説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】操作入力の内容を示す操作入力データを外部に保持することができる情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、表示手段22と、前記表示手段に対する操作入力を受け付ける操作入力受付手段410と、予め定められた記憶容量を有する記憶手段26と、前記記憶手段が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量を監視する監視手段414と、前記監視手段によって監視された記憶容量が予め定められた値以下である場合には、利用可能な記憶容量が不足していると判定する判定手段416と、前記判定手段によって記憶容量が不足していることが判定された場合には、前記操作入力受付手段によって受け付けられた操作入力の内容を示す操作入力データを外部に送信する送信手段412とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アプリケーションプログラム及びリカバリ援助プログラムを同時に実行し、アプリケーションプログラムの実行中にメモリ不足が起こった場合には、リカバリ援助プログラムにより確保されたメモリをアプリケーションプログラムに割り当てることによりアプリケーションプログラムの実行を継続し、アプリケーションプログラムによって生成された情報を外部記憶装置に記憶することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−231036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、操作入力の内容を示す操作入力データを外部に保持することができる情報処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[情報処理装置]
上記目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、表示手段と、前記表示手段に対する操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、予め定められた記憶容量を有する記憶手段と、前記記憶手段が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量を監視する監視手段と、前記監視手段によって監視された記憶容量が予め定められた値以下である場合には、記憶容量が不足していると判定する判定手段と、前記判定手段によって記憶容量が不足していることが判定された場合には、前記操作入力受付手段によって受け付けられた操作入力の内容を示す操作入力データを外部に送信する送信手段とを有する。
【0006】
好適には、前記送信手段によって利用されない情報を前記記憶手段から削除し、前記記憶手段が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量を調整する調整手段をさらに有する。
【0007】
好適には、外部からのHTML文書を受け付ける外部情報受付手段をさらに有し、前記送信手段は、前記外部情報受付手段によって受け付けられたHTML文書に予め埋め込まれたスクリプトとして実行される。
【0008】
好適には、外部からのHTML文書を受け付ける外部情報受付手段をさらに有し、前記送信手段は、前記外部情報受付手段によって受け付けられたHTML文書に対し、前記記憶手段が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量に応じて埋め込まれたスクリプトとして実行される。
【0009】
好適には、外部からのHTML文書を受け付ける外部情報受付手段をさらに有し、前記送信手段は、前記外部情報受付手段によって受け付けられたHTML文書に対し、メモリの残量に応じて埋め込まれたスクリプトとして実行される。
【0010】
好適には、前記判定手段によって記憶容量が不足していると判定された回数に応じて表示を変更するよう、前記表示手段を制御する表示制御部をさらに有する。
【0011】
[プログラム]
また、本発明に係るプログラムは、表示装置及び予め定められた記憶容量を有する記憶装置を備える情報処理装置内のコンピュータに、前記表示装置に対する操作入力を受け付けるステップと、前記記憶装置が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量を監視するステップと、監視された記憶容量が予め定められた値以下である場合には、記憶容量が不足していると判定するステップと、記憶容量が不足していることが判定された場合には、前記受け付けられた操作入力の内容を示す操作入力データを外部に送信するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、操作入力の内容を示す操作入力データを外部に保持することができる情報処理装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加え、本構成を有さない場合に比べ、送信手段による送信に必要な記憶容量を確保することができる情報処理装置を提供することができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加え、本構成を有さない場合に比べ、送信手段を静的スクリプトとして実行することができる情報処理装置を提供することができる。
