説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】コメントに対して機能制限を付加し、実際に機能の利用を制限した上でその内容をコメント表示により通知することの出来る情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、当該情報処理装置の機能を実行させるためのボタンを表示させる表示制御部116と、ユーザの操作に応じて入力された上記機能の設定に関するコメントを設定するコメント設定部106と、上記コメントに対して上記機能の制限情報を設定する機能制限設定部110と、上記制限情報に従って実行する機能を制御する実行機能制御部114と、を有し、上記表示制御部116は、上記制限情報に従って上記コメントを表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関し、特に、機能の設定に関するコメントに対して機能制限を設定することの出来る情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザによって共有して用いられる装置は、その利用時にどのような設定により用いるかについては基本的に個々のユーザに委ねられている。しかし、装置の管理者が個々の利用者の利用する機能設定に対して注意を喚起したいという要望がある。
【0003】
例えば、あるオフィスにおいてコピー及びプリンタの機能を有する複合機が複数のユーザによって共用されているとする。複合機の機能設定において、例えば、カラー設定を用いること、及び、濃度を濃く設定することは、トナーにかかるコストを増大させる。また、両面印刷に設定すること、集約機能を利用することは、用紙のコストを削減することに寄与する。複合機の利用が多くなればなるほど、トナー及び用紙にかかるコストは増大する。このため、複合機の管理者は、コストを低減することが可能な設定を個々のユーザに推奨したいと考えられる。
【0004】
ここで、例えば、特許文献1には、機能を実行させるための機能ボタンに対応付けられたコメントを表示することが出来る操作支援システムが開示されている。かかる技術を用いれば、機能ボタンを用いる際の注意事項をコメントとして表示し、ユーザに注意を促すことが出来るようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−35921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術を適用したとしても、単にコメントを表示してユーザに注意を促すのみであって、実際に機能を制限することは出来ないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、コメントに対して機能制限を付加し、実際に機能の利用を制限した上でその内容をコメント表示により通知することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、情報処理装置の機能を実行させるためのボタンを表示させる表示制御部と、ユーザの操作に応じて入力された上記機能の設定に関するコメントを設定するコメント設定部と、上記コメントに対して上記機能の制限情報を設定する機能制限設定部と、上記制限情報に従って実行する機能を制御する実行機能制御部と、を有し、上記表示制御部は、上記制限情報に従って上記コメントを表示させることを特徴とする、情報処理装置が提供される。
【0009】
かかる構成によれば、管理者は、ユーザに対して通知したい機能の設定に関するコメントを設定することが出来、さらにコメントと関連した機能設定の制限に関する情報を、設定されたコメントに対して設定することが出来るようになる。そして、情報処理装置は、設定された制限情報に従って実行する機能を制御し、さらに制限情報に従って、設定されたコメントを表示する。このため、管理者は、コメントによりユーザに対して機能設定に関する注意を促すのみならず、実際にコメントに応じた機能の制限を加えることが出来るようになる。
【0010】
上記コメントを分析し、上記コメントに設定する上記機能の制限情報を決定するための情報である分析結果を出力するコメント分析部をさらに有し、上記機能制限設定部は、上記分析結果に従って上記機能の制限情報を設定してもよい。
【0011】
上記ユーザの操作が上記制限情報に違反しているか否かを判定する判定部をさらに有し、上記表示制御部は、上記判定部の判定結果に応じて、操作中の機能が対応付けられた上記コメントを表示させてもよい。
【0012】
