説明

情報処理装置及び変換情報変更プログラム

【課題】作成済の印字用文字列情報を印字解像度の異なるプリンタに適用して印字させるに際し、個々のユーザにとって、最適な印字結果を得られるようにする。
【解決手段】第1プリンタ301用に作成された印字用文字列情報401を含む印字用情報400は、印字解像度の異なる第2プリンタ302に用いられる際に、変換プログラム152による処理で変換情報テーブル153が参照されて印字用文字列情報401が変換された上で第2プリンタ302に送信される。ユーザは、変換情報変更プログラム154を起動し、ディスプレイ204に表示された文字サイズ情報を指定するための第1選択部と変換後サイズ情報を指定するための第2選択部とから指定を行う。変換情報テーブル153には、この指定によって指定された値が記憶されて、印字の際の印字用情報400の変換に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに送信する印字用文字列情報を、印字解像度の異なるいずれのプリンタに対しても同一の印字結果が得られるようにするために提供された変換情報を用いて変換しプリンタに送信して印字を行わせる情報処理装置、及び、この情報処理装置にインストールされ、この変換情報を変更可能にする変換情報変更プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置で印字用文字列情報を含む印字用情報を作成してプリンタに送信し印字させて印字出力物を得ることが行われている。この一例として、特許文献1に記載の印刷システムがある。この印刷システムは、レーザビームプリンタを備える。このレーザビームプリンタは、第1フォーマット(ページ記述言語(PDL))を外部表示装置が表示可能な第2フォーマット(XML構造のデータ)の構成要素に対応させる変換用ライブラリを有し、データ処理装置から送信された第1フォーマットを第2フォーマットに変換して外部表示装置に転送する。特許文献1には、この印刷システムにより、外部表示装置のフォーマット変換処理が不要となり、安価な外部表示装置で印刷プレビューができることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−150713公報(段落0024〜0026、0038〜0061)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印字用情報に含まれる印字用文字列情報には、印字する文字列の情報だけでなく、その文字の文字サイズや書体の情報も含まれる。このような印字用文字列情報を作成するには労力を有するが、一旦作成してしまえば、ハードディスク等に記憶保存し後日活用できる。
【0005】
ここで、特許文献1のレーザビームプリンタのようなページ記述言語(PDL)を解釈できるような高機能のプリンタであれば、そのプリンタは、印字用文字列情報に基づいて文字列を自由な位置に配置し、自由な大きさに変形できる。このため、高機能のプリンタであれば、どのような印字用文字列情報であっても所望の印字出力物を得ることができる。
【0006】
これに対し、ビットマップフォントのデータに基づき文字を印字するプリンタでは、解釈できる印字用文字列情報に制限があるという実情がある。一例として、文字サイズを指定する際に、基準となる文字に対し所定の倍率(例えば、0.5〜9.5倍の範囲で0.5倍単位の指定もしくは0.6〜0.9倍の範囲で0.1倍単位の指定)しか受け付けないビットマップフォント印字用のプリンタが存在する。この場合、ユーザは、予めこのプリンタが解釈可能な内容で印字用文字列情報を作成する。このようなプリンタ(「プリンタA」とする)用の印字用文字列情報を、印字解像度の異なっていてプリンタAと同じビットマップフォントのデータに基づく印字を行うプリンタ(「プリンタB」とする)に用いようとすると、同一の印字結果が得られない。また、プリンタA用の印字用文字列情報をプリンタB用に変換した上でプリンタBに送信する機能を情報処理装置に実現させる変換プログラムが、プリンタの製造元から提供される場合もあるが、この変換プログラムを用いても、印字結果が適正でない場合が生じる。
【0007】
一例として、プリンタAの印字解像度が200dpiであり、プリンタBの印字解像度が305dpi(=12dots/mm)であって、いずれのプリンタA、Bについても同じビットマップフォントが用いられるとともに、文字サイズ指定に上記のような制限がある場合、プリンタBで基準となる文字サイズは、プリンタAで基準となる文字サイズの200/305倍、すなわち、約0.6557377倍となる。そして、プリンタA、Bでの印字結果を同じにするためには、変換プログラムにより、プリンタA用の印字用文字列情報に含まれる文字サイズの値を305/200倍すなわち1.525倍にする処理が行われるべきところを、文字サイズの値に1.5倍にする処理としなければならない。このような文字サイズ指定の制限があるために、プリンタA、Bでの印字結果は同一にならない。
【0008】
その結果、例えば、予め枠線や罫線が描かれたラベル用紙に印字を行う場合に、文字列が枠線に重なって印字されたり、反対に、文字列が枠線に接触するように印字されるべきところを枠線から離れた状態で印字されたりする等の不都合が生じる。この不具合は、文字サイズを若干小さくすれば最適な印字結果が得られるか、文字サイズを若干大きくすれば最適な印字結果が得られるか、ユーザによって判断が個別具体的に分かれる。
【0009】
本発明の目的は、作成済の印字用文字列情報を印字解像度の異なるプリンタに適用して印字させるに際し、個々のユーザにとって、最適な印字結果を得られるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報処理装置は、表示を行う表示部と、操作入力をするための操作入力部と、文字サイズ情報と変換後サイズ情報とを対応付けて記憶する変換情報記憶部と、前記操作入力部からの操作入力に応じて文字サイズ情報を含む印字用文字列情報を生成する処理と、前記変換情報記憶部から前記印字用文字列情報に含まれる文字サイズ情報に対応する変換後サイズ情報を取得してこの印字用文字列情報に適用する処理と、印字用文字列情報に基づく印字を行うプリンタに対して前記変換後サイズ情報を適用した印字用文字列情報を送信する処理と、文字サイズ情報を指定するための第1選択部と変換後サイズ情報を指定するための第2選択部とを前記表示部に表示させる処理と、前記変換情報記憶部に、前記第1選択部で指定された文字サイズ情報と前記第2選択部で指定された変換後サイズ情報とを対応付けて記憶する処理と、を実行する情報処理部と、を備える。
【0011】
