説明

情報処理装置及びライセンス配信システム

【課題】コンテンツの再生又は複製をドメイン内に制限でき、外部装置がドメインに参加した事実に基づく利得をライセンスの再発行時に継承させることができる情報処理装置及び該情報処理装置を備えるライセンス配信システムを提供する。
【解決手段】再生装置1は、ドメイン内でのコンテンツの再生を許諾するためのライセンスの再発行要求及び参加情報を送信する(S201)。サーバ2は、ライセンスの再発行要求及び参加情報の受信し(S202)、送信された参加情報の正当性を確認する(S203)。サーバ2は、参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典情報を決定して外部装置へ送信すると共に(S206)、ライセンスの再発行を行う(S210)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの再生を許諾するためのライセンス情報をドメインに参加する再生装置に送信する情報処理装置及びライセンス配信システムであって、再生装置のドメインへの参加に応じたライセンスに関する特典を付与することができる情報処理装置及びライセンス配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音楽、映像又は画像などのコンテンツは、劣化を抑えて保存又は複製できるという利便性の高いデジタルコンテンツとして流通しており、デジタルコンテンツは、インタ−ネット又はデジタル放送などの通信を介して利用され、多くの再生装置へ配信され、視聴されている。
【0003】
また、このようなデジタルコンテンツの流通を高め、デジタルコンテンツの利用度を高めるため、例えば、シリーズ物のコンテンツを連続視聴するか、又は、コンテンツを所定の時間帯に視聴するなど、デジタルコンテンツの利用状況に応じて特典を付与するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、デジタルコンテンツは、安易な複製による著作権侵害の問題を有しているため、視聴又は複製する際にライセンスの許諾を求める著作権保護技術(Digital Rights Management)が必須となっている。
【0005】
特許権の侵害を防止するため、例えば、ホームネットワーク内で管理されている複数のパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)又は機器などを一つのグループとし、グループ毎に共有ライセンスを付与することにより、デジタルコンテンツを自由に視聴又は複製することができるようにしたシステムが提案されている(例えば、特許文献2)。このようなグループは、ドメインとも呼ばれ、ドメイン内に属する機器は、ドメイン鍵を共有し、ドメイン内でのコンテンツ流通を実現している。その結果、デジタルコンテンツの無制限な拡散を防止することができ、デジタルコンテンツの複製による著作権侵害を最小限度に抑えることができた。
更に、付与すべきライセンスに一定の有効期限を設けることにより、複製又は改ざんされたライセンスによるコンテンツの不正利用を最小限度に抑えることができた。
【特許文献1】特開2004−145867号公報
【特許文献2】特開2004−110816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、コンテンツの著作権保護に対しての配慮に欠けるという問題を有している。
また、特許文献2に記載された発明は、例えば、大学ドメインでの視聴が可能なデジタルコンテンツを自宅ドメインで視聴することができず、デジタルコンテンツの利便性を著しく低下させているという問題を有している。
また、特許文献2に記載された発明は、過去にドメインに参加した事実に基づく利得をライセンスの再取得時に継承することができないため、ライセンスの有効期限の経過した後、ユーザにライセンスを再取得させるようとするインセンティブを与えることができないという問題を有している。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ドメイン内でのコンテンツの再生を許諾するためのライセンスの要求及び参加情報の受信に応じて、参加情報の正当性を確認し、参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典情報を決定し、決定した所定の特典情報及びライセンス情報を外部装置へ送信することにより、ライセンスの発行の有無によりコンテンツの再生又は複製をドメイン内に制限でき、外部装置がドメインに参加した事実に基づく利得をライセンスの再発行時に継承させることができる情報処理装置及び該情報処理装置を備えるライセンス配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するために本発明に係る情報処理装置は、同一のライセンスで許諾できる複数の外部装置を一つのグループとして管理するためのドメインに外部装置が参加し、該ドメイン内でのコンテンツの再生を許諾するためのライセンス情報を外部装置へ出力する情報処理装置において、前記ライセンス情報を生成するための鍵情報を、ドメイン毎に分類し、少なくとも各ドメインを識別するためのドメイン識別情報、各ドメイン内で同一のライセンスにより許諾できる有効期限及び同一のライセンスの許諾対象となるコンテンツの識別情報に対応付けて格納してあるデータベースと、外部装置がドメインに参加する都度前記ドメイン識別情報及び有効期限を含む参加情報を外部装置へ送信する手段と、外部装置からライセンスの要求を受信すると共に、前記参加情報を受信する受信手段と、受信した参加情報の正当性を確認する確認手段と、受信した参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典を決定する特典決定手段と、受信した参加情報に含まれたドメイン識別情報に対応する鍵情報に基づいて生成されたライセンス情報及び決定した所定の特典情報を外部装置へ出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記データベースは、複数のドメインを一つのグループとして定義するドメイン関連情報を更に含み、前記確認手段は、前記受信手段が一のドメインに参加している外部装置から、一のドメインの参加情報及び一のドメインとは異なる他のドメインの参加情報を受信したとき、前記ドメイン関連情報に基づいて一のドメインと他のドメインとを同一グループとして定義できるか否かを判断する手段と、一のドメインと他のドメインとを同一グループとして定義できると判断した場合、受信した全ての参加情報の正当性を夫々確かめる手段とを備え、前記特典決定手段は、全ての参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典を決定し、前記生成手段は、受信した全てのドメインに共通する鍵情報に基づいてライセンス情報を生成するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記特典決定手段は、全ての参加情報の正当性を確認した場合、確認された参加情報に基づいて外部装置の各ドメインへの参加履歴を導出する手段と、導出した履歴に応じて所定の特典を決定する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