【0015】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加え、本構成を有さない場合に比べ、送信手段を動的スクリプトとして実行することができる情報処理装置を提供することができる。
【0016】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加え、本構成を有さない場合に比べ、送信手段を動的スクリプトとして実行することができる情報処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項6に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加え、本構成を有さない場合に比べ、記憶容量が不足していると判定された回数に応じて表示を変更することができる情報処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項7に係る本発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、操作入力の内容を示す操作入力データを外部に保持することができることができるプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】情報処理装置を含む情報処理システムを示す図である。
【図2】情報処理装置のハードウエア構成を示す図である。
【図3】情報処理装置の制御回路を示す図である。
【図4】サーバのハードウエア構成を示す図である。
【図5】情報処理プログラムの構成を示す図である。
【図6】初期表示されるメニュー画面の例である。
【図7】コピー画面の例である。
【図8】情報提供プログラムの構成を示す図である。
【図9A】認証情報の例である。
【図9B】退避情報の例である。
【図9C】第1の対応付けの例である。
【図9D】第2の対応付けの例である。
【図10】選択画面の例である。
【図11A】情報処理装置が正常に動作する場合のシーケンス図である。
【図11B】情報処理装置においてメモリ不足が発生した場合のシーケンス図である。
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
以下において説明する本発明の実施形態では、ネットワークを介して取得した情報を処理する情報処理装置について説明する。
なお、以下の説明は、本発明を実施するのにあたっての一例に過ぎず、本発明が以下に説明される事項に限定されるわけではなく、必要に応じて適宜変更可能である。例えば、以下の説明は、コピー、ファクシミリ及びスキャナ等の複数の機能に関する情報をネットワークから取得して表示する複合機に限定されているが、携帯電話端末など、ネットワークに接続する組込機器全般に適用可能である。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1において、情報処理装置10がネットワーク12を介してクラウド14に接続されている。
【0022】
なお、nは1以上の整数であって、nが常に同じ数を示すとは限らない。
以下の各図において、実質的に同じ構成部分には、同じ符号が付される。
以下、「情報処理装置10−1〜10−n」など、複数存在しうる構成部分のいずれかが、特定されずに示される場合には、単に「情報処理装置10」などと略記されることがある。
【0023】
ここでは、情報処理装置10は、コピー、ファクシミリ及びスキャナ等の複数の機能を有する複合機である。情報処理装置10は、図2を参照して後述するように、情報処理装置10の使用者(以下、単に「使用者」)からの入力を受け付け、入力内容に応じて情報を出力するタッチパネルなどのユーザインターフェース装置や、ネットワーク12に接続するための通信機器などを備えている。
また、クラウド14は、サーバ16などによって実装され、サーバ16などが連携することにより、各種サービスを提供することができる。クラウド14は、例えば、情報提供サービスを実行する情報提供サーバによって実装される。
【0024】
このような構成により、情報処理装置10及びクラウド14は、ネットワーク12を介して、互いに情報を送受信することができ、その結果、情報処理装置10は、クラウド14から、各種サービスの提供を受けることができる。
なお、情報処理装置10のユーザインターフェース装置には、クラウド14が各種サービスを提供していることを使用者に意識させないよう、情報処理装置10内で同じサービスが実行される場合に表示される画面と同様の操作感を持つ画面が表示される。例えば、情報処理装置10のユーザインターフェース装置には、情報処理装置10内で同じサービスが実行される場合に表示される画面と同様の画面構成で表示がなされる。
【0025】
[情報処理装置のハードウエア構成]
