説明

情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム

【課題】変化に富んだコンテンツ提供を行うことができるようにする。
【解決手段】利用端末21は、蓄積端末1から所定のコンテンツの提供を受けている利用端末11から送信された利用情報に対応するコンテンツを、蓄積端末1から取得することができる。すなわちユーザ23は、ユーザ13が利用端末11で視聴しているコンテンツに興味を持ち、それを視聴したい場合、利用端末21を利用端末11に直近にかざし、または利用端末11を利用端末21に直近にかざすことで、ユーザ13が視聴しているコンテンツを利用端末21で視聴することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、簡単で、かつ、変化に富んだ方法でコンテンツを提供することができるようにした、情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
確立された通信路を介して、コンテンツを提供する装置(以下、コンテンツ提供装置と称する)がコンテンツを利用する装置(以下、コンテンツ利用装置と称する)にコンテンツを提供する方法、またはコンテンツ利用装置がコンテンツ提供装置からコンテンツの提供を受ける方法は、各種提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、第1のコンテンツ利用装置が、コンテンツ提供装置から所定のコンテンツの提供を受けている第2のコンテンツ利用装置から送信されたコンテンツの利用情報に対応するコンテンツを、コンテンツ提供装置から取得する方法や、第1のコンテンツ提供装置が、所定のコンテンツをコンテンツ利用装置に提供している第2のコンテンツ提供装置から送信されたコンテンツの提供情報に対応するコンテンツを、第2のコンテンツ提供装置から取得して蓄積し、コンテンツ利用装置に提供する方法は、存在しない。
【0004】
またコンテンツの提供を受ける側では、通常、コンテンツを受信し、受信したコンテンツを表示し、または表示したコンテンツを登録(記録)する際に、ユーザにその許可を問い合わせるようになされている。すなわちユーザは、その問い合わせある度にそれに応じる(例えば、表示されたダイヤログに許可を入力する)必要があり、その操作が面倒であった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザに対して、簡単で、かつ、変化に富んだ方法でコンテンツを提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、コンテンツの待ち受け状態であるか否かを判定する判定手段と、判定手段により待ち受け状態であると判定された場合、ユーザの許可が得られたものとして、利用処理を実行する第1の実行手段と、判定手段により待ち受け状態ではないと判定された場合、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理を実行し、その処理によりユーザの許可が得られたとき、利用処理を実行する第2の実行手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
利用処理は、コンテンツを受信する受信処理、コンテンツを表示する表示処理、およびコンテンツを登録する登録処理とし、許可確認処理は、許可を受けるためのダイヤログをユーザに提示する提示処理とすることができる。
【0008】
本発明の情報処理方法は、コンテンツの待ち受け状態であるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの処理で待ち受け状態であると判定された場合、ユーザの許可が得られたものとして、利用処理を実行する第1の実行ステップと、判定ステップの処理で待ち受け状態ではないと判定された場合、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理を実行し、その処理によりユーザの許可が得られたとき、利用処理を実行する第2の実行ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の記録媒体のプログラムは、コンテンツの待ち受け状態であるか否かの判定を制御する判定制御ステップと、判定制御ステップの処理で待ち受け状態であると判定された場合の、ユーザの許可が得られたものとしての、利用処理の実行を制御する第1の実行制御ステップと、判定制御ステップの処理で待ち受け状態ではないと判定された場合の、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理を実行し、その処理によりユーザの許可が得られたときの、利用処理の実行を制御する第2の実行制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明のプログラムは、コンテンツの待ち受け状態であるか否かの判定を制御する判定制御ステップと、判定制御ステップの処理で待ち受け状態であると判定された場合の、ユーザの許可が得られたものとしての、利用処理の実行を制御する第1の実行制御ステップと、判定制御ステップの処理で待ち受け状態ではないと判定された場合の、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理を実行し、その処理によりユーザの許可が得られたときの、利用処理の実行を制御する第2の実行制御ステップとを含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
本発明の情報処理装置および方法、並びのプログラムにおいては、コンテンツの待ち受け状態であるか否かが判定され、待ち受け状態であると判定された場合、ユーザの許可が得られたものとして、利用処理が実行され、待ち受け状態ではないと判定された場合、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理が実行され、その処理によりユーザの許可が得られたとき、利用処理が実行される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単に、取得したコンテンツを処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明を適用したコンテンツ提供システムの利用例を示している。
【0014】
蓄積端末1は、内蔵するICタグリーダライタ2を用いて、利用端末11に内蔵されるICタグリーダライタ12または利用端末21に内蔵されているICタグリーダライタ22との間で、至近距離の通信を行い、例えば、IEEE802.11規格の無線通信を確立するための通信設定情報を供給し、供給した通信設定情報に基づく利用端末11または利用端末21における通信設定処理に応じて、それらとの無線通信を確立する。蓄積端末1は、要求に応じて、保有する例えば、音声、動画などのAVデータ、デジタルカメラ等で撮像された写真などの静止画、名刺情報、アドレス情報などのコンテンツを、確立された無線通信を介して、利用端末11または利用端末21に供給する。
【0015】
なお、IEEE802.11規格の無線LANにおける通信距離は、一般的に、数十m以内とされている。
【0016】
