたデータを検索するための情報を基に、属性情報読み出し手段により読み出された属性情報から、データに対応するレコードを検索する検索手段(例えば、図2の検索処理部124)と、検索手段により検索されたレコードに含まれる属性情報を用いて、データに関する統計情報を算出する算出手段(例えば、図2の問い合わせ情報生成処理部126)と、算出手段により算出された統計情報の、他の情報処理装置への送信を制御する統計情報送信制御手段(例えば、図1の問い合わせ結果情報供給制御部127)とを更に備えることができる。
【0057】
取得手段により取得されたデータを一時保存する複数のデータ一時記憶手段(例えば、図1のキャッシュメモリ29−1乃至29−n)と、取得手段により取得された属性情報を基に、データ一時記憶手段へのデータの一時記憶を制御する記憶制御手段(例えば、図1のキャッシュメモリコントローラ28)とを更に備えることができ、記憶制御手段は、複数の一時記憶手段のうちのいずれかにおいて、一時記憶手段が備える記憶容量のデータが記憶された場合、データを読み出すことができ、データ記録手段は、記憶制御手段により読み出されたデータを記録媒体に記録することができる。
【0058】
請求項14に記載の情報処理方法は、データをシーケンシャルに記録する記録媒体(例えば、磁気テープまたはCD−R)にデータを記録する情報処理装置(例えば、図1のテープストリーマドライブ1)の情報処理方法であって、記録媒体に記録されるデータの取得を制御するデータ取得制御ステップ(例えば、図7のステップS37の処理)と、データの属性情報の取得を制御する属性情報取得制御ステップ(例えば、図7のステップS34の処理)と、データ取得制御ステップの処理により取得が制御されたデータの、記録媒体への記録を制御するデータ記録制御ステップ(例えば、図8のステップS41の処理)と、属性情報取得制御ステップの処理により取得が制御された属性情報の、記録媒体において、データ記録制御ステップの処理によりデータが記録される記録領域とは異なる領域へのテーブル形式での記録を制御する属性情報記録制御ステップ(例えば、図7のステップS35および図8のステップS45の処理)とを含むことを特徴とする。
【0059】
また、請求項15に記載のプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、請求項14に記載の情報処理方法と同様である。
【0060】
請求項16に記載の記録媒体は、データをシーケンシャルに記録する記録媒体(例えば、磁気テープまたはCD−R)であって、データが記録される第1の記録領域(例えば、図1の磁気テープ62)と、第1の記録領域とは異なる領域であって、第1の記録領域に記録されているデータの属性情報をテーブル形式で記録する第2の記録領域(例えば、図1のMIC63)とを備えることを特徴とする。
【0061】
記録媒体は、磁気テープ(例えば、図1の磁気テープ62)を備えるテープカセット(例えば、図1のテープカセット51)であるものとすることができ、第1の領域は、磁気テープの記録領域であるものとすることができ、第2の領域は、磁気テープとは別に設けられたメモリ(例えば、図1のMIC63)の記録領域であるものとすることができる。
【0062】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0063】
図1は、本発明を適用した、テープストリーマドライブ1の構成を示すブロック図である。
【0064】
テープストリーマドライブ1は、図5を用いて後述するホストコンピュータから、磁気テープ62に記録されるデータや、テープストリーマドライブ1の動作を制御するためのコマンドなどの供給を受けるとともに、更に、記録されるデータやコマンドとともに、例えば、磁気テープ62に記録されるデータの属性情報や、磁気テープ62に記録されているデータを読み出すための検索条件または検索条件式など、コマンドの実行に関係する情報の供給を受け、それらを基に、装着されるテープカセット51の磁気テープ62へのデータの記録、または、磁気テープ62に記録されているデータの再生を行う。
【0065】
USBインターフェース21は、ホストコンピュータから、磁気テープに記録されるデータ、コマンド、または、コマンドの実行に関係する各種情報などの供給を受け、磁気テープに記録されるデータを圧縮/伸張処理部27に供給し、コマンド、または、コマンドの実行に関係する各種情報をシステムコントローラ22に供給する。また、USBインターフェース21は、圧縮/伸長処理部27から供給された、磁気テープから読み出され、各種処理がなされたデータや、システムコントローラ22から供給された、コマンドに対するACKや、問い合わせ結果を示すデータを、ホストコンピュータに送出する。
【0066】
ホストコンピュータとテープストリーマドライブ1とは、USB(Universal Serial Bas)の規格に基づいて、データの入出力が行われている。また、テープストリーマドライブ1においては、ホストコンピュータにおいて、例えば、1つのファイル(または1つのコンテンツ)として扱われていたデータを、データの記録を指令するコマンドが1回実行された場合に磁気テープ62に記録されるデータ(以下、1記録単位のデータと称するものとする)として扱うものとする。すなわち、ホストコンピュータからは、1記録単位のデータの記録ごとに、データの記録を指令するコマンドが送信され、また、1記録単位のデータ毎に属性情報が供給され、更に、1記録単位のデータの再生ごとに、データの再生を指令するコマンドが送信される。
【0067】
属性情報には、例えば、ファイル(1記録単位のデータ)のファイル名やタイトル、ファイルのデータの種類(例えば、動画データ、静止画データ、テキストデータ、音声データ、映像データなどの種類)、データサイズ、データ内容を説明する情報(例えば、テレビジョン放送番組などのコンテンツであれば、放送日時、放送局名、番組名、出演者名など)、データの作成者または版権を有するものの名称、データ作成に用いられたアプリケーション名、動画データや映像データの再生時間、動画データのフレームレート、ビットレート、サンプリングレート、コーディックタイプなどに関する情報、データの再生モードに関する情報、ファイルの作成日時や更新日時、データの圧縮率、エラーレートなどの信頼性情報、再生時に必要な平均転送レート、アクセス頻度、または、ユーザがファイル(1記録単位のデータ)に対して付加した情報などが用いられる。
【0068】
システムコントローラ22は、ホストコンピュータから、USBインターフェース21を介して供給されるコマンドに基づいて、テープストリーマドライブ1の動作を制御する。
【0069】
具体的には、システムコントローラ22は、ホストコンピュータから、USBインターフェース21を介して、データの記録開始を指令するコマンドの供給を受けたとき、テープストリーマドライブ1の各部の動作を制御して、ホストコンピュータから供給されるデータを、装着されているテープカセット51の磁気テープ62に記録させるとともに、テープカセット51の磁気テープ62に記録されたデータの属性情報を取得または生成して、後述するMIC63に記録される属性情報テーブルに登録する。また、システムコントローラ22は、ホストコンピュータから、USBインターフェース21を介して、磁気テープ62に記録されたデータの検索を指令するコマンドと、検索のために必要な検索情報または検索式の供給を受けたとき、MIC63に記録された属性情報テーブルを参照して検索処理を行い、検索結果を、USBインターフェース21を介して、ホストコンピュータに送信する。
【0070】
さらに、システムコントローラ22は、ホストコンピュータから、USBインターフェース21を介して、磁気テープ62に記録された所定のデータへのアクセスや読み出しにかかる予定時間の通知を要求するコマンドの供給を受けたとき、所定のデータへのアクセスや読み出しにかかる予定時間を算出し、算出結果を、USBインターフェース21を介して、ホストコンピュータに送信する。また、システムコントローラ22は、ホストコンピュータから、USBインターフェース21を介して、磁気テープ62に記録された所定のデータの読み出しを指令するコマンドと、読み出させるデータを指定するための情報の供給を受けたとき、MIC63に記録された属性情報テーブルを参照し、テープストリーマドライブ1の各部の動作を制御して、所定のデータをテープカセット51の磁気テープ62から読み出させ、USBインターフェース21を介して、ホストコンピュータに送信させる。
【0071】
SRAM23およびフラッシュROM24は、システムコントローラ22に接続され、システムコントローラ22により実行されるプログラムや、それらのプログラムの実行に必要なデータなどが記憶される。具体的には、SRAM24は、システムコントローラ22により実行されるプログラムにおける各種フラグデータ等の記憶や演算処理などに用いるワークメモリとして用いられ、フラッシュROM24には、例えば、システムコントローラ22により実行されるプログラムや、制御に用いる定数等、または、テープストリーマドライブ1に関する情報が記憶される。なお、SRAM223またはフラッシュROM24のうちの一方、または、両方は、システムコントローラ22を構成するマイクロコンピュータの内部メモリとして構成してもよい。テープストリーマドライブ1に関する情報には、例えば、テープストリーマドライブ1の製造メーカ名、シリアル番号、製造年月日、現在の温度、装着されているテープカセット51の磁気テープ62の現在の巻き取り量などの情報がある。
【0072】
カウンタ25は、システムコントローラ22の制御に基づいて、システムコントローラ22により実行されるプログラムにおいて、例えば、MIC63に記録される属性情報テーブルに登録される属性情報を生成するために必要な計数処理を実行する。タイマ26は、システムコントローラ22により参照されるタイマである。
【0073】
圧縮/伸長処理部27は、ホストコンピュータから供給されるデータを、磁気テープ62記録する場合、システムコントローラ22の制御に基づいて、USBインターフェース21から供給されたデータに、必要に応じて、所定の方式の圧縮処理を施して、圧縮されたデータをキャッシュメモリコントローラ28に供給する。圧縮方法は、いずれの方法であっても良いが、例えば、LZ符号による圧縮が行われる場合、圧縮/伸長処理部27は、過去に処理した文字列に対して専用のコードを割り与え、辞書の形で格納し、それ以降に入力される文字列と辞書の内容とを比較することにより、入力されたデータを圧縮する。すなわち、入力データの文字列と辞書のコードとが一致しなかった場合、入力文字列のデータには逐次新たなコードが与えられて、そのコードが圧縮データとして出力されるとともに、入力文字列とそのコードが新たに辞書に登録され、入力データの文字列と辞書のコードとが一致した場合、辞書に登録されたコードが圧縮データとして出力されることにより、入力データの圧縮処理が行われる。
【0074】
また、圧縮/伸長処理部27は、磁気テープ62記録されているデータを読み出して、ホストコンピュータに供給する場合、システムコントローラ22の制御に基づいて、キャッシュメモリコントローラ28から供給される圧縮されたデータを伸張して、USBインターフェース21に供給する。例えば、LZ符号によって圧縮が行われていた場合、圧縮/伸長処理部27は、内部に格納されている辞書を参照し、供給された圧縮データと辞書に登録されたコードを比較して、圧縮前の入力文字列を検出することにより圧縮データを伸張する。
【0075】
キャッシュメモリコントローラ28は、ホストコンピュータから供給されるデータを、磁気テープ62記録する場合、システムコントローラ22の制御に基づいて、圧縮/伸長処理部27から供給された圧縮データをキャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのうちのいずれかに供給してキャッシュさせるとともに、キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのうちのいずれかにキャッシュされているデータを読み出して、ECC処理部30に供給する。また、キャッシュメモリコントローラ28は、磁気テープ62記録されているデータを読み出して、ホストコンピュータに供給する場合、システムコントローラ22の制御に基づいて、ECC処理部30から供給された、復調されて、誤り訂正がなされたデータをキャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのうちのいずれかに供給してキャッシュさせるとともに、キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのうちのいずれかにキャッシュされているデータを読み出して、圧縮/伸長処理部27に供給する。
【0076】
キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nは、キャッシュメモリコントローラ28の制御に基づいて、供給されたデータを一時キャッシュするものである。キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのそれぞれにおいて、キャッシュ可能なデータ容量と、磁気テープ62に記録されるデータの1グループのデータ容量とは、対応する値となる。磁気テープ62へ記録されるデータの構成の詳細については、後述する。
【0077】
以下、キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nを個々に区別する必要がない場合、単に、キャッシュメモリ29と総称する。
【0078】
また、キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nは、物理的に複数のメモリにより構成されていてもよいし、物理的には1チップのメモリを、複数の記憶領域に分割して用いるようにしてもよい。なお、キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nの記憶領域の一部を、キャッシュメモリコントローラ28、または、システムコントローラ22において実行される処理に用いられるワークメモリとして用いるようにしても良い。
【0079】
ECC処理部30は、ホストコンピュータから供給されるデータを、磁気テープ62記録する場合、システムコントローラ22の制御に基づいて、キャッシュメモリコントローラ28から供給された圧縮データに、エラー訂正符号(ECC:error correcting code)を付加し、変調/復調およびRF処理部31に供給する。また、ECC処理部30は、磁気テープ62記録されているデータを読み出して、ホストコンピュータに供給する場合、システムコントローラ22の制御に基づいて、変調/復調およびRF処理部31から供給された復調されたデータのエラー訂正符号を基に、データにエラーが発生している場合は、それを検出して訂正する処理を実行し、エラー訂正後のデータを、キャッシュメモリコントローラ28に供給する。
【0080】
変調/復調およびRF処理部31は、ホストコンピュータから供給されるデータを、磁気テープ62記録する場合、システムコントローラ22の制御に基づいて、エラー訂正符号が付加された圧縮データを変調してRF(Radio Frequency)信号に変換し、RF信号に対して、増幅やイコライジング処理を施して、記録ヘッド41−1および41−2に供給する。また、変調/復調およびRF処理部31は、磁気テープ62記録されているデータを読み出して、ホストコンピュータに供給する場合、システムコントローラ22の制御に基づいて、再生ヘッド42−1乃至42−3から供給されるRF信号に対して、再生イコライジング処理を行い、復調して、ECC処理部30に供給する。
