説明

情報処理装置とその方法とプログラム

【課題】原稿をスキャンして得られたファクシミリ送信するデータに、まとめて送信できないファクシミリデータがある場合でも、適切にまとめてファクシミリ送信すること可能とする仕組みを提供すること。
【解決手段】スキャンして読み取られた原稿の第1の画像データを取得し、で取得した第1の画像データを文字認識し、得られた文字認識結果に含まれるページ数に従って送信する第1の画像データに不足があるか否かを判定し、前記第1の画像データが不足のある画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データに対応する不足した第2の画像データを取得し、取得した第1の画像データと取得した第2の画像データとを、得られた文字認識結果から決定される送信先にまとめて送信するべく出力することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ファクシミリ送信するための情報処理装置とその方法とプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナ機能を搭載したデジタル複合機を用いて、スキャンした画像の文字認識処理を行って、スキャンした画像を認識した宛先にFAX送信している。
【0003】
例えば、医療機関から例えば血液などの検査依頼を受けた検査機関では、検査結果がでると、早急に医療機関に報告するため、検査結果報告書などの帳票を医療機関へFAX送信している。
【0004】
検査機関は、ファックス送信後、検査結果報告書の原本を依頼のあった医療機関へ送付している。
【0005】
ここで、検査機関では、FAX送信のコストや効率化を考慮し、帳票から宛先情報(FAX番号)の文字認識を行い、依頼先ごとにFAX送信を行う仕組みを導入しているところがある。
【0006】
この仕組みの場合、検査結果の宛先情報(FAX番号)を読込み、宛先情報が変わるまでをFAX送信の単位として処理を行うことが一般的に行われている。
【0007】
このような宛先ごとにまとめてFAX送信する仕組みは、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−37052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1では、読み込み処理を行った単位で検査結果をスキャンし、グルーピング/ソートを行う為、同じ宛先(FAX番号)の検査報告書でも、読み込み単位が異なった場合やページ欠落が発生した場合、別々にFAX送信されてしまう。
【0010】
そのため、FAX受信者側で、並べ替え等の作業が発生し、手作業が残ってしまうケースが発生してしまっていた。
【0011】
そこで、本発明の目的は、原稿をスキャンして得られたファクシミリ送信するデータに、まとめて送信できないファクシミリデータがある場合でも、適切にまとめてファクシミリ送信すること可能とする仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的を達成するために、スキャンして読み取られた原稿の第1の画像データを取得する第1の画像データ取得手段と、前記画像データ取得手段で取得した第1の画像データを文字認識する文字認識手段と、前記文字認識手段で得られた文字認識結果に含まれるページ数に従って送信する第1の画像データに不足があるか否かを判定する第1の不足判定手段と、前記第1の画像データが不足のある画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データに対応する不足した第2の画像データを取得する第2の画像取得手段と、前記第1の画像取得手段で取得した第1の画像データと前記第2の画像取得手段で取得した第2の画像データとを、前記文字認識手段で得られた文字認識結果から決定される送信先にまとめて送信するべく出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、前記第1の画像が不足のある画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データに対応する前記第2の画像データがあるか否かを判定する第2の不足判定手段と、前記第2の不足判定手段で、前記第2の画像データがないと判定される場合に、前記第1の画像データを第2の画像データとして退避する退避手段と
を更に備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記出力手段は、前記第1の不足判定手段で、前記第1の画像データが不足のない画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データの文字認識結果から決定される送信先と一致する、不足のない他の画像データとまとめて送信するべく出力ことを特徴とする。
【0015】
また、前記他の画像データは、前記第1の画像データと第2の画像データとで構成された画像データであることを特徴とする。
【0016】
また、前記第2の画像データの出力に従って、前記退避手段で退避した第2の画像データを削除する第2の画像データ削除手段を更に備えることを特徴とする。
【0017】
また、前記情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、原稿をスキャンして得られたファクシミリ送信するデータに、まとめて送信できないファクシミリデータがある場合でも、適切にまとめてファクシミリ送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ファクシミリシステムの構成の一例を示す図
【図2】管理サーバ100、OCR用PC200,文書発行PC300に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】複合機400のハードウェア構成の一例を示すブロック図