利用端末11は、内蔵するICタグリーダライタ12を用いて、蓄積端末1のICタグリーダライタ2との間で至近距離の通信を行って、蓄積端末1から送信されてきた通信設定情報を受信するとともに、それに基づく通信確立処理を行い、蓄積端末1とのIEEE802.11規格の無線通信を確立する。利用端末11は、確立された無線通信を介して、蓄積端末1から、所望のコンテンツの提供を受け、それを利用する。
【0017】
利用端末11はまた、ICタグリーダライタ12を用いて、利用端末21に内蔵されているICタグリーダライタ22との間で至近距離の通信を行い、要求に応じて、蓄積端末1との無線通信を確立するための通信設定情報とともに、利用端末11で利用しているコンテンツの利用情報を、利用端末21に送信する。
【0018】
利用端末21は、内蔵するICタグリーダライタ22を用いて、利用端末11のICタグリーダライタ12との間で至近距離の通信を行い、利用端末11から送信された、蓄積端末1との無線通信を確立するための通信設定情報と、コンテンツの利用情報を受信する。利用端末21は、受信した通信設定情報に基づいて、蓄積端末1とのIEEE802.11規格の無線通信を確立し、蓄積端末1から、利用情報に対応するコンテンツ(例えば、利用端末11に提供されているものと同一のコンテンツ)の提供を受け、それを利用する。
【0019】
利用端末11から利用端末21に送信される利用情報には、コンテンツのID(例えば、利用端末11が、いま蓄積端末1から提供を受けているコンテンツのID、または利用端末11がいま利用しているコンテンツのID)が含まれている。
【0020】
また利用情報には、コンテンツの利用を制御するための情報(制御情報)、またはコンテンツの利用を制御する装置を示す情報(装置情報)を含ませることができる。
【0021】
制御情報は、所定の利用を示す情報(利用指示情報)、または所定の利用を許可することまたは許可しないことを示す情報(利用許可情報)である。利用端末21は、利用情報に含まれる制御情報に基づいて、蓄積端末1から提供されたコンテンツを利用する。
【0022】
利用指示情報は、例えば、再生(表示)、停止、一時停止、早送り、若しくは巻き戻し、または保存等を示す情報であり、またコンテンツが静止画である場合、静止画の印刷を示す情報である。なお、利用指示情報により示される利用の態様を、利用端末11における利用に対応させることにより、利用端末21における利用を、利用端末11における利用と対応させることができる。
【0023】
利用許可情報は、例えば、再生、停止、および一時停止を許可するが、早送りと巻き戻しを許可しないことを示す情報であり、またはコンテンツが静止画である場合、静止画の印刷を許可するまたは許可しないことを示す情報である。
【0024】
装置情報は、例えば、蓄積端末1、利用端末11、または利用端末21を示す情報であり、この情報により利用端末21の利用が制御させる。すなわち利用端末21におけるコンテンツの利用処理を、蓄積端末1または利用端末11が制御するようにすることができる。
【0025】
なお、利用端末21における利用処理を制御は、複数の装置で行うこともできるし、所定のアクションにより変更することもできる。
【0026】
蓄積端末1、利用端末11、および利用端末21の間で授受される通信設定情報には、図2に示される、通信設定を行う際に必要な情報としての通信グループ形成情報、および図3に示される、通信グループ形成情報の管理の条件としての管理条件が含まれている。
【0027】
通信グループ形成情報(図2)は、ネットワークネーム、SSID、WEPキー、および通信ネットワーク形態から構成されている。
【0028】
ネットワークネームは、無線LANの通信ネットワークを識別するためのタイトルであり、図2の例の場合、「TEST GROUP」とされている。
【0029】
SSID(Service Set Identification)は、IEEE802.11規格の無線LANを識別するためのIDであり、図2の例の場合、「0x123456」とされている。なお、SSIDは、蓄積端末1、利用端末11、および利用端末21のそれぞれに設定されており、通信し合う両者のSSIDが一致する場合のみ通信が可能となる。
【0030】
WEP(Wired Equivalent Privacy)キーは、通信グループ参加に必要な認証情報であり、図2の例では、「0x123456789」とされている。なお、蓄積端末1、利用端末11、および利用端末21間で通信を行う場合、通信されるデータは、共通のWEPキーを使用して暗号化されて通信されるので、共通のWEPキーを有さない機器により、通信データが傍受されても、通信データは解読されない。
【0031】
通信グループ形態は、インフラストラクチャモードまたはアドホックモードのいずれかのモードが指定され、図2の例の場合、「AdHoc(アドホックモード)」が指定されている。
【0032】
管理条件(図3)は、関連URI、保持許可、提供許可、通信有効期間、情報有効期間、および情報更新条件から構成されている。
【0033】
関連URLは、図3の通信グループ形成情報に関連するURI(Uniform Resource Identifier)である。
【0034】
保持許可は、例えば、利用端末11または利用端末21が、通信設定情報を取得した場合に、この通信設定情報を保持することが可能か否かを指定する情報であり、図3の例の場合、保持が「許可」される。
【0035】
提供許可は、例えば、利用端末11または利用端末21が、取得し、保持している通信設定情報を、他機器に提供することが可能か否かを指定する情報である。図3の例の場合、提供が「許可」されている。
【0036】
通信有効期間は、例えば、利用端末11または利用端末21が、取得した通信グループ形成情報に基づいて行う通信設定により、通信を行うことが可能な通信有効期間である。図3の例の場合、2002年05月06日に切断されるまで、通信が可能となる。
【0037】
情報有効期間は、例えば、利用端末11または利用端末21により保持されている通信グループ形成情報自体の情報有効期間が示されている。図3の例の場合、2002年04月05日に破棄されるまでは保持が可能である。
【0038】
情報更新条件は、例えば、利用端末11または利用端末21が、保持している通信グループ形成情報と類似の通信グループ形成情報を取得した場合、既に保持している通信グループ形成情報を、どのような条件のもとで、新たに取得した通信グループ形成情報に更新するかという、情報更新条件が示されている。図3の例の場合、WEPキー以外の全ての通信グループ形成情報が同一だった場合に、新たに取得した通信グループ形成情報で、既に保持している通信グループ形成情報が更新される。
【0039】
なお、この例の場合、ICタグリーダライタを介してIEEE802.11規格の無線通信を確立するための通信設定情報が授受されるが、RF-ID ICタグ無線通信、電磁波輻射を抑制することにより近距離の端末のみを通信対象とするよう拡張を施したBluetoothなどの近接通信型デバイス、IrDAによる光通信など放射状ではなく指向性のある通信のために、より適切な他端末を特定する指向性通信型デバイス、または、メモリスティック、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、若しくはSD メモリカードなどの記録媒体に、他の情報処理端末と通信可能な通信インタフェースで通信するための情報を記録し、それら記録媒体に対応したリーダライタにより構成するメディア差し替え型デバイスなどを利用して、通信設定情報を授受することもできる。
【0040】