【0081】
サーボコントローラ32は、システムコントローラ22の制御に基づいて、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5を駆動するメカドライバ34を制御して、各モータの回転、および、回転速度を制御することにより、データの記録再生時または早送りや巻き戻し時の磁気テープの走行、磁気テープ走行時のテープテンションの制御、テープカセット51の装着または排出(ローディングまたはアンローディング)の動作などを制御する。特に、サーボコントローラ32は、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、並びに、リールモータ35−3および35−4のそれぞれに設けられているFG(周波数発生器)から発生され、メカドライバ34を介して供給されるモータの回転情報に基づいて、各モータの回転動作において目的とする回転速度と実際の回転速度との誤差を検出し、その誤差分を基に、メカドライバ17を制御することにより、各モータの閉ループによる回転速度制御を実現することができる。
【0082】
メカドライバ34は、サーボコントローラ32の制御に基づいて、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5のそれぞれを回転駆動させるドライバである。また、メカドライバ34は、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、並びに、リールモータ35−3および35−4のそれぞれに設けられているFGから発生されるモータの回転情報の供給を受け、サーボコントローラ32に供給する。
【0083】
ドラムモータ35−1は、テープストリーマドライブ1に装着されたテープカセット51の供給用テープリール61−1から引き出された磁気テープ62が巻き付けられる回転ドラム36を回転駆動させる。キャプスタンモータ35−2は、磁気テープ62を定速走行させるための図示しないキャプスタンを回転駆動させる。リールモータ35−3および35−4は、テープストリーマドライブ1に装着されたテープカセット51の供給用テープリール61−1および巻き取りテープリール61−2を回転駆動させる。ローディングモータ35−5は、図示しないローディング機構を駆動させ、テープカセット51をローディングまたはアンローディングさせる。
【0084】
EEP−ROM33は、サーボコントローラ32が各モータを制御するために必要な、例えば、定数等の情報を格納するメモリである。
【0085】
回転ドラム36には、記録ヘッド41−1および41−2、並びに、再生ヘッド42−2乃至42−3が配置されている。具体的には、回転ドラム36には、アジマス角が異なる2つの記録ヘッド41−1および41−2のギャップが極めて近接して配置されているとともに、それぞれ所定のアジマス角の再生ヘッド42−2乃至42−3のギャップが、所定の角度間隔で配置されている。記録ヘッド41−1および41−2は、磁気テープ62に、変調/復調およびRF処理部31から供給されたデータを記録する。再生ヘッド42−2乃至42−3は、磁気テープ62に記録されているデータを再生させて、変調/復調およびRF処理部31に供給する。
【0086】
テープカセット51において、供給用テープリール61−1および巻き取り用テープリール61−2は、リールモータ35−3およびリールモータ35−4により回転駆動され、磁気テープ62を所定の速さで移送する。磁気テープ62には、記録ヘッド41−1および41−2によりデータが記録される。また、再生ヘッド42−2乃至42−3により、磁気テープ62に記録されたデータが再生される。テープカセット51の供給用テープリール61−1から引き出された磁気テープ62は、ドラムモータ35−1により回転される回転ドラム36に巻きつけられ、キャプスタンモータ35−2により回転駆動される図示しないキャプスタン、および、図示しないピンチローラにより、所定の方向に移送される。
【0087】
磁気テープ62には、ヘリカルスキャン方式により、データが記録再生されるようになされている。
【0088】
また、テープカセット51には、MIC63が設けられている。MIC63は、キャッシュメモリ37を介して、システムコントローラ22とデータの授受が可能なように接続され、システムコントローラ22により、テープカセット51の磁気テープ62に記録されているデータに関する情報が登録される属性情報テーブル(その詳細は、図9を用いて後述する)の各フィールドに登録される情報の供給を受けたり、属性情報テーブルの各フィールドに登録される情報を読みだされることができるようになされている。また、MIC63には、テープカセット51に関する情報も記録されている。テープカセット51に関する情報には、例えば、テープカセット51の製造メーカ名、ロード回数、製造年月日、バッドスポットの位置、テープの残容量などがある。
【0089】
キャッシュメモリ37は、システムコントローラ22とMIC63と接続され、MIC63から読み出されたデータ、または、MIC63に書き込むデータの一時キャッシュに用いられる。
【0090】
MIC4は、従来の構成のようにテープカセット28内に配設してもよいが、これに代わって、磁気テープ62のうちの所定の記録領域をMIC63に対応する記録領域として取り扱うようにしても良い。このような場合、テープストリーマドライブ1においては、例えば、テープカセット51がテープストリーマドライブ1に装着されたとき、磁気テープ62のMIC63に対応する記録領域に記録されている属性情報テーブルを読み出して、キャッシュメモリ37に一時保存させることにより、システムコントローラ22が、キャッシュメモリ37に一時保存されている属性情報テーブルを参照して、データの記録再生操作を行い、必要に応じて、属性情報テーブルを更新することが可能なようにすることができる。また、システムコントローラ22により、データの記録再生操作のために更新された、キャッシュメモリ37に一時保存されている属性情報テーブルは、テープカセット51がテープストリーマドライブ1から排出される前に、磁気テープ62のMIC63に対応する記録領域に記録されるものとすることができる。このようにすることにより、テープストリーマドライブ1においては、データの記録再生処理時に、テープカセット51の磁気テープ62に記録されているデータをその都度走査することなく、MIC63に対応する記録領域に記録されていた属性情報テーブルを参照して、記録再生動作の制御を行うことができる。
【0091】
なお、テープカセット51の磁気テープ62に記録されているデータに関する情報が登録される属性情報テーブルが記録されるMIC4は、テープカセット51に設けられるのみならず、テープストリーマドライブ1内に設けられるようにしても良い。このような場合、属性情報テーブルは、リムーバブルなメディアであるテープカセット51のそれぞれに対応して作成される必要があるので、テープストリーマドライブ1内に記録される属性情報テーブルは、例えば、テープカセット51に固有に対応付けられるIDなどによって区別可能なようにする必要がある。
【0092】
また、システムコントローラ22には、必要に応じて、ドライブ38が接続されており、ドライブ38には、、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVDを含む)、光磁気ディスク(MD(登録商標)(Mini-Disk)を含む)、または、半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア71が装着され、システムコントローラ22とデータの授受が可能なようになされている。
【0093】
なお、図1のテープストリーマドライブ1においては、ホストコンピュータとのインターフェースをUSBとしているが、テープストリーマドライブ1とホストコンピュータとのインターフェースは、例えば、SCSIなど、USB以外のものであってもかまわない。すなわち、本実施の形態において記載されているテープストリーマドライブ1とホストコンピュータとの処理動作(いわゆるアプリケーション層において規定される動作)を実行することが可能なように、インターフェースに合わせてトランスポート層以下の機能を拡張することにより、テープストリーマドライブ1とホストコンピュータとのインターフェースの種類にかかわらず、本発明を適用することが可能となる。
【0094】
図2は、テープストリーマドライブ1が実現可能な機能(テープストリーマドライブ1内のハードウェアによって実現される機能や、システムコントローラ22において実行されるソフトウェアプログラムによって実現される機能を含む)について説明するための機能ブロック図である。
【0095】
コマンド取得部101は、ホストコンピュータから供給されるコマンド、および、コマンドとともに供給される各種情報(例えば、データが記録されるときは、記録されるデータの属性情報などであり、データの検索または読み出しが指令されたときは、データの検索または読み出しに用いられる検索条件または検索条件式などの情報)を取得し、そのコマンドおよび必要な情報を記録再生制御部102、識別子生成部103、テーブル処理部104の属性情報取得部121または検索処理部124、および、駆動制御部105に供給する。
【0096】
具体的には、コマンド取得部101は、ホストコンピュータから供給されるコマンドが、データの記録開始を指令するコマンドである場合、データの記録開始を指令するコマンドを記録再生制御部102に供給し、データの記録開始を指令するコマンドを受けたことを識別子生成部103に通知し、記録されるデータとともに属性情報が供給された場合は、その属性情報を属性情報取得部121および記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111に供給する。また、コマンド取得部101は、ホストコンピュータから供給されるコマンドが、データの検索を指令するコマンドである場合、データの検索を指令するコマンドを検索条件または検索条件式とともに、検索処理部124に供給し、ホストコンピュータから供給されるコマンドが、データの再生を指令するコマンドである場合、データの再生を指令するコマンドを記録再生制御部102に供給する。
【0097】
記録再生制御部102は、圧縮/伸長処理部27、キャッシュメモリコントローラ28、ECC処理部30、並びに、圧縮/変調およびRF処理部31によるデータの記録再生に必要な動作を制御する。具体的には、記録再生制御部102は、例えば、コマンド取得部101から、データの記録を指令するコマンドの供給を受けた場合、圧縮/伸長処理部27、キャッシュメモリコントローラ28、ECC処理部30、並びに、圧縮/変調およびRF処理部31を制御して、USBインターフェース21に供給された、磁気テープ62に記録されるデータの処理を制御し、コマンド取得部101から、所定のデータの再生を指令するコマンドの供給を受けた場合、圧縮/伸長処理部27、キャッシュメモリコントローラ28、ECC処理部30、並びに、圧縮/変調およびRF処理部31を制御して、磁気テープ62に記録されている所定のデータの再生を制御する。また、記録再生制御部102は、記録または再生されるデータをキャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれにキャッシュするかを選択する、すなわち、記録または再生されるデータのキャッシュメモリ29への割り当てを決定する処理を実行するキャッシュメモリ割り当て処理部111の機能を有する。
【0098】
キャッシュメモリ割り当て処理部111は、記録または再生されるデータのデータ容量やデータの種類などを基に、記録または再生されるデータのキャッシュメモリ29への割り当てを決定する処理を実行する。具体的には、磁気テープ62へのデータの記録時に、例えば、データ容量によってキャッシュ先を変更するようにした場合、キャッシュメモリ割り当て処理部111が、コマンド取得部101から供給される属性情報を基に、例えば、小さなサイズのデータを同一のキャッシュメモリ29にまとめてキャッシュするなどして、供給されるデータの容量によって、データをキャッシュするキャッシュメモリ29を決定することにより、磁気テープ62において、小さなデータサイズのデータが、グループにまとまって記録される。また、データの種類によってキャッシュ先を変更するようにした場合、キャッシュメモリ割り当て処理部111が、コマンド取得部101から供給される属性情報を基に、例えば、動画、静止画、テキストなどのデータの種類によって、データをキャッシュするキャッシュメモリ29を決定することにより、磁気テープ62において、同じ種類のデータが、グループにまとまって記録される。
【0099】
このようにすることにより、磁気テープ62に記録されるデータまたは磁気テープ62から読み出されるデータの属性を基に、データの記録再生処理を制御することができる。
【0100】
識別子生成部103は、コマンド取得部101から、データの記録開始を指令するコマンドを受けたことの通知を得た場合、記録されるデータを識別するための識別情報であり、記録されるデータに固有に対応付けられる識別子を発行し、発酵した識別子を記録再生制御部102に供給して内部に記憶させる(実際には、例えば、図1のSRAM23に記憶させる)とともに、ホストコンピュータに送信させる。識別子には、例えば、GUID(Global Unique ID)やUUID(Universally Unique Identifier)など、世界中でユニーク(固有の)なIDを用いるようにしてもよい。また、識別子生成部103は、例えば、デバイス内のROM(例えば、図1のフラッシュROM24など)に書き込まれた物理アドレスなどを「ユニークなランダムシード(乱数発生の源)」として、理論上完全にユニークな識別子を生成するようにしてもよい。また、識別子生成部103は、理論上完全にユニークな識別子を生成する以外に、例えば、乱数、システム状態、ハッシュ関数等を基に、実用上問題ない乱数を発生させ(すなわち、確率的に、同一のものが簡単に発生しないようにして、乱数を発生させ)、その乱数を識別子として用いるようにしても良い。
【0101】
テーブル処理部104は、磁気テープ62にデータを記録する場合に、MIC63に記録される属性情報テーブルへの情報の登録や更新を制御したり、MIC63に記憶されている属性情報テーブルを読み出し、それを基に、磁気テープ62に記録されているデータのうち、条件に合致するデータの問い合わせ結果を生成したり、条件に合致したデータを検索する処理を実行する。
【0102】
テーブル処理部104は、属性情報取得部121、属性情報生成部122、テーブル記憶制御部123、検索処理部124、テーブル読み出し制御部125、問い合わせ結果情報生成処理部126、および、問い合わせ結果情報供給制御部127の機能を有する。
【0103】
属性情報取得部121は、コマンド取得部101から供給された属性情報を取得し、属性情報生成部122、および、テーブル記憶制御部123に供給する。属性情報生成部122は、属性情報取得部121から供給された属性情報、および、記録再生制御部102から供給された、例えば、データ記録時に得られるデータの記録位置に関する情報などを基に、属性情報を生成し、テーブル記憶制御部122に供給する。また、記録再生制御部102は、識別子生成部103により生成された、1記録単位のデータに対応付けられた識別子を属性情報生成部122に供給するので、属性情報生成部122は、供給された識別子を、テーブル記憶制御部122に供給する。テーブル記憶制御部123は、MIC63に記憶される属性情報テーブルのうち、記録されるデータの1記録単位(例えば、ホストコンピュータにおいて、ファイルとして取り扱われているデータの単位など)ごとに、それぞれのフィールドへ各種属性情報を登録するために、属性情報テーブルの1レコードを生成し、属性情報テーブルへの登録を制御する。属性情報テーブルに登録される属性情報の具体例については、図9を用いて後述する。