【図4】OCRする際に用いるフォームのフォーム定義に関するフローチャート
【図5】スキャン時の全体フローチャート
【図6】欠落チェック処理のフローチャート
【図7】文書情報管理テーブルの一例を示す図
【図8】送信対象データテーブルの一例を示す図
【図9】退避データテーブルの一例を示す図
【図10】格納する先を定義したファイルの一例を示す図
【図11】フォーム定義のデータ一例を示す図
【図12】帳票レイアウトの一例を示すイメージ図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本実施形態に係るファクシミリシステムの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係るファクシミリシステムの構成の一例を示す図である。
【0022】
管理サーバ100は複合機400(画像形成装置)、OCR用PC200(情報処理装置)で読み取ったデータを管理する管理サーバであり、汎用コンピュータ等の情報処理装置により構成される。また、管理サーバ100は、所定の通信網500を介してOCR用PC200,文書発行PC300,と通信可能に接続され、企業内居室に設置されている。具体的には、企業内LANにより接続される。さらに、この管理サーバ100上では、図示しないOS,アプリケーションが稼動している。
【0023】
文書発行PC300は、例えば、検査結果を検査報告書として発行する情報処理装置であり、プリンタ等の出力装置330と通信可能に接続されている。この出力装置330で出力(印刷)された帳票(原稿)を複合機400でスキャンし、OCR処理を行って、FAX送信がなされる。
【0024】
複合機400(読み取り手段)は、直接または通信網500を介してOCR用PC200及び管理サーバ100と通信可能に接続されており、FAX送信宛先情報、ページ番号が記載された原稿を連続して読み取り、電子化する。
【0025】
複合機400によって電子化された画像データは、OCR用PC200の任意のフォルダに保管される。
【0026】
このファクシミリシステムは、複合機400からオペレータによる原稿読み込み要求を受けた際に、FAX宛先情報やページ番号が付与された原稿をスキャンし、複合機400により得られた画像情報をOCR用PC200に取り込むように構成されている(画像データはたとえばTIFF)。
【0027】
また、OCR用PC200は、複合機400から送信された画像データを保管する任意のフォルダを監視し、画像データを検出したら、フォーム定義により設定された宛先情報、ページ番号をOCR処理し、図8の送信対象データテーブルにOCR認識結果を格納するように構成されている。
【0028】
また、宛先ごとにFAX送信を行う画像データ(例えば、検査結果の帳票となる原稿)にページ欠落がない場合は、公衆回線網を介して複合機400から該当の宛先にFAX送信を行うように構成されている。
【0029】
以下、図2を用いて、図1に示した管理サーバ100、OCR用PC200,文書発行PC300に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0030】
図2は、図1に示した管理サーバ100、OCR用PC200,文書発行PC300に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0031】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0032】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0033】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0034】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0035】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN600)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0036】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0037】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0038】
次に、図3を用いて、図1に示した複合機400のハードウェア構成について説明する。
【0039】
図3は、図1に示した複合機400のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN600)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0041】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0042】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0043】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0044】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)600に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0045】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0046】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0047】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0048】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0049】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0050】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0051】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0052】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0053】
