説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】ある要素(用語等)に付ける代替テキストの表示/非表示を切り替えたり、テキストの内容を切り替えたりすることで、ユーザにとって必要な記述を追加し、不要な記述を省く。
【解決手段】ユーザが出力ページの要求を画像形成装置1に対して行うと、Webアプリケーション2は、まず、出力ページのための用語出力設定5を取得し、ユーザ認証を行う認証部3の認証を経てユーザごとの設定が保存されたユーザ情報4を取得する。用語出力設定5による出力ページの用語について、ユーザ情報4に基づいて言語や代替テキストの要不要を判断し、多言語用語データ6から用語データを取得し、当該用語データを用いて出力ページを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関し、より詳細には、Webのユーザインターフェース技術に関する。特に、ユーザビリティ、アクセシビリティに関するユーザインターフェース技術である。
【背景技術】
【0002】
近年の組込型の情報処理装置(例えば、画像形成装置や多機能複合機が挙げられる)においては、提供する機能の数が動的に変化するものがある。このような装置では、ユーザによって使えない機能のメニュー表示が問題となる。そこで、使えない機能やユーザの権限によっては利用できない機能を削除したメニューを動的に生成する情報処理装置が要請される。
【0003】
上記の問題点に応えた従来発明としては、例えば、特許文献1に開示される情報処理装置等がある。これは、動作する複数のアプリケーションが提供するすべての機能に対応するメニュー情報をテンプレートにしたがってあらかじめメニュー情報記憶部に登録しておき、このメニュー情報記憶部に記憶されたメニュー情報を端末から送信された利用者情報に応じたメニュー情報として構成しなおし、このメニュー情報を端末で表示可能なメニュー形式に変換規則を参照して変換するようにして、利用者に適合したメニューを動的に生成するものである。
【0004】
一方で、組込型の情報処理装置においては、メニューを音声により読み上げる、いわゆるスクリーンリーダの採用が、アクセシビリティの観点から求められる場合もある(例えば、特許文献2参照)。ところがスクリーンリーダは、仕様上、メニュー等の用語について代替テキストが設定されていた場合、読み上げを省略せずに行うものが多い。
【特許文献1】特開2004−185464号公報
【特許文献2】特開2001−272992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術は、次のような問題点があった。
【0006】
スクリーンリーダに限らず、画像によって視覚的にメニュー等のページを見せるものも含めて、ユーザに対してアウトプットを提示するインターフェースにおいては、ユーザにとって、既知の用語について代替テキストを省略されずに読み上げられたり逐一表示されたりすることは煩わしいものである。したがって、従来技術には、不要な記述を省くことができないという問題点があった。
【0007】
また、ユーザに適合したメニュー等を動的に生成する従来技術については、不必要な記述を省略するものではあるが、必要な記述を追加する技術については何ら考慮されていないという問題点があった。
【0008】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、ある要素に付ける代替テキストの表示/非表示を切り替えたり、テキストの内容を切り替えたりすることで、ユーザにとって必要な記述を追加し、不要な記述を省くことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、Webアプリケーションとして機能する演算装置と、ユーザごとに対応した用語出力設定及び用語データを格納する記憶装置と、ネットワークインターフェースと、を備える情報処理装置であって、前記演算装置は、前記ネットワークインターフェースが、ネットワーク上のクライアントからリクエストを受けると、リクエストを発したユーザの認証を行う認証手段と、前記記憶装置から前記認証手段により認証されたユーザに対応した用語出力設定を取得する手段と、前記記憶装置の前記用語データの中から前記用語出力設定によりユーザにとって必要とされた用語及び代替テキストのみを抽出する用語抽出手段と、該用語抽出手段が抽出した用語及び代替テキストを用いてハイパーテキストの出力ページを生成して該出力ページをレスポンスとして返す最終出力手段と、を有することを特徴とする情報処理装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報処理装置において、前記記憶装置に代えて、外部記憶装置がユーザごとに対応した用語出力設定及び用語