【0104】
検索処理部124は、コマンド取得部101から、データの検索を指令するコマンドと検索条件または検索条件式の供給を受け、テーブル読み出し制御部125を制御して、MIC63の属性情報テーブルを読み出させて検索処理を実行し、検索条件または検索条件式に合致したレコードに関する情報や、例えば、検索条件に合致するデータ数や、検索条件に合致するデータの合計のデータ容量などの統計情報を、問い合わせ結果情報生成処理部126に供給する。テーブル読み出し制御部125は、検索処理部124の制御に基づいて、MIC63に記録されている属性情報テーブルの読み出しを制御する。
【0105】
問い合わせ結果情報生成処理部126は、検索処理部124から供給された、検索条件または検索条件式に合致したレコードを基に、問い合わせ結果を示す情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給する。問い合わせ結果を示す情報は、検索結果が複数レコードである場合、テーブル形式であっても、複数のレコード情報の集合であっても良いし、検索結果のうちの、例えば、ファイル名、データ容量、所望データへのアクセス時間、または、所望データをホストコンピュータに転送する場合にかかる時間など、問い合わせの内容に合致した属性情報のみから構成されるものであっても良い。問い合わせ結果を示す情報がテーブル形式である場合の具体例については、図13を用いて後述する。問い合わせ結果情報供給制御部127は、問い合わせ結果情報生成処理部126により生成された、問い合わせ結果を示す情報のホストコンピュータへの供給、具体的には、USBインターフェース21を介した、ホストコンピュータへの送信を制御する。
【0106】
そして、駆動制御部105は、コマンド取得部101から供給されたコマンドに基づいて、サーボコントローラ32を制御して、メカドライバ34を動作させ、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5のそれぞれを回転駆動させる。
【0107】
次に、テープストリーマドライブ1の、データ記録再生動作について説明する。
【0108】
USBインターフェース21が、ホストコンピュータより、データの記録開始を指令するコマンドおよび記録されるデータの属性情報などの供給を受けた場合、USBインターフェース21は、システムコントローラ22に、データの記録開始を指令するコマンドおよび記録されるデータの属性情報などを供給する。
【0109】
このとき、システムコントローラ22において実行される機能について説明すると、コマンド取得部101は、データの記録開始を指令するコマンドを受けたことを、識別子生成部103に通知するので、識別子生成部103は、新たに記録されるデータに対して、一義に対応付けられるユニークな識別子(たとえば、GUIDなど)を発行し、記録再生制御部102に供給して記憶させる(具体的には、SRAM23に記憶させる)とともに、生成した識別子を、USBインターフェース21を介して、ホストコンピュータに供給する処理を制御する。また、コマンド取得部101は、データの記録開始を指令するコマンドを記録再生制御部102および駆動制御部105に供給するので、記録再生制御部102は、圧縮/伸長処理部27、キャッシュメモリコントローラ28、ECC処理部30、並びに、圧縮/変調およびRF処理部31を制御して、供給されるデータを磁気テープ26へ記録させる処理を開始させ、駆動制御部105は、メカドライバ34を動作させ、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5のそれぞれを回転駆動させるために、サーボコントローラ32の制御を開始する。
【0110】
また、システムコントローラ22において、コマンド取得部101が、データの記録開始を指令するコマンドとともに、記録されるデータの属性情報の供給を受けた場合、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111は、属性情報を基に、必要に応じて、キャッシュメモリ29へのデータの一時記憶の割り当てを決定する。データの割り当ての決定は、例えば、データの大きさやデータの種類などによって決められるようにしても良い。また、た、システムコントローラ22において、コマンド取得部101が、データの記録開始を指令するコマンドとともに、記録されるデータの属性情報の供給を受けた場合、テーブル処理部104の属性情報取得部121は、コマンド取得部101から属性情報を取得する。
【0111】
そして、USBインターフェース21は、ホストコンピュータから、記録されるデータの供給を受けて、圧縮/伸長処理部27に供給する。圧縮/伸長処理部27は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、供給されたデータを、所定の方式で圧縮し、キャッシュメモリコントローラ28に供給する。キャッシュメモリコントローラ28は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111の制御)に基づいて、供給された圧縮データを、キャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれかに供給して保存させる。
【0112】
そして、ホストコンピュータから供給された1記録単位のデータがキャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれかにキャッシュされた後、システムコントローラ22は、テープカセット51のMIC63に記憶されている属性情報テーブルへ登録される、データの1記録単位に対応する属性情報のレコードを生成し、キャッシュメモリ37に供給して、一旦キャッシュさせた後、MIC63に供給して、登録させる。
【0113】
具体的には、属性情報取得部121は、コマンド取得部101から供給された属性情報を取得し、属性情報生成部122、および、テーブル記憶制御部123に供給する。属性情報生成部122は、属性情報取得部121から供給された属性情報、および、記録再生制御部102から供給された、データ記録時に得られる、例えば、データの記録位置に関する情報などを基に、属性情報を生成し、テーブル記憶制御部122に供給する。また、記録再生制御部102は、識別子生成部103により生成された、1記録単位のデータに対応付けられた識別子を属性情報生成部122に供給するので、属性情報生成部122は、供給された識別子を、テーブル記憶制御部122に供給する。テーブル記憶制御部123は、記録されるデータの1記録単位(例えば、ホストコンピュータにおいて、ファイルとして取り扱われているデータの単位など)ごとに、属性情報テーブルのレコードを生成し、MIC63に記憶される属性情報テーブルのそれぞれのフィールドへの各種属性情報の登録を制御する。属性情報テーブルは、リレーショナルデータベースとしての機能を有するものであり、たとえば、リレーショナルデータベースシステム用の構造化問い合わせ言語、いわゆるSQL(Structured Query Language)により記述される。
【0114】
MIC63は、属性情報テーブルを記憶しており、キャッシュメモリ37を介して供給された、データの1記録単位に対応する属性情報のレコードを、識別子に対応付けて登録する。
【0115】
キャッシュメモリコントローラ28は、キャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれかが容量一杯まで記録された場合、容量が一杯となったキャッシュメモリ29に記録されているデータを読み出して、ECC処理部30に供給する。また、キャッシュメモリコントローラ28は、データの記録処理の終了が指令された場合、テープストリーマドライブ1の電源が切断された場合、または、所定の一定時間以上、コマンドが供給されなかった場合などは、キャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれかに記録されているデータを読み出して、ECC処理部30に供給する。
【0116】
ECC処理部30は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、供給されたデータの1ブロックごとに、例えば、パリティビットなど、エラーチェックのためのコードを付加し、変調/復調およびRF処理部31に供給する。変調/復調およびRF処理部31は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、供給されたデータを変調してRF信号に変換し、RF信号に対して、増幅やイコライジング処理を施して、記録ヘッド41−1および41−2に供給する。
【0117】
また、サーボコントローラ32は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、駆動制御部105の制御)に基づいて、EEP−ROM33に記録されている情報を参照し、メカドライバ34を制御して、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5のそれぞれを回転駆動させる。記録ヘッド41−1および41−2は、ヘリカルスキャン方式で、供給されたデータを、テープカセット51の磁気テープ62に記録する。
【0118】
テープカセット51の磁気テープ62に記録されるデータの構造について、図3および図4を用いて説明する。
【0119】
図3(A)には、ECC処理部30において、ECCが付加される単位である、ブロック(Block)単位のデータ構造が示されている。1ブロックは、同期信号が記載されるSYNCデータエリアに続いて、サーチ等に用いるIDが記載されるIDエリア、IDエリアに記載されるIDのエラー訂正用のパリティビットなどのECCが記載されるパリティエリア、および、ホストコンピュータから供給されるデータが記載されるデータエリアにより構成される。そして、図3(B)に示されるように、複数のブロックと、両端のマージンエリアにより、1トラックのデータが構成される。
【0120】
そして、図3(C)に示されるように、8000トラックで1グループとなり、それぞれのグループの間には、所定の間隔の無効領域が設けられるように、磁気テープ62にデータが記録される。このトラックは、磁気テープ62の幅方向に対して、傾斜する様に物理的に記録される。
【0121】
また、図3(C)においては、8000トラックで1グループとなるように、データが記録されている場合について図示されているが、1グループに含まれる、同期信号、ID、ECCなどを除いたデータ(すなわち、図3(A)におけるデータエリアに記載されるデータ)の容量は、キャッシュメモリ29の記憶容量によって決められる。上述したように、磁気テープ62へのデータの記録処理は、1記録単位ごとに行われるのではなく、1記録単位ごとにホストコンピュータからデータが供給されて、キャッシュメモリ29−1乃至29−nにデータがキャッシュされ、キャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれか容量一杯にデータがキャッシュされたものから、キャッシュされたデータが読み出されて、所定の処理が施されて、磁気テープ62へデータが記録されるようになされている。すなわち、1グループのデータとは、磁気テープへ一度に記録されるデータのまとまりであり、換言すれば、キャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれかにキャッシュされたデータに、ブロックごとに、ECCなどの冗長データが付加されたものであり、1グループのデータ容量は、キャッシュメモリ29に記録されるデータ容量を基に、ECC付加や変調処理などによって必要となる冗長度やリライト率を考慮したデータサイズ(例えば、キャッシュメモリ29のデータ容量の1.5倍程度)となる。また、磁気テープ62からのデータの読み出しも、ブロックごとに行われるので、磁気テープ62から読み出された1ブロックのデータは、復調されて、エラー訂正されたのち、キャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれか1つにキャッシュすることができる。
【0122】
次に、図4を参照して、磁気テープ62に記録されるデータにおける、1記録単位と1グループとの関係について説明する。
【0123】
上述したように、磁気テープ62へのデータの記録処理は、1記録単位ごとに行われるのではなく、1記録単位ごとにキャッシュメモリ29−1乃至29−nにデータがキャッシュされ、キャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれか容量一杯にデータがキャッシュされたものから、キャッシュされたデータが読み出されて、所定の処理が施されて、磁気テープ62へデータが記録されるようになされている。すなわち、ホストコンピュータから供給されるデータのまとまりである1記録単位と、磁気テープ62に記録されるデータのまとまりである1グループとは、異なるデータ単位である。したがって、1記録単位のデータの容量が1グループより少ない場合、グループ151−1やグループ151−4のように、1グループに、複数の1記録単位のデータ(#0乃至#3および#5乃至#8のそれぞれ)が記録され、1記録単位のデータの容量が1グループより大きい場合、グループ151−2やグループ151−3のように、複数のグループにまたがって、1記録単位のデータ(#4−1および#4−2)が記録される。
【0124】
次に、USBインターフェース21が、ホストコンピュータより、データの検索を指令するコマンドおよび検索のために用いられる検索条件または検索条件式の供給を受けた場合、USBインターフェース21は、システムコントローラ22に、データの検索を指令するコマンドおよび検索条件または検索条件式を供給する。
【0125】
このとき、システムコントローラ22において実行される機能について説明すると、コマンド取得部101は、データの検索を指令するコマンドおよび検索条件または検索条件式を、検索処理部124に供給する。検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125を制御して、MIC63の属性情報テーブルを読み出させる。そして、検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125により読み出された属性情報テーブルに登録されている情報から、検索条件または検索条件式に合致するレコードを抽出し、問い合わせ結果情報生成処理部126に供給する。
【0126】
すなわち、検索処理部124は、リレーショナルデータベースシステム用の構造化問い合わせ言語、いわゆるSQLで記述された属性情報テーブルに登録された情報を検索することができる。
【0127】
問い合わせ結果情報生成処理部126は、検索処理部124から供給された、検索条件または検索条件式に合致したレコードに関する情報を基に、問い合わせ結果を示す情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給する。問い合わせ結果を示す情報は、検索結果が複数レコードである場合、テーブル形式であっても、複数のレコード情報の集合であっても良いし、問い合わせの内容に合致した属性情報のみから構成されるものであっても良い。問い合わせ結果情報供給制御部127は、問い合わせ結果情報生成処理部126により生成された、問い合わせ結果を示す情報のホストコンピュータへの送信を制御する。