また、この例の場合、コンテンツはIEEE802.11規格の無線通信を介して送受信されるが、RF-ID IC タグ用の無線通信(やり取りするコンテンツのサイズが小さい場合には可能)や、IrDAなどの光通信、Bluetooth、IEEE802.11a、IEEE802.11b など、また、iLink、Ethernet(登録商標)、HomePNA、PowerLine などのケーブルを用いてIPネットワークなどを形成して、その上でコンテンツをやり取りすることもできる。
【0041】
なお、ブルーテゥース通信を利用する場合、ブルーテゥース通信のみでコンテンツの送受信が可能となるので、装置構成を簡単なものとすることができる。
【0042】
図4は、蓄積端末1の構成例を表している。CPU51は、ROM52に記憶されているプログラム、または記憶部59からRAM53にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM53にはまた、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0043】
CPU51、ROM52、およびRAM53は、バス54を介して相互に接続されている。このバス54にはまた、入出力インタフェース55も接続されている。
【0044】
入出力インタフェース55には、利用端末11のICタグリーダライタ12や利用端末21のICタグリーダライタ22と通信するICタグリーダライタ2、ユーザからの操作の入力を受け付けるキーボード、およびマウスなどにより構成される操作部56、音声を出力する音声出力部57、CRT(Cathode-Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ58、ハードディスクなどより構成され、コンテンツなどを記憶する記憶部59、およびアンテナ61を介してIEEE802.11規格の無線通信を行う無線通信部60が接続されている。
【0045】
入出力インタフェース55にはまた、必要に応じてドライブ62が接続され、磁気ディスク71、光ディスク72、光磁気ディスク73、或いは半導体メモリ74などが適宜装着され、それらから読み出されたプログラムが、必要に応じて記憶部59にインストールされる。
【0046】
図5は、蓄積端末1のICタグリーダライタ2の構成例を示している。
【0047】
アンテナ共振回路部81は、抵抗R1、コンデンサC1、およびコイルL1から成り、処理部82により生成された情報信号および電力を、他のICタグリーダライタ(例えば、利用端末11のICタグリーダライタ12や利用端末21のICタグリーダライタ22)のアンテナ共振回路部に送信する。また、アンテナ共振回路部81は、他のICタグリーダライタのアンテナ共振回路部から情報信号を受信し、処理部82に供給する。なお、アンテナ共振回路部81の固有の共振周波数(以下、固有共振周波数と称する)は、コンデンサC1のキャパシタンスおよびコイルL1のインダクタンスにより予め所定の値に設定される。
【0048】
処理部82のマイクロコンピュータ91は、ICタグリーダライタ2の各部を制御し、データを送受信する処理を行わせる。符号化/復号回路92は、入出力インタフェース55を介して供給されたデータを、マンチェスタ符号などに符号化するとともに、受信され、復調回路95で復調された情報信号を復号し、得られたデータを、入出力インタフェース55を介して、他のICタグリーダライタの各部に供給する。搬送波生成回路93は、他のICタグリーダライタに送信する搬送波を生成し、ASK変調回路94に供給する。ASK(Amplitude Shift Keying)変調回路94は、符号化/復号回路92により符号化された信号に基づいて、搬送波生成回路93から供給された搬送波を振幅変調し、アンテナ共振回路部81に供給する。
【0049】
復調回路95は、アンテナ共振回路部81により受信された信号を復調し、符号化/復号回路92に供給する。
【0050】
図6は、利用端末11の構成例を示し、図7は、利用端末21の構成例を示している。利用端末11および利用端末21の構成は、基本的に、図4に示した蓄積端末1の構成と同様であるので、その説明は省略する。また利用端末11のICタグリーダライタ12および利用端末21のICタグリーダライタ22の構成は、図5に示した蓄積端末1のICタグリーダライタ2と同様であるので、その図示および説明は省略する。
【0051】
次に、図1に示した利用例における蓄積端末1、利用端末11、および利用端末21の動作の概要を、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
ステップS1において、利用端末11が蓄積端末1の直近にかざされると、非接触通信で、蓄積端末1のICタグリーダライタ2から利用端末11のICタグリーダライタ12に通信設定情報が送信され、その通信設定情報に基づいて、蓄積端末1と利用端末11との間でIEEE802.11規格の無線通信が確立される。蓄積端末1は、要求に応じて、所定のコンテンツを、確立された無線通信を介して利用端末11に提供し、利用端末11は、蓄積端末1からそのコンテンツの提供を受ける。
【0053】
すなわち、ユーザ13は、利用端末11で視聴したいコンテンツを、例えば、利用端末11の操作部106を操作して指定し、利用端末11を蓄積端末1に直近にかざすことで、蓄積端末1からそのコンテンツの提供を受け、利用端末11でそれを視聴することができる。
【0054】
なお、視聴したいコンテンツを、蓄積端末1で指定することもできる。
【0055】
ステップS2において、例えば、ステップS1の処理で、蓄積端末1と利用端末11との間で無線通信が確立されているときに、利用端末21が利用端末11の直近にかざされると、非接触通信で、利用端末11のICタグリーダライタ12から利用端末21のICタグリーダライタ22に、ステップS1で蓄積端末1から利用端末11に送信された通信設定情報とともに、例えば、蓄積端末1から利用端末11にいま提供されているコンテンツの利用情報が送信される。利用端末11から利用端末21に送信された通信設定情報に基づいて、蓄積端末1と利用端末21との間でIEEE802.11規格の無線通信が確立される。蓄積端末1は、要求に応じて利用端末21に、利用情報に対応するコンテンツ(例えば、利用端末11にいま提供されているコンテンツ、またはいま利用されているコンテンツ)を提供し、利用端末21は、蓄積端末1からそのコンテンツの提供を受け、それを利用する。
【0056】
例えば、ユーザ23が、ユーザ13が利用端末11で視聴しているコンテンツに興味を持ち、それを視聴したい場合、利用端末21を利用端末11に直近にかざし、または利用端末11を利用端末21に直近にかざすことで、ユーザ23は、ユーザ13が視聴しているコンテンツを利用端末21で視聴することができる。
【0057】
なお、ここでの処理では、コンテンツは、利用端末11から利用端末21へコピーされたように取り扱われるので、ここでの処理を、適宜、コンテンツのコピー処理と称する。
【0058】
次に、図8のステップS1の処理の詳細を、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
ステップS11において、蓄積端末1のCPU51は、ICタグリーダライタ2に指令して、利用端末の検出を開始させる。その指令によりICタグリーダライタ2は、利用端末検出の電磁波の出力を開始する。なお、利用端末検出は、ユーザ13が、蓄積端末1の操作部56に対して所定の操作を行ったときに開始されるようにしてもよいし、蓄積端末1の電源が投入されたときに開始されるようにすることもできる。
