説明

情報媒体

【課題】ICチップを内蔵する情報媒体において、この情報媒体に衝撃が加えられた場合にも、ICチップの物理的破壊や接続部分の破損が起こらず、その機能が破壊し難い情報媒体を提供する。
【解決手段】モジュール用基板上に固定されたICチップを含み封止材料で封止して構成されたICモジュールを、第1の表面シートと第2の表面シートとの間に挟んで構成される情報媒体であって、モジュール用基板または封止材料に当接する第1の表面シートまたは/および第2の表面シートに、紫外線硬化型インキから成り、モジュール用基板または/および封止材料との接着を防止する衝撃緩和層を設ける。衝撃緩和層がモジュール用基板または/および封止材料との剥離性に優れており、衝撃応力を吸収する。また、厳密な意味で垂直に衝撃が加わることは稀であるから、衝撃によって両者の間で横方向に位置ずれが生じて、衝撃応力を分散する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はICチップを内蔵する携帯可能な情報媒体に関するものである。このような情報媒体としては、例えば、ICカードが知られている。そして、本発明は、衝撃によるICチップの機能破壊を防止することのできる情報媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、普及しつつあるICカードは、マイクロコンピュータとメモリを内蔵したICチップを用いて、その高いデータ処理能力やメモリ容量の大きさから、データ記憶媒体や情報処理媒体として、ID認証、金融、交通、輸送、情報セキュリティの各分野で広く利用されてきている。
【0003】
ところで、このような情報媒体に外部から応力が加えられる場合、例えば、カードを使用中に曲げたり、ひねられたりされるなど、また衝撃が与えられたような場合に、カードに加わった応力が直接ICモジュール、とくにICチップやその電気的な接続部分に伝わるため、ICチップの物理的破壊や接続部分の破損が起こることがあり、情報媒体としての信頼性の低下があった。
【0004】
外部応力による機能破壊を防止するため、例えば、特許文献1には、外部応力を分散してICチップに伝え難くしたICカードが提案されている。このICカードは、コイル又はアンテナとこれに接続された集積回路を基板上に接着してなるICモジュール、或いはコイル又はアンテナとこれに接続された集積回路を有するインレットを樹脂に埋め込んでシート状に成形し、このシートを表裏のシートに挟んでICカードとしたものであり、前記ICモジュール或いは前記インレットとこれを埋め込む前記樹脂との間の接着強度を小さくしたものとしている。そして、このICカードによれば、ICカードに曲げ応力が加えられた場合、前記ICモジュール又は前記インレットと前記樹脂との間でずれが生じてこの曲げ応力を分散し、ICチップの物理的破壊や接続部分の破損を防止する。
【0005】
このように、特許文献1に記載のICカードは優れた曲げ耐性を有しており、カードが曲げられたり、ひねられたりしても、その機能破壊が生じ難い。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のICカードにおいても、このICカードに局所的に衝撃が加えられた場合、この衝撃を分散することはできず、ICチップの物理的破壊や接続部分の破損が起こることがあった。
【0007】
また、特許文献2に記載のICカードは、ICモジュールを表裏のシートに挟んでICカードとするに際して、ICチップをICカードの厚みの45%の範囲内に配置すると共に、ICチップと前記表裏のシートの間に非接着部を設けたものである。そして、このICカードにおいても、ICカードが撓んだ場合、前記非接着部において位置ずれによる応力の分散を図ることができ、ICチップの物理的破壊や接続部分の破損を防止することができるのである。しかしながら、このICカードにおいても、局所的衝撃が加えられた場合には、この衝撃を分散することができず、ICチップの物理的破壊や接続部分の破損が起こることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−345299号公報