【0128】
次に、USBインターフェース21が、ホストコンピュータより、データの再生を指令するコマンドおよび再生されるデータを指定する情報の供給を受けた場合、USBインターフェース21は、システムコントローラ22に、データの再生を指令するコマンドおよび再生されるデータを指定する情報を供給する。
【0129】
このとき、システムコントローラ22において実行される機能について説明すると、コマンド取得部101は、データの再生を指令するコマンドおよび再生されるデータを指定する情報を、記録再生制御部102および駆動制御部105に供給する。駆動制御部105は、メカドライバ34を動作させ、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5のそれぞれを回転駆動させるために、サーボコントローラ32を制御し、磁気テープ26に記録されている指定されたデータを読み出させる。記録再生制御部102は、圧縮/変調およびRF処理部31、ECC処理部30、キャッシュメモリコントローラ28、並びに、圧縮/伸長処理部27を制御して、読み出されたデータの処理を制御する。
【0130】
サーボコントローラ32は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、駆動制御部105の制御)に基づいて、EEP−ROM33に記録されている情報を参照し、メカドライバ34を制御して、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5のそれぞれを回転駆動させる。記録ヘッド41−1および41−2は、テープカセット51の磁気テープ62に記録されているデータを再生ヘッド42−1乃至42−3により読み出させて圧縮/変調およびRF処理部31に供給させる。
【0131】
変調/復調およびRF処理部31は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、再生ヘッド42−1乃至42−3から供給されるRF信号に対して、再生イコライジング処理を行い、復調して、ECC処理部30に供給する。ECC処理部30は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、変調/復調およびRF処理部31から供給された復調されたデータのエラー訂正符号を基に、データにエラーが発生している場合は、それを検出して訂正する処理を実行し、エラー訂正後のデータを、キャッシュメモリコントローラ28に供給する。
【0132】
キャッシュメモリコントローラ28は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111の制御)に基づいて、圧縮/伸長処理部27から供給された圧縮データをキャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのうちのいずれかに供給してキャッシュさせるとともに、キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのうちのいずれかにキャッシュされているデータを読み出して、圧縮/伸長処理部27に供給する。
【0133】
圧縮/伸長処理部27は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、キャッシュメモリコントローラ28から供給される圧縮されたデータを伸張して、USBインターフェース21に供給する。USBインターフェース21は、圧縮/伸長処理部27から供給された、磁気テープ62から読み出され、各種処理がなされたデータを、ホストコンピュータに出力する。
【0134】
次に、USBインターフェース21が、ホストコンピュータから、例えば、所望のデータへアクセスするために必要な時間や、所望のデータを取得するために必要な時間などの問い合わせを受けた場合、USBインターフェース21は、システムコントローラ22に、問い合わせコマンドおよび問い合わせに対する回答を算出するために必要な情報を供給する。
【0135】
このとき、システムコントローラ22において実行される機能について説明すると、コマンド取得部101は、問い合わせコマンドおよび問い合わせに対する回答を算出するために必要な情報を、検索処理部124および記録再生制御部102に供給する。検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125を制御して、MIC63の属性情報テーブルを読み出させる。そして、検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125により読み出された属性情報テーブルに登録されている情報から、問い合わせに対する回答を算出するために必要な情報を抽出し、問い合わせ結果情報生成処理部126に供給する。記録再生制御部102は、テープストリーマドライブ1の各部の状態を示す情報を、問い合わせ結果情報生成処理部126に供給する。
【0136】
問い合わせ結果情報生成処理部126は、検索処理部124および記録再生制御部102から供給された情報を基に、問い合わせ結果を示す情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給する。問い合わせ結果情報供給制御部127は、問い合わせ結果情報生成処理部126により生成された、問い合わせ結果を示す情報のホストコンピュータへの送信を制御する。
【0137】
図5は、図1のテープストリーマドライブ1と接続されているホストコンピュータ201の構成を示すブロック図である。
【0138】
CPU(Central Processing Unit)211は、ROM(Read Only Memory)212に記憶されているプログラム、または記憶部218からRAM(Random Access Memory)213にロードされたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する。RAM213にはまた、CPU211が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0139】
CPU211、ROM212、およびRAM213は、バス214を介して相互に接続されている。このバス214にはまた、入出力インターフェース215も接続されている。
【0140】
入出力インターフェース215には、キーボード、マウスなどよりなる入力部216、ディスプレイやスピーカなどよりなる出力部217、ハードディスクなどより構成される記憶部218、図1を用いて説明したテープストリーマドライブ1と情報を授受するUSBインターフェース219が接続されている。
【0141】
入出力インターフェース215にはまた、必要に応じてドライブ220が接続され、磁気ディスク231、光ディスク232、光磁気ディスク233、もしくは、半導体メモリ234などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部218にインストールされる。
【0142】
具体的には、ホストコンピュータ201のCPU211は、入出力インターフェース215およびバス214を介して、入力部216から供給された、ユーザの操作入力に基づいて、テープストリーマドライブ1に供給する各種コマンドおよびコマンドとともに供給される各種情報を生成し、バス214、入出力インターフェース215、および、USBインターフェース219を介して、テープストリーマドライブ1に供給する。
【0143】
ユーザが、記憶部218に記憶されているデータを選択して、テープストリーマドライブ1に装着されているテープカセット51の磁気テープ62に記憶させることを指令した場合(このとき、データは、記憶部218に残っていても、残っていなくても良い。換言すれば、データがコピーされる場合であっても、移動される場合であっても良い)、CPU211は、データの記録開始を指令するコマンドと、記録させるデータの属性情報を、バス214、入出力インターフェース215、および、USBインターフェース219を介して、テープストリーマドライブ1に供給し、そして、記憶部218に記憶されている選択されたデータを読み出して、入出力インターフェース215、および、USBインターフェース219を介して、テープストリーマドライブ1に供給する。
【0144】
そして、USBインターフェース219が、テープストリーマドライブ1から磁気テープ62に記録されるデータを識別する識別情報である識別子を受信した場合、CPU211は、受信した識別子を、記録されたデータ、または、そのデータの属性情報と対応付けて、記憶部218またはRAM213に保存する。
【0145】
また、ユーザが、テープストリーマドライブ1に装着されているテープカセット51の磁気テープ62に記憶されているデータを検索することを指令し、その検索条件を入力した場合、CPU211は、記録されているデータの検索を指令するコマンドと、検索条件または検索条件式を、バス214、入出力インターフェース215、および、USBインターフェース219を介して、テープストリーマドライブ1に供給する。
【0146】
そして、USBインターフェース219が、テープストリーマドライブ1から問い合わせ結果情報を受信した場合、CPU211は、入出力インターフェース215、および、バス214を介して、供給された問い合わせ結果情報を取得し、ユーザに問い合わせ結果を通知するための表示画面データを生成し、バス214、および、入出力インターフェース215を介して、出力部217に供給し、ディスプレイに表示させる。
【0147】
また、ユーザが、テープストリーマドライブ1に装着されているテープカセット51の磁気テープ62に記憶されているデータのうちのいずれかを指定して、そのデータの読み出しを指令した場合、CPU211は、指定されたデータの読み出しを指令するコマンドを、バス214、入出力インターフェース215、および、USBインターフェース219を介して、テープストリーマドライブ1に供給する。
【0148】
そして、USBインターフェース219が、テープストリーマドライブ1から指定されたデータを受信した場合、CPU211は、受信されたデータを、記録部218に供給させて、記憶させ、必要に応じて、出力部217に供給し、表示画像データをディスプレイに表示させたり、音声をスピーカから出力させる。
【0149】
また、ユーザが、テープストリーマドライブ1に装着されているテープカセット51の磁気テープ62に記憶されている所望のデータにアクセスするために必要な時間や、所望のデータを取得するために必要な時間などを問い合わせることを指令した場合、CPU211は、問い合わせコマンドと、問い合わせに対する回答を算出するために必要な情報を、バス214、入出力インターフェース215、および、USBインターフェース219を介して、テープストリーマドライブ1に供給する。
【0150】
そして、USBインターフェース219が、テープストリーマドライブ1から問い合わせ結果情報を受信した場合、CPU211は、入出力インターフェース215、および、バス214を介して、供給された問い合わせ結果情報を取得し、ユーザに問い合わせ結果を通知するための表示画面データを生成し、バス214、および、入出力インターフェース215を介して、出力部217に供給し、ディスプレイに表示させる。
【0151】
次に、図6のフローチャートを参照して、データ記憶時のホストコンピュータ201の処理について説明する。
【0152】
ステップS1において、CPU211は、入出力インターフェース215およびバス214を介して入力部216から供給される、ユーザの操作入力を示す信号を基に、データの記録開始の指令を受けたか否かを判断する。ステップS1において、データの記録開始の指令を受けていないと判断された場合、データの記録開始の指令を受けたと判断されるまで、ステップS1の処理が繰り返される。
【0153】
ステップS1において、データの記録開始の指令を受けたと判断された場合、ステップS2において、CPU211は、テープストリーマドライブ1に対してデータの記録開始を指令するコマンドを、バス214および入出力インターフェース215を介してUSBインターフェース219に供給する。USBインターフェース219は、データの記録開始を指令するコマンドを、テープストリーマドライブ1に送信する。
【0154】
ステップS3において、CPU211は、ステップS1においてユーザにより記録開始が指令されたデータを基に、必要に応じて、記録させる1記録単位のデータ、例えば、ホストコンピュータ201において、1ファイルとして扱われているデータに付随している属性情報を、記憶部218から読み出し、入出力インターフェース215を介してUSBインターフェース219に供給する。USBインターフェース219は、記録させる1記録単位のデータの属性情報を、テープストリーマドライブ1に送信する。
【0155】
ここで、ステップS3において、記録させる1記録単位のデータの属性情報のうちテープストリーマドライブ1に送信することが可能な属性情報があるか否かは、例えば、記録させる1記録単位のデータのフォーマットや、属性情報がデータに対してどのように対応付けられているかによって異なる。具体的には、属性情報がデータに多重化されていたり、ヘッダとしてデータ内に記述されているのみである場合、ステップS3において、属性情報をテープストリーマドライブ1に送信することは容易ではない。しかしながら、このような場合でも、CPU211の処理により、予め、属性情報がデータから抽出されて、例えば、属性情報ファイルなどの形で保存されているようになされていれば、ステップS3において、属性情報をテープストリーマドライブ1に送信することは容易である。
【0156】
特に、ステップS3において、記録させる1記録単位のデータの属性情報として、例えば、データサイズやデータの種別を示す情報など、後述するテープストリーマドライブ1の処理において、キャッシュメモリ29の割り当てを決定するために用いられる情報をテープストリーマドライブ1に送信することができると、テープストリーマドライブ1において実行されるデータ記録において好適である。
【0157】
ステップS4において、USBインターフェース219は、記録させる1記録単位のデータに対応付けられた識別子を受信する。この識別子は、図7を用いて後述する、データ記録時のテープストリーマドライブ1の処理のステップS33において、テープストリーマドライブ1から送信されるものである。CPU211は、受信された識別子を記憶部218、または、RAM213に供給させて記憶させる。記憶部218、または、RAM213は、供給された識別子を記憶する。
【0158】
ステップS5において、CPU211は、記録させる1記録単位のデータを、記憶部218から読み出し、USBインターフェース219を介して、テープストリーマドライブ1に送信する。
【0159】
ステップS6において、CPU211は、1記録単位のデータの送信が終了したか否かを判断する。ステップS6において、1記録単位のデータの送信が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS5に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS6において、1記録単位のデータの送信が終了したと判断された場合、処理は、終了される。