また、上記表示制御部は、上記ユーザが上記機能の設定を行うことなく機能を実行するための操作をした場合に上記制限情報に従って上記コメントを表示させると共に上記機能の設定を変更するためのボタンを表示させ、上記実行機能制御部は、上記ユーザが上記機能の設定を変更するためのボタンを押下した場合には上記制限情報に従って設定を変更してもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、機能の設定に関するコメントをユーザの操作に応じて設定するコメント設定ステップと、上記コメントに対して上記機能の制限情報を設定する機能制限設定ステップと、上記制限情報に従って実行する機能を制御する実行機能制御ステップと、上記制限情報に従って上記コメントを表示させるコメント表示ステップと、を含む情報処理方法が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、情報処理装置の機能を実行させるためのボタンを表示させる表示制御部と、ユーザの操作に応じて入力された上記機能の設定に関するコメントを設定するコメント設定部と、上記コメントに対して上記機能の制限情報を設定する機能制限設定部と、上記制限情報に従って実行する機能を制御する実行機能制御部と、を有し、上記表示制御部は、上記制限情報に従って上記コメントを表示させることを特徴とする、情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、コメントに対して機能制限を付加し、実際に機能の利用を制限した上でその内容をコメント表示により通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【図2】同実施形態に係る情報処理装置の機能制限設定の流れの一例を示すフローチャートである。
【図3】同実施形態に係るコメント作成画面の一例を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る機能制限設定確認画面の一例を示す説明図である。
【図5】同実施形態に係る機能制限設定画面の一例を示す説明図である。
【図6】同実施形態に係る機能制限変更画面の一例を示す説明図である。
【図7】同実施形態に係る情報処理装置の機能利用の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態に係るカラー設定画面の一例を示す説明図である。
【図9】同実施形態に係る利用不可設定時のコメント表示例を示す説明図である。
【図10】同実施形態に係る推奨設定時のコメント表示例を示す説明図である。
【図11】同実施形態に係る機能制限違反時のコメント表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
<機能構成>
まず、図1を用いて本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能構成について説明をする。図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。尚、以下の説明においては、例として情報処理装置が例えばコピー及びプリンタの機能を有する複合機であるものとして説明をする。
【0019】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置100は、入力部102、出力部104、コメント設定部106、コメント分析部108、機能制限設定部110、判定部112、実行機能制御部114、表示制御部116、コメント記憶部118、及び制限情報記憶部120を主に有する。
【0020】
入力部102は、ユーザが情報処理装置100に情報を入力する機能を有する。タッチパネルから構成されユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成しCPUなどからなる制御部に出力する入力制御回路から主に構成されている。本実施形態においては入力手段がタッチパネルから構成されることとしたが、これに限られない。例えば、入力手段は、マウス、キーボード、ボタン、マイク、スイッチ、及びレバーなど様々な入力装置から構成されてよい。あるいは、入力部102は、単に入力手段と接続するためのインタフェースから構成されてもよい。
【0021】
出力部104は、ユーザに対して情報を出力する機能を有する。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、及びランプなどの表示装置から構成されてもよい。本実施形態においては、出力部104は、入力部102としてのタッチパネルが積層された表示装置から構成される。
【0022】
コメント設定部106は、出力部104においてユーザに対して表示させるためのコメントを設定する機能を有する。コメント設定部106は、入力部102を介してユーザが入力したコメントを出力部104において表示するためのコメントとして設定し、コメント記憶部118に記憶する機能を有する。
【0023】
コメント分析部108は、コメント設定部106において設定されたコメントを分析する機能を有する。コメント分析部108は、コメントを分析し、分析したコメントにどのような機能の制限情報を設定するかについて決定するための分析情報を機能制限設定部110に出力する。
【0024】