記データベースは、複数のドメインを一つのグループとして定義するドメイン関連情報と、コンテンツと該コンテンツの配布を許可されたドメインを定義するコンテンツ関連情報を更に含み、前記確認手段は、前記受信手段が複数のコンテンツを再生できる外部装置からドメイン識別情報を含む参加情報を受信したとき、前記コンテンツ関連情報に基づいて一のコンテンツと他のコンテンツとを一つのグループとして定義できるか否かを判断する手段と、一のコンテンツと他のコンテンツとを同一グループとして定義できると判断した場合、受信した全ての参加情報の正当性を夫々確かめる手段とを備え、前記特典決定手段は、全ての参加情報の正当性が確認された場合、ライセンスに関する所定の特典を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記参加情報は、発行者の署名を含み、前記確認手段は、受信した参加情報に含まれる発行者の署名を検証することにより該参加情報の正当性を確認するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記データベースは、前記鍵情報を同一のライセンスにより許諾できる地域の情報に更に対応付けて記憶してあり、前記受信手段は、自らの位置を検出する外部装置により送信された位置情報を更に受信し、前記確認手段は、受信した位置情報が示す外部装置の位置が前記地域内にあるか否かを判断する手段と、外部装置の位置が前記地域内にあると判断した場合、受信した参加情報の正当性を確認するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置は、ドメイン毎に発行された参加情報の発行数を取得する手段を更に備え、前記特典決定手段は、取得した参加情報の発行数に応じて所定の特典を決定する手段を備えることを特徴とする。
【0015】
更にまた、本発明に係るライセンス配信システムは、コンテンツを再生する複数の端末装置と、各端末装置と接続可能なライセンス配信装置とを備え、該ライセンス配信装置は、同一のライセンスで許諾できる複数の端末装置を一つのグループとして管理し、該ドメイン内でのコンテンツの再生を許諾するためのライセンス情報を再生装置へ出力するライセンス配信システムにおいて、前記ライセンス情報を生成するための鍵情報を、ドメイン毎に分類し、少なくとも各ドメインを識別するためのドメイン識別情報、各ドメイン内で同一のライセンスにより許諾できる有効期限及び同一のライセンスの許諾対象となるコンテンツの識別情報に対応付けて格納してあるデータベースと、前記ライセンス配信装置は、前記再生装置がドメインに参加する都度前記ドメイン識別情報及び有効期限を含む参加情報を前記再生装置へ送信する手段を備え、前記再生装置は、前記ライセンス配信装置により送信された参加情報を受信する通信手段と、ライセンスの要求と共に、受信した参加情報を送信する手段とを備え、前記ライセンス配信装置は更に、再生装置により送信された参加情報を受信する受信手段と、受信した参加情報の正当性を確認する確認手段と、
受信した参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典を決定する特典決定手段と、受信した参加情報に含まれたドメイン識別情報に対応する鍵情報に基づいて生成されたライセンス情報及び決定した所定の特典情報を前記再生装置へ出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、ドメイン内でのコンテンツの再生を許諾するためのライセンスを要求した外部装置へライセンス情報を送信することにより、コンテンツの再生又は複製をドメイン内に限定する。また、外部装置により送信された参加情報の正当性を確認することにより、外部装置がドメインに参加した事実の正当性を確認する。更にまた、参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典情報を決定して外部装置へ送信することにより、外部装置がドメインに参加した事実に基づく利得をライセンスの再発行時に継承させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に依れば、コンテンツの再生又は複製をドメイン内に限定することにより、コンテンツの無制限な拡散を防止することができ、コンテンツの著作権保護に配慮することができる。また、外部装置がドメインに参加した事実に基づく利得をライセンスの再発行時に継承することができ、ライセンスの再取得のインセンティブをユーザに与えてコンテンツの流通を高めることができる。また、ライセンスの再取得のインセンティブを高めることにより、例えば、有効期限の切れたコンテンツの再度再生すること、又は異なるドメインへ移動してコンテンツを再生することをユーザに行わせるようにでき、コンテンツの利用度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施例1.
以下、実施例1に係る情報処理装置及びライセンス配信システムについて実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は実施例1に係るライセンス配信システムの全体構成を示す模式図である。
【0019】
図1で示すとおり、実施例1に係るライセンス配信システムは、再生装置1、1、…と、各再生装置1と通信網を介して接続可能なサーバ2と、該サーバ2に接続してあるコンテンツ情報データベースDB1、ドメイン属性情報データベースDB2、課金情報データベースDB3、ライセンスデータベースDB4及びコンテンツデータベースDB5で構成されている。また、実施例1に係るライセンス配信システムは、外部にある電子認証システム又は決済システムなどと通信網を介して接続できる。
【0020】
各再生装置1は、ドメイン毎にグループ管理されている。ドメインは、同一のライセンスで許諾される複数の再生装置1、1、…を一つのグループとして管理するための概念であり、例えば、大学構内に設置されたルータにより管理されている再生装置1のグループを大学ドメイン1000とし、自宅内に設置されたルータにより管理されている再生装置1のグループを自宅ドメイン2000とし、講演会場に設置されたルータにより管理されている再生装置1のグループを講演会ドメイン3000及び講演会ドメイン4000として分けることができる。サーバ2は、各ルータを識別することにより、各ドメインを識別して管理することができる。
尚、各ドメイン内に再生装置1を管理する機器が存在する必要はなく、一つのサーバがすべての再生装置1とドメインを管理してもよい。
【0021】
ユーザAが特定の時間に特定のドメインに参加した一例を説明する。ユーザAの再生装置1が大学ドメイン1000に参加し、講義用のコンテンツを取得する場合、以下の手順が行われる。
【0022】
サーバ2は、ユーザAの再生装置1から送信された大学ドメイン1000への参加要求を受信した場合、大学ドメイン1000のドメインID、ドメイン鍵及びライセンスの有効期限を含む参加情報をユーザAの再生装置1へ送信する。
【0023】
ユーザAの再生装置1は、参加情報を受信し、コンテンツ取得要求をサーバ2へ送信する。
【0024】