【0060】
利用端末11のCPU101は、ステップS21において、ICタグリーダライタ12により利用端末検出の電磁波が受信されるまで待機し、例えば、ユーザ13により、利用端末11(ICタグリーダライタ12)が蓄積端末1(ICタグリーダライタ2)の至近距離に保持されることで、ICタグリーダライタ12がその電磁波を受信したとき、ステップS22に進む。
【0061】
ステップS22において、利用端末11のCPU101は、コンテンツの受信の許可を受けるためのダイヤログを、ディスプレイ108に表示させ、ステップS23において、コンテンツの受信が許可されたか否かを判定する。
【0062】
ユーザ13は、ステップS22の処理で表示されたダイヤログに、コンテンツの受信を許可する旨、またはコンテンツの受信を許可しない旨を入力するので、CPU101は、その入力に基づいて、コンテンツの受信が許可されたか否かを判定する。
【0063】
ステップS23で、コンテンツの受信が許可されたと判定されたとき、ステップS24に進む。
【0064】
ユーザ13は、蓄積端末1からコンテンツの提供を受け、利用端末11でそれを視聴する場合、コンテンツの受信を許可する旨を、ステップS22で表示されたダイヤログに入力するので、ステップS24に進む。
【0065】
ステップS24において、利用端末11のCPU101は、ICタグリーダライタ12(アンテナ共振回路部)を介して、応答信号を送信する。
【0066】
蓄積端末1のCPU51は、テップS12において、ICタグリーダライタ2により応答信号が受信されるまで、すなわち利用端末(正確には、コンテンツの提供を要求する利用端末)が検出されるまで待機し、応答信号が受信されたとき、すなわち利用端末が検出されたとき、ステップS13に進み、記憶部59に記憶されている通信設定情報を読み出して、ICタグリーダライタ2に供給する。ICタグリーダライタ2は、供給された通信設定情報を、利用端末11に対して送信する。
【0067】
なお、ここでCPU51は、ステップS12で、利用端末が検出されるまで待機するのではなく、制限時間内に利用端末が検出されなかった場合、利用端末の検出処理を終了するようにしても良い。
【0068】
利用端末11のCPU101は、ステップS25において、ICタグリーダライタ12により、通信設定情報が受信されるまで待機し、それが受信されたとき、ステップS26に進み、それを、記憶部109に記憶させる。
【0069】
次に、ステップS27において、利用端末11のCPU101は、無線通信部110を制御して、ステップS26で記憶部109に記憶された通信設定情報に含まれる通信グループ形成情報に基づくIEEE802.11規格の無線通信の通信設定を実行させる。このとき蓄積端末1の無線通信部60は、ステップS14において、ステップS27での利用端末11の無線通信部110における処理に対応した通信設定処理を実行する。その結果、蓄積端末1と利用端末11の無線通信が確立される。
【0070】
ステップS28において、利用端末11のCPU101は、無線通信部110を制御して、操作部106で指定されたコンテンツ(ユーザ13が利用端末11で視聴したいコンテンツ)のコンテンツIDを、ステップS27の処理で確立された無線通信を介して、蓄積端末1に送信させる。
【0071】
蓄積端末1のCPU51は、ステップS15において、利用端末11から送信されてきたコンテンツIDを有するコンテンツを記憶部59から読み出すとともに、無線通信部60を制御して、読み出したコンテンツの利用端末11への送信を開始させる。すなわちユーザ13により指定されたコンテンツのデータが、蓄積端末1から、ステップS14で確立された無線通信を介して利用端末11に送信される。その後、蓄積端末1のCPU51の処理は終了する。
【0072】
利用端末11のCPU101は、ステップS29において、無線通信部110を制御して、蓄積端末1から送信されてくるコンテンツのデータの受信を開始させる。
【0073】
次に、ステップS30において、利用端末11のCPU101は、いま受信されているコンテンツの表示の許可を受けるためのダイヤログを、ディスプレイ108に表示させ、ステップS31において、コンテンツの表示が許可されたか否かを判定する。
【0074】
ユーザ13は、ステップS30の処理で表示されたダイヤログに、コンテンツの表示を許可する旨、またはコンテンツの表示を許可しない旨を入力するので、CPU101は、その入力に基づいて、コンテンツの表示が許可されたか否かを判定する。
【0075】
ステップS31で、コンテンツの表示が許可されたと判定されたとき、ステップS32に進み、利用端末11のCPU101は、受信されたコンテンツをディスプレイ108に表示する表示処理を開始する。これによりユーザ13は、指定したコンテンツを視聴することができる。
【0076】
ステップS31で、コンテンツの表示が許可されなかったと判定されたとき、またはステップS32でコンテンツを表示する表示処理が開始されたとき、ステップS33に進み、利用端末11のCPU101は、受信されたコンテンツの登録の許可を受けるためのダイヤログをディスプレイ108に表示させる。
【0077】
ステップS34において、利用端末11のCPU101は、受信されたコンテンツの登録が許可されたか否かを判定する。ユーザ13は、ステップS33の処理で表示されたダイヤログに、コンテンツの登録を許可する旨、またはコンテンツの登録を許可しない旨を入力するので、CPU101は、その入力に基づいて、コンテンツの登録が許可されたか否かを判定する。
【0078】
ステップS34で、コンテンツの登録が許可されたと判定されたとき、ステップS35に進み、利用端末11のCPU101は、受信されたコンテンツ、または受信され表示されたコンテンツを記憶部109に登録する(記憶する)処理を開始する。
【0079】
ステップS23で、コンテンツの受信が許可されていないと判定されたとき、ステップS34で、コンテンツの登録が許可されていないと判定されたとき、またはステップS35で、コンテンツを登録する登録処理が終了したとき、利用端末11のCPU101の処理は終了する。
【0080】
以上のようにして、蓄積端末1は、確立した無線通信を介して、所定のコンテンツを利用端末11に提供し、利用端末11は、蓄積端末1からそのコンテンツの提供を受ける。
【0081】
次に、図8のステップS2の処理(利用端末11から利用端末21へのコピー処理)の詳細を、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0082】
利用端末11のCPU101は、ステップS61において、ICタグリーダライタ12に指令して、利用端末の検出を開始させる。その指令によりICタグリーダライタ12は、利用端末検出の電磁波の出力を開始する。
【0083】
なお、ここでの利用端末検出は、図9のフローチャートで示した処理で、蓄積端末1と利用端末11との無線通信が確立されたときに開始されるようにしてもよいし、利用端末11の操作部106に対して、ユーザ13により所定の操作が行われたときに開始されるようにすることもできる。
【0084】
利用端末21のCPU151は、ステップS71において、ICタグリーダライタ22により利用端末11から出力された利用端末検出の電磁波が受信されたか否かを判定し、例えば、ユーザ13により、利用端末11(ICタグリーダライタ12)が利用端末21(ICタグリーダライタ22)の至近距離に保持されることで、またはユーザ23により、利用端末21が利用端末11の至近距離に保持されることで、ICタグリーダライタ22がその電磁波を受信したとき、ステップS72に進む。