尚、表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタによって本発明は構成されている。
【0054】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0055】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0056】
以上のような構成によって、プリンタ300は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN600上に送信したり、LAN600から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0057】
また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。
【0058】
以下、図4〜図6のフローチャートを用いて、本実施形態の詳細な処理の説明を行う。
【0059】
まず、本実施形態では、予めOCRに用いるフォームを定義しておき、OCR用PC200の外部メモリ211に記憶しておく。また、検査結果を記憶する文書発行PC300から例えば、患者ごとの検査結果の帳票を出力装置330から出力する。出力された帳票は、図12のような帳票レイアウトで、レコード作成日時1201、患者ID1202、病院電話番号1203、ページ番号1204が、また検査結果が印字されている。印字される情報は文書発行PC300の外部メモリ211に記憶されているデータが呼び出され、外部メモリ211に記憶されているフォームとオーバーレイされ印刷される。
【0060】
図4のOCRする際に用いるフォームのフォーム定義に関するフローチャートを用いて説明する。
【0061】
フォーム定義は、原紙画像を読込み後、読み取られた画像データからブロックセレクションを行い、ブロックセレクションで得られた罫線情報を保存する(ステップS401)。OCR用PC200に保存されているデータベースのフォーム定義テーブル(図11、1101−1103)にフォームごとに登録する。なお、ブロックセレクションで得られた領域ごとに座標値を持っている。
【0062】
ユーザの操作に応じて、領域の指定を受け付ける(ステップS402)。ユーザの操作に応じて、指定された領域に対応してOCRする領域として、ORC領域として設定を行う(ステップS403)。OCR領域として設定された領域に対して、読み取る文字種別(数字や漢字等)などのOCR属性情報設定(ステップS404)を行う。
【0063】
ステップS403とステップS404によって設定された値は、データベース(図11、1104−1107)にOCR定義として登録する。
【0064】
尚、フォーム定義は、スキャナから予め読み取られたフォームとなる画像(原紙画像)或いは、フォーム作成アプリケーションで生成されたフォームをイメージ化した画像(原紙画像)がOCR用PC200の外部メモリ211に記憶されており、ユーザの操作に応じたフォーム定義指示に従って、このフォーム定義する画像データを取得する。
【0065】
なお、フォーム定義については、一般的なOCRソフトの汎用的な技術を用いて実施する。
【0066】
図5は、図1のスキャンシステムにより実行されるスキャン時の全体フローチャートであり、本フローチャートの各ステップはOCR用PC200のCPU201が実施する。
【0067】
なお、事前準備として、処理の対象とする原稿(文書)を文書発行PC300より発行する。管理サーバ100では、文書発行PC300)より文書発行依頼がきたタイミングで、文書情報管理テーブル(図7)の文書発行フラグ(704)を未発行(0)から発行済み(1)に更新する。文書情報管理テーブル(図7)のその他項目(701〜703)については、管理サーバ100側で定期的に登録されるものとし、レコード作成日時701には一意の値が入るものとする。
【0068】
なお、本フローチャートを複合機400のCPU301が実行してもよい。
【0069】
ステップS501からステップS504は、読み込まれた原稿画像がどのフォーム定義に該当するかをマッチングするフォーム認識処理のステップである。
【0070】
まず、ステップS501で、複合機400のスキャナで読み込んだ原稿の画像を、複合機400から取得する。
【0071】
次に、ステップS502では、ステップS405にてデータベースに保存されたフォーム定義テーブル(図11)および、フォームフォルダ1004に格納されているフォームイメージデータ(画像ファイル)を読み込む。ステップS501で取得した原稿の画像データ(認識対象の画像)とフォームイメージデータのマッチング(フォーム認識)を行う。
【0072】
ステップS503では、ステップS405で保存したOCRを行うための設定情報(OCRパターン)を複数のOCRパターンの中から決定し、取得する。
【0073】
このとき、原稿画像とフォームイメージデータのマッチングに失敗した(該当フォームが存在しない)場合は、フォーム認識エラーとして予め内部的に指定したエラーフォルダ(図10の1005)へデータを移動後、処理を終了する。該当フォームが存在する場合は、原稿画像(認識対象の画像)を、予め内部的に指定した保存先(図10の1001)に保存する。また、該当するフォームのOCRパターン(定義)をRAM203上に記憶させる。
