説明

情報収集システム

【課題】対象者に情報記入シートへの情報の記入をわかりやすくすることができ、かつ、対象者に応じた情報を確実に収集する。
【解決手段】解答を記入するための解答記入領域が設けられた解答シートを用いて解答を収集、採点するものであって、解答記入領域単体のレイアウトが、解答記入領域毎に個別レイアウト情報として予め決められており、解答シート全体における解答記入領域のレイアウトを個別レイアウト情報を用いて設定するレイアウト設定部22と、レイアウト設定部22にて設定されたレイアウトに基づいて解答シートに解答記入領域を印刷するプリンタと、レイアウトIDが指定された場合、レイアウトIDによって特定されるレイアウトにて設定された解答記入領域に記入された解答を、対応する問題の解答として認識する解答認識部33及び成績管理部34とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記入領域に記入された情報を読み取ることにより情報を収集する情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、問題用紙及び解答用紙が受講者に配布され、受講者から解答用紙が回収されて該解答用紙に対して添削が行われた添削結果が受講者に通知される通信添削システムにおいては、受講者が受講機関等に通わずにその指導を受けることができるため、地理的な制約や時間的な制約によって受講機関に通うことができない受講者にとっては便利なシステムとして利用されている。
【0003】
このような通信添削システムにおいては、オンデマンド印刷と呼ばれる技術を利用することにより、個人を対象とした通信教育の教材について、通信教育の受講者毎のカリキュラムや進捗状況に合わせたテキストを作製し、配送することができる。この場合、通信教育の受講者毎にテキストが作製されることになるが、その方法として、テキストに掲載される印刷データをデータベース化しておき、受講者毎のカリキュラムや進捗状況に基づいて、テキストに掲載される印刷データやそのレイアウト等を検索し、レイアウトに従って紙面上に印刷データを割り振り、印刷処理を行う技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ここで、従来より、記入されたマークが光学式読取装置によって読み取られるOMR(Optical Mark Reader)用シートが様々な分野で用いられている。OMR用シートにおいては、マークを選択的に記入するための印刷が施されており、マークが記入された後、光学式読取装置にて読み取りを行うと、マークを記入するための印刷がドロップアウトし、マークのみが読み取られることになり、それにより、マークの記入による情報を効率的に収集することができる(例えば、特許文献2参照。)。そこで、上述したような通信添削システムにおいても、このOMR用シートを用いることにより、解答の集計を効率的に行うことができるようになる。
【特許文献1】特開2002−46314号公報
【特許文献2】特開2002−203212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようなOMR用シートにおいては、一般的に、収集すべき情報の種類、例えば、上述したような通信添削システムにおいては学年や受講講座毎にそれぞれ一種類のものが用いられているため、同学年の受講者や、同じ受講講座を受講している受講者に対しては、全ての受講者で一律のOMRシートが用いられることになる。
【0006】
そのため、上述した通信添削システムのように通信教育の受講者毎のカリキュラムや進捗状況に合わせたテキストを作製した場合、OMR用シートのマークを記入する領域が受講者毎に異なることとなり、受講者にとって、OMR用シートのどの領域に解答となるマークを記入すればよいかがわかりにくくなってしまうという問題点がある。
【0007】
このような問題点は、OMR用シートを上述したような通信添削システムに用いる場合に限らず、対象者の年齢や性別等に応じて質問事項を変えるアンケートの回答用紙にOMR用シートを用いる場合おいても生じるものであり、また、マークを光学的に読み取るのではなく、記入された情報を光学的に読み取るOCR(Optical Character Reader)用シートを用いて情報を収集する場合においても、一律のOCR用シートが用いられることとなるため同様に生じる問題である。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、情報を収集する対象者毎に異なる情報を収集する場合であっても、対象者に情報記入シートへの情報の記入をわかりやすくすることができ、かつ、対象者に応じた情報を確実に収集することができる情報収集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