データを格納することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の情報処理装置において、前記用語出力設定は、ある1人のユーザについて、使用言語が関連づけられているデータ構造であり、前記用語データは、ある1つの用語について、ユーザに使用される言語ごとの訳語及び代替テキストが関連づけられているデータ構造であり、前記用語抽出手段は、ユーザの使用言語に応じた訳語及び代替テキストを抽出することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の情報処理装置において、前記用語出力設定は、ある1人のユーザについて、役割及び知識レベルの少なくとも一方が関連づけられているデータ構造であり、前記用語データは、ある1つの用語について、難易度が関連づけられているデータ構造であり、前記用語抽出手段は、ユーザの役割及び知識レベルの少なくとも一方に応じた難易度の用語の代替テキストを抽出することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の情報処理装置において、前記Webアプリケーションは、ユーザごとに対応した前記用語出力設定をユーザが編集するインターフェースを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の情報処理装置において、前記Webアプリケーションは、前記用語データをユーザが編集するインターフェースを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項記載の情報処理装置において、前記Webアプリケーションは、ユーザごとに対応した前記用語出力設定を前記クライアントへダウンロードする処理と、ユーザが前記クライアント上で編集したのちアップロードする処理と、を実行する手段を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項記載の情報処理装置において、前記Webアプリケーションは、前記用語データを前記クライアントへダウンロードする処理と、ユーザが前記クライアント上で編集したのちアップロードする処理と、を実行する手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、ユーザごとに対応した用語出力設定及び用語データを格納する記憶装置と、ネットワークインターフェースと、を備える情報処理装置の演算装置を、前記ネットワークインターフェースが、ネットワーク上のクライアントからリクエストを受けると、リクエストを発したユーザの認証を行う認証手段と、前記記憶装置から前記認証手段により認証されたユーザに対応した用語出力設定を取得する手段と、前記記憶装置の前記用語データの中から前記用語出力設定によりユーザにとって必要とされた用語及び代替テキストのみを抽出する用語抽出手段と、該用語抽出手段が抽出した用語及び代替テキストを用いてハイパーテキストの出力ページを生成して該出力ページをレスポンスとして返す最終出力手段と、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザにとって必要な記述を追加し、不要な記述を省くことが可能となる。また、その結果、ユーザインターフェース技術においてユーザビリティ及びアクセシビリティが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
〔第1の実施形態〕
図1は、本実施形態に該当するWebアプリケーションを搭載している情報処理装置の構成図である。特に本発明を限定するものではないが、この情報処理装置は、画像形成装置としての機能を有している。なお、本実施形態では画像形成装置を例にしているが、本発明は、Webアプリケーションの動作している汎用サーバなどで実現してもよい。
【0021】
図1において、画像形成装置1は、ネットワークインターフェース7、Webアプリケーション2、認証部3、ユーザ情報4、用語出力設定5、多言語用語データ6を備え、ネットワークからWebアプリケーション2を利用して操作ができるものである。
【0022】
Webアプリケーション2は、ネットワークを介してクライアント等から送信されてきたリクエストを解釈して、用語データなどを取得、HTMLを出力する機能を持つ。
【0023】
認証部3は、リクエストをしたユーザの認証をする。
【0024】
ユーザ情報4は、ユーザID、ユーザ名、ユーザの用語設定などを持つ。
【0025】
用語出力設定5には、画像形成装置1において、用語をどのように出力するかの設定を持つ。
【0026】
多言語用語データ6には、用語IDと対応して、各言語の翻訳された用語を持ち、さらに、省略語とそれの代替の語を持つ。
【0027】