機能制限設定部110は、コメント設定部106において設定されたコメントに対して情報処理装置の機能を制限するための制限情報を設定する機能を有する。機能制限設定部110は、コメント分析部108から入力された分析結果に基づいて制限情報を設定してもよい。あるいは、機能制限設定部110は、入力部102からのユーザの入力情報に基づいて制限情報を設定してもよい。機能制限設定部110は、設定した制限情報を制限情報記憶部120に記憶する。ここで、制限情報としては、機能に対して「利用可」、「利用不可」、「推奨設定」の制限に関する情報を付加するものであってもよい。或いは、機能制限設定部110は、ユーザが機能制限を設定しないと選択した場合には、コメント表示条件をコメントに対して設定してもよい。コメント表示条件の設定については後述する。
【0025】
判定部112は、ユーザの操作が制限情報に違反しているか否かを判定する機能を有する。判定部112は、入力部102を介して入力されたユーザの操作情報及び制限情報記憶部120に記憶された制限情報に基づいてユーザの操作が制限情報に違反しているか否かを判定し、判定結果を出力する。
【0026】
実行機能制御部114は、制限情報記憶部120に記憶された制限情報に基づいて実行する機能を制御すると共に、判定部112の判定結果に基づいて実行する機能を制御する。具体的には、実行機能制御部114は、制限情報において、利用不可と設定された機能に関しては、利用することが出来ないように情報処理装置100内部の設定を変更する。例えば、カラーコピー機能に対して「利用不可」に設定されている場合には、実行機能制御部114は、カラーコピー機能を利用不可な状態に情報処理装置100内部の設定を変更するとともに、カラーコピー機能を選択不可能な形式で表示するよう表示制御部116に指示してもよい。
【0027】
表示制御部116は、出力部104が出力する画面の表示を制御する機能を有する。例えば、表示制御部116は、情報処理装置100の機能を操作するための操作画面を表示させる。さらに、表示制御部116は、制限情報記憶部120に記憶された制限情報に従ってコメント記憶部118に記憶されたコメントを画面上に表示する機能を有する。
【0028】
コメント記憶部118は、入力部102によって入力されたコメントを記憶保持する機能を有する。コメント記憶部118は、データ格納用の装置から構成され、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読み出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことが出来る。
【0029】
制限情報記憶部120は、機能制限設定部110において設定された制限情報を記憶保持する機能を有する。制限情報記憶部120は、データ格納用の装置から構成され、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読み出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことが出来る。
【0030】
また、コメント記憶部118及び制限情報記憶部120は、同一の記憶装置から構成されてもよく、または、別途の記憶装置から構成されてもよい。ここで、記憶媒体としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。
【0031】
<機能制限設定例>
次に、図2〜図6を用いて、本実施形態に係る情報処理装置100の機能制限設定の流れについて説明する。図2は、情報処理装置100の機能制限設定の流れの一例を示すフローチャートである。図3は、コメント作成画面の一例を示す説明図である。図4は、機能制限設定確認画面の一例を示す説明図である。図5は、機能制限設定画面の一例を示す説明図である。図6は、機能制限変更画面の一例を示す説明図である。
【0032】
まず管理者が入力部102を用いて管理者モードに切替える操作を行うと、当該操作に応じて情報処理装置は管理者モードに切り替える(S102)。例えば、表示制御部116は、管理者用の管理画面を表示させる。ここで、管理画面とは一般ユーザが利用することの出来ない画面であり、情報処理装置100の設定など、管理者など一部のユーザのみが操作することの出来るメニューを表示した画面である。
【0033】
そして、管理画面の表示に対して、管理者がコメント設定メニューを選択し(S104)、モードを選択する(S106)と、表示制御部116は、コメント設定画面を表示させる。ここで、モードとは、例えば、コピーモード、プリンタモード、スキャナモード、ファックスモードなどのことを言い、機能の分類に合わせた形態である。ここではコピーモードを選択した場合について考える。図3にコメント作成画面の一例を示す。コメント作成画面は、設定するコメントを入力するための画面であり、コメント入力領域302、仮名文字などを入力するためのソフトボタン領域304、保存ボタン306、取消ボタン308を主に有する。例えば、管理者は、ソフトボタン領域304を用いることによって、「コピーはできるだけモノクロ・両面・集約でお願いします。」というコメントを設定することが出来る(S108)。このとき、コメント設定部106は、入力部102(ここではソフトボタン領域302)を用いて入力されたコメントを取得してコメント記憶部118に記憶させる。