【0160】
このような処理により、ホストコンピュータ201は、テープストリーマドライブ1を用いて、テープカセット51の磁気テープ62に記録させる1記録単位のデータ、例えば、ホストコンピュータ201において、1ファイルとして扱われているデータの記録をテープストリーマドライブ1に指令し、必要に応じて対応する属性情報を送信して、記録される1記録単位のデータの識別子をテープストリーマドライブ1から受信して記憶するとともに、記録される1記録単位のデータを、テープストリーマドライブ1に送信する。
【0161】
次に、図7および図8のフローチャートを参照して、図6を用いて説明した処理と並行して実行される、データ記憶時のテープストリーマドライブ1の処理について説明する。
【0162】
なお、ここでは、テープストリーマドライブ1が実現可能な機能について説明した図2の機能ブロックを基に、処理を説明する。すなわち、これらの処理は、図1を用いて説明したテープストリーマドライブ1内のハードウェアによって実現される機能や、システムコントローラ22において実行されるソフトウェアプログラムによって実現される機能によって実行される処理であり、例えば、コマンド取得部101がコマンドを取得する処理は、システムコントローラ22がUSBインターフェース21を介して、コマンドを取得することと同義である。以下、このような機能ブロックとハードウェアブロックとの対応の記載は上述した図1および図2の説明から自明であるので、適宜省略する。
【0163】
ステップS31において、コマンド取得部101は、ホストコンピュータ201から、データの記録開始を指令するコマンド、すなわち、図6のステップS2の処理によりホストコンピュータ201が送信したデータの記録開始を指令するコマンドを受信したか否かを判断する。ステップS31において、データの記録開始を指令するコマンドを受信していないと判断された場合、受信したと判断されるまで、ステップS31の処理が繰り返される。
【0164】
ステップS31において、データの記録開始を指令するコマンドを受信したと判断された場合、ステップS32において、コマンド取得部101は、データの記録開始を指令するコマンドの供給を受けたことを、識別子生成部103に通知するので、識別子生成部103は、記録させる1記録単位のデータに対応付ける識別子を生成する。
【0165】
ステップS33において、識別子生成部103は、生成された識別子を、ホストコンピュータ201に送信するとともに、記録再生制御部102に供給する。記録再生制御部102は、供給された識別子を属性情報生成部122に供給する。
【0166】
ステップS34において、コマンド取得部101は、ホストコンピュータ201から、記録させる1記録単位のデータの属性情報を受信したか否かを判断する。
【0167】
ステップS34において、ホストコンピュータ201から、記録させる1記録単位のデータの属性情報を受信したと判断された場合、ステップS35において、コマンド取得部101は、属性情報を、属性情報取得部121に供給し、属性情報取得部121は、属性情報を、属性情報生成部122およびテーブル記憶制御部123に供給する。テーブル記憶制御部123は、属性情報生成部122から識別子の供給を受け、例えば、図9に示されるような属性情報テーブルに、生成された識別子に対応する新たなレコードを構成し、記録される1記録単位のデータの属性情報を登録する。具体的には、システムコントローラ22の制御に基づいて、テープカセット51のMIC63から読み出され、キャッシュメモリ37に一時記憶されている属性情報テーブルに、新たに記録される1記録単位のデータの属性情報が追加される。キャッシュメモリ37に一時記憶されている属性情報テーブルの情報は、例えば、テープカセット51がテープストリーマドライブ1から排出されることが指令された場合、MIC63に書き込まれるようになされている。
【0168】
図9に示される属性情報テーブルには、1記録単位のデータ(ファイル)を区別可能な識別子毎に、例えば、ファイル名やタイトル、ファイルの作成日時や更新日時、データサイズ、ファイルのデータの種類を示すデータ種別(例えば、動画データ、静止画データ、テキストデータ、音声データ、映像データなどの種類)、データの圧縮率などのほか、データ内容を説明する情報(例えば、テレビジョン放送番組などのコンテンツであれば、放送日時、放送局名、番組名、出演者名など、いわゆる、メタデータに含まれる情報)、データの作成者または版権を有するものの名称、データ作成に用いられたアプリケーション名、動画データや映像データの再生時間、動画データのフレームレート、ビットレート、サンプリングレート、または、コーディックタイプなどに関する情報、データの再生モードに関する情報、エラーレートなどの信頼性情報、再生時に必要な平均転送レート、アクセス頻度、または、ユーザがファイル(1記録単位のデータ)に対して付加した情報などが、ホストコンピュータ210から供給された属性情報として登録されるほか、更に、データの記録が終了した後に生成されるものとしては、データ記録位置を示す情報であるグループ番号やグループ先頭からのオフセットなどが、属性情報として登録される。
【0169】
ステップS34において、ホストコンピュータ201から、記録させる1記録単位のデータの属性情報を受信していないと判断された場合、または、ステップS35の処理の終了後、ステップS36において、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111は、供給されるデータをキャッシュするキャッシュメモリ29の割り当てを決定する。
【0170】
具体的には、キャッシュメモリ割り当て処理部111は、ステップS34においてデータの属性情報を受信したと判断された場合は、その属性情報を基に、キャッシュメモリ29の割り当てを決定する。具体的には、キャッシュメモリ割り当て処理部111は、データ容量によってキャッシュ先を変更するようにした場合には、例えば、小さなサイズのデータを同一のキャッシュメモリ29にまとめてキャッシュするなどして、供給されるデータの容量によって、データをキャッシュするキャッシュメモリ29を決定することにより、磁気テープ62において、小さなデータサイズのデータが、グループにまとまって記録されるようにすることができ、データの種類によってキャッシュ先を変更するようにした場合には、例えば、動画、静止画、テキストなどのデータの種類によって、データをキャッシュするキャッシュメモリ29を決定することにより、磁気テープ62において、同じ種類のデータが、グループにまとまって記録されるようにすることができる。また、キャッシュメモリ割り当て処理部111は、ステップS34においてデータの属性情報を受信していないと判断された場合は、現在のキャッシュメモリ29のデータのキャッシュ状態を基に、供給されたデータを割り当てるキャッシュメモリ29を決定する。
【0171】
ステップS37において、記録再生制御部102は、ホストコンピュータ201からの、1記録単位のデータの受信を開始する。具体的には、USBインターフェース21は、ホストコンピュータ201から、記録されるデータの供給を受けて、圧縮/伸長処理部27に供給する。圧縮/伸長処理部27は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、供給されたデータを、所定の方式で圧縮し、キャッシュメモリコントローラ28に供給する。
【0172】
ステップS38において、記録再生制御部102は、割り当てにしたがって、キャッシュメモリ29のうちのいずれかにデータをキャッシュする。具体的には、キャッシュメモリコントローラ28は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111の制御)に基づいて、供給された圧縮データを、ステップS36の処理により決められた割り当てに基づいて、キャッシュメモリ29−1乃至29−nのうちのいずれかに供給して保存させる。
【0173】
ステップS39において、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111は、いずれかのキャッシュメモリ29の容量がいっぱいになったか否かを判断する。ステップS39において、いずれのキャッシュメモリ29も容量がいっぱいになっていないと判断された場合、処理は、後述するステップS43に進む。
【0174】
ステップS39において、いずれかのキャッシュメモリ29の容量がいっぱいになったと判断された場合、ステップS40において、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111は、受信したデータの保存先のキャッシュメモリ29を変更する。
【0175】
ステップS41において、記録再生制御部102および駆動制御部105は、容量がいっぱいになったキャッシュメモリ29にキャッシュされているデータを、キャッシュメモリ29から読み出して、磁気テープ62へ記録させる。具体的には、キャッシュメモリコントローラ28は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、容量が一杯となったキャッシュメモリ29に記録されているデータを読み出して、ECC処理部30に供給する。ECC処理部30は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、供給されたデータの1ブロックごとに、例えば、パリティビットなど、エラーチェックのためのコードを付加し、変調/復調およびRF処理部31に供給する。変調/復調およびRF処理部31は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、供給されたデータを変調してRF信号に変換し、RF信号に対して、増幅やイコライジング処理を施して、記録ヘッド41−1および41−2に供給する。また、サーボコントローラ32は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、駆動制御部105の制御)に基づいて、EEP−ROM33に記録されている情報を参照し、メカドライバ34を制御して、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5のそれぞれを回転駆動させる。記録ヘッド41−1および41−2は、ヘリカルスキャン方式で、供給されたデータを、テープカセット51の磁気テープ62に記録する。データは、1記録単位のデータの容量(ホストコンピュータ201において、例えば、ファイルとして扱われているデータのデータサイズ)にかかわらず、図3および図4を用いて説明したように、キャッシュメモリ29の記憶容量によって決まるデータ容量のグループ単位で、テープカセット51の磁気テープ62に記録される。
【0176】
ステップS42において、記録再生制御部102は、磁気テープ62へのデータの記録位置の情報を属性情報生成部122に供給する。属性情報生成部122は、データの記録位置の情報を、一時保持する。
【0177】
ステップS39において、いずれのキャッシュメモリ29も容量がいっぱいになっていないと判断された場合、または、ステップS42の処理の終了後、ステップS43において、記録再生制御部102は、1記録単位のデータの受信およびキャッシュが終了したか否かを判断する。ステップS43において、1記録単位のデータの受信およびキャッシュが終了していないと判断された場合、処理は、ステップS39に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0178】
ステップS43において、1記録単位のデータの受信およびキャッシュが終了したと判断された場合、ステップS44において、記録再生制御部102は、1記録単位のデータの受信およびキャッシュが終了したことを、属性情報生成部122に通知する。属性情報生成部122は、1記録単位のデータに含まれていたか、または、記録終了により発生した属性情報があるか否かを判断する。記録終了により発生する属性情報には、例えば、データ記録位置を示すグループ番号やグループ先頭からのバイトオフセットなどがある。
【0179】
ステップS44において、1記録単位のデータに含まれていたか、または、記録終了により発生した属性情報があると判断された場合、ステップS45において、属性情報生成部122は、1記録単位のデータに含まれていたか、または、記録終了により発生した属性情報を、テーブル記憶制御部123に供給し、テープル記憶制御部123は、1記録単位のデータに含まれていたか、または、記録終了により発生した属性情報を、属性情報テーブルのうち、受信およびキャッシュが終了した1記録単位のデータに対応付けて生成された識別子に対応するレコードに登録する。具体的には、システムコントローラ22の制御に基づいて、テープカセット51のMIC63から読み出され、キャッシュメモリ37に一時記憶されている属性情報テーブルに、新たに記録された1記録単位のデータの属性情報が追加される。キャッシュメモリ37に一時記憶されている属性情報テーブルの情報は、例えば、テープカセット51がテープストリーマドライブ1から排出されることが指令された場合、MIC63に書き込まれるようになされている。
【0180】
ステップS44において、1記録単位のデータに含まれていたか、または、記録終了により発生した属性情報がないと判断された場合、または、ステップS45の処理の終了後、処理が終了される。
【0181】
このような処理により、ホストコンピュータ201からテープストリーマドライブ1に供給された1記録単位のデータが、キャッシュメモリ29に一時キャッシュされ、図3および図4を用いて説明したように、キャッシュメモリ29の記憶容量によって決まるデータ容量のグループ単位で、テープカセット51の磁気テープ62に記録されるとともに、1記録単位のデータに対応する属性情報が、属性情報テーブルに登録される。
【0182】
次に、図10のフローチャートを参照して、データ読み出し時のホストコンピュータ201の処理について説明する。図10を用いて説明する処理には、データ読み出しのための検索を行う場合の処理も含まれる。
【0183】
ステップS71において、CPU211は、入出力インターフェース215およびバス214を介して入力部216から供給される、ユーザの操作入力を示す信号を基に、検索条件(または、検索条件式であっても良い。以下、同様)と、その条件に合致したデータの属性情報の問い合わせが指令されたか否かを判断する。ステップS71において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの属性情報の問い合わせが指令されなかったと判断された場合、処理は、後述するステップS73に進む。
【0184】
ステップS71において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの属性情報の問い合わせが指令されたと判断された場合、ステップS72において、CPU211は、テープストリーマドライブ1に対して検索条件に合致した属性情報の問い合わせる問い合わせコマンドを、バス214および入出力インターフェース215を介してUSBインターフェース219に供給する。USBインターフェース219は、検索条件に合致した属性情報の問い合わせコマンドを、テープストリーマドライブ1に送信し、処理は、後述するステップS79に進む。
【0185】