【特許文献2】特開2005−276067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、ICチップを内蔵する情報媒体において、この情報媒体に衝撃が加えられた場合にも、ICチップの物理的破壊や接続部分の破損が起こらず、その機能破壊し難い情報媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板上に固定されたICチップを少なくとも含み封止材料で封止して構成されたICモジュールを、第1の表面シートと第2の表面シートとの間に挟んで構成される情報媒体であって、
少なくとも前記基板または前記封止材料に当接する第1の表面シートまたは/および第2の表面シートに、前記基板または/および前記封止材料との接着を防止する衝撃緩和層を備えることを特徴とする情報媒体である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記衝撃緩和層が紫外線硬化型インキから成ることを特徴とする請求項1に記載の情報媒体である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記衝撃緩和層が、約0.1μm〜約3μmの厚みを有することを特徴とする請求項1〜2に記載の情報媒体である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜2に記載の情報媒体において、前記紫外線硬化型インキがアクリレート系の光硬化性樹脂を成分とすることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、紫外線硬化型インキは架橋密度が高くインキ表面の滑り性が優れており、この滑り性により衝撃が加わった際に、厳密な意味で垂直に衝撃が加わることは稀であるから、前記モジュール用基板および前記封止材料との間で横方向に位置ずれが生じて、その衝撃力を分散すことができる。また、同様に剥離性にも優れているので紫外線硬化型インキと前記モジュール用基板および前記封止材料の間に非接着空間が形成され、衝撃が加わった際に、この非接着空間がもたらすダンパー効果によって衝撃力を軽減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、情報媒体に衝撃が加えられた場合にも、ICチップの物理的破壊や接続部分の破損が生じ難く、その機能破壊を防止できる。そして、このため、情報媒体としての信頼性を一層高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例に係る情報媒体の構造を示す分解斜視図
【図2】本発明の実施例に係る情報媒体の要部断面図
【図3】本発明の実施例に係るアンテナシートの形状を示す平面図
【図4】本発明の実施例に係る情報媒体の試験方法を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る情報媒体の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
ICモジュールは、電気回路を形成したモジュール用基板と、このモジュール用基板上に固定されたICチップと、このICチップを封止する封止樹脂で構成されたものである。更に基材シート上にアンテナコイルを形成したアンテナ基板を使用し、このアンテナ基板のアンテナコイルに前記ICモジュールを接続する。ここで、アンテナ基板にICチップを固定し、このICチップを封止樹脂で封止したもの、さらに、ICチップを補強板と共に封止樹脂で封止したものも本発明に含まれる。本明細書においては、アンテナコイルとICモジュールを電気的に接続したもの、および、アンテナ基板上のアンテナコイルとICチップを電気的に接続したものをインレットと呼んでいる。なお、アンテナコイルとしては、基材シートに貼り合わせた金属箔をエッチングしてコイル状にパターニングしたエッチングアンテナ、金属線をコイル状に整形し固着したものや基材シートに固定した巻線アンテナ、あるいは導電性インキをコイル状に基材シートに印刷した印刷アンテナが利用できる。
【0019】
前記ICモジュールをアンテナコイルに接続したアンテナ基板を使用する場合には、このアンテナ基板に、ICモジュールの封止樹脂部に対応する貫通孔を設け、この貫通孔の内部に前記封止樹脂部が位置するようにICモジュールとアンテナ基板と接続することが望ましい。ICモジュールとアンテナ基板との接続は、例えば、半田により、前記モジュール用基板の電気回路とアンテナ基板のアンテナコイルとを接続することによって可能である。
【0020】