別の面から見た本発明の情報処理装置は、表示を行う表示部と、操作入力をするための操作入力部と、文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せと変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せとを対応付けて記憶する変換情報記憶部と、前記操作入力部からの操作入力に応じて文字サイズ情報及び文字書体情報を含む印字用文字列情報を生成する処理と、前記変換情報記憶部から前記印字用文字列情報に含まれる文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せに対応する変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せを取得してこの印字用文字列情報に適用する処理と、印字用文字列情報に基づく印字を行うプリンタに対して前記変換後サイズ情報及び前記変換後書体情報を適用した印字用文字列情報を送信する処理と、文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せを指定するための第1選択部と変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せを指定するための第2選択部とを前記表示部に表示させる処理と、前記変換情報記憶部に、前記第1選択部で指定された文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せと前記第2選択部で指定された変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せとを対応付けて記憶する処理と、を実行する情報処理部と、を備える。
【0012】
本発明の変換情報変更プログラムは、表示を行う表示部と、操作入力をするための操作入力部と、を備え、文字サイズ情報と変換後サイズ情報とを対応付けて記憶する変換情報記憶部にアクセス可能で、前記変換情報記憶部から前記印字用文字列情報に含まれる文字サイズ情報に対応する変換後サイズ情報を取得してこの印字用文字列情報に適用し、この印字用文字列情報をプリンタに送信する情報処理装置のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータに、文字サイズ情報を指定するための第1選択部と変換後サイズ情報を指定するための第2選択部とを前記表示部に表示させる機能と、前記変換情報記憶部に、前記第1選択部で指定された文字サイズ情報と前記第2選択部で指定された変換後サイズ情報とを対応付けて記憶する機能と、を実現させる。
【0013】
別の面から見た本発明の変換情報変更プログラムは、表示を行う表示部と、操作入力をするための操作入力部と、を備え、文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せと変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せとを対応付けて記憶する変換情報記憶部にアクセス可能で、前記変換情報記憶部から前記印字用文字列情報に含まれる文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せに対応する変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せを取得してこの印字用文字列情報に適用し、この印字用文字列情報をプリンタに送信する情報処理装置のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータに、文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せを指定するための第1選択部と変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せを指定するための第2選択部とを前記表示部に表示させる機能と、前記変換情報記憶部に、前記第1選択部で指定された文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せと前記第2選択部で指定された変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せとを対応付けて記憶する機能と、を実現させる変換情報変更プログラム。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザは、あるプリンタ用に作成した印字用文字列情報を別のプリンタに用いて行った印字結果が適正でないと判断した場合に、この印字用文字列に含まれる文字サイズ情報を変換するための変換情報記憶部の内容を表示部を見ながら変更することができ、従って、作成済の印字用文字列情報を印字解像度の異なるプリンタに適用して印字させるに際し、個々のユーザにとって、最適な印字結果を得られるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第一の実施の形態における、データ変換システムの概要について示す説明図である。
【図2】(a)は、印字用文字列情報の詳細を示す説明図である。(b)は、印字用文字列情報に基づいて第1プリンタで発行された印字出力物の模式図である。
【図3】データ変換システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】変換情報テーブルのデータ構造を示す模式図である。
【図5】ビットマップフォントについての説明図である。
【図6】印字用情報作成処理の流れを示す模式図である。
【図7】印字処理の流れを示す模式図である。
【図8】変換情報変更処理においてディスプレイに表示される編集画面の一例を示す模式図である。
【図9】変換情報変更処理の流れを示す模式図である。
【図10】(a)は、変換情報変更プログラムによる変更前の印字出力物の一例を示す模式図である。(b)は、変換情報変更プログラムによる変更後の印字出力物の一例を示す模式図である。
【図11】第二の実施の形態における、変換情報テーブルのデータ構造を示す模式図である。
【図12】変換情報変更処理においてディスプレイに表示される編集画面の一例を示す模式図である。
【図13】変換情報変更処理の流れを示す模式図である。
【図14】(a)は、変換情報変更プログラムによる変更前の印字出力物の一例を示す模式図である。(b)は、変換情報変更プログラムによる変更後の印字出力物の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の一形態(第一の実施の形態)について、図1ないし図10に基づいて説明する。
【0017】