次に、本実施形態のハードウェア構成及びネットワーク構成について説明する。図2は、本実施形態のハードウェア構成及びネットワーク構成図である。まずネットワーク構成について説明する。ここでは、同一セグメントにパーソナルコンピュータ8とパーソナルコンピュータ9が配置されてネットワーク8bで接続されており、例えば、パーソナルコンピュータ8は、ユーザAが使用し、パーソナルコンピュータ9は、ユーザBが使用している。
【0028】
次に、本実施形態のハードウェア構成について説明する。画像形成装置1は、画像形成装置1本体を制御し、またプログラムに基づいて必要な演算を実行する演算装置1aと、画像形成装置1にWebアプリケーション2として機能させるためのプログラムを格納する記憶装置1bと、を有して構成されている。本実施形態の画像形成装置1は、上記のハードウェア資源に協働して、図1に示したソフトウェアがそれぞれの機能を発揮する情報処理を実行するものである。
【0029】
次に、本実施形態におけるユーザ情報4について説明する。図3は、ユーザ情報4(ユーザアカウント情報)を一覧して示している。図3を参照すると、本実施形態のユーザ情報4は、ユーザ名に対応して、使用言語、ロール、用語レベル、用語抑制分野がある。なお、これら以外にも、ユーザ情報として持っていてもよく、また、一部が不足していてもよい。
【0030】
ここで、使用言語とは、ユーザが表示してもらいたい言語であり、基本的にWebページは、使用言語を使って表示される。
【0031】
ロールとは、ユーザの役割であり、管理者であったり、一般のユーザであったりの設定がある。一般的に、ネットワーク管理者は、ネットワークに詳しいため、ネットワークの専門用語を知っていることが多い。
【0032】
用語レベルとは、一般的な用語についての知識レベルであり、ここで示しているレベルより下のものは、表示しなくてもよいことを示すことができる。ここでは全体で1つのレベルを記述しているが、用語分野ごとにレベルを決めることもできる。
【0033】
用語抑制分野とは、詳細な説明が必要のない用語分野を示すものである。ここでは、抑制分野のみ挙げているが、逆に明示的に出力するようにしてもよい。
【0034】
次に、本実施形態における多言語用語データ6について説明する。図4は、多言語用語データ6を一覧にしたものである。
【0035】
図4(a)は、用語IDと各言語を対応付けたものである。これにより、言語ごとにページをあらかじめ作成せずに、ページ生成時に多言語対応できる。
【0036】
図4(b)は、用語とそれに対応した代替テキストである。ここでは、日本語と英語でそれぞれの代替のテキストがあることがわかる。図中に示す、分野、難易度は、図3を用いて説明した用語抑制分野、用語レベルと対応している。なお、ここでは、用語に対してすべての言語に代替テキストを用意しているが、対応していない言語があり、空欄となっていても問題はない。
【0037】
次に、多言語用語データ6の記憶装置への格納方式について説明する。図5は、多言語用語データ6をXML形式で表したものである。ここで、用語データは、XML形式に限られるものではなく、どのような形式であっても構わない。また、保存場所は、装置内部でもよく、装置外のファイルサーバであってもよい。保存方法も、データベースであってもよく、ファイル形式であってもよい。
【0038】
次に、本実施形態により得られる出力ページについて説明する。図6は、用語出力設定5と多言語用語データ6を使って出力されたページのHTMLの例である。図6においては、”IP”という用語と”DMZ”という用語に対応して、それぞれ用語を省略しないで表記した場合の内容が書かれている。図6に示したようにHTMLのタグを使って表記してもよいし、括弧を使って補足することもできる。
【0039】
次に、ユーザが操作するWebブラウザに表示される画面について説明する。図7は、クライアントのブラウザ上に表示される画面を例示する図である。また、図7は、図7の1から4までの4タイプの画面を例示している。以下、それぞれについて説明する。
【0040】
図7の1を参照すると、多言語(ここでは、日本語と英語の例が示されている)に対応したページの出力例が示されている。
【0041】
図7の2を参照すると、図6に示したHTMLタグを使うことによってマウスポインタを用語の上に持ってくるだけで用語の意味が表示されるページの出力例が示されている。
【0042】
図7の3を参照すると、ユーザの用語レベル、分野、言語により、表示を省くことができるページの出力例が示されている。
【0043】
図7の4を参照すると、図6及び図7の2で図示したようなHTMLのタグを使う表示方法ではなく、HTMLのタグを使わない表示方法で出力されたページの例が示されている。このように括弧を使って示す場合も当然ある。
【0044】