【0074】
フォーム認識処理については、既存の一般的な技術を使用して実現することが可能である。このフォーム認識処理は、例えば、読み込んだフォームイメージデータ及び認識対象の画像から罫線を抽出し、罫線間の位置関係をフォームの特徴としてみなし、保存してあるフォームイメージデータと認識対象の画像の罫線構造を照合してフォームを識別する。
【0075】
次に、ステップS504では、識別した画像をページごとに分割する。そして、その画像に対応し、保存してあるOCRパターン(OCR定義)を用いて認識処理(OCR処理)を行う。OCR処理された画像はファイル名が付与され、図8の1002のフォルダへ格納される。
【0076】
OCR処理では、既存の技術を使用する。OCR処理とは、手書き文字や印字された文字を光学的に読み取り、前もって記憶されたパターンとの照合により文字を特定し、文字データを入力することである。例えば、帳票レイアウトを図12とすると、決定したOCRパターンから領域開始位置(図11の1105)及び領域終了位置(図11の1106)、使用辞書(図11の1107)を取得し、文字を特定する。
【0077】
ステップS505では、図12の1201〜1204の値となるOCR結果を取得する。ステップS505で取得する結果は、OCR用PC200の外部メモリ211上のデータベースの送信対象データテーブル(図8)の801〜804に保存される。尚、送信対象データテーブル(図8)の全ページ数(805)は、レコード作成日時をキーに管理サーバ100のデータベース110の文書情報管理テーブルから参照した値を保存する。
【0078】
なお、送信対象データテーブル(図8)の全ページ数(805)は、OCR対象として取得してもよい。また、送信対象データテーブル(図8)のファイル名(806)は、フォーム認識した順に自動的に連番を振るものとする。
【0079】
次に、ステップS506では、ユーザにOCR結果を確認させ、修正がある場合には修正されたデータを、送信対象データテーブル(図8)の更新をする。そして送信対象データテーブル(図8)を用いてページの欠落チェックを行う。ステップS506の処理の詳細は図6で後述する。
【0080】
ステップS507では、OCR用PC200の外部メモリ211上のデータベースの送信対象データテーブル(図8)のデータを取得し、病院電話番号803、患者ID802、ページ番号804の昇順にソートする。
【0081】
ステップS508にて、予め内部的に指定した保存先(図10の1002)内のファイルを病院電話番号ごとに結合し、ローカルもしくはネットワークフォルダに出力、もしくは、複合機400を介して、結合したファイルごとの病院電話番号に対してFAX送信する。出力もしくは送信後、OCR用PC200の外部メモリ211上のデータベースの送信対象データテーブル(図8)の内容及び内部的に指定した保存先(図10 1002)の内容をクリア/削除する。
【0082】
尚、本フローを途中でキャンセルする場合、処理対象データを予め内部的に指定したエラーフォルダ(図10の1005)へ移動後、OCR用PC200の外部メモリ211上のデータベース 送信対象データテーブル(図8)の内容をクリアし、処理を終了する。
【0083】
次に、図6を用いて、ステップS506の欠落チェックの処理の詳細な説明をする。
【0084】
まず、ステップS601では、ステップS505にて保存したOCR用PC200の外部メモリ211のデータベースの送信対象データテーブル(図8)の内容を読み込む。
【0085】
ステップS602では、送信対象データテーブル(図8)内の行数をレコード件数としてRAM203上に記憶し、レコード件数=0(→1件目)より最終行までステップS603〜ステップS612の処理を繰り返す。
【0086】
ステップS603では、オペレータの操作によって、OCR結果が修正され送信対象データテーブル(図8)内容が更新する。なお、修正が必要ない場合には、ステップS603を省略する。なお、修正は、外部マスターなど参照することで、読み取り結果をチェックすることも可能である。
【0087】
ステップS604では、送信対象データテーブル(図8)のページ番号(804)、全ページ数(805)を参照し、ページ欠落があるかどうかを確認する。具体的な確認方法としては、同じレコード作成日時(801)に対して、全ページ数(805)分のページ番号(804)が存在するかどうかをチェックする。
【0088】
ステップS605では、全ページ分存在しないレコードがあれば、該当するレコード作成日時(801)のレコードについてページ欠落ありと判定する。
【0089】
ステップS605にてページ欠落がない場合は、ステップS606では、ステップS503にて一時データフォルダ(図10の1001)に保存した原稿画像を送信対象データフォルダ(図10の1002)へ出力する。
【0090】
ステップS605にてページ欠落がある場合、ステップS607では、送信対象データテーブル(図8)のレコード作成日時(801)と欠落しているページ番号をRAM203上に記憶する。
【0091】
ステップS608では、OCR用PC200の外部メモリ211のデータベースの退避データテーブル(図9)を参照し、ステップS607でRAM203上に記憶したレコード作成日時と欠落しているページ番号とを、図9のレコード作成日時(901)及びページ番号(904)を突き合わせ、退避データの有無を判定する。
【0092】
ステップS608にて該当データがある場合、ステップS609では、退避データテーブル(図9)の該当レコードを送信対象データテーブル(図8)へ登録後、退避データテーブル(図9)の元レコードを削除する。
【0093】
また、ステップS610では、退避データフォルダ(図10の1003)から送信対象データフォルダ(図10の1002)へ該当画像をコピーし、退避データフォルダ(図10の1003)の元データを削除する。
【0094】