図1は、データ変換システム101の概要について示す説明図である。データ変換システム101は、情報処理装置201とプリンタ301とを備える。プリンタ301は、情報処理装置201に接続されており(図3参照)、情報処理装置201から送信される印字用情報400に基づいた印字を行い、印字出力物303を発行する。ここで、プリンタ301は、その印字解像度が200dpiであり、各種の書体のビットマップフォントのライブラリ305(図3参照)をメモリ306(図3参照)に格納して、このビットマップフォントを縦横に独立して所定の倍率(0.5〜9.5倍の範囲で0.5倍単位の指定もしくは0.6〜0.9倍の範囲で0.1倍単位の指定)でのみ印字できる機能を有する。つまり、このプリンタ301では、印字可能な文字サイズが制限されている。そして、このプリンタ301に送信される印字用情報400は、このプリンタ301にとって解釈可能な形式を有する必要がある。このプリンタ301を、以下、「第1プリンタ301」と呼ぶ。
【0018】
図2(a)は、印字用文字列情報401の詳細を示す説明図である。図2(b)は、印字用文字列情報401に基づいて第1プリンタ301で発行された印字出力物303の模式図である。印字用情報400(図1参照)は、文字列を印字するための印字用文字列情報401を含むことができる。印字用文字列情報401は、図2(a)に示すようなコマンド文字列である。より詳細には、印字用文字列情報401は、命令開始部402、文字列指定部403、開始座標指定部404、文字サイズ情報としての文字サイズ指定部405、文字書体情報としての書体指定部406、文字方向指定部407、文字属性指定部408及び命令終了部409を含んでいて、これらが、セミコロン410、カンマ411等のデリミタ文字412で区切られて構成された文字列である。この印字用文字列情報401には、省略可能な各種のパラメータ417も含むこともできる。第1プリンタ301は、この印字用文字列情報401を受信すると、メモリ306(図3参照)に記憶し、情報処理装置201から送信される印字命令を受けて、このメモリ306内の印字用文字列情報401に基づく印字用情報を展開し印字を行って、図2(b)に示すような印字出力物を発行する。
【0019】
命令開始部402及び命令終了部409は、予め定められた所定の文字列である。より詳細には、命令開始部402は、一例として、エスケープシーケンスコード+「P」+「C」からなる文字列であり、命令終了部409は、一例として、LF(ラインフィード)コード+NUL(ヌル)コードからなる文字列である。
【0020】
文字列指定部403では、文字列特定コードを指定可能である。第1プリンタ301は、メモリ306に予め記憶されている文字列特定コードに対応する文字列504の印刷を行う。
【0021】
開始座標指定部404は、4桁の数値を指定可能な開始X座標指定部413と、4桁もしくは5桁の数値を指定可能な開始Y座標指定部414とで構成される。第1プリンタ301は、この開始座標指定部404で指定されたパラメータに従って、印字用紙501において予め定められた基点502から、指定された数値×0.1mmだけシフトした地点を、文字列504の印字の開始点503として定める。
【0022】
文字サイズ指定部405は、横倍率指定部415及び縦倍率指定部416で構成される。横倍率指定部415及び縦倍率指定部416に適用されるパラメータはいずれも、1桁又は2桁の数字である。1桁の場合、文字列504の個々の文字504aについて、基準横サイズwや基準縦サイズhに対する整数倍の文字サイズが指定されたことになる。2桁の場合、文字列504の個々の文字504aについて、基準横サイズwや基準縦サイズhに対する0.1倍単位の文字サイズの倍率指定がなされたことになる。ここで、この第1プリンタ301は、横倍率指定部415及び縦倍率指定部416において、0.5〜9.5倍の間では0.5倍単位、及び、0.6〜0.9倍の間では0.1倍単位の文字サイズ指定のみ指定可能となっている。なお、基準横サイズw及び基準縦サイズhについては、図5に基づいて後述する。
【0023】
書体指定部406には、文字列504の書体を特定する書体コードが指定可能である。
【0024】
文字方向指定部407には、文字列504の向きを指定するコード情報が指定可能である。
【0025】
文字属性指定部408には、文字列504の属性を指定可能であるである。この属性とは、一例として、太字フォント、罫線囲みフォントである。
【0026】
図1に基づく説明に戻る。ユーザは、情報処理装置201にインストールされている印字用情報作成プログラム151を起動し、情報処理装置201に備わる表示部としてのディスプレイ204に表示される操作画面(図示せず)を見ながら操作入力部としてのキーボード202やポインティングデバイス203を操作し、印字用情報400を作成し、第1プリンタ301にこの印字用情報400を印字させる印字命令を入力したり、ハードディスク205(図3参照)にこの印字用情報400を記憶保存したりする。
【0027】
ここで、ユーザが、情報処理装置201に接続する第1プリンタ301に代えて、第2プリンタ302を接続した場合を考える。この第2プリンタ302は、基本的には第1プリンタ301と同じ性能を有し、第1プリンタ301と同じ各種の書体のビットマップフォントのライブラリ305(図3参照)をメモリ308(図3参照)に格納して、印字用文字列情報401として図2(a)に示すコマンド文字列を解釈可能なものである。また、この第2プリンタ302は、印字解像度が305dpi(=12dots/mm)である点が、第1プリンタ301と異なる。
【0028】
このような第2プリンタ302に対して、ユーザが、ハードディスク205に記憶保存してある第1プリンタ301用に作成した印字用情報400を送信し印字出力を行わせる操作を行うと、第2プリンタ302は、印字用情報400に含まれる印字用文字列情報401に基づいて第1プリンタ301で印刷される文字サイズよりも小さな文字サイズの文字列を印字してしまう。この理由については、図5に基づいて後述する。このため、第1プリンタ301から発行される印字出力物303と、第2プリンタ302から発行される印字出力物304とで、印字結果が異なる。ここで、プリンタの製造元が、変換情報記憶部としての変換情報テーブル153(図4参照)に基づいて情報処理装置201用の印字用文字列情報401を第2プリンタ302用に変換し第2プリンタ302に送信する機能を情報処理装置201に実現させる変換プログラム152と、この変換プログラム152が用いる変換情報テーブル153とを提供する場合がある。しかし、この変換プログラム152及び変換情報テーブル153を用いても、第1プリンタ301からの印字出力物303と第2プリンタ302からの印字出力物304とが、図5に基づいて後述するように、同一にならない場合が生じる。
【0029】
このような前提の下、本実施の形態の変換情報変更プログラム154は、情報処理装置201に、作成済の印字用情報400での印字用文字列情報401に含まれる文字サイズ指定部405の指定値を所望の値となるように、変換情報テーブル153の内容を変更するユーザの作業を支援する機能を実現させるプログラムである。