【0085】
ステップS72において、利用端末21のCPU151は、コンテンツの受信の許可を受けるためのダイヤログを、ディスプレイ158に表示させ、ステップS73において、コンテンツの受信が許可されたか否かを判定する。
【0086】
ステップS73で、コンテンツの受信が許可されたと判定されたとき、ステップS74に進み、利用端末21のCPU151は、ICタグリーダライタ22(アンテナ共振回路)を介して、応答信号を送信する。
【0087】
利用端末11のCPU101は、ステップS62において、ICタグリーダライタ12により応答信号が受信されるまで待機し、応答信号が受信されたとき、ステップS63に進む。
【0088】
ステップS63において、利用端末11のCPU101は、図9のステップS26で記憶部109に記憶された、蓄積端末1から送信されてきた通信設定情報と、例えば、蓄積端末1からいま提供を受けているコンテンツのコンテンツIDを含む利用情報を、ICタグリーダライタ12を介して、利用端末21に送信する。その後、利用端末11のCPU101の処理は、終了する。
【0089】
なお、ここで利用情報として利用端末21に送信されるコンテンツIDは、利用端末11がいま提供を受けているコンテンツのコンテンツIDに限らず、そのコンテンツに対応する他のコンテンツのコンテンツIDであってもよい。
【0090】
利用端末21のCPU151は、ステップS75において、ICタグリーダライタ22により通信設定情報等が受信されるまで待機し、それが受信されたとき、ステップS77に進み、記憶部159に記憶させる。
【0091】
次に、ステップS77において、利用端末21のCPU151は、無線通信部160を制御して、ステップS76で記憶部159に記憶された通信設定情報に含まれる通信グループ形成情報に基づくIEEE802.11規格の無線通信の通信設定(すなわち、蓄積端末1との無線通信を確立するための処理)を実行させる。このとき蓄積端末1のCPU51は、ステップS51において、無線通信部60を制御して、ステップS77での利用端末21の無線通信部160における処理に対応する無線通信設定処理を実行させる。その結果、蓄積端末1と利用端末21の無線通信が確立される。
【0092】
ステップS78において、利用端末21のCPU151は、無線通信部160を制御して、ステップS75で受信されたコンテンツIDを、ステップS77の処理で確立された無線通信を介して、蓄積端末1に送信させる。
【0093】
蓄積端末1のCPU51は、ステップS52において、利用端末21から送信されてきたコンテンツIDを有するコンテンツを記憶部59から読み出すとともに、無線通信部60を制御して、読み出したコンテンツの利用端末21への送信を開始させる。すなわち、いままで利用端末11に提供されていたコンテンツが、利用端末21にも提供される(コピーされる)。
【0094】
蓄積端末1のCPU51の処理は、その後終了する。
【0095】
利用端末21のCPU151は、ステップS79において、無線通信部160を制御して、蓄積端末1から送信されてくるコンテンツの受信を開始させる。
【0096】
次に、ステップS80において、利用端末21のCPU151は、いま受信されているコンテンツの表示の許可を受けるためのダイヤログを、ディスプレイ158に表示させ、ステップS81において、コンテンツの表示が許可されたか否かを判定する。
【0097】
ステップS81で、コンテンツの表示が許可されたと判定されたとき、ステップS82に進み、利用端末21のCPU151は、受信されたコンテンツをディスプレイ158に表示する表示処理を開始する。
【0098】
ステップS81で、コンテンツの表示が許可されていないと判定されたとき、またはステップS82で、表示処理が開始されたとき、ステップS83において、利用端末21のCPU151は、受信されたコンテンツの登録の許可を受けるためのダイヤログをディスプレイ158に表示させる。
【0099】
ステップS84において、利用端末21のCPU151は、コンテンツの登録が許可されたか否かを判定し、コンテンツの登録が許可されたと判定されたとき、ステップS85に進み、受信されたコンテンツを記憶部159に登録する(保存する)処理を開始する。
【0100】
ステップS73で、コンテンツの受信が許可されていないと判定されたとき、ステップS84で、コンテンツの登録が許可されていないと判定されたとき、またはステップS85でコンテンツの登録処理が終了したとき、利用端末21のCPU151の処理は終了する。
【0101】
以上のようにして、利用端末11に提供されていたコンテンツが、利用端末21にコピーされ、利用される(表示、登録される)。
【0102】
なお、蓄積端末1と利用端末11との間の無線通信の切断は、ステップS63の処理の後、適宜行われ、例えば、至近距離の通信を無線通信確立後一度切断し、そして再び、蓄積端末1と利用端末11を接近させて開始させることで、行うことができる。
【0103】
また、以上においては、利用情報には、コンテンツIDが含まれていたが、上述したように、コンテンツの利用を制御する制御情報(所定の利用を示す利用指示情報、または所定の利用を許可することまたは許可しないことを示す利用許可情報)、およびコンテンツの利用を制御する装置を示す装置情報を含ませることができる。
【0104】
また制御情報を利用情報に含ませる場合、例えば、利用端末11でいま行われているコンテンツの利用と同じ利用を、制御情報に設定することにより、利用端末21に、利用端末11と同様の状態でコンテンツを利用させることができる。
【0105】
また、利用端末21へのコンテンツ提供が開始された後も、利用端末11へのコンテンツ提供を継続することもできるし、利用端末21へのコンテンツ提供が開始されたとき、利用端末11へのコンテンツ提供を中止することもできる。
【0106】
なお、以上においては、利用端末21に提供されるコンテンツが、利用端末11がいま蓄積端末1から提供を受けているコンテンツであると予め決められており、ステップS63では、そのコンテンツのIDが送信されるようになされていたので、利用端末11は、例えば、ユーザからのコンテンツの指定を待つことなく、ステップS63においてコンテンツのIDの送信を行うことができた。
【0107】
ただし、利用端末21に提供されるコンテンツを、利用端末11または利用端末21で指定することもでき、例えば、利用端末11がいま利用しているコンテンツ、または利用端末11がいま蓄積端末1から提供を受けているコンテンツ等を指定できる。
【0108】
ところで、利用端末21が、蓄積端末1から提供されるコンテンツを利用する際に、すでに他の処理を実行している場合(例えば、テレビジョン放送を受信、表示している場合)、その処理を停止してから、上述したようなコンテンツを利用する処理を行い、そしてコンテンツの利用が終了したとき、停止した処理を再開することもできる。
【0109】
図11は、本発明を適用したコンテンツ提供システムの他の利用例を示している。
【0110】
蓄積端末1は、内蔵するICタグリーダライタ2を用いて、利用端末11に内蔵するICタグリーダライタ12との間で至近距離の通信を行い、IEEE802.11規格の無線通信を確立するための通信設定情報を送信し、送信された通信設定情報等に基づく利用端末11における通信設定処理に応じて、利用端末11との無線通信を確立する。蓄積端末1は、確立された無線通信を介して、保有するコンテンツを、利用端末11に提供する。