【0034】
ここで、管理者がコメント作成画面300の保存ボタン306を押下すると、コメント分析部が、ステップS108において設定されたコメントの分析を実行する(S110)。ここで、コメントの分析には、例えば、形態素解析、構文解析などが用いられてもよい。ステップS110のコメント分析の具体的な例としては、例えば、「コピーはできるだけモノクロ・両面・集約でお願いします。」というコメントを分析する場合には、形態素解析により「モノクロ」、「両面」、「集約」という単語を切り出し、図示していない辞書とのマッチングにより機能に関する単語として特定する。そして、「できるだけ」という副詞、または、「お願いします」という述語から、コメントが推奨を意味しているものと解釈される。また、例えば他の例として、コメントが「コピーは必ずモノクロとして下さい。」であった場合には、上記の例と同様に形態素解析を行い「モノクロ」という単語を切り出し、辞書とのマッチングから「モノクロ」という単語を機能に関する単語として特定する。そして、「必ず」という副詞又は「して下さい」という述語から、コメントがカラー設定についてモノクロ以外は利用不可を意味していると解釈してもよい。
【0035】
そして、表示制御部116は、図4に示す機能制限設定確認表示402を表示させる。機能制限設定確認表示402中の選択ボタン「はい」404、「いいえ」406のいずれかを押下することによって、管理者は、設定したコメントに機能制限を設定するか否かを選択することが出来る(S112)。
【0036】
ステップS112の選択において、管理者が「はい」404を選択すると、機能制限設定部110は、ステップS110において実行されたコメントの分析結果に従って、コメントに機能制限を設定する(S114)。ここでは、機能制限設定部110は、入力されたコメント「コピーはできるだけモノクロ・両面・集約でお願いします。」の解析結果に従って、「カラー設定」を「モノクロ推奨」に設定し、「ページ設定」を「両面設定推奨」、「集約設定推奨」に設定する。
【0037】
例えば、ステップS114における自動設定の結果は、図5に示す機能制限の設定画面に表示することによって管理者に内容を通知してもよい。機能制限の設定画面は、例えば、自動設定内容502、変更ボタン504、保存ボタン506、取消ボタン508を主に含む。自動設定内容502は、ステップS114における自動設定の内容を表示する領域であり、変更ボタン504は、それぞれの項目の内容を変更するためのボタンである。保存ボタン506は、その時点における設定内容を保存するためのボタンであり、取消ボタン508は、設定内容を取消すためのボタンである。
【0038】
例えば、自動設定された内容に対して変更を加えたい場合には、変更ボタン504を押下することによって図6に示す機能制限の変更画面600に遷移するようにしてもよい。機能制限の変更画面600は、設定変更領域602、保存ボタン604、取消ボタン606を主に含む。ここでは、機能制限設定部110が自動設定により「モノクロ推奨」と設定し、カラー設定は初期値として「利用可」が設定されているとする。管理者は、カラーコピーを絶対に利用させたくない場合には、この画面においてカラーの「利用不可」設定に変更すればよい。
【0039】
管理者は、機能制限の変更画面600において、所望の設定に変更をすると、保存ボタン604を押下して図5の機能制限の設定画面500に戻る。ここで、管理者が保存ボタン506を押下すると、機能制限設定部110は、制限情報記憶部120に設定された制限情報を記憶する。
【0040】
一方、ステップS112において、管理者がコメントに対して制限を設定しないことを選択した場合には、機能制限設定部110は、コメント分析結果に基づいて、コメント表示条件を設定する(S116)。ここで、コメント表示条件は、コメントがどの機能と関連しているかに基づいて定められ、ステップS114における機能制限の設定とは異なり、機能の利用に関して制限は加えず、ユーザに対してコメントを表示して注意を促すためのコメントを表示する条件である。例えば、機能制限設定部110は、機能制限の場合と同様にコメントと関連する機能を選択してもよい。ただし、機能制限設定部110は、コメント表示条件を機能制限とは区別した形で制限情報記憶部に記録する必要がある。
【0041】
<動作例>
次に、図7〜図11を用いて、本実施形態に係る情報処理装置100のユーザ操作時の動作例について説明をする。図7は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能利用の流れの一例を示すフローチャートである。図8は、同実施形態に係るカラー設定画面の一例を示す説明図である。図9は、同実施形態に係る利用不可設定時のコメント表示例を示す説明図である。図10は、同実施形態に係る推奨設定時のコメント表示例を示す説明図である。図11は、同実施形態に係る機能制限違反時のコメント表示例を示す説明図である。