【0030】
図3は、データ変換システム101の電気的構成を示すブロック図である。情報処理装置201は、CPU206とROM207とRAM208とから構成され、情報処理を実行する情報処理部209を備える。情報処理部209は、キーボード202、ポインティングデバイス203、ディスプレイ204,ハードディスク205、外部機器インタフェイス210のそれぞれと接続している。外部機器インタフェイス210には、第1プリンタ301及び第2プリンタ302のいずれも接続可能である。
【0031】
第1プリンタ301には、各種の書体のビットマップフォントのライブラリ305を格納するメモリ306と、この第1プリンタ301の全体の制御を司り印字を行う第1エンジン部311とを備える。第2プリンタ302には、第1プリンタ301のメモリ306に記憶されているライブラリ305と同じライブラリ305を格納するメモリ308と、この第2プリンタ302の全体の制御を司り印字を行う第2エンジン部312とを備えている。第1エンジン部311と第2エンジン部312との性能は、印字解像度が異なる点で相違するが、その他の性能は同じである。
【0032】
情報処理装置201のハードディスク205には、OS155と、ドライバ156と、印字用情報作成プログラム151と、変換プログラム152と、変換情報変更プログラム154とを含む各種のプログラムが記憶されている。このハードディスク205には、変換情報記憶部としての変換情報テーブル153を含む各種のデータテーブルを格納するデータファイルも記憶されている。さらに、このハードディスク205には、印字用情報作成プログラム151によって作成された印字用情報400を記憶するのに十分な記憶容量が確保されている。
【0033】
CPU206は、情報処理装置201の起動時に、OS155、ドライバ156、印字用情報作成プログラム151、変換プログラム152、変換情報変更プログラム154等の各種のプログラムの全部又は一部をRAM208に読込み、この読み込んだプログラムの記述に基づいた各種の処理を実行する。
【0034】
図4は、変換情報テーブル153のデータ構造を示す模式図である。変換情報テーブル153は、文字書体情報としての書体コード157と文字サイズ情報としての文字サイズ値158との組合せに対応付けて、変換後サイズ情報としての変換後サイズ値159を格納する構造を有している。そして、プリンタ製造元から提供される段階で、変換情報テーブル153には、図4に示すように各種の値が既に格納されている。これらの値の詳細については、図5に基づいて後述する。なお、図4では、印字解像度が200dpiであるプリンタ用に作成された印字用文字列情報401(図2参照)の文字サイズ指定部405(図2参照)の値が、印字解像度が305dpiであるプリンタ用に変換する際に変換プログラム152が参照する場合の変換情報テーブル153を示している。ハードディスク205には、この変換情報テーブル153の他にも、印字解像度が305dpiであるプリンタ用のみならず、203dpi、300dpi、400dpi、600dpi等の各種の印字解像度のプリンタ用に印字用文字列情報401を変換するための各種の変換情報テーブルが格納されている。さらに、ハードディスク205には、印字解像度が200dpiであるプリンタ用に作成された印字用文字列情報401のみならず、印字解像度が203dpi、300dpi、305dpi、400dpi、600dpiの各種の値であるプリンタ用に作られた印字用文字列情報を各種の印字解像度のプリンタ用に変換するための各種の変換情報テーブルも格納されている。
【0035】
図5は、ビットマップフォントについての説明図である。本実施の形態の第1プリンタ301及び第2プリンタ302は、それぞれが有するメモリ306、308に、同じ内容のビットマップフォントのライブラリ305を格納している。また、第1プリンタ301の各ドット309は、印字解像度が200dpiであるために、1/200インチ四方の大きさを有する。これに対し、第2プリンタ302の各ドット310は、印字解像度が305dpiであるために、1/305インチ四方の大きさを有する。
【0036】
ここで、ビットマップフォントとは、文字を小さな正方形の点(ドット)の集合として表すものであって、ある決まった数の格子(例えば縦32個×横32個)ですべての文字の形状を表現するものである。そのため、同じビットマップフォントのライブラリ305を異なる印字解像度のプリンタ301、302に等倍で表現した場合、各プリンタ301、302で表現される文字の横幅及び縦幅は異なってくる。
【0037】
このため、第2プリンタ302で表現される文字の基準横サイズw’は、第1プリンタ301で表現される文字の基準横サイズwの200/305倍である。また、第2プリンタ302で表現される文字の基準縦サイズh’は、第1プリンタ301で表現される文字の基準縦サイズhの200/305倍である。一例として、第1プリンタ301において書体Aについての基準となる文字サイズが12ポイントである場合、第2プリンタ302における書体Aについての基準となる文字サイズは、12(ポイント)÷(1/200(dot))×(1/305(dot))≒8ポイントとなる。
【0038】
そこで、プリンタ製造元メーカーから提供される変換プログラム152及び変換情報テーブル153は、第1プリンタ301用に作成された印字用文字列情報401の文字サイズ指定部405の指定値を、本来であれば、305/200倍=1.525倍させるものでなければならない。しかし、前述したように、第1プリンタ301及び第2プリンタ302のいずれも、指定値を1.525倍して求められる端数を有する数値の指定を許容しない。このため、図4に示したように、変換情報テーブル153の変換後サイズ値159には、文字サイズ値158を1.525倍した後に、第1プリンタ301及び第2プリンタ302が解釈できる値になるように丸められた値が格納されている。
【0039】
図6は、印字用情報作成処理の流れを示す模式図である。図5に基づいて説明した前提の下、本実施の形態の情報処理装置201では、印字用情報作成プログラム151の記述に従って、印字用情報作成処理が実行される。
【0040】
ユーザは、キーボード202やポインティングデバイス203を操作して印字用情報作成プログラム151を起動する。起動により、CPU206は、ディスプレイ204に、印字用情報400の作成を支援する編集画面(図示せず)を表示する。ユーザは、この編集画面を見ながらキーボード202やポインティングデバイス203から操作入力を行って、情報処理装置201に接続されているプリンタの印字解像度に適合した印字用情報400を作成する。印字用情報400には、図2に示したような情報処理装置201に接続されているプリンタの印字解像度に適合した印字用文字列情報401も含まれる。
【0041】