図2は、図1の情報処理装置10のハードウエア構成を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、プリントユニット18及びスキャンユニット20を有し、プリントユニット18は、例えば3段の記録媒体供給トレイ180を有し、これら記録媒体供給トレイ180のそれぞれには供給ヘッド182が設けられている。記録媒体供給トレイ180の一つが選択されると、供給ヘッド182が作動して選択された記録媒体供給トレイ180から記録媒体供給路184を介してプリントエンジン186に供給される。
【0026】
プリントエンジン186は、例えば白黒兼用のカラーゼログラフィからなり、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの各感光体188が併設されていると共に、中間転写ベルト190が設けられている。各感光体188の周囲には、帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写装置及びクリーニング装置など(いずれも不図示)が配置され、各感光体188に形成されたトナー像が中間転写ベルト190に転写される。白黒設定された場合は、ブラックのみが作動可能であるようにされる。中間転写ベルト190のトナー像は、二次転写ロール192により、送られてきた記録媒体に転写され、定着装置194により定着され、このトナー像が定着された記録媒体が記録媒体排出路196を通って排出トレイ198に排出される。
【0027】
ただし、両面印刷が設定された場合は、定着装置194により表面が定着された記録媒体は、記録媒体排出路196から反転装置200に送られ、反転装置200で反転された後、記録媒体反転路202に送られ、再び記録媒体供給路184に戻され、プリントエンジン186に送られて裏面の印刷がなされる。
【0028】
スキャンユニット20は、両面原稿の読み取りが可能なDADF等の自動原稿送り装置204を有し、この自動原稿送り装置204により原稿はプラテン206に送られ、このプラテン206上でCCD等からなる読取部208により原稿の画像が読み取られる。自動原稿送り装置204に原稿がセットされたか否かを検出する原稿セット検出器210が設けられている。また、自動原稿送り装置204はプラテンカバーを兼ねており、このプラテンカバーを開けることにより原稿をプラテン206上に置くことができる。このプラテンカバーの開閉は、プラテンカバー開閉検出器212により検出できるようになっている。
ユーザインターフェース装置22(以下「UI装置22」)は、情報処理装置10と一体に(又は、図1のネットワーク12を介して)設けられる。UI装置22は、例えば、使用者からの入力を受け付け、入力内容に応じて情報を出力するタッチパネルである。
なお、図示しないが、情報処理装置10には、公衆回線へ接続されたファクシミリ用のモデムと、図1のネットワーク12に接続するためのネットワーク通信装置とが設けられている。
【0029】
[情報処理装置の制御回路]
図3は、図1等の情報処理装置10の制御回路を示す図である。
図3に示すように、図2のUI装置22とともに、CPU24、システムメモリ26、画像蓄積メモリ28、入出力インターフェース30、スキャンインターフェース32、プリントインターフェース34、ネットワーク通信インターフェース36及びファクシミリ用のモデムインターフェース38がバス接続されている。
CPU24は、システムメモリ26に書き込まれた情報処理プログラム40を実行することにより、各回路を制御する。UI装置22を介して受け付けられた認証情報及び操作入力はCPU24に伝達され、CPU24からの表示情報がUI装置22に伝達するようにしてある。情報処理プログラム40、認証情報及び操作入力の詳細は後述する。
【0030】
画像蓄積メモリ28は、スキャンされた画像を一時的に記憶するためのものである。入出力インターフェース30には、図2の原稿セット検出器210からの原稿セット検出信号と、図2のプラテンカバー開閉検出器212からのプラテンカバー開閉信号が入力される。
スキャンインターフェース32は、図2のスキャンユニット20に接続され、プリントインターフェース34は、図2のプリントユニット18に接続されている。
ネットワーク通信インターフェースは、情報処理装置10に設けられたネットワーク通信装置に接続され、モデムインターフェースは、情報処理装置10に設けられたファクシミリ用モデムに接続されている。
【0031】
一般的に、組込装置が備えるメモリの容量は小さく、システムメモリ26の容量は、図1等のサーバ16などが備えるメモリの容量よりも小さい。さらに、UI装置22に表示される表示情報(詳細は後述)は、サーバ16から送信されるので、受信側である情報処理装置10では、表示情報のデータ量を予想することは難しい。
よって、情報処理装置10において、表示情報に対する操作入力を行った場合、システムメモリ26が不足してしまうことがある。例えば、表示情報に対してさらなる表示情報を要求する操作入力を行った場合、要求した表示情報のデータ量が大きいとき、システムメモリ26が不足してしまうことがある。また、多くの設定項目が含まれる表示情報に対して操作入力を行った場合、システムメモリ26が不足してしまうことがある。
【0032】
[サーバのハードウエア構成]
図4は、図1のサーバ16のハードウエア構成を示す図である。