【0042】
図7を参照すると、まず、ユーザは、利用者モードの機能を利用する場合には利用者モードに切替える。ユーザが操作を開始した時点において、既に利用者モードに設定されている場合には、ステップS202の処理は省略される。
【0043】
そして、表示制御部116は、前述の機能制限設定例において設定された制限情報に基づいて表示を制御する。ここで、制限情報に基づいた表示の例を図8に示す。図8に示すカラー設定画面800は、カラー設定ボタン802、モノクロ設定ボタン804、確定ボタン806、取消ボタン808を主に含む。このとき、カラー設定ボタン802は、制限情報中のカラー設定利用不可情報に基づいて、選択されない形式で表示される。例えば、カラー設定ボタン802は、選択することが出来ないことをユーザが分かるように、グレーアウトされた状態で表示されてもよい。
【0044】
このように、制限情報が反映された操作画面に対してユーザは操作を行う。そして、ユーザが操作を行った場合に、入力部102は、ユーザの操作した入力情報を取得する(S206)。
【0045】
そして、判定部112は、ステップS206において取得された入力情報に基づいて、ユーザが動作しようとしている設定が制限違反の設定であるか否かを判定する(S208)。かかる判定において、制限違反の設定であると判定された場合には、表示制御部116は、入力情報及び制限情報に基づいてコメントを表示する。
【0046】
かかるコメント表示の一例が図9〜図11に示される。図9は、図8を用いて上述したカラー設定画面800において、ユーザがカラー設定ボタン802を押下しようとした場合のコメント902の表示例である。ユーザが、選択することが出来ないように設定されたカラー設定ボタン802を押下しようとした場合に、表示制御部116は、ボタン表示に重ねて「コピーはできるだけモノクロ・両面・集約でお願いします。」という予めコメント記憶部118に記憶されたコメントを表示させる。
【0047】
また、カラー設定機能が「モノクロ推奨」であって「カラー利用可」に設定されている場合には、図10に示したように、カラー設定機能ボタン1002を押下したときに、同様に表示制御部116は、「コピーはできるだけモノクロ・両面・集約でお願いします。」という予めコメント記憶部118に記憶されたコメントを表示させる。
【0048】
図10においては、カラー設定画面の例について示したが、本実施形態において制限情報はカラー設定、両面設定、集約設定についてそれぞれ設定されているため、両面設定画面、集約設定画面においても同様にコメントが表示される。ここで、本実施形態においては、1つのコメントに対して3つの機能が対応付けられている。ここで3つの機能は、1つのコメントを分析した結果コメントに対応づけられた機能、又は、1つのコメントに対してユーザが関連すると判断して選択された機能である。即ち、コメントは、対応付けられた機能の設定に関する情報を含んでいるはずである。そのため、本実施形態においては、ユーザは、例えば、カラー設定画面上での操作を行っている際にコメントが表示されると、同時に両面設定及び集約設定が推奨されていることを知ることが出来る可能性が高い。もちろん、本実施形態に係る情報処理装置を用いて1つの機能に1つの機能に対するコメントを対応付けることも出来る。しかし、この場合には、ユーザは情報処理装置100全体としてどのような推奨設定がなされているかを知ることが出来ず、制限違反の操作を行う度に新たな注意を受けるため、コメントの表示がユーザにとってストレスに感じられる恐れがある。
【0049】
その他にも、ユーザが何の設定も行わずにスタートボタンを押下する場合も考えられる。コメントに対して機能制限が設定されている場合には、コメントから推奨されると考えられる、または強制的に設定される機能設定内容を満たす設定が初期設定されている。ところが、コメント表示条件を設定しただけで機能制限を付与していない場合には、コメントの内容を満たす設定となっていない場合がある。そこで、この場合には、図11に示したコメント表示画面1102が表示され、コメントと共に「そのまま印刷する」ボタン1104、及び「やり直す」ボタン1106が表示されてもよい。コメント表示画面1102において、ユーザは、コメントの内容を確認してもなおそのままの設定でコピーを実行したい場合には、「そのまま印刷する」ボタン1104を押下することによってそのままの設定でコピーを実行することが出来る。また、コメントの内容を確認して設定を変更したい場合には、ユーザは、「やり直す」ボタン1106を押下することによって、設定を変更することが出来る。このとき、例えば、「やり直す」ボタン1106を押下すると、自動で推奨設定が設定されるように構成してもよい。
【0050】
<効果の例>