ステップS71において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの属性情報の問い合わせが指令されなかったと判断された場合、ステップS73において、CPU211は、入出力インターフェース215およびバス214を介して入力部216から供給される、ユーザの操作入力を示す信号を基に、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの統計情報の問い合わせが指令されたか否かを判断する。統計情報とは、例えば、検索条件に合致するデータ数、検索条件に合致するデータの合計のデータ容量、所望データへのアクセス時間、または、所望データをホストコンピュータに転送する場合にかかる時間などである。ステップS73において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの統計情報の問い合わせが指令されていないと判断された場合、処理は、後述するステップS75に進む。
【0186】
ステップS73において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの統計情報の問い合わせが指令されたと判断された場合、ステップS74において、CPU211は、テープストリーマドライブ1に対して検索条件に合致した統計情報を問い合わせる問い合わせコマンドを、バス214および入出力インターフェース215を介してUSBインターフェース219に供給する。USBインターフェース219は、検索条件に合致した統計情報の問い合わせコマンドを、テープストリーマドライブ1に送信し、処理は、後述するステップS79に進む。
【0187】
ステップS73において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの統計情報の問い合わせが指令されていないと判断された場合、ステップS75において、CPU211は、入出力インターフェース215およびバス214を介して入力部216から供給される、ユーザの操作入力を示す信号を基に、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの属性情報および統計情報の問い合わせが指令されたか否かを判断する。ステップS75において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの属性情報および統計情報の問い合わせが指令されていないと判断された場合、処理は、後述するステップS77に進む。
【0188】
ステップS75において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの属性情報および統計情報の問い合わせが指令されたと判断された場合、ステップS76において、CPU211は、テープストリーマドライブ1に対して検索条件に合致した属性情報および統計情報を問い合わせる問い合わせコマンドを、バス214および入出力インターフェース215を介してUSBインターフェース219に供給する。USBインターフェース219は、検索条件に合致した属性情報および統計情報の問い合わせコマンドを、テープストリーマドライブ1に送信し、処理は、後述するステップS79に進む。
【0189】
ステップS75において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの属性情報および統計情報の問い合わせが指令されていないと判断された場合、ステップS77において、CPU211は、入出力インターフェース215およびバス214を介して入力部216から供給される、ユーザの操作入力を示す信号を基に、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの送信が指令されたか否かを判断する。ステップS77において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの送信が指令されていないと判断された場合、処理は、ステップS71に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0190】
ステップS77において、検索条件が入力され、その条件に合致したデータの送信が指令されたと判断された場合、ステップS78において、CPU211は、テープストリーマドライブ1に対して検索条件に合致したデータの送信を要求するコマンドを、バス214および入出力インターフェース215を介してUSBインターフェース219に供給する。USBインターフェース219は、検索条件に合致したデータの送信要求コマンドを、テープストリーマドライブ1に送信し、処理は、後述するステップS83に進む。
【0191】
ステップS72、ステップS74、または、ステップS76の処理の終了後、ステップS79において、USBインターフェース219は、コマンドの返信として、テープストリーマドライブ1が、図11を用いて後述するステップS120の処理において送信する、問い合わせ結果情報が受信されたか否かを判断する。ステップS79において、問い合わせ結果情報が受信されていないと判断された場合、問い合わせ結果情報が受信されたと判断されるまで、ステップS79の処理が繰り返される。
【0192】
ステップS79において、問い合わせ結果情報が受信されたと判断された場合、ステップS80において、USBインターフェース219は、問い合わせ結果情報を、入出力インターフェース215およびバス214を介して、CPU211に供給するので、CPU211は、問い合わせ結果情報を基に、問い合わせに対する返信内容を出力部217のディスプレイに表示させるための表示画像データを生成したり、出力部217のスピーカから出力させるための音声データを生成し、バス214および入出力インターフェース215を介して、出力部217に供給し、問い合わせに対する返信内容を表示または音声出力させることなどにより、ユーザに通知する。
【0193】
ステップS81において、CPU211は、入出力インターフェース215およびバス214を介して入力部216から供給される、ユーザの操作入力を示す信号を基に、ユーザから、いずれかのデータの読み出しが指令されたか否かを判断する。ステップS81において、いずれかのデータの読み出しが指令されていないと判断された場合、処理が終了される。
【0194】
ステップS81において、いずれかのデータの読み出しが指令されたと判断された場合、ステップS82において、CPU211は、テープストリーマドライブ1に対して選択されたデータの送信を要求するコマンドを、バス214および入出力インターフェース215を介してUSBインターフェース219に供給する。USBインターフェース219は、選択されたデータの送信要求コマンドを、テープストリーマドライブ1に送信する。
【0195】
ステップS78またはステップS82の処理の終了後、ステップS83において、USBインターフェース219は、コマンドの返信として、テープストリーマドライブ1から送信される読み出されたデータの受信が終了したか否かを判断する。ステップS83において、データの受信が終了していないと判断された場合、データの受信が終了したと判断されるまで、ステップS83の処理が繰り返される。
【0196】
ステップS83において、データの受信が終了したと判断された場合、ステップS84において、USBインターフェース219は、受信したデータを記憶部218に供給して記憶させるとともに、データの受信が終了したことを、入出力インターフェース215およびバス214を介して、CPU211に供給するので、CPU211は、データの受信の終了をユーザに通知するためのメッセージや画像などを出力部217のディスプレイに表示させるための表示画像データを生成したり、音声メッセージを出力部217のスピーカから出力させるための音声データを生成し、バス214および入出力インターフェース215を介して、出力部217に供給し、データの受信の終了をユーザに通知する。
【0197】
このような処理により、ホストコンピュータ201は、テープストリーマドライブ1に装着されているテープカセット51の磁気テープ62に記録されているデータに関する問い合わせをテープストリーマドライブ1に送信し、問い合わせ結果を表示または音声出力によってユーザに通知したり、検索条件に合致した、または、ユーザにより選択されたデータの読み出しをテープストリーマドライブ1に要求し、テープストリーマドライブ1から、検索条件に合致した、または、ユーザにより選択されたデータの供給を受けることが可能となる。
【0198】
次に、図11および図12のフローチャートを参照して、図10を用いて説明したデータ読み出し時のホストコンピュータ201の処理と並行して実行される、データ読み出し時のテープストリーマドライブ1の処理について説明する。
【0199】
ステップS111において、コマンド取得部101は、ホストコンピュータ201から、検索条件に合致したデータの属性情報の問い合わせコマンド、すなわち、図10のステップS72の処理によりホストコンピュータ201が送信した問い合わせコマンドを受信したか否かを判断する。ステップS111において、検索条件に合致したデータの属性情報の問い合わせコマンドを受信していないと判断された場合、処理は、後述するステップS114に進む。
【0200】
ステップS111において、検索条件に合致したデータの属性情報の問い合わせコマンドを受信したと判断された場合、ステップS112において、コマンド取得部101は、テーブル処理部104の検索処理部124に、検索条件を供給するので、検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125を制御して、属性情報テーブル(テープカセット51のMIC63から読み出されて、キャッシュメモリ37に保存されている)を読み出させ、検索条件を基に、検索処理を実行する。
【0201】
ステップS113において、検索処理部124は、検索結果、すなわち、条件に合致するレコードを、問い合わせ結果情報生成処理部126に供給するので、問い合わせ結果情報生成処理部126は、検索処理部124から供給された、検索条件または検索条件式に合致したレコードを基に、検索条件に合致した属性情報の問い合わせ結果情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給し、処理は、後述するステップS120に進む。問い合わせ結果を示す情報は、検索結果が複数レコードである場合、テーブル形式であっても、複数のレコード情報の集合であっても良いし、検索結果のうちの、例えば、ファイル名、データ容量など、問い合わせの内容に合致した属性情報のみから構成されるものであっても良い。
【0202】
問い合わせ結果を示す情報がテーブル形式である場合の具体例を、図13に示す。例えば、図13(A)は、ユーザが検索条件として示したテキストを含むファイル名を有するデータの検索結果を示す検索結果テーブルの例である。また、図13(B)は、ユーザが検索条件として、作成年月日の範囲とデータサイズの範囲を指定した場合のデータの検索結果を示す検索結果テーブルの例である。そして、図13(C)は、ユーザが検索条件として示したテキストを含むファイル名を有し、かつ、作成年月日の範囲を指定した場合のデータの検索結果を示す検索結果テーブルの例である。
【0203】
ステップS111において、検索条件に合致したデータの属性情報の問い合わせコマンドを受信していないと判断された場合、ステップS114において、コマンド取得部101は、ホストコンピュータ201から、検索条件に合致したデータの統計情報の問い合わせコマンド、すなわち、図10のステップS74の処理によりホストコンピュータ201が送信した問い合わせコマンドを受信したか否かを判断する。ステップS114において、検索条件に合致したデータの統計情報の問い合わせコマンドを受信していないと判断された場合、処理は、後述するステップS117に進む。
【0204】
ステップS114において、検索条件に合致したデータの統計情報の問い合わせコマンドを受信したと判断された場合、ステップS115において、コマンド取得部101は、テーブル処理部104の検索処理部124に、検索条件を供給するので、検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125を制御して、属性情報テーブル(テープカセット51のMIC63から読み出されて、キャッシュメモリ37に保存されている)を読み出させ、属性情報テーブルを参照して、検索条件を基に、検索処理を実行する。
【0205】
ステップS116において、検索処理部124は、検索結果を問い合わせ結果情報生成処理部126に供給するので、問い合わせ結果情報生成処理部126は、検索処理部124から供給された、検索条件または検索条件式に合致したレコードを基に、検索条件に合致したデータの統計情報を算出して、問い合わせ結果情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給し、処理は、後述するステップS120に進む。統計情報とは、例えば、検索条件に合致するデータ数、検索条件に合致するデータの合計のデータ容量、所望データへのアクセス時間、または、所望データをホストコンピュータに転送する場合にかかる時間などである。
【0206】
ステップS114において、検索条件に合致したデータの統計情報の問い合わせコマンドを受信していないと判断された場合、ステップS117において、コマンド取得部101は、ホストコンピュータ201から、検索条件に合致したデータの属性情報および統計情報の問い合わせコマンド、すなわち、図10のステップS76の処理によりホストコンピュータ201が送信した問い合わせコマンドを受信したか否かを判断する。ステップS117において、検索条件に合致したデータの属性情報および統計情報の問い合わせコマンドを受信していないと判断された場合、処理は、後述するステップS121に進む。
【0207】
ステップS117において、検索条件に合致したデータの属性情報および統計情報の問い合わせコマンドを受信したと判断された場合、ステップS118において、コマンド取得部101は、テーブル処理部104の検索処理部124に、検索条件を供給するので、検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125を制御して、属性情報テーブル(テープカセット51のMIC63から読み出されて、キャッシュメモリ37に保存されている)を読み出させ、属性情報テーブルを参照して、検索条件を基に、検索処理を実行する。
【0208】
ステップS119において、検索処理部124は、検索結果を問い合わせ結果情報生成処理部126に供給するので、問い合わせ結果情報生成処理部126は、検索処理部124から供給された、検索条件または検索条件式に合致したレコードを基に、検索条件に合致したデータの統計情報を算出して、検索条件に合致したデータの属性情報および算出された統計情報から、問い合わせ結果情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給する。
【0209】
ステップS113、ステップS116、または、ステップS119の処理の終了後、ステップS120において、問い合わせ結果情報供給制御部127は、生成された問い合わせ結果情報を、ホストコンピュータ201に送信して、処理が終了される。
【0210】
ステップS117において、検索条件に合致したデータの属性情報および統計情報の問い合わせコマンドを受信していないと判断された場合、ステップS121において、コマンド取得部101は、ホストコンピュータ201から、検索条件に合致したデータの送信要求コマンド、すなわち、図10のステップS78の処理によりホストコンピュータ201が送信した問い合わせコマンドを受信したか否かを判断する。ステップS121において、検索条件に合致したデータの送信要求コマンドを受信していないと判断された場合、処理は、後述するステップS124に進む。
