説明

情報処理装置および表示制御方法

【課題】バッテリー残量に対応した表示の制御を行うことができる情報処理装置および表示制御方法を提供する。
【解決手段】表示面20−1と表示面20−1と関連する情報を表示可能な表示面20−2とを備え、バッテリーの残量が所定値以下となった場合、いずれかの表示面の表示をオフする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイの制御技術に係り、特にバッテリーの残量に対応してディスプレイを制御することが可能な情報処理装置および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、バッテリーで駆動される携帯型の情報端末においては、複数の表示面を備えた端末が開発されている。例えば特許文献1に示すように、2つの表示面を備えた携帯情報端末において、所定の条件に基づいて、1つの表示面には画像を、他方の表示面には画像の説明の情報等を表示する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−198259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、バッテリー残量に対応した表示の制御を行うことができない。
【0004】
そこで、本発明は、バッテリー残量に対応した表示の制御を行うことができる情報処理装置および表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様によれば、バッテリーと、情報を表示可能な第1の表示面と、前記第1の表示面が表示する情報に関連する情報を表示可能な第2の表示面と、前記第1および第2の表示面の表示状態を検知する表示検知手段と、前記バッテリーの残量を検知する残量検知手段と、前記残量検知手段により検知されたバッテリーの残量が所定値以下となった場合、前記第1および第2の表示面のいずれかの表示面の表示をオフする制御を行う制御手段とを具備することを特徴とする情報処理装置が提供される。
【0006】
また、バッテリーと、第1の表示面と、前記第1の表示面が表示する情報と関連する情報を表示する第2の表示面とを備えた情報処理装置で用いられる表示制御方法であって、前記第1および第2の表示面の表示状態を検知し、前記バッテリーの残量を検知し、検知されたバッテリーの残量が所定値以下となった場合、前記第1および第2の表示面のいずれかの表示面の表示をオフする制御を行うことを特徴とする表示制御方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0008】
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成について説明する。この情報処理装置は、例えば、デジタル放送を受信可能な携帯型情報端末10として実現されている。
【0009】
図1は携帯型情報端末10の表示面20−1を表示した状態における模式図である。本携帯型情報端末10は、本体に内蔵された表示面20−1および本体を展開および収納することによって現れる表示面20−3〜20−4で構成される。なお、本体に内蔵された表示面20−1および本体を展開および収納する方法としては、各表示面の接続部にヒンジ部材を設けてもよいし、スライド型の表示面とする等、複数の表示面を展開および収納できる方法であれば問わない。
【0010】
表示面20−1には、TFT−LCD(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)から構成される表示装置が組み込まれている。
【0011】
表示面20−1は、映像表示領域100−1と操作パネル表示領域100−2とをコンポジット表示(合成表示)で表示している。操作パネル表示領域100−2では、タスクバー101を操作することにより、映像表示領域100−1に表示されたデジタル放送等のコンテンツを操作する。なお、タスクバー101以外にも様々な操作ボタン等を組み込むことが可能である。
【0012】
表示面20−1は、携帯型情報端末10に対して開放位置と閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。例えば、図2に示すように、表示面20−2を開放位置とするように展開することができる。この場合、表示面20−2には、上述したコンテンツを受信したときに合わせて受信を行った番組情報等を表示する。例えばラグビーのコンテンツが放送されている場合は、選手の情報等を表示する。すなわち、表示面20−1および表示面20−2に表示している内容には互いに関連があるものとする。
【0013】
さらに、例えば、図3に示すように、表示面20−3を下部へ開放位置とするように展開することができる。この場合、表示面20−3には、上述したコンテンツの操作パネル100−2等を表示する。一方、表示面20−1は、コンテンツと操作パネルのコンポジット表示からコンテンツの表示のみの状態(映像表示)に切り替える。表示面20−3に表示された操作パネル100−2には、再生ボタン102、停止ボタン103、音量調節バー104等を表示することができる。すなわち、表示面20−1から表示面20−3に表示している内容には互いに関連があるものとする。さらに、例えば、図4に示すように、表示面20−4を下部へ開放位置とするように展開することができる。この場合、表示面20−1〜20−4の4つの表示パネルを用いて1つのコンテンツを全画面で表示することができる。
【0014】
以上のように、本発明の実施形態に係る携帯型情報端末10は、必要に応じて例えば4つの表示パネルを展開して表示レイアウトを変更することができる。
【0015】