次に、本実施形態の全体の動作について説明する。図8は、本実施形態における認証が必要なユーザからのリクエストに応じたページを出力するときのシーケンス図である。ここでは、認証が成功することで、ユーザ情報を取得し、その中に含まれる用語出力に関するユーザ個別情報を利用する。画像形成装置1の用語出力設定(デフォルト設定)は、ユーザ個別の情報により上書きされ、それにより、出力ページが生成される。
【0045】
より詳細に、図8を参照して説明する。
【0046】
Webブラウザ8aから、Webサーバとしても機能する画像形成装置1に送信されたページ出力のリクエストは(ステップS801)、Webアプリケーション2が、まず認証部3に対してリクエストともに送信されてきたユーザ情報を付して認証要求する(ステップS802)。
【0047】
認証部3は、ユーザ情報4を参照してチェックを行い(ステップS803)、成功した場合ログイン処理する(ステップS804)。そして、結果をWebアプリケーション2に返し(この場合は操作許可、ステップS805)、それを受けて、Webアプリケーション2は、用語出力設定5を取得する(ステップS806)。
【0048】
また、Webアプリケーション2は、ユーザ情報4から用語出力ユーザ個別情報も取得し(ステップS807)、当該個別情報に基づき、多言語用語データ6から用語データを取得する(ステップS808)。
【0049】
そして、Webアプリケーション2は、用語出力設定に、ユーザ個別の用語データを上書き等をして、出力ページを生成し(ステップS809)、生成された出力ページをレスポンスとしてWebブラウザ8aに返す(ステップS810)。
【0050】
次に、図8で示したように、認証が必要なユーザからのリクエストに応じたページを出力するときではなく、認証の必要のないページをユーザが閲覧するときの、本実施形態の全体の動作について説明する。図9は、本実施形態におけるログインの必要のないページを閲覧するときのシーケンス図である。ログインしていないユーザは、ページへのリクエストを発生させ、画像形成装置1の用語設定(デフォルト設定)のみを利用し、ページを出力する。
【0051】
より詳細に、図9を参照して説明する。
【0052】
認証不要ページがWebブラウザ8aからリクエストされる(ステップS901)と、Webアプリケーション2は、用語出力設定5及び多言語用語データ6を取得する(ステップS902、ステップS903)。これらに基づいて出力ページを生成し(ステップS904)、当該出力ページをWebブラウザ8aにレスポンスとして返す(ステップS905)。
【0053】
次に、本実施形態のWebアプリケーションの動作について説明する。図10は、Webアプリケーション2の動作を示すフローチャート図である。図10に示した動作の流れの概略を説明する。
【0054】
Webアプリケーション2は、リクエスト処理後(ステップS1001、ステップS1002)、ユーザ認証し(ステップS1003)、ユーザごとの用語出力設定情報を利用する場合はそれを利用し(ステップS1004/必要、ステップS1005)、そうでない場合は、画像形成装置1の設定を利用する(ステップS1004/不要)。その用語出力設定(デフォルト設定)を用いて(ステップS1006−ステップS1009)、用語と対応する代替テキストを取得し(ステップS1010、ステップS1011)、そのデータからHTMLを生成しレスポンスを送信する(ステップS1012、ステップS1013)。なお、ユーザ認証に失敗した場合は、エラーを生成してエラーレスポンスを送信して終了する(ステップS1014、ステップS1015)。
【0055】
次に、本実施形態のWebアプリケーションの動作について、特に、「用語出力設定に基づき代替テキストの追加」の処理を詳細に説明する。図11は、図10で示した「用語出力設定に基づき代替テキストの追加」の処理を詳細化したものである。ここでは、ページに代替するテキストが残っている間(ステップS1101)、代替テキストを表示するかどうかを繰り返す(ステップS1102−ステップS1107)。この処理で、難易度(ステップS1103)、分野(ステップS1104)、言語(ステップS1105)を利用して、1つでも表示する必要がある設定があった場合は(ステップS1106)、代替テキストを追加する(ステップS1107)ようにしている。
【0056】
なお、ここで、この判定基準は、2つ以上表示する必要がある場合に表示するという判定や、1つでも必要としないものがある場合は表示しないとするなど、判定方法は図11に示し、記述したものに限定されるものではない。
【0057】
次に、ユーザが設定できる設定画面について説明する。図12は、ユーザが設定できる設定画面を例示する図である。図12は、図12の1から4までの4タイプの設定画面を例示している。以下、それぞれについて説明する。
【0058】