図4に示すように、サーバ16は、CPU160及びメモリ18などを含む本体162、入力装置164、出力装置166、通信インターフェース(通信IF)168、記憶装置170及び記憶媒体172から構成される。
つまり、サーバ16は、情報処理及び他の装置との通信が可能なコンピュータとしての構成部分を有している。
メモリ18、記憶装置170又は記憶媒体172は、情報提供プログラム60、使用者を認証するための認証情報、情報処理装置10からの退避情報、使用者IDと使用者の属性との対応付け、及び、使用者の属性と図2等のUI装置22に表示されるべき表示情報との対応付けなどを記憶する。情報提供プログラム60及び各情報の詳細は後述する。
CPU160は、メモリ18等に記憶された情報提供プログラム60に基づく処理を実行して、サーバ16の動作を制御する。
入力装置164は、キーボード、マウス及びジョイスティックなどであり、出力装置166は、ディスプレイなどの表示装置である。
記憶装置170は、内蔵HDDなどであり、記憶媒体172は、CD、FD及び外付けHDDなどである。
【0033】
[情報処理装置で動作するソフトウエアの構成]
図5は、図1等の情報処理装置10で動作する情報処理プログラム40の構成を示す図である。
図5に示すように、情報処理プログラム40は、認証情報受付部400、認証情報送信部402、表示情報受付部404、表示情報解析部406、表示制御部408、操作入力受付部410、操作入力送信部412、メモリ監視部414、メモリ不足判定部416、メモリ調整部418、スクリプト読出部420及びスクリプト実行部422から構成される。
このような構成により、情報処理プログラム40は、認証情報を図1のクラウド14に送信し、認証情報に応じた表示情報をクラウド14から受信することができるとともに、受信した表示情報に対する操作入力をクラウド14に送信し、操作入力に応じた表示情報をクラウド14から受信することができる。
認証情報は、例えば、使用者ID及びパスワードの組合せである。また、表示情報は、情報処理装置10が備える機能のうち、認証された使用者が利用可能な機能に関する情報であり、例えば、機能の名前や機能について設定可能な項目がHTML(Hyper Text Markup Language)で記述されたものである。
【0034】
認証情報受付部400は、図2等のUI装置22を介して使用者から入力された認証情報を受け付ける。
認証情報送信部402は、認証情報受付部400によって受け付けられた認証情報を、図1のネットワーク12を介して、クラウド14に送信する。クラウド14に送信された認証情報は、図1等のサーバ16における認証可否の判定に用いられる。
認証が許可された場合には、認証情報は、サーバ16がどのような情報を提供するかの決定に用いられる。サーバ16によって提供されることが決定された情報は、ネットワーク12を介して、認証情報の送信元である情報処理装置10に送信される。
【0035】
表示情報受付部404は、ネットワーク12を介して、クラウド14から送信される表示情報を受け付ける。
表示情報解析部406は、表示情報受付部404によって受け付けられた表示情報の構造を解析する。表示情報解析部406は、例えば、DOM(Document Object Model)パーサであり、HTML文書に含まれるタグの構造をドキュメントツリーとして解釈する。つまり、HTML文書をノードという単位で区切り、タグの構造に沿ってノードを階層化したドキュメントツリーを作成する。このようにドキュメントツリーを作成することにより、ノードをオブジェクトとして捉えることができる。
表示情報解析部406によって作成されたドキュメントツリーは、ドキュメントツリーの元となるHTML文書の場所を示すURL(Uniform Resource Locator)と対応付けられて、図3のシステムメモリ26に記憶される。
【0036】
HTML文書にスクリプトが埋め込まれている(又は、HTML文書からスクリプトが呼び出されるようになっている)場合には、スクリプトは、ドキュメントツリー及びURLに対応付けられてシステムメモリ26に記憶される。
ここでは、システムメモリ26の不足(以下、単に「メモリ不足」)というエラーをハンドルするため、ドキュメントツリーのノードのうち、使用者による操作入力に関するノードを取り出すことにより、操作入力データを取得するとともに、この操作入力データをクラウド14に送信する、という動作を記述したスクリプトが埋め込まれている(又は、呼び出されるようになっている)ものとする。具体的には、使用者からの操作入力に関するノードをオブジェクトとして捉え、プロパティ及びメソッドを用いることにより、操作入力データを取得する。
【0037】
スクリプトは、使用者の認証が許可された場合に、サーバ16から最初に送信されるHTML文書に予め埋め込まれることが望ましい。これは、サーバ16から送信されるHTML文書のいずれにおいても、操作入力にともなうメモリ不足が起こり得るからである。
しかし、HTML文書の内容が予め分かっている場合には、HTML文書の内容に応じて、スクリプトを動的に埋め込んでもよい。例えば、予め定められた数以上の設定項目を含むHTML文書に、スクリプトが埋め込まれるようにしてもよい。