収集する情報の種類毎に当該情報を記入するための情報記入領域が設けられた情報記入シートを用い、前記情報記入領域に記入された情報を読み取ることにより情報を収集する情報収集システムであって、
前記情報記入領域単体のレイアウトは、当該情報記入領域毎に個別レイアウト情報として予め決められており、
前記情報記入シート全体における前記情報記入領域のレイアウトを、収集する情報の種類に応じて前記個別レイアウト情報を用いて設定するレイアウト設定手段と、
前記レイアウト設定手段にて設定されたレイアウトに基づいて前記情報記入シートに前記情報記入領域を印刷する印刷手段と、
前記レイアウトを特定可能な識別情報が指定された場合、前記情報記入シートから読み取られた情報の中から、当該識別情報によって特定されるレイアウトにて設定された情報記入領域に記入された情報を、該情報が記入された情報記入領域に対応する種類の情報として認識する情報認識手段とを有する。
【0010】
上記のように構成された本発明においては、収集する情報の種類毎に情報記入領域が設けられた情報記入シートを用いて情報を収集する場合、まず、レイアウト設定手段において、情報記入シート全体における情報記入領域のレイアウトが、収集する情報の種類に応じて設定され、印刷手段において、レイアウト設定手段にて設定されたレイアウトに基づいて情報記入シートに情報記入領域が印刷されるが、情報記入領域単体のレイアウトは、情報記入領域毎に個別レイアウト情報として予め決められており、レイアウト設定手段においては、情報記入シート全体における情報記入領域のレイアウトが、収集する情報の種類に応じて個別レイアウト情報を用いて設定されることになる。そして、情報を収集する対象者が、この情報記入シートの情報記入領域に情報を記入した後、情報記入シートに記入された情報が読み取られると、情報認識手段において、情報記入シートから読み取られた情報の中から、情報記入シートの情報記入領域に記入された情報が認識される。この際、情報認識手段においては、レイアウト設定手段にて設定されたレイアウトを特定可能な識別情報が指定されると、その識別情報によって特定されるレイアウトにて設定された情報記入領域に記入された情報が、その情報が記入された情報記入領域に対応する種類の情報として収集されることになる。
【0011】
このように、収集する情報の種類に応じて、収集する情報を記入するための情報記入領域のレイアウトが設定された情報記入シートが印刷されるので、対象者毎に収集する情報の種類が異なる場合であっても、対象者に応じたレイアウトで情報記入領域が印刷されていることとなり、対象者にとって情報記入シートへの情報の記入がわかりにくくなることがない。そして、情報記入シートの情報記入領域に記入された情報が読み取られた後、指定された識別情報によって特定されるレイアウトにて設定された情報記入領域に記入された情報が、その情報が記入された情報記入領域に対応する種類の情報として認識、収集されるので、対象者に応じたレイアウトで情報記入領域が印刷されていても、対象者に応じた情報を確実に収集することができる。
【0012】
また、レイアウトを特定可能な識別情報を情報記入シートに印刷しておき、情報記入シートから読み取られた情報の中から識別情報を認識し、認識された識別情報によって特定されるレイアウトにて設定された情報記入領域に記入された情報を認識するようにすれば、識別情報を情報記入シートと対応づけて管理しておく必要がなくなる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明においては、収集する情報の種類毎に当該情報を記入するための情報記入領域が設けられた情報記入シートを用い、情報記入領域に記入された情報を読み取ることにより情報を収集する情報収集システムであって、情報記入領域単体のレイアウトが、当該情報記入領域毎に個別レイアウト情報として予め決められており、情報記入シート全体における情報記入領域のレイアウトを、収集する情報の種類に応じて個別レイアウト情報を用いて設定するレイアウト設定手段と、レイアウト設定手段にて設定されたレイアウトに基づいて情報記入シートに情報記入領域を印刷する印刷手段と、レイアウトを特定可能な識別情報が指定された場合、情報記入シートから読み取られた情報の中から、指定された識別情報によって特定されるレイアウトにて設定された情報記入領域に記入された情報を、その情報が記入された情報記入領域に対応する種類の情報として認識する情報認識手段とを有する構成としたため、情報を収集する対象者毎に異なる情報を収集する場合であっても、対象者に情報記入シートへの情報の記入をわかりやすくすることができ、かつ、対象者に応じた情報を確実に収集することができる。