次に、本発明の実施形態に係る携帯型情報端末の構成を図5のブロック図を参照して説明する。携帯型情報端末10は、制御部30、入手力部31、記憶部32、バッテリー残量検知部33、バッテリー34、表示制御部35、表示状態検知部36、外部電源入力部37、表示部20を備えている。制御部30は、携帯型情報端末10の総合的な制御を行う。入手力部31は、アンテナ等からのTV放送波(コンテンツ)の取り込み、メモリ等からのコンテンツの取り込み、TV等の外部機器への映像の出力等を行うインターフェースである。記憶部32は、コンテンツの一時的な記憶、バッテリー残量に対応する表示レイアウトのテーブルデータの記憶等の各種データを記憶する。バッテリー残量検知部33は、バッテリー34の残量を検知し、制御部30へ通知する。バッテリー34は、携帯型情報端末10に内蔵され、携帯型情報端末10を駆動する電源を供給する。表示制御部35は、表示部20が備える表示面20−1〜20−4までの表示のオン・オフを含む表示制御を行う。表示状態検知部36は、表示面20−1〜20−4がオンまたはオフされているかを検知する。外部電源入力部37は、ACアダプタ等の外部電源であり、バッテリー34に代えて携帯型情報端末10を駆動する電源を供給する。また、外部電源入力部37から電源が供給されている場合は、バッテリー34を充電することも可能である。表示部20は、展開および収納可能な表示面20−1〜20−4備える。
【0016】
次に、記憶部32に記憶されている表示面20−1〜20−4の表示レイアウトの情報について説明する。図6は、表示レイアウトの情報を示すテーブルデータである。ウインドウクラスには、例えば1面表示(図1参照)、2面表示(図2参照)、3面表示(図3参照)、4面(全画面)表示(図4参照)の場合が設定されている。1面表示の場合は、表示面20−1にコンポジット表示を行う。2面表示の場合は、表示面20−1にコンポジット表示、表示面20−2に番組説明を表示する。3面表示の場合は、表示面20−1に映像表示、表示面20−2に番組説明、表示面20−3に操作パネルを表示する。4面(全画面)表示の場合は、表示面20−1〜20−4に映像表示を行う。上述したテーブルデータの設定では、表示面が2つある場合、付帯情報(番組情報、操作パネル等)を表示している表示面を優先的にオフするように設定を行っている。さらに、付帯情報の表示面をオフした場合、残っている表示面に付帯情報を合成してコンポジット表示するように設定している。なお、表示レイアウトの設定(テーブルデータ)は、上述した内容に限定されるものではなく、任意に変更可能である。
【0017】
次に、本発明の実施形態に係る携帯型情報端末を適用した表示制御方法について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0018】
携帯型情報端末10の制御部30は、各種のイベントの入力待ちの状態に入る(ステップS101)。バッテリー残量検知部33によってバッテリーの残量に変化が生じたと判別された場合は(ステップS102のYES)、表示レイアウトの変更イベントを発生させる(ステップS104)。制御部30は、表示レイアウトの変更の変更イベントが発生した場合は(ステップS103のYES)、図6に示すように、テーブルデータに従って表示レイアウトを変更する(ステップS105)。例えば、4面表示を行っている状態において(バッテリーの残量が80〜100%の状態)、バッテリーの残量が減少し、79%となった場合は、3面表示(バッテリーの残量が60〜79%の状態)に表示レイアウトを変更する。次に制御部30は、表示レイアウトの変更イベント以外のイベントに対応した処理を実施する(ステップS106)。終了イベントの場合は終了する。
【0019】
また、外部電源入力部37からAC電源等の入力がされている場合は、バッテリーの減少の心配がないため、展開している状態での最大の表示面を用いて表示する表示レイアウトとする。図8は、外部電源入力部37からAC電源等の入力がされている場合の処理を組み込んだ本発明の実施形態に係る変形例を示すフローチャートである。
【0020】
携帯型情報端末10の制御部30は、各種のイベントの入力待ちの状態に入る(ステップS201)。バッテリー残量検知部33によってバッテリーの残量に変化が生じたと判別された場合は(ステップS102のYES)、表示レイアウトの変更イベントを発生させる(ステップS104)。制御部30は、外部電源入力に変更があった場合は(ステップS103のYES)、表示レイアウトを展開の状態に合わせるように変更する変更イベントを発生する(ステップS105)。なお、外部電源入力の場合に発生する変更イベントは、「展開状態に合わせた表示面をすべて表示する」となる。すなわち、4面に展開した状態の場合(図4参照)では、全画面表示を行うイベントであり、3面に展開した状態の場合(図3参照)では、3面表示を行うイベント等となる。
【0021】
制御部30は、表示レイアウトの変更の変更イベントが発生した場合は(ステップS106のYES)、図6に示すように、テーブルデータに従って表示レイアウトを変更する(ステップS107)。例えば、3面表示を行っている状態において(バッテリーの残量が60〜79%の状態)、バッテリーの残量が減少し、59%となった場合は、2面表示(バッテリーの残量が40〜59%の状態)に表示レイアウトを変更する。次に制御部30は、表示レイアウトの変更イベント以外のイベントに対応した処理を実施する(ステップS108)。終了イベントの場合は終了する。
【0022】
このように、予め設定しておいたテーブルデータ(図6参照)に従ってバッテリー残量に対応した表示レイアウトに自動的に変更することができる。また、テーブルデータは、上述した設定内容に限定されるものではなく、任意に設定可能である。例えば、表示レイアウトを変更して表示面をオフして減らす変更を行う場合、ユーザの操作した順に従って表示レイアウトを変更することも可能である。すなわち、ユーザによって操作対象となった表示面からオフする等である。例えば、図3に示すように、3面表示の表示レイアウトを行っている場合に、バッテリーの残量の低下が起こり、2面表示の表示レイアウトに変更する場合は、最後にユーザが操作していた表示面が表示面20−3であった場合は、表示面20−3を優先的にオフするように表示レイアウトを変更する。また、4つの表示面20−1〜20−4を用いて1つのコンテンツを表示する全画面を行っている場合(図4参照)、バッテリーの残量の低下が起こり、4面表示のレイアウトの閾値より少なくなった場合は(例えばバッテリー残量80%未満:図6参照)、表示レイアウトを一気に1面表示の表示レイアウトに変更するようにしてもよい。
【0023】