図12の1は、画像形成装置1全体の設定であり、通常は管理者のみが設定できるようになっている。
【0059】
図12の2は、ユーザごとの設定であり、ユーザ各自での設定や、管理者による設定が可能である。図12の2に例示したものは、ユーザAの設定がされているところである。
【0060】
図12の3は、ユーザFの設定をする設定画面を例示している。この画面例では、用語抑制分野として、”network”と”paper type”が選ばれている。
【0061】
図12の4は、用語の追加削除、修正をするための設定画面を例示している。本画面例によれば、ユーザがカスタマイズして新しい画面を作成したり、画面に設定項目を追加したりする場合にも、ユーザが必要と思う用語を追加することができる。なぜなら、用語を塚するためのインターフェースをユーザに提供しているからである。また、既にある用語に説明を追加したい場合にも、当然設定できる。なぜなら、既登録用語に説明を追加するためのインターフェースをユーザに提供しているからである。
【0062】
次に、上記実施形態の効果について説明する。
【0063】
上記本実施形態は、ある要素に付ける代替テキストの表示/非表示を切り替えたり、テキストの内容を切り替えることで、ユーザにとって必要な記述を追加し、不要な記述を省くよう構成されている。したがって、上記実施形態によれば、すべてのユーザが適度の説明のあるページを閲覧することができるようになる。特に、ユーザがスクリーンリーダを利用しているときには、スクリーンリーダの種類により、読み上げをスキップできない場合があるので、ページ生成時に説明を削除する上記実施形態の構成は、有用である。
【0064】
また、ユーザごとに必要な情報が異なる場合でも、上記実施形態によれば、ユーザにとって必要な記述を追加し、不要な記述を省くことができる。
【0065】
また、略語などの難易度により必要か不必要かが異なる場合でも、上記実施形態によれば、ユーザにとって必要な記述を追加し、不要な記述を省くことができる。
【0066】
また、ユーザの専門知識により必要か不必要かが異なる場合でも、上記実施形態によれば、ユーザにとって必要な記述を追加し、不要な記述を省くことができる。
【0067】
また、ユーザの利用している言語により必要か不必要かが異なる場合でも、上記実施形態によれば、ユーザにとって必要な記述を追加し、不要な記述を省くことができる。
【0068】
また、単独の条件で必要か不必要か判断することが難しい場合でも、上記実施形態によれば、条件を組み合わせることで判定の確度を上げることができる。
【0069】
また、判定の確度が上がっても、上記の代替テキスト等がユーザにとって本当に必要か否かはユーザにしか示すことができない場合でも、上記実施形態によれば、ユーザ自身により調整ができる構成であるため、必要か否か判定を確実なものとすることができる。
【0070】
また、上記実施形態によれば、上記の代替テキスト等をユーザが自ら設定登録する手段を設けているので、装置にまだ登録されていない用語に対応することができ、その結果として、ユーザによるカスタマイズで項目が追加された場合でも、柔軟に対応できる。
【0071】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態は、上記の第1の実施形態において、Webアプリケーション2の機能構成及び動作を、より詳細化するものである。また、Webアプリケーション2の出力として、特に、印刷やFAX送信のためのメニュー画面を出力するものである。本実施形態の構成と動作について、図面を参照して以下に詳述する。
【0072】
まず、本実施形態の構成について説明する。図13は、本実施形態のモジュール構成を示すブロック図である。本実施形態は、画像形成装置1とクライアント8cとが、ネットワーク8bを介して、通信可能に接続されており、画像形成装置1は、大きく分けてWebサーバ7aとWebアプリケーション2の2つの機能を有して構成されている。以下、それぞれのモジュールについて説明するが、第1の実施形態と重複する部分については煩雑になるのを避けるため説明を省略する。
【0073】
Webサーバ7aには、当業者にとって周知の、ネットワーク8bとの基本的なI/O、Webアプリケーション2とのサーバ−アプリケーション間通信機能を画像形成装置1に提供する。
【0074】
Webアプリケーション2は、Webフレームワーク20、HTMLコンテンツ生成部21、メニュー編集画面処理部22、メニューデータUL/DL画面処理部23、メニュー画面処理部24、ログイン権限判定部25、メニューデータI/O26、メニューデータ格納部27を有して構成されている。
【0075】
ログイン権限判定部25は、上記第1の実施形態の認証部3に相当する。
【0076】