CPU206は、キーボード202やポインティングデバイス203からの操作入力に基づいて、RAM208をワークエリアとして印字用文字列情報401を含む印字用情報400を生成する(ステップS101)。続いて、CPU206は、キーボード202やポインティングデバイス203からの操作入力に基づいて、ステップS101で作成された印字用情報400をハードディスク205に記憶保存する(ステップS102)。
【0042】
図7は、印字処理の流れを示す模式図である。本実施の形態の情報処理装置201では、印字用情報作成プログラム151の記述に従って、印字処理が実行される。この印字処理について、以下、説明する。
【0043】
前述した印字用情報作成プログラム151は、作成済みの印字用情報400をプリンタに印字させる機能も情報処理装置201に実現させるものである。
【0044】
CPU206は、キーボード202やポインティングデバイス203からの操作入力によって印字命令が入力されたことを判定した場合(ステップS201のY)、印字処理を開始する。以降の印字処理でプリンタに送信される印字用情報400は、前記編集画面を見ながら編集されてRAM208に一時的に記憶されているものでよいし、CPU206が予めハードディスク205にアクセスしてそこに記憶保存されている印字用情報400をRAM208に読み込んだものでもよい。また、CPU206が、ステップS201の判定を行った直後にハードディスク205内の印字用情報400の一覧をディスプレイ204に表示させてユーザに選択を促し、そこで選択された印字用情報400をRAM208に読み込んでもよい。
【0045】
続く処理として、CPU206は、これから印字する印字用情報400が、情報処理装置201に接続されているプリンタの印字解像度に適合しているか否かを判定する(ステップS202)。この判定は、一例として、ユーザが印字用情報作成プログラム151を起動して印字用情報400を作成する段階でプリンタの機種に関する情報を入力させ印字用情報400にこの情報を含めて記憶保存し、CPU206がステップS202において印字用情報400に含まれているプリンタの機種に関する情報と情報処理装置201に接続されているプリンタの情報とを照合することで行われる。また、別の一例として、CPU206がステップS202において、これから印字する印字用情報400が情報処理装置201に接続されているプリンタの仕様に適合させて作成されたものか否かをユーザに確認させるための確認画面(図示せず)をディスプレイ204に表示させ、キーボード202やポインティングデバイス203から入力された結果に応じて判定が行われても良い。
【0046】
ステップS202において、印字する印字用情報400が情報処理装置201に接続されているプリンタの印字解像度に適合していると判定した場合(ステップS202のY)、CPU206は、後述するステップS204に処理を進める。これに対し、適合していないと判定した場合(ステップS202のN)、CPU206は、ハードディスク205に記憶されている変換プログラム152を呼び出して、変換情報テーブル153を参照し印字用情報400に含まれている印字用文字列情報401を、情報処理装置201に現在接続されているプリンタの仕様に適合するように変換する処理を行う(ステップS203)。より詳細には、CPU206は、変換情報テーブル153を参照して、印字用文字列情報401に含まれている文字サイズ指定部405(図2参照)の指定値と一致する文字サイズ値158(図4参照)を検索し、この文字サイズ値158に対応する変換後サイズ値159を変換情報テーブル153から取得して、これから印字する印字用情報400に含まれる印字用文字列情報401の文字サイズ指定部405の指定値と取得した変換後サイズ値159とを置き換える。
【0047】
ステップS202のYもしくはステップS203に続く処理として、CPU206は、印字用情報400をプリンタに送信しこのプリンタに印字させる処理を行って(ステップS204)、一連の処理を終了する。
【0048】
図8は、変換情報変更処理においてディスプレイ204に表示される編集画面601の一例を示す模式図である。本実施の形態の情報処理装置201では、変換情報変更プログラム154の記述に従って、編集画面601がディスプレイ204に表示され、その状態で変換情報変更処理(図9参照)が実行される。まず、この編集画面601について説明する。
【0049】
編集画面601の左上領域には第1選択部602が、右上領域には第2選択部603が、それぞれ配置される。第1選択部602には、変更前の文字サイズを指定するための文字サイズ選択肢604と、変更前の書体を指定するための書体選択肢605とが含まれる。文字サイズ選択肢604では、変換情報テーブル153(図4参照)に格納されている各種の文字サイズ値158を選択可能である。書体選択肢605では、変換情報テーブル153に格納されている各種の書体コード157を選択可能である。また、第2選択部603には、変更後の文字サイズを指定するための変更後サイズ選択肢606が含まれる。変更後サイズ選択肢606は、文字サイズ選択肢604で指定された文字サイズ値158を小さいサイズに変更するための「少し小さい」と示された第一選択肢606aと、この文字サイズ値158をプリンタ製造元メーカーが推奨する推奨値に戻すための「推奨値」と示された第二選択肢606bと、この文字サイズ値158を大きいサイズに変更するための「少し大きい」と示された第三選択肢606cとから構成される。なお、別の実施の形態として、変更後サイズ選択肢606は、「0.5倍」、「0.6倍」、…、「0.9倍」、「1.0倍」、「1.5倍」、…「9.5倍」というような値で構成されていても良い。
【0050】
第1選択部602の下方には、印字イメージ表示部608が配置される。印字イメージ表示部608は、書体選択肢605で指定された書体かつ文字サイズ選択肢604で選択された文字サイズで表現される文字を、変更後サイズ選択肢606で指定された条件でサイズ変更した場合に文字がどのように表示されるかを示すものである。印字イメージ表示部608には、このようにしてサイズ変更がなされたプレビュー文字609と、サイズ変更前の文字の大きさを示す枠線610とが表示される。
【0051】
編集画面601の右下領域であって、印字イメージ表示部608の右側かつ第2選択部603の下方には、第1選択部602及び第2選択部603での設定事項を決定するためのOKボタン611と、この設定事項をキャンセルするためのキャンセルボタン612とが配置されている。
【0052】
図9は、変換情報変更処理の流れを示す模式図である。ユーザは、キーボード202やポインティングデバイス203を操作して変換情報変更プログラム154を起動する。起動により、CPU206は、ディスプレイ204に、編集画面601(図8参照)を表示する(ステップS301)。ユーザは、この編集画面601を見ながらキーボード202やポインティングデバイス203から操作入力を行って、変換情報テーブル153の内容を編集する。