なお、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではない。本発明は、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変更して具現化できる。
【0024】
また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることで、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の1面表示を行っている状態の構成を示す模式図。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の2面表示を行っている状態の構成を示す模式図。
【図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の3面表示を行っている状態の構成を示す模式図。
【図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の4面(全画面)表示を行っている状態の構成を示す模式図。
【図5】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の表示レイアウトを示すテーブルデータの概念図。
【図7】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の表示制御方法を説明するためのフローチャート。
【図8】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の表示制御方法を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0026】
10…携帯型情報端末、20…表示部、20−1、20−1、20−3、20−4…表示面、30…制御部、31…入手力部、32…記憶部、33…バッテリー残量検知部、34…バッテリー、35…表示制御部、36…表示状態検知部、37…外部電源入力部、100−1…映像表示領域、100−2…操作パネル表示領域、101…タスクバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーと、
情報を表示可能な第1の表示面と、
前記第1の表示面が表示する情報に関連する情報を表示可能な第2の表示面と、
前記第1および第2の表示面の表示状態を検知する表示検知手段と、
前記バッテリーの残量を検知する残量検知手段と、
前記残量検知手段により検知されたバッテリーの残量が所定値以下となった場合、前記第1および第2の表示面のいずれかの表示面の表示をオフする制御を行う制御手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御手段は、前記第1および第2の表示面のいずれかの表示面の表示をオフする場合、前記第1および第2の表示面のうち、最後に操作を行った表示面をオフすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記第1および第2の表示面は、展開および収納を行うことによりレイアウトの変更を行うことが可能に構成されており、前記バッテリーに加えて外部電源入力部をさらに備え、前記外部電源入力部から電源が入力される場合は、前記レイアウトに対応した表示可能な表示面のすべての表示をオンすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御手段は、前記第1および第2の表示面のいずれかの表示面の表示をオフする場合、前記第1および第2の表示面のうち、付帯情報を表示している表示面をオフすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記制御手段は、付帯情報を表示している表示面をオフする場合、前記オフした表示面に表示されていた付帯情報を、もう一方の表示面に合成して表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
バッテリーと、第1の表示面と、前記第1の表示面が表示する情報と関連する情報を表示する第2の表示面とを備えた情報処理装置で用いられる表示制御方法であって、
前記第1および第2の表示面の表示状態を検知し、
前記バッテリーの残量を検知し、
検知されたバッテリーの残量が所定値以下となった場合、前記第1および第2の表示面のいずれかの表示面の表示をオフする制御を行うことを特徴とする表示制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の表示制御方法において、
前記第1および第2の表示面のいずれかの表示面の表示をオフする場合、前記第1および第2の表示面のうち、最後に操作を行った表示面をオフすることを特徴とする表示制御方法。
【請求項8】
請求項6に記載の表示制御方法において、
前記情報処理装置は前記バッテリーに加えて外部電源入力部をさらに備え、前記第1および第2の表示面は、展開および収納を行うことによりレイアウトの変更を行うことが可能に構成されており、前記外部電源入力部から電源が入力される場合は、前記レイアウトに対応した表示可能な表示面のすべての表示をオンすることを特徴とする表示制御方法。
【請求項9】
請求項6に記載の表示制御方法において、
前記第1および第2の表示面のいずれかの表示面の表示をオフする場合、前記第1および第2の表示面のうち、付帯情報を表示している表示面をオフすることを特徴とする表示制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の表示制御方法において、
前記付帯情報を表示している表示面をオフする場合、前記オフした表示面に表示されていた付帯情報を、もう一方の表示面に合成して表示することを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−182892(P2009−182892A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22006(P2008−22006)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】