サーバ2は、コンテンツ取得要求を受信する。サーバ2は、コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化し、暗号化したコンテンツをユーザAの再生装置1へ送信する。また、サーバ2は、大学ドメイン1000に対応するドメイン鍵で暗号化された、コンテンツ鍵を含むライセンスをユーザAの再生装置1へ送信する。
【0025】
ユーザAの再生装置1は、暗号化されたコンテンツ及びライセンスを受信する。ユーザAの再生装置1は、ドメイン鍵で復号することによりライセンスを取得し、ユーザAにより入力されたコンテンツの再生指示に応じて、暗号化されたコンテンツをライセンスを用いて復号し、復号したコンテンツを再生する。即ち、ユーザAの再生装置1は、ライセンスに応じてコンテンツを自由に再生できるか、回数制限されるか、又は有効期限が制限される。
【0026】
参加情報は、外部の電子認証システムによるPKI(Public Key Infrastructure)を用いてその正当性が確認される。
【0027】
ユーザAの再生装置1は、例えば、大学ドメイン1000にて取得したライセンスの有効期限が終了した後、自宅でコンテンツを再生する場合、大学ドメイン1000にて取得したライセンスを再度取得する必要がある。ユーザAの再生装置1は、ユーザAにより入力されたライセンスの再発行要求を受け付け、受け付けた再発行要求と共に、大学ドメイン1000にて取得した参加情報をサーバ2へ送信する。
【0028】
サーバ2は、再発行要求及び参加情報を受信し、受信した参加情報の正当性を確認する。参加情報の正当性の確認は、例えば、参加情報内の発行者の署名の検証を外部の電子認証システムに依頼するか、又は参加情報内のドメインID及びライセンスの有効期限の組み合わせがドメイン属性情報データベースDB2内に格納されているか否かを検証することにより行う。サーバ2は、参加情報の正当性が確認された場合、ユーザAに対するライセンス料の割引きなど、ライセンスに関する所定の特典を決定し、決定した特典情報をユーザAの再生装置1へ送信する。
【0029】
ユーザAの再生装置1は、特典情報を受信する。ユーザAが外部の決済システムを用いてライセンス料の決済を行った後、ユーザAの再生装置1は、決済通知をサーバ2へ送信する。
尚、決済システムを用いたライセンス料の決済は、ユーザAを介さず、サーバ2から直接要求し、決済通知を取得してもよい。
【0030】
サーバ2は、決済通知を受信し、ユーザAの再生装置1に対してライセンスの再発行を行う。
【0031】
また、サーバ2は、受信した参加情報の正当性が確認できなかった場合、ユーザAに対して正規のライセンス料を要求する。
【0032】
また、大学ドメイン1000にて取得したライセンスの有効期限が終了していない場合、サーバ2は、無償でライセンスを再発行する。
【0033】
また、再生装置1が自宅ドメイン2000に参加し、自宅ドメイン2000向けに暗号化されたコンテンツの取得を要求した場合、ユーザAの再生装置1は、自宅ドメイン2000のID及び参加要求をサーバ2へ送信し、サーバ2は、コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化し、暗号化したコンテンツをユーザAの再生装置1へ送信する。
【0034】
次に各再生装置1の構造及び機能について説明する。図2は再生装置1の機能を説明するためのブロック図である。再生装置1は、例えば、通信機能及びコンテンツ再生機能を備えるPC、携帯電話機又はPDA(Personal Digital Assistant)などが該当する。再生装置1は、外部記憶装置11と、ネットワーク送受信部12と、ドメイン管理部13と、ライセンス管理部14と、コンテンツ管理部15と、ライセンス利用部16と、補助記憶装置17と、コンテンツ再生部18と、操作部19とを備える。各ハードウェアは、信号線(図示せず)を介して相互に接続がされている。
【0035】
外部記憶装置11は、記録媒体111に記録してあるプログラム又は各種データを読み出すための装置である。外部記憶装置11は、挿入口(図示せず)に記録媒体111が挿入されたとき、挿入された記録媒体111に記録してあるプログラム又は各種データを読み出し、ドメイン管理部13、ライセンス管理部14又はコンテンツ管理部15へ出力する。外部記憶装置11は、例えば、記録媒体111に記録してあるコンテンツデータを読み出し、補助記憶装置17へ出力する。
また、外部記憶装置11は、各種データを記録媒体111へ記録するための装置である。外部記憶装置11は、例えば、補助記憶装置17に格納してあるコンテンツデータを読み出し、記録媒体111に記録する。
【0036】
ネットワーク送受信部12は、通信網上の終端であり、通信網を介して他の再生装置1、サーバ2又は外部のシステムなどと通信を行うための窓口となる。通信網は、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN回線網、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網などが該当する。
ネットワーク送受信部12は、外部から受信した情報をドメイン管理部13、ライセンス管理部14又はコンテンツ管理部15へ出力する。また、ネットワーク送受信部12は、ドメイン管理部13、ライセンス管理部14又はコンテンツ管理部15から受け付けた情報を外部へ送信する。
【0037】
ドメイン管理部13は、サーバ2から送信された参加情報をネットワーク送受信部12を介して受信し、受信した参加情報を保持する。また、ドメイン管理部13は、保持する参加情報をライセンス利用部16へ出力し、ライセンス利用部16で判断された結果を受け付ける。ドメイン管理部13は、受け付けた結果をユーザに対して報知する。ドメイン管理部13は、操作部19を介してライセンスの再発行要求の入力を受け付けた場合、保持してある参加情報及びライセンスの再発行要求をサーバ2へ送信する。
【0038】
ライセンス管理部14は、サーバ2から送信されたライセンス情報などを受信し、受信したライセンス情報を補助記憶装置17に格納する。
ライセンス管理部14は、操作部19を介してコンテンツの再生指示の入力を受け付けた場合、補助記憶装置17に格納してあるライセンス情報を読み出してコンテンツ再生部18へ出力する。
【0039】
コンテンツ管理部15は、コンテンツ取得要求をサーバ2へ送信する。
コンテンツ管理部15は、サーバ2から送信されたコンテンツを受信し、受信したコンテンツを補助記憶装置17に格納する。
コンテンツ管理部15は、操作部19を介してコンテンツの再生指示の入力を受け付けた場合、補助記憶装置17に格納してあるコンテンツを読み出してコンテンツ再生部18へ出力する。
【0040】
ライセンス利用部16は、ドメイン管理部13から出力された参加情報を受け付け、受け付けた参加情報が含むライセンスの有効期限が切れているか否かを判断し、判断結果をドメイン管理部13に出力する。
【0041】
補助記憶装置17は、ライセンス管理部14から出力されたライセンス情報を受け付けて格納し、格納してあるライセンス情報を適宜読み出し、ライセンス管理部14へ出力する。補助記憶装置17は、コンテンツ管理部15から出力されたコンテンツを受け付けて格納し、格納してあるコンテンツを適宜読み出し、コンテンツ管理部15へ出力する。
【0042】