【0053】
続いて、CPU206は、この編集画面601に含まれる第1選択部602の文字サイズ選択肢604に変換情報テーブル153(図4参照)内の文字サイズ値158を、書体選択肢605に変換情報テーブル153内の書体コード157を、それぞれ選択できるようにプルダウンメニュー形式で表示する(ステップS302)。ユーザは、このステップS302によって表示された文字サイズ選択肢604及び書体選択肢605、さらには、既に変更後サイズ選択肢606に表示されている表示後の文字サイズの選択肢の中から、キーボード202及びポインティングデバイス203を用いて所望の値を指定入力することができる。
【0054】
続いて、CPU206は、次に述べるステップS303及びステップS305の判定の間で処理をループする。
【0055】
CPU206は、ステップS303として、文字サイズ選択肢604での変更前の文字サイズの指定、及び、変更後サイズ選択肢606での変更後の文字サイズの指定の両方がなされたか否かを判定する(ステップS303)。この両方の指定がなされた場合にのみ(ステップS303のY)、CPU206は、印字イメージ表示部608に、プレビュー文字609として書体選択肢605で指定された書体かつ変更後サイズ選択肢606で指定された変更後の文字サイズで印字がなされた場合の文字を、枠線610として文字サイズ選択肢604で指定された変更前の文字サイズ相当の大きさの枠線を、それぞれ表示する(ステップS304)。なお、本実施の形態では、ステップS304の処理の前提として、書体選択肢605で書体が指定されていなくてもよく、この場合にはCPU206は、ステップS304で予め定められた書体でプレビュー文字609を印字イメージ表示部608の内部に表示する。
【0056】
また、CPU206は、ステップS305として、OKボタン611が指定されたか否かを判定する(ステップS305)。OKボタン611が指定されていない間は、CPU206は、処理をステップS303に戻す(ステップS305のN)。これに対し、OKボタン611が指定されたと判定した場合(ステップS305のY)、CPU206は、ステップS303〜ステップS305の処理のループを脱し、変換情報テーブル153(図4参照)を書き換える処理を行い(ステップS306)、一連の処理を終了する。より詳細には、CPU206は、ステップS306において、変換情報テーブル153から、書体選択肢605で指定された書体と文字サイズ選択肢604で指定された変更前の文字サイズとの組合せに対応する書体コード157と文字サイズ値158との組合せを検索し、この組合せに対応する変換後サイズ値159として、変更後サイズ選択肢606で指定された変更後の文字サイズを書き込む。変更後サイズ選択肢606で「少し小さい」の選択肢が選択された場合、変換後サイズ値159には、情報処理装置201に接続されているプリンタで指定可能な倍率であってその時点で変換後サイズ値159に指定されている指定値より一段階小さい値が書き込まれる。変更後サイズ選択肢606で「推奨値」の選択肢が選択された場合、変換後サイズ値159には、情報処理装置201に接続されているプリンタで指定可能な倍率であって文字サイズ値158で予め定められている規定値が書き込まれる。変更後サイズ選択肢606で「少し大きい」の選択肢が選択された場合、変換後サイズ値159には、指定可能な倍率であってその時点で変換後サイズ値159に指定されている指定値より一段階小さい値が書き込まれる。また、CPU206は、書体選択肢605で書体が指定されていない状態でステップS306の処理を行う場合、全ての書体コード157について、文字サイズ選択肢604で指定された変更前の文字サイズを文字サイズ値158から検索し、これらの文字サイズ値158に対応する全ての変換後サイズ値159について、変更後サイズ選択肢606で指定された変更後の文字サイズを書き込む。
【0057】
上記のような処理を実現させる変換情報変更プログラム154がインストールされた本実施の形態の情報処理装置201を用い、ユーザは、まず、第1プリンタ301用に予め作成しハードディスク205に記憶保存しておいた印字用情報400を印字解像度が異なる第2プリンタ302に印字させ、その実際の印字結果を確認する。そして、ユーザは、第2プリンタ302から発行された印字出力物304を見て、印字用情報400に含まれる印字用文字列情報401で設定したパラメータ通りに印字がなされているか否かを判断する。ここで、設定したパラメータ通りに印字がなされていないと判断した場合、ユーザは、情報処理装置201を操作して変換情報変更プログラム154を起動し、変換情報テーブル153に格納されている変換後サイズ値159の値を、編集画面601を見ながら変更することができる。従って、本実施の形態では、第1プリンタ301用に作成された印字用情報400を第2プリンタ302に印字させた場合であっても、個々のユーザにとって、最適な印字結果を得られるようにすることができる。
【0058】
図10(a)は、変換情報変更プログラム154による変更前の印字出力物304の一例を示す模式図である。図10(b)は、変換情報変更プログラム154による変更後の印字出力物304の一例を示す模式図である。本実施の形態の変換情報変更プログラム154による第2プリンタ302からの印字出力物304の印字結果の変化を、以下に説明する。まず、ハードディスク205には、印字用文字列情報401による印字結果である文字列が、印字用紙501に予め描かれている枠線505にちょうど収まるように作成された印字用情報400が格納されているとする。そして、この印字用情報400を、第2プリンタ302に用いて印字出力物304を発行させた場合に、その印字結果である文字列504が、図10(a)のように、枠線505に重なって印字されてしまっているとする。この場合、ユーザは、変換情報変更プログラム154を起動して、この印字用文字列情報401において文字サイズ指定部405で指定されている指定値を編集画面601(図8参照)の文字サイズ選択肢604から選択し、文字列504と枠線505とが重ならないように、変更後サイズ選択肢606で「少し小さめ」を選択し、OKボタン611を指定する。その結果、変換情報変更プログラム154の内容は書き換わる。その後、ユーザが再びこの印字用情報400を第2プリンタ302に用いた場合の印字結果が、図10(b)に示す印字出力物304である。つまり、同じ印字用情報400を用いて印字を行ったにもかかわらず、文字列504は、枠線505に収まる大きさに印字される。ユーザは、この印字された図10(b)に示す印字用紙501の印字結果を再度確認し、この印字結果が最適ではないと考える場合には、再び情報処理装置201を操作して変換情報変更プログラム154を起動し、変換情報テーブル153の内容を変更する。