【0014】
また、印刷手段が、識別情報を情報記入シートに印刷し、情報記入シートから読み取られた情報の中から識別情報を認識するID認識手段を有し、情報認識手段が、ID認識手段にて認識された識別情報によって特定されるレイアウトにて設定された情報記入領域に記入された情報を認識する構成としたものにおいては、レイアウトを特定するための識別情報を情報記入シートと対応づけて管理しておく必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の情報収集システムの実施の一形態を示す図であり、受講者に解答シートを配布し、この解答シートに記入された解答を光学的に読み取ることにより採点を行う通信教育システムの一例を示す。
【0017】
本形態による通信教育システムは図1に示すように、受講者に配布する情報記入シートである解答シート60を編集する解答シート編集部20と、解答シート編集部20にて編集された解答シート60を印刷する印刷手段であるプリンタ40と、プリンタ40にて印刷された解答シート60に記入された情報を光学的に読み取るスキャナ50と、スキャナ50にて読み取られた情報を用いて、解答シート60に記入された解答を収集して採点を行う解答収集管理部30とから構成されている。
【0018】
解答シート編集部20は、データ取得部21とレイアウト設定部22とを有している。
【0019】
データ取得部21は、受講者情報データベース11、問題指定情報データベース12、学習コンテンツデータベース13、解答コンテンツデータベース14及び問題−解答紐付けデータベース15からそれぞれ情報を取得する。
【0020】
レイアウト設定部22は、データ取得部21にて取得された情報を用いて解答シート60を編集し、プリンタ40に出力するとともに、編集情報をレイアウト情報データベース16に登録する。
【0021】
解答収集管理部30は、受講者情報認識部31と、ID認識部32と、情報認識手段である解答認識部33及び成績管理部34とを有している。
【0022】
受講者情報認識部31は、スキャナ50にて読み取られた情報の中から、解答シート60に印刷された受講者情報を認識する。
【0023】
ID認識部32は、スキャナ50にて読み取られた情報の中から、解答シート60に印刷された識別情報であるレイアウトIDを認識する。
【0024】
解答認識部33は、スキャナ50にて読み取られた情報の中から、ID認識部31にて認識されたレイアウトIDによって特定されるレイアウトに応じた領域に記入された解答を認識する。
【0025】
成績管理部34は、解答認識部32にて認識された解答を用いて、解答シート60に記入された解答について採点を行い、その採点結果を、受講者情報認識部31にて認識された受講者情報に対応づけて成績情報データベース17に登録する。
【0026】
以下に、上記のように構成された通信教育システムにおける処理の流れについて説明する。
【0027】
まず、解答シート編集部20にて解答シート60が編集されてプリンタ40にて印刷されるまでの処理について説明する。
【0028】
図2は、図1に示した通信教育システムにおいて解答シート編集部20にて解答シート60が編集されてプリンタ40にて印刷されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【0029】
図1に示した通信教育システムにおいて解答シート60を作製するためには、まず、解答シート編集部20にて解答シート60を編集する必要がある。解答シート編集部20においては、データ取得部21において、受講者情報データベース11、問題指定情報データベース12、学習コンテンツデータベース13、解答コンテンツデータベース14及び問題−解答紐付けデータベース15から必要となる情報がそれぞれ取得される(ステップS1)。
【0030】
図3は、図1に示した受講者情報データベース11、問題指定情報データベース12、学習コンテンツデータベース13、解答コンテンツデータベース14及び問題−解答紐付けデータベース15の構造を示す図であり、(a)は受講者情報データベース11の構造を示す図、(b)は問題指定情報データベース12の構造を示す図、(c)は学習コンテンツデータベース13の構造を示す図、(d)は解答コンテンツデータベース14の構造を示す図、(e)は問題−解答紐付けデータベース15の構造を示す図である。
【0031】
図1に示した受講者情報データベース11には図3(a)に示すように、受講者の氏名や住所、学年といった受講者の属性情報と、受講している科目数となる取得単位、教材を最後に発送した日時等の送付情報が、受講者毎に受講者IDと対応づけて登録されている。