【0111】
蓄積端末1はまた、ICタグリーダライタ2を用いて、蓄積端末31に内蔵されるICタグリーダライタ32との間で至近距離の通信を行い、自分との無線通信を確立するための通信設定情報、および利用端末11との無線通信を確立するための通信設定情報とともに、利用端末11に提供したコンテンツの提供情報を、蓄積端末31に送信する。
【0112】
蓄積端末1は、送信した通信設定情報に基づく蓄積端末31における通信設定処理に応じて、蓄積端末31との無線通信を確立する。蓄積端末1は、確立された無線通信を介して、例えば、利用端末11に提供しているコンテンツと同じコンテンツを、蓄積端末31に提供する。
【0113】
蓄積端末31は、内蔵するICタグリーダライタ32を用いて、蓄積端末1に内示するICタグリーダライタ2との間で至近距離の通信を行い、蓄積端末1から送信されてくる、蓄積端末1との無線通信を確立するための通信設定情報、および利用端末11との無線通信を確立するための通信設定情報とともに、提供情報を受信する。
【0114】
蓄積端末31は、受信した蓄積端末1との無線通信を確立するための通信設定情報に基づく通信設定処理を行い、蓄積端末1との無線通信を確立し、蓄積端末1から、提供情報に対応するコンテンツ(例えば、蓄積端末1が利用端末11に提供しているコンテンツ)の提供を受け、それを蓄積する。
【0115】
蓄積端末31は、要求に応じて、取得した利用端末11との無線通信を確立するための通信設定情報を基づく通信設定処理を行い、利用端末11との無線通信を確立し、その無線通信を介して、蓄積端末1から提供を受けたコンテンツを、利用端末11に提供する。
【0116】
蓄積端末1から蓄積端末31に送信されるコンテンツの提供情報には、コンテンツのID(例えば、蓄積端末1が、利用端末11にいま提供しているコンテンツのID、または利用端末11がいま利用しているコンテンツのID)が含まれている。
【0117】
また提供情報には、コンテンツの利用を制御するための情報(制御情報)、またはコンテンツの利用を制御する装置を示す情報(装置情報)を含ませることができる。
【0118】
制御情報は、図1の例の場合と同様に、所定の利用を示す情報(利用指示情報)、または所定の利用を許可することまたは許可しないことを示す情報(利用許可情報)である。蓄積端末31は、コンテンツとともに制御情報を利用端末11に送信することで、利用端末11に、制御情報に基づくコンテンツの利用を行わせることができる。
【0119】
装置情報は、例えば、蓄積端末1、利用端末11、または蓄積端末31を示す情報である。蓄積端末31は、コンテンツとともに装置情報を利用端末11に送信することで、利用端末11に、装置情報に示される装置の制御に基づくコンテンツの利用を行わせることができる。
【0120】
蓄積端末31の構成は、蓄積端末1の構成(図4)と同様であり、ICタグリーダライタ32の構成は、ICタグリーダライタ2の構成(図5)と同様であるので、その図示と説明は省略する。
【0121】
次に、図11に示した利用例における蓄積端末1、利用端末11、および蓄積端末31の動作の概要を、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0122】
ステップS101においては、図8のステップS1における場合と同様の処理が行われるので、その詳細な説明は省略するが、蓄積端末1と利用端末11との間でIEEE802.11規格の無線通信が確立され、蓄積端末1は、確立された無線通信を介して、所定のコンテンツを利用端末11に提供し、利用端末11は、蓄積端末1からそのコンテンツの提供を受ける。
【0123】
ステップS102において、ステップS101の処理で、蓄積端末1と利用端末11との間で無線通信が確立されているときに、例えば、蓄積端末31が蓄積端末1の直近にかざされると、非接触通信で、蓄積端末1のICタグリーダライタ2から蓄積端末31のICタグリーダライタ32に、蓄積端末1との無線通信を確立するための通信設定情報および提供情報が送信される。通信設定情報に基づいて、蓄積端末1と蓄積端末31との間でIEEE802.11規格の無線通信が確立されると、蓄積端末1は、要求に応じて蓄積端末31に、提供情報に対応するコンテンツ(例えば、利用端末11に提供しているコンテンツと同じコンテンツ)を提供し、蓄積端末31は、蓄積端末1からそのコンテンツの提供を受け、それを蓄積する。
【0124】
また蓄積端末1から蓄積端末31には、非接触通信で、利用端末11との無線通信を確立するための通信設定情報が送信されるので、蓄積端末31は、要求に応じて利用端末11に、図9に示した蓄積端末1と同様の処理を行うことで、蓄積端末1から提供を受けて蓄積したコンテンツを提供することができる。
【0125】
すなわち、例えば、ユーザ33は、ユーザ13が視聴しているコンテンツに興味を持ち、それを取得したい場合、蓄積端末31を蓄積端末1に直近にかざし、または蓄積端末1を蓄積端末31に直近にかざすことで、ユーザ13が視聴しているコンテンツを蓄積端末31に蓄積することができる。またユーザ13は、蓄積端末31からもコンテンツの提供を受けることができる。
【0126】
ここでの処理でも、コンテンツは、蓄積端末1から蓄積端末31へコピーされるように取り扱われるので、この処理を、適宜、コンテンツのコピー処理と称する。
【0127】
次に、図12のステップS102の処理を、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0128】
ステップS111において、蓄積端末1は、ICタグリーダライタ2に指令して、蓄積端末の検出を開始させる。具体的には、ICタグリーダライタ2は、蓄積端末検出の電磁波の出力を開始する。なお、蓄積端末検出は、ユーザ13が、蓄積端末1に対して所定の操作を行ったときに開始されるようにしてもよいし、蓄積端末1の電源が投入されたときに開始されるようにすることもできる。
【0129】
蓄積端末31は、ステップS121において、蓄積端末31のICタグリーダライタ32により蓄積端末検出の電磁波が受信されるまで待機し、蓄積端末1(ICタグリーダライタ2)が蓄積端末31(ICタグリーダライタ32)の至近距離に保持されることで、または蓄積端末31が蓄積端末1の至近距離に保持されることで、ICタグリーダライタ32がその電磁波を受信したとき、ステップS122に進む。
【0130】
ステップS122において、蓄積端末31は、コンテンツの受信の許可を受けるためのダイヤログを表示し、ステップS123において、コンテンツの受信が許可されたか否かを判定する。
【0131】
ステップS123で、ダイヤログに対する入力に基づいて、コンテンツの受信が許可されたと判定されたとき、ステップS124に進み、蓄積端末31は、ICタグリーダライタ32を介して、応答信号を送信する。
【0132】
蓄積端末1は、ステップS112において、ICタグリーダライタ2により応答信号が受信されるまで待機し、応答信号が受信されたとき、ステップS113に進む。
【0133】
ステップS113において、蓄積端末1は、記憶部59に記憶された、自分との無線通信を確立するための通信設定情報(図9のステップS13で、利用端末11に供給された通信設定情報)、および利用端末11との無線通信を確立するための通信設定情報、並びに例えば、いま利用端末11に提供していたコンテンツのコンテンツIDを含む提供情報を、ICタグリーダライタ2を介して、蓄積端末31に送信する。