また、インレットを前記2枚のシートで挟んで一体化する際には、少なくとも2枚のコアシートを利用することが望ましい。このコアシートのうち一方のシートにICモジュールの前記モジュール用基板に対応した貫通孔を設け、この貫通孔の内部に前記モジュール用基板を位置させる。この前記モジュール用基板に対応した貫通孔を有するコアシートを、以下、第1のコアシートと呼ぶ。
【0021】
また、前記2枚のコアシートのうち他方のシートにICモジュールの前記封止樹脂部を位置させる。この前記封止樹脂部に対応した貫通孔を有するコアシートを、以下、第2のコアシートと呼ぶ。
【0022】
すなわち、第1のコアシートと第2のコアシートの間にインレットを配置し、前記モジュール用基板を第1のコアシートの貫通孔に挿入し、他方、前記封止樹脂部を第2のコアシートの貫通孔に挿入するように配置する。このとき、第1のコアシートと第2のコアシートの間には、アンテナ基板の周辺部が挟まれることになる。
【0023】
また、アンテナ基板にICチップを固定し、このICチップを封止樹脂で封止したもの、さらに、ICチップを補強板と共に封止樹脂で封止したものを使用する場合は、その封止形状に応じて貫通孔を設ければよい。 なお、前記第1のコアシート、第2のコアシート及びアンテナ基板の合計厚みが、前記モジュール用基板の厚みと封止樹脂部の高さの合計にほぼ等しいことが望ましい。その差はせいぜい200μmである。その差が200μm以下の場合、熱プレスによって樹脂が軟化して平滑化し、得られる情報媒体の厚みを均一にすることができる。
【0024】
また、第1のコアシートの厚みが前記モジュール用基板の厚みと封止樹脂部の高さの合計の1/2に等しく、第2のコアシートの厚みも前記モジュール用基板の厚みと封止樹脂部の高さの合計の1/2に等しいことが望ましい。すなわち、第1のコアシートの厚みと第2のコアシートの厚みは等しい厚みである。
【0025】
そして、インレットを挟んだ第1のコアシートと第2のコアシートの上下に、情報媒体の両面を構成する2枚のシートを配置し、熱プレスすることによって一体化して情報媒体を製造することができる。なお、情報媒体の両面を構成する2枚のシートのうち、第1のコアシート側に配置されるシートを第1の表面シートと呼び、第2のコアシート側に配置されるシートを第2の表面シートと呼ぶと、前記モジュール用基板は、第1のコアシートの貫通孔を通して第1の表面シートに対向する。また、前記封止樹脂部は、第2のコアシ
ートの貫通孔を通して第2の表面シートに対向する。
【0026】
そして、第1の表面シートの前記モジュール用基板が当接する部位には、紫外線硬化型インクから成る衝撃緩和層が設けられている必要がある。この前記衝撃緩和層は、第1の表面シートと前記モジュール用基板との接着を防止して非接着空間を形成し、情報媒体に衝撃が加えられた際に、衝撃力をダンパー効果により吸収する。また、加わった衝撃によって前記モジュール用基板と前記衝撃緩和層との間で横方向に位置ずれが生じさせて、その衝撃力を分散する。
【0027】
なお、前記モジュール用基板は、その全面に渡って第1の表面シートと接着していないことが望ましい。前記モジュール用基板の一部が第1の表面シートに接着していると、情報媒体に衝撃が加えられた際に横方向への位置ずれが生じ難いからである。このため、衝撃緩和層は、前記モジュール用基板の全面に当接する大きさと形状とを有することが望ましい。なお、衝撃緩和層は、モジュール用基板と第1の表面シートとの接着を防止する層であるから、この両者の間に他の層を介在させることなく、直接対面させることが必要である。
【0028】
次に、情報媒体の両面を構成する第1の表面シート及び第2の表面シートとしては、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートが使用できる。また、非結晶性ポリエステル(例えば、イーストマン・ケミカル社製のEastsr PET−G:テレフタル酸、グリコール、1,4シクロヘキサンジメタノール共重合体)を使用することも可能である。
【0029】
また、第1のコアシート及び第2のコアシートは、第1の表面シート及び第2の表面シートと熱融着する材質であることが好ましい。第1のコアシート及び第2のコアシートと第1の表面シート及び第2の表面シートとを接着剤を使用して接着する場合は、衝撃緩和層の部分をマスキングすればよい。また、好ましくは第1の表面シート及び第2の表面シートと同種の材質である。
【0030】