【0032】
また、図1に示した問題指定情報データベース12には図3(b)に示すように、受講者毎に、さらにその受講者の受講している科目毎に、受講者に学習させる問題が設定され、その問題を識別可能な問題IDが受講者の科目毎に対応づけて登録されている。この問題の設定は、受講者の学習レベルや進捗状況に応じて受講者毎に行われており、それにより、受講者の学習レベルや進捗状況が異なる場合、学習させる問題も異なるものとなっている。
【0033】
また、図1に示した学習コンテンツデータベース13には図3(c)に示すように、受講者に学習させる問題とその正解が問題IDと対応づけて登録されている。
【0034】
また、図1に示した解答コンテンツデータベース14には図3(d)に示すように、解答シート60に印刷される解答記入領域のレイアウトを示す個別レイアウト情報である解答レイアウト情報のそれぞれに解答レイアウトIDが付与されて登録されている。この解答レイアウト情報は、1つの問題についての解答記入領域単体のレイアウトを示すものであり、例えば、解答が複数の選択肢の中から1つを選択するものである場合、その数のマーク記入領域がレイアウトされていることを示し、また、解答が所定数の文字を記入するものである場合、その数の文字を記入するための記入枠がレイアウトされていることを示している。
【0035】
また、図1に示した問題−解答紐付けデータベース15には、受講者に学習させる問題のそれぞれについて、その解答を記入するための解答記入領域のレイアウトが設定されており、図3(e)に示すように、上述した問題IDと解答レイアウトIDとが対応づけて登録されている。これにより、解答シート60に印刷される解答記入領域それぞれのレイアウトは、問題毎、すなわち解答記入領域毎に個別レイアウト情報として予め決められていることになる。
【0036】
データ取得部21にて取得された情報は、レイアウト設定部22に与えられる。
【0037】
レイアウト設定部22においては、データ取得部21から与えられた情報を用いて、解答シート60全体のレイアウトが設定される(ステップS2)。まず、問題指定情報データベース12から取得された情報を用いて、受講者が受講している科目毎に、その受講者に学習させる問題の問題IDが認識される。次に、問題−解答紐付けデータベース15から取得された情報を用いて、認識された問題IDに対応づけられた解答レイアウトIDが認識され、さらに、解答コンテンツデータベース14から取得された情報を用いて、認識された解答レイアウトIDによって特定される解答レイアウト情報が認識される。
【0038】
これにより、受講者に学習させる問題毎に、その問題の解答を記入するための解答記入領域のレイアウトが特定され、これが、受講者が学習する科目の全てにおいて行われ、その後、特定された解答記入領域のレイアウトを用いて、科目毎に解答シート60全体のレイアウトが設定され、レイアウト情報データベース16に登録される。
【0039】
図4は、図1に示したレイアウト情報データベース16の構造を示す図である。
【0040】
レイアウト設定部22においては、上述したように、受講者に学習させる科目毎に、解答シート60全体のレイアウトが設定される。そして、設定されたレイアウトには、そのレイアウトを特定可能な識別情報であるレイアウトIDが付与され、図4に示すように、解答シートの頁番号と、問題毎の解答記入領域がそれぞれ配置されるXY座標と、問題毎の解答記入領域のレイアウトを示す解答レイアウト情報と、問題毎の正解とが対応づけられ、レイアウト情報データベース16に登録される。
【0041】
これにより、解答シート60毎に、どの領域にどのようなレイアウトを有する解答記入領域がレイアウトされるかが設定され、そのレイアウトにレイアウトIDが付与されることになる。例えば、図4に示したものにおいては、解答シート60の座標領域(X1,Y1)に、5つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされ、解答シート60の座標領域(X1,Y2)に、5つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされ、解答シート60の座標領域(X1,Y3)に、3つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされ、解答シート60の座標領域(X1,Y4)に、全角で4文字の解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされ、解答シート60の座標領域(X1,Y5)に、3つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされた解答シート60がその全体のレイアウトに“L0001”というレイアウトIDが付与されて“001”頁に印刷されるものとして設定される。