【0134】
なお、提供情報として蓄積端末31に送信されるコンテンツIDは、利用端末11にいま提供されているコンテンツのIDに限らず、それに関連する他のコンテンツのIDであってもよい。
【0135】
蓄積端末31は、ステップS125において、ICタグリーダライタ32により通信設定情報等が受信されるまで待機し、それが受信されたとき、ステップS126に進み、それを記憶する。
【0136】
次に、ステップS127において、蓄積端末31は、ステップS126で記憶された、蓄積端末1との無線通信を確立するための通信設定情報に基づく通信設定処理を行う。このとき蓄積端末1は、ステップS114において、ステップS127での蓄積端末31における処理に対応した通信設定処理を実行する。その結果、蓄積端末1と蓄積端末31との間で無線通信が確立される。
【0137】
ステップS128において、蓄積端末31は、ステップS125で受信されたコンテンツIDを、ステップS127の処理で確立された無線通信を介して、蓄積端末1に送信する。
【0138】
蓄積端末1は、ステップS115おいて、蓄積端末31から送信されてきたコンテンツIDを有するコンテンツを記憶部59から読み出すとともに、読み出したコンテンツの蓄積端末31への送信を開始する。すなわち、例えばいままで利用端末11に提供されていたコンテンツが、蓄積端末31にも提供される(コピーされる)。
【0139】
蓄積端末31は、ステップS129において、蓄積端末1から送信されてくるコンテンツの受信を開始する。
【0140】
次に、ステップS130において、蓄積端末31は、受信されたコンテンツの登録の許可を受けるためのダイヤログを表示し、ステップS131において、コンテンツの登録が許可されたか否かを判定する。
【0141】
ステップS131で、ダイヤログに対する入力に基づいてコンテンツの登録が許可されたと判定されたとき、ステップS132に進み、蓄積端末31は、受信されたコンテンツを登録する処理を開始する。
【0142】
ステップS123で、コンテンツの受信が許可されていないと判定されたとき、ステップS131で、コンテンツの登録が許可されていないと判定されたとき、またはステップS132で、コンテンツを登録する処理が終了したとき、蓄積端末31の処理は終了する。
【0143】
以上のようにして、蓄積端末1は、蓄積端末31にも、例えば、利用端末11に提供しているコンテンツと同じコンテンツを提供し、蓄積端末31は、蓄積端末1からそのコンテンツの提供を受け、それを蓄積する。また蓄積端末31は、要求に応じて、蓄積端末1から提供を受けて蓄積したコンテンツを、利用端末11に提供することができる。
【0144】
なお、蓄積端末31は、ステップS126で、利用端末11との無線通信を確立するための通信設定情報を保持しているので、例えば、図9に示した蓄積端末1の処理と同様の処理により、利用端末11にコンテンツの提供を行うことができる。
【0145】
また、以上においては、提供情報には、コンテンツIDが含まれていたが、上述したように、コンテンツの利用を制御する制御情報(所定の利用を示す利用指示情報、または所定の利用を許可することまたは許可しないことを示す利用許可情報)、およびコンテンツの利用を制御する装置を示す装置情報を含ませることができる。
【0146】
また、以上においては、蓄積端末31に提供されるコンテンツが、利用端末11がいま蓄積端末1から提供を受けているコンテンツであると予め決められており、ステップS113では、そのコンテンツIDが送信されるようになされていたので、蓄積端末1は、例えば、ユーザからのコンテンツの指定を待つことなく、ステップS113においてコンテンツのIDの送信を行うことができた。
【0147】
ただし、蓄積端末31で提供されるコンテンツを、蓄積端末1または蓄積端末31で指定することもでき、例えば、利用端末11がいま利用しているコンテンツ、または利用端末11がいま蓄積端末1から提供を受けているコンテンツ等を指定できる。
【0148】
ところで、上述した、図9の利用端末11の処理、図10の利用端末21の処理、および図13の蓄積端末31の処理のように、データ(コンテンツ)を受信する処理では、送信されるコンテンツの受信、受信されたコンテンツの表示、および表示されたコンテンツの登録のそれぞれの許可が、ダイヤログに対する入力に基づいて判断されていた。
【0149】
すなわちユーザは、ダイヤログが表示される毎に、許可を与える旨、または許可を与えない旨の入力を行う必要があり、その操作が面倒であった。
【0150】
そこで、例えば、図9の利用端末11の処理を、図14のフローチャートに示す手順で行うことで、ユーザの操作を簡略化することができる。
【0151】
すなわち、ステップS151において、利用端末11のCPU101は、ICタグリーダライタ12により利用端末検出の電磁波が受信されるまで待機し、その電磁波が受信されたとき、ステップS152に進む。
【0152】
ステップS152において、利用端末11のCPU101は、利用端末11がコンテンツ待ち受け状態になっているか否かを判定する。なお、利用端末11のコンテンツ待ち受け状態は、予めユーザ13によりなされた操作部106に対する所定の操作により設定されるものとし、CPU101は、その設定が、例えば、記憶部109に記憶されているか否かを判定することで、ステップS152での判定を行うものとする。
【0153】
ステップS152で、利用端末11がコンテンツ待ち受け状態であると判定された場合、利用端末11のCPU101は、ICタグリーダライタ12(アンテナ共振回路部)を介して、応答信号を送信する。
【0154】
ステップS154乃至ステップS157においては、図9のステップS25乃至ステップS28における場合と同様の処理がなされるので、その説明は省略する。
【0155】
ステップS158において、利用端末11のCPU101は、蓄積端末1から送信されてくるコンテンツの受信を開始し、ステップS159において、受信されたコンテンツをディスプレイ108に表示する表示処理を開始する。そして、ステップS160において、CPU101は、表示されたコンテンツを、記憶部109に登録する(記憶する)処理を開始する。
【0156】
すなわち、利用端末11がコンテンツ待ち受け状態である場合、コンテンツの受信、コンテンツの表示、およびコンテンツの登録のそれぞれの許可が、ユーザに要求されないので、ユーザは、簡単な操作で、コンテンツの受信、表示、および登録を行うことができる。
【0157】
ステップS152で、利用端末11がコンテンツ待ち受け状態ではないと判定された場合、ステップS161に進み、図9のステップS22乃至ステップS35と同様の処理が行われる。
【0158】
なお、ステップS161における、図9のステップS22乃至ステップS35の処理に代えて、図15に示すような処理を行うこともできる。
【0159】
すなわち、この場合、ステップS171において、コンテンツの受信の許可を受けるためのダイヤログが表示されるが、ステップS172で、コンテンツの受信が許可されたと判定された場合、コンテンツの表示の許可およびコンテンツの登録の許可がユーザに要求されず、ステップS179およびステップS180で、コンテンツの表示および登録がなされる。
【0160】
図14および図15では、受信側の動作を説明したが、例えば、