また、システムメモリ26の状態に応じて、スクリプトを動的に埋め込んでもよい。例えば、システムメモリ26の容量が予め定められた値より小さい場合に、スクリプトが埋め込まれるようにしてもよい。
【0038】
クラウド14から送信されるすべての表示情報を受け付けた後、一括して構造解析するのではなく、クラウド14から送信される表示情報のうち、一部を受け付けて構造解析するとともに、該一部とは異なる一部を受け付けてもかまわない。つまり、表示情報を受け付ける処理と表示情報の構造を解析する処理とが、同時に実行されてもかまわない。
表示制御部408は、表示情報解析部406によって構造が解析された表示情報を表示するよう、UI装置22を制御する。
【0039】
操作入力受付部410は、表示制御部408がUI装置22を制御することにより表示された表示情報に対する使用者の操作入力を受け付け、操作入力送信部412に出力する。
操作入力は、例えば、使用者が認証された後に表示されるメニュー画面において、コピーボタンが押下されることや、コピーボタンが押下された後に表示されるコピー画面において、コピー機能の詳細を設定するためのボタンが押下されることである。この場合、操作入力データは、操作入力によって選択された機能(コピー機能)や、操作入力によって設定された内容(コピー倍率は100%、コピー用紙は自動選択、及び、カラーモードは白黒など)である。
操作入力送信部412は、操作入力受付部410から入力された操作入力を、ネットワーク12を介してクラウド14に送信する。
【0040】
メモリ監視部414は、システムメモリ26の残量を監視する。
メモリ不足判定部416は、メモリ監視部414によって監視されたシステムメモリ26の残量が予め定められた値以下である場合には、メモリ不足が発生していると判定する。
【0041】
メモリ調整部418は、メモリ不足判定部416によってメモリ不足が発生していることが判定された場合には、スクリプトが実行される際に参照されないデータ(例えば、操作入力データとは関係のないデータ)を削除し、システムメモリ26の残量を調整することにより、スクリプトの実行に必要なシステムメモリ26を確保する。メモリ調整部418は、例えば、ドキュメントツリーのノードのうち、画像データに関するノードを削除することにより、システムメモリ26から画像データを削除する。具体的には、画像データに関するノードをオブジェクトとして捉え、プロパティ及びメソッドを用いることにより、画像データを削除する。
【0042】
スクリプト読出部420は、メモリ調整部418がスクリプトの実行に必要なシステムメモリ26を確保した場合には、システムメモリ26からスクリプトを読み出す。
スクリプト実行部422は、スクリプト読出部420によって読み出されたスクリプトを実行する。ここでは、スクリプトが実行されることにより、ドキュメントツリーのノードのうち、使用者からの操作入力に関するノードが取り出されることによって操作入力データが取得されるとともに、この操作入力データがクラウド14に送信される。
【0043】
なお、メモリ不足判定部416がメモリ不足が発生していると判定した場合、情報処理プログラム40は再起動される。認証情報受付部400によって受け付けられた認証情報については、再起動にともないクリアされるので、使用者は改めて認証情報を入力することが要求される。
しかし、操作入力受付部410によって受け付けられた操作入力については、スクリプトの実行にともない、操作入力データが情報処理装置10からは退避される(つまり、クリアされない)ので、使用者は改めて操作入力を行う必要はない。
操作入力データは、メモリ不足が発生した際の状況を示す情報(例えば、メモリ不足が発生した際に情報処理装置10を使用している使用者のIDや、メモリ不足が発生した際にUI装置22に表示されている表示情報。以下「状況情報」)とともに、クラウド14に送信されるものとする。以下、スクリプトの実行によって、クラウド14に送信される操作入力データ及び状況情報を「退避情報」という。
【0044】
なお、スクリプトの実行にともない、スクリプトが実行されたこと(つまり、メモリ不足が発生したこと)を、スクリプトに対応付けてシステムメモリ26に記憶してもよい。上述したように、スクリプトは、ドキュメントツリー及びURLに対応付けられてシステムメモリ26に記憶されるので、この場合、メモリ不足発生回数、ドキュメントツリー、URL及びスクリプトが対応付けられてシステムメモリ26に記憶される。
【0045】
情報処理プログラム40は、再起動後、システムメモリ26に記憶されたメモリ不足発生回数に応じて、表示情報受付部404における動作を変更してもかまわない。例えば、アクセスしようとするURLに対応するメモリ不足発生回数が、表示情報受付部404は、クラウド14からの表示情報のうち、画像データを受け付けないよう、変更されてもかまわない。
また、情報処理プログラム40は、再起動後、システムメモリ26に記憶されたメモリ不足発生回数に応じて、表示制御部408における動作を変更してもかまわない。例えば、アクセスしようとするURLに対応するメモリ不足発生回数が、予め定められた値を超える場合には、表示制御部408は、表示情報解析部406によって解析された表示情報のうち、画像データを表示しないよう、変更されてもかまわない。