コンテンツ再生部18は、例えば、液晶ディスプレイ装置又はスピーカなどを備える。コンテンツ再生部18は、操作部19を介してコンテンツの再生指示の入力を受け付けた場合、ライセンス情報に基づいてコンテンツを復号し、復号したコンテンツを再生する。
【0043】
操作部19は、ユーザから入力された各種指示又は要求を受け付け、受け付けた指示又は要求を各ハードウェアへ出力する。
【0044】
次にサーバ2の構成及び作用について説明する。図3はサーバ2の構成を示すブロック図、図4はCPU28の機能を説明するためのブロック図である。サーバ2は、外部記憶装置21と、ネットワーク送受信インタフェース22と、RAM23と、補助記憶装置24と、入力インタフェース25と、出力インタフェース26と、データベース送受信インタフェース27と、CPU28とで構成されている。各ハードウェアは、バス20を介して相互に接続されている。
【0045】
外部記憶装置21は、記録媒体211に記録してあるプログラム又は各種データを読み出すための装置である。外部記憶装置21は、挿入口(図示せず)に記録媒体211が挿入されたとき、挿入された記録媒体211に記録してあるプログラム又は各種データを読み出し、読み出したプログラム又は各種データを補助記憶装置24へ出力する。
【0046】
ネットワーク送受信インタフェース22は、通信網上の終端であり、通信網を介して再生装置1又は外部のシステムと通信を行うための窓口となる。通信網は、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN回線網、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網などが該当する。
【0047】
RAM23は、複数の情報を記憶し、記憶順、記憶位置などに関係なく読み出すことができる主記憶装置である。RAM23は、例えば、補助記憶装置24に記憶してあるプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ、外部から受信した各種情報を記憶し、CPU28の読出指示に応じて記憶してあるプログラム、各種データ又は各種情報を読み出す。
【0048】
補助記憶装置24は、例えば、磁気記憶方式のハードディスクなどが該当する。補助記憶装置24は、サーバ2にライセンス配信処理を実行させるためのプログラム及びデータを記憶する。補助記憶装置24は、CPU28の読出指示に応じて記憶してあるプログラム又はデータを読み出す。
【0049】
入力インタフェース25は、入力装置251に接続してある。入力装置251は、例えば、キーボード又はマウスなどが該当する。入力装置251は、サーバ管理者により操作され、サーバ2の保守、管理又はライセンス配信のための各種指示を入力するために用いられる。入力インタフェース25は、入力装置251を介して入力された各種指示を受け付け、受け付けた各種指示をCPU28へ出力する。
【0050】
出力インタフェース26は、出力装置261に接続してある。出力装置261は、例えば、液晶ディスプレイ装置などが該当する。出力装置261は、サーバ2に保守、管理又はライセンス配信のための各種指示を出力するために用いられる。出力インタフェース26は、サーバ2の保守、管理又はライセンス配信のための情報を出力装置261へ出力する。
【0051】
データベース送受信インタフェース27は、コンテンツ情報データベースDB1、ドメイン属性情報データベースDB2、課金情報データベースDB3、ライセンスデータベースDB4及びコンテンツデータベースDB5に接続するための窓口となる。
【0052】
CPU28は、サーバ2の各ハードウェアを制御することにより、ライセンス配信処理を実行する。CPU28が実行するライセンス配信処理の手順については、後述にて説明する。CPU28は、プレゼンス確認部281、付加サービス判断部282、ライセンス発行部283、暗号化処理部284、属性情報管理確認部285、コンテンツ管理部286及び課金処理部287としての機能を備える。
【0053】
プレゼンス確認部281は、参加情報の正当性を確認する。プレゼンス確認部281は、例えば、参加情報が含む発行者の署名を外部の電子認証システムに依頼してその結果を受け付けるか、又は参加情報内のドメインID及びライセンスの有効期限の組み合わせがドメイン属性情報データベースDB2内に格納されているか否かを検証することにより、参加情報の正当性を確認する。プレゼンス確認部281は、確認結果を付加サービス判断部282へ出力する。
【0054】
付加サービス判断部282は、参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典を決定し、決定した所定の特典情報を課金処理部287へ出力する。所定の特典は、例えば、再発行するライセンスの料金を一律2割引きにするか、ドメインへの連続参加に応じた割引率に基づくか、又はドメインへの参加者数に応じた割引率に基づくことにより決定される。
【0055】
ライセンス発行部283は、暗号化処理部284から出力されたコンテンツ鍵及びコンテンツIDを受け付け、受け付けたコンテンツ鍵に基づいてライセンス情報を生成し、生成したライセンス情報をコンテンツID毎に分類してライセンスデータベースDB4に格納する。ライセンス発行部283は、課金処理部287から出力されたライセンス発行指示を受け付けたとき、ライセンスデータベースDB4に格納してあるライセンス情報を抽出し、抽出したライセンス情報をネットワーク送受信インタフェース22を介して再生装置1へ送信する。また、ライセンス発行部283は、ドメイン属性情報テーブルT2内の参加情報の発行数を参照してドメイン内での発行数を管理する。
【0056】
暗号化処理部284は、コンテンツ情報データベースDB1からコンテンツ鍵を抽出し、抽出したコンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化する。暗号化処理部284は、コンテンツ鍵及びコンテンツIDをライセンス発行部283へ出力し、暗号化したコンテンツをネットワーク送受信インタフェース22を介して再生装置1へ送信する。
【0057】
属性情報管理確認部285は、ドメイン属性情報データベースDB2から有効期限などを抽出し、参加情報を生成する。属性情報管理確認部285は、生成した参加情報をネットワーク送受信インタフェース22を介して再生装置1へ送信する。
【0058】
コンテンツ管理部286は、コンテンツ情報データベースDB1からコンテンツ鍵などを抽出して暗号化処理部284へ出力する。
【0059】
課金処理部287は、付加サービス判断部282から出力された所定の特典情報を受け付け、受け付けた特典情報を課金情報データベースDB3に格納する共に、特典情報をネットワーク送受信インタフェース22を介して再生装置1へ送信する。そして、課金処理部287は、再生装置1から送信された決済通知を受信したとき、ライセンス発行部283へ発行指示を出力する。
【0060】
次にコンテンツ情報データベースDB1内のコンテンツ情報テーブルT1の格納例について説明する。図5はコンテンツ情報テーブルT1の格納例を示す図である。コンテンツ情報テーブルT1には、ドメイン内で再生可能なコンテンツに関する情報がドメインID毎に分類されて格納されている。コンテンツに関する情報には、グループID、コンテンツを識別するためのコンテンツID、コンテンツを暗号化するためのコンテンツ鍵、コンテンツの再生が可能な地域を限定するための地域制御が含まれている。グループIDは、複数のドメインIDが示すドメインを一つのグループとして定義している。コンテンツに関する情報は、システム管理者により予め設定されている。