【0059】
次いで、本発明の別の実施の一形態(第二の実施の形態)について、図11ないし図14に基づいて説明する。この場合、前述した第一の実施の形態と同じ部分には同じ符号を用い、説明を省略する。
【0060】
図11は、変換情報テーブル153のデータ構造を示す模式図である。本実施の形態の変換情報テーブル153は、書体コード157、文字サイズ値158、変換後サイズ値159のみならず、変換後書体情報としての変換後書体コード160を格納する構造を有しており、プリンタ製造元から提供される段階で、この変換後書体コード160にも、図11に示すように既に値が格納されている。ここで、書体コードBの書体が最も太く、書体コードAの書体、書体コードCの書体の順に細くなるものとする。
【0061】
図12は、変換情報変更処理においてディスプレイ204に表示される編集画面601の一例を示す模式図である。本実施の形態の情報処理装置201では、変換情報変更プログラム154の記述によって、編集画面601として、図12に示すような表示がなされ、その状態で変換情報変更処理(図13参照)が実行される。本実施の形態の編集画面601では、第2選択部603に、変更後サイズ選択肢606だけでなく、変換後の書体を指定するための変換後書体選択肢613も含まれる。変更後サイズ選択肢606は、書体選択肢605で指定された書体を変更しない「書体を変更しない」と示された第一選択肢614a、書体選択肢605で指定された書体をサブ変換後書体選択肢614c(次に述べる)で指定した書体に変更するための「別の書体に変更」と示された第二選択肢614bと、書体選択肢605と同じ書体リストを選択させるためのサブ変換後書体選択肢614cから構成される。
【0062】
図13は、変換情報変更処理の流れを示す模式図である。本実施の形態の変換情報変更プログラム154は、情報処理装置201に、作成済の印字用情報400での印字用文字列情報401に含まれる文字サイズ指定部405の指定値だけでなく、書体指定部406の指定値も所望の値となるように、変換情報テーブル153の内容を変更するユーザの作業を支援する機能を実現させるプログラムである。
【0063】
本実施の形態において、CPU206は、ステップS303として、文字サイズ選択肢604での変更前の文字サイズの指定、書体選択肢605での変更前の書体の指定、変更後サイズ選択肢606での変更後の文字サイズの指定、及び、変換後書体選択肢613での変更後の書体の指定のいずれもが指定されたか否かを判定する(ステップS303)。つまり、本実施の形態では、第一の実施の形態と異なり、書体選択肢605で書体が指定されることを前提とする。
【0064】
そして、CPU206は、ステップS306として、変換情報テーブル153から、書体選択肢605で指定された書体と文字サイズ選択肢604で指定された変更前の文字サイズとの組合せに対応する書体コード157と文字サイズ値158との組合せを検索し、この組合せに対応する変換後サイズ値159として変更後サイズ選択肢606で指定された変更後の文字サイズを書き込み、さらに、この組合せに対応する変換後書体コード160として変換後書体選択肢613で指定された変更後の書体も書き込む。
【0065】
上記のような処理を実現させる変換情報変更プログラム154がインストールされた本実施の形態の情報処理装置201を用いても、ユーザは、情報処理装置201を操作して変換情報変更プログラム154を起動し、変換情報テーブル153に格納されている変換後サイズ値159の値を、編集画面601を見ながら変更することができる。さらに、本実施の形態では、ユーザは、変換情報テーブル153に格納されている変換後書体コード160の値も変更することができ、第1プリンタ301用に作成された印字用情報400を第2プリンタ302に印字させた場合に、より一層、個々のユーザにとって、最適な印字結果を得られるようにすることができる。
【0066】
図14(a)は、変換情報変更プログラム154による変更前の印字出力物304の一例を示す模式図である。図14(b)は、変換情報変更プログラム154による変更後の印字出力物304の一例を示す模式図である。本実施の形態の変換情報変更プログラム154による第2プリンタ302からの印字出力物304の印字結果の変化を、以下に説明する。まず、ハードディスク205には、印字用文字列情報401による印字結果である文字列が、書体Aであって、印字用紙501に予め描かれている枠線505にちょうど収まるように作成された印字用情報400が格納されているとする。そして、この印字用情報400を、第2プリンタ302に用いて印字出力物304を発行させた場合に、その印字結果である文字列504が、図14(a)のように、枠線505よりも小さく印字されてしまっているとする。この場合、ユーザは、変換情報変更プログラム154を起動して、この印字用文字列情報401において文字サイズ指定部405で指定されている指定値を編集画面601(図12参照)の文字サイズ選択肢604から、書体指定部406で指定されている指定値を書体選択肢605からそれぞれ選択し、変更後サイズ選択肢606で「推奨値」を選択し、変換後書体選択肢613にて「別の書体に変更」を選択してさらにサブ変換後書体選択肢614cにて「書体コードA」を選択して、OKボタン611を指定する。その結果、変換情報変更プログラム154の内容は書き換わる。その後、ユーザが再びこの印字用情報400を第2プリンタ302に用いた場合の印字結果が、図14(b)に示す印字出力物304である。つまり、同じ印字用情報400を用いて印字を行ったにもかかわらず、文字列504は書体Aよりも太い書体Bで印字され、文字列504が枠線505に収まっているように印字用紙501に印字を行うことができる。ユーザは、この印字された図14(b)に示す印字用紙501の印字結果を再度確認し、この印字結果が最適ではないと考える場合には、再び情報処理装置201を操作して変換情報変更プログラム154を起動し、変換情報テーブル153の内容を変更する。
【符号の説明】
【0067】
152…変換プログラム、153…変換情報テーブル(変換情報記憶部)、157…書体コード(文字書体情報)、158…文字サイズ値(文字サイズ情報)、159…変換後サイズ値(変換後サイズ情報)、160…変換後書体コード(変換後書体情報)、201…情報処理装置、202…キーボード(操作入力部)、203…ポインティングデバイス(操作入力部)、204…ディスプレイ(表示部)、209…情報処理部、301…第1プリンタ、302…第2プリンタ、401…印字用文字列情報、602…第1選択部、603…第2選択部、608…印字イメージ表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示を行う表示部と、
操作入力をするための操作入力部と、
文字サイズ情報と変換後サイズ情報とを対応付けて記憶する変換情報記憶部と、