【0046】
図6は、使用者の認証が許可された後、図2等のUI装置22に初期表示されるメニュー画面の例である。つまり、図5の認証情報受付部400によって受け付けられた認証情報に基づいて使用者の認証が許可された場合に、図5の表示制御部408は、図6に示すメニュー画面を表示するよう、UI装置22を制御する。
図6に示すように、メニュー画面は、画面名を表示する画面名表示部220と、図1等の情報処理装置10が備える機能のうち、認証された使用者が利用可能な機能を示すボタンを表示するボタン表示部222とから構成される。
ボタン表示部222に表示されるボタンが押下された場合、メニュー画面は、押下されたボタンに対応する機能の設定画面に遷移する。例えば、ボタン表示部222に表示されるボタンのうち、コピーボタン224が押下された場合には、図7に示すコピー画面が表示される。つまり、図5の操作入力受付部410によって、コピーボタンを押下するという操作入力が受け付けられ、クラウドから対応する表示情報が送信された場合、表示制御部408は、図7に示すコピー画面を表示するよう、UI装置22を制御する。
【0047】
図7に示すように、コピー画面は、画面名表示部220と、コピー機能に関する設定項目を表示する設定項目表示部226とから構成される。さらに、設定項目表示部226は、コピー倍率を設定する倍率設定部228、用紙の種別を設定する用紙設定部230及びカラーモードを設定するカラーモード設定部232などから構成され、コピー機能を詳細に設定することができる。
ここでは、コピー倍率は100%が選択され、コピー用紙は自動選択が設定され、カラーモードは白黒が選択されている。つまり、図5の操作入力受付部410によって、コピー機能の詳細を設定するためのボタンを押下するという操作入力が受け付けられている。
【0048】
[サーバで動作するソフトウエアの構成]
図8は、図1等のサーバ16で動作する情報提供プログラム60の構成を示す図である。
図8に示すように、情報提供プログラム60は、認証情報受信部600、認証判定部602、操作入力受信部604、退避情報受信部606及び表示情報送信部608から構成される。
なお、上述したように、図4のメモリ18等には、認証情報、退避情報、使用者IDと使用者の属性との対応付け(ここでは「第1の対応付け」と記載)、及び、使用者の属性と表示情報との対応付け(ここでは「第2の対応付け」と記載)が記憶されるものとする。
【0049】
認証情報受信部600は、図1のネットワーク12を介して、情報処理装置10から送信された認証情報を受信する。
認証判定部602は、メモリ18等に記憶された認証情報を参照して、認証情報受信部600によって受信された認証情報に基づいて、使用者の認証可否を判定する。認証判定部602は、認証を許可する使用者のIDを表示情報送信部608に出力する。
【0050】
操作入力受信部604は、ネットワーク12を介して、情報処理装置10から送信された操作入力を受信し、表示情報送信部608に出力する。
退避情報受信部606は、ネットワーク12を介して、情報処理装置10から送信された退避情報を受信し、メモリ18等に記憶する。
【0051】
表示情報送信部608は、認証判定部602から使用者IDが入力された場合には、メモリ18等に記憶された第1の対応付け及び第2の対応付けを参照して、使用者の属性に対応する表示情報のうち初期表示されるべき表示情報を、ネットワーク12を介して、情報処理装置10に送信する。
なお、認証判定部602からの使用者IDが、メモリ18等に記憶された退避情報に含まれる使用者IDのいずれかと一致する場合には、該退避情報に含まれる操作入力データを反映させた表示情報か、第1の対応付け及び第2の対応付けに基づく表示情報のうち初期表示されるべき表示情報のいずれを表示させるかの選択を使用者に促す選択画面が、UI装置22に表示されるようにする。つまり、メモリ不足にともなう再起動後、使用者が改めて認証情報を入力した場合、選択画面において、メモリ不足が発生する直前の画面か、使用者の属性に応じて初期表示される画面のいずれを表示させるかの選択が促されるようにする。
また、表示情報送信部608は、操作入力受信部604から操作入力が入力された場合には、メモリ18等に記憶された第1の対応付け及び第2の対応付けを参照して、使用者の属性及び入力された操作入力に対応する表示情報を、ネットワーク12を介して、情報処理装置10に送信する。
【0052】
図9は、図4のメモリ18等に記載される情報の例である。
図9Aは、認証情報の例である。図9Aに示すように、認証情報は、使用者ID180及びパスワード182からなる。認証情報は、メモリ18等に予め記憶される。
図9Bは、退避情報の例である。図9Bに示すように、退避情報は、状況情報184及び操作入力データ186からなり、状況情報184は、使用者ID180及び表示情報188からなる。退避情報は、図1等の情報処理装置10においてメモリ不足が発生した場合に、メモリ18等に記憶される。
【0053】
図9Cは、図8における「第1の対応付け」の例である。図9Cに示すように、第1の対応付けは、使用者ID180と使用者の属性190との対応付けである。第1の対応付けは、メモリ18等に予め記憶される。