【0061】
次にドメイン属性情報データベースDB2内のドメイン属性情報T2の格納例について説明する。図6はドメイン属性情報テーブルT2の格納例を示す図である。ドメイン属性情報テーブルT2には、ドメイン内で発行されるライセンスに関する情報がドメインID毎に分類されて格納されている。ライセンスに関する情報には、ライセンスの有効期限、参加情報の発行者及び参加情報の発行数が含まれている。
【0062】
次に参加情報のデータ構造について説明する。図7は参加情報のデータ構造を示す図である。参加情報には、バージョン/シリアル番号、ドメインID、ライセンスの有効期限、参加情報の発行者、署名アルゴリズム及び電子署名などが含まれている。バージョン/シリアル番号、ドメインID及びライセンスの有効期限は、システム管理者により予め設定されている。参加情報の発行者は、参加情報の正当性を確認するために用いられる。署名アルゴリズム及び電子署名は、参加情報を生成する際、外部の電子認証システムから発行されたものであり、参加情報の正当性を確認するために用いられる。
【0063】
次にドメイン参加時におけるライセンス配信処理の手順について説明する。図8及び図9はドメイン参加時におけるライセンス配信処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
ユーザAは、再生装置1を大学ドメイン1000に参加させるべく、操作部19を介して参加すべきドメインID及び参加要求を入力する。ユーザAの再生装置1は、ユーザAにより入力されたドメインID及び参加要求を受け付け、受け付けたドメインID及び参加要求をサーバ2へ送信する(S101)。
【0065】
サーバ2のCPU28は、再生装置1から送信されたドメインID及び参加要求を受信する(S102)。CPU28は、ドメイン属性情報データベースDB2にアクセスし、受信したドメインIDに対応するライセンスの有効期限及び発行者を抽出する(S103)。CPU28は、外部の電子認証システムからドメインIDに対応する署名アルゴリズム及び電子署名を受信する(S104)。CPU28は、ドメインID、ライセンスの有効期限、発行者、署名アルゴリズム及び電子署名を含む参加情報を生成し(S105)、生成した参加情報をユーザAの再生装置1へ送信する(S106)。
【0066】
ユーザAの再生装置1は、参加情報を受信し(S107)、コンテンツ取得要求をサーバ2へ送信する(S108)。
【0067】
サーバ2のCPU28は、コンテンツ取得要求を受信し(S109)、コンテンツデータベースDB5にアクセスしてドメインIDに対応するコンテンツを抽出する(S110)。CPU28は、コンテンツ情報データベースDB1にアクセスしてドメインIDに対応するコンテンツ鍵を抽出し(S111)、抽出したコンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化する(S112)。CPU28は、コンテンツ鍵及びドメインIDを対応付けてライセンスデータベースDB4に格納する(S113)。CPU28は、コンテンツ鍵に基づいてライセンス情報を生成する(S114)、CPU28は、暗号化したコンテンツ及び生成したライセンス情報を再生装置1へ送信する(S115)。
尚、暗号化コンテンツの取得先はサーバ2に限定するものではなく、同一ドメイン内において他再生装置1が、暗号化コンテンツを既に取得している際には、同一ドメイン内の他再生装置1から暗号化コンテンツを取得してもよい。
【0068】
ユーザAの再生装置1は、暗号化されたコンテンツ及びライセンス情報を受信し(S116)、受信したコンテンツ及びライセンス情報を補助記憶装置17に記憶する(S117)。ユーザAの再生装置1は、ユーザAにより入力されたコンテンツ再生要求に応じ、ライセンス情報を用いてコンテンツを復号し(S118)、復号したコンテンツを再生する(S119)。そして、再生装置1及びサーバ2は、ドメイン参加時におけるライセンス配信処理を終了する。
【0069】
次に有効期限終了後におけるライセンス配信処理の手順について説明する。図10は有効期限終了後におけるライセンス配信処理の手順を示すフローチャートである。
【0070】
ユーザAは、例えば、有効期限終了後に再生装置A内の取得済みコンテンツを視聴するため、操作部19を介してライセンスの再発行要求を入力する。ユーザAの再生装置1は、ライセンスの再発行要求を受け付け、受け付けたライセンスの再発行要求及び保持してある参加情報をサーバ2へ送信する(S201)。
【0071】
サーバ2のCPU28は、ライセンスの再発行要求及び参加情報を受信し(S202)、正当性確認処理を実行する(S203)。CPU28は、正当性確認処理により確認信号を出力したか否かを判断する(S204)。その結果、CPU28は、確認信号を出力していないと判断した場合(S204でNO)、特典情報を付与することなく、ユーザAが正規のライセンス料の決済を外部の決済システムにて行う。CPU28は、ユーザAの再生装置1から送信された正規のライセンス料の決済完了を示す決済通知を受信し(S209)、ライセンスを再発行する(S210)。そして、再生装置1及びサーバ2は、有効期限終了後におけるライセンス配信処理を終了する。
【0072】
一方、CPU28は、確認信号を出力したと判断した場合(S204でYES)、付加サービス判断処理を実行し(S205)、当該処理により決定された特典情報を再生装置1へ送信する(S206)。CPU28は、付加サービス判断処理において、例えば再発行に対するライセンスの料金を一律2割引にするとして、付加サービスを静的に決定する。
【0073】
ユーザAの再生装置1は、特典情報を受信する(S207)。ユーザAが特典情報により割引きがなされたライセンス料の決済を外部の決済システムにて行った後、ユーザAの再生装置1は、ライセンス料の決済の完了を示す決済通知をサーバ2へ送信する(S208)。
【0074】
サーバ2のCPU28は、決済通知を受信し(S209)、ライセンスを再発行する(S210)。そして、再生装置1及びサーバ2は、有効期限後におけるライセンス配信処理を終了する。
【0075】
次にステップS203でCPU28が実行する正当性確認処理の手順について説明する。図11は実施例1に係る正当性確認処理の手順を示すフローチャートである。
【0076】
サーバ2のCPU28は、ユーザAの再生装置1から受信した参加情報が正当であるか否かを判断する(S301)。その結果、CPU28は、受信した参加情報が正当でないと判断した場合(S301でNO)、確認信号を出力することなく、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0077】
一方、CPU28は、受信した参加情報が正当であると判断した場合(S301でYES)、確認信号を出力し(S302)、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0078】
このように、ユーザAは、ドメインに参加した事実に基づく利得を当該ドメインでのライセンスの再発行時に継承でき、ライセンスの再発行に要する料金の割引きを受ける。
【0079】
実施例2.