【0161】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム格納媒体からインストールされる。
【0162】
この記録媒体は、図4,6,7に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク71,131,171(フロッピディスクを含む)、光ディスク72,132,172(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク73,133,173(MD(Mini-Disk)を含む)、若しくは半導体メモリ74、134,174などによりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM52,102,152や記憶部59,109,159に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0163】
なお、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0164】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明を適用したコンテンツ提供システムの利用例を示す図である。
【図2】通信グループ形成情報を示す図である。
【図3】管理条件を示す図である。
【図4】図1の蓄積端末1の構成例を示すブロック図である。
【図5】図1のICタグリーダライタ2の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1の利用端末11の構成例を示すブロック図である。
【図7】図1の利用端末21の構成例を示すブロック図である。
【図8】図1の利用例における蓄積端末1、利用端末11、および利用端末21の動作を説明するフローチャートである。
【図9】図8のステップS1の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図10】図8のステップS2の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図11】本発明を適用したコンテンツ提供システムの他の利用例を示す図である。
【図12】図11の利用例における蓄積端末1、利用端末11、および蓄積端末31の動作を説明するフローチャートである。
【図13】図12のステップS102の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図14】図9の利用端末11の処理の他の手順を示すフローチャートである。
【図15】図14のステップS161の他の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0166】
1 蓄積端末, 2 ICタグリーダライタ, 11 利用端末, 12 ICタグリーダライタ, 21 利用端末, 22 ICタグリーダライタ, 31 蓄積端末, 32 ICタグリーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置から送信されてきたコンテンツに対して、ユーザの許可を必要とする複数の利用処理を実行する情報処理装置において、
コンテンツの待ち受け状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記待ち受け状態であると判定された場合、ユーザの許可が得られたものとして、前記利用処理を実行する第1の実行手段と、
前記判定手段により前記待ち受け状態ではないと判定された場合、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理を実行し、その処理によりユーザの許可が得られたとき、前記利用処理を実行する第2の実行手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記利用処理は、前記コンテンツを受信する受信処理、前記コンテンツを表示する表示処理、および前記コンテンツを登録する登録処理であり、
前記許可確認処理は、前記許可を受けるためのダイヤログをユーザに提示する提示処理である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
送信装置から送信されてきたコンテンツに対して、ユーザの許可を必要とする複数の利用処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、
コンテンツの待ち受け状態であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの処理で前記待ち受け状態であると判定された場合、ユーザの許可が得られたものとして、前記利用処理を実行する第1の実行ステップと、
前記判定ステップの処理で前記待ち受け状態ではないと判定された場合、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理を実行し、その処理によりユーザの許可が得られたとき、前記利用処理を実行する第2の実行ステップと
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
送信装置から送信されてきたコンテンツに対して、ユーザの許可を必要とする複数の利用処理を実行する情報処理装置のプログラムであって、
コンテンツの待ち受け状態であるか否かの判定を制御する判定制御ステップと、
前記判定制御ステップの処理で前記待ち受け状態であると判定された場合の、ユーザの許可が得られたものとしての、前記利用処理の実行を制御する第1の実行制御ステップと、
前記判定制御ステップの処理で前記待ち受け状態ではないと判定された場合の、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理を実行し、その処理によりユーザの許可が得られたときの、前記利用処理の実行を制御する第2の実行制御ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項5】
送信装置から送信されてきたコンテンツに対して、ユーザの許可を必要とする複数の利用処理を実行する情報処理装置のプログラムであって、
コンテンツの待ち受け状態であるか否かの判定を制御する判定制御ステップと、
前記判定制御ステップの処理で前記待ち受け状態であると判定された場合の、ユーザの許可が得られたものとしての、前記利用処理の実行を制御する第1の実行制御ステップと、
前記判定制御ステップの処理で前記待ち受け状態ではないと判定された場合の、ユーザの許可を受けるための所定の許可確認処理を実行し、その処理によりユーザの許可が得られたときの、前記利用処理の実行を制御する第2の実行制御ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2008−17496(P2008−17496A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182492(P2007−182492)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【分割の表示】特願2002−263629(P2002−263629)の分割
【原出願日】平成14年9月10日(2002.9.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】