【0042】
このように設定された解答シート60全体のレイアウトは、プリンタ40に出力され、プリンタ40において、レイアウト設定部22にて設定されたレイアウトに基づいて解答シート60が印刷される(ステップS3)。
【0043】
図5は、図1に示したプリンタ40から印刷される解答シートを示す図である。
【0044】
図1に示したプリンタ40から印刷される解答シートは図5(a),(b)に示すように、受講者の受講者IDと氏名が印刷された受講者情報記載領域61a,61bを有するとともに、受講者に学習させる問題毎に設けられ、レイアウト設定部22にて設定されたレイアウトに基づいて印刷された解答記入領域63a,63bを有している。また、レイアウト設定部22にて設定されたレイアウトに付与されたレイアウトID62a,62bが、二次元コードによって印刷されている。なお、受講者情報記載領域61a,61bに印刷された情報は、データ取得部21にて受講者情報データベース11から取得された情報を用いて印刷されることになる。また、図5(a)に示した解答シート60aは、図4に示したレイアウトID“L0001”によって特定されるレイアウトを有するものであって、それにより、5つの解答記入領域63aを有し、この5つの解答記入領域が、5つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための2つの領域と、3つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための2つの領域と、全角で4文字の解答を記入するための1つの領域とがレイアウトされたものとなっている。
【0045】
図5(a),(b)に示すように、受講者が解答を記入する解答記入領域63a,63bは、同じ科目であっても受講者によって互いに異なっている。これは、上述したように、受講者の学習レベルや進捗状況に応じて受講者に学習させる問題が設定され、さらに、問題毎に解答記入領域のレイアウトが異なっているためであり、この解答シート60a,60b全体における解答記入領域63a,63bのレイアウトが、解答シート60a,60bに二次元コードとして印刷されたレイアウトID62a,62bによって特定可能となっている。
【0046】
次に、図5に示したような解答シート60a,60bに受講者が解答を記入した後の処理について説明する。
【0047】
図6は、図1に示した通信教育システムにおいて図5に示したような解答シート60a,60bに受講者が解答を記入した後の処理を説明するためのフローチャートである。
【0048】
図1に示した通信教育システムにおいて図5に示したような解答シート60a,60bの解答記入領域63a,63bに受講者が解答を記入した後、スキャナ50にて、解答シート60a,60bに記入あるいは記載された情報が光学的に読み取られ、その読み取りイメージが解答収集管理部30に与えられる(ステップS11)。
【0049】
解答収集管理部30においては、まず、ID認識部32において、スキャナ50から与えられた読み取りイメージの中から、二次元コードによって表現されたレイアウトID62a,62bが認識される(ステップS12)。
【0050】
ID認識部32にて認識されたレイアウトIDは解答認識部33に通知され、解答認識部33において、レイアウト情報データベース16が参照され、ID認識部32から通知されたレイアウトIDによって特定されるレイアウトにて設定された解答記入領域63a,63b及びその配置位置が特定される(ステップS13)。具体的には、ID認識部32から通知されたレイアウトIDが、図4に示した“L0001”である場合、解答シートの座標領域(X1,Y1)に、5つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされ、解答シートの座標領域(X1,Y2)に、5つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされ、解答シートの座標領域(X1,Y3)に、3つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされ、解答シートの座標領域(X1,Y4)に、全角で4文字の解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされ、解答シートの座標領域(X1,Y5)に、3つの選択肢から1つを選択する解答を記入するための解答記入領域がレイアウトされていることが特定される。
【0051】