【0211】
ステップS121において、検索条件に合致したデータの送信要求コマンドを受信したと判断された場合、ステップS122において、コマンド取得部101は、テーブル処理部104の検索処理部124に、検索条件を供給するので、検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125を制御して、属性情報テーブル(テープカセット51のMIC63から読み出されて、キャッシュメモリ37に保存されている)を読み出させ、属性情報テーブルを参照して、検索条件を基に、検索処理を実行する。検索結果には、データの記録位置に関する属性情報が必ず含まれる。
【0212】
ステップS123において、検索処理部124は、検索結果を記録再生制御部102に供給するので、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111は、検索されたデータを読み出すときに一時保存するためのキャッシュメモリ29を選択して、処理は、後述するステップS127に進む。
【0213】
ステップS121において、検索条件に合致したデータの送信要求コマンドを受信していないと判断された場合、ステップS124において、コマンド取得部101は、ホストコンピュータ201から、ユーザにより選択されたデータの送信要求コマンド、すなわち、図10のステップS82の処理によりホストコンピュータ201が送信したデータの送信要求コマンドを受信したか否かを判断する。ステップS124において、ユーザにより選択されたデータの送信要求コマンドを受信していないと判断された場合、処理は、ステップS111に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0214】
ステップS124において、選択されたデータの送信要求コマンドを受信したと判断された場合、ステップS125において、コマンド取得部101は、選択されたデータを示す情報を検索処理部124に供給するので、検索処理部124は、テーブル読み出し制御部125を制御して、属性情報テーブル(テープカセット51のMIC63から読み出されて、キャッシュメモリ37に保存されている)を読み出させ、属性情報テーブルを参照して、選択されたデータの記録位置を検索し、検索結果を記録再生制御部102に通知する。
【0215】
ステップS126において、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111は、選択されたデータを読み出すときに一時保存するためのキャッシュメモリ29を選択する。
【0216】
ステップS123、または、ステップS126の処理の終了後、ステップS127において、記録再生制御部102および駆動制御部105は、供給された検索結果に含まれる磁気テープ62上の記録位置に関する情報を基に、検索結果に合致したデータ、または、ユーザに選択されたデータを読み出させて、選択されたキャッシュメモリ29を用いて、再生処理を実行し、再生されたデータをホストコンピュータ201に送信させて、処理が終了される。
【0217】
具体的には、サーボコントローラ32は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、駆動制御部105の制御)に基づいて、EEP−ROM33に記録されている情報を参照し、メカドライバ34を制御して、ドラムモータ35−1、キャプスタンモータ35−2、リールモータ35−3および35−4、並びに、ローディングモータ35−5のそれぞれを回転駆動させる。再生ヘッド42−1乃至42−3は、テープカセット51の磁気テープ62に記録されているデータを読み出して、圧縮/変調およびRF処理部31に供給する。そして、変調/復調およびRF処理部31は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、再生ヘッド42−1乃至42−3から供給されるRF信号に対して、再生イコライジング処理を行い、復調して、ECC処理部30に供給する。ECC処理部30は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、変調/復調およびRF処理部31から供給された復調されたデータのエラー訂正符号を基に、データにエラーが発生している場合は、それを検出して訂正する処理を実行し、エラー訂正後のデータを、キャッシュメモリコントローラ28に供給する。
【0218】
そして、キャッシュメモリコントローラ28は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102のキャッシュメモリ割り当て処理部111の制御)に基づいて、圧縮/伸長処理部27から供給された圧縮データをキャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのうちのいずれかに供給してキャッシュさせるとともに、キャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ21−nのうちのいずれかにキャッシュされているデータを読み出して、圧縮/伸長処理部27に供給する。圧縮/伸長処理部27は、システムコントローラ22の制御(換言すれば、記録再生制御部102の制御)に基づいて、キャッシュメモリコントローラ28から供給される圧縮されたデータを伸張して、USBインターフェース21に供給する。USBインターフェース21は、圧縮/伸長処理部27から供給された、磁気テープ62から読み出され、各種処理がなされたデータを、ホストコンピュータ201に送信する。
【0219】
このような処理により、テープストリーマドライブ1は、ホストコンピュータ201から供給されるコマンドを基に、MIC63に記憶されている属性情報テーブルを参照して、検索処理を実行し、検索条件に合致したデータの属性情報や統計情報のいずれか、または、両方を、問い合わせ結果情報としてホストコンピュータ201に送信することができる。問い合わせ結果情報は、検索結果が複数レコードである場合、テーブル形式であっても、複数のレコード情報の集合であっても良いし、検索結果のうちの、例えば、ファイル名、データ容量、所望データへのアクセス時間、または、所望データをホストコンピュータに転送する場合にかかる時間など、問い合わせの内容に合致した属性情報のみから構成されるものであっても良い。
【0220】
また、テープストリーマドライブ1は、ホストコンピュータ201から供給されるコマンドを基に、検索結果に合致したデータ、または、ユーザに選択されたデータを読み出して、ホストコンピュータ201に送信する。
【0221】
次に、図14のフローチャートを参照して、データ記録または読み出し以外のホストコンピュータ201の処理について説明する。
【0222】
ステップS151において、CPU211は、入出力インターフェース215およびバス214を介して入力部216から供給される、ユーザの操作入力を示す信号を基に、例えば、テープカセット51やテープストリーマドライブ1に関する情報の問い合わせや、検索にかかわらないデータの統計情報の問い合わせなど、データ記録または読み出し以外の問い合わせが指令されたか否かを判断する。テープカセット51やテープストリーマドライブ1に関する情報には、例えば、装着されているテープカセット51の製造メーカ名、ロード回数、製造年月日、バッドスポットの位置、テープの残容量などや、テープストリーマドライブ1の製造メーカ名、シリアル番号、製造年月日、現在の温度、装着されているテープカセット51の磁気テープ62の現在の巻き取り量などの情報がある。検索にかかわらないデータの統計情報の問い合わせには、例えば、装着されているテープカセット51の磁気テープ62に記録されている1記録単位のデータの数、記録されているデータの総データ容量、所定ファイルの読み出しにかかる推定時間などがある。
【0223】
ステップS151において、データ記録または読み出し以外の問い合わせが指令されたと判断された場合、ステップS152において、CPU211は、データ記録または読み出し以外の問い合わせコマンドを、バス214および入出力インターフェース215を介してUSBインターフェース219に供給する。USBインターフェース219は、データ記録または読み出し以外の問い合わせコマンドを、テープストリーマドライブ1に送信する。
【0224】
ステップS151において、データ記録または読み出し以外の問い合わせが指令されていないと判断された場合、または、ステップS152の処理の終了後、処理は終了される。
【0225】
このような処理により、例えば、テープカセット51やテープストリーマドライブ1に関する情報の問い合わせなど、データ記録または読み出し以外の問い合わせコマンドが、テープストリーマドライブ1に送信される。
【0226】
次に、図15のフローチャートを参照して、図14を用いて説明した処理と平行して実行される、データ記録または読み出し以外のテープストリーマドライブ1の処理について説明する。
【0227】
ステップS181において、コマンド取得部101は、ホストコンピュータ201から、データ記録または読み出し以外の問い合わせコマンド、すなわち、図14のステップS152において送信された問い合わせコマンドを受信したか否かを判断する。ステップS181において、データ記録または読み出し以外の問い合わせコマンドを受信していないと判断された場合、受信したと判断されるまで、ステップS181の処理が繰り返される。
【0228】
ステップS181において、データ記録または読み出し以外の問い合わせコマンドを受信したと判断された場合、ステップS182において、コマンド取得部101は、取得したコマンドを、問い合わせ結果情報生成処理部126に供給するので、問い合わせ結果情報生成処理部126は、属性情報テーブルに登録された属性情報の読み出しにより、コマンドに対する問い合わせ情報を生成することが可能か否かを判断する。問い合わせの内容が、例えば、装着されているテープカセット51の磁気テープ62に記録されている1記録単位のデータの数や、記録されているデータの総データ容量などである場合、属性情報テーブルに登録された属性情報の読み出しにより、コマンドに対する問い合わせ情報を生成することが可能であると判断される。ステップS182において、属性情報テーブルに登録された属性情報の読み出しにより、コマンドに対する問い合わせ情報を生成することはできないと判断された場合、処理は、後述するステップS185に進む。
【0229】
ステップS182において、属性情報テーブルに登録された属性情報の読み出しにより、コマンドに対する問い合わせ情報を生成することが可能であると判断された場合、ステップS183において、問い合わせ結果情報生成処理部126は、テーブル読み出し制御部125を制御し、コマンドに基づいて、テーブルに登録された属性情報を読み出させる。
【0230】
ステップS184において、問い合わせ結果情報生成処理部126は、テーブル読み出し制御部125により読み出された属性情報を基に、問い合わせ結果情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給して、処理は、後述するステップS190に進む。
【0231】
ステップS182において、属性情報テーブルに登録された属性情報の読み出しにより、コマンドに対する問い合わせ情報を生成することはできないと判断された場合、ステップS185において、問い合わせ結果情報生成処理部126は、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報を、フラッシュROM24またはMIC63から読み出すことにより、取得したコマンドに対する問い合わせ情報を生成することが可能か否かを判断する。問い合わせの内容が、例えば、テープカセット51やテープストリーマドライブ1に関する情報である場合、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報の読み出しにより、取得したコマンドに対する問い合わせ情報を生成することが可能であると判断される。例えば、問い合わせ内容が、所定のファイルの読み出しにかかる時間など、問い合わせ結果情報の生成に、属性情報テーブルに記載されている属性情報と、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報との両者を必要とする場合など、ステップS185において、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報の読み出しにより、取得したコマンドに対する問い合わせ情報を生成することはできないと判断された場合、処理は、後述するステップS188に進む。
【0232】
ステップS185において、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報の読み出しにより、取得したコマンドに対する問い合わせ情報を生成することが可能であると判断された場合、ステップS186において、問い合わせ結果情報生成処理部126は、コマンドに基づいて、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報を、フラッシュROM24またはMIC63から読み出すか、または、読み出した情報を基に演算処理を実行する。
【0233】
ステップS187において、問い合わせ結果情報生成処理部126は、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報、もしくは、演算結果を基に、問い合わせ結果情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給して、処理は、後述するステップS190に進む。
【0234】
ステップS185において、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報の読み出しにより、取得したコマンドに対する問い合わせ情報を生成することはできないと判断された場合、ステップS188において、問い合わせ結果情報生成処理部126は、コマンドに基づいて、テーブル読み出し制御部125を制御し、属性情報テーブルに登録された属性情報を読み出させるとともに、必要な、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報を、フラッシュROM24またはMIC63から読み出すか、または、読み出した情報を基に演算処理を実行する。
【0235】
ステップS189において、問い合わせ結果情報生成処理部126は、読み出された属性情報、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報、もしくは、演算結果を基に、問い合わせ結果情報を生成し、問い合わせ結果情報供給制御部127に供給する。
【0236】
ステップS184、ステップS187、または、ステップS189の処理の終了後、ステップS190において、問い合わせ結果情報供給制御部127は、問い合わせ結果情報生成処理部126において生成された問い合わせ結果情報を、ホストコンピュータ201に送信し、処理が終了される。
【0237】
このような処理により、テープストリーマドライブ1においては、データ記録または読み出し以外の問い合わせコマンドに対して、属性情報テーブルに記載されている属性情報と、テープカセット51またはテープストリーマドライブ1に関する情報との両者、または、いずれかの情報を基に、問い合わせ結果情報を生成し、ホストコンピュータ201に供給することが可能となる。
【0238】