図9Dは、図8における「第2の対応付け」の例である。図9Dに示すように、第2の対応付けは、使用者の属性190と表示情報188との対応付けであり、表示情報188は操作入力192ごとに設けられる。第2の対応付けは、メモリ18等に予め記憶される。
【0054】
図10は、図2等のUI装置22に表示される選択画面の例である。
図10に示すように、選択画面は、画面名を表示する画面名表示部220と、ボタンを表示するボタン表示部222とから構成される。ボタン表示部には、メモリ不足が発生した際の画面を表示する'前回の続き'ボタン234と、使用者の属性に応じて初期表示される画面を表示する'新規'ボタン236とが表示される。
【0055】
図11は、図1の情報処理システム1の全体動作を示すシーケンス図である。
図11Aは、図1等の情報処理装置10が正常に動作する場合のシーケンス図であり、図11Bは、情報処理装置10においてメモリ不足が発生した場合のシーケンス図である。
【0056】
図11Aに示すように、ステップ100(S100)において、図5の認証情報送信部402は、使用者から入力された認証情報を図1等のサーバ16に送信する。
ステップ102(S102)において、図8の認証判定部602は、ステップ100において送信された認証情報に基づいて、使用者の認証可否を判定する。
【0057】
ステップ104(S104)において、図8の表示情報送信部608は、使用者の属性に対応する表示情報のうち初期表示されるべき表示情報を、情報処理装置10に送信する。ここでは、図6のメニュー画面を示す表示情報が送信されるものとする。
ステップ106(S106)において、図5の表示情報解析部406は、ステップ104において送信された表示情報の構造を解析する。
【0058】
ステップ108(S108)において、図5の表示制御部408は、ステップ106において解析された表示情報を表示するよう、図2等のUI装置22を制御する。
ステップ110(S110)において、図5の操作入力送信部412は、ステップ108において表示された表示情報に対する使用者の操作入力を、サーバ16に送信する。ここでは、メニュー画面に対する操作入力のうち、コピー機能を選択する操作入力が送信されるものとする。
【0059】
ステップ112(S112)において、図8の表示情報送信部608は、ステップ102において認証が許可された使用者の属性及びステップ110において送信された操作入力に対応する表示情報を、情報処理装置10に送信する。ここでは、図7のコピー画面を示す表示情報が送信される。
ステップ114〜118(S114〜118)において、ステップ106〜110と同様の処理が行われる。つまり、コピー画面を示す表示情報が解析されて表示された後、コピー画面に対する操作入力が受け付けられる。
しかし、設定項目の多い画面に対して操作入力が行われる場合には、操作入力の途中又は操作入力後にメモリ不足が発生することがある。そこで、図11Bにおいては、コピー画面に対する操作入力中にメモリ不足が発生するものとして説明する。
【0060】
図11Bに示すように、ステップ116(S116)において、図5の表示制御部408は、コピー画面を表示する。
ステップ120(S120)において、ステップ116において表示されたコピー画面に対し、操作入力が受け付けられている途中に、図5のメモリ不足判定部416は、メモリ不足が発生していると判定する。
【0061】
ステップ122(S122)において、図5のメモリ調整部418は、不要なデータを削除することにより、スクリプトの実行に必要なシステムメモリ26(図3)を確保する。
ステップ124(S124)において、図5のスクリプト読出部420は、システムメモリ26からスクリプトを読み出す。
【0062】
ステップ126(S126)において、図5のスクリプト実行部422は、ステップ124において読み出されたスクリプトを実行することにより、ステップ116において受け付けられた操作入力に関する退避情報を、図1等のサーバ16に送信する。
操作入力の内容を示す操作入力データ(ここでは、コピー画面に対して設定された内容)と、操作入力にともなうメモリ不足が発生した際に、情報処理装置10を使用していた使用者のID(例えば、ステップ102において認証が許可された使用者のID)及び表示されていた表示情報(ここでは、コピー画面を示す表示情報)からなる状況情報とが、退避情報として送信される。
ステップ128(S128)において、図8の退避情報受信部606は、ステップ126において送信された退避情報を、図4のメモリ18等に記憶する。
【0063】
図5の情報処理プログラム40が再起動した後、ステップ130(S130)において、図5の認証情報送信部402は、ステップ102において認証が許可された使用者と同じ使用者から入力された認証情報を、図1等のサーバ16に送信する。
ステップ132(S132)において、図8の表示情報送信部608は、図10の選択画面を示す表示情報を、情報処理装置10に送信する。ここでは、選択画面は、メモリ不足が発生した際に表示されていたコピー画面か、使用者の属性に応じて初期表示されるメニュー画面のいずれを表示させるかを選択させる。
【0064】