上述した実施例1では、再生可能な地域を限定することなく全域でコンテンツを再生できる一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば、コンテンツの再生が可能な地域を限定するようにしてもよい。
【0080】
実施例2において、各再生装置1は、自らの位置を検出できるGPS(Global Positioning System)ユニットを更に備える。GPSユニットの構成及び作用については、周知であるので説明を省略する。
【0081】
次にCPU28が実行する正当性確認処理の手順について説明する。図12は実施例2に係る正当性確認処理の手順に示すフローチャートである。
【0082】
サーバ2のCPU28は、ユーザAの再生装置1に対し、視聴したいコンテンツID及び再生装置1の位置情報を要求する。ユーザAの再生装置1は、サーバ2からの要求に応じてGPSユニットにて自ら位置を検出し、検出した位置情報及び視聴したいコンテンツIDをサーバ2へ送信する。
【0083】
サーバ2のCPU28は、ユーザAの再生装置1から送信されたコンテンツID及び位置情報を受信する(S401)。CPU28は、コンテンツ情報データベースDB1にアクセスし、受信したコンテンツIDに対応する地域制御を抽出する(S402)。CPU28は、抽出した地域制御に基づいて、ユーザAの再生装置1の位置が再生可能な地域内であるか否かを判断し(S403)、ユーザAの再生装置1の位置が再生可能な地域内でないと判断した場合(S403でNO)、確認信号を出力することなく、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0084】
一方、CPU28は、ユーザAの再生装置1の位置が再生可能な地域内であると判断した場合(S403でYES)、受信した参加情報が正当であるか否かを判断する(S404)。CPU28は、受信した参加情報が正当でないと判断した場合(S404でNO)、確認信号を出力することなく、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0085】
一方、CPU28は、受信した参加情報が正当であると判断した場合(S404でYES)、確認信号を出力し(S405)、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0086】
尚、その他の構成、作用及び処理の手順については、実施例1で説明したものと同様であるから、対応する部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
このように、コンテンツの再生が可能な地域を限定する制御を行うことにより、例えば、コンテンツの再生を日本国内に限定し、海外に流通したコンテンツの再生を不可能にすることができ、コンテンツの著作権保護に対して配慮する。
【0088】
尚、実施例2に係る地域を限定する制御は、後述する実施例において、参加情報の正当性を確認するステップの前に実行するようにしてもよい。
【0089】
実施例3.
上述した実施例では、ユーザAの再生装置1が大学ドメイン1000に参加した事実に基づいてライセンスを再発行する一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば、ユーザAの再生装置1が大学ドメイン1000に参加した事実のみならず、講演会ドメイン4000に参加した事実を加え、複数のドメインへの参加情報に基づいてライセンスを再発行するようにしてもよい。即ち、一のドメインと他のドメインとを同一グループとして定義できると判断できる場合(図5参照)、他のドメインに参加した事実に基づく利得を一のドメインに継承できるようにしてもよい。また、複数のドメインへの参加履歴に応じて所定の特典情報を決定するようにしてもよい。
【0090】
図13は実施例3に係るライセンス配信システムの全体構成を示す模式図である。ユーザAの再生装置1は、同一のグループに属する大学ドメイン1000及び講演会ドメイン4000内でライセンスを夫々取得し、少なくとも大学ドメイン1000にて取得したライセンスの有効期限が終了した後、自宅で大学ドメイン1000にて取得したコンテンツを再生する場合、大学ドメイン1000にて取得したライセンスを再度取得する必要がある。
ユーザAの再生装置1は、ユーザAにより入力されたライセンスの再発行要求を受け付け、受け付けた再発行要求と共に、大学ドメイン1000にて取得した参加情報及び講演会ドメイン4000にて取得した参加情報をサーバ2へ送信する。
【0091】
サーバ2は、再発行要求及び複数の参加情報を受信し、受信した複数の参加情報の正当性を確認する。正当性の確認は、例えば受信した参加情報に含まれる発行者の署名を検証することによって行われる。サーバ2は、全ての参加情報の正当性が確認された場合、ユーザAに対するライセンス料の割引きなど、ライセンスに関する所定の特典を決定する。所定の特典は、例えば、ユーザAの再生装置1が同一のグループに属する大学ドメイン1000及び講演会ドメイン4000に連続参加した事実に基づいて、個別参加した場合より大きい率の割引きがなされる。
【0092】
次に実施例3に係る正当性確認処理の手順について説明する。図14は実施例3に係る正当性確認処理の手順を示すフローチャートである。
【0093】
サーバ2のCPU28は、コンテンツ情報データベースDB1にアクセスし、受信した各ドメインIDに対応するグループIDを夫々抽出する。CPU28は、抽出した各ドメインIDに対応するグループIDが同一であるか否かを判断する(S501)。その結果、CPU28は、各ドメインに対応するグループIDが同一でないと判断した場合(S501でNO)、確認信号を出力することなく、次の実行まで正当確認処理を停止する。
【0094】
一方、CPU28は、各ドメインIDに対応するグループIDが同一であると判断した場合(S501でYES)、受信した参加情報が正当であるか否かを判断する(S502)。CPU28は、受信した参加情報が正当でないと判断した場合(S502でNO)、確認信号を出力することなく、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0095】
一方、CPU28は、受信した参加情報が正当であると判断した場合(S502でYES)、確認信号を出力し(S503)、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0096】
尚、その他の構成、作用及び処理の手順については、実施例1で説明したものと同様であるから、対応する部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0097】
このように、複数のドメインに関連性がある場合、ユーザAは、異なるドメインに参加した事実に基づく利得をライセンスの発行時に継承することができ、ライセンスの再発行に要する料金の割引きを受ける。また、ユーザAは、複数のドメインに連続参加したという参加履歴に応じて割引きを受ける。
【0098】
実施例4.