ステップS608にて該当データがない場合、ステップS611では、送信対象データテーブル(図8)のページ欠落レコードを退避データテーブル(図9)へ登録後、送信対象データテーブル(図8)の元レコードを削除する。
【0095】
また、ステップS612では、一時データフォルダ(図10の1001)から退避データフォルダ(図10の1003)へ該当画像をコピーし、一時データフォルダ(図10 1001)の元データを削除する。
【0096】
次に、図7〜図11を用いて、本実施形態で用いるデータについて説明する。
【0097】
まず、図7は、管理サーバ100上のデータベース110に記憶されている文書情報管理テーブルの一例である。
【0098】
この文書情報管理テーブルは、検査結果とともに管理されているテーブルで検査結果に対応する帳票(文書)が発行された場合に更新されるテーブルである。検査結果が登録されると、レコード作成日時701と患者IDが登録される。そして、この検査結果の帳票(文書)が発行されると、検査結果ごとの全ページ数703と文書発行フラグ704が記憶される。
【0099】
次に図8は、OCR用PC200の外部メモリ211に記憶されている送信対象データテーブルの一例を示す図である。OCR認識した結果を格納するためのテーブルである。
【0100】
図12の1201のOCR結果がレコード作成日時801へ記憶され、1202のOCR結果が患者ID802に記憶され、1203のOCR結果が病院電話番号803に記憶され、1204のOCR結果がページ番号804に記憶される。
【0101】
また、全ぺ字数805は、図7の文書情報管理テーブルから取得され記憶される。ファイル名806は、ファイル分割された際に生成されるファイルのファイル名が記憶される。
【0102】
図9は、OCR用PC200の外部メモリ211に記憶されている退避データテーブルの一例を示す図である。
【0103】
OCRした結果、欠落したページがある場合に、欠落したページが含まれるレコードのデータを記憶するためのテーブルである。901、902、903、904、905、906はそれぞれ、801、802、803、804、805、806に対応する。
【0104】
図10は、処理ごとに画像ファイルを格納する先を定義したファイルの一例を示す図である。
【0105】
1001は、フォーム認識で一致した場合に画像を格納するフォルダのパスが記憶されている。1002は、ページ分割され、ページごとのファイルを格納するフォルダのパスが記憶されている。1003は、欠落ページがあった場合に、欠落対象として決定されたファイルを格納するフォルダのパスが記憶されている。
【0106】
1004は、フォームイメージデータが格納されているフォルダのパスが記憶されている。1005は、フォーム認識エラー時に格納されるフォルダのパスが記憶されている。
図11は、フォーム定義のデータ一例を示す図である。
【0107】
登録されたフォームごとにフォームIDが付与され1101に記憶され、フォームとなる画像ファイルのファイル名が1102に記憶される。また、各フォームのOCR定義情報にIDが付与され1103に記憶される。また、OCR定義情報IDに対応してOCRs領域1104、領域開始位置1105、領域終了位置1106、使用辞書1107などOCRに必要な設定情報が記憶されている。
【0108】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態の特徴的な構成は、スキャンして読み取られた原稿の第1の画像データを取得し(第1の画像データ取得)、で取得した第1の画像データを文字認識し、得られた文字認識結果に含まれるページ数に従って送信する第1の画像データに不足があるか否かを判定し(第1の不足判定)、前記第1の画像データが不足のある画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データに対応する不足した第2の画像データを取得し(第2の画像取得)、取得した第1の画像データと取得した第2の画像データとを、得られた文字認識結果から決定される送信先にまとめて送信するべく出力することである。
【0109】
以上のように、本実施形態によれば、原稿をスキャンして得られたファクシミリ送信するデータに、まとめて送信できないファクシミリデータがある場合でも、適切にまとめてファクシミリ送信することができる。
【0110】
より具体的には、読み込み単位やページ欠落している場合でも、適正なグルーピング/ソート処理を行いファクシミリ送信する仕組みを提供することにより、FAX受信側で、検査結果を手動でまとめる(並べ替える)作業を省略できる。
【0111】
また、ファクシミリ送信側でも読込み前に宛先ごとに並べ替えたり、ページ欠落チェックを行う必要がなくなる。
【0112】
さらに、作業効率だけではなく、欠落したデータを後で別に送ることがなくなる、つまり同一の宛先に対してまとめてファクシミリ送信を行える為、ファクシミリ通信コストの削減が見込める。
【0113】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0114】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0115】