衝撃緩和層は公知の紫外線硬化型インキが使用できる。紫外線硬化型インキは、アクリレート系やメタクリレート系などの光重合成樹脂より成り、メタクリレート系に比べ硬化速度が速い点でアクリレート系が好適である。これらの光重合成樹脂は、ベース樹脂としてエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどの変性アクリレート、および反応性希釈剤としてのアクリレートモノマー、およびベンゾフェノン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系などの光重合開始剤、および着色剤としての顔料や光重合開始剤の開始反応を促進させる増感剤、暗反応を抑制させる重合禁止剤などの添加剤から構成される。この様に紫外線硬化型インキは、溶剤を含まず重合反応により短時間で3次元的網目構造の硬化皮膜を形成するので架橋密度は高く膜は硬くなり高い滑り性や剥離性を持つ表面状態を形成できるので好適な材料と言える。
また、紫外線硬化型インキは、紫外線エネルギーにより短時間に重合反応を開始、完了させるので熱硬化型インキに比べ熱に弱い樹脂への適用には好適な材料である。
【0031】
前記表面シートへの前記衝撃緩和層の印刷は、スクリーン印刷、オフセット印刷などの公知の印刷手法を適宜用いればよい。また、前記衝撃緩和層の厚みは、紫外線の透過に対する厚みの影響を考慮し確実に重合反応を完了させ架橋密度を高くし高い滑り性や剥離性を持つ表面状態にするために概ね0.1μm〜3μmの印刷厚みが適当である。さらに、同様の理由により紫外線の透過を阻害する着色剤としての顔料は含まない方が好適である。
これら紫外線硬化型インキにシリコーン樹脂を添加して印刷形成することも可能である。シリコーン樹脂を添加するとインキの硬化に伴いシリコーン樹脂が表層に浮き出て、更に剥離性を高める効果がある。そして、波長320〜400mmの紫外線を照射して硬化さ
せることで衝撃緩和層を形成することができる。
【0032】
次に、モジュール用基板としてはガラスエポキシ基板に電気回路を形成したプリント基板が使用できる。ICチップを封止する封止樹脂としては、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などが使用できる。第2の表面シートに接着しない樹脂としてシリコーン樹脂が好ましく使用できる。 また、アンテナ基板としては、ポリイミド樹脂基材、ポリエチレンナフタレート基材やポリエチレンテレフタレート基材にアンテナコイルを形成したものが使用できる。
【実施例】
【0033】
次に、図面を参照して、本発明の実施例及び比較例と、その試験内容について説明する。
【0034】
(実施例)
本発明の実施例に係る情報媒体は、図1の分解斜視図に示すものである。また、その要部断面図を図2に示す。
【0035】
縦11.9mm、横12.9mm、厚み0.11mmのモジュール用基板にICチップが搭載され、縦9.1mm、横9.1mm、高さ0.35mmの大きさでモールド樹脂により封止され、且つ、前記ガラスエポキシ基板上に延長された接合パッドを持つICモジュール1を用いた情報媒体について説明する。
【0036】
まず、図3に示すように厚さ50μmのPETシート上に厚さ35μmの銅箔を貼り合わせた後、この銅箔をエッチングによりパターニングして形成したコイルアンテナ14を設けたアンテナシート2に前記コイルアンテナ14の内側に前記ICモジュールのモールド樹脂部を挿入できるような貫通孔3および嵌合穴4を配設する。
【0037】
次に、前記ICモジュール1のモールド樹脂部を前記貫通孔3に挿入するように前記アンテナシート2を配設し、前記コイルアンテナ14と前記ICモジュール1の接合パッドとを鉛フリー半田13で接合してインレット15を形成した。
【0038】
次に、縦12.5、横13.5mm、厚さ0.125mmのPET−Gシート9に、前記モジュール用基板が対向する位置にアクリル系紫外線硬化型オフセットインキを縦12.3mm、横13.3mmで厚さ1μmで印刷し、350nmの紫外線を照射して衝撃緩和層10を形成する。
【0039】
次に図示しない非接触ICシート形成装置のステージ上に前記衝撃緩和層10が上面に来るよう前記PET−Gシート9を配設する。
【0040】