前記操作入力部からの操作入力に応じて文字サイズ情報を含む印字用文字列情報を生成する処理と、前記変換情報記憶部から前記印字用文字列情報に含まれる文字サイズ情報に対応する変換後サイズ情報を取得してこの印字用文字列情報に適用する処理と、印字用文字列情報に基づく印字を行うプリンタに対して前記変換後サイズ情報を適用した印字用文字列情報を送信する処理と、文字サイズ情報を指定するための第1選択部と変換後サイズ情報を指定するための第2選択部とを前記表示部に表示させる処理と、前記変換情報記憶部に、前記第1選択部で指定された文字サイズ情報と前記第2選択部で指定された変換後サイズ情報とを対応付けて記憶する処理と、を実行する情報処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理部は、
前記生成した印字用文字列情報に基づく印字イメージを前記表示部に表示させる処理と、
前記第1選択部で文字サイズ情報が指定され、かつ、前記第2選択部で変換後サイズ情報が指定された場合に、前記印字イメージに含まれる前記指定された文字サイズ情報を前記指定された変換後サイズ情報に代えた印字イメージを前記表示部に表示させる処理と、
を実行する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
表示を行う表示部と、
操作入力をするための操作入力部と、
文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せと変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せとを対応付けて記憶する変換情報記憶部と、
前記操作入力部からの操作入力に応じて文字サイズ情報及び文字書体情報を含む印字用文字列情報を生成する処理と、前記変換情報記憶部から前記印字用文字列情報に含まれる文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せに対応する変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せを取得してこの印字用文字列情報に適用する処理と、印字用文字列情報に基づく印字を行うプリンタに対して前記変換後サイズ情報及び前記変換後書体情報を適用した印字用文字列情報を送信する処理と、文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せを指定するための第1選択部と変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せを指定するための第2選択部とを前記表示部に表示させる処理と、前記変換情報記憶部に、前記第1選択部で指定された文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せと前記第2選択部で指定された変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せとを対応付けて記憶する処理と、を実行する情報処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理部は、
前記生成した印字用文字列情報に基づく印字イメージを前記表示部に表示させる処理と、
前記第1選択部で文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せが指定され、かつ、前記第2選択部で変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せが指定された場合に、前記印字イメージに含まれる前記指定された文字サイズ情報及び文字書体情報を前記指定された変換後サイズ情報及び変換後書体情報に代えた印字イメージを前記表示部に表示させる処理と、
を実行する、請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
表示を行う表示部と、操作入力をするための操作入力部と、を備え、文字サイズ情報と変換後サイズ情報とを対応付けて記憶する変換情報記憶部にアクセス可能で、前記変換情報記憶部から前記印字用文字列情報に含まれる文字サイズ情報に対応する変換後サイズ情報を取得してこの印字用文字列情報に適用し、この印字用文字列情報をプリンタに送信する情報処理装置のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータに、
文字サイズ情報を指定するための第1選択部と変換後サイズ情報を指定するための第2選択部とを前記表示部に表示させる機能と、
前記変換情報記憶部に、前記第1選択部で指定された文字サイズ情報と前記第2選択部で指定された変換後サイズ情報とを対応付けて記憶する機能と、
を実現させる変換情報変更プログラム。
【請求項6】
表示を行う表示部と、操作入力をするための操作入力部と、を備え、文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せと変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せとを対応付けて記憶する変換情報記憶部にアクセス可能で、前記変換情報記憶部から前記印字用文字列情報に含まれる文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せに対応する変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せを取得してこの印字用文字列情報に適用し、この印字用文字列情報をプリンタに送信する情報処理装置のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータに、
文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せを指定するための第1選択部と変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せを指定するための第2選択部とを前記表示部に表示させる機能と、
前記変換情報記憶部に、前記第1選択部で指定された文字サイズ情報及び文字書体情報の組合せと前記第2選択部で指定された変換後サイズ情報及び変換後書体情報の組合せとを対応付けて記憶する機能と、
を実現させる変換情報変更プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−204856(P2010−204856A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48469(P2009−48469)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】