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置によれば、管理者が利用者に推奨したい設定内容をコメントにより通知するだけではなく、実際に機能制限を加えることが出来るようになる。また、管理者がコメントを設定すると、設定されたコメントを分析して、コメントに対応づけることが好ましいと思われる機能を機能制限設定部が選択して設定されたコメントに対応付ける。このため、管理者は、コメントを設定するだけで、制限を付加したい機能をひとつひとつ選択することなく、コメントと機能とを対応付けることが出来るようになる。これは、機能制限設定動作における画面遷移数を大幅に削減し、管理者の作業量を削減する効果が望める。
【0051】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0052】
例えば、上記実施形態では、1つのコメントに対して3つの機能を対応づけることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、1つのコメントに対して1つ、2つ、又は4以上の機能を対応づけてもよい。或いは、複数のコメントが1つの機能に対応づけられてもよい。
【0053】
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0054】
100 情報処理装置
102 入力部
104 出力部
106 コメント設定部
108 コメント分析部
110 機能制限設定部
112 判定部
114 実行機能制御部
116 表示制御部
118 コメント記憶部
120 制限情報記憶部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の機能を実行させるためのボタンを表示させる表示制御部と、
ユーザの操作に応じて入力された前記機能の設定に関するコメントを設定するコメント設定部と、
前記コメントに対して前記機能の制限情報を設定する機能制限設定部と、
前記制限情報に従って実行する機能を制御する実行機能制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記制限情報に従って前記コメントを表示させることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記コメントを分析し、前記コメントに設定する前記機能の制限情報を決定するための情報である分析結果を出力するコメント分析部をさらに備え、
前記機能制限設定部は、前記分析結果に従って前記機能の制限情報を設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザの操作が前記制限情報に違反しているか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記判定部の判定結果に応じて、操作中の機能が対応付けられた前記コメントを表示させることを特徴とする、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記ユーザが前記機能の設定を行うことなく機能を実行するための操作をした場合に前記制限情報に従って前記コメントを表示させると共に前記機能の設定を変更するためのボタンを表示させ、
前記実行機能制御部は、前記ユーザが前記機能の設定を変更するためのボタンを押下した場合には前記制限情報に従って設定を変更する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
機能の設定に関するコメントをユーザの操作に応じて設定するコメント設定ステップと、
前記コメントに対して前記機能の制限情報を設定する機能制限設定ステップと、
前記制限情報に従って実行する機能を制御する実行機能制御ステップと、
前記制限情報に従って前記コメントを表示させるコメント表示ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
情報処理装置の機能を実行させるためのボタンを表示させる表示制御部と、
ユーザの操作に応じて入力された前記機能の設定に関するコメントを設定するコメント設定部と、
前記コメントに対して前記機能の制限情報を設定する機能制限設定部と、
前記制限情報に従って実行する機能を制御する実行機能制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記制限情報に従って前記コメントを表示させることを特徴とする、情報処理装置として機能させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−103526(P2011−103526A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256997(P2009−256997)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】