したがって、本発明を適用することにより、磁気テープなど、シーケンシャルにデータが記録される記録媒体に記録されているデータを検索したり、それらのデータに関する情報を問い合わせる場合に、記録媒体に記録されているデータを先頭から走査する必要がなくなるため、検索処理または問い合わせに対する問い合わせ結果情報の生成処理が容易になり、また、処理にかかる時間を短縮することが可能となる。
【0239】
特に、本発明を適用することにより、テープストリーマドライブ1は、装着されたテープカセット51の磁気テープ62に記録されたデータに関する情報を、MIC63に、例えば、リレーショナルデータベースの形式の属性情報テーブルとして記載することができる。これにより、ホストコンピュータ201から、装着されたテープカセット51の磁気テープ62に記録されたデータに関して、SQL構文などにより記述された問い合わせコマンドが送出された場合、テープストリーマドライブ1は、装着されたテープカセット51の磁気テープ62に記録されたデータのうち、条件に合致したデータに関する属性情報、統計情報、または、条件に合致したデータそのものを、容易に抽出または算出し、ホストコンピュータ201に送出することが可能となる。
【0240】
なお、本発明を適用したテープストリーマドライブ1において、キャッシュメモリ21−1乃至キャッシュメモリ29−nは、それぞれ、データの記録時とデータの再生時とのいずれの場合にも用いられる(記録用と再生用に分けられていない)。複数のキャッシュメモリ29−1乃至キャッシュメモリ29−nを備えることにより、本発明を適用したテープストリーマドライブ1は、記録されるデータに先行して供給された属性情報を基に、磁気テープ62に記録される前にデータを一時保存するキャッシュメモリ29を選択することができるので、例えば、磁気テープ62において、小さなデータサイズのデータが、1つのグループにまとまって記録されるようにしたり、例えば、動画、静止画、テキストなどのデータの種類によって、同じ種類のデータが、同一のグループにまとまって記録されるようにすることが可能となる。
【0241】
また、本発明を適用したテープストリーマドライブ1においては、備えられているキャッシュメモリ29の数にかかわらず、記録されるデータの属性情報を基に、属性情報テーブルを生成し、テープカセット51のMIC63に記録させ、データの再生時に、属性情報テーブルを参照して、データを検索したり、記録されたデータに関する統計情報などを算出することなどが可能である。
【0242】
なお、本発明は、磁気テープにデータを記録する場合のみならず、シーケンシャルにデータを記録する場合、たとえば、CD−Rなどにデータを記録する場合に適用可能であり、磁気テープにデータを記録する場合に用いるのと同様の効果を奏することが可能である。なお、CD−Rは、MICを備えないので、属性情報テーブルは、CD−Rの記録領域のうちの一部に記録されるようにしても良い。
【0243】
上述した一連の処理は、ソフトウェアにより実行することもできる。そのソフトウェアは、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0244】
この記録媒体は、図1に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア71、または、図5に示すように、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク231(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク232(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク233(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ234などよりなるパッケージメディアなどにより構成される。
【0245】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0246】
【図1】本発明を適用したテープストリーマドライブの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のテープストリーマドライブが実現可能な機能について説明するための機能ブロック図である。
【図3】磁気テープに記録されるデータについて説明するための図である。
【図4】磁気テープに記録されるデータについて説明するための図である。
【図5】ホストコンピュータの構成について説明するための図である。
【図6】データ記録時のホストコンピュータの処理について説明するためのフローチャートである。
【図7】データ記録時のテープストリーマドライブの処理について説明するためのフローチャートである。
【図8】データ記録時のテープストリーマドライブの処理について説明するためのフローチャートである。
【図9】属性情報テーブルについて説明するための図である。
【図10】データ読み出し時のホストコンピュータの処理について説明するためのフローチャートである。
【図11】データ読み出し時のテープストリーマドライブの処理について説明するためのフローチャートである。
【図12】データ読み出し時のテープストリーマドライブの処理について説明するためのフローチャートである。
【図13】問い合わせ結果情報について説明するための図である。
【図14】データ記録または読み出し以外のホストコンピュータの処理について説明するためのフローチャートである。
【図15】データ記録または読み出し以外のテープストリーマドライブの処理について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0247】
1 テープストリーマドライブ, 21 USBインターフェース, 22 システムコントローラ, 27 圧縮/伸長処理部, 28 キャッシュメモリコントローラ, 29 キャッシュメモリ, 30 ECC処理部, 31 変調/復調およびRF処理部, 32 サーボコントローラ, 34 メカドライバ, 36 回転ドラム, 37 キャッシュメモリ, 41 記録ヘッド, 42 再生ヘッド, 51 テープカセット, 62 磁気テープ, 63 MIC, 101 コマンド取得部, 102 記録再生制御部, 103 識別子生成部, 104 テーブル処理部, 105 駆動制御部, 111 キャッシュメモリ割り当て処理部, 121 属性情報取得部, 122 属性情報生成部, 123 テーブル記憶制御部, 124 検索処理部, 125 テーブル読み出し制御部, 126 問い合わせ結果情報生成処理部, 127 問い合わせ結果情報供給制御部, 201 ホストコンピュータ, 211 CPU, 216 入力部, 127 出力部, 218 記憶部, 219 USBインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをシーケンシャルに記録する記録媒体に前記データを記録する情報処理装置において、
前記記録媒体に記録される前記データおよび前記データの属性情報を取得する取得手段と、
前記記録媒体に前記データを記録するデータ記録手段と、
前記記録媒体において、前記データ記録手段により前記データが記録される記録領域とは異なる領域に、前記属性情報をテーブル形式で記録する属性情報記録手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段により取得された前記属性情報、または、前記データ記録手段により実行される前記データの前記記録媒体への記録結果を基に、前記属性情報を更に生成する属性情報生成手段を更に備え、
前記属性情報記録手段は、前記属性情報生成手段により生成された前記属性情報を更に記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データは、前記取得手段により所定の記録単位ごとに取得され、
前記属性情報は、前記所定の記録単位ごとの前記データに対応付けられて前記取得手段により取得されるとともに、前記属性情報記録手段により、前記所定の記録単位ごとに1レコードとされて、テーブル形式で記録される
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の記録単位ごとの前記データを個々に区別するための識別情報を生成する識別情報生成手段を更に備え、
前記属性情報記録手段は、前記識別情報生成手段により生成された前記識別情報に対応付けて、前記属性情報を、前記所定の記録単位ごとに1レコードとしてテーブル形式で記録する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
他の情報処理装置へデータを供給するデータ供給手段を更に備え、
前記取得手段は、前記他の情報処理装置より、前記記録媒体に記録される前記データおよび前記データの属性情報を取得し、
前記データ供給手段は、前記識別情報生成手段により生成された前記識別情報を、前記他の情報処理装置へ供給する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記録媒体は、磁気テープに前記データを記録することができるテープカセットである
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記属性情報記録手段は、前記属性情報を、前記テープカセットに設けられた前記磁気テープとは異なるメモリに記録する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記録媒体は、CD−Rである
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記属性情報記録手段により記録された前記属性情報を読み出す属性情報読み出し手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
他の情報処理装置から前記記録媒体に記録された前記データを検索するための情報と、検索された前記データの再生要求を受ける再生要求取得手段と、
前記再生要求取得手段により取得された前記データを検索するための情報を基に、前記属性情報読み出し手段により読み出された前記属性情報から、前記データに対応するレコードを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された前記レコードに対応する前記データを再生する再生手段と
を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
他の情報処理装置から前記記録媒体に記録された前記データを検索するための情報と、検索された前記データに対応する前記属性情報の送信の要求を受ける送信要求取得手段と、
前記送信要求取得手段により取得された前記データを検索するための情報を基に、前記属性情報読み出し手段により読み出された前記属性情報から、前記データに対応するレコードを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された前記レコードに対応する前記属性情報の前記他の情報処理装置への送信を制御する属性情報送信制御手段と
を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
他の情報処理装置から前記記録媒体に記録された前記データを検索するための情報と、検索された前記データに関する統計情報の送信の要求を受ける送信要求取得手段と、
前記送信要求取得手段により取得された前記データを検索するための情報を基に、前記属性情報読み出し手段により読み出された前記属性情報から、前記データに対応するレコードを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された前記レコードに含まれる前記属性情報を用いて、前記データに関する前記統計情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記統計情報の、前記他の情報処理装置への送信を制御する統計情報送信制御手段と
を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取得手段により取得された前記データを一時保存する複数のデータ一時記憶手段と、
前記取得手段により取得された前記属性情報を基に、前記データ一時記憶手段への前記データの一時記憶を制御する記憶制御手段と
を更に備え、
前記記憶制御手段は、複数の前記一時記憶手段のうちのいずれかにおいて、前記一時記憶手段が備える記憶容量の前記データが記憶された場合、前記データを読み出し、
前記データ記録手段は、前記記憶制御手段により読み出された前記データを前記記録媒体に記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
データをシーケンシャルに記録する記録媒体に前記データを記録する情報処理装置の情報処理方法において、
前記記録媒体に記録される前記データの取得を制御するデータ取得制御ステップと、
前記データの属性情報の取得を制御する属性情報取得制御ステップと、
前記データ取得制御ステップの処理により取得が制御された前記データの、前記記録媒体への記録を制御するデータ記録制御ステップと、
前記属性情報取得制御ステップの処理により取得が制御された前記属性情報の、前記記録媒体において、前記データ記録制御ステップの処理により前記データが記録される記録領域とは異なる領域へのテーブル形式での記録を制御する属性情報記録制御ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
データをシーケンシャルに記録する記録媒体に前記データを記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記記録媒体に記録される前記データの取得を制御するデータ取得制御ステップと、
前記データの属性情報の取得を制御する属性情報取得制御ステップと、
前記データ取得制御ステップの処理により取得が制御された前記データの、前記記録媒体への記録を制御するデータ記録制御ステップと、
前記属性情報取得制御ステップの処理により取得が制御された前記属性情報の、前記記録媒体において、前記データ記録制御ステップの処理により前記データが記録される記録領域とは異なる領域へのテーブル形式での記録を制御する属性情報記録制御ステップと
を含むことを特徴とする処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
データをシーケンシャルに記録する記録媒体において、
前記データが記録される第1の記録領域と、
前記第1の記録領域とは異なる領域であって、前記第1の記録領域に記録されている前記データの属性情報をテーブル形式で記録する第2の記録領域と
を備えることを特徴とする記録媒体。
【請求項17】
前記記録媒体は、磁気テープを備えるテープカセットであり、
前記第1の領域は、前記磁気テープの記録領域であり、
前記第2の領域は、前記磁気テープとは別に設けられたメモリの記録領域である
ことを特徴とする請求項16に記載の記録媒体。
【請求項18】
前記記録媒体は、CD−Rである
ことを特徴とする請求項16に記載の記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−190391(P2006−190391A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−1333(P2005−1333)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】