そして、解答認識部33において、解答シート60a,60bのうち、特定された解答記入領域63a,63bに記入された解答が認識される(ステップS14)。具体的には、ID認識部32から通知されたレイアウトIDが、図4に示した“L0001”である場合、解答シートの座標領域(X1,Y1)には5つの選択肢をマークするための5つのマーク記入領域からなる解答記入領域がレイアウトされているため、その領域においては5つのマーク記入領域を認識する処理が行われ、解答シートの座標領域(X1,Y2)には5つの選択肢をマークするための5つのマーク記入領域からなる解答記入領域がレイアウトされているため、その領域においては5つのマーク記入領域を認識する処理が行われ、解答シートの座標領域(X1,Y3)には3つの選択肢をマークするための3つのマーク記入領域からなる解答記入領域がレイアウトされているため、その領域においては3つのマーク記入領域を認識する処理が行われ、解答シートの座標領域(X1,Y4)には全角で4文字を記入するための4つの枠からなる解答記入領域がレイアウトされているため、その領域においては4つの枠に記入された文字を認識する処理が行われ、解答シートの座標領域(X1,Y5)には3つの選択肢をマークするための3つのマーク記入領域からなる解答記入領域がレイアウトされているため、その領域においては3つのマーク記入領域を認識する処理が行われることになる。なお、選択肢をマークするためのマーク記入領域どうしの間隔や、全角で4文字を記入するための枠どうしの間隔は予め決められており、解答認識部33においては、その間隔を介して所定の数のマークあるいは文字の認識が行われることになる。
【0052】
解答認識部33にて認識された解答は、その解答が認識された解答シートのレイアウトIDとともに成績管理部34に通知される。
【0053】
成績管理部34においては、レイアウト情報データベース16が参照され、解答認識部33から通知されたレイアウトIDによって特定されるレイアウトに含まれる問題の正解と、解答認識部33から通知された解答とが、その解答が記入された解答記入領域毎に照合され、採点が行われる(ステップS15)。すなわち、成績管理部34においては、解答シート60a,60bの解答記入領域63a,63bに記入された解答が、その解答記入領域63a,63bに対応する問題に対する解答であるとして認識されることになる。
【0054】
そして、採点結果は、解答シート60a,60bの受講者情報記載領域61a,61bに記載された受講者IDと対応づけて、その採点日時とともに成績情報データベース17に登録される。なお、解答シート60a,60bの受講者情報記載領域61a,61bに記載された受講者IDは、解答シート60a,60bにおける受講者情報記載領域61a,61bの配置領域が予め設定されており、スキャナ50にて読み取られた情報の中から、その領域に記載された情報が受講者IDとして認識されることになる。
【0055】
これにより、解答シート60a,60bの解答記入領域63a,63bに記入された解答が採点され、採点結果が成績情報データベース17に登録されることになる。
【0056】
このように本形態においては、受講者に学習させる問題に応じて解答記入領域のレイアウトが設定された解答シートが印刷されるので、受講者毎に学習させる問題が異なる場合であっても、受講者に応じたレイアウトで解答記入領域が印刷されていることとなり、受講者にとって解答シートへの解答の記入がわかりにくくなることがない。そして、解答シートの解答記入領域に記入された情報が読み取られた後、解答シートから読み取られることにより指定されたレイアウトIDによって特定されるレイアウトにて設定された解答記入領域に記入された解答が、その解答が記入された解答記入領域に対応する問題の解答として認識されるので、受講者に応じたレイアウトで解答記入領域が印刷されていても、受講者に応じた解答を確実に認識することができる。
【0057】
なお、本形態においては、解答シート全体のレイアウトを特定可能なレイアウトIDが解答シートに二次元コードとして印刷されており、解答シートから読み取られた情報の中からこのレイアウトIDが認識されることにより、解答シートのレイアウトが特定されているが、レイアウトIDをそのレイアウトIDによって特定されるレイアウトで解答記入領域が印刷された解答シートと対応づけて管理しておき、解答シートの解答記入領域に記入された解答を認識する際に、その解答シートのレイアウトを特定可能なレイアウトIDを外部から指定することも考えられる。ただし、本形態のように、レイアウトIDを解答シートに二次元コードとして印刷しておき、このレイアウトIDを認識することにより解答シートのレイアウトを特定するものであれば、レイアウトIDを解答シートと対応づけて管理しておく必要がなくなる。