上述した実施例では、サーバ2は、ユーザAの再生装置1が取得したコンテンツに対してライセンスを再発行する一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば、ユーザBの再生装置1が講演会ドメイン3000にて取得したコンテンツをユーザAの再生装置1が譲受した場合、サーバ2は、ユーザAの再生装置1が譲受したコンテンツに対してライセンスを再発行してもよい。即ち、一のコンテンツと他のコンテンツとを同一グループとして定義できると判断できる場合、他のコンテンツを取得したドメインに参加した事実に基づく利得を一のコンテンツを取得したドメインに継承できるようにしてもよい。
【0099】
図15は実施例4に係るライセンス配信システムの全体構成を示す模式図である。ユーザAの再生装置1は、大学ドメイン1000内でライセンスを取得すると共に、ユーザBの再生装置1が講演会ドメイン3000にて取得したコンテンツを譲受し、少なくとも大学ドメイン1000にて取得したライセンスの有効期限が終了した後、自宅で譲受したコンテンツを再生する場合、講演会ドメイン3000にて取得すべきライセンスを取得する必要がある。
ユーザAの再生装置1は、記録媒体111又はネットワークを介してユーザBの再生装置1から転送されたコンテンツを譲り受ける。ユーザAの再生装置1は、ユーザAにより入力されたライセンスの再発行要求を受け付け、受け付けた再発行要求と共に、大学ドメイン1000にて取得した参加情報及び譲受したコンテンツのIDをサーバ2へ送信する。
【0100】
サーバ2は、再発行要求、参加情報及びコンテンツIDを受信し、受信した参加情報の正当性を確認する。コンテンツ情報テーブルT1に基づいて、受信したコンテンツIDが属するグループと、受信した参加情報が含むドメインIDが属するグループとが同一であるか否かが判断される。サーバ2は、コンテンツIDと同一グループの参加情報の正当性が確認された場合、ユーザAに対するライセンス料の割引きなど、ライセンスに関する所定の特典を決定する。所定の特典は、例えば、同一グループに属する、ユーザAの再生装置1が大学ドメイン1000にて取得したコンテンツと、ユーザBの再生装置1から譲受したコンテンツとがシリーズ化しており、これらのコンテンツを連続取得した事実に基づいて、コンテンツの個別取得した場合より大きい率の割引きがなされる。
【0101】
次に実施例4に係る正当性確認処理の手順について説明する。図16は実施例4に係る正当性確認処理の手順を示すフローチャートである。
【0102】
サーバ2のCPU28は、ユーザBの再生装置1から譲受したコンテンツのID、即ち、ライセンスの対象となるコンテンツのIDをユーザAの再生装置1に要求する。ユーザAの再生装置1は、ライセンスの対象となるコンテンツのIDをサーバ2へ送信する。
【0103】
サーバ2のCPU28は、ライセンスの対象となるコンテンツのIDを受信する(S601)。CPU28は、コンテンツ情報データベースDB1にアクセスし、受信したコンテンツIDに対応するグループIDを抽出する(S602)。CPU28は、受信した参加情報が含むドメインIDに対応するグループIDを抽出する(S603)。CPU28は、抽出した複数のグループIDが同一であるか否かを判断し(S604)、抽出した複数のグループIDが同一でないと判断した場合(S604でNO)、確認信号を出力することなく、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0104】
一方、CPU28は、抽出した複数のグループIDが同一であると判断した場合(S604でYES)、受信した参加情報が正当であるか否かを判断し(S605)、受信した参加情報が正当でないと判断した場合(S605でNO)、確認信号を出力することなく、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0105】
一方、CPU28は、受信した参加情報が正当であると判断した場合(S605でYES)、確認信号を出力し(S606)、次の実行まで正当性確認処理を停止する。
【0106】
尚、その他の構成、作用及び処理の手順については、実施例1で説明したものと同様であるから、対応する部分に同一の符号を付してその説明を料略する。
【0107】
このように、複数のコンテンツに関連性がある場合、ユーザAは、異なるコンテンツを取得したドメインに参加した事実に基づく利得をライセンスの発行時に継承することができ、ライセンスの再発行に要する料金の割引きを受けることができる。
【0108】
実施例5.