メニューデータ格納部27は、上記第1の実施形態の用語出力設定5及び多言語用語データ6を用いて出力された、「多言語メニューと代替テキストを含むメニューのデータ」が格納されている。
【0077】
次に、本実施形態の動作について説明する。図14は、本実施形態の動作を示すシーケンス図である。本実施形態は、上記の「多言語メニューと代替テキストを含むメニューのデータ」を、クライアントのリクエストによりダウンロード、及び、編集リクエストにより編集した当該データのアップロードを実行する動作をする。
【0078】
より詳細に、図14を参照して説明する。
【0079】
図14に示す例では、上記第1の実施形態において、図5で示した多言語用語データ6に相当するXML形式のメニューデータについて、メニューデータのダウンロード及びアップロードを可能とする。
【0080】
まず、本実施形態のダウンロード動作について説明する。
【0081】
ユーザがクライアント8cのWebブラウザからWebサーバ7aに送信したメニューデータのダウンロード要求(ステップS1401)は、Webフレームワーク20を介して(ステップS1402)、メニューUL/DL画面処理部23に処理委譲(又は要求ディスパッチ)される(ステップS1403)。
【0082】
メニューUL/DL処理部23は、メニューデータI/O26を介してメニューデータ格納部27からXML形式のメニューデータを読み取り(ステップS1403、ステップS1404、ステップS1405)、読み取りに成功した場合は、当該メニューデータをクライアント8cに対して送信し処理を終了する(ステップS1406、ステップS1407、ステップS1408)。
【0083】
次に、本実施形態のアップロード動作について説明する。
【0084】
ユーザは、使用形態や管理形態に応じてダウンロードしたXML形式のメニューデータを任意のエディタ等を用いて、クライアント8cにて編集し、再び画像形成装置1に対してアップロード要求を送信する(ステップS1409)。当該要求は再度Webフレームワーク20を介して(ステップS1410)、メニューUL/DL画面処理部23に処理委譲(又は要求ディスパッチ)される(ステップS1411)。
【0085】
メニューUL/DL画面処理部23は、受信したXML形式のメニューデータの妥当性を確認し(ステップS1412)、異常がない場合、メニューデータ格納部27に反映させる(ステップS1413、ステップS1414)。全ての処理に成功した場合は(ステップS1415、ステップS1416)、完了画面等をHTMLコンテンツ生成部21にて作成し(ステップS1417、ステップS1418)クライアントに対して送信し処理を終了する(ステップS1419、ステップS1420)。
【0086】
本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、第1の実施形態において、ユーザが編集可能なメニューデータ等の表示設定を、Webアプリケーションを利用してサーバ側で行っていたところ、データをダウンロード及びローカルでの編集後アップロードする構成を備えているため、ユーザにとって使い慣れた環境及びツールを用いてメニューを編集することができる。また、Webアプリケーション側で設定変更するための手段を設ける必要がないのでWebアプリケーション・プログラムの肥大化を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の好適な実施形態の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の好適な実施形態のハードウェア構成及びネットワーク構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態のユーザ情報の一例を一覧で示す図である。
【図4】本実施形態の多言語用語データの一例を一覧で示す図であり、(a)は用語IDと各言語を対応付けたもの、(b)は用語とそれに対応した代替テキストである。
【図5】本実施形態の多言語用語データの一例をXML形式で示す図である。
【図6】本実施形態の出力されたページのHTMLの一例を示す図である。
【図7】本実施形態のクライアントのブラウザ上に表示される画面を例示する図である。
【図8】本実施形態の全体の動作を示すシーケンス図(その1)である。
【図9】本実施形態の全体の動作を示すシーケンス図(その2)である。
【図10】本実施形態のWebアプリケーションの動作を示すフローチャート図である。
【図11】図10で示した「用語出力設定に基づき代替テキストの追加」の処理を詳細に示したフローチャート図である。
【図12】本実施形態のユーザが設定できる設定画面を例示する図である。
【図13】本発明の第2の実施形態のモジュール構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0088】