次に前記PET−Gシート9上に前記ICモジュール1の前記モジュール用基板より僅かに大きな縦12.3mm、横13.3mmの嵌合穴6を形成した縦12.5mm、横13.5mmの耐熱PET−Gシート5を配設する。前記嵌合穴6を前記モジュール用基板より僅かに大きくすることは前記ICモジュール1の寸法誤差を丸めるだけでなく、前記ICモジュール1が前記耐熱PET−Gシート5上に乗り上げることを防止できるため、平面平滑性の向上に対して特に好ましい。
【0041】
次に、前記耐熱PET−Gシート5の前記貫通穴6に前記ICモジュール1の前記モジュール用基板が嵌合するよう前記インレット15を配設し、前記モールド樹脂部よりわずかに大きな縦9.7mm、横9.7mmの嵌合穴8が形成された耐熱PET−Gシート7を前記モールド樹脂部に嵌合する前記嵌合穴8が前記ICモジュール1の樹脂封止部に嵌合するように重ね合わせる。
【0042】
次に前記耐熱PET−Gシート5に前記衝撃緩和層が前記ICモジュール1の前記モジュール基板に対向するよう前記PET−Gシート9を配設し、さらに前記ICモジュールの前記モールド側に縦12.5mm、横13.5mm、厚さ0.125mmのPET−Gシート11を配設し、熱プレスして一体化し、図示しない抜き加工機により整形することで、情報媒体16を製造した。前記耐熱PET−Gシート5、7と前記PET−Gシート9、11を前記インレットを中心として厚み、構成をほぼ対称とすることは前記情報媒体16の反りを防止するのに特に好ましい。
【0043】
(比較例)
前記衝撃緩和層を設けていないPET−Gシートを使用した他は、実施例と同様の方法で情報媒体20を製造した。
【0044】
(衝撃試験)
実施例及び比較例の情報媒体について、その衝撃耐性を評価するため、図4に示す装置を用いて衝撃試験を行った。
【0045】
まず、受け台17の上に前記情報媒体16を載置し、その前記ICモジュール1の部位に先端形状が半径0.5mmの円形で、その重さは50gの金属圧子18を配置し、この前記金属圧子18上に重さ40gの錘19を高さ35mmの位置落下させる試験を前記情報媒体16の通信機能に異状がないかどうかを確認する。
【0046】
この試験を、前記衝撃緩和層10がある情報媒体16および情報媒体20について、各18個ずつ衝撃試験を行い、通信異状の有無を確認し、両者の通信異常発生数量を比較した。
【0047】
この結果、前記衝撃緩和層が配設された前記情報媒体16では、通信異状の生じた情報媒体が2個(11.1%)、前記情報媒体18では、通信異状の生じた情報媒体が6個(33.3%)であった。
【0048】
実施例の情報媒体と比較例の情報媒体の相違は衝撃緩和層の有無だけであるから、衝撃緩和層の有無によって衝撃緩和されていることが確認できた。
【符号の説明】
【0049】
1 ICモジュール
2 アンテナシート
3 貫通孔
4 嵌会穴
5 PET−Gシート
6 嵌会穴
7 PET−Gシート
8 嵌会穴
9 PET−Gシート
10 衝撃緩和層
11 PET−Gシート
14 コイルアンテナ
13 鉛フリー半田
15 インレット
17 受け台
18 金属圧子
19 錘

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に固定されたICチップを少なくとも含み封止材料で封止して構成されたICモジュールを、第1の表面シートと第2の表面シートとの間に挟んで構成される情報媒体であって、
少なくとも前記基板または前記封止材料に当接する第1の表面シートまたは/および第2の表面シートに、前記基板または/および前記封止材料との接着を防止する衝撃緩和層を備えることを特徴とする情報媒体。
【請求項2】
前記衝撃緩和層が紫外線硬化型インキから成ることを特徴とする請求項1に記載の情報媒体。
【請求項3】
前記衝撃緩和層が、約0.1μm〜約3μmの厚みを有することを特徴とする請求項1〜2に記載の情報媒体。
【請求項4】
前記紫外線硬化型インキが、アクリレート系の光硬化性樹脂を成分とすることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の情報媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−100180(P2011−100180A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252671(P2009−252671)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】