また、本発明におけるプログラムは、図4〜図6に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4〜図6の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4〜図6の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0116】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0117】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0118】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0119】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0120】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0121】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0122】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0123】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0124】
100 管理サーバ
110 データベース
200 OCR用PC
300 文書発行PC
330 出力装置
400 複合機
500 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャンして読み取られた原稿の第1の画像データを取得する第1の画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段で取得した第1の画像データを文字認識する文字認識手段と、
前記文字認識手段で得られた文字認識結果に含まれるページ数に従って送信する第1の画像データに不足があるか否かを判定する第1の不足判定手段と、
前記第1の画像データが不足のある画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データに対応する不足した第2の画像データを取得する第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段で取得した第1の画像データと前記第2の画像取得手段で取得した第2の画像データとを、前記文字認識手段で得られた文字認識結果から決定される送信先にまとめて送信するべく出力する出力手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の画像データが不足のある画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データに対応する前記第2の画像データがあるか否かを判定する第2の不足判定手段と、
前記第2の不足判定手段で、前記第2の画像データがないと判定される場合に、前記第1の画像データを第2の画像データとして退避する退避手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記第1の不足判定手段で、前記第1の画像データが不足のない画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データの文字認識結果から決定される送信先と一致する、不足のない他の画像データとまとめて送信するべく出力ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記他の画像データは、前記第1の画像データと第2の画像データとで構成された画像データであることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の画像データの出力に従って、前記退避手段で退避した第2の画像データを削除する第2の画像データ削除手段を
更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
スキャンして読み取られた原稿の第1の画像データを取得する第1の画像データ取得ステップと、
前記画像データ取得ステップで取得した第1の画像データを文字認識する文字認識ステップと、
前記文字認識ステップで得られた文字認識結果に含まれるページ数に従って送信する第1の画像データに不足があるか否かを判定する第1の不足判定ステップと、
前記第1の画像データが不足のある画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データに対応する不足した第2の画像データを取得する第2の画像取得ステップと、
前記第1の画像取得ステップで取得した第1の画像データと前記第2の画像取得ステップで取得した第2の画像データとを、前記文字認識ステップで得られた文字認識結果から決定される送信先にまとめて送信するべく出力する出力ステップと
を実行することを特徴とする送信方法。
【請求項8】
情報処理装置で実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を
スキャンして読み取られた原稿の第1の画像データを取得する第1の画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段で取得した第1の画像データを文字認識する文字認識手段と、
前記文字認識手段で得られた文字認識結果に含まれるページ数に従って送信する第1の画像データに不足があるか否かを判定する第1の不足判定手段と、
前記第1の画像データが不足のある画像データであると判定した場合に、当該第1の画像データに対応する不足した第2の画像データを取得する第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段で取得した第1の画像データと前記第2の画像取得手段で取得した第2の画像データとを、前記文字認識手段で得られた文字認識結果から決定される送信先にまとめて送信するべく出力する出力手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−135211(P2011−135211A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291166(P2009−291166)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】