上述した実施例では、参加情報の正当性が確認された場合、静的な付加サービス判断処理を実行することにより特典を決定する一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば、参加情報の発行数に応じて特典の内容を変化させるように、動的な付加サービス判断処理を実行するようにしてもよい。即ち、ドメイン内で発行された参加情報の発行数に応じて所定の特典を決定するようにしてもよい。
【0109】
実施例5に係る付加サービス判断処理の手順について説明する。図17は実施例5に係る付加サービス判断処理の手順を示すフローチャートである。
【0110】
サーバ2のCPU28は、ドメイン属性情報データベースDB2にアクセスし、受信した参加情報が含むドメインIDに対応する発行数を抽出する(S701)。CPU28は、抽出した発行数に基づいて、ライセンス料の割引率を導出する(S701)。例えば、発行数の少ない、即ち、参加者の少ないドメインに参加するユーザに対する割引率を大きくし、発行数の多い、即ち、参加者の多いドメインに参加するユーザに対する割引率を小さくする。CPU28は、導出した割引率に基づいて特典を決定する(S703)。
【0111】
このように、参加情報の発行数の少ない、言い換えれば、参加者の少ないドメインに参加しようとするユーザに対する割引率を大きくするように動的な付加サービス判断処理を実行することにより、参加者の少ないドメインへの参加を促進することできる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】実施例1に係るライセンス配信システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】再生装置の機能を説明するためのブロック図である。
【図3】サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】CPUの機能を説明するためのブロック図である。
【図5】コンテンツ情報テーブルの格納例を示す図である。
【図6】ドメイン属性情報テーブルの格納例を示す図である。
【図7】参加情報のデータ構造を示す図である。
【図8】ドメイン参加時におけるライセンス配信処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】ドメイン参加時におけるライセンス配信処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】有効期限終了後におけるライセンス配信処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施例1に係る正当性確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施例2に係る正当性確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】実施例3に係るライセンス配信システムの全体構成を示す模式図である。
【図14】実施例3に係る正当性確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】実施例4に係るライセンス配信システムの全体構成を示す模式図である。
【図16】実施例4に係る正当性確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】実施例5に係る付加サービス判断処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
1 再生装置
11 外部記憶装置
12 ネットワーク送受信部
13 ドメイン管理部
14 ライセンス管理部
15 コンテンツ管理部
16 ライセンス利用部
17 補助記憶装置
18 コンテンツ再生部
19 操作部
2 サーバ
21 外部記憶装置
22 ネットワーク送受信インタフェース
23 RAM
24 補助記憶装置
25 入力インタフェース
26 出力インタフェース
27 データベース送受信インタフェース
28 CPU
281 プレゼンス確認部
282 付加サービス判断部
283 ライセンス発行部
284 暗号化処理部
285 属性情報管理確認部
286 コンテンツ管理部
287 課金処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のライセンスで許諾できる複数の外部装置を一つのグループとして管理するためのドメインに外部装置が参加し、該ドメイン内でのコンテンツの再生を許諾するためのライセンス情報を外部装置へ出力する情報処理装置において、
前記ライセンス情報を生成するための鍵情報を、ドメイン毎に分類し、少なくとも各ドメインを識別するためのドメイン識別情報、各ドメイン内で同一のライセンスにより許諾できる有効期限及び同一のライセンスの許諾対象となるコンテンツの識別情報に対応付けて格納してあるデータベースと、
外部装置がドメインに参加する都度前記ドメイン識別情報及び有効期限を含む参加情報を外部装置へ送信する手段と、
外部装置からライセンスの要求を受信すると共に、前記参加情報を受信する受信手段と、
受信した参加情報の正当性を確認する確認手段と、
受信した参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典を決定する特典決定手段と、
受信した参加情報に含まれたドメイン識別情報に対応する鍵情報に基づいて生成されたライセンス情報及び決定した所定の特典情報を外部装置へ出力する手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記データベースは、複数のドメインを一つのグループとして定義するドメイン関連情報を更に含み、
前記確認手段は、
前記受信手段が一のドメインに参加している外部装置から、一のドメインの参加情報及び一のドメインとは異なる他のドメインの参加情報を受信したとき、前記ドメイン関連情報に基づいて一のドメインと他のドメインとを同一グループとして定義できるか否かを判断する手段と、
一のドメインと他のドメインとを同一グループとして定義できると判断した場合、受信した全ての参加情報の正当性を夫々確かめる手段と
を備え、
前記特典決定手段は、全ての参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典を決定し、
前記生成手段は、受信した全てのドメインに共通する鍵情報に基づいてライセンス情報を生成するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特典決定手段は、
全ての参加情報の正当性を確認した場合、確認された参加情報に基づいて外部装置の各ドメインへの参加履歴を導出する手段と、
導出した履歴に応じて所定の特典を決定する手段と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データベースは、複数のドメインを一つのグループとして定義するドメイン関連情報と、
コンテンツと該コンテンツの配布を許可されたドメインを定義するコンテンツ関連情報を更に含み、
前記確認手段は、
前記受信手段が複数のコンテンツを再生できる外部装置からドメイン識別情報を含む参加情報を受信したとき、前記コンテンツ関連情報に基づいて一のコンテンツと他のコンテンツとを一つのグループとして定義できるか否かを判断する手段と、
一のコンテンツと他のコンテンツとを同一グループとして定義できると判断した場合、受信した全ての参加情報の正当性を夫々確かめる手段と
を備え、
前記特典決定手段は、全ての参加情報の正当性が確認された場合、ライセンスに関する所定の特典を決定するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記参加情報は、発行者の署名を含み、
前記確認手段は、受信した参加情報に含まれる発行者の署名を検証することにより該参加情報の正当性を確認するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データベースは、前記鍵情報を同一のライセンスにより許諾できる地域の情報に更に対応付けて記憶してあり、
前記受信手段は、自らの位置を検出する外部装置により送信された位置情報を更に受信し、
前記確認手段は、受信した位置情報が示す外部装置の位置が前記地域内にあるか否かを判断する手段と、
外部装置の位置が前記地域内にあると判断した場合、受信した参加情報の正当性を確認するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
ドメイン毎に発行された参加情報の発行数を取得する手段を更に備え、
前記特典決定手段は、取得した参加情報の発行数に応じて所定の特典を決定する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンテンツを再生する複数の端末装置と、各端末装置と接続可能なライセンス配信装置とを備え、該ライセンス配信装置は、同一のライセンスで許諾できる複数の端末装置を一つのグループとして管理し、該ドメイン内でのコンテンツの再生を許諾するためのライセンス情報を再生装置へ出力するライセンス配信システムにおいて、
前記ライセンス情報を生成するための鍵情報を、ドメイン毎に分類し、少なくとも各ドメインを識別するためのドメイン識別情報、各ドメイン内で同一のライセンスにより許諾できる有効期限及び同一のライセンスの許諾対象となるコンテンツの識別情報に対応付けて格納してあるデータベースと、
前記ライセンス配信装置は、
前記再生装置がドメインに参加する都度前記ドメイン識別情報及び有効期限を含む参加情報を前記再生装置へ送信する手段を備え、
前記再生装置は、
前記ライセンス配信装置により送信された参加情報を受信する通信手段と、
ライセンスの要求と共に、受信した参加情報を送信する手段と
を備え、
前記ライセンス配信装置は更に、
再生装置により送信された参加情報を受信する受信手段と、
受信した参加情報の正当性を確認する確認手段と、
受信した参加情報の正当性を確認した場合、ライセンスに関する所定の特典を決定する特典決定手段と、
受信した参加情報に含まれたドメイン識別情報に対応する鍵情報に基づいて生成されたライセンス情報及び決定した所定の特典情報を前記再生装置へ出力する手段と
を備えることを特徴とするライセンス配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−140438(P2009−140438A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318854(P2007−318854)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】