【0058】
また、本形態においては、情報収集システムとして、受講者に解答シートを配布し、この解答シートに記入された解答を光学的に読み取ることにより解答を収集して採点を行う通信教育システムを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、アンケート対象者に、アンケート対象者の性別や年齢、住所等によって異なる質問に対する回答を記入するための回答シートを配布し、この回答シートに記入されたアンケートに対する回答を光学的に読み取ることにより回答を収集するもの等、対象者毎に異なる種類の情報を収集するものであれば、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の情報収集システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した通信教育システムにおいて解答シート編集部にて解答シートが編集されてプリンタにて印刷されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示した受講者情報データベース、問題指定情報データベース、学習コンテンツデータベース、解答コンテンツデータベース及び問題−解答紐付けデータベースの構造を示す図であり、(a)は受講者情報データベースの構造を示す図、(b)は問題指定情報データベースの構造を示す図、(c)は学習コンテンツデータベースの構造を示す図、(d)は解答コンテンツデータベースの構造を示す図、(e)は問題−解答紐付けデータベースの構造を示す図である。
【図4】図1に示したレイアウト情報データベースの構造を示す図である。
【図5】図1に示したプリンタから印刷される解答シートを示す図である。
【図6】図1に示した通信教育システムにおいて図5に示したような解答シートに受講者が解答を記入した後の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
11 受講者情報データベース
12 問題指定情報データベース
13 学習コンテンツデータベース
14 解答コンテンツデータベース
15 問題−解答紐付けデータベース
16 レイアウト情報データベース
17 成績情報データベース
20 解答シート編集部
21 データ取得部
22 レイアウト設定部
30 解答収集管理部
31 受講者情報認識部
32 ID認識部
33 解答認識部
34 成績管理部
40 プリンタ
50 スキャナ
60,60a,60b 解答シート
61a,61b 受講者情報記載領域
62a,62b レイアウトID
63a,63b 解答記入領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収集する情報の種類毎に当該情報を記入するための情報記入領域が設けられた情報記入シートを用い、前記情報記入領域に記入された情報を読み取ることにより情報を収集する情報収集システムであって、
前記情報記入領域単体のレイアウトは、当該情報記入領域毎に個別レイアウト情報として予め決められており、
前記情報記入シート全体における前記情報記入領域のレイアウトを、収集する情報の種類に応じて前記個別レイアウト情報を用いて設定するレイアウト設定手段と、
前記レイアウト設定手段にて設定されたレイアウトに基づいて前記情報記入シートに前記情報記入領域を印刷する印刷手段と、
前記レイアウトを特定可能な識別情報が指定された場合、前記情報記入シートから読み取られた情報の中から、当該識別情報によって特定されるレイアウトにて設定された情報記入領域に記入された情報を、該情報が記入された情報記入領域に対応する種類の情報として認識する情報認識手段とを有する情報収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報収集システムにおいて、
前記印刷手段は、前記識別情報を前記情報記入シートに印刷し、
前記情報記入シートから読み取られた情報の中から前記識別情報を認識するID認識手段を有し、
前記情報認識手段は、前記ID認識手段にて認識された識別情報によって特定されるレイアウトにて設定された情報記入領域に記入された情報を認識する情報収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−86244(P2010−86244A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253985(P2008−253985)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】