1 画像形成装置
1a 演算装置
1b 記憶装置
2 Webアプリケーション
3 認証部
4 ユーザ情報
5 用語出力設定
6 多言語用語データ
7 ネットワークインターフェース
7a Webサーバ
8、9 パーソナルコンピュータ
8a Webブラウザ
8b ネットワーク
8c クライアント(Webブラウザ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webアプリケーションとして機能する演算装置と、ユーザごとに対応した用語出力設定及び用語データを格納する記憶装置と、ネットワークインターフェースと、を備える情報処理装置であって、
前記演算装置は、
前記ネットワークインターフェースが、ネットワーク上のクライアントからリクエストを受けると、リクエストを発したユーザの認証を行う認証手段と、
前記記憶装置から前記認証手段により認証されたユーザに対応した用語出力設定を取得する手段と、
前記記憶装置の前記用語データの中から前記用語出力設定によりユーザにとって必要とされた用語及び代替テキストのみを抽出する用語抽出手段と、
該用語抽出手段が抽出した用語及び代替テキストを用いてハイパーテキストの出力ページを生成して該出力ページをレスポンスとして返す最終出力手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶装置に代えて、外部記憶装置がユーザごとに対応した用語出力設定及び用語データを格納することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記用語出力設定は、ある1人のユーザについて、使用言語が関連づけられているデータ構造であり、
前記用語データは、ある1つの用語について、ユーザに使用される言語ごとの訳語及び代替テキストが関連づけられているデータ構造であり、
前記用語抽出手段は、ユーザの使用言語に応じた訳語及び代替テキストを抽出することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記用語出力設定は、ある1人のユーザについて、役割及び知識レベルの少なくとも一方が関連づけられているデータ構造であり、
前記用語データは、ある1つの用語について、難易度が関連づけられているデータ構造であり、
前記用語抽出手段は、ユーザの役割及び知識レベルの少なくとも一方に応じた難易度の用語の代替テキストを抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記Webアプリケーションは、ユーザごとに対応した前記用語出力設定をユーザが編集するインターフェースを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記Webアプリケーションは、前記用語データをユーザが編集するインターフェースを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記Webアプリケーションは、ユーザごとに対応した前記用語出力設定を前記クライアントへダウンロードする処理と、ユーザが前記クライアント上で編集したのちアップロードする処理と、を実行する手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記Webアプリケーションは、前記用語データを前記クライアントへダウンロードする処理と、ユーザが前記クライアント上で編集したのちアップロードする処理と、を実行する手段を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項9】
ユーザごとに対応した用語出力設定及び用語データを格納する記憶装置と、ネットワークインターフェースと、を備える情報処理装置の演算装置を、
前記ネットワークインターフェースが、ネットワーク上のクライアントからリクエストを受けると、
リクエストを発したユーザの認証を行う認証手段と、
前記記憶装置から前記認証手段により認証されたユーザに対応した用語出力設定を取得する手段と、
前記記憶装置の前記用語データの中から前記用語出力設定によりユーザにとって必要とされた用語及び代替テキストのみを抽出する用語抽出手段と、
該用語抽出手段が抽出した用語及び代替テキストを用いてハイパーテキストの出力ページを生成して該出力ページをレスポンスとして返す最終出力手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−204201(P2008−204201A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40039(P2007−40039)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】