ステップ134(S134)において、図5の操作入力送信部412は、ステップ132において表示された表示情報に対する使用者の操作入力を、サーバ16に送信する。ここでは、選択画面に対する操作入力が送信される。
ステップ136(S136)において、表示情報送信部608は、ステップ134において送信された操作入力に対応する表示情報を、情報処理装置10に送信する。ここでは、メモリ不足が発生する直前に表示されていたコピー画面を示す表示情報か、使用者の属性に応じて初期表示されるメニュー画面を示す表示情報のいずれかが送信される。
【0065】
このように、表示情報に対する操作入力にともない、システムメモリ26が不足してしまった場合であっても、操作入力の内容を示す操作入力データを含む退避情報がサーバ16に保持されるので、使用者が同じ操作入力を行う手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0066】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
12 ネットワーク
14 クラウド
16 サーバ
40 情報処理プログラム
400 認証情報受付部
402 認証情報送信部
404 表示情報受付部
406 表示情報解析部
408 表示制御部
410 操作入力受付部
412 操作入力送信部
414 メモリ監視部
416 メモリ不足判定部
418 メモリ調整部
420 スクリプト読出部
422 スクリプト実行部
60 情報提供プログラム
600 認証情報受信部
602 認証判定部
604 操作入力受信部
606 退避情報受信部
608 表示情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段に対する操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、
予め定められた記憶容量を有する記憶手段と、
前記記憶手段が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量を監視する監視手段と、
前記監視手段によって監視された記憶容量が予め定められた値以下である場合には、利用可能な記憶容量が不足していると判定する判定手段と、
前記判定手段によって記憶容量が不足していることが判定された場合には、前記操作入力受付手段によって受け付けられた操作入力の内容を示す操作入力データを外部に送信する送信手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記送信手段によって利用されない情報を前記記憶手段から削除し、前記記憶手段が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量を調整する調整手段
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
外部からのHTML文書を受け付ける外部情報受付手段
をさらに有し、
前記送信手段は、前記外部情報受付手段によって受け付けられたHTML文書に予め埋め込まれたスクリプトとして実行される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
外部からのHTML文書を受け付ける外部情報受付手段
をさらに有し、
前記送信手段は、前記外部情報受付手段によって受け付けられたHTML文書に対し、該HTML文書の内容に応じて埋め込まれたスクリプトとして実行される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
外部からのHTML文書を受け付ける外部情報受付手段
をさらに有し、
前記送信手段は、前記外部情報受付手段によって受け付けられたHTML文書に対し、前記記憶手段が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量に応じて埋め込まれたスクリプトとして実行される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定手段によって記憶容量が不足していると判定された回数に応じて表示を変更するよう、前記表示手段を制御する表示制御部
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
表示装置及び予め定められた記憶容量を有する記憶装置を備える情報処理装置内のコンピュータに、
前記表示装置に対する操作入力を受け付けるステップと、
前記記憶装置が有する記憶容量のうち利用可能な記憶容量を監視するステップと、
監視された記憶容量が予め定められた値以下である場合には、記憶容量が不足していると判定するステップと、
記憶容量が不足していることが判定された場合には、前記受け付けられた操作入力の内容を示す操作入力データを外部に送信するステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公開番号】特開2012−125939(P2012−125939A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276887(P2010−276887)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】